説明

タッチ式透明キーボード

【課題】節電機能を有するタッチ式透明キーボードを提供する。
【解決手段】タッチ式透明キーボード100は、入力操作エリアとするタッチパレット10と、中央演算処理装置と、透明表示パネル30と、検出装置90と、を備える。前記タッチパレット、前記透明表示パネル及び前記検出装置は、それぞれ前記中央演算処理装置に電気的に接続される。前記検出装置は、ユーザーの手が前記入力操作エリアに入ったかどうかを検知して、前記中央演算処理装置に対応する制御信号を送信する。前記中央演算処理装置は、前記制御信号に基づいてタッチ式透明キーボードを動作状態或いは待機状態に切り替えるかどうかを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ式キーボードに関し、特にタッチ式透明キーボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
キーボードは、主な入力デバイスとして、電子装置にとって不可欠な外部接続部品である。特に、タッチ式キーボードは、軽薄という利点を有し、消費者に人気である。しかし、従来のタッチ式キーボードは、ユーザーが入力操作をしない場合にも通電状態を維持するので、電気エネルギーの浪費を招くだけではなく、その外観が単調で、消費者の電子装置に対する個性的なニーズを満たさない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされたものであり、節電機能を有するタッチ式透明キーボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、本発明に係るタッチ式透明キーボードは、入力操作エリアとするタッチパレットと、中央演算処理装置と、透明表示パネルと、検出装置と、を備える。前記タッチパレット、前記透明表示パネル及び前記検出装置は、それぞれ前記中央演算処理装置に電気的に接続される。前記検出装置は、ユーザーの手が前記入力操作エリアに入ったかどうかを検知して、前記中央演算処理装置に対応する制御信号を送信する。前記中央演算処理装置は、前記制御信号に基づいてタッチ式透明キーボードを動作状態或いは待機状態に切り替えるかどうかを判断する。
【発明の効果】
【0005】
従来の技術と比較すると、本発明のタッチ式透明キーボードは、その側面に設けられる検出装置によりユーザーの手が入力操作エリアに入ったかどうかを検知して、内部の中央演算処理装置を介して前記タッチ式透明キーボードを動作状態或いは待機状態に切り替えて、電気エネルギーを節約する目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明のタッチ式透明キーボードの分解図である。
【図2】図1に示したタッチ式透明キーボードの内部回路モジュールを示すブロック図である。
【図3】図1に示したタッチ式透明キーボードの組立て図である。
【図4A】本発明のタッチ式透明キーボードの作動原理の一部を示す流れ図である。
【図4B】本発明のタッチ式透明キーボードの動作原理のもう一部を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示したように、本発明の好適な実施形態に係るタッチ式透明キーボード100は、入力操作エリアとするタッチパレット10と、透明表示パネル30と、固定部材50と、前記固定部材50の下方に設けられる支持部材70と、検出装置90と、を備える。前記タッチパレット10は、前記透明表示パネル30に被覆され且つ前記透明表示パネル30に電気的に接続される。ユーザーは前記タッチパレット10をタッチすることにより、電子装置に情報を入力する。前記固定部材50及び前記検出装置90は、それぞれ前記透明表示パネル30の対向する2つの側面に装着される。前記支持部材70が存在するため、前記タッチ式透明キーボード100が卓上に設置されると、やや傾斜状態になる。前記支持部材70の内部に制御回路基板(図示せず)が設けられており、前記タッチパレット10、前記透明表示パネル30及び前記検出装置90は、それぞれ前記支持部材70内の制御回路基板に電気的に接続される。
【0008】
前記タッチパレット10は、透明シート11及びこの透明シート11に電気的に接続されるフレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Board, FPCB)13を備える。前記透明シート11は、外部からのタッチ操作を検知して、且つタッチ位置信号を前記フレキシブルプリント回路基板13を介して前記支持部材70内の制御回路基板に伝送する。
【0009】
前記透明表示パネル30は、キーアイコンを表示するために用いられ、且つ透明有機発光表示パネル(transparent organic light emitting diode display, TOLED)或いは透明エレクトロルミネッセンスエミッティング ディスプレイ(field−emission display, FED)であるのが好ましい。前記透明表示パネル30は、リード線或いはフレキシブルプリント回路基板を介して前記支持部材70内の制御回路基板に電気的に接続される。前記透明表示パネル30は、短手方向に沿って延在する2つの第一側面31及び長手方向に沿って延在する2つの第二側面33を備える。1つの前記第二側面33には、少なくとも2つの係止用ブロック37が設けられており、前記検出装置90は前記係止用ブロック37を介して前記第二側面33に固定される。2つの前記第一側面31の前記係止用ブロック37から離れている一端には、係合凹溝35がそれぞれに設けられており、2つの前記係合凹溝35が対称的に設けられる。
【0010】
前記固定部材50は、細長い平板体であり、側面に収容凹溝51が設けられている。前記収容凹溝51の底面には、リード線或いはフレキシブルプリント回路基板を通過させるための貫通開口(図示せず)が設けられている。前記収容凹溝51の両端には、前記係合凹溝35の形状にマッチングする固定柱53がそれぞれ設けられている。前記検出装置90も、細長い平板体であり、その側面には形状及び数目が前記係止用ブロック37にそれぞれマッチングする嵌合孔91が設けられている。
【0011】
図2に示したように。前記検出装置90は、赤外光を発するための1つの発光ユニット92、赤外光を受け入れるための少なくとも2つの受光ユニット94及び1つのマイクロプロセッサー96を備える。前記発光ユニット92及び前記受光ユニット94は、それぞれ前記マイクロプロセッサー96に電気的に接続される。好ましくは、前記発光ユニット92は赤外発光ダイオードであり、前記受光ユニット94は赤外線センサーである。前記支持部材70内の制御回路基板には、中央演算処理装置(CPU)20が設けられる。前記透明表示パネル30及び前記マイクロプロセッサー96は、それぞれこの中央演算処理装置20に電気的に接続される。
【0012】
図3に示したように、本実施形態において、前記検出装置90の上面93には、光学レンズエリア97が設けられ、前記発光ユニット92は前記光学レンズエリア97の下方に設けられる。前記光学レンズエリア97の両端には、それぞれ1つの受光ユニット94が設けられる。前記光学レンズエリア97は、前記発光ユニット92により発せられる赤外光が前記上面93に直交して出射させるために用いられる。
【0013】
本発明のタッチ式透明キーボード100を組立てる場合、まず、前記タッチパレット10を両面テープ等を介して前記透明表示パネル30に粘着する。次に、前記固定部材50の両端の固定柱53を前記透明表示パネル30の2つの係合凹溝35にそれぞれ対応して係合させて、前記固定部材50を前記透明表示パネル30の一方側に装着する。次に、前記透明表示パネル30の側面の2つの係止用ブロック37をそれぞれ前記検出装置90の嵌合孔91内に挿嵌して、前記検出装置90を前記透明表示パネル30の他方側に装着する。
【0014】
前記タッチ式透明キーボード100が動作状態において、前記透明表示パネル30はキーアイコンを表示するので、ユーザーは前記タッチパレット10をタッチすることにより入力操作を行う。一方、前記タッチ式透明キーボード100が待機状態において、前記透明表示パネル30はキーアイコンを表示せず、前記タッチ式透明キーボード100全体が透明状を呈する。前記タッチ式透明キーボード100の動作原理について簡単に説明すると、前記発光ユニット92により発せられる赤外光は、前記検出装置90の上面93から垂直に出射する。ユーザーは、前記タッチ式透明キーボード100を使用する場合、手のひらが必ず前記検出装置90の上方を通過してから、前記タッチ式透明キーボード100の入力エリアに到達することになるので、ユーザーの手のひらに出射される赤外光は乱反射され、前記受光ユニット94は反射された赤外光を受け入れる。このようにして、前記マイクロプロセッサー96は、前記受光ユニット94が赤外光を受け入れたかどうかに基づいて、前記中央演算処理装置20に対応する制御信号を送信して、前記中央演算処理装置20は受信した制御信号に基づいて前記タッチ式透明キーボード100を動作状態或いは待機状態に切り替える。
【0015】
図4A及び図4Bに示したように、本発明のタッチ式透明キーボード100が動作する時に、以下のようなステップを備える。
【0016】
ステップ1では、前記マイクロプロセッサー96は前記発光ユニット92を制御して、それに赤外光を発するようにさせる。前記赤外光は、前記光学レンズエリア97を透過して前記検出装置90の上面93に直交して出射する。
【0017】
ステップ2では、前記マイクロプロセッサー96は、前記受光ユニット94が赤外光を受け入れたかどうかを判断する。もし、前記受光ユニット94は、赤外光を受け入れた場合に、ステップ3を実行する。さもなければ、ステップ7を実行する。
【0018】
ステップ3では、前記マイクロプロセッサー96は、前記中央演算処理装置20に第一制御信号を送信する。
【0019】
ステップ4では、前記中央演算処理装置20は、前記タッチ式透明キーボード100が動作状態にあるかどうかを判断する。もし、前記タッチ式透明キーボード100は動作状態にあると、ステップ5を実行する。さもなければ、ステップ6を実行する。
【0020】
ステップ5では、前記中央演算処理装置20は、前記タッチ式透明キーボード100に動作状態を保持させる。
【0021】
ステップ6では、前記中央演算処理装置20は、前記タッチ式透明キーボード100を動作状態に切り替える。
【0022】
ステップ7では、前記マイクロプロセッサー96は、前記中央演算処理装置20に第二制御信号を送信する。
【0023】
ステップ8では、前記中央演算処理装置20は、前記タッチ式透明キーボード100が待機状態にあるかどうかを判断する。もし、前記タッチ式透明キーボード100は待機状態にあると、ステップ9を実行する。さもなければ、ステップ10を実行する。
【0024】
ステップ9では、前記中央演算処理装置20は、前記タッチ式透明キーボード100に待機状態を保持させる。
【0025】
ステップ10では、前記中央演算処理装置20は、前記タッチ式透明キーボード100を待機状態に切り替える。
【0026】
本発明の実施形態によれば、前記タッチ式透明キーボード100は、その側面に設けられる検出装置90によりユーザーの手が入力操作エリアに入るかどうかを検知して、内部の中央演算処理装置20を介して前記タッチ式透明キーボード100を動作状態或いは待機状態に切り替えて、電気エネルギーを節約する目的を達成する。
【0027】
また、前記検出装置90の上面93に光学レンズエリア97を設けずに、光学レンズを介して前記発光ユニット92の赤外発光ダイオードを直接に密封することにより、前記発光ユニット92が発する赤外光を前記上面93に直交して出射することも確保できる。
【0028】
また、前記検出装置90は、前記透明表示パネル30の四周を囲むように設けられることができる。
【0029】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0030】
10 タッチパレット
11 透明シート
13 フレキシブルプリント回路基板
20 中央演算処理装置
30 透明表示パネル
31 第一側面
33 第二側面
35 係合凹溝
37 係止用ブロック
50 固定部材
51 収容凹溝
53 固定柱
70 支持部材
90 検出装置
92 発光ユニット
93 上面
94 受光ユニット
96 マイクロプロセッサー
97 光学レンズエリア
100 タッチ式透明キーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作エリアとするタッチパレットと、中央演算処理装置と、透明表示パネルと、検出装置と、を備えるタッチ式透明キーボードにおいて、
前記タッチパレット、前記透明表示パネル及び前記検出装置は、それぞれ前記中央演算処理装置に電気的に接続され、
前記検出装置は、ユーザーの手が前記入力操作エリアに入ったかどうかを検知して、前記中央演算処理装置に対応する制御信号を送信し、前記中央演算処理装置は、前記制御信号に基づいてタッチ式透明キーボードを動作状態或いは待機状態に切り替えるかどうかを判断することを特徴とするタッチ式透明キーボード。
【請求項2】
前記検知装置は、赤外光を発するための1つの発光ユニットと、赤外光を受け入れるための少なくとも2つの受光ユニットと、1つのマイクロプロセッサーと、を備え、
前記発光ユニット及び前記受光ユニットはそれぞれ前記マイクロプロセッサーに電気的に接続され、前記マイクロプロセッサーは前記中央演算処理装置に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のタッチ式透明キーボード。
【請求項3】
前記検出装置は光学レンズエリアが設けられている上面を有し、前記発光ユニットは前記光学レンズエリアの下方に設けられ、前記光学レンズエリアの両側にはそれぞれ1つの受光ユニットが設けられ、
前記光学レンズエリアにより、前記発光ユニットが発する赤外光を前記上面に直交するように出射させることを特徴とする請求項2に記載のタッチ式透明キーボード。
【請求項4】
前記受光ユニットが赤外光を受け入れると、前記マイクロプロセッサーは前記中央演算処理装置に第一制御信号を送信して、前記中央演算処理装置により前記タッチ式透明キーボードを動作状態に保持させ、又は前記タッチ式透明キーボードを待機状態から動作状態に切り替えることを特徴とする請求項2に記載のタッチ式透明キーボード。
【請求項5】
前記受光ユニットが赤外光を受け入れないと、前記マイクロプロセッサーは前記中央演算処理装置に第二制御信号を送信して、前記中央演算処理装置により前記タッチ式透明キーボードを待機状態に保持させ、又は前記タッチ式透明キーボードを動作状態から待機状態に切り替えることを特徴とする請求項2に記載のタッチ式透明キーボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2012−14703(P2012−14703A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148243(P2011−148243)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(508155310)富士康(香港)有限公司 (185)
【Fターム(参考)】