説明

タイヤに加えられる荷重を利用した発電装置

本発明はタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置に関し、さらに詳しくは、タイヤに加えられる荷重によって隔室で発生される油圧を利用して、発電機の回転軸と連結された油圧駆動装置内の駆動ギアを回転させることによって、駆動ギアと連結された発電機で生成された電流を引き出す、タイヤに加えられる荷重を利用した発電装置に関する。本発明によるタイヤに加えられる 荷重を利用した発電装置は、タイヤの内部に、タイヤの進行方向に対して斜線方向または水平方向に装置される柔軟な隔板によってホイールの外周面とタイヤの内周面との間に流体を隔離収容する複数の隔室が形成され、各隔室ごとに内部の流体を油圧駆動装置の内部に噴出するための噴出用油圧ホースと上記油圧駆動装置内の流体を上記隔室の内部に吸い込むための吸入用油圧ホースが備えられる。上記油圧駆動装置のハウジングは発電機に装置され、発電機はホイールの内部に装着され、噴出用油圧ホースで噴出された流体によって駆動ギアがタイヤの回転方向と反対に回転し、駆動ギアの軸が発電機の回転子軸に回転力を伝達することによって、電気を発生させる回転子が備えられた発電機及び上記発電機の回転子から生成された電気を引き出すための電気引出手段を含むことを特徴とする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置に関し、さらに詳しくは、走行中にタイヤに加えられる車体の荷重によって発生される流体圧を利用して駆動ギアを回転させ、駆動ギアの回転力を利用して発電機で生成された電流を引き出すように案出された、タイヤに加えられる荷重を利用した発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は現代生活に欠かせない必需品であるが、運行による化石燃料の使用による環境問題、エネルギーの枯渇問題など諸問題点を有しており、このような問題点を解決するために電気自動車の開発など様々な研究が行われて来た。
【0003】
その中、電気自動車に関して、従来の電気自動車は電気充電所など外部から供給される電気エネルギーを利用し、運行中の再充電が難しく、また充電所から供給され電気エネルギーも火力、原子力などの燃料を使用して生産されたもので、エネルギー面での非效率的な側面がまだ残っている。
【0004】
このような問題に関して、走行の中、電気エネルギーを再充電するにおいて、走行のために供給されるエネルギーと関係なくタイヤに加えられた重力エネルギーとタイヤの内部圧による復元エネルギーを利用して生成された電気エネルギーを走行の中に再充電することによって、より效率的なエネルギーの使用のための研究が行われて来た。
【0005】
走行中に再充電するための技術としては、本出願人の「タイヤに加えられる車体の荷重を利用した動力発生装置(出願番号第10−2002−0032416号)などを挙げることができるが、上記技術は発電駆動装置がホイールの内周面と回転子との間に位置しているので、流体の気密を維持する場合、リテーナーによる回転抵抗が大きくなる一方、タイヤが粗い路面などによって衝撃を受ける場合、流体が発電装置に流入される危険があった。
【0006】
また、重要なのは発電装置の内部回転子が車軸に装置されるので、発電のために回転子がタイヤの反対方向に回転すると、車軸の駆動を邪魔する結果になり、隔板の形成によるタイヤの疲労度も増加、タイヤ内部の隔板をホイールと直角方向に装置することによる乗り心地が低下する問題点などが導出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許出願番号第10−2002−0032416号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような問題点を解決するために車の走行の時、タイヤに作用する力学エネルギーを電気エネルギーに変換することによって、エネルギーの效率を向上するとともに、このような技術において従来問題点であった、発電による車軸の回転を邪魔する現象、発電装置の内部への流体が流入される問題、隔板の形成によるタイヤの疲労度の増加、乗り心地の低下の問題などを改善したタイヤに加えられた荷重を利用した発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置は、タイヤの内側にタイヤの進行方向に対して斜線方向に隔板が形成され、ホイールの外周壁面と上記隔板と間に流体を隔離収容する隔室が形成され、上記隔室ごとに流体を油圧駆動装置の内部に噴出するための噴出用油圧ホースと上記油圧駆動装置内の流体を上記隔室の内部に吸い込むための吸入用油圧ホースが装置される。
【0010】
上記油圧ホースは上記隔室のホイール部位と油圧駆動装置のハウジングに連結され、油圧駆動装置には噴出用油圧ホースで噴出される流体によってタイヤと反対に回転して回転力を発生する駆動ギアが装着され、上記駆動ギアの回転力を発電機に伝達するための駆動軸が上記駆動ギアの中心から延長されて形成される。
【0011】
また、その内部に流体の噴射力を集中するための従動ギアが上記駆動ギアと噛み合う油圧駆動装置と、フィールドコイルが備えられてホイールの内部に装置される発電機ハウジングと、上記発電機ハウジングの中央に上記駆動軸によってタイヤの反対方向に回転して電気を発生させる回転子が備えられた発電機及び上記発電機の回転子から生成された電気を引き出すための電気引出手段を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上記発電機から直流電流を引き出すために、上記ホイールの中心部に上記駆動軸が貫通できるように中心に孔を有する車軸が形成され、上記駆動軸はホイール及び車軸を貫通して、外部に延長されて形成され、上記電気引出手段は、車体に固定されたハウジングと、上記ハウジングの外周面に形成されて電気を引き出すための端子と、上記ハウジングの内部に形成されて、上記駆動軸に固定された整流子及び上記端子と連結され、整流子に接地されたブラシとをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
また、励磁電流を上記フィールドコイルに供給するために、上記車軸の外周を囲んで車体に固定されたハウジングと、上記ハウジングの外周面に形成されて励磁電流を供給するための端子と、上記ハウジングの内部に形成されて、上記車軸に固定されたスリップリングと、上記端子と連結され、スリップリングに接地されたブラシで構成されるフィールドコイル接地手段とをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
また、上記発電機から交流電流を引き出すために、上記ホイールの中心部に上記駆動軸が貫通できるように中心に孔を有する車軸が形成され、上記駆動軸はホイール及び車軸を貫通して、外部に延長されて形成され、上記電気引出手段は車体に固定されたハウジングと、上記ハウジングの外周面に形成されて電気を引き出すための端子と、上記ハウジングの内部に形成されて、上記駆動軸に固定されたスリップリングと、上記端子と連結され、スリップリングに接地されたブラシをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、励磁電流を上記フィールドコイルに供給するために、上記車軸の外周を囲んで車体に固定されたハウジングと、上記ハウジングの外周面に形成されて励磁電流を供給するための端子と、上記ハウジングの内部に形成されて、上記車軸に固定された整流子及び上記端子と連結され、整流子に接地されたブラシで構成されたフィールドコイル接地手段とをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるタイヤに加えられた荷重を利用した発電装置は、車の走行に消耗するエネルギーの追加損失なしに電気エネルギーを生産することができるので、従来の電気自動車などに比べてエネルギーの效率を高めるとともに、力学エネルギーによる電気エネルギーを生産することによって環境問題を改善するのに非常に效果的である。
【0017】
また、従来の問題点であった発電装置の内部に流体が流入される問題を解決することができ、重要なのは車軸と発電機の駆動軸を分離することによって、発電によるタイヤの駆動を邪魔する現象を解決することができ、運転手に快適な乗り心地を提供し、またチューブ形の隔室を利用する場合には、隔板形成によるタイヤの損傷を予防する效果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置のタイヤと油圧駆動装置の内部の実施形態を示した側断面図である。
【図2】本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置の油圧駆動装置及び発電機の内部の実施形態を示した正断面図である。
【図3】従来のタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置の隔室構造においてホイールと直角方向に形成された隔板の実施形態を示した透視図である。
【図4】本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置の隔室構造においてホイールと斜線方向に形成された隔板の実施形態を示した透視図である。
【図5】本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置の電流引出手段及びフィールドコイル接地手段の実施形態を示した断面図である。
【図6】本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置において直流を引き出すための電流引出手段及びフィールドコイル接地手段の実施形態を示した斜視図である。
【図7】本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置において交流を引き出すための電流引出手段及びフィールドコイル接地手段の実施形態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の好ましい実施形態を図面を参照して詳しく説明する。
【0020】
図1は本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置のタイヤと油圧駆動装置の内部の実施形態を示した側断面図であり、図2は本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置の油圧駆動装置及び発電機の内部の実施形態を示した正断面図であり、図3は従来のタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置の油圧部隔板構造においてタイヤの進行方向に対して直角方向に形成された隔板の実施形態を示した透視図である。図示したように、本発明は大きく隔室が装置されるタイヤ10と、流体圧を伝達する油圧ホースと、ホイール20の内部に装置されて、流体圧を利用して回転力を発生させる油圧駆動装置200及び上記回転力を利用して発電する発電機300と、電気引出手段などで構成される。
【0021】
図4に示したように、タイヤ10には上記タイヤ10の内部にタイヤの進行方向に対して斜線方向に隔板110が形成され、上記隔板110との間に流体を隔離収容する隔室120が形成される。図4に示していないが、ここにもそれぞれの隔室ごとに隔室120内の流体を油圧駆動装置200の内部に噴出する噴出用油圧ホース130と上記油圧駆動装置200内の流体を上記隔室の内部に吸い込むための吸入用油圧ホース140が装置され、上記油圧ホースは上記それぞれの隔室のホイール20と油圧駆動装置のハウジング210に締結される。
【0022】
図1乃至図2に示したように、油圧駆動装置200はホイール20の内部に固定され、発電機300に固定されるハウジング210と、上記ハウジング210の内部中央に上記噴出用油圧ホース130から噴出された流体によってタイヤと反対に回転しながら回転力を発生する駆動ギア220が備えられ、上記駆動ギアの回転力を発電機300に伝達するための駆動軸230が上記駆動ギアの中心から延長されて形成され、流体の力を效率的に伝達するための従動ギア240が上記駆動ギア220と噛み合って装置される。
【0023】
また、図2に示した油圧ホース130のホイールとの締結部はホイールの外周壁面の中間地点に位置しているが、これは容易に理解させるためのもので、実際製作の時には流体が流れる時の障害を考慮して図面上で見る時左側に移動させることが好ましく、油圧ホースまたは柔軟な素材を利用することが好ましい。
【0024】
また、発電機は車軸と分離されて、ホイール20の内部に装置され、ホイール20に固定された発電機のハウジング310と、上記ハウジング310に固定されてタイヤと同一方向に回転して、磁力を生成するフィールドコイル320が備えられ、上記ハウジング310の中央には上記駆動軸230によってタイヤの反対方向に回転して電気を発生させる回転子330が位置する。
【0025】
本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置の作動状態を説明すれば次の通りである。
【0026】
隔室と油圧ホース及び油圧駆動装置200の内部に適正量の流体が充填され、タイヤ10が車体の荷重を受けてA方向に回転すると、上記タイヤ10が受ける車体の荷重によって第1隔室120a、第2隔室120b、第3隔室120cは順次に押圧されられてから再び復元される。この時、図示したように、圧力を受けた第2隔室120bに満たされた流体は油圧駆動装置200の方向のみに流体を噴射させるチェックバルブ機能を有する噴出用油圧ホース130bを通じて駆動ギア220と従動ギア240が噛み合った位置に流体を噴射させ、同時に、復元される第1隔室120aは油圧駆動装置200内の高くなった圧力とタイヤの復元による第1隔室120a内の低くなった圧力によって上記油圧駆動装置200内の流体の一部を隔室120方向のみに流体を噴射させるチェックバルブ機能を有する吸入用油圧ホース140aを通じて吸い込む。駆動ギア220と従動ギア240が噛み合う位置に流体を噴射すると駆動ギアと従動ギアが回転し、駆動ギアの中心部にキーで締結された駆動軸230が回転され、発電機の回転子がホイール20に締結された発電機ハウジング310の回転方向と反対方向に回転しながら発電される。この時、駆動ギア220の回転に必要な運動エネルギーは上記のように車体の荷重によって隔室の内部の流体が受ける重力エネルギーから変換されたものであるので、本発明は自動車の走行に必要なエネルギーの追加消耗なしに上記重力エネルギーを運動エネルギーに、上記運動エネルギーを再び電気エネルギーに順次に変換して生産することができる。
【0027】
本発明で油圧駆動装置200はギアポンプ方式を適用したが、駆動軸の円滑な回転のためにタービン方式や、ベーン方式など既に知られた他の形態の構造を利用することができ、ギアポンプ方式を利用する場合、できるだけ従動ギアと駆動ギアをほぼ同じ大きさに製作することが流体の力の伝達において效率的である。
【0028】
図2に示したように、ホイール20の内部に設置された油圧駆動装置200と発電機300はそれぞれのハウジング210、310によって隔離されて形成される。これは上記発電機300に流体が流入される場合、流体の回転方向とフィールドコイル320の回転方向が反対になるため、流体の摩擦によってホイール20の回転を邪魔する虞があるので、流体と流体によってホイール20の回転方向と反対に回転する駆動ギア220を別途ハウジングに隔離し、駆動軸230のみを延長して回転子330を回転させるためである。これによって発電機300内のフィールドコイル320と回転子330は互いに摩擦なしに円滑に互いに反対方向に回転することができる。従って、上記油圧駆動装置のハウジング210、発電機ハウジング310及びフィールドコイル320は、ホイール20で延長された車軸340を中心にタイヤ10と同じ方向に回転する一方、上記駆動ギア220及び回転子330は上記駆動軸230を中心に上記タイヤ10と反対方向に回転するので、固定子と固定子内で回転する回転子で構成された一般の発電機に比べてさらに早い磁束変化を有するようになり、高い起電力を得ることができる。
【0029】
上記駆動ギア220と従動ギア240、駆動軸230と油圧駆動装置のハウジング210、発電機ハウジング310及びフィールドコイル320と回転子330が互いに反対方向に円滑に回転できるように、必要な位置に気密用ベアリングなど摩擦を最小化して気密を維持できる手段を備えることができる。
【0030】
また、上記タイヤ10の内部の隔室120は図1及び図2に示したように、タイヤの内壁、隔板110、ホイールの外周壁面を利用して流体を隔離しているが、隔室の気密を維持するための隔板110の代わりに、気密性素材を利用して噴出用油圧ホースと噴出用油圧ホースの連結部が形成され、その外形が隔室120の形態を有し、その内部に流体が充填される複数のチューブを複数装着して隔室として利用することができる。
【0031】
チューブ形の隔室の外形をより詳細に説明すると、タイヤの進行方向に対して水平方向または斜線方向に形成される隔板110の厚さの中間地点の連結点と、ホイール20の外周壁面の連結点及びタイヤの内壁面の連結点でチューブ形隔室の外形構造が構成される。
【0032】
また、このようなチューブ構造の隔室は、隔板110で形成された隔室に比べて、隔板形成によるタイヤの損傷を予防し、相対的に簡便に隔室の気密が維持されるなどの利点がある。
【0033】
図5は本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置の電流引出手段及びフィールドコイル接地手段の実施形態を示した断面図である。電流引出手段として回転体からスリップ接地して電気を引き出せるように、既に知られた多様な手段を利用することができるが、好ましい一実施形態として、下記のように駆動軸の延長された外周面に電気引出手段400を備える方式を適用することができる。また、引出された電流の一部はフィールドコイルの励磁電流で供給することができ、これも既に知られた多様な手段の接地方式の以外に下記のようなフィールドコイル接地手段500を車軸340の外周面に備える方式を適用することができる。
【0034】
図示したように、ホイール20から延長された車軸340の外周面を囲んで、フィールドコイル接地手段500が形成され、駆動ギア220から車軸の孔341を貫通して、外部に延長された駆動軸230の外側外周面を囲んで電気引出手段400が形成される。詳しく図示しないが、フィールドコイル320のリード線は上記車軸340の外周面と内周面との間に埋設されてフィールドコイル接地手段500と連結されることができ、回転子330のコイルリード線は上記駆動軸230の内部に埋設されて電気引出手段400と連結されることができる。これはフィールドコイル320は車軸340と同じ方向に回転し、回転子330は駆動軸230と同じ方向に回転するので、それぞれのリード線が回転によって捻じれる現象を防ぐためである。上記電気引出手段400とフィールドコイル接地手段500は下記で説明するように、回転体から接点を維持するための構成を有する。
【0035】
図6は本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置において、直流を引き出すための電流引出手段及びフィールドコイル接地手段の実施形態を示した斜視図である。上記発電機300から誘導される電流は交流電流なので、これを直流に転換して引き出すための電気引出手段400と直流に転換された励磁電流をフィールドコイルに供給するためのフィールドコイル接地手段500の構造である。図示したように、本発明によって交流を直流に転換して電流を引き出すためには、上記ホイール20の中心部に上記駆動軸230が貫通できるように、中心に孔341を有する車軸340が形成され、上記駆動軸230はホイール20及び車軸340を貫通して、外部に延長されて形成されることが好ましい。また、上記電気引出手段400は車体に固定されたハウジング410と、上記ハウジング410の外周面に形成されて電気を引き出すための端子430と、上記ハウジング410の内部に形成され、上記駆動軸230に固定された整流子421及び上記端子430と連結され、整流子421に接地されたブラシ422で構成された電流引出部420をさらに含む。励磁電流をフィールドコイルに供給するためのフィールドコイル接地手段500は上記車軸340の外周を囲んで車体に固定されたハウジング510と、上記ハウジング510外周面に形成されて励磁電流を供給するための端子530と、上記ハウジング510の内部に形成され、上記車軸340に固定されたスリップリング521及び上記端子530と連結されて、スリップリング521に接地されたブラシ522で構成された接地部520とで構成される。
【0036】
上記のような構造によって電気引出手段400の整流子421とブラシ422によって交流電流が直流に転換され、転換された直流電流は蓄電池または他の装置に伝達され、その中の一部はフィールドコイル接地手段500のスリップリング521とブラシ522によって直流の励磁電流をフィールドコイルに供給することができる。
【0037】
図7は本発明によるタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置において、交流を引き出すための電流引出手段及びフィールドコイル接地手段の実施形態を示した斜視図である。図示したように、直流電流を引き出すために、上記ホイール20の中心部に上記駆動軸230が貫通できるように、中心に孔341を有する車軸340が形成され、上記駆動軸230はホイール20及び車軸340を貫通して外部に延長され、上記電気引出手段400は車体に固定されたハウジング410と、上記ハウジング410の外周面に形成されて、電気を引き出すための端子430と、上記ハウジング410内部に形成され、上記駆動軸230に固定されたスリップリング423及び上記端子430と連結されて、スリップリング423に接地されたブラシ424をさらに含む。励磁電流をフィールドコイルに供給するために、上記車軸340の外周を囲んで車体に固定されたハウジング510と、上記ハウジング510の外周面に形成されて励磁電流を供給するための端子530と、上記ハウジング510の内部に形成され、上記車軸340に固定された整流子523及び上記端子530と連結されて整流子523に接地されたブラシ524で構成される。
【0038】
上記のような構造によって電気引出手段400のスリップリング423とブラシ424によって交流電流を転換なしに引き出して、引き出しされた交流電流は蓄電池または他の装置に伝達され、その中の一部はフィールドコイル接地手段500の整流子523とブラシ524によって直流に転換されて直流の励磁電流がフィールドコイルに伝達されることができる。
【0039】
上記内容は発明を具体的に実施する目的で実施形態として示されたが、本発明の内容は上記した実施形態に限定されず、その技術思想と均等な範囲内で多様に変形されて実施されることができるので、本発明の権利範囲は請求範囲によって制限的に解釈されてはいけない。
(産業上の利用の可能性)
【0040】
本発明はタイヤを利用して駆動する全ての輸送手段に利用することができ、一般の自動車はもちろん電気自動車とハイブリッド自動車、コンテナ車、フォークリフト、掘削機、ブルドーザーなどの特殊車、トラクター、電気運搬車、ゴルフカー、電気用2輪車、電気自転車などに使用されることができて、産業上の利用可能性は非常に大きいと言える。
【符号の説明】
【0041】
10:タイヤ
20:ホイール
110:隔板
120:隔室
130:噴出用油圧ホース
140:吸入用油圧ホース
200:油圧駆動装置
210:油圧駆動装置ハウジング
220:駆動ギア
230:駆動軸
240:従動ギア
300:発電機
310:発電機のハウジング
320:フィールドコイル
330:回転子
340:車軸
341:孔
400:電気引出手段
410:電気引出手段のハウジング
421:整流器
422:ブラシ
423:スリップリング
424:ブラシ
430:端子
500:フィールドコイル接地手段
510:フィールドコイル接地手段のハウジング
521:スリップリング
522:ブラシ
523:整流子
524:ブラシ
530:端子
600:蓄電池



【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ(10)の内部にタイヤの進行方向に対して斜線方向に隔板(110)が形成され、ホイール(20)の外周壁面及びタイヤの内壁と上記隔板(110)との間に流体を隔離収容する隔室(120)が形成されたタイヤ(10)と;
上記隔室(120)内の流体を油圧駆動装置(200)に伝達する噴出用油圧ホース(130)と上記油圧駆動装置(200)内の流体を上記隔室内部に伝達する吸入用油圧ホース(140)が各隔室に備えられ、それぞれチェックバルブが装置され、各隔室のホイール(20)と油圧駆動装置のハウジング(210)に締結される油圧ホースと;
ホイール(20)の内部で発電機(300)に装置されるハウジング(210)と、上記ハウジング(210)の内部中央に上記噴出用油圧ホース(130)から噴出される流体によってタイヤと反対に回転して回転力を発生させる駆動ギア(220)が装置され、上記駆動ギアの回転力を発電機(300)に伝達するための駆動軸(230)が上記駆動ギアの中心から延長され、内部に流体の力を伝達する複数の従動ギア(240)が上記駆動ギア(220)と締結される油圧駆動装置(200)と;
上記隔室(120)と噴出用油圧ホース(130)と吸入用油圧ホース(140)と油圧駆動装置(200)の内部に充填される流体と;
ホイール(20)の内部に装置されて、ホイール(20)に固定されたハウジング(310)と、上記ハウジング(310)の内部に固定されて、タイヤと同じ方向に回転して磁力を生成するフィールドコイル(320)が形成され、上記ハウジング(310)の中央には上記駆動軸(230)によってタイヤの反対方向に回転して電気を発生させる回転子330が備えられた発電機(300)と;
上記発電機(300)で生成された電気を引き出す電気引出手段が装置され、タイヤの回転の時車体の荷重によって電気が生産されることを特徴とするタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置。
【請求項2】
タイヤの進行方向に対して斜線方向に形成された隔板(110)の厚さの中間地点の連結点と、ホイール(20)の外周壁面の連結点及びタイヤの内壁面の連結点からなる外形構造を有し;
その内部に流体が隔離収容され、噴出用油圧ホースと吸入用油圧ホースの連結部が形成された気密性素材のチューブ形態からなる隔室が装置されることを特徴とする請求項1に記載のタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置。
【請求項3】
上記発電機(300)から直流電流を引き出すために、上記ホイール(20)の中心部に上記駆動軸(230)が貫通できるように中心に孔(341)を有する車軸(340)が形成され、上記駆動軸(230)はホイール(20)及び車軸(340)を貫通して外部に延長され、
上記電気引出手段(400)は車体に固定されたハウジング(410)と、上記ハウジング(410)の外周面に形成されて電気を引き出すための端子(430)と、上記ハウジング(410)の内部に形成されて、上記駆動軸(230)に固定された整流子(421)及び上記端子(430)と連結され、整流子(421)に接地されたブラシ(422)とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置。
【請求項4】
励磁電流を上記フィールドコイル(320)に供給するために、上記車軸(340)の外周を囲んで車体に固定されたハウジング(510)と、上記ハウジング(510)の外周面に形成されて、励磁電流を供給するための端子(530)と、上記ハウジング(510)の内部に形成され、上記車軸(340)に固定されたスリップリング(521)及び上記端子(530)と連結され、スリップリング(521)に接地されたブラシ(522)で構成されたフィールドコイル接地手段(500)とをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置。
【請求項5】
上記発電機(300)から交流電流を引き出すために、上記ホイール(20)の中心部に上記駆動軸(230)が貫通できるように、中心に孔(341)を有する車軸(340)が形成され、上記駆動軸(230)はホイール(20)及び車軸(340)を貫通して外部に延長され、
上記電気引出手段(400)は車体に固定されたハウジング(410)と、上記ハウジング(410)の外周面に形成されて、電気を引き出すための端子(430)と、上記ハウジング(410)の内部に形成されて、上記駆動軸(230)に固定されたスリップリング(423)及び上記端子(430)と連結されてスリップリング(423)に接地されたブラシ(424)とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置。
【請求項6】
励磁電流を上記フィールドコイル(320)に供給するために、上記車軸(340)の外周を囲んで車体に固定されたハウジング(510)と、上記ハウジング(510)の外周面に形成されて励磁電流を供給するための端子(530)と、上記ハウジング(510)の内部に形成されて、上記車軸(340)に固定された整流子(523)及び上記端子(530)と連結されて、整流子(523)に接地されたブラシ(524)で構成されたフィールドコイル接地手段(500)とをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のタイヤに加えられる荷重を利用した発電装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−522986(P2011−522986A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504935(P2011−504935)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002050
【国際公開番号】WO2009/128690
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(510264408)
【Fターム(参考)】