説明

ターゲット物体の経路を記録する装置及び方法

本発明は、特に金属からできたターゲット物体の経路を記録する装置に関しており、少なくとも2つの検出装置を備えており、これらはモニタリングのために前記経路からある距離に沿って、直ぐに隣接する検出装置の感度曲線が少なくとも部分的にオーバーラップするように配置され、それによって前記検出装置の各々は少なくとも一つのインダクタンスと少なくとも一つの発振器とを備えており、ターゲット物体による発振器の減衰に依存して分離信号を提供する。少なくとも一つの変換器装置が提供され、検出装置と協働して、検出装置によって記録された減衰をアナログ信号に、特に電流及び/又は電圧信号に変換し、且つ、単数又は複数の変換器装置と協働して、それぞれの検出装置に関するアナログ信号からターゲット物体に対する位置の決定及び出力のための少なくとも一つの分析ユニットである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部にしたがって、特に金属ターゲットの位置を決定するための装置に関している。さらなる局面において、本発明は、請求項19の前提部にしたがって、特に金属ターゲットの位置を決定するための方法に関している。
【背景技術】
【0002】
従来技術の装置は少なくとも2つの検出装置を有しており、これらはモニタされるべき経路長に沿って配置され、すぐに隣接した検出装置の感度曲線が少なくとも部分的にオーバーラップし、各々の場合の検出装置は少なくとも一つのインダクタンスコイルと少なくとも一つの発振器とを有し、且つ特定の検出装置からのターゲットの距離の関数として距離信号を供給する。従来技術の装置はまた、少なくとも一つの変換装置も有して、これは、検出装置と操作的に接続されて検出装置によって検出された距離信号をアナログ信号に変換し、且つ、少なくとも一つの評価装置も有して、これは、一つ又は複数の変換装置と操作的に接続されて特定の検出装置に戻っていくアナログ信号からターゲットのローカル位置を決定して読み出す。
【0003】
従来技術の方法において、少なくとも2つの検出装置がモニタされるべき経路に沿って配置され、すぐに隣接した検出装置の感度曲線が少なくとも部分的にオーバーラップし、これらの検出装置はターゲットからの距離の関数として距離信号を供給する。加えて、検出装置によって検出された距離信号は、少なくとも一つの変換装置によってアナログ信号に、特に電流及び/又は電圧信号に変換され、且つ、検出装置に戻っていく様々なアナログ信号からターゲットの位置が決定される。
【0004】
そのような装置は、自動化と関連して数多くの産業プロセスにて使用されている。自動車技術の分野においてもまた、数多くの適用の可能性がある。例えば、独国特許出願公開第10204453号明細書は、アナログの誘導変位ピックアップを記述しており、それによって車両シートと車両ボディとの間の相対変位を決定することが可能になる。測定原理は、高透磁率を有する材料から形成されたテストボディの相対変位の場合には、磁気誘導に対する変化である。これより、磁気結合のために強磁性材料が必要とされ、追跡されるターゲット又は物体の材料に関して、ここで記述されている誘導変位ピックアップの可能性のある使用法に対して限定される。特に、強磁性材料ターゲットはしばしば、機械的に非常に感度がよい。
【0005】
ターゲットの空間座標の特定の決定に関して、更なる問題は、使用される検出装置又はセンサの検出曲線が、そのセンサに対する物体の限定された範囲内の位置と測定値の明確な関連を、一般的に許容しないことである。代わりに、そのようなセンサ、例えば誘導近接スイッチは、その複数の位置、例えば直線上の対称軸に関してお互いに向き合っている2点に対して、同じ測定値を供給する。
【0006】
最後に言及した問題を回避するために、傾斜した長手コイルが使用されている。しかし、検出信号がそのときには距離に非常に高く依存するので、非常に限られた経路長しかモニタすることができない。
【0007】
欧州特許出願公開第1306649号明細書には、回転又は平行移動の位置を決定するための誘導センサの配置について記述されており、複数の一次又は二次コイルがモニタされる経路に沿って配置されている。ターゲットによるコイルの電磁的な影響が、位置検出の目的に使用される。
【0008】
独国特許出願公開第10130572号明細書は、静電誘導の要素の位置を決定するための誘導変位センサに関する。非常に限られた構造長さ及び高さを正確に測定する誘導変位センサを提供するために、共振回路を形成するように経路長に沿って配置された複数のインダクタンスコイルに、切換えスイッチにより一つの同じコンデンサを接続することが、そこでは提案されている。使用されている測定効果は変圧器効果、すなわち、活性化された特定の共振回路における電磁発振を基礎にした静電誘導の要素における電圧誘導である。
【0009】
独国特許出願公開第4213866号明細書は、リニア又は回転運動を高い解像度で決定するための位置センサに関する。ロバストなセンサを、とりわけ高い解像度を許容しながら利用可能にするという問題を解決するために、センサに対して、インダクタンスコイルの特性を分析するサンプル分析を実行する装置が提供されることが提案されている。
【0010】
独国特許出願公開第19738839号明細書は、誘導角度センサに関する。非常に簡単な方法で受信コイルの正弦波信号から回転要素の位置にリンクした線形のセンサ出力信号を生成するために、選択装置が複数の受信コイルの瞬時出力信号の関数として前記出力信号の少なくとも一つを選択し、且つそれから瞬間的な回転要素の位置を決定する角度センサが提案されている。
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第10204453号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1306649号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第4213866号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19738839号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、従来技術の解決策に比べてはるかに多くの可能性のある使用法が存在する、ターゲットの経路を決定する装置及び方法を創り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置及び請求項19の特徴を有する方法によって達成される。
【0014】
発明的な装置の有益な展開及び発明的な方法のさらなる有益な展開は、従属請求項の主題を形成する。
【0015】
従来技術の装置は発明的にさらに発展され、検出装置は、各々の場合における距離信号として、一つの発振器減衰信号を出力することができる。
【0016】
本発明の第1の本質的なアイデアは、従来技術においてとは異なり、検出原理が高透磁率物体、すなわち強磁性物体によってもたらされる誘導の使用には基づいておらず、代わりに、ターゲットによる発振器の減衰が使用されることにある。そのような減衰は、ランダムな金属物体に対して検出されることができ、強磁性物体に対してのみではないので、原理的にランダムな金属ターゲット、特にまた、例えばステンレススチールのロバストな金属ターゲットが、追跡又は追われることができる。結果として、使用範囲は、従来技術に比較して顕著に拡張されている。
【0017】
本発明のさらなる本質的なアイデアは、複数の、すなわち少なくとも2つの検出装置が、モニタされるべき経路に沿って配置されることにある。これより、ランダムに長く且つランダムな形状の経路がモニタされることがあるだけではなく、加えて、検出信号のあらゆるあいまいさが、適切な評価によって除去されることがある。この目的のために、本発明によれば、検出装置は、直接に隣接する検出装置の感度曲線が少なくとも部分的にオーバーラップするように配置される。
【0018】
これより、本発明に基づく装置は、金属物体の線形経路の決定を許容する。経路の配置はランダムに長さがあり、且つランダムな形状、例えば直線状、円形、又はジグザグであってもよい。原則として、2次元又は3次元形態における経路の配置が、決定される。
【0019】
本発明で著しく実現可能な産業上のプロセスの典型的な要件は、物体又はターゲットが、例えば100mmの長さに渡って少なくとも1mmの精度で検出可能でなければならないことである。特殊な場合には、物体は、検出装置又はセンサから常に同じ軸方向距離にある。
【0020】
2次元経路が検出されるならば、これに関連して、2次元における経路決定又は空間的経路決定が参照され、適切な形状の、例えば特に小さなインダクタンスコイルを使用することが適切でありうる。これは、決定されるべき経路が特に小さな曲率半径を有しているならば、特に適している。
【0021】
発明的な装置の特に有益な別の形態において、検出装置は、各々の場合において感度曲線に対応した減衰曲線を特徴とする。各々の場合における前記減衰曲線は、空間的又は位置的な高い解像度を有する部分領域を有している。減衰曲線は、検出装置に対するターゲット位置の関数としてプロットされた発振器の振動の振幅に対応しており、好ましくは固有の共振に維持される。前記の好適な別の形態において、そのとき検出装置は、モニタされるべき経路長全体に対する検出曲線が個別の検出装置の高位置解像度部分領域から形成されるように配置される。
【0022】
感度曲線は、適切に標準化される。
【0023】
このような方法で、所望の高い位置解像度が、モニタされるべき経路全体に沿って達成される。
【0024】
好適なさらなる発展した形態は、検出装置の間隔は、高位置解像度部分領域において、位置解像度がどこでも最大位置解像度の10%よりも大きく、好ましくは20%より大きく、且つ特に好適な方法では40%よりも大きいように選ばれることにある。明らかに、高いセンサ密度では、例えばどの点でも位置解像度が最大値の90%未満に落ちない配置を得ることも可能である。
【0025】
一様な位置解像度を達成するために、検出装置を経路長に沿って等間隔で配置することも適切であり、例えば、検出装置は一列に配列されるのが好ましい。
【0026】
センサの横方向の範囲が解像度のための最適間隔よりも大きい状況では、検出装置は、例えば平行な列のように、相互にずらすことができる。
【0027】
例えばチャッキング装置に使用されることができる発明的な装置の更なる有益な発展した形態において、ガイド装置が、モニタされるべき経路に沿ってターゲットをガイドするために設けられる。
【0028】
それは、例えば金属ターゲットが移動可能に配置されるガイドレールであることがある。
【0029】
本発明の本質的な利点は、金属ターゲットに関して何の高い要求がなされないことであり、例えばそれは単純な小さい金属プレートであることがある。
【0030】
ターゲットによる大きなセンサの適用範囲の領域において、大抵の場合、感度曲線、すなわち減衰曲線の限られた傾きを有する比較的大きな領域がある。この領域では、限られた位置解像度のみを得ることができる。最大適用範囲の極端な場合には、位置解像度は零である。この低解像度範囲を減らすために、検出装置がモニタされるべき経路に沿って、各々の場合にそれら装置がターゲットによって部分的にのみカバー可能であるように配置されることが適切である。
【0031】
あるいは、又は加えて、ターゲットの寸法は、個別の検出装置、例えばセンサがターゲットによって完全にカバーされることができないように形成又は選択されてもよい。
【0032】
検出装置がターゲットによって90%までのみ、好ましくは85%のみ、且つ特に好適な方法では80%のみカバーされるような方法で、検出装置がモニタされるべき経路に沿って配置されるか、又はターゲットが構成されるかどうかが、例えば適切である。
【0033】
特に好適な発展した形態では、変換装置と複数の検出装置との間に少なくとも一つのマルチプレクサが存在することがある。これにより、回路の経費、すなわちコストが、顕著に低減される。
【0034】
しかし、特に高い動作信頼性が必要であるか、あるいは検出装置が変換装置とともに個別のユニットとして交換されるならば、変換装置が各検出装置と関連付けられることが適切である。原則として、インダクタンスコイルは、モニタされるべき経路長に対して任意な場所に適応できる。傾いた長手コイルを使用することが、特に可能である。非常に長い経路長を個別の検出装置でモニタすることを可能にするために、すなわち、経路長に対して最小数の検出装置で実行することを可能にするために、検出装置のインダクタンス、特にコイルが、モニタされるべき経路長を横切るように、特に垂直に位置した軸を有していることが適切である。
【0035】
検出信頼性と使用される検出装置の数の所望の最小化との間のよい妥協は、検出装置が、直ぐに隣接する検出装置の感度曲線の領域オーバーラップが20〜50%の間、特に25〜35%の間であるように配置されることで達成される。
【0036】
発明的な装置の特に単純な発展した形態において、検出装置の少なくとも一部の場合に、インダクタンスコイルは発振器の一部を構成する。それにより、必要な構成要素の数を、最小に減らすことができる。
【0037】
数多くの適用のために、例えば実質的に直線の経路が決定されるべきであるならば、検出装置が、各場合におけるインダクタンスコイルの軸からのターゲットの放射状の間隔を決定できることが適切であることが好ましい。
【0038】
前述のタイプの方法は発明的にさらに発展されて、距離信号が、各々の場合において検出装置の発振器の減衰信号によって構成される。
【0039】
関連する効果及び利点が、本発明に従った装置に関連してここで説明される。
【0040】
この方法の特に好適な別の形態において、検出装置は、モニタされるべき経路全体に対する検出曲線が個別の検出装置の減衰曲線の高い位置解像度を有する部分領域から構成されることができ、且つターゲットの位置を決定するために、測定された減衰値が以前に、特に点状に記録されたティーチインデータと比較されることができるように、配置されている。
【0041】
ティーチインデータを記録するために適切なように、ターゲットはモニタされるべき経路に沿って動かされ、ターゲットの位置と検出装置のそれぞれの減衰信号とが局所的に記録される。このプロセスは数回繰り返され、引き続いて、得られた測定データは校正曲線を提供するために平均化される。
【0042】
原則として、この方法はまた3次元的な位置の決定も許容し、それから、ティーチインデータの記録にあたっては、ターゲット位置はまた、モニタされるべき経路を横軸方向に変えられ、それぞれの位置と減衰信号とがこの場合に局所的に記録もされる。
【0043】
特に高い位置解像度を得るために、現在のターゲット位置で2番目に高い減衰が測定されたものと関連して、特定の検出装置の減衰曲線を使用することが適切である。状況はそのとき、一つは最小減衰の近傍にも、最小値からはるかに離れた減衰曲線の平坦領域にも、ないというものである。むしろ、2番目に高い減衰は、ターゲットが実際、最小値の左側又は右側の近傍に位置するときに測定される。
【0044】
本発明の本質的なアイデアによれば、評価目的のために2番目に高い減衰が測定された減衰信号と最も高い減衰が測定された減衰信号とからなる一対の値が使用されるならば、評価からは独立して、間隔及び/又は位置を得ることができる。
【0045】
データ評価の単純な別の形態において、ターゲットの位置を決定するために、ティーチインデータの点の間で補間が行なわれる。
【0046】
さらに、評価を単純化するために、検出装置の減衰曲線の一部が、各々の場合において、評価目的のために直線によって近似されることができる。
【0047】
適切なハードウエア、例えばマイクロコントローラによって実行されることができるアナログ信号の処理において、より具体的にはあいまいではない方法で正確な経路点を測定するために、コイルの一部のみが考慮されるか、あるいは、いくつかのコイルが同時に評価されて、引き続いて異なる値から比率が形成される。
【0048】
比率の評価は、より広いターゲット、又は検出装置若しくはコイルシステムのより高い密度で、特に適している。
【0049】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付のダイアグラム的な図面に関して、以下により詳細に記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
図1は、本発明に従った装置10の第1の実施形態をダイアグラム的に描く。3つの検出装置14、24、34が、例えばアセンブリラインであることができるコンベヤベルト56上のモニタされるべき経路51に沿って配置されている。検出装置14、24、34の各々は、発振器18、28、38の一部として、インダクタンスコイル16、26、36のあるコイルシステムを有している。
【0051】
検出装置14、24、34は、検出されるべき物体又はターゲットがインダクタンスコイル16、26、36の近傍にくるときに、発振器の一部を形成するインダクタンスコイルの減衰の近接スイッチの場合に、その効果をやはり有効に使用にする。モニタされるべき物体50のインダクタンスコイル16、26、36に対する相対的な位置の関数として、発振器18、28、38が減衰する。検出装置14、24、34によって検出された減衰効果をアナログ信号に、特に電流及び/又は電圧信号に変換するために、発振器18、28、38の各々は変換装置19、29、39に接続されている。
【0052】
変換装置19、29、39によって供給される測定信号は、原理測定の理由のためにあいまいであり、特定の測定信号から、ターゲット50の特定の空間位置に関する明瞭な結論を引き出すことができない。これより、検出装置19、29、39からのアナログ信号からあいまいでない位置を決定するために、変換装置19、29、39は共通の評価装置52に接続されている。
【0053】
アナログ近接スイッチの場合とは違って、図1に示された装置10の場合には、測定されるのはターゲット50からセンサ面までの距離ではなく、代わりに、一定の軸方向距離又は間隔の場合には、ターゲット50によるインダクタンスコイル16、26、36のカバーに対する変化を通じた減衰の変化であり、これは、コイル又はコイル軸の中央からの横方向の、すなわち放射状の距離に対応している。
【0054】
対応するハードウエア、例えばここには示されていないマイクロコントローラによる以下の処理は、感度曲線を、関連が明確になり且つ経路長を再生する単一の信号が出力されることができるようにリンクすることが可能になる。
【0055】
単純な評価又は比率評価も実行することが可能である。以降に図2に関して描かれている第1の場合には、各々の場合において、個別の検出装置に対する感度曲線からの詳細のみが考慮される。比率評価においては、いくつかのコイルが同時に評価されて、得られたアナログ信号から正確な経路点を決定するような方法で比率が形成される。
【0056】
アナログ信号が出力53にて利用可能にされて、本発明の場合には、座標軸52に関してモニタされるべきターゲット50の明瞭な位置を表し、その運動方向が矢印55によって示されている。
【0057】
原則として、いくつかの出力を有する評価装置は、さらなる座標軸に関してターゲット50の位置を与えることが可能である。
【0058】
発明的な装置の他の実施形態が、図3にダイアグラム的に示されている。
【0059】
等価な構成要素は、図1と同じ参照番号を与えられている。
【0060】
図1とは異なり、発振器18、28、38と共通の変換装置59との間に、個別の発振器18、28、38の間でスイッチングを行うためにマルチプレクサ54が設けられている。一つの変換装置59のみが必要とされるので、この変更は、特に長い経路51がモニタされるべきアプリケーションに対して、すなわち特に多数の検出装置14、24、34が必要とされるならば、特に適している。
【0061】
他の点では、図3に従った発展は図1に関して記述された実施形態に対応している。
【0062】
図2は、全4つの検出装置の感度曲線15、25、35、45の経過をダイアグラム的に示している。対応する変換装置の出力信号は、横軸66上の空間座標と比較して、縦軸64上に示されている。
【0063】
図2から推測されるように、感度曲線15、25、35、45は各々の場合に最小値17、27、37、47を有しており、これらは特定のインダクタンスコイル16、26、36からのターゲット50の最小間隔、すなわち最大減衰に対応する。ターゲット50はそのとき、特定のインダクタンスコイル16、26、36の直ぐ正面にある。本発明の場合には、インダクタンスコイル16、26、36のコイル軸は、モニタされるべき経路51に垂直であり、これは、最小値17、27、37、47の両側において、感度曲線15、25、35、45の対称的な経路を導く。ターゲット50の最小値17、27、37、47からの距離が大きいほど、対応する感度曲線15、25、35、45の値がより大きく、あるいは減衰がより小さい。
【0064】
検出装置は、例えば隣接する検出装置に属する感度曲線35、45がそれらの表面の約30%に渡ってオーバーラップするように、お互いに対して配置される。オーバーラップ領域は、参照番号58で示されている。実験は、約30%のオーバーラップ値で、許容可能な数の必要な検出装置にて位置決定の適当な信頼性を得ることができることを示している。
【0065】
各々の場合に一つのさらなる検出装置を通してお互いから離れて配置された検出装置の感度曲線は、図3の実施形態ではそれらの表面の約10%に渡ってオーバーラップしている。曲線25、45の例示的なオーバーラップ領域は、参照番号60で示されている。
【0066】
太線68で示された感度曲線15、25、35、45の部分のみが、評価目的のために使用される。感度曲線15、25、35の領域68は、前記減衰曲線の高位置解像度領域に対応している。
【0067】
感度又は減衰曲線25、35、45の経路に対するさらなる例が、図4〜6に示されている。プロットされているのは、各々の場合におけるモニタされている経路に沿ったターゲット50の位置と比較した、縦座標64上における標準化された単位での特定の検出装置の発振器の発振振幅である。位置は、横軸66にミリメートル単位で与えられている。図4〜6で等価な構成要素は、同じ参照番号が与えられている。
【0068】
使用されている装置10の構造は、図8及び9にダイアグラム的に描かれている。装置10は、本質的に全14個のセンサ82を有するプリント回路盤80を備えている。センサ82の各々を表す円は、発振器インダクタンスコイルのコアの境界に対応している。
【0069】
示されている実施形態において、ターゲット又は物体50は薄い金属プレートであり、これはガイド装置のガイド溝92内に移動可能に搭載されている。図8から明らかなように、プリント回路盤80は、ガイド装置90に関して、ガイド溝92に沿って動くときにターゲット50が個別のセンサ82の上をガイドされるように配置される。
【0070】
図8及び9に示されている装置10はチャッキング装置にて使用されることがあり、これによって、例えば自動車の製造において、2つの金属シートが固定されて一緒に溶接される。そのようなチャッキング装置は、保持されるべきシートに当たるまで、そのジョーを、例えば圧縮空気の助けを借りて動かす。ターゲット50は、角度位置がガイド装置90におけるターゲット50の直線状の位置に単調関数を介してリンクされるような方法で、ジョーに機械的に接続されており、これは代替的な構造では、シリンダの形態である。ターゲット50の位置はそれから、発明的な装置10の助けを借りて測定される。
【0071】
示されている発明的な装置10の実施形態の場合に発明的な方法の変形に従って処理を開始するに先立って、校正又はティーチイン曲線が記録され、ターゲット50はモニタされるべき経路に沿ってガイドされ、ターゲット50の位置と個別のセンサ82の減衰とが局所的に記録される。ティーチイン曲線の記録における物体の位置の決定は、ルールを使用して最も単純な場合に実行されることがある。
【0072】
個別の検出装置に対して同一のセンサ特性を得るために、第1のステップでは、センサが、例えばプリント回路盤80の正面に保持されたスチールプレートと、全てのセンサ82が前記プレートから同じ距離にあるように位置合わせされる。
【0073】
ティーチイン曲線の記録は、図4〜6に示された模式的な一連の曲線である。
【0074】
実際の測定の間に、位置が、特に測定された減衰信号から、ティーチイン曲線の助けを借りて決定される。
【0075】
ティーチイン曲線は、例えば4回記録されることができ、それから平均値が形成される。特定のアプリケーションに対して、各々の場合におけるティーチイン曲線を、チャッキング装置の実際の動作の間に保持されるべきワークピース、例えば金属シートで記録することもできる。
【0076】
異なる効果、特に機構への摩耗、プラスチックカバーの摩耗又は汚れの結果として、チャッキング装置のジョーの角度位置及び/又はターゲット50の直線状の位置は、挿入されたシートの厚さには変化はないものの、閉じた状態で変わることがある。
【0077】
使用の開始時に、閉じた状態におけるターゲット50の位置の局所記録によって、終了位置、すなわち「開いたジョー」及び「金属プレートと共に閉じたジョー」がひとたび記録されると、より長い動作フェーズに渡るチャッキング装置の摩耗に関する情報を得ることができる。例えば、ターゲット50の位置が元々決定された位置から固定値以上に動くと、チャッキング装置又は少なくともその一部は、交換されることがある。
【0078】
これより、原則として、特定の動作周期に続いて校正又はティーチイン曲線を再び記録することができる。
【0079】
チャッキング装置の特に好適な実施形態では、ジョーの角度移動にわたる機構の伝達比に変化がある。ジョーが動くほど、単位角度あたりのターゲット50の直線的な変位が大きい。
【0080】
図4は、3つの隣接するセンサ82の減衰曲線25、35、45からの詳細を示している。垂直線70は、例えばターゲット50の位置を示す。プロットされているのは、各々の場合におけるセンサ82の3つの発振器の最大発振振幅である。特定の例では、コイルシステムの軸は、モニタされた経路に沿ってお互いに8mmの間隔を空けられている。減衰要素、すなわちターゲット50の配置は、減衰曲線25、35、45の経路に対して決定的である。
【0081】
図4に示された曲線は、減衰要素、すなわち幅8mmのターゲット50とともにプロットされた。図9にて、前記の幅は括弧57によって示されている。ターゲット50がより幅広いか又はより狭いと、曲線の交点は変位し、位置解像度はモニタされるべき経路に沿って減少する。なぜなら、そのときには、より小さな傾きを有する曲線領域が評価のために使用されなければならないからである。これらの領域における電圧変化は小さく、分散、測定の不正確さ、可能性のある温度経路などは、より深遠な効果を有し、必然的に解像度は減少する。
【0082】
垂直線70の位置で、ここで考慮されている3つの減衰曲線25、35、45に対する振幅値は、位置評価のために利用される。
【0083】
位置を決定するための最も単純な方法は、コイルシステムのカバーの結果として生じる曲線の交点の間の直線による近似からなる。これは、図4に、線25及び35の交点の間の領域に対して、単純化された方法で示されている。この領域は、図4においては線72によって近似される。この方法においては、単一のコイルシステムがターゲット50の位置を計算するために使用され、この目的のために、全てのコイルシステムの減衰が測定され、2番目に高い減衰を有するコイルが位置評価のために使用される。これは、このコイルが、考慮された領域で最も急な電圧経路を有するからである。
【0084】
この方法は、さらに改良されることがある。これは、モニタされるべき経路を横切るターゲット50の間隔に対する変化が、センサ82の変更された減衰もまた導くからである。結果として、解像度が再び減少される。これは、個別のセンサ82に対する装置10からのモニタ対象の経路と交差するターゲット50、すなわち減衰要素の距離が、モニタされるべき経路に沿ったターゲット50の横方向の運動として、同じ効果をもたらすからである。これより、ターゲット50が単一のセンサ82に近付いて、これがより大きな発振器の減衰を導くときに、このアプローチがモニタされるべき経路に沿っているか又はそれを横切るようになっているかどうかは、重要ではない。
【0085】
装置10からモニタされるべき経路を横切るターゲット50、すなわち減衰要素の間隔に変化があると、所与のセンサ82の発振器の発振振幅にも、明確な変化がある。これは図5に明瞭に見られる。ここでは、ターゲット50の間隔は、図4の曲線に比べて0.5mmだけ増えている。
【0086】
図5は線72を追加的にプロットしており、これは、図4の曲線25と曲線35及び45との交点の間の曲線25の経過の線形化に対応する。図5はまた、曲線25に対する線74も示しており、これは、曲線25と曲線35及び45との交点の間の部分領域の線形化された経過に対応する。
【0087】
図4に示されている減衰曲線25、35、45は、センサ82から2.5mmのターゲット50の間隔で記録された。図5の曲線25、35、45は、ターゲット50がセンサ82から3mmである状況に対応している。
【0088】
曲線25と曲線35及び45との交点の間の関連領域における線72及び74の異なる経過として、最も好ましくない場合には、1.35mmの決定の偏り、すなわち位置の誤差の可能性がある。これより、位置決定の解像度及び正確さは、減衰要素がセンサ82から所定の間隔を非常に正確に維持できないときに、顕著に低減される。
【0089】
これより、ここに記述された方法は、顧客が全1.5mmにてターゲットの最大間隔変化に対して+/−1mmを要求するときには、不適切である。
【0090】
これを考慮に入れて、本発明にしたがって評価方法が開発され、これは、コイルシステムを形成するセンサ82からの減衰要素、すなわちターゲット50の間隔とは全く無関係に位置計算をする。
【0091】
この方法では、減衰物体、すなわちターゲット50の直下に位置するコイルの減衰を、加えて考慮に入れる。これは、最大の減衰を被るセンサである。加えて、補正直線は、モニタされる経路に沿った位置決定のためには、もはや使用されない。
【0092】
これは、図6及び7によって描かれている。
【0093】
図6に垂直線70によって示されているターゲット50の位置は、曲線25の曲線35又は45との交点A及びBの間にある。この領域では、減衰曲線25の電圧U1は、隣接するコイルの曲線経路35から生じる電圧U2よりも大きいが、曲線45によって表される他の隣接するコイルの電圧U3より低い。個別のセンサ82の電圧は、0.1〜1Vの範囲内に標準化又はサイジングされる。一般に、標準化又はサイジングは、値をランダムにするために実行される。唯一の必要条件は、個別のコイルと評価ユニットの構成要素、例えば発振器との間の公差を補償するために、全てのコイルシステム、すなわち全てのセンサ82が明確に規定された範囲に別個にサイジング又は標準化されることである。これは、例えば、発振器が、コイルに対する全てのコイルの同じカバー及び減衰要素、すなわちターゲット50の同じ間隔に対して同じ振幅に調節されるような方法で、実行される。実用的には、これは、明確に規定された間隔で大きなスチールプレートを有する全てのコイルの同時減衰の場合における調節によって、実行されることがある。
【0094】
評価方法の本質的なアイデアは、点Aから点Bまでの領域における電圧U1及びU2の値の各々の対に対して、正確に一つの関連した位置のみが存在し、明確な関連が可能であるという事実を利用することである。これらの値の対の各々にて、正確に一つの間隔、すなわちターゲット50のモニタされるべき経路を横切るセンサ82からの距離に、関連されることがある。
【0095】
一般に、本発明の記述では、「位置」という用語によって、モニタされた経路の特定の点におけるターゲット50の位置であることがわかる。これとは逆に、「間隔」は、モニタされた経路に対して直角な、センサ82からのターゲット50の距離である。
【0096】
最も頻繁なアプリケーションにおいて、ターゲット50の位置が決定されるべきである。以下では、これが、一対の値の助けを借りて如何に実行することができるかが説明される。原則として、方法の量として、センサ82に対する減衰要素、すなわちターゲット50の間隔を評価することが可能である。評価は、主に同一に実行する。
【0097】
2つの量U1及びU2の関数としての位置の経路は、規定されたステップにおける測定された値の局所的な記録によって実行されることがある。この目的のために、ターゲット50の位置は規定されたステップ幅で変化し、一方で、各々の位置において、ターゲット50の間隔は規定されたステップ幅で変化する。
【0098】
このように得られた測定値の対は数学的な方法によって近似され、これらの測定値の間の正確な位置決定がなされる。単純な変形では、測定値テーブルの助けを借りて、個別の点の間で補間が実行される。この目的のために、測定値の対は、軸U1及びU2を有する2次元テーブルに配置され、関連された位置が特定のテーブルのボックスに挿入される。そのようなテーブルは、図7に示されている。
【0099】
位置計算の目的のために、特定の値の対に対して次に低いエントリのサーチがテーブル内で行われ、補間による隣接した値の助けにより、モニタされたターゲット50の実際の位置の計算が行われる。
【0100】
例えば、値の対(U1、U2)=(0.535;0.28)が測定によって決定される。次に低いテーブルエントリはa15である。ターゲット50の実際の位置は、ここでエントリa15、a16、a25及びa26からの補間によって計算される。
【0101】
特定の位置に対する値で満たされる代わりに、テーブルが異なる間隔に対する値で満たされるならば、同様に減衰要素の間隔を位置には依存せずに計算することができる。両方のテーブルの使用を通じて、2次元決定、又はコイルシステムの適切な配置、例えば長方形を有する3次元決定も、実行することが可能である。
【0102】
テーブル及び補間による計算は、非強力なシステムに対して特に適切である。なぜなら、それらは非常に限定された計算パワー要件のみを課すからである。より多くの計算パワーが利用可能であれば、値の対の位置経路又は間隔経路がまた、線形の連続関数によって近似されることができ、これは、より正確な計算及び/又はより高い精度を可能にする。
【0103】
達成可能な位置解像度に関して、重要な部分は、センサの配置又はより具体的にはセンサ間隔によって行われる。例えば単一のセンサ82の減衰曲線が考慮されると、解像度は、最小値の左側及び右側の近傍においては高いが、そうでなければ低い。例えば、最小値では、仮想的には零である。センサ82の間隔は、図8及び9の変形の場合には、曲線25、35、45の交点の間に、各々の場合に傾斜した領域のみがあり、これより解像度がどこでも高くなるような方法で選択される。
【0104】
さらなる位置解像度の改良は、ターゲット50が、個別のセンサ82が完全にカバーされないように選ばれた寸法であることを導く。実行されたテストは、例えば8/9と9/9との間で、センサカバーが減衰の変化を確立することができないことを示している。モニタされたターゲット50がいくらか小さいと、減衰曲線の最小をよりシャープにすることができる。図9のターゲット50は幅8mmを有しており、センサ82の直径は各々の場合に9mmである。
【0105】
加えて、経路全体に渡る一定の高解像度に対する要件は、センサ82の特定の間隔を導く。前記間隔がセンサの直径よりも小さくされたら、ここにおけるように、ジグザグ配置を選ぶことができる。
【0106】
ここに示された状況では、ターゲットは、長さ16mm、幅8mm、および厚さ1mmの小さな金属プレートである。センサの直径は9mmである。高い位置解像度に関して、理想的なセンサの間隔が8mmであることが見出された。14個のセンサが、図9に示されるように、2列に相互にずらして配置され、同じ列の2つのセンサ82の中心の間隔は16mmである。反対側の最も接近したセンサ82からの間隔は、各々の場合に10mmである。これより、ターゲット50は、単一のセンサ82が決して完全にカバーされることがないような寸法になっている。
【0107】
対応する配置を使用すると、非直線の経路をモニタすることも可能である。この目的のためには、センサ82は、曲線に沿って配置されなければならないのみである。
【0108】
本発明は、金属物体を明確に規定された経路長に渡って検出する誘導性の線状経路測定システムを提供し、これによって、任意に長く且つ任意な形状の経路をモニタすることが可能であり、特に、強磁性体である必要がないロバストな金属ターゲットのモニタも可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明に基づいた装置の第1の実施形態のダイアグラム的な描写図である。
【図2】本発明に基づいた装置の複数の検出装置の感度曲線の経過のダイアグラム的な描写図である。
【図3】本発明に基づいた装置の第2の実施形態のダイアグラム的な描写図である。
【図4】発明的な装置の3つのセンサの減衰曲線の経過及び評価の可能性の別のダイアグラム図である。
【図5】ターゲットに対して改良された間隔を有する発明的な装置の3つのセンサの減衰曲線のさらなる描写図である。
【図6】発明的な装置の3つのセンサの減衰曲線のより大規模な描写図である。
【図7】ティーチインデータのダイアグラム的な描写図である。
【図8】発明的な装置のダイアグラム的な断面図である。
【図9】発明的な装置のダイアグラム的な部分図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に金属ターゲット(50)の位置を決定する装置であって、特に請求項19〜27のうちの一つに従った方法を実行するためのものであり、少なくとも2つの検出装置(14、24、34)が、モニタされるべき経路(51)に沿って、直ぐに隣接した前記検出装置(14、24、34)の感度曲線(15、25、35)が少なくとも部分的にオーバーラップするように配置され、各々の場合において前記検出装置(14、24、34)は少なくとも一つのインダクタンス(16、26、36)と少なくとも一つの発振器(18、28、38)とを有しており、前記ターゲット(50)の前記検出装置(14、24、34)からの距離の関数として距離信号を供給し、少なくとも一つの変換装置(19、29、39、59)が前記検出装置(14、24、34)に動作可能的に接続されて前記検出装置(14、24、34)によって検出された前記距離信号をアナログ信号、特に電流及び/又は電圧信号に変換し、且つ少なくとも一つの評価装置(52)が前記変換装置又は複数の変換装置(19、29、39、59)に動作可能的に接続されて前記ターゲット(50)の局地的な位置を前記特定の検出装置(14、24、34)に戻る前記アナログ信号から決定して読み出す、装置であって、
各々の場合において前記検出装置(14、24、34)が発振器減衰信号を前記距離信号として出力することを特徴とする、装置。
【請求項2】
各々の場合において検出装置(14、24、34)の減衰曲線が高い位置解像度を有する部分領域を有しており、且つ前記検出装置(14、24、34)が、モニタされるべき前記経路全体に対する検出曲線が前記個別の検出装置(14、24、34)の高解像度の前記部分領域から構成されることができるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
高位置解像度の前記部分領域において、前記位置解像度がどこでも最大位置解像度の10%よりも大きく、好ましくはどこでも20%より大きく、且つ特に好適な方法ではどこでも40%よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記検出装置(14、24、34)が前記経路に沿って等距離に配置されていることを特徴とする、請求項1から3の一つに記載の装置。
【請求項5】
前記ターゲット(50)をモニタされるべき前記経路に沿ってガイドするガイド装置があることを特徴とする、請求項1から4の一つに記載の装置。
【請求項6】
前記ガイド装置に移動可能に配置されたターゲット(50)があることを特徴とする、請求項1から5の一つに記載の装置。
【請求項7】
前記検出装置(14、24、34)が、モニタされるべき前記経路に沿って、各々の場合に前記ターゲット(50)によって部分的にのみカバー可能であるように配置されていることを特徴とする、請求項1から6の一つに記載の装置。
【請求項8】
前記検出装置(14、24、34)が、モニタされるべき前記経路に沿って、各々の場合に前記ターゲット(50)によって90%のみ、好ましくは85%のみ、且つ特に好適な方法では80%のみカバー可能であるように配置されていることを特徴とする、請求項1から7の一つに記載の装置。
【請求項9】
前記ターゲット(50)の寸法が、個別の検出装置(14、24、34)が前記ターゲット(50)によって部分的にのみカバーされることができるように選ばれるか又は形成されていることを特徴とする、請求項1から8の一つに記載の装置。
【請求項10】
前記ターゲット(50)が小さな金属プレートであることを特徴とする、請求項1から9の一つに記載の装置。
【請求項11】
前記検出装置(14、24、34)が一列に置かれていることを特徴とする、請求項1から10の一つに記載の装置。
【請求項12】
前記検出装置(14、24、34)が各々の場合において平行な二列に変位した方法で位置されていることを特徴とする、請求項1から11の一つに記載の装置。
【請求項13】
各検出装置(14、24、34)が変換装置(19、29、39、59)に関連付けられていることを特徴とする、請求項1から12の一つに記載の装置。
【請求項14】
少なくとも一つのマルチプレクサ(54)が変換装置(59)と複数の検出装置(14、24、34)との間にあることを特徴とする、請求項1から12の一つに記載の装置。
【請求項15】
前記インダクタンス(16、26、36)、特に前記検出装置(14、24、34)の前記コイルが、それらの軸がモニタされるべき前記経路(51)を横切るように、特に垂直に、配置されていることを特徴とする、請求項1から14の一つに記載の装置。
【請求項16】
前記インダクタンス(16、26、36)が前記検出装置(14、24、34)の少なくとも一部において前記発振器(18、28、38)の一部として設けられていることを特徴とする、請求項1から15の一つに記載の装置。
【請求項17】
前記検出装置(14、24、34)が、相互に隣接した検出装置(14、24、34)の感度曲線(15、25、35)又は減衰曲線の空間的なオーバーラップが20〜50%の間、特に25〜35%の間であるように配置されていることを特徴とする、請求項1から16の一つに記載の装置。
【請求項18】
前記検出装置(14、24、34)が各々の場合に前記ターゲット(50)の前記インダクタンスコイル(16、26、36)の軸からの半径方向の間隔を決定することができることを特徴とする、請求項1から17の一つに記載の装置。
【請求項19】
特に金属ターゲット(50)の位置を決定する方法であって、少なくとも2つの検出装置(14、24、34)が、モニタされるべき経路(51)に沿って、直ぐに隣接した前記検出装置(14、24、34)の感度曲線(15、25、35)が少なくとも部分的にオーバーラップするように配置され、前記検出装置(14、24、34)は前記ターゲットの距離の関数として距離信号を供給し、前記検出装置(14、24、34)によって検出された前記距離信号が少なくとも一つの変換装置(19、29、39、59)によってアナログ信号、特に電流及び/又は電圧信号に変換され、それぞれの検出装置(14、24、34)に戻る異なるアナログ信号から前記ターゲット(50)の位置が決定され、前記距離信号が各々の場合において検出装置(14、24、34)の発振器の減衰信号によって構成されることを特徴とする、方法。
【請求項20】
前記検出装置(14、24、34)が、モニタされるべき前記経路全体に対する検出曲線が前記個別の検出装置(14、24、34)の前記減衰曲線の高位置解像度を有する部分領域から構成されることができ、且つ前記ターゲット(50)の位置を決定するために、前記測定された減衰値が以前に、特に点状に記録されたティーチインデータと比較されることができるように配置されていることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ティーチインデータを記録するために、前記ターゲット(50)はモニタされるべき前記経路に沿ってガイドされ、前記ターゲット(50)の位置と前記検出装置(14、24、34)の前記それぞれの減衰信号とが局所的に記録されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ティーチインデータの記録にあたって、前記ターゲット(50)の位置はまた、モニタされるべき前記経路を横切って変えられ、前記それぞれの位置と減衰信号とが局所的に記録されることを特徴とする、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
2番目に高い減衰を有する前記検出装置が前記減衰信号を評価するために使用されることを特徴とする、請求項19から22の一つに記載の方法。
【請求項24】
前記検出装置(14、24、34)の前記感度曲線(15、25、35)が標準化されていることを特徴とする、請求項19から23の一つに記載の方法。
【請求項25】
評価目的のために、2番目に高い減衰及び最も高い減衰を有する前記減衰信号からなる一対の値が使用されることを特徴とする、請求項19から24の一つに記載の方法。
【請求項26】
前記ターゲット(50)の位置を決定するために、前記ティーチインデータの点の間で補間が行なわれることを特徴とする、請求項20から25の一つに記載の方法。
【請求項27】
前記減衰曲線の一部が、各々の場合において評価目的のために直線によって近似されることを特徴とする、請求項20から26の一つに記載の方法。
【請求項28】
評価目的のために、各々の場合において、検出装置(14、24、34)の一部のみが考慮されるか、あるいは、その幾つかの検出装置(14、24、34)が同時に評価され且つ特に比率が前記アナログ信号から形成されることを特徴とする、請求項19から27の一つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−500842(P2007−500842A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521517(P2006−521517)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008454
【国際公開番号】WO2005/012840
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(300024047)ペッパール ウント フュフス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【Fターム(参考)】