説明

タイピングゲーム装置

【課題】 遊技中に行われる画面の表示及び音の出力を所定条件下でのみ制限することによって、遊技性を向上させるとともに遊技者に対する演出効果の低下を防止することを可能にしたタイピングゲーム装置を提供する。
【解決手段】 コイン投入口9に硬貨等のコインが投入され複数のステージより構成されるタイピングゲームが実行された状態において、特に楽曲の曲番2以降の曲番が演奏されるステージ実行中に(S41:NO)遊技者のタイプミス回数が所定回数に達した場合(S43:YES、S45:YES、S47:YES)、楽曲の伴奏音楽及び音声の一方又は両方を出力しないように制御する(S44、S46、S48)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示手段に表示された所定の文字列とキー操作により入力された文字列との正誤判定に基づいて遊技を制御するタイピングゲーム装置に関し、特に、遊技中に行われる画面の表示及び音の出力を所定条件下でのみ制限することによって、遊技性を向上させるとともに遊技者に対する演出効果の低下を防止することを可能にしたタイピングゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ワードプロセッサ等におけるキーボードによるタイプ入力の練習として行われているタイピングゲームでは、遊技者がディスプレイ等に表示された文字列をキーボードから所定時間内にタイプ入力することにより、遊技者にキーボードのキー配列を記憶させ、効率的なタイピングを身に付けさせるものである。そして、このようなタイピングゲームを行う手段としては、ゲームセンター等に配置され、所定料金を徴収することにより不特定多数の遊技者が実行可能となる筐体タイプのタイピングゲーム装置や、各遊技者がソフトウェアを購入し、PCに対してプログラムをインストールすることにより各PCで遊技可能に構成したタイピングゲーム装置等がある。
更に、近年このようなタイピングゲーム装置としては、遊技性を向上させるために、単にランダムに表示された文字列のタイプ入力を行わせるのみでなく、ディスプレイ上に表示したキャラクタとの会話におけるセリフ内容をタイプ入力させる方法や、音楽を演奏するとともにその歌詞をタイプ入力させる方法等が取られている。例えば、特開2002−268534号公報では、練習文が画面上に表示されるのではなく、練習曲をコンピュータから再生し、その歌詞をユーザが入力することにより、聴覚から入った情報に基づいてタイピング精度の向上及び正確性を図ることが可能なタイピングゲーム装置が記載されている。
また、上記のようなタイピングゲーム装置では演出面の向上も図られており、例えば、表示に関する演出面では、ディスプレイ上に会話を行うキャラクタや歌唱するアーティストの表示等を行い、音に関する演出面では、ディスプレイ上に表示したキャラクタの音声、伴奏の音楽及び歌声の出力等が行われる。そして、前記各演出をタイピングゲームの正誤判定結果に従って制限する(例えば、タイプミスが多くなると音が出力されなくなったり、表示領域が小さくなる。)ことによりタイピングゲームの遊技性を更に向上させることについても提案されている。
【特許文献1】特開2002−268534号公報(第6頁〜第9頁、図4〜図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたタイピングゲーム装置では、表示された文字列ではなく、再生された曲に合わせてタイピングを行うという点では異なるものの、遊技者がタイピングゲーム中において単純にタイピング操作のみを繰り返し行うという点では以前のタイピングゲーム装置と同様であり、遊技性の向上が十分に図れているとはいえなかった。
また、一方でタイピングゲームにおいて行われる画面の表示や音の演出等の各演出をタイピングゲームの正誤判定結果に従って制限することによりタイピングゲームの遊技性を向上させる方法では、初心者やタイピングの苦手な遊技者は常に演出が制限された状態で遊技を行うこととなる。従って、遊技者の遊技意欲が減退するとともに、タイピングゲーム機が備える演出効果を十分に発揮することができなかった。特に、楽曲を演奏するとともにその歌詞をタイプ入力させることにより行うタイピングゲーム装置においては、装置の目的の一つとして遊技中に演奏された音楽の宣伝広告がある。従って、そのようなタイピングゲーム装置において演奏される伴奏や歌声を無くすと、その楽曲の宣伝効果が減少してしまい、遊技者の楽曲に関するCDやDVD等の購買意欲を増加させるという目的を果たすことができなくなっていた。
【0004】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、第2遊技態様でのみタイプの正誤判定に基づく画像の表示及び音の出力の制限を行うので、遊技性の向上を図るとともに、演出効果を十分に発揮することを可能としたタイピングゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るタイピングゲーム装置は、遊技に係る所定の文字列(例えば、文字列22A)を表示する画像表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4)と、遊技に係る所定の音(例えば、楽曲の伴奏の音楽、アーティストの歌唱する音声)を出力する音出力手段(例えば、スピーカ8)と、複数の文字に対応する複数のキーが配置された入力手段(例えば、キーボード6)と、前記入力手段により入力された文字列が前記所定の文字列と一致するか否かを判定する正誤判定手段(例えば、CPU51、S29)と、を有するタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、通常の遊技が行われる第1遊技状態(例えば、第1ステージ)と、前記画像表示手段の表示及び/又は前記音出力手段の出力の一部又は全部を制限する演出態様制限手段(例えば、CPU51、S44、S46、S48、S105、S107、S109)を備えた第2遊技状態(例えば、第2ステージ)と、に基づいて遊技を制御する遊技制御手段(例えば、CPU51)を有し、前記演出態様制限手段は、前記正誤判定手段の判定結果に基づいて前記制限を行うことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るタイピングゲーム装置は、請求項1に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、前記演出態様制限手段(例えば、CPU51、S44、S46、S48、S105、S107、S109)は、前記画像表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4)の表示及び/又は前記音出力手段(例えば、スピーカ8)の出力の一部又は全部を行わないように前記画像表示手段及び/又は前記音出力手段を制御することにより制限することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るタイピングゲーム装置は、請求項1又は請求項2に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、楽曲データを記憶する曲データ記憶手段(例えば、HDD55)を有し、前記所定の音(例えば、楽曲の伴奏の音楽、アーティストの歌唱する音声)は、前記曲データ記憶手段に記憶された楽曲データに基づいて演奏される伴奏の音楽及び歌唱される音声であるとともに、前記所定の文字列(例えば、文字列22A)は、前記音出力手段(例えば、スピーカ8)より出力される前記歌唱される音声に係る文字列であることを特徴とする。
【0008】
更に、請求項4に係るタイピングゲーム装置は、請求項3に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、前記演出態様制限手段(例えば、CPU51、S44、S46、S48、S105、S107、S109)は、前記正誤判定手段(例えば、CPU51、S29)の判定結果に基づいて前記伴奏の音楽及び前記歌唱される音声の一方又は両方を前記音出力手段(例えば、スピーカ8)より出力しないことにより制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係るタイピングゲーム装置では、第2遊技状態に基づいて遊技が行われる際のみに、タイピングの正誤判定結果に基づいて画像表示手段の表示及び/又は音出力手段の出力の一部又は全部を制限するので、タイピングゲームの成績に基づいて演出態様を変化させる高い遊技性を有しつつ、全ての遊技者に対して少なくとも所定期間は完全な画面の表示及び音の出力に基づいて遊技を行わせることが可能となる。従って、タイピングゲーム装置の有する演出効果を十分に発揮することが可能であり、また、初心者やタイピングが苦手な遊技者であっても、ゲーム中の各種演出を完全な状態で遊技することが可能となるので、遊技意欲が減衰することを防止することができる。
【0010】
また、請求項2に係るタイピングゲーム装置では、画像表示手段の表示及び/又は音出力手段の出力の一部又は全部を行わないように制御するので、タイピングゲームの成績に基づいて演出の一部を行わない新たな遊技状態に移行することとした高い遊技性を有するタイピングゲーム機の提供が可能となる。従って、繰り返し遊技を行う場合であっても、遊技者を飽きさせることがない。
【0011】
また、請求項3に係るタイピングゲーム装置では、記憶された楽曲データに基づいて伴奏の音楽及び歌唱される音声を出力するとともに、出力される音声に係る文字列との一致により正誤判定を行うので、楽曲の演奏とともに演奏される楽曲に合わせてタイピングを行う従来にはない臨場感のある状況下においてのタイピングゲームが可能となり、遊技者を飽きさせることがない。
【0012】
更に、請求項4に係るタイピングゲーム装置では、第2遊技状態に基づいて遊技が行われている状態において、遊技者のタイピングの正誤判定に基づいて楽曲の伴奏音楽及び音声の一方又は両方を出力しないように制御するので、タイピングゲームの成績に基づいて演奏される楽曲の伴奏及び音声の出力態様を変化させる高い遊技性を有するタイピングゲーム機の提供が可能となる。従って、繰り返し遊技を行う場合であっても、遊技者を飽きさせることがない。
その一方で、第1遊技状態に基づいて遊技が行われている状態では、音の出力を制限することなく、常に楽曲の伴奏音楽及び歌唱される音声を出力させることから、全ての遊技者に対して少なくとも所定期間はオリジナル状態の楽曲の演奏を聞かせることが可能となる。それにより、楽曲の演奏に基づく宣伝効果を十分に発揮可能となり、遊技者に対して楽曲に関連するCD、DVD等の購買意欲を増加させる。また、初心者やタイピングが苦手な遊技者であっても、ゲーム中の楽曲の演奏を完全な状態で聞かせることが可能となるので、遊技意欲が減衰することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るタイピングゲーム装置についてゲームセンター等に設置される筐体型のタイピングゲーム機に具体化した第1及び第2実施形態について以下に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1について説明する。ここで、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1は、スピーカから楽曲を再生するとともに、流れる楽曲に合わせて歌詞をディスプレイ上に順次表示させ、遊技者が表示された歌詞を順次キーボードでタイプすることにより遊技が行われるように構成されている。更に実施されるタイピングゲームは再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であるときに次の曲番の楽曲に該当するステージへと進み、継続してタイピングゲームを行うことができるように構成されている。
以下に第1実施形態に係るタイピングゲーム機1の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は第1実施形態に係るタイピングゲーム機の斜視図である。
【0015】
第1実施形態に係るタイピングゲーム機1は、図1に示すようにタイピングゲーム機1の外形を構成する筐体2と、メインのゲーム画面(図3(B)及び図4(B)参照)が表示される第1液晶ディスプレイ3と、第1液晶ディスプレイ3の上方に位置し、プロモーションビデオや広告等の演出に係る画像(図3(A)及び図4(A)参照)が表示される第2液晶ディスプレイ4と、第1液晶ディスプレイ3の下方に設けられコインやカードの投入口が形成されたセンターパネル5と、遊技者がタイプを行うキーボード6と、第1液晶ディスプレイ3の左右に設けられた発光ライト7と、第2液晶ディスプレイ4の左右側部に配置された一対のスピーカ8とから基本的に構成されている。以下に各構成要素について説明する。
【0016】
第1液晶ディスプレイ3は、筐体2の正面側略中央部に所定角度傾斜して配置された液晶ディスプレイであり、所定角度で後方に傾斜して配設されている。
そして、第1液晶ディスプレイ3では、タイピングゲーム実行時においてスピーカ8を介して再生される楽曲の歌詞、遊技者のタイプ結果、それに伴う得点等の当該タイピングゲームの進行に係る遊技情報(遊技者がゲームの進行にあたり必要な情報)の表示が行われる(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0017】
一方、第1液晶ディスプレイ3の上方に別途配置された第2液晶ディスプレイ4は、第1液晶ディスプレイ3と同様の液晶ディスプレイであるが、第2液晶ディスプレイ4ではタイピングゲーム実行時においてタイピングゲームの演出に関する演出画像を表示する。
ここで、第2液晶ディスプレイ4で表示される演出画像は、前記第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容と異なり、遊技者によるゲームの進行には直接必要とされないもので、タイピングゲームを盛り上げるための補助的な役割を有する。例えば、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では楽曲としてある歌手の楽曲が再生され、遊技者は楽曲の歌詞をキーボード6によって入力を行いゲームが進行するが、第2液晶ディスプレイ4にはその楽曲に係るプロモーションビデオ(以下、PVと略す)が表示される(図3(A)及び図4(A)参照)。従って、楽曲の演奏とともにアーティストの歌唱する姿が表示された臨場感のある状況下においてのタイピングゲームが可能となり、遊技者を飽きさせることがない。尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される各表示内容については後に詳細に説明する。
【0018】
また、センターパネル5にはコイン投入口9及びカード挿入口10が設けられている。コイン投入口9は、100円硬貨等のコインが投入される投入口である。コイン投入口9にはコインセンサ63が配置されており、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63を介してコイン検出信号がCPU51に出力され(図11参照)、CPU51はコインが投入されたことを検出する。
【0019】
また、カード挿入口10は、タイピングゲームのゲーム結果が記録されるICタグが内蔵されたICカード(図示せず)が挿入される挿入口である。このカード挿入口10の内部には、後述するカードセンサ64と、カードリーダ・ライタ65とが配設されており(図11参照)、ICカードがカード挿入口10に挿入されている場合には、カードセンサ64によってその旨を検出する。ここで、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1で使用されるICカードは、内蔵されたICタグに所有する遊技者の前回までのゲームにおけるゲーム結果(獲得した得点(スコア)やポイント等)を記憶し、その記憶されたゲーム結果を所定の操作を行うことによって遊技者に表示可能としたものである。
即ち、カードセンサ64によりICカードが検出された場合に、カードリーダ・ライタ65は、ICタグからのタイピングゲームのゲーム結果の読み出し、又はICタグに対する新たなゲーム結果の書き込み等を行う(図13のS3、S9)。
【0020】
また、キーボード6は、筐体2の正面に手前側に突出して配設されており、後述するように「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キーやエンターキー、カーソルキー等の機能キーがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである(図8参照)。そして、ゲーム中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した各キーをタイプすることにより文字入力を行いゲームを進行させ、遊技開始前や遊技終了後等においてはゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を各キーの操作に基づいて行う。尚、キーボードの構成については後に詳細に説明する。
【0021】
また、筐体2の左右両側面には、発光ライト7が、一側面につき4つずつ配設されている。この発光ライト7は、フルカラーで点灯可能なフルカラーLEDで構成されており、タイピングゲーム機1で再生される楽曲に応じて多様な照明演出を行う。例えば、照明演出としては、合計8つの発光ライト7の照明色を変更する演出や、照明色の変更を一定の規則に応じて行う演出、発光ライト7の点灯・消灯による演出などが可能である。
【0022】
また、第2液晶ディスプレイ4の左右両側には、スピーカ8が配設されている。スピーカ8は、タイピングゲーム機1において再生される楽曲(伴奏音楽とアーティストの音声とが組み合わさることからなる)や効果音等を出力する出力装置である。具体的には、タイピングゲーム実行時において、HDD55(図11参照)に記憶された楽曲の音声データ、演奏データに基づいて、指定されたテンポで伴奏の音楽及びアーティストの歌唱する音声を出力する。但し、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、スピーカ8から出力される伴奏の音楽及び音声は、所定の条件を満たした場合には、その一方又は両方が出力されないように構成されている(図16参照)。
【0023】
次に、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される各表示内容について図2乃至図5を用いて詳細に説明する。尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4により表示される表示内容は、タイピングゲーム開始前、タイピングゲーム実行中、タイピングゲーム終了後の3パターンから基本的に構成される。図2はタイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図、図3(A)及び図4(A)はタイピングゲーム実行中において第2液晶ディスプレイ4に表示される表示内容を示した模式図、図3(B)及び図4(B)はタイピングゲーム実行中において第1液晶ディスプレイに3表示される表示内容を示した模式図、図5はタイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。
【0024】
ここで、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1は、演奏される楽曲の歌詞を入力することによりタイピングゲームが行われる。具体的には、先ず遊技者が用意された複数の楽曲の中から遊技を希望する楽曲を選択する。そして、タイピングゲームが開始されると、当該選択した楽曲の伴奏音楽にあたる演奏データと、当該楽曲のアーティストの歌声にあたる音声データがそれぞれ再生される。更に、当該楽曲の演奏データ及び音声データの再生に伴い、遊技者が入力すべき文字列として楽曲の歌詞が、再生される音声データに合わせたタイミングで1フレーズ(phrase)ごとに表示される。
この表示された1フレーズの歌詞に対応する文字列をキーボード6により入力することにより、タイピングゲームは進行し、遊技終了時に、タイピングの正確性、入力したタイミング等のタイピングに係る各要素に基づいて、タイピングゲームの成績(タイプのミス回数、獲得した得点、ポイント等)が算定され、表示される。即ち、当該タイピングゲーム機1におけるタイピングゲームは、ゲーム中に演奏される楽曲を楽しみながら、タイピングの入力に係る技量の高低を競うものである。
【0025】
先ず、タイピングゲーム開始前における表示内容について図2を用いて説明する。図2に示すようにコイン投入口9に所定金額分のコインを投入した後であって、タイピングゲーム開始前の第1液晶ディスプレイ3においては、当該タイピングゲーム機1によって遊技可能な楽曲の一覧を示す曲選択画面15が表示される。
【0026】
曲選択画面15は、遊技することが可能な楽曲の曲名を表示した遊技可能曲名表示部16と、遊技可能曲名表示部16のいずれかを選択可能な曲選択カーソル17と、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名が表示される選択曲名表示部18と、選択カーソルによって選択されている楽曲のアーティスト名が表示される選択アーティスト名表示部19とから構成されている。
【0027】
遊技可能曲名表示部16は、現在のタイピングゲーム機1において遊技可能な楽曲(第1実施形態では最大で8曲)の曲名をそれぞれ示したものである。ここで、遊技可能曲名表示部16によって表示される遊技可能な楽曲とは、後述のHDD55に楽曲データが記憶されている楽曲であり(図11、図12参照)、更に記憶された楽曲データはサーバ80(図10参照)によって管理され、順次更新されている。従って、遊技者はサーバ80によって更新された最新の楽曲を含む複数の楽曲の中から選択して遊技することが可能となっている。尚、遊技可能曲名表示部16には曲名のみではなく、アーティストの写真やPVを表示するようにしても良い。
【0028】
また、曲選択カーソル17はキーボード6のカーソルキー114(図8参照)の操作によって遊技可能曲名表示部16上を上下左右に移動可能となっており、選択曲名表示部18と選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17が現在位置する遊技可能曲名表示部16の楽曲の曲名とアーティスト名が表示される。
そして、曲選択カーソル17を希望する楽曲の曲名が表示された遊技可能曲名表示部16上に位置させた状態でエンターキー112(図8参照)を押下すると、遊技を行う楽曲が決定され、タイピングゲームが開始される。
【0029】
尚、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15が表示されている間、第2液晶ディスプレイ4には、任意の楽曲のPVを流すようにしても良い。また、広告の画像等を表示するようにしても良い。更に、曲選択画面15を第1液晶ディスプレイ3ではなく第2液晶ディスプレイ4に表示するようにしても良い。
【0030】
次に、タイピングゲーム実行中における表示内容について図3及び図4を用いて説明する。図3(A)及び(B)は男性アーティストによる所定の楽曲Aを前記曲選択画面15で選択してタイピングゲームを開始した場合、図4(A)及び(B)は女性アーティストによる所定の楽曲Bを前記曲選択画面15で選択してタイピングゲームを開始した場合における第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4のそれぞれの表示内容を示すものである。
【0031】
図3(A)に示すように、例えば楽曲Aを選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4にはスピーカ8を介して演奏される楽曲Aを歌唱する男性アーティストのPVの映像20が表示される。一方、図4(A)に示すように、例えば楽曲Bを選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4にはスピーカ8を介して演奏される楽曲Bを歌唱する女性アーティストのPVの映像20が表示される。
一方、図3(B)及び図4(B)に示すように第1液晶ディスプレイ3には、第2液晶ディスプレイ4によるPVの映像20の表示と並行して、タイピングゲームの進行に係るメインゲーム画面21が表示される。
【0032】
ここで、メインゲーム画面21は、現在演奏するフレーズの歌詞を漢字やかな等により表示する歌詞表示部22と、遊技者がキーボード6をタイプして入力した文字列23Aをローマ字により示すローマ字表示部23と、現在、歌詞表示部22で表示する歌詞のフレーズ(phrase)が何番目の曲番(第何ステージ)で更に当該曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示する楽曲状況表示部25と、遊技者のタイプの正誤判定結果を表示するタイプ結果表示部26と、現在までに遊技者が獲得した得点(スコア)、ポイント等を表示する得点表示部27と、現在演奏しているアーティストの氏名及び曲名が表示される曲情報表示部28とから構成されている。
【0033】
歌詞表示部22は、現在演奏されている楽曲の1フレーズ分の歌詞に該当する文字列22Aが表示される表示部であり、遊技者が歌詞表示部22に表示される文字列22Aをキーボード6でタイプすることによってゲームが進行する。そして、遊技者が表示された歌詞を正しくタイプすると得点が徐々に加算され、一方、歌詞を誤って入力した場合には得点は加算されず、更に誤った入力をした回数としてミス回数が加算される。このタイプのミス回数が楽曲を構成する曲番(ステージ)の内、いずれかの曲番の終了時において所定回数以上となっていると、その時点でゲーム終了となる(図15のS40参照)。
また、第1実施形態に係るタイピングゲーム機では、遊技中のステージ数(曲番)が第2ステージ以降の遊技状態においては、遊技者のタイプのミス回数によって出力される音の態様が変更(制限)されるように構成されている(図6、図7参照)。
【0034】
ローマ字表示部23は、前記歌詞表示部22に表示された歌詞に対応する文字列22Aの内、既に遊技者がタイプした文字列23Aをローマ字によって新たに表示させる表示領域である。それにより、現在までにタイプした文字を遊技者に対して報知することが可能となっている。
【0035】
また、楽曲状況表示部25は、現在、歌詞表示部22で表示する歌詞のフレーズが何番の曲番であり、且つ曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示するものである。ここで、第1実施形態に係るタイピングゲームは再生される楽曲の曲番(例えば、1曲は1〜3番で構成される)の数に合わせて複数のステージ(例えば、第1〜第3ステージで構成される)から構成されている。例えば、図3(B)では第1ステージ(曲番1)の15番目のフレーズを現在表示していることを示している。また、図4(B)では第2ステージ(曲番2)の5番目のフレーズを現在表示していることを示している。
そして、遊技者によって1フレーズの入力が終了する毎にそのフレーズ数を示す数値25Aが1ずつ加算され、1ステージの入力が終了する毎にそのステージ数(曲番)を示す数値25Bが1ずつ加算される。それによって、現在のステージ数(曲番)と現在までにタイプが終了したフレーズの数を遊技者に対して報知することが可能となっている。
また、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、現在プレイするステージ数(曲番)によって、音に関する演出(具体的には、プレイする楽曲の伴奏と音声の出力)態様の制限処理を行うか否かが異なるように制御されている。尚、音の演出に関する態様の制限については後に詳細に説明する。
【0036】
タイプ結果表示部26は、遊技者のタイプの正誤判定結果を表示する表示部であり、演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する正しい文字をタイプした場合には「PERFECT」が表示される。また、演奏される楽曲の音声と異なるタイミングで正しい文字をタイプした場合には「GOOD」が表示される。一方、タイミングに関わらず誤った文字をタイプした場合には「MISS」が表示される。
【0037】
得点表示部27は、現在までに遊技者の獲得した得点(スコア)及びポイントを表示する表示部である。ここで、得点(スコア)は歌詞表示部22に表示された文字列22Aに従って正しくタイプすることにより加算され、また演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する文字をタイプした場合には更に得点が加算される。一方、ポイントは1フレーズ分の文章をタイプミスすることなく全て入力した場合に1ポイントずつ加算される(図15のS36)。
また、ゲームが終了するまで当該得点(スコア)とポイントは加算され、前記ICカードをセンターパネル5のカード挿入口10に投入していた場合には、ゲーム終了時にその獲得した得点(スコア)及びポイントがICカードに記憶される(図13のS9)。
【0038】
また、曲情報表示部28にはゲーム開始時において遊技者が選択し、現在演奏されている楽曲の曲名とアーティストの氏名がそれぞれ表示される。
【0039】
尚、第1実施形態では第1液晶ディスプレイ3にメインゲーム画面21を表示し、第2液晶ディスプレイ4にPVの映像20を表示することとしているが、それとは逆に第1液晶ディスプレイ3にPVの映像20を表示し、第2液晶ディスプレイ4にメインゲーム画面21を表示するようにしても良い。
【0040】
そして、図5に示すようにタイピングゲームが終了した後においては、第1液晶ディスプレイ3に今回のタイピングゲームのゲーム結果を示すゲーム結果画面30が表示される。
ゲーム結果画面30は、今回のタイピングゲームにおけるタイプのミス回数を表示したミス回数表示部31と、獲得したポイントを表示した獲得ポイント表示部32と、獲得した得点(スコア)を表示した獲得得点表示部33と、遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34とから構成されている。
【0041】
そして、ゲーム結果画面30を参照することにより、遊技者は今回のタイピングゲームにおいてミスした回数、獲得したポイント及び得点(スコア)をそれぞれ認知することが可能となる。また、名前入力表示部34にキーボード6を用いて任意の名前を入力することにより、獲得した得点をランキングに登録することが可能となる。登録したランキングの一覧はデモ画面中等に第1液晶ディスプレイ3又は第2液晶ディスプレイ4に表示される。
【0042】
尚、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果画面30が表示されている間、第2液晶ディスプレイ4には、任意の楽曲のPVを流すようにしても良い。また、広告の画像等を表示するようにしても良い。更に、ゲーム結果画面30を第1液晶ディスプレイ3ではなく第2液晶ディスプレイ4に表示するようにしても良い。
【0043】
次に、第1実施形態に係るタイピングゲーム機において行われる演出の一つである楽曲に関する音の出力態様について図6及び図7を用いて説明する。ここで、第1実施形態に係るタイピングゲーム機は、前記したように演奏される楽曲に基づいてタイピングゲームが進行するものであり、行われる演出としては、
(1)タイピングゲーム機1で現在ゲームが行われている楽曲の伴奏の音楽を出力する。
(2)タイピングゲーム機1で現在ゲームが行われている楽曲の歌唱するアーティストの音声を出力する。
(3)第2液晶ディスプレイ4においてPVの映像20(図3(A)、図4(A)参照)を表示させる。
(4)第1液晶ディスプレイ3の左右に設けられた発光ライト7(図1参照)の発光態様を変化させる。
(5)キーボード6のキー内部に設けられたフルカラーLED155(図9参照)を発光させることによりキーを点灯させる。
がある。
【0044】
そして、特に第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、上記した演出の内「(1)タイピングゲーム機1で現在ゲームが行われている楽曲の伴奏の音楽を出力する。」と「(2)タイピングゲーム機1で現在ゲームが行われている楽曲の歌唱するアーティストの音声を出力する。」の2つの演出に関して、タイピングゲーム中のタイプのミス回数に応じて演出の制限を行う。具体的には、ゲーム中のミス回数が多くなるにつれて、「音声」「伴奏」の順に音が出力されなくなるように制御され(図16のS44、S46)、最終的にはゲーム中に音が全く出力されないサイレント状態となる(図16のS48)。
但し、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、このようなタイピングゲーム中の演出の制御は、楽曲の曲番1が演奏される第1ステージを除いた第2ステージ以降で行われる。
【0045】
先ず、曲番(ステージ数)に基づいて演出の制御を行うか否かを判定する際に用いられる曲番制限判定テーブル45について図6を用いて説明する。図6は第1実施形態に係る曲番制限判定テーブル45について示した図である。
【0046】
曲番制限判定テーブル45は、タイピングゲーム実行中において楽曲の伴奏音楽、及びアーティストが歌唱する音声の出力を制限する処理を行うか否かを、現在プレイされている楽曲の曲番(ステージ数)に基づいて決定するテーブルである。具体的には現在タイピングゲーム機1において行われているタイピングゲームが何番目の曲番に関するステージであるかが判定され(図16のS41参照)、図6に示すように現在行われているタイピングゲームがスタート直後に開始される楽曲の曲番1に該当する第1ステージで遊技が行われている場合には、音の出力を制限することなく、楽曲の伴奏音楽及びアーティストが歌唱する音声がともにスピーカ8より出力される。また、現在行われているタイピングゲームが楽曲の曲番2以降に該当する第2ステージ以降のステージで遊技が行われている場合には、タイプのミス回数に応じて音の出力の制限を行う。
【0047】
次に、曲番2以降のステージで遊技が行われる際において、音の出力態様をタイプのミス回数に応じてどのような態様に制限するかを決定する際に用いられるミス回数制限判定テーブル46について図7を用いて説明する。図7は第1実施形態に係るミス回数制限判定テーブル46について示した図である。
【0048】
ミス回数制限判定テーブル46は、第2ステージ以降のタイピングゲーム実行中において楽曲の伴奏音楽、及びアーティストが歌唱する音声を出力するか否かを、現在プレイするタイピングゲームのタイプミス回数に基づいて決定するテーブルである。具体的には現在タイピングゲーム機において行われているタイピングゲームにおいてゲームスタート時から累積されたタイプのミス回数が読み出され(図16のS42参照)、図7に示すようにその時点におけるタイプのミス回数が「0〜10回」である場合には、音の出力を制限することなく、楽曲の伴奏音楽及びアーティストが歌唱する音声がともにスピーカ8より出力される。また、タイプのミス回数が「11〜20回」である場合には、音の出力の制限を行い、アーティストが歌唱する音声の出力を行わず、楽曲の伴奏音楽のみがスピーカ8より出力される。また、タイプのミス回数が「21〜30回」である場合には、音の出力の制限を行い、楽曲の伴奏音楽の出力を行わず、アーティストが歌唱する音声のみがスピーカ8より出力される。更に、タイプのミス回数が「31回以上」である場合には、音の出力の制限を行い、楽曲の伴奏音楽とアーティストが歌唱する音声をともに出力しない態様(所謂、サイレント状態)へと変更する。尚、前記した曲番制限判定テーブル45及びミス回数制限判定テーブル46は、それぞれ後述のROM53内に記憶される(図11参照)。
【0049】
従って、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、現在行われているタイピングゲームにおいて1番の曲番が演奏されている場合には、音の出力を制限することなく、常に楽曲の伴奏音楽及びアーティストが歌唱する音声をスピーカ8より出力させることから、全ての遊技者に対して少なくとも1ステージ分はオリジナル状態の楽曲の演奏を聞かせることが可能となる。それにより、楽曲の演奏に基づく宣伝効果を十分に発揮可能となり、遊技者に対して楽曲に関連するCD、DVD等の購買意欲を増加させる。また、初心者やタイピングが苦手な遊技者であっても、ゲーム中の楽曲の演奏を完全な状態で聞かせることが可能となるので、遊技意欲が減衰することを防止することができる。
そして、タイピングゲームの曲番が2番以降である場合には、ゲーム中のタイプミス回数に基づいて伴奏の音楽及び音声の出力の一方又は両方を制限するので、タイピングゲームの成績に基づいて演出態様を変化させる高い遊技性を有するタイピングゲーム機の提供が可能となる。
【0050】
尚、第1実施形態では、演出を制限する手段としてスピーカ8から出力される楽曲の伴奏音楽及びアーティストが歌唱する音声の一方又は両方を出力しないように制御することにより行うが、演出の制限手段はそれに限られるものではない。
例えば、第2液晶ディスプレイ4においてタイピングゲーム実行中に表示されるPVの映像20(図3(A)、図4(A)参照)を、タイプのミス回数に応じて「全画面で表示」→「4分割の大きさで表示」→「8分割の大きさで表示」→「表示せず」と表示態様を変更するように制御することによって制限を行っても良い。
また、第1液晶ディスプレイ3の左右に設けられた発光ライト7(図1参照)において発光するライトの数を「8個」→「4個」→「点灯させず」と変更するように制限を行っても良い。
また、キーボード6のキー内部に設けられたフルカラーLED155(図9参照)によって発光させるキー範囲を「全てのキー」→「文字入力キー111のみ」→「発光させず」と変更することにより制限を行っても良い。
【0051】
続いて、タイピングゲーム機1に備えられたキーボード6について図8及び図9を用いて説明する。図8は第1実施形態に係るタイピングゲーム機に備えられたキーボードを示した平面図である。図9は、キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【0052】
図8に示すように、キーボード6は「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キー111と、エンターキー112、シフトキー113、カーソルキー114等の機能キー115とがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである。そして、遊技中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した文字入力キー111をタイプすることにより文字入力を行いゲームを進行させる。更に、遊技開始前や遊技終了後等においてはゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を機能キー115の操作に基づいて行う。また、キーボード6の各種キー内部には発光LEDを備え、CPU51からの制御信号に基づいてキーが様々な態様で発光するように構成されている。
【0053】
ここで、キーボード6のキー内部構造について図9に基づいて説明する。尚、キーボード6に配列された複数のキーはいずれも同様の内部構造を有している。従って、以下にはキーボード6に配列された複数のキーの内、一の文字入力キー111の内部構造を例にして説明することとし、他の文字入力キー111及び機能キー115についての説明は省略する。
【0054】
図9に示すように、文字入力キー111は、ベース板150と、スイッチ回路板151、発光回路板152、キートップ153、付勢機構154、フルカラーLED155等から基本的に構成されている。
この点、ベース板150の上に敷設されているスイッチ回路板151には、キートップ153の中央付近の真下に配置される一対の電極156が設けられている。
また、スイッチ回路板151の上に敷設されている発光回路板152には、上記一対の電極156を露出させるための開口部157が設けられており、その開口部157の周囲には、フルカラーで点灯させることができるフルカラーLED155が設けられている。
【0055】
また、発光回路板152とキートップ153の間には、付勢機構154が設けられており、その付勢機構154によって、スイッチ回路板151の反対側にキートップ153を付勢させている。さらに、キートップ153の中央付近には、スイッチ回路板151の側へ電極158が突設されている。従って、キートップ153を押下操作すれば、キートップ153に突設された電極158をスイッチ回路板151に設けられた一対の電極156に接触させることができるので、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として伝えることができる。即ち、これらの3つの電極156、158によって、キースイッチ159が構成されている。
尚、付勢機構154は、弾性体のみで構成してもよいし、弾性体や架橋機構で構成してもよく、その構成は問わない。
【0056】
また、キートップ153は、透光性を有する材質(例えば、透明アクリル、透明プラスチック等)で形成されており、表面平面部には、文字・数字・記号などのキー情報160が黒色で印刷されている。さらに、発光回路板152のキートップ153側の表面も黒色に印刷されている。
従って、フルカラーLED155が消灯中においては、透光性のキートップ153は、発光回路板152の表面の色である黒色に映るので、その黒色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160が認識しにくくなる。
一方、フルカラーLED155が点灯中においては、透光性のキートップ153は、フルカラーLED155が点灯する色に映るので、その色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160は認識しやすくなる。
【0057】
そして、キーボード6では、各キー内部のキースイッチ159が不図示の発信回路に接続されている。発信回路は、後述するインターフェースユニット52(以下、I/Oと称す)を介して、タイピングゲーム機1のCPU51に接続されている。従って、この発信回路を介して、押下操作されたキーのキースイッチ159からの電気信号をCPU51に送信することで、押下操作されたキーの種類を特定することができる。尚、発信回路は、上記スイッチ回路板151に搭載されている。
【0058】
また、キーボード6においては、キー内部のフルカラーLED155が発光制御回路62に接続されている。さらに、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されている(図11参照)。従って、この発光制御回路62を介して、当該キー内部のフルカラーLED155をCPU51で特定された色によって点灯させることができる。具体的に第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、タイピングゲーム中において、キー入力があった場合で、且つ正しいタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合で、且つ誤ったタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなかった場合には、入力すべき正しいキーのみを緑色に発光させる。
【0059】
尚、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1は図10に示すように、サーバ80に対してインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている。そして、サーバ80から送信されたデータに基づいて、タイピングゲーム機1のHDD55(図11参照)に記憶された楽曲データを更新することが可能となっている。
従って、楽曲データを更新することによってタイピングゲーム機1で遊技可能な楽曲の種類を変更することが可能となっており、また、各遊技店に設置されたタイピングゲーム機を一括に管理することにより、そのデータ更新作業も容易となっている。
【0060】
次に、タイピングゲーム機1の制御系に係る構成について図11に基づき説明する。図11は第1実施形態に係るタイピングゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
図11に示すように、タイピングゲーム機1の制御系は、タイピングゲーム機1における遊技処理動作等の各種制御を司るCPU51と、CPU51に接続されたROM53及びRAM54と、当該CPU51に電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とで構成されている。
【0061】
CPU51は、各種コマンドに従って演算処理を行う中央演算処理装置である。I/O52は、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4、キーボード6、発光ライト7、スピーカ8等とCPU51とを直接的、間接的に電気的接続する接続部である。
ROM53は、曲番制限判定テーブル45(図6参照)及びミス回数制限判定テーブル46(図7参照)、及び後述のフローチャートを動作させるための演算プログラム等が格納されている不揮発性の読出し専用メモリである。
また、RAM54は、CPU51で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリであり、当該タイピングゲームにおける遊技者のタイプのミス回数、獲得した得点(スコア)、獲得したポイント、現在遊技者がプレイするステージ数(曲番)等についても記憶される。また、RAM54には後述するHDD55に記憶された複数の楽曲データの内、今回のタイピングゲームにおいて使用される楽曲データの歌詞データが1フレーズ毎に分割されて一時的に記憶される。
【0062】
HDD55は、タイピングゲーム機1におけるタイピングゲームの実行時に使用される楽曲データが格納されている記憶装置である。ここで、楽曲データは、映像データ、演奏データ、音声データ、歌詞データ、判定基準データ、LED発光パターンデータ、キーボード発光パターンデータ、期限データから構成されており、HDD55内に形成された楽曲データ記憶領域56の各記憶領域に対してそれぞれ記憶されている(図12参照)。
また、楽曲データは楽曲データ記憶領域56に対して複数個(第1実施形態では最大で8個)のデータが記憶され、前記したようにサーバ80から送信されるデータに基づいて記憶された各楽曲データが随時更新される。そして、楽曲データ記憶領域56に記憶されている楽曲データの種類に基づいて曲選択画面15(図2参照)で表示される曲名の種類が変化し、曲選択画面15で選択された楽曲に対応する楽曲データに基づいてタイピングゲームが行われる(図3及び図4参照)。
【0063】
ここで、HDD55に形成された楽曲データ記憶領域56について図12を用いてより詳細に説明する。図12は楽曲データ記憶領域を模式的に示す説明図である。
【0064】
図12に示すように、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1の楽曲データ記憶領域56は、記憶可能な楽曲データ数(第1実施形態では8曲)に対応する複数の記憶領域(第1実施形態では第1記憶領域〜第8記憶領域)により構成され、各記憶領域毎に映像データ記憶領域56A、演奏データ記憶領域56B、音声データ記憶領域56C、歌詞データ記憶領域56D、判定基準データ記憶領域56E、LED発光パターンデータ記憶領域56F、キーボード発光パターンデータ記憶領域56G、期限データ記憶領域56Hが設けられている。
【0065】
以下に各記憶領域について説明すると、映像データ記憶領域56Aは、当該楽曲データの内、第2液晶ディスプレイ4に表示されるアーティストのPV映像20(図3(A)及び図4(A)参照)に関する映像データが記憶される記憶領域である。
また、演奏データ記憶領域56Bは当該楽曲データの内、スピーカ8から出力される楽器等による伴奏の音楽に関する演奏データが記憶される記憶領域である。
また、音声データ記憶領域56Cは当該楽曲データの内、スピーカ8から出力されるアーティストが歌唱する音声に関する音声データが記憶される記憶領域である。
また、歌詞データ記憶領域56Dは当該楽曲データの内、楽曲の歌詞の文書データに関する歌詞データが記憶される記憶領域である。そして、前記したようにタイピングゲーム実行時には1フレーズごとの歌詞が第1液晶ディスプレイ3に表示される(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0066】
そして、判定基準データ記憶領域56Eは当該楽曲データの内、タイピングゲーム実行時に、遊技者がタイプした文字の正誤判定及び入力タイミングの正誤判定の基準に関する判定基準データが記憶された記憶領域である。そして、CPU51は、記憶された判定基準データとキーボード6からの操作信号とに基づいてミス回数、得点、ポイント等を後述のように加算する。
また、LED発光パターンデータ記憶領域56F及びキーボード発光パターンデータ記憶領域56Gは当該楽曲データの内、発光ライト7を発光させる為のLED発光パターンデータ及びキー内部に設けられたフルカラーLED155を発光させる為のキーボード発光パターンデータが記憶された記憶領域である。第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、8つの発光ライト7は、記憶されたLED発光パターンデータに基づいてタイピングゲーム実行中に後述する発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(例えば、発光色、点灯・消灯)に発光制御される。また、キー内部に設けられたフルカラーLED155は、記憶されたキーボード発光パターンデータに基づいてタイピングゲーム実行中に後述する発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(例えば、発光色、点灯・消灯)に発光制御される。尚、フルカラーLED155の発光パターンとしては、タイピングゲームの初心者のために、入力すべきキーをキーボード6全体の発光色とは異なる発光色で順次点灯させることにより、キー入力を補助する発光パターンや、楽曲のイメージに合わせて、キーボード6に配設された全てのキーの発光色を変更するようなパターンがある。
【0067】
そして、期限データ記憶領域56Hは当該楽曲データの内、楽曲データの使用期限に関する期限データが記憶された記憶領域であり、期限データは楽曲データの使用可能となった日(使用開始日)と、楽曲データが使用不能となる日(使用終了日)の2つの日付データで構成されている。この期限データは、タイマー58(図11参照)とともに各楽曲データの使用期限の管理に用いられ、使用期限の過ぎた楽曲データを用いたタイピングゲームは遊技できないようにCPU51によって制御される。
【0068】
ここで、図11に戻り、タイピングゲーム機1の制御系について続けて説明する。
ゲーム通信手段57は、タイピングゲーム機1が送り出す信号を電話回線やLANケーブル等の通信形式に応じ、送信可能な形式の信号に変換し、サーバ80に対して送信するとともに、サーバ80から送信された信号を受信し、タイピングゲーム機1が読み取れる形式の信号に再度変換する装置であり、サーバ80のサーバ通信手段81とインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている(図10参照)。
【0069】
更に、CPU51には、カレンダー機能付きのタイマー58が接続されている。タイマー58の情報はCPU51に送信され、CPU51はタイマー58の情報とHDD55の期限データ記憶領域56Hに記憶された期限データとから、記憶された楽曲データの使用期限の管理を行う。
【0070】
また、表示制御回路60は、I/O52を介して、CPU51と接続されており、CPU51の演算処理結果に応じて、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4の表示内容を制御する部分である。ここで、表示制御回路60は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。そして、プログラムROMには、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、第1液晶ディスプレイ3で表示される曲選択画面15(図2参照)やメインゲーム画面21(図3及び図4参照)、ゲーム結果画面30等の各画像を形成するためのドットデータが格納されている。
そして、画像制御CPUは、CPU51で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行う。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に出力する。
【0071】
それによって、例えば、スタンバイ状態においては任意の楽曲のPV、宣伝広告、ランキング一覧等からなるデモ画面を表示し、また、コイン投入口9にコインが投入された後には第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2参照)を表示させる。そして、タイピングゲーム機1におけるタイピングゲームが開始実行されている際には、第1液晶ディスプレイ3に、楽曲データを構成する歌詞データを1フレーズ毎に表示するとともに、キーボード6の入力結果に基づいて既に遊技者がタイプした文字列23Aをローマ字表示部23に表示させる制御等を行う。一方、第2液晶ディスプレイ4には、楽曲データを構成する映像データであるPVを表示させる。
【0072】
音制御回路61は、I/O52を介してCPU51に接続されるとともに、スピーカ8と接続されている。そして、タイピングゲームが実行され、HDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成する演奏データ及び音声データは、音制御回路61により音信号に変換され、スピーカ8より出力される。但し、前記したように現在の曲番(ステージ数)とRAM54に記憶されたタイプのミス回数と各テーブル45、46(図6、図7参照)に基づく所定の条件を満たした状態では、演奏データ及び音声データの一方又は両方を出力しないように制御する。
【0073】
そして、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されるとともに、発光ライト7、及びキー内部に配設されているフルカラーLED155(図9参照)と接続されている。発光制御回路62は、CPU51においてHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成するLED発光パターンデータ及びキーボード発光パターンデータに基づいて、発光ライト7及びフルカラーLED155の発光態様を制御する。
【0074】
更に、CPU51には、キーボード6が接続されている。キーボード6の各キー内部に設けられたキースイッチ159は、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として送信する。CPU51は、各キーの押下により各キースイッチ159から出力されるスイッチ信号に基づき、各キーに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0075】
コインセンサ63は、タイピングゲーム機1におけるタイピングゲームの実行の対価として用いられるコイン(例えば100円硬貨)を検出するセンサである。コインセンサ63はコイン投入口9の内部に配設され、I/O52を介してCPU51に接続されている。従って、コインセンサ63は、コイン投入口9からのコインの投入に基づいて、コイン投入信号をCPU51に対して発信する。そして、CPU51は所定金額分(例えば200円)に該当するコイン投入信号を検知することにより、タイピングゲームの実行を可能とする。
【0076】
また、カードセンサ64は、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを検知するセンサであり、カードリーダ・ライタ65は、当該ICカードに配設されたICタグに対するデータの読出・書込を行う装置である。カードセンサ64、カードリーダ・ライタ65は、共に、カード挿入口10の内部に配設され、I/O52を介して、CPU51に接続されている。そして、カードセンサ64によりICカードが検出された場合であって、所定の操作が行われた場合には、カードリーダ・ライタ65によってタイピングゲームのゲーム結果をICタグから読み出す(図13のS3)。また、タイピングゲーム終了時にはICタグに対して新たなゲーム結果(獲得した得点やポイント)の書き込みを行う(図13のS9)。
【0077】
続いて、前記構成を有するタイピングゲーム機1で行われるメイン処理プログラムについて図13に基づき説明する。図13は第1実施形態に係るタイピングゲーム機1のメイン処理プログラムのフローチャートである。尚、以下に図13乃至図16にフローチャートで示される各プログラムはタイピングゲーム機1が備えているROM53やRAM54に記憶されており、CPU51により実行される。
【0078】
図13に示すように、先ずCPU51はカードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが投入されているか否かを判定する。そして、ICカードが投入されていると判定した場合(S1:YES)には、更にS2において遊技者からのデータ内容の確認要求を受けたか否かが判定される。一方、ICカードが投入されていないと判定した場合(S1:NO)には、S4へと移行する。
【0079】
ここで、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、コインの投入前で且つ遊技者が所有するICカードをカード挿入口10に投入した状態でキーボード6のシフトキー113を押下すると、ICカードに記録されたゲーム結果(前回までのゲームにおいて遊技者が獲得した得点やポイント等)の一覧が第1液晶ディスプレイ3に表示され、遊技者はその内容を確認することが可能となる。
従って、S2の判定においてはキーボード6からの操作信号に基づいてシフトキー113が押下されたか否かが判定され、シフトキー113が押下されたと判定された場合(S2:YES)には、カードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグのデータを読み出し、その読み出したデータに基づいて第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果の一覧を表示させる(S3)。
【0080】
また、S4においてはスタート受付処理が行われる。具体的にスタート受付処理では、コイン投入口9に対してコイン(100円硬貨等)が所定金額分(第1実施形態では200円分)投入されたか否かを判定し、投入されるまでの間はデモプレイのゲーム画面、任意の楽曲のPV、宣伝広告、ランキングデータの一覧等からなるデモ画面などをディスプレイに表示するスタンバイ状態で待機される。尚、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63によって検出され、コイン検出信号がCPU51に出力される。これにより、CPU51は遊技者によるコインの投入を判断することができる。
【0081】
続いて、S5においては図14の楽曲選択処理が行われる。楽曲選択処理では、後述のようにHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データの種類に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2参照)を表示させ、今回のゲームで使用する楽曲を設定する。
【0082】
そして、S6では前記S5で設定した楽曲に基づいて図15のタイピングゲーム実行処理が行われる。タイピングゲーム実行処理では後述のように楽曲を演奏するとともにキーボード6のタイプ結果に基づいて得点やポイント等が加算され、所定の終了条件を満たすまで継続して行われる。
【0083】
その後、タイピングゲーム実行処理が終了するとゲーム結果表示処理が行われる(S7)。具体的にはゲーム結果表示処理では、前記S6のタイピングゲームの結果に基づいて、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果画面30(図5参照)を表示させる。ゲーム結果画面30には、RAM54に記憶された今回のタイピングゲームにおけるミス回数と、獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)がそれぞれ表示され、更に遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34が表示される。更に、その状態でキーボード6が操作されると、操作信号に基づいて名前入力表示部34に入力された文字を表示する。そして、獲得した得点(スコア)が所定得点以上であった場合には、RAM54に記憶されたランキングデータを更新する。
【0084】
次に、S8においてCPU51はカードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが投入されているか否かを判定する。そして、ICカードが投入されていると判定した場合(S8:YES)には、更にS9においてRAM54に記憶された今回のタイピングゲームにおいて獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)がそれぞれカードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグに書き込まれる。尚、ここで書き込まれたデータは、前記S3のデータ内容表示処理によって参照することが可能となる。
一方、ICカードが投入されていないと判定した場合(S8:NO)には、当該処理を終了する。
【0085】
続いて、タイピングゲーム機1で行われる前記S5の楽曲選択処理プログラムについて図14に基づいて説明する。図14は第1実施形態に係る楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【0086】
楽曲選択処理では先ず、S11においてHDD55の楽曲データ記憶領域56から、記憶された楽曲データに係る楽曲の曲名及びアーティスト名(第1実施形態では最大で8種類)をそれぞれ取得する。
【0087】
そして、前記S11で取得された楽曲の曲名及びアーティスト名に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2参照)を表示させる(S12)。曲選択画面15では、遊技可能曲名表示部16に取得された楽曲名を一覧にして表示し、更に選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名とアーティスト名がそれぞれ表示される。
【0088】
続いて、S13においてはカーソルキー114が押下されたか否かが判定される。ここで、カーソルキー114が押下されたか否かはキーボード6から送信された操作信号に基づいて判定され、カーソルキー114が押下されたと判定された場合(S13:YES)には、カーソルキー114の操作(上下左右のいずれのキーが押下されたか)に基づいて第1液晶ディスプレイ3に表示された曲選択カーソル17をその押下された方向へ移動させる(S14)。
【0089】
更に、S15では選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19の表示を、前記S14で移動された曲選択カーソル17により新たに選択された楽曲に対応する曲名とアーティスト名にそれぞれ変更する。その後、S13の判定処理へと戻る。
【0090】
一方、カーソルキー114が押下されていないと判定された場合(S13:NO)には、続けてS16においてエンターキー112が押下されたか否かが判定される。そして、エンターキー112が押下されたと判定された場合(S16:YES)には、現在曲選択カーソル17が位置する楽曲が今回のタイピングゲームを行う楽曲として設定され(S17)、後述のタイピングゲームが開始される。一方、エンターキー112についても押下されていないと判定された場合(S16:NO)には、再度S13の判定処理へと戻る。
【0091】
続いて、タイピングゲーム機1で行われる前記S6のタイピングゲーム実行処理プログラムについて図15に基づいて説明する。図15は第1実施形態に係るタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【0092】
タイピングゲーム実行処理において、CPU51は先ずS21でHDDの楽曲データ記憶領域56の各記憶領域(図12参照)に記憶された楽曲データの内、前記S5の楽曲選択処理によって選択された楽曲に対応する楽曲データを読み出す。そして、特に歌詞データ記憶領域56Dに格納された歌詞データはフレーズごとに分割してRAM54に一時的に記憶させる。
【0093】
次に、S22において第1液晶ディスプレイ3にメインゲーム画面(図3(B)及び図4(B)参照)を表示させる。尚、この時点においては歌詞表示部22及びローマ字表示部23に文字列は表示されておらず、得点表示部27の得点やスコアの表示も「0」となっている。
【0094】
続いて、S23では映像データ記憶領域56Aに記憶された映像データに基づいて、第2液晶ディスプレイ4において選択した楽曲に係るPVの映像20の表示を開始する(図3(A)及び図4(A)参照)。また、スピーカ8を介して演奏データ記憶領域56Bに記憶された演奏データに基づく伴奏の音楽の出力、音声データ記憶領域56Cに記憶された音声データに基づく音声の出力をそれぞれ行う。それにより、楽曲が演奏され、且つそれに合わせてPVの映像20が再生されることとなる。
【0095】
次に、S24においてRAM54に格納した歌詞データの1フレーズ分の歌詞を取得しする。そして、取得した歌詞データに対応する文字列22Aをメインゲーム画面21の歌詞表示部22に表示する文字列表示処理が行われる(S25)。それにより、第1液晶ディスプレイ3は楽曲の演奏及び第2液晶ディスプレイ4のPV映像20の表示と並行して、メインゲーム画面21の表示が行われる(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0096】
その後、S26では前記S24で取得した1フレーズの歌詞データに基づいて1フレーズの文字数nを算出し、RAM54に格納された任意の変数mに0を代入する(S27)。ここで、任意の変数mは、1フレーズを形成する各文字に対する文字の入力判定に用いられる変数であり、1文字分の入力判定が終了する毎に1ずつ加算される(S34)。従って、以下のS28〜S35において繰り返し行われる各入力判定処理においては、m=t(0≦t≦n−1)のとき、1フレーズの先頭からt+1番目に位置する文字の入力判定が行われることとなる。
【0097】
更に、S28ではキーボード6からの操作信号に基づいて、文字入力キー111によるキー入力がなされたか否かを判定する。キー入力があったと判定された場合(S28:YES)には、押下されたキーの種類と判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データとに基づいて、入力されたキーの正誤判定処理を行う(S29)。具体的には、メインゲーム画面21の歌詞表示部22(図3(B)及び図4(B)参照)に表示された文字列22Aに対応するキーが押下された場合に正しいタイプであると認識される。そして、対応するキー以外のキーが押下されたと判定された場合にはミス回数を1加算する。その後、S32へと移行する。
【0098】
一方、キー入力がなかったと判定された場合(S28:NO)には、所定時間(1フレーズの先頭の文字を入力する際にはメインゲーム画面21に対して1フレーズに対応する文字列を表示した(S25)後から、それ以外の文字を入力する際にはスコアの算出処理を行った(S33)後から計測する。)経過したか否かをタイマー58の情報に基づいて判定する(S30)。そして所定時間経過していないと判定した場合(S30:NO)には、S28の処理へと戻る。
【0099】
それに対して、CPU51が所定時間経過していると判定した場合(S30:YES)には、遊技者によるキー入力が行われなかったとして、RAM54に格納された今回のゲームにおけるミス回数を1加算する(S31)。
【0100】
続いてS32では、キーボード6のキー内部に設けられたフルカラーLED155に基づいてキーの発光処理が行われる。具体的に第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、キー入力があった場合(S28:YES)で、且つ正しいタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合(S28:YES)で、且つ誤ったタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなかった場合(S28:NO)には、入力すべき正しいキーを緑色に発光させる。
【0101】
また、S33では前記S29の正誤判定処理に基づいてスコアの算出処理が行われる。スコア算出処理では、RAM54に格納されている今回のゲームにおける遊技者の得点(スコア)が、前記正誤判定処理による判定において正しくタイプされていると判定された場合に加算され、また演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する文字をタイプしたと判定した場合には更に得点が加算される。
【0102】
その後、S34においては、RAM54に格納された変数mを読み出して「+1」を加算し、再度格納する。続いて、S35では変数mの値がn−1に到達したか否か、即ち1フレーズを形成する各文字に対する文字の入力判定が全て終了したか否かが判定される。
【0103】
そして、変数mの値がn−1に到達していないと判定された場合(S35:NO)には、再度S28へと戻り、1フレーズを構成する各文字の内、次の順序に位置する文字の入力判定が行われる。
【0104】
一方、変数mの値がn−1に到達したと判定された場合(S35:YES)には、1フレーズの文字の入力が完了したこととなるので、S36においてポイント加算処理が行われる。ポイント加算処理では、1フレーズを構成するn個の文字をタイプミス(所定時間経過によるタイプミスの判定(S31)を含む)することなく入力が完了したと判定された場合にポイントを1加算する。
【0105】
続いて、S37では前記S29及びS31の処理によって現在までに加算されたタイプミスの回数、現在のステージ数、ROM53に記憶された曲番制限判定テーブル45(図6参照)、及びミス回数制限判定テーブル46(図7参照)とに基づいて、現在タイピングゲーム機1で行われている各種演出の制限(第1実施形態では、スピーカ8から出力される楽曲の伴奏音楽と音声の出力制限)を行う図16の演出制限処理が行われる。
【0106】
更に、S38では楽曲を構成する複数の曲番(通常、1曲は1〜3番で構成される)の内、いずれかの曲番にあたるステージのフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される。そして、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了していないと判定された場合(S38:NO)にはS24へと戻り、次のフレーズの歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22に表示する。
【0107】
それに対して、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了したと判定された場合(S38:YES)には、続けて全ステージ(楽曲の全曲)のフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される(S39)。
【0108】
そして、全ステージが終了したと判定された場合(S39:YES)には、遊技者の所有するポイントに関わらず、当該タイピングゲーム実行処理を終了し、S7のゲーム結果表示処理へと移行する。一方、全ステージが終了していないと判定された場合(S39:NO)には、前記S29やS31で加算された現在までの遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であるか否かが判定される(S40)。第1実施形態に係るタイピングゲーム機1では、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で次の曲番に係るステージを継続して行うためには遊技開始時からのタイプミス回数が所定回数未満であることが条件となる(例えば、曲番の1番に該当する部分を遊技した後に2番を継続して行うのにはタイプミス回数20回未満、2番に該当する部分を遊技した後に3番を継続して行うのには35回未満)。
【0109】
そして、前記S29やS31で加算された遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であると判定された場合(S40:YES)にはS24へと戻り、次の曲番の最初のフレーズに該当する歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22に表示する。そして、同様に入力判定処理を行う。一方、遊技者のタイプミス回数が所定回数以上であると判定された場合(S40:NO)には、当該タイピングゲーム実行処理を終了し、S7のゲーム結果表示処理へと移行する。
【0110】
次に、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1で行われる前記S37の演出制限処理プログラムについて図16に基づいて説明する。図16は第1実施形態に係る演出制限処理プログラムのフローチャートである。
【0111】
演出制限処理では先ず、S41において現在実行されているタイピングゲームのステージ数について判定され、前記S5で選択された楽曲の曲番1が演奏される範囲についてのタイピングゲームが行われているか否か、即ち第1ステージに該当するタイピングゲームが行われているか否かが判定される。
【0112】
そして、第1ステージが実行されていると判定された場合(S41:YES)には、演出に関する制限を行わないので(図6参照)、当該演出制限処理を終了する。
【0113】
一方、第1ステージ以外のステージ(例えば、第2ステージや第3ステージ)が行われていると判定された場合(S41:NO)には、S42でRAM42に記憶されたミス回数を取得する。ここで、ミス回数は、前記S29やS31のタイプの入力判定処理において入力すべき文字入力キー111以外のキーが入力された場合、及び所定時間内にキーの入力が行われなかった場合に加算され、前記したように1のステージは終了した際に次のステージを継続して行うか否かの判定(図15のS40)においても用いられる。
【0114】
次に、S43では前記S42で取得されたタイプミス回数が11回に到達したか否かが判定される。そして、ミス回数が11回に到達したと判定された場合(S43:YES)にはS44へと移行する。それに対し、ミス回数が10回以下である場合、又は12回以上である場合(S43:NO)には、S45の判定処理へと移行する。
【0115】
S44においてはタイプのミス回数が11回に到達したことによる演出の制限を行う。具体的にはそれ以後のタイピングゲームにおいて楽曲データ記憶領域56に記憶された音声データ(図12参照)に基づくアーティストの歌唱に係る音声の出力を行わないように、音制御回路61を介してスピーカ8を制御する。それによって、以下に実行されるタイピングゲームは楽曲の伴奏音楽の出力のみされる状態となる(図7参照)。
【0116】
また、S45では前記S42で取得されたタイプミス回数が21回に到達したか否かが判定される。そして、ミス回数が21回に到達したと判定された場合(S45:YES)にはS46へと移行する。それに対し、ミス回数が20回以下である場合、又は22回以上である場合(S45:NO)には、S47の判定処理へと移行する。
【0117】
S46においてはタイプのミス回数が21回に到達したことによる演出の制限を行う。具体的には、CPU51はそれ以後のタイピングゲームにおいて楽曲データ記憶領域56に記憶された演奏データ(図12参照)に基づく楽曲の伴奏音楽の出力を行わないように、音制御回路61を介してスピーカ8を制御する。更に、前記S44でその出力が行われないように制御された音声の出力を再び開始する。それによって、以下に実行されるタイピングゲームはアーティストの歌唱に係る音声の出力のみされる状態となる(図7参照)。
【0118】
また、S47では前記S42で取得されたタイプミス回数が31回に到達したか否かが判定される。そして、ミス回数が31回に到達したと判定された場合(S47:YES)にはS48へと移行する。それに対し、ミス回数が30回以下である場合、又は32回以上である場合(S47:NO)には、当該演出制限処理を終了する。
【0119】
S48においてはタイプのミス回数が31回に到達したことによる演出の制限を行う。具体的には、CPU51はそれ以後のタイピングゲームにおいて楽曲データ記憶領域56に記憶された音声データ(図12参照)に基づくアーティストの歌唱に係る音声の出力を行わないように、音制御回路61を介してスピーカ8を制御する。それによって、以下に実行されるタイピングゲームは楽曲の伴奏音楽及び音声がともに出力されないサイレント状態となる(図7参照)。その後、当該演出制限処理を終了し、S38の判定処理へと戻る。
【0120】
以上説明した通り、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1は、コイン投入口9に硬貨等のコインが投入され複数のステージより構成されるタイピングゲームが実行されるタイピングゲーム実行処理(S6)が開始された状態において、特に楽曲の曲番2以降の曲番が演奏されるステージ実行中に(S41:NO)遊技者のタイプミス回数が所定回数に達した場合(S43:YES、S45:YES、S47:YES)、楽曲の伴奏音楽及び音声の一方又は両方を出力しないように制御する(S44、S46、S48)ので、タイピングゲームの成績に基づいて演出態様を変化させる高い遊技性を有するタイピングゲーム機の提供が可能となる。従って、繰り返し遊技を行う場合であっても、遊技者を飽きさせることがない。
その一方で、現在行われているタイピングゲームが曲番1を演奏する第1ステージである場合(S41:YES)には、音の出力を制限することなく、常に楽曲の伴奏音楽及びアーティストが歌唱する音声をスピーカ8より出力させることから、全ての遊技者に対して少なくとも1ステージ分はオリジナル状態の楽曲の演奏を聞かせることが可能となる。それにより、楽曲の演奏に基づく宣伝効果を十分に発揮可能となり、遊技者に対して楽曲に関連するCD、DVD等の購買意欲を増加させる。また、初心者やタイピングが苦手な遊技者であっても、ゲーム中の楽曲の演奏を完全な状態で聞かせることが可能となるので、遊技意欲が減衰することを防止することができる。
【0121】
また、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1は、第1液晶ディスプレイ3と第2液晶ディスプレイ4との2つの液晶ディスプレイを備え、筐体2の上方に配置された第2液晶ディスプレイ4に演奏される楽曲に係るプロモーションビデオの映像20を表示させる(S23)とともに、それに並行して筐体2の下方に配置された第1液晶ディスプレイ3に楽曲の歌詞に該当する文字列が表示されたメインゲーム画面21を表示させる(S22、S24)ので、一のディスプレイのみを使用する場合と比較して、2つの画面でそれぞれ表示した表示内容を用いた多彩なタイピングゲームを提供することが可能となる。従って、タイピングゲームを行う遊技者を飽きさせることがなく、その遊技意欲を増加させることができる。
また、タイピングゲームの進行に関して直接必要とされないプロモーションビデオの映像20の表示を、メインゲーム画面21において行わないので、遊技者にとって必要な情報を認識しやすくなり、遊技を集中して行うことを可能となる。
更に、プロモーションビデオの映像20の表示を、独立した液晶ディスプレイを用いて行うことにより、楽曲の演奏とともにアーティストの歌唱する姿が表示された従来にない臨場感のある状況下においてのタイピングゲームが可能となり、遊技者を飽きさせることがない。
【0122】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るタイピングゲーム機について図17及び図18に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図16の第1実施形態に係るタイピングゲーム機1の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係るタイピングゲーム機1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0123】
この第2実施形態に係るタイピングゲーム機の概略構成は、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係るタイピングゲーム機1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、タイプのミス回数に応じて演出の制限を行う際の条件として、第1実施形態に係るタイピングゲーム機1が楽曲の曲番2以降のステージ中であることを条件としていた(S41)のに対し、第2実施形態にかかるタイピングゲーム機は演奏されている楽曲が当該タイピングゲーム機において提供開始されてから6ヶ月以上経過したことを条件とする点で前記第1実施形態に係るタイピングゲーム機1と異なっている。
【0124】
先ず、第2実施形態に係るタイピングゲーム機で曲番(ステージ数)に基づいて演出の制御を行うか否かを判定する際に用いられる期間制限テーブル200について図17を用いて説明する。図17は第2実施形態に係る期間制限判定テーブル200について示した図である。
【0125】
期間制限判定テーブル200は、タイピングゲーム実行中において楽曲の伴奏音楽、及びアーティストが歌唱する音声の出力を制限する処理を行うか否かを、現在プレイされている楽曲の提供開始からの経過時間に基づいて決定するテーブルである。具体的には現在タイピングゲーム機1において行われているタイピングゲームの楽曲がサーバ80(図10)から当該タイピング機1に対して送信され、遊技可能となった日(使用開始日)から現時点において6ヶ月以上経過しているか否かが判定され(図18のS102参照)、図17に示すように使用開始日から6月未満である場合には、音の出力を制限することなく、楽曲の伴奏音楽及びアーティストが歌唱する音声がともにスピーカ8より出力される。また、6ヶ月以上経過している場合には、タイプのミス回数に応じて音の出力の制限を行う。
尚、6ヶ月以上経過している場合において、音の出力態様をタイプのミス回数に応じてどのような態様に制限するかを決定する際に用いられるミス回数制限判定テーブルについては、前記第1実施形態に係る回数制限判定テーブル46と同様であるのでその説明については省略する。
【0126】
また、第2実施形態では、演出を制限する手段としてスピーカ8から出力される楽曲の伴奏音楽及びアーティストが歌唱する音声の一方又は両方を出力しないように制御することにより行うが、演出の制限手段はそれに限られるものではない。
例えば、第2液晶ディスプレイ4においてタイピングゲーム実行中に表示されるPVの映像20(図3(A)、図4(A)参照)を、タイプのミス回数に応じて「全画面で表示」→「4分割の大きさで表示」→「8分割の大きさで表示」→「表示せず」と表示態様を変更するように制御することによって制限を行っても良い。
また、第1液晶ディスプレイ3の左右に設けられた発光ライト7(図1参照)において発光するライトの数を「8個」→「4個」→「点灯させず」と変更するように制限を行っても良い。
また、キーボード6のキー内部に設けられたフルカラーLED155(図9参照)によって発光させるキー範囲を「全てのキー」→「文字入力キー111のみ」→「発光させず」と変更することにより制限を行っても良い。
【0127】
次に、第2実施形態に係るタイピングゲーム機で行われる前記S37の演出制限処理プログラムについて図18に基づいて説明する。図18は第2実施形態に係る演出制限処理プログラムのフローチャートである。尚、以下に図18にフローチャートで示される各プログラムはタイピングゲーム機1が備えているROM53やRAM54に記憶されており、CPU51により実行される。
【0128】
第2実施形態に係る演出制限処理では先ず、S101においてタイマー58から現在の日時に関する情報、及びHDD55から現在実行中の楽曲に関する期限データを取得する。期限データには前記したように楽曲データの使用可能となった日(使用開始日)と、楽曲データが使用不能となる日(使用終了日)の2つの日付データで構成されている。
【0129】
次に、S102において現在実行されているタイピングゲームの楽曲が当該タイピングゲーム機に提供されてからの期間について、前記S101で取得した各情報から判定される。具体的には前記S5で選択された楽曲がサーバ80からタイピングゲーム機1に提供されて使用可能となった使用開始日から、現在までに6ヶ月以上経過しているか否かが判定される。
【0130】
そして、現在の日時が使用開始日から6ヶ月未満であると判定された場合(S102:YES)には、演出に関する制限を行わないので(図17参照)、当該演出制限処理を終了する。
【0131】
一方、現在の日時が使用開始日から6ヶ月以上経過していると判定された場合(S102:NO)には、S103でRAM42に記憶されたミス回数を取得する。ここで、ミス回数は、前記S29やS31のタイプの入力判定処理において入力すべき文字入力キー111以外のキーが入力された場合、及び所定時間内にキーの入力が行われなかった場合に加算され、前記したように1のステージは終了した際に次のステージを継続して行うか否かの判定(図15のS40)においても用いられる。
【0132】
次に、S104では前記S103で取得されたタイプミス回数が11回に到達したか否かが判定される。そして、ミス回数が11回に到達したと判定された場合(S104:YES)にはS105へと移行する。それに対し、ミス回数が10回以下である場合、又は12回以上である場合(S104:NO)には、S106の判定処理へと移行する。
【0133】
S105においてはタイプのミス回数が11回に到達したことによる演出の制限を行う。具体的にはそれ以後のタイピングゲームにおいて楽曲データ記憶領域56に記憶された音声データ(図12参照)に基づくアーティストの歌唱に係る音声の出力を行わないように、音制御回路61を介してスピーカ8を制御する。それによって、以下に実行されるタイピングゲームは楽曲の伴奏音楽の出力のみされる状態となる(図17参照)。
【0134】
また、S106では前記S103で取得されたタイプミス回数が21回に到達したか否かが判定される。そして、ミス回数が21回に到達したと判定された場合(S106:YES)にはS107へと移行する。それに対し、ミス回数が20回以下である場合、又は22回以上である場合(S106:NO)には、S108の判定処理へと移行する。
【0135】
S107においてはタイプのミス回数が21回に到達したことによる演出の制限を行う。具体的には、CPU51はそれ以後のタイピングゲームにおいて楽曲データ記憶領域56に記憶された演奏データ(図12参照)に基づく楽曲の伴奏音楽の出力を行わないように、音制御回路61を介してスピーカ8を制御する。更に、前記S105でその出力が行われないように制御された音声の出力を再び開始する。それによって、以下に実行されるタイピングゲームはアーティストの歌唱に係る音声の出力のみされる状態となる(図17参照)。
【0136】
また、S108では前記S103で取得されたタイプミス回数が31回に到達したか否かが判定される。そして、ミス回数が31回に到達したと判定された場合(S108:YES)にはS109へと移行する。それに対し、ミス回数が30回以下である場合、又は32回以上である場合(S108:NO)には、当該演出制限処理を終了する。
【0137】
S109においてはタイプのミス回数が31回に到達したことによる演出の制限を行う。具体的には、CPU51はそれ以後のタイピングゲームにおいて楽曲データ記憶領域56に記憶された音声データ(図12参照)に基づくアーティストの歌唱に係る音声の出力を行わないように、音制御回路61を介してスピーカ8を制御する。それによって、以下に実行されるタイピングゲームは楽曲の伴奏音楽及び音声がともに出力されないサイレント状態となる(図17参照)。その後、当該演出制限処理を終了し、S38の判定処理へと戻る。
【0138】
以上説明した通り、第2実施形態に係るタイピングゲーム機1は、コイン投入口9に硬貨等のコインが投入されることによりタイピングゲーム実行処理(S6)が開始された状態において、特に楽曲がサーバ80から当該タイピングゲーム機に提供され、使用可能となった日から6ヶ月以上が経過した状態で(S102:NO)、遊技者のタイプミス回数が所定回数に達した場合(S104:YES、S106:YES、S108:YES)、楽曲の伴奏音楽及び音声の一方又は両方を出力しないように制御する(S105、S107、S109)ので、タイピングゲームの成績に基づいて演出態様を変化させる高い遊技性を有するタイピングゲーム機の提供が可能となる。従って、繰り返し遊技を行う場合であっても、遊技者を飽きさせることがない。
その一方で、現在行われているタイピングゲームの楽曲が提供開始されてから6ヶ月が経過していない楽曲である場合(S102:YES)には、音の出力を制限することなく、常に楽曲の伴奏音楽及びアーティストが歌唱する音声をスピーカ8より出力させることから、全ての遊技者に対して少なくとも提供開始直後から6ヶ月以内ではオリジナル状態の楽曲の演奏を聞かせることが可能となる。それにより、楽曲の演奏に基づく宣伝効果を十分に発揮可能となり、遊技者に対して楽曲に関連するCD、DVD等の購買意欲を増加させる。また、初心者やタイピングが苦手な遊技者であっても、ゲーム中の楽曲の演奏を完全な状態で聞かせることが可能となるので、遊技意欲が減衰することを防止することができる。
【0139】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係るタイピングゲーム機1では、演出が制御される条件の一つとしてタイプのミス回数が所定回数(例えば、11回、21回、31回)に到達したことをその条件としているが、遊技者がプレイした総ステージ数に対するタイプミスの回数の割合や、1フレーズをタイプミスすることなく入力した場合にカウントされるポイントを獲得した割合によって変化させるように構成しても良い。
【0140】
また、第1実施形態では、演奏される楽曲の曲番1に基づいてゲームが行われる第1ステージのみにおいては、タイプのミス回数に関わらず演出の制御を行わないように構成されているが、第1ステージの替わりに曲番2に基づいてゲームが行われる第2ステージで制限を行わないように構成しても良い。
更に、第1ステージにおいて演出の制御を行い、第1ステージでのタイプミスの回数に応じて第2ステージの演出の態様が異なるように構成しても良い。この場合、第1ステージにおけるタイプミスが所定回数(例えば、11回、21回、31回)以内の場合のみ、遊技者はゲーム中の楽曲の演奏を完全な状態で聞くことができる。従って、遊技者はゲーム中の楽曲の演奏を完全な状態で聞きたいためにタイピングの技量を向上させることとなり、遊技者に対して継続して遊技する意欲を惹起することができる。
【0141】
また、第1実施形態及び第2実施形態に係るタイピングゲーム機1は、サーバ80に対してインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続され、サーバ80から送信されたデータに基づいて、タイピングゲーム機1のHDD55(図11参照)に記憶された楽曲データを更新することを可能としているが、サーバ80とは独立して楽曲データを更新可能に構成しても良い。
【0142】
また、本発明に係るタイピングゲーム装置として、前記したようにゲームセンター等に設置される筐体タイプのタイピングゲーム機1を例に挙げて説明したが、PCにソフトウェアをインストールするタイピングゲーム装置についてもその適用が可能である。また、カードリッジやCD−ROM等の媒体として供給される家庭用ゲーム装置のタイピングゲームについてもその適用が可能である。尚、タイピングゲームは家庭用ゲーム装置に内蔵されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】第1実施形態に係るタイピングゲーム機の斜視図である。
【図2】タイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図3】(A)はタイピングゲーム進行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム進行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図4】(A)はタイピングゲーム進行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム進行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図5】タイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図6】第1実施形態に係る曲番制限判定テーブルについて示した図である。
【図7】第1実施形態に係るミス回数制限判定テーブルについて示した図である。
【図8】第1実施形態に係るタイピングゲーム機に備えられたキーボードを示した平面図である。
【図9】キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【図10】第1実施形態に係るタイピングゲーム機とサーバとからなるシステムを示したシステムブロック図である。
【図11】第1実施形態に係るタイピングゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図12】第1実施形態に係るタイピングゲーム機のHDDの楽曲データ記憶領域を示す模式図である。
【図13】第1実施形態に係るタイピングゲーム機のメイン処理プログラムのフローチャートである。
【図14】第1実施形態に係るタイピングゲーム機の楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【図15】第1実施形態に係るタイピングゲーム機のタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【図16】第1実施形態に係るタイピングゲーム機の文字列表示処理プログラムのフローチャートである。
【図17】第2実施形態に係る期間制限判定テーブルについて示した図である。
【図18】第2施形態に係るタイピングゲーム機の文字列表示処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0144】
1 タイピングゲーム機
2 筐体
3 第1液晶ディスプレイ
4 第2液晶ディスプレイ
6 キーボード
8 スピーカ
20 プロモーションビデオ映像
21 メインゲーム画面
22 歌詞表示部
22A 文字列
45 曲番制限判定テーブル
46 ミス回数制限判定テーブル
51 CPU
53 ROM
54 RAM
55 HDD
56 楽曲データ記憶領域
60 表示制御回路
61 音制御回路
200 期間制限判定テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に係る所定の文字列を表示する画像表示手段と、
遊技に係る所定の音を出力する音出力手段と、
複数の文字に対応する複数のキーが配置された入力手段と、
前記入力手段により入力された文字列が前記所定の文字列と一致するか否かを判定する正誤判定手段と、を有するタイピングゲーム装置において、
通常の遊技が行われる第1遊技状態と、前記画像表示手段の表示及び/又は前記音出力手段の出力の一部又は全部を制限する演出態様制限手段を備えた第2遊技状態と、に基づいて遊技を制御する遊技制御手段を有し、
前記演出態様制限手段は、
前記正誤判定手段の判定結果に基づいて前記制限を行うことを特徴とするタイピングゲーム装置。
【請求項2】
前記演出態様制限手段は、前記画像表示手段の表示及び/又は前記音出力手段の出力の一部又は全部を行わないように前記画像表示手段及び/又は前記音出力手段を制御することにより制限することを特徴とする請求項1に記載のタイピングゲーム装置。
【請求項3】
楽曲データを記憶する曲データ記憶手段を有し、
前記所定の音は、前記曲データ記憶手段に記憶された楽曲データに基づいて演奏される伴奏の音楽及び歌唱される音声であるとともに、
前記所定の文字列は、前記音出力手段より出力される前記歌唱される音声に係る文字列であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイピングゲーム装置。
【請求項4】
前記演出態様制限手段は、
前記正誤判定手段の判定結果に基づいて前記伴奏の音楽及び前記歌唱される音声の一方又は両方を前記音出力手段より出力しないことにより制限することを特徴とする請求項3に記載のタイピングゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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