センシング装置および電子機器
【課題】基板上の電源線に発生したノイズがセンシング装置に及ぼす影響を軽減する。
【解決手段】受光素子の受光量に応じた検出電流Itを生成する単位回路Pと、単位回路Pの制御に用いられる制御回路10と、単位回路Pの電源電位が供給される単位回路用電源線群20と、制御回路10の電源電位が供給される制御回路用電源線群30と、が絶縁性の基板101上に形成され、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とは基板101上で電気的に切り離されているセンシング装置100。
【解決手段】受光素子の受光量に応じた検出電流Itを生成する単位回路Pと、単位回路Pの制御に用いられる制御回路10と、単位回路Pの電源電位が供給される単位回路用電源線群20と、制御回路10の電源電位が供給される制御回路用電源線群30と、が絶縁性の基板101上に形成され、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とは基板101上で電気的に切り離されているセンシング装置100。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出素子の状態に応じた信号を出力するセンシング装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検出素子の状態に応じた信号を生成するセンサ回路と、センサ回路の制御に用いられる回路とが絶縁性の基板上に形成されるという構成が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1には、光センサを含むセンサ回路と、センサ回路を駆動するための駆動回路と、センサ回路で生成される信号(データ)の外部への出力を制御するデータ出力回路とがガラス基板上に形成される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−327106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された技術では、同一種類の電源電位が、基板上に形成されたセンサ回路および制御回路(駆動回路、データ出力回路)の各々に供給される。したがって、特許文献1に開示された技術では、センサ回路および制御回路に接続される電源線は共通であると考えられる。このため、電源線にノイズが発生すると、センサ回路および制御回路の双方がノイズの影響を受けてしまうという問題があった。
以上の事情に鑑みて、本発明は、基板上の電源線に発生したノイズがセンシング装置に及ぼす影響を軽減するという課題の解決を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明に係るセンシング装置は、検出素子の状態に応じた検出信号を生成する単位回路と、単位回路の制御に用いられる制御回路と、単位回路の電源電位が供給される単位回路用電源線群と、制御回路の電源電位が供給される制御回路用電源線群と、が絶縁性の基板上に形成され、単位回路用電源線群と制御回路用電源線群とは基板上で電気的に切り離されている。
【0006】
この態様によれば、単位回路用電源線群と制御回路用電源線群とは基板上で電気的に切り離されているから、単位回路用電源線群および制御回路用電源線群のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できるという利点がある。
【0007】
本発明に係るセンシング装置の具体的な態様において、単位回路用電源線群は、第1電位が供給される第1高位線と、第1電位より低い第2電位が供給される第1低位線とを含み、単位回路は、検出信号が供給される検出線と第1高位線との間に配置され、ゲートの電位に応じた検出信号を生成するトランジスタを備え、検出素子は、トランジスタのゲートと第1低位線との間に配置される。
【0008】
本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、単位回路を駆動する駆動回路を含み、制御回路用電源線群は、駆動回路の電源電位が供給される第1電源線を含む。より具体的には、単位回路用電源線群は、第1電位が供給される第1高位線と、第1電位より低い第2電位が供給される第1低位線とを含み、単位回路は、検出信号を生成するトランジスタと、第1高位線とトランジスタのゲートとの間に配置されてゲートがリセット線に接続されるリセットトランジスタと、検出線に対する検出信号の供給の可否を決定するとともに、ゲートが選択線に接続される選択トランジスタと、を備え、駆動回路は、リセット線に対してリセット信号を出力し、選択線に対して選択信号を出力する。この態様によれば、単位回路用電源線群(第1高位線および第1低位線)と、第1電源線とは基板上で電気的に切り離されているから、単位回路用電源線群および第1電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できるという利点がある。
【0009】
また、第1電源線は、第1電位より高い第3電位が供給される第2高位線と、第3電位より低い第4電位が供給される第2低位線とからなり、駆動回路が第3電位をリセット線に出力することで、リセットトランジスタがオン状態になることが好適である。この態様によれば、リセットトランジスタを確実にオン状態に遷移させることができるから、トランジスタのゲートの初期化(リセット)を確実に行うことができる。
【0010】
本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、検出信号を保持するための保持回路をさらに含み、制御回路用電源線群は、保持回路の電源電位が供給される第2電源線を含み、第1電源線と第2電源線とは基板上で電気的に切り離されていることが好適である。この態様によれば、第1電源線と第2電源線とが基板上で電気的に切り離されているから、第1電源線に供給される電源電位および第2電源線に供給される電源電位のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できる。
【0011】
本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路を含み、制御回路用電源線群は、出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線を含み、第3電源線と第1電源線とは基板上で電気的に切り離されていることが好適である。この態様によれば、第3電源線と第1電源線とは電気的に切り離されているから、第1電源線および第3電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方の電源線が当該ノイズの影響を受けることを抑制できる。
【0012】
本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、検出信号を保持するための保持回路を含み、制御回路用電源線群は、保持回路の電源電位が供給される第2電源線を含むという態様とすることができる。例えば、単位回路と、保持回路と、単位回路用電源線群と、第2電源線とが絶縁性の基板上に形成され、駆動回路や出力制御回路は基板上に形成されないという態様とすることもできる。この態様でも、単位回路用電源線群と、第2電源線とは基板上で電気的に切り離されているから、単位回路用電源線群および第2電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できるという利点がある。
【0013】
本発明に係るセンシング装置の態様において、検出信号を保持するための保持回路と、検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路と、を含み、制御回路用電源線群は、保持回路の電源電位が供給される第2電源線と、出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線と、を含み、第2電源線と第3電源線とは基板上で電気的に切り離されているという態様とすることもできる。例えば、単位回路と、保持回路と、出力制御回路と、単位回路用電源線群と、第2電源線と、第3電源線とが絶縁性の基板上に形成され、駆動回路は基板上に形成されないという態様とすることもできる。この態様によれば、第2電源線と第3電源線とは基板上で電気的に切り離されているから、第2電源線および第3電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できる。
【0014】
また、本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路と、を含み、制御回路用電源線群は、出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線を含むという態様とすることもできる。例えば、単位回路と、出力制御回路と、単位回路用電源線群と、第3電源線とが絶縁性の基板上に形成され、駆動回路や保持回路は基板上に形成されないという態様とすることもできる。この態様でも、単位回路用電源線群と、第3電源線とは基板上で電気的に切り離されているから、単位回路用電源線群および第3電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できるという利点がある。
【0015】
さらに、本発明に係るセンシング装置の具体的な態様において、第2電源線は、第5電位が供給される第3高位線と、第5電位より低い第6電位が供給される第3低位線とからなり、保持回路は、第1電極と、第3低位線が接続される第2電極とを有する容量素子と、入力側に第1電極が接続されるとともに、第3高位線および第3低位線が接続されるアンプと、を備える。また、本発明に係るセンシング装置は、各種の電子機器に利用することができる。この種の機器としては、タッチパネル、スキャナ、カメラ、静脈認証センサ、赤外線センサなどがある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【図2】光検出回路の具体的な構成を示す回路図である。
【図3】センシング装置の動作に利用される各信号の具体的な波形を示す図である。
【図4】リセット期間における単位回路の動作を示す図である。
【図5】センシング期間における単位回路の動作を示す図である。
【図6】読出期間における単位回路の動作を示す図である。
【図7】保持回路の具体的な構成を示す回路図である。
【図8】シフトレジスタの具体的な構成を示す図である。
【図9】対比例の構成を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【図11】同実施形態に係る保持回路の具体的な構成を示す回路図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【図13】シフトレジスタの具体的な動作を示すタイミングチャートである。
【図14】本発明の第4実施形態に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【図15】本発明の変形例に係る単位回路用電源線群と制御回路用電源線群との接続態様を示す図である。
【図16】本発明の変形例に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンシング装置100の構成を示す図である。図1に示すように、センシング装置100は、受光量に応じた大きさの受光信号を出力する受光素子Qを各々が有する複数の単位回路Pと、各単位回路Pの制御に用いられる制御回路10と、各単位回路Pの電源電位が供給される単位回路用電源線群20と、制御回路10の電源電位が供給される制御回路用電源線群30とを含む。複数の単位回路Pと、制御回路10と、単位回路用電源線群20と、制御回路用電源線群30とは、基板101上に形成される。基板101は、ガラスなどの絶縁性材料で形成される。制御回路10は、駆動回路12と、保持回路14と、出力制御回路16とを含む。制御回路10には、センシング装置100の動作を規定する各種の信号が外部の信号生成回路40から供給される。
【0018】
単位回路用電源線群20は、第1高位線21と第1低位線22とからなる。第1高位線21および第1低位線22は、各単位回路Pに接続される。第1高位線21の端子T1には、電位生成部50にて生成される第1電位AVDD1が供給され、第1低位線22の端子T2には、電位生成部50にて生成される第2電位AVSS1(<AVDD1)が供給される。制御回路用電源線群30は、第2高位線31と第2低位線32とからなる。第2高位線31および第2低位線32は、駆動回路12、保持回路14および出力制御回路16の各々に接続される。第2高位線31の端子T3には、電位生成部50にて生成される第3電位DVDD1(>AVDD1)が供給され、第2低位線32の端子T4には、電位生成部50にて生成される第4電位DVSS1(<DVDD1)が供給される。
【0019】
電位生成部50は、電源60から出力される電位に基づいて、各単位回路Pの電源電位(AVDD1、AVSS1)および制御回路10の電源電位(DVDD1、DVSS1)を生成する。電位生成部50は、基板101に接続された配線基板(例えばFPC(flexible Printed Circuit)など)に実装される。つまり、電位生成部101は、基板101上には実装されない。
【0020】
単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とは基板101上で電気的に切り離されている。より具体的には、基板101上において、単位回路用電源線群20(第1高位線21、第1低位線22)および制御回路用電源線群30(第2高位線31、第2低位線32)は、互いに離れて形成されて互いに非導通の関係にある(互いに電気的に独立している)。
【0021】
各単位回路Pは基板101上の検出領域103に面上に配列される。より具体的には以下のとおりである。検出領域103には、X方向に延在するm本の制御線70と、X方向に直交するY方向に延在するn本の検出線80とが形成される(mおよびnは2以上の自然数)。各単位回路Pは、制御線70と検出線80との交差に対応する位置に配置される。したがって、これらの単位回路Pは縦m行×横n列のマトリクス状に配列する。
【0022】
図2は、単位回路Pの具体的な構成を示す回路図である。図2においては、第i行(1≦i≦m)に属するひとつの単位回路Pが示されている。単位回路Pは、Nチャネル型のリセットトランジスタTreと、Nチャネル型の増幅トランジスタTaと、Nチャネル型の選択トランジスタTselと、例えばフォトダイオードなどの受光素子Qとを備える。図2に示すように、制御線70は、各々がX方向に延在するリセット線72と選択線74とからなる。
【0023】
図2に示すように、増幅トランジスタTaは、第1高位線21と検出線80との間に配置され、ゲートの電位に応じた検出電流It(検出信号)を生成する。増幅トランジスタTaのゲートには受光素子Qが接続される。受光素子Qの陰極は増幅トランジスタTaのゲートに接続される一方、陽極は第1低位線22に接続される。リセットトランジスタTreは、第1高位線21と増幅トランジスタTaのゲートとの間に配置される。リセットトランジスタTreのドレインは第1高位線21に接続される一方、ソースは増幅トランジスタTaのゲートに接続される。また、リセットトランジスタTreのゲートはリセット線72に接続される。選択トランジスタTselは、第1高位線21と検出線80との間に配置されて増幅トランジスタTaと直列的に接続される。選択トランジスタTselのゲートは選択線74に接続される。
【0024】
図1に示す駆動回路12は、各単位回路Pを駆動するための手段である。より具体的には、駆動回路12は、各単位回路Pを駆動するためのリセット信号RESおよび選択信号SELを各制御線70に出力する。第i行の制御線70のリセット線72にはリセット信号RES[i]が供給され、第i行の制御線70の選択線74には選択信号SEL[i]が供給される。図3は、センシング装置100の動作に利用される各信号の具体的な波形を示す図である。図3に示すように、各単位期間T内において、リセット信号RES[1]〜RES[m]および選択信号SEL[1]〜SEL[m]は順次アクティブレベル(ハイレベル)に遷移する。
【0025】
図3に示すように、各単位期間Tにおいて、m行の各々について動作期間Tdが設定される。各動作期間Tdは、初期化期間Trとセンシング期間Tsと読出期間Toとデータ保持期間Tkと出力期間Tuとからなる。各動作期間Tdのリセット期間Trにおいて、リセット信号RESはハイレベルに設定される。リセット期間Trの後のセンシング期間Tsにおいて、リセット信号RESおよび選択信号SELはローレベルに設定される。センシング期間Tsの後の読出期間Toにおいて、選択信号SELはハイレベルに設定される。読出期間Toの後のデータ保持期間Tk、および、データ保持期間Tkの後の出力期間Tuの各々において、リセット信号RESおよび選択信号SELはローレベルに設定される。
【0026】
次に、図3〜図6を参照しながら、単位回路Pの動作を説明する。ここでは、第i行の動作期間Tdにおける具体的な動作について説明する。図3に示すように、リセット期間Trにおいては、リセット信号RES[i]はハイレベルに設定されるから、リセットトランジスタTreはオン状態になる。本実施形態では、駆動回路12は、ハイレベルのリセット信号RES[i]として、第3電位DVDD1をリセット線72へ出力する。第3電位DVDD1は、第1高位線21に供給される第1電位AVDD1よりも高く、かつ、リセットトランジスタTreが確実にオン状態となるような値に設定される。したがって、図4に示すように、増幅トランジスタTaのゲートの電位は第1電位AVDD1に設定(リセット)される。
【0027】
図3に示すように、センシング期間Tsにおいては、リセット信号RES[i]および選択信号SEL[i]はローレベルに遷移するから、図5に示すように、リセットトランジスタTreおよび選択トランジスタTselはオフ状態に遷移する。このとき、増幅トランジスタTaのゲートの電位は、受光素子Qの電圧Vpdに応じた値に設定される。受光素子Qの電圧Vpdは、受光素子Qに対して入射される光量に応じて決まる。
【0028】
図3に示すように、読出期間Toにおいては、選択信号SEL[i]がハイレベルに遷移するから、図6に示すように、選択トランジスタTselがオン状態になる。このとき、増幅トランジスタTaのゲートの電位に応じた大きさの検出電流It(検出信号)が検出線80を流れる。
【0029】
センシング期間Tsにおいて、指などの物体が検出領域103に影を落としながら接触または接近すると、影になった領域に対応して設けられた受光素子Qの受光量が変化して受光素子Qの電圧Vpdが変化する。そして、読出期間Toにおいて、受光量に応じた検出電流It(検出信号)が検出線80に出力される。
【0030】
再び図1に戻って説明を続ける。保持回路14は、検出電流It(検出信号)を保持するための手段(サンプルホールド回路SH)である。本実施形態では、検出線80毎に保持回路14が設けられている。図7は、保持回路14の具体的な構成を示す回路図である。図7においては、第j列(1≦j≦n)の検出線80に対応して設けられた保持回路14の構成が例示されているが、他の列の検出線80に対応する保持回路14も同じ構成である。
【0031】
図7に示すように、保持回路14は、検出信号を保持するための容量素子Cと、容量素子Cに保持された検出信号を増幅して出力するためのアンプApとを含む。容量素子Cは第1電極L1と第2電極L2とを有する。第1電極L1は、アンプApの入力側に接続される一方、第2電極L2は、第4電位DVSS1が供給される第2低位線32に接続される。アンプApには、第2高位線31および第2低位線32が接続され、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1が電源電位として供給される。
【0032】
本実施形態では、保持回路14は、プリチャージ用トランジスタTpと、スイッチング素子Gとをさらに含む。スイッチング素子Gの一方の端子は検出線80に接続され、他方の端子は容量素子Cの第1電極L1およびアンプApの入力側に接続される。なお、サンプリング信号SHGは、各保持回路14内のスイッチング素子Gに対して一斉に供給される。また、プリチャージ用トランジスタTpの一方の電極は検出線80に接続され、他方の電極はプリチャージ電位Vpが供給される定電位線に接続される。プリチャージ用トランジスタTpのゲートには、信号生成回路40から出力されるプリチャージ信号PREGが供給される。なお、プリチャージ信号PREGは、各保持回路14内のプリチャージ用トランジスタTpに対して一斉に供給される。図3に示すように、各単位期間T内の動作期間Td毎に、プリチャージ信号PREGおよびサンプリング信号SHGはアクティブレベル(ハイレベル)に遷移する。
【0033】
図1に示す出力制御回路16は、検出電流It(検出信号)の外部への出力を制御する手段である。出力制御回路16は、外部へ繋がる出力線105と各保持回路14との間に各々が介在する複数(n個)のスイッチSWと、動作信号XSEL[1]〜XSEL[n]を各スイッチSWに出力するシフトレジスタ18とを含む。図3に示すように、各出力期間Tu内において、動作信号XSEL[1]〜XSEL[n]は順次アクティブレベル(ハイレベル)に遷移する。
【0034】
図8は、シフトレジスタ18の具体的な構成を示す図である。図8に示すように、シフトレジスタ18は、NANDゲート91と、クロックドインバータ92と、NOTゲート93とを各々が含む複数の単位回路90で構成される。各単位回路90は、当該単位回路90に入力されるクロック信号(CLKA、CLKB)に応じて、動作信号XSELを生成するとともに、入力信号XSPを次段の単位回路90へ転送する。詳細な図示は省略するが、シフトレジスタ18には、第2高位線31および第2低位線32が接続され、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1が電源電位として供給される。
【0035】
次に、図3を参照しながら、保持回路14および出力制御回路16の動作を説明する。ここでは、第i行の動作期間Tdにおける具体的な動作について説明する。図3に示すように、リセット期間Trにおいて、プリチャージ信号PREGおよびサンプリング信号SHGはハイレベルに設定されるから、プリチャージ用トランジスタTpおよびスイッチング素子Gはオン状態になる。これにより、各検出線80の電位はプリチャージ電位Vpに設定されるとともに、容量素子Cに残存している電荷が放電(リセット)される。
【0036】
図3に示すように、センシング期間Tsにおいては、プリチャージ信号PREGはローレベルに遷移するから、プリチャージ用トランジスタTpはオフ状態に遷移する。一方、サンプリング信号SHGはハイレベルに維持されるから、スイッチング素子Gはオン状態に維持される。
【0037】
図3に示すように、読出期間Toにおいては、サンプリング信号SHGは、読出期間Toの終点の直前までハイレベルに維持されるから、検出線80に出力される検出電流Itは、オン状態のスイッチング素子Gを介して容量素子Cへ供給される。そして、サンプリング信号SHGは、読出期間Toの終点の直前でローレベルに遷移するから、スイッチング素子Gはオフ状態になる。これにより、容量素子Cはフローティング状態になる。
【0038】
なお、本実施形態において、サンプリング信号SHGは、リセット期間Trの始点から、読出期間Toの終点の直前にわたってハイレベルに設定されているが、これに限らず、例えばリセット期間Trが終了すると一旦ローレベルに遷移し、読出期間Toが開始すると再びハイレベルに遷移するという態様とすることもできる。
【0039】
図3に示すように、データ保持期間Tkにおいては、選択信号SEL[i]がローレベルに遷移するから、単位回路Pにおける選択トランジスタTselはオフ状態になる。したがって、単位回路Pにて生成される検出電流Itの検出線80に対する出力も停止する。読出期間Toにて各検出線80に出力された検出電流Itの電荷は、各保持回路14の容量素子Cに保持される。
【0040】
図3に示すように、出力期間Tuにおいては、動作信号XSEL[1]〜XSEL[n]は順次ハイレベルに遷移するから、n個のスイッチSWの各々は順次にオン状態に遷移する。したがって、各保持回路14の容量素子Cに保持される検出電流Itは、スイッチSWを介して出力線105に順次出力される。以上に説明したように、本実施形態に係るセンシング装置100は、検出素子(受光素子Q)の状態に応じた検出信号(検出電流It)を出力線105に出力する。本実施形態では、出力線105は外部の検出回路(図示省略)に接続されている。
【0041】
図9は、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とが基板101上で電気的に接続されている態様(以下、「対比例」という)を示す図(図1に対応)である。対比例においては、第1高位線21および第2高位線31は電気的に接続され、両者には第3電位DVDD1が供給されている。また、第1低位線22および第2低位線32は電気的に接続され、両者には第4電位DVSS1が供給されている。この態様では、例えば制御回路10(駆動回路12、保持回路14、出力制御回路16)の動作によって第3電位DVDD1にノイズが発生すると、第3電位DVDD1が供給される第1高位線21に接続された増幅トランジスタTaのドレインと、増幅トランジスタTaのゲートとの間に存在する寄生容量を介して、当該ゲートの電位にノイズが乗る。そして、読出期間Toにおいて、当該ノイズは増幅されて検出線80に出力される。同様に、第4電位DVSS1にノイズが発生すると、第4電位DVSS1が供給される第1低位線22に接続された受光素子Qを介して、増幅トランジスタTaのゲートの電位にノイズが乗る。そして、読出期間Toにおいて、当該ノイズは増幅されて検出線80に出力される。すなわち、制御回路10の動作によって電源電位にノイズが発生すると、各単位回路Pも当該ノイズの影響を受けてしまうという問題が起こる。同様に、各単位回路Pの動作によって電源電位にノイズが発生すると、制御回路10も当該ノイズの影響を受けてしまうという問題が起こる。
【0042】
これに対して、本実施形態では、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とが基板101上で電気的に切り離されているから、例えば制御回路10の動作によって制御回路用電源線群30に供給される電源電位(DVDD1、DVSS1)にノイズが発生しても、当該ノイズが、単位回路用電源線群20に供給される電源電位(AVDD1、AVSS1)に乗ることを防止できる。すなわち、各単位回路Pがノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。同様に、例えば各単位回路Pの動作によって単位回路用電源線群20に供給される電源電位((AVDD1、AVSS1)にノイズが発生しても、制御回路10がノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。
【0043】
また、本実施形態では、ガラスなどの絶縁性材料で基板101が形成されるため、シリコンなどの半導体で基板101が形成される態様に比べて製作コストを低減できるという利点があり、検出領域103の面積が大型化するほど、そのコストメリットは大きくなる。ところで、ガラスで基板101が形成される態様においては、シリコンなどの半導体で基板101が形成される態様に比べて、基板101上に形成された電源線にノイズが乗りやすい。このため、製作コストを低減しつつノイズの影響を抑制するという観点からすると、ガラスで形成された基板101上において、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とを電気的に切り離すという本実施形態の構成は格別に有効である。
【0044】
<B:第2実施形態>
図10は、本発明の第2実施形態に係るセンシング装置100の構成を示す図である。第2実施形態においては、検出回路用電源線群30は、第1電源線33と第2電源線34とを含み、第1電源線33と第2電源線34とは基板101上で電気的に切り離されている点で第1実施形態と相違する。
【0045】
図10に示すように、第1電源線33は、第2高位線31と第2低位線32とからなり、これらは、駆動回路12および出力制御回路16の各々に接続される。第1実施形態と同様に、第2高位線31の端子T3には、電位生成部50にて生成される第3電位DVDD1(>AVDD1)が供給され、第2低位線32の端子T4には、電位生成部50にて生成される第4電位DVSS1(<DVDD1)が供給される。
【0046】
一方、第2電源線34は、第3高位線35と第3低位線36とからなり、これらは、保持回路14に接続される。第3高位線35の端子T5には、電位生成部50にて生成される第5電位AVDD2が供給され、第3低位線36の端子T6には、電位生成部50にて生成される第6電位AVSS2(<AVDD2)が供給される。したがって、図11に示すように、保持回路14における容量素子Cの第2電極L2には第3低位線36が接続され、当該第2電極L2には第6電位AVSS2が供給される。また、アンプApには、第3高位線35および第3低位線36が接続され、第5電位AVDD2および第6電位AVSS2が電源電位として供給される。
【0047】
前述の第1実施形態においては、制御回路10(駆動回路12、保持回路14、出力制御回路16)に接続される電源線(第2高位線31および第2低位線32)は共通である。このため、例えば第2低位線32にノイズが乗ると、当該第2低位線32に接続された容量素子Cを介してアンプApにノイズが乗る。そして、出力期間Tuにおいて、当該ノイズは増幅されて出力線105に出力される。同様に、第2高位線31にノイズが乗ると、第2高位線31に接続されたアンプApにノイズが乗る。そして、出力期間Tuにおいて、当該ノイズは増幅されて出力線105に出力される。
【0048】
これに対して、第2実施形態では、保持回路14の電源電位(AVDD2、AVSS2)が供給される第2電源線34は、第2高位線31および第2低位線32(第1電源線33)と基板101上で電気的に切り離されているから、第1電源線33に発生したノイズが第2電源線34に乗ることを防止できる。すなわち、保持回路14が、第1電源線33に発生したノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。
【0049】
<C:第3実施形態>
図12は、本発明の第3実施形態に係るセンシング装置100の構成を示す図である。第3実施形態においては、検出回路用電源線群30は、第1電源線33と第3電源線37とを含み、第1電源線33と第3電源線37とは基板101上で電気的に切り離されている点で第1実施形態と相違する。
【0050】
図12に示すように、第1電源線33は、第2高位線31と第2低位線32とからなり、これらは、駆動回路12および保持回路14の各々に接続される。一方、第3電源線37は、第4高位線38と第4低位線39とからなり、これらは、出力制御回路16(シフトレジスタ18)に接続される。第4高位線38の端子T7には、電位生成部50にて生成される第7電位DVDD2が供給され、第4低位線39の端子T8には、電位生成部50にて生成される第8電位DVSS2(<DVDD2)が供給される。
【0051】
前述の第1実施形態においては、制御回路10(駆動回路12、保持回路14、出力制御回路16)に接続される電源線(第2高位線31および第2低位線32)は共通である。このため、例えば第2高位線31にノイズが乗ると、出力制御回路16におけるシフトレジスタ18にもノイズが乗る。これにより、例えば図13に示すように、第2電位DVDD1が瞬間的に低下すると、シフトレジスタ18を構成する各単位回路90は、入力信号XSPを次段の単位回路90へ転送することができないという問題が起こる。
【0052】
これに対して、第3実施形態では、出力制御回路16の電源電位(DVDD2、DVSS2)が供給される第3電源線37は、第2高位線31および第2低位線32(第1電源線33)と基板101上で電気的に切り離されているから、第1電源線33に発生したノイズが第3電源線37に乗ることを防止できる。すなわち、出力制御回路16におけるシフトレジスタ18が、第1電源線33に発生したノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。
【0053】
<D:第4実施形態>
図14は、本発明の第4実施形態に係るセンシング装置100の構成を示す図である。第4実施形態においては、検出回路用電源線群30は、第1電源線33と第2電源線34と第3電源線37とを含み、これらは基板101上で電気的に切り離されている点で第2実施形態と相違する。第3電源線37の構成は前述の第3実施形態と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0054】
前述したように、第2実施形態では、駆動回路12および出力制御回路16に接続される第1電源線33と、保持回路14に接続される第2電源線34とが基板101上で電気的に切り離されているから、第1電源線33にノイズが乗っても、保持回路14が当該ノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。しかしながら、第2実施形態においては、第1電源線33が、駆動回路12および出力制御回路16に共通に接続されている以上、第1電源線33にノイズが乗ると、出力制御回路16におけるシフトレジスタにもノイズが乗り、第3実施形態と同様の問題が起こる。
【0055】
これに対して、第4実施形態では、駆動回路12に接続される第1電源線33と、保持回路14に接続される第2電源線34と、出力制御回路16に接続される第3電源線37とが基板101上で電気的に切り離されているから、第1電源線33にノイズが乗っても、当該ノイズが第2電源線34および第3電源線37に乗ることを防止できる。すなわち、保持回路14だけでなく出力制御回路16(シフトレジスタ18)が、第1電源線33に発生したノイズの影響を受けることを防止できる。以上より、第4実施形態の構成によれば、第1電源線33、第2電源線34および第3電源線37のうちの何れかの電源線に発生したノイズが、他の電源線に乗ることを防止できるという利点がある。
<E:変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、以下に示す変形例のうちの2以上の変形例を組み合わせることもできる。
【0056】
(1)変形例1
上述の各実施形態においては、駆動回路12、保持回路14および出力制御回路16の各々が基板101上に形成されているが、これに限らず、駆動回路12、保持回路14および出力制御回路16のうち何れか1つの要素のみが基板101上に形成され、他の要素は基板101に接続される配線基板(例えばFPCなど)上に形成されて基板101上には形成されないという態様とすることもできる。例えば、駆動回路12のみが基板101上に形成されるという態様とすることもできるし、保持回路14のみが基板101上に形成されるという態様とすることもできるし、出力制御回路16のみが基板101上に形成されるという態様とすることもできる。
【0057】
また、駆動回路12、保持回路14および出力制御回路16のうちの何れか2つの要素が基板101上に形成され、他の要素は基板101上に形成されないという態様とすることもできる。例えば、駆動回路12および保持回路14が基板101上に形成される一方、出力制御回路16は基板101上に形成されないという態様とすることもできるし、駆動回路12および出力制御回路16が基板101上に形成される一方、保持回路14は基板101上に形成されないという態様とすることもできるし、保持回路14および出力制御回路16が基板101上に形成される一方、駆動回路12は基板101上に形成されないという態様とすることもできる。
【0058】
(2)変形例2
第1実施形態においては、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とが基板101上で電気的に接続されない態様が例示されているが、これに限らず、基板101上において、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とが静電保護回路を介して接続されるという態様とすることもできる。例えば、図15に示すように、第1電位AVDD1が供給される第1高位線21と、第3電位DVDD1(>AVDD1)が供給される第3高位線31との間に静電保護回路200が介在するという構成を採用することが可能である。図15の態様において、静電保護回路200はダイオード210で構成されており、当該ダイオード210の陽極は第1高位線21に接続される一方、陰極は第3高位線31に接続されている。
【0059】
図15の態様において、例えば第2高位線31にノイズが乗ることにより、第3電位DVDD1が瞬間的に上昇しても、第2高位線31と第1高位線21との間の電圧が、ダイオード210の逆バイアス電圧を上回らない限りは、両者が電気的に接続(導通)することはない。同様に、例えば第1高位線21にノイズが乗ることにより、第1電位AVDD1が瞬間的に低下しても、第1高位線21と第2高位線31との間の電圧が、ダイオード210の逆バイアス電圧を上回らない限りは、両者が電気的に接続することはない。すなわち、静電保護回路200の保護範囲を超えるようなノイズが発生しない限りは、第1高位線21と第2高位線31とは電気的に切り離されていると言える。他の実施形態においても同様に、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30との間に前述の静電保護回路200が介在するという構成を採用することができる。
【0060】
なお、静電保護回路200が介在する2本の電源線の組み合わせは任意である。例えば、第2実施形態においては、制御回路用電源線群30を構成する第1電源線33と第2電源線34との間に静電保護回路200が介在するという構成を採用することもできる。同様に、第3実施形態においては、制御回路用電源線群30を構成する第1電源線33と第3電源線37との間に静電保護回路200が介在するという構成を採用することもできる。さらに、第4実施形態においては、制御回路用電源線群30を構成する第1電源線33、第2電源線34および第3電源線37の各々の間に静電保護回路200が介在するという構成を採用することもできる。
【0061】
(3)変形例3
上述の各実施形態においては、各単位回路Pの電源電位および制御回路10の電源電位は、同一の電源60から出力される電位に基づいて生成されているが、これに限らず、各単位回路Pの電源電位および制御回路10の電源電位は、別々の電源から供給されるという態様とすることもできる。例えば、第1実施形態に係るセンシング装置100においては、図16に示すように、第1電位AVDD1および第2電位AVSS1を出力する電源61と、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1を出力する電源62とが、電源60および電位生成部50の代わりに設けられるという構成を採用することもできる。
【0062】
なお、他の実施形態についても同様である。例えば、第2実施形態に係るセンシング装置100においては、第1電位AVDD1および第2電位AVSS1を出力する電源と、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1を出力する電源と、第5電位AVDD2および第6電位AVSS2を出力する電源とが、別々に設けられるという構成を採用することもできる。また、第3実施形態に係るセンシング装置100においては、第1電位AVDD1および第2電位AVSS1を出力する電源と、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1を出力する電源と、第7電位DVDD2および第8電位DVSS2を出力する電源とが、別々に設けられるという構成を採用することもできる。さらに、第4実施形態に係るセンシング装置100においては、第1電位AVDD1および第2電位AVSS1を出力する電源と、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1を出力する電源と、第5電位AVDD2および第6電位AVSS2を出力する電源と、第7電位DVDD2および第8電位DVSS2を出力する電源とが、別々に設けられるという構成を採用することもできる。
【0063】
(4)変形例4
上述の各実施形態においては、各単位回路Pは、受光量に応じた大きさの受光信号を出力する受光素子Qを有しているが、これに限らず、各単位回路Pが有する検出素子の種類は任意である。例えば、各単位回路Pが、対象物の検出領域103に対する接触または接近を検出するための接触検出用容量素子を有するという態様とすることもできる。要するに、各単位回路Pは、受光素子Qなどの検出素子を有するとともに、当該検出素子の状態に応じた検出信号を生成するものであればよい。
【0064】
<F:電子機器>
本発明に係るセンシング装置100は、各種の電子機器に利用することができる。この種の機器としては、タッチパネル、スキャナ、カメラ、静脈認証センサ、赤外線センサなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0065】
10……制御回路、12……駆動回路、14……保持回路、16……出力制御回路、18……シフトレジスタ、20……単位回路用電源線群、21……第1高位線、22……第1低位線、30……制御回路用電源線群、31……第2高位線、32……第2低位線、33……第1電源線、34……第2電源線、35……第3高位線、36……第3低位線、37……第3電源線、38……第4高位線、39……第4低位線、39……第4低位線、70……制御線、72……リセット線、74……選択線、80……検出線、It……検出電流、P……単位回路、Q……受光素子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出素子の状態に応じた信号を出力するセンシング装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検出素子の状態に応じた信号を生成するセンサ回路と、センサ回路の制御に用いられる回路とが絶縁性の基板上に形成されるという構成が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1には、光センサを含むセンサ回路と、センサ回路を駆動するための駆動回路と、センサ回路で生成される信号(データ)の外部への出力を制御するデータ出力回路とがガラス基板上に形成される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−327106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された技術では、同一種類の電源電位が、基板上に形成されたセンサ回路および制御回路(駆動回路、データ出力回路)の各々に供給される。したがって、特許文献1に開示された技術では、センサ回路および制御回路に接続される電源線は共通であると考えられる。このため、電源線にノイズが発生すると、センサ回路および制御回路の双方がノイズの影響を受けてしまうという問題があった。
以上の事情に鑑みて、本発明は、基板上の電源線に発生したノイズがセンシング装置に及ぼす影響を軽減するという課題の解決を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明に係るセンシング装置は、検出素子の状態に応じた検出信号を生成する単位回路と、単位回路の制御に用いられる制御回路と、単位回路の電源電位が供給される単位回路用電源線群と、制御回路の電源電位が供給される制御回路用電源線群と、が絶縁性の基板上に形成され、単位回路用電源線群と制御回路用電源線群とは基板上で電気的に切り離されている。
【0006】
この態様によれば、単位回路用電源線群と制御回路用電源線群とは基板上で電気的に切り離されているから、単位回路用電源線群および制御回路用電源線群のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できるという利点がある。
【0007】
本発明に係るセンシング装置の具体的な態様において、単位回路用電源線群は、第1電位が供給される第1高位線と、第1電位より低い第2電位が供給される第1低位線とを含み、単位回路は、検出信号が供給される検出線と第1高位線との間に配置され、ゲートの電位に応じた検出信号を生成するトランジスタを備え、検出素子は、トランジスタのゲートと第1低位線との間に配置される。
【0008】
本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、単位回路を駆動する駆動回路を含み、制御回路用電源線群は、駆動回路の電源電位が供給される第1電源線を含む。より具体的には、単位回路用電源線群は、第1電位が供給される第1高位線と、第1電位より低い第2電位が供給される第1低位線とを含み、単位回路は、検出信号を生成するトランジスタと、第1高位線とトランジスタのゲートとの間に配置されてゲートがリセット線に接続されるリセットトランジスタと、検出線に対する検出信号の供給の可否を決定するとともに、ゲートが選択線に接続される選択トランジスタと、を備え、駆動回路は、リセット線に対してリセット信号を出力し、選択線に対して選択信号を出力する。この態様によれば、単位回路用電源線群(第1高位線および第1低位線)と、第1電源線とは基板上で電気的に切り離されているから、単位回路用電源線群および第1電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できるという利点がある。
【0009】
また、第1電源線は、第1電位より高い第3電位が供給される第2高位線と、第3電位より低い第4電位が供給される第2低位線とからなり、駆動回路が第3電位をリセット線に出力することで、リセットトランジスタがオン状態になることが好適である。この態様によれば、リセットトランジスタを確実にオン状態に遷移させることができるから、トランジスタのゲートの初期化(リセット)を確実に行うことができる。
【0010】
本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、検出信号を保持するための保持回路をさらに含み、制御回路用電源線群は、保持回路の電源電位が供給される第2電源線を含み、第1電源線と第2電源線とは基板上で電気的に切り離されていることが好適である。この態様によれば、第1電源線と第2電源線とが基板上で電気的に切り離されているから、第1電源線に供給される電源電位および第2電源線に供給される電源電位のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できる。
【0011】
本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路を含み、制御回路用電源線群は、出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線を含み、第3電源線と第1電源線とは基板上で電気的に切り離されていることが好適である。この態様によれば、第3電源線と第1電源線とは電気的に切り離されているから、第1電源線および第3電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方の電源線が当該ノイズの影響を受けることを抑制できる。
【0012】
本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、検出信号を保持するための保持回路を含み、制御回路用電源線群は、保持回路の電源電位が供給される第2電源線を含むという態様とすることができる。例えば、単位回路と、保持回路と、単位回路用電源線群と、第2電源線とが絶縁性の基板上に形成され、駆動回路や出力制御回路は基板上に形成されないという態様とすることもできる。この態様でも、単位回路用電源線群と、第2電源線とは基板上で電気的に切り離されているから、単位回路用電源線群および第2電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できるという利点がある。
【0013】
本発明に係るセンシング装置の態様において、検出信号を保持するための保持回路と、検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路と、を含み、制御回路用電源線群は、保持回路の電源電位が供給される第2電源線と、出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線と、を含み、第2電源線と第3電源線とは基板上で電気的に切り離されているという態様とすることもできる。例えば、単位回路と、保持回路と、出力制御回路と、単位回路用電源線群と、第2電源線と、第3電源線とが絶縁性の基板上に形成され、駆動回路は基板上に形成されないという態様とすることもできる。この態様によれば、第2電源線と第3電源線とは基板上で電気的に切り離されているから、第2電源線および第3電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できる。
【0014】
また、本発明に係るセンシング装置の態様において、制御回路は、検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路と、を含み、制御回路用電源線群は、出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線を含むという態様とすることもできる。例えば、単位回路と、出力制御回路と、単位回路用電源線群と、第3電源線とが絶縁性の基板上に形成され、駆動回路や保持回路は基板上に形成されないという態様とすることもできる。この態様でも、単位回路用電源線群と、第3電源線とは基板上で電気的に切り離されているから、単位回路用電源線群および第3電源線のうちの何れか一方にノイズが発生した場合にも、他方が当該ノイズの影響を受けることを抑制できるという利点がある。
【0015】
さらに、本発明に係るセンシング装置の具体的な態様において、第2電源線は、第5電位が供給される第3高位線と、第5電位より低い第6電位が供給される第3低位線とからなり、保持回路は、第1電極と、第3低位線が接続される第2電極とを有する容量素子と、入力側に第1電極が接続されるとともに、第3高位線および第3低位線が接続されるアンプと、を備える。また、本発明に係るセンシング装置は、各種の電子機器に利用することができる。この種の機器としては、タッチパネル、スキャナ、カメラ、静脈認証センサ、赤外線センサなどがある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【図2】光検出回路の具体的な構成を示す回路図である。
【図3】センシング装置の動作に利用される各信号の具体的な波形を示す図である。
【図4】リセット期間における単位回路の動作を示す図である。
【図5】センシング期間における単位回路の動作を示す図である。
【図6】読出期間における単位回路の動作を示す図である。
【図7】保持回路の具体的な構成を示す回路図である。
【図8】シフトレジスタの具体的な構成を示す図である。
【図9】対比例の構成を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【図11】同実施形態に係る保持回路の具体的な構成を示す回路図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【図13】シフトレジスタの具体的な動作を示すタイミングチャートである。
【図14】本発明の第4実施形態に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【図15】本発明の変形例に係る単位回路用電源線群と制御回路用電源線群との接続態様を示す図である。
【図16】本発明の変形例に係るセンシング装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンシング装置100の構成を示す図である。図1に示すように、センシング装置100は、受光量に応じた大きさの受光信号を出力する受光素子Qを各々が有する複数の単位回路Pと、各単位回路Pの制御に用いられる制御回路10と、各単位回路Pの電源電位が供給される単位回路用電源線群20と、制御回路10の電源電位が供給される制御回路用電源線群30とを含む。複数の単位回路Pと、制御回路10と、単位回路用電源線群20と、制御回路用電源線群30とは、基板101上に形成される。基板101は、ガラスなどの絶縁性材料で形成される。制御回路10は、駆動回路12と、保持回路14と、出力制御回路16とを含む。制御回路10には、センシング装置100の動作を規定する各種の信号が外部の信号生成回路40から供給される。
【0018】
単位回路用電源線群20は、第1高位線21と第1低位線22とからなる。第1高位線21および第1低位線22は、各単位回路Pに接続される。第1高位線21の端子T1には、電位生成部50にて生成される第1電位AVDD1が供給され、第1低位線22の端子T2には、電位生成部50にて生成される第2電位AVSS1(<AVDD1)が供給される。制御回路用電源線群30は、第2高位線31と第2低位線32とからなる。第2高位線31および第2低位線32は、駆動回路12、保持回路14および出力制御回路16の各々に接続される。第2高位線31の端子T3には、電位生成部50にて生成される第3電位DVDD1(>AVDD1)が供給され、第2低位線32の端子T4には、電位生成部50にて生成される第4電位DVSS1(<DVDD1)が供給される。
【0019】
電位生成部50は、電源60から出力される電位に基づいて、各単位回路Pの電源電位(AVDD1、AVSS1)および制御回路10の電源電位(DVDD1、DVSS1)を生成する。電位生成部50は、基板101に接続された配線基板(例えばFPC(flexible Printed Circuit)など)に実装される。つまり、電位生成部101は、基板101上には実装されない。
【0020】
単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とは基板101上で電気的に切り離されている。より具体的には、基板101上において、単位回路用電源線群20(第1高位線21、第1低位線22)および制御回路用電源線群30(第2高位線31、第2低位線32)は、互いに離れて形成されて互いに非導通の関係にある(互いに電気的に独立している)。
【0021】
各単位回路Pは基板101上の検出領域103に面上に配列される。より具体的には以下のとおりである。検出領域103には、X方向に延在するm本の制御線70と、X方向に直交するY方向に延在するn本の検出線80とが形成される(mおよびnは2以上の自然数)。各単位回路Pは、制御線70と検出線80との交差に対応する位置に配置される。したがって、これらの単位回路Pは縦m行×横n列のマトリクス状に配列する。
【0022】
図2は、単位回路Pの具体的な構成を示す回路図である。図2においては、第i行(1≦i≦m)に属するひとつの単位回路Pが示されている。単位回路Pは、Nチャネル型のリセットトランジスタTreと、Nチャネル型の増幅トランジスタTaと、Nチャネル型の選択トランジスタTselと、例えばフォトダイオードなどの受光素子Qとを備える。図2に示すように、制御線70は、各々がX方向に延在するリセット線72と選択線74とからなる。
【0023】
図2に示すように、増幅トランジスタTaは、第1高位線21と検出線80との間に配置され、ゲートの電位に応じた検出電流It(検出信号)を生成する。増幅トランジスタTaのゲートには受光素子Qが接続される。受光素子Qの陰極は増幅トランジスタTaのゲートに接続される一方、陽極は第1低位線22に接続される。リセットトランジスタTreは、第1高位線21と増幅トランジスタTaのゲートとの間に配置される。リセットトランジスタTreのドレインは第1高位線21に接続される一方、ソースは増幅トランジスタTaのゲートに接続される。また、リセットトランジスタTreのゲートはリセット線72に接続される。選択トランジスタTselは、第1高位線21と検出線80との間に配置されて増幅トランジスタTaと直列的に接続される。選択トランジスタTselのゲートは選択線74に接続される。
【0024】
図1に示す駆動回路12は、各単位回路Pを駆動するための手段である。より具体的には、駆動回路12は、各単位回路Pを駆動するためのリセット信号RESおよび選択信号SELを各制御線70に出力する。第i行の制御線70のリセット線72にはリセット信号RES[i]が供給され、第i行の制御線70の選択線74には選択信号SEL[i]が供給される。図3は、センシング装置100の動作に利用される各信号の具体的な波形を示す図である。図3に示すように、各単位期間T内において、リセット信号RES[1]〜RES[m]および選択信号SEL[1]〜SEL[m]は順次アクティブレベル(ハイレベル)に遷移する。
【0025】
図3に示すように、各単位期間Tにおいて、m行の各々について動作期間Tdが設定される。各動作期間Tdは、初期化期間Trとセンシング期間Tsと読出期間Toとデータ保持期間Tkと出力期間Tuとからなる。各動作期間Tdのリセット期間Trにおいて、リセット信号RESはハイレベルに設定される。リセット期間Trの後のセンシング期間Tsにおいて、リセット信号RESおよび選択信号SELはローレベルに設定される。センシング期間Tsの後の読出期間Toにおいて、選択信号SELはハイレベルに設定される。読出期間Toの後のデータ保持期間Tk、および、データ保持期間Tkの後の出力期間Tuの各々において、リセット信号RESおよび選択信号SELはローレベルに設定される。
【0026】
次に、図3〜図6を参照しながら、単位回路Pの動作を説明する。ここでは、第i行の動作期間Tdにおける具体的な動作について説明する。図3に示すように、リセット期間Trにおいては、リセット信号RES[i]はハイレベルに設定されるから、リセットトランジスタTreはオン状態になる。本実施形態では、駆動回路12は、ハイレベルのリセット信号RES[i]として、第3電位DVDD1をリセット線72へ出力する。第3電位DVDD1は、第1高位線21に供給される第1電位AVDD1よりも高く、かつ、リセットトランジスタTreが確実にオン状態となるような値に設定される。したがって、図4に示すように、増幅トランジスタTaのゲートの電位は第1電位AVDD1に設定(リセット)される。
【0027】
図3に示すように、センシング期間Tsにおいては、リセット信号RES[i]および選択信号SEL[i]はローレベルに遷移するから、図5に示すように、リセットトランジスタTreおよび選択トランジスタTselはオフ状態に遷移する。このとき、増幅トランジスタTaのゲートの電位は、受光素子Qの電圧Vpdに応じた値に設定される。受光素子Qの電圧Vpdは、受光素子Qに対して入射される光量に応じて決まる。
【0028】
図3に示すように、読出期間Toにおいては、選択信号SEL[i]がハイレベルに遷移するから、図6に示すように、選択トランジスタTselがオン状態になる。このとき、増幅トランジスタTaのゲートの電位に応じた大きさの検出電流It(検出信号)が検出線80を流れる。
【0029】
センシング期間Tsにおいて、指などの物体が検出領域103に影を落としながら接触または接近すると、影になった領域に対応して設けられた受光素子Qの受光量が変化して受光素子Qの電圧Vpdが変化する。そして、読出期間Toにおいて、受光量に応じた検出電流It(検出信号)が検出線80に出力される。
【0030】
再び図1に戻って説明を続ける。保持回路14は、検出電流It(検出信号)を保持するための手段(サンプルホールド回路SH)である。本実施形態では、検出線80毎に保持回路14が設けられている。図7は、保持回路14の具体的な構成を示す回路図である。図7においては、第j列(1≦j≦n)の検出線80に対応して設けられた保持回路14の構成が例示されているが、他の列の検出線80に対応する保持回路14も同じ構成である。
【0031】
図7に示すように、保持回路14は、検出信号を保持するための容量素子Cと、容量素子Cに保持された検出信号を増幅して出力するためのアンプApとを含む。容量素子Cは第1電極L1と第2電極L2とを有する。第1電極L1は、アンプApの入力側に接続される一方、第2電極L2は、第4電位DVSS1が供給される第2低位線32に接続される。アンプApには、第2高位線31および第2低位線32が接続され、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1が電源電位として供給される。
【0032】
本実施形態では、保持回路14は、プリチャージ用トランジスタTpと、スイッチング素子Gとをさらに含む。スイッチング素子Gの一方の端子は検出線80に接続され、他方の端子は容量素子Cの第1電極L1およびアンプApの入力側に接続される。なお、サンプリング信号SHGは、各保持回路14内のスイッチング素子Gに対して一斉に供給される。また、プリチャージ用トランジスタTpの一方の電極は検出線80に接続され、他方の電極はプリチャージ電位Vpが供給される定電位線に接続される。プリチャージ用トランジスタTpのゲートには、信号生成回路40から出力されるプリチャージ信号PREGが供給される。なお、プリチャージ信号PREGは、各保持回路14内のプリチャージ用トランジスタTpに対して一斉に供給される。図3に示すように、各単位期間T内の動作期間Td毎に、プリチャージ信号PREGおよびサンプリング信号SHGはアクティブレベル(ハイレベル)に遷移する。
【0033】
図1に示す出力制御回路16は、検出電流It(検出信号)の外部への出力を制御する手段である。出力制御回路16は、外部へ繋がる出力線105と各保持回路14との間に各々が介在する複数(n個)のスイッチSWと、動作信号XSEL[1]〜XSEL[n]を各スイッチSWに出力するシフトレジスタ18とを含む。図3に示すように、各出力期間Tu内において、動作信号XSEL[1]〜XSEL[n]は順次アクティブレベル(ハイレベル)に遷移する。
【0034】
図8は、シフトレジスタ18の具体的な構成を示す図である。図8に示すように、シフトレジスタ18は、NANDゲート91と、クロックドインバータ92と、NOTゲート93とを各々が含む複数の単位回路90で構成される。各単位回路90は、当該単位回路90に入力されるクロック信号(CLKA、CLKB)に応じて、動作信号XSELを生成するとともに、入力信号XSPを次段の単位回路90へ転送する。詳細な図示は省略するが、シフトレジスタ18には、第2高位線31および第2低位線32が接続され、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1が電源電位として供給される。
【0035】
次に、図3を参照しながら、保持回路14および出力制御回路16の動作を説明する。ここでは、第i行の動作期間Tdにおける具体的な動作について説明する。図3に示すように、リセット期間Trにおいて、プリチャージ信号PREGおよびサンプリング信号SHGはハイレベルに設定されるから、プリチャージ用トランジスタTpおよびスイッチング素子Gはオン状態になる。これにより、各検出線80の電位はプリチャージ電位Vpに設定されるとともに、容量素子Cに残存している電荷が放電(リセット)される。
【0036】
図3に示すように、センシング期間Tsにおいては、プリチャージ信号PREGはローレベルに遷移するから、プリチャージ用トランジスタTpはオフ状態に遷移する。一方、サンプリング信号SHGはハイレベルに維持されるから、スイッチング素子Gはオン状態に維持される。
【0037】
図3に示すように、読出期間Toにおいては、サンプリング信号SHGは、読出期間Toの終点の直前までハイレベルに維持されるから、検出線80に出力される検出電流Itは、オン状態のスイッチング素子Gを介して容量素子Cへ供給される。そして、サンプリング信号SHGは、読出期間Toの終点の直前でローレベルに遷移するから、スイッチング素子Gはオフ状態になる。これにより、容量素子Cはフローティング状態になる。
【0038】
なお、本実施形態において、サンプリング信号SHGは、リセット期間Trの始点から、読出期間Toの終点の直前にわたってハイレベルに設定されているが、これに限らず、例えばリセット期間Trが終了すると一旦ローレベルに遷移し、読出期間Toが開始すると再びハイレベルに遷移するという態様とすることもできる。
【0039】
図3に示すように、データ保持期間Tkにおいては、選択信号SEL[i]がローレベルに遷移するから、単位回路Pにおける選択トランジスタTselはオフ状態になる。したがって、単位回路Pにて生成される検出電流Itの検出線80に対する出力も停止する。読出期間Toにて各検出線80に出力された検出電流Itの電荷は、各保持回路14の容量素子Cに保持される。
【0040】
図3に示すように、出力期間Tuにおいては、動作信号XSEL[1]〜XSEL[n]は順次ハイレベルに遷移するから、n個のスイッチSWの各々は順次にオン状態に遷移する。したがって、各保持回路14の容量素子Cに保持される検出電流Itは、スイッチSWを介して出力線105に順次出力される。以上に説明したように、本実施形態に係るセンシング装置100は、検出素子(受光素子Q)の状態に応じた検出信号(検出電流It)を出力線105に出力する。本実施形態では、出力線105は外部の検出回路(図示省略)に接続されている。
【0041】
図9は、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とが基板101上で電気的に接続されている態様(以下、「対比例」という)を示す図(図1に対応)である。対比例においては、第1高位線21および第2高位線31は電気的に接続され、両者には第3電位DVDD1が供給されている。また、第1低位線22および第2低位線32は電気的に接続され、両者には第4電位DVSS1が供給されている。この態様では、例えば制御回路10(駆動回路12、保持回路14、出力制御回路16)の動作によって第3電位DVDD1にノイズが発生すると、第3電位DVDD1が供給される第1高位線21に接続された増幅トランジスタTaのドレインと、増幅トランジスタTaのゲートとの間に存在する寄生容量を介して、当該ゲートの電位にノイズが乗る。そして、読出期間Toにおいて、当該ノイズは増幅されて検出線80に出力される。同様に、第4電位DVSS1にノイズが発生すると、第4電位DVSS1が供給される第1低位線22に接続された受光素子Qを介して、増幅トランジスタTaのゲートの電位にノイズが乗る。そして、読出期間Toにおいて、当該ノイズは増幅されて検出線80に出力される。すなわち、制御回路10の動作によって電源電位にノイズが発生すると、各単位回路Pも当該ノイズの影響を受けてしまうという問題が起こる。同様に、各単位回路Pの動作によって電源電位にノイズが発生すると、制御回路10も当該ノイズの影響を受けてしまうという問題が起こる。
【0042】
これに対して、本実施形態では、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とが基板101上で電気的に切り離されているから、例えば制御回路10の動作によって制御回路用電源線群30に供給される電源電位(DVDD1、DVSS1)にノイズが発生しても、当該ノイズが、単位回路用電源線群20に供給される電源電位(AVDD1、AVSS1)に乗ることを防止できる。すなわち、各単位回路Pがノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。同様に、例えば各単位回路Pの動作によって単位回路用電源線群20に供給される電源電位((AVDD1、AVSS1)にノイズが発生しても、制御回路10がノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。
【0043】
また、本実施形態では、ガラスなどの絶縁性材料で基板101が形成されるため、シリコンなどの半導体で基板101が形成される態様に比べて製作コストを低減できるという利点があり、検出領域103の面積が大型化するほど、そのコストメリットは大きくなる。ところで、ガラスで基板101が形成される態様においては、シリコンなどの半導体で基板101が形成される態様に比べて、基板101上に形成された電源線にノイズが乗りやすい。このため、製作コストを低減しつつノイズの影響を抑制するという観点からすると、ガラスで形成された基板101上において、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とを電気的に切り離すという本実施形態の構成は格別に有効である。
【0044】
<B:第2実施形態>
図10は、本発明の第2実施形態に係るセンシング装置100の構成を示す図である。第2実施形態においては、検出回路用電源線群30は、第1電源線33と第2電源線34とを含み、第1電源線33と第2電源線34とは基板101上で電気的に切り離されている点で第1実施形態と相違する。
【0045】
図10に示すように、第1電源線33は、第2高位線31と第2低位線32とからなり、これらは、駆動回路12および出力制御回路16の各々に接続される。第1実施形態と同様に、第2高位線31の端子T3には、電位生成部50にて生成される第3電位DVDD1(>AVDD1)が供給され、第2低位線32の端子T4には、電位生成部50にて生成される第4電位DVSS1(<DVDD1)が供給される。
【0046】
一方、第2電源線34は、第3高位線35と第3低位線36とからなり、これらは、保持回路14に接続される。第3高位線35の端子T5には、電位生成部50にて生成される第5電位AVDD2が供給され、第3低位線36の端子T6には、電位生成部50にて生成される第6電位AVSS2(<AVDD2)が供給される。したがって、図11に示すように、保持回路14における容量素子Cの第2電極L2には第3低位線36が接続され、当該第2電極L2には第6電位AVSS2が供給される。また、アンプApには、第3高位線35および第3低位線36が接続され、第5電位AVDD2および第6電位AVSS2が電源電位として供給される。
【0047】
前述の第1実施形態においては、制御回路10(駆動回路12、保持回路14、出力制御回路16)に接続される電源線(第2高位線31および第2低位線32)は共通である。このため、例えば第2低位線32にノイズが乗ると、当該第2低位線32に接続された容量素子Cを介してアンプApにノイズが乗る。そして、出力期間Tuにおいて、当該ノイズは増幅されて出力線105に出力される。同様に、第2高位線31にノイズが乗ると、第2高位線31に接続されたアンプApにノイズが乗る。そして、出力期間Tuにおいて、当該ノイズは増幅されて出力線105に出力される。
【0048】
これに対して、第2実施形態では、保持回路14の電源電位(AVDD2、AVSS2)が供給される第2電源線34は、第2高位線31および第2低位線32(第1電源線33)と基板101上で電気的に切り離されているから、第1電源線33に発生したノイズが第2電源線34に乗ることを防止できる。すなわち、保持回路14が、第1電源線33に発生したノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。
【0049】
<C:第3実施形態>
図12は、本発明の第3実施形態に係るセンシング装置100の構成を示す図である。第3実施形態においては、検出回路用電源線群30は、第1電源線33と第3電源線37とを含み、第1電源線33と第3電源線37とは基板101上で電気的に切り離されている点で第1実施形態と相違する。
【0050】
図12に示すように、第1電源線33は、第2高位線31と第2低位線32とからなり、これらは、駆動回路12および保持回路14の各々に接続される。一方、第3電源線37は、第4高位線38と第4低位線39とからなり、これらは、出力制御回路16(シフトレジスタ18)に接続される。第4高位線38の端子T7には、電位生成部50にて生成される第7電位DVDD2が供給され、第4低位線39の端子T8には、電位生成部50にて生成される第8電位DVSS2(<DVDD2)が供給される。
【0051】
前述の第1実施形態においては、制御回路10(駆動回路12、保持回路14、出力制御回路16)に接続される電源線(第2高位線31および第2低位線32)は共通である。このため、例えば第2高位線31にノイズが乗ると、出力制御回路16におけるシフトレジスタ18にもノイズが乗る。これにより、例えば図13に示すように、第2電位DVDD1が瞬間的に低下すると、シフトレジスタ18を構成する各単位回路90は、入力信号XSPを次段の単位回路90へ転送することができないという問題が起こる。
【0052】
これに対して、第3実施形態では、出力制御回路16の電源電位(DVDD2、DVSS2)が供給される第3電源線37は、第2高位線31および第2低位線32(第1電源線33)と基板101上で電気的に切り離されているから、第1電源線33に発生したノイズが第3電源線37に乗ることを防止できる。すなわち、出力制御回路16におけるシフトレジスタ18が、第1電源線33に発生したノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。
【0053】
<D:第4実施形態>
図14は、本発明の第4実施形態に係るセンシング装置100の構成を示す図である。第4実施形態においては、検出回路用電源線群30は、第1電源線33と第2電源線34と第3電源線37とを含み、これらは基板101上で電気的に切り離されている点で第2実施形態と相違する。第3電源線37の構成は前述の第3実施形態と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0054】
前述したように、第2実施形態では、駆動回路12および出力制御回路16に接続される第1電源線33と、保持回路14に接続される第2電源線34とが基板101上で電気的に切り離されているから、第1電源線33にノイズが乗っても、保持回路14が当該ノイズの影響を受けることを防止できるという利点がある。しかしながら、第2実施形態においては、第1電源線33が、駆動回路12および出力制御回路16に共通に接続されている以上、第1電源線33にノイズが乗ると、出力制御回路16におけるシフトレジスタにもノイズが乗り、第3実施形態と同様の問題が起こる。
【0055】
これに対して、第4実施形態では、駆動回路12に接続される第1電源線33と、保持回路14に接続される第2電源線34と、出力制御回路16に接続される第3電源線37とが基板101上で電気的に切り離されているから、第1電源線33にノイズが乗っても、当該ノイズが第2電源線34および第3電源線37に乗ることを防止できる。すなわち、保持回路14だけでなく出力制御回路16(シフトレジスタ18)が、第1電源線33に発生したノイズの影響を受けることを防止できる。以上より、第4実施形態の構成によれば、第1電源線33、第2電源線34および第3電源線37のうちの何れかの電源線に発生したノイズが、他の電源線に乗ることを防止できるという利点がある。
<E:変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、以下に示す変形例のうちの2以上の変形例を組み合わせることもできる。
【0056】
(1)変形例1
上述の各実施形態においては、駆動回路12、保持回路14および出力制御回路16の各々が基板101上に形成されているが、これに限らず、駆動回路12、保持回路14および出力制御回路16のうち何れか1つの要素のみが基板101上に形成され、他の要素は基板101に接続される配線基板(例えばFPCなど)上に形成されて基板101上には形成されないという態様とすることもできる。例えば、駆動回路12のみが基板101上に形成されるという態様とすることもできるし、保持回路14のみが基板101上に形成されるという態様とすることもできるし、出力制御回路16のみが基板101上に形成されるという態様とすることもできる。
【0057】
また、駆動回路12、保持回路14および出力制御回路16のうちの何れか2つの要素が基板101上に形成され、他の要素は基板101上に形成されないという態様とすることもできる。例えば、駆動回路12および保持回路14が基板101上に形成される一方、出力制御回路16は基板101上に形成されないという態様とすることもできるし、駆動回路12および出力制御回路16が基板101上に形成される一方、保持回路14は基板101上に形成されないという態様とすることもできるし、保持回路14および出力制御回路16が基板101上に形成される一方、駆動回路12は基板101上に形成されないという態様とすることもできる。
【0058】
(2)変形例2
第1実施形態においては、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とが基板101上で電気的に接続されない態様が例示されているが、これに限らず、基板101上において、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30とが静電保護回路を介して接続されるという態様とすることもできる。例えば、図15に示すように、第1電位AVDD1が供給される第1高位線21と、第3電位DVDD1(>AVDD1)が供給される第3高位線31との間に静電保護回路200が介在するという構成を採用することが可能である。図15の態様において、静電保護回路200はダイオード210で構成されており、当該ダイオード210の陽極は第1高位線21に接続される一方、陰極は第3高位線31に接続されている。
【0059】
図15の態様において、例えば第2高位線31にノイズが乗ることにより、第3電位DVDD1が瞬間的に上昇しても、第2高位線31と第1高位線21との間の電圧が、ダイオード210の逆バイアス電圧を上回らない限りは、両者が電気的に接続(導通)することはない。同様に、例えば第1高位線21にノイズが乗ることにより、第1電位AVDD1が瞬間的に低下しても、第1高位線21と第2高位線31との間の電圧が、ダイオード210の逆バイアス電圧を上回らない限りは、両者が電気的に接続することはない。すなわち、静電保護回路200の保護範囲を超えるようなノイズが発生しない限りは、第1高位線21と第2高位線31とは電気的に切り離されていると言える。他の実施形態においても同様に、単位回路用電源線群20と制御回路用電源線群30との間に前述の静電保護回路200が介在するという構成を採用することができる。
【0060】
なお、静電保護回路200が介在する2本の電源線の組み合わせは任意である。例えば、第2実施形態においては、制御回路用電源線群30を構成する第1電源線33と第2電源線34との間に静電保護回路200が介在するという構成を採用することもできる。同様に、第3実施形態においては、制御回路用電源線群30を構成する第1電源線33と第3電源線37との間に静電保護回路200が介在するという構成を採用することもできる。さらに、第4実施形態においては、制御回路用電源線群30を構成する第1電源線33、第2電源線34および第3電源線37の各々の間に静電保護回路200が介在するという構成を採用することもできる。
【0061】
(3)変形例3
上述の各実施形態においては、各単位回路Pの電源電位および制御回路10の電源電位は、同一の電源60から出力される電位に基づいて生成されているが、これに限らず、各単位回路Pの電源電位および制御回路10の電源電位は、別々の電源から供給されるという態様とすることもできる。例えば、第1実施形態に係るセンシング装置100においては、図16に示すように、第1電位AVDD1および第2電位AVSS1を出力する電源61と、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1を出力する電源62とが、電源60および電位生成部50の代わりに設けられるという構成を採用することもできる。
【0062】
なお、他の実施形態についても同様である。例えば、第2実施形態に係るセンシング装置100においては、第1電位AVDD1および第2電位AVSS1を出力する電源と、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1を出力する電源と、第5電位AVDD2および第6電位AVSS2を出力する電源とが、別々に設けられるという構成を採用することもできる。また、第3実施形態に係るセンシング装置100においては、第1電位AVDD1および第2電位AVSS1を出力する電源と、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1を出力する電源と、第7電位DVDD2および第8電位DVSS2を出力する電源とが、別々に設けられるという構成を採用することもできる。さらに、第4実施形態に係るセンシング装置100においては、第1電位AVDD1および第2電位AVSS1を出力する電源と、第3電位DVDD1および第4電位DVSS1を出力する電源と、第5電位AVDD2および第6電位AVSS2を出力する電源と、第7電位DVDD2および第8電位DVSS2を出力する電源とが、別々に設けられるという構成を採用することもできる。
【0063】
(4)変形例4
上述の各実施形態においては、各単位回路Pは、受光量に応じた大きさの受光信号を出力する受光素子Qを有しているが、これに限らず、各単位回路Pが有する検出素子の種類は任意である。例えば、各単位回路Pが、対象物の検出領域103に対する接触または接近を検出するための接触検出用容量素子を有するという態様とすることもできる。要するに、各単位回路Pは、受光素子Qなどの検出素子を有するとともに、当該検出素子の状態に応じた検出信号を生成するものであればよい。
【0064】
<F:電子機器>
本発明に係るセンシング装置100は、各種の電子機器に利用することができる。この種の機器としては、タッチパネル、スキャナ、カメラ、静脈認証センサ、赤外線センサなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0065】
10……制御回路、12……駆動回路、14……保持回路、16……出力制御回路、18……シフトレジスタ、20……単位回路用電源線群、21……第1高位線、22……第1低位線、30……制御回路用電源線群、31……第2高位線、32……第2低位線、33……第1電源線、34……第2電源線、35……第3高位線、36……第3低位線、37……第3電源線、38……第4高位線、39……第4低位線、39……第4低位線、70……制御線、72……リセット線、74……選択線、80……検出線、It……検出電流、P……単位回路、Q……受光素子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出素子の状態に応じた検出信号を生成する単位回路と、
前記単位回路の制御に用いられる制御回路と、
前記単位回路の電源電位が供給される単位回路用電源線群と、
前記制御回路の電源電位が供給される制御回路用電源線群と、が絶縁性の基板上に形成され、
前記単位回路用電源線群と前記制御回路用電源線群とは前記基板上で電気的に切り離されている、
センシング装置。
【請求項2】
前記単位回路用電源線群は、第1電位が供給される第1高位線と、前記第1電位より低い第2電位が供給される第1低位線とを含み、
前記単位回路は、
前記検出信号が出力される検出線と前記第1高位線との間に配置され、ゲートの電位に応じた前記検出信号を生成するトランジスタを備え、
前記検出素子は、前記トランジスタのゲートと前記第1低位線との間に配置される、
請求項1のセンシング装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記単位回路を駆動する駆動回路を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記駆動回路の電源電位が供給される第1電源線を含む、
請求項1のセンシング装置。
【請求項4】
前記単位回路用電源線群は、第1電位が供給される第1高位線と、前記第1電位より低い第2電位が供給される第1低位線とを含み、
前記単位回路は、
前記検出信号を生成するトランジスタと、
前記第1高位線と前記トランジスタのゲートとの間に配置されてゲートがリセット線に接続されるリセットトランジスタと、
検出線に対する前記検出信号の供給の可否を決定するとともに、ゲートが選択線に接続される選択トランジスタと、を備え、
前記駆動回路は、前記リセット線に対してリセット信号を出力し、前記選択線に対して選択信号を出力する、
請求項3のセンシング装置。
【請求項5】
前記第1電源線は、前記第1電位より高い第3電位が供給される第2高位線と、前記第3電位より低い第4電位が供給される第2低位線とからなり、
前記駆動回路が前記第3電位を前記リセット線に出力することで、前記リセットトランジスタがオン状態になる、
請求項4のセンシング装置。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記検出信号を保持するための保持回路をさらに含み、
前記制御回路用電源線群は、前記保持回路の電源電位が供給される第2電源線を含み、
前記第1電源線と前記第2電源線とは前記基板上で電気的に切り離されている、
請求項3から請求項5の何れかのセンシング装置。
【請求項7】
前記制御回路は、
前記検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線を含み、
前記第3電源線と前記第1電源線とは前記基板上で電気的に切り離されている、
請求項3から請求項6の何れかのセンシング装置。
【請求項8】
前記制御回路は、
前記検出信号を保持するための保持回路を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記保持回路の電源電位が供給される第2電源線を含む、
請求項1または請求項2のセンシング装置。
【請求項9】
前記検出信号を保持するための保持回路と、
前記検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路と、を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記保持回路の電源電位が供給される第2電源線と、前記出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線と、を含み、
前記第2電源線と前記第3電源線とは前記基板上で電気的に切り離されている、
請求項1または請求項2のセンシング装置。
【請求項10】
前記制御回路は、
前記検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路と、を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線を含む、
請求項1または請求項2のセンシング装置。
【請求項11】
前記第2電源線は、第5電位が供給される第3高位線と、前記第5電位より低い第6電位が供給される第3低位線とからなり、
前記保持回路は、
第1電極と、前記第3低位線が接続される第2電極とを有する容量素子と、
入力側に前記第1電極が接続されるとともに、前記第3高位線および前記第3低位線が接続されるアンプと、を備える、
請求項6、請求項8および請求項9の何れかのセンシング装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11の何れかのセンシング装置を具備する電子機器。
【請求項1】
検出素子の状態に応じた検出信号を生成する単位回路と、
前記単位回路の制御に用いられる制御回路と、
前記単位回路の電源電位が供給される単位回路用電源線群と、
前記制御回路の電源電位が供給される制御回路用電源線群と、が絶縁性の基板上に形成され、
前記単位回路用電源線群と前記制御回路用電源線群とは前記基板上で電気的に切り離されている、
センシング装置。
【請求項2】
前記単位回路用電源線群は、第1電位が供給される第1高位線と、前記第1電位より低い第2電位が供給される第1低位線とを含み、
前記単位回路は、
前記検出信号が出力される検出線と前記第1高位線との間に配置され、ゲートの電位に応じた前記検出信号を生成するトランジスタを備え、
前記検出素子は、前記トランジスタのゲートと前記第1低位線との間に配置される、
請求項1のセンシング装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記単位回路を駆動する駆動回路を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記駆動回路の電源電位が供給される第1電源線を含む、
請求項1のセンシング装置。
【請求項4】
前記単位回路用電源線群は、第1電位が供給される第1高位線と、前記第1電位より低い第2電位が供給される第1低位線とを含み、
前記単位回路は、
前記検出信号を生成するトランジスタと、
前記第1高位線と前記トランジスタのゲートとの間に配置されてゲートがリセット線に接続されるリセットトランジスタと、
検出線に対する前記検出信号の供給の可否を決定するとともに、ゲートが選択線に接続される選択トランジスタと、を備え、
前記駆動回路は、前記リセット線に対してリセット信号を出力し、前記選択線に対して選択信号を出力する、
請求項3のセンシング装置。
【請求項5】
前記第1電源線は、前記第1電位より高い第3電位が供給される第2高位線と、前記第3電位より低い第4電位が供給される第2低位線とからなり、
前記駆動回路が前記第3電位を前記リセット線に出力することで、前記リセットトランジスタがオン状態になる、
請求項4のセンシング装置。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記検出信号を保持するための保持回路をさらに含み、
前記制御回路用電源線群は、前記保持回路の電源電位が供給される第2電源線を含み、
前記第1電源線と前記第2電源線とは前記基板上で電気的に切り離されている、
請求項3から請求項5の何れかのセンシング装置。
【請求項7】
前記制御回路は、
前記検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線を含み、
前記第3電源線と前記第1電源線とは前記基板上で電気的に切り離されている、
請求項3から請求項6の何れかのセンシング装置。
【請求項8】
前記制御回路は、
前記検出信号を保持するための保持回路を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記保持回路の電源電位が供給される第2電源線を含む、
請求項1または請求項2のセンシング装置。
【請求項9】
前記検出信号を保持するための保持回路と、
前記検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路と、を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記保持回路の電源電位が供給される第2電源線と、前記出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線と、を含み、
前記第2電源線と前記第3電源線とは前記基板上で電気的に切り離されている、
請求項1または請求項2のセンシング装置。
【請求項10】
前記制御回路は、
前記検出信号の外部への出力を制御する出力制御回路と、を含み、
前記制御回路用電源線群は、前記出力制御回路の電源電位が供給される第3電源線を含む、
請求項1または請求項2のセンシング装置。
【請求項11】
前記第2電源線は、第5電位が供給される第3高位線と、前記第5電位より低い第6電位が供給される第3低位線とからなり、
前記保持回路は、
第1電極と、前記第3低位線が接続される第2電極とを有する容量素子と、
入力側に前記第1電極が接続されるとともに、前記第3高位線および前記第3低位線が接続されるアンプと、を備える、
請求項6、請求項8および請求項9の何れかのセンシング装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11の何れかのセンシング装置を具備する電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−226546(P2010−226546A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73003(P2009−73003)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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