説明

センサネットワークにおける時間同期に関する方法及びシステム

ネットワークノード同期方法及びシステムにおいて、第1のタイムスタンプTSAは、ちょうどデータパケットDPを第2のネットワーク・ノードシステムBに発信する前に第1のネットワーク・ノードシステムAでキャプチャされ、及び前記データパケットDPに組み込まれる。データパケットDPに含まれるデータの制御ブロックSFDを受信すると、第2のネットワーク・ノードシステムBは、第2のタイムスタンプTSBをキャプチャする。第1のタイムスタンプTSA及び第2のタイムスタンプTSBをキャプチャする間の遅延は、多数の決定的な遅延及び伝搬時間PTを有する。決定的な遅延を除去すると、伝搬時間PTによる小さな同期エラーだけが残る。伝搬時間PTが非常に小さくなることができるので、同期は非常に正確に実行されることができる。更に、任意のデータパケットDPを使用して同期が実行されることができるので、本発明は、任意の種類のネットワークシステム及びネットワークプロトコルにおいて使用されることができる。更に、本発明による方法はごくわずかなオーバヘッドしか使用しない。これにより、低エネルギー用途に非常に適している。例えば無線センサネットワークに適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にセンサネットワークといった、コンピュータネットワークにおける時間同期のための方法及びこの方法に用いられるシステムに関する。より詳細には、本発明は、無線センサネットワークにおける時間同期に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータネットワークにおいて、特にセンサネットワークにおいて、ネットワーク・ノードシステムは、時間点に関するデータを交換することができる。例えば、ある現象についての複数の測定が、多数のセンサにより感知されることができ、及び対応する信号が、例えば適切なコンピューターシステムといった単一のネットワーク・ノードシステムへ転送されることができる。信号を相関させるため、信号が生成される物理的時間が重要な場合がある。例えば、医療システムは、2つの別々のセンサを使用して患者の鼓動及び血圧を監視することができ、結果として生じる心拍動測定信号及び結果として生じる血圧信号をコンピューターシステムで収集することができる。結果として生じる2つの信号を検査するとき、鼓動信号及び血圧信号は互いに関係づけられ、及び互いに関して検査されるべきである。センサが同期されない場合、結果として生じる2つの信号は、互いに時間がずれた状態で現れる場合がある。
【0003】
更に、時間同期は、ネットワーク管理作業に使用されることができる。例えば、時分割多元接続方式(TDMA)ネットワークにおいて、ネットワークノードの各々の同期起動は、ネットワーク管理効率を上昇させることができ、及びこのことによりネットワークノードの消費電力を減らすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、例えばネットワークタイムプロトコル(NTP)といった多数の同期方法及びプロトコルが知られている。しかしながら、一般のコンピュータネットワーク同期方法は、センサネットワークに対しては適切でない場合がある。従来技術において、参照ブロードキャスト同期(RBS)、センサネットワークのための時間同期プロトコル(TPSN)、氾濫型(flooding)時間同期プロトコル(FTSP)等多数のセンサネットワーク同期プロトコルが知られている。異なる方法又はプロトコルが、特定の用途に対して特に適している場合もある。例えば、あるものは高い精度の同期に適しており、他のものは、エネルギー効率の良い用途、即ち限られた電力源を持つセンサに対して適している場合がある。後者は、特に無線センサネットワークに関係する。センサネットワーク時間同期に関する更なる詳細に関しては、Kay Romerらによる「Time Synchronization and Calibration in Wireless Sensor Networks」、Ivan Stojmenovic (Ed.), Handbook of Sensor Networks、Algorithms and Architectures、 John Wiley & Sons、 ISBN 0-471-68472-4、 pp. 199-237, 2005 9月を参照されたい。
【0005】
本発明の目的は、高精度を持ち、かつ電力効率のよい無線センサネットワークにおける時間同期のための方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1及び8に基づく方法及び請求項9及び10に基づくシステムにより、上記目的が実現される。
【0007】
本発明によれば、例えばヘッダといった制御ブロック及びデータを有するデータブロックを有するデータパケットを生成することにより、ネットワークを介して通信されるデータが準備される。このデータパケットは、トランシーバに提供される。その後、ネットワークアクセス制御要素は、例えばバックオフ期間といったネットワークアクセス期間の間、ネットワーク媒体アクセスを待つ。ネットワークアクセス期間の持続時間は、使用されるプロトコル及びネットワーク負荷に基づき変化することができる。ネットワークアクセス期間が終わるとき、第1のネットワーク・ノードシステムから第1のノードタイムスタンプがキャプチャされ、及びデータパケットに組み込まれる。その後、このデータパケットは送信される。こうして、このタイムスタンプはできるだけ近い通信時間を表し、ネットワークアクセス期間から生じる不正確さが除去される。上記の方法ステップが通常、いわゆるMAC層において実行されることに留意されたい。このMAC層は、ネットワーク管理ソフトウェアの一部である。特に、このMAC層は、当業者により知られるOSIモデルのデータリンク層を形成する2つのサブレイヤのうちの1つである。MAC層は、媒体を通る共有チャネルを介して、第1のネットワークノードのネットワークインタフェースカードと別のネットワークノードの別のネットワークインタフェースカードとの間でデータパケットを移動させることに責任を負う。
【0008】
本発明による方法において、ネットワークアクセス期間の後のタイムスタンピングにより高精度が得られ、及び送信される各すべてのデータパケットとの時間同期を可能にすることにより通信オーバヘッドを最小化することで、エネルギー効率性が得られる。本発明による方法は、さまざまなネットワークシステム及び構造において使用されることができる。なぜなら、構造、トポロジ及びプロトコルに関する仮定は何らなされないからである。専用の同期メッセージが送信されることができるが、本方法において必須ではない。当業者にとって明らかであるように、この方法はブロードキャスト及びユニキャストネットワークにおいて使用されることができる。
【0009】
データパケットを受信する第2のネットワーク・ノードシステムは、データパケットの所定の部分を受信すると、第2のノードタイムスタンプをキャプチャすることができる。このデータパケットは、上記の方法に基づき送信される。その後、第2のノードシステムは第1のノードタイムスタンプと第2のノードタイムスタンプとを比較し、及び、通信において発生した任意の決定的な遅延を考慮して、第1のネットワーク・ノードシステムと第2のネットワーク・ノードシステムとの間の時間差を決定することができる。キャプチャと実際の通信との間の遅延が決定的であるように、第1のノードタイムスタンプがキャプチャされるので、第1のネットワーク・ノードシステムで生じる遅延が除去されることができる。結果的に、図面に関して以下に説明されるように、未知の伝搬遅延だけが残る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】データパケットの送信及び受信の間のネットワーク通信遅延を示すタイミングダイアグラムを示す図である。
【図2】本発明による方法の実施形態を示すダイアグラムを示す図である。
【図3】本発明による方法における同期エラーの測定結果を示すタイミングダイアグラムを示す図である。
【図4】本発明によるシステムの実施形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明は、添付された図面に図示されるように非限定的な実施形態を参照して説明される。
【0012】
図1は、第1のネットワーク・ノードシステムAから第2のネットワーク・ノードシステムB(水平に分離された)までデータパケットDPABを送るときに生じる総遅延時間TdTのモデルを示す。垂直軸には、時間が表される。
【0013】
で、データパケットDPABが、通信のために準備される。データパケットDPABは、第1のネットワーク・ノードシステムAで構築されることになる。その構築は、第1のネットワーク・ノードシステムAのオペレーティングシステムにより導かれるカーネルプロトコル処理及び他の可変遅延を有することができる。データパケットDPABを第1のネットワーク・ノードシステムAのネットワークインタフェースへ転送するのに、追加的な時間が必要とされる。ネットワークインタフェースの構築及び転送に必要とされる時間は、以下共通して送信時間ST(t−t)と表される。
【0014】
で、データパケットDPABが準備され、有線又は無線によって送信されるのをネットワークインタフェースで待つ。送信される前に、ネットワーク媒体チャネルが利用可能であることが必要とされる。即ち使用中でないことを要する。使用されるネットワークプロトコル、特に使用される媒体アクセス制御(MAC)プロトコルに応じて、データパケットDPABがネットワーク媒体を介して送信されることができる前、アクセス時間AT(t−t)が経過される必要がある。例えば、コンテンションベースのMAC(例えばイーサネット(登録商標))は、送信前にチャネルがクリアとなるのを待たなければならず、衝突の場合再送信しなければならない。データが送信されることができる前に、IEEE802.11ネットワークにおけるような無線RTS/CTSスキームは、制御パケットの交換を必要とする。TDMAチャネルは、送信の前に送信側がそのスロット分待つことを必要とする。
【0015】
一旦送信されると、t2で、データパケットDPABはネットワーク媒体を通り伝搬し、伝播時間PT(t−t)を導く。送信側の第1のネットワークシステムA及び受信側の第2のネットワークシステムBが同じ物理媒体(例えば、アドホック無線又は有線LAN上の隣)へのアクセスを共有するとき、伝搬時間PTは非常に小さくなることができる。なぜなら、伝搬時間は、単にデータパケットの物理伝搬時間になるからである。対照的に、広域ネットワークにおいては、伝搬時間PTは、各ルーターでのキューイング及びスイッチング遅延を含む。なぜなら、データパケットDPABがネットワークを通り移動するからである。
【0016】
その後tで、データパケットDPABは、ネットワークインタフェースの処理のため受信時間RT(t−t)かかり、第2のネットワーク・ノードシステムBで受信される。こうして、データパケットDPABは総遅延時間TdTの後第2のネットワーク・ノードシステムBで受信される。この総遅延時間TdTは、送信時間ST、アクセス時間AT、伝搬時間PT及び受信時間RTを含む。
【0017】
上述の遅延時間ST、AT、PT、RTが各々、可変長を持ち、及びデータパケットDPABの送信前又は受信後では算出されることができない。結果的に、従来技術のプロトコルに基づき、従来技術のタイムスタンプTSAPAがtで第1のネットワーク・ノードシステムAでキャプチャされる場合、従来技術のタイムスタンプTSAPAが、tで第2のネットワーク・ノードシステムBで受信される。従来技術のタイムスタンプTSAPAが2つのネットワーク・ノードシステムA、Bのクロックを同期させるために使用される場合、総遅延時間TdTに対応する同期エラーが生じる。
【0018】
本発明による方法では、タイムスタンプTSAが、tでなく実際の通信のすぐ前のtでキャプチャされる。これにより、未知の送信時間ST及び未知のアクセス時間ATが除去される。以下、本発明が、図2を参照して更に説明される。
【0019】
図2は、本発明による方法の実施形態を説明するダイアグラムを示す。垂直に、第1のネットワーク・ノードシステムAに関する第1のダイアグラム及び第2のネットワーク・ノードシステムBに関する第2のダイアグラムが、分離される。以下説明されるように、第1及び第2のダイアグラムは、伝搬時間PTに基づき、互いに対して水平にシフトされる。
【0020】
第1のネットワーク・ノードシステムAは、第2のネットワーク・ノードシステムBにデータを送る。同時に、第1のネットワーク・ノードシステムA及び第2のネットワーク・ノードシステムBのクロックが、同期化されることになる。データは、プリアンブルPA、フレーム開始デリミタSFD及びデータブロックDBを有するデータパケットDPに含まれる。プリアンブルPA及びフレーム開始デリミタSFDは、ネットワークコントロールデータ(オーバヘッドデータ)有する制御ブロックと考えられる。斯かるデータパケットDPは、従来技術に基づかれる。特に、フレーム開始デリミタSFDは、データブロックが始まることを示し、及び各データパケットに対して同じ値を持つ。
【0021】
クリアチャネル評価CCAを実行する直前に、第1のネットワーク・ノードシステムAは、第1のタイムスタンプTSAをキャプチャし、データパケットDPに第1のタイムスタンプTSAを組み込む。クリアチャネル評価CCAは、アクセス時間(図1:AT)の終わりに実行される。その後、ネットワーク媒体チャネルが利用できると仮定すると、第1のタイムスタンプTSAを含むデータパケットDPが送信される。伝搬時間PTの後、データパケットDPは、第2のネットワーク・ノードシステムBで受信される。これは、図2において、第1のネットワーク・ノードシステムAに関する第1のダイアグラムに対して、第2のネットワーク・ノードシステムBに関する第2のダイアグラムを水平にシフトすることで示される。
【0022】
フレーム開始デリミタSFDは、既知の値を持つ。フレーム開始デリミタSFDの受信を検出すると、第2のネットワーク・ノードシステムBは、そのタイマー又はクロックから第2のタイムスタンプTSBをキャプチャする。その後、第2のネットワーク・ノードシステムBのタイマー又はクロックを第1のネットワーク・ノードシステムAのタイマー又はクロックと同期させるため、受信される第1のタイムスタンプTSAと第2のタイムスタンプTSBとが比較されることができる。
【0023】
図2から明らかなように、第2のタイムスタンプTSBは、第1のタイムスタンプTSAより後れて取られる。総遅延時間は、クリアチャネル評価CCAに必要とされる時間、プリアンブルPA及びフレーム開始デリミタSFDを送信するのに必要とされる時間、並びに伝搬時間PTを有する。しかしながら、クリアチャネル評価CCAに必要な時間、プリアンブルPAの通信に必要な時間及びフレーム開始デリミタSFDの通信に必要な時間は決定されることができる。例えば、IEEE802.15.4(Zigbee)ネットワークにおいて、2.4GHz帯域に対するシンボル時間は16μsである。1つのシンボルにおいて、4ビットが符号化される。従って、1バイト(8ビット)の通信は、2つのシンボルを必要とし、結果として32μsを必要とする。無線のためのターンアラウンドタイム(クリアチャネル評価CCA)は、12のシンボル期間(192μs)で特定される。従って、伝搬時間PTとは別に、遅延は、352μsである。フレーム開始デリミタSFDの使用も実質的に、データパケットDPを受信することから生じることができる時間遅延(図1:受信時間RT)を除去する又は少なくとも減らすことに留意されたい。
【0024】
当業者にとって明らかであるように、フレーム開始デリミタSFDの使用は、ネットワークプロトコルを実質的に変えることなく、任意のネットワークシステム及びネットワークプロトコルにおいて本発明が実現されることを可能にする。しかしながら、他の任意の所定のデータ制御ブロックが同様に使用されることができる。所定のデータ制御ブロックを受信する前のすべての時間遅延が決定的であることが好ましい。
【0025】
伝搬時間PTは、上述の遅延と比較して比較的小さくなることができる。特に、送信側ネットワーク・ノードシステム及び受信側ネットワーク・ノードシステムが同じネットワーク媒体に接続されるようなネットワークにおいて、例えば、無線ネットワークにおいて、上記は成立する。斯かるネットワークにおいては、伝搬時間は媒体を通る物理伝搬時間である。
【0026】
図3は、実験結果を示す。図3において示されるダイアグラムの水平軸は、時間tを表す。タイムスケールは、5μs/divである。3つのネットワークノードからの3つの信号D、D、Dが示される。この3つの信号D、D、Dは、実質的に同時にレベルが変化すると想定される。図3から明らかなように、3つのネットワークノード間の同期エラーは、5μsより明らかに少ない。
【0027】
図4は、マイクロコントローラMC及びトランシーバTCを有するネットワーク・ノードシステムの実施形態を示す。マイクロコントローラMC及びトランシーバTCは、データ転送のためデータ接続SPI−cにより動作可能に接続される。データは、トランシーバTCにより送信されるデータ、又はトランシーバTCにより受信されるデータとすることができる。第2の接続CCA−cは、トランシーバTCを用いてマイクロコントローラMCがクリアチャネル評価(CCA)を実行することを可能にする制御接続である。第2の接続CCA−cは、ネットワーク媒体アクセス制御要素(MAC)に結合される。第3の接続SFD−cは、フレーム開始デリミタ(SFD)を受信すると、トランシーバTCからマイクロコントローラMCへとタイマー制御信号を供給するための制御接続である。第3の接続SFD−cは、トランシーバTCからタイマー制御信号を受信すると、マイクロコントローラMCが本発明の方法に基づきタイムスタンプをキャプチャするよう、マイクロコントローラMCのタイマーキャプチャ入力端子Tcapに接続される。図示されるネットワーク・ノードシステムは、アンテナATNの存在から明らかなように、無線ネットワーク用である。しかしながら、本発明は、有線ネットワークにおいても同様に使用されることもできる。
【0028】
上記したように、本発明は、任意の種類及びタイプのネットワークで採用されることができる。例えば、タイムスタンプは、ユニキャスト又はブロードキャスト・データパケットかに関係なく、各々及び任意の種類のデータパケットにおいて含まれることができる。特別な同期パケットは必要とされず、及び、結果的に、同期に伴うオーバヘッドは非常に低い。特別なネットワーク・トポロジーの必要もない。こうして、例えば、本発明は、医学用途に関する無線センサネットワークでの使用に適している。
【0029】
問題といえば、異なるネットワーク・ノードシステムのクロック・ドリフトであるが、これはすべての同期プロトコルを実行する際の共通の問題である。クロック・ドリフトは、使用される結晶の耐性及び安定性に依存する。よく知られるソリューションは、線形回帰又はフェーズ・ロック・ループを使用するクロック・ドリフト補償である。Kay Romerらによる「Time Synchronization and Calibration in Wireless Sensor」、Ivan Stojmenovic (Ed.)、Handbook of Sensor Networks、Algorithms and Architectures、John Wiley & Sons、ISBN 0−471-68472−4、pp.199−237、2005年9月を参照されたい。これらの方法が、本発明による高精度時間同期方法において使用されることができる。
【0030】
本発明の詳細な実施形態が本願明細書に開示されるが、開示された実施形態は本発明の単に例示にすぎないことを理解されたい。本発明は、様々な形態で実施されることができる。従って、本願明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は、限定として解釈されるべきでなく、単に請求項のための基礎として、及び実質的に任意の適切に詳細な構造において当業者が種々の態様で本発明を使用することを教示するための代表的な基礎として解釈されたい。更に、特定の手段が相互に異なる従属項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0031】
更に、本願明細書に使用される用語及び表現は、限定することを目的とせず、むしろ、本発明の理解できる説明を提供するためのものである。本書で使用される用語「a」又は「an」は、1又は1以上のものとして規定される。本書に使用される用語「別の」は、少なくとも第2の又はそれ以上のものを表すものとして規定される。本書に使用される用語「含む」及び/又は「持つ」は、有する(即ちオープン表現)として規定される。本書に使用される用語「結合される」は、接続されるとして規定されるが、必ずしも直接的である必要はなく、必ずしも有線で行われるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータネットワークにおける時間同期に関する方法において、
前記コンピュータネットワークが、少なくとも第1のネットワーク・ノードシステム及び第2のネットワーク・ノードシステムを有し、
前記方法は、
(a)前記第2のネットワーク・ノードシステムへの通信のため前記第1のネットワーク・ノードシステムにおいてデータパケットを生成するステップであって、前記データパケットが、制御ブロック及びデータブロックを有する、ステップと、
(b)前記第1のネットワーク・ノードシステムのトランシーバに前記データパケットを提供するステップと、
(c)ネットワーク媒体アクセス制御要素により、ネットワークアクセス期間を待つステップと、
(d)ステップ(c)の後前記第1のネットワーク・ノードシステムから第1のノードタイムスタンプをキャプチャし、前記データパケットにおいて前記第1のノードタイムスタンプを組み込むため前記トランシーバに前記第1のノードタイムスタンプを提供するステップと、
(e)前記トランシーバにより前記データパケットを送信するステップとを有する、方法。
【請求項2】
前記制御ブロックの少なくとも一部が、データパケットの始まりに対して、前記データパケットにおいて所定の位置を持ち、
前記方法は、
(f)前記第2のネットワーク・ノードシステムにより前記データパケットを受信するステップと、
(g)前記制御ブロックの前記所定の部分を受信すると、前記第2のネットワーク・ノードシステムから第2のノードタイムスタンプをキャプチャするステップと、
(h)前記第1のノードと前記第2のノードとの間のタイマー差を決定するため、前記第1のノードタイムスタンプと前記第2のノードタイムスタンプとを比較するステップとを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記第1のノードタイムスタンプを取ることと前記制御ブロックの所定の部分の通信との間の通信期間を決定するステップを更に有し、
前記ステップ(h)が、前記通信期間を考慮するステップを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御ブロックの所定の部分が、フレーム開始デリミタである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ(e)が、
(e1)通信チャネルが利用できるかを決定するため、前記ネットワークアクセス制御要素によりクリアチャネル評価を実行するステップと、
(e2)前記チャネルが利用できる場合、前記データパケットを送信するステップと、
(e3)前記チャネルが利用できない場合、遅延の後ステップ(d)〜(e)を反復し、前記データパケットに組み込まれる前記第1のノードタイムスタンプを更新するステップとを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コンピュータネットワークが、無線ネットワークである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コンピュータネットワークが、センサネットワークである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータネットワークにおける時間同期に関する方法において、前記コンピュータネットワークが、少なくとも第1のネットワーク・ノードシステム及び第2のネットワーク・ノードシステムを有し、
前記方法は、
(a)請求項1に基づく前記第1のネットワーク・ノードシステムにより送信されるデータパケットを前記第2のネットワーク・ノードシステムにより受信するステップであって、前記データパケットが、第1のノードタイムスタンプを有する、ステップと、
(b)前記データパケットの少なくとも所定の部分を受信すると、前記第2のネットワーク・ノードシステムから第2のノードタイムスタンプをキャプチャするステップと、
(c)前記第1のノードシステムと前記第2のノードシステムとの間のタイマー差を決定するため、前記第1のノードタイムスタンプと前記第2のノードタイムスタンプとを比較するステップとを有する、方法。
【請求項9】
マイクロコントローラと前記マイクロコントローラに動作可能に結合されるトランシーバとを有するコンピュータネットワーク・ノードシステムであって、前記マイクロコントローラが、ネットワーク媒体アクセス制御要素を有し、前記ネットワーク・ノードシステムが、請求項1に記載の方法を実行するよう構成される、ネットワーク・ノードシステム。
【請求項10】
マイクロコントローラと前記マイクロコントローラに動作可能に結合されるトランシーバとを有するコンピュータネットワーク・ノードシステムであって、前記マイクロコントローラが、ネットワーク媒体アクセス制御要素を有し、前記ネットワーク・ノードシステムが、請求項8に記載の方法を実行するよう構成される、ネットワーク・ノードシステム。
【請求項11】
前記トランシーバが、制御ブロックの所定の部分を受信すると、制御信号を出力するための制御信号出力端子を有し、前記制御ブロック出力端子が、前記マイクロコントローラのタイマーキャプチャ入力端子に結合され、前記マイクロコントローラが、前記制御信号を受信すると、第2のノードタイムスタンプとしてタイマー数をキャプチャするよう構成される、請求項10に記載のコンピュータネットワーク・ノードシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−541298(P2010−541298A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531957(P2009−531957)
【出願日】平成19年10月8日(2007.10.8)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054086
【国際公開番号】WO2008/044193
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】