説明

タイヤ圧力調整装置のための密封装置

自動車用タイヤ圧力制御装置のための密封装置(18)において、車輪軸受の転がり軸受(3)の内レース(5)にある穴(13)を通り、車輪ボス(1)に相対回転しないように結合される密封ハウジング(4)を通り、かつ車輪ボス(1)自体を通って、車両タイヤへ圧縮空気を供給し、転がり軸受(3)の内レース(5)上に扁平な密封片(10)が取付けられ、この密封片(10)の半径方向外側端部が、密封ハウジング(4)へ向けられかつそれに当接する密封リップ(11)を持っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用タイヤ圧力制御装置のための密封装置であって、車輪軸線の範囲からタイヤを保持する車輪ボスへ通じる圧縮空気供給部を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車輪の正しいタイヤ圧力は、自動車の走行作動のための重要な安全要因であり、タイヤ圧力が常に公差範囲内に保たれるように常に注意せねばならない。自動車のタイヤ圧力は、特に制動及びかじ取りの際の安全性に影響を及ぼすだけでなく、タイヤの寿命及び車両の走行性能にも影響を及ぼす。更にタイヤ圧力の適切な変化により、固められた道路及び原野における走行のための走行特性が最適に設定される。
【0003】
例えば米国特許第4434833号明細書による従来のタイヤ圧力制御装置では、圧縮された空気が、空気供給源から空気管を経て車軸ハウジングにある空気通路へ供給され、圧縮された空気が、続いて別の空気通路及び車軸にある空気管を経てタイヤへ供給される。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2854772号明細書は、自動車におけるタイヤ圧力の監視装置を示しており、各タイヤに対して圧力検査装置が固定的に組込まれ、かつタイヤの弁に空気導管を介して接続される圧力検査器から成っている。この圧力検査器は、導線を介して、圧力に反応する電子監視装置に接続され、この監視装置に信号発生器が付属している。
【0005】
タイヤ圧力制御装置における車両タイヤへの空気の供給は、通常転がり軸受として構成される車輪軸受を通して行われるので、重要な観点は、特に転がり軸受又は近い周囲における空気供給部の気密性である。圧縮空気通過部の密封装置から転がり軸受への漏れ空気の侵入による圧縮空気漏れは回避せねばならない。
【0006】
しかし車輪軸受を通る圧縮空気通過部にある公知の密封片は、多少の漏れを持っている。それにより汚染された空気が意に反して転がり軸受の内部へ達して、潤滑剤例えばグリースを汚染する可能性がある。更に水が転がり軸受へ浸入し、潤滑不足をひき起こすことがある。車輪軸受へ侵入する固体粒子の上を転動体が転がるので、転動面へこれらの粒子が押込まれる。転がり軸受の内部圧力が上昇すると、これにより密封片が一層大きく摩耗し、密封片が故障する。更に潤滑剤が転がり軸受から押出され、それが同様に潤滑不足の原因となる。転がり軸受内に存在する密封リップは更に頻繁に折り返されるか、又は密封片が転がり軸受から押出される。これらの問題はすべて早期の軸受故障従って増大する費用を生じる。タイヤ圧力制御装置に比べて転がり軸受の所望の寿命にわたって確実な高度の密封性は、従って特に重要である。
【0007】
ドイツ連邦共和国特許第19916106号明細書から、転がり軸受上に案内されかつ媒体を通される2つの機械部分の相対回転中に媒体を通す通過素子としての機械要素が公知であり、機械部分の間に密封片が設けられている。密封片は2つの密封リップ対を持ち、そのうち1つの密封リップ対は一方の機械部分にあり、この機械部分に対して動的に密封を行う。第2の密封リップ対は第2の機械部分に固定しており、この機械部分に対して静的に密封を行う。両方の密封リップ対の間には、ガス、圧縮空気、油、水等の媒体を通すのに役立つ穴がある。更に密封リップ対の間にはばね素子が設けられて、機械部分へ密封リップ対を固定的に押付ける。この場合機械要素と転がり軸受との間の密封を行うため、ばね素子及び多数の密封リップを設けることにより、密封片の複雑な構造が不利である。
【0008】
国際出願のドイツ連邦共和国公開第69005731号明細書はタイヤ圧力制御装置用密封装置を開示しており、車軸上に案内される車軸ハウジングとタイヤを持つ車輪円板を保持するボスとの間に転がり軸受が設けられている。この転がり軸受は、空気管から成る空気案内部内にある、中央に環状の密封装置を持ち、この密封装置がボスの内周面に固定的に取付けられている。密封装置は複数の段部分、角形部分、保持環、間隔環、及び車軸ハウジングに当接する複数の密封リップを持つ弗素ゴムから成る主密封片及び補助密封片を持つ端板から成っている。主密封片は自己潤滑する薄い板を持ち、この板がリップ滑り面に取付けられ、車軸ハウジングに滑り接触している。密封装置は非常に複雑に構成され、かなり大きい構造空間を必要とする。更に特にリップ滑り面にある薄い板のため、密封装置の寿命従って密封性が限られている。
【0009】
欧州特許第0224674号明細書によるタイヤ圧力制御装置は、車輪ボスと車輪ボスハウジングとの間にあって密封片により潤滑剤を通す空間に対して密封されている環状空間へ車輪ボスを通して圧縮空気を軸線方向に供給する装置を持っている。密封装置は、車輪ボス側スリーブ及び車輪ボスハウジング側スリーブにはまる多重ラビリンス密封片からなっている。密封薄片は、プラスチック片で被覆された鋼から成り、薄片間の空間に密封のためグリースが入れられている。それによりラビリンス密封片は、製造及び組立てに費用がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の基礎になっている課題は、車輪軸受の転がり軸受の転動体を案内する範囲への漏れ空気の侵入、従って汚物の侵入を防止する、最初に述べた種類のタイヤ圧力制御装置のための密封装置を提供し、更に安価に製造し、かつ組立てることである。
【0011】
漏れ圧縮空気により車輪軸受の転がり軸受内へ達する汚物及び異物が軸受の故障をひき起こすことがあるという認識が、本発明の基礎になっている。これは、漏れ空気を適切に排出する密封装置を車輪軸受又は転がり軸受に統合することによって、防止することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
与えられた課題は、自動車用タイヤ圧力制御装置のための密封装置であって、車輪軸受の転がり軸受の内レースにある穴を通り、車輪ボスに相対回転しないように結合される密封ハウジングを通り、かつ車輪ボス自体を通って、車両タイヤへ圧縮空気を供給し、転がり軸受の内レース上に扁平な密封片が取付けられ、この密封片の半径方向外側端部が、密封ハウジングへ向けられかつそれに当接する密封リップを持っていることによって、解決される。
【0013】
この密封装置は、その構造のため、充填過程において不可避に生じる漏れ空気が転動体の範囲へ達しないので、水及び/又は汚物の侵入が有利に回避され、その結果転がり軸受の寿命が増大するようにしている。むしろ漏れ空気は、外部へ適切に大気へ排出可能である。
【0014】
指摘すべきことは、本発明による密封装置が、自動車用タイヤ圧力制御装置だけでなく、転がり軸受がすぐ近くにあるか又は圧縮空気通過部が転がり軸受に直接形成されている他の圧縮空気を導く装置においても、使用可能なことである。しかし以下においてタイヤ圧力制御装置が説明される。本発明は、空気とは異なるガス又は他の媒体が使用される装置にも同様に適している。
【0015】
本発明による密封装置において、扁平な密封片に作用する圧力が上昇すると、密封ハウジングへの密封リップの当接面が増大し、それが一層好都合な圧力調節従って一層小さい摩擦モーメント、一層低い温度及び/又は密封片の回転する部分と静止部分との間の一層少ない摩耗を生じる。
【0016】
扁平な密封片の通常状態では、僅かな密封リップ重なりが少ない摩耗を保証する。
【0017】
圧縮空気の漏れはタイヤ圧力制御装置の作動中に増大し、外側端部に密封ハウジングの方へ向けられてそれに当接する密封リップを持つ扁平密封片により、転動体が設けられている転がり軸受の範囲に達するのを防止される。従って漏れのある場合非常に良好な密封が行われる。
【0018】
本発明による密封装置の別の構成によれば、摩耗に関して有利である扁平な密封片がなるべくエラストマ材料又は弾性プラスチック材料から成っている。
【0019】
更に扁平な密封片が、転がり軸受の内レース上に固定的に設けられる支持体部分に結合されている。支持体部分はなるべく鋼板から成っている。それにより密封片の安定な状態及びある程度の剛性が得られる。更に支持体部分を持つ密封片は簡単に製造されかつ取付けられる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、密封ハウジング内に少なくとも1つなるべく2つの滑り環が取付けられ、密封ハウジングから遠い方にある滑り環の内面が密封ハウジングに近い方にある板環特にL字状及び/又は分割板環の外面とに密封接触している。
【0021】
板環が断面を桶状又は鉢状に形成され、2つのL字状部分が互いにかみ合わされて、滴形状を成している。内レースに近い方にある板環の底に穴が形成されている。更に内レースに近い方にある板環の底側が、扁平な密封片上にその空気供給穴の範囲において特にはまり合いで載っている。
【0022】
更に本発明によれば、扁平な密封片と密封ハウジング又は滑り環の内レース側端部との間に、漏れ空気を受入れるか又は更に先へ導く漏れ受入れ空間が形成されている。漏れ受け入れ空間は、内レースにある空気供給穴の右側及び左側に設けられ、かつ漏れ受入れ空間が、漏れ空気排出用穴及び滑り環と板環との間の密封間隙に流れ接続されるように形成されている。
【0023】
漏れ空気を転がり軸受から排出するために、複数の可能性が利用可能である。第1の実施形態によれば、扁平な密封片及び転がり軸受の内レースに、圧縮空気供給部の軸線に対して平行に向けられる穴が、タイヤの圧縮空気充填の際生じる漏れ空気を排出するために形成されている。タイヤへの圧縮空気充填の際生じる空気正圧において、場合によっては排気弁に接続されている穴を介して、漏れ空気が周囲の大気へ放出される。
【0024】
第2の実施形態では、密封ハウジングに、圧縮空気供給部の軸線に対して平行に向けられる穴が、圧縮空気供給の際生じる漏れ空気の排出のために形成されている。この場合漏れ空気の排出は、車輪ボスを介して周囲へ行われる。
【0025】
本発明による密封装置の別の実施形態によれば、密封ハウジングの密封板環に、側方で半径方向外方へ向く穴が、圧縮空気供給の際生じる漏れ空気を排出するために形成されている。
【0026】
排出される漏れ空気は、車輪軸受のジャーナル又は車軸を介して、車両の別の給気される装置例えば車軸駆動装置へ放出されることもできる。
【0027】
これらすべての実施形態では、漏れ空気を排出するために設けられる開口を排気弁に接続することができる。
【0028】
本発明が、以下に添付図面により、若干の実施例について以下に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1に著しく簡単化された縦断面図で、タイヤ圧力制御装置の密封装置を持つ自動車の車輪の車輪ボス1が示され、この車輪ボスは、ここには示してない公知のやり方でタイヤを取付けるのに適している。車輪ボス1は、車輪軸受を介してジャーナル2又は車軸上に回転可能に支持され、ジャーナル2は、2つの内レース5,5’、2つの外レース19,20、及びその間に設けられる転動体21,22を有する転がり軸受3を保持している。
【0030】
転がり軸受3は、転動体21,22用のここには図示してない潤滑グリースを満たされ、軸線方向外側で密封手段23,24により密封され、半径方向に貫通する1つの穴13又は半径方向に貫通する複数の穴13が存在する場合、軸線方向内側で内レース5,5’に対して、密封装置18を介して密封されている。この密封片18は、車輪ボス1にある穴13及び空気供給穴25,26によりタイヤへの圧縮空気充填過程において、グリースを満たされかつ転動体21,22を収容する転がり軸受3の空間へ漏れ空気が達しないようにしている。
【0031】
図2〜6には、異なるけれどもそれぞれ本発明により構成される図1に示す種類の密封装置18が詳細に示されている。その構造は図2を参照して説明され、説明される詳細は図3〜6からも十分わかる。図における相違はそれぞれ別に説明される。
【0032】
車輪ボス1と車両のジャーナル2又は車軸との間には、タイヤへ導かれる空気用の回転通過部及びこれに関する密封片を形成するための密封ハウジング4,4’が示されている。密封ハウジング4及び4’は車輪ボス1に相対回転しないように結合されているので、車輪ボスと共にジャーナル2に対して回転可能に設けられている。ジャーナル2は、図1に関して既に説明したように、転がり軸受3の内レース5,5’を相対回転しないように保持し、内レースのそれぞれ中間部分のみが認められる。
【0033】
密封ハウジング4,4’は、例えばこれに相対回転しないように結合される滑り環6,6’及びその中に同軸的に設けられるU字状断面の分割された板環7,7’を含み、板環の内部に桶状の空間8が形成されている。板環7はその底部分に通過口9を有する歯切り部を持ち、内レース5,5’上に取付けられる扁平密封片10上に載っている。この密封片10の外側端部は、密封ハウジング4の方へ向けられてその下側に当接する密封リップ11を持っている。
【0034】
扁平密封片10及び板環7,7’又は密封ハウジング4,4’の下側は、密封ハウジング4,4’の内レース側端部と密封片10との間に、漏れ空気を受入れるか又は更に先へ導くための漏れ受入れ空間28及び29が形成されるように、構成されている。漏れ受入れ空間28及び29は、これらが漏れ空気を排出する穴14,15及び滑り環6,6’と板環7,7’との間の密封間隙に流れ接続されるように、形成されている。
【0035】
扁平密封片10はなるべくエラストマ材料又は弾性プラスチック材料から成り、転がり軸受3の内レース5,5’上に固定的に設けられる鋼板製支持体部分12に結合され、この支持体部分12と一緒に内レース5,5’上に押しはめられている。密封リップ11はその外側自由端の方へとがらされ、斜め内方へ傾斜するように形成されている。
【0036】
密封片10、支持体部分12及び転がり軸受3の内レース5,5’は、一層大きい直径の穴に類似した共通な空気通過口13を持っているので、タイヤ圧力制御装置の図示しない圧縮空気供給源の圧縮空気用通路が、ジャーナル2、内レース5,5’、密封片10、板環7,7’の通過口9を持つ歯切り部、密封ハウジング4,4’の環状空間8及び車輪ボス1を経て、自動車の車輪の図示しないタイヤへ生じる。この圧縮空気通路は図3に大きい矢印により示されている。
【0037】
図2による実施例では、密封片10、支持体部分12及び転がり軸受3の内レース5,5’が、縦方向に互いに離れている小さい直径の少なくとも2つの共通な穴14を備えており、これらの穴14は圧縮空気通過口(穴13)の軸線に対して平行に向けられている。これらの穴14は、圧縮空気充填の際生じる漏れ空気の排出に役立つ。これらの漏れ空気排出穴は、図3に小さい矢印で示され、圧縮空気供給方向とは逆の方向に延びている。
【0038】
充填過程の際まず漏れ空気は、滑り環6,6’と板環7,7’との間へ達し、そこから既に述べた漏れ受入れ空間28及び29へ達し、そこから漏れ空気は穴14、内レース5及びジャーナルを経て大気へ逃げる。
【0039】
圧縮空気充填の際生じる漏れ空気を排出する別の実施例が図4に示されている。密封ハウジング4又は4’には、圧縮空気供給部(穴13)の軸線に対して平行に向けられる2つの穴15が形成され、これらの穴15を通って漏れ空気が、前記の漏れ空気受入れ空間28,29から車輪ボス1を経て周囲へ達することができる。
【0040】
しかし漏れ空気は、ここには示してないが車輪ボスにある軸線方向穴を経て、軸線方向に外方へ大気へ導かれるようにすることもできる。
【0041】
図5は、圧縮空気充填の際生じる漏れ空気を排出する別の実施例を示している。密封ハウジング4の板環7には、漏れ空気を排出する少なくとも2つの穴16が形成されている。これらの穴16は板環7の底と側壁との間の隅範囲にある。充填過程において穴16は、例えば環状空間8に設けられて図5には概略的に示される弁状の可撓密封手段により閉鎖される。漏れ空気は、これらの穴16を通って、充填空気圧力がかからない場合、車輪ボス1の方向に周囲の大気へ排出される。
【0042】
図6a及び6bに示す実施例では、圧縮空気充填の際生じる漏れ空気を排出する付加的な開口又は穴は存在しない。この場合漏れ空気は、タイヤ圧力制御装置の空気圧力P1がかかる場合図6aによれば、滑り環6,6’の機械的密封片を経て、漏れ受入れ空間28,29へ導かれ、そこに一時的に蓄えられる。この漏れ空気の排出は、図6bによれば、空気圧力P0がかからない場合、車輪ボス1の方向に圧力逃し装置へ行われる。
【0043】
場合によっては、漏れ空気を排出するために設けられる穴又は開口14,15及び16を、例えば図2に示すように排気弁17に接続することができる。
【0044】
密封装置18のここに示されるすべての実施例は、漏れ空気及びこれと共に水、汚物などが、軸線方向に連接する転がり軸受の転動体用収容空間へ達しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】 タイヤ圧力制御装置及び2列転がり軸受を持つ車輪軸受の概略縦断面図を示す。
【図2】 タイヤ圧力制御装置用の本発明による密封装置を持つ図1による転がり軸受の断面図を示す。
【図3】 転がり軸受における空気案内の経過を示す図2の転がり軸受の断面図を示す。
【図4】 漏れ空気を排出する第2の可能性を持つ転がり軸受の断面図を示す。
【図5】 漏れ空気を排出する第3の可能性を持つ転がり軸受の断面図を示す。
【図6a】 空気圧力がかかる場合密封装置内の漏れ空気の貯蔵部を持つ転がり軸受の断面図を示す。
【図6b】 空気圧力がかからない場合図6aによる密封装置が漏れ空気の戻し部を持つ転がり軸受の断面図2を示す。
【符号の説明】
【0046】
1 車輪ボス
2 ジャーナル
3 転がり軸受
4,4’ 密封ハウジング
5,5’ 内レース
6,6’ 滑り環
7,7’ 板環
8 環状空間
9 通過口
10,23,24 密封片
11 密封リップ
12 支持体部分
13,14,15,16 穴
17 排気弁
18 密封装置
19,20 外レース
21,22 転動体
25,26 車輪ボスにある供給穴
27 タイヤ圧力制御装置
28,29 漏れ受入れ空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用タイヤ圧力制御装置のための密封装置であって、車輪軸受の転がり軸受(3)の内レース(5)にある穴(13)を通り、車輪ボス(1)に相対回転しないように結合される密封ハウジング(4)を通り、かつ車輪ボス(1)自体を通って、車両タイヤへ圧縮空気を供給し、転がり軸受(3)の内レース(5)上に扁平な密封片(10)が取付けられ、この密封片(10)の半径方向外側端部が、密封ハウジング(4)へ向けられかつそれに当接する密封リップ(11)を持っていることを特徴とする密封装置。
【請求項2】
扁平な密封片(10)がエラストマ材料又は弾性プラスチック材料から成っていることを特徴とする、請求項1に記載の密封装置。
【請求項3】
扁平な密封片(10)が、転がり軸受(3)の内レース(5)上に固定的に設けられる支持体部分(12)に結合されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の密封装置。
【請求項4】
密封ハウジング(4)内に滑り環(6)が取付けられ、密封ハウジングから遠い方にある滑り環(6)の内面が密封ハウジングに近い方にある板環(7)の外面とに密封接触し、板環(7)が断面を桶状又は鉢状に形成され、かつ内レース(5)に近い方にあるその底に穴(9)を持ち、内レース(5)に近い方にある板環(7)の底側が、扁平な密封片(10)上にその穴(13)の範囲において載っていることを特徴とする、請求項1〜3の1つに記載の密封装置。
【請求項5】
扁平な密封片(10)と密封ハウジング(4)との間に、漏れ空気を受入れるか又は更に先へ導く漏れ受入れ空間(28,29)が形成されていることを特徴とする、請求項1〜4の1つに記載の密封装置。
【請求項6】
漏れ受入れ空間(28,29)が、漏れ空気排出用穴(14,15,16)及び滑り環(6)と板環(7)との間の密封間隙に流れ接続されるように形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の密封装置。
【請求項7】
密封ハウジング(4)に、圧縮空気供給部(穴13)の軸線に対して平行に向けられる穴(15)が、圧縮空気充填の際生じる漏れ空気を排出するために形成されていることを特徴とする、請求項1〜6の1つに記載の密封装置。
【請求項8】
扁平な密封片(10)及び転がり軸受(3)の内レース(5)に、圧縮空気供給部(穴13)の軸線に対して平行に向けられる穴(14)が、圧縮空気充填の際生じる漏れ空気を排出するために形成されていることを特徴とする、請求項1〜7の1つに記載の密封装置。
【請求項9】
板環(7)に、底の近くで側方に、半径方向外方へ向く穴(16)が、圧縮空気充填の際生じる漏れ空気を排出するために形成されていることを特徴とする、請求項1〜8の1つに記載の密封装置。
【請求項10】
漏れ空気の排出のため設けられる穴(14,15,16)が排気弁(17)に接続されていることを特徴とする、請求項1〜9の1つに記載の密封装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公表番号】特表2009−525922(P2009−525922A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556647(P2008−556647)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000079
【国際公開番号】WO2007/090361
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(506420843)シエフレル・コマンデイトゲゼルシヤフト (80)
【Fターム(参考)】