タッチセンサ内蔵型表示装置とその駆動方法
【課題】表示パネルのピクセルに接続された信号配線からタッチセンサに印加されるノイズを最小化する。
【解決手段】ピクセルにデータ電圧を供給するデータラインと、ピクセルにスキャンパルスを供給するゲートライン、互いに交差されその交差部に相互容量が形成されたTxライン及びRxラインを含む表示パネルと、ディスプレイ期間の間、データラインにアナログビデオデータ電圧を供給しタッチセンサ駆動期間の間、データラインの電圧を特定直流電圧に同一に維持させるディスプレイデータ駆動回路と、ディスプレイ期間の間、アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給するディスプレイスキャン駆動回路と、タッチセンサ駆動期間の間、Txラインに駆動パルスを順次供給するタッチセンサ駆動回路と、タッチセンサ駆動期間の間Rxラインを経由し相互容量からタッチ信号を受信するタッチセンサ読み出し回路とを含む。
【解決手段】ピクセルにデータ電圧を供給するデータラインと、ピクセルにスキャンパルスを供給するゲートライン、互いに交差されその交差部に相互容量が形成されたTxライン及びRxラインを含む表示パネルと、ディスプレイ期間の間、データラインにアナログビデオデータ電圧を供給しタッチセンサ駆動期間の間、データラインの電圧を特定直流電圧に同一に維持させるディスプレイデータ駆動回路と、ディスプレイ期間の間、アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給するディスプレイスキャン駆動回路と、タッチセンサ駆動期間の間、Txラインに駆動パルスを順次供給するタッチセンサ駆動回路と、タッチセンサ駆動期間の間Rxラインを経由し相互容量からタッチ信号を受信するタッチセンサ読み出し回路とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサ内蔵型表示装置とその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器やポータブル情報機器の軽量化、スリム化にしたがってユーザー入力手段がボタン型スイッチからタッチセンサに取り変わっている。ディスプレイ装置に適用されるタッチスクリーンは複数のタッチセンサを含む。タッチセンサは表示パネル内にインセルタイプ(In-cell type)で内蔵することができる。
【0003】
静電容量方式のタッチセンサは、相互容量(mutual capacitance)方式で具現することができる。静電容量方式のタッチセンサは、図1Aのように互いに交差する信号配線(Tx、Rx)の交差部に形成された相互容量(Mutual capacitance)を含む。指が図1Bのように静電容量方式のタッチセンサに形成された相互容量の電極の間に近付けばその電極の間の電界が遮られて相互容量の充電量が低くなる。したがって、静電容量方式のタッチセンサはタッチ前後の相互容量の充電量の変化を測定しタッチを認識することができる。
【0004】
タッチセンサが表示パネル内に内蔵すれば、タッチセンサに接続された信号配線と、表示パネルのピクセルに接続された信号配線のカップリング(coupling)にしたがってそれらの間に電気的に影響を与えるようになる。例えば、ピクセルに接続されたゲートラインの電圧は比較的大きいスイング幅でスイングするのに、この電圧がノイズ成分としてタッチセンサの出力に反映されタッチセンサの感度とタッチ認識率を落とすことになる。したがって、表示パネル内に内蔵したタッチセンサの感度とタッチ認識間違いを減らすためにはピクセルに接続された信号配線からタッチセンサに印加されるノイズの影響を減らさなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的とするところは、表示パネルのピクセルに接続された信号配線からタッチセンサに印加されるノイズを最小化することができるタッチセンサ内蔵型表示装置とその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明のタッチセンサ内蔵型表示装置は、ピクセルにデータ電圧を供給するデータライン、前記ピクセルにスキャンパルスを供給するゲートライン、互いに交差されその交差部に相互容量が形成されたTxライン及びRxラインを含む表示パネルとディスプレイ期間の間に前記データラインにアナログビデオデータ電圧を供給しタッチセンサ駆動期間の間に前記データラインの電圧を特定直流電圧に同一に維持させるディスプレイデータ駆動回路と前記ディスプレイ期間の間前記アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給するディスプレイスキャン駆動回路と、前記タッチセンサ駆動期間の間前記Txラインに駆動パルスを順次供給するタッチセンサ駆動回路と、前記タッチセンサ駆動期間の間前記Rxラインを経由し前記相互容量からタッチ信号を受信するタッチセンサ読み出し回路を含む。
【0007】
前記特定直流電圧は基底電圧(GND)や基底電圧(GND)に近い直流電圧である。
【0008】
前記ディスプレイスキャン駆動回路は前記タッチセンサ駆動期間の間に前記ゲートラインの電圧をゲートロー電圧で維持させる。
【0009】
前記タッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法は、ディスプレイ期間の間に前記データラインにアナログビデオデータ電圧を供給する段階と、前記ディスプレイ期間、前記アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給する段階と、タッチセンサ駆動期間の間に前記データラインの電圧を特定直流電圧で同一に維持させる段階と、前記タッチセンサ駆動期間の間、前記Txラインに駆動パルスを順次供給する段階と、前記タッチセンサ駆動期間の間に前記Rxラインを経由し前記相互容量からタッチ信号をタッチセンサ読み出し回路に受信する段階とを含む。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明は、タッチセンサの駆動期間の間、データラインに特定直流電圧を供給しタッチセンサの出力に悪影響を与えるノイズ成分の信号をデータラインを通じ放電させる。その結果、本発明は、表示パネルのピクセルに接続された信号配線からタッチセンサに印加されるノイズを最小化することができる。さらに、本発明は、非晶質シリコン(Amorpous Si)基盤の表示パネルにおいてベゼル領域の増加なしにタッチセンサに悪影響を与えるノイズを最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】静電容量方式のタッチセンサのタッチ前後動作を示す図である。
【図1B】静電容量方式のタッチセンサのタッチ前後動作を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置を示すブロック図である。
【図3】図2に示された表示パネルに内蔵したピクセルアレイとタッチセンサの一部を示す平面図である。
【図4】表示パネルのピクセルに接続された信号配線とカップリングされない理想的な状態(ideal state)であるタッチセンサを示す等価回路図である。
【図5】表示パネルのピクセルに接続された信号配線とカップリングされたタッチセンサを示す等価回路図である。
【図6】表示パネルのピクセルに接続された信号配線を通じタッチセンサに流入されるノイズ成分を示す回路図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動信号を示す波形図である。
【図8】データラインに同一である特定直流電圧を供給する時ノイズ成分にほとんど影響を受けないタッチ信号の流れを示す回路図である。
【図9】図4のようなRxラインの電流変化を示す実験結果図である。
【図10】LTPS(Low Temperature Poly Silicon)基盤の表示パネルでタッチ前後のRxラインの電流変化を示す実験結果図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置のタッチセンサでタッチ前後のRxラインの電流変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付された図面を参照して、本発明に係る望ましい実施の形態を詳しく説明する。明細書全体にかけて同一である参照番号は実質的に同一である構成要素を意味する。
【0013】
本発明のタッチセンサ内蔵型表示装置は、液晶表示素子(Liquid Crystal Display、LCD)、電界放出表示素子(Field Emission Display、FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、有機発光ダイオード表示装置(Organic Light Emitting Display、OLED)、電気泳動表示素子(Electrophoresis、EPD)などの平板表示素子と、その平板表示素子の表示パネル内にインセルタイプで内蔵したタッチセンサに具現することができる。以下の実施の形態において、平板表示素子の一つの例として、液晶表示素子を説明するが、本発明のディスプレイ装置は、液晶表示素子に限定されないということに注意しなければならない。
【0014】
図2及び図3を参照すれば、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置は、表示パネル100、ディスプレイデータ駆動回路202、ディスプレイスキャン駆動回路204、タッチセンサ駆動回路302、タッチセンサ読み出し回路(Touch sensor read-out circuit、304)、タッチコントローラ(Touch controller、306)、タイミングコントローラ(Timing controller、104)などを含む。
【0015】
表示パネル100は、二枚のガラス基板の間に液晶層が形成される。表示パネル100の下部基板には、複数のデータライン(D1〜Dm、mは正の整数)、データライン(D1〜Dm)と交差される複数のゲートライン(G1〜Gn、nは正の整数)、データライン(D1〜Dm)とゲートライン(G1〜Gn)の交差部に形成される複数のTFT(Thin Film Transistor、図6のTFT)、液晶セル(図6のClc)にデータ電圧を充電させるための複数の画素電極11、画素電極11に接続され液晶セルの電圧を維持させるためのキャパシタストレージキャパシタ(Storage Capacitor、図6のCst)、タッチセンサなどを含む。
【0016】
タッチセンサは、図4乃至図6のように、ゲートライン(G1〜Gn)と並んでいるTxライン(T1〜Tj、jはnより小さな正の整数)、Txライン(T1〜Tj)と交差しデータライン(D1〜Dm)と並んでいるRxライン(R1〜Ri、iはmより小さな正の整数)、及びTxライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)の交差部に形成された相互容量(mutual capacitance、Cm)などを含む。
【0017】
Txライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)は、共通電極12に接続され、ディスプレイ期間の間、共通電極12に共通電圧(Vcom)を供給する。タッチセンサ駆動期間の間、Txライン(T1〜Tj)にはタッチセンサを駆動するための駆動パルスが供給され、Rxライン(R1〜Ri)にはタッチ基準電圧(Vref)が供給される。
【0018】
表示パネル100のピクセルは、データライン(D1〜Dm)とゲートライン(G1〜Gn)により定義されたピクセル領域に形成され、マトリックス状に配置される。ピクセルそれぞれの液晶セルは、画素電極11に印加されるデータ電圧と共通電極12に印加される共通電圧(Vcom)の電圧差によって印加される電界により駆動されて入射光の透過量を調節する。TFTは、ゲートライン(G1〜Gn)からのゲートパルスに応答してターンオンされ、データライン(D1〜Dm)からの電圧を液晶セルの画素電極11に供給する。
【0019】
表示パネル100の上部ガラス基板には、ブラックマットリックス、カラーフィルタなどを含むことができる。一方、表示パネル100の下部ガラス基板は、COT(Color filter On TFT)構造で具現することができる。この場合に、ブラックマットリックスとカラーフィルタは、表示パネル100の下部ガラス基板に形成される。
【0020】
共通電極12は、TN(Twisted Nematic)モードとVA(Vertical Alignment)モードのような垂直電界駆動方式で上部ガラス基板に形成され、IPS(In Plane Switching)モードとFFS(Fringe Field Switching)モードのような水平電界駆動方式で画素電極11と共に下部ガラス基板上に形成される。共通電極12に供給される共通電圧(Vcom)は7V〜8V間の直流電圧で有り得る。共通電極12はTxライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)の内、一つ以上に接続され、そのTxライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)を通じて共通電圧(Vcom)の供給を受ける。
【0021】
表示パネル100の上部ガラス基板と下部ガラス基板それぞれには偏光板が附着し液晶と接する内面に液晶のプレチルト角を設定するための配向膜が形成される。表示パネル100の上部ガラス基板と下部ガラス基板の間には液晶セルのセルギャップ(Cell gap)を維持するためのカラムスペーサが形成される。
【0022】
ディスプレイデータ駆動回路202は複数のソースドライブIC(Integrated Circuit)を含む。ソースドライブICは、あらかじめ設定されたディスプレイ期間の間にアナログビデオデータ電圧を出力し、タッチセンサ駆動期間の間に特定直流電圧を出力する。ここで、特定直流電圧は、タッチセンサ駆動期間の間、タッチセンサの相互容量(Cm)に充電された電圧の変動を最小化することができる電圧である。特定直流電圧は、基底電圧(GND)またはそれと近接した直流電圧で有り得る。ソースドライブICはタイミングコントローラ104から入力されるデジタルビデオデータ(RGB)をラッチする。そして、ソースドライブICはデジタルビデオデータ(RGB)をアナログ正極性/負極性ガンマ補償電圧に変換してアナログビデオデータ電圧を出力する。アナログビデオデータ電圧はデータライン(D1〜Dm)に供給される。
【0023】
ディスプレイスキャン駆動回路204は一つ以上のスキャンドライブICを含む。スキャンドライブICは、ディスプレイ期間の間にタイミングコントローラ104の制御の下にアナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルス(またはゲートパルス)をゲートライン(G1〜Gn)に順次供給して、アナログビデオデータ電圧が記入される表示パネルのラインを選択する。スキャンパルスはゲートハイ電圧(VGH)とゲートロー電圧(VGL)の間でスイングするパルスとして発生する。ディスプレイスキャン駆動回路204は、タッチセンサ駆動期間の間にスキャンパルスを発生しないでゲートロー電圧(VGL)をゲートライン(G1〜Gn)に持続的に供給する。したがって、ゲートライン(G1〜Gn)は、ディスプレイ期間の間ゲートパルスをピクセルのTFTに供給して、表示パネル100でデータが記入されるラインを順次選択し、タッチセンサ駆動期間の間ゲートロー電圧(VGL)を維持する。ゲートハイ電圧(VGH)はおおよそ18V〜20V間の電圧であり得、ゲートロー電圧(VGL)はおおよそ0V〜−15V間の電圧で有り得る。
【0024】
タッチセンサ駆動回路302は、ディスプレイ期間の間にTxライン(T1〜Tj)に共通電圧(Vcom)を供給し、タッチセンサ駆動期間の間にTxライン(T1〜Tj)に駆動パルスを順次印加してタッチセンサをスキャニングする。
【0025】
タッチセンサ読み出し回路304は、ディスプレイ期間の間、Rxライン(R1〜Ri)に共通電圧(Vcom)を供給し、タッチセンサ駆動期間の間、Rxライン(R1〜Ri)にタッチ基準電圧(Vref)を供給する。タッチ基準電圧(Vcom)は0Vより高く3V以下の直流電圧に設定される。タッチセンサ読み出し回路304は、Rxライン(R1〜Ri)を通じて入力されるタッチセンサのアナログ出力(相互容量の電圧)を増幅しHIDフォーマットのデジタルデータに変換してタッチコントローラ306に送る。
【0026】
タッチコントローラ306は、タッチセンサ読み出し回路304から入力されたデジタルデータをあらかじめ設定されたタッチ認識アルゴリズムで分析して座標値を算出する。タッチコントローラ306から出力されたタッチ位置の座標値データは外部のホストシステムに伝送する。ホストシステムはタッチ位置の座標値が指示する応用プログラムを実行する。
【0027】
タイミングコントローラ104は、外部のホストシステムから入力される垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、データイネーブル信号(Data Enable、DE)、メインクロック(MCLK)などのタイミング信号の入力を受け、ディスプレイデータ駆動回路202とディスプレイスキャン駆動回路204の動作タイミングを制御するためのタイミング制御信号を発生する。ディスプレイスキャン駆動回路204のタイミング制御信号は、ゲートスタートパルス(Gate Start Pulse GSP)、ゲートシフトクロック(Gate Shift Clock、GSC)、ゲート出力イネーブル信号(Gate Output Enable、GOE)、シフト方向制御信号(DIR)などを含む。ディスプレイデータ駆動回路202のタイミング制御信号は、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock、SSC)、極性制御信号(Polarity、POL)、及びソース出力イネーブル信号(Source Output Enable、SOE)などを含む。
【0028】
タイミングコントローラ104は、タッチセンサ駆動回路302とタッチセンサ読み出し回路304の動作タイミングを制御するためのタイミング制御信号(Ctx、Crx)を発生する。
【0029】
タイミングコントローラ104は、タイミング制御信号を制御し1フレーム期間をディスプレイ期間とタッチセンサ駆動期間に時分割する。例えば、1フレーム期間が1/60秒(16.67msec)であれば、タイミングコントローラ104は、おおよそ11msecをディスプレイ期間として設定し、そのディスプレイ期間の間、ディスプレイデータ駆動回路202とディスプレイスキャン駆動回路204の出力をイネーブルさせてビデオデータをピクセルに表示する。そして、タイミングコントローラ104は、5.67msecをタッチセンサ駆動期間として設定し、そのタッチセンサ駆動期間の間にタッチセンサ駆動回路302とタッチセンサ読み出し回路304を駆動してタッチスクリーンのタッチ位置を検出する。ディスプレイ期間とタッチセンサ駆動期間は、表示パネル100の種類にしたがってパネル特性を考慮し適切に調節される。
【0030】
図3は図2に示された表示パネル100に内蔵したピクセルアレイとタッチセンサの一部を示す平面図である。
【0031】
図3において、Txライン(T1〜Tj)は透明導電ブロックパターン(T11〜T23)とリンクパターン(L11〜L22)を含む。
【0032】
透明導電ブロックパターン(T11〜T23)それぞれの大きさはピクセルそれぞれの大きさより大きくパターニングされる。透明導電ブロックパターン(T11〜T23)それぞれは絶縁層を間に置いてピクセルと重畳され、ITO(Indium Tin Oxide)のような透明導電物質でパターニングされる。リンクパターン(L11〜L22)はRxライン(R1、R2)を横切って横方向(または水平方向)で隣合う透明導電ブロックパターン(T11〜T23)を電気的に連結する。リンクパターン(L11〜L22)は絶縁層を間に置いてRxライン(R1、R2)と重畳される。リンクパターン(L11〜L22)は電気伝導率が高い金属アルミニウム(Al)、アルミニウムネオジム(AlNd)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属でパターニングされるか、透明導電物質でパターニングされる。図3において、第1Txラインはリンクパターン(L11、L12)を経由し横方向に沿って接続された複数の透明導電ブロックパターン(T11〜T13)を含む。第2Txラインはリンクパターン(L21、L22)を経由し横方向に沿って接続された複数の透明導電ブロックパターン(T21〜T23)を含む。
【0033】
Rxライン(R1、R2)は横方向に隣合う透明導電ブロックパターン(T11〜T23)の間で縦方向(または垂直方向)に沿って長くパターニングされる。Rxライン(R1、R2)はITOのような透明導電物質で形成される。Rxライン(R1、R2)それぞれは図示しない複数のピクセルと重畳される。
【0034】
図3において、“D1〜D3...”はデータラインであり、“G1〜G3...”はゲートラインを示す。
【0035】
図4は表示パネル100のピクセルに接続された信号配線とカップリングされない理想的なタッチセンサを示す等価回路図である。図5は表示パネル100のピクセルに接続された信号配線とカップリングされたタッチセンサを示す等価回路図である。図6は表示パネル100のピクセルに接続された信号配線を通じタッチセンサに流入されるノイズ成分を示す回路図である。
【0036】
図4乃至図6において、“Ct”はTxラインに接続された寄生容量、“Cr”はRxラインに接続された寄生容量、“Cgr”はゲートライン(Gx)とRxラインの間の寄生容量、“Rt”はTxラインの抵抗、“Rr”は Rxラインの抵抗をそれぞれ意味する。
【0037】
静電容量方式のタッチセンサがピクセルに接続された信号配線とカップリングされない理想的な条件(図4)で、TxラインとRxラインの交差部に形成された相互容量(Cm)電圧のタッチ前後の変化量がノイズなしに検出される。これに比べて、図5のようにピクセルに接続されたゲートライン(Gx)と静電容量方式のタッチセンサがカップリングされれば、Txライン、ゲートライン(Gx)、ゲートライン(Gx)とRxラインの間の寄生容量(Cgr)を通じノイズ成分の電流が流れるようになり、その電流がRxラインを通じ出力されるタッチ信号に混入される。タッチ信号は相互容量(Cm)から出力される電圧である。このノイズ成分にしたがって、タッチ前後に相互容量(Cm)電圧変化量が小さくなるのでタッチ可否が区分しにくくなりタッチ感度が低くなる。ノイズ成分がゲートライン(Gx)と接続された抵抗(Ron)を通じ放電すればタッチ信号に混入されるノイズ成分を小さくできる。したがって、ゲートライン(Gx)に接続された抵抗(Ron)を減らせばタッチ信号に混入されたノイズ成分を減らすことができる。
【0038】
図6において、図面符号“40”はディスプレイスキャン駆動回路204の出力部を示す。ディスプレイスキャン駆動回路204の出力部40はゲートハイ電圧(VGH)をゲートライン(Gx)に供給するプルアップ(Pull-up)トランジスタ(Tup)と、ゲートロー電圧(VGL)をゲートライン(Gx)に供給するプルダウン(Pull-down)トランジスタ(Tdn)を含む。
【0039】
タッチセンサの駆動期間の間、ゲートライン(Gx)に接続された抵抗(Ron)は、図6のように、ディスプレイスキャン駆動回路204の出力部40に形成されたプルダウン(Pull-down)トランジスタ(Tdn)のソース−ドレーン間の抵抗を含む。したがって、ゲートライン(Gx)に接続された抵抗(Ron)を減らすためにはプルダウントランジスタ(Tdn)の大きさを大きくしなければならない。
【0040】
表示パネル100の下部ガラス基板にGIP(Gate in panel)でディスプレイスキャン駆動回路204が直接実装される。この場合、ピクセルアレイのTFTとディスプレイスキャン駆動回路204のトランジスタが非晶質シリコン(Amorpous Si、a−Si)上に形成されることができる。非晶質シリコン基盤のトランジスタの抵抗(Ron)はLTPS(Low Temperature Poly Silicon)基板の表示パネルに形成されたトランジスタの抵抗に比べて格段に高い。したがって、非晶質シリコン基盤のトランジスタの抵抗(Ron)を充分に小さくするためにはトランジスタの大きさが非常に大きくなる。ディスプレイスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ(Tdn)の大きさを大きくすれば非表示領域であるベゼル(bezel)領域が大きくなるので表示パネル100をナローベゼル(Narrow bezel)パネルで具現しにくい。
【0041】
図7は本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動信号を示す波形図である。
【0042】
図7を参照すれば、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置は、1フレーム期間をディスプレイ期間(P1)とタッチセンサ駆動期間(P2)で時分割してタッチセンサが内蔵した表示パネル100を駆動する。
【0043】
ディスプレイ期間(P1)間、データライン(D1〜D4)には正極性/負極性アナログビデオデータ電圧(Vd)が供給され、ゲートライン(G1〜G3)にはデータ電圧と同期するゲートパルスが供給される。Txライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)にはディスプレイ期間(P1)間共通電極12に供給される共通電圧(Vcom)が供給される。
【0044】
タッチセンサ駆動期間(P2)間、データライン(D1〜D4)には特定直流電圧、例えば、基底電圧(GND)が供給され、ゲートライン(G1〜G3)にはゲートロー電圧(VGL)が供給される。Txライン(T1〜Tj)にはタッチセンサ駆動期間(P2)間駆動パルス(Vdrv)が順次供給される。Rxライン(R1〜Ri)にはタッチセンサ駆動期間(P2)間タッチ基準電圧(Vref)が供給される。タッチセンサ駆動期間(P2)間、図7のようにすべてのデータライン(D1〜D4)に同一である特定直流電圧を供給すれば、図8のようにピクセルに接続された信号配線を通じタッチ信号に混入されるノイズ成分を最小化することができる。
【0045】
一方、従来のタッチセンサ内蔵型表示装置は、ディスプレイデータ駆動回路202のソースドライブICが最後の正極性/負極性データ電圧をタッチセンサ駆動期間(T2)間維持した後次フレーム期間のディスプレイ期間(P1)に新しい正極性/負極性データ電圧を出力した。例えば、従来のタッチセンサ内蔵型表示装置において、第1データライン(D1)はディスプレイ期間(P1)の最後のデータ電圧である負極性データ電圧をタッチセンサ駆動期間の間維持し、第2データライン(D2)はディスプレイ期間(P1)の最後のデータ電圧である正極性データ電圧をタッチセンサ駆動期間(P2)の間維持した。
【0046】
図7において、タッチセンサ駆動期間の間にTxライン(T1〜Tj)に供給される駆動パルスの電圧は2V〜18V間の電圧であり、タッチセンサ駆動回路302のIC駆動特性にしたがって変わる。
【0047】
タッチセンサ駆動期間の間、Rxライン(R1〜Ri)に供給されるタッチ基準電圧(Vref)が印加される。図4及び図7を参照すれば、本発明はTxライン(T1〜Tj)に駆動パルスを印加しRxライン(R1〜Ri)の電荷(Chargh)変化に基づいてタッチ可否を検出する。Rxライン(R1〜Ri)に一定なタッチ基準電圧(Vref)が印加されれば、Txライン(T1〜Tj)のパルシング(pulsing)により相互容量(Cm)の電荷量が変わって相互容量(Cm)の電荷量変動に比例してRxライン(R1〜Ri)の電荷量が振れるようになる。Rxライン(R1〜Ri)の電荷振れが再びタッチ基準電圧(Vref)として変わるのが、この過程でRxライン(R1〜Ri)の変化を感知することができる。
【0048】
タッチにより相互容量(Cm)の電荷量が変わるようになれば、微細な波形の変化が生ずるようになり、これを積分すれば電荷の変化として示される。ここで、Rxライン(R1〜Ri)にタッチ基準電圧(Vref)が印加された状態ならば、Txライン(T1〜Tj)に駆動パルスが印加される前にはRxライン(R1〜Rj)はタッチ基準電圧(Vref)により電荷を充電している。Txライン(T1〜Tj)のパルシングでTxライン(T1〜Tj)の電圧がスイングすれば、Rxライン(R1〜Ri)の電荷量も変わるようになる。Txライン(T1〜Tj)の電位がまたタッチ基準電圧(Vref)に安定化されれば、Rxライン(R1〜Ri)の電荷も駆動パルスが印加される前の状態に復元される。すると、Rxライン(R1〜Ri)の電荷量変化は相互容量(Cm)の変化にしたがって誘発された電荷量変化分検出される。このように、タッチセンシング期間の間にRxライン(R1〜Ri)に一定な直流電圧に設定されたタッチ基準電圧(Vref)が印加されれば、Rxライン(R1〜Ri)に接続された寄生容量の電荷変動にほとんど影響を受けることなく相互容量(Cm)の変化が検出される。
【0049】
図8において、“Cdt”はデータラインとTxラインの間の寄生容量、“Cgd、Cgd1、Cgd2”はゲートライン(Gx)とデータラインの間の寄生容量、“Cgt”はゲートライン(Gx)とTxラインの間の寄生容量、“Cgr1,Cgr2”はゲートラインとRxラインの間の寄生容量、“Cdr1、Cdr2”はデータラインとRxラインの間の寄生容量をそれぞれ意味する。図面符号“61”はタッチセンサ読み出し回路304に内蔵した増幅回路である。増幅回路61は演算増幅器(operation amplifier、OP amp)と、キャパシタ(Cop)を含む。演算増幅器の非反転入力端子にはRxラインを通じタッチ信号が入力され、演算増幅器の反転入力端子には基準電圧(Vrx)が供給される。基準電圧(Vrx)はタッチ基準電圧(Vref)に設定される。キャパシタ(Cop)は演算増幅器の非反転入力端子と演算増幅器の出力端子の間に接続されタッチ信号を累積して貯蔵する。
【0050】
タッチが発生されたタッチセンサの相互容量(Cm)は寄生容量(Cdt、Cgd、Cgt、Cgr1、Cgd1、Cdr1)を通じピクセルに接続された信号配線と接続される。タッチセンサ駆動期間(T2)の間、データラインに基底電圧(GND)やそれと近い特定直流電圧が供給されゲートライン(Gx)にゲートロー電圧(VGL)が供給されるので寄生容量(Cdt、Cgd、Cgt、Cgr1、Cgd1、Cdr1)の変動がない。特に、データラインに基底電圧(GND)やそれと近い特定直流電圧が供給されるからピクセルに接続されたデータラインとゲートラインを通じ流れるノイズ成分の信号がRxラインに流れないでデータラインを通じ放電する。したがって、相互容量(Cm)から出力されRxラインを経由しタッチセンサ読み出し回路304に伝達するタッチ信号にノイズ成分がほとんど混入されないので、タッチ信号でタッチ前後の変化を大きくでき、タッチ感度とタッチ認識率を高めることができる。
【0051】
本発明の他の実施の形態として、タッチセンサ駆動期間の間(T2)データラインに特定直流電圧を供給し、ゲートラインに接続されたディスプレイスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)を小さく設計する。一例として、非晶質シリコン基盤の表示パネル100上にGIP形態でスキャン駆動回路204が直接形成される場合に、スキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)は10KΩ〜150KΩ位に設計される。この場合に、ベゼル領域が大きくなることがあるがタッチ信号に混入されるノイズ成分の信号がデータラインとゲートラインを通じ効果的に放電される。
【0052】
他の例として、スキャン駆動回路204をTAB(Tape Automated Bonding)IC状に製作して表示パネル100の基板上に接着する場合にスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)は0より大きく2KΩ以下に設計される。
【0053】
図9は図4のようなRxラインの電流変化を示す実験結果の図である。図10はLTPS基盤の表示パネルにおけるタッチ前後のRxラインの電流変化を示す実験結果図である。
【0054】
図10はLTPS基盤の表示パネルに内蔵したタッチセンサにおけるタッチ前後の電流変化を示す実験結果図である。LTPS基盤の表示パネルに形成されたスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)は非晶質シリコン基盤の表示パネル100に形成されたスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)の1/10水準である。図10の実験結果で分かるように、LTPS基盤の表示パネルにおいてRxラインで測定された電流は70μA〜80μA以上に測定されて消費電力を上昇させる。タッチセンサ読み出し回路304のICは一般的に消費電力を考慮しRxライン(R1〜Ri)に10μA以内の電流を供給することができ、10μA以内の電流変化を感知することができる。本発明のようにタッチセンサ駆動期間の間にデータラインに特定直流電圧を供給すればLTPS基盤の表示パネルにおいてRxラインを通じ流れる電流を10μA以内に低めることができる。
【0055】
図11は本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置のタッチセンサでタッチ前後のRxラインの電流変化を示す図である。図11で分かるように、タッチセンサ駆動期間(T2)の間にデータラインの電圧が特定直流電圧で維持されれば、たとえLTPS基盤の表示パネル100に比べてスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)が相対的に高いとしてもタッチセンサでタッチ前後にタッチ信号の差が現われるのでタッチセンサの出力がピクセルに接続された信号配線の影響をほとんど受けないということが確認された。
【0056】
本発明は非晶質シリコン基盤またはLTPS基盤の表示パネル100を有する表示装置に適用されることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサ内蔵型表示装置とその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器やポータブル情報機器の軽量化、スリム化にしたがってユーザー入力手段がボタン型スイッチからタッチセンサに取り変わっている。ディスプレイ装置に適用されるタッチスクリーンは複数のタッチセンサを含む。タッチセンサは表示パネル内にインセルタイプ(In-cell type)で内蔵することができる。
【0003】
静電容量方式のタッチセンサは、相互容量(mutual capacitance)方式で具現することができる。静電容量方式のタッチセンサは、図1Aのように互いに交差する信号配線(Tx、Rx)の交差部に形成された相互容量(Mutual capacitance)を含む。指が図1Bのように静電容量方式のタッチセンサに形成された相互容量の電極の間に近付けばその電極の間の電界が遮られて相互容量の充電量が低くなる。したがって、静電容量方式のタッチセンサはタッチ前後の相互容量の充電量の変化を測定しタッチを認識することができる。
【0004】
タッチセンサが表示パネル内に内蔵すれば、タッチセンサに接続された信号配線と、表示パネルのピクセルに接続された信号配線のカップリング(coupling)にしたがってそれらの間に電気的に影響を与えるようになる。例えば、ピクセルに接続されたゲートラインの電圧は比較的大きいスイング幅でスイングするのに、この電圧がノイズ成分としてタッチセンサの出力に反映されタッチセンサの感度とタッチ認識率を落とすことになる。したがって、表示パネル内に内蔵したタッチセンサの感度とタッチ認識間違いを減らすためにはピクセルに接続された信号配線からタッチセンサに印加されるノイズの影響を減らさなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的とするところは、表示パネルのピクセルに接続された信号配線からタッチセンサに印加されるノイズを最小化することができるタッチセンサ内蔵型表示装置とその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明のタッチセンサ内蔵型表示装置は、ピクセルにデータ電圧を供給するデータライン、前記ピクセルにスキャンパルスを供給するゲートライン、互いに交差されその交差部に相互容量が形成されたTxライン及びRxラインを含む表示パネルとディスプレイ期間の間に前記データラインにアナログビデオデータ電圧を供給しタッチセンサ駆動期間の間に前記データラインの電圧を特定直流電圧に同一に維持させるディスプレイデータ駆動回路と前記ディスプレイ期間の間前記アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給するディスプレイスキャン駆動回路と、前記タッチセンサ駆動期間の間前記Txラインに駆動パルスを順次供給するタッチセンサ駆動回路と、前記タッチセンサ駆動期間の間前記Rxラインを経由し前記相互容量からタッチ信号を受信するタッチセンサ読み出し回路を含む。
【0007】
前記特定直流電圧は基底電圧(GND)や基底電圧(GND)に近い直流電圧である。
【0008】
前記ディスプレイスキャン駆動回路は前記タッチセンサ駆動期間の間に前記ゲートラインの電圧をゲートロー電圧で維持させる。
【0009】
前記タッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法は、ディスプレイ期間の間に前記データラインにアナログビデオデータ電圧を供給する段階と、前記ディスプレイ期間、前記アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給する段階と、タッチセンサ駆動期間の間に前記データラインの電圧を特定直流電圧で同一に維持させる段階と、前記タッチセンサ駆動期間の間、前記Txラインに駆動パルスを順次供給する段階と、前記タッチセンサ駆動期間の間に前記Rxラインを経由し前記相互容量からタッチ信号をタッチセンサ読み出し回路に受信する段階とを含む。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明は、タッチセンサの駆動期間の間、データラインに特定直流電圧を供給しタッチセンサの出力に悪影響を与えるノイズ成分の信号をデータラインを通じ放電させる。その結果、本発明は、表示パネルのピクセルに接続された信号配線からタッチセンサに印加されるノイズを最小化することができる。さらに、本発明は、非晶質シリコン(Amorpous Si)基盤の表示パネルにおいてベゼル領域の増加なしにタッチセンサに悪影響を与えるノイズを最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】静電容量方式のタッチセンサのタッチ前後動作を示す図である。
【図1B】静電容量方式のタッチセンサのタッチ前後動作を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置を示すブロック図である。
【図3】図2に示された表示パネルに内蔵したピクセルアレイとタッチセンサの一部を示す平面図である。
【図4】表示パネルのピクセルに接続された信号配線とカップリングされない理想的な状態(ideal state)であるタッチセンサを示す等価回路図である。
【図5】表示パネルのピクセルに接続された信号配線とカップリングされたタッチセンサを示す等価回路図である。
【図6】表示パネルのピクセルに接続された信号配線を通じタッチセンサに流入されるノイズ成分を示す回路図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動信号を示す波形図である。
【図8】データラインに同一である特定直流電圧を供給する時ノイズ成分にほとんど影響を受けないタッチ信号の流れを示す回路図である。
【図9】図4のようなRxラインの電流変化を示す実験結果図である。
【図10】LTPS(Low Temperature Poly Silicon)基盤の表示パネルでタッチ前後のRxラインの電流変化を示す実験結果図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置のタッチセンサでタッチ前後のRxラインの電流変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付された図面を参照して、本発明に係る望ましい実施の形態を詳しく説明する。明細書全体にかけて同一である参照番号は実質的に同一である構成要素を意味する。
【0013】
本発明のタッチセンサ内蔵型表示装置は、液晶表示素子(Liquid Crystal Display、LCD)、電界放出表示素子(Field Emission Display、FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、有機発光ダイオード表示装置(Organic Light Emitting Display、OLED)、電気泳動表示素子(Electrophoresis、EPD)などの平板表示素子と、その平板表示素子の表示パネル内にインセルタイプで内蔵したタッチセンサに具現することができる。以下の実施の形態において、平板表示素子の一つの例として、液晶表示素子を説明するが、本発明のディスプレイ装置は、液晶表示素子に限定されないということに注意しなければならない。
【0014】
図2及び図3を参照すれば、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置は、表示パネル100、ディスプレイデータ駆動回路202、ディスプレイスキャン駆動回路204、タッチセンサ駆動回路302、タッチセンサ読み出し回路(Touch sensor read-out circuit、304)、タッチコントローラ(Touch controller、306)、タイミングコントローラ(Timing controller、104)などを含む。
【0015】
表示パネル100は、二枚のガラス基板の間に液晶層が形成される。表示パネル100の下部基板には、複数のデータライン(D1〜Dm、mは正の整数)、データライン(D1〜Dm)と交差される複数のゲートライン(G1〜Gn、nは正の整数)、データライン(D1〜Dm)とゲートライン(G1〜Gn)の交差部に形成される複数のTFT(Thin Film Transistor、図6のTFT)、液晶セル(図6のClc)にデータ電圧を充電させるための複数の画素電極11、画素電極11に接続され液晶セルの電圧を維持させるためのキャパシタストレージキャパシタ(Storage Capacitor、図6のCst)、タッチセンサなどを含む。
【0016】
タッチセンサは、図4乃至図6のように、ゲートライン(G1〜Gn)と並んでいるTxライン(T1〜Tj、jはnより小さな正の整数)、Txライン(T1〜Tj)と交差しデータライン(D1〜Dm)と並んでいるRxライン(R1〜Ri、iはmより小さな正の整数)、及びTxライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)の交差部に形成された相互容量(mutual capacitance、Cm)などを含む。
【0017】
Txライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)は、共通電極12に接続され、ディスプレイ期間の間、共通電極12に共通電圧(Vcom)を供給する。タッチセンサ駆動期間の間、Txライン(T1〜Tj)にはタッチセンサを駆動するための駆動パルスが供給され、Rxライン(R1〜Ri)にはタッチ基準電圧(Vref)が供給される。
【0018】
表示パネル100のピクセルは、データライン(D1〜Dm)とゲートライン(G1〜Gn)により定義されたピクセル領域に形成され、マトリックス状に配置される。ピクセルそれぞれの液晶セルは、画素電極11に印加されるデータ電圧と共通電極12に印加される共通電圧(Vcom)の電圧差によって印加される電界により駆動されて入射光の透過量を調節する。TFTは、ゲートライン(G1〜Gn)からのゲートパルスに応答してターンオンされ、データライン(D1〜Dm)からの電圧を液晶セルの画素電極11に供給する。
【0019】
表示パネル100の上部ガラス基板には、ブラックマットリックス、カラーフィルタなどを含むことができる。一方、表示パネル100の下部ガラス基板は、COT(Color filter On TFT)構造で具現することができる。この場合に、ブラックマットリックスとカラーフィルタは、表示パネル100の下部ガラス基板に形成される。
【0020】
共通電極12は、TN(Twisted Nematic)モードとVA(Vertical Alignment)モードのような垂直電界駆動方式で上部ガラス基板に形成され、IPS(In Plane Switching)モードとFFS(Fringe Field Switching)モードのような水平電界駆動方式で画素電極11と共に下部ガラス基板上に形成される。共通電極12に供給される共通電圧(Vcom)は7V〜8V間の直流電圧で有り得る。共通電極12はTxライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)の内、一つ以上に接続され、そのTxライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)を通じて共通電圧(Vcom)の供給を受ける。
【0021】
表示パネル100の上部ガラス基板と下部ガラス基板それぞれには偏光板が附着し液晶と接する内面に液晶のプレチルト角を設定するための配向膜が形成される。表示パネル100の上部ガラス基板と下部ガラス基板の間には液晶セルのセルギャップ(Cell gap)を維持するためのカラムスペーサが形成される。
【0022】
ディスプレイデータ駆動回路202は複数のソースドライブIC(Integrated Circuit)を含む。ソースドライブICは、あらかじめ設定されたディスプレイ期間の間にアナログビデオデータ電圧を出力し、タッチセンサ駆動期間の間に特定直流電圧を出力する。ここで、特定直流電圧は、タッチセンサ駆動期間の間、タッチセンサの相互容量(Cm)に充電された電圧の変動を最小化することができる電圧である。特定直流電圧は、基底電圧(GND)またはそれと近接した直流電圧で有り得る。ソースドライブICはタイミングコントローラ104から入力されるデジタルビデオデータ(RGB)をラッチする。そして、ソースドライブICはデジタルビデオデータ(RGB)をアナログ正極性/負極性ガンマ補償電圧に変換してアナログビデオデータ電圧を出力する。アナログビデオデータ電圧はデータライン(D1〜Dm)に供給される。
【0023】
ディスプレイスキャン駆動回路204は一つ以上のスキャンドライブICを含む。スキャンドライブICは、ディスプレイ期間の間にタイミングコントローラ104の制御の下にアナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルス(またはゲートパルス)をゲートライン(G1〜Gn)に順次供給して、アナログビデオデータ電圧が記入される表示パネルのラインを選択する。スキャンパルスはゲートハイ電圧(VGH)とゲートロー電圧(VGL)の間でスイングするパルスとして発生する。ディスプレイスキャン駆動回路204は、タッチセンサ駆動期間の間にスキャンパルスを発生しないでゲートロー電圧(VGL)をゲートライン(G1〜Gn)に持続的に供給する。したがって、ゲートライン(G1〜Gn)は、ディスプレイ期間の間ゲートパルスをピクセルのTFTに供給して、表示パネル100でデータが記入されるラインを順次選択し、タッチセンサ駆動期間の間ゲートロー電圧(VGL)を維持する。ゲートハイ電圧(VGH)はおおよそ18V〜20V間の電圧であり得、ゲートロー電圧(VGL)はおおよそ0V〜−15V間の電圧で有り得る。
【0024】
タッチセンサ駆動回路302は、ディスプレイ期間の間にTxライン(T1〜Tj)に共通電圧(Vcom)を供給し、タッチセンサ駆動期間の間にTxライン(T1〜Tj)に駆動パルスを順次印加してタッチセンサをスキャニングする。
【0025】
タッチセンサ読み出し回路304は、ディスプレイ期間の間、Rxライン(R1〜Ri)に共通電圧(Vcom)を供給し、タッチセンサ駆動期間の間、Rxライン(R1〜Ri)にタッチ基準電圧(Vref)を供給する。タッチ基準電圧(Vcom)は0Vより高く3V以下の直流電圧に設定される。タッチセンサ読み出し回路304は、Rxライン(R1〜Ri)を通じて入力されるタッチセンサのアナログ出力(相互容量の電圧)を増幅しHIDフォーマットのデジタルデータに変換してタッチコントローラ306に送る。
【0026】
タッチコントローラ306は、タッチセンサ読み出し回路304から入力されたデジタルデータをあらかじめ設定されたタッチ認識アルゴリズムで分析して座標値を算出する。タッチコントローラ306から出力されたタッチ位置の座標値データは外部のホストシステムに伝送する。ホストシステムはタッチ位置の座標値が指示する応用プログラムを実行する。
【0027】
タイミングコントローラ104は、外部のホストシステムから入力される垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、データイネーブル信号(Data Enable、DE)、メインクロック(MCLK)などのタイミング信号の入力を受け、ディスプレイデータ駆動回路202とディスプレイスキャン駆動回路204の動作タイミングを制御するためのタイミング制御信号を発生する。ディスプレイスキャン駆動回路204のタイミング制御信号は、ゲートスタートパルス(Gate Start Pulse GSP)、ゲートシフトクロック(Gate Shift Clock、GSC)、ゲート出力イネーブル信号(Gate Output Enable、GOE)、シフト方向制御信号(DIR)などを含む。ディスプレイデータ駆動回路202のタイミング制御信号は、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock、SSC)、極性制御信号(Polarity、POL)、及びソース出力イネーブル信号(Source Output Enable、SOE)などを含む。
【0028】
タイミングコントローラ104は、タッチセンサ駆動回路302とタッチセンサ読み出し回路304の動作タイミングを制御するためのタイミング制御信号(Ctx、Crx)を発生する。
【0029】
タイミングコントローラ104は、タイミング制御信号を制御し1フレーム期間をディスプレイ期間とタッチセンサ駆動期間に時分割する。例えば、1フレーム期間が1/60秒(16.67msec)であれば、タイミングコントローラ104は、おおよそ11msecをディスプレイ期間として設定し、そのディスプレイ期間の間、ディスプレイデータ駆動回路202とディスプレイスキャン駆動回路204の出力をイネーブルさせてビデオデータをピクセルに表示する。そして、タイミングコントローラ104は、5.67msecをタッチセンサ駆動期間として設定し、そのタッチセンサ駆動期間の間にタッチセンサ駆動回路302とタッチセンサ読み出し回路304を駆動してタッチスクリーンのタッチ位置を検出する。ディスプレイ期間とタッチセンサ駆動期間は、表示パネル100の種類にしたがってパネル特性を考慮し適切に調節される。
【0030】
図3は図2に示された表示パネル100に内蔵したピクセルアレイとタッチセンサの一部を示す平面図である。
【0031】
図3において、Txライン(T1〜Tj)は透明導電ブロックパターン(T11〜T23)とリンクパターン(L11〜L22)を含む。
【0032】
透明導電ブロックパターン(T11〜T23)それぞれの大きさはピクセルそれぞれの大きさより大きくパターニングされる。透明導電ブロックパターン(T11〜T23)それぞれは絶縁層を間に置いてピクセルと重畳され、ITO(Indium Tin Oxide)のような透明導電物質でパターニングされる。リンクパターン(L11〜L22)はRxライン(R1、R2)を横切って横方向(または水平方向)で隣合う透明導電ブロックパターン(T11〜T23)を電気的に連結する。リンクパターン(L11〜L22)は絶縁層を間に置いてRxライン(R1、R2)と重畳される。リンクパターン(L11〜L22)は電気伝導率が高い金属アルミニウム(Al)、アルミニウムネオジム(AlNd)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属でパターニングされるか、透明導電物質でパターニングされる。図3において、第1Txラインはリンクパターン(L11、L12)を経由し横方向に沿って接続された複数の透明導電ブロックパターン(T11〜T13)を含む。第2Txラインはリンクパターン(L21、L22)を経由し横方向に沿って接続された複数の透明導電ブロックパターン(T21〜T23)を含む。
【0033】
Rxライン(R1、R2)は横方向に隣合う透明導電ブロックパターン(T11〜T23)の間で縦方向(または垂直方向)に沿って長くパターニングされる。Rxライン(R1、R2)はITOのような透明導電物質で形成される。Rxライン(R1、R2)それぞれは図示しない複数のピクセルと重畳される。
【0034】
図3において、“D1〜D3...”はデータラインであり、“G1〜G3...”はゲートラインを示す。
【0035】
図4は表示パネル100のピクセルに接続された信号配線とカップリングされない理想的なタッチセンサを示す等価回路図である。図5は表示パネル100のピクセルに接続された信号配線とカップリングされたタッチセンサを示す等価回路図である。図6は表示パネル100のピクセルに接続された信号配線を通じタッチセンサに流入されるノイズ成分を示す回路図である。
【0036】
図4乃至図6において、“Ct”はTxラインに接続された寄生容量、“Cr”はRxラインに接続された寄生容量、“Cgr”はゲートライン(Gx)とRxラインの間の寄生容量、“Rt”はTxラインの抵抗、“Rr”は Rxラインの抵抗をそれぞれ意味する。
【0037】
静電容量方式のタッチセンサがピクセルに接続された信号配線とカップリングされない理想的な条件(図4)で、TxラインとRxラインの交差部に形成された相互容量(Cm)電圧のタッチ前後の変化量がノイズなしに検出される。これに比べて、図5のようにピクセルに接続されたゲートライン(Gx)と静電容量方式のタッチセンサがカップリングされれば、Txライン、ゲートライン(Gx)、ゲートライン(Gx)とRxラインの間の寄生容量(Cgr)を通じノイズ成分の電流が流れるようになり、その電流がRxラインを通じ出力されるタッチ信号に混入される。タッチ信号は相互容量(Cm)から出力される電圧である。このノイズ成分にしたがって、タッチ前後に相互容量(Cm)電圧変化量が小さくなるのでタッチ可否が区分しにくくなりタッチ感度が低くなる。ノイズ成分がゲートライン(Gx)と接続された抵抗(Ron)を通じ放電すればタッチ信号に混入されるノイズ成分を小さくできる。したがって、ゲートライン(Gx)に接続された抵抗(Ron)を減らせばタッチ信号に混入されたノイズ成分を減らすことができる。
【0038】
図6において、図面符号“40”はディスプレイスキャン駆動回路204の出力部を示す。ディスプレイスキャン駆動回路204の出力部40はゲートハイ電圧(VGH)をゲートライン(Gx)に供給するプルアップ(Pull-up)トランジスタ(Tup)と、ゲートロー電圧(VGL)をゲートライン(Gx)に供給するプルダウン(Pull-down)トランジスタ(Tdn)を含む。
【0039】
タッチセンサの駆動期間の間、ゲートライン(Gx)に接続された抵抗(Ron)は、図6のように、ディスプレイスキャン駆動回路204の出力部40に形成されたプルダウン(Pull-down)トランジスタ(Tdn)のソース−ドレーン間の抵抗を含む。したがって、ゲートライン(Gx)に接続された抵抗(Ron)を減らすためにはプルダウントランジスタ(Tdn)の大きさを大きくしなければならない。
【0040】
表示パネル100の下部ガラス基板にGIP(Gate in panel)でディスプレイスキャン駆動回路204が直接実装される。この場合、ピクセルアレイのTFTとディスプレイスキャン駆動回路204のトランジスタが非晶質シリコン(Amorpous Si、a−Si)上に形成されることができる。非晶質シリコン基盤のトランジスタの抵抗(Ron)はLTPS(Low Temperature Poly Silicon)基板の表示パネルに形成されたトランジスタの抵抗に比べて格段に高い。したがって、非晶質シリコン基盤のトランジスタの抵抗(Ron)を充分に小さくするためにはトランジスタの大きさが非常に大きくなる。ディスプレイスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ(Tdn)の大きさを大きくすれば非表示領域であるベゼル(bezel)領域が大きくなるので表示パネル100をナローベゼル(Narrow bezel)パネルで具現しにくい。
【0041】
図7は本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動信号を示す波形図である。
【0042】
図7を参照すれば、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置は、1フレーム期間をディスプレイ期間(P1)とタッチセンサ駆動期間(P2)で時分割してタッチセンサが内蔵した表示パネル100を駆動する。
【0043】
ディスプレイ期間(P1)間、データライン(D1〜D4)には正極性/負極性アナログビデオデータ電圧(Vd)が供給され、ゲートライン(G1〜G3)にはデータ電圧と同期するゲートパルスが供給される。Txライン(T1〜Tj)とRxライン(R1〜Ri)にはディスプレイ期間(P1)間共通電極12に供給される共通電圧(Vcom)が供給される。
【0044】
タッチセンサ駆動期間(P2)間、データライン(D1〜D4)には特定直流電圧、例えば、基底電圧(GND)が供給され、ゲートライン(G1〜G3)にはゲートロー電圧(VGL)が供給される。Txライン(T1〜Tj)にはタッチセンサ駆動期間(P2)間駆動パルス(Vdrv)が順次供給される。Rxライン(R1〜Ri)にはタッチセンサ駆動期間(P2)間タッチ基準電圧(Vref)が供給される。タッチセンサ駆動期間(P2)間、図7のようにすべてのデータライン(D1〜D4)に同一である特定直流電圧を供給すれば、図8のようにピクセルに接続された信号配線を通じタッチ信号に混入されるノイズ成分を最小化することができる。
【0045】
一方、従来のタッチセンサ内蔵型表示装置は、ディスプレイデータ駆動回路202のソースドライブICが最後の正極性/負極性データ電圧をタッチセンサ駆動期間(T2)間維持した後次フレーム期間のディスプレイ期間(P1)に新しい正極性/負極性データ電圧を出力した。例えば、従来のタッチセンサ内蔵型表示装置において、第1データライン(D1)はディスプレイ期間(P1)の最後のデータ電圧である負極性データ電圧をタッチセンサ駆動期間の間維持し、第2データライン(D2)はディスプレイ期間(P1)の最後のデータ電圧である正極性データ電圧をタッチセンサ駆動期間(P2)の間維持した。
【0046】
図7において、タッチセンサ駆動期間の間にTxライン(T1〜Tj)に供給される駆動パルスの電圧は2V〜18V間の電圧であり、タッチセンサ駆動回路302のIC駆動特性にしたがって変わる。
【0047】
タッチセンサ駆動期間の間、Rxライン(R1〜Ri)に供給されるタッチ基準電圧(Vref)が印加される。図4及び図7を参照すれば、本発明はTxライン(T1〜Tj)に駆動パルスを印加しRxライン(R1〜Ri)の電荷(Chargh)変化に基づいてタッチ可否を検出する。Rxライン(R1〜Ri)に一定なタッチ基準電圧(Vref)が印加されれば、Txライン(T1〜Tj)のパルシング(pulsing)により相互容量(Cm)の電荷量が変わって相互容量(Cm)の電荷量変動に比例してRxライン(R1〜Ri)の電荷量が振れるようになる。Rxライン(R1〜Ri)の電荷振れが再びタッチ基準電圧(Vref)として変わるのが、この過程でRxライン(R1〜Ri)の変化を感知することができる。
【0048】
タッチにより相互容量(Cm)の電荷量が変わるようになれば、微細な波形の変化が生ずるようになり、これを積分すれば電荷の変化として示される。ここで、Rxライン(R1〜Ri)にタッチ基準電圧(Vref)が印加された状態ならば、Txライン(T1〜Tj)に駆動パルスが印加される前にはRxライン(R1〜Rj)はタッチ基準電圧(Vref)により電荷を充電している。Txライン(T1〜Tj)のパルシングでTxライン(T1〜Tj)の電圧がスイングすれば、Rxライン(R1〜Ri)の電荷量も変わるようになる。Txライン(T1〜Tj)の電位がまたタッチ基準電圧(Vref)に安定化されれば、Rxライン(R1〜Ri)の電荷も駆動パルスが印加される前の状態に復元される。すると、Rxライン(R1〜Ri)の電荷量変化は相互容量(Cm)の変化にしたがって誘発された電荷量変化分検出される。このように、タッチセンシング期間の間にRxライン(R1〜Ri)に一定な直流電圧に設定されたタッチ基準電圧(Vref)が印加されれば、Rxライン(R1〜Ri)に接続された寄生容量の電荷変動にほとんど影響を受けることなく相互容量(Cm)の変化が検出される。
【0049】
図8において、“Cdt”はデータラインとTxラインの間の寄生容量、“Cgd、Cgd1、Cgd2”はゲートライン(Gx)とデータラインの間の寄生容量、“Cgt”はゲートライン(Gx)とTxラインの間の寄生容量、“Cgr1,Cgr2”はゲートラインとRxラインの間の寄生容量、“Cdr1、Cdr2”はデータラインとRxラインの間の寄生容量をそれぞれ意味する。図面符号“61”はタッチセンサ読み出し回路304に内蔵した増幅回路である。増幅回路61は演算増幅器(operation amplifier、OP amp)と、キャパシタ(Cop)を含む。演算増幅器の非反転入力端子にはRxラインを通じタッチ信号が入力され、演算増幅器の反転入力端子には基準電圧(Vrx)が供給される。基準電圧(Vrx)はタッチ基準電圧(Vref)に設定される。キャパシタ(Cop)は演算増幅器の非反転入力端子と演算増幅器の出力端子の間に接続されタッチ信号を累積して貯蔵する。
【0050】
タッチが発生されたタッチセンサの相互容量(Cm)は寄生容量(Cdt、Cgd、Cgt、Cgr1、Cgd1、Cdr1)を通じピクセルに接続された信号配線と接続される。タッチセンサ駆動期間(T2)の間、データラインに基底電圧(GND)やそれと近い特定直流電圧が供給されゲートライン(Gx)にゲートロー電圧(VGL)が供給されるので寄生容量(Cdt、Cgd、Cgt、Cgr1、Cgd1、Cdr1)の変動がない。特に、データラインに基底電圧(GND)やそれと近い特定直流電圧が供給されるからピクセルに接続されたデータラインとゲートラインを通じ流れるノイズ成分の信号がRxラインに流れないでデータラインを通じ放電する。したがって、相互容量(Cm)から出力されRxラインを経由しタッチセンサ読み出し回路304に伝達するタッチ信号にノイズ成分がほとんど混入されないので、タッチ信号でタッチ前後の変化を大きくでき、タッチ感度とタッチ認識率を高めることができる。
【0051】
本発明の他の実施の形態として、タッチセンサ駆動期間の間(T2)データラインに特定直流電圧を供給し、ゲートラインに接続されたディスプレイスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)を小さく設計する。一例として、非晶質シリコン基盤の表示パネル100上にGIP形態でスキャン駆動回路204が直接形成される場合に、スキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)は10KΩ〜150KΩ位に設計される。この場合に、ベゼル領域が大きくなることがあるがタッチ信号に混入されるノイズ成分の信号がデータラインとゲートラインを通じ効果的に放電される。
【0052】
他の例として、スキャン駆動回路204をTAB(Tape Automated Bonding)IC状に製作して表示パネル100の基板上に接着する場合にスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)は0より大きく2KΩ以下に設計される。
【0053】
図9は図4のようなRxラインの電流変化を示す実験結果の図である。図10はLTPS基盤の表示パネルにおけるタッチ前後のRxラインの電流変化を示す実験結果図である。
【0054】
図10はLTPS基盤の表示パネルに内蔵したタッチセンサにおけるタッチ前後の電流変化を示す実験結果図である。LTPS基盤の表示パネルに形成されたスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)は非晶質シリコン基盤の表示パネル100に形成されたスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)の1/10水準である。図10の実験結果で分かるように、LTPS基盤の表示パネルにおいてRxラインで測定された電流は70μA〜80μA以上に測定されて消費電力を上昇させる。タッチセンサ読み出し回路304のICは一般的に消費電力を考慮しRxライン(R1〜Ri)に10μA以内の電流を供給することができ、10μA以内の電流変化を感知することができる。本発明のようにタッチセンサ駆動期間の間にデータラインに特定直流電圧を供給すればLTPS基盤の表示パネルにおいてRxラインを通じ流れる電流を10μA以内に低めることができる。
【0055】
図11は本発明の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型表示装置のタッチセンサでタッチ前後のRxラインの電流変化を示す図である。図11で分かるように、タッチセンサ駆動期間(T2)の間にデータラインの電圧が特定直流電圧で維持されれば、たとえLTPS基盤の表示パネル100に比べてスキャン駆動回路204のプルダウントランジスタ抵抗(Ron)が相対的に高いとしてもタッチセンサでタッチ前後にタッチ信号の差が現われるのでタッチセンサの出力がピクセルに接続された信号配線の影響をほとんど受けないということが確認された。
【0056】
本発明は非晶質シリコン基盤またはLTPS基盤の表示パネル100を有する表示装置に適用されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセルにデータ電圧を供給するデータライン、前記ピクセルにスキャンパルスを供給するゲートライン、互いに交差されその交差部に相互容量が形成されたTxライン及びRxラインを含む表示パネルと、
ディスプレイ期間の間に前記データラインにアナログビデオデータ電圧を供給しタッチセンサ駆動期の間に前記データラインの電圧を特定直流電圧で同一に維持させるディスプレイデータ駆動回路と、
前記ディスプレイ期間の間に前記アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給するディスプレイスキャン駆動回路と、
前記タッチセンサ駆動期間の間に前記Txラインに駆動パルスを順次供給するタッチセンサ駆動回路と、
前記タッチセンサ駆動期間の間に前記Rxラインを経由し前記相互容量からタッチ信号を受信するタッチセンサ読み出し回路と
を含むことを特徴とするタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項2】
前記特定直流電圧は基底電圧(GND)や基底電圧(GND)に近い直流電圧であることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項3】
前記スキャンパルスはゲートハイ電圧とゲートロー電圧の間でスイングし、
前記ディスプレイスキャン駆動回路は前記タッチセンサ駆動期間の間に前記ゲートラインの電圧を前記ゲートロー電圧に維持させることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項4】
前記ディスプレイスキャン駆動回路の出力端は前記ゲートラインと接続されたプルダウントランジスタを含み、
前記プルダウントランジスタそれぞれのソース−ドレーンの間の抵抗は10KΩ〜150KΩの間の値であることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項5】
前記ディスプレイスキャン駆動回路の出力端は前記ゲートラインと接続されたプルダウントランジスタを含み、
前記プルダウントランジスタそれぞれのソース−ドレーンの間の抵抗は0より大きく2KΩ以下であることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項6】
ピクセルにデータ電圧を供給するデータライン、前記ピクセルにスキャンパルスを供給するゲートライン、互いに交差されその交差部に相互容量が形成されたTxライン及び Rxラインを含む表示パネルを備えるタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法において、
ディスプレイ期間の間に前記データラインにアナログビデオデータ電圧を供給する段階と、
前記ディスプレイ期間、前記アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給する段階と、
タッチセンサ駆動期間の間、前記データラインの電圧を特定直流電圧で同一に維持させる段階と、
前記タッチセンサ駆動期間の間に前記Txラインに駆動パルスを順次供給する段階と、
前記タッチセンサ駆動期間の間、前記Rxラインを経由し前記相互容量からタッチ信号をタッチセンサ読み出し回路に受信する段階と
を含むことを特徴とするタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【請求項7】
前記特定直流電圧は基底電圧(GND)や基底電圧(GND)に近い直流電圧であることを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【請求項8】
前記タッチセンサ駆動期間の間、F前記ゲートラインの電圧をゲートロー電圧で維持させる段階をさらに含み、
前記スキャンパルスはゲートハイ電圧と前記ゲートロー電圧の間でスイングすることを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【請求項9】
前記スキャンパルスを出力するディスプレイスキャン駆動回路の出力端は前記ゲートラインと接続されたプルダウントランジスタを含み、
前記プルダウントランジスタそれぞれのソース−ドレーンの間の抵抗は10KΩ 〜150KΩの間の値であることを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【請求項10】
前記ディスプレイスキャン駆動回路の出力端は前記ゲートラインと接続されたプルダウントランジスタを含み、
前記プルダウントランジスタそれぞれのソース−ドレーンの間の抵抗は0より大きく2KΩ以下であることを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【請求項1】
ピクセルにデータ電圧を供給するデータライン、前記ピクセルにスキャンパルスを供給するゲートライン、互いに交差されその交差部に相互容量が形成されたTxライン及びRxラインを含む表示パネルと、
ディスプレイ期間の間に前記データラインにアナログビデオデータ電圧を供給しタッチセンサ駆動期の間に前記データラインの電圧を特定直流電圧で同一に維持させるディスプレイデータ駆動回路と、
前記ディスプレイ期間の間に前記アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給するディスプレイスキャン駆動回路と、
前記タッチセンサ駆動期間の間に前記Txラインに駆動パルスを順次供給するタッチセンサ駆動回路と、
前記タッチセンサ駆動期間の間に前記Rxラインを経由し前記相互容量からタッチ信号を受信するタッチセンサ読み出し回路と
を含むことを特徴とするタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項2】
前記特定直流電圧は基底電圧(GND)や基底電圧(GND)に近い直流電圧であることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項3】
前記スキャンパルスはゲートハイ電圧とゲートロー電圧の間でスイングし、
前記ディスプレイスキャン駆動回路は前記タッチセンサ駆動期間の間に前記ゲートラインの電圧を前記ゲートロー電圧に維持させることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項4】
前記ディスプレイスキャン駆動回路の出力端は前記ゲートラインと接続されたプルダウントランジスタを含み、
前記プルダウントランジスタそれぞれのソース−ドレーンの間の抵抗は10KΩ〜150KΩの間の値であることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項5】
前記ディスプレイスキャン駆動回路の出力端は前記ゲートラインと接続されたプルダウントランジスタを含み、
前記プルダウントランジスタそれぞれのソース−ドレーンの間の抵抗は0より大きく2KΩ以下であることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ内蔵型表示装置。
【請求項6】
ピクセルにデータ電圧を供給するデータライン、前記ピクセルにスキャンパルスを供給するゲートライン、互いに交差されその交差部に相互容量が形成されたTxライン及び Rxラインを含む表示パネルを備えるタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法において、
ディスプレイ期間の間に前記データラインにアナログビデオデータ電圧を供給する段階と、
前記ディスプレイ期間、前記アナログビデオデータ電圧に同期するスキャンパルスを前記ゲートラインに順次供給する段階と、
タッチセンサ駆動期間の間、前記データラインの電圧を特定直流電圧で同一に維持させる段階と、
前記タッチセンサ駆動期間の間に前記Txラインに駆動パルスを順次供給する段階と、
前記タッチセンサ駆動期間の間、前記Rxラインを経由し前記相互容量からタッチ信号をタッチセンサ読み出し回路に受信する段階と
を含むことを特徴とするタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【請求項7】
前記特定直流電圧は基底電圧(GND)や基底電圧(GND)に近い直流電圧であることを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【請求項8】
前記タッチセンサ駆動期間の間、F前記ゲートラインの電圧をゲートロー電圧で維持させる段階をさらに含み、
前記スキャンパルスはゲートハイ電圧と前記ゲートロー電圧の間でスイングすることを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【請求項9】
前記スキャンパルスを出力するディスプレイスキャン駆動回路の出力端は前記ゲートラインと接続されたプルダウントランジスタを含み、
前記プルダウントランジスタそれぞれのソース−ドレーンの間の抵抗は10KΩ 〜150KΩの間の値であることを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【請求項10】
前記ディスプレイスキャン駆動回路の出力端は前記ゲートラインと接続されたプルダウントランジスタを含み、
前記プルダウントランジスタそれぞれのソース−ドレーンの間の抵抗は0より大きく2KΩ以下であることを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ内蔵型表示装置の駆動方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−203901(P2012−203901A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−280078(P2011−280078)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】
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