説明

タグラベル作成装置用ロール及び無線タグ回路素子カートリッジ

【課題】無線タグ回路素子を配置したタグテープを巻回してロールを形成する際に、ロール全体の小径化を図る。
【解決手段】情報を記憶するIC回路部151と;このIC回路部151に接続される側に複数の接続端部152A,152Bを備え情報の送受信を行うアンテナ152と;アンテナ152の長手方向と交差する方向に配列された複数の接続端子159A,159Bと;IC回路部151、複数の接続端子159A,159B、及びアンテナ152の複数の接続端部152A,152Bを略覆うように配設された保護フィルム160と;を有する無線タグ回路素子Toが複数個配置された基材テープ101を巻回して、第1ロール102を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグをテープ状に連続的に作成するタグラベル作成装置に係わり、特に、そのタグラベル作成装置に備えられるタグラベル作成装置用ロール及びこれを用いた無線タグ回路素子カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
このような無線タグは、通常、ラベル状の素材上に無線タグ回路素子を設けて形成され、このタグラベルが対象物品に貼り付けられることが多い。ラベル上に設けられた無線タグ回路素子の形状としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来技術では、1つのIC回路部の両側に略長方形状の2つのアンテナ部を設け、これら2つのアンテナ部を略長方形状の2つの接続端子でそれぞれ上記IC回路部に接続している。そして、IC回路部と、接続端子と、各アンテナ部の接続端子との接続部を保護フィルムで略覆っている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−44817号公報(段落番号0020〜0034、図1及び図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記無線タグ回路素子に対し情報の書き込みを行って無線タグを作成する場合、連続的にかつ効率よく無線タグの生成を行うため、長手方向に沿って多数の無線タグ回路素子を配置したタグテープを巻回してロールを形成しておき、このロールより上記タグテープを繰り出しつつ順次現れる無線タグ回路素子に対し情報の読み取り/書き込みを行うことが考えられている。
【0006】
ここで、上記のようにタグテープを巻回してロールを形成するとき、上記従来技術のように、各無線タグ回路素子において、IC回路部とアンテナ部との間を接続端子で接続した部分(いわゆるストラップ)を略覆う保護フィルムを用いる場合、その保護フィルムがある程度の剛性(腰の強さ)を持つため、巻回する周方向に沿って略円弧状になりにくい(略直線状になる)性質がある。この傾向は、上記保護フィルムの無線タグ回路素子の長手方向(言い換えればタグテープ長手方向)の長さが長いほど顕著となる。
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、IC回路部と2つのアンテナ部とを接続する2つの接続端子を無線タグ回路素子の長手方向(言い換えればタグテープ長手方向)に配列し、一方側のアンテナ部、一方側の接続端子、IC回路部、他方側の接続端子、他方側のアンテナ部の順に無線タグ回路素子の長手方向に一直線に並ぶ構成となっている。このため、上記のようにタグテープを巻回してロールを形成する構成に上記従来技術を適用すると、上記ストラップ部の保護フィルムのタグテープ長手方向長さが増大し、ストラップ部がタグテープを巻回する方向に沿って略円弧状になりにくくタグテープを容易に巻回することができなくなる。この結果、ロール全体を小径化するのが困難となるとともに、各ターン相互間の間隔が大きくなり、同一径であれば巻回するターン数の減少を招く。
【0008】
本発明の目的は、無線タグ回路素子を配置したタグテープを巻回してロールを形成する際に、ロール全体の小径化を図れるタグラベル作成装置用ロール及びこれを用いた無線タグ回路素子カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明は、無線タグ回路素子が複数個配置されたタグテープを、巻回して構成したタグラベル作成装置用ロールであって、前記無線タグ回路素子は、情報を記憶するIC回路部と;このIC回路部と接続される側に複数の接続端部を備え情報の送受信を行うアンテナ部と;前記IC回路部と前記複数の接続端部とをそれぞれ接続するために設けられるとともに、前記アンテナ部の長手方向と交差する方向に配列された複数の接続端子と;少なくとも前記IC回路部と前記複数の接続端子との接合部を保護するための保護部材とを有することを特徴とする。
【0010】
タグテープにおいて、IC回路部とアンテナ部との間を接続端子で接続し、接続部分(いわゆるストラップ)を保護部材で保護し無線タグ回路素子とするとき、その保護部材がある程度の剛性(腰の強さ)を持つことから、タグテープとして巻回するときにそのストラップ部は巻回する周方向に沿って略円弧状になりにくい性質がある。この傾向は、それらの保護部材が長いほど顕著となる。本願第1発明においては、IC回路部とアンテナ部の複数の接続端部とを接続するための複数の接続端子を、アンテナ部の長手方向(言い換えればタグテープ長手方向)と交差する方向に配列することにより、上述したストラップ部のタグテープ長手方向長さを抑制することができる。これにより、ストラップ部がタグテープを巻回する方向に沿って略円弧状になりやすくなるので複数の無線タグ回路素子を備えたタグテープを比較的容易に巻回していくことができる。この結果、ロール全体を小径化することができるとともに、各ターン相互間の間隔を小さくすることができ、同一径であれば巻回するターン数を増加させることができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1発明において、前記無線タグ回路素子は、前記複数の接続端子が、前記アンテナ部の長手方向と略直交する方向に配列されていることを特徴とする。
【0012】
複数の接続端子を、アンテナ部の長手方向(タグテープ長手方向)と略直交する方向に配列することにより、ストラップ部のタグテープ長手方向長さを最も抑制することができる。これにより、ロール全体を確実に小径化することができるとともに、各ターン相互間の間隔を確実に小さくしターン数を増加させることができる。
【0013】
第3の発明は、上記第1又は第2発明において、前記アンテナ部の前記複数の接続端部の長手方向長さは、前記無線タグ回路素子の接続端子の前記長手方向における長さよりも長いことを特徴とする。
【0014】
これにより、ストラップ部の製造加工時において、アンテナ部の接続端部に対して接続固定する接続端子のアンテナ部長手方向の位置決めが多少ずれても確実に接続を行うことができるので、位置決め精度を高くする必要がなく、高速かつ安価に製造を行うことができ、歩留まりを向上させることができる。
【0015】
第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記複数の無線タグ回路素子は、それぞれに備えられた前記複数の接続端子の前記タグテープの幅方向における位置が、前記タグテープの長手方向にそって千鳥配列となるように配置されていることを特徴とする。
【0016】
接続端子のタグテープ幅方向位置を各無線タグ回路素子ごとに千鳥配列とすることにより、同一のタグテープ幅方向位置で見れば接続端子の周方向間隔が増大するので、タグテープ巻回し時にさらに略円弧状になりやすくなる。この結果、ロール全体をさらに小径化することができるとともに、同一径であれば巻回するターン数を増加させることができる。
【0017】
第5の発明は、上記第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記無線タグ回路素子の前記アンテナ部は、前記IC回路部と接続される側にそれぞれ前記接続端部を備えたダイポールアンテナにより構成されることを特徴とする。
【0018】
IC回路部とダイポールアンテナの複数の接続端部とを接続するための複数の接続端子をアンテナ部の長手方向と交差する方向に配列することにより、上述したストラップ部のタグテープ長手方向長さを抑制し、ストラップ部がタグテープを巻回する方向に沿って略円弧状になりやすくすることができる。
【0019】
第6の発明は、上記第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記無線タグ回路素子の前記アンテナ部は、前記IC回路部と接続される側に2つの前記接続端部を備えた1つのループアンテナにより構成されることを特徴とする。
【0020】
IC回路部と1つのループアンテナの2つの接続端部とを接続するための複数の接続端子をアンテナ部の長手方向と交差する方向に配列することにより、上述したストラップ部のタグテープ長手方向長さを抑制し、ストラップ部がタグテープを巻回する方向に沿って略円弧状になりやすくすることができる。
【0021】
上記目的を達成するために、第7の発明は、タグテープを巻回して構成した第1ロールと、被印字テープを巻回した第2ロールとを有し、前記第1ロール及び前記第2ロールから前記タグテープと前記被印字テープとを繰り出しつつ、前記被印字テープに所定の印字を行い、印字後の前記被印字テープと前記タグテープとを貼り合わせてタグラベルを作成するタグラベル作成装置に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジであって、前記タグテープは、情報を記憶するIC回路部と;このIC回路部と接続される側に複数の接続端部を備え情報の送受信を行うアンテナ部と;前記IC回路部と前記複数の接続端部とをそれぞれ接続するために設けられるとともに、前記アンテナ部の長手方向と交差する方向に配列された複数の接続端子と;少なくとも前記IC回路部と前記複数の接続端子との接合部を保護するための保護部材とを有する無線タグ回路素子が、複数個配置されていることを特徴とする。
【0022】
タグテープにおいて、IC回路部とアンテナ部との間を接続端子で接続し、接続部分(いわゆるストラップ)を保護部材で保護し無線タグ回路素子とするとき、各無線タグ回路素子のストラップ部がある程度の剛性(腰の強さ)を持つことから、タグテープとして巻回するときにそのストラップ部は巻回する周方向に沿って略円弧状になりにくい性質がある。この傾向は、それらストラップ部分のタグテープ長手方向長さが長いほど顕著となる。本願第7発明においては、第1ロールのタグテープに備えられる無線タグ回路素子において、IC回路部とアンテナ部の複数の接続端部とを接続するための複数の接続端子を、アンテナ部の長手方向(言い換えればタグテープ長手方向)と交差する方向に配列することにより、上述したストラップ部のタグテープ長手方向長さを抑制することができる。これにより、ストラップ部がタグテープを巻回する方向に沿って略円弧状になりやすくなるので、第1ロールの形成時に、複数の無線タグ回路素子を備えたタグテープを比較的容易に巻回していくことができる。この結果、第1ロール全体を小径化することができるので、カートリッジの小型化を図れる。また、各ターン相互間の間隔を小さくすることができるので、カートリッジ内の第1ロール収納スペースが同一であれば第1ロールにおいて巻回するターン数を増加させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ストラップ部のタグテープ長手方向長さを抑制し、ストラップ部がタグテープを巻回する方向に沿って略円弧状になりやすくなるので、複数の無線タグ回路素子を備えたタグテープを比較的容易に巻回していくことができる。この結果、タグテープを巻回してロールを形成する際に、ロール全体の小径化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。この実施形態は、本発明を無線タグの生成システムに適用した場合の実施形態である。
【0025】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置用ロール及び無線タグ回路素子カートリッジを備えるタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【0026】
図1に示すこの無線タグ生成システム1において、タグラベル作成装置(無線タグ情報通信装置)2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、端末5、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ7に接続されている。
【0027】
図2は、上記タグラベル作成装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
【0028】
図2において、タグラベル作成装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部にカートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)100が着脱可能に取り付けられている。
【0029】
装置本体8は、カートリッジ100を嵌合させる上記カートリッジホルダ部を備えるとともに外郭を構成する筐体9と、カバーフィルム103(後述の図3参照)に所定の印字(印刷)を行う印字ヘッド(サーマルヘッド)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボンを駆動するリボン巻き取りロール駆動軸11と、印字済みタグテープ110をカートリッジ本体100から繰り出すためのテープ送りローラ駆動軸12と、印字済タグテープ110に備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受を行うアンテナ14と、上記印字済タグテープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルT(無線タグ、詳細は後述)を生成するカッタ15と、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ14に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグラベルTを案内するための一対の上記主搬送ガイド13と、その案内された無線タグラベルTを搬出口(排出口)16へと搬送し送出する送出ローラ17と、搬出口16における無線タグラベルTの有無を検出するセンサ18とを有している。
【0030】
センサ18は、例えば投光器及び受光器からなる反射型の光電センサである。投光器と受光器との間に無線タグラベルTが存在しない場合には、その投光器から出力された光が受光器に入力される。一方、投光器と受光器との間に無線タグラベルTが存在する場合には、投光器から出力された光が遮蔽されて受光器からの制御出力が反転させられるようになっている。
【0031】
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(情報読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻き取りロール駆動軸11及びテープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、タグラベル作成装置2全体の動作を制御するための制御回路30とを有する。
【0032】
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェイス31を介し例えば通信回線3に接続され、この通信回線3に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0033】
図3は、上記タグラベル作成装置2に備えられた本実施形態によるカートリッジ100の詳細構造を表す側面図である。
【0034】
この図3において、カートリッジ100は、帯状の基材テープ(タグテープ)101が巻回された上記第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された上記第2ロール104と、上記インクリボン105を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻き取る上記リボン巻き取りロール106と、上記基材テープ101とカバーフィルム103とを押圧し接着させ印字済タグテープ110としつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをする上記テープ送りローラ107とを有している。
【0035】
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが順次形成された上記基材テープ101を巻回しており、第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。
【0036】
リボン巻き取りロール106及びテープ送りローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータであるカートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻き取りロール駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
【0037】
第1ロール102に巻回される基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
【0038】
ベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、情報の送受信を行うアンテナ(アンテナ部)152がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように接続端子159A,159Bを介し情報を記憶するIC回路部151が形成され、さらにアンテナ152の接続端部152A,152B(後述の図7等参照)、上記接続端子159A,159B、上記IC回路部151を略覆うように、(少なくともIC回路部151と接続端子159A,159Bとの接合部を保護するための保護部材として機能する)保護フィルム160(IC保護フィルム)が配置され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている(詳細構造は後述)。
【0039】
ベースフィルム101bの表側(図3中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0040】
第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻き取りロール106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0041】
上記構成において、カートリッジ100が上記装置本体8に装着され上記ローラホルダが離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻き取りロール106及びテープ送りローラ107が矢印Bで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12とサブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴いテープ送りローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から4層構造の基材テープ101が繰り出される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面(=粘着層101a側の面)に所定の文字、記号、バーコード等の印字R(後述の図10(a)参照)が印刷(但し裏面から印刷するので印刷側から見て鏡面対称の文字等を印刷している)される。そして、上記4層構造の基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグテープ110として形成され、カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻き取りロール駆動軸11の駆動によりリボン巻き取りロール106に巻き取られる。
【0042】
図4は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
【0043】
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(情報読み取り又は書き込みを行う)ための搬送波を発生させる搬送波発生手段として機能する水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記搬送波発生手段により発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する搬送波変調手段として機能する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を増幅(この例では制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する変調波増幅手段として機能する送信アンプ39とを備えている。そして、上記搬送波発生手段により発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。
【0044】
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記搬送波発生手段により発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信第1アンプ43と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記搬送波発生手段により発生された後に位相が90°ずらされた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を増幅して第2リミッタ46に供給する受信第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
【0045】
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0046】
図5は、上記した第1ロール102のより詳細な構造を表す概念的側面図である。前述したように、第1ロール102に巻回された基材テープ101は、その長手方向に複数の無線タグ回路素子To(詳細は後述)が例えば等間隔で順次配置されている。
【0047】
図6は、上記第1ロール101に巻回された基材テープ101に備えられた上記無線タグ回路素子Toの詳細構造を表す、図3の部分拡大図中VI−VI′面による上面図である。また図7は、図6中A部を抽出して示す部分拡大上面図であり、図8は、図7中VIII−VIII′断面による横断面図である。
【0048】
これら図6、図7、及び図8において、無線タグ回路素子Toは、上記IC回路部151と、このIC回路部151と接続される側に複数の接続端部152A,152Bを備え情報の送受信を行うアンテナ152と、IC回路部151と複数(この例では2つ)の接続端部152A,152Bとをそれぞれ接続するために設けられるとともに、アンテナ152の長手方向と交差する方向(この例ではアンテナ長手方向と直交する方向)に配列された複数(この例では2つ)の上記接続端子159A,159Bと、上記IC回路部151、上記接続端子159A,159B、及びアンテナ152の上記接続端部152A,152Bを略覆うように配設された上記保護フィルム160とから構成され、前述したように、アンテナ152の接続端部152A,152B、接続端子159A,159B、IC回路部151は保護フィルム160によってその図8中下側より略覆われている(言いかえれば、保護フィルム160に埋め込まれるようにIC回路部151が配置されると共に、保護フィルム160上に載置されるように接続端子159A,159Bが配置され、その上に接続端部152A,152Bが載置されるように配置されている)。
【0049】
アンテナ152は、この例では、IC回路部151と接続される側に上記2つの接続端部152A,152Bを備えた1つのループアンテナである。このとき、アンテナ152の上記複数の接続端部152A,152Bのアンテナ長手方向(図7中左右方向)の長さLA,LBが接続端子159A,159Bの同方向(図7中左右方向)における長さ(幅)Wよりも長くなっており、接続端部152Aと接続端部152Bとは、アンテナ長手方向(図7中左右方向)において互いにアンテナ短手方向(図7中上下方向に)オーバラップして配置されている。
【0050】
図9は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である この図9において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0051】
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155(後述)に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶手段として機能するメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0052】
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置2のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
【0053】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0054】
図10(a)及び図10(b)は、上述のようにして無線タグ回路素子Toの情報読み取り(又は書き込み)及び印字済タグテープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図10(a)は上面図、図10(b)は下面図である。また図11は、図10中XI−XI′断面による横断面図である。
【0055】
これら図10(a)、図10(b)、及び図11において、無線タグラベルTは、図3に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図11中上側)よりその反対側(図11中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のように ベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
【0056】
図12は、上述したようなタグラベル作成装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記した端末5又は汎用コンピュータ6に表示される画面の一例を表す図である。
【0057】
図12において、この例では、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有のIDであるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバ7に記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバ4におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が前記端末5又は汎用コンピュータ6に表示可能となっている。そして、その端末5又は汎用コンピュータ6の操作によりタグラベル作成装置2が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、IC回路部151に予め記憶された上記読み取りID及び物品情報等の無線タグ情報が読みとられる(又はIC回路部151に上記書き込みID及び物品情報等の情報が書き込まれる)。
【0058】
なお、上記においては、印刷動作に伴い主搬送ガイド13を移動中の印字済タグテープ110に対してアクセスエリア内に保持してアクセス(情報読み取り又は書き込み)するようにした例を示したが、これに限られず、その印字済タグテープ110を所定位置で停止させて主搬送ガイド13にて保持した状態で上記アクセスを行うようにしてもよい。
【0059】
また、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTのIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバ4に記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0060】
上記のように構成した本実施形態のタグラベル作成装置2においては、カートリッジ100から印刷済みタグテープ110として取り出され主搬送ガイド13によってアンテナ14に対向する所定位置(アクセスエリア)に設定保持された無線タグ回路素子Toに対し、順次アクセス(IC回路部151の無線タグ情報の読み取り又はIC回路部151への書き込み)が行われる。
【0061】
ここで、上記のように、基材テープ101において、IC回路部151とアンテナ部152との間を接続端子159で接続し、それら接続部分(いわゆるストラップ)を保護フィルム160で略覆って無線タグ回路素子Toとするとき、保護フィルム160はある程度の剛性(腰の強さ)を持っている。このため、基材テープ101として第1ロール102に巻回するときにそのストラップ部は巻回する周方向に沿って略円弧状になりにくい性質がある(図13参照)。この傾向は、それらの保護フィルム160が長いほど顕著となる。また保護フィルム160がこのように長いと、図13に示すように、同一の(あるいはごく近い)周方向位置に複数の保護フィルム160が重なり合う可能性も高くなり、これによってもストラップ部は略円弧状になりにくくなる。
【0062】
本実施形態においては、これに対応し、IC回路部151とアンテナ152の接続端部152A,152Bとを接続するための接続端子159A,159Bを、アンテナ152の長手方向(言い換えれば基材テープ101長手方向)と交差する方向に配列することにより、上述したストラップ部の基材テープ101長手方向長さLoを抑制することができる。これにより、図5に示すように、ストラップ部が基材テープ101を巻回する方向に沿って略円弧状になりやすくなるので、多数の無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を比較的容易に巻回していくことができる。この結果、第1ロール102全体を小径化することができるとともに、各ターン相互間の間隔を小さくすることができ、また同一径であれば巻回するターン数を増加させることができる。特に、本実施形態においては、接続端子159A,159Bを、アンテナ152の長手方向(基材テープ101長手方向)と直交する方向に配列することにより、上述したストラップ部の基材テープ101長手方向長さLoを最短とすることができる。この結果、上記第1ロール102全体の小径化、ターン数増加等の効果を確実に得ることができる。また、保護シート160の大きさを小さくできる効果もある。
【0063】
またこのとき特に、図14に示すように、基材テープ101上の長手方向に並ぶ複数の無線タグ回路素子Toについて、そのアンテナ接続端部152Aとアンテナ接続端部152Bとの基材テープ101幅方向(図14中上下方向)における左右の位置関係が、基材テープ101の長手方向にそって交互に千鳥配列となるように配置するようにすれば、同一の基材テープ101幅方向位置で見れば接続端子の周方向間隔が増大することとなり、基材テープ101巻回し時にさらに略円弧状になりやすくなる。この結果、この場合は第1ロール102全体をさらに小径化することができるとともに、巻回するターン数を増加させることができる。なお、アンテナ接続端部152Aとアンテナ接続端部152Bとの上記左右位置関係を千鳥に逆転させなくても、その左右関係は同じのまま、単に無線タグ回路素子Toを基材テープ101幅方向にスライドさせて千鳥状に配列するようにしても同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、本実施形態においては、前述のように、接続端部152Aと接続端部152Bとは、アンテナ長手方向(図7中左右方向)において互いにアンテナ短手方向(図7中上下方向に)オーバラップして配置されている。これにより、上記ストラップ部の製造加工時において、アンテナ接続端部152A,152Bに対して接続固定する接続端子159A,159Bのアンテナ部長手方向の位置決めが、図15(a)に示すような正しい位置でなく、図15(b)や図15(c)に示すようにアンテナ長手方向に多少ずれた(これらの図では図示簡略化のため保護フィルム160の位置で示す)としても、確実に接続を行うことができる。この結果、上記位置決め精度を高くする必要がなく、高速かつ安価に製造を行うことができ、歩留まりを向上できる効果がある。
【0065】
なお、上記実施形態においては、アンテナ152は、いわゆるループアンテナであったが、これに限られず、他の形状であってもよい。
【0066】
図16は、そのような変形例を表す図であり、この例では、各無線タグ回路素子Toに、いわゆるダイポールアンテナとしてアンテナ152−1とアンテナ152−2が2本設けられており、それらアンテナ152−1,152−2は、IC回路部151(図示省略)と接続される側にそれぞれ接続端部152−1A,152−2を備えている。
【0067】
この変形例においても、上記実施形態と同様、図示のように、IC回路部151とアンテナ152−1,152−2の接続端部152−1A,152−2Aとを接続するための接続端子159A,159Bをアンテナ長手方向(図16中左右方向)と交差する方向(この例では略直交する方向)に配列しており(図示省略)、これによってストラップ部の基材テープ101長手方向長さを抑制している。この結果、ストラップ部が基材テープ101を巻回する方向に沿って略円弧状になりやすくすることができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
またこの変形例においても、上記図14に示した構成と同様、基材テープ101上の長手方向に並ぶ複数の無線タグ回路素子Toについて、そのアンテナ152−1の接続端部152−1Aとアンテナ152−2の接続端部152−2Aとの基材テープ101幅方向(図16中上下方向)における左右の位置関係が、基材テープ101の長手方向にそって交互に千鳥配列となるように配置している。この結果、上記同様、同一の基材テープ101幅方向位置で見れば接続端子の周方向間隔が増大され、さらに略円弧状になりやすくなって第1ロール102全体のさらなる小径化及びターン数増加の効果を得られる。また、前述と同様、アンテナ接続端部152−1Aとアンテナ接続端部152−2Aとの上記左右位置関係を千鳥に逆転させなくても、その左右関係は同じのまま、単に無線タグ回路素子Toを基材テープ101幅方向にスライドさせて千鳥状に配列するようにしても同様の効果を得ることができる。
【0069】
なお、以上においては、図8に示したように、粘着層101c内に設けた無線タグ回路素子Toにおいて、接続端子159A,159Bの一方側(図8では下方側)のみを保護フィルム160で略覆った構造とし、これによって最終的に図11に示した構造の無線タグラベルTを生成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば図17に示すように、粘着層101c内に設けた無線タグ回路素子Toにおいて接続端子159A,159Bの他方側(図17中上方側、言いかえれば接続端子159A,159Bとアンテナ接続端部152A,152Bとの間)も別の保護フィルム160′で略覆った構造とし、これを用いて無線タグラベルTを生成しても良い。この場合も、上記と同様の効果を得る。
【0070】
また、以上において、カートリッジ100のような無線タグ情報通信装置本体側に着脱可能なものに限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型のものを用い、その中に上記第1ロール102を設けてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0071】
さらに、以上においては、タグラベル作成装置2は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の読み取り又は書き込みを行うと共に、サーマルヘッド10によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷(印字)を行うものであったが、この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み取り又は書き込みのみを行うものであっても構わない。
【0072】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態のタグラベル作成装置用ロール及び無線タグ回路素子カートリッジを備えるタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【図2】図1に示したタグラベル作成装置の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図3】本発明の一実施形態による無線タグ回路素子カートリッジの詳細構造を表す側面図である。
【図4】図2に示した高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図5】図3に示した第1ロールのより詳細な構造を表す概念的側面図である。
【図6】無線タグ回路素子の詳細構造を表す、図3の部分拡大図中VI−VI′面による上面図である。
【図7】図6中A部を抽出して示す部分拡大上面図である。
【図8】図7中VIII−VIII′断面による横断面図である。
【図9】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図10】無線タグラベルTの外観の一例を表す上面図、及び下面図である。
【図11】図10中XI−XI′断面による横断面図である。
【図12】無線タグ情報へのアクセスに際し、端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。
【図13】第1ロールが膨らむ挙動を表す概念的側面図である。
【図14】2つのアンテナ接続端部の基材テープ幅方向左右の位置関係を、千鳥配列とした変形例を表す図である。
【図15】2つの接続端子の位置決め挙動を表す図である。
【図16】ループアンテナを用いた変形例を表す図である。
【図17】接続端子の両側を保護フィルムで略覆った変形例を表す図である。
【符号の説明】
【0074】
2 タグラベル作成装置
100 カートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)
101 基材テープ(タグテープ)
102 第1ロール(タグラベル作成装置用ロール)
103 カバーフィルム(被印字テープ)
104 第2ロール
151 IC回路部
152 アンテナ(アンテナ部)
152A,B 接続端部
159A,B 接続端子
160 保護フィルム(保護部材)
160′ 保護フィルム(保護部材)
T 無線タグラベル(無線タグ)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグ回路素子(To)が複数個配置されたタグテープ(101)を、巻回して構成したタグラベル作成装置用ロール(102)であって、
前記無線タグ回路素子(To)は、
情報を記憶するIC回路部(151)と、
このIC回路部(151)と接続される側に複数の接続端部(152A,152B;152−1A,152−2A)を備え情報の送受信を行うアンテナ部(152;152−1,152−2)と、
前記IC回路部(151)と前記複数の接続端部(152A,152B;152−1A,152−2A)とをそれぞれ接続するために設けられるとともに、前記アンテナ部(152;152−1,152−2)の長手方向と交差する方向に配列された複数の接続端子(159A,159B)と、
少なくとも前記IC回路部(151)と前記複数の接続端子(159A,159B)との接合部を保護するための保護部材(160;160′)とを有することを特徴とするタグラベル作成装置用ロール(102)。
【請求項2】
請求項1記載のタグラベル作成装置用ロール(102)において、
前記無線タグ回路素子(To)は、前記複数の接続端子(159A,159B)が、前記アンテナ部(152;152−1,152−2)の長手方向と略直交する方向に配列されていることを特徴とするタグラベル作成装置用ロール(102)。
【請求項3】
請求項1又は2記載のタグラベル作成装置用ロール(102)において、
前記アンテナ部(152;152−1,152−2)の前記複数の接続端部(152A,152B;152−1A,152−2A)の長手方向長さ(LA,LB)は、前記無線タグ回路素子(To)の接続端子(159A,159B)の前記長手方向における長さ(W)よりも長いことを特徴とするタグラベル作成装置用ロール(102)。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のタグラベル作成装置用ロール(102)において、
前記複数の無線タグ回路素子(To)は、それぞれに備えられた前記複数の接続端子(159A,159B)の前記タグテープ(101)の幅方向における位置が、前記タグテープ(101)の長手方向にそって千鳥配列となるように配置されていることを特徴とするタグラベル作成装置用ロール(102)。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のタグラベル作成装置用ロール(102)において、
前記無線タグ回路素子(To)の前記アンテナ部(152−1,152−2)は、前記IC回路部(151)と接続される側にそれぞれ前記接続端部(152−1A,152−2A)を備えたダイポールアンテナにより構成されることを特徴とするタグラベル作成装置用ロール(102)。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のタグラベル作成装置用ロール(102)において、
前記無線タグ回路素子(To)の前記アンテナ部(152)は、前記IC回路部(151)と接続される側に2つの前記接続端部(152A,152B)を備えた1つのループアンテナにより構成されることを特徴とするタグラベル作成装置用ロール(102)。
【請求項7】
タグテープ(101)を巻回して構成した第1ロール(102)と、
被印字テープ(103)を巻回した第2ロール(104)とを有し、
前記第1ロール(102)及び前記第2ロール(104)から前記タグテープ(101)と前記被印字テープ(103)とを繰り出しつつ、前記被印字テープ(103)に所定の印字を行い、印字後の前記被印字テープ(103)と前記タグテープ(101)とを貼り合わせてタグラベル(T)を作成するタグラベル作成装置(2)に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジ(100)であって、
前記タグテープ(101)は、
情報を記憶するIC回路部(151)と、このIC回路部(151)と接続される側に複数の接続端部(152A,152B;152−1A,152−2A)を備え情報の送受信を行うアンテナ部(152;152−1,152−2)と、前記IC回路部(151)と前記複数の接続端部(152A,152B;152−1A,152−2A)とをそれぞれ接続するために設けられるとともに、前記アンテナ部(152;152−1,152−2)の長手方向と交差する方向に配列された複数の接続端子(159A,159B)と、少なくとも前記IC回路部(151)と前記複数の接続端子(159A,159B)との接合部を保護するための保護部材(160;160′)とを有する無線タグ回路素子(To)が、複数個配置されていることを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【国際公開番号】WO2005/078650
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【発行日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517988(P2005−517988)
【国際出願番号】PCT/JP2005/002116
【国際出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】