タイピングゲーム装置
【課題】 携帯情報端末により入力される文字列の正誤判定に基づいて遊技を制御するタイピングゲーム装置に関し、学習機能を有する携帯情報端末を使用した場合にも娯楽性を損なわないタイピングゲーム装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 タイピングゲーム装置1は、辞書エリア222aによる入力補助機能を有する携帯電話211を接続することで、携帯電話211を使用したタイピングゲームを実行することが可能である。携帯電話211を使用したタイピングゲームを実行する場合には、携帯電話211から送信される入力データに対して、カウンタSの値に基づき許容文字数を設定し、入力データの内、許容文字数以下の文字のみを判定対象データとする。そして、判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データを参照し、判定対象データの入力の正誤判定を行い、タイピングゲームを進行する。
【解決手段】 タイピングゲーム装置1は、辞書エリア222aによる入力補助機能を有する携帯電話211を接続することで、携帯電話211を使用したタイピングゲームを実行することが可能である。携帯電話211を使用したタイピングゲームを実行する場合には、携帯電話211から送信される入力データに対して、カウンタSの値に基づき許容文字数を設定し、入力データの内、許容文字数以下の文字のみを判定対象データとする。そして、判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データを参照し、判定対象データの入力の正誤判定を行い、タイピングゲームを進行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された文字列の正誤判定に基づいて遊技を制御するタイピングゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キーボードを用いたゲーム装置としては、例えば、市販のキーボードを取り付ける構造を有したビデオゲーム機や(例えば、特許文献1参照)、タイピングスキルを競うことにより娯楽性を向上させたタイピングゲーム装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−204965号公報
【特許文献2】特開2003−62331号公報
【0003】
一方、携帯情報端末を用いたゲーム装置としては、例えば、携帯電話とコントローラとでゲーム機能を同時に操作できるゲーム機や(例えば、特許文献3参照)、携帯電話を介してネットワークへ接続可能とするテレビゲーム機がある(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献3】特開2001−38057号公報
【特許文献4】特開2002−359660号公報
【0004】
また、携帯情報端末の使用に加えてサーバを利用したゲーム装置としては、例えば、携帯電話を介して送信されたゲーム結果に基づいて専用サイトサーバが作成した攻略方法などを取得できる遊技装置や(例えば、特許文献5参照)、移動体通信端末を介してポイント情報管理機器から購入したポイントに応じてゲームを行うゲーム機がある(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献5】特開2002−177649号公報
【特許文献6】特開2002−126339号公報
【0005】
このように、近年、携帯情報端末である携帯電話を使用できるゲーム装置が開発されているが、これは、携帯電話の普及率が拡大して、携帯電話でのメールやチャットなどを行う機会が増え、携帯電話の文字入力機能を使いこなすことが日常茶飯事になってきていることが、その背景にある。
【0006】
さらに、携帯電話の文字入力機能は、日進月歩で高機能化しており、例えば、その学習機能により、入力頻度の高い文(文字列)は、その最初の1〜2文字を入力するだけで、推測して変換することが可能なほどである。つまり、メールやチャットなどで自分が頻繁に使い込んだ携帯電話は、自分なりの入力方法によって、独自の文字変換機能を有する文字入力機能に育てることができ、よって、その文字入力機能を扱う習熟度は相当に高くなってきている
【0007】
従って、一般の人々からすれば、携帯電話の方がキーボードよりも身近な存在であるので、最近は、携帯電話のボタンで入力するスキルの方が、キーボードのキーをタイピングするスキルよりも重要となり、携帯電話の操作部で入力するスキルの向上・マスター・競争を目的にしつつ娯楽性に富んだタイピングゲーム装置に対するニーズが十二分にあると考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、タイピングゲーム装置において、携帯電話を使用してタイピングゲームを実行した場合には、上述の学習機能による問題点が生じることも想定される。
即ち、前記学習機能を利用することにより、入力頻度の高い文(文字列)を、その最初の1〜2文字を入力するだけで推測して変換することが可能となるが、この点、最初の1〜2文字を入力するだけで、正確な文章を入力することが可能となってしまい、携帯電話の操作部における入力スキルの向上・マスター・競争を目的とするタイピングゲームの目的に反したものとなってしまう。
更に、この場合に、従来どおりに、前記学習機能を使用しないでタイピングゲームを実行した遊技者と、学習機能を利用してタイピングゲームを実行した遊技者との間で、タイピングゲームの難易度に大きな差が生じてしまう。この点、入力スキルの競争という娯楽性を大きく損なう結果となってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、携帯情報端末により入力される文字列の正誤判定に基づいて遊技を制御するタイピングゲーム装置に関し、学習機能を有する携帯情報端末を使用した場合にも娯楽性を損なわないタイピングゲーム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、遊技の進行に係る所定の文字列が表示される表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4)と、文字列を入力する入力手段(例えば、キーボード6)と、前記入力手段により入力された文字列を判定対象とし、前記判定対象が前記表示手段に表示された所定の文字列と一致するか否かを判定する正誤判定手段(例えば、CPU51)と、前記正誤判定手段の判定結果に基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU51)と、を有するタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム装置1)において、文字や記号を入力可能な操作手段(例えば、操作部213)と、複数の文字列が記憶された文字列記憶手段(例えば、辞書エリア222a)と、前記文字列記憶手段から、前記操作手段の操作に対応する文字列を検索する文字列検索手段(例えば、携帯電話CPU220)と、を有する携帯情報端末(例えば、携帯電話211)が接続される接続手段(例えば、接続ケーブル201)と、前記接続手段に接続された携帯情報端末の前記操作手段を前記入力手段として取り扱う取扱手段(例えば、CPU51)と、前記携帯情報端末の前記操作手段により入力された文字列の制限基準を規定した制限基準データが記憶された記憶手段(例えば、ROM53)と、前記制限基準データに基づいて、前記文字列を構成する一部の文字列を判定対象とする判定対象制限手段(例えば、CPU51)と、を備えたことを特徴する。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム装置1)において、前記判定対象制限手段に用いる制限基準データを変更する制限基準変更手段(例えば、CPU51)と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
すなわち、本発明のタイピングゲーム装置では、文字や記号を入力可能な操作手段を有する携帯情報端末が接続され、その携帯情報端末の操作手段により入力された文字列が所定の文字列と一致するか否かを判定し、その判定結果に基づいて遊技の進行を制御することから、携帯情報端末により入力される文字列の正誤判定に基づいて遊技を制御することができる。
ここで、携帯情報端末には、文字列記憶手段と、文字列検索手段が配設されているので、文字列の入力を補助し、容易に長い文字列を作成することができる。この場合であっても、本発明に係るタイピングゲーム装置は、判定対象制限手段により、長い文字列を部分的に判定対象とするので、タイピングゲームが本来有する娯楽性を損なうことなく、携帯情報端末の操作手段での技量を競うことができる。
更に、制限基準変更手段により、長い文字列を作成した場合に、判定対象となる文字数を変更することができる。例えば、携帯情報端末による遊技を複数回行った者に対して、判定対象となる文字数を多くなるようにすることで、タイピングゲームを有利に進めることができるという特典が得られるようになる。このように、制限基準変更手段により、制限基準データを変更することで、タイピングゲーム装置に係る遊技に継続性をもたせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るタイピングゲーム装置についてゲームセンター等に設置される筐体型のタイピングゲーム装置に具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置は、スピーカから楽曲を再生するとともに、流れる楽曲に合わせて歌詞をディスプレイ上に順次表示させ、遊技者が、キーボード或いは外部から接続された携帯電話により、順次、表示された歌詞の入力操作を行うことで遊技が進行するように構成されている。
更に実施されるタイピングゲームは再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であるときに次の曲番に該当するステージへと進み、継続してタイピングゲームを行うことができるように構成されている。
尚、説明の便宜上、遊技者が表示された歌詞の入力を、順次、外部から接続された携帯電話での操作部による入力操作により遊技が行われる場合であっても、キーボードでの入力操作により遊技が行われる場合と同様に、タイピングゲームと呼ぶ。
【0014】
先ず、本実施形態に係るタイピングゲーム装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るタイピングゲーム装置の斜視図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は、タイピングゲーム装置1の外形を構成する筐体2と、メインのゲーム画面(図3(B)及び図4(B)参照)が表示される第1液晶ディスプレイ3と、第1液晶ディスプレイ3の上方に位置し、プロモーションビデオや広告等の演出に係る画像(図3(A)及び図4(A)参照)が表示される第2液晶ディスプレイ4と、第1液晶ディスプレイ3の下方に設けられコインやカードの投入口が形成されたセンターパネル5と、遊技者がタイプを行うキーボード6と、第1液晶ディスプレイ3の左右に設けられた照明装置7と、第2液晶ディスプレイ4の左右側部に配置された一対のスピーカ8と、携帯電話211を外部から接続する接続ケーブル201などから基本的に構成されている。以下に各構成要素について説明する。
【0016】
第1液晶ディスプレイ3は、筐体2の正面側略中央部に所定角度傾斜して配置された液晶ディスプレイであり、所定角度で後方に傾斜して配設されている。
そして、第1液晶ディスプレイ3では、タイピングゲーム実行時においてスピーカ8を介して再生される楽曲の歌詞、遊技者のキーボード6のタイプによる入力結果(携帯電話211での操作部による入力操作による入力結果も含む)、それに伴う得点等の当該タイピングゲームの進行に係る遊技情報(ゲームの進行にあたり遊技者が必要な情報)の表示が行われる(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0017】
一方、第1液晶ディスプレイ3の上方に別途配置された第2液晶ディスプレイ4は、第1液晶ディスプレイ3と同様の液晶ディスプレイであるが、第2液晶ディスプレイ4ではタイピングゲーム実行時においてタイピングゲームの演出に関する演出画像を表示する。
ここで、第2液晶ディスプレイ4で表示される演出画像は、前記第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容と異なり、遊技者によるゲームの進行には直接必要とされないもので、タイピングゲームを盛り上げるための補助的な役割を有する。
例えば、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、楽曲としてある歌手の楽曲が再生され、遊技者は楽曲の歌詞をキーボード6又は携帯電話211による入力に基づいて、ゲームが進行する。この時、第2液晶ディスプレイ4には、その楽曲に係るプロモーションビデオ(以下、PVと略す)が表示される(図3(A)及び図4(A)参照)。従って、楽曲の演奏とともにアーティストの歌唱する姿が表示された臨場感のある状況下においてのタイピングゲームが可能となり、遊技者を飽きさせることがない。
尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される表示内容については後に詳細に説明する。
【0018】
また、センターパネル5にはコイン投入口9及びカード挿入口10が設けられている。コイン投入口9は、100円硬貨等のコインが投入される投入口である。コイン投入口9には、コインセンサ63が配置されており、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63を介してコイン検出信号がCPU51に出力される(図9参照)。これにより、CPU51は、コインが投入されたことを検出する。
【0019】
また、カード挿入口10は、タイピングゲームのゲーム結果が記録されるICタグが内蔵されたICカード(図示せず)が挿入される挿入口である。このカード挿入口10の内部には、後述するカードセンサ64と、カードリーダ・ライタ65とが配設されており(図9参照)、ICカードがカード挿入口10に挿入されている場合には、カードセンサ64によってその旨を検出する。ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1で使用されるICカードは、内蔵されたICタグに所有する遊技者の前回までのゲームにおけるゲーム結果(獲得した得点(スコア)やポイント等)を記憶し、その記憶されたゲーム結果を所定の操作を行うことによって遊技者に表示可能としたものである。
即ち、カードセンサ64によりICカードが検出された場合に、カードリーダ・ライタ65は、ICタグからのタイピングゲームのゲーム結果の読み出し、又はICタグに対する新たなゲーム結果の書き込み等を行う(図12のS3、S10)。
【0020】
また、キーボード6は、筐体2の正面に手前側に突出して配設されており、後述するように「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キーやエンターキー、カーソルキー等の機能キーがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである(図6参照)。そして、ゲーム中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した各キーを操作して文字入力を行い、ゲームを進行させる。又、遊技開始前や遊技終了後等においては、ゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を各キーの操作に基づいて行う。尚、キーボードの構成については後に詳細に説明する。
【0021】
筐体2の正面側両端には、一対の照明装置7が配設されており、各照明装置7は、円筒状の透明部材と、フルカラーで点灯可能な24個のフルカラーLEDと、光遮断部材とから構成されている。
円筒状の透明部材は、レンチキュラーレンズを円筒状に形成したものであり、その円筒の長手方向を上下にして筐体2に固定されている。また、光遮断部材には、その長手方向に等間隔をもって、24個のフルカラーLEDが固着されている。そして、透明部材の内部には、フルカラーLEDが固着された光遮断部材が挿設される。従って、照明装置7の内部には、24個のフルカラーLEDが等間隔で配設された状態となる。
このような構成の照明装置7において、一のフルカラーLEDが発光すると、透明部材のレンチキュラーレンズの効果により、外部からは、左右方向に寝かされた状態の一のリング状の発光態様(以下、「発光リング」という)を表現することができる。
即ち、24個のフルカラーLEDの発光態様を制御することにより、発光リングを最大で24個上下方向に積み重ねられた状態で表現することができ、タイピングゲーム装置1で再生される楽曲に応じて多様な照明演出を行ったり、遊技者のタイプ経過に応じた照明演出を行ったりすることができる。例えば、照明演出としては、発光リングの位置や照明色を変更する演出や、発光リングの位置や照明色の変更を一定の規則に応じて行う演出、発光リングの点灯・消灯による演出などが可能である。
【0022】
また、接続ケーブル201は、筐体2の一側面に突出して配設されており、携帯電話211を外部から接続するものである。この点、携帯電話211には、上記キーボード6の文字入力キー等の機能キーとしての役割を果たす複数のボタン212や、決定ボタン216、カーソルボタン217をそれぞれ配列した操作部213が設けられている。従って、接続ケーブル201に携帯電話211が接続されている場合には、遊技者は、文字、記号、数字等に対応した各ボタン212で選択し、決定ボタン216で決定する操作を操作部213で入力操作することにより文字入力を行い、ゲームを進行させることができる。又、遊技開始前や遊技終了後等においては、各ボタン212及び決定ボタン216で選択・決定する操作に基づいて、ゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を行うことができる。
尚、これらの指令は、カーソルボタン217による操作部213での入力操作でも行うこと可能である。即ち、携帯電話211は、上記キーボード6のタイプと同様な入力を行うことができるが、どちらの入力を有効・無効にするかについては後述する。
そして、この外部接続は、遊技者が、接続ケーブル201の先端に設けられた端子204を携帯電話211の本体に設けられた端子215に嵌め込むことにより行われる。即ち、接続ケーブル201は、遊技者によって、携帯電話211を着けたり外したりすることができる。
【0023】
また、第2液晶ディスプレイ4の左右両側には、スピーカ8が配設されている。スピーカ8は、タイピングゲーム装置1において再生される楽曲や効果音等を出力する出力装置である。具体的には、タイピングゲーム実行時において、HDD55(図9参照)に記憶された楽曲の音声データ、演奏データに基づいて、指定されたテンポで音楽及び音声を出力する。
【0024】
次に、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される各表示内容について図2乃至図5を用いて詳細に説明する。尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4により表示される表示内容は、タイピングゲーム開始前、タイピングゲーム実行中、タイピングゲーム終了後の3パターンから基本的に構成される。
図2(A)、図2(B)は、タイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図であり、図3(A)及び図4(A)は、タイピングゲーム実行中において第2液晶ディスプレイ4に表示される表示内容を示した模式図である。又、図3(B)及び図4(B)は、タイピングゲーム実行中において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図であり、図5は、タイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。
【0025】
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は、キーボード6若しくは携帯電話211の操作部213により、演奏される楽曲の歌詞を入力することでタイピングゲームが行われる。
そして、タイピングゲームについて具体的に説明すると、先ず、キーボード6若しくは携帯電話211の何れの入力方法でゲームを行うかを選択すると共に、遊技者が用意された複数の楽曲の中から遊技を希望する楽曲を選択する。そして、タイピングゲームが開始されると、当該選択した楽曲の伴奏音楽にあたる演奏データと、当該楽曲のアーティストの歌声にあたる音声データが再生される。更に、当該楽曲の演奏データ及び音声データの再生に伴い、遊技者が入力すべき文字列として楽曲の歌詞が表示される。
ここで、キーボード6による入力で、タイピングゲームが実行されている場合には、第1液晶ディスプレイ3には、楽曲の1フレーズの歌詞に対応する文字列をキーボード6により入力することで、タイピングゲームは進行する。遊技終了時には、タイピングの正確性、入力したタイミング等のタイピングに係る各要素に基づいて、タイピングゲームの成績(タイプ又は操作部213での入力操作による入力のミス回数、獲得した得点、ポイント等)が算定され、表示される。
一方、携帯電話211を用いた入力で、タイピングゲームが実行されている場合には、第1液晶ディスプレイ3には、楽曲の3フレーズ分の歌詞が表示される。そして、この時、遊技者は、表示されている3フレーズ分の楽曲が再生されている間に、3番目のフレーズに該当する文字列を入力することでタイピングゲームが進行する。そして、遊技終了時には、タイピングの正確性、入力したタイミング等のタイピングに係る各要素に基づいて、タイピングゲームの成績(タイプ又は操作部213での入力操作による入力のミス回数、獲得した得点、ポイント等)が算定され、表示される。
即ち、当該タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲームは、ゲーム中に演奏される楽曲を楽しみながら、キーボード6によるタイピング又は携帯電話211による操作部213での入力などの入力に係る技量の高低を競うものである。
【0026】
ここで、タイピングゲーム開始前における表示内容について図2を用いて説明する。図2(A)に示すように、コイン投入口9に所定金額分のコインを投入した後であって、タイピングゲーム開始前の第1液晶ディスプレイ3においては、先ず、今回のタイピングゲームにおける入力方法を選択する入力方法選択画面11が表示される。
入力方法選択画面11は、キーボード6よる入力でタイピングゲームを実行する「キーボード入力モード」を表示したキーボード入力選択部12と、携帯電話211の操作部213による入力でタイピングゲームを実行する「携帯電話入力モード」を表示した携帯電話入力選択部13と、キーボード入力選択部12又は携帯電話入力選択部13のいずれかを選択可能な入力選択カーソル14とから構成されている。
【0027】
そして、入力選択カーソル14は、キーボード6のカーソルキー114(図6参照)の操作又はそれに相当する携帯電話211の操作部213(図1参照)の入力操作によって、キーボード入力選択部12の上又は携帯電話入力選択部13の上を上下に移動可能となっている。そして、入力選択カーソル14を、キーボード入力選択部12又は携帯電話入力選択部13のいずれかに位置させた状態で、決定操作(キーボード6の場合、エンターキー112(図6参照)の入力、携帯電話211の場合、決定ボタン216の入力)を行うことで、入力選択カーソル14で選択されている入力方法に設定することができる。
【0028】
入力方法選択画面11において、今回のタイピングゲームにおける入力方法を選択すると、第1液晶ディスプレイ3には、当該タイピングゲーム装置1によって遊技可能な楽曲の一覧を示す曲選択画面15が表示される。
曲選択画面15は、遊技することが可能な楽曲の曲名を表示した遊技可能曲名表示部16と、遊技可能曲名表示部16のいずれかを選択可能な曲選択カーソル17と、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名が表示される選択曲名表示部18と、選択カーソルによって選択されている楽曲のアーティスト名が表示される選択アーティスト名表示部19とから構成されている。
【0029】
遊技可能曲名表示部16は、現在のタイピングゲーム装置1において遊技可能な楽曲(本実施形態では最大で8曲)の曲名をそれぞれ示したものである。ここで、遊技可能曲名表示部16によって表示される遊技可能な楽曲とは、後述のHDD55に楽曲データが記憶されている楽曲であり(図9、図10参照)、更に記憶された楽曲データはサーバ80(図8参照)によって管理され、順次更新されている。従って、遊技者はサーバ80によって更新された最新の楽曲を含む複数の楽曲の中から選択して遊技することが可能となっている。尚、遊技可能曲名表示部16には曲名のみではなく、アーティストの写真やPVを表示するようにしても良い。
【0030】
また、曲選択カーソル17はキーボード6のカーソルキー114(図6参照)のタイプ又はそれに相当する携帯電話211の操作部213(図1参照)での入力操作によって遊技可能曲名表示部16上を上下左右に移動可能となっており、選択曲名表示部18と選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17が現在位置する遊技可能曲名表示部16の楽曲の曲名とアーティスト名が表示される。
そして、曲選択カーソル17を遊技可能曲名表示部16上に位置させた状態で決定操作(キーボード6の場合、エンターキー112(図6参照)の入力、携帯電話211の場合、決定ボタン216の入力)を行うことで、遊技を行う楽曲が決定され、タイピングゲームが開始される。尚、これらの操作は、カーソルボタン217により行うようにしてもよい。
【0031】
次に、タイピングゲーム実行中における表示内容について図3及び図4を用いて説明する。図3(A)及び(B)は、男性アーティストによる所定の楽曲Aを前記曲選択画面15で選択してタイピングゲームを開始した場合、図4(A)及び(B)は、女性アーティストによる所定の楽曲Bを前記曲選択画面15で選択してタイピングゲームを開始した場合における第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4のそれぞれの表示内容を示すものである。
【0032】
図3(A)に示すように、例えば楽曲Aを選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4には、スピーカ8を介して演奏される楽曲Aを歌唱する男性アーティストのPV映像20が表示される。一方、図4(A)に示すように、例えば楽曲Bを選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4には、スピーカ8を介して演奏される楽曲Bを歌唱する女性アーティストのPV映像20が表示される。
一方、図3(B)及び図4(B)に示すように第1液晶ディスプレイ3には、第2液晶ディスプレイ4によるPV映像20の表示と並行して、タイピングゲームの進行に係るメインゲーム画面21が表示される。
【0033】
ここで、メインゲーム画面21は、現在演奏されている楽曲の歌詞を漢字やかな等により表示する歌詞表示部22と、前記歌詞表示部22に表示され、その時点で入力対象となっている1フレーズの歌詞を別途ローマ字により表示するローマ字表示部23と、現在、歌詞表示部22及びローマ字表示部23で表示する歌詞のフレーズが何番目の曲番(第何ステージ)で更に当該曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示する楽曲状況表示部25と、遊技者の入力操作による入力の正誤判定結果を表示するタイプ結果表示部26と、現在までに遊技者が獲得した得点(スコア)、ポイント等を表示する得点表示部27と、現在演奏しているアーティストの氏名及び曲名が表示される曲情報表示部28とから構成されている。
【0034】
歌詞表示部22は、現在演奏されている楽曲の歌詞が表示される表示部である。ここで、「キーボード入力モード」でタイピングゲームが実行されている場合には、歌詞表示部22には、1フレーズ分の歌詞が表示される。一方、「携帯電話入力モード」でタイピングゲームが実行されている場合には、3フレーズ分の歌詞が表示される。ここで、この3フレーズ分の歌詞を、楽曲の進行順に、第1フレーズ、第2フレーズ、第3フレーズと呼ぶこととする。
【0035】
ローマ字表示部23は、歌詞表示部22と同様に、現在演奏されている楽曲の歌詞を表示する部分であるが、ローマ字表示部23では、現在入力対象となっている歌詞の1フレーズ分をローマ字表記により表示する。即ち、「キーボード入力モード」の場合には、歌詞表示部22に表示されている1フレーズ分がローマ字表記に変換して表示する。一方、「携帯電話入力モード」の場合には、歌詞表示部22に表示される3フレーズ分の歌詞のうち、最後に再生されるフレーズ(第3フレーズ)をローマ字表記に変換して表示する。
ここで、ローマ字表示部23において、ローマ字表記で表示された歌詞の内、既に遊技者が入力した文字列23Aを入力前の文字列23Bと比較して下段に移動して表示させる。これにより、現在までにタイプ又は操作部213の入力操作で入力した文字を遊技者に対して報知することが可能となっている。
【0036】
また、楽曲状況表示部25は、現在、タイピングゲーム装置1で演奏されている部分が、当該楽曲の何番の曲番であり、且つ曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示するものである。
ここで、本実施形態に係るタイピングゲームは再生される楽曲の曲番(例えば、1曲は1〜3番で構成される)の数に合わせて複数のステージ(例えば、第1〜第3ステージで構成される)から構成されている。例えば、図3(B)では、第1ステージの15番目のフレーズを現在表示していることを示している。また、図4(B)では第2ステージの5番目のフレーズを現在表示していることを示している。
そして、楽曲データの1フレーズの再生が終了する毎にそのフレーズ数を示す数値25Aが1ずつ加算され、1ステージ分の楽曲の再生が終了する毎にそのステージ数(曲番)を示す数値25Bが1ずつ加算される。それによって、現在のステージ数(曲番)と現在までに再生終了したフレーズの数を遊技者に対して報知することが可能となっている。
【0037】
タイプ結果表示部26は、遊技者のタイプ又は操作部213の入力操作による入力の正誤判定結果を表示する表示部である。ここでキーボード6での入力に基づいて、タイピングゲームが行われている場合には、演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する正しい文字をキーボード6で入力した場合には「PERFECT」が表示される。また、演奏される楽曲の音声と異なるタイミングで正しい文字をキーボード6で入力した場合には「GOOD」が表示される。そして、タイミングに関わらず誤った文字をキーボード6で入力した場合には「MISS」が表示される。
一方、携帯電話211での入力に基づいてタイピングゲームが実行される場合には、入力された文字が全て正しい場合には、「PERFECT」、正しい入力とミス入力が混在している場合には、「GOOD」が表示される。そして、全ての入力文字がミス入力である場合(所定時間中に文字入力が行われなかった場合を含む)には、「MISS」は表示される。
【0038】
得点表示部27は、現在までに遊技者の獲得した得点(スコア)及びポイントを表示する表示部である。ここで、得点(スコア)は、ローマ字表示部23に表示された文字列に従って正しくタイプすることにより加算される。一方、ポイントは1フレーズ分の文章をタイプミスすることなく入力した場合に1ポイントずつ加算される(図17のS53、図18のS71)。
そして、ゲームが終了するまで当該得点(スコア)とポイントの加算が行われ、前記ICカードをセンターパネル5のカード挿入口10に投入していた場合には、ゲーム終了時にその獲得した得点(スコア)及びポイントがICカードに記憶される。
【0039】
また、曲情報表示部28にはゲーム開始時において遊技者が選択し、現在演奏されている楽曲の曲名とアーティストの氏名がそれぞれ表示される。
【0040】
そして、図5に示すようにタイピングゲームが終了した後においては、第1液晶ディスプレイ3には、今回のタイピングゲームのゲーム結果を示すゲーム結果画面30が表示される。
ゲーム結果画面30は、今回のタイピングゲームにおける入力のミス回数を表示したミス回数表示部31と、獲得したポイントを表示した獲得ポイント表示部32と、獲得した得点(スコア)を表示した獲得得点表示部33と、遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34とから構成されている。ゲーム結果画面30を参照することにより、遊技者は今回のタイピングゲームにおいてミスした回数、獲得したポイント及び得点(スコア)をそれぞれ認知することが可能となる。
【0041】
続いて、タイピングゲーム装置1に備えられたキーボード6について図6及び図7を用いて説明する。図6は本実施形態に係るタイピングゲーム装置に備えられたキーボードを示した平面図である。図7は、キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【0042】
図6に示すように、キーボード6は「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キー111と、エンターキー112、シフトキー113、カーソルキー114等の機能キー115とがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである。そして、遊技中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した文字入力キー111を操作することで文字入力を行い、ゲームを進行させる。そして、遊技開始前や遊技終了後等においてはゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を機能キー115のタイプ(押下)に基づいて行う。また、キーボード6の各種キー内部には発光LEDを備え、CPU51からの制御信号に基づいてキーが様々な態様で発光するように構成されている。
【0043】
ここで、キーボード6のキー内部構造について図7に基づいて説明する。尚、キーボード6に配列された複数のキーはいずれも同様の内部構造を有している。従って、以下にはキーボード6に配列された複数のキーの内、一の文字入力キー111の内部構造を例にして説明することとし、他の文字入力キー111及び機能キー115についての説明は省略する。
【0044】
図7に示すように、文字入力キー111は、ベース板150と、スイッチ回路板151、発光回路板152、キートップ153、付勢機構154、フルカラーLED155等から基本的に構成されている。
この点、ベース板150の上に敷設されているスイッチ回路板151には、キートップ153の中央付近の真下に配置される一対の電極156が設けられている。
また、スイッチ回路板151の上に敷設されている発光回路板152には、上記一対の電極156を露出させるための開口部157が設けられており、その開口部157の周囲には、フルカラーで点灯させることができるフルカラーLED155が設けられている。
【0045】
また、発光回路板152とキートップ153の間には、付勢機構154が設けられており、その付勢機構154によって、スイッチ回路板151の反対側にキートップ153を付勢させている。さらに、キートップ153の中央付近には、スイッチ回路板151の側へ電極158が突設されている。従って、キートップ153を押下操作すれば、キートップ153に突設された電極158をスイッチ回路板151に設けられた一対の電極156に接触させることができるので、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として伝えることができる。即ち、これらの3つの電極156、158によって、キースイッチ159が構成されている。
尚、付勢機構154は、弾性体のみで構成してもよいし、弾性体や架橋機構で構成してもよく、その構成は問わない。
【0046】
また、キートップ153は、透光性を有する材質(例えば、透明アクリル、透明プラスチック等)で形成されており、表面平面部には、文字・数字・記号などのキー情報160が黒色で印刷されている。さらに、発光回路板152のキートップ153側の表面も黒色に印刷されている。
従って、フルカラーLED155が消灯中においては、透光性のキートップ153は、発光回路板152の表面の色である黒色に映るので、その黒色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160が認識しにくくなる。
一方、フルカラーLED155が点灯中においては、透光性のキートップ153は、フルカラーLED155が点灯する色に映るので、その色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160は認識しやすくなる。
【0047】
そして、キーボード6では、各キー内部のキースイッチ159が不図示の発信回路に接続されている。発信回路は、後述するインターフェースユニット52(以下、I/Oと称す)を介して、タイピングゲーム装置1のCPU51に接続されている。従って、この発信回路を介して、押下操作されたキーのキースイッチ159からの電気信号をCPU51に送信することで、押下操作されたキーの種類を特定することができる。尚、発信回路は、上記スイッチ回路板151に搭載されている。
【0048】
また、キーボード6においては、キー内部のフルカラーLED155が発光制御回路62に接続されている。さらに、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されている(図9参照)。従って、この発光制御回路62を介して、当該キー内部のフルカラーLED155をCPU51で特定された色によって点灯させることができる。具体的に本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、タイピングゲーム中において、キー入力があった場合で、且つ正しいタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合で、且つ誤ったタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなかった場合には、入力すべき正しいキーのみを緑色に発光させる。
【0049】
尚、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は図8に示すように、サーバ80に対してインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている。そして、サーバ80から送信されたデータに基づいて、タイピングゲーム装置1のHDD55(図9参照)に記憶された楽曲データを更新することが可能となっている。
従って、楽曲データを更新することによってタイピングゲーム装置1で遊技可能な楽曲の種類を変更することが可能となっており、また、各遊技店に設置されたタイピングゲーム装置を一括に管理することにより、そのデータ更新作業も容易となっている。
【0050】
次に、タイピングゲーム装置1の制御系に係る構成について図9に基づき説明する。図9は本実施形態に係るタイピングゲーム装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
図9に示すように、タイピングゲーム装置1の制御系は、タイピングゲーム装置1における遊技処理動作等の各種制御を司るCPU51と、CPU51に接続されたROM53及びRAM54と、当該CPU51に電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とで構成されている。
【0051】
CPU51は、各種コマンドに従って演算処理を行う中央演算処理装置である。I/O52は、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4、キーボード6、照明装置7、スピーカ8等とCPU51とを直接的、間接的に電気的接続する接続部である。
ROM53は、後述のフローチャートを動作させるための演算プログラムが格納されている不揮発性の読出し専用メモリである。
また、RAM54は、CPU51で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリであり、当該タイピングゲームにおける遊技者のタイプ又は操作部213の入力操作による入力のミス回数、獲得した得点(スコア)、獲得したポイント等についても記憶される。また、RAM54には後述するHDD55に記憶された複数の楽曲データの内、今回のタイピングゲームにおいて使用される楽曲データの歌詞データが分割されて一時的に記憶される。
【0052】
HDD55は、タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲームの実行時に使用される楽曲データが格納されている記憶装置である。ここで、楽曲データは、映像データ、演奏データ、音声データ、歌詞データ、判定基準データ、LED発光パターンデータ、キーボード発光パターンデータ、期限データから構成されており、HDD55内に形成された楽曲データ記憶領域56の各記憶領域に対してそれぞれ記憶されている(図10参照)。
また、楽曲データは楽曲データ記憶領域56に対して複数個(本実施形態では最大で8個)のデータが記憶され、前記したようにサーバ80から送信されるデータに基づいて記憶された各楽曲データが随時更新される。そして、楽曲データ記憶領域56に記憶されている楽曲データの種類に基づいて曲選択画面15(図2参照)で表示される曲名の種類が変化し、曲選択画面15で選択された楽曲に対応する楽曲データに基づいてタイピングゲームが行われる(図3及び図4参照)。
【0053】
ここで、HDD55に形成された楽曲データ記憶領域56について図10を用いてより詳細に説明する。図10は楽曲データ記憶領域を模式的に示す説明図である。
【0054】
図10に示すように、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1の楽曲データ記憶領域56は、記憶可能な楽曲データ数(本実施形態では8曲)に対応する複数の記憶領域(本実施形態では第1記憶領域〜第8記憶領域)により構成され、各記憶領域毎に映像データ記憶領域56A、演奏データ記憶領域56B、音声データ記憶領域56C、歌詞データ記憶領域56D、判定基準データ記憶領域56E、照明装置発光パターンデータ記憶領域56F、キーボード発光パターンデータ記憶領域56G、期限データ記憶領域56Hが設けられている。
【0055】
以下に各記憶領域について説明すると、映像データ記憶領域56Aは、当該楽曲データの内、第2液晶ディスプレイ4に表示されるアーティストのPV映像20(図3(A)及び図4(A)参照)に関する映像データが記憶される記憶領域である。
また、演奏データ記憶領域56Bは当該楽曲データの内、スピーカ8から出力される楽器等による伴奏に関する演奏データが記憶される記憶領域である。
そして、音声データ記憶領域56Cは当該楽曲データの内、スピーカ8から出力されるアーティストが歌唱する歌声に関する音声データが記憶される記憶領域である。
歌詞データ記憶領域56Dは当該楽曲データの内、楽曲の歌詞の文書データに関する歌詞データが記憶される記憶領域である。そして、前記したようにタイピングゲーム実行時には、フレーズ単位の歌詞が第1液晶ディスプレイ3に表示される(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0056】
そして、判定基準データ記憶領域56Eは当該楽曲データの内、タイピングゲーム実行時に、遊技者の入力操作で入力した文字の正誤判定及び入力タイミングの正誤判定の基準に関する判定基準データが記憶された記憶領域である。この判定基準データは、キーボード入力モードにおける判定基準データと、携帯電話入力モードにおける判定基準データとで構成されており、入力方法選択画面11において、入力方法が設定されると、設定された入力方法に応じた判定基準データが読み出される。そして、CPU51は、読み出された判定基準データと、キーボード6又は携帯電話211からの操作信号とに基づいてミス回数、得点、ポイント等を後述のように加算する。
【0057】
また、照明装置発光パターンデータ記憶領域56F及びキーボード発光パターンデータ記憶領域56Gは当該楽曲データの内、照明装置7を発光させる為のLED発光パターンデータ及びキー内部に設けられたフルカラーLED155を発光させる為のキーボード発光パターンデータが記憶された記憶領域である。本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、8つの照明装置7は、記憶されたLED発光パターンデータに基づいてタイピングゲーム実行中に後述する発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(発光色、点灯・消灯)に発光制御される。また、キー内部に設けられたフルカラーLED155は、記憶されたキーボード発光パターンデータに基づいてタイピングゲーム実行中に後述する発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(発光色、点灯・消灯)に発光制御される。
尚、フルカラーLED155の発光パターンとしては、タイピングゲームの初心者のために、入力すべきキーをキーボード6全体の発光色とは異なる発光色で順次点灯させることにより、キー入力を補助する発光パターンや、楽曲のイメージに合わせて、キーボード6に配設された全てのキーの発光色を変更するようなパターンがある。
【0058】
そして、期限データ記憶領域56Hは当該楽曲データの内、楽曲データの使用期限に関する期限データが記憶された記憶領域であり、期限データは楽曲データの使用可能となった日(使用開始日)と、楽曲データが使用不能となる日(使用終了日)の2つの日付データで構成されている。この期限データは、タイマー58(図9参照)とともに各楽曲データの使用期限の管理に用いられ、使用期限の過ぎた楽曲データを用いたタイピングゲームは遊技できないようにCPU51によって制御される。
【0059】
ここで、図9に戻り、タイピングゲーム装置1の制御系について続けて説明する。
ゲーム通信手段57は、タイピングゲーム装置1が送り出す信号を電話回線やLANケーブル等の通信形式に応じ、送信可能な形式の信号に変換し、サーバ80に対して送信するとともに、サーバ80から送信された信号を受信し、タイピングゲーム装置1が読み取れる形式の信号に再度変換する装置であり、サーバ80のサーバ通信手段81とインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている(図8参照)。
【0060】
更に、CPU51には、タイマー58が接続されている。タイマー58の情報はCPU51に送信され、CPU51はタイマー58の情報とHDD55の期限データ記憶領域56Hに記憶された期限データとから、記憶された楽曲データの使用期限の管理を行う。
【0061】
また、表示制御回路60は、I/O52を介して、CPU51と接続されており、CPU51の演算処理結果に応じて、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4の表示内容を制御する部分である。ここで、表示制御回路60は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。そして、プログラムROMには、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、第1液晶ディスプレイ3で表示される曲選択画面15(図2参照)やメインゲーム画面21(図3及び図4参照)等の画像を形成するためのドットデータが格納されている。
そして、画像制御CPUは、CPU51で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行う。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に出力する。
【0062】
音制御回路61は、I/O52を介してCPU51に接続されるとともに、スピーカ8と接続されている。そして、タイピングゲームが実行され、HDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成する演奏データ及び音声データは、音制御回路61により音信号に変換され、スピーカ8より出力される。
【0063】
そして、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されるとともに、照明装置7、及びキー内部に配設されているフルカラーLED155(図7参照)と接続されている。発光制御回路62は、CPU51においてHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成するLED発光パターンデータ及びキーボード発光パターンデータに基づいて、照明装置7及びフルカラーLED155の発光態様を制御する。
【0064】
更に、CPU51には、キーボード6が接続されている。キーボード6の各キー内部に設けられたキースイッチ159は、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として送信する。CPU51は、各キーの押下により各キースイッチ159から出力されるスイッチ信号に基づき、各キーに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0065】
コインセンサ63は、タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲームの実行の対価として用いられるコイン(例えば100円硬貨)を検出するセンサである。コインセンサ63はコイン投入口9の内部に配設され、I/O52を介してCPU51に接続されている。従って、コインセンサ63は、コイン投入口9からのコインの投入に基づいて、コイン投入信号をCPU51に対して発信する。そして、CPU51は所定金額分(例えば200円)に該当するコイン投入信号を検知することにより、タイピングゲームの実行を可能とする。
【0066】
また、カードセンサ64は、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを検知するセンサであり、カードリーダ・ライタ65は、当該ICカードに配設されたICタグに対するデータの読出・書込を行う装置である。カードセンサ64、カードリーダ・ライタ65は、共に、カード挿入口10の内部に配設され、I/O52を介して、CPU51に接続されている。そして、カードセンサ64によりICカードが検出された場合であって、所定の操作が行われた場合には、カードリーダ・ライタ65によってタイピングゲームのゲーム結果をICタグから読み出す(図12のS3)。また、タイピングゲーム終了時にはICタグに対して新たなゲーム結果(獲得した得点やポイント等)の書き込みを行う(図12のS10)。
【0067】
また、外部通信手段202は、タイピングゲーム装置1が送り出す信号を、接続ケーブル201を介して送信可能な形式の信号に変換し、接続ケーブル201に接続された携帯電話211に対して送信すると共に、携帯電話211から接続ケーブル201を介して送信された信号を受信し、タイピングゲーム装置1が読み取れる形式の信号に再度変換する装置である。そして、外部通信手段202は、接続ケーブル201を介して、携帯電話211の外部通信手段214と接続することで、タイピングゲーム装置1と携帯電話211の間で双方向通信を可能とする(図1参照)。
尚、外部通信手段202,214の通信は、接続ケーブル201を用いるのでなく、赤外線などの無線通信により行ってもよい。
【0068】
次に、タイピングゲーム装置1に接続され、タイピングゲームに使用される携帯電話211の制御系について説明する。図11は、携帯電話211の制御系を示すブロック図である。携帯電話211は、携帯電話通信手段218、液晶画面219、携帯電話CPU220、ROM221、RAM222、操作部213、音声制御部223、無線制御部227、受話スピーカ224、通話マイク225、外部通信手段214及び電池226を備えている。
【0069】
携帯電話通信手段218は、携帯電話CPU220、無線制御部227により制御されて、携帯電話通信手段218を通じて電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声制御部223は、携帯電話通信手段218から携帯電話CPU220を通じて出力された受信信号を受話スピーカ224に出力するとともに、通話マイク225から出力された音声信号を送信信号として携帯電話CPU220を通じて携帯電話通信手段218に出力する。
【0070】
受話スピーカ224は、音声制御部223から出力された受信信号を受信音声に変換して出力し、通話マイク225は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声制御部223に出力する。
【0071】
ROM221は、電話の発着信処理、電子メールの作成送受信処理、インターネット処理に関する制御プログラムが記憶される記憶装置である。携帯電話211では、携帯電話CPU220でこれらの制御プログラムを実行することにより各処理が行われている。
RAM222は、携帯電話CPU220で実行された演算結果を一時的に格納する記憶装置である。また、RAM222には、辞書エリア222aが形成されており、電子メールの作成処理において頻繁に使用された単語や文脈などが随時記憶される。従って、この辞書エリア222aを参照することにより、電子メールの作成時や、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1でタイピングゲームを行う際に、頻繁に使用する単語等を最初の1文字を入力するだけで、入力することも可能となる。
電池226は、各回路に電力を供給し、充電端子(図示せず)を介して充電することができる電源装置である。
【0072】
そして、外部通信手段214は、携帯電話211が送り出す信号を、接続ケーブル201を介して送信可能な形式の信号に変換し、接続ケーブル201に接続されたタイピングゲーム装置1に対して送信すると共に、タイピングゲーム装置1から接続ケーブル201を介して送信された信号を受信し、携帯電話211が読み取れる形式の信号に再度変換する装置である。そして、外部通信手段214は、接続ケーブル201を介して、タイピングゲーム装置1の外部通信手段202と接続することで、タイピングゲーム装置1と携帯電話211の間で双方向通信を可能とする(図1参照)。
【0073】
続いて、前記構成を有するタイピングゲーム装置1で行われるメイン処理プログラムについて図12に基づき説明する。図12は、本実施形態に係るタイピングゲーム装置のメイン処理プログラムのフローチャートである。
尚、以下に図12、図13、図15乃至図18、図20にフローチャートで示される各プログラムはタイピングゲーム装置1が備えているROM53やRAM54に記憶されており、CPU51により実行される。
【0074】
図12に示すように、先ず、S1において、CPU51はカードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを判定する。そして、ICカードが挿入されていると判定した場合(S1:YES)には、更に、S2において、遊技者からのデータ内容の確認要求を受けたか否かが判定される。一方、ICカードが投入されていないと判定した場合(S1:NO)には、S4へと移行する。
【0075】
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、コインの投入前で且つ遊技者が所有するICカードをカード挿入口10に投入した状態で、キーボード6のシフトキー113の入力又は携帯電話211それに相当する入力(以後、データ確認操作という)を行うことで、ICカードに記録されたゲーム結果(前回までのゲームにおいて遊技者が獲得した得点やポイント等)の一覧が第1液晶ディスプレイ3に表示され、遊技者はその内容を確認することが可能となる。
従って、S2の判定においては、データ確認操作がなされたか否かが判定され、データ確認操作が行われたと判定された場合(S2:YES)には、カードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグのデータを読み出し、その読み出したデータに基づいて第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果の一覧を表示させる(S3)。
【0076】
また、S4においては、スタート受付処理が行われる。具体的にスタート受付処理では、コイン投入口9に対してコイン(100円硬貨等)が所定金額分(本実施形態では200円分)投入されたか否かを判定する。ここで、所定金額分のコインが投入されるまでの間はデモプレイのゲーム画面、任意の楽曲のPV、宣伝広告、ランキングデータの一覧等からなるデモ画面などをディスプレイに表示するスタンバイ状態で待機される。尚、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63によって検出され、コイン検出信号がCPU51に出力される。これにより、CPU51は遊技者によるコインの投入を判定することができる。
【0077】
続いて、S5においては、タイピングゲームにおける文字の入力方法を決定する入力手段選択処理が行われる。入力手段選択処理(S5)では、今回のタイピングゲームを、キーボード6を使用して行うか、携帯電話211を使用して行うかのいずれかを設定する処理が行われる。
従って、第1液晶ディスプレイ3に入力方法選択画面11(図2(A)参照)が表示され、遊技者は、「キーボード入力モード」と、「携帯電話入力モード」の何れかを選択する。入力方法を選択、設定した後、入力手段選択処理(S5)を終了し、S6に移行する。
尚、入力手段選択処理(S5)については、後に図面を参照して詳細に説明する。
【0078】
そして、S6においては、楽曲選択処理が行われる。楽曲選択処理では、後述のようにHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データの種類に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2(B)参照)を表示させ、今回のゲームで使用する楽曲を設定する。
【0079】
そして、S7では、楽曲選択処理(S6)で設定した楽曲に基づいて、タイピングゲーム実行処理が行われる。タイピングゲーム実行処理では、後述のように、楽曲の演奏とともにキーボード6又は携帯電話211からの入力結果に基づいて、得点やポイント等が加算され、所定の終了条件を満たすまで継続して行われる。
【0080】
その後、タイピングゲーム実行処理(S7)が終了するとゲーム結果表示処理が行われる(S8)。具体的に、ゲーム結果表示処理(S8)では、タイピングゲーム実行処理(S7)のゲームの結果に基づいて、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果画面30(図5参照)を表示させる。ゲーム結果画面30には、RAM54に記憶された今回のタイピングゲームにおけるミス回数と、獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)がそれぞれ表示され、更に遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34が表示される。
【0081】
次に、S9においては、CPU51は、カードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを判定する。そして、ICカードが挿入されていると判定した場合(S9:YES)には、RAM54に記憶された今回のタイピングゲームにおいて獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)がそれぞれカードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグに書き込まれる(S10)。尚、タイピングゲームを「携帯電話入力モード」で実行した場合には、後述するカウンタSの値がICカードに書き込まれる。ICカードにゲーム結果を記録した後、メイン制御処理を終了する。
一方、ICカードが投入されていないと判定した場合(S9:NO)には、そのままメイン制御処理を終了する。
【0082】
次に、上述したメイン制御処理プログラムを構成する各処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、入力手段選択処理(S5)において実行される入力手段選択処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図13は、入力手段設定処理プログラムのフローチャートである。
【0083】
図13に示すように、入力手段選択処理では、先ず、S11において、第1液晶ディスプレイ3に入力方法選択画面11(図2(A)参照)を表示させ、キーボード6による入力を行う「キーボード入力モード」か、携帯電話211による入力を行う「携帯電話入力モード」を、遊技者に選択させる。
【0084】
入力方法選択画面11上で、キーボード6又は携帯電話211で入力選択カーソル14を操作し、「キーボード入力モード」又は「携帯電話入力モード」のいずれかを、遊技者が選択すると、S12に進み、CPU51は、「キーボード入力モード」を選択した否かを判定する。
【0085】
このとき、「キーボード入力モード」を選択したと判定された場合には(S12:YES)、S13に進んで、以後、キーボード6のタイプによる入力を有効とするとともに、携帯電話211による入力を無効とし、「キーボード入力モード」を示す入力方法データをRAM54に格納する。その後に、メイン処理プログラム(図12参照)に復帰する。
一方、携帯電話211による入力を行う「携帯電話入力モード」を選択したと判定された場合には(S12:NO)、S14に進んで、以後、携帯電話211による入力を有効とするとともに、キーボード6による入力を無効とし、「携帯電話入力モード」を示す入力方法データをRAM54に格納する。その後、S15に移行する。
【0086】
S15においては、1度の送信で携帯電話211から送信される文字列の内、タイピングゲームにおいて有効とされる文字数を設定する許容文字数設定処理が行われる。ここで、許容文字設定処理(S15)について、図14を参照しつつ説明する。
上述したように、携帯電話211には、辞書エリア222aが形成されているので、例えば、入力対象となっているフレーズの頭文字の1文字を入力することで、そのフレーズの最初の単語や入力対象となっているフレーズそのものを入力することが可能となる。即ち、1文字入力するだけで、多くの文字入力を正確に実行することが可能となるため、携帯電話211を用いたタイピングゲームの興趣が大幅に損なわれてしまう結果を招くことが想定される。
従って、許容文字数設定処理(S15)により、1度の送信で入力可能な文字数(許容文字数)を制限することにより、携帯電話211により入力操作を行うという携帯電話211を用いたタイピングゲーム独自の興趣を保つことができる。
【0087】
具体的に、許容文字数設定処理(S15)では、ROM53に格納されている許容文字数テーブル(図14参照)と、後述するカウンタSの値に基づいて、許容文字数が設定される。ここで、カウンタSとは、「携帯電話入力モード」でタイピングゲームを実行した場合に、1ずつ加算されるカウンタである(図16のS36)。そして、許容文字数テーブルは、カウンタSの値が大きいほど、一度の送信で入力可能な許容文字数の値も大きくなるように設定されている。
RAM54又はICカードに記憶されているカウンタSの値と、許容文字数テーブルに基づいて、許容文字数を決定すると、決定された許容文字数をRAM54に格納し、許容文字数設定処理(S15)を終了する。許容文字数設定処理(S15)終了後、メイン制御プログラムに戻る。
【0088】
続いて、タイピングゲーム装置1で行われる楽曲選択処理(S6)で実行される楽曲選択処理プログラムについて、図15に基づいて説明する。図15は、本実施形態に係るタイピングゲーム装置の楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【0089】
楽曲選択処理では、先ず、HDD55の楽曲データ記憶領域56から、記憶された楽曲データに係る楽曲の曲名及びアーティスト名(本実施形態では最大で8種類)をそれぞれ取得する(S21)。
【0090】
そして、S21で取得された楽曲の曲名及びアーティスト名に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2(B)参照)を表示させる(S22)。曲選択画面15では、遊技可能曲名表示部16に取得された楽曲名を一覧にして表示し、更に選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名とアーティスト名がそれぞれ表示される。
【0091】
続いて、S23においては、カーソルキー114の入力又はそれに相当する操作部213の入力操作(以後、カーソル移動操作と呼ぶ)がなされたか否かが判定される。ここで、カーソル移動操作がなされたか否かは、キーボード6又は携帯電話211から送信された操作信号に基づいて判定され、カーソル移動操作がなされたと判定された場合(S23:YES)には、カーソル移動操作(上下左右のいずれのキーが押下されたか)に基づいて第1液晶ディスプレイ3に表示された曲選択カーソル17をその押下された方向へ移動させる(S24)。
【0092】
更に、S25では、選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19の表示を、S24で移動された曲選択カーソル17により新たに選択された楽曲に対応する曲名とアーティスト名にそれぞれ変更する。その後、S23の判定処理へと戻る。
【0093】
一方、カーソル移動操作がなされていないと判定された場合(S23:NO)には、続けてS26においてエンターキー112のタイプ又はそれに相当する操作部213の入力操作(以後、決定操作と呼ぶ)がなされたか否かが判定される。そして、決定操作がなされたと判定された場合(S26:YES)には、現在曲選択カーソル17が位置する楽曲が今回のタイピングゲームを行う楽曲として設定され(S27)、後述のタイピングゲームが開始される。
一方、決定操作がなされていないと判定された場合(S26:NO)には、再度S23の判定処理へと戻る。
【0094】
続いて、メイン制御処理プログラムを構成するタイピングゲーム実行処理(S7)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図16は、本実施形態に係るタイピングゲーム装置のタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【0095】
タイピングゲーム実行処理において、CPU51は、先ず、HDD55の楽曲データ記憶領域56の各記憶領域(図10参照)に記憶された楽曲データの内、楽曲選択処理(S6)によって選択された楽曲に対応する楽曲データを読み出す(S31)。ここで、当該楽曲の歌詞データ記憶領域56Dに格納された歌詞データを、フレーズごとに分割してRAM54に一時的に記憶させる。
【0096】
次に、S32においては、CPU51は、第1液晶ディスプレイ3にメインゲーム画面(図3(B)及び図4(B)参照)を表示させる。尚、この時点においては歌詞表示部22及びローマ字表示部23に文字列は表示されておらず、得点表示部27の得点やスコアの表示も「0」となっている。
【0097】
続いて、S33では、CPU51は、RAM54に格納されている入力方法データを参照し、「キーボード入力モード」であるか否かについての判断を行う。現在の入力設定が、「キーボード入力モード」である場合には(S33:YES)、キーボード入力判定処理(S34)に移行する。一方、現在の入力設定が、「携帯電話入力モード」である場合には(S33:NO)、携帯電話入力判定処理(S35)に移行する。
【0098】
そして、S34においては、CPU51は、キーボード入力判定処理(S34)を実行する。キーボード入力判定処理(S34)は、「キーボード入力モード」に基づくタイピングゲームが行われる。即ち、楽曲選択処理(S6)で選択された楽曲の再生と共に、キーボード6による歌詞の入力及び、入力結果の正誤判定、正誤判定に基づくスコア等の算出が行われる。このキーボード入力判定処理(S34)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
キーボード入力判定処理(S34)を終了すると、キーボード入力モードにおけるタイピングゲームを1ゲーム終了したこととなり、タイピングゲーム実行処理(S7)を終了する。
【0099】
一方、S35では、CPU51は、携帯電話入力判定処理(S35)を実行する。携帯電話入力判定処理(S35)は、「携帯電話入力モード」に基づくタイピングゲームが行われる。つまり、楽曲選択処理(S6)で選択された楽曲の再生と共に、携帯電話211による歌詞の入力及び、入力結果の正誤判定、正誤判定に基づくスコア等の算出が行われる。この携帯電話入力判定処理(S35)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
携帯電話入力判定処理(S35)を終了すると、携帯電話入力モードにおけるタイピングゲームを1ゲーム終了したこととなり、S36に移行する。
【0100】
そして、S36では、携帯電話入力モードに基づくタイピングゲームが1ゲーム実行されたことに基づいて、カウンタSの値に1を加算し、RAM54に格納する。このように、携帯電話入力モードに基づくタイピングゲームを実行することにより、カウンタSの値が増加し、携帯電話入力モードにおいて、1度の送信で入力可能な許容文字数を増加させることにより、携帯電話入力モードに基づくタイピングゲームを継続して遊技する動機付けとすることができる。
カウンタSの値に1を加算し、RAM54に格納した後、タイピングゲーム実行処理(S7)を終了する。
【0101】
次に、タイピングゲーム実行処理(S7)中のキーボード入力判定処理(S34)で実行されるキーボード入力判定処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図17は、キーボード入力判定処理プログラムのフローチャートである。
キーボード入力判定処理(S34)に移行すると、先ず、CPU51は、S41において、映像データ記憶領域56Aに記憶された映像データに基づいて、第2液晶ディスプレイ4において選択した楽曲に係るPV映像20の表示を開始する(図3(A)及び図4(A)参照)。
また、スピーカ8を介して演奏データ記憶領域56Bに記憶された演奏データに基づく伴奏の音楽の出力、音声データ記憶領域56Cに記憶された音声データに基づく音声の出力をそれぞれ行う。それにより、楽曲が演奏され、且つそれに合わせてPV映像20が再生されることとなる。
【0102】
次に、S42において、RAM54にフレーズごとに分割されて格納されている歌詞データの1フレーズ分の歌詞を取得し、対応する文字列を楽曲の演奏するテンポに合わせてメインゲーム画面21の歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。それにより、第1液晶ディスプレイ3は楽曲の演奏及び第2液晶ディスプレイ4のPV映像20の表示と並行して、メインゲーム画面21の表示が行われる(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0103】
その後、取得した1フレーズの歌詞データに基づいて1フレーズの文字数nを算出し(S43)、RAM54に格納された任意の変数mに0を代入する(S44)。ここで、任意の変数mは、1フレーズを形成する各文字に対する文字の入力判定に用いられる変数であり、1文字分の入力判定が終了する毎に1ずつ加算される(S51)。従って、以下のS45〜S52において繰り返し行われる各入力判定処理においては、m=t(0≦t≦n−1)のとき、1フレーズの先頭からt+1番目に位置する文字の入力判定が行われることとなる。
【0104】
そして、S45では、キーボード6からの操作信号に基づいて、文字の入力操作がなされたか否かを判定する。入力があったと判定された場合(S45:YES)には、入力されたキーの種類と判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データとに基づいて、入力されたキー又は入力された操作部213の入力操作の正誤判定処理を行う(S46)。
具体的には、メインゲーム画面21のローマ字表示部23(図3(B)及び図4(B)参照)に表示されたローマ字に対応するキーが入力された場合に正しい入力操作であると認識される。そして、対応するキー以外のキーが入力されたと判定された場合にはミス回数を1加算する。その後、S49へと移行する。
【0105】
一方、入力がなかったと判定された場合(S45:NO)には、所定時間(1フレーズの先頭の文字を入力する際にはメインゲーム画面21に対して1フレーズに対応する文字列を表示した(S42)後から、それ以外の文字を入力する際にはスコアの算出処理を行った(S50)後から計測する。)経過したか否かをタイマー58の情報に基づいて判定する(S47)。そして所定時間経過していないと判定した場合(S47:NO)には、S45の判定処理へと戻る。
【0106】
それに対して、所定時間経過していると判定した場合(S47:YES)には、遊技者による入力が行われなかったとして、RAM54に格納された今回のゲームにおけるミス回数を1加算する(S48)。
【0107】
続いて、S49では、キーボード6のキー内部に設けられたフルカラーLED155に基づいてキーの発光処理が行われる。具体的に本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、キー入力があった場合(S45:YES)で、且つ正しいタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合(S45:YES)で、且つ誤ったタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなかった場合(S45:NO)には、入力すべき正しいキーを緑色に発光させる。
【0108】
そして、S50では、正誤判定処理(S46)及びS48の処理結果に基づいて、スコア算出処理が行われる。スコア算出処理(S50)では、RAM54に格納されている今回のゲームにおける遊技者の得点(スコア)が、正誤判定処理(S46)による判定において正しく入力されていると判定された場合に加算され、また演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する文字を入力したと判定した場合には更に得点が加算される。
【0109】
その後、S51においては、RAM54に格納された変数mを読み出して「+1」を加算し、再度格納する。続いて、S34では変数mの値がn−1に到達したか否か、即ち1フレーズを形成する各文字に対する文字の入力判定が全て終了したか否かが判定される(S52)。
【0110】
そして、変数mの値がn−1に到達していないと判定された場合(S52:NO)には、再度S45へと戻り、1フレーズを構成する各文字の内、次の順序に位置する文字の入力判定が行われる。
【0111】
一方、変数mの値がn−1に到達したと判定された場合(S52:YES)には、1フレーズの文字の入力が完了したこととなるので、S53において、ポイント加算処理が行われる。ポイント加算処理(S53)では、1フレーズを構成するn個の文字を入力ミス(所定時間経過による入力ミスの判定(S48)を含む)することなく入力が完了したと判定された場合にポイントを1加算する。
【0112】
更に、S54では、楽曲を構成する複数の曲番(通常、1曲は1〜3番で構成される)の内、いずれかの曲番にあたるステージのフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される。そして、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了していないと判定された場合(S54:NO)には、S42へと戻り、次のフレーズの歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。
それに対して、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了したと判定された場合(S54:YES)には、続けて全ステージ(楽曲の全曲)のフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される(S55)。
【0113】
そして、全ステージが終了したと判定された場合(S55:YES)には、遊技者の所有するポイントに関わらず、キーボード入力判定処理(S34)を終了する。一方、全ステージが終了していないと判定された場合(S55:NO)には、S46やS48で加算された現在までの遊技者の入力ミス回数が所定回数未満であるか否かが判定される(S56)。
本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で次の曲番に係るステージを継続して行うためには遊技開始時からの入力ミス回数が所定回数未満であることが条件となる(例えば、1番に該当する部分を遊技した後に2番を継続して行うのには入力ミス回数20回未満、2番に該当する分を遊技した後に3番を継続して行うのには入力ミス回数35回未満)。
【0114】
そして、S46やS48で加算された遊技者の入力ミス回数が所定回数未満であると判定された場合(S56:YES)には、S42へと戻り、次の曲番の最初のフレーズに該当する歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。そして、同様に入力判定処理を行う。一方、遊技者の入力ミス回数が所定回数以上であると判定された場合(S56:NO)には、キーボード入力判定処理(S34)を終了し、タイピングゲーム実行処理に戻る。
【0115】
次に、タイピングゲーム実行処理(S7)中の携帯電話入力判定処理(S35)で実行される携帯電話入力判定処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図18は、携帯電話入力判定処理プログラムのフローチャートである。
携帯電話入力判定処理(S35)に移行すると、先ず、CPU51は、映像データ記憶領域56Aに記憶された映像データに基づいて、第2液晶ディスプレイ4において選択した楽曲に係るPV映像20の表示を開始する(図3(A)及び図4(A)参照)。
また、スピーカ8を介して演奏データ記憶領域56Bに記憶された演奏データに基づく伴奏の音楽の出力、音声データ記憶領域56Cに記憶された音声データに基づく音声の出力をそれぞれ行う。それにより、楽曲が演奏され、且つそれに合わせてPV映像20が再生されることとなる。
【0116】
次に、S62においては、キーボード入力判定処理(S34)と同様に、当該楽曲の歌詞データをRAM54より取得し、第1液晶ディスプレイ3に表示するが、この携帯電話入力判定処理のS62では、キーボード入力判定処理(S34)とは異なり、3フレーズ分の歌詞データの取得及び第1液晶ディスプレイ3への表示が行われる。
ここで、取得された3フレーズ分の歌詞を、楽曲の進行順に、第1フレーズ、第2フレーズ、第3フレーズと呼ぶ。
そして、RAM54より取得された歌詞データは、第1液晶ディスプレイ3に表示されるのであるが、歌詞表示部22には、第1フレーズ乃至第3フレーズまでの歌詞が1フレーズ毎3行にわたって表示される。一方、ローマ字表示部23には、携帯電話入力モードにおける入力対象となる第3フレーズの歌詞のみがローマ字表記で表示される。
即ち、この携帯電話入力モードでは、キーボード入力モードとは異なり、3フレーズ分の楽曲再生時間を利用して、第3フレーズに該当する歌詞を携帯電話211で入力することにより、タイピングゲームが実行される。
【0117】
その後、S63では、当該楽曲の1ステージを構成するフレーズ数yを算出し、RAM54に格納された任意の変数xに0を代入する(S64)。ここで、任意の変数xは、タイピングゲームの1ステージにおける進行度合を示す変数であり、携帯電話入力モードにおいて、遊技者が或る1フレーズ(即ち、第3フレーズ)を入力する毎に、3ずつ加算される(S72)。従って、以下のS65〜S73においては、RAM54より取得された3フレーズ分の歌詞の内、第3フレーズに該当するフレーズごとに、入力正誤判定が行われることとなる。
【0118】
そして、S65では、携帯電話211から送信される入力データの受信により、第3フレーズの歌詞に対する入力がなされたか否かを判定する。入力があったと判定された場合(S65:YES)には、受信した入力データと、判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データとに基づいて、携帯電話211により入力された入力データの正誤判定処理を行う(S68)。一方、携帯電話211より送信される入力データを受信していない場合には(S65:NO)、S66に移行する。
【0119】
ここで、携帯電話入力モードにおいて、携帯電話211で実行される文字入力処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図19は、携帯電話211の文字入力処理プログラムのフローチャートである。
この文字入力処理は、携帯電話211が、接続ケーブル201を介してタイピングゲーム装置1と接続された状態において、携帯電話モードでのタイピングゲームが実行され、携帯電話入力処理(S35)中のS64の処理を終了すると同時に、携帯電話CPU220により実行されるプログラムである。
【0120】
文字入力処理プログラムが開始されると、先ず、携帯電話CPU220は、操作部213の入力操作に基づいて、携帯電話211において文字入力がされたか否かについての判断を行う(S101)。文字入力がされていない場合には(S101:NO)、携帯電話211での文字入力が行われるまで処理を待機し、文字入力が行われた時点で(S101:YES)、S102に移行する。
【0121】
S102においては、携帯電話CPU220は、辞書エリア検索処理(S102)が行われる。ここで、辞書エリア検索処理(S102)では、S101で入力された文字に基づいて、RAM222に形成され、様々な文字列が記憶されている辞書エリア222aを参照し、当該入力文字と前方一致し、文字の変換候補となる候補文字列を検索するしょりである。例えば、S101において、「さ」を入力した場合には、辞書エリア222aの記憶内容から、文字列の最初の1文字が「さ」である文字列が候補文字列の検索結果となる。又、S101において、続けて「く」を入力した場合には、辞書エリア222aから文字列の最初の2文字が「さく」である文字列が候補文字列となる。
【0122】
次に、S103では、辞書エリア検索処理(S102)の結果、候補文字列となる文字列が辞書エリア222aに記憶されていたか否かについての判断がなされる。候補文字列がある場合には(S103:YES)、候補文字列が携帯電話211の表示画面に表示され、カーソルボタン217、決定ボタン216を操作することにより、任意の候補文字列を選択可能な候補文字列選択処理(S105)に移行する。一方、候補文字列となる文字列が辞書エリア222aに記憶されていない場合には(S103:NO)、S104に移行する。この場合、S104では、S101において入力された文字列をRAM222に格納し、その後、S108に移行する。
【0123】
そして、候補文字列選択処理(S105)の終了後に移行するS106では、候補文字列選択処理(S105)において、候補文字列を選択したか否かについての判断が行われる。候補文字列選択処理(S105)で候補文字列が選択されていた場合には(S106:YES)、選択された候補文字列をRAM222に格納する(S107)。候補文字列をRAM222に格納した後、S108に移行する。一方、候補文字列を選択しなかった場合、即ち、候補文字列となる候補はあったが、入力した文字をそのまま入力したい場合には(S106:NO)、S104に移行する。
【0124】
そして、S108では、携帯電話CPU220は、操作部213により送信操作が行われたか否かについての判断を行う。送信操作が行われた場合には(S108:YES)、RAM222に格納されている入力データを、接続ケーブル201を介して、タイピングゲーム装置1に送信する(S109)。これをもって、携帯電話入力判定処理のS65において、携帯電話211より入力データを受信したと判断される。
一方、操作部213による送信操作が行われていない場合には(S108:NO)、再び、S101に戻り、更に、操作部213を操作し、文字入力を行うことができる。
【0125】
このようにして、携帯電話211より入力データが送信されたことを、CPU51が検知する(S65:YES)と、上述のように、正誤判定処理(S68)に移行する。
ここで、図20を参照しつつ、正誤判定処理(S68)について、詳細に説明する。図20は、正誤判定処理(S68)で実行される正誤判定処理プログラムのフローチャートである。
正誤判定処理(S68)に移行すると、CPU51は、先ず、許容文字数設定処理(S15)で設定された許容文字数をRAM54より読み出し(S81)、受信した入力データを構成する文字数(以下、受信文字数と称す)と、許容文字数とを比較する(S82)。
受信文字数と許容文字数とを比較した結果、受信文字数が許容文字数以上である場合には(S82:YES)、受信した入力データを構成する文字の内、先頭から許容文字数分の文字を、入力の正誤を判定する判定対象データとして設定する(S83)。一方、受信文字数が許容文字数以下の場合には(S82:NO)、受信した入力データを構成する全ての文字を判定対象データに設定する(S84)。
【0126】
S83、S84により、判定対象を設定した後に移行するS85においては、CPU51は、判定基準データ記憶領域56Eから携帯電話モードにおける判定対象データを読み出し、判定対象データの入力内容の正誤を判定する(S85)。即ち、本実施形態においては、第3フレーズに該当する文字列の正誤判定が行われる。
判定対象データ正誤判定(S85)では、前記判定基準データに規定されている正しい入力がされた場合の文字列と、判定対象データが示す文字列とを比較することにより、判定対象データを構成する各文字の正誤判定が行われる。
そして、判定対象データの正誤判定(S85)を終了した後、S86において、CPU51は、判定対象データを構成する全ての文字が正解しているか否かについての判断を行う。判定対象データの全ての文字が正しい場合には、判定対象データを構成する全ての文字に対する判定結果を「PERFECT」として、RAM54に格納する。
一方、判定対象データを構成する全ての文字が正解していない場合、即ち、判定対象データに不正解の文字が含まれている場合には(S86:NO)、判定対象データを構成する文字の内、不正解の文字に対しては、「MISS」の判定結果を関連付け、正解している文字には「GOOD」の判定結果を関連付ける。そして、判定対象データを構成する全ての文字についての判定結果をRAM54に格納するとともに、不正解の文字数分だけミス回数を加算し、RAM54に格納する(S87)。
【0127】
このようにして、正誤判定処理(S68)が行われると、キーボード入力モードにおけるタイピングゲームと同様に、タイプ結果表示部26に遊技者の入力結果が表示される。このとき、RAM54に格納された判定結果がタイプ結果表示部26に表示されるのであるが、タイプ結果表示部26の表示のタイミングは、楽曲の進行に基づいて定められ、当該文字に該当する部分が再生されると同時にタイプ結果表示部26に表示される。
【0128】
ここで、再び、図18に戻り、正誤判定処理(S68)以後の処理について、説明する。正誤判定処理(S68)を終了し、S69に移行すると、CPU51は、正誤判定の対象となりうる第3フレーズを構成する全ての文字について文字データの入力及び正誤判定が終了しているか否かについての判断を行う。第3フレーズを構成する文字全てについての入力、正誤判定が終了している場合には、S70に移行する。一方、第3フレーズを構成する全ての文字の入力、正誤判定が終了していない場合には(S69:NO)、再び、S65に戻る。
【0129】
ここで、S65において、携帯電話211より入力データを受信していないと判断された場合は(S65:NO)、S66において、CPU51は、タイマー58を参照し、所定時間を経過したか否かについての判断を行う。
ここで、携帯電話入力モードにおける所定時間とは、歌詞表示部22に表示されている歌詞部分(第1フレーズ、第2フレーズ、第3フレーズ)が歌唱される時間である。ここで、S66において、所定時間が経過していると判断された場合には(S66:YES)、S67に移行し、第3フレーズを構成する文字の内、未入力である文字数の分だけミス回数を加算して、RAM54に格納する(S67)。一方、所定時間を未だ経過していない場合には(S66:NO)、再びS65に戻り、入力データを携帯電話211より受信するまで処理を待機する。
【0130】
そして、S70では、S67及び正誤判定処理(S68)の処理結果に基づいて、スコア算出処理が行われる。スコア算出処理(S70)では、RAM54に格納されている今回のゲームにおける遊技者の得点(スコア)に、正誤判定処理(S68)による判定結果に応じて適宜加算される。
【0131】
スコア算出処理(S70)を終了した後、S71において、ポイント加算処理が行われる。携帯電話入力モードにおけるポイント加算処理では、第3フレーズに該当するフレーズを構成する全ての文字について、判定結果「PERFECT」を獲得しているか否かでポイントが1加算される。
その後、S72においては、RAM54に格納された変数xを読み出して「+3」を加算し、再度格納する。この点、上述したキーボード入力モードにおいては、1フレーズごとに加算されているが、携帯電話入力モードでは、3フレーズ毎に入力を行いゲームが進行するので、変数xに対しては3ごと加算することになる。
そして、S73では、変数xの値がy−1以上の値であるか否か、即ち1つのステージを形成する全てのフレーズの再生が終了したか否かが判定される。楽曲の1つのステージを構成する部分の再生が終了している場合には(S73:YES)、S74に移行する。一方、楽曲の1つのステージを構成する部分の再生を終了していない場合、即ち、1ステージを構成する全フレーズの内、未だ再生されていないフレーズがある場合には(S73:NO)、S62に再び戻り、次の3フレーズ分の歌詞データを取得し、第1液晶ディスプレイ3に表示する。
【0132】
次に、S74では、全ステージ(楽曲の全曲)のフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される(S74)。全ステージが終了したと判定された場合(S74:YES)には、遊技者の所有するポイントに関わらず、当該タイピングゲーム実行処理(S7)を終了し、ゲーム結果表示処理(S8)へと移行する。一方、全ステージが終了していないと判定された場合(S74:NO)には、S67や正誤判定処理(S68)で加算された現在までの遊技者の入力ミス回数が所定回数未満であるか否かが判定される(S75)。
本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で次の曲番に係るステージを継続して行うためには遊技開始時からの入力ミス回数が所定回数未満であることが条件となる(例えば、1番に該当する部分を遊技した後に2番を継続して行うのには入力ミス回数20回未満、2番に該当する分を遊技した後に3番を継続して行うのには入力ミス回数35回未満)。
【0133】
そして、S67や正誤判定処理(S68)で加算された遊技者の入力ミス回数が所定回数未満であると判定された場合(S75:YES)には、S62へと戻り、次の曲番の最初の3フレーズに該当する歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。
そして、同様に入力判定処理を行う。一方、遊技者の入力ミス回数が所定回数以上であると判定された場合(S75:NO)には、携帯電話入力判定処理(S35)を終了し、ゲーム結果表示処理(S8)へと移行する。
【0134】
以上説明した通り、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は、文字・記号・数字等を選択可能な複数の文字等に対応する複数のボタン212や複数のボタン212で入力された文字等を決定する決定ボタン216が配置された操作部213を有する携帯電話211が外部から接続ケーブル201に接続された場合に、その携帯電話211の操作部213による入力を行うことを選択したときは、その携帯電話211の操作部213の入力操作により入力されたボタン212の種類と判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データとに基づいて、入力されたボタン212の正誤判定処理が行われる。
これにより、その携帯電話211の操作部213の入力操作により入力された文字列がメインゲーム画面21のローマ字表示部23に表示されたローマ字の文字列と一致するか否かが判定され、その判定結果に基づいてタイピングゲームの進行を制御することから、その携帯電話211の操作部213の入力操作により入力される文字列の正誤判定に基づいてタイピングゲームを制御することができる。
【0135】
さらに、辞書エリア222aを用いた文字の入力補助機能により、文字入力のスピードが早くなるので、容易に長文を作成することができるが、この場合においても、許容文字数のみが有効な文字入力として扱われるので、携帯電話211による入力技量の高低を競うというタイピングゲーム本来の娯楽性を損なうことがない。
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、携帯電話入力モードに基づくタイピングゲームを実行した回数に応じて、許容文字数が変更される。この結果、携帯電話入力モードでタイピングゲームを多く遊技することにより、辞書エリア222aの利用する効果が広がり、タイピングゲームを有利に実行することができる。従って、携帯電話211を使用したタイピングゲームに継続性を与えることができる。
【0136】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、許容文字数という文字数による制限をかけていたが、この態様に限定するものではない。例えば、単語数による制限をかけても良い。この場合、カウンタSの値に基づいて、許容される単語数が変動するように構成される。
また、本実施形態においては、携帯電話入力モードによるタイピングゲームの実行に基づいて、許容文字数が変更されるように構成されていたが、これに限定するものではなく、種々の変更をすることができる。例えば、前回の遊技結果に基づいて、許容文字数が変更されるように構成してもよい。この場合、前回の遊技結果が良好な場合に、許容文字数を多くするように構成しても良いし、逆に、遊技結果が良好な場合には許容文字数を少なくし、タイピングゲームの難易度を高くしても良い。即ち、前者の場合には、良好な遊技結果を得た報酬的な性格をもち、後者の場合には、より難易度の高いタイピングゲームへの挑戦権を得ることになる。
【0137】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、第1液晶ディスプレイ3に表示された入力方法選択画面11で、キーボード6のタイプによる入力又は携帯電話211の操作部213の入力操作による入力のいずれかを遊技者が選択することになるが、この点、接続ケーブル201に携帯電話211が接続されている場合には、携帯電話211の操作部213の入力操作による入力が自動的に選択されるようにしてもよい。
【0138】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、携帯電話211を外部から接続するための接続ケーブル201を筐体2に一つだけ設けていたが、この点、携帯電話211の一つの事業者のみに対応できる専用の接続ケーブル201を筐体2に複数設け、第1液晶ディスプレイ3に表示される入力方法選択画面11において、入力に使用する携帯電話211(の事業者)を指定してもよい。
【0139】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、携帯情報端末として、携帯電話211を使用しているが、この点、少なくとも、外部インターフェースと文字入力機能、入力補助機能を備えている携帯情報端末であればよく、例えば、PHSやPDAなどであってもよい。
【0140】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、スピーカ8から楽曲を再生するとともに、流れる楽曲に合わせて歌詞を第1液晶ディスプレイ3上に順次表示させ、遊技者が表示された歌詞の入力を、順次、キーボード6によるタイプで行うことにより、あるいは、外部から接続された携帯電話211の操作部213の入力操作により行うことにより、遊技が行われるように構成されている。この点、単なる所定の文字を第1液晶ディスプレイ3上に順次表示させ、遊技者が表示された文字の入力を、順次、キーボード6によるタイプで行うことにより、あるいは、外部から接続された携帯電話211の操作部213の入力操作により行うことにより、遊技が行われるように構成してもよい。
【0141】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1においては、外部から接続された携帯電話211の操作部213の入力操作により遊技が行われるが、接続ケーブル201を筐体2に内蔵し、携帯電話211をタイピングゲーム装置1に直接接続して遊技が行われるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の斜視図である。
【図2】タイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図3】(A)はタイピングゲーム進行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム進行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図4】(A)はタイピングゲーム進行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム進行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図5】タイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図6】本実施形態に係るタイピングゲーム装置に備えられたキーボードを示した平面図である。
【図7】キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【図8】本実施形態に係るタイピングゲーム装置とサーバとからなるシステムを示したシステムブロック図である。
【図9】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図10】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のHDDの楽曲データ記憶領域を示す模式図である。
【図11】本実施形態に係るタイピングゲーム装置に接続される携帯電話の制御系を示すブロック図である。
【図12】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のメイン処理プログラムのフローチャートである。
【図13】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の入力手段選択処理プログラムのフローチャートである。
【図14】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の許容文字数テーブルの説明図である。
【図15】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【図16】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【図17】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のキーボード入力判定処理プログラムのフローチャートである。
【図18】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の携帯電話入力判定処理プログラムのフローチャートである。
【図19】本実施形態に係るタイピングゲーム装置に接続される携帯電話の文字入力処理プログラムのフローチャートである。
【図20】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の携帯電話入力モードにおける正誤判定処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0143】
1 タイピングゲーム装置
3 第1液晶ディスプレイ
4 第2液晶ディスプレイ
6 キーボード
51 CPU
53 ROM
201 接続ケーブル
211 携帯電話
213 操作部
220 携帯電話CPU
222a 辞書エリア
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された文字列の正誤判定に基づいて遊技を制御するタイピングゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キーボードを用いたゲーム装置としては、例えば、市販のキーボードを取り付ける構造を有したビデオゲーム機や(例えば、特許文献1参照)、タイピングスキルを競うことにより娯楽性を向上させたタイピングゲーム装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−204965号公報
【特許文献2】特開2003−62331号公報
【0003】
一方、携帯情報端末を用いたゲーム装置としては、例えば、携帯電話とコントローラとでゲーム機能を同時に操作できるゲーム機や(例えば、特許文献3参照)、携帯電話を介してネットワークへ接続可能とするテレビゲーム機がある(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献3】特開2001−38057号公報
【特許文献4】特開2002−359660号公報
【0004】
また、携帯情報端末の使用に加えてサーバを利用したゲーム装置としては、例えば、携帯電話を介して送信されたゲーム結果に基づいて専用サイトサーバが作成した攻略方法などを取得できる遊技装置や(例えば、特許文献5参照)、移動体通信端末を介してポイント情報管理機器から購入したポイントに応じてゲームを行うゲーム機がある(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献5】特開2002−177649号公報
【特許文献6】特開2002−126339号公報
【0005】
このように、近年、携帯情報端末である携帯電話を使用できるゲーム装置が開発されているが、これは、携帯電話の普及率が拡大して、携帯電話でのメールやチャットなどを行う機会が増え、携帯電話の文字入力機能を使いこなすことが日常茶飯事になってきていることが、その背景にある。
【0006】
さらに、携帯電話の文字入力機能は、日進月歩で高機能化しており、例えば、その学習機能により、入力頻度の高い文(文字列)は、その最初の1〜2文字を入力するだけで、推測して変換することが可能なほどである。つまり、メールやチャットなどで自分が頻繁に使い込んだ携帯電話は、自分なりの入力方法によって、独自の文字変換機能を有する文字入力機能に育てることができ、よって、その文字入力機能を扱う習熟度は相当に高くなってきている
【0007】
従って、一般の人々からすれば、携帯電話の方がキーボードよりも身近な存在であるので、最近は、携帯電話のボタンで入力するスキルの方が、キーボードのキーをタイピングするスキルよりも重要となり、携帯電話の操作部で入力するスキルの向上・マスター・競争を目的にしつつ娯楽性に富んだタイピングゲーム装置に対するニーズが十二分にあると考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、タイピングゲーム装置において、携帯電話を使用してタイピングゲームを実行した場合には、上述の学習機能による問題点が生じることも想定される。
即ち、前記学習機能を利用することにより、入力頻度の高い文(文字列)を、その最初の1〜2文字を入力するだけで推測して変換することが可能となるが、この点、最初の1〜2文字を入力するだけで、正確な文章を入力することが可能となってしまい、携帯電話の操作部における入力スキルの向上・マスター・競争を目的とするタイピングゲームの目的に反したものとなってしまう。
更に、この場合に、従来どおりに、前記学習機能を使用しないでタイピングゲームを実行した遊技者と、学習機能を利用してタイピングゲームを実行した遊技者との間で、タイピングゲームの難易度に大きな差が生じてしまう。この点、入力スキルの競争という娯楽性を大きく損なう結果となってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、携帯情報端末により入力される文字列の正誤判定に基づいて遊技を制御するタイピングゲーム装置に関し、学習機能を有する携帯情報端末を使用した場合にも娯楽性を損なわないタイピングゲーム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、遊技の進行に係る所定の文字列が表示される表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4)と、文字列を入力する入力手段(例えば、キーボード6)と、前記入力手段により入力された文字列を判定対象とし、前記判定対象が前記表示手段に表示された所定の文字列と一致するか否かを判定する正誤判定手段(例えば、CPU51)と、前記正誤判定手段の判定結果に基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU51)と、を有するタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム装置1)において、文字や記号を入力可能な操作手段(例えば、操作部213)と、複数の文字列が記憶された文字列記憶手段(例えば、辞書エリア222a)と、前記文字列記憶手段から、前記操作手段の操作に対応する文字列を検索する文字列検索手段(例えば、携帯電話CPU220)と、を有する携帯情報端末(例えば、携帯電話211)が接続される接続手段(例えば、接続ケーブル201)と、前記接続手段に接続された携帯情報端末の前記操作手段を前記入力手段として取り扱う取扱手段(例えば、CPU51)と、前記携帯情報端末の前記操作手段により入力された文字列の制限基準を規定した制限基準データが記憶された記憶手段(例えば、ROM53)と、前記制限基準データに基づいて、前記文字列を構成する一部の文字列を判定対象とする判定対象制限手段(例えば、CPU51)と、を備えたことを特徴する。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム装置1)において、前記判定対象制限手段に用いる制限基準データを変更する制限基準変更手段(例えば、CPU51)と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
すなわち、本発明のタイピングゲーム装置では、文字や記号を入力可能な操作手段を有する携帯情報端末が接続され、その携帯情報端末の操作手段により入力された文字列が所定の文字列と一致するか否かを判定し、その判定結果に基づいて遊技の進行を制御することから、携帯情報端末により入力される文字列の正誤判定に基づいて遊技を制御することができる。
ここで、携帯情報端末には、文字列記憶手段と、文字列検索手段が配設されているので、文字列の入力を補助し、容易に長い文字列を作成することができる。この場合であっても、本発明に係るタイピングゲーム装置は、判定対象制限手段により、長い文字列を部分的に判定対象とするので、タイピングゲームが本来有する娯楽性を損なうことなく、携帯情報端末の操作手段での技量を競うことができる。
更に、制限基準変更手段により、長い文字列を作成した場合に、判定対象となる文字数を変更することができる。例えば、携帯情報端末による遊技を複数回行った者に対して、判定対象となる文字数を多くなるようにすることで、タイピングゲームを有利に進めることができるという特典が得られるようになる。このように、制限基準変更手段により、制限基準データを変更することで、タイピングゲーム装置に係る遊技に継続性をもたせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るタイピングゲーム装置についてゲームセンター等に設置される筐体型のタイピングゲーム装置に具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置は、スピーカから楽曲を再生するとともに、流れる楽曲に合わせて歌詞をディスプレイ上に順次表示させ、遊技者が、キーボード或いは外部から接続された携帯電話により、順次、表示された歌詞の入力操作を行うことで遊技が進行するように構成されている。
更に実施されるタイピングゲームは再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であるときに次の曲番に該当するステージへと進み、継続してタイピングゲームを行うことができるように構成されている。
尚、説明の便宜上、遊技者が表示された歌詞の入力を、順次、外部から接続された携帯電話での操作部による入力操作により遊技が行われる場合であっても、キーボードでの入力操作により遊技が行われる場合と同様に、タイピングゲームと呼ぶ。
【0014】
先ず、本実施形態に係るタイピングゲーム装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るタイピングゲーム装置の斜視図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は、タイピングゲーム装置1の外形を構成する筐体2と、メインのゲーム画面(図3(B)及び図4(B)参照)が表示される第1液晶ディスプレイ3と、第1液晶ディスプレイ3の上方に位置し、プロモーションビデオや広告等の演出に係る画像(図3(A)及び図4(A)参照)が表示される第2液晶ディスプレイ4と、第1液晶ディスプレイ3の下方に設けられコインやカードの投入口が形成されたセンターパネル5と、遊技者がタイプを行うキーボード6と、第1液晶ディスプレイ3の左右に設けられた照明装置7と、第2液晶ディスプレイ4の左右側部に配置された一対のスピーカ8と、携帯電話211を外部から接続する接続ケーブル201などから基本的に構成されている。以下に各構成要素について説明する。
【0016】
第1液晶ディスプレイ3は、筐体2の正面側略中央部に所定角度傾斜して配置された液晶ディスプレイであり、所定角度で後方に傾斜して配設されている。
そして、第1液晶ディスプレイ3では、タイピングゲーム実行時においてスピーカ8を介して再生される楽曲の歌詞、遊技者のキーボード6のタイプによる入力結果(携帯電話211での操作部による入力操作による入力結果も含む)、それに伴う得点等の当該タイピングゲームの進行に係る遊技情報(ゲームの進行にあたり遊技者が必要な情報)の表示が行われる(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0017】
一方、第1液晶ディスプレイ3の上方に別途配置された第2液晶ディスプレイ4は、第1液晶ディスプレイ3と同様の液晶ディスプレイであるが、第2液晶ディスプレイ4ではタイピングゲーム実行時においてタイピングゲームの演出に関する演出画像を表示する。
ここで、第2液晶ディスプレイ4で表示される演出画像は、前記第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容と異なり、遊技者によるゲームの進行には直接必要とされないもので、タイピングゲームを盛り上げるための補助的な役割を有する。
例えば、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、楽曲としてある歌手の楽曲が再生され、遊技者は楽曲の歌詞をキーボード6又は携帯電話211による入力に基づいて、ゲームが進行する。この時、第2液晶ディスプレイ4には、その楽曲に係るプロモーションビデオ(以下、PVと略す)が表示される(図3(A)及び図4(A)参照)。従って、楽曲の演奏とともにアーティストの歌唱する姿が表示された臨場感のある状況下においてのタイピングゲームが可能となり、遊技者を飽きさせることがない。
尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される表示内容については後に詳細に説明する。
【0018】
また、センターパネル5にはコイン投入口9及びカード挿入口10が設けられている。コイン投入口9は、100円硬貨等のコインが投入される投入口である。コイン投入口9には、コインセンサ63が配置されており、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63を介してコイン検出信号がCPU51に出力される(図9参照)。これにより、CPU51は、コインが投入されたことを検出する。
【0019】
また、カード挿入口10は、タイピングゲームのゲーム結果が記録されるICタグが内蔵されたICカード(図示せず)が挿入される挿入口である。このカード挿入口10の内部には、後述するカードセンサ64と、カードリーダ・ライタ65とが配設されており(図9参照)、ICカードがカード挿入口10に挿入されている場合には、カードセンサ64によってその旨を検出する。ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1で使用されるICカードは、内蔵されたICタグに所有する遊技者の前回までのゲームにおけるゲーム結果(獲得した得点(スコア)やポイント等)を記憶し、その記憶されたゲーム結果を所定の操作を行うことによって遊技者に表示可能としたものである。
即ち、カードセンサ64によりICカードが検出された場合に、カードリーダ・ライタ65は、ICタグからのタイピングゲームのゲーム結果の読み出し、又はICタグに対する新たなゲーム結果の書き込み等を行う(図12のS3、S10)。
【0020】
また、キーボード6は、筐体2の正面に手前側に突出して配設されており、後述するように「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キーやエンターキー、カーソルキー等の機能キーがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである(図6参照)。そして、ゲーム中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した各キーを操作して文字入力を行い、ゲームを進行させる。又、遊技開始前や遊技終了後等においては、ゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を各キーの操作に基づいて行う。尚、キーボードの構成については後に詳細に説明する。
【0021】
筐体2の正面側両端には、一対の照明装置7が配設されており、各照明装置7は、円筒状の透明部材と、フルカラーで点灯可能な24個のフルカラーLEDと、光遮断部材とから構成されている。
円筒状の透明部材は、レンチキュラーレンズを円筒状に形成したものであり、その円筒の長手方向を上下にして筐体2に固定されている。また、光遮断部材には、その長手方向に等間隔をもって、24個のフルカラーLEDが固着されている。そして、透明部材の内部には、フルカラーLEDが固着された光遮断部材が挿設される。従って、照明装置7の内部には、24個のフルカラーLEDが等間隔で配設された状態となる。
このような構成の照明装置7において、一のフルカラーLEDが発光すると、透明部材のレンチキュラーレンズの効果により、外部からは、左右方向に寝かされた状態の一のリング状の発光態様(以下、「発光リング」という)を表現することができる。
即ち、24個のフルカラーLEDの発光態様を制御することにより、発光リングを最大で24個上下方向に積み重ねられた状態で表現することができ、タイピングゲーム装置1で再生される楽曲に応じて多様な照明演出を行ったり、遊技者のタイプ経過に応じた照明演出を行ったりすることができる。例えば、照明演出としては、発光リングの位置や照明色を変更する演出や、発光リングの位置や照明色の変更を一定の規則に応じて行う演出、発光リングの点灯・消灯による演出などが可能である。
【0022】
また、接続ケーブル201は、筐体2の一側面に突出して配設されており、携帯電話211を外部から接続するものである。この点、携帯電話211には、上記キーボード6の文字入力キー等の機能キーとしての役割を果たす複数のボタン212や、決定ボタン216、カーソルボタン217をそれぞれ配列した操作部213が設けられている。従って、接続ケーブル201に携帯電話211が接続されている場合には、遊技者は、文字、記号、数字等に対応した各ボタン212で選択し、決定ボタン216で決定する操作を操作部213で入力操作することにより文字入力を行い、ゲームを進行させることができる。又、遊技開始前や遊技終了後等においては、各ボタン212及び決定ボタン216で選択・決定する操作に基づいて、ゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を行うことができる。
尚、これらの指令は、カーソルボタン217による操作部213での入力操作でも行うこと可能である。即ち、携帯電話211は、上記キーボード6のタイプと同様な入力を行うことができるが、どちらの入力を有効・無効にするかについては後述する。
そして、この外部接続は、遊技者が、接続ケーブル201の先端に設けられた端子204を携帯電話211の本体に設けられた端子215に嵌め込むことにより行われる。即ち、接続ケーブル201は、遊技者によって、携帯電話211を着けたり外したりすることができる。
【0023】
また、第2液晶ディスプレイ4の左右両側には、スピーカ8が配設されている。スピーカ8は、タイピングゲーム装置1において再生される楽曲や効果音等を出力する出力装置である。具体的には、タイピングゲーム実行時において、HDD55(図9参照)に記憶された楽曲の音声データ、演奏データに基づいて、指定されたテンポで音楽及び音声を出力する。
【0024】
次に、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される各表示内容について図2乃至図5を用いて詳細に説明する。尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4により表示される表示内容は、タイピングゲーム開始前、タイピングゲーム実行中、タイピングゲーム終了後の3パターンから基本的に構成される。
図2(A)、図2(B)は、タイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図であり、図3(A)及び図4(A)は、タイピングゲーム実行中において第2液晶ディスプレイ4に表示される表示内容を示した模式図である。又、図3(B)及び図4(B)は、タイピングゲーム実行中において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図であり、図5は、タイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。
【0025】
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は、キーボード6若しくは携帯電話211の操作部213により、演奏される楽曲の歌詞を入力することでタイピングゲームが行われる。
そして、タイピングゲームについて具体的に説明すると、先ず、キーボード6若しくは携帯電話211の何れの入力方法でゲームを行うかを選択すると共に、遊技者が用意された複数の楽曲の中から遊技を希望する楽曲を選択する。そして、タイピングゲームが開始されると、当該選択した楽曲の伴奏音楽にあたる演奏データと、当該楽曲のアーティストの歌声にあたる音声データが再生される。更に、当該楽曲の演奏データ及び音声データの再生に伴い、遊技者が入力すべき文字列として楽曲の歌詞が表示される。
ここで、キーボード6による入力で、タイピングゲームが実行されている場合には、第1液晶ディスプレイ3には、楽曲の1フレーズの歌詞に対応する文字列をキーボード6により入力することで、タイピングゲームは進行する。遊技終了時には、タイピングの正確性、入力したタイミング等のタイピングに係る各要素に基づいて、タイピングゲームの成績(タイプ又は操作部213での入力操作による入力のミス回数、獲得した得点、ポイント等)が算定され、表示される。
一方、携帯電話211を用いた入力で、タイピングゲームが実行されている場合には、第1液晶ディスプレイ3には、楽曲の3フレーズ分の歌詞が表示される。そして、この時、遊技者は、表示されている3フレーズ分の楽曲が再生されている間に、3番目のフレーズに該当する文字列を入力することでタイピングゲームが進行する。そして、遊技終了時には、タイピングの正確性、入力したタイミング等のタイピングに係る各要素に基づいて、タイピングゲームの成績(タイプ又は操作部213での入力操作による入力のミス回数、獲得した得点、ポイント等)が算定され、表示される。
即ち、当該タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲームは、ゲーム中に演奏される楽曲を楽しみながら、キーボード6によるタイピング又は携帯電話211による操作部213での入力などの入力に係る技量の高低を競うものである。
【0026】
ここで、タイピングゲーム開始前における表示内容について図2を用いて説明する。図2(A)に示すように、コイン投入口9に所定金額分のコインを投入した後であって、タイピングゲーム開始前の第1液晶ディスプレイ3においては、先ず、今回のタイピングゲームにおける入力方法を選択する入力方法選択画面11が表示される。
入力方法選択画面11は、キーボード6よる入力でタイピングゲームを実行する「キーボード入力モード」を表示したキーボード入力選択部12と、携帯電話211の操作部213による入力でタイピングゲームを実行する「携帯電話入力モード」を表示した携帯電話入力選択部13と、キーボード入力選択部12又は携帯電話入力選択部13のいずれかを選択可能な入力選択カーソル14とから構成されている。
【0027】
そして、入力選択カーソル14は、キーボード6のカーソルキー114(図6参照)の操作又はそれに相当する携帯電話211の操作部213(図1参照)の入力操作によって、キーボード入力選択部12の上又は携帯電話入力選択部13の上を上下に移動可能となっている。そして、入力選択カーソル14を、キーボード入力選択部12又は携帯電話入力選択部13のいずれかに位置させた状態で、決定操作(キーボード6の場合、エンターキー112(図6参照)の入力、携帯電話211の場合、決定ボタン216の入力)を行うことで、入力選択カーソル14で選択されている入力方法に設定することができる。
【0028】
入力方法選択画面11において、今回のタイピングゲームにおける入力方法を選択すると、第1液晶ディスプレイ3には、当該タイピングゲーム装置1によって遊技可能な楽曲の一覧を示す曲選択画面15が表示される。
曲選択画面15は、遊技することが可能な楽曲の曲名を表示した遊技可能曲名表示部16と、遊技可能曲名表示部16のいずれかを選択可能な曲選択カーソル17と、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名が表示される選択曲名表示部18と、選択カーソルによって選択されている楽曲のアーティスト名が表示される選択アーティスト名表示部19とから構成されている。
【0029】
遊技可能曲名表示部16は、現在のタイピングゲーム装置1において遊技可能な楽曲(本実施形態では最大で8曲)の曲名をそれぞれ示したものである。ここで、遊技可能曲名表示部16によって表示される遊技可能な楽曲とは、後述のHDD55に楽曲データが記憶されている楽曲であり(図9、図10参照)、更に記憶された楽曲データはサーバ80(図8参照)によって管理され、順次更新されている。従って、遊技者はサーバ80によって更新された最新の楽曲を含む複数の楽曲の中から選択して遊技することが可能となっている。尚、遊技可能曲名表示部16には曲名のみではなく、アーティストの写真やPVを表示するようにしても良い。
【0030】
また、曲選択カーソル17はキーボード6のカーソルキー114(図6参照)のタイプ又はそれに相当する携帯電話211の操作部213(図1参照)での入力操作によって遊技可能曲名表示部16上を上下左右に移動可能となっており、選択曲名表示部18と選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17が現在位置する遊技可能曲名表示部16の楽曲の曲名とアーティスト名が表示される。
そして、曲選択カーソル17を遊技可能曲名表示部16上に位置させた状態で決定操作(キーボード6の場合、エンターキー112(図6参照)の入力、携帯電話211の場合、決定ボタン216の入力)を行うことで、遊技を行う楽曲が決定され、タイピングゲームが開始される。尚、これらの操作は、カーソルボタン217により行うようにしてもよい。
【0031】
次に、タイピングゲーム実行中における表示内容について図3及び図4を用いて説明する。図3(A)及び(B)は、男性アーティストによる所定の楽曲Aを前記曲選択画面15で選択してタイピングゲームを開始した場合、図4(A)及び(B)は、女性アーティストによる所定の楽曲Bを前記曲選択画面15で選択してタイピングゲームを開始した場合における第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4のそれぞれの表示内容を示すものである。
【0032】
図3(A)に示すように、例えば楽曲Aを選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4には、スピーカ8を介して演奏される楽曲Aを歌唱する男性アーティストのPV映像20が表示される。一方、図4(A)に示すように、例えば楽曲Bを選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4には、スピーカ8を介して演奏される楽曲Bを歌唱する女性アーティストのPV映像20が表示される。
一方、図3(B)及び図4(B)に示すように第1液晶ディスプレイ3には、第2液晶ディスプレイ4によるPV映像20の表示と並行して、タイピングゲームの進行に係るメインゲーム画面21が表示される。
【0033】
ここで、メインゲーム画面21は、現在演奏されている楽曲の歌詞を漢字やかな等により表示する歌詞表示部22と、前記歌詞表示部22に表示され、その時点で入力対象となっている1フレーズの歌詞を別途ローマ字により表示するローマ字表示部23と、現在、歌詞表示部22及びローマ字表示部23で表示する歌詞のフレーズが何番目の曲番(第何ステージ)で更に当該曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示する楽曲状況表示部25と、遊技者の入力操作による入力の正誤判定結果を表示するタイプ結果表示部26と、現在までに遊技者が獲得した得点(スコア)、ポイント等を表示する得点表示部27と、現在演奏しているアーティストの氏名及び曲名が表示される曲情報表示部28とから構成されている。
【0034】
歌詞表示部22は、現在演奏されている楽曲の歌詞が表示される表示部である。ここで、「キーボード入力モード」でタイピングゲームが実行されている場合には、歌詞表示部22には、1フレーズ分の歌詞が表示される。一方、「携帯電話入力モード」でタイピングゲームが実行されている場合には、3フレーズ分の歌詞が表示される。ここで、この3フレーズ分の歌詞を、楽曲の進行順に、第1フレーズ、第2フレーズ、第3フレーズと呼ぶこととする。
【0035】
ローマ字表示部23は、歌詞表示部22と同様に、現在演奏されている楽曲の歌詞を表示する部分であるが、ローマ字表示部23では、現在入力対象となっている歌詞の1フレーズ分をローマ字表記により表示する。即ち、「キーボード入力モード」の場合には、歌詞表示部22に表示されている1フレーズ分がローマ字表記に変換して表示する。一方、「携帯電話入力モード」の場合には、歌詞表示部22に表示される3フレーズ分の歌詞のうち、最後に再生されるフレーズ(第3フレーズ)をローマ字表記に変換して表示する。
ここで、ローマ字表示部23において、ローマ字表記で表示された歌詞の内、既に遊技者が入力した文字列23Aを入力前の文字列23Bと比較して下段に移動して表示させる。これにより、現在までにタイプ又は操作部213の入力操作で入力した文字を遊技者に対して報知することが可能となっている。
【0036】
また、楽曲状況表示部25は、現在、タイピングゲーム装置1で演奏されている部分が、当該楽曲の何番の曲番であり、且つ曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示するものである。
ここで、本実施形態に係るタイピングゲームは再生される楽曲の曲番(例えば、1曲は1〜3番で構成される)の数に合わせて複数のステージ(例えば、第1〜第3ステージで構成される)から構成されている。例えば、図3(B)では、第1ステージの15番目のフレーズを現在表示していることを示している。また、図4(B)では第2ステージの5番目のフレーズを現在表示していることを示している。
そして、楽曲データの1フレーズの再生が終了する毎にそのフレーズ数を示す数値25Aが1ずつ加算され、1ステージ分の楽曲の再生が終了する毎にそのステージ数(曲番)を示す数値25Bが1ずつ加算される。それによって、現在のステージ数(曲番)と現在までに再生終了したフレーズの数を遊技者に対して報知することが可能となっている。
【0037】
タイプ結果表示部26は、遊技者のタイプ又は操作部213の入力操作による入力の正誤判定結果を表示する表示部である。ここでキーボード6での入力に基づいて、タイピングゲームが行われている場合には、演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する正しい文字をキーボード6で入力した場合には「PERFECT」が表示される。また、演奏される楽曲の音声と異なるタイミングで正しい文字をキーボード6で入力した場合には「GOOD」が表示される。そして、タイミングに関わらず誤った文字をキーボード6で入力した場合には「MISS」が表示される。
一方、携帯電話211での入力に基づいてタイピングゲームが実行される場合には、入力された文字が全て正しい場合には、「PERFECT」、正しい入力とミス入力が混在している場合には、「GOOD」が表示される。そして、全ての入力文字がミス入力である場合(所定時間中に文字入力が行われなかった場合を含む)には、「MISS」は表示される。
【0038】
得点表示部27は、現在までに遊技者の獲得した得点(スコア)及びポイントを表示する表示部である。ここで、得点(スコア)は、ローマ字表示部23に表示された文字列に従って正しくタイプすることにより加算される。一方、ポイントは1フレーズ分の文章をタイプミスすることなく入力した場合に1ポイントずつ加算される(図17のS53、図18のS71)。
そして、ゲームが終了するまで当該得点(スコア)とポイントの加算が行われ、前記ICカードをセンターパネル5のカード挿入口10に投入していた場合には、ゲーム終了時にその獲得した得点(スコア)及びポイントがICカードに記憶される。
【0039】
また、曲情報表示部28にはゲーム開始時において遊技者が選択し、現在演奏されている楽曲の曲名とアーティストの氏名がそれぞれ表示される。
【0040】
そして、図5に示すようにタイピングゲームが終了した後においては、第1液晶ディスプレイ3には、今回のタイピングゲームのゲーム結果を示すゲーム結果画面30が表示される。
ゲーム結果画面30は、今回のタイピングゲームにおける入力のミス回数を表示したミス回数表示部31と、獲得したポイントを表示した獲得ポイント表示部32と、獲得した得点(スコア)を表示した獲得得点表示部33と、遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34とから構成されている。ゲーム結果画面30を参照することにより、遊技者は今回のタイピングゲームにおいてミスした回数、獲得したポイント及び得点(スコア)をそれぞれ認知することが可能となる。
【0041】
続いて、タイピングゲーム装置1に備えられたキーボード6について図6及び図7を用いて説明する。図6は本実施形態に係るタイピングゲーム装置に備えられたキーボードを示した平面図である。図7は、キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【0042】
図6に示すように、キーボード6は「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キー111と、エンターキー112、シフトキー113、カーソルキー114等の機能キー115とがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである。そして、遊技中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した文字入力キー111を操作することで文字入力を行い、ゲームを進行させる。そして、遊技開始前や遊技終了後等においてはゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を機能キー115のタイプ(押下)に基づいて行う。また、キーボード6の各種キー内部には発光LEDを備え、CPU51からの制御信号に基づいてキーが様々な態様で発光するように構成されている。
【0043】
ここで、キーボード6のキー内部構造について図7に基づいて説明する。尚、キーボード6に配列された複数のキーはいずれも同様の内部構造を有している。従って、以下にはキーボード6に配列された複数のキーの内、一の文字入力キー111の内部構造を例にして説明することとし、他の文字入力キー111及び機能キー115についての説明は省略する。
【0044】
図7に示すように、文字入力キー111は、ベース板150と、スイッチ回路板151、発光回路板152、キートップ153、付勢機構154、フルカラーLED155等から基本的に構成されている。
この点、ベース板150の上に敷設されているスイッチ回路板151には、キートップ153の中央付近の真下に配置される一対の電極156が設けられている。
また、スイッチ回路板151の上に敷設されている発光回路板152には、上記一対の電極156を露出させるための開口部157が設けられており、その開口部157の周囲には、フルカラーで点灯させることができるフルカラーLED155が設けられている。
【0045】
また、発光回路板152とキートップ153の間には、付勢機構154が設けられており、その付勢機構154によって、スイッチ回路板151の反対側にキートップ153を付勢させている。さらに、キートップ153の中央付近には、スイッチ回路板151の側へ電極158が突設されている。従って、キートップ153を押下操作すれば、キートップ153に突設された電極158をスイッチ回路板151に設けられた一対の電極156に接触させることができるので、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として伝えることができる。即ち、これらの3つの電極156、158によって、キースイッチ159が構成されている。
尚、付勢機構154は、弾性体のみで構成してもよいし、弾性体や架橋機構で構成してもよく、その構成は問わない。
【0046】
また、キートップ153は、透光性を有する材質(例えば、透明アクリル、透明プラスチック等)で形成されており、表面平面部には、文字・数字・記号などのキー情報160が黒色で印刷されている。さらに、発光回路板152のキートップ153側の表面も黒色に印刷されている。
従って、フルカラーLED155が消灯中においては、透光性のキートップ153は、発光回路板152の表面の色である黒色に映るので、その黒色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160が認識しにくくなる。
一方、フルカラーLED155が点灯中においては、透光性のキートップ153は、フルカラーLED155が点灯する色に映るので、その色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160は認識しやすくなる。
【0047】
そして、キーボード6では、各キー内部のキースイッチ159が不図示の発信回路に接続されている。発信回路は、後述するインターフェースユニット52(以下、I/Oと称す)を介して、タイピングゲーム装置1のCPU51に接続されている。従って、この発信回路を介して、押下操作されたキーのキースイッチ159からの電気信号をCPU51に送信することで、押下操作されたキーの種類を特定することができる。尚、発信回路は、上記スイッチ回路板151に搭載されている。
【0048】
また、キーボード6においては、キー内部のフルカラーLED155が発光制御回路62に接続されている。さらに、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されている(図9参照)。従って、この発光制御回路62を介して、当該キー内部のフルカラーLED155をCPU51で特定された色によって点灯させることができる。具体的に本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、タイピングゲーム中において、キー入力があった場合で、且つ正しいタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合で、且つ誤ったタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなかった場合には、入力すべき正しいキーのみを緑色に発光させる。
【0049】
尚、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は図8に示すように、サーバ80に対してインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている。そして、サーバ80から送信されたデータに基づいて、タイピングゲーム装置1のHDD55(図9参照)に記憶された楽曲データを更新することが可能となっている。
従って、楽曲データを更新することによってタイピングゲーム装置1で遊技可能な楽曲の種類を変更することが可能となっており、また、各遊技店に設置されたタイピングゲーム装置を一括に管理することにより、そのデータ更新作業も容易となっている。
【0050】
次に、タイピングゲーム装置1の制御系に係る構成について図9に基づき説明する。図9は本実施形態に係るタイピングゲーム装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
図9に示すように、タイピングゲーム装置1の制御系は、タイピングゲーム装置1における遊技処理動作等の各種制御を司るCPU51と、CPU51に接続されたROM53及びRAM54と、当該CPU51に電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とで構成されている。
【0051】
CPU51は、各種コマンドに従って演算処理を行う中央演算処理装置である。I/O52は、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4、キーボード6、照明装置7、スピーカ8等とCPU51とを直接的、間接的に電気的接続する接続部である。
ROM53は、後述のフローチャートを動作させるための演算プログラムが格納されている不揮発性の読出し専用メモリである。
また、RAM54は、CPU51で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリであり、当該タイピングゲームにおける遊技者のタイプ又は操作部213の入力操作による入力のミス回数、獲得した得点(スコア)、獲得したポイント等についても記憶される。また、RAM54には後述するHDD55に記憶された複数の楽曲データの内、今回のタイピングゲームにおいて使用される楽曲データの歌詞データが分割されて一時的に記憶される。
【0052】
HDD55は、タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲームの実行時に使用される楽曲データが格納されている記憶装置である。ここで、楽曲データは、映像データ、演奏データ、音声データ、歌詞データ、判定基準データ、LED発光パターンデータ、キーボード発光パターンデータ、期限データから構成されており、HDD55内に形成された楽曲データ記憶領域56の各記憶領域に対してそれぞれ記憶されている(図10参照)。
また、楽曲データは楽曲データ記憶領域56に対して複数個(本実施形態では最大で8個)のデータが記憶され、前記したようにサーバ80から送信されるデータに基づいて記憶された各楽曲データが随時更新される。そして、楽曲データ記憶領域56に記憶されている楽曲データの種類に基づいて曲選択画面15(図2参照)で表示される曲名の種類が変化し、曲選択画面15で選択された楽曲に対応する楽曲データに基づいてタイピングゲームが行われる(図3及び図4参照)。
【0053】
ここで、HDD55に形成された楽曲データ記憶領域56について図10を用いてより詳細に説明する。図10は楽曲データ記憶領域を模式的に示す説明図である。
【0054】
図10に示すように、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1の楽曲データ記憶領域56は、記憶可能な楽曲データ数(本実施形態では8曲)に対応する複数の記憶領域(本実施形態では第1記憶領域〜第8記憶領域)により構成され、各記憶領域毎に映像データ記憶領域56A、演奏データ記憶領域56B、音声データ記憶領域56C、歌詞データ記憶領域56D、判定基準データ記憶領域56E、照明装置発光パターンデータ記憶領域56F、キーボード発光パターンデータ記憶領域56G、期限データ記憶領域56Hが設けられている。
【0055】
以下に各記憶領域について説明すると、映像データ記憶領域56Aは、当該楽曲データの内、第2液晶ディスプレイ4に表示されるアーティストのPV映像20(図3(A)及び図4(A)参照)に関する映像データが記憶される記憶領域である。
また、演奏データ記憶領域56Bは当該楽曲データの内、スピーカ8から出力される楽器等による伴奏に関する演奏データが記憶される記憶領域である。
そして、音声データ記憶領域56Cは当該楽曲データの内、スピーカ8から出力されるアーティストが歌唱する歌声に関する音声データが記憶される記憶領域である。
歌詞データ記憶領域56Dは当該楽曲データの内、楽曲の歌詞の文書データに関する歌詞データが記憶される記憶領域である。そして、前記したようにタイピングゲーム実行時には、フレーズ単位の歌詞が第1液晶ディスプレイ3に表示される(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0056】
そして、判定基準データ記憶領域56Eは当該楽曲データの内、タイピングゲーム実行時に、遊技者の入力操作で入力した文字の正誤判定及び入力タイミングの正誤判定の基準に関する判定基準データが記憶された記憶領域である。この判定基準データは、キーボード入力モードにおける判定基準データと、携帯電話入力モードにおける判定基準データとで構成されており、入力方法選択画面11において、入力方法が設定されると、設定された入力方法に応じた判定基準データが読み出される。そして、CPU51は、読み出された判定基準データと、キーボード6又は携帯電話211からの操作信号とに基づいてミス回数、得点、ポイント等を後述のように加算する。
【0057】
また、照明装置発光パターンデータ記憶領域56F及びキーボード発光パターンデータ記憶領域56Gは当該楽曲データの内、照明装置7を発光させる為のLED発光パターンデータ及びキー内部に設けられたフルカラーLED155を発光させる為のキーボード発光パターンデータが記憶された記憶領域である。本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、8つの照明装置7は、記憶されたLED発光パターンデータに基づいてタイピングゲーム実行中に後述する発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(発光色、点灯・消灯)に発光制御される。また、キー内部に設けられたフルカラーLED155は、記憶されたキーボード発光パターンデータに基づいてタイピングゲーム実行中に後述する発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(発光色、点灯・消灯)に発光制御される。
尚、フルカラーLED155の発光パターンとしては、タイピングゲームの初心者のために、入力すべきキーをキーボード6全体の発光色とは異なる発光色で順次点灯させることにより、キー入力を補助する発光パターンや、楽曲のイメージに合わせて、キーボード6に配設された全てのキーの発光色を変更するようなパターンがある。
【0058】
そして、期限データ記憶領域56Hは当該楽曲データの内、楽曲データの使用期限に関する期限データが記憶された記憶領域であり、期限データは楽曲データの使用可能となった日(使用開始日)と、楽曲データが使用不能となる日(使用終了日)の2つの日付データで構成されている。この期限データは、タイマー58(図9参照)とともに各楽曲データの使用期限の管理に用いられ、使用期限の過ぎた楽曲データを用いたタイピングゲームは遊技できないようにCPU51によって制御される。
【0059】
ここで、図9に戻り、タイピングゲーム装置1の制御系について続けて説明する。
ゲーム通信手段57は、タイピングゲーム装置1が送り出す信号を電話回線やLANケーブル等の通信形式に応じ、送信可能な形式の信号に変換し、サーバ80に対して送信するとともに、サーバ80から送信された信号を受信し、タイピングゲーム装置1が読み取れる形式の信号に再度変換する装置であり、サーバ80のサーバ通信手段81とインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている(図8参照)。
【0060】
更に、CPU51には、タイマー58が接続されている。タイマー58の情報はCPU51に送信され、CPU51はタイマー58の情報とHDD55の期限データ記憶領域56Hに記憶された期限データとから、記憶された楽曲データの使用期限の管理を行う。
【0061】
また、表示制御回路60は、I/O52を介して、CPU51と接続されており、CPU51の演算処理結果に応じて、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4の表示内容を制御する部分である。ここで、表示制御回路60は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。そして、プログラムROMには、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、第1液晶ディスプレイ3で表示される曲選択画面15(図2参照)やメインゲーム画面21(図3及び図4参照)等の画像を形成するためのドットデータが格納されている。
そして、画像制御CPUは、CPU51で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行う。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に出力する。
【0062】
音制御回路61は、I/O52を介してCPU51に接続されるとともに、スピーカ8と接続されている。そして、タイピングゲームが実行され、HDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成する演奏データ及び音声データは、音制御回路61により音信号に変換され、スピーカ8より出力される。
【0063】
そして、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されるとともに、照明装置7、及びキー内部に配設されているフルカラーLED155(図7参照)と接続されている。発光制御回路62は、CPU51においてHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成するLED発光パターンデータ及びキーボード発光パターンデータに基づいて、照明装置7及びフルカラーLED155の発光態様を制御する。
【0064】
更に、CPU51には、キーボード6が接続されている。キーボード6の各キー内部に設けられたキースイッチ159は、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として送信する。CPU51は、各キーの押下により各キースイッチ159から出力されるスイッチ信号に基づき、各キーに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0065】
コインセンサ63は、タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲームの実行の対価として用いられるコイン(例えば100円硬貨)を検出するセンサである。コインセンサ63はコイン投入口9の内部に配設され、I/O52を介してCPU51に接続されている。従って、コインセンサ63は、コイン投入口9からのコインの投入に基づいて、コイン投入信号をCPU51に対して発信する。そして、CPU51は所定金額分(例えば200円)に該当するコイン投入信号を検知することにより、タイピングゲームの実行を可能とする。
【0066】
また、カードセンサ64は、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを検知するセンサであり、カードリーダ・ライタ65は、当該ICカードに配設されたICタグに対するデータの読出・書込を行う装置である。カードセンサ64、カードリーダ・ライタ65は、共に、カード挿入口10の内部に配設され、I/O52を介して、CPU51に接続されている。そして、カードセンサ64によりICカードが検出された場合であって、所定の操作が行われた場合には、カードリーダ・ライタ65によってタイピングゲームのゲーム結果をICタグから読み出す(図12のS3)。また、タイピングゲーム終了時にはICタグに対して新たなゲーム結果(獲得した得点やポイント等)の書き込みを行う(図12のS10)。
【0067】
また、外部通信手段202は、タイピングゲーム装置1が送り出す信号を、接続ケーブル201を介して送信可能な形式の信号に変換し、接続ケーブル201に接続された携帯電話211に対して送信すると共に、携帯電話211から接続ケーブル201を介して送信された信号を受信し、タイピングゲーム装置1が読み取れる形式の信号に再度変換する装置である。そして、外部通信手段202は、接続ケーブル201を介して、携帯電話211の外部通信手段214と接続することで、タイピングゲーム装置1と携帯電話211の間で双方向通信を可能とする(図1参照)。
尚、外部通信手段202,214の通信は、接続ケーブル201を用いるのでなく、赤外線などの無線通信により行ってもよい。
【0068】
次に、タイピングゲーム装置1に接続され、タイピングゲームに使用される携帯電話211の制御系について説明する。図11は、携帯電話211の制御系を示すブロック図である。携帯電話211は、携帯電話通信手段218、液晶画面219、携帯電話CPU220、ROM221、RAM222、操作部213、音声制御部223、無線制御部227、受話スピーカ224、通話マイク225、外部通信手段214及び電池226を備えている。
【0069】
携帯電話通信手段218は、携帯電話CPU220、無線制御部227により制御されて、携帯電話通信手段218を通じて電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声制御部223は、携帯電話通信手段218から携帯電話CPU220を通じて出力された受信信号を受話スピーカ224に出力するとともに、通話マイク225から出力された音声信号を送信信号として携帯電話CPU220を通じて携帯電話通信手段218に出力する。
【0070】
受話スピーカ224は、音声制御部223から出力された受信信号を受信音声に変換して出力し、通話マイク225は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声制御部223に出力する。
【0071】
ROM221は、電話の発着信処理、電子メールの作成送受信処理、インターネット処理に関する制御プログラムが記憶される記憶装置である。携帯電話211では、携帯電話CPU220でこれらの制御プログラムを実行することにより各処理が行われている。
RAM222は、携帯電話CPU220で実行された演算結果を一時的に格納する記憶装置である。また、RAM222には、辞書エリア222aが形成されており、電子メールの作成処理において頻繁に使用された単語や文脈などが随時記憶される。従って、この辞書エリア222aを参照することにより、電子メールの作成時や、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1でタイピングゲームを行う際に、頻繁に使用する単語等を最初の1文字を入力するだけで、入力することも可能となる。
電池226は、各回路に電力を供給し、充電端子(図示せず)を介して充電することができる電源装置である。
【0072】
そして、外部通信手段214は、携帯電話211が送り出す信号を、接続ケーブル201を介して送信可能な形式の信号に変換し、接続ケーブル201に接続されたタイピングゲーム装置1に対して送信すると共に、タイピングゲーム装置1から接続ケーブル201を介して送信された信号を受信し、携帯電話211が読み取れる形式の信号に再度変換する装置である。そして、外部通信手段214は、接続ケーブル201を介して、タイピングゲーム装置1の外部通信手段202と接続することで、タイピングゲーム装置1と携帯電話211の間で双方向通信を可能とする(図1参照)。
【0073】
続いて、前記構成を有するタイピングゲーム装置1で行われるメイン処理プログラムについて図12に基づき説明する。図12は、本実施形態に係るタイピングゲーム装置のメイン処理プログラムのフローチャートである。
尚、以下に図12、図13、図15乃至図18、図20にフローチャートで示される各プログラムはタイピングゲーム装置1が備えているROM53やRAM54に記憶されており、CPU51により実行される。
【0074】
図12に示すように、先ず、S1において、CPU51はカードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを判定する。そして、ICカードが挿入されていると判定した場合(S1:YES)には、更に、S2において、遊技者からのデータ内容の確認要求を受けたか否かが判定される。一方、ICカードが投入されていないと判定した場合(S1:NO)には、S4へと移行する。
【0075】
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、コインの投入前で且つ遊技者が所有するICカードをカード挿入口10に投入した状態で、キーボード6のシフトキー113の入力又は携帯電話211それに相当する入力(以後、データ確認操作という)を行うことで、ICカードに記録されたゲーム結果(前回までのゲームにおいて遊技者が獲得した得点やポイント等)の一覧が第1液晶ディスプレイ3に表示され、遊技者はその内容を確認することが可能となる。
従って、S2の判定においては、データ確認操作がなされたか否かが判定され、データ確認操作が行われたと判定された場合(S2:YES)には、カードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグのデータを読み出し、その読み出したデータに基づいて第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果の一覧を表示させる(S3)。
【0076】
また、S4においては、スタート受付処理が行われる。具体的にスタート受付処理では、コイン投入口9に対してコイン(100円硬貨等)が所定金額分(本実施形態では200円分)投入されたか否かを判定する。ここで、所定金額分のコインが投入されるまでの間はデモプレイのゲーム画面、任意の楽曲のPV、宣伝広告、ランキングデータの一覧等からなるデモ画面などをディスプレイに表示するスタンバイ状態で待機される。尚、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63によって検出され、コイン検出信号がCPU51に出力される。これにより、CPU51は遊技者によるコインの投入を判定することができる。
【0077】
続いて、S5においては、タイピングゲームにおける文字の入力方法を決定する入力手段選択処理が行われる。入力手段選択処理(S5)では、今回のタイピングゲームを、キーボード6を使用して行うか、携帯電話211を使用して行うかのいずれかを設定する処理が行われる。
従って、第1液晶ディスプレイ3に入力方法選択画面11(図2(A)参照)が表示され、遊技者は、「キーボード入力モード」と、「携帯電話入力モード」の何れかを選択する。入力方法を選択、設定した後、入力手段選択処理(S5)を終了し、S6に移行する。
尚、入力手段選択処理(S5)については、後に図面を参照して詳細に説明する。
【0078】
そして、S6においては、楽曲選択処理が行われる。楽曲選択処理では、後述のようにHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データの種類に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2(B)参照)を表示させ、今回のゲームで使用する楽曲を設定する。
【0079】
そして、S7では、楽曲選択処理(S6)で設定した楽曲に基づいて、タイピングゲーム実行処理が行われる。タイピングゲーム実行処理では、後述のように、楽曲の演奏とともにキーボード6又は携帯電話211からの入力結果に基づいて、得点やポイント等が加算され、所定の終了条件を満たすまで継続して行われる。
【0080】
その後、タイピングゲーム実行処理(S7)が終了するとゲーム結果表示処理が行われる(S8)。具体的に、ゲーム結果表示処理(S8)では、タイピングゲーム実行処理(S7)のゲームの結果に基づいて、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果画面30(図5参照)を表示させる。ゲーム結果画面30には、RAM54に記憶された今回のタイピングゲームにおけるミス回数と、獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)がそれぞれ表示され、更に遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34が表示される。
【0081】
次に、S9においては、CPU51は、カードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを判定する。そして、ICカードが挿入されていると判定した場合(S9:YES)には、RAM54に記憶された今回のタイピングゲームにおいて獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)がそれぞれカードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグに書き込まれる(S10)。尚、タイピングゲームを「携帯電話入力モード」で実行した場合には、後述するカウンタSの値がICカードに書き込まれる。ICカードにゲーム結果を記録した後、メイン制御処理を終了する。
一方、ICカードが投入されていないと判定した場合(S9:NO)には、そのままメイン制御処理を終了する。
【0082】
次に、上述したメイン制御処理プログラムを構成する各処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、入力手段選択処理(S5)において実行される入力手段選択処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図13は、入力手段設定処理プログラムのフローチャートである。
【0083】
図13に示すように、入力手段選択処理では、先ず、S11において、第1液晶ディスプレイ3に入力方法選択画面11(図2(A)参照)を表示させ、キーボード6による入力を行う「キーボード入力モード」か、携帯電話211による入力を行う「携帯電話入力モード」を、遊技者に選択させる。
【0084】
入力方法選択画面11上で、キーボード6又は携帯電話211で入力選択カーソル14を操作し、「キーボード入力モード」又は「携帯電話入力モード」のいずれかを、遊技者が選択すると、S12に進み、CPU51は、「キーボード入力モード」を選択した否かを判定する。
【0085】
このとき、「キーボード入力モード」を選択したと判定された場合には(S12:YES)、S13に進んで、以後、キーボード6のタイプによる入力を有効とするとともに、携帯電話211による入力を無効とし、「キーボード入力モード」を示す入力方法データをRAM54に格納する。その後に、メイン処理プログラム(図12参照)に復帰する。
一方、携帯電話211による入力を行う「携帯電話入力モード」を選択したと判定された場合には(S12:NO)、S14に進んで、以後、携帯電話211による入力を有効とするとともに、キーボード6による入力を無効とし、「携帯電話入力モード」を示す入力方法データをRAM54に格納する。その後、S15に移行する。
【0086】
S15においては、1度の送信で携帯電話211から送信される文字列の内、タイピングゲームにおいて有効とされる文字数を設定する許容文字数設定処理が行われる。ここで、許容文字設定処理(S15)について、図14を参照しつつ説明する。
上述したように、携帯電話211には、辞書エリア222aが形成されているので、例えば、入力対象となっているフレーズの頭文字の1文字を入力することで、そのフレーズの最初の単語や入力対象となっているフレーズそのものを入力することが可能となる。即ち、1文字入力するだけで、多くの文字入力を正確に実行することが可能となるため、携帯電話211を用いたタイピングゲームの興趣が大幅に損なわれてしまう結果を招くことが想定される。
従って、許容文字数設定処理(S15)により、1度の送信で入力可能な文字数(許容文字数)を制限することにより、携帯電話211により入力操作を行うという携帯電話211を用いたタイピングゲーム独自の興趣を保つことができる。
【0087】
具体的に、許容文字数設定処理(S15)では、ROM53に格納されている許容文字数テーブル(図14参照)と、後述するカウンタSの値に基づいて、許容文字数が設定される。ここで、カウンタSとは、「携帯電話入力モード」でタイピングゲームを実行した場合に、1ずつ加算されるカウンタである(図16のS36)。そして、許容文字数テーブルは、カウンタSの値が大きいほど、一度の送信で入力可能な許容文字数の値も大きくなるように設定されている。
RAM54又はICカードに記憶されているカウンタSの値と、許容文字数テーブルに基づいて、許容文字数を決定すると、決定された許容文字数をRAM54に格納し、許容文字数設定処理(S15)を終了する。許容文字数設定処理(S15)終了後、メイン制御プログラムに戻る。
【0088】
続いて、タイピングゲーム装置1で行われる楽曲選択処理(S6)で実行される楽曲選択処理プログラムについて、図15に基づいて説明する。図15は、本実施形態に係るタイピングゲーム装置の楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【0089】
楽曲選択処理では、先ず、HDD55の楽曲データ記憶領域56から、記憶された楽曲データに係る楽曲の曲名及びアーティスト名(本実施形態では最大で8種類)をそれぞれ取得する(S21)。
【0090】
そして、S21で取得された楽曲の曲名及びアーティスト名に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2(B)参照)を表示させる(S22)。曲選択画面15では、遊技可能曲名表示部16に取得された楽曲名を一覧にして表示し、更に選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名とアーティスト名がそれぞれ表示される。
【0091】
続いて、S23においては、カーソルキー114の入力又はそれに相当する操作部213の入力操作(以後、カーソル移動操作と呼ぶ)がなされたか否かが判定される。ここで、カーソル移動操作がなされたか否かは、キーボード6又は携帯電話211から送信された操作信号に基づいて判定され、カーソル移動操作がなされたと判定された場合(S23:YES)には、カーソル移動操作(上下左右のいずれのキーが押下されたか)に基づいて第1液晶ディスプレイ3に表示された曲選択カーソル17をその押下された方向へ移動させる(S24)。
【0092】
更に、S25では、選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19の表示を、S24で移動された曲選択カーソル17により新たに選択された楽曲に対応する曲名とアーティスト名にそれぞれ変更する。その後、S23の判定処理へと戻る。
【0093】
一方、カーソル移動操作がなされていないと判定された場合(S23:NO)には、続けてS26においてエンターキー112のタイプ又はそれに相当する操作部213の入力操作(以後、決定操作と呼ぶ)がなされたか否かが判定される。そして、決定操作がなされたと判定された場合(S26:YES)には、現在曲選択カーソル17が位置する楽曲が今回のタイピングゲームを行う楽曲として設定され(S27)、後述のタイピングゲームが開始される。
一方、決定操作がなされていないと判定された場合(S26:NO)には、再度S23の判定処理へと戻る。
【0094】
続いて、メイン制御処理プログラムを構成するタイピングゲーム実行処理(S7)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図16は、本実施形態に係るタイピングゲーム装置のタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【0095】
タイピングゲーム実行処理において、CPU51は、先ず、HDD55の楽曲データ記憶領域56の各記憶領域(図10参照)に記憶された楽曲データの内、楽曲選択処理(S6)によって選択された楽曲に対応する楽曲データを読み出す(S31)。ここで、当該楽曲の歌詞データ記憶領域56Dに格納された歌詞データを、フレーズごとに分割してRAM54に一時的に記憶させる。
【0096】
次に、S32においては、CPU51は、第1液晶ディスプレイ3にメインゲーム画面(図3(B)及び図4(B)参照)を表示させる。尚、この時点においては歌詞表示部22及びローマ字表示部23に文字列は表示されておらず、得点表示部27の得点やスコアの表示も「0」となっている。
【0097】
続いて、S33では、CPU51は、RAM54に格納されている入力方法データを参照し、「キーボード入力モード」であるか否かについての判断を行う。現在の入力設定が、「キーボード入力モード」である場合には(S33:YES)、キーボード入力判定処理(S34)に移行する。一方、現在の入力設定が、「携帯電話入力モード」である場合には(S33:NO)、携帯電話入力判定処理(S35)に移行する。
【0098】
そして、S34においては、CPU51は、キーボード入力判定処理(S34)を実行する。キーボード入力判定処理(S34)は、「キーボード入力モード」に基づくタイピングゲームが行われる。即ち、楽曲選択処理(S6)で選択された楽曲の再生と共に、キーボード6による歌詞の入力及び、入力結果の正誤判定、正誤判定に基づくスコア等の算出が行われる。このキーボード入力判定処理(S34)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
キーボード入力判定処理(S34)を終了すると、キーボード入力モードにおけるタイピングゲームを1ゲーム終了したこととなり、タイピングゲーム実行処理(S7)を終了する。
【0099】
一方、S35では、CPU51は、携帯電話入力判定処理(S35)を実行する。携帯電話入力判定処理(S35)は、「携帯電話入力モード」に基づくタイピングゲームが行われる。つまり、楽曲選択処理(S6)で選択された楽曲の再生と共に、携帯電話211による歌詞の入力及び、入力結果の正誤判定、正誤判定に基づくスコア等の算出が行われる。この携帯電話入力判定処理(S35)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
携帯電話入力判定処理(S35)を終了すると、携帯電話入力モードにおけるタイピングゲームを1ゲーム終了したこととなり、S36に移行する。
【0100】
そして、S36では、携帯電話入力モードに基づくタイピングゲームが1ゲーム実行されたことに基づいて、カウンタSの値に1を加算し、RAM54に格納する。このように、携帯電話入力モードに基づくタイピングゲームを実行することにより、カウンタSの値が増加し、携帯電話入力モードにおいて、1度の送信で入力可能な許容文字数を増加させることにより、携帯電話入力モードに基づくタイピングゲームを継続して遊技する動機付けとすることができる。
カウンタSの値に1を加算し、RAM54に格納した後、タイピングゲーム実行処理(S7)を終了する。
【0101】
次に、タイピングゲーム実行処理(S7)中のキーボード入力判定処理(S34)で実行されるキーボード入力判定処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図17は、キーボード入力判定処理プログラムのフローチャートである。
キーボード入力判定処理(S34)に移行すると、先ず、CPU51は、S41において、映像データ記憶領域56Aに記憶された映像データに基づいて、第2液晶ディスプレイ4において選択した楽曲に係るPV映像20の表示を開始する(図3(A)及び図4(A)参照)。
また、スピーカ8を介して演奏データ記憶領域56Bに記憶された演奏データに基づく伴奏の音楽の出力、音声データ記憶領域56Cに記憶された音声データに基づく音声の出力をそれぞれ行う。それにより、楽曲が演奏され、且つそれに合わせてPV映像20が再生されることとなる。
【0102】
次に、S42において、RAM54にフレーズごとに分割されて格納されている歌詞データの1フレーズ分の歌詞を取得し、対応する文字列を楽曲の演奏するテンポに合わせてメインゲーム画面21の歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。それにより、第1液晶ディスプレイ3は楽曲の演奏及び第2液晶ディスプレイ4のPV映像20の表示と並行して、メインゲーム画面21の表示が行われる(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0103】
その後、取得した1フレーズの歌詞データに基づいて1フレーズの文字数nを算出し(S43)、RAM54に格納された任意の変数mに0を代入する(S44)。ここで、任意の変数mは、1フレーズを形成する各文字に対する文字の入力判定に用いられる変数であり、1文字分の入力判定が終了する毎に1ずつ加算される(S51)。従って、以下のS45〜S52において繰り返し行われる各入力判定処理においては、m=t(0≦t≦n−1)のとき、1フレーズの先頭からt+1番目に位置する文字の入力判定が行われることとなる。
【0104】
そして、S45では、キーボード6からの操作信号に基づいて、文字の入力操作がなされたか否かを判定する。入力があったと判定された場合(S45:YES)には、入力されたキーの種類と判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データとに基づいて、入力されたキー又は入力された操作部213の入力操作の正誤判定処理を行う(S46)。
具体的には、メインゲーム画面21のローマ字表示部23(図3(B)及び図4(B)参照)に表示されたローマ字に対応するキーが入力された場合に正しい入力操作であると認識される。そして、対応するキー以外のキーが入力されたと判定された場合にはミス回数を1加算する。その後、S49へと移行する。
【0105】
一方、入力がなかったと判定された場合(S45:NO)には、所定時間(1フレーズの先頭の文字を入力する際にはメインゲーム画面21に対して1フレーズに対応する文字列を表示した(S42)後から、それ以外の文字を入力する際にはスコアの算出処理を行った(S50)後から計測する。)経過したか否かをタイマー58の情報に基づいて判定する(S47)。そして所定時間経過していないと判定した場合(S47:NO)には、S45の判定処理へと戻る。
【0106】
それに対して、所定時間経過していると判定した場合(S47:YES)には、遊技者による入力が行われなかったとして、RAM54に格納された今回のゲームにおけるミス回数を1加算する(S48)。
【0107】
続いて、S49では、キーボード6のキー内部に設けられたフルカラーLED155に基づいてキーの発光処理が行われる。具体的に本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、キー入力があった場合(S45:YES)で、且つ正しいタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合(S45:YES)で、且つ誤ったタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなかった場合(S45:NO)には、入力すべき正しいキーを緑色に発光させる。
【0108】
そして、S50では、正誤判定処理(S46)及びS48の処理結果に基づいて、スコア算出処理が行われる。スコア算出処理(S50)では、RAM54に格納されている今回のゲームにおける遊技者の得点(スコア)が、正誤判定処理(S46)による判定において正しく入力されていると判定された場合に加算され、また演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する文字を入力したと判定した場合には更に得点が加算される。
【0109】
その後、S51においては、RAM54に格納された変数mを読み出して「+1」を加算し、再度格納する。続いて、S34では変数mの値がn−1に到達したか否か、即ち1フレーズを形成する各文字に対する文字の入力判定が全て終了したか否かが判定される(S52)。
【0110】
そして、変数mの値がn−1に到達していないと判定された場合(S52:NO)には、再度S45へと戻り、1フレーズを構成する各文字の内、次の順序に位置する文字の入力判定が行われる。
【0111】
一方、変数mの値がn−1に到達したと判定された場合(S52:YES)には、1フレーズの文字の入力が完了したこととなるので、S53において、ポイント加算処理が行われる。ポイント加算処理(S53)では、1フレーズを構成するn個の文字を入力ミス(所定時間経過による入力ミスの判定(S48)を含む)することなく入力が完了したと判定された場合にポイントを1加算する。
【0112】
更に、S54では、楽曲を構成する複数の曲番(通常、1曲は1〜3番で構成される)の内、いずれかの曲番にあたるステージのフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される。そして、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了していないと判定された場合(S54:NO)には、S42へと戻り、次のフレーズの歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。
それに対して、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了したと判定された場合(S54:YES)には、続けて全ステージ(楽曲の全曲)のフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される(S55)。
【0113】
そして、全ステージが終了したと判定された場合(S55:YES)には、遊技者の所有するポイントに関わらず、キーボード入力判定処理(S34)を終了する。一方、全ステージが終了していないと判定された場合(S55:NO)には、S46やS48で加算された現在までの遊技者の入力ミス回数が所定回数未満であるか否かが判定される(S56)。
本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で次の曲番に係るステージを継続して行うためには遊技開始時からの入力ミス回数が所定回数未満であることが条件となる(例えば、1番に該当する部分を遊技した後に2番を継続して行うのには入力ミス回数20回未満、2番に該当する分を遊技した後に3番を継続して行うのには入力ミス回数35回未満)。
【0114】
そして、S46やS48で加算された遊技者の入力ミス回数が所定回数未満であると判定された場合(S56:YES)には、S42へと戻り、次の曲番の最初のフレーズに該当する歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。そして、同様に入力判定処理を行う。一方、遊技者の入力ミス回数が所定回数以上であると判定された場合(S56:NO)には、キーボード入力判定処理(S34)を終了し、タイピングゲーム実行処理に戻る。
【0115】
次に、タイピングゲーム実行処理(S7)中の携帯電話入力判定処理(S35)で実行される携帯電話入力判定処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図18は、携帯電話入力判定処理プログラムのフローチャートである。
携帯電話入力判定処理(S35)に移行すると、先ず、CPU51は、映像データ記憶領域56Aに記憶された映像データに基づいて、第2液晶ディスプレイ4において選択した楽曲に係るPV映像20の表示を開始する(図3(A)及び図4(A)参照)。
また、スピーカ8を介して演奏データ記憶領域56Bに記憶された演奏データに基づく伴奏の音楽の出力、音声データ記憶領域56Cに記憶された音声データに基づく音声の出力をそれぞれ行う。それにより、楽曲が演奏され、且つそれに合わせてPV映像20が再生されることとなる。
【0116】
次に、S62においては、キーボード入力判定処理(S34)と同様に、当該楽曲の歌詞データをRAM54より取得し、第1液晶ディスプレイ3に表示するが、この携帯電話入力判定処理のS62では、キーボード入力判定処理(S34)とは異なり、3フレーズ分の歌詞データの取得及び第1液晶ディスプレイ3への表示が行われる。
ここで、取得された3フレーズ分の歌詞を、楽曲の進行順に、第1フレーズ、第2フレーズ、第3フレーズと呼ぶ。
そして、RAM54より取得された歌詞データは、第1液晶ディスプレイ3に表示されるのであるが、歌詞表示部22には、第1フレーズ乃至第3フレーズまでの歌詞が1フレーズ毎3行にわたって表示される。一方、ローマ字表示部23には、携帯電話入力モードにおける入力対象となる第3フレーズの歌詞のみがローマ字表記で表示される。
即ち、この携帯電話入力モードでは、キーボード入力モードとは異なり、3フレーズ分の楽曲再生時間を利用して、第3フレーズに該当する歌詞を携帯電話211で入力することにより、タイピングゲームが実行される。
【0117】
その後、S63では、当該楽曲の1ステージを構成するフレーズ数yを算出し、RAM54に格納された任意の変数xに0を代入する(S64)。ここで、任意の変数xは、タイピングゲームの1ステージにおける進行度合を示す変数であり、携帯電話入力モードにおいて、遊技者が或る1フレーズ(即ち、第3フレーズ)を入力する毎に、3ずつ加算される(S72)。従って、以下のS65〜S73においては、RAM54より取得された3フレーズ分の歌詞の内、第3フレーズに該当するフレーズごとに、入力正誤判定が行われることとなる。
【0118】
そして、S65では、携帯電話211から送信される入力データの受信により、第3フレーズの歌詞に対する入力がなされたか否かを判定する。入力があったと判定された場合(S65:YES)には、受信した入力データと、判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データとに基づいて、携帯電話211により入力された入力データの正誤判定処理を行う(S68)。一方、携帯電話211より送信される入力データを受信していない場合には(S65:NO)、S66に移行する。
【0119】
ここで、携帯電話入力モードにおいて、携帯電話211で実行される文字入力処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図19は、携帯電話211の文字入力処理プログラムのフローチャートである。
この文字入力処理は、携帯電話211が、接続ケーブル201を介してタイピングゲーム装置1と接続された状態において、携帯電話モードでのタイピングゲームが実行され、携帯電話入力処理(S35)中のS64の処理を終了すると同時に、携帯電話CPU220により実行されるプログラムである。
【0120】
文字入力処理プログラムが開始されると、先ず、携帯電話CPU220は、操作部213の入力操作に基づいて、携帯電話211において文字入力がされたか否かについての判断を行う(S101)。文字入力がされていない場合には(S101:NO)、携帯電話211での文字入力が行われるまで処理を待機し、文字入力が行われた時点で(S101:YES)、S102に移行する。
【0121】
S102においては、携帯電話CPU220は、辞書エリア検索処理(S102)が行われる。ここで、辞書エリア検索処理(S102)では、S101で入力された文字に基づいて、RAM222に形成され、様々な文字列が記憶されている辞書エリア222aを参照し、当該入力文字と前方一致し、文字の変換候補となる候補文字列を検索するしょりである。例えば、S101において、「さ」を入力した場合には、辞書エリア222aの記憶内容から、文字列の最初の1文字が「さ」である文字列が候補文字列の検索結果となる。又、S101において、続けて「く」を入力した場合には、辞書エリア222aから文字列の最初の2文字が「さく」である文字列が候補文字列となる。
【0122】
次に、S103では、辞書エリア検索処理(S102)の結果、候補文字列となる文字列が辞書エリア222aに記憶されていたか否かについての判断がなされる。候補文字列がある場合には(S103:YES)、候補文字列が携帯電話211の表示画面に表示され、カーソルボタン217、決定ボタン216を操作することにより、任意の候補文字列を選択可能な候補文字列選択処理(S105)に移行する。一方、候補文字列となる文字列が辞書エリア222aに記憶されていない場合には(S103:NO)、S104に移行する。この場合、S104では、S101において入力された文字列をRAM222に格納し、その後、S108に移行する。
【0123】
そして、候補文字列選択処理(S105)の終了後に移行するS106では、候補文字列選択処理(S105)において、候補文字列を選択したか否かについての判断が行われる。候補文字列選択処理(S105)で候補文字列が選択されていた場合には(S106:YES)、選択された候補文字列をRAM222に格納する(S107)。候補文字列をRAM222に格納した後、S108に移行する。一方、候補文字列を選択しなかった場合、即ち、候補文字列となる候補はあったが、入力した文字をそのまま入力したい場合には(S106:NO)、S104に移行する。
【0124】
そして、S108では、携帯電話CPU220は、操作部213により送信操作が行われたか否かについての判断を行う。送信操作が行われた場合には(S108:YES)、RAM222に格納されている入力データを、接続ケーブル201を介して、タイピングゲーム装置1に送信する(S109)。これをもって、携帯電話入力判定処理のS65において、携帯電話211より入力データを受信したと判断される。
一方、操作部213による送信操作が行われていない場合には(S108:NO)、再び、S101に戻り、更に、操作部213を操作し、文字入力を行うことができる。
【0125】
このようにして、携帯電話211より入力データが送信されたことを、CPU51が検知する(S65:YES)と、上述のように、正誤判定処理(S68)に移行する。
ここで、図20を参照しつつ、正誤判定処理(S68)について、詳細に説明する。図20は、正誤判定処理(S68)で実行される正誤判定処理プログラムのフローチャートである。
正誤判定処理(S68)に移行すると、CPU51は、先ず、許容文字数設定処理(S15)で設定された許容文字数をRAM54より読み出し(S81)、受信した入力データを構成する文字数(以下、受信文字数と称す)と、許容文字数とを比較する(S82)。
受信文字数と許容文字数とを比較した結果、受信文字数が許容文字数以上である場合には(S82:YES)、受信した入力データを構成する文字の内、先頭から許容文字数分の文字を、入力の正誤を判定する判定対象データとして設定する(S83)。一方、受信文字数が許容文字数以下の場合には(S82:NO)、受信した入力データを構成する全ての文字を判定対象データに設定する(S84)。
【0126】
S83、S84により、判定対象を設定した後に移行するS85においては、CPU51は、判定基準データ記憶領域56Eから携帯電話モードにおける判定対象データを読み出し、判定対象データの入力内容の正誤を判定する(S85)。即ち、本実施形態においては、第3フレーズに該当する文字列の正誤判定が行われる。
判定対象データ正誤判定(S85)では、前記判定基準データに規定されている正しい入力がされた場合の文字列と、判定対象データが示す文字列とを比較することにより、判定対象データを構成する各文字の正誤判定が行われる。
そして、判定対象データの正誤判定(S85)を終了した後、S86において、CPU51は、判定対象データを構成する全ての文字が正解しているか否かについての判断を行う。判定対象データの全ての文字が正しい場合には、判定対象データを構成する全ての文字に対する判定結果を「PERFECT」として、RAM54に格納する。
一方、判定対象データを構成する全ての文字が正解していない場合、即ち、判定対象データに不正解の文字が含まれている場合には(S86:NO)、判定対象データを構成する文字の内、不正解の文字に対しては、「MISS」の判定結果を関連付け、正解している文字には「GOOD」の判定結果を関連付ける。そして、判定対象データを構成する全ての文字についての判定結果をRAM54に格納するとともに、不正解の文字数分だけミス回数を加算し、RAM54に格納する(S87)。
【0127】
このようにして、正誤判定処理(S68)が行われると、キーボード入力モードにおけるタイピングゲームと同様に、タイプ結果表示部26に遊技者の入力結果が表示される。このとき、RAM54に格納された判定結果がタイプ結果表示部26に表示されるのであるが、タイプ結果表示部26の表示のタイミングは、楽曲の進行に基づいて定められ、当該文字に該当する部分が再生されると同時にタイプ結果表示部26に表示される。
【0128】
ここで、再び、図18に戻り、正誤判定処理(S68)以後の処理について、説明する。正誤判定処理(S68)を終了し、S69に移行すると、CPU51は、正誤判定の対象となりうる第3フレーズを構成する全ての文字について文字データの入力及び正誤判定が終了しているか否かについての判断を行う。第3フレーズを構成する文字全てについての入力、正誤判定が終了している場合には、S70に移行する。一方、第3フレーズを構成する全ての文字の入力、正誤判定が終了していない場合には(S69:NO)、再び、S65に戻る。
【0129】
ここで、S65において、携帯電話211より入力データを受信していないと判断された場合は(S65:NO)、S66において、CPU51は、タイマー58を参照し、所定時間を経過したか否かについての判断を行う。
ここで、携帯電話入力モードにおける所定時間とは、歌詞表示部22に表示されている歌詞部分(第1フレーズ、第2フレーズ、第3フレーズ)が歌唱される時間である。ここで、S66において、所定時間が経過していると判断された場合には(S66:YES)、S67に移行し、第3フレーズを構成する文字の内、未入力である文字数の分だけミス回数を加算して、RAM54に格納する(S67)。一方、所定時間を未だ経過していない場合には(S66:NO)、再びS65に戻り、入力データを携帯電話211より受信するまで処理を待機する。
【0130】
そして、S70では、S67及び正誤判定処理(S68)の処理結果に基づいて、スコア算出処理が行われる。スコア算出処理(S70)では、RAM54に格納されている今回のゲームにおける遊技者の得点(スコア)に、正誤判定処理(S68)による判定結果に応じて適宜加算される。
【0131】
スコア算出処理(S70)を終了した後、S71において、ポイント加算処理が行われる。携帯電話入力モードにおけるポイント加算処理では、第3フレーズに該当するフレーズを構成する全ての文字について、判定結果「PERFECT」を獲得しているか否かでポイントが1加算される。
その後、S72においては、RAM54に格納された変数xを読み出して「+3」を加算し、再度格納する。この点、上述したキーボード入力モードにおいては、1フレーズごとに加算されているが、携帯電話入力モードでは、3フレーズ毎に入力を行いゲームが進行するので、変数xに対しては3ごと加算することになる。
そして、S73では、変数xの値がy−1以上の値であるか否か、即ち1つのステージを形成する全てのフレーズの再生が終了したか否かが判定される。楽曲の1つのステージを構成する部分の再生が終了している場合には(S73:YES)、S74に移行する。一方、楽曲の1つのステージを構成する部分の再生を終了していない場合、即ち、1ステージを構成する全フレーズの内、未だ再生されていないフレーズがある場合には(S73:NO)、S62に再び戻り、次の3フレーズ分の歌詞データを取得し、第1液晶ディスプレイ3に表示する。
【0132】
次に、S74では、全ステージ(楽曲の全曲)のフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される(S74)。全ステージが終了したと判定された場合(S74:YES)には、遊技者の所有するポイントに関わらず、当該タイピングゲーム実行処理(S7)を終了し、ゲーム結果表示処理(S8)へと移行する。一方、全ステージが終了していないと判定された場合(S74:NO)には、S67や正誤判定処理(S68)で加算された現在までの遊技者の入力ミス回数が所定回数未満であるか否かが判定される(S75)。
本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で次の曲番に係るステージを継続して行うためには遊技開始時からの入力ミス回数が所定回数未満であることが条件となる(例えば、1番に該当する部分を遊技した後に2番を継続して行うのには入力ミス回数20回未満、2番に該当する分を遊技した後に3番を継続して行うのには入力ミス回数35回未満)。
【0133】
そして、S67や正誤判定処理(S68)で加算された遊技者の入力ミス回数が所定回数未満であると判定された場合(S75:YES)には、S62へと戻り、次の曲番の最初の3フレーズに該当する歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。
そして、同様に入力判定処理を行う。一方、遊技者の入力ミス回数が所定回数以上であると判定された場合(S75:NO)には、携帯電話入力判定処理(S35)を終了し、ゲーム結果表示処理(S8)へと移行する。
【0134】
以上説明した通り、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は、文字・記号・数字等を選択可能な複数の文字等に対応する複数のボタン212や複数のボタン212で入力された文字等を決定する決定ボタン216が配置された操作部213を有する携帯電話211が外部から接続ケーブル201に接続された場合に、その携帯電話211の操作部213による入力を行うことを選択したときは、その携帯電話211の操作部213の入力操作により入力されたボタン212の種類と判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データとに基づいて、入力されたボタン212の正誤判定処理が行われる。
これにより、その携帯電話211の操作部213の入力操作により入力された文字列がメインゲーム画面21のローマ字表示部23に表示されたローマ字の文字列と一致するか否かが判定され、その判定結果に基づいてタイピングゲームの進行を制御することから、その携帯電話211の操作部213の入力操作により入力される文字列の正誤判定に基づいてタイピングゲームを制御することができる。
【0135】
さらに、辞書エリア222aを用いた文字の入力補助機能により、文字入力のスピードが早くなるので、容易に長文を作成することができるが、この場合においても、許容文字数のみが有効な文字入力として扱われるので、携帯電話211による入力技量の高低を競うというタイピングゲーム本来の娯楽性を損なうことがない。
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、携帯電話入力モードに基づくタイピングゲームを実行した回数に応じて、許容文字数が変更される。この結果、携帯電話入力モードでタイピングゲームを多く遊技することにより、辞書エリア222aの利用する効果が広がり、タイピングゲームを有利に実行することができる。従って、携帯電話211を使用したタイピングゲームに継続性を与えることができる。
【0136】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、許容文字数という文字数による制限をかけていたが、この態様に限定するものではない。例えば、単語数による制限をかけても良い。この場合、カウンタSの値に基づいて、許容される単語数が変動するように構成される。
また、本実施形態においては、携帯電話入力モードによるタイピングゲームの実行に基づいて、許容文字数が変更されるように構成されていたが、これに限定するものではなく、種々の変更をすることができる。例えば、前回の遊技結果に基づいて、許容文字数が変更されるように構成してもよい。この場合、前回の遊技結果が良好な場合に、許容文字数を多くするように構成しても良いし、逆に、遊技結果が良好な場合には許容文字数を少なくし、タイピングゲームの難易度を高くしても良い。即ち、前者の場合には、良好な遊技結果を得た報酬的な性格をもち、後者の場合には、より難易度の高いタイピングゲームへの挑戦権を得ることになる。
【0137】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、第1液晶ディスプレイ3に表示された入力方法選択画面11で、キーボード6のタイプによる入力又は携帯電話211の操作部213の入力操作による入力のいずれかを遊技者が選択することになるが、この点、接続ケーブル201に携帯電話211が接続されている場合には、携帯電話211の操作部213の入力操作による入力が自動的に選択されるようにしてもよい。
【0138】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、携帯電話211を外部から接続するための接続ケーブル201を筐体2に一つだけ設けていたが、この点、携帯電話211の一つの事業者のみに対応できる専用の接続ケーブル201を筐体2に複数設け、第1液晶ディスプレイ3に表示される入力方法選択画面11において、入力に使用する携帯電話211(の事業者)を指定してもよい。
【0139】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、携帯情報端末として、携帯電話211を使用しているが、この点、少なくとも、外部インターフェースと文字入力機能、入力補助機能を備えている携帯情報端末であればよく、例えば、PHSやPDAなどであってもよい。
【0140】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、スピーカ8から楽曲を再生するとともに、流れる楽曲に合わせて歌詞を第1液晶ディスプレイ3上に順次表示させ、遊技者が表示された歌詞の入力を、順次、キーボード6によるタイプで行うことにより、あるいは、外部から接続された携帯電話211の操作部213の入力操作により行うことにより、遊技が行われるように構成されている。この点、単なる所定の文字を第1液晶ディスプレイ3上に順次表示させ、遊技者が表示された文字の入力を、順次、キーボード6によるタイプで行うことにより、あるいは、外部から接続された携帯電話211の操作部213の入力操作により行うことにより、遊技が行われるように構成してもよい。
【0141】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1においては、外部から接続された携帯電話211の操作部213の入力操作により遊技が行われるが、接続ケーブル201を筐体2に内蔵し、携帯電話211をタイピングゲーム装置1に直接接続して遊技が行われるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の斜視図である。
【図2】タイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図3】(A)はタイピングゲーム進行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム進行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図4】(A)はタイピングゲーム進行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム進行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図5】タイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図6】本実施形態に係るタイピングゲーム装置に備えられたキーボードを示した平面図である。
【図7】キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【図8】本実施形態に係るタイピングゲーム装置とサーバとからなるシステムを示したシステムブロック図である。
【図9】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図10】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のHDDの楽曲データ記憶領域を示す模式図である。
【図11】本実施形態に係るタイピングゲーム装置に接続される携帯電話の制御系を示すブロック図である。
【図12】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のメイン処理プログラムのフローチャートである。
【図13】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の入力手段選択処理プログラムのフローチャートである。
【図14】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の許容文字数テーブルの説明図である。
【図15】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【図16】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【図17】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のキーボード入力判定処理プログラムのフローチャートである。
【図18】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の携帯電話入力判定処理プログラムのフローチャートである。
【図19】本実施形態に係るタイピングゲーム装置に接続される携帯電話の文字入力処理プログラムのフローチャートである。
【図20】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の携帯電話入力モードにおける正誤判定処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0143】
1 タイピングゲーム装置
3 第1液晶ディスプレイ
4 第2液晶ディスプレイ
6 キーボード
51 CPU
53 ROM
201 接続ケーブル
211 携帯電話
213 操作部
220 携帯電話CPU
222a 辞書エリア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行に係る所定の文字列が表示される表示手段と、
文字列を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された文字列を判定対象とし、前記判定対象が前記表示手段に表示された所定の文字列と一致するか否かを判定する正誤判定手段と、
前記正誤判定手段の判定結果に基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、を有するタイピングゲーム装置において、
文字や記号を入力可能な操作手段と、複数の文字列が記憶された文字列記憶手段と、前記文字列記憶手段から、前記操作手段の操作に対応する文字列を検索する文字列検索手段と、を有する携帯情報端末が接続される接続手段と、
前記接続手段に接続された携帯情報端末の前記操作手段を前記入力手段として取り扱う取扱手段と、
前記携帯情報端末の前記操作手段により入力された文字列の制限基準を規定した制限基準データが記憶された記憶手段と、
前記制限基準データに基づいて、前記文字列を構成する一部の文字列を判定対象とする判定対象制限手段と、を備えたことを特徴するタイピングゲーム装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のタイピングゲーム装置において、
前記判定対象制限手段に用いる制限基準データを変更する制限基準変更手段と、を備えたことを特徴とするタイピングゲーム装置。
【請求項1】
遊技の進行に係る所定の文字列が表示される表示手段と、
文字列を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された文字列を判定対象とし、前記判定対象が前記表示手段に表示された所定の文字列と一致するか否かを判定する正誤判定手段と、
前記正誤判定手段の判定結果に基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、を有するタイピングゲーム装置において、
文字や記号を入力可能な操作手段と、複数の文字列が記憶された文字列記憶手段と、前記文字列記憶手段から、前記操作手段の操作に対応する文字列を検索する文字列検索手段と、を有する携帯情報端末が接続される接続手段と、
前記接続手段に接続された携帯情報端末の前記操作手段を前記入力手段として取り扱う取扱手段と、
前記携帯情報端末の前記操作手段により入力された文字列の制限基準を規定した制限基準データが記憶された記憶手段と、
前記制限基準データに基づいて、前記文字列を構成する一部の文字列を判定対象とする判定対象制限手段と、を備えたことを特徴するタイピングゲーム装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のタイピングゲーム装置において、
前記判定対象制限手段に用いる制限基準データを変更する制限基準変更手段と、を備えたことを特徴とするタイピングゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−288732(P2006−288732A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113637(P2005−113637)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]