説明

センサ装置

【課題】固定の補正値や温度センサを用いることなくセンサ出力信号を補正することのできるセンサ装置を提供する。
【解決手段】センサ部1は入力された物理量の変位を電圧の変位に変換するセンサ回路S1を備え、増幅部2が、センサ部1から出力される電圧を増幅し、AD変換部3が、増幅部2から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、CPU5が、プログラムメモリ4に書き込まれた補正用プログラムにもとづいて、センサ回路S1のオフセットおよび感度のバラツキの補正処理を行ない、オフセット補正部6が、CPU5からの指示に従って増幅部2へ与えるオフセット電圧を調整し、感度補正部7が、CPU5からの指示に従って増幅部2の増幅度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロコンピュータを用いて各種機器の制御を行うことが一般的に行われている。その1つとして、加速度や圧力、湿度などの物理量をセンサで検出し、その検出量の変化に応じてマイクロコンピュータが機器の動作を制御することが行われている。
【0003】
そのような制御を行うとき、センサの出力はアナログ微小信号であるため、この信号を増幅することが必要となる。また、増幅されたアナログ信号をマイクロコンピュータで処理可能なデジタル信号に変換するため、アナログ−デジタル変換(AD変換)が必要となる。
【0004】
そのため、センサと、増幅器と、AD変換器と、を1つの筐体に収めたセンサ装置が実用化されている。
【0005】
ところで、上述のような物理量を検出するセンサには、個体ごとにオフセットや感度のバラツキがあり、また温度によるドリフトも発生する。
【0006】
そこで、従来、このようなバラツキやオフセットを補正するために、センサ装置にセンサ出力信号に対する補正回路を組み込むことが行われている。その1つに、個体ごとの補正値を格納したメモリを備え、このメモリから読み出した補正値により、センサ出力信号を増幅する増幅器のオフセットや利得を調整し、さらに、温度センサを設けて温度によるドリフトを補正する、補正回路を備えたセンサ装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかし、上述のセンサ装置では、固定オフセット値、固定利得補正値、オフセット温度係数、利得温度補正値をそれぞれ格納するメモリと、それぞれの補正を行なう補正回路を備えるため、ハードウェア量が増加する、という問題があった。また、本来のセンサのほかに、温度測定のための温度センサも設けなければならない、という問題があった。
【0008】
また、固定オフセット値や固定利得補正値はセンサ出荷時の初期値であるため、センサに経年変化による特性変動が生じた場合、その変動を正しく補正できない、という問題も発生すると考えられる。
【特許文献1】特開2005−37301号公報 (第6−7ページ、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、固定の補正値や温度センサを用いることなくセンサ出力信号を補正することのできるセンサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、入力された物理量を電気信号に変換するセンサ回路を備えるセンサ手段と、前記センサ手段から出力される電気信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換手段と、プログラムメモリに書き込まれた補正用プログラムにもとづいて、前記センサ手段のオフセットおよび感度のバラツキの補正処理を行なうCPUと、前記CPUからの指示に従って前記増幅手段へ与えるオフセット電圧を調整するオフセット補正手段と、前記CPUからの指示に従って前記増幅手段の増幅度を調整する感度補正手段と、を有することを特徴とするセンサ装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、固定の補正値や温度センサを用いることなくセンサ出力信号を補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1に係るセンサ装置の構成の例を示すブロック図である。
【0014】
本実施例のセンサ装置は、入力された物理量の変位を電圧の変位に変換するセンサ回路S1を備えるセンサ部1と、センサ部1から出力される電圧を増幅する増幅部2と、増幅部2から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部3と、プログラムメモリ4に書き込まれた補正用プログラムにもとづいて、センサ回路S1のオフセットおよび感度のバラツキの補正処理を行なうCPU5と、CPU5からの指示に従って増幅部2へ与えるオフセット電圧を調整するオフセット補正部6と、CPU5からの指示に従って増幅部2の増幅度を調整する感度補正部7と、を有する。
【0015】
さらに、本実施例のセンサ装置は、CPU5の補正処理の結果であるオフセット補正値および感度補正値をそれぞれに格納するオフセット補正値格納部8および感度補正値格納部9を有する。
【0016】
また、AD変換部3の出力は所定の形式に整えられて、出力部10からセンサデータとして外部へ出力される。
【0017】
増幅部2は、OPアンプなどの差動入力型の増幅器であり、センサ回路S1の出力が可変抵抗Riを介して増幅部2の反転入力(−)端子へ入力され、オフセット補正部6から出力されるオフセット電圧が正転入力(+)端子へ入力される。また、増幅部2の出力が可変抵抗Rfを介して反転入力(−)端子へフィードバックされる。
【0018】
すなわち、この増幅部2は、反転入力(−)端子と正転入力(+)端子間の差分電圧を増幅度Ri/Rfで増幅する反転増幅器として動作する。
【0019】
増幅部2の増幅度は、可変抵抗Ri、Rfの抵抗値を変化させることにより変化させることができる。
【0020】
オフセット補正部6は、CPU5からの指示に従ってオフセット電圧の大きさを設定するオフセット電圧設定部61と、オフセット電圧設定部61により設定されたオフセット電圧を発生させるオフセット電圧発生部62と、を有する。
【0021】
図2に、オフセット電圧発生部62の具体的な構成の例を示す。
【0022】
図2に示すオフセット電圧発生部62は、抵抗分圧回路であり、抵抗により分圧された電圧のうちの1つをスイッチで選択し、オフセット電圧として出力する。スイッチの選択は、オフセット電圧設定部61の出力により決定される。
【0023】
感度補正部7は、増幅部2に接続される可変抵抗Ri、Rfと、CPU5からの指示に従って可変抵抗Ri、Rfの大きさを設定する増幅度調整部71と、を有する。
【0024】
図3に、可変抵抗Ri、Rfの具体的な構成の例を示す。
【0025】
図3に示す可変抵抗Ri、Rfは、それぞれ、抵抗の途中に複数のタップを設けたタップ付き抵抗回路である。可変抵抗Riは、増幅度調整部71の出力Aによりタップを選択することより抵抗値が変化する。また、可変抵抗Rfは、増幅度調整部71の出力Bによりタップを選択することより抵抗値が変化する。
【0026】
CPU5は、オフセット補正部6および感度補正部7を制御することにより、センサ回路S1のオフセットのバラツキおよび感度のバラツキを補正する。CPU5による補正処理は、プログラムメモリ4に書き込まれた補正用プログラムにもとづいて実行される。
【0027】
図4に、この補正処理の処理手順の例をフロー図で示す。
【0028】
補正処理を開始すると、CPU5は、オフセット電圧設定部61および増幅度調整部71へ初期値を送り、増幅部2が標準状態となるよう、増幅部2のオフセット電圧および増幅度を設定する(ステップS01)。
【0029】
この状態で、センサ回路S1へオフセット調整用に予め規定されている基準値の物理量が入力されると(ステップS02)、この物理量はセンス回路1により電圧に変換され、増幅部2で増幅され、AD変換部3によりデジタルデータに変換される(ステップS03)。
【0030】
続いて、CPU5は、オフセット調整用の物理量の基準値に対するAD変換出力の標準値として補正用プログラムに記述されている値を読み取り、AD変換部3から出力されたデジタルデータと、補正用プログラムから読み取った標準値とを比較し(ステップS04)、両方の値が一致するかどうかを判定する(ステップS05)。
【0031】
ここで、補正用プログラムに記述されている標準値は、センス回路1に含まれるセンサ素子の製品タイプごとに設定されている値である。
【0032】
判定の結果、AD変換部3から出力されたデジタルデータと、補正用プログラムから読み取った標準値とが一致しなければ(N)、CPU5は、その誤差がゼロとなるよう、オフセット補正値を算出し(ステップS06)、オフセット電圧設定部61の設定値を変更し、オフセット電圧発生部62から出力されるオフセット電圧を変更する(ステップS07)。
【0033】
オフセット電圧変更後、ステップS03に戻り、D変換部3から出力されたデジタルデータと、補正用プログラムから読み取った標準値とが一致するまで、以降のステップの処理を繰り返す。
【0034】
AD変換部3から出力されたデジタルデータと、補正用プログラムから読み取った標準値とが一致したときは(ステップS05のY)、CPU5は、算出したオフセット補正値をオフセット補正値格納部8に格納する(ステップS08)。
【0035】
次に、センサ回路S1の感度のバラツキの補正を行なう。
【0036】
そのために、センサ回路S1へ感度調整用に予め規定されている基準値の物理量が入力される(ステップS09)。この感度調整用の基準値は、上述のオフセット調整用の基準値とは異なる値である。
【0037】
この感度調整用の基準値の物理量はセンス回路1により電圧に変換され、増幅部2で増幅され、AD変換部3によりデジタルデータに変換される(ステップS10)。
【0038】
続いて、CPU5は、感度調整用の物理量の基準値に対するAD変換出力の標準値として補正用プログラムに記述されている値を読み取り、AD変換部3から出力されたデジタルデータと、補正用プログラムから読み取った標準値とを比較し(ステップS11)、両方の値が一致するかどうかを判定する(ステップS12)。
【0039】
ここで、補正用プログラムに記述されている標準値は、センス回路1に含まれるセンサ素子の製品タイプごとに設定されている値である。
【0040】
判定の結果、AD変換部3から出力されたデジタルデータと、補正用プログラムから読み取った標準値とが一致しなければ(N)、CPU5は、その誤差がゼロとなるよう、感度補正値を算出し(ステップS13)、増幅度調整部71の設定値を変更して可変抵抗Ri、Rfの抵抗値を変更、増幅部2の増幅度を変更する(ステップS14)。
【0041】
増幅度変更後、ステップS10に戻り、D変換部3から出力されたデジタルデータと、補正用プログラムから読み取った標準値とが一致するまで、以降のステップの処理を繰り返す。
【0042】
AD変換部3から出力されたデジタルデータと、補正用プログラムから読み取った標準値とが一致したときは(ステップS12のY)、CPU5は、算出した感度補正値を感度補正値格納部9に格納する(ステップS15)。
【0043】
感度補正値の格納が済むと、本フローの処理は終了する。
【0044】
図5に、上述の処理フローによりセンサ回路S1のオフセットおよび感度のバラツキが補正される様子を、センサ回路S1へ入力される物理量に対するAD変換部3のデジタルデータ出力のグラフで示す。
【0045】
オフセット補正用基準値の物理量入力に対して、最初は、AD変換部3からデジタルデータAが出力されていたものが、増幅部2のオフセット電圧の補正の結果、補正用プログラムに記述されている標準値に一致するデジタルデータBが出力されるようになる。
【0046】
その後、感度補正用基準値の物理量入力がされる。これに対して、AD変換部3からデジタルデータCが出力されたとすると、増幅部2の増幅度が補正されて、補正用プログラムに記述されている標準値に一致するデジタルデータDが出力されるようになる。
【0047】
すなわち、センサ回路S1のオフセットおよび感度のバラツキが補正され、センサ回路S1の標準仕様に一致するデジタルデータが出力されるようになる。
【0048】
このように、図4に示す補正処理フローを実行することにより、センサ回路S1の補正処理実行時点のオフセットおよび感度のバラツキに応じた、増幅部2のオフセット電圧および増幅度の補正を行なうことができる。
【0049】
そこで、本実施例のセンサ装置が、物理量の検出が必要となるたびに電源が投入され、一定時間の使用後、電源の切断が行われるような使用が行われる装置である場合、電源の投入のたびに上述の補正処理を実行するようにする。
【0050】
図6に、電源が投入のたびに補正処理を実行するフローの例を示す。
【0051】
図6に示すフローでは、電源が投入されると、直ちに、図4に示す補正処理フローを実行し、センサ回路S1のオフセットおよび感度のバラツキを補正する(ステップS101)。
【0052】
補正の結果、オフセット補正値がオフセット補正値格納部8に格納され、感度補正値が感度補正値格納部9に格納される(ステップS102)。
【0053】
補正処理が終了した後に、物理量の検出を行う通常の処理を実行する。このとき、補正値格納部8に格納されているオフセット補正値および感度補正値格納部9に格納されている感度補正値をそれぞれ読み出し、増幅部2のオフセット電圧および増幅度の補正を行なって(ステップS103)、物理量検出の通常処理を行う(ステップS104)。
【0054】
処理の終了後に、電源が切断される。
【0055】
このような処理を行うことにより、センサ回路S1に温度変動による特性の変化があっても、その特性変化も含めて、電源投入時点のセンサ回路S1のオフセットおよび感度のバラツキに応じて、そのバラツキに対する増幅部2のオフセット電圧および増幅度の補正が行われる。
【0056】
同様に、センサ回路S1に経年変化による特性の変化があっても、その特性変化も含めて、電源投入時点のセンサ回路S1のオフセットおよび感度のバラツキに応じて、そのバラツキに対する増幅部2のオフセット電圧および増幅度の補正が行われる。
【0057】
このような本実施例によれば、補正用プログラムにオフセット調整用および感度調整用の物理量の基準値に対するAD変換出力の標準値のみを記述しておくだけで、センサ回路のオフセットおよび感度のバラツキを補正することができる。これにより、個々のセンサに対する固定の補正値を用意する必要がなく、データ量の削減を図ることができる。
【0058】
また、電源投入ごとに補正処理を行うことにより、温度センサを用いなくても、電源投入時点の温度特性に応じて、センサ回路のオフセットおよび感度のバラツキを補正することができる。
【0059】
同様に、電源投入ごとに補正処理を行うことにより、経年変化によるセンサ回路のオフセットおよび感度の変化を補正することができる。
【実施例2】
【0060】
多軸センサなど、複数のセンス回路が搭載されるセンサ装置がある。本実施例では、そのような複数のセンス回路が搭載される場合であっても、それぞれのセンス回路のオフセットおよび感度のバラツキを個々に補正することのできるセンサ装置の例を示す。
【0061】
図7は、本発明の実施例2に係るセンサ装置の構成の例を示すブロック図である。本実施例のセンサ装置の基本的な構成は、図1に示した実施例1のセンサ装置と同じである。そこで、図7において、図1に示したブロックと同じ機能を有するブロックには図1と同一の符号を付し、ここではその詳細な説明を省略する。
【0062】
本実施例のセンサ装置では、センサ部100が、3つのセンス回路S1、S2、S3と、CPU5から出力されるセンス回路選択信号に応じて、この3つのセンス回路の出力から1つを選択して出力するセレクタSELと、を備える。
【0063】
このような本実施例では、センス回路選択信号によりセンス回路を順次選択し、それぞれのセンス回路に対してCPU5による補正処理を順次行うことにより、センス回路S1、S2、S3個々に、オフセットおよび感度のバラツキを補正する。
【0064】
補正処理により算出されたオフセット補正値はオフセット補正値格納部8Aに、感度補正値は感度補正値格納部9Aに、センス回路ごとに格納される。
【0065】
オフセット補正値格納部8Aおよび感度補正値は感度補正値格納部9Aから補正値を読み出すときは、センス回路選択信号によるセンス回路の選択に連動して、選択されているセンス回路に対する補正値が読み出される。
【0066】
図8に、本実施例における補正処理の処理手順の例をフロー図で示す。
【0067】
補正処理を開始すると、CPU5は、センス回路選択信号によりセンス回路S1を選択する(ステップS21)。
【0068】
選択されたセンス回路S1に対して、図4に示すフローに従い、増幅部2のオフセット電圧および感度の補正を行なう(ステップS22)。
【0069】
その結果算出されたオフセット補正値、感度補正値を、センス回路S1用のオフセット補正値、感度補正値として、オフセット補正値格納部8A、感度補正値格納部9Aに、それぞれ格納する(ステップS23)。
【0070】
次に、CPU5は、センス回路選択信号によりセンス回路S2を選択する(ステップS24)。
【0071】
このセンス回路S2に対してもセンス回路S1と同様、図4に示すフローに従って増幅部2のオフセット電圧および感度の補正を行ない(ステップS25)、算出されたオフセット補正値、感度補正値を、センス回路S2用のオフセット補正値、感度補正値として、オフセット補正値格納部8A、感度補正値格納部9Aに、それぞれ格納する(ステップS26)。
【0072】
最後に、CPU5は、センス回路選択信号によりセンス回路S3を選択し(ステップS27)、センス回路S1と同様、図4に示すフローに従って増幅部2のオフセット電圧および感度の補正を行ない(ステップS28)、算出されたオフセット補正値、感度補正値を、センス回路S3用のオフセット補正値、感度補正値として、オフセット補正値格納部8A、感度補正値格納部9Aに、それぞれ格納し(ステップS29)、補正処理を終了する。
【0073】
このような本実施例によれば、複数のセンス回路が搭載されていても、それぞれのセンス回路ごとのオフセット補正値および感度補正値を算出することができるので、それぞれのセンス回路に対する最適の補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施例1に係るセンサ装置の構成の例を示すブロック図。
【図2】オフセット電圧発生部の具体的な構成の例を示すブロック図。
【図3】感度補正部の可変抵抗Ri、Rfの具体的な構成の例を示すブロック図。
【図4】実施例1のセンサ装置の補正処理の手順の例を示すフロー図。
【図5】実施例1のセンサ装置における補正の様子を示すグラフ。
【図6】実施例1のセンサ装置の処理の流れの例を示すフロー図。
【図7】本発明の実施例2に係るセンサ装置の構成の例を示すブロック図。
【図8】実施例2のセンサ装置の補正処理の手順の例を示すフロー図。
【符号の説明】
【0075】
1 センサ部
2 増幅部
3 AD変換部
4 プログラムメモリ
5 CPU
6 オフセット補正部
61 オフセット電圧設定部
62 オフセット電圧発生部
7 感度補正部
71 増幅度調整部
8、8A オフセット補正値格納部
9、9A 感度補正値格納部
10 出力部
S1、S2、S3 センス回路
Ri、Rf 可変抵抗
SEL セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された物理量を電気信号に変換するセンサ回路を備えるセンサ手段と、
前記センサ手段から出力される電気信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換手段と、
プログラムメモリに書き込まれた補正用プログラムにもとづいて、前記センサ手段のオフセットおよび感度のバラツキの補正処理を行なうCPUと、
前記CPUからの指示に従って前記増幅手段へ与えるオフセット電圧を調整するオフセット補正手段と、
前記CPUからの指示に従って前記増幅手段の増幅度を調整する感度補正手段と、
を有することを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記CPUは、
前記補正処理を行なうときに、
前記補正用プログラムに記述された初期値にもとづいて、前記オフセット補正手段および前記感度補正手段に初期値を設定し、
前記センサ手段に基準値が入力されたときに前記AD変換手段から出力される値と、前記補正用プログラムに記述された標準値と、を比較して、前記初期値に対する補正値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記補正値は補正処理終了時に補正値格納手段に格納され、補正処理終了後は、前記オフセット補正手段および前記感度補正手段は、前記補正値格納手段に格納された前記補正値を読み出して前記器増幅手段のオフセット電圧および増幅度を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記センサ手段が、
複数のセンサ回路と、
前記複数のセンサ回路の出力から1つを選択して出力するセレクタと
を備え、
前記CPUが、
前記セレクタを切り替えて、それぞれのセンサ回路ごとに前記補正処理を行い、それぞれのセンサ回路ごとの前記補正値を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記補正値は補正処理終了時に補正値格納手段に格納され、補正処理終了後は、前記オフセット補正手段および前記感度補正手段は、前記セレクタにより選択されたセンサ回路に対する補正値を前記補正値格納手段から読み出し、選択されたセンサ回路ごとに前記器増幅手段のオフセット電圧および増幅度を設定する
ことを特徴とする請求項4に記載のセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−53110(P2009−53110A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−221547(P2007−221547)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(598010562)東芝メモリシステムズ株式会社 (119)
【Fターム(参考)】