説明

タイヤバルブユニット

【課題】車両用ホイールのリムへの装着を容易かつ確実とすることができるタイヤバルブユニットを提供する。
【解決手段】タイヤバルブ1は、バルブ本体10から延出するバルブステム12と該バルブステム12を囲繞するように設けられる弾性筒状部材15とを備えており、そのバルブステム12にタイヤセンサ2が固定されるとともに、ホイールリムRのバルブ装着孔Rhに装着される装着溝18に対応する位置からリムRの内側方向に向けて開口する環状空間部Sが弾性筒状部材15とバルブステム12とに跨って形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ状態監視装置に用いられ、車両用ホイールのリムへの適切な装着構造を有するタイヤバルブユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用タイヤにおける空気圧等のタイヤ状態を車室内で監視するタイヤ状態監視装置が知られており、これに用いられるタイヤバルブユニットが種々提案されている。このタイヤバルブユニットは、一般的に、バルブ本体から延出する硬質筒状部材、例えば金属管のバルブステムを有するタイヤバルブと、バルブステムを囲繞する例えばゴム製の弾性筒状部材と、この弾性筒状部材に装着する空気圧センサ等のタイヤセンサとを備えてなり、その弾性筒状部材を介して車両用ホイールのリムに装着される。
【0003】
例えば、特許文献1にて示されるタイヤバルブユニットでは、タイヤバルブのバルブステムを囲繞するようにその外周面に密着させて弾性筒状部材が設けられており、該弾性筒状部材の外周面には装着溝が周方向に環状に設けられている。タイヤバルブは、その弾性筒状部材の装着溝内にリムのバルブ装着孔の内周部を嵌入させて装着される、所謂スナップイン装着構造によりリムに対して装着される。そして、リムに装着されたタイヤバルブには、弾性筒状部材においてリム内側に開口するその開口部にタイヤセンサの嵌合部が圧入されて装着される。
【特許文献1】特開2001−174356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記構成のタイヤバルブユニットでは、弾性筒状部材の装着溝内にリムのバルブ装着孔の内周部を嵌入する際、装着溝を構成する該溝の側壁一方(外側の側壁)を圧縮させてバルブ装着孔を挿通させる必要がある。このとき、上記のように弾性筒状部材がバルブステムを囲繞するようにその外周面に密着させて設けられていると、該弾性筒状部材の中心部に硬質な部材であるバルブステムが存在することから、該弾性筒状部材が内径側に圧縮し難くなっている。そのため、弾性筒状部材の圧縮の際に比較的大きな力を要することとなって、タイヤバルブユニットのリムへの装着が行い難いという問題がある。
【0005】
また、このようなタイヤバルブユニットにおいては、走行中に大きな衝撃や振動を受ける車両用ホイールのリムに装着されることから、リムからの脱落防止やリムとの間のシール性向上というように、リムへの装着を確実に行う必要もある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両用ホイールのリムへの装着を容易かつ確実とすることができるタイヤバルブユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、バルブ本体から延出する硬質筒状部材と該硬質筒状部材を囲繞するように設けられる弾性筒状部材とを有するタイヤバルブと、前記タイヤバルブに固定されて車両用ホイールのリムの内側に配置され該リムに装着されるタイヤの状態を検出するタイヤセンサとを備えてなり、前記リムに設けられるバルブ装着孔の内周部を前記弾性筒状部材の外周面に設けた装着溝に嵌入させて前記リムに前記弾性筒状部材を介して装着されるタイヤバルブユニットであって、前記タイヤバルブの前記硬質筒状部材に前記タイヤセンサが固定されるとともに、前記弾性筒状部材の前記装着溝に対応する位置から前記リムの内側方向に向けて開口する環状空間部が、前記弾性筒状部材に形成、若しくは前記弾性筒状部材と前記硬質筒状部材とに跨って形成されていることをその要旨とする。
【0008】
この発明では、タイヤバルブは、バルブ本体から延出する硬質筒状部材と該硬質筒状部材を囲繞するように設けられる弾性筒状部材とを備えており、その硬質筒状部材にタイヤセンサが固定されるとともに、ホイールリムのバルブ装着孔に装着される装着溝に対応する位置からリムの内側方向に向けて開口する環状空間部がその弾性筒状部材若しくは弾性筒状部材と硬質筒状部材とに跨って形成される。これにより、バルブ装着孔の内周部を弾性筒状部材の装着溝に嵌入させて装着する際に、該装着溝の一方の側壁がバルブ装着孔の内周部にて圧縮変形されるが、その装着溝部分まで設けられる環状空間部側に撓むことでその側壁の変形が変形し易くなるため、弾性筒状部材のリムへの装着が容易である。また、タイヤ内部に空気が注入されると、弾性筒状部材のリムの内側方向に向く開口部を通じて環状空間部に空気圧が付与され、弾性筒状部材の装着溝部分がリムのバルブ装着孔の内周面に十分に押圧される。しかもこの場合、弾性筒状部材の開口部側は自由端とされてタイヤセンサが硬質筒状部材側に固定されて他の部材が装着されないため、その空気圧を受けて装着溝部分を含む弾性筒状部材が径方向外側(リム側)に阻害されることなく容易に拡張され、装着溝部分のリムへの押圧力が十分得られる。つまり、リムからのタイヤバルブユニットの脱落が確実に防止されるとともに、弾性筒状部材とリムとの間に十分なシール性を確保できる。また、タイヤセンサがタイヤバルブの硬質筒状部材に固定されることから、タイヤセンサをタイヤバルブに強固に固定することが可能となり、走行中に大きな衝撃や振動を受けてもタイヤセンサの脱落を確実に防止することもできる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤバルブユニットにおいて、前記タイヤセンサは、前記硬質筒状部材に螺着により固定されていることをその要旨とする。
この発明では、タイヤセンサはタイヤバルブの硬質筒状部材に螺着により固定されるため、タイヤセンサをより強固に固定できる。また、タイヤセンサの着脱も可能なため、タイヤバルブやタイヤセンサを個々に交換でき、再利用できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤバルブユニットにおいて、前記タイヤセンサと前記硬質筒状部材との螺着部分に弛み止め構造が用いられていることをその要旨とする。
【0011】
この発明では、タイヤセンサとタイヤバルブの硬質筒状部材との螺着部分に弛み止め構造が用いられるため、タイヤセンサをより強固に固定できる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のタイヤバルブユニットにおいて、前記タイヤセンサには、前記硬質筒状部材との螺着するための硬質部材よりなるナット部材がインサート成形にて一体的に備えられていることをその要旨とする。
【0012】
この発明では、タイヤセンサには硬質部材よりなるナット部材がインサート成形にて一体的に備えられ、該ナット部材がタイヤバルブの硬質筒状部材と螺着される。これにより、タイヤセンサをより強固に固定できる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項2又は3に記載のタイヤバルブユニットにおいて、前記タイヤセンサには、前記硬質筒状部材との螺着するためのナット部が一体的に形成されていることをその要旨とする。
【0014】
この発明では、タイヤセンサにはナット部が一体的に形成され、該ナット部がタイヤバルブの硬質筒状部材と螺着される。これにより、部品点数を少なくできる。
【発明の効果】
【0015】
従って、上記記載の発明によれば、車両用ホイールのリムへの装着を容易かつ確実とすることができるタイヤバルブユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1〜図3は、本実施の形態のタイヤバルブユニットUを示す。本実施の形態のタイヤバルブユニットUは、車両用タイヤ内の空気圧や温度等のタイヤ状態を監視するタイヤ状態監視装置に用いられるものであり、タイヤバルブ1とタイヤセンサ2を結合して構成され、車両用ホイールのリムRに設けられるバルブ装着孔Rhに装着される。
【0017】
タイヤバルブ1は、バルブ機構部品Vが金属製のバルブ本体10内に収容され、バルブ本体10からバルブステム12が一体的に延出形成されている。このバルブステム12は金属製であるが、硬質筒状部材であれば樹脂製でもよく、バルブ本体10とは別体に形成して接合することとしてもよい。このバルブステム12は、延出方向の端部がリムRの内側まで延びており、そのリムR部分から端部に向けて縮径となる縮径部13を有している。縮径部13の端部側外周面には、ネジ山が刻設されてなるネジ部14が設けられている。バルブステム12は、その長手方向中央部に設けられる膨出部11からバルブステム12の延出方向の端部側がゴム製の弾性筒状部材15に囲繞されている。
【0018】
弾性筒状部材15は、バルブステム12の膨出部11から縮径部13の間の外周面に一体成形により固着され該バルブステム12を囲繞するように形成されており、外周面がテーパ状(バルブ本体10側が縮径となるテーパ状)に形成されたゴム部材である。弾性筒状部材15の一端側(反バルブ本体10側)の外側面には、径方向に延出しリムRの外側面と係合する環状の第1係合部16が一体的に形成され、径方向に延出しリムRの内側面と係合する環状の第2係合部17が第1係合部16とリムRの厚さ相当分の間隔を有して一体的に形成されている。尚、第1係合部16及び第2係合部17は、本実施の形態では、何れも環状凸部であるが、複数の突起を連続して形成し外周に沿って隙間を有するように構成することもできる。これら第1及び係合部16,17間には、リムRのバルブ装着孔Rhの内周部が嵌入される装着溝18が形成されている。
【0019】
また、弾性筒状部材15には、リムRの内側に開口部19を有する凹設部20が設けられている。凹設部20は、その開口部19側ほど拡開するテーパ状をなしている。凹設部20は、バルブステム12の縮径部13とともにそのバルブステム12周りに環状をなす環状空間部Sを形成している。つまり、環状空間部Sは、開口部19から弾性筒状部材15の装着溝18に対応する位置まで設けられており、弾性筒状部材15の開口部19側を自由端部としている。
【0020】
一方、タイヤセンサ2のハウジング21は樹脂製容器で、図3及び図4に示すように形成され、センサユニット(図示略)が収容された後、リムRの内側面に対向する側の開口が蓋体22によって閉塞されるように構成されている。尚、このセンサユニットは、種々の電子部品やバッテリ、アンテナ等で構成され、車両用ホイールのリムRに装着されるタイヤの状態(空気圧等)を検出する機能や、検出したタイヤの状態を車室内側に送信する送信機能等を備えて構成されるものである。
【0021】
ハウジング21には、バルブステム12に設けたネジ部14に螺着するためのステンレス等の金属製のナット部材23がインサート成形にて一体的に備えられている。このナット部材23は金属製であるが、硬質部材であれば樹脂製でもよい。また、本実施の形態のナット部材23は、フリクションリング24を一体に備えて弛み止め構造としたものが用いられている。因みに、ハウジング21は、ハウジング21をバルブステム12のネジ部14に螺着させた際、弾性筒状部材15の開口部19を閉塞するものではなく、該弾性筒状部材15の開口部19側の弾性変形及び環状空間部Sへの空気の流通を妨げない形状にて形成されている。そして、ハウジング21をバルブステム12のネジ部14に螺着させると、該ハウジング21の側方に開口する連通路25がバルブステム12に設けたバルブ機構部品Vと連通する連通路26と連通する。
【0022】
次に、上記構成のタイヤバルブユニットUの組み付け及び車両用ホイールのリムRへの装着について説明する。
図3のようにそれぞれ個別であったタイヤバルブ1のバルブステム12のネジ部14にタイヤセンサ2のナット部材23が螺着され、図1のように一体的となるタイヤバルブユニットUが構成される。この場合、タイヤバルブ1とタイヤセンサ2との組み付けは、それぞれ硬質の部材よりなるバルブステム12とナット部材23との螺着による結合よりなるため、相互間の結合は強固であり、加えてナット部材23にゆるみ止め構造のものを用いていることから、その結合はより一層強固なものとなっている。従って、走行中に大きな衝撃や振動を受けてもタイヤセンサ2のタイヤバルブ1からの脱落がより確実に防止される構造となっている。
【0023】
このように組み付けられてなるタイヤバルブユニットUは、バルブ本体10の外周部に装着されるキャップ3側からリムRのバルブ装着孔Rhに挿通され、弾性筒状部材15をキャップ3側に引っ張って該弾性筒状部材15の第1係合部16を内径側に圧縮させてリムRのバルブ装着孔Rhを挿通させる。そして、第1,第2係合部16,17間の装着溝18にバルブ装着孔Rhの内周部が嵌入されることで、タイヤバルブ1(タイヤバルブユニットU)が弾性筒状部材15を介してリムRに装着され、タイヤセンサ2がリムRの内側に配置される。この装着の際、弾性筒状部材15の内側では、装着溝18部分まで環状空間部Sが形成されていることから、第1係合部16の圧縮変形時にその環状空間部S側に撓むことで該係合部16が変形し易くなっており、弾性筒状部材15のリムRへの装着が容易となっている。
【0024】
そして、キャップ3を外してバルブ本体10から連通路25,26を介してタイヤ内部に空気が注入されると、弾性筒状部材15の開口部19を通じて環状空間部Sに空気圧(所謂、背圧)が付与され、弾性筒状部材15の第1,第2係合部16,17間の装着溝18部分がリムRのバルブ装着孔Rhの内周面に十分に押圧される。この場合、弾性筒状部材15の開口部19側は自由端で他の部材が装着されていないため、その空気圧を受けて装着溝18部分を含む弾性筒状部材15が径方向外側(リムR側)に阻害されることなく容易に拡張され、装着溝18部分のリムRへの押圧力が十分得られる構造となっている。つまり、リムRからのタイヤバルブユニットUの脱落が確実に防止されるとともに、弾性筒状部材15とリムRとの間に十分なシール性を確保できるように構成されている。
【0025】
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施の形態では、タイヤバルブ1はバルブ本体10から延出するバルブステム12と該バルブステム12を囲繞するように設けられる弾性筒状部材15とを備えており、そのバルブステム12にタイヤセンサ2が固定されるとともに、ホイールリムRのバルブ装着孔Rhに装着される装着溝18に対応する位置からリムRの内側方向に向けて開口する環状空間部Sがその弾性筒状部材15とバルブステム12とに跨って形成されている。これにより、バルブ装着孔Rhの内周部を弾性筒状部材15の装着溝18に嵌入させて装着する際に、該装着溝18の一方の側壁である第1係合部16がバルブ装着孔Rhの内周部にて圧縮変形されるが、その装着溝18部分まで設けられる環状空間部S側に撓むことでその第1係合部16の変形が変形し易くなるため、弾性筒状部材15のリムRへの装着を容易とすることができる。
【0026】
(2)本実施の形態では、タイヤ内部に空気が注入されると、弾性筒状部材15のリムRの内側方向に向く開口部19を通じて環状空間部Sに空気圧が付与され、弾性筒状部材15の装着溝18部分がリムRのバルブ装着孔Rhの内周面に十分に押圧されることとなる。しかもこの場合、弾性筒状部材15の開口部19側は自由端とされてタイヤセンサ2がバルブステム12側に固定されて他の部材が装着されないため、その空気圧を受けて装着溝18部分を含む弾性筒状部材15が径方向外側(リムR側)に阻害されることなく容易に拡張され、装着溝18部分のリムRへの押圧力を十分得ることができる。つまり、リムRからのタイヤバルブユニットUの脱落を確実に防止できるとともに、弾性筒状部材15とリムRとの間に十分なシール性を確保することができる。
【0027】
(3)本実施の形態では、タイヤセンサ2がタイヤバルブ1の硬質筒状部材であるバルブステム12に固定されることから、タイヤセンサ2をタイヤバルブ1に強固に固定することができ、走行中に大きな衝撃や振動を受けてもタイヤセンサ2の脱落を確実に防止することもできる。この場合、
(4)本実施の形態では、タイヤセンサ2はタイヤバルブ1の硬質筒状部材であるバルブステム12に螺着により固定されるため、タイヤセンサ2をより強固に固定することができる。また、タイヤセンサ2の着脱も可能なため、タイヤバルブ1やタイヤセンサ2を個々に交換でき、再利用することができる。
【0028】
(5)本実施の形態では、タイヤセンサ2に硬質部材よりなるナット部材23がインサート成形にて一体的に備えられ、該ナット部材23がタイヤバルブ1のバルブステム12と螺着される。これにより、タイヤセンサ2をより強固に固定することができる。
【0029】
(6)本実施の形態では、ナット部材23はフリクションリング24を有して弛み止め構造をなしているため、これによってもタイヤセンサ2をより強固に固定することができる。
【0030】
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、環状空間部Sを弾性筒状部材15とバルブステム12とに跨って形成したが、例えば図5に示すように、主として弾性筒状部材15側、若しくは完全に弾性筒状部材15側に環状空間部Sを形成してもよい。
【0031】
即ち、図5に示す形態では、バルブステム12の縮径部13の外周面に弾性筒状部材15の一部を開口部19の近傍まで延設させた延設部15aを設け、主として弾性筒状部材15側に環状空間部Sが形成されてなる。因みに、この延設部15aを開口部19まで若しくは開口部19以上に延設すれば、環状空間部Sを弾性筒状部材15側に設けることになる。このように環状空間部Sを設けても、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。加えて、延設部15aを設けることで弾性筒状部材15のバルブステム12に対する固着面積が拡大するため、バルブステム12に対して弾性筒状部材15をより確実に固着することができる。
【0032】
・上記実施の形態では、タイヤセンサ2(ハウジング21)にナット部材23をインサート成形にて一体的に備える構成としたが、例えば図6及び図7に示すように、ナット部材を用いず、タイヤセンサ2のハウジング21にナット部21aを一体に形成してもよい。このようにすれば、部品点数を少なくすることができる。またこの場合、タイヤセンサ2のハウジング21にナット部21aを一体に形成するような場合に、バルブステム12のネジ部14表面に固着剤を塗布した特殊加工を施し、該固着剤による弛み止め構造を採用してもよい。このようにすれば、上記実施の形態と同様に、タイヤセンサ2をより強固に固定することができる。
【0033】
因みに、図6に示す形態では、弾性筒状部材15に延設部15aを設けず、環状空間部Sを弾性筒状部材15とバルブステム12とに跨って形成した形態であり、図7に示す形態では、弾性筒状部材15に開口部19まで延びる延設部15aを設け、環状空間部Sを弾性筒状部材15側に形成した形態である。
【0034】
・上記実施の形態では、バルブステム12とタイヤセンサ2との螺着部分に弛み止め構造(フリクションリング24やネジ部14表面に固着剤を塗布した特殊加工)を採用しているが、特に弛み止め構造を用いていなくともよい。
【0035】
・上記実施の形態では、バルブステム12側を雄ネジ(ネジ部14)とし、タイヤセンサ2側を雌ネジ(ナット部材23、ナット部21a)としたが、雄ネジと雌ネジの関係を逆としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施の形態のタイヤバルブユニットの断面図である。
【図2】本実施の形態のタイヤバルブユニットの装着状態を示す側面図である。
【図3】本実施の形態のタイヤバルブユニットの組付け前を示す断面図である。
【図4】本実施の形態のタイヤバルブユニットの要部拡大断面図である。
【図5】別例におけるタイヤバルブユニットの断面図である。
【図6】別例におけるタイヤバルブユニットの断面図である。
【図7】別例におけるタイヤバルブユニットの断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1…タイヤバルブ、2…タイヤセンサ、10…バルブ本体、12…硬質筒状部材としてのバルブステム、15…弾性筒状部材、18…装着溝、21a…ナット部、23…ナット部材、S…環状空間部、R…リム、Rh…バルブ装着孔、U…タイヤバルブユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ本体から延出する硬質筒状部材と該硬質筒状部材を囲繞するように設けられる弾性筒状部材とを有するタイヤバルブと、前記タイヤバルブに固定されて車両用ホイールのリムの内側に配置され該リムに装着されるタイヤの状態を検出するタイヤセンサとを備えてなり、前記リムに設けられるバルブ装着孔の内周部を前記弾性筒状部材の外周面に設けた装着溝に嵌入させて前記リムに前記弾性筒状部材を介して装着されるタイヤバルブユニットであって、
前記タイヤバルブの前記硬質筒状部材に前記タイヤセンサが固定されるとともに、前記弾性筒状部材の前記装着溝に対応する位置から前記リムの内側方向に向けて開口する環状空間部が、前記弾性筒状部材に形成、若しくは前記弾性筒状部材と前記硬質筒状部材とに跨って形成されていることを特徴とするタイヤバルブユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のタイヤバルブユニットにおいて、
前記タイヤセンサは、前記硬質筒状部材に螺着により固定されていることを特徴とするタイヤバルブユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のタイヤバルブユニットにおいて、
前記タイヤセンサと前記硬質筒状部材との螺着部分に弛み止め構造が用いられていることを特徴とするタイヤバルブユニット。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のタイヤバルブユニットにおいて、
前記タイヤセンサには、前記硬質筒状部材との螺着するための硬質部材よりなるナット部材がインサート成形にて一体的に備えられていることを特徴とするタイヤバルブユニット。
【請求項5】
請求項2又は3に記載のタイヤバルブユニットにおいて、
前記タイヤセンサには、前記硬質筒状部材との螺着するためのナット部が一体的に形成されていることを特徴とするタイヤバルブユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−94208(P2008−94208A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−276857(P2006−276857)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(000204033)太平洋工業株式会社 (143)
【Fターム(参考)】