説明

ダイボンダ

【課題】ボイドを低減できるダイボンダを提供する。
【解決手段】半田接合ダイボンダは、リードフレームを搬送するレール部と、リードフレーム上に半田を供給する半田供給部と、リードフレーム上で溶融した半田を攪拌する半田攪拌棒5と、半田攪拌棒5をリードフレームの表面と平行な方向に振動させることが可能な超音波振動子と、半田攪拌棒5で攪拌された半田上に半導体チップを搭載するチップマウント部とを備えている。半田攪拌棒5の先端面である半田攪拌面には、断面形状が略矩形である凹部11が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードフレームに半導体チップをマウントするダイボンダに関し、特に、リードフレームに半田を介して半導体チップを接合する半田接合ダイボンダに関する。
【背景技術】
【0002】
リードフレームを用いた半導体デバイスは、一般的に、リードフレームのランド部に半導体チップをマウントし、半導体チップ上の電極とリードを電気的に接続し、半導体チップを含む主要部分を樹脂でモールドし、樹脂パッケージから露呈したリードフレームの連結部分を切断除去し、個々に分離されて製造される。ここで、大電力用の半導体装置では、内部抵抗を小さくし、半導体チップで発生した熱をランド部に伝達し、さらに外部へ効率よく放出するために、半導体チップをリードフレームに接合する接合材として半田を用いている。
【0003】
リードフレームに半田を介して半導体チップを接合する半田接合ダイボンダとしては、図8に示すようなものがある(例えば特開2000−216174号公報(特許文献1)参照)。
【0004】
図8において、101はリードフレームである。このリードフレーム101は、ランド部と数本のリード部とが基本部となり、この基本部を複数個が連結一体化されたものである。また、上記リードフレーム101は、図示しないリードフレーム101供給部から加熱トンネル102内に搬送される。
【0005】
上記加熱トンネル102は、図示しない搬送部を備えており、搬送部によってリードフレーム101を図中左側から図中右側へステップ搬送する。また、上記加熱トンネル102内には、窒素または窒素と水素との混合ガス等の非酸化性ガスが充填されている。このような加熱トンネル102内において、リードフレーム101のマウント対象領域(ランド部の表面の領域)は加熱され、半田供給部103の下に一時停止する。
【0006】
上記半田供給部103は、リボン状半田を繰り出し供給でき、上下方向に移動することができるようになっている。この半田供給部103は、マウント対象領域に向かってリボン状半田を繰り出し、下降することによって、融点以上に加熱された半田104をマウント対象領域に接触させる。これにより、上記半田104がマウント対象領域に塗布される。上記半田104の塗布が終了すると、リードフレーム101は加熱トンネル102の搬送部によって再びステップ搬送され、マウント対象領域が半田攪拌棒105の下で一時停止する。
【0007】
上記半田攪拌棒105は、上下方向に移動することができ、自身の軸を中心に回転することができるようになっている。この半田攪拌棒105は、マウント対象領域に塗布された半田に対して下降・接触し、その半田を回転により攪拌する。このような攪拌動作により、塗布された半田の表面に形成される酸化膜の影響による接合不良等を防止する。そして、上記攪拌動作が終了すると、リードフレーム101は加熱トンネル102の搬送部によって再びステップ搬送され、マウント対象領域がチップマウント部106の下で一時停止する。
【0008】
上記チップマウント部106は、チップ吸着コレットと、上下方向、搬送方向およびこれらの方向に垂直な方向に移動するための移動部とを備えている。このチップマウント部106は、加熱トンネル102の外部に置かれた半導体チップ107を吸着し、加熱トンネル102に設けられた開口部からリードフレーム101上のマウント対象領域にチップ7を搬送し、既に攪拌された半田上に半導体チップ107を搭載する。この半導体チップ107の搭載が終了すると、リードフレーム101は加熱トンネル102の搬送部によって再びステップ搬送され、加熱トンネル102内で徐々に冷却され、半田が凝固することで接合が完了する。
【0009】
上述のようなダイボンダにおいては、半導体チップがマウントされた後の半田層の中に、大きな気泡(以下、「ボイド」と言う。)が発生するという問題があった。このようなボイドの発生は、半導体チップと半田との接合面積が低下するので、半導体チップと半田との接合強度の低下につながる。
【0010】
また、上記半導体チップが最終製品に含まれて実際の電気回路で使用されると、半導体チップの発熱により、半田層の中のボイドが膨張して、チップ剥離等のデバイス故障にもつながる。
【0011】
上記ボイドの発生の主な原因としては、以下のように考えられる。
【0012】
リードフレームに塗布された半田は、加熱トンネル内の残留酸素によって酸化されるため、半田の表面に酸化層が形成されてしまう。そうすると、上記酸化層の影響により、半田の濡れ性が悪化し、その結果、半田において半導体チップとの接合部分に合金層が形成されにくく、その接合部分にボイドが発生してしまう。
【0013】
上記酸化層の影響を回避するために、例えば、攪拌棒を軸周りに回転させて、半田を十分に攪拌することで、半田の表面に生じる酸化層の除去を行うと、半田の飛び散りや、半田の広がり状態や厚みがばらつきやすいという新たな問題が生じてしまう。
【0014】
また、上記半田の広がり状態や厚みがばらつくと、半田とチップとの間にボイドが残留するという問題も生じてしまう。
【0015】
このような問題を解決するため、特開2001−176893号公報(特許文献2)では、水平方向に対して傾斜する半田溶融アームを設け、半田供給ノズルから送り出された半田を半田溶融アームで一旦溶融し、この溶融した半田を半田溶融アームの先端からリードフレームのマウント対象領域に滑り落とすことにより、回転攪拌を用いず半田を攪拌塗布している。
【0016】
しかしながら、上記特許文献2の方法では、攪拌棒による半田を薄く広げる工程がないため、半田の広がり状態や厚みばらつき、特許文献1と同様に、ボイドの残留の問題が生じる。
【特許文献1】特開2000−216174号公報
【特許文献2】特開2001−176893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本発明の課題は、ボイドを低減できるダイボンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明のダイボンダは、
リードフレームに半導体チップを半田で接合するダイボンダであって、
上記リードフレームを搬送する搬送部と、
上記リードフレーム上に半田を供給する供給部と、
上記リードフレーム上で溶融した半田を攪拌する攪拌棒と、
上記攪拌棒を駆動する駆動部と、
上記攪拌棒で攪拌された半田上に上記半導体チップを搭載する搭載部と
を備え、
上記攪拌棒の先端面である半田攪拌面には、断面形状が略矩形である凹部が形成されていることを特徴としている。
【0019】
上記構成のダイボンダによれば、上記半田攪拌面を半田に接触させた状態で、攪拌棒を駆動部で駆動して、半田を攪拌すると、攪拌棒の先端面である半田攪拌面には、断面形状が略矩形である凹部が形成されているので、半田が凹部の形状にならって、半田の膜厚を略均一にすることができる。
【0020】
したがって、上記半田上に半導体チップを搭載した際、半田と半導体チップとの間に挟み込まれる空気を少なくすることができる。すなわち、上記半田の半導体チップ側の表面にできるボイドを低減することができる。
【0021】
また、上記攪拌棒による攪拌後の半田上に半導体チップを搭載することにより、半導体チップの傾きを防ぐことができる。
【0022】
一実施形態のダイボンダは、
上記搭載部を上記リードフレームの表面と平行な方向に振動させる搭載部用振動部を備えている。
【0023】
上記実施形態のダイボンダによれば、上記搭載部用振動部が搭載部をリードフレームの表面と平行な方向に振動させるので、半田内のボイドを低減することができる。
【0024】
一実施形態のダイボンダは、
上記駆動部は、上記攪拌棒を軸中心に回転させる回転駆動部である。
【0025】
上記実施形態のダイボンダによれば、上記回転駆動部によって攪拌棒を軸中心に回転させることにより、半田を短時間で攪拌することができる。
【0026】
一実施形態のダイボンダでは、
上記駆動部は、上記攪拌棒を上記リードフレームの表面と平行な方向に振動させる攪拌棒用振動部である。
【0027】
上記実施形態のダイボンダによれば、上記攪拌棒用振動部によって攪拌棒をリードフレームの表面と平行な方向に振動させることにより、半田を短時間で攪拌することができる。
【0028】
一実施形態のダイボンダでは、
上記半導体チップは、上記リードフレーム上の半田に接触する略矩形の接合面を有し、
上記凹部を上記攪拌棒の軸方向から見た形状は略円形であり、
上記凹部の直径は上記接合面の最長の一辺よりも長い。
【0029】
上記実施形態のダイボンダによれば、上記凹部の直径が半導体チップの略矩形の接合面の最長の一辺よりも長いので、その接合面の面積に比べ、攪拌後の半田の半導体チップ側の表面積を大きくすることができる。
【0030】
したがって、上記接合面の略全部に半田を接触させることができるので、リードフレームに半田を介して半導体チップを強固に固定することができる。
【0031】
一実施形態のダイボンダでは、
上記半導体チップは、上記リードフレーム上の半田に接触する略矩形の接合面を有し、
上記凹部を上記攪拌棒の軸方向から見た形状は、上記接合面よりも大きい略矩形である。
【0032】
上記実施形態のダイボンダによれば、上記凹部を上記攪拌棒の軸方向から見た形状は、半導体チップの略矩形の接合面よりも大きい略矩形であるので、その接合面の面積に比べ、攪拌後の半田の半導体チップ側の表面積を大きくすることができる。
【0033】
したがって、上記接合面の略全部に半田を接触させることができるので、リードフレームに半田を介して半導体チップを強固に固定することができる。
【0034】
本発明のダイボンダは、
リードフレームに半導体チップを半田で接合するダイボンダであって、
上記リードフレームを搬送する搬送部と、
上記リードフレーム上に半田を供給する供給部と、
上記リードフレーム上で溶融した半田を攪拌する攪拌棒と、
上記攪拌棒で攪拌された半田上に上記半導体チップを搭載する搭載部と、
上記搭載部を上記リードフレームの表面と平行な方向に振動させる搭載部用振動部と
を備えたことを特徴としている。
【0035】
上記構成のダイボンダによれば、上記搭載部に保持された半導体チップを半田に接触させた状態で、搭載部用振動部によって搭載部をリードフレームの表面と平行な方向に振動させる。これにより、上記半導体チップを搭載する際に半田と半導体チップとの間に挟み込まれる空気を少なくすることができる。また、それにより、上記搭載部と共に半導体チップも振動するので、半導体チップの振動が半田に伝わる。
【0036】
その結果、上記半田内のボイドを半田外に排出することができるので、半田内のボイドを低減することができる。
【0037】
一実施形態のダイボンダでは、
上記攪拌棒用振動部または上記搭載部用振動部は超音波振動子である。
【0038】
上記実施形態のダイボンダによれば、上記攪拌棒用振動部または搭載部用振動部は超音波振動子であるので、ボイドを効果的かつ迅速に低減することができる。
【0039】
一実施形態のダイボンダは、
上記リードフレーム上の半田の周囲の雰囲気を減圧する減圧部を備えている。
【0040】
上記実施形態のダイボンダによれば、上記減圧部によってリードフレーム上の半田の周囲の雰囲気を減圧した状態で、その半田の上に半導体チップを搭載することにより、半導体チップの接合面と半田との間にボイドが生じるのを防ぐことができる。
【0041】
本発明のダイボンダは、
リードフレームに半導体チップを半田で接合するダイボンダであって、
上記リードフレームを搬送する搬送部と、
上記リードフレーム上に半田を供給する供給部と、
上記リードフレーム上で溶融した半田を攪拌する攪拌棒と、
上記攪拌棒で攪拌された半田上に上記半導体チップを搭載する搭載部と、
上記リードフレーム上の半田の周囲の雰囲気を減圧する減圧部と
を備えたことを特徴としている。
【0042】
上記構成のダイボンダによれば、上記減圧部がリードフレーム上の半田の周囲の雰囲気を減圧している状態で、半田上に半導体チップを搭載すると、半田と半導体チップとの間に挟み込まれる空気を少なくすることができる。すなわち、上記半田の半導体チップ側の表面にできるボイドを低減することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明のダイボンダによれば、攪拌棒の先端面である半田攪拌面には、断面形状が略矩形である凹部が形成されているので、半田がその凹部の形状にならって、半田の膜厚を略均一にすることができる。
【0044】
したがって、上記半田上に半導体チップを搭載した際、半田と半導体チップとの間に挟み込まれる空気を少なくすることができる。すなわち、上記半田の半導体チップ側の表面にできるボイドを低減することができる。
【0045】
また、上記攪拌棒による攪拌後の半田上に半導体チップを搭載することにより、半導体チップの傾きを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明のダイボンダを図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0047】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の半田接合ダイボンダの構成を示す模式図である。なお、図1では、構成を分かり易くするため、加熱トンネル2の上壁および側壁を透明に示している。
【0048】
上記半田接合ダイボンダは、リードフレーム1を搬送するレール部10と、リードフレーム1上に半田4を供給する半田供給部3と、リードフレーム1上で溶融した半田14を攪拌する半田攪拌棒5と、半田攪拌棒5をリードフレーム1の表面と平行な方向に振動させることが可能な超音波振動子8と、半田攪拌棒5で攪拌された半田24上に半導体チップ7を搭載するチップマウント部6とを備えている。なお、上記レール部10は搬送部の一例、半田供給部3は供給部の一例、半田攪拌棒5は攪拌棒の一例、超音波振動子8は攪拌棒用振動部の一例、チップマウント部6は搭載部の一例である。
【0049】
ここで、上記リードフレーム1と平行な方向とは、リードフレーム1の上側の表面と平行な方向を意味し、図1中のXY平面と平行な方向のことである。
【0050】
上記リードフレーム1は、ランド部と数本のリード部とが基本部となり、この基本部を複数個が連結一体化されたものである。このリードフレーム1は、ダイボンダ上のリードフレーム供給部(図示せず)から加熱トンネル2内に搬送される。
【0051】
上記加熱トンネル2はレール部10を有し、このレール部10がリードフレーム1をX方向にステップ搬送する。この加熱トンネル2内には、窒素または窒素と水素の混合ガス等の非酸化性ガスが充填されている。そして、上記レール部10は加熱装置(図示せず)を内蔵しており、この加熱装置でリードフレーム1のランド部を加熱する。また、上記ランド部は、レール部10で半田供給部3の下方に搬送されて一時停止する。
【0052】
上記半田供給部3は、リボン状半田の繰り出し供給を行う供給機構と、上下方向に移動するための移動機構とを有している。この供給部供給部3は、リボン状半田を繰り出し、そのリボン状半田を溶融する。この溶融状態の半田4は、半田供給部3が−Z軸方向に移動つまり下降することにより、リードフレーム1のランド部に接触して塗布される。この半田4の塗布が終了すると、リードフレーム1はレール部10によって再びステップ搬送され、ランド部が半田攪拌棒5の下に位置すると、リードフレーム1は一時停止する。
【0053】
上記半田攪拌棒5は、上下方向(Z軸方向)および水平方向(XY軸方向)に移動するための移動機構を有している。
【0054】
上記超音波振動子8は、半田攪拌棒5に取り付けられており、半田攪拌棒5と共に上下方向および水平方向に移動する。
【0055】
図2Aは、上記半田攪拌棒5を下方から見た模式図である。また、図2Bは、上記半田攪拌棒5を側方から見た模式図である。
【0056】
上記リードフレーム1のランド部に接合する半導体チップ7の接合面の形状は2mm×2mmの正方形となっているが、半田攪拌棒5の先端面である半田攪拌面の形状は、図2Aに示すように、その接合面より少し大きい2.5mm×2.5mmの正方形となっている。
【0057】
上記半田攪拌面には、図2A,図2Bに示すように、断面形状が略矩形である凹部11が形成されている。この凹部11の下面視の形状は2.2mm×2.2mmの正方形となっている。また、上記凹部11の一部である段差面のZ軸方向の長さは50μmに設定されている。つまり、上記凹部11は深さが50μmとなるように形成されている。
【0058】
上記ランド部が半田攪拌棒5の下に搬送されると、図1に示すように、半田攪拌棒5は下降し、ランド部上の半田14に接触する。そして、上記超音波振動子8を動作させることにより、半田攪拌棒5を振動させ、半田14を攪拌する。このとき、上記超音波振動子8による半田攪拌棒5の振動方向は、図2Aに示すように、Y軸およびX軸に対して45°をなす方向に設定されている。
【0059】
このような攪拌動作により、半田14の表面に形成される酸化膜は攪拌される。これと共に、上記ランド部上に塗布された半田14が、凹部11の形状と略同じ形状に成型される。このとき、上記半田供給部3で塗布された半田14の量は、凹部11内に入る量よりも多くなるように設定されているので、半田14の余剰分は半田攪拌面外に押し出される。上記半田14の攪拌が終了すると、レール部10がリードフレーム1を再びステップ搬送し、ランド部がチップマウント部6の下に位置すると、リードフレーム1は一時停止する。
【0060】
上記チップマウント部6は、チップ吸着コレットと、上下方向(Z方向)および水平方向(XY方向)に移動するための移動機構とを有している。このチップマウント部6は、加熱トンネル2の外部に置かれた半導体チップ7を吸着し、加熱トンネル2に設けられた開口部からリードフレーム1のランド部上にチップ7を搬送し、攪拌および成型された半田24上に半導体チップ7を搭載する。上記半導体チップ7の搭載が終了すると、リードフレーム1はレール部10によって再びステップ搬送され、加熱トンネル2内で徐々に冷却され、半田24が凝固することで接合が完了する。
【0061】
このようにしてダイボンドした半導体チップ7を含む半導体デバイスでは、不良率を3%程度まで下げることができた。
【0062】
上記半田攪拌棒5の代わりに、半田攪拌面が平坦である従来の半田攪拌棒を用いた場合、半導体デバイスでは、不良率が5%程度にしかできない。
【0063】
ここで、上記不良率は、下記式のボイド率が所定の一定基準を越えたもの不良として求めたものである。なお、下記式の面積はX線観察によって得た。
ボイド率=(ボイドの総面積/半導体チップの接合面の面積)×100(%)
【0064】
また、上記半田攪拌棒5で半田14を攪拌しても、半田14の飛び散りは生じなかった。
【0065】
また、上記半田攪拌棒5で半田14を攪拌することよって、半田24の厚みのバラツキを防ぐことができる。
【0066】
したがって、上記半田24上に搭載する半導体チップ7の傾きが発生するのも防ぐことができる。
【0067】
上記第1実施形態では、接合面の形状が正方形である半導体チップ7を用いたが、接合面の形状が長方形である半導体チップを用いてもよい。この場合、半田攪拌棒の半田攪拌面の凹部の下面視の形状を、上記長方形の形状と相似な形状であって上記長方形を拡大した形状することによって、半導体チップの接合面より広い範囲で半田14を攪拌して、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0068】
上記第1実施形態では、半田攪拌面に形成する段差面のZ方向の長さを50μmにしていたが、半田攪拌面に形成する段差面のZ方向の長さを20〜100μmの範囲内の長さにしてもよい。上記半田攪拌面に形成する段差面のZ方向の長さを20〜100μmの範囲内の長さにしても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0069】
上記第1実施形態では、超音波振動子8による半田攪拌棒5の振動方向をY軸およびX軸に対して45°をなす方向に設定していたが、リードフレーム1と平行な方向であればどのような方向に設定してもよい。例えば、上記超音波振動子8による半田攪拌棒5の振動方向を、X軸方向に設定してもよいし、Y軸方向に設定してもよいし、XY平面に平行でX軸に任意の角度をなす方向に設定してもよい。このような振動方向の設定であっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0070】
上記第1実施形態では、半田攪拌棒5を超音波振動子8で振動させて半田14の攪拌を行っていたが、半田攪拌棒5を移動機構で水平方向に移動させて半田14の攪拌を行ってもよい。このように、上記半田攪拌棒5を移動機構で水平方向に移動させて半田14を攪拌しても、超音波振動子8と同じように半田14を攪拌できるが、チップマウント部6を移動機構による半田14の攪拌は、超音波振動子8による半田14の攪拌よりも、攪拌に要する時間が長くなる。このため、上記超音波振動子8は半田14を短時間で攪拌できるので好ましい。
【0071】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の半田接合ダイボンダの構成を示す模式図である。なお、図3では、構成を分かり易くするため、加熱トンネル2の上壁および側壁を透明に示している。また、上記リードフレーム1および半田4は上記第1実施形態と同一である。
【0072】
上記半田接合ダイボンダは、リードフレーム1を搬送するレール部10と、リードフレーム1上に半田4を供給する半田供給部3と、リードフレーム1上で溶融した半田14を攪拌する半田攪拌棒205と、半田攪拌棒205を軸中心に回転させる回転装置12と、半田攪拌棒205で攪拌された半田24上に半導体チップ7を搭載するチップマウント部6とを備えている。なお、上記レール部10は搬送部の一例、半田供給部3は供給部の一例、半田攪拌棒205は攪拌棒の一例、回転装置12は回転駆動部の一例、チップマウント部6は搭載部の一例である。
【0073】
ここで、上記リードフレーム1と平行な方向とは、リードフレーム1の上側の表面と平行な方向を意味し、図1中のXY平面と平行な方向のことである。
【0074】
上記リードフレーム1は、上記第1実施形態と同様に、ダイボンダ上のリードフレーム供給部(図示せず)から加熱トンネル2内に搬送される。
【0075】
上記加熱トンネル2はレール部10を有し、このレール部10がリードフレーム1をX方向にステップ搬送する。この加熱トンネル2内には、窒素または窒素と水素の混合ガス等の非酸化性ガスが充填されている。そして、上記レール部10は加熱装置(図示せず)を内蔵しており、この加熱装置でリードフレーム1のランド部を加熱する。また、上記ランド部は、レール部10で半田供給部3の下方に搬送されて一時停止する。
【0076】
上記半田供給部3は、リボン状半田の繰り出し供給を行う供給機構と、上下方向に移動するための移動機構とを有している。この供給部供給部3は、リボン状半田を繰り出し、そのリボン状半田を溶融する。この溶融状態の半田4は、半田供給部3が−Z方向に移動つまり下降することにより、リードフレーム1のランド部に接触して塗布される。この半田4の塗布が終了すると、リードフレーム1はレール部10によって再びステップ搬送され、ランド部が半田攪拌棒205の下に位置すると、リードフレーム1は一時停止する。
【0077】
上記半田攪拌棒205は、上下方向(Z方向)および水平方向(XY方向)に移動するための移動機構を有している。また、上記半田攪拌棒205は自身の軸を中心に回転可能となっている。
【0078】
図4Aは、上記半田攪拌棒205を下方から見た模式図である。また、図4Bは、上記半田攪拌棒5を側方から見た模式図である。
【0079】
上記リードフレーム1のランド部に接合する半導体チップ7の接合面の形状は2mm×2mmの正方形となっているが、半田攪拌棒205の先端面である半田攪拌面の形状は、図4Aに示すように、直径3.5mmの円となっている。この円の直径は半導体チップ7の接合面の対角線より長くなっている。
【0080】
上記半田攪拌面には、図4A,図4Bに示すように、断面形状が略矩形である凹部211が形成されている。この凹部211の下面視の形状は直径3.0mmの円となっている。この円の直径は半導体チップ7の接合面の対角線より長くなっている。また、上記凹部211の一部である段差面のZ方向の長さは50μmに設定されている。つまり、上記凹部211は深さが50μmとなるように形成されている。
【0081】
上記ランド部が半田攪拌棒205の下に搬送されると、図3に示すように、半田攪拌棒205は下降し、ランド部上の半田14に接触する。そして、上記回転装置205が半田攪拌棒205を軸中心に回転させることにより、半田14を攪拌する。
【0082】
このような攪拌動作により、半田14の表面に形成される酸化膜は攪拌される。これと共に、上記ランド部上に塗布された半田14が、凹部211の形状と略同じ形状に成型される。このとき、上記半田供給部3で塗布された半田14の量は、凹部211内に入る量よりも多くなるように設定されているので、半田14の余剰分は半田攪拌面外に押し出される。上記半田14の攪拌が終了すると、レール部10がリードフレーム1を再びステップ搬送し、ランド部がチップマウント部6の下に位置すると、リードフレーム1は一時停止する。
【0083】
上記チップマウント部6は、チップ吸着コレットと、上下方向(Z方向)および水平方向(XY方向)に移動するための移動機構とを有している。また、上記チップマウント部6には超音波振動子8が取り付けられている。このチップマウント部6は、加熱トンネル2の外部に置かれた半導体チップ7を吸着し、加熱トンネル2に設けられた開口部からリードフレーム1のランド部上にチップ7を搬送し、攪拌および成型された半田224上に半導体チップ7を搭載する。このとき、上記超音波振動子8の動作により再び半田が攪拌されながら半導体チップ7はマウントされる。なお、上記超音波振動子8は搭載部用振動部の一例である。
【0084】
図5Aは、上記半導体チップ7を吸着したチップマウント部6を下方から見た模式図である。また、図5Bは、上記半導体チップ7を吸着したチップマウント部6を側方から見た模式図である。
【0085】
上記超音波振動子8によるチップマウント部6の振動方向は、図5Aに示すように、Y軸およびX軸に対して45°をなす方向に設定されている。なお、図5Aの13は凹部である。
【0086】
上記半導体チップ7の搭載が終了すると、リードフレーム1はレール部10によって再びステップ搬送され、加熱トンネル2内で徐々に冷却され、半田24が凝固することで接合が完了する。
【0087】
このようにしてダイボンドした半導体チップ7を含む半導体デバイスでは、不良率を2%程度まで下げることができた。
【0088】
上記半田攪拌棒5の代わりに、半田攪拌面が平坦である従来の半田攪拌棒を用い、かつ、超音波振動子8が取り付けられていないチップマウント部を用いた場合、半導体デバイスでは、不良率が5%程度にしかできない。
【0089】
ここで、上記不良率は、上記第1実施形態と同様に求めたものである。
【0090】
また、上記半田攪拌棒205で半田14を攪拌しても、半田14の飛び散りは生じなかった。
【0091】
また、上記半田攪拌棒205で半田14を攪拌することよって、半田224の厚みのバラツキを防ぐことができる。
【0092】
したがって、上記半田224上に搭載する半導体チップ7の傾きが発生するのも防ぐことができる。
【0093】
上記第2実施形態では、接合面の形状が正方形である半導体チップ7を用いたが、接合面の形状が長方形である半導体チップを用いてもよい。この場合、半田攪拌棒の半田攪拌面の凹部の下面視の形状を円とし、この円の直径を上記長方形の対角線より長くする。これにより、上記半導体チップの接合面より広い範囲で半田14を攪拌して、上記第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0094】
上記第2実施形態では、半田攪拌面に形成する段差面のZ方向の長さを50μmにしていたが、半田攪拌面に形成する段差面のZ方向の長さを20〜100μmの範囲内の長さにしてもよい。上記半田攪拌面に形成する段差面のZ方向の長さを20〜100μmの範囲内の長さにしても、上記第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0095】
上記第2実施形態では、超音波振動子8によるチップマウント部6の振動方向をY軸およびX軸に対して45°をなす方向に設定していたが、リードフレーム1と平行な方向であればどのような方向に設定してもよい。例えば、上記超音波振動子8によるチップマウント部6の振動方向を、X軸方向に設定してもよいし、Y軸方向に設定してもよいし、XY平面に平行でX軸に任意の角度をなす方向に設定してもよい。このような振動方向の設定であっても、上記第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0096】
上記第2実施形態では、チップマウント部6を超音波振動子8で振動させて半田224の攪拌を行っていたが、チップマウント部6を移動機構で水平方向に移動させて半田224の攪拌を行ってもよい。このように、上記チップマウント部6を移動機構で水平方向に移動させて半田224を攪拌しても、超音波振動子8と同じように半田224を攪拌できるが、チップマウント部6を移動機構による半田224の攪拌は、超音波振動子8による半田224の攪拌よりも、攪拌に要する時間が長くなる。このため、上記超音波振動子8は半田224を短時間で攪拌できるので好ましい。
【0097】
上記第2実施形態において、半田攪拌棒205の代わりに、先端面の半田攪拌面が平坦になっている半田攪拌棒を用いてもよい。この半田攪拌棒を用いる場合、半田接合ダイボンダは、半田攪拌棒を軸中心に回転させる回転装置を備えてもよいし、あるいは、半田攪拌棒をリードフレーム1の表面と平行な方向に振動させることが可能な超音波振動子を備えてもよい。
【0098】
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態の半田接合ダイボンダの構成を示す模式図である。なお、図6では、構成を分かり易くするため、加熱トンネル2の上壁および側壁を透明に示している。また、上記リードフレーム1および半田4は上記第1実施形態と同一である。
【0099】
上記半田接合ダイボンダは、リードフレーム1を搬送するレール部10と、リードフレーム1上に半田4を供給する半田供給部3と、リードフレーム1上で溶融した半田14を攪拌する半田攪拌棒5と、半田攪拌棒5をリードフレーム1の表面と平行な方向に振動させることが可能な超音波振動子8と、リードフレーム1上で溶融した半田14の周囲の雰囲気を減圧する減圧装置9(図7参照)と、半田攪拌棒5で攪拌された半田24上に半導体チップ7を搭載するチップマウント部6とを備えている。なお、上記レール部10は搬送部の一例、半田供給部3は供給部の一例、半田攪拌棒5は攪拌棒の一例、超音波振動子8は攪拌棒用振動部の一例、減圧装置9は減圧部の一例、チップマウント部6は搭載部の一例である。
【0100】
ここで、上記リードフレーム1と平行な方向とは、リードフレーム1の上側の表面と平行な方向を意味し、図1中のXY平面と平行な方向のことである。
【0101】
上記リードフレーム1は、ダイボンダ上のリードフレーム供給部(図示せず)から加熱トンネル2内に搬送される。
【0102】
上記加熱トンネル2はレール部10を有し、このレール部10がリードフレーム1をX方向にステップ搬送する。この加熱トンネル2内には、窒素または窒素と水素の混合ガス等の非酸化性ガスが充填されている。そして、上記レール部10は加熱装置(図示せず)を内蔵しており、この加熱装置でリードフレーム1のランド部を加熱する。また、上記ランド部は、レール部10で半田供給部3の下方に搬送されて一時停止する。
【0103】
上記半田供給部3は、リボン状半田の繰り出し供給を行う供給機構と、上下方向に移動するための移動機構とを有している。この供給部供給部3は、リボン状半田を繰り出し、そのリボン状半田を溶融する。この溶融状態の半田4は、半田供給部3が−Z軸方向に移動つまり下降することにより、リードフレーム1のランド部に接触して塗布される。この半田4の塗布が終了すると、リードフレーム1はレール部10によって再びステップ搬送され、ランド部が半田攪拌棒5の下に位置すると、リードフレーム1は一時停止する。
【0104】
上記半田攪拌棒5は、上下方向(Z軸方向)および水平方向(XY軸方向)に移動するための移動機構を有している。
【0105】
上記超音波振動子8は、半田攪拌棒5に取り付けられており、半田攪拌棒5と共に上下方向および水平方向に移動する。
【0106】
上記半田攪拌棒5は、上記第1実施形態の半田攪拌棒5と同じ形状と、上記第1実施形態の半田攪拌棒5と同様の移動機構とを有し、上記第1実施形態の半田攪拌棒5と同様の動作により半田攪拌を行う。
【0107】
上記半田攪拌棒5による半田攪拌が終了すると、レール部10がリードフレーム1を再びステップ搬送し、ランド部が筒形状の減圧部9の下に位置すると、リードフレーム1は一時停止する。
【0108】
図7は上記減圧部9の模式断面図である。
【0109】
上記減圧部9内にはチップマウント部6が配置されている。このチップマウント部6は、チップ吸着コレットと、上下方向(Z方向)および水平方向(XY方向)に移動するための移動機構とを有して、減圧部9とは独立に上下方向および水平方向に移動できる。また、上記減圧部9も、チップマウント部6とは独立に上下方向および水平方向に移動できる。
【0110】
上記チップマウント部6は、加熱トンネル2の外部に置かれた半導体チップ7を吸着し、加熱トンネル2に設けられた開口部からリードフレーム1のランド部上にチップ7を搬送し、攪拌および成型された半田24上に半導体チップ7を搭載する。
【0111】
上記チップマウント部6が半導体チップ7を吸着する際には、その半導体チップ7近傍に置かれた他の半導体チップとの干渉を避けるために、減圧容器9はチップ吸着コレットの吸着面より上に退避する。
【0112】
そして、上記リードフレーム1のランド部上に半導体チップ7をマウントする際、減圧容器9が下降動作し、底面がリードフレーム1に接触する。その後、上記減圧容器9内の空気を、真空ポンプ等からなる減圧装置(図示せず)により排気して、減圧容器9内の気圧を一定の圧力以下とする。そして、上記半導体チップ7を吸着したチップマウント部6が減圧容器9とは独立に下降し、攪拌および成型された半田24上に半導体チップ7を搭載する。その後、チップマウント部6の真空吸着を中止、窒素導入により半導体チップ7を解放し、減圧容器9内に窒素を導入し、チップマウント部6および減圧容器9を共に上昇させて、リードフレーム1のランド部への半導体チップ7の搭載が終了する。
【0113】
上記半導体チップ7の搭載が終了すると、リードフレーム1はレール部10によって再びステップ搬送され、加熱トンネル2内で徐々に冷却され、半田24が凝固することで接合が完了する。
【0114】
このようにしてダイボンドした半導体チップ7を含む半導体デバイスでは、不良率を2%程度まで下げることができた。
【0115】
上記半田攪拌棒5の代わりに、半田攪拌面が平坦である従来の半田攪拌棒を用い、かつ、減圧部9を用いない場合、半導体デバイスでは、不良率が5%程度にしかできない。
【0116】
ここで、上記不良率は、上記第1実施形態と同様に求めたものである。
【0117】
また、上記半田攪拌棒205で半田14を攪拌しても、半田14の飛び散りは生じなかった。
【0118】
また、上記半田攪拌棒5で半田14を攪拌することよって、半田24の厚みのバラツキを防ぐことができる。
【0119】
したがって、上記半田24上に搭載する半導体チップ7の傾きが発生するのも防ぐことができる。
【0120】
上記第3実施形態においても、上記第1,第2実施形態に記載した変形は行える。つまり、上記第1〜第3実施形態を適宜組み合わせたものを本発明の一実施形態としてもよい。例えば、上記第1実施形態のチップマウント部6に第2実施形態の超音波振動子8を取り付けてもよい。
【0121】
上記第3実施形態において、半田攪拌棒5の代わりに、先端面の半田攪拌面が平坦になっている半田攪拌棒を用いてもよい。この半田攪拌棒を用いる場合、半田接合ダイボンダは、半田攪拌棒を軸中心に回転させる回転装置を備えてもよいし、あるいは、半田攪拌棒をリードフレーム1の表面と平行な方向に振動させることが可能な超音波振動子を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の半田接合ダイボンダの模式構成図である。
【図2A】図2Aは上記第1実施形態の半田接合ダイボンダの半田攪拌棒の模式下面図である。
【図2B】図2Bは上記第1実施形態の半田接合ダイボンダの半田攪拌棒の模式側面図である。
【図3】図3は本発明の第2実施形態の半田接合ダイボンダの模式構成図である。
【図4A】図4Aは上記第2実施形態の半田接合ダイボンダの半田攪拌棒の模式下面図である。
【図4B】図4Bは上記第2実施形態の半田接合ダイボンダの半田攪拌棒の模式側面図である。
【図5A】図5Aは上記第2実施形態の半田接合ダイボンダのチップマウント部の模式下面図である。
【図5B】図5Bは上記第2実施形態の半田接合ダイボンダのチップマウント部の模式側面図である。
【図6】図6は本発明の第3実施形態の半田接合ダイボンダの模式構成図である。
【図7】図7は上記第3実施形態の半田接合ダイボンダの減圧部の模式断面図である。
【図8】図8は従来の半田接合ダイボンダの模式構成図である。
【符号の説明】
【0123】
1…リードフレーム
2…加熱トンネル
3…半田供給部
4,14,24,224…半田
5,205…半田攪拌棒
6…チップマウント部
7…半導体チップ
8…超音波振動子
9…減圧装置
10…レール部
11,211…凹部
12…回転装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードフレームに半導体チップを半田で接合するダイボンダであって、
上記リードフレームを搬送する搬送部と、
上記リードフレーム上に半田を供給する供給部と、
上記リードフレーム上で溶融した半田を攪拌する攪拌棒と、
上記攪拌棒を駆動する駆動部と、
上記攪拌棒で攪拌された半田上に上記半導体チップを搭載する搭載部と
を備え、
上記攪拌棒の先端面である半田攪拌面には、断面形状が略矩形である凹部が形成されていることを特徴とするダイボンダ。
【請求項2】
請求項1に記載のダイボンダにおいて、
上記搭載部を上記リードフレームの表面と平行な方向に振動させる搭載部用振動部を備えたことを特徴とするダイボンダ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のダイボンダにおいて、
上記駆動部は、上記攪拌棒を軸中心に回転させる回転駆動部であることを特徴とするダイボンダ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のダイボンダにおいて、
上記駆動部は、上記攪拌棒を上記リードフレームの表面と平行な方向に振動させる攪拌棒用振動部であることを特徴とするダイボンダ。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一つに記載のダイボンダにおいて、
上記半導体チップは、上記リードフレーム上の半田に接触する略矩形の接合面を有し、
上記凹部を上記攪拌棒の軸方向から見た形状は略円形であり、
上記凹部の直径は上記接合面の最長の一辺よりも長いことを特徴とするダイボンダ。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一つに記載のダイボンダにおいて、
上記半導体チップは、上記リードフレーム上の半田に接触する略矩形の接合面を有し、
上記凹部を上記攪拌棒の軸方向から見た形状は、上記接合面よりも大きい略矩形であることを特徴とするダイボンダ。
【請求項7】
リードフレームに半導体チップを半田で接合するダイボンダであって、
上記リードフレームを搬送する搬送部と、
上記リードフレーム上に半田を供給する供給部と、
上記リードフレーム上で溶融した半田を攪拌する攪拌棒と、
上記攪拌棒で攪拌された半田上に上記半導体チップを搭載する搭載部と、
上記搭載部を上記リードフレームの表面と平行な方向に振動させる搭載部用振動部と
を備えたことを特徴とするダイボンダ。
【請求項8】
請求項3、6、7のうちのいずれか一つに記載のダイボンダにおいて、
上記攪拌棒用振動部または上記搭載部用振動部は超音波振動子であることを特徴とするダイボンダ。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載のダイボンダにおいて、
上記リードフレーム上の半田の周囲の雰囲気を減圧する減圧部を備えたことを特徴とするダイボンダ。
【請求項10】
リードフレームに半導体チップを半田で接合するダイボンダであって、
上記リードフレームを搬送する搬送部と、
上記リードフレーム上に半田を供給する供給部と、
上記リードフレーム上で溶融した半田を攪拌する攪拌棒と、
上記攪拌棒で攪拌された半田上に上記半導体チップを搭載する搭載部と、
上記リードフレーム上の半田の周囲の雰囲気を減圧する減圧部と
を備えたことを特徴とするダイボンダ。

【図2A】
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【図2B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図7】
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【図1】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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