説明

ソレノイドを制御する装置および方法

【課題】ソレノイド(22)の動作を制御するための装置(1、50)および方法(400、500、600)を提供する。
【解決手段】ソレノイド(22)の動作を制御するための装置(1、50)および方法(400、500、600)は、所定の状態に応答して活動化信号(14’)を受け取るように構成された制御回路(1、50)を含む。制御回路は、前記活動化信号に応答して、第1の所定の期間、ソレノイドに第1の付勢信号を供給し、第2の所定の期間、第1の付勢信号を切断する。制御回路はさらに、第3の所定の期間、ソレノイドに第2の付勢信号を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にソレノイド制御システムに関し、より具体的にはソレノイドの動作を制御するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械的ソレノイドは、電気信号に応答して機械的作用をもたらす。通常、このような電気機械的ソレノイドは、可動の強磁性体コアすなわちアーマチュアの周りに巻かれた電磁的に誘導性コイルからなる。コイルは、何らかの外部機構または電気機械デバイスに機械力を加えるために、印加された付勢信号に応答したアーマチュアの直線運動を可能にするように構成される。通常、付勢信号が取り除かれたときにアーマチュアをもとの位置にリセットするために、ばねが設けられる。通常の用途では、押しボタンスイッチの操作などの手動操作に応答して、ソレノイドコイルに電気的付勢信号が供給される。他の用途では、所定の状態に応答して、ソレノイドに付勢信号を供給するために、論理デバイスが用いられる。多くの用途では、ソレノイドによって作用を受ける外部機構の状態を検出するためにセンサが用いられ、次いでソレノイドを消勢するためにスイッチが用いられる。
【0003】
場合によっては、しばしば所望の外部機械動作における遅れにより、意図せずに延長された期間の間、ソレノイドへの付勢信号が維持される。他の例では、手動スイッチが閉位置に保持されてソレノイドが動作した後に、付勢信号を供給し続ける、あるいは信号が供給された後に、ソレノイド動作に予期しない機械的遅れが生じる。このように付勢信号が維持される場合、延長された電流の流れによる過熱によってソレノイドが故障し得る。
【0004】
このような過熱によるソレノイドの故障を避ける1つの方法は、より大きく頑丈なソレノイドデバイスを用いることであろう。しかしこれは、追加のコストが加わり、利用できるスペースよりも大きな物理スペースが必要になる。
【0005】
ソレノイドの過熱の問題に対処した別の方法は、ソレノイドへの付勢信号を所定の時間後に遮断するように構成された、ソレノイド用の制御回路を使用することである。たとえば、スイッチング開始信号を受け取るとすぐに、電気信号をソレノイドに供給するために、単安定マルチバイブレータが用いられる。ほとんどの場合、出力パルスの持続時間は、過熱することなくソレノイドを適切に動作させるのに十分な長さとなるように制御される。このような方法はソレノイドを保護するが、ソレノイド付勢信号が所定の時間後に切断されるので、ソレノイドの動作または所望の外部機械動作の遅れを克服することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の考察に鑑み、ソレノイドを過熱から保護し、所望の動作がもたらされるまで、1つまたは複数の所定の期間、ソレノイドを自動的に再付勢することによって、動作の遅れを克服することができるソレノイド制御回路を実現することが必要である。
【0007】
本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から、当業者には本発明が明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様では、ソレノイドの動作を制御するための装置および方法は、所定の状態に応答して活動化信号を受け取るように構成された制御回路を含む。制御回路は、前記活動化信号に応答して、第1の所定の期間、ソレノイドに第1の付勢信号を供給し、かつ第2の所定の期間、第1の付勢信号を切断する。制御回路はさらに、第3の所定の期間、ソレノイドに第2の付勢信号を供給する。
【0009】
別の実施形態では、ソレノイドの動作を制御するための方法は、所定の状態を示す活動化信号を検出する段階と、ソレノイドに第1の付勢信号を供給する段階と、第1の所定の期間後に、第2の所定の期間、第1のソレノイド付勢信号を切断する段階と、前記第2の所定の期間後に、前記ソレノイドに第2のソレノイド活動化信号を供給する段階と、第3の所定の期間、第2のソレノイド活動化信号を維持する段階を含む。
【0010】
他の実施形態では、ソレノイド制御システムは、ソレノイド制御ユニットと通信する活動化信号制御パスと、ソレノイド制御ユニットと通信するソレノイド回路パスと、活動化信号制御パスおよびソレノイド回路パスに電力を供給するように構成された電源と、所定の状態に応答して、活動化信号制御パスから活動化信号を受け取るように構成されたソレノイド制御ユニットを含み、ソレノイド制御ユニットは、活動化信号に応答して、第1の所定の期間、ソレノイド回路パス内に含まれるソレノイドに第1の付勢信号を供給し、その後、第2の所定の期間、第1の付勢信号を切断し、その後、第3の所定の期間、ソレノイドに第2の付勢信号を供給する。
【0011】
本発明を特徴付ける新規性の様々な特徴は、本開示に添付され、その一部をなす特許請求の範囲において、詳細に示される。本発明、その使用によって得られるその動作の長所および利点のより良い理解のために、添付の図面および説明資料を参照する。添付の図面は、本発明の多くの形態の実施例を示すためのものである。図面は、本発明を実施および使用することができるすべての方法に対しての限定を示すものではない。もちろん、本発明の様々な構成要素の、変更および置換えが可能である。本発明は、説明される要素の部分的組合せおよびサブシステム、およびそれらを用いる方法にも属する。
【0012】
添付の図中では同様の要素には同様な番号が付けられている、例示の図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明によるソレノイド制御回路の概略図が、図1、図2、および図3に全体的に示される。本発明のこれらの実施形態の説明に際し、説明する回路に関連する様々な波形を示すものとして、必要に応じ図7も参照されるべきである。
【0014】
まず図1を参照すると、例示のソレノイド制御システム1が示される。図示のように、外部AC供給源2は、活動化信号制御パス3およびソレノイド回路パス4に電力を供給する。活動化信号制御パス3およびソレノイド回路パス4は共に、ソレノイド制御ユニット5と通信する。さらに示されるように、ソレノイド制御ユニット5は、全波ブリッジ整流器17、フィルタダイオードD5、電流制限抵抗器R2、平滑化コンデンサC2、タイマ15、およびシリコン制御整流器(SCR)または他の適当な固体スイッチングデバイス18(たとえばMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)、TRIAC(交流用トライオード)、または他のトランジスタデバイス)を含む。
【0015】
制御システム1の動作では、外部AC供給源2から、端子11および12にAC電気信号が供給される。サイクルの前半では、端子11のAC信号は、ソレノイド22(ソレノイド回路パス4内に含まれる)を通過し、ブリッジ整流器17のダイオードD1を通り、全波ブリッジ整流器17の出力端子16に達する。サイクルの後半では、端子12のAC信号は、整流器17のダイオードD2を通過し、全波ブリッジ整流器17の出力端子16に達する。次いで出力端子16の整流された信号は、ダイオードD5、直列電流制限抵抗器R2、および平滑化コンデンサC2を含むフィルタ回路に供給される。フィルタ回路からの信号は、入力電力Vccを供給するために、タイマ15に送られる。以下でより詳細に説明するように、直列抵抗器R2の抵抗値は、タイマ15がソレノイド通電信号を供給するまで、ソレノイド22を通る電流を、その作動電流レベル未満に制限するのに十分なインピーダンスをもたらすように選択される。
【0016】
活動化信号制御パス3内に含まれる、押しボタンなどのスイッチ10は、端子11と電流制限抵抗器R1(やはり活動化信号制御パス3内にある)の間に配置される。スイッチ10が閉じられると、AC供給源2からの電気信号は、電流制限抵抗器R1を通して、活動化信号制御パス3内に含まれる変流器13の一次巻線の両端に送られる。それにより、変流器13の二次巻線に活動化信号14が誘起され、タイマ15を開始するために供給される。タイマ15の代わりに、またはそれに加えて、たとえばプログラマブルロジックコントローラ(PLC)などの外部回路23からの活動化信号14’を供給してもよいことが理解されよう。
【0017】
タイマ15からの出力付勢信号19は、SCR 18のゲートに供給され、それによりそれをバイアスして閉路とし、導通状態にする。ACサイクルの前半では、SCR 18のカソードの電流は、次いで全波ブリッジ整流器17のダイオードD4を通過し、ソレノイド22の巻線を通り、したがってそれにより、巻線を付勢しソレノイド22に関連付けられたプランジャ(図示せず)を作動させるのに十分な大きさに、ソレノイド22を通る電流の流れが増大する。ACサイクルの後半では、SCR 18のカソードの電流は、全波ブリッジ整流器17のダイオードD3を通過して端子12へ流れる。SCR 18が導通状態にあり、電流が整流器17の出力端子16からSCR 18を通って流れることが可能な間は、コンデンサC2は放電し、コンデンサC2の選ばれた値に依存する持続時間の間、タイマ15に引き続き入力信号を供給する。
【0018】
当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、タイマ回路に関連して、様々な信号処理技法(たとえば回路性能全体を向上するための、活動化信号のレベル変換およびフィルタリングなど)を、適宜使用できることが理解されよう。たとえば、タイマ15への活動化信号は、SCR 18が導通状態にされるまでラッチする、すなわち維持することができ、それにより電流が整流器17の出力端子16から、SCR 18、全波ブリッジ整流器17のダイオードD4を通り、ソレノイド22の巻線を通って流れることが可能になり、したがって巻線を付勢し、ソレノイド22プランジャを作動させるのに十分な大きさにソレノイド22を通る電流の流れが増大する。これにより、活動化信号にノイズが含まれる場合、またはタイマ15がソレノイドに通電信号を出力することが可能な十分な期間、維持されない場合、確実に動作するように初期活動化信号がタイマへ「オン」にラッチされることが確実になる。これは、ラッチとして機能するように、単純なフリップフロップ回路(図示せず)を用いて実現することができる。ラッチ(図示せず)は、コンデンサC2が放電したとき、リセットすることになる。
【0019】
再び図1を参照すると、通常動作時は、SCR 18は、タイマ15によってSCR 18のゲートへの通電信号19が遮断されるまで、導通状態のままとなる。スイッチ10が開放すなわち「オープン」状態にされると、タイマ15への活動化信号14は遮断され、タイマをリセットし、タイマ15からSCR 18のゲートへの通電信号19を切断し、それにより整流器17の出力端子16からSCR 18を通って流れる電流を切断し、したがってソレノイド22プランジャを非活動化すなわちリセットするのに十分に、ソレノイド22の巻線を通る電流の流れが減少する。
【0020】
しかし、活動化信号14が所定の期間より長く維持された場合は、タイマ15は、SCR 18のゲートへの通電信号19を切断する。次いでタイマ15は、所定の期間、通電信号19を切断し続けることによって、その所定の期間、SCR 18のゲートを「オープン」すなわち非導通状態に保持する。
【0021】
所定の非通電すなわち遅延期間の終わりに、活動化信号14がタイマ15に供給されたままである場合は、タイマ15はリセットし、タイマ15から、SCR 18のゲートに出力付勢信号19が供給され、それによりそれをバイアスして閉路にして導通状態とし、再び電流が整流器17の出力端子16から、SCR 18、および全波ブリッジ整流器17のダイオードD4を通って流れることが可能になり、したがってソレノイド22の巻線を付勢してソレノイド22プランジャを作動させるのに十分な大きさに電流の流れを増加させる。
【0022】
タイマ15の回路は、様々な回路構成要素および構成を用いて実装することができる。タイマ動作について一般的に説明したので、その具体的な実装形態を、図2を例として説明する。
【0023】
図2を参照すると、例示のタイマ回路15の概略図が示される。タイマ15にクリーンな入力を供給するために、入力活動化信号14は比較器26に供給され、入力抵抗器R3およびR4の値は、比較器26からの出力信号に対する閾値を設定するように選ばれる。
【0024】
通常の状態で、活動化信号がなく、タイマ27がトリガされないすなわちオフ状態のときは、比較器26から、抵抗器R8、R16、およびコンデンサC4への出力信号はなく、したがってトランジスタQ3は、非導通すなわちオフ状態のままである。Q3がオフであると、タイマ15への入力電圧Vccにより、抵抗器R9およびR10を通って電流が流れることが可能になり、それによりQ1のベースの電圧は、そのエミッタよりも高くなり、したがってPNPトランジスタQ1は非導通すなわちオフ状態のままとなる。
【0025】
活動化信号14がなく、比較器26から出力信号がない場合、Q2のベースの電圧はVbeより小さく、Q2は非導通すなわちオフ状態のままとなり、したがってR13、Ra、Rb、またはC3を通って電流は流れず、タイマ27は動作しない。
【0026】
しかしタイマ27の通常動作では、タイマ27がオンになるまで、タイマ27のピン3の出力信号がトランジスタQ4に供給される。分圧抵抗器R11およびR12は、トランジスタQ4のベースに、ベース−エミッタ電圧(Vbe)より大きい電圧を供給し、トランジスタQ4を導通すなわちオン状態にする。トランジスタQ4は、抵抗器R7を通して電流を導通し、R7とダイオードDの電圧をVceに保持し、したがってダイオードDを通って電流は流れず、タイマ15の電圧信号出力はローすなわちほぼゼロボルトのままとなる。
【0027】
比較器26のピン3に、分圧抵抗器R3およびR4の両端からの比較器26のピン2の電圧より高い、活動化信号が供給されると、比較器26の出力信号がR8、C4、およびR16に供給され、Q3を導通すなわちオン状態にし、したがって抵抗器R9を通って電流が流れることが可能になる。これにより、トランジスタQ1のベース電圧を、トランジスタQ3のVce(ロー)にプルダウンし、トランジスタQ1を導通すなわちオン状態にする。トランジスタQ1のオン電流は、抵抗器R6を通って、タイマ15の出力(Vgate)へ流れ、タイマ15から出力通電信号を供給する。
【0028】
さらに、比較器26のピン3に、分圧抵抗器R3およびR4の両端からの比較器26のピン2の電圧より高い、活動化信号14が供給されると、比較器26の出力信号が抵抗器R14に供給され、トランジスタQ2を導通すなわちオン状態にし、抵抗器R13、Ra、Rb、コンデンサC3を通って電流が流れることが可能になり、タイミングサイクルを開始するように、タイマ27のピン2への入力信号を通してタイマ27をトリガする。
【0029】
集積回路タイマ27は、パルス間の持続時間が調整可能な一連のパルスとして出力を生じる、非安定マルチバイブレータとして構成される。タイマ27の出力の「オン」および「オフ」時間は、抵抗器Ra、Rb、およびコンデンサC3の値を選ぶことによって調整される。タイマ27の「オン」時間の持続時間は、次式により与えられる。
【0030】
on=0.693(Ra+Rb)×C3
タイマ27の「オフ」時間の持続時間は、次式により与えられる。
【0031】
off=0.693(Rb)×C3
タイマ27がオンになると、タイマ27のピン3の出力信号は切断される。これにより抵抗器R11は実効的に接地され、トランジスタQ4のベースの電圧をVbeより低下させ、トランジスタQ4を非導通すなわちオフ状態にする。トランジスタQ4が実効的にオフになると、タイマ15の入力Vccから、抵抗器R7およびダイオードDを通って電流が流れてタイマ15から出力通電信号(Vgate)を供給し続ける。
【0032】
上記のように抵抗器Ra、Rb、およびコンデンサC3の値に基づいて計算される、タイマ27の「オン」時間(Ton)の間では、トランジスタQ3のベースの電圧は、C4とR16の時定数によってVbeより低下し、トランジスタQ3を非導通すなわちオフ状態にする。またトランジスタQ3が非導通になると、抵抗器R9、R10の分圧器は、トランジスタQ1を非導通すなわちオフ状態にする。タイマ27の「オン」時間(Ton)の終わりに、タイマ27は再び、タイマ27のピン3に出力信号を生じ、トランジスタQ4を導通すなわちオン状態にし、電流が抵抗器R7を通って接地に流れるのを可能にして、上記のように抵抗器Ra、Rb、およびコンデンサC3の値に基づいて計算される、「オフ」時間(Toff)の持続時間の間、タイマ15からの出力信号(Vgate)を切断する。
【0033】
タイマ15の「オフ」時間(Toff)の終わりに、タイマ27は自動的に、再びタイマ2のピン3に出力信号を生ずる。これにより、再びトランジスタQ4は非導通すなわちオフ状態となり、タイマ15の入力Vccから、抵抗器R7およびダイオードDを通って電流が流れ、前と同様、タイマ15から出力通電信号(Vgate)を供給し続ける。
【0034】
活動化信号に応答して、タイマ15から出力通電信号19(Vgate)を所定の期間供給し、タイマ15からの出力信号19(Vgate)を所定の持続時間切断するサイクルは、活動化信号が閾値より高く、Vccが回路に電力供給するのに十分である限り、繰り返されることになる。
【0035】
当業者には、出力通電信号(Vgate)の持続時間、および出力通電信号の間のオフ時間の持続時間は、上述の回路内に可変抵抗器およびコンデンサを用いることにより、現場での調整を可能にすることができることが理解されよう。
【0036】
次に図3を参照すると、図1のタイマ回路15が、内部タイマおよびスイッチを含むプログラマブルマイクロコントローラ31によって置き換えられることを除いては、図1のものと同一な、ソレノイド制御システム50の別の実施形態が示される。マイクロコントローラ31には、さらに、初期および後続付勢信号の持続時間、および信号間の「オフ」時間の調整を可能にするために、可変抵抗器(バリスタ)R10、R11、およびR12を通して、ユーザによる調整が可能な入力信号を供給することができる。当業者には、ユーザが初期および後続付勢信号の持続時間、および信号間の「オフ」時間の調整ができるように、マイクロコントローラ31に調整可能な入力を供給することを可能にするためには、バリスタR10、R11、およびR12の代替として、多くの他のデバイスまたは回路を用いることもできることが理解されよう。マイクロコントローラ31は、所定の期間、ソレノイド22を付勢するためにスイッチングデバイス18(たとえばSCR)に付勢信号19を供給し、第2の所定の期間、ソレノイド22への付勢信号19を切断し、活動化信号が維持されている場合は、第3の所定の期間、ソレノイドに付勢信号19を再印加することによって、受け取った活動化信号に応答するようにプログラムされる。マイクロコントローラ31はまた、入力活動化信号14が遮断された場合は、通電信号19を切断するようにプログラムされる。
【0037】
本発明の実施形態の動作のための、タイミングおよびスイッチング機能を行うために用いられる論理段階は、マイクロコントローラによる実行のために容易にプログラム可能であることが理解されよう。さらに、それぞれの規定された付勢信号オフまたは付勢信号オンの期間は同一である必要はなく、ユーザが望むようにプログラムまたは調整できることが理解されよう。
【0038】
次に図4を参照すると、たとえば図3のプログラマブルマイクロコントローラ31によって実装されるような、例示のアルゴリズム400のフローチャート表示が示される。マイクロコントローラは、活動化信号がマイクロコントローラに供給されたとき、ブロック402でソレノイド制御アルゴリズムを開始する。マイクロコントローラは、それぞれブロック404および406で、初期付勢信号タイマを初期化および開始し、ブロック408に示されるように、ソレノイドをイネーブルするために付勢信号出力を供給する。出力通電信号は、初期付勢信号タイマがタイムアウトするまで維持される。判断ブロック410に示されるように、マイクロコントローラ初期付勢タイマがタイムアウトした場合は、ブロック412でソレノイドをディスエーブルするために通電信号が切断される。
【0039】
次いでマイクロコントローラは、ブロック414で付勢信号オフタイマを、そしてブロック416で後続付勢信号オン用のタイマを、共に初期化する。次に、ブロック418で付勢信号オフタイマが開始され、付勢信号オフタイマがタイムアウトするまで、出力通電信号が切断される。判断ブロック420での判定により、マイクロコントローラ31付勢信号オフタイマがタイムアウトした場合は、ブロック422で後続付勢信号オンタイマが開始され、マイクロコントローラはブロック424でソレノイドを再イネーブルするために付勢信号出力を供給する。判断ブロック426での判定により、マイクロコントローラ後続付勢信号オンタイマがタイムアウトした場合は、ブロック428でソレノイドをディスエーブルするために通電信号が切断される。
【0040】
後続付勢信号と信号オフのサイクルを、無期限またはマイクロコントローラ31への活動化信号が切断されるまで繰り返すように、マイクロコントローラ31をプログラムできることが理解されよう。
【0041】
次に図5を参照すると、初期および後続通電信号の持続時間、ならびに信号間のオフ時間の持続時間が、スタートアップ時に現場で規定される(たとえば図3のプログラマブルマイクロコントローラ31によって実施される)、例示のアルゴリズム500のフローチャート表示が示される。
【0042】
マイクロコントローラは、マイクロコントローラに活動化信号が供給されたとき、ブロック502でソレノイド制御アルゴリズムを開始する。マイクロコントローラはまず、ブロック504で、初期付勢信号持続時間を規定するユーザ入力を読み出す。次にマイクロコントローラは、それぞれブロック506および508で初期付勢信号タイマを初期化および開始し、ブロック510でソレノイドをイネーブルするために付勢信号出力を供給する。出力通電信号は、初期付勢信号タイマがタイムアウトするまで維持される。判断ブロック512で反映されるように、初期付勢タイマがタイムアウトした場合は、ブロック514でソレノイドをディスエーブルするために、通電信号が切断される。
【0043】
次いでマイクロコントローラは、それぞれブロック516および518で、共に信号オフ期間の持続時間および後続付勢信号の持続時間を規定するユーザ入力を読み出す。マイクロコントローラは次いで、付勢信号オフタイマ(ブロック520)および後続付勢信号オン用のタイマ(ブロック522)を共に初期化する。
【0044】
次に、ブロック524で付勢信号オフタイマが開始され、付勢信号オフタイマがタイムアウトするまで、出力通電信号は切断される。判断ブロック526での判定により、マイクロコントローラ付勢信号オフタイマがタイムアウトした場合は、ブロック528で後続付勢信号オンタイマが開始され、マイクロコントローラはブロック530で、ソレノイドを再イネーブルするために付勢信号出力を供給する。判断ブロック532で反映されるように、マイクロコントローラ31後続付勢信号オンタイマがタイムアウトした場合は、ブロック534でソレノイドをディスエーブルするために通電信号が切断される。
【0045】
マイクロコントローラは、後続付勢信号と付勢信号オフのサイクルを、特定のサイクル数の間、または(図示のように)無期限に、またはマイクロコントローラへの活動化信号が切断されるまで、繰り返すようにプログラムできることが理解されよう。
【0046】
次に図6を参照すると、初期および後続通電信号の持続時間、ならびに信号間のオフ時間の持続時間が、任意の時点で規定され、現場で動作中に調整可能な(たとえば図3のプログラマブルマイクロコントローラ31によって実施されるような)、例示のアルゴリズム600のフローチャート表示が示される。
【0047】
マイクロコントローラは、マイクロコントローラに活動化信号が供給されたとき、ブロック602でソレノイド制御アルゴリズム600を開始する。マイクロコントローラはまず、ブロック604で、初期付勢信号持続時間を規定するユーザ入力を読み出す。次にマイクロコントローラは、それぞれブロック606および608で、初期付勢信号タイマを初期化および開始し、ブロック610で、ソレノイドをイネーブルするために付勢信号出力を供給する。出力通電信号は、初期付勢信号タイマがタイムアウトするまで維持される。判断ブロック612で反映されるように、初期付勢タイマがタイムアウトした場合は、ブロック614で、ソレノイドをディスエーブルするために通電信号が切断される。
【0048】
次いでマイクロコントローラは、それぞれブロック616および618で、共に通電信号オフ期間の持続時間および後続付勢信号の持続時間を規定するユーザ入力を読み出す。マイクロコントローラは次いで、ブロック620で付勢信号オフタイマを、ブロック622で後続付勢信号オン用のタイマを、共に初期化する。
【0049】
次に、ブロック624で付勢信号オフタイマが開始され、付勢信号オフタイマがタイムアウトするまで出力通電信号は切断される。判断ブロック626で反映されるように、マイクロコントローラ付勢信号オフタイマがタイムアウトした場合は、ブロック628で後続付勢信号オンタイマが開始され、マイクロコントローラはブロック630で、ソレノイドを再イネーブルするために付勢信号出力を供給する。ブロック632で反映されるように、マイクロコントローラ後続付勢信号オンタイマがタイムアウトした場合は、ブロック634で、ソレノイドをディスエーブルするために通電信号は切断される。
【0050】
次に、マイクロコントローラはブロック616に戻り、次いで共に通電信号オフ期間の持続時間および後続付勢信号の持続時間の規定するユーザ入力の再読み出しを行う(ブロック618)。マイクロコントローラは次いで、付勢信号オフタイマおよび後続付勢信号オン用のタイマを、共に再初期化する(ブロック620、622)。
【0051】
マイクロコントローラは、上述のように、後続付勢信号オンおよび付勢信号オフのサイクルを、特定のサイクル数の間、または無期限に、またはマイクロコントローラへの活動化信号が切断されるまで、繰り返すようにプログラムできることが理解されよう。
【0052】
以上、本発明について例示的実施形態を参照しながら説明してきたが、当業者には、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、かつその要素を等価物で置き換えることができることが理解されよう。さらに、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の教示に対して、特定の状況および材料に適合するように、多くの変形を行うことができる。したがって本発明は、本発明を実施するために企図された最良または一つの形態として開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲に含まれるすべての実施形態を含むものとする。また、図面および説明の中では、本発明の例示的実施形態が開示され、特定の用語が用いられた場合もあるが、それらは特に明記しない限り、限定の目的ではなく、一般的な、説明の意味で用いられたものであり、したがって本発明はそのように限定されない。さらに、第1、第2などの用語の使用は順序または重要度を示すものではなく、第1、第2などの用語は1つの要素を他の要素から区別するために用いたものである。さらに、1つの(a、anなど)という言葉の使用は、数量の限定を示すものではなく、参照された品目が少なくとも1つあることを示すものである。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態によるソレノイドの動作を制御するための例示の回路の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態によるソレノイドの動作を制御するのに用いられるタイマの例示の回路の概略図である。
【図3】タイミングおよび論理機能を行うためにマイクロコントローラを用いる、本発明の一実施形態によるソレノイドの動作を制御するための代替の例示の回路の概略図である。
【図4】タイミングおよび論理機能を行うためのマイクロコントローラ用の論理フローを示す図である。
【図5】タイミングおよび論理機能を行うためのマイクロコントローラ用の代替の論理フローを示す図である。
【図6】タイミングおよび論理機能を行うためのマイクロコントローラ用の代替の論理フローを示す図である。
【図7】図1、図2、および図3の回路の実施形態に関連する様々な波形を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ソレノイド制御システム
2 外部AC供給源
3 活動化信号制御パス
4 ソレノイド回路パス
5 ソレノイド制御ユニット
10 スイッチ
11、12 端子
13 変流器
14 活動化信号
14’ 活動化信号
15 タイマ
16 端子
17 全波ブリッジ整流器
18 SCR
19 付勢信号
22 ソレノイド
23 外部回路
26 比較器
27 タイマ
31 マイクロコントローラ
50 ソレノイド制御システム
400 アルゴリズム
402、404、406、408、410、412、414、416、418、420、422、424、426、428 ブロック
500 アルゴリズム
502、504、506、508、510、512、514、516、518、520、522、524、526、528、530、532、534 ブロック
600 アルゴリズム
602、604、606、608、610、612、614、616、618、620、622、624、626、628、630、632、634 ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイド(22)の動作を制御するための装置であって、
制御回路(1、15、50)を備え、
前記制御回路は、所定の状態に応答して活動化信号(14’)を受け取るように構成され、
前記制御回路は、前記活動化信号に応答して第1の所定の期間、前記ソレノイドに第1の付勢信号(14)を供給し、その後、第2の所定の期間、前記第1の付勢信号を切断し、その後、第3の所定の期間、前記ソレノイドに第2の付勢信号を供給する装置。
【請求項2】
前記制御回路が、前記第1の付勢信号の持続時間、前記第2の所定の期間の持続時間、および前記第2の付勢信号の持続時間の調整を可能にするように構成され、
前記制御回路は、前記第2の所定の期間、前記第1の付勢信号を切断するためのスイッチングデバイス(10)を含み、前記スイッチングデバイスはさらに、前記第3の所定の期間、前記ソレノイドに前記第2の付勢信号を供給する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記制御回路が、前記持続時間のいずれも、他の持続時間とは独立に調整できるように構成される、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記制御回路が、スイッチングデバイス(10)を含み、
前記制御回路は、前記スイッチングデバイスと電気的に通信するタイマ(Vcc)をさらに備え、
前記タイマは、前記活動化信号に応答して、前記第1の所定の期間、前記ソレノイドに前記第1の付勢信号を供給するために前記スイッチングデバイスをトリガし、
前記タイマは、前記第2の所定の期間、前記ソレノイドへの前記第1の付勢信号を切断するために前記スイッチングデバイスを遮断し、
前記タイマは、前記第3の所定の期間、前記ソレノイドに前記第2の付勢信号を供給するために前記スイッチングデバイスをトリガする、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記制御回路が、マイクロコントローラ(31)を含み、
前記マイクロコントローラは、スイッチングデバイス(18)と電気的に通信するタイマ(15)をさらに備え、
前記マイクロコントローラは、前記活動化信号に応答して、前記第1の所定の期間、前記ソレノイドに前記第1の付勢信号を供給するために前記スイッチングデバイスをトリガし、
前記マイクロコントローラは、前記第2の所定の期間、前記ソレノイドへの前記第1の付勢信号を切断するために前記スイッチングデバイスを遮断し、
前記マイクロコントローラは、前記第3の所定の期間、前記ソレノイドに前記第2の付勢信号を供給するために前記スイッチングデバイスをトリガする、請求項1記載の装置。
【請求項6】
ソレノイドの動作を制御するための方法(400、500、600)であって、
所定の状態を示す活動化信号を検出する段階(404、504、604)と、
前記ソレノイドに第1の付勢信号を供給する段階(408、510、610)と、
第1の所定の期間の後、第2の所定の期間、前記第1のソレノイド付勢信号を切断する段階(412、514、614)と、
前記第2の所定の期間の後、前記ソレノイドに第2のソレノイド活動化信号を供給する段階(416、518、618)と、
第3の所定の期間、前記第2のソレノイド活動化信号を維持する段階(418、520、620)と
を含む方法。
【請求項7】
ソレノイド制御システム(1)であって、
ソレノイド制御ユニット(31)と通信する活動化信号制御パス(14’)と、
前記ソレノイド制御ユニットと通信するソレノイド回路パス(14)と、
前記活動化信号制御パスおよび前記ソレノイド回路パスに、電力を供給するように構成された電源(2)とを備え、
前記ソレノイド制御ユニットは、所定の状態に応答して、前記活動化信号制御パスから活動化信号(14)を受け取るように構成され、
前記ソレノイド制御ユニットは、前記活動化信号に応答して、第1の所定の期間、前記ソレノイド回路パス内に含まれるソレノイド(22)に第1の付勢信号を供給し、その後、第2の所定の期間、前記第1の付勢信号を切断し、その後、第3の所定の期間、前記ソレノイドに第2の付勢信号を供給するシステム。
【請求項8】
前記ソレノイド制御ユニットが、前記第2の所定の期間、前記第1の付勢信号を切断するためのスイッチングデバイス(18)を含み、前記スイッチングデバイスはさらに、前記第3の所定の期間、前記ソレノイドに前記第2の付勢信号を供給する、請求項7記載のソレノイド制御システム。
【請求項9】
前記ソレノイド制御ユニットが、スイッチングデバイス(18)を含み、
前記ソレノイド制御ユニットは、前記スイッチングデバイスと電気的に通信するタイマ(15)をさらに備え、
前記タイマは、前記活動化信号に応答して、前記第1の所定の期間、前記ソレノイドに前記第1の付勢信号を供給するために前記スイッチングデバイスをトリガし、
前記タイマは、前記第2の所定の期間、前記ソレノイドへの前記第1の付勢信号を切断するために前記スイッチングデバイスを遮断し、
前記タイマは、前記第3の所定の期間、前記ソレノイドへの前記第2の付勢信号を供給するために前記スイッチングデバイスをトリガする、請求項7記載のソレノイド制御システム。
【請求項10】
前記ソレノイド制御ユニットが、マイクロコントローラ(31)を含み、
前記マイクロコントローラは、スイッチングデバイス(18)と電気的に通信するタイマをさらに備え、
前記マイクロコントローラは、前記活動化信号に応答して、前記第1の所定の期間、前記ソレノイドに前記第1の付勢信号を供給するために前記スイッチングデバイスをトリガし、
前記マイクロコントローラは、前記第2の所定の期間、前記ソレノイドへの前記第1の付勢信号を切断するために前記スイッチングデバイスを遮断し、
前記マイクロコントローラは、前記第3の所定の期間、前記ソレノイドに前記第2の付勢信号を供給するために前記スイッチングデバイスをトリガする、請求項7記載のソレノイド制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−161047(P2008−161047A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325428(P2007−325428)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】