説明

タンパク質のジスルフィド結合形成およびグリコシル化の方法とそれに用いられる試薬

ジスルフィド結合を、特にタンパク質、ペプチドおよびアミノ酸において形成するための方法および試薬に関する。本発明の方法および試薬は、タンパク質、ペプチドおよびアミノ酸の制御されたグリコシル化に特に有用となる。本方法は、試薬または中間体としてチオスルフォネートまたはセレネニルスルフィドの化合物を使用する。セレネニルスルフィド基を含むタンパク質およびペプチドのあるものもまた、本発明の一部を形成する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のチオール基を含む有機化合物と式Iの化合物:
R−S−X−R1 (I)
(式中、XはSO2またはSeを表し、Rは有機部分であり、R1は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいピリジル基、または置換されていてもよいナフチル基であり、かつ、XがSO2であるときR1は置換されていてもよいアルキル基でない。)との反応を含む、ジスルフィド結合を形成する方法。
【請求項2】
前記の少なくとも1つのチオール基を含む有機化合物は、アミノ酸、ペプチドまたはタンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を化学修飾する方法であり、そうしたタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸と式Iの化合物:
R−S−X−R1 (I)
(式中、XはSO2 または Seを表し、 Rは 有機部分であり、R1は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいピリジル基、または置換されていてもよいナフチル基であり、かつ、XがSO2 であるとき、R1は置
換されていてもよいアルキル基でない。)との反応を含む方法。
【請求項4】
Rが炭水化物の基である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
1がフェニル基である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
XがSeである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
XがSO2である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
下記式I:
R−S−X−R1 (I)
(式中、XはSO2またはSeを表し、Rは炭水化物部分であり、R1は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいピリジル基、または置換されていてもよいナフチル基であり、かつ、XがSO2であるとき、R1は置換されていてもよいアルキル基でない。)で表される化合物。
【請求項9】
1がフェニル基である請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
XがSeである請求項8または請求項9に記載の化合物 。
【請求項11】
XがSO2である請求項8または請求項9に記載の化合物 。
【請求項12】
式IIの化合物:
M(SSO2l)k (II)
(式中、Mは金属であり、例えば Li、Na、K、Ca、 Cs、 Zn、 Mgまたは Alである。kは1〜3の整数である。)
と、式IIIの化合物:
R−L (III)
(式中、Lは脱離基である。)とを反応させることを含む、請求項11に記載された式Iの化合物を調製する方法。
【請求項13】
式VIIIのジスルフィド化合物:
R−S−S−R (VIII)
を銀イオンの存在下、スルフィニートアニオン:R1SO2-
に反応させることを含む、請求項11に記載された式Iの化合物を調製する方法。
【請求項14】
式Vの化合物と、式VIaの化合物または式VIbの化合物と
R−SH (V)
1SeL2 (VIa)
1Se(OH)2 (VIb)
(式中、L2は Br、 Cl、 CN、または Iである。)
を反応させることを含む、請求項10に記載された式Iの化合物を調製する方法。
【請求項15】
ジスフィルド結合の形成において請求項1〜7のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項16】
少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を修飾するための、請求項1〜7のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項17】
少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸をグリコシル化するための、請求項8〜11のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項18】
チオール基をセレニルスフィド基に変換することを含む、少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を化学修飾する方法。
【請求項19】
少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸と式Xaまたは式Xbに表される化合物:
2SeL2 Xa
2Se(OH)2 Xb
(式中、L2は脱離基であり、R2は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよいピリジル基、または置換されていてもよいナフチル基である。R2は固体支持体の一部を構成するか、
または結合している。)とを反応させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
2がフェニル基による、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
式Xaまたは式Xbで表される化合物がPhSeBrである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸中のセレネニルスルフィド基と、チオール基を含む有機化合物とをさらに反応させる、請求項18〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つのセレネニルスルフィド基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を、チオール基を含む有機化合物とを反応させることにより、そうしたタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を化学修飾する方法。
【請求項24】
前記有機化合物が炭水化物であるの化合物である、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記有機化合物がタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸である、請求項22または23に記載の方法。
【請求項26】
セレネニルスルフィド基が、下記式:
−S−Se−R2
(式中、R2は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置
換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよいピリジル基または置換されていてもよいナフチル基である。)
で表される基である、セレネニルスルフィド基を少なくとも1つ含むタンパク質、ペプチド、アミノ酸。
【請求項27】
請求項18〜21のいずれかに記載された方法により得ることができる、少なくとも1つのセレネニルスルフィド基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸。
【請求項28】
請求項18〜21のいずれかに記載された方法により得ることができる、少なくとも1個のジスルフィド結合を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸。

【公表番号】特表2007−527376(P2007−527376A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516469(P2006−516469)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002706
【国際公開番号】WO2005/000862
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(505477257)イシス イノベーション リミテッド (1)
【Fターム(参考)】