説明

センサ制御装置及びセンサ制御システム

【課題】 内燃機関の運転状態の過渡期においても精度良くガスセンサを目標の素子温度に制御できるセンサ制御装置を提供する。
【解決手段】 ECU5のCPU11は、排気温センサ3から現在の排気ガス温度を取得し、前回取得した排気ガス温度との差分を算出する。排気ガス温度の変化が上昇傾向であり、差分の絶対値が20℃以上であり、ガスセンサとしての酸素センサ2の検出素子としてのセル21の目標インピーダンスの補正処理を行っていることを示すフラグがOFFの場合には、内燃機関の運転状態が過渡期にあると判断する。そして、排気ガス温度から酸素センサ2のセル21の目標インピーダンスの補正値(補正係数)を求める。CPU11は、その補正値により酸素センサ2のセル21の目標インピーダンスの補正を行い、補正された目標インピーダンスに基づいてヒータ26への供給電力をフィードバック制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関から排出される排気ガスの特定ガス濃度を検出するガスセンサを制御するセンサ制御装置、及び、ガスセンサとセンサ制御装置とを接続してなるセンサ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の内燃機関の排気通路(排気管)にガスセンサを設置し、排気ガス中の特定ガス濃度を検出して空燃比を制御することが行われている。排気ガスの酸素濃度を検出する酸素センサや窒素酸化物(NOx)の濃度を検出するNOxセンサがガスセンサの具体例として知られている。このような酸素センサとしては、例えば、酸素イオン導電性の固体電解質体に一対の電極を形成したセルを少なくとも1つ以上備えた検出素子を有するものが挙げられる。固体電解質体からなるセルは所定温度(活性化温度)に加熱されることで良好な酸素イオン導電性を示すことになるため、検出素子を加熱するためのヒータが設けられている。そして、酸素センサ(セル)の活性状態を維持するために、検出素子の温度をフィードバックし、検出素子を加熱するヒータへの供給電力を制御(素子温フィードバック制御)している。この素子温フィードバック制御は、温度に応じてインピーダンスが変化する検出素子のインピーダンスに基づいて行われる。このとき、活性化温度となるインピーダンスを目標インピーダンスとしている。しかしながら、酸素センサは劣化すると検出素子のインピーダンスが増加する。このとき、酸素センサの温度は活性化温度であっても検出素子のインピーダンスが増加しているため、目標インピーダンスになるようにヒータ供給電力を増加させる。これに伴って酸素センサの温度が上昇する。この温度上昇により酸素センサの劣化が促進されるという問題が生じる。
【0003】
この問題を解決するために、温度に応じてインピーダンスが変化する検出素子のインピーダンスを目標インピーダンスにするように、ヒータへの供給電力をフィードバック制御するヒータ供給電力制御手段を有すると共に、検出素子のインピーダンスの増加に基づき劣化判定を行う劣化判定手段と、劣化判定に基づき目標インピーダンスを増加させるように変更する目標インピーダンス変更手段とを備える酸素濃度検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。そして、酸素センサが劣化状態になったときに目標インピーダンスを新たな目標インピーダンスに変更することで、ヒータへの供給電力を制御して酸素センサの温度上昇を防止することができ、酸素センサを目標とする素子温度に維持することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−26599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、内燃機関の運転状態が急変する過渡期においては、排気管を流通する排気ガス温度の変化が大きくなる。このとき、酸素センサの周囲の排気ガスの温度変化も大きくなるが、この排気ガスの温度変化により検出素子のインピーダンスが受ける影響は比較的大きいため、固定(一律)の目標インピーダンスとなるようにヒータへの供給電力をフィードバック制御しても、検出素子のインピーダンスを目標の素子温度に制御(維持)できない問題点がある。なお、特許文献1に記載の酸素濃度検出装置では、目標インピーダンスの補正を行ってはいるものの、その補正は酸素センサの劣化状態を考慮したものであって、内燃機関の運転状態が急変する過渡期を考慮した目標インピーダンスの補正については何ら考慮されていない。
【0006】
本発明は、内燃機関の運転状態の過渡期においても精度良くガスセンサを目標素子温度に制御できるセンサ制御装置、及び、センサ制御システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様のセンサ制御装置は、内燃機関の排気管に取り付けられ排気ガス中のガス濃度を検出する検出素子と当該検出素子を加熱するヒータとを有するガスセンサに接続されるセンサ制御装置であって、前記検出素子のインピーダンスを検出する素子インピーダンス検出手段と、前記素子インピーダンス検出手段により検出された素子インピーダンスを目標インピーダンスにするように、前記ヒータへの供給電力をフィードバック制御するヒータ供給電力制御手段と、前記排気管を流通する排気ガスの温度変化が予め設定した許容範囲外か否かを判定する温度変化判定手段と、前記温度変化判定手段にて前記排気ガスの温度変化が前記許容範囲外であると判定した場合に、前記目標インピーダンスを補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
上記構成のセンサ制御装置では、内燃機関の運転状態が急変する過渡期においては、排気ガス温度も急変するが、温度変化判定手段が排気ガスの温度変化が特定範囲外か否かを判定し、前記温度変化判定手段にて前記排気ガスの温度変化が前記特定範囲外であると判定した場合に、目標インピーダンスを補正するようにしている。そのため、排気ガスの大きな温度変化によって検出素子のインピーダンスが影響を受けたときにも、ヒータ供給電力制御手段を用いて検出素子を目標の素子温度に制御することが可能となる。
【0009】
なお、温度変化判定手段としては、排気ガスの温度を検出する排気温センサといった温度を直接検出する手段を用いて、検出した排気ガスの温度の変化が許容範囲外か否かを判定する構成を採ってもよいし、また、内燃機関の運転状態に基づいて排気ガスの温度を推定するようにして、推定した排気ガスの温度の変化が許容範囲外か否かを判定する構成を採ってもよい。
【0010】
また、本発明のセンサ制御装置であって、補正手段は、目標インピーダンスに補正係数を乗ずることで実行されるものであり、排気ガスの温度変化が許容範囲外になった時の変化開始時の排気ガスの温度に基づいて補正係数を可変させるようにしても良い。単位時間当たりの排気ガス温度の変化量が同じでも変化開始時の温度が異なれば、検出素子のインピーダンスが受ける影響も異なってくる。そこで、排気ガスの温度変化が許容範囲外になった時の変化開始時の温度に基づいて目標インピーダンスを補正する補正係数を可変させると目標インピーダンスの精度の良い補正係数の算出が行える。
【0011】
さらに、本発明のセンサ制御装置であって、温度変化判定手段は、排気管に取り付けられ排気ガスの温度を検出する排気温センサの出力値の変化が特定範囲外か否かを判定することで、排気ガスの温度変化が許容範囲外か否かを判定するようにしても良い。排気ガスの温度変化が許容範囲外か否かを判定するにあたって、排気温センサの出力を用いることにより、排気ガスの温度変化を直接検出することができる。そのため、内燃機関の運転状態が急変する過渡期であるか否かを精度良く判定することができ、目標インピーダンスの補正を精度良く行うことができる。なお、排気温センサの出力値の変化が特定範囲を逸脱したときに、排気ガスの温度変化の許容範囲も逸脱するように、特定範囲の大きさは、許容範囲に対応付けて設定されるものとする。
【0012】
また、本発明のセンサ制御装置では、上記の特定範囲として、排気温センサの出力値のサンプリングタイミング等を考慮して、ガスセンサが装着される内燃機関の運転状態が過渡期であることを検出することができる範囲を適宜設定すればよいが、前記特定範囲が1秒当たり10℃以上の変化に相当する出力値の変化の範囲であるようにしても良い。排気ガス温度が1秒当たり10℃以上の変化を生ずる期間は内燃機関の運転状態が急変する過渡期と捉えることができるため、このような範囲を特定範囲に設定することで、内燃機関の運転状態の過渡期を考慮した目標インピーダンスの補正を効果的に行うことができる。
【0013】
また、前記排気温センサの出力値の所定時間間隔での差分値が特定温度以下である状態が一定時間継続したか否かを判定する時間判定手段を備え、当該時間判定手段が排気温センサの出力値の所定時間間隔での差分値が特定温度以下である状態が一定時間継続したと判定した場合に、補正手段は目標インピーダンスの補正を中止するようにしても良い。単位時間当たりの温度変化が一定範囲になった状態が一定時間継続した場合には、内燃機関の運転状態が過渡期でなくなっているので、目標インピーダンスの補正をする必要がなく、元の目標インピーダンスに戻してヒータへの供給電力のフィードバック制御を実行すればよい。
【0014】
また、前記排気温センサの出力値が排気ガスの温度が上昇していることを示す値であり、温度変化判定手段にて前記出力値の変化が特定範囲外であると判定した場合に、補正手段が目標インピーダンスを補正するようにしても良い。排気温が上昇している場合と下降している場合では、目標インピーダンスの補正も異なる。従って、排気温が上昇している場合には、その状態に合った目標インピーダンスの補正を行うことができる。
【0015】
また、前記排気温センサの出力値が排気ガスの温度が下降していることを示す値であり、温度変化判定手段にて前記出力値の変化が特定範囲外であると判定した場合に、補正手段が目標インピーダンスを補正するようにしても良い。排気温が下降している場合には、その状態に合った目標インピーダンスの補正を行うことができる。
【0016】
さらに、上記課題を解決するため、本発明の一態様のセンサ制御システムは、ガスセンサと、上述したセンサ制御装置とを接続したセンサ制御システムであることを特徴とする。これにより、排気ガスの大きな温度変化によって検出素子のインピーダンスが影響を受けたときにも、ヒータ供給電力制御手段を用いて検出素子を目標の素子温度に制御することが可能なセンサ制御システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、内燃機関の運転状態が急変する過渡期においては、排気ガス温度も急変するが、温度変化判定手段にて排気ガスの温度変化が許容範囲外か否かを判定し、排気ガスの温度変化が許容範囲外であると判定した場合に、目標インピーダンスの補正を行うので、内燃機関の運転状態が急変する過渡期に見合った目標インピーダンスの精度の良い補正が行える。従って、内燃機関の運転状態が過渡期であってもガスセンサ(検出素子)を目標(一定)の加熱温度に制御(維持)することができ、ガスセンサの検出精度を内燃機関の運転期間中良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】エンジン101の排気系周りの概略的な構成を示す図である。
【図2】ECU5、酸素センサ2及び排気温センサ3の概略的な構造を示す説明図である。
【図3】メイン処理のフローチャートである。
【図4】過渡期補正処理のフローチャートである。
【図5】排気ガス温度の上昇時の排気ガス温度と補正係数の対応を示すテーブルである。
【図6】排気ガス温度の下降時の排気ガス温度と補正係数の対応を示すテーブルである。
【図7】排気ガス温度と、排気ガス温度の偏差と、目標インピーダンスとの変化の対応を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化したセンサ制御装置の一実施形態としての電子制御装置(以下、「ECU」という)5及び当該ECU5を備えたガスセンサ装置1について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いるものであり、記載している装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0020】
図1に示すように、自動車100は、駆動力を生じるエンジン101とエンジン101の駆動(運転状態)を制御するECU5とを有する。エンジン101には、エンジン101から排出される排気ガスを車外に放出するための排気管102が接続されている。排気管102には、排気ガス浄化装置130が設けられ、排気ガス浄化装置130の下流側には排気ガスの温度を検出する排気温センサ3と、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ2が設けられている。酸素センサ2はハーネス91によりECU5のオフセット回路40(図2参照)に電気的に接続され、排気温センサ3はハーネス92によりECU5に接続されている。ガスセンサ装置1は、ECU5、酸素センサ2及び排気温センサ3から構成される。
【0021】
図2に示す、酸素センサ2は、1つのセル21を用いて有底筒状に形成したセンサ素子にヒータ26を内挿させ、排気管(図示外)に取り付けるための主体金具の内側に当該センサ素子を保持させた構造をなす。ヒータ26は、アルミナ製の絶縁セラミックからなる基体の内部にプラチナやタングステン等を主体とする発熱抵抗体27を埋設して棒状または板状に形成したものである。酸素センサ2が排気管に取り付けられた場合には、有底筒状のセンサ素子の先端部(筒底側)が排気管内に挿入されて、セル21の一方の多孔質電極(センサ素子の外周面側に形成された電極)が排気ガスに晒される。セル21の他方の多孔質電極(センサ素子の内周面側に形成された電極)は、排気管外から筒内に導入される基準ガス(本実施の形態では大気)に晒され、上記のように、排気ガスの空燃比(排気ガス中の酸素濃度)の検出が行われる。
【0022】
また、セル21は内部抵抗22を有するが、その抵抗値(インピーダンス)は、固体電解質体の温度上昇に応じて低下する特性を有し、内部抵抗値(インピーダンス)とセル21の温度との間に所定の相関関係があることが知られている。ガスセンサ装置1では、セル21の内部抵抗値(インピーダンス)を検出し、その値が目標抵抗値となるようにヒータ26への供給電力の制御を行い、セル21の温度が目標温度となるように当該セル21の温度の安定化を図っている。
【0023】
次に、ECU5は、酸素センサ2の検出信号をもとに、空燃比フィードバック制御(例えば、インジェクタから噴射する燃料の噴射量の調整)を含む図示外のエンジンの制御を行う装置である。本実施の形態では、ECU5が、酸素センサ2の検出信号に基づき、セル21の内部抵抗値(インピーダンス)を検出してしつつ、ヒータ26のPID制御を精度よく行うために必要な構成について説明を行う。ECU5は、マイクロコンピュータ10と、出力検出回路20と、パルス入力回路30と、オフセット回路40と、ヒータ制御回路50とを備える。マイクロコンピュータ10は、ECU5の制御を司るCPU11と、CPU11が実行するプログラム等が記憶されるROM12と、各種のデータを一時的に記憶するRAM13と、信号の入出力を行う各種入出力用のポート15,16,17等とを備える。なお、マイクロコンピュータ10のCPU11、ROM12およびRAM13は、公知の構成からなるものである。また、マイクロコンピュータ10には、排気温センサ3が図示外のインターフェースを介して接続され、排気温センサ3の検出した温度データがマイクロコンピュータ10に入力される。
【0024】
出力検出回路20は抵抗器等を用いた公知の回路からなり、オフセット回路40を介して、酸素センサ2のセル21の両端、すなわち一対の多孔質電極と電気的に接続されている。出力検出回路20にはセル21から出力される検出信号が入力され、セル21の両端の電位差の検出が行われる。セル21の起電力は、セル21の両端の電位差に基づいて検出することができる。出力検出回路20は、セル21の両端の電位差を所定時間ごとに取得(検出)し、セル21の起電力を示す信号として、マイクロコンピュータ10のA/Dポート16に出力する。
【0025】
また、出力検出回路20は図示しないサンプルホールド回路を有し、取得したセル21の両端の電位差を保持することができる。セル21にパルス電圧を印加すると、セル21の内部抵抗値に応じて両端の電位差が変動する。よって、セル21の内部抵抗値(インピーダンス)を検出する際には、パルス入力回路30によってセル21にパルス電圧が印加される。出力検出回路20は、セル21にパルス電圧が印加された際にも、セル21の両端の電位差を検出する。このとき、サンプルホールド回路にはパルス電圧が印加される直前のセル21の両端の電位差が保持されている。出力検出回路20は、両者の差分、すなわち、パルス電圧の印加に伴い変動した分の電位を、セル21の内部抵抗値を示す信号として、マイクロコンピュータ10のA/Dポート16に出力する。
【0026】
次に、オフセット回路40は、セル21の両端と出力検出回路20とを接続する配線経路上に設けられており、セル21の出力する起電力の電位をオフセットする。具体的に、セル21の高電位側と出力検出回路20とを接続する配線経路上のP点と、セル21の低電位側と出力検出回路20とを接続する配線経路上のQ点とに抵抗器42が接続されている。低電位側のQ点は、ECU5の基準電位(GND)に接続されている。なお、ECU5の基準電位は自動車のボディ等に接地されている。高電位側のP点は、抵抗器41を介して所定の電源電圧VCCを出力する電源に接続されている。また、ノイズ防止用の抵抗器43が、P点と出力検出回路20との間に接続されている。
【0027】
上記したように、セル21を構成する固体電解質体は、固体電解質体の温度上昇に応じて内部抵抗値(インピーダンス)が低下する特性を有する。すなわち、固体電解質体の温度が低いうち(便宜上、非活性時ともいう。)は内部抵抗値が高く、セル21はほぼ絶縁状態となる。また、固体電解質体の温度が上昇するに伴い内部抵抗値は低下し、セル21が活性化した場合(便宜上、活性時ともいう。)には、内部抵抗値は低い値を示す。そしてセル21の起電力は、排気ガスの空燃比がリッチ側にある場合には、基準電位との電位差で約900mVを示し、リーン側にある場合には約50mVを示す。
【0028】
抵抗器41と抵抗器42とで電源電圧VCCが分圧され、本実施の形態では、P点の電位が約450mVとなるように設定されている。また、抵抗器42は、その抵抗値がセル21の非活性時の内部抵抗値よりも十分に小さく、活性時の内部抵抗値よりも十分に大きい値となるものが選択されている。セル21の非活性時にはセル21に電流が流れず、起電力が発生しないので、セル21の出力は0Vであるが、オフセット回路40により、出力検出回路20ではセル21の出力として約450mVが取得される。一方、セル21の活性時には、内部抵抗値よりも十分に抵抗値の大きな抵抗器42に電流がほとんど流れず、オフセット回路40を介して出力検出回路20に取得されるセル21の出力値(検出信号が示す値)は、ほぼ、セル21の起電力が示す値となる。
【0029】
次に、ヒータ制御回路50は、例えばトランジスタ51を備える。トランジスタ51のコレクタはヒータ26の一端に接続され、エミッタは所定の抵抗器(図示外)を介して基準電位に接続され、ベースはマイクロコンピュータ10のPWMポート17に接続されている。また、ヒータ26の他端は、ECU5に電力を供給するバッテリ6に接続されている。ヒータ26の通電制御はマイクロコンピュータ10によるPID制御によって行われ、マイクロコンピュータ10において演算されるデューティ比に基づき、ヒータ制御回路50からのヒータ26へのPWM制御による通電が行われる。具体的に、マイクロコンピュータ10のPWMポート17からトランジスタ51のON/OFF信号が出力され、トランジスタ51のコレクタ−エミッタ間を流れる電流、すなわちバッテリ6からヒータ26に流される電流のON/OFFが制御される。なお、ヒータ制御回路50は上記のトランジスタ51に限らず、FET等を用いて構成してもよい。
【0030】
次に、パルス入力回路30は、出力検出回路20を介してセル21に矩形状のパルス電圧を印加する回路である。マイクロコンピュータ10における演算によって矩形状のパルス波形を示すデジタルデータが生成され、I/Oポート15からパルス入力回路30に入力される。パルス入力回路30は、受信したパルス波形のデータに基づき矩形状のパルス電圧を生成し、セル21に印加する。なお、パルス電圧の印加時間は数〜数百msの中で適宜設定することができる。
【0031】
前述したように、このパルス電圧がセル21に印加されることにより、出力検出回路20において取得(検出)されるセル21の両端の電位差が、一時的に変動する。言い換えると、セル21の起電力に、パルス電圧の印加によって内部抵抗22の両端に生じた電位が上乗せされて、セル21の出力する検出信号として出力検出回路20に取得(検出)されることになる。したがって、パルス電圧の印加によって、出力検出回路20に検出信号として取得されるセル21の両端の電位差に生じた変動から、セル21の内部抵抗値(ひいては内部抵抗値と相関関係にあるセル21の温度)を演算により取得することができる。ガスセンサ装置1において、セル21の活性時におけるヒータ26の制御は、上記したようにPID制御に基づくPWM制御によって、セル21の内部抵抗値(インピーダンス)が目標インピーダンスとなるようにヒータ26への電力の供給を行うことによりなされる。
【0032】
以下、ガスセンサ装置1のメイン処理について説明する。なお、以下の説明では、フローチャートの各ステップを「S」と略記する。
【0033】
ガスセンサ装置1は、例えば自動車のエンジンがスタートされると駆動され、ECU5のマイクロコンピュータ10のCPU11が、ROM12に記憶されたメイン処理プログラムの実行を開始する。図3に示すように、メイン処理プログラムが実行されると、CPU11は、PWM制御におけるデューティ比を固定値に設定する(S11)。なお、本実施の形態では、このデューティ比を1(100%)に設定し、ヒータ制御回路50にON/OFF信号の継続的な出力(この場合、常時ON信号を出力)を行うようにした。ヒータ26の発熱抵抗体27には、バッテリ6の電圧がそのまま印加され、時間の経過とともにセル21の温度が上昇していく。
【0034】
次に、酸素センサ2の出力(検出信号)の取得が行われる(S12)。この処理では、出力検出回路20を介して取得したセル21の検出信号がA/Dポート16からマイクロコンピュータ10に入力されており、CPU11は検出信号の値を読み込む(S12)。検出信号の値が600mV以下(S13:NO)で、且つ、その値が300mV以上(S14:NO)であるうちは、S12に戻って検出信号の値の監視を繰り返す。セル21の温度が活性温度に達する前の非活性の状態では、検出信号の値が約450mVを示す。また、セル21の温度が活性温度に達した以降においても、セル21が十分に加熱されないうちは、検出信号の値は、空燃比がリッチ側でも600mV以下を示し、リーン側でも300mV以上を示す。このような場合、セル21が活性化していても、排気ガスの空燃比でリッチ側の検出信号の値とリーン側の検出信号の値との差分が小さく、排気ガスの空燃比を検出する精度を十分に得られない。
【0035】
そして、セル21の出力が、排気ガスの空燃比がリッチ側で600mVより大きい値を示した場合(S13:YES)、あるいは、リーン側で300mVより小さい値を示した場合には(S14:YES)、S15に進む。エンジンの始動後であるので排気ガスの空燃比の状態は刻々と変化する。ゆえに、セル21の出力値が600mVより大きい値を示すか、セル21の出力値が300mVより小さい値を示せば、セル21は排気ガスの空燃比を検出する上で必要な精度を得るレベルに活性化したと判断される。これにより、ECU5は、別途に実行している空燃比のオープンループ制御を、セル21の出力(検出信号)をもとにした公知の空燃比フィードバック制御(空燃比のクローズドループ制御)へと遷移させることが可能となる。
【0036】
CPU11は、I/Oポート15からパルス波形のデジタルデータをパルス入力回路30に出力する(S15)。パルス入力回路30は矩形状のパルス電圧を生成し、セル21に印加する。そして出力検出回路20が、パルス電圧の印加に伴い変動したセル21の電位を取得し、マイクロコンピュータ10のA/Dポート16に出力する。CPU11は、取得した、パルス電圧の印加に伴い変動したセル21の電位から、セル21の現在の内部抵抗値(インピーダンス)を演算して求める(S16)。
【0037】
CPU11は、S16で取得したセル21の内部抵抗値(インピーダンス)と、目標インピーダンスTRiとに基づくPID演算を行い、ヒータ26への通電をPWM制御するためのデューティ比を算出する。なお、上記のPID演算については公知の演算を実行すればよい。そして、算出したデューティ比に従い、ヒータ制御回路50にON/OFF信号の継続的な出力を行う(S17)。すなわち、ヒータ制御プログラム(図示外)によって、デューティ比に応じてトランジスタ51のON/OFFをPWM制御する信号が生成され、ヒータ制御回路50に出力される。なお、S17にてPID演算の際に参照される目標インピーダンスTRiは、当該S17の処理が実行される都度、予め設定された目標インピーダンスTRiに後述する過渡補正係数を乗じた最新の(換言すれば、補正された)目標インピーダンスTRiを用いるようにしている。過渡補正係数の算出や目標インピーダンスTRiの補正に関しては、後述する。
【0038】
次に、所定時間(例えば10〜50msec)の経過(S18:NO)を待ってから(S18:YES)、セル21にパルス電圧が印加される(S15)。次いで、S16〜S18が繰り返される。
【0039】
次に、図4のフローチャートを参照して、エンジン101の運転の過渡期に行う目標インピーダンスの過渡期補正について説明する。図4のフローチャートの過渡期補正のプログラムはROM12に記憶され、CPU11により1秒毎に繰り返し実行される。先ず、排気温センサ3から現在の排気ガス温度を取得する(S21)。次いで、RAM13に既に記憶している前回の取得の排気ガスの温度との差分を算出する(S22)。この差分もRAM13に記憶される。次いで、排気ガスの温度の変化が上昇傾向か否かを判断する(S23)。この判断は、S22で算出した差分がプラスなら上昇傾向(S23:YES)、S22で算出した差分が0又はマイナスなら上昇傾向でないと判定される(S23:NO)。
【0040】
排気ガスの温度の変化が上昇傾向の場合には(S23:YES)、差分の絶対値が第一温度(一例として20℃)以上かつTransientFlgがOFFか否かを判断する。このTransientFlgは、過渡期補正をしているか否かを示すフラグであり、RAM13に記憶される。「1」がONで「0」がOFFである。差分の絶対値が第一温度以上でTransientFlgがOFFの場合には(S24:YES)、図5に示す上昇時補正係数テーブルを参照して、S21で取得した現在の排気ガス温度の値に応じた目標インピーダンスの過渡補正係数を求める(S25)。この上昇時補正係数テーブルは、ROM12に記憶されている。排気温センサ3から得られた排気ガス温度が例えば、400℃以上500℃未満の場合は、過渡補正係数として1.00が求められる。500℃以上600℃未満の場合は、過渡補正係数として1.10が求められる。600℃以上700℃未満の場合は、過渡補正係数として1.20が求められる。700℃以上720℃未満の場合は、過渡補正係数として1.20が求められる。720℃以上740℃未満の場合は、過渡補正係数として1.10が求められる。740℃以上760℃未満の場合は、過渡補正係数として1.10が求められる。760℃以上800℃未満の場合は、過渡補正係数として1.10が求められる。800℃以上の場合は、過渡補正係数として1.10が求められる。
【0041】
次いで、求めた過渡補正係数をRAM13に記憶する(S26)。次いで、RAM13に記憶されているTransientFlgに「1」を記憶してONにする(S27)。次いで、S21で取得した現在の排気ガス温度をRAM13に記憶して保持する(S28)。その後、処理を終了する。
【0042】
また、S23の判断処理で、排気ガス温度の変化が上昇傾向でない場合には(S23:NO)、差分の絶対値が第二温度(一例として30℃)以上かつTransientFlgがOFFか否かを判断する(S32)。差分の絶対値が第二温度かつTransientFlgがOFFの場合には(S32:YES)、図6に示す下降時補正係数テーブルを参照して、S21にて取得した現在の排気ガス温度の値に応じた目標インピーダンスの過渡補正係数を求める(S33)。この下降時補正係数テーブルは、ROM12に記憶されている。排気温センサ3から得られた排気ガス温度が例えば、400℃以上500℃未満の場合は、過渡補正係数として1.00が求められる。500℃以上600℃未満の場合は、過渡補正係数として1.00が求められる。600℃以上700℃未満の場合は、過渡補正係数として0.98が求められる。700℃以上720℃未満の場合は、過渡補正係数として0.96が求められる。720℃以上740℃未満の場合は、過渡補正係数として0.93が求められる。740℃以上760℃未満の場合は、過渡補正係数として0.90が求められる。760℃以上800℃未満の場合は、過渡補正係数として0.73が求められる。800℃以上の場合は、過渡補正係数として0.50が求められる。
【0043】
次いで、求めた過渡補正係数をRAM13に記憶する(S34)。次いで、RAM13に記憶されているTransientFlgに「1」を記憶してONにする(S35)。次いで、S21で取得した現在の排気ガス温度をRAM13に記憶して保持する(S28)。その後、処理を終了する。
【0044】
また、S24の判定処理において、差分の絶対値が第一温度以上でTransientFlgがOFFで無い場合(S24:NO)、即ち、差分の絶対値が第一温度(一例として20℃)未満の場合や、TransientFlgがONで現在過渡期補正中の場合(S24:NO)、差分の絶対値が第三温度(一例として3℃)以下を一定期間(一例として5秒間)継続した場合(S29:YES)、RAM13に記憶されているTransientFlgに「0」を記憶してOFFにする(S30)。次いで、RAM13に記憶されている過渡補正係数を1.00にして初期化する(S31)。次いで、S21で取得した現在の排気ガス温度をRAM13に記憶して保持する(S28)。その後、処理を終了する。
【0045】
また、S32の判定処理において、差分の絶対値が第二温度以上でTransientFlgがOFFで無い場合(S32:NO)、即ち、差分の絶対値が第二温度(一例として30℃)未満の場合や、TransientFlgがONで現在過渡期補正中の場合(S32:NO)、差分の絶対値が第三温度(一例として3℃)以下を一定期間(一例として5秒間)継続した場合(S36:YES)、RAM13に記憶されているTransientFlgに「0」を記憶してOFFにする(S37)。次いで、過渡補正係数をRAM13に記憶されている過渡補正係数を1.00にして初期化する(S38)。次いで、S21で取得した現在の排気ガス温度をRAM13に記憶して保持する(S28)。その後、処理を終了する。尚、S29でNOと判断された場合及びS36でNOと判断された場合には、S21で取得した現在の排気ガス温度をRAM13に記憶して保持する(S28)。その後、処理を終了する。
【0046】
次に、目標インピーダンスTRiの補正方法を説明する。CPU11は、RAM13に記憶された過渡補正係数を読み出し以下の計算式により、目標インピーダンスTRiを補正する。
TRi=TRi×過渡補正係数
なお、このような目標インピーダンスTRiの補正は、上述したように図3のメイン処理プログラムにおけるS17の処理にて実行される。
【0047】
図7を参照して、本実施の形態の動作の概念を説明する。なお、この図7は、センサ制御装置としてのECU5の動作に概念を理解容易とするために示したものである点に留意されたい。エンジン101がT0タイミングから始動してT1タイミングまでは、排気温センサ3が検出する排気ガス温度は実質的に変化せず安定している。この期間は排気ガス温度の偏差(変化率)は0であるので、目標インピーダンスは補正されず予め定められている値が使用される。次いで、T1タイミングからT2タイミングまで排気ガス温度が急上昇する。この期間は排気ガス温度の偏差(変化率)は大きくなるので、目標インピーダンスがA1からA2に補正される。次いで、T2タイミングからT3タイミングは排気ガス温度の上昇は僅かであるので、排気ガス温度の偏差は低下する。従って、目標インピーダンスは補正されず予め定められている値が使用される。次いで、T3タイミングからT4タイミングは排気ガス温度が僅かに下降するので、排気ガス温度の偏差は僅かにマイナスになる。従って、目標インピーダンスは補正されず予め定められている値が使用される。次いで、T4タイミングからT5タイミングは排気ガス温度が大きく下降するので、排気ガス温度の偏差は大きくマイナスになる。従って、目標インピーダンスはB1からB2に補正される。次いで、T5タイミングからT6タイミングまでは、排気温センサ3が検出する排気ガス温度は変化せず安定している。従って、この期間は排気ガス温度の偏差は0である。従って、目標インピーダンスは補正されず予め定められている値が使用される。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態では、排気温センサ3が検出する排気ガスの温度をECU5のCPU11が1秒毎に読み取り、1秒間毎の変化量を算出し、この変化量に基づいてエンジン101の運転状態が過渡期なっていると判断できる場合に目標インピーダンスの補正を行っている。つまり、本実施の形態では、排気温センサ3が検出する排気ガスの温度変化が特定範囲外であるか否かを判断することで、排気ガスの温度変化が許容範囲外であるか否かを判定し、排気ガスの温度変化が許容範囲外であると判定される場合に、目標インピーダンスの補正を行うようにした。具体的には、排気ガスの温度の上昇率が大きいときは、過渡補正係数を大きくして目標インピーダンスを規定値より大きくしてヒータ26の加熱を減らす(目標加熱温度を下げる)。また、排気ガスの温度の下降率が大きいときは、過渡補正係数を小さくして目標インピーダンスを規定値より小さくしてヒータ26の加熱を増やす(目標加熱温度を上げる)。従って、エンジン101の運転状態の過渡期においても精度良く酸素センサ2の検出素子としてのセル21を目標加熱温度に制御でき、精度の良い酸素濃度検出を継続することができる。
【0049】
上記の実施の形態では、エンジン101が「内燃機関」の一例であり、ECU5が「センサ制御装置」の一例であり、酸素センサ2が「ガスセンサ」の一例である。また、排気温センサ3が「排気温センサ」の一例であり、ヒータ26が「ヒータ」の一例である。また、図3のS16の処理を実行するCPU11が「素子インピーダンス検出手段」の一例であり、ヒータ制御回路50及び図3のS17の処理を実行するCPU11が「ヒータ供給電力制御手段」の一例である。また、図4のS24又はS32の判定処理を実行するCPU11が「温度度変化判定手段」の一例であり、図4のS25又はS33の処理を実行するCPU11が「補正手段」の一例であり、図4のS29又はS36の判定処理を実行するCPU11が「時間判定手段」の一例である。
【0050】
本発明は上記実施の形態に拘わらず各種の変形が可能である。例えば、図4のS24の第一温度は、必ずしも20℃でなくても良く、例えば10℃でも良い。また、図4のS32の第二温度は、必ずしも30℃でなくても良く、例えば10℃や20℃でも良い。また、図4のS29及びS36の第三温度は、必ずしも3℃でなくても良く、例えば5℃等でも良く、一定期間は必ずしも5秒でなく、例えば10秒等でも良い。即ち、これらの値は、エンジン101及び酸素センサ2の特性に合わせて適宜決定しておけば良い。また、図4の過渡期補正は1秒毎でなく、もっと短い時間間隔で行っても良い。
【0051】
また、上記実施の形態では、排気ガスの温度変化が内燃機関の運転状態が過渡期であるか否かを判定する目的から、排気温センサ3を用いて、差分の絶対値が第一温度以上か(S24)、または、差分の絶対値が第二温度以下か(S32)を判定するようしたが、排気ガスの温度変化が許容範囲外であるか否かを判定するにあたっては、排気温センサ3を用いずに、排気ガスの温度をエンジン101の運転状態に基づいて推定するようにしても良い。
【0052】
例えば、ECU5のマイクロコンピュータ10のROM12に、予めエンジン101の運転状態と排気ガスの温度との特性マップを格納しておく。そして、マイクロコンピュータ10にエンジン回転速度や燃料噴射パルス幅、スロットル開度等の運転状態を決定するための各種パラメータを入力させ、マイクロコンピュータ10のCPU11にてエンジン101の運転状態を算出した後、上記特性マップを参照して排気ガスの温度を推定するとともに、前回に推定した排気ガスの温度との差分を算出して当該排気ガスの温度変化を算出するようにしても良い。その他に、特開2010−7492号公報に開示されているように、エンジン101の運転状態に対応付けられた基準吸入空気量に対する運転状態での吸入空気量の比率を示す吸入空気量比と、運転状態での図示出力とに基づく補正係数により予め設定された基準排気温度を補正して排気ガスの温度を推定することも可能である。
【符号の説明】
【0053】
2 酸素センサ(ガスセンサ)
3 排気温センサ
5 電子制御装置(ECU)
10 マイクロコンピュータ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
20 出力検出回路
21 セル
26 ヒータ
30 パルス入力回路
50 ヒータ制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気管に取り付けられ排気ガス中のガス濃度を検出する検出素子と当該検出素子を加熱するヒータとを有するガスセンサに接続されるセンサ制御装置であって、
前記検出素子のインピーダンスを検出する素子インピーダンス検出手段と、
前記素子インピーダンス検出手段により検出された素子インピーダンスを目標インピーダンスにするように、前記ヒータへの供給電力をフィードバック制御するヒータ供給電力制御手段と、
前記排気管を流通する排気ガスの温度変化が予め設定した許容範囲外か否かを判定する温度変化判定手段と、
前記温度変化判定手段にて前記排気ガスの温度変化が前記許容範囲外であると判定した場合に、前記目標インピーダンスを補正する補正手段と
を備えたことを特徴とするセンサ制御装置。
【請求項2】
前記補正手段は、目標インピーダンスに補正係数を乗ずることで実行されるものであり、前記排気ガスの温度変化が前記許容範囲外になった時の変化開始時の排気ガスの温度に基づいて前記補正係数を可変させることを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
【請求項3】
前記温度変化判定手段は、前記排気管に取り付けられ前記排気ガスの温度を検出する排気温センサの出力値の変化が特定範囲外か否かを判定することで、前記排気ガスの温度変化が前記許容範囲外か否かを判定するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサ制御装置。
【請求項4】
前記特定範囲は、1秒当たり10℃以上の変化に相当する出力値の変化の範囲であることを特徴とする請求項3に記載のセンサ制御装置。
【請求項5】
前記排気温センサの出力値の所定時間間隔での差分値が特定温度以下である状態が一定時間継続したか否かを判定する判定する時間判定手段を備え、
前記時間判定手段にて記排気温センサの出力値の所定時間間隔での差分値が特定温度以下である状態が一定時間継続したと判定した場合に、前記補正手段は前記目標インピーダンスの補正を中止することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のセンサ制御装置。
【請求項6】
前記排気温センサの出力値が前記排気ガスの温度が上昇していることを示す値であり、前記温度変化判定手段にて前記出力値の変化が前記特定範囲外であると判定した場合に、前記補正手段が前記目標インピーダンスを補正することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のセンサ制御装置。
【請求項7】
前記排気温センサの出力値が前記排気ガスの温度が下降していることを示す値であり、前記温度変化判定手段にて前記出力値の変化が前記特定範囲外であると判定した場合に、前記補正手段が前記目標インピーダンスを補正することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のセンサ制御装置。
【請求項8】
前記ガスセンサと、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサ制御装置とを接続したセンサ制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−83246(P2013−83246A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−194220(P2012−194220)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】