説明

ダイズサワークリーム組成物及び製造方法

【課題】 ダイズサワークリーム組成物を製造方法とともに開示する。この組成物ではダイズ成分及び好熱性細菌培養物を利用して、酪農サワークリームの感覚刺激上の特性及びダイズの健康及び栄養上の利点を有するサワークリーム組成物を提供する。また本発明のダイズサワークリーム組成物は、従来より製造される酪農サワークリーム製品より増加した保存期間及び室温安定性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する分野
本発明は、発酵ダイズベースの製品、より具体的には、ダイズサワークリーム組成物及び関連の製造方法に関する。本発明の発明的組成物は、ダイズの天然成分及び健康及び栄養上の利点を包含し、さらに酪農サワークリームと同様の味及び質感を有する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ミルクベースの製品の代替物、特に、ダイズ製品の人気は、近年、劇的に増加している。相当数の人々が、ダイズベースの製品は多数の菜食主義者及び完全菜食主義者の食事の主要成分であるだけでなく、ヘルシーでバランスの良い食事の常用成分であるダイズの健康及びアンチエイジング上の利点を認識している。
【0003】
多数の動物ベースの製品中の動物性タンパク質の代用物としての使用に関して、ダイズは貴重なタンパク質供給源である。ダイズは、乳製品より低レベルの飽和脂肪及び高レベルのオメガ−3脂肪酸を含有する。さらに、ダイズは他の必須ビタミン及びミネラル、例えばビタミンB、カルシウム、鉄及び亜鉛を含有する。ダイズは栄養含量が高く、例えば、循環器病、癌及び骨粗鬆症の発症を減少させ、閉経期の症状を軽減するというような予防及び治療上の健康に関する多数の利点に関連している。また、ダイズ製品は、より低カロリー又は低脂肪の乳製品の代替物となり得る。
【0004】
ダイズは容易に消化され、乳糖を含有せず、天然状態でコレステロールを含まない。乳糖不耐症であるか、あるいはコレステロール摂取制限食をとっている人は、酪農又は動物ベースの製品を、ダイズからできている製品で代用することができ、健康上の有害な影響はまったくない。実際、乳糖不耐症の人は、通常、酪農乳の代わりに豆乳及びダイズベースの乳児用人工乳を使用する。さらに、非酪農性代用物、例えばダイズは、動物乳に対するアレルギー反応をに苦しむ人、例えば呼吸障害又は湿疹を有する人に理想的である。
【0005】
さらに、ダイズタンパク質は、動物及び酪農ベースのタンパク質に比べて、ずっと安価であり、容易に利用できるタンパク質供給源である。
【0006】
したがって、通常使用される動物ベースの食品に代わるより高品質で魅力的なダイズベースの代替物に関する需要が増加している。特に、ダイズで代用されたさらなる乳製品、例えばディップ、ドレッシング及びソースのような酪農サワークリーム及び酪農サワークリーム製品の代用物が必要とされている。天然の酪農サワークリームは培養(cultured)乳製品であり、典型的に、少なくとも18パーセントの脂肪含量を有する(United States Department of Agricultureの定めるところによる)。さらに、減脂肪(脂肪13.5%未満)、ライト(脂肪9.0%未満)、低脂肪(脂肪6.0%未満)及び無脂肪(脂肪1.0%未満)のような低脂肪性の種類の酪農サワークリームが存在する。酪農サワークリームは、それを用いて調理するのが難しいことがあり、高温又は酸性の食品の製造で使用すると分離する傾向がある。
【0007】
酪農サワークリームは、摂氏約15〜42度の範囲、好ましくは摂氏約30〜35度の発酵範囲を有する中温細菌培養物(culture)を用いて培養された低温殺菌乳を用いて製造される。中温菌を用いて酪農乳を発酵させると、乳酸が生産される。乳酸はミルクを凝固(濃縮)させるだけでなく、ミルクを酸性化し、したがって典型的な酪農サワークリームの味及び質感をもたらす。酪農サワークリームは、冷蔵条件下でさえ、限られた保存安定性しか有さない。その理由は、完成したサワークリーム製品中に活性な中温菌が存在するからである。パッケージ後、進行中の細菌活性は継続し、したがって香味の変化(製品の酸性度の増加)、製品の粘性低下及び水分離(シネレシスとして知られる)が生じる。一般に、天然の酪農サワークリームは、水分離及び味の変化が生じる前の約14日を超える期間で不安定である。
【0008】
フランスの酪農サワークリーム製品であるクレーム・フレッシュ(Creme fraiche)は約45〜50%の脂肪を含有し、摂氏約30〜約50度の発酵範囲を有する好熱性細菌培養物を用いて培養される。クレーム・フレッシュは料理に使用されることが多いが、かなり高い脂肪及びコレステロール含量を有する。他の酪農サワークリームと同様に、クレーム・フレッシュは活性な培養物を含有し、したがって保存期間が制限される。
【0009】
これらの酪農クリーム製品のダイズによる代用物、例えば柔らかい絹ごしダイズ豆腐は、ディップ及びスプレッド中の酪農サワークリームの代わりに使用されている。しかし、これらの製品は酪農サワークリームの味、質感及び外観を欠いている。さらに、豆腐はディップ、ドレッシング及び酪農サワークリームを必要とする他のレシピ中に代用することが難しい。また、乳製品と同様に、豆腐は保存期間が制限されていて、適切に保存しないと簡単に腐る。
【0010】
酪農サワークリームの生産に使用される方法を利用して、豆乳からダイズベースのサワークリーム製品を生産する試みが行われてきた。しかし、ダイズベースとともに中温性の培養菌株を使用すると、「古くなったような(off)」香味を有し、粘度(body)及び質感が不足した−酪農サワークリーム製品に主として付随する芳香がない−サワークリーム製品が生産される。さらに、多数のダイズベースのサワークリーム製品は調理中に十分に持ちこたえず、分離又は凝固する傾向があり、したがって酪農サワークリームの十分な代用物にならない。
【0011】
酪農サワークリームの味、芳香、質感及び外観を有する非酪農サワークリーム製品に関する要望が存在する。特に、他のダイズ製品の実証済みの健康上の利点、例えばラクトース及びコレステロールフリーの特性を有するダイズベースのサワークリーム製品が必要とされている。さらに、このような非酪農サワークリーム製品は望ましい調理特性を含有する必要がある。望ましい調理特性とは、例えば種々のレシピ、例えば高温又は酸性の料理で、分離又は劣化することなく使用できることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
発明の要旨
前記内容をふまえて、従来の酪農ベースのサワークリーム製品と同じ外観、味、質感及び芳香を有し、さらにダイズ食材に付随する健康及び栄養上の利点を含有するダイズベースのサワークリーム製品に関して明示する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の第一の目的は、酪農サワークリームと同様の感覚刺激上の性質を有するダイズサワークリーム組成物及び、前記組成物の製造方法を提供することである。多岐にわたる種々のダイズベースの原料、例えば全粒ダイズ材料を利用し、好熱性細菌培養物を使用して自然に発酵させたダイズサワークリーム組成物を提供することを、関連する本発明の目的としてもよい。この場合、本発明のダイズサワークリーム組成物は従来の酪農サワークリームより長期間、その香味、質感及び品質を維持する。
【0014】
本発明の別の目的は、酪農サワークリーム及び先行技術のダイズサワークリーム製品よりも、室温より高い温度で保存安定性を有する実質的に無菌のダイズベースのサワークリーム製品を提供することである。伝統的に酪農サワークリームを必要とするレシピに組み込むことができるダイズサワークリーム製品を提供することを、関連する本発明の目的としてもよい。この場合、このダイズサワークリームは良好な溶解性を有し、分離又は凝固する傾向を有さない。
【0015】
ラクトース及び/又はコレステロールフリーであり、従来のミルクベースのサワークリーム組成物の香味、質感及び芳香を有するダイズサワークリーム製品を提供することを、本発明の目的としてもよい。関連する本発明の目的は、低脂肪、酪農アレルゲンフリー、保存剤フリー及び/又は動物性副産物フリーのダイズサワークリーム組成物であって、多数の消費者の健康及び/又は生活様式上の要求に応える組成物を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、単独又は種々の食材成分として−乾燥又は戻した形態で−使用することができる乾燥又は粉末化ダイズサワークリーム組成物を提供することである。関連する本発明の目的は、容易に輸送することができ、最終のダイズサワークリーム又は食材製品の香味又は質感の劣化がない乾燥状態のダイズベースのサワークリーム組成物を提供することである。
【0017】
種々の培養されたダイズベース組成物又は開始組成物、ならびに高品質で味のよい(tasteful)ダイズサワークリーム及び/又はダイズ発酵組成物の製造における前記組成物の使用方法を提供することを、本発明のさらに別の目的としてもよく、この場合、この培養ダイズベースは、多岐にわたる種々のダイズ成分及び乳酸産生細菌培養物を含む。
【0018】
したがって、本発明の目的は、種々のダイズサワークリーム組成物を提供し、それによって上に概説されるものを含む先行技術の種々の欠陥及び欠点を克服することである。1つ又はそれ以上の本発明の側面は特定の目的を満たすものであってよく、一方で1つ又はそれ以上の他の側面は特定の他の目的に通じるものであってよいことは当業者が理解するところである。各目的は、すべての場合で本発明の全側面に等しく適用されなくてもよい。したがって、これらの目的及び他の目的は本発明の任意の一側面に関して選択的であると見なすことができる。
【0019】
本発明の他の目的、特徴、利点及び利益はこの要旨及び好ましい態様の説明で明らかになり、またダイズ食品技術及び栄養分野の知識と経験を有する当業者に自明である。前記目的、特徴、利点及び利益は、添付の実施例、データ及びそれらから導き出されるすべての合理的な推論と併せて解釈されることによって上記内容から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
ある部分では、本発明はダイズサワークリーム製品の製造方法である。この方法は、(1)水性のダイズ組成物を準備し、(2)好熱性細菌を用いてダイズ組成物を発酵させ、(3)少なくとも1種の油及び脂肪成分を発酵ダイズ組成物と組み合わせ、及び(4)好熱性細菌培養物の少なくとも一部を不活性化するために十分な温度に、発酵ダイズ組成物を加熱することを含むことができる。本発明の好ましい態様では、この方法は、さらに、少なくとも1種の脂肪及び油成分を水性ダイズ組成物と組み合わせ、約2000psiより高い圧力でダイズ組成物を処理することを含む。
【0021】
本発明で利用されるダイズ組成物は、好ましくは豆乳組成物である。豆乳組成物は、当業者に既知の任意の水性又は乾燥(dehydrated)豆乳製品又は組成物とすることができる。しかし、本発明で使用される豆乳組成物は、Gandhiらに付与された米国特許第6,322,846号に記載されたもの及び/又はGandhiらに付与された米国特許第6,663,912号に記載されたものを包含することが好ましい(これらの文献は参照によりその全体が本明細書中に包含される)。豆乳組成物は、当業者に周知の種々のダイズ源から製造することができる。そのダイズ源には、非限定的に、全粒ダイズ粉、ダイズフレーク、ダイズ粉末、ダイズ粉、挽き割りダイズ(soy meal)、粗挽きダイズ(soy grits)、ダイズ濃縮物、ダイズ単離物、ダイズ豆腐及び/又はそれらの組み合わせが含まれる。そのように、本発明での使用に適した豆乳組成物には全粒ダイズ材料を含有するものが含まれる。米国特許第6,322,846号及び米国特許第6,663,912号に記載されたように、豆乳組成物を噴霧乾燥し、ならびに/あるいは粉末化の形態にし、本発明で使用するために戻すことができる。好ましくは、豆乳組成物は約10〜約14%の固形分を有する。
【0022】
さらに、本発明で使用するための豆乳組成物は、完全に脱脂されていてもよい。あるいは、本発明で利用される豆乳組成物は、脂肪及び/又は油成分を含んでいてもよい。豆乳組成物は、好ましくは約1.8%〜2.0%の脂肪及び/又は油成分を含有する。このような脂肪又は油成分は、米国特許第6,322,846号、米国特許第6,663,912号に記載されるか、あるいは本明細書の別の場所で記載される通りであってよい。
【0023】
本発明の広範囲の側面で一貫して、本明細書中に記載の方法で利用されるダイズ組成物は、種々のダイズ源由来の任意の種類のダイズ成分とすることができ、そのダイズ源には、非限定的に、全粒ダイズ粉、ダイズフレーク、ダイズ粉末、ダイズ粉、挽き割りダイズ、粗挽きダイズ、ダイズ濃縮物、ダイズ単離物、ダイズ豆腐、豆乳及び/又はそれらの組み合わせが含まれる。乾燥又は脱水されたダイズ組成物を十分な量の水と混合することにより、水性ダイズ組成物を提供することができる。
【0024】
また、ダイズ組成物には、得られるダイズサワークリーム組成物中で所望の発酵効果を生じさせるために十分な量の植物糖成分を含ませることができる。その植物糖成分には、非限定的に、デキストロース、フルクトース、ショ糖、グルコース及び/又はマルトースが含まれる。よって、本発明の方法では、前記糖成分を加えて、ダイズ組成物の発酵に十分な栄養分を提供することを意図する。特に、生ダイズ粉及び/又はダイズ粒には前記植物糖成分を加えて、ダイズ成分に対する必要な発酵効果を得ることが必要であろう。
【0025】
ダイズ成分及び/又は豆乳組成物は、動物乳、例えば牛乳、ヤギ乳及び/又は植物乳、例えばコメ又はココナツミルクと混合して、減少したラクトース含量を有するか、あるいはさらなる栄養必要物を有するサワークリーム組成物を得ることができる。
【0026】
従来の培養酪農サワークリームと異なり、本発明では、少なくとも1種の連鎖球菌(Streptococcus)株及び少なくとも1種の乳酸桿菌(Lactobacillus)株を含む好熱性細菌培養物を利用する。好ましくは連鎖球菌培養物には、非限定的に、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)培養物が含まれる。しかし、本発明で一貫して、当業者に既知の任意の好熱性連鎖球菌属細菌培養物を使用してよい。乳酸桿菌培養物は、非限定的に、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ラクティス(Lactobacillus lactis)、ラクトバチルス・デルブリッキ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。このような好熱性細菌培養物は好ましくは非酪農成分中で生育させる。
【0027】
本発明の好熱性細菌培養物は、約1〜約99%の乳酸桿菌培養物及び約99〜約1%の連鎖球菌培養物の任意の数値範囲の濃度比で存在させることができる。非常に好ましい本発明の態様では、本明細書中に記載の実施例1及び3で実証されたように、約80〜約90%のラクトバチルス・ブルガリカス及び約10〜約20%のストレプトコッカス・サーモフィルスの割合で好熱性細菌培養物を利用する。いずれの理論又は操作様式にも制限されることなく、好熱性細菌培養物を組み合わせて、酪農サワークリームに典型的な、質感、味、芳香及び品質特性を有するダイズサワークリーム製品が得られる。よって、本発明の広範囲の側面で一貫して、任意の好ましい比の乳酸桿菌及び連鎖球菌属の好熱性細菌培養物を組み合わせ、ダイズ組成物に直接接種するために濃縮して、均一な質感、香味、芳香及び品質のダイズサワークリーム組成物を提供することができる。
【0028】
ダイズ組成物に添加される好熱性細菌培養物の量は、候補となる他の要因の中で特に、最終産物の所望の酸性度、発酵温度並びにサワークリーム最終産物の所望の味、質感及び/又は粘性に依存するかもしれない。好熱性細菌培養物の組み合わせ及び一定の範囲の細菌培養物比を使用すると、任意の数値の所望の酸性度、芳香、質感及び香味を有する種々のダイズサワークリーム組成物を得ることができる。好ましくは、約0.5〜約3.5重量%の好熱性細菌培養物を用いて、望ましい高品質のダイズサワークリーム製品を得ることができる。当業者に自明であるように、任意の濃度の好熱性細菌培養物を使用して、最終ダイズサワークリーム製品の所望の感覚刺激上の性質を達成できる。実施例1及び3で実証されるように、本発明では、好熱性細菌培養物約100mL〜約360mLと約100ガロン〜約200ガロンとの豆乳混合物の割合を使用した。
【0029】
代替の本発明の態様では、ダイズ組成物の発酵は、中温菌培養物、例えばストレプトコッカス・クレモイス(Streptococcus cremois)、ストレプトコッカス・ラクティス(Streptococcus lactis)、ストレプトコッカス・ジアセチラクティス(Streptococcus diacetylactis)、ロイコノストック・シトロボラム(Leuconostoc citrovorum)、ロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis)、及び/又はそれらの組み合わせを取り込むことをさらに含むことができる。得られるダイズサワークリーム製品で必要とされる所望の味及び質感に応じて、限られた量、例えば約1%未満の中温菌培養物を提供することができる。
【0030】
好熱性細菌培養物を用いるダイズ成分の発酵は、使用される具体的な細菌及び濃度に応じて、約30℃〜約50℃の温度で行われ、より好ましくは約41℃〜約45℃の範囲で発酵が行われる。ダイズサワークリーム製品の消費者向けの味及び/又は所望の最終用途に応じて、ダイズサワークリーム組成物が所望の酸性度に達するまで、ダイズ成分の発酵が継続される。好ましくは、ダイズ成分が約4.0〜約5.0のpHに達するまで発酵が行われる。
【0031】
本発明の方法は、発酵ダイズ組成物を加熱処理して、活性な好熱性細菌培養物の少なくとも一部を不活性化することを含む。好ましくは、加熱処理中に少なくとも約50%〜約100%の好熱性細菌培養物を不活性化する。ダイズサワークリーム組成物を加熱処理すると、活性な培養物がほとんど残留していない生成物が得られ、したがって安定性を増加させ、シネレシス耐性及び伝統的なサワークリーム製品より長期の室温での保存期間を有する本発明のダイズサワークリーム組成物が提供される。
【0032】
本発明のダイズサワークリームの加熱処理は、任意の所望の量の活性な好熱性細菌培養物を不活性化するために十分な時間又は温度で行うことができる。したがって、実質的に約100%の好熱性細菌培養物の不活性化が達成されるまで加熱処理を継続し、実質的に無菌のサワークリーム製品を得ることができる。製品の所望の最終用途に応じて、全好熱性細菌培養物のうちの一部を不活性化するために十分な時間、加熱処理を行い、室温で減少したシネレシスを示すか、あるいは実質的にシネレシスを示さないサワークリーム製品を得ることができる。
【0033】
一般に、好熱性細菌培養物を不活性化し、室温での発酵ダイズ組成物のさらなる酸性化を停止させるために十分な温度は、約79℃〜約90℃の範囲である。実施例2、4及び7で説明されるように、発酵ダイズ組成物の加熱処理は好ましくは約79℃〜約82℃の温度範囲で約5分間行われる。
【0034】
当業者に周知であるように、ダイズサワークリーム製品を最終的にパッケージする前に、放射線照射、高圧及び/又は高温滅菌及び/又は当業者に既知の任意の無菌処理技術を使用して、無菌ダイズサワークリーム製品を得てもよい。例えば、Pischkeらに付与された米国特許第4,873,094号で説明されたように、好熱性細菌培養物の少なくとも一部を不活性化した後、約105℃〜約129℃の温度範囲にて、約180〜約200psiの圧力で約2〜約3秒間ダイズサワークリーム製品を加熱滅菌してよい。
【0035】
上記のように、本発明の方法では、脂肪及び/又は油成分を加えて、一般的な酪農サワークリーム製品の質感及び稠度(consistency)を有するダイズサワークリーム製品を得ることを意図する。接種又は発酵前に、当業者によく知られているように、細菌培養物の活性を阻害しない量の脂肪及び/又は油成分をダイズ組成物に加えることができる。好ましくは、その脂肪及び/又は油成分の量は重量で約5%〜約10%を超えない。
【0036】
発酵後に得られるダイズサワークリーム組成物は、任意の所望の脂肪含量を達成することができる。例えば、酪農サワークリーム製品の脂肪含量に関するUDSAガイドラインによれば、標準サワークリームは18重量%以上の脂肪を含有する。低脂肪性酪農サワークリームには、総脂肪が13.5%又はそれ未満である「減脂肪サワークリーム(Reduced Fat Sour Cream)」製品、総脂肪が9%又はそれ未満である「ライトサワークリーム(Light Sour Cream)」製品、総脂肪が6%又はそれ未満である「低脂肪サワークリーム(Low Fat Sour Cream)」製品及び総脂肪が1%未満である「無脂肪サワークリーム(Nonfat Sour Cream)」製品が含まれる。
【0037】
このように、本発明の方法によって、得られるダイズサワークリーム製品の脂肪含量を制御することが可能である。脂肪又は油成分を適切に選択することによって、標準、減脂肪、又はライトダイズサワークリーム製品を得るための推奨ガイドラインの範囲内に収まるように本発明のダイズサワークリーム製品を改良することができる。当業者に周知であるように、任意の市販の油、脂肪又は組み合わせを使用することができる。特定の組成物ではナタネ油、ダイズ油及び/又は植物性ショートニングが好ましいが、任意の植物油、例えばトウモロコシ又はヒマワリ油を使用することもできる。さらに、当業者に既知の任意の植物性脂肪又は動物性脂肪を使用することができる。例えば、酪農脂肪−非限定的にクリーム又はバターが含まれる−を特定の他の組成物とともに使用することができる。得られた組成物と適切な動物性及び/又は穀物性のクリーム製品を混合することによって脂肪/油成分を提供してもよい。
【0038】
脂肪及び/又は油成分を加えた後に、好ましくはダイズ組成物の圧力処理/均質化を行う。よって、発酵前及び/又は発酵後に、ダイズ組成物を乳化するために十分な圧力でその圧力処理を行うことができる。本明細書中で記載されるように、その圧力処理は好ましくは約2000psiを超える圧力で行われる。
【0039】
ダイズ成分原料、得られるダイズサワークリームにおいて所望の脂肪/油含量及び使用される水の濃度に応じて、安定化成分を加えて質感及び安定性を改良し、例えば組成物のシネレシス(水分離)耐性を向上させてもよい。適切な安定化成分には、非限定的に、ペクチン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、グアールガム、アラビアゴム、ゲランガム、ガハッチゴム、トラガカントゴム、寒天、アルギン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラゲナン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。好ましくは、天然ガム、例えば、グアールガム又はローカストビーンガムを安定剤として使用して、「全天然」ダイズサワークリーム製品を提供する。
【0040】
さらに、得られるダイズサワークリーム製品に必要とされる所望の粘性、耐熱性又は剪断抵抗性に応じて、サワークリーム組成物にデンプン成分を組み入れることもできる。デンプン成分には、例えば、バクガデキストリン、コーンスターチ、及び/又は加工タピオカデンプンが含まれ、それらを使用して、ダイズサワークリーム製品の質感及び外観を向上させることができる。
【0041】
本発明の他の態様では、ダイズ組成物の発酵前又は後に酸及び/又は酸性塩を使用して、得られるダイズサワークリーム組成物を酸性化することを含むことができる。このような酸には、食品用の有機酸又は無機酸が、単独で、あるいは適切な対応する塩とともに含まれる。食品用の酸は、例えば、酢酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、乳酸及びそれらの組み合わせを含むことができる。同様に、酸性塩を単独で使用して同等の結果を達成できる。例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム及び/又はそのような塩の組み合わせを、単独で、あるいはクエン酸と組み合わせて使用することができる。あるいは、本発明にしたがって、他の食品用の一塩基酸及び/又は多塩基酸の塩を使用することができる。別の態様として、本発明は食品用の無機酸、それらの対応する塩及び/又はそれらの組み合わせの使用を含むことができる。例えば、種々のリン酸塩及び/又は炭酸水素塩を、遺憾なく使用することができる。酸成分を使用して、本発明で利用されるダイズ出発材料の種類に応じて、ダイズ組成物のpHを調節することができ、得られる組成物の香味及び/又は質感を向上させることができる。
【0042】
本発明のダイズサワークリーム組成物の栄養及び健康上の利点を向上させるために、本発明は、プロバイオティック培養物の組み込みを含むことができる。この培養物は、発酵ダイズ組成物の加熱処理後に加えられる。プロバイオティック培養物は、非限定的に、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、サッカロミセス・ボウラルディ(Saccharomyces boulardii)及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。当業者によく知られているように、ダイズサワークリーム組成物を消費する人において、栄養及び/又は治療上の効果を達成するために十分な量の培養物を加えることができる。
【0043】
このように、ある部分では、本発明は、室温で保存安定可能なダイズサワークリーム組成物をさらに包含する。このような組成物は、ダイズ成分の発酵産物及び少なくとも1種の好熱性細菌培養物、サワークリーム組成物の約9重量パーセント未満〜約30重量パーセントを超える脂肪成分及び安定剤成分を含み、約50%〜約100%の好熱性細菌培養物が不活性である。非常に好ましい態様では、サワークリーム組成物には活性な好熱性細菌培養物が実質的に不存在であり、したがって室温で実質的なシネレシスを示さない保存安定可能なダイズサワークリーム組成物が提供される。
【0044】
ダイズ成分は、非限定的に、全粒ダイズ粉、ダイズフレーク、ダイズ粉末、ダイズ粉、挽き割りダイズ、粗挽きダイズ、ダイズ濃縮物、ダイズ単離物、ダイズ豆腐、豆乳及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。ダイズ成分は、上記のように好熱性細菌培養物を用いて発酵させる。特に、ダイズ成分を、有効量の好熱性細菌培養物と組み合わせて、得られるダイズサワークリーム組成物において所望の酸性度、質感、粘性及び芳香を付与することができる。好ましくは、得られたダイズサワークリーム組成物は約4.0〜約5.0、より好ましくは約4.1〜約4.4のpHを有する。
【0045】
本発明のダイズサワークリーム組成物は、所望の脂肪含量を有するダイズサワークリーム製品を生成物として提供し、ならびに/あるいは標準、減脂肪、ライト、低脂肪又は無脂肪ダイズサワークリーム組成物を得るための推奨ガイドラインの範囲内に収まるために十分な量で、脂肪及び/又は油成分を含有する。したがって、このサワークリーム組成物は、約1%未満〜約30%を超える量の範囲で存在する脂肪成分を含有することができる。本明細書中で記載されるように、特定の組成物ではナタネ油、ダイズ油及び/又は植物性ショートニングが好ましいが、任意の植物油、例えばトウモロコシ又はヒマワリ油を使用することもできる。さらに、当業者に既知の任意の市販の油、脂肪又は組み合わせを使用することができる。このように、本発明によって提供されるダイズサワークリーム組成物は、部分的に又は完全に脂肪及び/又はコレステロールフリーとなるように、特別に設計することができる。
【0046】
本明細書中で記載されるように、得られるダイズサワークリーム製品の所望の質感及び安定性に応じて、本発明のダイズサワークリーム組成物に有効量の安定剤又はデンプン成分を含有させて、得られるダイズサワークリーム組成物において任意の所望の質感、粘性及び保存安定性を達成することができる。本発明の他の態様では、ダイズサワークリーム組成物に酸又は酸性塩成分を含ませて、最終ダイズサワークリーム製品において所望の味又は質感を達成することができる。さらに他の本発明の態様では、保存剤を加えて、ダイズサワークリーム組成物の保存期間及び安定性を高めてよい。
【0047】
特定の態様では、本発明の組成物は香味成分を含み、その香味成分は、非限定的に、酪農物、果物、野菜(チャイブ、タマネギニンニク等)、香辛料、塩、甘味料、チョコレート、バニラ又はそれらの組み合わせが含まれる。得られるダイズサワークリーム製品の要件に応じて、香味成分は天然起源であることが好ましい。本発明の他の態様では、当技術分野で既知の任意の人工GRAS食品香料、例えば、人工甘味料の添加を含むことができる。このような香味成分は、好ましくはJeneil Biotech Inc.(Saukville, WI)が製造する種類の香味成分である。
【0048】
任意に、さらに他の態様では、ダイズサワークリーム製品の所望の最終用途に応じて、ダイズサワークリーム組成物は、保存剤成分、例えば抗菌又は抗真菌成分を含んでいてもよい。得られるダイズサワークリーム組成物には、保存剤成分、例えば、ソルビン酸、安息香酸、プロピオン酸、ギ酸エチル、硝酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、及び/又は別のGRAS食品保存剤を含ませることができる。
【0049】
得られたダイズサワークリーム組成物をパッケージし、冷蔵し、使用時まで保存することができる。あるいは、本発明のダイズサワークリーム組成物は、当業者であれば一般に既知の凍結又は噴霧乾燥法によって脱水することができ、そして後に、酪農サワークリームの代用物として、単独で、あるいはレシピ又は食材の一部として使用するために戻すことができる。さらに、ダイズサワークリーム製品の所望の最終用途に応じて、その組成物を凍結及び/又は低温殺菌することができる。
【0050】
本発明の広範囲の側面で一貫して、ダイズサワークリーム組成物に包含される香味物質の種類に応じて、本発明のダイズサワークリーム組成物を種々のレシピ、ディップ、ドレッシング及びソースに組み入れることができる。本発明の乾燥ダイズサワークリーム組成物は、酪農ベースのサワークリーム成分の代用物として、多岐にわたる種々の食材、例えば代用食又はエネルギーバー、スナック食品、パン製品、ディップ又は乾燥もしくは粉末ソース中の成分として特に有用であろう。
【0051】
本発明のダイズサワークリーム組成物の使用により、広範囲の菜食主義者向け、完全菜食主義者向け、ラクトースフリー及び/又はコレステロールフリーのダイズベースの食品が提供される。さらに、本発明の組成物は全天然でアレルゲンフリーにすることができる。このようなダイズサワークリーム組成物は、酪農サワークリームの感覚刺激上の特性とダイズの健康及び栄養上の利点を有する、動物ベースのサワークリーム製品の代用物として食品に組み入れることができる。
【0052】
さらに、ある部分では、本発明は、ダイズ培養ベースを製造するための好熱性細菌培養物の使用方法を含むことができる。この方法は、水性ダイズ組成物を準備し、ダイズ組成物を酸性化するために十分な時間及び温度でダイズ組成物を発酵させることを含み、発酵物には実質的に動物糖が不存在である。本明細書中で記載されるように、好熱性細菌培養物は、乳酸桿菌と連鎖球菌好熱性培養物とが任意の割合で提供される。
【0053】
本発明の方法は、ダイズサワークリーム組成物の製造に使用するために、得られたダイズ組成物を冷蔵することを含む。あるいは、本明細書中で記載されるように生産された発酵ダイズ組成物を、脱水、例えば、凍結又は噴霧乾燥することができる。この保存安定性の培養ダイズベースは、軽量でコンパクトであり、輸送コストが低い。そのような乾燥培養ダイズベースは、生存好熱性細菌培養物を含み、水性媒体を加えて再活性化することができ、多岐にわたる種々のダイズサワークリーム組成物の製造に利用することができる。このような再構成培養ダイズベースによって、均一な味及び品質のダイズサワークリーム製品の製造方法を提供することができる。本明細書中の実施例6を参照のこと。
【0054】
したがって、ある部分では、本発明は、ダイズサワークリーム組成物の製造に使用するための培養ダイズベースを含む。その組成物には、ダイズ成分、有効量の好熱性細菌培養物及び脂肪成分を含ませることができる。下記実施例で実証されるように、好ましくは本発明の培養ダイズベースを冷蔵し、本発明のダイズサワークリーム組成物用の開始組成物として後に使用する。しかし、本明細書中の他の場所で記載されるように、培養ダイズベースを脱水し、そして水性媒体を加えて再活性化して、ダイズサワークリーム組成物の製造において、ベースとして利用してよい。
【0055】
実施例
下記の非限定的な実施例及びデータは、本発明の組成物及び方法に関する種々の側面及び特徴を説明する。その側面及び特徴には、ダイズサワークリーム組成物の製造においてダイズベースの出発材料を好熱性細菌培養物とともに使用して得られた、予想外の驚くべき結果が含まれる。特に、滑らかでクリーミーな口当たり、芳香及び味の特性が含まれ、これは特に意図されないか、あるいは不可能であると考えられる成分及び/又は処理パラメータを使用して達成される特性である。これらの実施例は説明のためにのみ添付されるものであり、本発明は本明細書中に記載の材料、条件、特性等の特定の組み合わせに限定されないことが当然理解されよう。本発明の範囲に合致する種々の他の方法論及び/又は構成上の態様を使用して同等の有用性及び利益を実現できる。
【0056】
本発明を構成し、使用するための装置は当業者に周知である。本発明にしたがって種々の市販の1段階又は2段階式高圧ホモジナイザーを使用することができる。このようなホモジナイザーの1例はAPVのRannie又はGaulian事業部(Wilmington, Massachusetts)から入手できる。
【0057】
本発明とともに使用されるすべての成分(components)及び/又は原料(ingredients)は当業者に周知の供給元から市販されている。同様に、本明細書中に記載の種々の処理パラメータは、前記成分及び原料の同一性又は濃度のバリエーションに起因する前記個別要素に基づいて、あるいは本明細書中に記載の結果に応じた結果を達成するために必要であるように容易に改変できる。
【0058】
実施例1
培養ダイズベースの製造
【表1】

【0059】
(1)ジャケット付きタンクに83.2キログラム(kg)の水を入れ、約180〜185°F(82〜85℃)の範囲の温度に加熱した。
(2)約2kgの植物性ショートニングを加え、約180〜185°F(82〜85℃)の範囲で温度を維持した。
(3)約14.8kgの乾燥豆乳組成物を熱水にゆっくり加え、約180〜185°F(82〜85℃)の範囲の温度を維持しながら、培養ベース用の豆乳が滑らかで塊がない稠度になるまで強く撹拌した。
(4)豆乳が滑らかな稠度になった後、約180〜185°F(82〜85℃)の範囲で約20〜25分間、加熱処理を継続し、適切に撹拌して豆乳が焼けつかないようにした。
(5)豆乳混合物を約120〜125°F(49〜52℃)に冷却し、120〜125°F(49〜52℃)の温度範囲を維持しながら、約2,000〜約3,000psiでホモジナイズした。
(6)温度を約105〜約110°F(約41〜約44℃)に調節し、混合物に好熱性細菌培養物を接種した。この好熱性細菌培養物はおおよそ約80〜約90%ラクトバチルス・ブルガリカス培養物及び約10〜約20%ストレプトコッカス・サーモフィルス培養物を含有した。約100ガロン〜約200ガロンの豆乳混合物に対して約100mL〜約360mLの割合で好熱性細菌培養物を加えた。混合物を十分に混合して、培養物が豆乳中で適切に分配されるよう徹底した。温度をモニターし、約105〜約110°F(約41〜約44℃)で維持した。
(7)撹拌を停止し、豆乳のpHが約4.8〜約5.0に達するまで混合物をインキュベートした。pHを4.8未満に低下させなかった。
(8)培養ベースのpHが約4.8〜約5.0に達したら、可能な限りの最低速度で混合物を撹拌し、非常に穏やかに冷却して約40〜45°F(4〜7℃)にした。ダイズサワークリームの製造に使用するまで、培養ダイズベースの温度をこの温度で維持した。
【0060】
実施例2
ダイズサワークリームの製造
実施例1にしたがって、ダイズサワークリーム製品の製造を下記のように行う:
【表2】

【0061】
(1)ジャケット付きタンクに植物性ショートニング9.0kgを入れ、植物性ショートニングが融解するまで約110〜120°F(43〜49℃)に加熱し、ダイズ油9.0kgを加えた。
(2)融解した植物性ショートニング及びダイズ油混合物に約7.9kgの安定剤成分(又は安定剤成分の組み合わせ)を加え、組成物を十分に混合した。
(3)継続的に混合しながら、実施例1aのダイズ培養ベース組成物44.5kgを加えた。
(4)約28kgの水を加え、継続的に混合した。
(5)混合物を、ダイズサワークリームが焼けつかないように適切に撹拌しながら、約175〜約180°F(約79〜約82℃)の温度に加熱した。約175〜約180°F(約79〜約82℃)の温度に達したら、サワークリームをこの温度で約5分間保持した。
(6)タンク中のダイズサワークリームに約1.6kgの天然香料を加え、十分に混合した。次いでサワークリームを約160〜170°F(71〜77℃)に冷却した。
(7)得られたサワークリームを約2,500〜約3,000psiでホモジナイズし、その間、約160〜170°F(71〜77℃)で温度を維持した。
(8)2回目に約2,000〜約3,000psiで混合物を再度ホモジナイズし、その間、約160〜170°F(71〜77℃)で温度を維持した。
(9)サワークリーム組成物を、約160〜170°F(71〜77℃)でパッケージし、冷蔵した。得られたサワークリーム製品は約18%以上の総脂肪を含有し、標準の酪農サワークリームに関するUSDAの規定に合致する。
【0062】
実施例3
培養ダイズベースの製造
【表3】

【0063】
(1)ジャケット付きタンクに84.4キログラム(kg)の水を入れ、180〜185°F(82〜85℃)の範囲の温度に加熱した。
(2)約5kgのナタネ油を加え、約180〜185°F(82〜85℃)の範囲で温度を維持した。
(3)約10.6kgの乾燥豆乳粉末を、約180〜185°F(82〜85℃)の範囲の温度を維持しながら、培養ベース用の豆乳が滑らかで塊がない稠度になるまで強く撹拌しながら、熱水にゆっくり加えた。
(4)豆乳が滑らかな稠度になった後、豆乳が焼けつかないように適切に撹拌しながら、約180〜約185°F(約82〜約85℃)の範囲で約20〜25分間、加熱処理を継続した。
(5)豆乳混合物を120〜125°F(49〜52℃)に冷却し、約120〜125°F(49〜52℃)の範囲の温度を維持しながら、約7,500〜約8,000psiでホモジナイズした。
(6)温度を約105〜約110°F(約41〜約44℃)に調節し、混合物に好熱性細菌培養物を接種した。この好熱性細菌培養物はおおよそ約80〜約90%ラクトバチルス・ブルガリカス培養物及び約10〜約20%ストレプトコッカス・サーモフィルス培養物を含有した。約100ガロン〜約200ガロンの豆乳混合物に対して約100mL〜約360mLの割合で好熱性細菌培養物を加えた。混合物を十分に混合して、培養物が豆乳中で適切に分配されるよう徹底した。温度をモニターし、約105〜約110°F(約41〜約44℃)で維持した。
(7)撹拌を停止し、豆乳のpHが約4.8〜約5.0に達するまで混合物をインキュベートした。pHを約4.8未満に低下させなかった。
(8)培養ベースのpHが約4.8〜約5.0に達したら、可能な限りの最低速度で混合物を撹拌し、非常に穏やかに冷却して約40〜45°F(4〜7℃)にした。ダイズサワークリームの製造に使用するまで、培養ダイズベースの温度をこの温度で維持した。
【0064】
実施例4
ダイズサワークリームの製造
実施例3にしたがって、ダイズサワークリーム製品の製造を下記のように行う。
【表4】

【0065】
(1)ジャケット付きタンクにナタネ油10.0kgを入れ、約8.0kgの安定剤混合物をナタネ油に加え、組成物を十分に混合した。
(2)継続的に混合しながら、実施例3の培養ダイズベース74.5kgを加えた。
(3)約6kgの水を加え、継続的に混合した。
(4)混合物を、ダイズサワークリームが焼けつかないように適切に撹拌しながら、約175〜約180°F(約79〜約82℃)の温度に加熱した。約175〜約180°Fの温度に達したら(約79〜約82℃)、サワークリームをこの温度で約5分間保持した。
(5)タンク中のダイズサワークリームに約1.5kgの天然香料を加え、十分に混合した。次いでサワークリームを約160〜170°F(71〜77℃)に冷却した。
(6)得られたサワークリームを、約160〜170°F(71〜77℃)で温度を維持しながら、約2,000〜約3,000psiでホモジナイズした。
(7)約160〜170°F(71〜77℃)で温度を維持しなながら、2回目に約2,000〜約3,000psiで混合物を再度ホモジナイズした。
(8)サワークリームを約160〜170°F(71〜77℃)でパッケージし、冷蔵した。得られた減脂肪サワークリーム製品は約18%未満の総脂肪を含有した。
【0066】
実施例5a
実施例1及び/又は3に関して、ダイズ成分、例えば、細粉化されたダイズ粉、ダイズフレーク、ダイズ粉末、挽き割りダイズ、粗挽きダイズ、ダイズ濃縮物、ダイズ単離物、ダイズ豆腐又はそれらの組み合わせを乾燥豆乳組成物の代わりに用いることができる。次いで、上述の実施例の工程(4)〜(8)で使用するための水性ダイズ組成物を提供するために十分な量の水を加える。
【0067】
実施例5b
実施例1及び/又は3に関して、乾燥豆乳組成物の代わりに水性豆乳組成物を用いることができる。その水性豆乳組成物には、非限定的に、米国特許第6,322,846号及び米国特許第6,663,912号の実施例1〜19に記載の豆乳組成物が含まれる。上記実施例の工程(5)で記載されるように、細菌培養物を接種する前に豆乳組成物をホモジナイズしてもよい。あるいは、上記実施例1及び/又は3の工程(6)で記載されるように、豆乳組成物をホモジナイズせずに接種して発酵を行ってもよい。
【0068】
実施例5c
先行する実施例のいずれかに関して、豆乳成分及び/又はダイズ成分に植物糖成分、バッファー成分、例えば、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、安定剤成分及び/又はデンプン成分をさらに含ませることができる。
【0069】
実施例5d
先行する実施例のいずれかに関して、約1〜約99%乳酸桿菌培養物及び約99〜約1%連鎖球菌培養物の任意の数値範囲の濃度割合で好熱性細菌培養物を存在させてよい。ダイズ組成物に添加される好熱性細菌培養物の量は、候補となる他の要因の中で特に、最終産物の所望の酸性度、発酵温度、及びサワークリーム最終産物の所望の味、質感及び/又は粘性に依存するかもしれない。
【0070】
好熱性細菌培養物の種類は、ダイズ成分である出発材料又は、ダイズ培養ベースの所望の発酵効果の要件にしたがって変更することができる。連鎖球菌培養物は、非限定的に、ストレプトコッカス・サーモフィルスを含むことができる。乳酸桿菌培養物は、非限定的に、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ラクティス、ラクトバチルス・デルブリッキ、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバチルス・プランタルム及び/又はそれの組み合わせを含む。
【0071】
実施例5e
先行する実施例のいずれかに関して、脂肪成分を加えずに(すなわち上記実施例1又は3の工程(2)に記載のナタネ油を含まずに)ダイズ培養ベースを製造する。
【0072】
実施例6a
実施例2及び/又は4に関して、得られるダイズサワークリーム製品において所望の脂肪含量に応じて、ダイズサワークリーム組成物の製造に利用される水及び安定剤成分の量を変更してよい。当業者に周知であるように、減少した脂肪含量が所望であれば、得られる減脂肪又は低脂肪ダイズサワークリーム組成物において必要とされる所望の質感、粘性及び室温安定性を提供するために十分な量の水及び安定剤濃度を提供してよい。
【0073】
実施例6b
実施例2、4、及び/又は6aに関して、安定剤成分は、非限定的に、ペクチン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、グアールガム、アラビアゴム、ゲランガム、ガハッチゴム、トラガカントゴム、寒天、アルギン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラゲナン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル又はそれらの組み合わせを含むことができる。特に、グアールガム、ローカストビーンガム等を使用して、天然成分を含むダイズサワークリーム組成物を提供することができる。
【0074】
実施例6c
実施例2、4、6a及び6bに関して、ダイズ培養ベースの量は、それとともに使用される脂肪成分及び/又はその製造に使用されるダイズ成分又は豆乳組成物の脂肪含量に応じて変更してよい。同様に、得られるダイズサワークリーム製品において所望の総脂肪含量に応じて、組み入れる任意の追加脂肪/油を変更してよい。
【0075】
実施例6d
先行する実施例のいずれかに関して、本発明のダイズサワークリーム組成物は室温で保存安定性であるが、ダイズサワークリーム製品の所望の最終用途に応じて、保存剤成分、例えば、抗菌又は抗真菌成分を加えてよい。当業者に周知であるように、得られるダイズサワークリーム組成物において必要とされる所望の細菌耐性を得るために十分な量の保存剤成分、例えば、ソルビン酸、安息香酸、プロピオン酸、ギ酸エチル、硝酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、及び/又は別のGRAS食品保存剤を含ませることができる。
【0076】
実施例7
実施例1fに記載されるように培養ダイズベースを製造する。ダイズ油約8.0kgをジャケット付きタンクに加え、約110〜120°F(43〜49℃)の温度に加熱する。そのダイズ油に約7.9kgの安定剤混合物を加え、混合物を十分に混合する。継続的に混合しながら、実施例1fの培養ダイズベース約44.5kgを加える。次いで、約28kgの水を加え、継続的に混合する。その混合物を約175〜約180°F(約79〜約82℃)の温度に加熱し、適切に撹拌してダイズサワークリームが焼けつかないようにする。約175〜約180°F(約79〜約82℃)の温度に達したら、サワークリームをこの温度で約5分間保持する。タンク中のダイズサワークリームに約1.6kgの天然香料を加え、十分に混合する。次いでそのサワークリームを約160〜約170°F(約71〜約77℃)に冷却する。得られたサワークリームを約2,000〜約3,000psiでホモジナイズし、その間、約160〜約170°F(約71〜約77℃)で温度を維持する。次いで2回目に約2,000〜約3,000psiで混合物を再度ホモジナイズすることができ、その間、約160〜約170°F(約71〜約77℃)で温度を維持する。次いで、そのサワークリーム組成物を160〜170°F(71〜77℃)でパッケージし、冷蔵する。得られたサワークリーム製品は約9%未満の総脂肪を含有する。これはライト酪農サワークリームに関するUSDAの要件に合致する。
【0077】
実施例8
実施例1及び/又は3に関して、当業者であれば通常既知の方法によって、得られた培養ダイズベースを凍結乾燥又は噴霧乾燥して粉末にする。これは輸送を容易にするためである。以後の処理では、その乾燥培養ダイズベースを十分な量の水で戻す。ダイズサワークリームの製造に使用するまで、得られた再構成培養ダイズベースを約40〜45°F(4〜7℃)で保存する。
【0078】
実施例9
先行する実施例のいずれかに関して、1種又はそれ以上の下記脂肪/油成分を、上記ナタネ油、ダイズ油及び/又は植物性ショートニングの代わりに用いるか、あるいはそれらと組み合わせて使用することができる:ベニバナ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、パーム油、ヤシ油、動物性脂肪(乳又はバター脂肪)又はそれらの組み合わせ、ならびに他の脂肪、油又はそれらの組み合わせ。これは当業者に周知であろう。特に、油、例えば、ベニバナ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、パーム油、ヤシ油及び/又はダイズ油を使用して、低コレステロール又はコレステロールフリーの製品を製造してよい。
【0079】
実施例10
先行する実施例のいずれかに記載のように製造された培養ダイズベースを下記液状成分と混合することができる:動物乳、穀物乳及びそれらの組み合わせ。この液状成分は培養ダイズベースの総容量の約10%〜約50%を構成することができる。
【0080】
実施例11
先行する実施例のいずれかに記載のように製造された培養ダイズベース又はダイズサワークリーム組成物を食品用の酸及び/又はその対応する酸性塩と混合して、得られるダイズサワークリーム組成物に関して所望の質感、酸性度又はpHを達成できる。
【0081】
実施例12
先行する実施例のいずれかに記載のように製造されるダイズサワークリーム組成物においては、得られたダイズサワークリーム製品を不活性化又は均質化した後にプロバイオティック培養物を加えることを含むことができる。そのプロバイオティック培養物は、非限定的に、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム、サッカロミセス・ボウラルディ及び/又はそれらの組み合わせとすることができる。栄養又は治療上の効果を有するダイズサワークリーム産物を提供するために十分な量のプロバイオティック培養物を含ませることができる。その量は当業者に周知であろう。
【0082】
実施例13a
先行する実施例のいずれかに記載のように製造されるダイズサワークリーム組成物に関して、均質化前に、ダイズ混合物に1%乳香料を加える。本実施例の香味成分は、動物又は穀物乳/飲料で通常使用される1種又はそれ以上の複数の成分とすることができる。これには、非限定的に、チョコレート、バニラ及び種々の果物香料が含まれる。このような香味成分はJeneil Biotech Inc.(Saukville, Wisconsin)から入手できる。
【0083】
実施例13b
先行する実施例のいずれかに記載のように製造されるダイズサワークリーム組成物では、香味成分、例えばチャイブ、タマネギ、ニンニク又は、種々のディップ、ドレッシング及び/又はソースで使用される他の調味料を加えることを含むことができる。
【0084】
実施例14
実施例2、4、7、13及び/又は本明細書中に記載の他の実施例で提供されるその変法に関して、当業者であれば一般的である方法によって、得られるダイズサワークリーム組成物を凍結乾燥又は噴霧乾燥して粉末にする。これは輸送及び種々の食材(例えば粉末/エネルギーバー、クラッカー又はポテトチップス)への取り込みを容易にするためである。あるいは、乾燥ダイズサワークリーム組成物を十分な量の水性媒体で戻し、使用準備が整うまで約40〜約45°F(約4〜約7℃)の温度で保存することができる(例えば、即製ディップ、ドレッシング、又はソース、例えば、ストロガノフ、スナック食品、パン製品及び関連食品で使用するための乾燥パッケージサワークリーム原料)。
【0085】
実施例15
実施例2、4、7、13及び/又は本明細書中に記載の他の実施例で提供されるその変法に関して、得られるダイズサワークリーム組成物を、放射線照射、高圧及び/又は高温滅菌及び/又は当業者に既知の任意の無菌処理技術に付して、無菌ダイズサワークリーム製品を得ることができる。例えば、好熱性細菌培養物の少なくとも一部を不活性化した後、約105℃〜約129℃の温度範囲にて、約180〜約200psiの圧力で約2〜約3秒間、ダイズサワークリーム製品を加熱滅菌することができる。この処理は、Pischkeらに付与された米国特許第4,873,094号で説明されるように行う。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性ダイズ組成物を準備し、
該ダイズ組成物を好熱性細菌を用いて発酵させ、
発酵ダイズ組成物に、少なくとも1種の油及び脂肪成分を組み合わせ、及び
該発酵ダイズ組成物を、約50%〜100%の好熱性細菌を実質的に不活性化するために十分な温度に加熱することを含むダイズサワークリーム組成物の製造方法。
【請求項2】
水性ダイズ組成物が豆乳を含む請求項1の方法。
【請求項3】
水性ダイズ組成物が、水、乾燥全粒ダイズ粒及び少なくとも1種の食品用の酸及び該酸の塩を含む請求項1の方法。
【請求項4】
さらに、脂肪成分を、水性ダイズ組成物を組み合わせ、約2,000psiを超える圧力で該ダイズ組成物を処理することを含む請求項1の方法。
【請求項5】
発酵ダイズ組成物を、発酵を実質的に停止させるために十分な、少なくとも1通りの時間及び温度で加熱する請求項1の方法。
【請求項6】
発酵ダイズ組成物を、実質的に無菌のサワークリーム組成物を提供するために十分な、少なくとも1通りの時間及び温度で加熱する請求項5の方法。
【請求項7】
さらに、発酵ダイズ組成物を、約2000psiを超える圧力で処理することを含む請求項1の方法。
【請求項8】
さらに、発酵ダイズ組成物を脱水することを含む請求項1の方法。
【請求項9】
発酵ダイズ組成物を噴霧乾燥する請求項8の方法。
【請求項10】
水を加えて、乾燥ダイズ組成物を戻すことを含む請求項8の方法。
【請求項11】
水性ダイズ組成物を準備し、
該水性ダイズ組成物を、少なくとも1種の好熱性細菌培養物を用いて発酵させ、
発酵ダイズ組成物に、少なくとも1種の油及び脂肪成分を組み合わせ、
該発酵ダイズ組成物を安定化し、及び
該発酵ダイズ組成物を、実質的に無菌のサワークリーム製品を提供するために十分な温度に加熱することを含むサワークリーム製品の製造方法。
【請求項12】
脂肪及び油成分が、動物性脂肪、植物油、植物性脂肪及びそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項11の方法。
【請求項13】
好熱性細菌培養物が、少なくとも1種の乳酸桿菌株及び少なくとも1種の連鎖球菌株を含む請求項11の方法。
【請求項14】
さらに、食品用の酸を加え、発酵ダイズ組成物のpHを調節することを含む請求項11の方法。
【請求項15】
水性ダイズ組成物を準備し、
該組成物に、少なくとも1種の好熱性細菌培養物を導入し、及び
ダイズ組成物を、該ダイズ組成物を酸性化するために十分な時間及び温度で発酵させることを含み、発酵には動物糖が実質的に存在しない、ベースダイズ組成物を製造するための好熱性細菌培養物の使用方法。
【請求項16】
さらに、発酵組成物を、サワークリームを提供するために十分な脂肪成分と組み合わせることを含む請求項15の方法。
【請求項17】
さらに、発酵ダイズ組成物を脱水することを含む請求項15の方法。
【請求項18】
ダイズ成分の発酵産物及び好熱性細菌培養物、該組成物の約9重量パーセント未満〜約30重量パーセントを超える脂肪成分及び安定剤成分を含み、約50%〜100%の前記細菌が不活性である、室温で保存安定性のダイズサワークリーム組成物。
【請求項19】
ダイズ成分が、少なくとも1種の豆乳製品、ダイズフレーク、ダイズ粉末、ダイズ粉、挽き割りダイズ、粗挽きダイズ、ダイズ濃縮物、ダイズ単離物、ダイズ豆腐及びそれらの組み合わせを含む請求項18の組成物。
【請求項20】
豆乳製品が、乾燥全粒ダイズ粒及び少なくとも1種の食品用の酸及び該酸の塩を含む請求項19の組成物。
【請求項21】
好熱性細菌培養物が、少なくとも1種の乳酸桿菌株及び少なくとも1種の連鎖球菌株を含む請求項18の組成物。
【請求項22】
好熱性細菌培養物が、約1〜約99%の乳酸桿菌属細菌及び約99〜約1%の好熱性連鎖球菌属細菌を含む請求項21の組成物。
【請求項23】
乳酸桿菌株がラクトバチルス・ブルガリカスを含み、連鎖球菌株がストレプトコッカス・サーモフィルスを含む請求項21の組成物。
【請求項24】
脂肪成分が、動物性脂肪、植物油、植物性脂肪及びそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項18の組成物。
【請求項25】
安定剤成分が、ペクチン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、グアールガム、アラビアゴム、ゲランガム、ガハッチゴム、トラガカントゴム、寒天、アルギン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラゲナン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、又はそれらの組み合わせを含む請求項18の組成物。
【請求項26】
さらに、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム、サッカロミセス・ボウラルディ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のプロバイオティック培養物を含む請求項18の組成物。
【請求項27】
酪農物、果物、野菜、香辛料、塩、天然甘味料、人工甘味料、チョコレート、バニラ又はそれらの組み合わせから選択される香味成分をさらに含む請求項18の組成物。
【請求項28】
ダイズ成分の発酵産物及び少なくとも1種の活性な好熱性細菌培養物;及び
少なくとも1種の脂肪及び油成分を含むサワークリーム組成物であって、
該サワークリーム組成物は、活性な好熱性細菌培養物が実質的に存在しないサワークリーム組成物。
【請求項29】
ダイズ成分が豆乳を含む請求項28の組成物。
【請求項30】
好熱性細菌培養物が、約1〜約99%の乳酸桿菌属細菌及び約99〜約1%の好熱性連鎖球菌属細菌を含む請求項28の組成物。
【請求項31】
サワークリーム組成物が、約1%〜約30%の脂肪及び油成分を含み、該脂肪及び油成分が、動物性脂肪、植物油、植物性脂肪及びそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項28の組成物。
【請求項32】
さらに、酪農物、果物、野菜、香辛料、塩、天然甘味料、人工甘味料、チョコレート、バニラ又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の香味成分をさらに含む請求項28の組成物。
【請求項33】
サワークリーム組成物が脱水されている請求項28の組成物。

【公表番号】特表2007−520232(P2007−520232A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552154(P2006−552154)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/002507
【国際公開番号】WO2005/076821
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(502113231)ジェニール バイオテック,インコーポレーティッド (2)
【Fターム(参考)】