説明

タッチ位置検出装置

【課題】低コストで構成が簡単なタッチ位置検出装置を実現する。
【解決手段】タッチ位置検出装置1は、列ラインLS1〜LSnと、行ラインLC1〜LCmとを有するタッチパネル2と、スリーステートバッファBS1〜BSnと、スリーステートバッファBC1〜BCmと、各行ラインLC1〜LCmの一端から入力される電圧を閾値電圧VCと比較するコンパレータCPC1〜CPCmと、各列ラインLS1〜LSnの一端から入力される電圧を閾値電圧VSと比較するコンパレータCPS1〜CPSnと、列ライン抵抗RS1〜RSnと、行ライン抵抗RC1〜RCmとを備える。これにより、コンパレータCPC1〜CPCmに入力される電圧、およびコンパレータCPS1〜CPSnに入力される電圧が、接触位置によらずそれぞれ一定になっているので、閾値電圧VCおよび閾値電圧VSを変化させる必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えるタッチ位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを備えるタッチ位置検出装置には、アナログ型とマトリクス型との2つがあり、いずれも通常の入力操作のために実用されている。アナログ型のタッチパネルは、マトリクス型のタッチパネルに比べて耐久性に優れ安価であり、タッチペンによる細かいタッチ入力にも対応しやすいという長所を有している。
【0003】
アナログ型のタッチパネルを用いたタッチ位置検出装置101の概略構成を図11に示す。図11(a)および(b)は、タッチ位置検出装置101の概略構成を示す斜視図である。タッチ位置検出装置101は、互いに離間する抵抗膜102と抵抗膜103とを備えている。抵抗膜102の対抗する2辺には、対向電極104a・104bが形成されており、抵抗膜103の対抗する2辺には、対向電極105a・105bが形成されている。図11(a)に示すように、対向電極104aと対向電極104bとの間には、基準電圧が印加される。また、図11(b)に示すように、対向電極105aと対向電極105bとの間にも、基準電圧が印加される。
【0004】
図11(c)に示すように、タッチ位置において抵抗膜102と抵抗膜103とが短絡する。このとき、抵抗膜102に印加された基準電圧を抵抗膜103で分圧し、分圧された電圧をA/D変換して検出することにより、検出電圧値の大小からX方向およびY方向の座標位置を特定する。
【0005】
一方、マトリクス型のタッチパネルは、タッチパネルに多数のマトリクススイッチを配置して、各マトリクススイッチがタッチ入力を検知する構成である。このため、タッチパネル上の離れた複数の位置をタッチ入力した場合でも、対応するマトリクススイッチがタッチ入力を検知するので、タッチ入力された各位置を判別することできる。
【0006】
また、特許文献1は、アナログ型のタッチパネルとマトリクス型のタッチパネルとの両方の長所を採り入れたタッチ位置検出装置を開示している。
【0007】
図12は、特許文献1に記載のタッチ位置検出装置201の構成を示す平面図である。タッチ位置検出装置201は、複数の短冊状抵抗膜202…と、複数の短冊状抵抗膜203…とを備えており、短冊状抵抗膜202…と短冊状抵抗膜203…とは、互いに直交している。各短冊状抵抗膜202…および短冊状抵抗膜203…の両端には、基準電圧が印加されている。短冊状抵抗膜202…と短冊状抵抗膜203…とが重なる複数の領域204が同時にタッチされた場合でも、タッチされた各領域204の位置関係が以下のようになる場合を除き、タッチされた各位置を検出することができる。すなわち、各領域が3点以上タッチされた場合であって、そのうちの1点で直交する短冊状抵抗膜の両方において、当該1点以外の領域204がタッチされている場合を除き、タッチされた各位置を検出することができる。
【0008】
しかしながら、図11に示すタッチ位置検出装置101および図12に示すタッチ位置検出装置201は、タッチパネルの4方向から電圧を印加する必要があるため、構成が複雑になるという問題がある。そこで、タッチパネルの2方向から電圧を印加することにより、タッチ位置を検出可能な構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0009】
図13は、特許文献2に記載のタッチ位置検出装置301の構成を示す図である。タッチ位置検出装置301は、タッチパネル302と、列ラインドライバ303と、行ラインドライバ304とを備えている。タッチパネル302は、行方向に配列されるn本(nは2以上の整数)の列ラインLS1〜LSnと、列方向に配列されるm本(mは2以上の整数)の行ラインLC1〜LCmとを有している。列ラインLS1〜LSnと行ラインLC1〜LCmとは、互いに離間して直交している。また、各列ラインLS1〜LSnは、一端が列ラインドライバ303に接続されており、他端が絶縁体によって保持されている。同様に、各行ラインLC1〜LCmは、一端が行ラインドライバ304に接続されており、他端が絶縁体によって保持されている。
【0010】
列ラインドライバ303は、n個のスリーステートバッファBS1〜BSnと、n個のコンパレータCPS1〜CPSnとを備えている。各スリーステートバッファBS1〜BSnの入力端子は電源Vccに接続されている。また、各スリーステートバッファBS1〜BSnの出力端子は、抵抗Ra(抵抗値1〜5kΩ)を介して各列ラインLS1〜LSnの一端にそれぞれ接続されている。
【0011】
各コンパレータCPS1〜CPSnの−入力端子は、各列ラインLS1〜LSnの一端にそれぞれ接続されている。一方、各コンパレータCPS1〜CPSnの+入力端子には、それぞれ閾値電圧VS1〜VSnが入力されている。また、各列ラインLS1〜LSnの一端は、抵抗Rb(抵抗値100kΩ)を介して電源Vccに接続されている。各コンパレータCPS1〜CPSnは、+入力端子への入力電圧と−入力端子への入力電圧とを比較して、+入力端子への入力電圧のほうが−入力端子への入力電圧よりも大きい場合に、Hレベルの信号を出力する。
【0012】
行ラインドライバ304は、m個のスリーステートバッファBC1〜BCmと、m個のコンパレータCPC1〜CPCmとを備えている。各スリーステートバッファBC1〜BCmの入力端子は接地されている。また、各スリーステートバッファBC1〜BCmの出力端子は、抵抗Rc(抵抗値1〜5kΩ)を介して各行ラインLC1〜LCmの一端にそれぞれ接続されている。
【0013】
各コンパレータCPC1〜CPCmの+入力端子は、各行ラインLC1〜LCmの一端にそれぞれ接続されている。一方、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子には、それぞれ閾値電圧VC1〜VCmが入力されている。また、各行ラインLC1〜LCmの一端は、抵抗Rd(抵抗値100kΩ)を介して電源Vccに接続されている。各コンパレータCPC1〜CPCmは、+入力端子への入力電圧と−入力端子への入力電圧とを比較して、+入力端子への入力電圧のほうが−入力端子への入力電圧よりも大きい場合に、Hレベルの信号を出力する。
【0014】
列ラインドライバ303の各スリーステートバッファBS1〜BSnは、図示しない制御部からの制御信号がHレベルになると、それぞれ各列ラインLS1〜LSnの一端に電圧を印加することにより、各列ラインLS1〜LSnを駆動する。ここで、スリーステートバッファBS1〜BSnへの制御信号は、順次Hレベルになるように制御される。例えば、図13において左からi番目の列ラインLSiに接続されるスリーステートバッファBSiへの制御信号がHレベルであるとき、他の列ラインに接続されるスリーステートバッファへの制御信号はLレベルとなっている。すなわち、列ラインLSiが駆動されているとき、他の列ラインに接続されるスリーステートバッファは、ハイインピーダンス状態となっている。これにより、各列ラインLS1〜LSnは、各スリーステートバッファBS1〜BSnによって順次駆動される。
【0015】
行ラインドライバ304の各スリーステートバッファBC1〜BCmは、図示しない制御部からの制御信号がHレベルになると、それぞれ各行ラインLC1〜LCmの一端に電圧を印加することにより、各行ラインLC1〜LCmを駆動する。ここで、スリーステートバッファBC1〜BCmへの制御信号は、順次Hレベルになるように制御される。例えば、図13において上からi番目の行ラインLCiに接続されるスリーステートバッファBCiへの制御信号がHレベルであるとき、他の行ラインに接続されるスリーステートバッファへの制御信号はLレベルとなっている。すなわち、行ラインLCiが駆動されているとき、他の行ラインに接続されるスリーステートバッファは、ハイインピーダンス状態となっている。これにより、各行ラインLC1〜LCmは、各スリーステートバッファBC1〜BCmによって順次駆動される。
【0016】
図14は、点P301がタッチされた状態におけるタッチ位置検出装置301を示す図である。点P301がタッチされると、列ラインLSiと行ラインLCiとが接触する。この状態で、各列ラインLS1〜LSnが順次駆動され、スリーステートバッファBSiへの制御信号がHレベルになると、矢印のように電流が流れ、行ラインLCiの一端からコンパレータCPCiの+入力端子に電圧が出力される。また、点P301がタッチされた状態で、各行ラインLC1〜LCmが駆動され、スリーステートバッファBCiへの制御信号がHレベルになると、矢印のように電流が流れ、列ラインLSiの一端からコンパレータCPSiの−入力端子に電圧が出力される。このように、列ラインLSiと行ラインLCiとが接触している場合、各列ラインLS1〜LSnが順次駆動されると、行ラインLCiの一端から電圧が出力され、各行ラインLC1〜LCmが駆動されると、列ラインLSiの一端から電圧が出力される。
【0017】
ここで、タッチ位置検出装置301では、単に電圧の出力有無のみに基づいてタッチ位置を特定すると、複数点がタッチ操作され、いわゆる「回り込み」が発生している場合に、タッチ位置を正確に特定できないという問題がある。「回り込み」について、図15を参照して説明する。
【0018】
図15は、点P302〜P304がタッチされた状態におけるタッチ位置検出装置301を示す図である。この場合も、各列ラインLS1〜LSnが順次駆動されると、矢印に示すように電流が流れ、行ラインLCiの一端から電圧が出力される。同様に、各行ラインLC1〜LCmが駆動されると、列ラインLSiの一端から電圧が出力される。すなわち、図14に示す点P301がタッチされていないにもかかわらず、点P301がタッチされている場合に電圧を出力する列ライン・行ラインと同一の列ライン・行ラインから電圧が出力される。このように、「回り込み」が発生すると、単に電圧の出力有無のみだけでは、タッチ位置を正確に特定できない。
【0019】
このため、タッチ位置検出装置301では、各行ラインLC1〜LCmからの出力電圧を、それぞれコンパレータCPC1〜CPCmが閾値電圧VC1〜VCmと比較して、コンパレータCPC1〜CPCmの出力信号により、「回り込み」の発生の有無を検知している。図14および図15から、「回り込み」が発生している場合の電流経路は、「回り込み」が発生していない場合の電流経路よりも長いため、「回り込み」が発生している場合の電流経路のほうが、「回り込み」が発生していない場合の電流経路よりも抵抗値が高くなる。そのため、「回り込み」が発生している場合の行ラインLCiからの出力電圧は、「回り込み」が発生していない場合の行ラインLCiからの出力電圧よりも低くなる。
【0020】
そこで、タッチ位置検出装置301では、コンパレータCPCiの−入力端子に入力される閾値電圧VCiを、点P301がタッチされて列ラインLSiが駆動される場合に行ラインLCiから出力される電圧よりも、若干低く設定している。具体的には、閾値電圧VCiは、「回り込み」が発生していない場合の電流経路を介して行ラインLCiから出力される電圧よりも低く、かつ、「回り込み」が発生している場合の電流経路のうち最短の電流経路を介して行ラインLCiから出力される電圧よりも高く設定されている。さらに、タッチパネルの内部抵抗や行ライン・列ラインの抵抗値にはばらつきがあるため、閾値電圧VCiは、「回り込み」が発生していない場合の電流経路を介して行ラインLCiから出力される電圧と、「回り込み」が発生している場合の電流経路のうち最短の電流経路を介して行ラインLCiから出力される電圧との中間値付近に設定される。これにより、「回り込み」が発生した場合、行ラインLCiからの出力電圧は閾値電圧VCiよりも低くなるため、コンパレータCPCiの出力信号はLレベルとなり、「回り込み」が発生していない場合のみ、コンパレータCPCiの出力信号はHレベルとなる。
【0021】
同様に、タッチ位置検出装置301では、各列ラインLS1〜LSnからの出力電圧を、それぞれコンパレータCPS1〜CPSnが閾値電圧VS1〜VSnと比較して、コンパレータCPS1〜CPSnの出力信号により、「回り込み」の発生の有無を検知している。「回り込み」が発生している場合の電流経路は、「回り込み」が発生していない場合の電流経路よりも長いため、「回り込み」が発生している場合の列ラインLSiからの出力電圧は、「回り込み」が発生していない場合の列ラインLSiからの出力電圧よりも高くなる。そこで、コンパレータCPSiの−入力端子に入力される閾値電圧VSiは、点P301がタッチされて行ラインLCiが駆動される場合に列ラインLSiから出力される電圧よりも、若干高く設定されている。具体的には、閾値電圧VSiは、「回り込み」が発生していない場合の電流経路を介して列ラインLSiから出力される電圧よりも高く、かつ、「回り込み」が発生している場合の電流経路のうち最短の電流経路を介して列ラインLSiから出力される電圧よりも低く設定されている。さらに、タッチパネルの内部抵抗や行ライン・列ラインの抵抗値にはばらつきがあるため、閾値電圧VSiは、「回り込み」が発生していない場合の電流経路を介して列ラインLSiから出力される電圧と、「回り込み」が発生している場合の電流経路のうち最短の電流経路を介して列ラインLSiから出力される電圧との中間値付近に設定される。これにより、「回り込み」が発生した場合、列ラインLSiからの出力電圧は、閾値電圧VSiよりも低くなるため、コンパレータCPSiの出力信号はLレベルとなり、「回り込み」が発生していない場合のみ、コンパレータCPCiの出力信号はHレベルとなる。
【0022】
タッチ位置検出装置301は、コンパレータCPC1〜CPCmおよびコンパレータCPS1〜CPSnからの出力信号に基づいて、互いに接触している列ラインと行ラインとを検出することにより、タッチ位置を特定している。ここで、コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子に入力される閾値電圧VC1〜VCmは、「回り込み」が発生していない場合の行ラインLC1〜LCmからの出力電圧よりも若干低く設定され、コンパレータCPS1〜CPSnの+入力端子に入力される閾値電圧VS1〜VSnは、「回り込み」が発生していない場合の列ラインLS1〜LSnからの出力電圧よりも若干高く設定されている。これにより、「回り込み」によって、タッチされていない位置をタッチ位置として誤って特定されることを防止している。
【0023】
特許文献2に記載のタッチ位置検出装置の変形例について、図16〜図18を参照して説明する。
【0024】
図16は、特許文献2に記載のタッチ位置検出装置401の構成を示す図である。タッチ位置検出装置401は、タッチパネル402と、列ラインドライバ403と、行ラインドライバ404とを備えている。タッチパネル402の構成は、図13に示すタッチパネル302と同様である。
【0025】
列ラインドライバ403は、図13に示す列ラインドライバ303において、n個のコンパレータCPS1〜CPSnをn個のADコンバータAS1〜ASnに置き換えた構成である。各ADコンバータAS1〜ASnの入力端子は、各列ラインLS1〜LSnの一端にそれぞれ接続されている。各ADコンバータAS1〜ASnは、各列ラインLS1〜LSnからの出力電圧をデジタル信号に変換して図示しないCPUに出力する。
【0026】
行ラインドライバ404は、図13に示す行ラインドライバ304において、m個のコンパレータCPC1〜CPCmをm個のADコンバータAC1〜ACmに置き換えた構成である。各ADコンバータAC1〜ACmの入力端子は、各行ラインLC1〜LCmの一端にそれぞれ接続されている。各ADコンバータAC1〜ACmは、各行ラインLC1〜LCmからの出力電圧をデジタル信号に変換して図示しないCPUに出力する。
【0027】
列ラインドライバ403の各スリーステートバッファBS1〜BSnは、図13に示す列ラインドライバ303の各スリーステートバッファBS1〜BSnと同様に、図示しない制御部からの制御信号によって各列ラインLS1〜LSnを順次駆動する。また、行ラインドライバ404の各スリーステートバッファBC1〜BCmは、図13に示す行ラインドライバ304の各スリーステートバッファBC1〜BCmと同様に、図示しない制御部からの制御信号によって各行ラインLC1〜LCmを順次駆動する。
【0028】
図17は、点P401がタッチされた状態におけるタッチ位置検出装置401を示す図である。点P401がタッチされると、列ラインLSiと行ラインLCiとが接触する。この状態で、列ラインLSiが駆動されると、矢印のように電流が流れ、行ラインLCiの一端からADコンバータACiに電圧が出力される。また、点P401がタッチされた状態で、行ラインLCiが駆動されると、矢印のように電流が流れ、列ラインLSiの一端からADコンバータASiに電圧が出力される。
【0029】
タッチ位置検出装置401においても、「回り込み」の問題を回避するため、ADコンバータACiおよびADコンバータASiから出力されるデジタル値を、所定のデジタル値と比較することによりタッチ位置を特定している。例えば、図18に示すように、点P402〜P404がタッチされていることにより「回り込み」が発生している場合、行ラインLCiからの出力電圧は、「回り込み」が発生していない場合の行ラインLCiからの出力電圧よりも低くなり、列ラインLSiからの出力電圧は、「回り込み」が発生していない場合の列ラインLSiからの出力電圧よりも高くなる。
【0030】
そこで、タッチ位置検出装置401では、図示しないCPUが、ADコンバータACiからのデジタル値を、「回り込み」が発生していない場合の行ラインLCiからの出力電圧に相当するデジタル値よりも若干低いデジタル値と比較し、ADコンバータASiからのデジタル値を、「回り込み」が発生していない場合の列ラインLSiからの出力電圧に相当するデジタル値よりも若干高いデジタル値と比較する。これらの比較に基づいてタッチ位置を特定することにより、「回り込み」が発生した場合に、タッチされていない位置をタッチ位置として誤って特定することを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開平9−45184号公報(1997年2月14日公開)
【特許文献2】欧州特許出願公開第1950649号明細書(2008年7月30日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
しかしながら、図13に示すタッチ位置検出装置301および図16に示すタッチ位置検出装置401は、以下のような問題を有している。
【0033】
図19は、点P301および点P305がタッチされた状態におけるタッチ位置検出装置301を示す図である。点P305がタッチされている場合、列ラインLS1を駆動させると、破線矢印に示すように電流が流れる。ここで、破線矢印に示す電流経路は、実線矢印に示す電流経路よりも短いため、行ラインLC1からの出力電圧は、行ラインLCiからの出力電圧よりも高くなる。このため、コンパレータCPC1の−入力端子に入力される閾値電圧VC1は、コンパレータCPCiの−入力端子に入力される閾値電圧VCiよりも高く設定する必要がある。このように、各行ラインLC1〜LCmからの出力電圧は、電流経路によって異なるため、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子に入力される閾値電圧VC1〜VCmが互いに異なるように設定しなければならない。
【0034】
また、図20に示すように、同じ行ラインLCi上にある点P301と点P306とが異なるタイミングでタッチされる場合、点P306を経由してコンパレータCPCiに流れる電流経路と、点P301を経由してコンパレータCPCiに流れる電流経路とは、互いに長さが異なる。したがって、同じ行ラインLCiであっても、駆動する列ラインによって出力電圧が異なる。このため、駆動する列ラインが変わるたびに、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子に入力される閾値電圧VC1〜VCmを変化させなければならない。このように、行ラインからの出力電圧は、行ラインごと、並びに、駆動する列ラインごとに異なる。同様に、列ラインからの出力電圧も、列ラインごと、並びに、駆動する行ラインごとに異なる。したがって、閾値電圧VC1〜VCmを発生させるための構成が非常に複雑になる。
【0035】
また、図16に示すタッチ位置検出装置401は、ADコンバータによって列ラインおよび行ラインからの出力電圧をデジタル値に変換して、CPUによって演算処理する構成である。しかしながら、一般にADコンバータは、複雑で高価な回路である。また、タッチ位置検出装置401においても、図13に示すタッチ位置検出装置301と同様、行ラインからの出力電圧が、行ラインごと、並びに、駆動する列ラインごとに異なり、列ラインからの出力電圧が、列ラインごと、並びに、駆動する行ラインごとに異なる。このため、ADコンバータの各々から出力されるデジタル値のCPUにおける演算処理が複雑になる。特に、列ラインおよび行ラインの本数を増やして高精細化を図った場合、複数のチップによってCPUを構成する必要があるため、コストが増加してしまう。
【0036】
以上のように、従来のタッチ位置検出装置301・401は、「回り込み」を回避しつつ正確なタッチ位置を検出するために、構成が複雑になるという問題を有している。
【0037】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、低コストで構成が簡単なタッチ位置検出装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0038】
上記の課題を解決するために、本発明に係るタッチ位置検出装置は、行方向に配列される複数本の列ラインおよび上記列ラインと離間して列方向に配列される複数本の行ラインを有するタッチパネルと、各列ラインの一端に電圧を印加することにより、各列ラインを順次駆動する列ライン駆動部と、各行ラインの一端に電圧を印加することにより、各行ラインを順次駆動する行ライン駆動部と、上記列ライン駆動部が各列ラインを駆動しているときに、各行ラインの上記一端から入力される電圧を第1の閾値電圧と比較することにより、上記タッチパネルへの押圧によって上記列ラインと接触している行ラインを検出する行ライン検出部と、上記行ライン駆動部が各行ラインを駆動しているときに、各列ラインの上記一端から入力される電圧を第2の閾値電圧と比較することにより、上記タッチパネルへの押圧によって上記行ラインと接触している列ラインを検出する列ライン検出部と、を備えるタッチ位置検出装置であって、上記列ラインのいずれか1本と上記行ラインのいずれか1本とが接触する場合に、列ラインに接触する行ラインの上記一端から上記行ライン検出部に入力される電圧、および、行ラインに接触する列ラインの上記一端から上記列ライン検出部に入力される電圧を、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず、それぞれ一定にする入力電圧定常手段を備えることを特徴としている。
【0039】
上記の構成によれば、タッチパネルへの押圧によって列ラインと行ラインとが接触しているときに、列ライン駆動部が各列ラインを順次駆動すると、行ラインと接触している列ラインから接触位置を経由して、列ラインと接触している行ラインを介して行ライン検出部に電圧が入力される。また、タッチパネルへの押圧によって列ラインと行ラインとが接触しているときに、行ライン駆動部が各行ラインを順次駆動すると、列ラインと接触している行ラインから接触位置を経由して、行ラインと接触している列ラインを介して列ライン検出部に電圧が入力される。そのため、第1の閾値電圧を、「回り込み」が発生していない場合に行ライン検出部に入力される電圧よりも若干異なるように設定することで、より具体的には、第1の閾値電圧を、「回り込み」が発生していない場合に行ライン検出部に入力される電圧と、「回り込み」が発生している場合の電流経路のうち最短の電流経路を介して行ライン検出部に入力される電圧との間に設定することで、行ライン検出部は、「回り込み」が発生していない場合のみ、列ラインと接触している行ラインを検出する。また、第2の閾値電圧を、「回り込み」が発生していない場合に列ライン検出部に入力される電圧よりも若干異なるように設定することで、より具体的には、第1の閾値電圧を、「回り込み」が発生していない場合に列ライン検出部に入力される電圧と、「回り込み」が発生している場合の電流経路のうち最短の電流経路を介して列ライン検出部に入力される電圧との間に設定することで、列ライン検出部は、「回り込み」が発生していない場合のみ、行ラインと接触している列ラインを検出する。これにより、「回り込み」が発生している場合に、誤ったタッチ位置の検出を回避することができる。
【0040】
さらに、入力電圧定常手段によって、列ラインのいずれか1本と行ラインのいずれか1本とが接触する場合に、列ラインに接触する行ラインの一端から行ライン検出部に入力される電圧、および、行ラインに接触する列ラインの一端から列ライン検出部に入力される電圧が、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず、それぞれ一定になっている。すなわち、「回り込み」が発生していない場合に行ラインから行ライン検出部に入力される電圧が、接触位置に関わらず一定であり、列ラインから列ライン検出部に入力される電圧が、接触位置に関わらず一定である。
【0041】
そのため、従来のタッチ位置検出装置のように、第1の閾値電圧を各行ラインごとに変化させたり、第2の閾値電圧を各列ラインごとに変化させたりする必要がない。よって、第1の閾値電圧および第2の閾値電圧を発生する電圧源の構成を簡略化することができる。したがって、低コストで構成が簡単なタッチ位置検出装置を実現できるという効果を奏する。
【0042】
本発明に係るタッチ位置検出装置では、上記入力電圧定常手段は、上記列ラインのいずれか1本と上記行ラインのいずれか1本とが接触する場合に、列ライン駆動部と接触位置との間の抵抗値と、行ライン検出部と接触位置との間の抵抗値との和、および、行ライン駆動部と接触位置との間の抵抗値と、列ライン検出部と接触位置との間の抵抗値との和を、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず、それぞれ一定にする抵抗値定常手段であり、上記抵抗値定常手段は、上記列ラインと同数の列ライン抵抗と、上記行ラインと同数の行ライン抵抗とを備え、各列ライン抵抗の一端は、上記列ライン駆動部と上記列ライン検出部とに接続され、各列ライン抵抗の他端は、各列ラインの上記一端に接続され、各行ライン抵抗の一端は、上記行ライン駆動部と上記行ライン検出部とに接続され、各行ライン抵抗の他端は、各行ラインの上記一端に接続され、上記列ライン駆動部が各列ラインを駆動しているときに各列ライン抵抗の一端に印加される電圧は、互いに等しく、上記行ライン駆動部が各行ラインを駆動しているときに各行ライン抵抗の一端に印加される電圧は、互いに等しく、各列ライン抵抗は、接続される列ラインの上記行ラインの上記一端側からの配列の順番が大きいほど、抵抗値が小さく、各行ライン抵抗は、接続される行ラインの上記列ラインの上記一端側からの配列の順番が大きいほど、抵抗値が小さいことが好ましい。
【0043】
列ラインと行ラインとが接触している場合に、行ラインと接触する列ラインの一端から接触位置を経由して列ラインと接触する行ラインの一端までの抵抗値は、接触位置によって異なる。そこで、上記の構成では、列ライン抵抗が各列ラインの一端に接続され、行ライン抵抗が各行ラインの一端に接続され、各列ライン抵抗は、接続される列ラインの行ラインの一端側からの配列の順番が大きいほど、抵抗値が小さく、各行ライン抵抗は、接続される行ラインの列ラインの一端側からの配列の順番が大きいほど、抵抗値が小さくなっている。これにより、列ラインのいずれか1本と行ラインのいずれか1本とが接触する場合に、列ライン駆動部と接触位置との間の抵抗値と、行ライン検出部と接触位置との間の抵抗値との和が、接触位置によらず一定であり、行ライン駆動部と接触位置との間の抵抗値と、列ライン検出部と接触位置との間の抵抗値との和が、接触位置によらず一定である。また、列ライン駆動部が各列ラインを駆動しているときに各列ライン抵抗の一端に印加される電圧が、互いに等しく、行ライン駆動部が各行ラインを駆動しているときに各行ライン抵抗の一端に印加される電圧が、互いに等しい。したがって、列ラインに接触する行ラインの一端から行ライン検出部に入力される電圧が、接触位置にかかわらず一定となり、行ラインに接触する列ラインの一端から列ライン検出部に入力される電圧が、接触位置にかかわらず一定となる。そのため、第1の閾値電圧を各行ラインごとに変化させたり、第2の閾値電圧を各列ラインごとに変化させたりする必要がない。
【0044】
本発明に係るタッチ位置検出装置では、上記入力電圧定常手段は、上記行ラインの上記一端側からの配列の順番が大きい列ラインほど、上記列ライン駆動部が印加する電圧を高く設定する列ライン印加電圧設定手段と、上記列ラインの上記一端側からの配列の順番が大きい行ラインほど、上記行ライン駆動部が印加する電圧を高く設定する行ライン印加電圧設定手段と、で構成されることが好ましい。
【0045】
列ラインと行ラインとが接触している場合に、接触位置が行ラインの一端側から離れるほど、また、列ラインの一端側から離れるほど、列ラインの一端から接触位置を経由して行ラインの一端までの抵抗値が高くなる。そこで、上記の構成では、行ラインの一端側からの配列の順番が大きい列ライン、すなわち、行ラインの一端側から離れている列ラインほど、列ライン駆動部が印加する電圧が高く、列ラインの一端側からの配列の順番が大きい行ライン、すなわち、列ラインの一端側から離れている行ラインほど、行ライン駆動部が印加する電圧が高くなっている。したがって、列ラインに接触する行ラインの一端から行ライン検出部に入力される電圧が、接触位置にかかわらず一定となり、行ラインに接触する列ラインの一端から列ライン検出部に入力される電圧が、接触位置にかかわらず一定となる。そのため、第1の閾値電圧を各行ラインごとに変化させたり、第2の閾値電圧を各列ラインごとに変化させたりする必要がない。
【0046】
本発明に係るタッチ位置検出装置では、上記列ライン駆動部と、上記行ライン駆動部と、上記行ライン検出部と、上記列ライン検出部とをそれぞれ1つずつ備え、上記行ライン駆動部および上記行ライン検出部を、各行ライン抵抗の一端と択一的に順次接続する第1のセレクタと、上記列ライン駆動部および上記列ライン検出部を、各列ライン抵抗の一端と択一的に順次接続する第2のセレクタとを備えることが好ましい。
【0047】
本発明に係るタッチ位置検出装置では、上記列ライン駆動部と、上記行ライン駆動部と、上記行ライン検出部と、上記列ライン検出部とをそれぞれ1つずつ備え、上記行ライン駆動部および上記行ライン検出部を、各行ラインの一端と択一的に順次接続する第1のセレクタと、上記列ライン駆動部および上記列ライン検出部を、各列ラインの一端と択一的に順次接続する第2のセレクタとを備えることが好ましい。
【0048】
上記の構成によれば、第1のセレクタによって、行ライン駆動部および行ライン検出部を、それぞれ行ライン毎に設けることなく共通化することができる。また、第2のセレクタによって、列ライン駆動部および列ライン検出部を、それぞれ列ライン毎に設けることなく共通化することができる。したがって、タッチ位置検出装置の構成をさらに簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0049】
以上のように、本発明に係るタッチ位置検出装置は、行方向に配列される複数本の列ラインおよび上記列ラインと離間して列方向に配列される複数本の行ラインを有するタッチパネルと、各列ラインの一端に電圧を印加することにより、各列ラインを順次駆動する列ライン駆動部と、各行ラインの一端に電圧を印加することにより、各行ラインを順次駆動する行ライン駆動部と、上記列ライン駆動部が各列ラインを駆動しているときに、各行ラインの上記一端から入力される電圧を第1の閾値電圧と比較することにより、上記タッチパネルへの押圧によって上記列ラインと接触している行ラインを検出する行ライン検出部と、上記行ライン駆動部が各行ラインを駆動しているときに、各列ラインの上記一端から入力される電圧を第2の閾値電圧と比較することにより、上記タッチパネルへの押圧によって上記行ラインと接触している列ラインを検出する列ライン検出部と、を備えるタッチ位置検出装置であって、上記列ラインのいずれか1本と上記行ラインのいずれか1本とが接触する場合に、列ラインに接触する行ラインの上記一端から上記行ライン検出部に入力される電圧、および、行ラインに接触する列ラインの上記一端から上記列ライン検出部に入力される電圧を、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず、それぞれ一定にする入力電圧定常手段を備える構成であるので、低コストで構成が簡単なタッチ位置検出装置を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係るタッチ位置検出装置の構成を示す図である。
【図2】上記タッチ位置検出装置において、3箇所がタッチされた状態を示す図である。
【図3】上記タッチ位置検出装置において、「回り込み」が発生した状態を示す図である。
【図4】上記タッチ位置検出装置の行ラインドライバの各コンパレータの−入力端子に共通の閾値電圧を入力するための構成の一例を示す回路図である。
【図5】本発明の実施形態の変形例に係るタッチ位置検出装置の構成を示す図である。
【図6】図5に示すタッチ位置検出装置において、3箇所がタッチされた状態を示す図である。
【図7】本実施形態の変形例に係る行ラインドライバの構成を示す図である。
【図8】本実施形態の変形例に係る列ラインドライバの構成を示す図である。
【図9】本実施形態の他の変形例に係る行ラインドライバの構成を示す図である。
【図10】本実施形態の他の変形例に係る列ラインドライバの構成を示す図である。
【図11】(a)および(b)は、アナログ型のタッチパネルを用いたタッチ位置検出装置の概略構成を示す斜視図であり、(c)は、当該タッチ位置検出装置の概略構成を示す回路図である。
【図12】特許文献1に記載のタッチ位置検出装置の構成を示す平面図である。
【図13】特許文献2に記載のタッチ位置検出装置の構成を示す図である。
【図14】図13に示すタッチ位置検出装置において、1箇所がタッチされた状態を示す図である。
【図15】図13に示すタッチ位置検出装置において、「回り込み」が発生した状態を示す図である。
【図16】特許文献2に記載の他のタッチ位置検出装置の構成を示す図である。
【図17】図16に示すタッチ位置検出装置において、1箇所がタッチされた状態を示す図である。
【図18】図16に示すタッチ位置検出装置において、「回り込み」が発生した状態を示す図である。
【図19】図13に示すタッチ位置検出装置において、2箇所がタッチされた状態を示す図である。
【図20】図13に示すタッチ位置検出装置において、同じ行ライン上の2箇所がタッチされた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の一実施形態について図1〜図10を参照して説明する。
【0052】
図1は、本実施形態に係るタッチ位置検出装置1の構成を示す図である。タッチ位置検出装置1は、タッチパネル2と、列ラインドライバ3と、行ラインドライバ4と、n個の列ライン抵抗RS1〜RSnと、m個の行ライン抵抗RC1〜RCmとを備えている。タッチパネル2は、図13に示すタッチパネル302と同一の構成であり、行方向に配列されるn本の列ラインLS1〜LSnと、列ラインLS1〜LSnと離間して列方向に配列されるm本の行ラインLC1〜LCmとを有している。図1では、列ラインが14本、行ラインが16本示されているが、列ラインおよび行ラインの本数は、タッチパネル2のサイズや位置検出精度によって、適宜設定される。なお、図1において、図13に示される部材と同一の部材については、便宜上、同一の符号を付している。
【0053】
列ライン抵抗RS1〜RSnは、タッチパネル2と列ラインドライバ3との間に設けられている。また、行ライン抵抗RC1〜RCmは、タッチパネル2と行ラインドライバ4との間に設けられている。各列ライン抵抗RS1〜RSnの抵抗値および各行ライン抵抗RC1〜RCmの抵抗値については、後述する。
【0054】
列ラインドライバ3は、n個のスリーステートバッファBS1〜BSnと、n個のコンパレータCPS1〜CPSnとを備えている。各スリーステートバッファBS1〜BSnの入力端子は電源Vccに接続されている。また、各スリーステートバッファBS1〜BSnの出力端子は、抵抗Ra(抵抗値1〜5kΩ)を介して各列ライン抵抗RS1〜RSnの一端にそれぞれ接続されている。各列ライン抵抗RS1〜RSnの他端は、各列ラインLS1〜LSnの一端にそれぞれ接続されている。
【0055】
列ラインドライバ3の各スリーステートバッファBS1〜BSnは、特許請求の範囲に記載の列ライン駆動部に相当する部材であり、図示しない制御部からの制御信号がHレベルになると、それぞれ各列ラインLS1〜LSnの一端に電圧を印加することにより、各列ラインLS1〜LSnを駆動する。ここで、スリーステートバッファBS1〜BSnへの制御信号は、順次Hレベルになるように制御される。例えば、図1において左からi番目の列ラインLSiに接続されるスリーステートバッファBSiへの制御信号がHレベルであるとき、他の列ラインに接続されるスリーステートバッファへの制御信号はLレベルとなっている。すなわち、列ラインLSiが駆動されているとき、他の列ラインに接続されるスリーステートバッファは、ハイインピーダンス状態となっている。これにより、各列ラインLS1〜LSnは、各スリーステートバッファBS1〜BSnによって順次駆動される。
【0056】
列ラインドライバ3の各コンパレータCPS1〜CPSnは、特許請求の範囲に記載の列ライン検出部に相当する部材である。各コンパレータCPS1〜CPSnの−入力端子は、各列ライン抵抗RS1〜RSnの一端にそれぞれ接続されている。一方、各コンパレータCPS1〜CPSnの+入力端子には、閾値電圧VS(第2の閾値電圧)が入力されている。また、各列ライン抵抗RS1〜RSnの一端は、抵抗Rb(抵抗値100kΩ)を介して電源Vccに接続されている。各コンパレータCPS1〜CPSnは、+入力端子への入力電圧と−入力端子への入力電圧とを比較して、+入力端子への入力電圧のほうが−入力端子への入力電圧よりも大きい場合に、Hレベルの信号を出力する。
【0057】
行ラインドライバ4は、m個のスリーステートバッファBC1〜BCmと、m個のコンパレータCPC1〜CPCmとを備えている。各スリーステートバッファBC1〜BCmの入力端子は接地されている。また、各スリーステートバッファBC1〜BCmの出力端子は、抵抗Rc(抵抗値1〜5kΩ)を介して各行ライン抵抗RC1〜RCmの一端にそれぞれ接続されている。各行ライン抵抗RC1〜RCmの他端は、各行ラインLC1〜LCmの一端にそれぞれ接続されている。
【0058】
行ラインドライバ4の各スリーステートバッファBC1〜BCmは、特許請求の範囲に記載の行ライン駆動部に相当する部材であり、図示しない制御部からの制御信号がHレベルになると、それぞれ各行ラインLC1〜LCmの一端に電圧を印加することにより、各行ラインLC1〜LCmを駆動する。ここで、スリーステートバッファBC1〜BCmへの制御信号は、順次Hレベルになるように制御される。例えば、図1において上からi番目の行ラインLCiに接続されるスリーステートバッファBCiへの制御信号がHレベルであるとき、他の行ラインに接続されるスリーステートバッファへの制御信号はLレベルとなっている。すなわち、行ラインLCiが駆動されているとき、他の行ラインに接続されるスリーステートバッファは、ハイインピーダンス状態となっている。これにより、各行ラインLC1〜LCmは、各スリーステートバッファBC1〜BCmによって順次駆動される。
【0059】
行ラインドライバ4の各コンパレータCPC1〜CPCmは、特許請求の範囲に記載の行ライン検出部に相当する部材である。各コンパレータCPC1〜CPCmの+入力端子は、各行ライン抵抗RC1〜RCmの一端にそれぞれ接続されている。一方、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子には、閾値電圧VC(第1の閾値電圧)が入力されている。また、各行ライン抵抗RC1〜RCmの一端は、抵抗Rd(抵抗値100kΩ)を介して電源Vccに接続されている。各コンパレータCPC1〜CPCmは、+入力端子への入力電圧と−入力端子への入力電圧とを比較して、+入力端子への入力電圧のほうが−入力端子への入力電圧よりも大きい場合に、Hレベルの信号を出力する。
【0060】
列ラインドライバ3の各コンパレータCPS1〜CPSnおよび行ラインドライバ4の各コンパレータCPC1〜CPCmからの出力信号は、図示しないCPUに入力される。CPUは、コンパレータCPS1〜CPSnのうちいずれかのコンパレータからHレベルの信号が出力されると、Hレベルの信号を出力したコンパレータの−入力端子に電圧を入力した行ラインが、いずれかの列ラインと接触したと判定する。また、CPUは、コンパレータCPC1〜CPCmのうちいずれかのコンパレータからHレベルの信号が出力されると、Hレベルの信号を出力したコンパレータの+入力端子に電圧を入力した列ラインが、いずれかの行ラインと接触したと判定する。これにより、タッチパネル2への押圧によって互いに接触している列ラインと行ラインとが特定され、タッチ位置検出装置1は、タッチ位置を検出することができる。なお、各コンパレータCPC1〜CPCm、CPS1〜CPSnの出力端子とCPUとの間に、フリップフロップを設けてもよい。
【0061】
本実施形態に係るタッチ位置検出装置1は、図13に示す従来のタッチ位置検出装置301と比較して、列ライン抵抗RS1〜RSnと行ライン抵抗RC1〜RCnとをさらに備えている点、および、各コンパレータCPS1〜CPSnの+入力端子と各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子にそれぞれ閾値電圧VS・VCが入力される点で異なっている。タッチ位置検出装置1では、列ライン抵抗RS1〜RSnおよび行ライン抵抗RC1〜RCnとが設けられていることにより、列ラインLS1〜LSnのいずれか1本(例えば列ラインLSiとする)と行ラインLC1〜LCmのいずれか1本(例えば行ラインLCiとする)とが接触する場合に、列ラインLSiに接触する行ラインLCiの一端からコンパレータCPCiに入力される電圧、および、行ラインLCiに接触する列ラインLSiの一端からコンパレータCPSiに入力される電圧が、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず、それぞれ一定となっている。まず、各列ライン抵抗RS1〜RSnの抵抗値および各行ライン抵抗RC1〜RCmの抵抗値について説明する。
【0062】
列ライン抵抗RS1〜RSnは、接続される列ラインの行ラインの一端側(行ラインドライバ4側)からの配列の順番が大きいほど(すなわち、行ラインの一端側から遠いほど)、抵抗値が小さい。すなわち、列ライン抵抗RS1の抵抗値>列ライン抵抗RS2の抵抗値>・・・>列ライン抵抗RSnの抵抗値、となっている。より具体的には、列ラインLS1〜LSnと行ラインLC1〜LCmとで形成される各マトリクスの横方向の一辺の長さをΔxとすると、隣り合う列ライン抵抗の抵抗値の差が、行ラインの長さΔxあたりの抵抗値と等しくなるように設定されている。
【0063】
換言すると、列ライン抵抗RSiの抵抗値は、列ライン抵抗RSiが接続される列ラインLSiと、図1における右端の列ラインLSnとの間の距離における、行ラインの抵抗値(例えば、列ラインLSiおよび行ラインLC1の交点と、列ラインLSnおよび行ラインLC1の交点との間の抵抗値)に等しくなるように設定される。例えば、列ラインLS1〜LSnの本数が100本であり、行ラインの長さΔxあたりの抵抗値が100Ωである場合、列ライン抵抗RS1の抵抗値=9900Ω、列ライン抵抗RS2の抵抗値=9800Ω、列ライン抵抗RS3の抵抗値=9700Ω、・・・、列ライン抵抗RS100の抵抗値=0Ω、のように設定される。
【0064】
また、行ライン抵抗RC1〜RCmは、接続される行ラインの列ラインの一端側(列ラインドライバ3側)からの配列の順番が大きいほど(すなわち、列ラインの一端側から遠いほど)、抵抗値が小さい。すなわち、行ライン抵抗RC1の抵抗値>行ライン抵抗RC2の抵抗値>・・・>行ライン抵抗RCmの抵抗値、となっている。より具体的には、列ラインLS1〜LSnと行ラインLC1〜LCmとで形成される各マトリクスの縦方向の一辺の長さをΔyとすると、隣り合う行ライン抵抗の抵抗値の差が、列ラインの長さΔyあたりの抵抗値と等しくなるように設定されている。
【0065】
換言すると、行ライン抵抗RCiの抵抗値は、行ライン抵抗RCiが接続される行ラインLCiと、図1における下端の行ラインLCmとの間の距離における、列ラインの抵抗値(例えば、行ラインLCiおよび列ラインLS1の交点と、行ラインLCmおよび列ラインLS1の交点との間の抵抗値)に等しくなるように設定される。例えば、行ラインLC1〜LCmの本数が100本であり、行ラインの長さΔyあたりの抵抗値が100Ωである場合、行ライン抵抗RC1の抵抗値=9900Ω、行ライン抵抗RC2の抵抗値=9800Ω、行ライン抵抗RC3の抵抗値=9700Ω、・・・、行ライン抵抗RC100の抵抗値=0Ω、のように設定される。
【0066】
各列ライン抵抗RS1〜RSnおよび各行ライン抵抗RC1〜RCmの抵抗値を以上のように設定することにより、各列ライン抵抗RS1〜RSnと各行ライン抵抗RC1〜RCmとは、特許請求の範囲に記載の抵抗値定常手段を構成する。すなわち、列ラインLS1〜LSnのいずれか1本と行ラインLC1〜LCmのいずれか1本とが接触する場合に、接触する列ラインを駆動するスリーステートバッファと接触位置との間の抵抗値と、接触する行ラインからの出力電圧が+入力端子に入力されるコンパレータと接触位置との間の抵抗値との和が、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず一定である。また、列ラインLS1〜LSnのいずれか1本と行ラインLC1〜LCmのいずれか1本とが接触する場合に、接触する行ラインを駆動するスリーステートバッファと接触位置との間の抵抗値と、接触する列ラインからの出力電圧が−入力端子に入力されるコンパレータと接触位置との間の抵抗値との和が、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず一定である。
【0067】
換言すると、列ラインLS1〜LSnのいずれか1本と行ラインLC1〜LCmのいずれか1本とが接触し、接触する列ラインまたは行ラインが駆動された場合に、列ラインドライバ3と行ラインドライバ4との間を、接触位置を経由して流れる電流の経路の抵抗値が、接触位置に関わらず一定である。
【0068】
図2は、点P1〜P3がタッチされた状態におけるタッチ位置検出装置1を示す図である。点P1がタッチされると、列ラインLSiと行ラインLCiとが接触する。この状態で、各列ラインLS1〜LSnが順次駆動され、スリーステートバッファBSiへの制御信号がHレベルになると、実線矢印のように電流が流れ、行ラインLCiの一端からコンパレータCPCiの+入力端子に電圧が出力される。また、点P1がタッチされた状態で、各行ラインLC1〜LCmが駆動され、スリーステートバッファBCiへの制御信号がHレベルになると、矢印のように電流が流れ、列ラインLSiの一端からコンパレータCPSiの−入力端子に電圧が出力される。このように、列ラインLSiと行ラインLCiとが接触している場合、各列ラインLS1〜LSnが順次駆動されると、行ラインLCiの一端から電圧が出力され、各行ラインLC1〜LCmが駆動されると、列ラインLSiの一端から電圧が出力される。
【0069】
同様に、点P2がタッチされると、列ラインLS1と行ラインLC1とが接触し、各列ラインLS1〜LSnが順次駆動されると、一点鎖線矢印のように電流が流れる。また、点P3がタッチされると、列ラインLSnと行ラインLCmとが接触し、各列ラインLS1〜LSnが順次駆動されると、破線矢印のように電流が流れる。ここで、実線矢印で示される電流経路(以下「電流経路1」)と、一点鎖線矢印で示される電流経路(以下「電流経路2」)と、破線矢印で示される電流経路(以下「電流経路3」)とを比較すると、電流経路2、電流経路1、電流経路3の順で長くなるため、タッチパネル2における抵抗値は、電流経路2<電流経路1<電流経路3となる。
【0070】
これに対し、列ライン抵抗RS1〜RSnの抵抗値が、列ライン抵抗RS1の抵抗値>列ライン抵抗RS2の抵抗値>・・・>列ライン抵抗RSnの抵抗値、となるように設定され、行ライン抵抗RC1〜RCmの抵抗値が、行ライン抵抗RC1の抵抗値>行ライン抵抗RC2の抵抗値>・・・>行ライン抵抗RCmの抵抗値、となるように設定されている。これにより、列ラインと行ラインとの接触位置を経由して列ラインドライバ3と行ラインドライバ4との間を流れる電流の経路の抵抗値が、接触位置に関わらず一定となっている。例えば、図2において、電流経路1、電流経路2および電流経路3は、経路全体の抵抗値が互いに等しくなっている。
【0071】
また、各スリーステートバッファBS1〜BSnの入力端子は、いずれも電源Vccに接続されているので、各スリーステートバッファBS1〜BSnが各列ラインLS1〜LSnを駆動しているときに各列ライン抵抗RS1〜RSnに印加される電圧は、互いに等しい。したがって、「回り込み」が発生していない場合に、各行ライン抵抗RC1〜RCmから各コンパレータCPC1〜CPCmの+入力端子に入力される電圧は、互いに等しくなる。例えば、図2において、コンパレータCPC1の+入力端子に入力される電圧V1と、コンパレータCPCiの+入力端子に入力される電圧Viと、コンパレータCPCmの+入力端子に入力される電圧Vmとは、互いに等しくなる。これにより、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子に入力する閾値電圧VCを、互いに等しく設定することができる。
【0072】
なお、図3に示すように、点P4〜P6がタッチされることにより、「回り込み」が発生した場合、列ラインLSiが駆動されたときに、行ラインLCiからコンパレータCPCiの+入力端子に入力される電圧は、図2に示す電圧Viよりも低くなる。このため、タッチ位置検出装置1では、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子に入力する閾値電圧VCを、「回り込み」が発生していない場合に、各行ライン抵抗RC1〜RCmから各コンパレータCPC1〜CPCmの+入力端子に入力される電圧(V1=Vi=Vm)よりも若干低く設定している。これにより、「回り込み」が発生した場合に、コンパレータCPC1〜CPCmのいずれかの+入力端子に電圧が入力されても、当該コンパレータからHレベルの信号が出力されることはない。これにより、「回り込み」によって、タッチされていない位置をタッチ位置として誤って特定されることを防止している。
【0073】
続いて、図2を再び参照して、行ラインLC1〜LCmが駆動される場合について説明する。上記のように、列ラインLS1〜LSnのいずれか1本と行ラインLC1〜LCmのいずれか1本とが接触し、接触する列ラインまたは行ラインが駆動された場合に、列ラインドライバ3と行ラインドライバ4との間を接触位置を経由して流れる電流の経路の抵抗値が、接触位置に関わらず一定である。また、各スリーステートバッファBC1〜BCmの入力端子は、いずれも接地されているので、各スリーステートバッファBC1〜BCmが各行ラインLC1〜LCmを駆動しているときに各行ライン抵抗RC1〜RCmに印加される電圧は、互いに等しい。このため、行ラインLC1〜LCmが駆動される場合、各列ライン抵抗RS1〜RSnから各コンパレータCPS1〜CPSnの−入力端子に入力される電圧は、互いに等しくなる。これにより、各コンパレータCPS1〜CPSnの+入力端子に入力する閾値電圧VSを、互いに等しく設定することができる。
【0074】
図4は、行ラインドライバ4の各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子に共通の閾値電圧VCを入力するための構成の一例を示す回路図である。電源Vccと接地との間に、分圧抵抗Reと分圧抵抗Rfとが直列接続されており、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子が、分圧抵抗Reと分圧抵抗Rfとの接続点に接続されている。各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子に入力される閾値電圧VCは、分圧抵抗Reおよび分圧抵抗Rfの抵抗値により、設定される。なお、分圧抵抗Reおよび分圧抵抗Rfの代わりに、ツェナーダイオードを用いてもよい。
【0075】
このように、本実施形態に係るタッチ位置検出装置1では、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子に入力される閾値電圧VCが互いに等しいので、閾値電圧VCを発生する電圧源を共通化することができる。また、列ラインドライバ3の各コンパレータCPS1〜CPSnの+入力端子に共通の閾値電圧VSを入力するための構成についても、各コンパレータCPS1〜CPSnの+入力端子に入力される閾値電圧VSが互いに等しいので、閾値電圧VSを発生させるための電圧源を共通化することができる。したがって、タッチ位置検出装置1の構成を従来のタッチ位置検出装置に比べて大幅に簡略化することができる。
【0076】
続いて、本実施形態の変形例について図5〜図10を参照して説明する。
【0077】
図5は、本実施形態の変形例に係るタッチ位置検出装置11の構成を示す図である。同図では、図1に示すタッチ位置検出装置1におけるものと異なる機能を有する部材についてのみ、異なる符号を付記し、タッチ位置検出装置1におけるものと同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0078】
タッチ位置検出装置11は、タッチパネル2と、列ラインドライバ13と、行ラインドライバ14とを備えている。すなわち、タッチ位置検出装置11は、図1に示すタッチ位置検出装置1と比較して、列ライン抵抗RS1〜RSnと行ライン抵抗RC1〜RCmとを備えておらず、列ラインドライバ3および行ラインドライバ4を、それぞれ列ラインドライバ13および行ラインドライバ14に置き換えた構成である。
【0079】
列ラインドライバ13は、n個のDAコンバータDS1〜DSnと、n個のコンパレータCPS1〜CPSnとを備えている。各DAコンバータDS1〜DSnの入力端子には図示しないCPUからデジタル信号が入力される。また、各DAコンバータDS1〜DSnの出力端子は、抵抗Ra(抵抗値1〜5kΩ)を介して各列ラインLS1〜LSnの一端にそれぞれ接続されている。
【0080】
列ラインドライバ13の各コンパレータCPS1〜CPSnは、図1に示す列ラインドライバ3の各コンパレータCPS1〜CPSnと、同様の構成である。すなわち、各コンパレータCPS1〜CPSnの−入力端子は、各列ラインLS1〜LSnの一端にそれぞれ接続されている。一方、各コンパレータCPS1〜CPSnの+入力端子には、共通の閾値電圧VS(第2の閾値電圧)が入力されている。
【0081】
このように、列ラインドライバ13は、図1に示す列ラインドライバ3において、スリーステートバッファBS1〜BSnをDAコンバータDS1〜DSnに置き換えた構成である。
【0082】
列ラインドライバ13の各DAコンバータDS1〜DSnは、特許請求の範囲に記載の列ライン駆動部に相当する部材であり、CPUからデジタル信号が入力されると、それぞれ各列ラインLS1〜LSnの一端にデジタル信号に応じた電圧を印加することにより、各列ラインLS1〜LSnを駆動する。また、DAコンバータDS1〜DSnは、CPUからデジタル信号が入力されない場合、ハイインピーダンス状態となる。ここで、CPUは、各列ラインLS1〜LSnが順次駆動されるように、各DAコンバータDS1〜DSnにデジタル信号を出力する。
【0083】
行ラインドライバ14は、m個のDAコンバータDC1〜DCmと、m個のコンパレータCPC1〜CPCmとを備えている。各DAコンバータDC1〜DCmの入力端子には図示しないCPUからデジタル信号が入力される。また、各DAコンバータDC1〜DCmの出力端子は、抵抗Rc(抵抗値1〜5kΩ)を介して各行ラインLC1〜LCmの一端にそれぞれ接続されている。
【0084】
行ラインドライバ14の各コンパレータCPC1〜CPCmは、図1に示す行ラインドライバ4の各コンパレータCPC1〜CPCmと、同様の構成である。すなわち、各コンパレータCPC1〜CPCmの+入力端子は、各行ラインLC1〜LCmの一端にそれぞれ接続されている。一方、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子には、共通の閾値電圧VC(第1の閾値電圧)が入力されている。
【0085】
このように、行ラインドライバ14は、図1に示す行ラインドライバ4において、スリーステートバッファBC1〜BCmをDAコンバータDC1〜DCmに置き換えた構成である。
【0086】
行ラインドライバ14の各DAコンバータDC1〜DCmは、特許請求の範囲に記載の行ライン駆動部に相当する部材であり、CPUからデジタル信号が入力されると、それぞれ各行ラインLC1〜LCmの一端にデジタル信号に応じた電圧を印加することにより、各行ラインLC1〜LCmを駆動する。また、DAコンバータDC1〜DCmは、CPUからデジタル信号が入力されない場合、ハイインピーダンス状態となる。ここで、CPUは、各行ラインLC1〜LCmが順次駆動されるように、各DAコンバータDC1〜DCmにデジタル信号を出力する。
【0087】
図5に示すタッチ位置検出装置11は、図1に示すタッチ位置検出装置1と同様、列ラインLS1〜LSnのいずれか1本(例えば列ラインLSiとする)と行ラインLC1〜LCmのいずれか1本(例えば行ラインLCiとする)とが接触する場合に、列ラインLSiに接触する行ラインLCiの一端からコンパレータCPCiに入力される電圧、および、行ラインLCiに接触する列ラインLSiの一端からコンパレータCPSiに入力される電圧が、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず、それぞれ一定となる構成である。例えば、図6に示すように、点P1〜P3がタッチされた場合、実線矢印で示される電流経路1からコンパレータCPCiの+入力端子に入力される電圧Viと、一点鎖線矢印で示される電流経路2からコンパレータCPC1の+入力端子に入力される電圧V1と、破線矢印で示される電流経路3からコンパレータCPCmの+入力端子に入力される電圧Vmとが、互いに等しくなる。
【0088】
この構成を実現するために、タッチ位置検出装置11では、行ラインLC1〜LCmの一端側(行ラインドライバ14側)からの配列の順番が大きい列ラインほど(すなわち、行ラインLC1〜LCmの一端側から遠い列ラインほど)、各DAコンバータDS1〜DSnが印加する電圧が高くなり、列ラインLS1〜LSnの一端側(列ラインドライバ13側)からの配列の順番が大きい行ラインほど(すなわち、列ラインLS1〜LSnの一端側から遠い行ラインほど)、各DAコンバータDC1〜DCmが印加する電圧が高くなるように設定されている。具体的には、DAコンバータDS1〜DSnの出力電圧は、DAコンバータDS1の出力電圧<DAコンバータDS2の出力電圧<・・・<DAコンバータDSnの出力電圧、となっている。また、DAコンバータDC1〜DCmの出力電圧は、DAコンバータDC1の出力電圧<DAコンバータDC2の出力電圧<・・・<DAコンバータDCmの出力電圧、となっている。
【0089】
各DAコンバータDC1〜DCmおよび各DAコンバータDS1〜DSnの出力電圧は、CPUからのデジタル信号によって設定されている。すなわち、CPUは、各DAコンバータDC1〜DCmに入力されるデジタル信号の値を設定する機能と、各DAコンバータDS1〜DSnに入力されるデジタル信号の値を設定する機能とを有している。各DAコンバータDC1〜DCmに入力されるデジタル信号の値を設定する機能は、特許請求の範囲に記載の行ライン印加電圧設定手段に相当し、各DAコンバータDS1〜DSnに入力されるデジタル信号の値を設定する機能は、特許請求の範囲に記載の列ライン印加電圧設定手段に相当する。
【0090】
これにより、タッチ位置検出装置11においても、図1に示すタッチ位置検出装置1と同様、各コンパレータCPC1〜CPCmの−入力端子に入力する閾値電圧VCを、互いに等しく設定することができ、各コンパレータCPS1〜CPSnの+入力端子に入力する閾値電圧VSを、互いに等しく設定することができる。また、DAコンバータは、図16に示す従来のタッチ位置検出装置401のADコンバータと比較して、回路構成が簡単で、低コストである。したがって、タッチ位置検出装置11の構成を従来のタッチ位置検出装置に比べて大幅に簡略化することができる。
【0091】
上記では、コンパレータCPC1〜CPCmの+入力端子に入力される電圧、およびコンパレータCPS1〜CPSnの−入力端子に入力される電圧が、それぞれ一定になるように、大別して2つの構成について説明した。すなわち、図1に示すタッチ位置検出装置1のように、列ライン抵抗RS1〜RSnと行ライン抵抗RC1〜RCmを設け、列ラインドライバ3と行ラインドライバ4との間のタッチ位置を経由した電流経路の抵抗値を、タッチ位置に関わらず一定にする構成、および、図5に示すタッチ位置検出装置11のように、列ラインLS1〜LSnに印加される電圧、および行ラインLC1〜LCmに印加される電圧を、順次変化させる構成について説明した。
【0092】
しかしながら、本実施形態は、コンパレータCPC1〜CPCmの+入力端子に入力される電圧、およびコンパレータCPS1〜CPSnの−入力端子に入力される電圧が、それぞれ一定になる構成であれば、すなわち、特許請求の範囲に記載の入力電圧定常手段を備える構成であれば、上記の2つの構成に限定されない。例えば、図1に示すタッチ位置検出装置1において、スリーステートバッファBS1〜BSn・BC1〜BCmの代わりにDAコンバータを設け、各DAコンバータの出力電圧、列ライン抵抗RS1〜RSnの抵抗値および行ライン抵抗RC1〜RCmの抵抗値を、コンパレータCPC1〜CPCmの+入力端子に入力される電圧、およびコンパレータCPS1〜CPSnの−入力端子に入力される電圧が、それぞれ一定になるように、適宜設定してもよい。
【0093】
また、上記では、スリーステートバッファBS1〜BSn、DAコンバータDS1〜DSnおよびコンパレータCPS1〜CPSnが、それぞれ列ラインLS1〜LSnと同数設けられ、スリーステートバッファBC1〜BCm、DAコンバータDC1〜DCmおよびコンパレータCPC1〜CPCmが、それぞれ行ラインLC1〜LCmと同数設けられる構成について説明した。続いて、行ラインLC1〜LCmを駆動するスリーステートバッファ、および行ラインLC1〜LCmからの電圧が入力されるコンパレータが、それぞれ1つずつ設けられる構成について、図7を参照して説明する。
【0094】
図7は、本実施形態の変形例に係る行ラインドライバ24の構成を示す図である。行ラインドライバ24は、スリーステートバッファBCと、コンパレータCPCとをそれぞれ1つずつ備え、さらに、アナログセレクタS1を備える構成である。スリーステートバッファBCおよびコンパレータCPCは、それぞれ図1に示すスリーステートバッファBC1〜BCmおよびコンパレータCPC1〜CPCmとそれぞれ同一の構成である。
【0095】
アナログセレクタS1は、特許請求の範囲に記載の第1のセレクタに相当する部材であり、m個の入力端子と1個の出力端子を有している。アナログセレクタS1の各入力端子は、行ライン抵抗RC1〜RCmの一端にそれぞれ接続されている。アナログセレクタS1の各入力端子と各行ライン抵抗RC1〜RCmの一端との接続点は、抵抗Rdを介して電源Vccに接続されている。また、コンパレータCPCの+入力端子は、アナログセレクタS1の出力端子に接続され、スリーステートバッファBCの出力端子は、抵抗Rcを介してアナログセレクタS1の出力端子に接続されている。
【0096】
アナログセレクタS1は、図示しないCPUからのセレクト信号SEL1に基づいて、スリーステートバッファBCおよびコンパレータCPCを、各行ライン抵抗RC1〜RCmの一端と択一的に順次接続する。これにより、スリーステートバッファBCは、各行ラインLC1〜LCmを順次駆動することができる。また、コンパレータCPCの+入力端子には、各行ラインLC1〜LCmからの出力電圧が順次入力される。
【0097】
このように、行ラインドライバ24は、アナログセレクタS1を備えることにより、スリーステートバッファBCおよびコンパレータCPCを共通化することができる。したがって、行ラインドライバ24の構成を図1に示す行ラインドライバ4に比べ、さらに簡単にすることができる。
【0098】
続いて、列ラインLS1〜LSnを駆動するスリーステートバッファ、および列ラインLS1〜LSnからの電圧が入力されるコンパレータが、それぞれ1つずつ設けられる構成について、図8を参照して説明する。
【0099】
図8は、本実施形態の変形例に係る列ラインドライバ23の構成を示す図である。列ラインドライバ23は、スリーステートバッファBSと、コンパレータCPSとをそれぞれ1つずつ備え、さらに、アナログセレクタS2を備える構成である。スリーステートバッファBSおよびコンパレータCPSは、それぞれ図1に示すスリーステートバッファBS1〜BSnおよびコンパレータCPS1〜CPSnとそれぞれ同一の構成である。
【0100】
アナログセレクタS2は、特許請求の範囲に記載の第2のセレクタに相当する部材であり、n個の入力端子と1個の出力端子を有している。アナログセレクタS2の各入力端子は、列ライン抵抗RS1〜RSnの一端にそれぞれ接続されている。アナログセレクタS2の各入力端子と各列ライン抵抗RS1〜RSnの一端との接続点は、抵抗Rbを介して電源Vccに接続されている。また、コンパレータCPSの−入力端子は、アナログセレクタS2の出力端子に接続され、スリーステートバッファBSの出力端子は、抵抗Raを介してアナログセレクタS2の出力端子に接続されている。
【0101】
アナログセレクタS2は、図示しないCPUからのセレクト信号SEL2に基づいて、スリーステートバッファBSおよびコンパレータCPSを、各列ライン抵抗RS1〜RSnの一端と択一的に順次接続する。これにより、スリーステートバッファBSは、各列ラインLS1〜LSnを順次駆動することができる。また、コンパレータCPSの−入力端子には、各列ラインLS1〜LSnからの出力電圧が順次入力される。
【0102】
このように、列ラインドライバ23は、アナログセレクタS2を備えることにより、スリーステートバッファBSおよびコンパレータCPSを共通化することができる。したがって、列ラインドライバ23の構成を図1に示す列ラインドライバ3に比べ、さらに簡単にすることができる。
【0103】
続いて、行ラインLC1〜LCmを駆動するDAコンバータ、および行ラインLC1〜LCmからの電圧が入力されるコンパレータが、それぞれ1つずつ設けられる構成について、図9を参照して説明する。
【0104】
図9は、本実施形態の他の変形例に係る行ラインドライバ34の構成を示す図である。行ラインドライバ34は、DAコンバータDCと、コンパレータCPCとをそれぞれ1つずつ備え、さらに、アナログセレクタS1を備える構成である。DAコンバータDCおよびコンパレータCPCは、それぞれ図5に示すDAコンバータDC1〜DCmおよびコンパレータCPC1〜CPCmとそれぞれ同一の構成である。
【0105】
アナログセレクタS1は、特許請求の範囲に記載の第1のセレクタに相当する部材であり、m個の入力端子と1個の出力端子を有している。アナログセレクタS1の各入力端子は、行ラインLC1〜LCmの一端にそれぞれ接続されている。アナログセレクタS1の各入力端子と各行ラインLC1〜LCmの一端との接続点は、抵抗Rdを介して電源Vccに接続されている。また、コンパレータCPCの+入力端子は、アナログセレクタS1の出力端子に接続され、DAコンバータDCの出力端子は、抵抗Rcを介してアナログセレクタS1の出力端子に接続されている。
【0106】
アナログセレクタS1は、図示しないCPUからのセレクト信号SEL1に基づいて、DAコンバータDCおよびコンパレータCPCを、各行ラインLC1〜LCmの一端と択一的に順次接続する。これにより、DAコンバータDCは、各行ラインLC1〜LCmを順次駆動することができる。また、コンパレータCPCの+入力端子には、各行ラインLC1〜LCmからの出力電圧が順次入力される。
【0107】
なお、DAコンバータDCは、接続される行ラインLC1〜LCmに応じて、出力電圧を切り替える。具体的には、行ラインLC1への出力電圧<行ラインLC2への出力電圧<・・・<行ラインLCmへの出力電圧、となるように、DAコンバータDCは出力電圧を順次切り替える。
【0108】
このように、行ラインドライバ34は、アナログセレクタS1を備えることにより、DAコンバータDCおよびコンパレータCPCを共通化することができる。したがって、行ラインドライバ34の構成を図5に示す行ラインドライバ14に比べ、さらに簡単にすることができる。
【0109】
続いて、列ラインLS1〜LSnを駆動するDAコンバータ、および列ラインLS1〜LSnからの電圧が入力されるコンパレータが、それぞれ1つずつ設けられる構成について、図10を参照して説明する。
【0110】
図10は、本実施形態の他の変形例に係る列ラインドライバ33の構成を示す図である。列ラインドライバ33は、DAコンバータDSと、コンパレータCPSとをそれぞれ1つずつ備え、さらに、アナログセレクタS2を備える構成である。DAコンバータDSおよびコンパレータCPSは、それぞれ図5に示すDAコンバータDS1〜DSnおよびコンパレータCPS1〜CPSnとそれぞれ同一の構成である。
【0111】
アナログセレクタS2は、特許請求の範囲に記載の第2のセレクタに相当する部材であり、n個の入力端子と1個の出力端子を有している。アナログセレクタS2の各入力端子は、列ラインLS1〜LSnの一端にそれぞれ接続されている。アナログセレクタS2の各入力端子と各列ラインLS1〜LSnの一端との接続点は、抵抗Rbを介して電源Vccに接続されている。また、コンパレータCPSの−入力端子は、アナログセレクタS2の出力端子に接続され、DAコンバータDSの出力端子は、抵抗Raを介してアナログセレクタS2の出力端子に接続されている。
【0112】
アナログセレクタS2は、図示しないCPUからのセレクト信号SEL2に基づいて、DAコンバータDSおよびコンパレータCPSを、各列ラインLS1〜LSnの一端と択一的に順次接続する。これにより、DAコンバータDSは、各列ラインLS1〜LSnを順次駆動することができる。また、コンパレータCPSの−入力端子には、各列ラインLS1〜LSnからの出力電圧が順次入力される。
【0113】
なお、DAコンバータDSは、接続される列ラインLS1〜LSnに応じて、出力電圧を切り替える。具体的には、列ラインLS1への出力電圧<列ラインLS2への出力電圧<・・・<列ラインLSnへの出力電圧、となるように、DAコンバータDSは出力電圧を順次切り替える。
【0114】
このように、列ラインドライバ33は、アナログセレクタS2を備えることにより、DAコンバータDSおよびコンパレータCPSを共通化することができる。したがって、列ラインドライバ33の構成を図14に示す列ラインドライバ13に比べ、さらに簡単にすることができる。
【0115】
〔実施形態の総括〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明に係るタッチ位置検出装置は、金融機関のATM(現金自動預け払い機)やプログラマブル表示器の入力装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0117】
1 タッチ位置検出装置
2 タッチパネル
11 タッチ位置検出装置
BC1〜BCm スリーステートバッファ(行ライン駆動部)
BS1〜BSn スリーステートバッファ(列ライン駆動部)
CPC1〜CPCm コンパレータ(行ライン検出部)
CPS1〜CPSn コンパレータ(列ライン検出部)
DC1〜DCm DAコンバータ(行ライン駆動部)
DS1〜DSn DAコンバータ(列ライン駆動部)
LC1〜LCm 行ライン
LS1〜LSn 列ライン
RC1〜RCm 行ライン抵抗
RS1〜RSn 列ライン抵抗
S1 アナログセレクタ(第1のセレクタ)
S2 アナログセレクタ(第2のセレクタ)
VC 閾値電圧(第1の閾値電圧)
VS 閾値電圧(第2の閾値電圧)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行方向に配列される複数本の列ラインおよび上記列ラインと離間して列方向に配列される複数本の行ラインを有するタッチパネルと、
各列ラインの一端に電圧を印加することにより、各列ラインを順次駆動する列ライン駆動部と、
各行ラインの一端に電圧を印加することにより、各行ラインを順次駆動する行ライン駆動部と、
上記列ライン駆動部が各列ラインを駆動しているときに、各行ラインの上記一端から入力される電圧を第1の閾値電圧と比較することにより、上記タッチパネルへの押圧によって上記列ラインと接触している行ラインを検出する行ライン検出部と、
上記行ライン駆動部が各行ラインを駆動しているときに、各列ラインの上記一端から入力される電圧を第2の閾値電圧と比較することにより、上記タッチパネルへの押圧によって上記行ラインと接触している列ラインを検出する列ライン検出部と、を備えるタッチ位置検出装置であって、
上記列ラインのいずれか1本と上記行ラインのいずれか1本とが接触する場合に、列ラインに接触する行ラインの上記一端から上記行ライン検出部に入力される電圧、および、行ラインに接触する列ラインの上記一端から上記列ライン検出部に入力される電圧を、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず、それぞれ一定にする入力電圧定常手段を備えることを特徴とするタッチ位置検出装置。
【請求項2】
上記入力電圧定常手段は、
上記列ラインのいずれか1本と上記行ラインのいずれか1本とが接触する場合に、列ライン駆動部と接触位置との間の抵抗値と、行ライン検出部と接触位置との間の抵抗値との和、および、行ライン駆動部と接触位置との間の抵抗値と、列ライン検出部と接触位置との間の抵抗値との和を、互いに接触する列ラインと行ラインとの組み合わせによらず、それぞれ一定にする抵抗値定常手段であり、
上記抵抗値定常手段は、上記列ラインと同数の列ライン抵抗と、上記行ラインと同数の行ライン抵抗とを備え、
各列ライン抵抗の一端は、上記列ライン駆動部と上記列ライン検出部とに接続され、各列ライン抵抗の他端は、各列ラインの上記一端に接続され、
各行ライン抵抗の一端は、上記行ライン駆動部と上記行ライン検出部とに接続され、各行ライン抵抗の他端は、各行ラインの上記一端に接続され、
上記列ライン駆動部が各列ラインを駆動しているときに各列ライン抵抗の一端に印加される電圧は、互いに等しく、
上記行ライン駆動部が各行ラインを駆動しているときに各行ライン抵抗の一端に印加される電圧は、互いに等しく、
各列ライン抵抗は、接続される列ラインの上記行ラインの上記一端側からの配列の順番が大きいほど、抵抗値が小さく、
各行ライン抵抗は、接続される行ラインの上記列ラインの上記一端側からの配列の順番が大きいほど、抵抗値が小さいことを特徴とする請求項1に記載のタッチ位置検出装置。
【請求項3】
上記入力電圧定常手段は、
上記行ラインの上記一端側からの配列の順番が大きい列ラインほど、上記列ライン駆動部が印加する電圧を高く設定する列ライン印加電圧設定手段と、
上記列ラインの上記一端側からの配列の順番が大きい行ラインほど、上記行ライン駆動部が印加する電圧を高く設定する行ライン印加電圧設定手段と、で構成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチ位置検出装置。
【請求項4】
上記列ライン駆動部と、上記行ライン駆動部と、上記行ライン検出部と、上記列ライン検出部とをそれぞれ1つずつ備え、
上記行ライン駆動部および上記行ライン検出部を、各行ライン抵抗の一端と択一的に順次接続する第1のセレクタと、
上記列ライン駆動部および上記列ライン検出部を、各列ライン抵抗の一端と択一的に順次接続する第2のセレクタとを備えることを特徴とする請求項2に記載のタッチ位置検出装置。
【請求項5】
上記列ライン駆動部と、上記行ライン駆動部と、上記行ライン検出部と、上記列ライン検出部とをそれぞれ1つずつ備え、
上記行ライン駆動部および上記行ライン検出部を、各行ラインの一端と択一的に順次接続する第1のセレクタと、
上記列ライン駆動部および上記列ライン検出部を、各列ラインの一端と択一的に順次接続する第2のセレクタとを備えることを特徴とする請求項3に記載のタッチ位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−22788(P2011−22788A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167073(P2009−167073)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【Fターム(参考)】