説明

タンパク質の経口投与用の方法および組成物

本発明は、タンパク質と吸収エンハンサーとプロテアーゼインヒビターとを含む組成物、該組成物を投与する工程を含む真性糖尿病を処置する方法、および、酵素活性を有するタンパク質を経口投与する工程を備える該タンパク質を経口投与する方法、を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質、吸収エンハンサー、および、プロテアーゼインヒビターを含む経口組成物と、これを投与するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
進歩した生物工学により、医薬品産業にとっての生物学的に活動的なペプチドの利用可能性はかなり上昇した。しかしながら、ペプチド薬の発達における限定因子は、経口的に与えられる場合の相対的な無効性である。非経口投与されるペプチド薬は、しばしば患者の低コンプライアンスに関連付けて考えられるが、ほぼ全てのペプチド薬が非経口投与される。
【0003】
インスリンは糖尿病を患う患者を処置するために用いられる薬物であり、インスリン依存性真性糖尿病の唯一の処置法である。真正糖尿病は、高血糖をもたらす絶対的な又は相対的なインスリン不足の症状により特徴化されるとともに、21世紀におけるヒトの健康に対する主要な脅威のひとつである。糖尿病の人の世界的な数は、2010年には2億2千万人に、2025年には3億人にまで上昇する見込みである。I型糖尿病は、主にインスリンを作り出す膵臓の衰弱により引き起こされる。II型糖尿病は、インスリンの活動に対する身体の反応性の欠如に関係する。
【0004】
全ての糖尿病患者のおよそ20%−30%は、血糖値を維持するために毎日インスリン注射を使用している。全ての糖尿病患者の約10%が、インスリン注射に完全に依存している。
【0005】
現在のところ、インスリン投与の唯一の方法は注射である。毎日のインスリン注射は、患者にとって相当な苦痛の原因である。注射部位での脂肪異栄養症、脂肪萎縮症、脂肪肥大症、および、時折起こる高血糖などの副作用が起こることが知られている。さらに、インスリンの皮下投与は、門脈を介して膵臓から直接的に肝臓へと分泌されたインスリンによって通常は行われる代謝の持続型の微調節を一般的には行わない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、インスリンとインスリンなどのペプチドの投与の代わりとなる解決策の必要性に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施形態において、本発明は、最大100000ダルトンの分子量を有するタンパク質と、プロテアーゼインヒビターと、および、吸収エンハンサーとを含む組成物を提供し、吸収エンハンサーは、腸管粘膜バリアを介したタンパク質の吸収を高める。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、最大100000ダルトンの分子量を有するタンパク質と、プロテアーゼインヒビターと、および、SNACまたはSNADとを含む組成物を提供する。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、最大100000ダルトンの分子量を有するタンパク質を経口投与するための方法を提供し、それによって、前記タンパク質のかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその活性を維持し、この方法は、タンパク質と、プロテアーゼインヒビターと、吸収エンハンサーとを含む医薬組成物を被験体に経口投与する工程を含み、吸収エンハンサーは腸管粘膜バリアを介したタンパク質の吸収を高める。
【0010】
別の実施形態において、本発明は、被験体の真性糖尿病を処置するための方法を提供し、この方法は、インスリン、エクセナチドまたはそれらの組み合わせと、プロテアーゼインヒビターと、および、吸収エンハンサーとを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を含み、吸収エンハンサーは、腸管粘膜バリアを介したタンパク質の吸収を高め、これによって真性糖尿病を処置する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の製剤での処置後の血糖値の変化を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の製剤での処置後の血中C−ペプチドレベルの変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、タンパク質とプロテアーゼインヒビターと吸収エンハンサーとを有する組成物および方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、最大100000ダルトンの分子量を有するタンパク質と、プロテアーゼインヒビターと、および、吸収エンハンサーとを含む組成物および方法を提供する。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、腸管粘膜バリアを介したタンパク質の吸収を高める。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、腸管粘膜バリアを介して、最大100000ダルトンの分子量を有するタンパク質の吸収を高める。
【0013】
別の実施形態において、本発明の組成物は、活性薬剤と、プロテアーゼインヒビターと、担体とを含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、様々な生物学的、化学的、物理的バリアを介して様々なタンパク質を送達するために用いられ、環境的に分解しやすいタンパク質を送達するのに特に適している。別の実施形態において、本発明の組成物は、様々な生物学的、化学的、物理的バリアを介して活性タンパク質を送達するために用いられ、環境的に分解しやすい活性タンパク質を送達するのに特に適している。別の実施形態において、医薬組成物は、活性タンパク質と、SNACと、プロテアーゼインヒビターと、EDTAまたはNa−EDTAとを含む。別の実施形態において、組成物は、活性タンパク質と、SNACと、プロテアーゼインヒビターと、オメガ3脂肪酸とを含む。別の実施形態において、組成物は、活性タンパク質と、SNACと、プロテアーゼインヒビターと、EDTAまたはNa−EDTAと、オメガ3脂肪酸とを含む。別の実施形態において、本明細書に記載の組成物は経口医薬組成物である。別の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、カプセル化された経口医薬組成物である。別の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、液体の経口剤形である。別の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、乾燥した経口剤形である(錠剤など)。
【0014】
別の実施形態において、本発明のタンパク質は、1000−5000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は5000−10000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は10000−20000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は20000−30000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は40000−50000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は50000−60000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は60000−70000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は70000−80000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は80000−90000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は90000−100000ダルトンの分子量を有する。別の実施形態において、本発明のタンパク質は100000−150000ダルトンの分子量を有する。
【0015】
別の実施形態において、タンパク質は1−50キロダルトン(kDa)の分子量(MW)を有する。別の実施形態において、MWは1−45kDaである。別の実施形態において、MWは1−40kDaである。別の実施形態において、MWは1−35kDaである。別の実施形態において、MWは1−30kDaである。別の実施形態において、MWは1−25kDaである。別の実施形態において、MWは1−20kDaである。別の実施形態において、MWは10−50kDaである。別の実施形態において、MWは15−50kDaである。別の実施形態において、MWは20−50kDaである。別の実施形態において、MWは25−50kDaである。別の実施形態において、MWは30−50kDaである。別の実施形態において、MWは35−50kDaである。別の実施形態において、MWは1−100kDaである。別の実施形態において、MWは1−90kDaである。別の実施形態において、MWは1−80kDaである。別の実施形態において、MWは1−70kDaである。別の実施形態において、MWは1−60kDaである。別の実施形態において、MWは10−100kDaである。別の実施形態において、MWは15−100kDaである。別の実施形態において、MWは20−100kDaである。別の実施形態において、MWは25−100kDaである。別の実施形態において、MWは30−100kDaである。別の実施形態において、MWは10−80kDaである。別の実施形態において、MWは15−80kDaである。別の実施形態において、MWは20−80kDaである。別の実施形態において、MWは25−80kDaである。別の実施形態において、MWは30−80kDaである。各々の可能性が本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0016】
別の実施形態において、MWは20kDa未満である。別の実施形態において、MWは25kDa未満である。別の実施形態において、MWは30kDa未満である。別の実施形態において、MWは35kDa未満である。別の実施形態において、MWは40kDa未満である。別の実施形態において、MWは45kDa未満である。別の実施形態において、MWは50kDa未満である。別の実施形態において、MWは55kDa未満である。別の実施形態において、MWは60kDa未満である。別の実施形態において、MWは65kDa未満である。別の実施形態において、MWは70kDa未満である。別の実施形態において、MWは75kDa未満である。別の実施形態において、MWは80kDa未満である。別の実施形態において、MWは85kDa未満である。別の実施形態において、MWは90kDa未満である。別の実施形態において、MWは95kDa未満である。別の実施形態において、MWは100kDa未満である。
【0017】
別の実施形態において、本発明のタンパク質はインスリンである。別の実施形態において、本発明の方法および組成物のインスリンはヒトインスリンである。別の実施形態において、インスリンは組換えインスリンである。別の実施形態において、インスリンは組み換えヒトインスリンである。別の実施形態において、インスリンは牛インスリンである。別の実施形態において、インスリンは豚インスリンである。別の実施形態において、インスリンはクジラインスリンである。別の実施形態において、インスリンはインスリンの金属錯体(例えば、インスリンの亜鉛錯体、プロタミン亜鉛インスリン、または、グロビン亜鉛)である。
【0018】
別の実施形態において、インスリンは内因性インスリンである。別の実施形態において、インスリンは即効性インスリンである。別の実施形態において、インスリンはレンテインスリンである。別の実施形態において、インスリンはセミレンテインスリン(semilente insulin)である。別の実施形態において、インスリンはウルトラレンテインスリンである。別の実施形態において、インスリンはNPHインスリンである。別の実施形態において、インスリンはグラルギンインスリンである。別の実施形態において、インスリンはリスプロインスリンである。別の実施形態において、インスリンはアスパルトインスリンである。別の実施形態において、インスリンは上記のタイプのインスリンのいずれかの2以上の組み合わせである。別の実施形態において、インスリンは当該技術分野で知られている任意の他のタイプのインスリンである。各々の可能性が本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0019】
1つの実施形態において、本発明の方法および組成物で利用されるインスリンの量は、ヒトにおいて0.5−3ユニット(u)/kgである。1つの実施形態において、本発明の方法および組成物におけるインスリンを測定するために用いられる単位は、USPインスリンユニットである。1つの実施形態において、インスリンを測定するために用いられるユニットはミリグラムである。別の実施形態において、インスリンのひとつの国際ユニット(IU)は、45.5mgのインスリンに等しい。
【0020】
別の実施形態において、インスリンの量は0.1−1u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.2−1u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.3−1u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.5−1u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.1−2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.2−2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.3−2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.5−2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.7−2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1−2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1.2−2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1−1.2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1−1.5u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1−2.5u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1−3u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は2−3u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1−5u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は2−5u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は3−5u/kgである。
【0021】
別の実施形態において、インスリンの量は0.1u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.3u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.4u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.5u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.6u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は0.8u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1.2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1.4u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1.6u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は1.8u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は2.2u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は2.5u/kgである。別の実施形態において、インスリンの量は3u/kgである。
【0022】
別の実施形態において、インスリンの量は1−10uである。別の実施形態において、インスリンの量は2−10uである。別の実施形態において、インスリンの量は3−10uである。別の実施形態において、インスリンの量は5−10uである。別の実施形態において、インスリンの量は1−20uである。別の実施形態において、インスリンの量は2−20uである。別の実施形態において、インスリンの量は3−20uである。別の実施形態において、インスリンの量は5−20uである。別の実施形態において、インスリンの量は7−20uである。別の実施形態において、インスリンの量は10−20uである。別の実施形態において、インスリンの量は12−20uである。別の実施形態において、インスリンの量は10−12uである。別の実施形態において、インスリンの量は10−15uである。別の実施形態において、インスリンの量は10−25uである。別の実施形態において、インスリンの量は10−30uである。別の実施形態において、インスリンの量は20−30uである。別の実施形態において、インスリンの量は10−50uである。別の実施形態において、インスリンの量は20−50uである。別の実施形態において、インスリンの量は30−50uである。別の実施形態において、インスリンの量は20−100uである。別の実施形態において、インスリンの量は30−100uである。別の実施形態において、インスリンの量は100−150uである。別の実施形態において、インスリンの量は100−250uである。別の実施形態において、インスリンの量は100−300uである。別の実施形態において、インスリンの量は200−300uである。別の実施形態において、インスリンの量は100−500uである。別の実施形態において、インスリンの量は200−500uである。別の実施形態において、インスリンの量は300−500uである。別の実施形態において、インスリンの量は200−1000uである。別の実施形態において、インスリンの量は300−1000uである。
【0023】
別の実施形態において、インスリンの量は1uである。別の実施形態において、インスリンの量は2uである。別の実施形態において、インスリンの量は3uである。別の実施形態において、インスリンの量は4uである。別の実施形態において、インスリンの量は5uである。別の実施形態において、インスリンの量は6uである。別の実施形態において、インスリンの量は8uである。別の実施形態において、インスリンの量は10uである。別の実施形態において、インスリンの量は12uである。別の実施形態において、インスリンの量は14uである。別の実施形態において、インスリンの量は16uである。別の実施形態において、インスリンの量は18uである。別の実施形態において、インスリンの量は20uである。別の実施形態において、インスリンの量は22uである。別の実施形態において、インスリンの量は25uである。別の実施形態において、インスリンの量は30uである。別の実施形態において、インスリンの量は50uである。別の実施形態において、インスリンの量は80uである。別の実施形態において、インスリンの量は100uである。別の実施形態において、インスリンの量は120uである。別の実施形態において、インスリンの量は140uである。別の実施形態において、インスリンの量は160uである。別の実施形態において、インスリンの量は180uである。別の実施形態において、インスリンの量は200uである。別の実施形態において、インスリンの量は300uである。別の実施形態において、インスリンの量は500uである。
【0024】
別の実施形態において、タンパク質はインスリン分泌促進剤である。別の実施形態において、タンパク質はGLP−1である。別の実施形態において、タンパク質はGLP−1アナログである。別の実施形態において、タンパク質はGLP−1模倣物質である。別の実施形態において、タンパク質はインクレチン模倣物質である。別の実施形態において、タンパク質はGLP−1インクレチンを模倣する。別の実施形態において、タンパク質はGLP−2である。別の実施形態において、タンパク質はGLP−2アナログである。別の実施形態において、タンパク質はGLP−2模倣物質である。
【0025】
別の実施形態において、タンパク質はエクセナチドである。別の実施形態において、本発明の経口製剤は胃でのエクセナチド分解を防ぐ。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は血糖値を制御する。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は血糖値の制御を助ける。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤はインスリンの膵臓生産を誘発する。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、2型(非インスリン依存性)糖尿病を処置するために用いられる。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、他の糖尿病医薬品と併用して用いられる。
【0026】
別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、10mcg−1mgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、10mcg−25mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、25mcg−50mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、50mcg−60mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、60mcg−70mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、70mcg−80mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、80mcg−90mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、90mcg−100mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、100mcg−110mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、110mcg−125mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、125mcg−150mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、150mcg−175mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、175mcg−200mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、200mcg−220mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、220mcg−240mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、240mcg−260mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、260mcg−300mcgである。
【0027】
別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、300mcg−350mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、350mcg−400mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、400mcg−450mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、450mcg−500mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、550mcg−600mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、600mcg−700mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、700mcg−800mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、800mcg−900mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、900mcg−1mgである。
【0028】
別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を1週間に2回摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を2日ごとに1回摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を1日1回摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を1日2回摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を1日3回摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を1日4回摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を1日5回摂取する。別の実施形態において、当業者は本明細書に記載のエクセナチド製剤の用量を定める。別の実施形態において、当業者は本明細書に記載のエクセナチド製剤の毎日の用量を定める。別の実施形態において、当業者は本明細書に記載のエクセナチド製剤の毎日の投与計画を定める。
【0029】
別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を食事の少なくとも15分前に摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を食事の少なくとも30分前に摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を食事の少なくとも45分前に摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は食事の少なくとも60分前に摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を食事の少なくとも75分前に摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を食事の少なくとも90分前に摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を食事の少なくとも100分前に摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を食事の少なくとも120分前に摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を食事の少なくとも150分前に摂取する。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤を食事の少なくとも180分前に摂取する。
【0030】
別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、エクセナチドを含む注入可能な剤形に関連する副作用を減少させる。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、エクセナチドを有する注入可能な剤形に関連する副作用である吐き気を減少させる。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、エクセナチドを有する注入可能な剤形に関連する副作用である吐き気を誘発しない。
【0031】
別の実施形態において、タンパク質はグルカゴンである。別の実施形態において、タンパク質はインターフェロン・ガンマである。別の実施形態において、タンパク質はインターフェロン・アルファである。別の実施形態において、タンパク質は成長ホルモンである。別の実施形態において、タンパク質はエリスロポエチンである。別の実施形態において、タンパク質は顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である。別の実施形態において、タンパク質はオメンチン(omentin)である。別の実施形態において、タンパク質はカルシトニンである。別の実施形態において、タンパク質はPTHである。別の実施形態において、タンパク質はPYYである。
【0032】
別の実施形態において、タンパク質は、当該技術分野で知られている任意の他のタンパク質である。別の実施形態において、タンパク質は成長ホルモンである。別の実施形態において、成長ホルモンはソマトトロピンである。別の実施形態において、成長ホルモンはインスリン成長因子−1(IGF−1)である。別の実施形態において、成長ホルモンは当該技術分野で知られている任意の他の成長ホルモンである。
【0033】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物は、ヒト血清アルブミンを投与するために用いられる。1つの実施形態において、ヒト血清アルブミンは、薬学的に活性な成分とはみなされていないが、活性成分に対して治療上有用な担体として本発明の文脈では使用可能である。タンパク質の各々のタイプは、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0034】
1つの実施形態において、タンパク質は、酵素である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、受容体リガンド、輸送体、または、貯蔵タンパク質である。1つの実施形態において、タンパク質は、構造タンパク質である。
【0035】
いくつかの実施形態において、酵素は、酸化還元酵素、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、脱離酵素、イソメラーゼ、または、リガーゼである。いくつかの実施形態において、酸化還元酵素は、供与体のアルデヒド又はオキソ基、供与体のCH−CH基、供与体のCH−NH(2)基、供与体のCH−NH基、NADH又はNADPH、供与体のCH−OH基、供与体としての窒素化合物、供与体の硫黄属、供与体のヘム基、供与体としてのジフェノールおよび関連物質、受容体(acceptor)としての過酸化物、供与体としての水素、分子酸素の取り込みによる単一の供与体、対の供与体、受容体、酸化金属イオンとしての超酸化物、CHまたはCH(2)基、供与体としての鉄硫黄タンパク質、供与体としての還元フラボドキシン、供与体中のリンまたはヒ素、または、x−y結合を形成するx−Hおよびy−Hに作用する。
【0036】
いくつかの実施形態において、トランスフェラーゼは、アシルトランスフェラーゼ又はグリコシルトランスフェラーゼである。いくつかの実施形態において、トランスフェラーゼは、アルデヒド又はケトン残基を転移する。いくつかの実施形態において、トランスフェラーゼは、メチル基以外のアルキル基またはアリール基を転移する。いくつかの実施形態において、トランスフェラーゼは、窒素含有基、リン含有基、硫黄含有基、または、セレン含有基を転移する。
【0037】
いくつかの実施形態において、加水分解酵素は、グリコシラーゼであるか、または、エーテル結合、ペプチド結合、ペプチド結合以外の炭素−窒素結合、酸無水物、炭素−炭素結合、ハロゲン化結合(halide bonds)、リン−窒素結合、硫黄−窒素結合、炭素−リン結合、硫黄−硫黄結合、または、炭素−硫黄結合に作用する。
【0038】
いくつかの実施形態において、脱離酵素は、炭素−炭素脱離酵素、炭素−酸素脱離酵素、炭素−窒素脱離酵素、炭素−硫黄脱離酵素、炭素−ハロゲン化脱離酵素、リン−酸素脱離酵素、または、他の脱離酵素である。
【0039】
いくつかの実施形態において、イソメラーゼは、ラセマーゼまたはエピメラーゼ、シス−トランス−イソメラーゼ、分子内酸化還元酵素、分子内トランスフェラーゼ、分子内脱離酵素、または、他のイソメラーゼである。
【0040】
いくつかの実施形態において、リガーゼは、炭素−硫黄結合、炭素−窒素結合、炭素−炭素結合、リン酸エステル結合、または、窒素−金属結合を形成する。
【0041】
いくつかの実施形態において、輸送体タンパク質は、アネキシン、ATP−結合カセット輸送体、ヘモグロビン、ATPアーゼ、カルシウムチャネル、カリウムチャネル、ナトリウムチャネル、または、溶質輸送体である。
【0042】
いくつかの実施形態において、貯蔵タンパク質は、アルブミン、ラクトグロブリン、カセイン、オボムチン、フェリチン、ホスビチン、ラクトフェリン、または、ビテロゲニンを含む。1つの実施形態において、アルブミンは、アビジン、オボアルブミン、血清アルブミン、パルブアルブミン、c−反応性タンパク質プレアルブミン、コンアルブミン、リシン、ラクトアルブミン、メトヘムアルブミン、または、トランスサイレチンを含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、構造タンパク質は、アミロイド、コラーゲンエラスチン、または、フィブリリンを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、タンパク質は、ウイルスタンパク質、細菌タンパク質、無脊椎動物のタンパク質、または、脊椎動物のタンパク質である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、組換えタンパク質である。1つの実施形態において、タンパク質は、組み換えタンパク質である。1つの実施形態において、組換えタンパク質は、組み換えヒトタンパク質である。
【0045】
上記のタンパク質のいくつかの分子量は、以下のとおりである。インスリン−6キロダルトン(kDa);グルカゴン−3.5kDa;インターフェロン,28kDa、成長ホルモン−21.5−47kDa;ヒト血清アルブミン−69kDa;エリスロポエチン−34kDa;G−CSF−30−34kDa。したがって、1つの実施形態において、このようなタンパク質の分子量は、本発明の方法によって投与するのに適切である。
【0046】
本明細書で提供されるように、プロテアーゼインヒビターは、本発明のタンパク質を開裂から守る。別の実施形態において、本発明は、プロテアーゼインヒビターが本発明のインスリンを開裂から守ることを提供する。別の実施形態において、本発明は、プロテアーゼインヒビターが被験体の腸でタンパク質吸収を促進することを提供する。別の実施形態において、本発明は、プロテアーゼインヒビターが被験体の腸でインスリン吸収を促進することを提供する。
【0047】
別の実施形態において、セルピンは:アルファ1−アンチトリプシン、アンチトリプシンに関連するタンパク質、アルファ1−アンチキモトリプシン、カリスタチン、タンパク質Cインヒビター、コルチゾール結合グロブリン、チロキシン結合グロブリン、アンジオテンシノーゲン、センテリン(Centerin)、タンパク質Zに関連するプロテアーゼインヒビター、内臓脂肪由来セリンプロテアーゼインヒビター、単球好中球エラスターゼインヒビター、プラスミノーゲン活性剤インヒビター−2、扁平細胞癌抗原−1(SCCA−1)、扁平細胞癌抗原−2(SCCA−2)、マスピン、PI−6、メグシン(Megsin)、PI−8、PI−9、ボマピン(Bomapin)、ユコピン(Yukopin)、ハーピン/ヘッドピン(Hurpin/Headpin)、アンチトロンビン、へパリン補助因子II、プラスミノーゲン活性剤インヒビター1、グリア由来のネキシン/プロテアーゼネキシンI、色素上皮由来因子、アルファ2−抗プラスミン、補体1−インヒビター、47kDa熱ショックタンパク質(HSP47)、ニューロセルピン、または、パンクピン(Pancpin)である。
【0048】
別の実施形態において、本発明は、プロテアーゼインヒビターがリママメトリプシンインヒビター、アプロチニン、大豆トリプシンインヒビター(SBTI)、またはオボムコイドなどの(ただしこれらに限定されない)トリプシンインヒビターであることを提供する。
【0049】
別の実施形態において、本発明は、プロテアーゼインヒビターがシステインプロテアーゼインヒビターであることを提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明のシステインプロテアーゼインヒビターがシステイン、1型システイン(またはステフィン(stefins))、2型システイン、ヒトシステインC、D、S、SN、およびSA、システインE/M、システインF、3型システイン、またはキニノーゲンを含むことを提供する。
【0050】
別の実施形態において、本発明は、プロテアーゼインヒビターがトレオニンプロテアーゼインヒビターであることを提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明のトレオニンプロテアーゼインヒビターが、ボルテゾミブ、MLN−519、ER−807446、TMC−95Aを含むことを提供する。
【0051】
別の実施形態において、本発明は、プロテアーゼインヒビターがアスパラギン酸プロテアーゼインヒビターであることを提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明のアスパラギン酸プロテアーゼインヒビターが、α2−マクログロブリン、ペプスタチンA、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター11、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター1、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター2、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター3、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター4、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター5、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター6、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター7、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター8、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター9、ペプシンインヒビターDit33、アスパルチルプロテアーゼインヒビター、または、プロテアーゼAインヒビター3を含むことを提供する。
【0052】
別の実施形態において、本発明は、プロテアーゼインヒビターがメタロプロテアーゼインヒビターであることを提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明のメタロプロテアーゼインヒビターが、アンギオテンシン−1転換酵素抑制ペプチド、抗出血性(Antihemorragic)因子BJ46a、ベータ−カゼイン、プロテイナーゼインヒビターCeKI、毒液メタロプロテイナーゼインヒビター(Venom metalloproteinase inhibitor)DM43、カルボキシペプチターゼAインヒビター、smpI、IMPI、アルカリンプロテイナーゼ、inh、ラテキシン(Latexin)、カルボキシペプチターゼインヒビター、抗出血因子HSF、テスカチン−3、SPOCK3、TIMP1、メタロプロテイナーゼインヒビター1、メタロプロテイナーゼインヒビター2、TIMP2、メタロプロテイナーゼインヒビター3、TIMP3、メタロプロテイナーゼインヒビター4、TIMP4、推定上のメタロプロテイナーゼインヒビター tag−225、メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、WAP、カザール、免疫グロブリン、または、クニッツおよびNTRドメイン含有タンパク質1を含むことを提供する。
【0053】
いくつかの実施形態において、プロテアーゼインヒビターは、自殺阻害剤、遷移状態阻害剤、または、キレート剤を含む。いくつかの実施形態において、本発明のプロテアーゼインヒビターは、AEBSF−HCl、(イプシロン)−アミノカプロン酸、(アルファ)1−アンチキモトリプシン、アンチパイン、アンチトロビンIII、(アルファ)1−アンチトリプシン([アルファ]1−プロテイナーゼインヒビター)、APMSF−HCl(4−アミジノフェニル−メタン スルホニル−フッ化物)、スプロチニン(sprotinin)、ベンズアミジン−HCl、キモスタチン、DFP(ジイソプロピルフルオロ−リン酸塩)、ロイペプチン、PEFABLOC(登録商標)SC(4−(2−アミノエチル)−ベンゼンスルホニルフッ化物塩酸塩)、PMSF(フェニルメチルスルホニルフッ化物)、TLCK(1−クロロ−3−トシルアミド−7−アミノ−2−ヘプタノン(heptanone)HCl)、TPCK(1−クロロ−3−トシルアミド−4−フェニル−2−ブタノン)、イセチオン酸ペンタミジン、ペプスタチン、グアニジウム、アルファ2−マクログロブリン、亜鉛のキレート剤、または、ヨード酢酸、亜鉛である。各々の可能性は本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0054】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物で利用されるプロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.1mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.2mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.3mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.4mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.6mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.8mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき1mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき1.5mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき2mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき2.5mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき3mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき5mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき7mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき10mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき12mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき15mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき20mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき30mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき50mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき70mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき100mgである。
【0055】
別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.1−1mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.2−1mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.3−1mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.5−1mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.1−2mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.2−2mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.3−2mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき0.5−2mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき1−2mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき1−10mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき2−10mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき3−10mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき5−10mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき1−20mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき2−20mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき3−20mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき5−20mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき10−20mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき10−100mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき20−100mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき30−100mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき50−100mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき10−200mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき20−200mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき30−200mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき50−200mgである。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき100−200mgである。
【0056】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物で利用されるプロテアーゼインヒビターの量は、1つの用量単位につき1000k.i.u.(カリクレイン失活剤ユニット)である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき10k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき12k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき15k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき20k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき30k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき40k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき50k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき70k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき100k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき150k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき200k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき300k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき500k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき700k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき1500k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき3000k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき4000k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき5000k.i.u.である。第1または第2プロテアーゼインヒビターの各々の量は、本発明の別の実施形態を表す。
【0057】
別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき50−5000k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき500−4000k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき100−1000k.i.u.である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は1つの用量単位につき200−1500k.i.u.である。
【0058】
別の実施形態において、本発明の組成物は、腸管粘膜バリアを介して本発明のタンパク質の吸収を高める物質を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、腸管粘膜バリアを介してインスリンの吸収を高める物質をさらに含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、腸管粘膜バリアを介してエクセナチドの吸収を高める物質をさらに含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、消化器系におけるエクセナチドの分解を減少させる物質をさらに含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、胃におけるエクセナチドの分解を減少させる物質をさらに含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、腸におけるエクセナチドの分解を減少させる物質をさらに含む。このような物質は、「エンハンサー」として本明細書に表されている。本明細書で提供されるように、エンハンサーは、オメガ3脂肪酸またはプロテアーゼインヒビターと共に用いられると、腸で吸収されるタンパク質の能力を高める。本明細書で提供されるように、エンハンサーは、オメガ3脂肪酸およびプロテアーゼインヒビターと共に用いられると、腸で吸収されるインスリンの能力を高める。本明細書で提供されるように、エンハンサーは、オメガ3脂肪酸およびプロテアーゼインヒビターと共に用いられると、腸で吸収されるエクセナチドの能力を高める。
【0059】
1つの実施形態において、エンハンサーは、ジデカノイルホスファチジルコリン(DDPC)である。1つの実施形態において、エンハンサーは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはエグタズ酸EGTAなどのキレート剤である。別の実施形態において、EDTAはナトリウムEDTAである。いくつかの実施形態において、エンハンサーはNO供与体である。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、胆汁酸、胆汁酸のグリシン共役形態、または、アルカリ金属塩である。1つの実施形態において、吸収の強化は、α−ガラクトシダーゼとβ−マンナナーゼの組み合わせを利用することで達成される。いくつかの実施形態において、エンハンサーはカプリン酸ナトリウムなどの脂肪酸である。1つの実施形態において、エンハンサーはグリココール酸ナトリウムである。1つの実施形態において、エンハンサーはサリチル酸ナトリウムである。1つの実施形態において、エンハンサーは、n−ドデシル−β−D−マルトピラノシドである。いくつかの実施形態において、界面活性剤は吸収エンハンサーとして機能する。1つの実施形態において、エンハンサーは、N,N,N−トリメチルキトサン塩化物(TMC)などのキトサン(chitisan)塩化物である。
【0060】
1つの実施形態において、本発明のNO供与体は、3−(2−ヒドロキシ−1−(1−メチルエチル)−2−ニトロソヒドラジノ(nitrosohydrazino))−1−プロパナミン、N−エチル−2−(1−エチル−ヒドロキシ−2−ニトロソヒドラジノ)−エタンアミン、または、S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミンを含む。
【0061】
別の実施形態において、胆汁酸はコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はケノデオキシコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はタウロコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はタウロケノデオキシコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はグリココール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はグリコケノコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸は3ベータ−モノヒドロキシコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はリトコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸は5ベータ−コラン酸である。別の実施形態において、胆汁酸は3,12−ジオール−7−オン−5ベータ−コラン酸である。別の実施形態において、胆汁酸は3アルファ−ヒドロキシ−12−ケトコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸は3ベータ−ヒドロキシ−12−ケトコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸は12アルファ−3ベータ−ジヒドロコール酸(dihydrocholic acid)である。別の実施形態において、胆汁酸はウルソデスオキシコール酸である。
【0062】
1つの実施形態において、エンハンサーは非イオン性界面活性剤である。1つの実施形態において、エンハンサーは非イオン性ポリオキシエチレンエーテル表面活性薬剤(例えば、6から19のHLB値を有するものであり、この場合、ポリオキシエチレン単位の平均数は4から30である)である。1つの実施形態において、エンハンサーは陰イオン性界面活性剤である。1つの実施形態において、エンハンサーは陽イオン性界面活性剤である。1つの実施形態において、エンハンサーは両性界面活性剤である。1つの例において、アシルカルニチンなどの双性イオン界面活性剤は、吸収エンハンサーとして機能する。
【0063】
別の実施形態において、吸収エンハンサーは高分子薬物に効果的な経口吸収エンハンサーである。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、とても水に溶けやすい。別の実施形態において、吸収エンハンサーは胃腸管で十分に、すなわち、85%以上吸収される。別の実施形態において、吸収エンハンサーは粗形状である。別の実施形態において、吸収エンハンサーは微粒子化される。別の実施形態において、吸収エンハンサーはアモルファスである。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、N− (5−クロロサリシロイル)−8−アミノカプリル酸(5−CNAC)である。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、N−(10−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)デカン酸(SNAD)である。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、N−(8−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸(SNAC)である。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、CNAC、SNAD、SNAC、一ナトリウムおよび/またはそのジナトリウム塩、エタノール、その他のトリウム塩のエタノール溶媒和物、および、そのナトリウム塩の一水和物、および、それらの組み合わせである。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、8−(N−2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイル)−アミノカプリル酸(4−MOAC)および、その薬学的に許容可能な塩、および/または、4−MOACのアモルファスならびに多形形態である。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、N−(8−[2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾイル]−アミノ)オクタン酸(同様に、8−(N−2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾイル)アミノカプリル酸)としても知られている)(5−CNAC)、および、その薬学的に許容可能な塩、および/または、5−CNACのアモルファスならびに多形形態である。別の実施形態において、吸収エンハンサーは、4−[(2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾイル)アミノ]ブタノエート(同様に、4−[(4−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)アミノ]ブタン酸としても知られている)(4−CNAB)、および、その一ナトリウム塩、および/または、4−CNABのアモルファスおよび多形形態を含む、その薬学的に許容可能な塩である。
【0064】
別の実施形態において、本発明のSNADとプロテアーゼインヒビターには、血糖値を低下させる相乗的な効果がある。別の実施形態において、本発明のSNACとプロテアーゼインヒビターには、血糖値を低下させる相乗的な効果がある。
【0065】
別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、効果的な量の1以上の吸収エンハンサーを送達する。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、所望の効果のために、活性薬剤を送達するのに十分な量を有する。
【0066】
別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの2.5重量%乃至99.4重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの2.5重量%乃至10重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの8重量%乃至15重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの10重量%乃至20重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの15重量%乃至30重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの20重量%乃至40重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの30重量%乃至50重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの40重量%乃至60重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの50重量%乃至70重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸収エンハンサーの70重量%乃至99.4重量%の量を含む。別の実施形態において、本発明の組成物中の吸収エンハンサーの量は、送達に効果的な量であり、当業者に知られている方法によって、任意の特定の担体または生物学的あるいは化学的に活性な薬剤に関して定められる。
【0067】
別の実施形態において、吸収エンハンサーはペプチドである。別の実施形態において、吸収エンハンサーはアミノ酸である。別の実施形態において、吸収エンハンサーはアミノ酸由来である。
【0068】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物で利用されるエンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.1mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.2mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.3mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.4mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.6mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.8mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき1mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき1.5mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき2mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき2.5mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき3mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき5mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき7mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき10mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき12mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき15mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき20mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき30mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき50mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき70mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき100mgである。
【0069】
別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.1−1mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.2−1mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.3−1mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.5−1mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.1−2mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.2−2mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.3−2mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき0.5−2mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき1−2mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき1−10mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき2−10mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき3−10mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき5−10mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき1−20mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき2−20mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき3−20mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき5−20mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき10−20mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき10−100mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき20−100mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき30−100mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき50−100mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき10−200mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき20−200mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき30−200mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき50−200mgである。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1つの用量単位につき100−200mgである。エンハンサーの各々のタイプおよび量は、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0070】
いくつかの実施形態において、オメガ3脂肪酸は、チーア、エゴマ、亜麻、クルミ、スベリヒユ、コケモモ、シーバックソーン、および、アサの種などの植物の供給源で発見されることがある。いくつかの実施形態において、オメガ3脂肪酸は、アサイーパームの果実で発見されることもある。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、合成オメガ3脂肪酸の形態で提供されている。1つの実施形態において、本発明の方法および組成物のオメガ3脂肪酸は、魚油の形態で組成物に提供されている。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、キャノーラ油の形態で提供されている。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、亜麻仁油の形態で提供されている。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、当該技術分野で知られている他の任意のオメガ3脂肪酸に富んだ供給源の形態で提供されている。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、合成オメガ3脂肪酸の形態で提供されている。オメガ3脂肪酸の各々の形態は、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0071】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物のオメガ3脂肪酸は、オメガ3多価不飽和脂肪酸である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、DHA、オメガ3多価不飽和の、22−カルボン脂肪酸であり、4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸としても表される。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、−リノレン酸(9,12,15−オクタデカトリエン酸(octadecatrienoic acid))である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、ステアリドン酸(6,9,12,15−オクタデカテトラエン酸(octadecatetraenoic acid))である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸はエイコサトリエン酸(ETA;11,14,17−エイコサトリエン酸)である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、エイコサテトラエン酸(8,11,14,17−エイコサテトラエン酸)である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、エイコサペンタエン酸(EPA;5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸)である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、エイコサヘキサエン酸(「EPA」としても表される;5,7,9,11,14,17−エイコサヘキサエン酸(eicosahexaenoic acid))である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、ドコサペンタエン酸(DPA;7,10,13,16,19−ドコサペンタエン酸)である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、テトラコサヘキサエン酸(6,9,12,15,18,21−テトラコサヘキサエン酸)である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、当該技術分野において知られている他の任意のオメガ3脂肪酸である。各々のオメガ3脂肪酸は、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0072】
別の実施形態において、本発明の組成物は、被験体の胃において組成物の消化を抑制するコーティングを含む。1つの実施形態において、コーティングは被験体の胃において組成物の消化を抑制する。1つの実施形態において、本発明のコーティングされた剤形は、pHがアルカリ性の範囲になると、薬物を放出する。1つの実施形態において、コーティングは単層であり、この場合、他の実施形態では、コーティングは多層で適用される。1つの実施形態において、コーティングは腸管粘膜と選択的に結合して、付着部位での薬物の放出を可能にする生接着性ポリマーである。1つの実施形態において、腸内コーティングは腸内膜コーティングである。いくつかの実施形態において、コーティングは、生分解性多糖、キトサン、水性アクアテリック(aquateric)、アクアコートECD、アゾポリマー、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、酢酸フタル酸ポリビニル、ハイドロゲル、プルシンカップ、または、それらの組み合わせを含む。1つの実施形態において、pH感受性コーティングは、当業者に知られている所望の放出部位および/または特性に従って使用される。
【0073】
1つの実施形態において、コーティングは腸内コーティングである。腸内コーティングの方法は当該技術分野においてよく知られており、例えば、Siepmann F、Siepmann Jらによる文献「Blends of aqueous polymer dispersions used for pellet coating: importance of the partivle size. J Control Release 2005; 105(3): 226-39」、および、Huyghebaert N、Vermeire Aの文献「Remon JP. In vitro evaluation of coating polymers for enteric coating and human ileal targeting. Int J Pharm 2005; 298(1): 26-37」に記述されている。各々の方法は、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0074】
別の実施形態において、Eudragit(登録商標)、すなわち、アクリルポリマーは、腸内コーティングとして使用される。医薬製剤のコーティングのためのアクリルポリマーの使用は、当該技術分野でよく知られている。Eudragitアクリルポリマーは安全であると証明されており、身体によっては吸収も代謝もされず、むしろ除去される。
【0075】
別の実施形態において、コーティングはゼラチンコーティングである。別の実施形態において、マイクロカプセル化は胃での分解に対してインスリンを保護するために使用される。別の実施形態において、コーティングはゼラチンコーティングである。別の実施形態において、マイクロカプセル化は胃での分解に対してエクセナチドを保護するために使用される。ゼラチンコーティングの利用方法およびマイクロカプセル化の方法は、当該技術分野においてよく知られている。各々の方法は、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0076】
別の実施形態において、コーティングは、膜コーティングである。別の実施形態において、コーティングは、エチルセルロースである。別の実施形態において、コーティングは、エチルセルロースの水性分散、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)E 15である。別の実施形態において、コーティングは、 胃耐性コーティング、例えば、官能基としてのポリマー含有カルボン酸基である。別の実施形態において、コーティングは、モノシリックマトリックスである。別の実施形態において、コーティングは、セルロース・エーテル(例えば、ヒプロメロース(HPMC)である)。各々のタイプのコーティングは、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0077】
別の実施形態において、本発明は、本発明の活性タンパク質、プロテアーゼインヒビター、および、吸収エンハンサーを含む組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の活性タンパク質、プロテアーゼインヒビター、オメガ3脂肪酸、および、吸収エンハンサーを含む組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の活性タンパク質、プロテアーゼインヒビター、オメガ3脂肪酸、EDTAまたはNa−EDTA、および、吸収エンハンサーを含む組成物を提供する。
【0078】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターと吸収エンハンサーとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターと吸収エンハンサーとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターと吸収エンハンサーとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0079】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターと吸収エンハンサーとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターと吸収エンハンサーとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターと吸収エンハンサーとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0080】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0081】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNADとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNADとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中に少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNADとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0082】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にセルピンとSNACまたはSNADとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にセルピンとSNACまたはSNADとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にセルピンとSNACまたはSNADとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にセルピンとSNACまたはSNADとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0083】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にトリプシンインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にトリプシンインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にSBTIまたはアプロチニンとSNACまたはSNADとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にSBTIまたはアプロチニンとSNACまたはSNADとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にSBTIまたはアプロチニンとSNACまたはSNADとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0084】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にシステインプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にシステインプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にシステインプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0085】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にトレオニンプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にトレオニンプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にトレオニンプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0086】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にメタロプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にメタロプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にメタロプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0087】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアスパラギン酸プロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、本発明のタンパク質のバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアスパラギン酸プロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、インスリンのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアスパラギン酸プロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、エクセナチドのバイオアベイラビリティが劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0088】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも10%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも10%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも20%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも20%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも30%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも30%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも40%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも40%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも50%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも50%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも60%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも60%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも70%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも70%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも80%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも80%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも90%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも90%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも100%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でエクセナチドのバイオアベイラビリティが少なくとも100%、劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0089】
別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも10%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも20%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも30%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも40%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも50%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも60%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも70%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも80%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも90%、劇的に、予想外に増加するということを示す。別の実施形態において、本発明は、単一の経口組成物中にアプロチニンまたはSBTIとSNACまたはSNADとを用いることによって、ヒト被験体でインスリンのバイオアベイラビリティが少なくとも100%、劇的に、予想外に増加するということを示す。
【0090】
別の実施形態において、本発明は、処置の頻度を一日に1度または2度に減らすことが可能となるような徐放剤形(例えば、徐放マイクロカプセル化)の使用を提供する。別の実施形態において、インスリン投与量は、投与頻度の減少に応じて増加する。別の実施形態において、エクセナチドの投与量は、投与頻度の減少に応じて増加する。胃で組成物の消化を抑制するコーティング、吸収エンハンサー、剤形などの各々のタイプは、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0091】
インスリンレベルを測定する方法は、当該技術分野で知られている。1つの実施形態において、組み換えインスリンレベルは、ヒトインスリンのラジオイムノアッセイ(RIA)キット、例えば、Linco Research Inc,(ミズーリ州セントチャールズ)によって製造されたキットを用いて測定される。別の実施形態において、Cペプチドレベルは、同様に、観察されたインスリンレベルの上昇に対する内因性および外因性のインスリンの相対的な関与を調べるために測定される。別の実施形態において、インスリンELISAキットが用いられる。別の実施形態において、インスリンレベルは、当該技術分野で知られている任意の他の方法を用いて測定される。別の実施形態において、エクセナチドレベルは、当該技術分野で知られている方法を用いて測定される。各々の可能性が本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0092】
別の実施形態において、多重粒子剤形が、胃の中の組成物の消化を抑制するために用いられる。別の実施形態において、多重粒子剤形が、胃の中の組成物の消化を抑制するために用いられる。
【0093】
別の実施形態において、本発明は、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与する方法を提供し、これによって、タンパク質のかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。この方法は、タンパク質とプロテアーゼインヒビターと吸収エンハンサーとを含む医薬組成物を被験体に経口投与する工程を備え、これによって、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与する。
【0094】
別の実施形態において、本発明は、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与する方法を提供し、これによって、タンパク質のかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。この方法は、タンパク質とプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを含む医薬組成物を被験体に経口投与する工程を備え、これによって、酵素活性を有するタンパク質をヒト被験体に経口投与する。
【0095】
別の実施形態において、本発明は、インスリンを被験体に経口投与する方法を提供し、これによって、インスリンのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアによる吸収後もその活性を維持する。この方法は、インスリンとプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを含む医薬組成物を被験体に経口投与する工程を備え、これによって、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドを被験体に経口投与する方法を提供し、これによって、エクセナチドのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアによる吸収後もその活性を維持する。この方法は、エクセナチドと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを含む医薬組成物を被験体に経口投与する工程を備え、これによって、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与する。
【0096】
別の実施形態において、本発明は、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与する方法を提供し、これによって、タンパク質のかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。この方法は、タンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとオメガ3脂肪酸とを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって、酵素活性を有するタンパク質をヒト被験体に経口投与する。別の実施形態において、本発明は、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与する方法を提供し、これによって、タンパク質のかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。この方法は、タンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNAD、EDTA(またはその塩)とオメガ3脂肪酸とを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって、酵素活性を有するタンパク質をヒト被験体に経口投与する。
【0097】
別の実施形態において、本発明は、インスリンを被験体に経口投与する方法を提供し、これによって、インスリンのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその活性を維持する。この方法は、インスリンと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとオメガ3脂肪酸とNa−EDTAとを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって、酵素活性を有するタンパク質をヒト被験体に経口投与する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドを被験体に経口投与する方法を提供し、これによって、エクセナチドのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその活性を維持する。この方法は、エクセナチドと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとオメガ3脂肪酸とNa−EDTAとを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって、酵素活性を有するタンパク質をヒト被験体に経口投与する。
【0098】
別の実施形態において、本発明は、ヒト被験体における真性糖尿病を処置する方法を提供し、この方法は、インスリンと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって真性糖尿病を処置する。別の実施形態において、本発明は、ヒト被験体における真性糖尿病を処置する方法を提供し、この方法は、インスリンと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとオメガ3脂肪酸とを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって真性糖尿病を処置する。別の実施形態において、本発明は、ヒト被験体における真性糖尿病を処置する方法を提供し、この方法は、インスリンと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNAD、EDTA(またはその塩)とオメガ3脂肪酸とを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって真性糖尿病を処置する。
【0099】
別の実施形態において、本発明は、ヒト被験体における真性糖尿病を処置する方法を提供し、この方法は、エクセナチドと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって真性糖尿病を処置する。別の実施形態において、本発明は、ヒト被験体における真性糖尿病を処置する方法を提供し、この方法は、エクセナチドと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとオメガ3脂肪酸とを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって真性糖尿病を処置する。別の実施形態において、本発明は、ヒト被験体における真性糖尿病を処置する方法を提供し、この方法は、エクセナチドと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNAD、EDTA(またはその塩)とオメガ3脂肪酸とを含む医薬組成物を、被験体に経口投与する工程を備え、これによって真性糖尿病を処置する。
【0100】
1つの実施形態において、真性糖尿病は、I型糖尿病である。別の実施形態において、真性糖尿病は、II型糖尿病である。別の実施形態において、真性糖尿病は、インスリン依存性糖尿病である。別の実施形態において、真性糖尿病は、非インスリン依存性糖尿病である。別の実施形態において、真性糖尿病は、当該技術分野で知られている任意の他の糖尿病である。各々の可能性は、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0101】
1つの実施形態において、インスリン組成物による一日3度の処置が行われる。別の実施形態において、一日2度の処置が行われる。別の実施形態において、一日4度の処置が行われる。別の実施形態において、一日1度の処置が行われる。別の実施形態において、一日4度以上の処置が行われる。各々の可能性は、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0102】
様々な実施形態において、本発明の任意の方法は、本発明の任意の組成物を使用することができる。
【0103】
別の実施形態において、本発明は、インスリンを経口投与するための組成物を提供し、この組成物は、インスリンタンパク質と、少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターと、SNACまたはSNADとを含み、これによって、インスリンのかなりの割合が、ヒト被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。
【0104】
1つの実施形態において、本発明は、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与するための薬物の製造中に、タンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを使用することを提供し、これによって、タンパク質のかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。1つの実施形態において、本発明は、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与するための薬物の製造中に、タンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとオメガ3脂肪酸とを使用することを提供し、これによって、タンパク質のかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。1つの実施形態において、本発明は、酵素活性を有するタンパク質を被験体に経口投与するための薬物の製造中に、タンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNAD、Na−EDTAとオメガ3脂肪酸とを使用することを提供し、これによって、タンパク質のかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。
【0105】
1つの実施形態において、本発明は、被験体における真性糖尿病を処置するための薬物の製造中に、インスリンタンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを使用することを提供する。1つの実施形態において、本発明は、被験体における真性糖尿病を処置するための薬物の製造中に、インスリンタンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとオメガ3脂肪酸とを使用することを提供する。1つの実施形態において、本発明は、被験体における真性糖尿病を処置するための薬物の製造中に、インスリンタンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNAD、Na−EDTAとオメガ3脂肪酸とを使用することを提供する。
【0106】
1つの実施形態において、本発明は、被験体における真性糖尿病を処置するための薬物の製造中に、エクセナチドタンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとを使用することを提供する。1つの実施形態において、本発明は、被験体における真性糖尿病を処置するための薬物の製造中に、エクセナチドタンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNADとオメガ3脂肪酸とを使用することを提供する。1つの実施形態において、本発明は、被験体における真性糖尿病を処置するための薬物の製造中に、エクセナチドタンパク質と少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターとSNACまたはSNAD、Na−EDTAとオメガ3脂肪酸とを使用することを提供する。
【0107】
1つの実施形態において、本発明の方法および組成物は、膵臓による生理的なインスリン分泌をより近似的に模倣するという利点を有する。インスリンが門脈に分泌されると、肝臓は、末梢組織よりも高いインスリン濃度に暴露される。同様に、本発明に従って投与されたインスリンは腸に達し、腸を通って全身で吸収され、門脈系を通って肝臓に至る。この吸収経路はしたがって、膵臓によるインスリンの生理的分泌に類似しており、本実施形態において、インスリンによって制御される肝臓および末梢器官の代謝活動と血糖値とを微妙に調節することができる。対照的に、インスリンが末端静脈系を介してインスリン欠乏性糖尿病の患者に投与されると、門脈中のインスリン濃度は、末梢循環中のインスリン濃度と等しく、門脈および肝臓で低インスリン血症をもたらすとともに、末端静脈系で高インスリン血症をもたらす。1つの実施形態において、これは、異常な糖処理を招くことになる。
【0108】
別の実施形態において、本発明の組成物の複数の組成物の様々な成分は、異なる速度で、腸管腔から血流へと吸収される。1つの実施形態において、胆汁酸の吸収はインスリンの吸収よりも著しく速い。
【0109】
このため、別の実施形態において、投薬計画は、間隔を開けて一組の丸剤を消化することを含み、例えば、高濃度のエンハンサーを含む第2の丸剤は、第1の丸剤後に予め決められた間隔を開けて(例えば、30分)摂取される。別の実施形態において、特定の成分が、インスリンの系への吸収を促進するためにマイクロカプセル化される。別の実施形態において、特定の成分が、エクセナチドの系への吸収を促進するためにマイクロカプセル化される。
【0110】
1つの実施形態において、本発明の処置プロトコルは、治療的である。別の実施形態において、処置プロトコルは、予防的である。各々の可能性は本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0111】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物で用いられる固体担体/希釈剤は、ガム、澱粉(例えば、コーンスターチ、事前にゼラチン化した澱粉(pregeletanized starch))、糖(例えば、ラクトース、マンニトール、スクロース、ブドウ糖)、セルロース系材料(例えば、結晶セルロース)、アクリル酸(例えば、ポリアクリル酸メチル)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、または、これらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0112】
別の実施形態において、組成物は、結合剤(例えば、アカシア、コーンスターチ、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、デンプングリコール酸ナトリウム)、様々なpHおよびイオン強度の緩衝剤(例えば、Tris−HCl、酢酸、リン酸塩)、表面への吸収を防ぐアルブミンまたはゼラチンなどの添加剤、界面活性剤(例えば、ツイーン20、ツイーン80、プルロニックF68、胆汁酸塩)、界面活性物質(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、透過促進剤、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、二亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール)、安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、粘度増加剤(例えば、カルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアーガム)、甘味料(例えば、アスパルテーム、クエン酸)、保存料(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動助剤(flow−aids)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(例えば、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング(例えば、ポロクサマーまたはポロキサミン)、コーティング剤および塗膜形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリル酸、ポリメタクリル酸)、および/または、アジュバントをさらに含む。上記賦形剤の各々は、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0113】
いくつかの実施形態において、本発明の剤形は、即時放出特性、持続放出特性、または、遅延放出特性を達成するために処方される。いくつかの実施形態において、組成物の放出特性は、例えば、結合剤、崩壊剤、充填剤、または、コーティング材料として機能する特定の賦形剤を用いることによって決定される。1つの実施形態において、組成物は、当業者に知られている特定の放出特性を達成するために処方されるであろう。
【0114】
1つの実施形態において、組成物は、経口剤形として処方される。1つの実施形態において、組成物は、錠剤、咀嚼錠剤、または、カプセルを含む固体の経口剤形である。1つの実施形態において、カプセルは、ソフトゼラチンカプセルである。別の実施形態において、本明細書に記載のカプセルは、ハードシェルカプセルである。別の実施形態において、本明細書に記載のカプセルは、ソフトシェルカプセルである。別の実施形態において、本明細書に記載のカプセルは、ゼラチン製である。別の実施形態において、本明細書に記載のカプセルは、カラギーナンのような植物性のゲル化物質、および、変性澱粉ならびにセルロースからできている。
【0115】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物で使用される、制御放出コーティングまたは徐放コーティングは、脂溶性の徐放性製剤(例えば、脂肪酸、ワックス、オイル)中の製剤を含む。
【0116】
別の実施形態において、組成物は同様に、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ハイドロゲルなどの高分子化合物の粒子製剤内への、もしくは、粒子製剤上への活性物質の取り込み、または、リポソーム、マイクロエマルション、ミセル、単層または多重膜ベシクル、赤血球ゴースト、または、スフェロプラスト内へのもしくは上への活性物質の取り込みを含む。このような組成物は、物理的状態、溶解度、安定性、インビボ放出の速度、および、インビボクリアランスの速度に影響を与える。別の実施形態において、活性成分の粒子組成物は、ポリマーでコーティングされる(例えば、ポロクサマーまたはポロキサミン)。
【0117】
別の実施形態において、インスリンとオメガ3脂肪酸とを含む組成物は、ベシクル、例えば、リポソームで送達される(Langerの文献「Science 249: 1527-1533 (1990)」、Treatらによる文献「in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez- Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp.353-365 (1989)」、Lopez-Beresteinの同書「pp.317-327」を参照。基本的に前記の個所を参照のこと)。別の実施形態において、エクセナチドとオメガ3脂肪酸とを含む組成物は、ベシクル、例えば、リポソームで送達される(Langerの文献「Science 249:1527-1533 (1990)」、Treatらによる文献「in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez- Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp.353-365 (1989)」、Lopez-Beresteinの同書「pp.317-327」を参照。基本的に前記の個所を参照)。
【0118】
例えば、混合、整粒、錠剤形成工程により活性成分を含む医薬組成物の調製は、当該技術分野ではよく理解されている。活性治療成分は、往々にして薬学的に許容可能で、活性成分に適合する賦形剤と混合される。経口投与に関して、本発明の組成物の活性成分は、通常はこの目的のため、ビヒクル、安定剤、または、不活性希釈剤などの添加物と混合されるとともに、通常の方法によって、錠剤、コーティングされた錠剤、ハードまたはソフトゼラチンカプセル、水溶液、アルコール溶液、または、油性溶液などの適切な投与剤形に変えられる。
【0119】
上記の添加物、賦形剤、製剤、および、投与方法の各々は、本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0120】
1つの実施形態において、「処置」という用語は、疾患を治癒することを言う。別の実施形態において、「処置」という用語は、疾患を予防することを言う。別の実施形態において、 「処置」という用語は、疾患の発症率を減少させることを言う。別の実施形態において、「処置」という用語は、疾患の症状を改善することを言う。別の実施形態において、「処置」という用語は、寛解に至ることを言う。別の実施形態において、「処置」という用語は、疾患の進行を遅らせることを言う。
【0121】
実験の詳細について
例1:インスリン、SNAC、および、プロテアーゼインヒビター経口製剤
材料および実験方法
製剤
投与のX[挙げてください]日前、(1)[正確な担体であるもの]中の6mgのインスリン、250mgのSNAC、125mgのSBTI、(2)[正確な担体であるもの]中の6mgのインスリン、250mgのSNAC、2.5mgのアプロチニン、125mgのSBTI、(3)[正確な担体であるもの]中の6mgのインスリン、250mgのSNAC、2.5mgのアプロチニン、125mgのSBTI、(4)[正確な担体であるもの]中の6mgのインスリン、250mgのSNACを含有する製剤を調製した。製剤を投与まで冷蔵庫(4℃)で保管した。
【0122】
結果
次の実験では、「製剤」の章で記載した製剤を、3人の健康なヒト被験体に経口摂取させた。図1に示すように、製剤(1)および(3)で処置したヒト被験体では、血糖値は著しく減少し、安定した。このような結果は、プロテアーゼインヒビターとSNACの組み合わせを含む製剤がSNACのみを含む製剤よりも優れていることを示している。具体的に、SNACとSBTIとの組み合わせは、用いられた他のいずれの製剤よりも優れている。インスリンと単一のプロテアーゼインヒビターからなる製剤は血糖値降下作用を有しておらず、血糖値の低下の違いは、単一のプロテアーゼインヒビター(SBTIまたはアプロチニン)を含む同じ製剤を用いた以前の実験では何も観察されなかったことから、SNACとプロテアーゼインヒビターの効果は相乗的であることに着目することが肝要である。したがって、インスリンとSNACと少なくとも1つのプロテアーゼインヒビターの組み合わせとを用いた血糖値の低下に関する結果は、予想外のものであった。SNACとSBTIを含む製剤は、血糖値を低下させる相乗的で最大限の効果を有している。
【0123】
図2に示すように、血中C−ペプチドレベルは、製剤(1)および(3)で処置したヒト被験体で著しく減少した。このような結果は同様に、SBTIのようなプロテアーゼインヒビターとSNACの組み合わせは血中C−ペプチドレベルを低下させる相乗的な効果を有することを示している。
【0124】
単一のプロテアーゼインヒビター(SBTIまたはアプロチニン)を含む製剤を用いた以前の実験では、C−ペプチドのレベルの低下はまったく観察されなかったことを強調しておく。したがって、インスリンと、SBTIおよびSNACなどのプロテアーゼインヒビターとの組み合わせによる血中C−ペプチドの低下に関する結果は、予想外のものであった。
【0125】
例2:オメガ3脂肪酸源の最適化
オメガ3脂肪酸(例えば、明細書で先に挙げたもの)の様々なオメガ3脂肪酸またはオメガ3脂肪酸源を、本発明の方法および組成物における経口投与後のインスリン保存能力に関して比較する。インスリンが魚油の代わりに代替源中で溶解するということを除いて、インスリン錠またはカプセルを上記例で記載されたように処方する。オメガ3脂肪酸の最も効果的な供給源を、以下の例で用いる。
【0126】
例3:プロテアーゼインヒビターの最適化
様々なプロテアーゼインヒビター(無毒性か、または、許容可能な毒性特性を有するもの。例えば、明細書で先に挙げたもの)を、本発明の方法および組成物における経口投与後のインスリン保存能力に関して比較する。代替的なプロテアーゼインヒビターをSBTIおよび/またはアプロチニンの代わりにするということを除いて、インスリンまたはエクセナチド錠またはカプセルを上記例で記載されたように処方する。最適な量を決めるために、プロテアーゼインヒビターの量も変化させる。最も効果的なプロテアーゼインヒビター/その量を、以下の例で用いる。
【0127】
例4:エンハンサーの最適化
様々なエンハンサー(例えば、明細書で先に挙げたもの)を、本発明の方法および組成物における経口投与後のインスリンの吸収を促進する能力に関して比較する。代替的なエンハンサーをEDTAの代わりにするということを除いて、インスリン錠またはカプセルを上記例で記載されたように処方する。最適な量を決めるために、エンハンサーの量も変化させる。最も効果的なエンハンサー/その量を、以下の実験で用いる。
【0128】
様々なタイプおよび量のインスリン(例えば、明細書で先に挙げたもの)を、本発明の方法および組成物において血糖値を調節する能力に関して比較する。インスリンのタイプおよび量が変化するということを除いて、インスリン錠またはカプセルを上記例で記載されたように処方する。最も効果的なタイプ/量のインスリンを、臨床試験で用いる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大100000ダルトンの分子量を有するタンパク質と、
プロテアーゼインヒビターと、および、
吸収エンハンサーとを含む組成物であって、
前記吸収エンハンサーは、腸管粘膜バリアを介して前記タンパク質の吸収を高めることを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記組成物が経口医薬組成物であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記吸収エンハンサーが、N−(8−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸(SNAC)、ナトリウムN−(10−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)デカン酸(SNAD)、または、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記タンパク質が、インスリン、グルカゴン、インターフェロン・ガンマ、インターフェロン・アルファ、成長ホルモン、エリスロポエチン、GLP−1、GLP−1アナログ、または、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記プロテアーゼインヒビターが、セルピン、自殺阻害剤、遷移状態阻害剤、タンパク質プロテアーゼインヒビター、キレート剤、システインプロテアーゼインヒビター、トレオニンプロテアーゼインヒビター、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター、または、メタロプロテアーゼインヒビターであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記セルピンがトリプシンインヒビターであることを特徴とする請求項5記載の組成物。
【請求項7】
前記トリプシンインヒビターが、リママメトリプシンインヒビター、アプロチニン、大豆トリプシンインヒビター(SBTI)、または、オボムコイドであることを特徴とする請求項6記載の組成物。
【請求項8】
オメガ3脂肪酸をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項9】
EDTAまたはその塩をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項10】
前記吸収エンハンサーが胆汁酸またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項11】
被験体の胃において前記組成物の消化を抑制するコーティング、腸内コーティング、または、ゼラチンコーティングをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項12】
最大100000ダルトンの分子量を有するタンパク質を被験体に経口投与するための方法であって、
前記タンパク質のかなりの割合が前記被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその活性を維持し、
前記方法はさらに、
前記タンパク質、プロテアーゼインヒビター、および、吸収エンハンサーを含む医薬組成物を前記被験体に経口投与する工程を含み、
これによって、前記吸収エンハンサーは腸管粘膜バリアを介した前記タンパク質の吸収を高めることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記吸収エンハンサーは、N−(8−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸(SNAC)、ナトリウムN−(10−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)デカン酸(SNAD)、または、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記タンパク質が酵素であることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記タンパク質が、インスリン、グルカゴン、インターフェロン・ガンマ、インターフェロン・アルファ、成長ホルモン、エリスロポエチン、GLP−1、GLP−1アナログ、または、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)であることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記組成物がオメガ3脂肪酸をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記プロテアーゼインヒビターが、セルピン、自殺阻害剤、遷移状態阻害剤、タンパク質プロテアーゼインヒビター、キレート剤、システインプロテアーゼインヒビター、トレオニンプロテアーゼインヒビター、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター、または、メタロプロテアーゼインヒビターであることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項18】
前記セルピンがトリプシンインヒビターであることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記トリプシンインヒビターが、リママメトリプシンインヒビター、アプロチニン、大豆トリプシンインヒビター(SBTI)、または、オボムコイドであることを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
EDTAまたはその塩をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項21】
前記吸収エンハンサーが胆汁酸またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項22】
被験体の胃において前記組成物の消化を抑制するコーティング、腸内コーティング、または、ゼラチンコーティングをさらに含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項23】
被検体の真性糖尿病を処置する方法であって、
前記方法は、
インスリンと、エクセナチドと、またはそれらの組み合わせと、プロテアーゼインヒビターと、および、吸収エンハンサーとを含む医薬組成物を、前記被検体に経口投与する工程を備え、
前記吸収エンハンサーは腸管粘膜バリアを介した前記タンパク質の吸収を高め、
これによって真性糖尿病を処置することを特徴とする方法。
【請求項24】
前記タンパク質が酵素であることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記吸収エンハンサーは、N−(8−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸(SNAC)、ナトリウムN−(10−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)デカン酸(SNAD)、または、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記組成物がオメガ3脂肪酸をさらに含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項27】
前記プロテアーゼインヒビターが、セルピン、自殺阻害剤、遷移状態阻害剤、タンパク質プロテアーゼインヒビター、キレート剤、システインプロテアーゼインヒビター、トレオニンプロテアーゼインヒビター、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター、または、メタロプロテアーゼインヒビターであることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項28】
前記セルピンがトリプシンインヒビターであることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項29】
EDTAまたはその塩をさらに含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項30】
前記吸収エンハンサーが胆汁酸またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項31】
被験体の胃において前記組成物の消化を抑制するコーティング、腸内コーティング、または、ゼラチンコーティングをさらに含むことを特徴とする請求項23記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−500254(P2012−500254A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523481(P2011−523481)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【国際出願番号】PCT/IL2009/000786
【国際公開番号】WO2010/020978
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(510255716)オラムド エルティーディー. (3)
【Fターム(参考)】