説明

ソフトウェア更新システム

【課題】 メモリサイズの制限があったとしても情報端末に必要なソフトウェアを組込むことができるようにする。
【解決手段】 情報コードPには、OSをダウンロードするためのOS情報が記録されていると共に、このOSをダウンロード可能なサーバの例えばアドレス情報が接続先情報として記録されており、情報端末4は、この情報コードPを光学的に読取り(U1)、この情報コードPに記録されているOS情報の示すOSをダウンロードし(U5)、実行可能にセットアップする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末に組込まれるソフトウェアを更新するためのソフトウェア更新システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のソフトウェア更新システムの一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示されている方法によれば、バーコードを読取り、読み取られたデータに基づき所定のサーバにアクセスし、ソフトウェアをダウンロードするために必要な情報を取得し、取得した情報に基づき所定のサーバにアクセスしてソフトウェアをダウンロードし、ソフトウェアのセットアップを行うようになっている。
【特許文献1】特開2003−140903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、情報端末に装備されているハードウェアにより特定のソフトウェアしか組込まれないという不具合を生じていた。情報端末は、例えば、国内向けや海外向けなどいくつかの特定地域向けのOS(Operating System)を用意して製品出荷時にセットしているものがある。この結果、製品には、一般的に使用される機能のみが搭載されることになってしまい使用されない機能が多く組込まれてしまう。このとき、情報端末に搭載されたメモリサイズの制限によって必要な機能が組込まれないことがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、メモリサイズの制限があったとしても情報端末に必要なソフトウェアを組込むことができるソフトウェア更新システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載のソフトウェア更新システムによれば、次に示すように作用する。第1の情報端末の表示手段は、ソフトウェアをダウンロードするための接続先情報およびソフトウェア情報を図形シンボル画像に変換して表示する。第2の情報端末の読取手段は、第1の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を光学的に読取り、接続先情報およびソフトウェア情報を取得する。第2の情報端末は、この接続先情報に対応したサーバとの間で通信手段により通信し、読取手段により読取られた図形シンボル画像に含まれるソフトウェア情報に基づいてソフトウェア情報の示すソフトウェアをサーバに対してダウンロード要求し、サーバによりダウンロード要求が受付けられると通信手段を通じてソフトウェアをダウンロードする。このため、情報端末にはソフトウェアがセットアップされるようになる。したがって、たとえメモリのサイズの制限があったとしても好適なソフトウェアを組込むことができる。
【0005】
請求項2記載のソフトウェア更新システムによれば、第1の情報端末の表示手段は、ソフトウェアを構成する複数の機能ソフトウェアの情報を表示し、選択手段により1または複数の機能ソフトウェアの情報が選択されると当該選択された機能ソフトウェアの情報を図形シンボル画像として表示するため、機能ソフトウェアを選択できるようになり、ソフトウェアを記憶する記憶容量が少量でよくなる。
【0006】
請求項3記載のソフトウェア更新システムによれば、次のように作用する。第1の情報端末の表示手段は、サーバに接続するための接続先情報を図形シンボル画像として表示する。第2の情報端末は、判定手段によりソフトウェアが組込まれていないと判定されると、組込まれていないソフトウェアの一覧情報を表示手段により表示し、選択手段によりソフトウェアが少なくとも1つ選択されると、読取手段により読取られた図形シンボル画像に含まれる接続先情報に対応したサーバとの間で通信手段により通信し、選択されたソフトウェアをサーバに対しダウンロード要求するため、必要とされるソフトウェアを選択的にダウンロードできるようになり、選択的にソフトウェアを組込むことができ、メモリサイズの制限があったとしても情報端末に必要なソフトウェアを組込むことができる。
【0007】
請求項4記載のソフトウェア更新システムによれば、判定手段は、電源がオンされたときに必要とされるソフトウェアが組込まれているか否かを判定するため、迅速に組込まれているか否かを判定することができ、必要なソフトウェアを迅速にダウンロードできるようになる。
請求項5記載のソフトウェア更新システムによれば、判定手段は、所定の操作が行われたときに必要とされるソフトウェアが組込まれているか否かを判定するため、ユーザが必要なときに必要なソフトウェアをダウンロードできるようになる。
【0008】
請求項6記載のソフトウェア更新システムによれば、次のように作用する。第2の情報端末は、第1の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を読取手段により光学的に読取り、当該読取られた図形シンボル画像に含まれる接続先情報に対応したサーバに対して自端末の機器情報を通信手段により送信し、サーバは、第2の情報端末から受信した機器情報に対応した1または複数のソフトウェア情報を第2の情報端末に対して送信し、第2の情報端末は、サーバから受信した1または複数のソフトウェア情報から選択手段によりソフトウェア情報が必要に応じて選択されるとソフトウェア情報をサーバに対して送信し、サーバは第2の情報端末から受信したソフトウェア情報の示すソフトウェアのダウンロード要求を受付け、第2の情報端末は、サーバ側でダウンロード要求が受付けられたソフトウェアをダウンロードするため、自端末の機器情報に対応した機能を選択してソフトウェアを組込むことができ、メモリサイズの制限があったとしても情報端末に必要なソフトウェアを組込むことができる。
【0009】
請求項7記載のソフトウェア更新システムによれば、次のように作用する。第1の情報端末は、入力手段により入力された第2の情報端末の機器情報を通信網を通じてサーバに送信して組込可能なソフトウェア情報をサーバに対して要求する。サーバは、第1の情報端末から送信された要求を受付け、1または複数の組込可能なソフトウェア情報を第1の情報端末に対して送信する。第1の情報端末は、サーバから受信した組込可能な1または複数のソフトウェア情報を図形シンボル画像として表示手段に表示する。第2の情報端末は、第1の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像が読取手段により光学的および選択的に読取られると、当該図名シンボル画像に含まれるソフトウェア情報に基づいてソフトウェア情報の示すソフトウェアをサーバに対してダウンロード要求し、サーバによりダウンロード要求が受付けられると、通信手段を通じてソフトウェアをダウンロードするため、機能を選択してソフトウェアを組込むことができ、メモリサイズの制限があったとしても情報端末に必要なソフトウェアを組込むことができる。
【0010】
請求項8記載のソフトウェア更新システムによれば、次のように作用する。第2の情報端末は、自端末の機器情報を記憶する記憶手段および当該記憶手段に記憶された自端末の機器情報を図形シンボル画像として表示する表示手段を備えている。第1の情報端末は、第2の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を光学的に読取る読取手段を備えている。このとき、第1の情報端末は、第2の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を光学的に読取ることにより入力手段の機器情報として入力するため、入力方法が簡便となる。
【0011】
請求項9記載のソフトウェア更新システムによれば、次のように作用する。第1の情報端末は、自端末に組込まれたソフトウェアの情報を図形シンボル画像として表示する。第2の情報端末は、第1の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を読取手段により光学的に読取り、読取られた図形シンボル画像に含まれるソフトウェア情報の示すソフトウェアをサーバに対してダウンロード要求し、サーバによりダウンロード要求が受け付けられると通信手段を通じてソフトウェアをダウンロードするため、第2の情報端末には第1の情報端末に組込まれたソフトウェアが組込まれることになる。これにより、たとえメモリサイズの制限があったとしても情報端末に必要なソフトウェアを組込むことができるようになる。
【0012】
請求項10記載のソフトウェア更新システムによれば、第1の情報端末の表示手段は、図形シンボル画像として一次元バーコード、二次元コード、もしくはアイコンにより表示するため、図形シンボル画像を通じて情報を簡易で且つ確実に伝達できるようになる。
請求項11記載のソフトウェア更新システムのように、第2の情報端末を、ユーザにより携帯可能に構成された携帯情報端末により構成することがより望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。
図1は、ソフトウェア更新システムの一例を概略的に示している。この図1に示すように、ソフトウェア更新システム1は、通信網としてのネットワーク3に接続されたサーバ2と、アクセスポイント5を通じてネットワーク3に接続された情報端末4(第2の情報端末に相当)と、情報端末6(第1の情報端末に相当)とを備えている。
【0014】
情報端末4は、例えば図示しないマイクロコンピュータを主体として構成され、表示手段としての表示部4aおよび選択手段(操作手段)としての操作部4bを備えている。この情報端末4は、外部から操作部4bに対して所定の操作が行われることにより外方の画像を撮像し、この画像に含まれる情報コードP(例えば、一次元バーコードや二次元コード(例えばQRコード):図形シンボルに相当)の画像を解読することで光学的に読取る機能(読取手段に相当)を備えている。表示部4aは例えば液晶ディスプレイにより構成されている。また操作部4bは例えばキーボードにより構成されている。
【0015】
また情報端末4は、携帯可能に構成されている。情報端末4は、外部と所定の無線通信規格(例えばIEEE802.11x規格に準拠した通信)により無線通信する無線通信機能を備えており、アクセスポイント5との間で通信可能に構成されている。このアクセスポイント5はネットワーク3に接続されているため、情報端末4は、サーバ2との間で相互通信可能に構成されている。
【0016】
情報端末6は、情報コードP等を表示するための表示手段としての表示部6a、および選択手段としての操作部6bを備えている。情報端末6は、外部からの操作部6bの操作により情報端末としての各種機能を実現するように構成されている。具体的には情報端末6は、情報端末4と略同一の機能を備えているため、この機能説明を省略する。尚、ネットワーク3には情報端末6もアクセスポイント5や他のアクセスポイントを通じて接続可能であるが、情報端末4および6は互いに直接ネットワーク通信することは不可能である。
【0017】
上記作用について、図2(a)および図2(b)をも参照して説明する。
図2(a)は、情報端末が、情報端末に表示された情報コードを光学的に読取る態様の一例を示している。この図2(a)に示すように、情報端末6の表示部6aには情報コードPが表示されている。情報端末4は、情報端末6の表示部6aに表示された情報コードPを光学的に読取る。
【0018】
この情報コードPには、サーバ2の接続先アドレスを示す接続先情報や、OS(Operation System)のファイル名等を示すOS(ソフトウェアに相当)の情報(ソフトウェア情報に相当)が記録されている。情報端末6は表示部6aに対してこの情報コードPを表示する。
【0019】
図2(b)は、ソフトウェア更新システムの動作を概略的に示している。
この図2(b)に示すように、情報端末4は、情報コードPを光学的に読取ることにより当該情報コードPに記録された接続先情報およびOS情報を読取る(ステップU1)。次に、情報端末4は接続先情報の示すサーバ2に対して通信接続する(ステップU2)。情報端末4は、OS情報の示すOS(ソフトウェアに相当)をサーバ2に対してダウンロード要求する(ステップU3)。
【0020】
次に情報端末4は、サーバ2にダウンロード要求が受け付けられると(ステップU4:YES)、OSをダウンロードする(ステップU5)。この後、情報端末4は、OS情報の示すOSをダウンロードした後、OSをセットアップする。尚、情報端末4は、不揮発性メモリ(図示せず)を備えており、この不揮発性メモリに対してOSをセットアップする。この後、情報端末4は、セットアップされたOS上でプログラムを実行する。これにより、OSを実行できるようになる。
【0021】
本実施形態によれば、情報コードPには、OSをダウンロードするためのOS情報が記録されていると共に、このOSをダウンロード可能なサーバ2の例えばアドレス情報が接続先情報として記録され、情報端末4は、この情報コードPを光学的に読取り、この情報コードPに記録されているOS情報の示すOSをダウンロードして実行可能にセットアップするため、たとえメモリのサイズの制限があったとしても情報端末4による作業に適したOSを組込むことができる。
【0022】
情報端末6は、接続先情報やOS情報を一次元バーコードや二次元コードによる情報コードPとして表示部6aに対して表示するため、接続先情報やOS情報を図形シンボル画像を通じて情報を簡易で且つ確実に伝達できるようになる。
また情報端末4は、情報端末6との間で無線等により直接通信できなくても情報端末4に適したOSをセットアップできる。
【0023】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、情報端末4、6の各端末が機能ソフトウェアの情報Kも併せて報知し、1または複数の機能ソフトウェアの情報Kが選択されると選択された機能ソフトウェアの情報Kに対応した接続先情報およびソフトウェア情報を表示部に表示するようにしたところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
【0024】
図3(a)および図3(b)は、情報端末が機能ソフトウェアの情報を情報コードと共に示す一態様を示している。
この図3(a)に示すように、各情報端末4、6はそれぞれ機能1〜4を表示部4a、6aに表示制御している。これらの機能1〜4の詳細は、チェックボックス(符号なし)と共に機能ソフトウェアの情報Kとして各表示部4aおよび6aに表示されている。これらの機能1〜4は、例えば一次元バーコードや二次元コードの読取機能や、無線通信機能、有線通信機能などの機能である。
【0025】
外部から操作部4bもしくは6bによりこれらの機能ソフトウェアのうちの何れか少なくとも1つ(1または複数)が選択されると、各情報端末4、6は、選択された機能に対応する機能ソフトウェアの情報Kのチェックボックス内にチェック情報を表示し、この選択された機能ソフトウェアの情報に対応した接続先情報およびOS情報(ソフトウェア情報)の情報を含むように情報コードPの形態を変化させて表示部4aおよび6aに表示する。すなわち、図3(a)の情報コードPと図3(b)の情報コードPは形態が異なっている。
【0026】
例えば、情報端末6が機能ソフトウェアの情報Kと共に情報コードPを表示しているときに、OSの組込まれていない情報端末4が情報端末6の表示部6aに表示された情報コードPを光学的に読取り、その後、第1の実施形態と同様に、読取られた接続先情報に対応したサーバ2に対しダウンロード要求する。すると、サーバ2が、このダウンロード要求を受け付ける。情報端末4は、例えばこのダウンロード要求が受け付けられたことを認識すると、ソフトウェアをダウンロードし、このダウンロードしたソフトウェアを実行可能にセットアップする。
【0027】
したがって、ユーザは機能を選択することで、情報端末4は選択された機能に対応した機能ソフトウェアをダウンロードしてセットアップするため、ユーザは機能を選択できるようになり、必要な機能のみセットアップすることができ、たとえ情報端末4の記憶容量が少なくてもソフトウェアをセットアップして実行することができる。
【0028】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、電源がオンされたときに必要とされるソフトウェアが組込まれているか否か判定し、ソフトウェアが組込まれていないと判定されると、組込可能なソフトウェアの一覧情報を表示部に表示し、このソフトウェアの一覧から少なくとも1つ選択されるとソフトウェアをサーバに対してダウンロード要求するところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分のみ説明する。
【0029】
情報端末4は、操作部4bの電源キー(符号なし)が押下されると、この押下状態を判定し、電源がオンされたときにOSが組込まれているか否かを判定する。尚、電源キーが押下されたときに関わらず、操作部4bにより所定の操作が行われたときに判定するようにしても良い。このとき、情報端末4は、自端末にOSが組込まれていなければ、OSの一覧情報をショートカットキーSを使用して表示部4aに表示する。尚、ソフトウェア更新メニュー画面により表示するようにすることが望ましい。この場合、ユーザが一覧情報を確認しやすい。
【0030】
図4は、ソフトウェア更新メニューの表示態様を示している。この図4に示すように、複数個のショートカットキーSが表示部4aに表示されている。このショートカットキーSには、図示しないが、それぞれOS情報が明示されており、外部からソフトウェア情報(例えばファイル名)を認識可能になっている。ユーザが、操作部4bを用いてショートカットキーSを選択すると、このショートカットキーSに対応したOSをサーバ2に対してダウンロード要求する。以下の動作については前述実施形態と同様であるため、その説明を省略する。このような実施形態によっても略同様の作用効果を奏する。
【0031】
本実施形態によれば、電源がオンされたときに必要とされるOSが組込まれているか否かを判定し、組込まれていなければOSを組込むように動作する。したがって、必要なソフトウェアをユーザの指示を待つことなくダウンロードするため、必要なソフトウェアを迅速にダウンロードできる。
【0032】
また、本実施形態によれば、所定の操作が行われたときに必要とされるソフトウェアが組込まれているか否かを判定するため、ユーザが必要なときに必要なOSをダウンロードできるようになる。
【0033】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、情報端末がサーバに対しソフトウェアをダウンロード要求するときに自端末の機器情報をサーバに対して送信し、この機器情報に対応した組込可能なソフトウェアの情報の示す機能を有するOSをセットアップするところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
【0034】
図5は、ソフトウェア更新システムの動作を概略的に示している。この図5に示すように、情報端末4は、接続先情報を情報コードPから光学的に読取ると(ステップV1)、この接続先情報の示す接続先のサーバ2に対して通信接続する(ステップV2)。情報端末4は、自端末の機器情報(例えば、機器の型番情報等)をサーバ2に対して送信する(ステップV3)。サーバ2は、情報端末4の機器情報を受信すると、この機器情報に対応した1または複数のソフトウェア情報を情報端末4に対して送信する。すなわち、その機器が動作するOSを探索し、このOSの情報(ファイル名等)をソフトウェア情報として情報端末4に対して送信する。情報端末4は、サーバ2からOS情報を受信すると、このOS情報の一覧(ソフトウェア情報の一覧)を表示部4aに表示し、ユーザに対して使用OSの選択を促す。
【0035】
ユーザが所望のOS情報を操作部4bにより選択すると、情報端末4は、選択されたOS情報に対応したOSをサーバ2に対してダウンロード要求する(ステップV5)。サーバ2がこのOSのダウンロード要求を受け付けると(ステップV6)、情報端末4は、OSのダウンロードを開始し(ステップV7)、ダウンロード処理を終了するとこのOSをセットアップする。このような実施形態においても前述実施形態と略同様の作用効果を奏すると共に、ユーザが必要なソフトウェアを選択することができ、たとえメモリサイズに制限があったとしてもソフトウェアを組込むことができる。
【0036】
(第5の実施形態)
図6(a)および図6(b)は、本発明の第5の実施形態を示している。前述実施形態と異なるところは、そのシステム動作である。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
【0037】
図6(b)は、本実施形態の動作を概略的なシーケンス図で示している。
情報端末6が操作部6bから操作入力された機器情報をネットワーク3を通じてサーバ2に送信することにより組込可能なソフトウェア情報をサーバ2に対して要求する(ステップT1)。サーバ2はこの要求を受け付けると、複数(または1)の組込可能なOS情報を情報端末6に対して応答送信し(ステップT2)、情報端末6はサーバ2から受信した組込可能な複数のOS情報をそれぞれ対応する情報コードPとして表示部6aに表示する(ステップT3)。
【0038】
このときの表示態様を図6(a)に示している。この図6(a)に示すように、表示部6aには、情報コードPが複数個表示されているが、個々の情報コードPには異なるOS情報が記録されている。このとき、ユーザは情報コードPを選択して読取る。情報コードPが情報端末4により読取られると(ステップT4)、情報コードPに含まれるOS情報の示すソフトウェアをサーバ2に対してダウンロード要求する(ステップT5)。次に、サーバ2がダウンロード要求を受付けると(ステップT6)、情報端末4は、ソフトウェアをダウンロードする(ステップT7)。
本実施形態によっても、前述実施形態と略同様の作用効果を奏する。
【0039】
(第6の実施形態)
図7は、本発明の第6の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、情報端末4が、自端末の機器情報を記憶する記憶手段および当該記憶手段に記憶された自端末の機器情報を図形シンボル画像として表示すると共に、情報端末6に代わる情報端末7が、情報端末4の表示部4aに表示された図形シンボル画像を光学的に読取ることにより機器情報として入力するところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分についてのみ説明する。
【0040】
情報端末4は、自端末の機器情報を図示しないメモリ(記憶手段に相当)に記憶している。情報端末4は、自端末の機器情報を含むように情報コードPを生成し、この情報コードPを表示部4aに表示する。情報端末6に代わる情報端末7は、情報端末6に備えられた機能に加え、情報コードPを光学的に読取る機能が備えられている。
【0041】
情報端末7は、情報端末4の表示部4aに表示された情報コードPを光学的に読取り、情報端末4の機器情報として入力する。情報端末7は、この機器情報を入力するとこの機器情報をネットワーク3を通じてサーバ2に送信することにより組込可能なOS情報をサーバ2に対して要求する。この後の動作は、前述実施形態と同様であるため説明を省略する。このような実施形態においても、前述実施形態と同様の作用効果を奏すると共に、入力時の操作性、利便性を向上することができる。
【0042】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形もしくは拡張が可能である。
情報端末4が自端末に組込まれたOS(ソフトウェア)の情報を情報コードPとして表示部4aに表示し、この情報を情報端末6、7が光学的に読取るようにしても良い。この場合、情報端末4に組込まれたOSがそのまま情報端末6、7に組込まれるようになるため、ユーザは面倒な組込作業を行う必要なく容易に端末間で同一のOSを組込むことができる。
【0043】
図形シンボルとして一次元バーコードや2次元コード等の情報コードPに適用した実施形態を示したがこれに限定されるものではなく、例えば、アイコンを適用しても良い。
情報端末4、6、7が携帯可能に構成されている実施形態を示したが、これに限定されるものではなく、固定設置される情報端末に適用しても良い。尚、情報端末4は特に携帯可能であることが望ましい。
【0044】
ソフトウェア情報としてOS情報、ソフトウェアとしてOSに適用した実施形態を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、ソフトウェア情報としてアプリケーションプログラムの情報を示すアプリケーションプログラム情報に適用し、ソフトウェアとしてアプリケーションプログラムに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略的なシステム構成図
【図2】(a)は光学的な読取形態を示す図、(b)は動作を概略的に示すフローチャート
【図3】本発明の第2の実施形態に係る説明図((a)および(b)は情報端末が機能ソフトウェアおよび情報コードを表示する一態様を示す図)
【図4】本発明の第3の実施形態に係る説明図(ソフトウェア更新メニューの一表示態様を示す図)
【図5】本発明の第4の実施形態の動作を概略的に示すフローチャート
【図6】本発明の第5の実施形態に係る説明図((a)は情報コードの一表示態様を示す図、(b)はシーケンス図)
【図7】本発明の第6の実施形態に係る説明図
【符号の説明】
【0046】
図面中、1はソフトウェア更新システム、2はサーバ、3はネットワーク(通信網)、4は情報端末(第2の情報端末)、5はアクセスポイント、6、7は情報端末(第1の情報端末)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続されると共に外部からダウンロード可能なソフトウェアを記憶するサーバと、
ソフトウェアをダウンロードするための接続先情報およびソフトウェア情報を図形シンボル画像として表示する表示手段を備えた第1の情報端末と、
前記第1の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を光学的に読取る読取手段,および前記通信網に接続可能に構成された通信手段を備えてなる第2の情報端末とを備え、
前記第2の情報端末は、前記読取手段により読取られた図形シンボル画像に含まれる接続先情報に対応した前記サーバとの間で前記通信手段により通信し、前記読取手段により読取られた図形シンボル画像に含まれるソフトウェア情報に基づいて前記ソフトウェア情報の示すソフトウェアを前記サーバに対してダウンロード要求し、前記サーバによりダウンロード要求が受付けられると前記通信手段を通じて前記ソフトウェアをダウンロードすることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項2】
前記第1の情報端末は選択手段を備え、
前記第1の情報端末の表示手段は、前記ソフトウェアを構成する複数の機能ソフトウェアの情報を表示し、前記選択手段により1または複数の機能ソフトウェアの情報が選択されると当該選択された機能ソフトウェアの情報を前記図形シンボル画像として表示することを特徴とする請求項1記載のソフトウェア更新システム。
【請求項3】
通信網に接続されると共に外部からダウンロード可能なソフトウェアを記憶するサーバと、
前記サーバに接続するための接続先情報を図形シンボル画像として表示する表示手段を備えた第1の情報端末と、
前記第1の情報端末の表示手段により表示された図形シンボル画像を光学的に読取る読取手段,前記通信網に接続可能に構成された通信手段,選択手段,表示手段,および必要とされるソフトウェアが組込まれているか否かを判定する判定手段を備えてなる第2の情報端末とを備え、
前記第2の情報端末は、前記判定手段によりソフトウェアが組込まれていないと判定されると、組込まれていないソフトウェアの一覧情報を前記表示手段により表示し、前記選択手段によりソフトウェアが少なくとも1つ選択されると、前記読取手段により読取られた図形シンボル画像に含まれる接続先情報に対応した前記サーバとの間で前記通信手段により通信し、前記選択されたソフトウェアを前記サーバに対しダウンロード要求することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項4】
前記判定手段は、電源がオンされたときに必要とされるソフトウェアが組込まれているか否かを判定することを特徴とする請求項3記載のソフトウェア更新システム。
【請求項5】
前記判定手段は、所定の操作が行われたときに必要とされるソフトウェアが組込まれているか否かを判定することを特徴とする請求項3記載のソフトウェア更新システム。
【請求項6】
通信網に接続されると共に外部からダウンロード可能なソフトウェアを記憶するサーバと、
前記通信網を通じて前記サーバに接続可能に構成された通信手段,および前記サーバに接続するための接続先情報を図形シンボル画像として表示する表示手段を備えてなる第1の情報端末と、
前記第1の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を光学的に読取る読取手段,前記通信網を通じて前記サーバに接続可能に構成された通信手段,および選択手段を備えた第2の情報端末とを備え、
前記第2の情報端末は、前記読取手段により読取られた図形シンボル画像に含まれる接続先情報に対応した前記サーバに対して自端末の機器情報を前記通信手段により送信し、
前記サーバは、前記第2の情報端末から受信した機器情報に対応した1または複数のソフトウェア情報を前記第2の情報端末に対して送信し、
前記第2の情報端末は、前記サーバから受信した1または複数のソフトウェア情報から前記選択手段によりソフトウェア情報が必要に応じて選択されると当該ソフトウェア情報を前記サーバに対して送信し、
前記サーバは、前記第2の情報端末から受信したソフトウェア情報の示すソフトウェアのダウンロード要求を受付け、
前記第2の情報端末は、前記サーバ側でダウンロード要求が受付けられたソフトウェアをダウンロードすることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項7】
通信網に接続されると共に外部からダウンロード可能なソフトウェアを記憶するサーバと、
機器情報を入力するための入力手段,前記通信網を通じて前記サーバに接続可能に構成された通信手段,および表示手段を備えてなる第1の情報端末と、
前記通信網を通じて前記サーバに接続可能に構成された通信手段および図形シンボル画像を光学的に読取る読取手段を備えた第2の情報端末とを備え、
前記第1の情報端末は、前記入力手段により入力された第2の情報端末の機器情報を前記通信網を通じて前記サーバに送信することにより組込可能なソフトウェア情報を前記サーバに対して要求し、
前記サーバは、前記第1の情報端末から送信された要求を受付け、1または複数の組込可能なソフトウェア情報を前記第1の情報端末に対して送信し、
前記第1の情報端末は、前記サーバから受信した組込可能な1または複数のソフトウェア情報を前記図形シンボル画像として前記表示手段に表示し、
前記第2の情報端末は、前記第1の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像が前記読取手段により光学的および選択的に読取られると、当該図形シンボル画像に含まれるソフトウェア情報に基づいてソフトウェア情報の示すソフトウェアを前記サーバに対してダウンロード要求し、前記サーバによりダウンロード要求が受付けられると前記通信手段を通じて前記ソフトウェアをダウンロードすることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項8】
前記第2の情報端末は、自端末の機器情報を記憶する記憶手段および当該記憶手段に記憶された自端末の機器情報を図形シンボル画像として表示する表示手段を備えると共に、前記第1の情報端末は、前記第2の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を光学的に読取る読取手段を備え、
前記第1の情報端末は、前記第2の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を前記読取手段により光学的に読取ることにより前記入力手段の機器情報として入力することを特徴とする請求項7記載のソフトウェア更新システム。
【請求項9】
通信網に接続されると共に外部からダウンロード可能なソフトウェアを記憶するサーバと、
自端末に組込まれたソフトウェアの情報を図形シンボル画像として表示する表示手段を備えてなる第1の情報端末と、
前記第1の情報端末の表示手段に表示された図形シンボル画像を光学的に読取る読取手段,および前記通信網を通じて前記サーバに接続可能に構成された通信手段を備えてなる第2の情報端末とを備え、
前記第2の情報端末は、前記読取手段により図形シンボル画像が光学的に読取られると、読取られた図形シンボル画像に含まれるソフトウェア情報の示すソフトウェアを前記サーバに対してダウンロード要求し、前記サーバによりダウンロード要求が受付けられると前記通信手段を通じて前記ソフトウェアをダウンロードすることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項10】
前記第1の情報端末の表示手段は、前記図形シンボル画像として一次元バーコード、二次元コード、もしくはアイコンにより表示するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載のソフトウェア更新システム。
【請求項11】
前記第2の情報端末は、ユーザにより携帯可能に構成された携帯情報端末であることを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載のソフトウェア更新システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−87142(P2007−87142A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−275615(P2005−275615)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】