説明

ダイヤフラムポンプ

【課題】吐出筒部及び吸込筒部を所望の位置に形成可能なダイヤフラムポンプを提供する。
【解決手段】複数のポンプ室20の膨縮によりポンプ動作を行なうダイヤフラムポンプであって、流体を吸い込む吸込筒部31と流体を吐出する吐出筒部32とを一体状に形成した外蓋体3と、外蓋体3の蓋裏面3bに密着すると共に複数の吸込用貫孔41及び吐出用貫孔42を有する板状のパッキン部材4と、パッキン部材4に表面5aが密着する中蓋体5と、を備え、外蓋体3の蓋裏面3b側にパッキン部材4の吸込用貫孔41を介して各ポンプ室20と連通する共通吸込路30を凹設し、中蓋体5の裏面5b側に、ポンプ室20から排出される吐出流体が合流すると共にパッキン部材4の吐出用貫孔42を介して吐出筒部32に流体を送流する共通吐出路50を凹設している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤフラムポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダイヤフラムポンプは、特許文献1記載のように、ポンプの中心軸廻りに複数のダイヤフラムを配設し、一部がダイヤフラムによって囲まれるポンプ室を膨縮させることで、ポンプ動作を行なうダイヤフラムポンプが知られている。
【特許文献1】特開2002−89452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ダイヤプラムポンプは、自動血圧計や食器洗浄機等(取付相手)のポンプ部品として内蔵されている。しかし、取付相手等の機器を設計する者は、ダイヤフラムポンプの吐出筒部や吸込筒部の位置を予め考慮して設計する必要があり、自由な設計が困難であった。
つまり、取付相手の小型化や多種多様化が望まれるなかで、吐出筒部及び吸込筒部の位置が様々なダイヤフラムポンプが望まれている。
ところが、ダイヤフラムポンプの流体を排出するための吐出筒部や流体を吸い込むための吸込筒部の位置は、吸込弁や吐出弁の位置及び吸込流路や吐出流路の位置の関係を考える必要があるため容易に位置変更できず、取付相手側との設計の自由度が低いものであった。
【0004】
そこで、本発明は、吐出筒部及び吸込筒部の位置を容易に変更可能なダイヤフラムポンプの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のダイヤフラムポンプは、複数のポンプ室の膨縮によりポンプ動作を行なうダイヤフラムポンプに於て、流体を吸い込む吸込筒部と流体を吐出する吐出筒部とを一体状に形成した外蓋体と、該外蓋体の蓋裏面に密着すると共に複数の吸込用貫孔及び吐出用貫孔を有する板状のパッキン部材と、該パッキン部材に表面が密着する中蓋体と、を備え、上記外蓋体は、上記蓋裏面側に上記パッキン部材の上記吸込用貫孔を介して上記各ポンプ室と連通する共通吸込路が凹設され、上記中蓋体は、裏面側に、上記ポンプ室から排出される吐出流体が合流すると共に上記パッキン部材の上記吐出用貫孔を介して上記吐出筒部に流体を送流する共通吐出路が凹設されたものである。
【0006】
また、上記パッキン部材は、上記外蓋体と上記中蓋体に挟着されて、吸込流路と吐出流路とを密封状に遮断するシール用肉厚を有するものである。
また、上記吐出筒部をポンプ中心軸心から偏心させた位置に配設したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のダイヤフラムポンプによれば、外蓋体の交換によって様々な取付相手に対応して吸込筒部及び吐出筒部の位置変更が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1は本発明の第1の実施の形態である。図2は分解斜視図である。1は、電気モータ等のアクチュエータ2の回転軸2aに取着され、回転軸2aの回転によって複数のポンプ室20を膨縮させてポンプ動作を行なう円柱状のダイヤフラムポンプ本体である。
【0009】
ポンプ本体1は、液体や気体等の流体を内部に吸い込む吸込筒部31と流体を外部に吐出する吐出筒部32とを一体状に形成した外蓋体3と、外蓋体3の蓋裏面3bに密着すると共にポンプ室20と同数の吸込用貫孔41及び1つの吐出用貫孔42を有するパッキン部材4と、パッキン部材4に表面5aが密着する中蓋体5と、中蓋体5の裏面5b側に形成される円筒状の弁座51に取着される傘状の弁体6と、各ポンプ室20を各弁座51共に形成する複数の碗型のダイヤフラム70が横膜状のパッキン部71によって一体に連結されたダイヤフラム集合体7と、ダイヤフラム集合体7のパッキン部71を中蓋体5と共働きして挟持する支持体8と、を備えている。
【0010】
ダイヤフラム集合体7は、ポンプ中心軸心L0 廻りに120度間隔で等分に配設された3つの碗型ダイヤフラム70を、ポンプ中心軸心L0 に直交する面膜状のパッキン部71によって一体状に連結している。ダイヤフラム70の一部を構成する短円筒状膜弁体72を軸心一方向(矢印Lの方向)に突設している。また、パッキン部71の外周縁に、軸心一方向に突出した段差状のシール縁部73を設けている。また、各ダイヤフラム70は、軸心一方向とは反対方向に突出し、往復運動によってダイヤフラム70を膨縮(膨張・圧縮)可能な駆動部74を各々有している。
【0011】
図1と図2及び外蓋体3の底面図を示す図3に於て、外蓋体3は、蓋表面3aに、吸込筒部31と吐出筒部32とが突設されている。
蓋裏面3b側には、パッキン部材4の各吸込用貫孔41を介して各ポンプ室20と連通する共通吸込路30が、凹設されている。
【0012】
蓋裏面3b側は、吸込筒部31の貫孔31aと吐出筒部32の貫通孔32aとが蓋裏面3b側で連通するのを阻止するように吐出筒部32の貫通孔32aを包囲する円環状の遮断壁33を形成している。また、外部と吸込筒部31の貫孔31aとが連通するのを防止する外周壁34を外周縁部に形成している。つまり、遮断壁33と外周壁34とに囲まれた凹部をパッキン部材4を介して各ポンプ室20と連通する共通吸込路30としている。
【0013】
図1と図2及び中蓋体5の背面図を示す図5に於て、中蓋体5は、吐出筒部32の貫通孔32aと同軸心状の吐出孔52が貫設されている。吐出孔52は、中蓋体5の表面5a側と裏面5b側を連通させている。
裏面5b側に、ポンプ室20から排出される吐出流体が合流すると共に吐出孔52及びパッキン部材4の吐出用貫孔42を介して吐出筒部32の貫通孔32aに流体を送流する共通吐出路50が凹設している。また、共通吐出路50の底部50aから、軸心一方向とは反対側方向に突出した短円筒状の弁座51が3つ形成されている。
表面5a側には、裏面5b側の各弁座部51に同心状かつパッキン部材4の各吸込用貫孔41を介して吸込筒部31からの吸込流体が送流される吸込室54が形成されている。
【0014】
弁座51は、ポンプ中心軸心L0 廻りに120度等間隔で3つ配設されている。ポンプ中心軸心L0 に直交面状の先端壁部51aの先端面を裏面5bと同一面状に形成している。先端壁部51aには取付孔55を介して傘状の弁体6が取着されている。先端壁部51aには、傘状の弁体6の近傍に、吸込室54の吸込流体をポンプ室20内へ送流可能にする吸込孔53が貫設されている。吸込孔53は、弁体6が先端壁部51aの先端面から接触離間することによって、開閉自在となるように配設されている。また、円筒外周面51bは、各ダイヤフラム70の円筒状膜弁体72が密着分離自在に覆うように形成されている。
【0015】
つまり、ポンプ本体1内は、弁座51とダイヤフラム70で囲んだポンプ室20をポンプ中心軸心L0 廻りに120度等間隔で3つ形成している。先端壁部51aの先端面と弁体6とからなる吸込弁23を形成している。円筒外周面51bと膜弁体72とからなる吐出弁24を形成している。
また、中蓋体5の裏面5b側に、吸込弁23と吐出弁24とを設けることで、外蓋体3側は、弁部等の動作部(機構部)が存在しない簡易な形状となっている。
【0016】
また、ポンプ室20に、吸込筒部31の貫孔31a、共通吸込路30、吸込用貫孔41、吸込室54、吸込孔53を順次通過した吸込流体が吸込弁23を介して流入するように設けている。つまり、外部からポンプ室20まで流体が送流する(吸込筒部31の貫孔31a、共通吸込路30、吸込用貫孔41、吸込室54、吸込孔53からなる)吸込流路21を形成している。
また、ポンプ室20から吐出弁24を介して排出された吐出流体を、共通吐出路50、吐出孔52、吐出用貫孔42、吐出筒部32の貫通孔32aと順次通過して吐出させるように設けている。つまり、ポンプ室20から外部まで流体が送流する(共通吐出路50、吐出孔52、吐出用貫孔42、吐出筒部32の貫通孔32aからなる)吐出流路22を形成している。
【0017】
図4はパッキン部材4であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。パッキン部材4は、ポンプ中心軸L0 廻りに120度等間隔で配設された3つの吸込用貫孔41と、吐出筒部32と同軸心状に配設された1つの吐出用貫孔42と、を有している。
また、外部からポンプ室20まで流体が送流する吸込流路21と、ポンプ室20から外部まで流体が送流する吐出流路22と、を密封状に遮断する内側のシール用肉厚部43を有している。
【0018】
パッキン部材4は、内側のシール用肉厚部43は、吐出用貫孔42と同心状かつ吐出用貫孔42の周囲を包囲するように両面側に円環壁状に形成されている。平面部の平面肉厚寸法T0 よりも内側のシール用肉厚部43の内側肉厚寸法T1 を大きく形成している。外蓋体3の遮断壁33と同心状に形成されている。
シール用肉厚部43は、外蓋体3の遮断壁33(の蓋裏面3b側)と、中蓋体5の吐出孔52の周囲の表面5aに密着して、吐出流路22を流れる吐出流体と吸込流路21を流れる吸込流体とがポンプ本体1内部で混合(混流)しないように形成している。
【0019】
また、パッキン部材4は、ポンプ本体1の外部と内部とを密封状に遮断する外側の密閉用肉厚部44を有している。パッキン部材4の平面部の平面肉厚寸法T0 よりも外側の密閉用肉厚部44の外側肉厚寸法T2 を大きく形成している。また、外側肉厚寸法T2 は、内側肉厚寸法T1 と同等の大きさに形成している。
【0020】
また、支持体8とアクチュエータ2の間に円筒状の駆動部ケーシング9を設け、駆動部ケーシング9の内部に、アクチュエータ2の回転軸2aの回転軸心L2 から偏心した位置に配設され、傾斜状に回転軸2aに取着されるクランク軸10を備えている。また、クランク軸10に取着され各ダイヤフラム70の駆動部74に接続された揺動板11を備えている。
揺動板11は、回転軸2aの回転に伴って、各ダイヤフラム70の駆動部74を往復運動させ、ポンプ室20を膨縮してポンプ作動させるものである。また、ポンプ本体1は、揺動板11や回転軸2aに流体が接触しないように、流体を送流可能なため、液体及び気体に使用可能な流体用である。
【0021】
また、ネジ部材12を外蓋体3と中蓋体5と支持体8とに順次挿通し、駆動ケーシング9に螺着することで、パッキン部材4を外蓋体3と中蓋体5とで挟着し、密封状に連結している。ダイヤフラム集合体7のパッキン部71を中蓋体5と支持体8で挟着して、ダイヤフラム集合体7を支持すると共に、中蓋体5と支持体8を密封状に連結している。外蓋体3と中蓋体5と支持体8を串挿し状に取着している。
また、ネジ部材12を取り外すことで、軸心一方向に外蓋体3、パッキン部材4、中蓋体5を、順次取り外すことが可能となっている。
【0022】
上述した本発明のダイヤフラムポンプの使用方法(作用)について説明する。
ポンプ本体1は、回転軸2aが回転することで、クランク軸10が、回転軸心L2 を中心として周回する。クランク軸10に取着される揺動板11が各ダイヤフラム70に設けられた駆動部74を順次往復運動させ、各ポンプ室20を順次膨縮させる。
ポンプ室20がダイヤフラム70によって圧縮されることで、膜弁体72が弁座51の円筒外周面15bからポンプ室20の内圧により離間し、ポンプ室20から吐出弁24を介して流体が各ポンプ室20から吐出流路22を介して外部に排出される。吸込弁23は、ポンプ室20からの内圧により吸込孔53を閉鎖し吸込流路21からの流体の侵入及び排出を防ぐ。
ポンプ室20がダイヤフラム70によって膨張することで、内部が負圧となり、吸込弁23が吸込孔53を開口し、吸込流路21から流体をポンプ室20に流入させる。膜弁体72は、ポンプ室20の負圧により弁座51の円筒外周面51bに密着し、吐出流路22からの流体の排出及び逆流を防ぐ。
【0023】
ポンプ室20の膨張により、吸込筒部31から吸い込まれた吸込流体は、吸込筒部31の貫孔31a、共通吸込路30、吸込用貫孔41、吸込室54、吸込孔53を順次送流してポンプ室20に流入する。
ポンプ室20の収縮により、ポンプ室20から吐出した吐出流体は、共通吐出路50、吐出孔52、吐出用貫孔42、吐出筒部32の貫通孔32aを順次送流して外部に排出される。
ポンプ室20の膨縮により吸込筒部31から流体を吸い込んで吐出筒部32から排出するポンプ動作を行なう。
【0024】
外蓋体3の蓋裏面3b側には、吸込流体と吐出流体が送流されているが、外蓋体3の遮断壁33によって、混流することなく仕切られている。
【0025】
また、吸込流体はパッキン部材4の吸込用貫孔41を介して中蓋体5側に流れ、吐出流体は、中蓋体5側からパッキン部材4の吐出用貫孔42を介して吐出筒部32へ送流される。パッキン部材4の両面(表裏面)で吐出用貫孔42を包囲するシール用肉厚部43が吸込流路21と吐出流路22とを密封状に遮断し、吸込流体と吐出流体とが混流することなく、外蓋体3と中蓋体5との間を流れる。
【0026】
また、吸込流体は、外蓋体3からパッキン部材4の吸込用貫孔41を介して中蓋体5の表面5a側から凹設された吸込室54に流れる。つまり、吸込流体は、中蓋体5の表面5a側を流れる。
吐出流体は、中蓋体5の裏面5b側から凹設された共通吐出路50から、吐出孔52と、パッキン部材4の吐出用貫孔42と、を介して外蓋体3に流れる。つまり、吐出流体は、中蓋体5の裏面5b側を流れる。
吸込流体は、吸込弁23を介して中蓋体5の表面5a側からポンプ室20に流入し、ポンプ室20から吐出弁24を介して中蓋体5の裏面5b側に吐出して吐出流体となる。吸込流体及び吐出流体は吸込弁23及び吐出弁24によって混流することなく中蓋体5の表面5a側と裏面5b側に区切られて(遮断されて)流れる。
【0027】
ここで、吸込筒部31の貫孔31aが共通吸込路30と連通する位置であれば、吸込筒部31は、軸心一方向に突設されるだけでなく、ポンプ中心軸心L0 のラジアル外方向等様々な方向や位置で突設できる。即ち、共通吸込路30は、吸込筒部31の配設可能位置を広くし配設位置の自由度を高める。
【0028】
例えば、吸込筒部31が様々な位置に配設された多種類の外蓋体3を形成しておけば、外蓋体3のみを交換するだけで、吸込筒部31が様々な位置に配設されたダイヤフラムポンプとすることができる。
即ち、外蓋体3の交換或いは吸込筒部31の位置変更で、ダイヤフラム集合体7や中蓋体5等を設計変更せずに吸込方向や位置変更を容易にする。
【0029】
また、取付相手の配管位置等の理由により、吐出筒部32がポンプ中心軸心L0 から偏心した位置に望まれている場合では、図6に示す外蓋体3の別の一例のように、吐出筒部32を所望の位置に設ければ良い。そして、図7に示すように、パッキン部材4の吐出用貫孔42を吐出筒部32の貫通孔32aと同心状に配設し、図8に示すように、中蓋体5の吐出孔52を吐出用貫孔42と同心状に配設すれば良い。また、予め、多種類の偏心用の外蓋体3と偏心用のパッキン部材4及び偏心用の中蓋体5を製作しておけば、使用者の希望にあった吐出筒部32の位置のダイヤフラムポンプを迅速かつ容易に製造(提供)できる。
即ち、ダイヤフラム集合体7や弁座51や弁体6等の設計変更が容易でない部材や箇所を変更させることなく、吐出筒部32の位置変更を容易にする。
【0030】
次に、図9に第2の実施の形態の要部側面断面図を示す。吐出筒部32の貫通孔32aと、吐出用貫孔42と、吐出孔52と、を同心状に配設し、さらに、ポンプ中心軸心L0 から偏心させた位置で共通吐出路50と連通させているものである。
図6に示すように、外蓋体3の吐出筒部32をポンプ中心軸心L0 から偏心した位置に設けたものである。また、遮断壁33と外周壁34とが連結している。
また、図7に示すように、ポンプ中心軸心L0 から偏心した位置に、パッキン部材4の吐出用貫孔42を吐出筒部32の貫通孔32aと同心状に配設したものである。
また、図8に示すように、ポンプ中心軸心L0 から偏心した位置で、中蓋体5の吐出孔52を吐出用貫孔42と同心状に配設したものである。
【0031】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、図7に於てシール用肉厚部43と密閉用肉厚部44とを連結したような形状に設けても良い。
【0032】
以上のように、本発明は、複数のポンプ室20の膨縮によりポンプ動作を行なうダイヤフラムポンプに於て、流体を吸い込む吸込筒部31と流体を吐出する吐出筒部32とを一体状に形成した外蓋体3と、外蓋体3の蓋裏面3bに密着すると共に複数の吸込用貫孔41及び吐出用貫孔42を有する板状のパッキン部材4と、パッキン部材4に表面5aが密着する中蓋体5と、を備え、外蓋体3は、蓋裏面3b側にパッキン部材4の吸込用貫孔41を介して各ポンプ室20と連通する共通吸込路30が凹設され、中蓋体5は、裏面5b側に、ポンプ室20から排出される吐出流体が合流すると共にパッキン部材4の吐出用貫孔42を介して吐出筒部32に流体を送流する共通吐出路50が凹設されているので、吸込筒部31及び吐出筒部32の位置が相違する一揃え外蓋体3を準備し、択一的に選択して取り付ければ、吸込筒部及び吐出部の位置を容易に変更できる。様々な取付相手に対応できる。駆動ケーシング9内の駆動部に流体を送流させないので液体にも使用できる。
【0033】
また、パッキン部材4は、外蓋体3と中蓋体5に挟着されて、吸込流路21と吐出流路22とを密封状に遮断するシール用肉厚部43を有するので、外蓋体3と中蓋体5とに分離可能としながらも、確実に吸込流路21と吐出流路22とを密封遮断できる。
【0034】
また、吐出筒部32をポンプ中心軸心L0 から偏心させた位置に配設したので、様々な取付相手(被取付体)に対応できる。取付相手への配設位置等の設計の自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1の実施の形態を示す断面側面図である。
【図2】分解斜視図である。
【図3】外蓋体の底面図である。
【図4】パッキン部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】中蓋体の底面図である。
【図6】外蓋体の別の一例を示す底面図である。
【図7】パッキン部材の別の一例を示す平面図である。
【図8】中蓋体の別の一例を示す底面図である。
【図9】第2の実施の形態を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0036】
3 外蓋体
3b 蓋裏面
4 パッキン部材
5 中蓋体
5a 表面
5b 裏面
20 ポンプ室
21 吸込流路
22 吐出流路
30 共通吸込路
31 吸込筒部
32 吐出筒部
41 吸込用貫孔
42 吐出用貫孔
43 シール用肉厚部
50 共通吐出路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポンプ室(20)の膨縮によりポンプ動作を行なうダイヤフラムポンプに於て、
流体を吸い込む吸込筒部(31)と流体を吐出する吐出筒部(32)とを一体状に形成した外蓋体(3)と、該外蓋体(3)の蓋裏面(3b)に密着すると共に複数の吸込用貫孔(41)及び吐出用貫孔(42)を有する板状のパッキン部材(4)と、該パッキン部材(4)に表面(5a)が密着する中蓋体(5)と、を備え、
上記外蓋体(3)は、上記蓋裏面(3b)側に上記パッキン部材(4)の上記吸込用貫孔(41)を介して上記各ポンプ室(20)と連通する共通吸込路(30)が凹設され、
上記中蓋体(5)は、裏面(5b)側に、上記ポンプ室(20)から排出される吐出流体が合流すると共に上記パッキン部材(4)の上記吐出用貫孔(42)を介して上記吐出筒部(32)に流体を送流する共通吐出路(50)が凹設されたことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
【請求項2】
上記パッキン部材(4)は、上記外蓋体(3)と上記中蓋体(5)に挟着されて、吸込流路(21)と吐出流路(22)とを密封状に遮断するシール用肉厚部(43)を有する請求項1記載のダイヤフラムポンプ。
【請求項3】
上記吐出筒部(32)をポンプ中心軸心(L0 )から偏心させた位置に配設した請求項1又は2記載のダイヤフラムポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−19224(P2010−19224A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182593(P2008−182593)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(593057263)多田プラスチック工業株式会社 (26)
【Fターム(参考)】