ダイヤモンド粒子を伴うデンタルケア製品
この発明は、ダイヤモンド粒子を含むデンタルケア製品、特に練歯磨きに関する。ダイヤモンド粒子は、0.3μmから2.5μm、好ましくは0.5μmから2.0μm、より好ましくは0.75μmから1.5μmまでの第1のサイズ範囲内のサイズを有する。第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の量は、製品の2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下である。さらに、この発明は、歯ブラシ(1)および上記のような製品を含むパーツからなるキットに関し、その製品は練歯磨きである。歯ブラシ(1)の剛毛(2)は、ダイヤモンド粒子のような研磨粒子(3)を含んでもよい。剛毛(2)は、さらに、ダイヤモンド粒子を少なくとも一時的に保持できてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はデンタルケア製品、特に、独立請求項に従う練歯磨きならびにデンタルケア製品および/または歯ブラシを含むキットに関する。
【背景技術】
【0002】
WO2008/006725に記載されるもののような一般に公知の練歯磨きは、特に、主成分として、水、グリセリンまたはポリエチレングリコールのような基材、およびシリカ、アルミナ、炭酸塩またはリン酸塩のような粒子状の研磨材を含む。さらに、一般に公知の練歯磨きは、特に、保湿剤、懸濁化剤、安定剤、界面活性剤、防腐剤、抗菌剤、う蝕予防薬、抗歯肉炎剤、抗歯垢形成剤、抗歯石剤、ビタミン、香料剤、着色剤、および/または甘味剤を含んでもよい。
【0003】
練歯磨きに含まれる研磨粒子は、歯から歯垢を取除くよう働く。典型的には、WO2008/006725におけるように、研磨粒子は1〜30μmまでの範囲の、重量に基いた中央値粒子サイズを有し、練歯磨き組成の10〜70重量%で存在する。他の公知の練歯磨きは、研磨粒子を、1重量%までの量で含む。
【0004】
しかしながら、練歯磨きにおいて一般に用いられる研磨材にはいくつかの欠点がある。たとえば、これらの研磨粒子は、通常、歯の象牙質より硬いが、歯のエナメル質より柔かい。したがって、除去される歯の材料の量は、歯のこれらの異なる2つの部分に関し、異なる。さらに、WO2008/006725に記載される研磨粒子は歯象牙質の激しい損失に結びつくかもしれない。露出した歯頸は、したがって、弱められ、熱い−冷たいおよび/または甘味−酸味の影響に過剰に敏感である。さらに、一般に公知の練歯磨きは、歯の表面上にあるミクロの粗さを残し、それは、一般に拡大した歯表面、および歯の鈍い外観をもたらす結果となる。
【0005】
外部の熱的刺激、化学的刺激、または触覚的刺激への歯の過敏症の処置は、日常のデンタルケアにとって非常に重要である。一般に容認された流体力学理論によれば、過敏症は外部刺激による象牙質内液の移動に帰する。象牙質内液はいわゆる象牙細管に含まれており、それは象牙質をエナメル質−象牙質界面から歯髄まで貫通する。歯細管は、通常、歯の表面の近くに1〜2μm、および歯髄の近くに2.5〜4μmの範囲の直径を有し、それらの値は、特に、患者の年齢に依存する。
【0006】
一般に公知の過敏症の処置は、接着剤方式による歯細管の封止を含むが、しかしながら、それらは、毎日の使用に好適ではない。他の処置は、モノマーを含むクロルヘキシジンもしくはフッ化物のコーティングまたはプライマーを含む。しかしながら、これらの化学物質も、毎日の使用には推奨できない。硝酸銀も過去においては一般に用いられたが、今日では廃れており、なぜならば、処置の後に歯表面が不可逆的に黒く変色したからである。
【0007】
今日、フッ化物またはストロンチウム化合物が、家庭で使用するために、練歯磨きの原材料として入手可能である。さらに、肯定的な結果が、シュウ酸カリウム溶液を用いる処置によって得られている。さらに、歯細管を封止するカルシウムおよびリン酸塩を運搬する医療用チューインガムが公知である。他の公知の方式は、メタクリル酸塩で歯細管を封止するが、口腔における日常的なその使用も、問題がある。フッ化物化合物は象牙質のミネラル含有物と反応し、やや溶けにくいフッ化カルシウムをもたらす結果となる。最後に、いわゆる「生体活性ガラス」が公知であり、それは生物活性プロセスを開始する。
【0008】
しかしながら、これらの処置はすべて、これらの封止を除去する一般的な練歯磨きの研磨作用のために、時間的に限られた効果しかない。
【0009】
WO2005/097045は、ヘルスケアおよび美容製品、特に練歯磨きを開示する。これらの製品は、約0.5nmから50nmの平均サイズを有するナノダイアモンドを含み、それは、バクテリア、タンパク質、DNAなどのような生体物質を結合することができる。しかしながら、これらのサイズを有するナノダイアモンドは、練歯磨き内において有用な研磨または艶出し作用を行うことができない。さらに、それらのサイズのため、それらは、血流に直接入ることができ、その結果および副作用は、ほとんど評価することができない。さらに、この文献は、40重量%までのダイヤモンド含有量を有する練歯磨きを開示し、それはこれらの製品を経済的に非常に手頃でないものにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、この発明は、公知の練歯磨きのこれらの不利な点を克服することを目的とする。特に、この発明は、化学反応および/または生体反応を経るどのような成分の必要もなく歯細管を充填し、したがって過敏症を低減することができるデンタルケア製品、特に練歯磨きを提供することを目的とする。別の目的は、一方では歯の材料の除去量を減じ、他方では歯の表面のミクロの粗さを減じ、したがって歯の光沢を増加させてそれらの全体的な外観を改善する練歯磨きを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらおよび他の目的はこの発明に従うデンタルケア製品によって解決される。デンタルケア製品は、0.3μmから2.5μm、好ましくは0.5μmから2.0μm、より好ましくは0.75μmから1.5μmまでの第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む。この発明によれば、第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の量は、製品の2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下である。
【0012】
この出願の文脈内においては、デンタルケア製品は、歯、特に人間の歯を処置するのに好適なあらゆる製品として理解されることになる。この処置は歯科学の専門家、つまり歯科医院における歯科医または作業者によって行われるべきものであり得る。好ましくは、しかしながら、この製品は専門外の個人の消費者による家庭での使用、たとえば、毎日の、および/または毎週のデンタルケア用に意図される。したがって、特に好ましい実施の形態では、デンタルケア製品は練歯磨きである。
【0013】
第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子は、それらのサイズのため、数日、数週、数か月、または永久的に歯細管を封止することができ、なぜならば、最終的な粒子損失は、練歯磨きに存在する新しい粒子と置換えられるからである。それにより、微視的な歯垢または他の不利益な凝塊形成を含むことが防がれる。この効果は、製品が、たとえば毎日、練歯磨きの場合のように、定期的に使用される場合、特に顕著である。したがって、歯細管は、専門的歯科処置の場合のように年にわずか数回ではなく、毎日に封止することができる。
【0014】
好ましくは、ダイヤモンド粒子は塊にならない。従って、ダイヤモンド粒子は、デンタルケア製品内の凝塊形成を防ぐ安定剤の追加の必要なしに歯細管を充填するそれらの能力を維持する。さらに、ダイヤモンド粒子は、それらの化学的不活性により、歯の材料との意外な化学反応を経ることはできず、それによって、考えられ得る有害な影響を最小限にする。さらに、たとえば、ヒドロキシルアパタイトのような公知の歯または骨置換材料が用いられる場合に必要なように、乾燥反応または硬化反応のようなさらなる化学反応および/または生体反応の必要のなしに、歯の歯細管をダイヤモンド粒子によって物理的/機械的に充填する。ダイヤモンド粒子の表面に縁および角がある場合、歯細管の充填は特に効果的であり、なぜなら、それらによって、ダイヤモンド粒子は歯細管に固定できるからである。
【0015】
さらに、第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子は、汚れおよび歯垢を除去し、それによって歯を効果的に清潔にすることができる。さらに、第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子は、歯の表面を磨くことができ、つまりそれらのミクロの粗さを有意に低減する。したがって、ダイヤモンド粒子は、歯の光沢を増加させて、それらの全体的な外観を改善する。さらに、磨かれた歯表面は、歯垢およびバクテリアによる攻撃に関する機会を減ずる。さらに、ダイヤモンド粒子のサイズが、有意に、たとえば練歯磨きのようなデンタルケア製品における一般的な研磨粒子のサイズ未満であるので、歯のより柔らかい象牙質頚は研磨による損傷を受けない。したがって、ダイヤモンド粒子は、歯細管を充填し、汚れおよび歯垢を除去し、歯表面を磨くという三重の機能を満たす。
【0016】
一般に、ダイヤモンド粒子は歯の象牙質およびエナメル質の両方より有意に硬い。したがって、歯の表面に対してそれを擦り付けることによる製品の適用は、象牙質およびエナメル質の両方の材料の、より一様な除去に結びつく。
【0017】
さらに、この発明のデンタルケア製品、特に練歯磨きは、歯の表面に存在するバイオフィルムによい影響を与える(つまり、低減または除去する)。一般に、そのようなバイオフィルムは、バクテリアのような微生物の集団を含む。一般に公知の練歯磨きの使用では、バイオフィルムは不十分な程度しか除去されない。しかしながら、この発明によるデンタルケア製品におけるダイヤモンド粒子の硬度により、バイオフィルムはより効果的に除去され、それにより、汚れおよび歯垢形成のリスクを低減する。この効果は、デンタルケア製品が、練歯磨きの場合のように、特に毎日および/または週単位で定期的に使用される場合、特に顕著である。
【0018】
この発明によれば、ダイヤモンド粒子のサイズは以下のように定められる:粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して画像化し、粒子の2次元画像を形成する。粒子のサイズは、粒子の画像を含む円の最も小さな直径として理解され、円の直径は画像の尺度によって定められる。
【0019】
そのようなサイズを有するミクロンおよびサブミクロンダイヤモンド粉体は、たとえばMicrodiamant AG, CH-8574 Lengwil, Switzerlandから市場で入手可能である。
【0020】
好ましくは、第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の量は、製品の少なくとも0.0001重量%、より好ましくは少なくとも0.05重量%、最も好ましくは少なくとも0.1重量%である。そのような量のダイヤモンド粒子は、歯細管を充填し、歯の表面を磨くのに特に好適である。
【0021】
好ましい実施の形態では、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%は、第1のサイズ範囲の下半分内のサイズを有する。これらのサイズを有するダイヤモンド粒子は、より小さな直径を有する歯細管を充填するのに好適である。
【0022】
さらに、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%は、第1のサイズ範囲の上半分内のサイズを有する。これらのサイズを有するダイヤモンド粒子は、より大きな直径を有する歯細管を充填するのに好適である。
【0023】
加えて、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、第1のサイズ範囲の最も下の4分の1内のサイズを有する。
【0024】
また、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、第1のサイズ範囲の下から2番目の4分の1内のサイズを有する。
【0025】
さらに、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、第1のサイズ範囲の上から2番目の4分の1内のサイズを有する。
【0026】
加えて、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、第1のサイズ範囲の最も上の4分の1内のサイズを有する。
【0027】
他方、0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子は直接患者の血流へ入ることができるほど十分に小さいかもしれず、それは患者への予知できない不利益な副作用に結びつくかもしれない。したがって、好ましい実施の形態によれば、製品は、0.025重量%未満、好ましくは0.005重量%未満の、0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、より好ましくは0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子をまったく含まない。さらに、好みで、製品は、0.005重量%未満、好ましくは0.001重量%未満の、0.1μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、より好ましくは0.1μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子まったくを含まない。
【0028】
ダイヤモンド粒子は、さらに、汚れおよび歯垢除去物質として働き得る。いくつかの実施の形態によれば、練歯磨きは、加えて、当該技術分野において、たとえば、珪酸、二酸化ケイ素、クエン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、炭酸カルシウム、二酸化クロムまたはそれらの任意の組合せとして公知の任意の他の汚れおよび歯垢除去物質を含んでもよい。
【0029】
好ましい実施の形態によれば、(サイズ範囲外のサイズを有するオプションのダイヤモンド粒子を含む)製品におけるすべてのダイヤモンド粒子の総量は、製品の3重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満である。非常に驚いたことに、そのような低い割合のダイヤモンド粒子であっても、歯の表面を所望の程度までに磨くのに十分であり得、同時に、製品は経済的に手頃なままである。重量でかなり低いダイヤモンドの濃度にもかかわらず、上に指定されたような微粒子サイズの個々の粒子の絶対数は非常に高い:ダイヤモンドの各ミリグラムは、何億個もの粒子を含む。さらに、最初の臨床試験によって示されたように、患者は、特に末端の付着歯肉の上皮の歯肉の痛みが、この発明による練歯磨きを適用した短い期間中にさえ減少したと報告した。この効果も、このデンタルケア製品におけるダイヤモンド粒子の低い含有量および/または小さいサイズに帰する。
【0030】
いくつかの実施の形態では、ダイヤモンド粒子のうちの少なくともいくらかは多結晶であってもよい。Mypodiamond, Inc., Smithfield, PA15478,米国によって製造されるような多結晶ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンド粒子よりもよい艶出し作用を可能にすると知られている。多結晶ダイヤモンド粒子の割合は、達成されるべき受入れ可能なコストおよび結果の考察に従って、当業者によって選択されてもよい。
【0031】
他の実施の形態では、ダイヤモンド粒子のうちの少なくともいくらかは単結晶であってもよい。単結晶ダイヤモンドは多結晶ダイヤモンドほど高価ではなく、したがって、製品をより手頃にする。単結晶ダイヤモンド粒子の割合は、達成されるべき受入れ可能なコストおよび結果の考察に従って、当業者によって選択されてもよい。
【0032】
単結晶ダイヤモンド粒子に対立するものとして、多結晶ダイヤモンド粒子は黒く、それは、これらの粒子が歯の隙間および/または溝を充填した場合、好ましくない外観に結びつくかもしれない。したがって、好ましくは、ダイヤモンド粒子の少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも99重量%、最も好ましくはすべてのダイヤモンド粒子は、単結晶である。
【0033】
デンタルケア製品は、さらに、たとえば水、グリセリン、ポリエチレングリコールなどのような、当業者にそれ自体公知である基材物質を含んでもよい。製品の組成は、使用される研磨材を例外として、現在の技術による任意の化合物または組成であってもよい。
【0034】
好ましい実施の形態によれば、製品は、ダイヤモンド粒子を含む球状または不規則に形状化されたクラスタを含んでもよい。
【0035】
有利なことに、クラスタに含まれるダイヤモンド粒子は、水溶性バインダによって結合される。好ましい実施の形態によれば、水溶性バインダは、次の物質のうちのいずれかまたはそれらの組合せのいずれかを含んでもよい:
− ポリビニルアルコールの重合および加水分解のあらゆる度合いを伴うポリビニルアルコール(PVA、商品名Mowiol(R));あらゆる重合度のポリビニルピロリドン(PVP、商品名Luvitec,Lu−vicross,Kollidon);ポリビニルポリピロリドン(PVPP(商品名Crospovidon)、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドンN−ビニルイミダゾール共重合体、またはビニルピロリドンビニルカプロラクタム共重合体などのような、ポリビニルピロリドン誘導体および共重合体;
− Dグルコース、Dフルクトース、ソルビトールのような糖類、あらゆる異なる起源および分子量からの澱粉、セルロースおよびペクチン、酸性化もしくは塩基性に変性された澱粉、化学的に還元もしくは酸化された澱粉、アセチル化された澱粉、ヒドロキシプロピル化された澱粉、ホスホン酸塩化された澱粉などのような変性澱粉のような多糖類、セルロースおよび/またはセルロース誘導体の分子量および加水分解のあらゆる度合いを伴うメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アセチルセルロース、カルボキシ−メチルセルロースのようなセルロース誘導体;あらゆる異なる起源および分子量からのペクチンまたは寒天のようなポリウロナイド;
− あらゆる異なる起源、および酸性および塩基性処理で製造されるゼラチン、ゼラチンのためのあらゆる異なる起源、および酸性および塩基性処理のようなゼラチン製造工程による一部硬化されたゼラチン、およびホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、アルミニウム塩類、マグネシウム塩類、亜鉛塩類のような異なる硬化する物質;
− アルギン酸、カラゲーナンゴム、ローカストビーンゴム(Johan―nisbrotkernmehl)、ガーゴム、キサンタンゴム、トラガカントゴム、アラビアゴム、カラヤゴムのような、増粘作用を持つ天然物質。
【0036】
好ましくは、ダイヤモンド粒子は、クラスタの全体積にわたって一様に分布される。
ここに記載されるようなクラスタは、製品が使用されるときにたとえば人間の唾液からの水分のような加えられる水分にさらされると縮小されるサイズを有する。したがって、ダイヤモンド粒子を含むクラスタは最初はより大きなサイズを有し、それはより高くより速い研磨作用に結びつく。デンタルケア製品、特に練歯磨きでの歯の処置中に、クラスタのバインダは、徐々に溶解し、研磨作用も減少する。その結果、歯が意図せずして研磨作用に長く晒されることが防がれる。
【0037】
好ましい実施の形態では、製品は、1μmと100μmとの間、好ましくは5μmと50μmとの間のサイズを有するクラスタを含む。この発明によれば、クラスタのサイズは以下のように定められる:クラスタを光学顕微鏡で画像化して、クラスタの二次元画像を形成する。クラスタのサイズは、クラスタの画像を含む円の最も小さな直径として規定され、円の直径は画像の尺度によって定められる。
【0038】
好みで、製品の(サイズ範囲外のサイズを有するオプションのダイヤモンド粒子を含む)第1のサイズ範囲のすべてのダイヤモンド粒子の少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも90重量%は、これらのクラスタ内に配置される。
【0039】
いくつかの実施の形態によると、クラスタの少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%は、ダイヤモンド粒子の40体積%と60体積%との間を含む。
【0040】
1つの実施の形態では、クラスタは、各々の少なくとも90重量%が、5分、好ましくは3分、最も好ましくは2分内に水に溶けるように、設計される。これらの値は、クラスタの研磨作用が歯にブラシをかける推奨された時間中に減少することを保証する。
【0041】
特に、クラスタにおけるダイヤモンド粒子のサイズ、および/または水溶性バインダの組成、および/またはクラスタのサイズは、各クラスタの少なくとも90重量%が上記の指定された時間内に水に溶けるよう設計される。
【0042】
この発明による練歯磨きは、さらに以下の成分のうちのいずれかまたはすべてを含んでもよい:
− 練歯磨きの乾燥を防ぐ、少なくとも1つの懸濁化剤または保湿剤(たとえばグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールまたはキシリトール);
− 固形成分の析出を防ぎ、練歯磨きの一様な軟度を可能にする少なくとも1つの安定剤(たとえばアカシアゴム、カラゲーナン、メチルセルロース、ガーゴム、ポリエチレングリコール、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、トラガカントゴム、キサンタンゴム、キシロース);
− 歯の表面の湿潤性を増加させるかおよび/または泡を発生させる少なくとも1つの界面活性剤、(たとえばラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ポリエチレン、パルミチン酸ナトリウム);
− 懸濁化剤および/または安定剤を保存する少なくとも1つの防腐剤(たとえば安息香酸ナトリウム);
− 少なくとも1つの抗菌剤(たとえばメチルバラベン);
− 少なくとも1つのう蝕予防薬(たとえばフッ化ナトリウム、フッ化スズ);
− 少なくとも1つの抗歯肉炎薬;
− 少なくとも1つの抗歯垢形成剤(たとえばフッ化スズ);
− 少なくとも1つの抗歯石剤(たとえばクエン酸亜鉛、塩化亜鉛);
− 少なくとも1つのビタミン;
− 少なくとも1つの香料剤(たとえばペパーミント、スペアミント、メントール、サッカリン);
− 少なくとも1つの着色剤(たとえば珪酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン);および/または
− 少なくとも1つの甘味剤。
【0043】
好ましい実施の形態によれば、製品は、ダイヤモンド粒子、特に第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも一部に結合される少なくとも1つの活性成分を含む。ここに用いられるような活性成分は、製品中の、薬学的に活性な任意の物質であってよい。特に、活性成分は、上に挙げられた具体例のうちのいずれかを含む抗菌剤、う蝕予防薬、抗歯肉炎薬、抗歯垢形成剤、抗歯石剤、ビタミンからなる群またはそれらの任意の組合せから選択されてもよい。
【0044】
好ましくは、製品は、2,000,000mPas以下、好ましくは1,000,000mPas以下、最も好ましくは500,000mPas以下のブルックフィールド粘度を有し、ブルックフィールド粘度は、TEスピンドルを23℃および毎分5回転で使用して、ブルックフィールドRVT粘度計で測定される。製品が練歯磨きである場合、そのような粘度は特に有用であり、なぜならば、それは練歯磨きの適用を快適にするからである。
【0045】
好ましい実施の形態によれば、製品は、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含む。これらの研磨粒子は、2.6μmと10μmとの間、より好ましくは3μmと6μmとの間、最も好ましく3.5μmと5μmとの間の第2のサイズ範囲内のサイズを有する。
【0046】
第2のサイズ範囲内のこれらの研磨粒子は、製品で処置された歯の表面をより粗くし、処理された歯がより白く見え、望ましい美的効果があるという有利な効果を有する。特に、歯の表面は、制御された態様で粗くされる。
【0047】
好ましくは、製品は、製品の2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下の第2のサイズ範囲内のサイズを有する研磨粒子を含む。
【0048】
一般的に、研磨粒子の直径が大きいほど、前記粒子の量は少なくなるはずである。
別の好ましい実施の形態では、製品は、歯のホワイトニング剤、好ましくは化学的な歯のホワイトニング剤を含む。この歯のホワイトニング剤は、好ましくは、5重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満の量で存在する。
【0049】
製品における歯のホワイトニング剤は、製品で処置した歯をより白く見せ、それは望ましい美的効果である。
【0050】
好ましくは、上に記載されるような歯のホワイトニング剤は、過酸化水素、過酸化カルバミド、三リン酸五ナトリウム、ポリリン酸塩、ピロ燐酸塩、クエン酸、パパインなどの少なくとも1つを含む。
【0051】
いくつかの実施の形態では、この発明によるデンタルケア製品は、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含む医療用チューインガムである。そのような医療用チューインガムは、当該技術分野において公知であり、たとえばEP1685875に記載される。
【0052】
他の実施の形態では、この発明によるデンタルケア製品は、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含む小楊枝である。この小楊枝は一般に公知の小楊枝としての形状および寸法を有してもよい。それは、たとえば、木材、プラスチックまたは竹のような、先行技術からも公知の材料からなる芯を含んでもよい。
【0053】
小楊枝の研磨粒子は、バインダによって小楊枝の芯に取付けられてもよい。任意の公知のコーティング技術、特に、研磨業界において公知のいわゆるコーティングされた研磨材の製造において通常適用されるコーティング技術を用いて、バインダおよびダイヤモンド粒子を小楊枝に適用してもよい。たとえば、浸し塗、吹付塗またはコーティングローラでのようなトランスファコーティングを用いてもよい。
【0054】
好ましくは、バインダは水および/または唾液に溶けない。バインダは、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリイミド、ポリエテレ−テルケトン(polyethere―therketones)、ポリフェニルスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリルニトリル、ポリアルキド、ポリビニルブチレート、エポキシ、架橋されたポリビニルアルコールまたは高グレードの重合または低グレードの加水分解を伴う非水溶性種、硬化または架橋されたゼラチン、ポリフェノールレゾール、ポリメラミンレゾール、脂肪族炭化水素(パラフィンのように、25℃より上の溶融温度を伴う)、オレフィンの不飽和炭化水素、ポリオレフィン、蝋(エステルおよび長鎖の脂肪族第一アルコールを伴う脂肪酸から本質的になる植物性、動物性または合成組成)、アルキド樹脂(多価アルコール、多プロトン酸または脂肪酸の強く疎水性の合成重合体)またはそれらの任意の組合せからなる群から選択されてもよい。
【0055】
好ましい実施の形態では、研磨粒子は、本質的に、歯間に入るために意図される小楊枝の先端に位置する。
【0056】
さらなる実施の形態では、この発明のデンタルケア製品は、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含むデンタルフロスである。デンタルフロスそれ自体およびその製造は、EP 980 678からのように、現在の技術から公知であり、それをここに引用により援用する。デンタルフロスは、マルチフィラメントヤーンの芯を含んでもよい。
【0057】
好ましい実施の形態では、研磨粒子は、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリイミド、ポリエテレ−テルケトン(polyethere―therketones)、ポリフェニルスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリルニトリル、ポリアルキド、ポリビニルブチレート、エポキシ、架橋されたポリビニルアルコールまたは高グレードの重合または低グレードの加水分解を伴う非水溶性種、硬化または架橋されたゼラチン、ポリフェノールレゾール、ポリメラミンレゾール、脂肪族炭化水素(パラフィンのように、25℃より上の溶融温度を伴う)、オレフィンの不飽和炭化水素、ポリオレフィン、蝋(エステルおよび長鎖の脂肪族第一アルコールを伴う脂肪酸から本質的になる植物性、動物性または合成組成)、アルキド樹脂(多価アルコール、多プロトン酸または脂肪酸の強く疎水性の合成重合体)またはそれらの任意の組合せからなる群から選択されたバインダによってデンタルフロスの芯に取付けられてもよい。
【0058】
さらに別の実施の形態では、デンタルケア製品は歯間ブラシであってもよい。好ましい実施の形態では、研磨粒子は、上に挙げられたもののうちのいずれかのような任意の好適なバインダによって歯間ブラシに取付けられてもよい。通常、歯間ブラシは一般的な公知の練歯磨きとともに使用するのには推奨されず、なぜならば、これらの練歯磨きに含まれる研磨粒子のサイズのため、歯間空隙が損傷されるであろうからである。しかしながら、歯間ブラシは、この発明によるデンタルケア製品、特に練歯磨きとともに使用されてもよく、なぜならば、これらの練歯磨きにおけるダイヤモンド粒子ははるかに小さく、その結果、歯間空隙ははるかにより優しく処置されるからである。
【0059】
この発明のさらなる局面は、上に記載されるようなデンタルケア製品の製造のためのサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の使用である。
【0060】
この発明の別の局面は、歯ブラシおよび上に記載されるようなデンタルケア製品を含むパーツからなるキットに関し、その製品は練歯磨きである。キットの歯ブラシは、歯、特に人間の歯に練歯磨きを適用するために用いられてもよい。特に、歯ブラシは、純粋に手動の歯ブラシ、電動歯ブラシまたは音波歯ブラシであってもよい。
【0061】
いくつかの実施の形態では、歯ブラシは任意の従来公知の歯ブラシであってもよい。他の実施の形態では、歯ブラシは、以下に述べられる特性のうちのいくつかまたはすべてを有してもよい。
【0062】
1つの実施の形態では、歯ブラシは、研磨粒子を含む剛毛を含む。研磨粒子は剛毛の表面上にのみ配置されてもよい。研磨粒子が解放されるのは、歯ブラシが、キットの練歯磨きとともに、機械的研磨および/または物理的もしくは化学作用のいずれかによって使用されるときだけである。特に、これらの研磨粒子はダイヤモンド粒子であってもよい。選択肢として、研磨粒子は剛毛の内部にも配置されてもよい。
【0063】
好ましい実施の形態では、剛毛は、0.3μmと50μmとの間、好ましくは0.4μmと20μmとの間、最も好ましくは0.5μmと10μmとの間のサイズを有する研磨粒子を含む。
【0064】
さらなる好ましい実施の形態によれば、剛毛の研磨粒子の総量は、剛毛の70体積%未満、好ましくは50体積%未満、最も好ましく30体積%未満である。
【0065】
好ましい実施の形態によれば、剛毛の研磨粒子は、本質的に剛毛の表面に位置する。したがって、剛毛の本質的にすべての研磨粒子が、歯ブラシで処置される歯と接触することができる。
【0066】
ダイヤモンド粒子は当該技術分野において公知のコーティング技術によって剛毛に結合される。好ましくは、バインダおよびダイヤモンド粒子を含むコーティング混合物が、この目的に使用される。代替的に、バインダは任意の公知の粉体コーティング技術によって粉体として剛毛上に適用されてもよい。液体および粉体コーティングの両方について、コーティング混合物はダイヤモンド粒子およびバインダを含む。好ましくは、バインダは水または人間の唾液の任意の成分に可溶でなく、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリイミド、ポリエテレ−テルケトン(polyethere―therketones)、ポリフェニルスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリルニトリル、ポリアルキド、ポリビニルブチレート、エポキシ、架橋されたポリビニルアルコールまたは高グレードの重合または低グレードの加水分解を伴う非水溶性種、硬化または架橋されたゼラチン、ポリフェノールレゾール、ポリメラミンレゾール、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択されてもよい。
【0067】
さらなる好ましい実施の形態によると、歯ブラシの剛毛は、練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を保持することができる。特に、剛毛の表面は、ダイヤモンド粒子が、たとえば摩擦によるように、機械的に保持されるように、設計されてもよい。したがって、練歯磨きにもともと含まれているダイヤモンド粒子は、練歯磨きが唾液によって既に希釈されたときでさえ、歯の表面と接触させられた剛毛の表面に一時的または永久的に埋込まれてもよい。さらに、練歯磨きからくる研磨粒子のうちのいくらかは、後の処置まで剛毛の中で保持されてもよい。したがって、一旦歯ブラシの剛毛がこの発明による練歯磨きからくる研磨粒子を充填されると、歯ブラシは、より低い含有量のダイヤモンド粒子を含む別の練歯磨きとともに使用されてもよい。
【0068】
好ましくは、剛毛の少なくとも一部の表面の少なくとも一部は、剛毛が練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を保持することができるように、テクスチャを与えられる。好ましくは、テクスチャは、0.3μmと2.5μmとの間、好ましくは0.5μmと2.0μmとの間、より好ましくは0.75μmと1.5μmとの間の表面粗さRmaxを有する。さらに、好ましくは、ISO4287による中間ピーク間隔は保持されるべきダイヤモンド粒子のサイズに適合される。特に、中間ピーク間隔は、0.3μmから2.5μm、好ましくは0.5μmから2.0μm、より好ましくは0.75μmから1.5μmの範囲にあってもよい。
【0069】
好ましい実施の形態では、剛毛の全表面にテクスチャが与えられる。ダイヤモンド粒子は、剛毛によって、摩擦により、特に、表面の凹部に入り、剛毛の材料の弾性のために表面の隣り合う隆起間に留められることによって、機械的に保持されてもよい。
【0070】
いくつかの実施の形態では、剛毛の表面の少なくとも一部は粗くされ、それによってテクスチャが得られる。剛毛は、サンドブラスティングのような、それ自体公知の工程によって粗くされてもよい。
【0071】
他の実施の形態では、剛毛の表面の少なくとも一部は多孔質であり、それによってテクスチャが得られる。好ましくは、全剛毛は、熱処理を受けたポリアミドまたはポリエステルのような多孔質材料から形成される。
【0072】
この発明のさらなる局面は、第1のサイズ範囲の研磨粒子を含む、上に記載されるような第1のデンタルケア製品を含むパーツからなるキットに関する。これらの研磨粒子は、特に、ダイヤモンド粒子である。さらに、パーツからなるキットは第2のサイズ範囲の研磨粒子および/または歯のホワイトニング剤を含む、上に記載されるような第2のデンタルケア製品を含む。第2のデンタルケア製品の研磨粒子は、特に、ダイヤモンド粒子である。
【0073】
「および/または」という文言は、第2のデンタルケア製品は、第2のサイズ範囲内の研磨粒子は含むが歯のホワイトニング剤は含まないか、または第2のサイズ範囲内の研磨粒子は含まないが歯のホワイトニング剤は含むか、または第2のサイズ範囲内の研磨粒子および歯のホワイトニング剤を含む、という意味を有する。
【0074】
これらの2つのデンタルケア製品は、たとえば、一方は毎日の使用、他方は週単位の使用を意図した、キットの一部としての異なる練歯磨きに含まれてもよい。キットが有する両方のデンタルケア製品の他の使用処置方式、たとえば両方のデンタルケア製品を毎日交互に使用することも、可能である。
【0075】
パーツからなるキットは、たとえば消費者に送られるよう販売され得るかまたは消費者が店頭で手に取れるよう販売され得る、前記練歯磨きを含む箱であってもよい。さらに、パーツからなるキットは、インターネット上で販売されてもよく、一方で、キットに含まれる練歯磨きは、たとえば消費者が選ぶことができ、ついで、パーツからなるキットとして消費者に送ることができる。
【0076】
さらに、この発明は、歯ブラシ、特に純粋に手動の歯ブラシ、電動歯ブラシまたは音波歯ブラシに関する。歯ブラシは、上に記載されるようなキットに含まれる歯ブラシの特性のうちのいずれかまたはすべてを有してもよい。特に、歯ブラシは、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含む剛毛を含んでもよい。剛毛の研磨粒子は、本質的に剛毛の表面に位置してもよい。さらに、研磨粒子は、0.3μmと50μmとの間、好ましくは0.4μmと20μmとの間、最も好ましくは0.5μmと10μmとの間のサイズを有する。
【0077】
さらにまたは代替的に、歯ブラシは、0.3μmと2.5μmとの間、好ましくは0.5μmと2.0μmとの間、より好ましくは0.75μmと1.5μmとの間のサイズを有するダイヤモンド粒子を少なくとも一時的に保持できてもよい。
【0078】
上に記載されるようなデンタルケア製品を含む練歯磨きは、子供による使用に向けられるてもよい。子供のためのこの練歯磨きは、好ましくは、少なくとも、0.5μmの平均粒子サイズのダイヤモンド粒子を製品の0.1重量%の量で含む。子供のためのこの練歯磨きは、好ましくは、フッ素を1000ppm未満、より好ましくは500ppm未満の量で含む。
【0079】
上に記載されるようなデンタルケア製品を含む練歯磨きは、大人による使用に向けられてもよい。大人のためのこの練歯磨きは、好ましくは、少なくとも、1μmの平均粒子サイズのダイヤモンド粒子を製品の0.2重量%の量で含む。大人のためのこの練歯磨きは、好ましくは、フッ素を3000ppm未満、より好ましくは1500ppm未満、最も好ましくは800ppmと1500ppmとの間の量で含む。
【0080】
上に記載されるようなデンタルケア製品を含む練歯磨きは、特別な練歯磨きとしての使用に向けられてもよい。特別な使用のためのこの練歯磨きは、好ましくは、少なくとも、1μmの平均粒子サイズのダイヤモンド粒子を製品の0.1重量%の量で含み、4μmの平均粒子サイズのダイヤモンド粒子を製品の0.1重量%の量で含む。この練歯磨きは、子供または大人のための練歯磨きのために記載されるような量でフッ素を含んでもよく、または実質的な量のフッ素を含まなくてもよい。
【0081】
この発明のさらなる局面は、少なくとも1つの漂白された歯の処置での使用のための、上に記載されるデンタルケア製品に関する。
【0082】
従来の方法、たとえば歯を化学的に白くする漂白ジェルでの歯の漂白後、歯は、しばしば、外部の熱的刺激、化学的刺激または触覚的刺激に神経過敏になる。前記漂白された歯の処置は、この過敏症を有意に低減する。これは歯細管の封止により達成される。
【0083】
この発明のさらに別の局面は、上に記載されるようなデンタルケア製品を伴う、少なくとも1つの漂白された歯の処置のための方法に関し、少なくとも1つの歯は、漂白に続いてデンタルケア製品で処置される。
【0084】
この発明を、非限定的な例および図面によって、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1a】公知の練歯磨きの研磨粒子を示す。
【図1b】公知の練歯磨きの研磨粒子を示す。
【図2a】この発明による練歯磨きのダイヤモンド粒子を示す。
【図2b】この発明による練歯磨きのダイヤモンド粒子を示す。
【図3】この発明による練歯磨きのダイヤモンド粒子の粒度分布を示す
【図4】この発明による別の練歯磨きのダイヤモンド粒子の粒度分布を示す
【図5】この発明によるさらに別の練歯磨きのダイヤモンド粒子の粒度分布を示す
【図6】この発明による練歯磨きに含まれる研磨粒子を伴うクラスタの概略図を示す
【図7a】この発明によるキットの、研磨粒子を含む剛毛2を含む歯ブラシを示す。
【図7b】この発明によるキットの、研磨粒子を含む剛毛2を含む歯ブラシを示す。
【図8a】剛毛の表面が粗くされ、研磨粒子を保持することができる、この発明によるキットの別の歯ブラシを示す。
【図8b】剛毛の表面が粗くされ、研磨粒子を保持することができる、この発明によるキットの別の歯ブラシを示す。
【図8c】剛毛の表面が粗くされ、研磨粒子を保持することができる、この発明によるキットの別の歯ブラシを示す。
【図9】この発明によるさらなる練歯磨きのダイヤモンド粒子の粒度分布を示す。
【図10】この発明による第1および第2のデンタル製品を含むパーツからなるキットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1aは、一般に利用可能な練歯磨きに含まれる研磨粒子の画像を示す。画像は一般に公知の走査電子顕微鏡(SEM)によって得られた。図1bは、これらの研磨粒子の概略図を示す。これらの図から見ることができるように、珪酸からなる研磨粒子は、数マイクロメートルのサイズを有する。
他方、図2aおよび図2bは、この発明による練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子のSEM画像および概略図をそれぞれ示す。これらのダイヤモンド粒子は図3に従う粒度分布を有する(以下を参照)。図1aおよび図1bで示される現在の技術に関してのこの低減されたサイズにより、練歯磨きの適用中に歯から取除かれる材料の量は、有意に低減される。
【0087】
図3は、練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子の粒度分布を示す。この粒度分布は、0.75μmから1.5μmまでのサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む。この粒度分布は、0.75μmにあるサイズ範囲の下端より下のダイヤモンド粒子も含む。この粒度分布は、0.2μm未満またはさらには0.1μm未満のサイズを有するダイヤモンド粒子を含んでもよいし、含まなくてもよい。しかしながら、好ましい実施の形態によれば、粒度分布は、0.2μmより下のサイズを有する0.005重量%未満のダイヤモンド粒子を含み、そのパーセンテージは練歯磨き全体に対して得られるものである。図3は相対的な重量分布を示す片対数プロットであり、片対数プロットの最大値が100の縦座標値に対応するよう正規化されている。図3による分布は1.08μmで最大値を有する。
【0088】
図4は、この発明による別の練歯磨きにおけるダイヤモンド粒子の粒度分布を示す図を示す。この図4は相対的な重量分布も示すことに注目されたい。図4によるダイヤモンド粒子の分布は、本質的に、0.75μmと1.5μmとの間のサイズ範囲内のダイヤモンド粒子のみを含み、ダイヤモンド粒子の0.005%未満がこのサイズ範囲外である(それは図4においてグラフでは分離できない)。このパーセンテージも、練歯磨き全体に対して得られるものである。
【0089】
図5は、この発明によるさらに別の練歯磨きにおけるダイヤモンド粒子の粒度分布を示す。この図は、0.3μmと0.8μmとの間のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む相対的な重量分布を示す。この分布は、図5の片対数のプロットにおいて0.4μmおよび0.6μmに局所極大を有する双峰分布である。粒度分布は、0.2μmより下のサイズを有する0.005重量%未満のダイヤモンド粒子を含み、これらのパーセンテージも練歯磨き全体に対して得られるものである。
【0090】
図6は、この発明による練歯磨きに含まれる、ダイヤモンド粒子3を伴うクラスタ5の概略図を示す。ダイヤモンド粒子3は、水溶性バインダとして働くゼラチンにより結合され、0.75μmと2.5μmとの間のサイズを有する。練歯磨き内のクラスタの少なくとも95%は、ダイヤモンド粒子3の40体積%と60体積%との間を含む。ゼラチンによって結合された粒子を含むクラスタの製造は、それ自体、たとえば、GB 1 460 069から公知である。さらに、噴霧乾燥のような、クラスタを製造するための任意の他の公知の技術を適用してもよい。
【0091】
図7aは、この発明によるキットに含まれる歯ブラシ1を示す。歯ブラシ1は剛毛2を含む。剛毛2はポリアミドまたはポリエステルからなる。それらは11mmの長さおよび0.2mmの直径を有する。剛毛2は、それらの表面上にダイヤモンド粒子3を含む(図7bにおける拡大図)。ダイヤモンド粒子3はポリアミドまたはポリエステルのバインダによって剛毛2に結合される。製造に関して、剛毛2は、バインダおよびダイヤモンド粒子3を含むコーティング混合物でコーティングされる。
【0092】
剛毛2のダイヤモンド粒子3は、2μmの中央値サイズおよび0.15μmの標準偏差を有する。図7bの研磨粒子3は尺度決めされて示されていないことに注意されたい。
【0093】
図8aは、パーツからなる発明のキットの歯ブラシ1の別の実施の形態を示す。図7aに示される歯ブラシに対立するものとして、この歯ブラシ1はその最初の状態において研磨粒子を含んでいない。代りに、図8bの拡大図で示されるように、剛毛2は、0.7μmの表面粗さRmax、およびISO 4287による1μmの中間ピーク間隔を有する、粗くされた面を有する。剛毛2は、たとえばサンドブラスティングによって、テクスチャを与えられてもよい。サンドブラスティングによる製造で用いられる砂粒子は、50μmのサイズを有してもよい。代替的に、テクスチャは、研磨ディスクまたは研磨ブラシのような研磨ツールで表面を粗くすることにより得られてもよい。
【0094】
剛毛2は、キットの練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を少なくとも一時的に保持することができるように、粗くされる。したがって、剛毛2は、約0.3μm〜約1μmまでの範囲のダイヤモンド粒子を保持することができる。これらのダイヤモンド粒子は、表面の凹部に入り、剛毛2の材料の弾性のために表面の隣り合う隆起間に留められることによって、剛毛2により機械的に保持されてもよい。図8cは、歯ブラシ1でのこの発明による練歯磨きの適用中に練歯磨きから取られたダイヤモンド粒子3を保持する、図8bの剛毛2を示す。
【0095】
図9は、練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子の粒度分布を示す。この粒度分布は、0.3μmから2.5μmまでの第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む。さらに、この粒度分布は、3.4μmから4.6μmまでの第2のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む。図9は相対的な重量分布を示す線形のプロットであり、線形のプロットの最大値が100の縦座標値に対応するように、正規化されている。
【0096】
図10は、第1のデンタルケア製品11を伴う練歯磨きおよび第2のデンタルケア製品12を伴う練歯磨きを含むパーツのキット10を示す。両方の練歯磨きは、たとえば、買い手へのパーツのキット10の運送に好適な箱11に含まれる。
【0097】
第1のデンタルケア製品は、1.2μmの中央値サイズを伴うダイヤモンド粒子を含む。第2のデンタルケア製品は、4μmの中央値サイズを伴うダイヤモンド粒子、および歯のホワイトニング剤としての過酸化水素を含む。
【実施例】
【0098】
実施例1(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第1の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 60%のポリエチレングリコール;
− 33.5%のソルビトール;
− 1.5%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1.85%のスペアミント;
− 2%のキサンタンガム;
− 0.5%の甘味料;
− 0.15%の図3に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.5%のフッ化ナトリウム。
【0099】
実施例2(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第2の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 25%のグリセリン;
− 25%の水;
− 43%のソルビトール;
− 1.5%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1%のメントール;
− 3%のアカシアゴム;
− 0.5%の図3に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.5%の二酸化チタン;
− 0.5%のフッ化ナトリウム。
【0100】
実施例3(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第3の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 60%のグリセリン;
− 33%のキシリトール;
− 2%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1.8%のペパーミント;
− 2%のガーゴム;
− 0.2%の図3に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.25%のフッ化ナトリウム;
− 0.25%のフッ化スズ;
− 0.5%のクエン酸亜鉛。
【0101】
実施例4(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第4の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 60%のグリセリン;
− 33%のキシリトール;
− 2%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1.8%のペパーミント;
− 2%のガーゴム;
− 0.2%の図9に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.25%のフッ化ナトリウム;
− 0.25%のフッ化スズ;
− 0.5%のクエン酸亜鉛。
【0102】
実施例5(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第5の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 25%のグリセリン;
− 25%の水;
− 43%のソルビトール;
− 1.4%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1%のメントール;
− 3%のアカシアゴム;
− 0.5%の図3に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.5%の二酸化チタン;
− 0.5%のフッ化ナトリウム;
− 0.1重量%の過酸化水素。
【技術分野】
【0001】
この発明はデンタルケア製品、特に、独立請求項に従う練歯磨きならびにデンタルケア製品および/または歯ブラシを含むキットに関する。
【背景技術】
【0002】
WO2008/006725に記載されるもののような一般に公知の練歯磨きは、特に、主成分として、水、グリセリンまたはポリエチレングリコールのような基材、およびシリカ、アルミナ、炭酸塩またはリン酸塩のような粒子状の研磨材を含む。さらに、一般に公知の練歯磨きは、特に、保湿剤、懸濁化剤、安定剤、界面活性剤、防腐剤、抗菌剤、う蝕予防薬、抗歯肉炎剤、抗歯垢形成剤、抗歯石剤、ビタミン、香料剤、着色剤、および/または甘味剤を含んでもよい。
【0003】
練歯磨きに含まれる研磨粒子は、歯から歯垢を取除くよう働く。典型的には、WO2008/006725におけるように、研磨粒子は1〜30μmまでの範囲の、重量に基いた中央値粒子サイズを有し、練歯磨き組成の10〜70重量%で存在する。他の公知の練歯磨きは、研磨粒子を、1重量%までの量で含む。
【0004】
しかしながら、練歯磨きにおいて一般に用いられる研磨材にはいくつかの欠点がある。たとえば、これらの研磨粒子は、通常、歯の象牙質より硬いが、歯のエナメル質より柔かい。したがって、除去される歯の材料の量は、歯のこれらの異なる2つの部分に関し、異なる。さらに、WO2008/006725に記載される研磨粒子は歯象牙質の激しい損失に結びつくかもしれない。露出した歯頸は、したがって、弱められ、熱い−冷たいおよび/または甘味−酸味の影響に過剰に敏感である。さらに、一般に公知の練歯磨きは、歯の表面上にあるミクロの粗さを残し、それは、一般に拡大した歯表面、および歯の鈍い外観をもたらす結果となる。
【0005】
外部の熱的刺激、化学的刺激、または触覚的刺激への歯の過敏症の処置は、日常のデンタルケアにとって非常に重要である。一般に容認された流体力学理論によれば、過敏症は外部刺激による象牙質内液の移動に帰する。象牙質内液はいわゆる象牙細管に含まれており、それは象牙質をエナメル質−象牙質界面から歯髄まで貫通する。歯細管は、通常、歯の表面の近くに1〜2μm、および歯髄の近くに2.5〜4μmの範囲の直径を有し、それらの値は、特に、患者の年齢に依存する。
【0006】
一般に公知の過敏症の処置は、接着剤方式による歯細管の封止を含むが、しかしながら、それらは、毎日の使用に好適ではない。他の処置は、モノマーを含むクロルヘキシジンもしくはフッ化物のコーティングまたはプライマーを含む。しかしながら、これらの化学物質も、毎日の使用には推奨できない。硝酸銀も過去においては一般に用いられたが、今日では廃れており、なぜならば、処置の後に歯表面が不可逆的に黒く変色したからである。
【0007】
今日、フッ化物またはストロンチウム化合物が、家庭で使用するために、練歯磨きの原材料として入手可能である。さらに、肯定的な結果が、シュウ酸カリウム溶液を用いる処置によって得られている。さらに、歯細管を封止するカルシウムおよびリン酸塩を運搬する医療用チューインガムが公知である。他の公知の方式は、メタクリル酸塩で歯細管を封止するが、口腔における日常的なその使用も、問題がある。フッ化物化合物は象牙質のミネラル含有物と反応し、やや溶けにくいフッ化カルシウムをもたらす結果となる。最後に、いわゆる「生体活性ガラス」が公知であり、それは生物活性プロセスを開始する。
【0008】
しかしながら、これらの処置はすべて、これらの封止を除去する一般的な練歯磨きの研磨作用のために、時間的に限られた効果しかない。
【0009】
WO2005/097045は、ヘルスケアおよび美容製品、特に練歯磨きを開示する。これらの製品は、約0.5nmから50nmの平均サイズを有するナノダイアモンドを含み、それは、バクテリア、タンパク質、DNAなどのような生体物質を結合することができる。しかしながら、これらのサイズを有するナノダイアモンドは、練歯磨き内において有用な研磨または艶出し作用を行うことができない。さらに、それらのサイズのため、それらは、血流に直接入ることができ、その結果および副作用は、ほとんど評価することができない。さらに、この文献は、40重量%までのダイヤモンド含有量を有する練歯磨きを開示し、それはこれらの製品を経済的に非常に手頃でないものにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、この発明は、公知の練歯磨きのこれらの不利な点を克服することを目的とする。特に、この発明は、化学反応および/または生体反応を経るどのような成分の必要もなく歯細管を充填し、したがって過敏症を低減することができるデンタルケア製品、特に練歯磨きを提供することを目的とする。別の目的は、一方では歯の材料の除去量を減じ、他方では歯の表面のミクロの粗さを減じ、したがって歯の光沢を増加させてそれらの全体的な外観を改善する練歯磨きを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらおよび他の目的はこの発明に従うデンタルケア製品によって解決される。デンタルケア製品は、0.3μmから2.5μm、好ましくは0.5μmから2.0μm、より好ましくは0.75μmから1.5μmまでの第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む。この発明によれば、第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の量は、製品の2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下である。
【0012】
この出願の文脈内においては、デンタルケア製品は、歯、特に人間の歯を処置するのに好適なあらゆる製品として理解されることになる。この処置は歯科学の専門家、つまり歯科医院における歯科医または作業者によって行われるべきものであり得る。好ましくは、しかしながら、この製品は専門外の個人の消費者による家庭での使用、たとえば、毎日の、および/または毎週のデンタルケア用に意図される。したがって、特に好ましい実施の形態では、デンタルケア製品は練歯磨きである。
【0013】
第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子は、それらのサイズのため、数日、数週、数か月、または永久的に歯細管を封止することができ、なぜならば、最終的な粒子損失は、練歯磨きに存在する新しい粒子と置換えられるからである。それにより、微視的な歯垢または他の不利益な凝塊形成を含むことが防がれる。この効果は、製品が、たとえば毎日、練歯磨きの場合のように、定期的に使用される場合、特に顕著である。したがって、歯細管は、専門的歯科処置の場合のように年にわずか数回ではなく、毎日に封止することができる。
【0014】
好ましくは、ダイヤモンド粒子は塊にならない。従って、ダイヤモンド粒子は、デンタルケア製品内の凝塊形成を防ぐ安定剤の追加の必要なしに歯細管を充填するそれらの能力を維持する。さらに、ダイヤモンド粒子は、それらの化学的不活性により、歯の材料との意外な化学反応を経ることはできず、それによって、考えられ得る有害な影響を最小限にする。さらに、たとえば、ヒドロキシルアパタイトのような公知の歯または骨置換材料が用いられる場合に必要なように、乾燥反応または硬化反応のようなさらなる化学反応および/または生体反応の必要のなしに、歯の歯細管をダイヤモンド粒子によって物理的/機械的に充填する。ダイヤモンド粒子の表面に縁および角がある場合、歯細管の充填は特に効果的であり、なぜなら、それらによって、ダイヤモンド粒子は歯細管に固定できるからである。
【0015】
さらに、第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子は、汚れおよび歯垢を除去し、それによって歯を効果的に清潔にすることができる。さらに、第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子は、歯の表面を磨くことができ、つまりそれらのミクロの粗さを有意に低減する。したがって、ダイヤモンド粒子は、歯の光沢を増加させて、それらの全体的な外観を改善する。さらに、磨かれた歯表面は、歯垢およびバクテリアによる攻撃に関する機会を減ずる。さらに、ダイヤモンド粒子のサイズが、有意に、たとえば練歯磨きのようなデンタルケア製品における一般的な研磨粒子のサイズ未満であるので、歯のより柔らかい象牙質頚は研磨による損傷を受けない。したがって、ダイヤモンド粒子は、歯細管を充填し、汚れおよび歯垢を除去し、歯表面を磨くという三重の機能を満たす。
【0016】
一般に、ダイヤモンド粒子は歯の象牙質およびエナメル質の両方より有意に硬い。したがって、歯の表面に対してそれを擦り付けることによる製品の適用は、象牙質およびエナメル質の両方の材料の、より一様な除去に結びつく。
【0017】
さらに、この発明のデンタルケア製品、特に練歯磨きは、歯の表面に存在するバイオフィルムによい影響を与える(つまり、低減または除去する)。一般に、そのようなバイオフィルムは、バクテリアのような微生物の集団を含む。一般に公知の練歯磨きの使用では、バイオフィルムは不十分な程度しか除去されない。しかしながら、この発明によるデンタルケア製品におけるダイヤモンド粒子の硬度により、バイオフィルムはより効果的に除去され、それにより、汚れおよび歯垢形成のリスクを低減する。この効果は、デンタルケア製品が、練歯磨きの場合のように、特に毎日および/または週単位で定期的に使用される場合、特に顕著である。
【0018】
この発明によれば、ダイヤモンド粒子のサイズは以下のように定められる:粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して画像化し、粒子の2次元画像を形成する。粒子のサイズは、粒子の画像を含む円の最も小さな直径として理解され、円の直径は画像の尺度によって定められる。
【0019】
そのようなサイズを有するミクロンおよびサブミクロンダイヤモンド粉体は、たとえばMicrodiamant AG, CH-8574 Lengwil, Switzerlandから市場で入手可能である。
【0020】
好ましくは、第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の量は、製品の少なくとも0.0001重量%、より好ましくは少なくとも0.05重量%、最も好ましくは少なくとも0.1重量%である。そのような量のダイヤモンド粒子は、歯細管を充填し、歯の表面を磨くのに特に好適である。
【0021】
好ましい実施の形態では、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%は、第1のサイズ範囲の下半分内のサイズを有する。これらのサイズを有するダイヤモンド粒子は、より小さな直径を有する歯細管を充填するのに好適である。
【0022】
さらに、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%は、第1のサイズ範囲の上半分内のサイズを有する。これらのサイズを有するダイヤモンド粒子は、より大きな直径を有する歯細管を充填するのに好適である。
【0023】
加えて、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、第1のサイズ範囲の最も下の4分の1内のサイズを有する。
【0024】
また、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、第1のサイズ範囲の下から2番目の4分の1内のサイズを有する。
【0025】
さらに、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、第1のサイズ範囲の上から2番目の4分の1内のサイズを有する。
【0026】
加えて、好みで、第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、第1のサイズ範囲の最も上の4分の1内のサイズを有する。
【0027】
他方、0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子は直接患者の血流へ入ることができるほど十分に小さいかもしれず、それは患者への予知できない不利益な副作用に結びつくかもしれない。したがって、好ましい実施の形態によれば、製品は、0.025重量%未満、好ましくは0.005重量%未満の、0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、より好ましくは0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子をまったく含まない。さらに、好みで、製品は、0.005重量%未満、好ましくは0.001重量%未満の、0.1μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、より好ましくは0.1μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子まったくを含まない。
【0028】
ダイヤモンド粒子は、さらに、汚れおよび歯垢除去物質として働き得る。いくつかの実施の形態によれば、練歯磨きは、加えて、当該技術分野において、たとえば、珪酸、二酸化ケイ素、クエン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、炭酸カルシウム、二酸化クロムまたはそれらの任意の組合せとして公知の任意の他の汚れおよび歯垢除去物質を含んでもよい。
【0029】
好ましい実施の形態によれば、(サイズ範囲外のサイズを有するオプションのダイヤモンド粒子を含む)製品におけるすべてのダイヤモンド粒子の総量は、製品の3重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満である。非常に驚いたことに、そのような低い割合のダイヤモンド粒子であっても、歯の表面を所望の程度までに磨くのに十分であり得、同時に、製品は経済的に手頃なままである。重量でかなり低いダイヤモンドの濃度にもかかわらず、上に指定されたような微粒子サイズの個々の粒子の絶対数は非常に高い:ダイヤモンドの各ミリグラムは、何億個もの粒子を含む。さらに、最初の臨床試験によって示されたように、患者は、特に末端の付着歯肉の上皮の歯肉の痛みが、この発明による練歯磨きを適用した短い期間中にさえ減少したと報告した。この効果も、このデンタルケア製品におけるダイヤモンド粒子の低い含有量および/または小さいサイズに帰する。
【0030】
いくつかの実施の形態では、ダイヤモンド粒子のうちの少なくともいくらかは多結晶であってもよい。Mypodiamond, Inc., Smithfield, PA15478,米国によって製造されるような多結晶ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンド粒子よりもよい艶出し作用を可能にすると知られている。多結晶ダイヤモンド粒子の割合は、達成されるべき受入れ可能なコストおよび結果の考察に従って、当業者によって選択されてもよい。
【0031】
他の実施の形態では、ダイヤモンド粒子のうちの少なくともいくらかは単結晶であってもよい。単結晶ダイヤモンドは多結晶ダイヤモンドほど高価ではなく、したがって、製品をより手頃にする。単結晶ダイヤモンド粒子の割合は、達成されるべき受入れ可能なコストおよび結果の考察に従って、当業者によって選択されてもよい。
【0032】
単結晶ダイヤモンド粒子に対立するものとして、多結晶ダイヤモンド粒子は黒く、それは、これらの粒子が歯の隙間および/または溝を充填した場合、好ましくない外観に結びつくかもしれない。したがって、好ましくは、ダイヤモンド粒子の少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも99重量%、最も好ましくはすべてのダイヤモンド粒子は、単結晶である。
【0033】
デンタルケア製品は、さらに、たとえば水、グリセリン、ポリエチレングリコールなどのような、当業者にそれ自体公知である基材物質を含んでもよい。製品の組成は、使用される研磨材を例外として、現在の技術による任意の化合物または組成であってもよい。
【0034】
好ましい実施の形態によれば、製品は、ダイヤモンド粒子を含む球状または不規則に形状化されたクラスタを含んでもよい。
【0035】
有利なことに、クラスタに含まれるダイヤモンド粒子は、水溶性バインダによって結合される。好ましい実施の形態によれば、水溶性バインダは、次の物質のうちのいずれかまたはそれらの組合せのいずれかを含んでもよい:
− ポリビニルアルコールの重合および加水分解のあらゆる度合いを伴うポリビニルアルコール(PVA、商品名Mowiol(R));あらゆる重合度のポリビニルピロリドン(PVP、商品名Luvitec,Lu−vicross,Kollidon);ポリビニルポリピロリドン(PVPP(商品名Crospovidon)、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドンN−ビニルイミダゾール共重合体、またはビニルピロリドンビニルカプロラクタム共重合体などのような、ポリビニルピロリドン誘導体および共重合体;
− Dグルコース、Dフルクトース、ソルビトールのような糖類、あらゆる異なる起源および分子量からの澱粉、セルロースおよびペクチン、酸性化もしくは塩基性に変性された澱粉、化学的に還元もしくは酸化された澱粉、アセチル化された澱粉、ヒドロキシプロピル化された澱粉、ホスホン酸塩化された澱粉などのような変性澱粉のような多糖類、セルロースおよび/またはセルロース誘導体の分子量および加水分解のあらゆる度合いを伴うメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アセチルセルロース、カルボキシ−メチルセルロースのようなセルロース誘導体;あらゆる異なる起源および分子量からのペクチンまたは寒天のようなポリウロナイド;
− あらゆる異なる起源、および酸性および塩基性処理で製造されるゼラチン、ゼラチンのためのあらゆる異なる起源、および酸性および塩基性処理のようなゼラチン製造工程による一部硬化されたゼラチン、およびホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、アルミニウム塩類、マグネシウム塩類、亜鉛塩類のような異なる硬化する物質;
− アルギン酸、カラゲーナンゴム、ローカストビーンゴム(Johan―nisbrotkernmehl)、ガーゴム、キサンタンゴム、トラガカントゴム、アラビアゴム、カラヤゴムのような、増粘作用を持つ天然物質。
【0036】
好ましくは、ダイヤモンド粒子は、クラスタの全体積にわたって一様に分布される。
ここに記載されるようなクラスタは、製品が使用されるときにたとえば人間の唾液からの水分のような加えられる水分にさらされると縮小されるサイズを有する。したがって、ダイヤモンド粒子を含むクラスタは最初はより大きなサイズを有し、それはより高くより速い研磨作用に結びつく。デンタルケア製品、特に練歯磨きでの歯の処置中に、クラスタのバインダは、徐々に溶解し、研磨作用も減少する。その結果、歯が意図せずして研磨作用に長く晒されることが防がれる。
【0037】
好ましい実施の形態では、製品は、1μmと100μmとの間、好ましくは5μmと50μmとの間のサイズを有するクラスタを含む。この発明によれば、クラスタのサイズは以下のように定められる:クラスタを光学顕微鏡で画像化して、クラスタの二次元画像を形成する。クラスタのサイズは、クラスタの画像を含む円の最も小さな直径として規定され、円の直径は画像の尺度によって定められる。
【0038】
好みで、製品の(サイズ範囲外のサイズを有するオプションのダイヤモンド粒子を含む)第1のサイズ範囲のすべてのダイヤモンド粒子の少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも90重量%は、これらのクラスタ内に配置される。
【0039】
いくつかの実施の形態によると、クラスタの少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%は、ダイヤモンド粒子の40体積%と60体積%との間を含む。
【0040】
1つの実施の形態では、クラスタは、各々の少なくとも90重量%が、5分、好ましくは3分、最も好ましくは2分内に水に溶けるように、設計される。これらの値は、クラスタの研磨作用が歯にブラシをかける推奨された時間中に減少することを保証する。
【0041】
特に、クラスタにおけるダイヤモンド粒子のサイズ、および/または水溶性バインダの組成、および/またはクラスタのサイズは、各クラスタの少なくとも90重量%が上記の指定された時間内に水に溶けるよう設計される。
【0042】
この発明による練歯磨きは、さらに以下の成分のうちのいずれかまたはすべてを含んでもよい:
− 練歯磨きの乾燥を防ぐ、少なくとも1つの懸濁化剤または保湿剤(たとえばグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールまたはキシリトール);
− 固形成分の析出を防ぎ、練歯磨きの一様な軟度を可能にする少なくとも1つの安定剤(たとえばアカシアゴム、カラゲーナン、メチルセルロース、ガーゴム、ポリエチレングリコール、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、トラガカントゴム、キサンタンゴム、キシロース);
− 歯の表面の湿潤性を増加させるかおよび/または泡を発生させる少なくとも1つの界面活性剤、(たとえばラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ポリエチレン、パルミチン酸ナトリウム);
− 懸濁化剤および/または安定剤を保存する少なくとも1つの防腐剤(たとえば安息香酸ナトリウム);
− 少なくとも1つの抗菌剤(たとえばメチルバラベン);
− 少なくとも1つのう蝕予防薬(たとえばフッ化ナトリウム、フッ化スズ);
− 少なくとも1つの抗歯肉炎薬;
− 少なくとも1つの抗歯垢形成剤(たとえばフッ化スズ);
− 少なくとも1つの抗歯石剤(たとえばクエン酸亜鉛、塩化亜鉛);
− 少なくとも1つのビタミン;
− 少なくとも1つの香料剤(たとえばペパーミント、スペアミント、メントール、サッカリン);
− 少なくとも1つの着色剤(たとえば珪酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン);および/または
− 少なくとも1つの甘味剤。
【0043】
好ましい実施の形態によれば、製品は、ダイヤモンド粒子、特に第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも一部に結合される少なくとも1つの活性成分を含む。ここに用いられるような活性成分は、製品中の、薬学的に活性な任意の物質であってよい。特に、活性成分は、上に挙げられた具体例のうちのいずれかを含む抗菌剤、う蝕予防薬、抗歯肉炎薬、抗歯垢形成剤、抗歯石剤、ビタミンからなる群またはそれらの任意の組合せから選択されてもよい。
【0044】
好ましくは、製品は、2,000,000mPas以下、好ましくは1,000,000mPas以下、最も好ましくは500,000mPas以下のブルックフィールド粘度を有し、ブルックフィールド粘度は、TEスピンドルを23℃および毎分5回転で使用して、ブルックフィールドRVT粘度計で測定される。製品が練歯磨きである場合、そのような粘度は特に有用であり、なぜならば、それは練歯磨きの適用を快適にするからである。
【0045】
好ましい実施の形態によれば、製品は、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含む。これらの研磨粒子は、2.6μmと10μmとの間、より好ましくは3μmと6μmとの間、最も好ましく3.5μmと5μmとの間の第2のサイズ範囲内のサイズを有する。
【0046】
第2のサイズ範囲内のこれらの研磨粒子は、製品で処置された歯の表面をより粗くし、処理された歯がより白く見え、望ましい美的効果があるという有利な効果を有する。特に、歯の表面は、制御された態様で粗くされる。
【0047】
好ましくは、製品は、製品の2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下の第2のサイズ範囲内のサイズを有する研磨粒子を含む。
【0048】
一般的に、研磨粒子の直径が大きいほど、前記粒子の量は少なくなるはずである。
別の好ましい実施の形態では、製品は、歯のホワイトニング剤、好ましくは化学的な歯のホワイトニング剤を含む。この歯のホワイトニング剤は、好ましくは、5重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満の量で存在する。
【0049】
製品における歯のホワイトニング剤は、製品で処置した歯をより白く見せ、それは望ましい美的効果である。
【0050】
好ましくは、上に記載されるような歯のホワイトニング剤は、過酸化水素、過酸化カルバミド、三リン酸五ナトリウム、ポリリン酸塩、ピロ燐酸塩、クエン酸、パパインなどの少なくとも1つを含む。
【0051】
いくつかの実施の形態では、この発明によるデンタルケア製品は、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含む医療用チューインガムである。そのような医療用チューインガムは、当該技術分野において公知であり、たとえばEP1685875に記載される。
【0052】
他の実施の形態では、この発明によるデンタルケア製品は、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含む小楊枝である。この小楊枝は一般に公知の小楊枝としての形状および寸法を有してもよい。それは、たとえば、木材、プラスチックまたは竹のような、先行技術からも公知の材料からなる芯を含んでもよい。
【0053】
小楊枝の研磨粒子は、バインダによって小楊枝の芯に取付けられてもよい。任意の公知のコーティング技術、特に、研磨業界において公知のいわゆるコーティングされた研磨材の製造において通常適用されるコーティング技術を用いて、バインダおよびダイヤモンド粒子を小楊枝に適用してもよい。たとえば、浸し塗、吹付塗またはコーティングローラでのようなトランスファコーティングを用いてもよい。
【0054】
好ましくは、バインダは水および/または唾液に溶けない。バインダは、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリイミド、ポリエテレ−テルケトン(polyethere―therketones)、ポリフェニルスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリルニトリル、ポリアルキド、ポリビニルブチレート、エポキシ、架橋されたポリビニルアルコールまたは高グレードの重合または低グレードの加水分解を伴う非水溶性種、硬化または架橋されたゼラチン、ポリフェノールレゾール、ポリメラミンレゾール、脂肪族炭化水素(パラフィンのように、25℃より上の溶融温度を伴う)、オレフィンの不飽和炭化水素、ポリオレフィン、蝋(エステルおよび長鎖の脂肪族第一アルコールを伴う脂肪酸から本質的になる植物性、動物性または合成組成)、アルキド樹脂(多価アルコール、多プロトン酸または脂肪酸の強く疎水性の合成重合体)またはそれらの任意の組合せからなる群から選択されてもよい。
【0055】
好ましい実施の形態では、研磨粒子は、本質的に、歯間に入るために意図される小楊枝の先端に位置する。
【0056】
さらなる実施の形態では、この発明のデンタルケア製品は、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含むデンタルフロスである。デンタルフロスそれ自体およびその製造は、EP 980 678からのように、現在の技術から公知であり、それをここに引用により援用する。デンタルフロスは、マルチフィラメントヤーンの芯を含んでもよい。
【0057】
好ましい実施の形態では、研磨粒子は、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリイミド、ポリエテレ−テルケトン(polyethere―therketones)、ポリフェニルスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリルニトリル、ポリアルキド、ポリビニルブチレート、エポキシ、架橋されたポリビニルアルコールまたは高グレードの重合または低グレードの加水分解を伴う非水溶性種、硬化または架橋されたゼラチン、ポリフェノールレゾール、ポリメラミンレゾール、脂肪族炭化水素(パラフィンのように、25℃より上の溶融温度を伴う)、オレフィンの不飽和炭化水素、ポリオレフィン、蝋(エステルおよび長鎖の脂肪族第一アルコールを伴う脂肪酸から本質的になる植物性、動物性または合成組成)、アルキド樹脂(多価アルコール、多プロトン酸または脂肪酸の強く疎水性の合成重合体)またはそれらの任意の組合せからなる群から選択されたバインダによってデンタルフロスの芯に取付けられてもよい。
【0058】
さらに別の実施の形態では、デンタルケア製品は歯間ブラシであってもよい。好ましい実施の形態では、研磨粒子は、上に挙げられたもののうちのいずれかのような任意の好適なバインダによって歯間ブラシに取付けられてもよい。通常、歯間ブラシは一般的な公知の練歯磨きとともに使用するのには推奨されず、なぜならば、これらの練歯磨きに含まれる研磨粒子のサイズのため、歯間空隙が損傷されるであろうからである。しかしながら、歯間ブラシは、この発明によるデンタルケア製品、特に練歯磨きとともに使用されてもよく、なぜならば、これらの練歯磨きにおけるダイヤモンド粒子ははるかに小さく、その結果、歯間空隙ははるかにより優しく処置されるからである。
【0059】
この発明のさらなる局面は、上に記載されるようなデンタルケア製品の製造のためのサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の使用である。
【0060】
この発明の別の局面は、歯ブラシおよび上に記載されるようなデンタルケア製品を含むパーツからなるキットに関し、その製品は練歯磨きである。キットの歯ブラシは、歯、特に人間の歯に練歯磨きを適用するために用いられてもよい。特に、歯ブラシは、純粋に手動の歯ブラシ、電動歯ブラシまたは音波歯ブラシであってもよい。
【0061】
いくつかの実施の形態では、歯ブラシは任意の従来公知の歯ブラシであってもよい。他の実施の形態では、歯ブラシは、以下に述べられる特性のうちのいくつかまたはすべてを有してもよい。
【0062】
1つの実施の形態では、歯ブラシは、研磨粒子を含む剛毛を含む。研磨粒子は剛毛の表面上にのみ配置されてもよい。研磨粒子が解放されるのは、歯ブラシが、キットの練歯磨きとともに、機械的研磨および/または物理的もしくは化学作用のいずれかによって使用されるときだけである。特に、これらの研磨粒子はダイヤモンド粒子であってもよい。選択肢として、研磨粒子は剛毛の内部にも配置されてもよい。
【0063】
好ましい実施の形態では、剛毛は、0.3μmと50μmとの間、好ましくは0.4μmと20μmとの間、最も好ましくは0.5μmと10μmとの間のサイズを有する研磨粒子を含む。
【0064】
さらなる好ましい実施の形態によれば、剛毛の研磨粒子の総量は、剛毛の70体積%未満、好ましくは50体積%未満、最も好ましく30体積%未満である。
【0065】
好ましい実施の形態によれば、剛毛の研磨粒子は、本質的に剛毛の表面に位置する。したがって、剛毛の本質的にすべての研磨粒子が、歯ブラシで処置される歯と接触することができる。
【0066】
ダイヤモンド粒子は当該技術分野において公知のコーティング技術によって剛毛に結合される。好ましくは、バインダおよびダイヤモンド粒子を含むコーティング混合物が、この目的に使用される。代替的に、バインダは任意の公知の粉体コーティング技術によって粉体として剛毛上に適用されてもよい。液体および粉体コーティングの両方について、コーティング混合物はダイヤモンド粒子およびバインダを含む。好ましくは、バインダは水または人間の唾液の任意の成分に可溶でなく、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリイミド、ポリエテレ−テルケトン(polyethere―therketones)、ポリフェニルスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリルニトリル、ポリアルキド、ポリビニルブチレート、エポキシ、架橋されたポリビニルアルコールまたは高グレードの重合または低グレードの加水分解を伴う非水溶性種、硬化または架橋されたゼラチン、ポリフェノールレゾール、ポリメラミンレゾール、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択されてもよい。
【0067】
さらなる好ましい実施の形態によると、歯ブラシの剛毛は、練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を保持することができる。特に、剛毛の表面は、ダイヤモンド粒子が、たとえば摩擦によるように、機械的に保持されるように、設計されてもよい。したがって、練歯磨きにもともと含まれているダイヤモンド粒子は、練歯磨きが唾液によって既に希釈されたときでさえ、歯の表面と接触させられた剛毛の表面に一時的または永久的に埋込まれてもよい。さらに、練歯磨きからくる研磨粒子のうちのいくらかは、後の処置まで剛毛の中で保持されてもよい。したがって、一旦歯ブラシの剛毛がこの発明による練歯磨きからくる研磨粒子を充填されると、歯ブラシは、より低い含有量のダイヤモンド粒子を含む別の練歯磨きとともに使用されてもよい。
【0068】
好ましくは、剛毛の少なくとも一部の表面の少なくとも一部は、剛毛が練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を保持することができるように、テクスチャを与えられる。好ましくは、テクスチャは、0.3μmと2.5μmとの間、好ましくは0.5μmと2.0μmとの間、より好ましくは0.75μmと1.5μmとの間の表面粗さRmaxを有する。さらに、好ましくは、ISO4287による中間ピーク間隔は保持されるべきダイヤモンド粒子のサイズに適合される。特に、中間ピーク間隔は、0.3μmから2.5μm、好ましくは0.5μmから2.0μm、より好ましくは0.75μmから1.5μmの範囲にあってもよい。
【0069】
好ましい実施の形態では、剛毛の全表面にテクスチャが与えられる。ダイヤモンド粒子は、剛毛によって、摩擦により、特に、表面の凹部に入り、剛毛の材料の弾性のために表面の隣り合う隆起間に留められることによって、機械的に保持されてもよい。
【0070】
いくつかの実施の形態では、剛毛の表面の少なくとも一部は粗くされ、それによってテクスチャが得られる。剛毛は、サンドブラスティングのような、それ自体公知の工程によって粗くされてもよい。
【0071】
他の実施の形態では、剛毛の表面の少なくとも一部は多孔質であり、それによってテクスチャが得られる。好ましくは、全剛毛は、熱処理を受けたポリアミドまたはポリエステルのような多孔質材料から形成される。
【0072】
この発明のさらなる局面は、第1のサイズ範囲の研磨粒子を含む、上に記載されるような第1のデンタルケア製品を含むパーツからなるキットに関する。これらの研磨粒子は、特に、ダイヤモンド粒子である。さらに、パーツからなるキットは第2のサイズ範囲の研磨粒子および/または歯のホワイトニング剤を含む、上に記載されるような第2のデンタルケア製品を含む。第2のデンタルケア製品の研磨粒子は、特に、ダイヤモンド粒子である。
【0073】
「および/または」という文言は、第2のデンタルケア製品は、第2のサイズ範囲内の研磨粒子は含むが歯のホワイトニング剤は含まないか、または第2のサイズ範囲内の研磨粒子は含まないが歯のホワイトニング剤は含むか、または第2のサイズ範囲内の研磨粒子および歯のホワイトニング剤を含む、という意味を有する。
【0074】
これらの2つのデンタルケア製品は、たとえば、一方は毎日の使用、他方は週単位の使用を意図した、キットの一部としての異なる練歯磨きに含まれてもよい。キットが有する両方のデンタルケア製品の他の使用処置方式、たとえば両方のデンタルケア製品を毎日交互に使用することも、可能である。
【0075】
パーツからなるキットは、たとえば消費者に送られるよう販売され得るかまたは消費者が店頭で手に取れるよう販売され得る、前記練歯磨きを含む箱であってもよい。さらに、パーツからなるキットは、インターネット上で販売されてもよく、一方で、キットに含まれる練歯磨きは、たとえば消費者が選ぶことができ、ついで、パーツからなるキットとして消費者に送ることができる。
【0076】
さらに、この発明は、歯ブラシ、特に純粋に手動の歯ブラシ、電動歯ブラシまたは音波歯ブラシに関する。歯ブラシは、上に記載されるようなキットに含まれる歯ブラシの特性のうちのいずれかまたはすべてを有してもよい。特に、歯ブラシは、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含む剛毛を含んでもよい。剛毛の研磨粒子は、本質的に剛毛の表面に位置してもよい。さらに、研磨粒子は、0.3μmと50μmとの間、好ましくは0.4μmと20μmとの間、最も好ましくは0.5μmと10μmとの間のサイズを有する。
【0077】
さらにまたは代替的に、歯ブラシは、0.3μmと2.5μmとの間、好ましくは0.5μmと2.0μmとの間、より好ましくは0.75μmと1.5μmとの間のサイズを有するダイヤモンド粒子を少なくとも一時的に保持できてもよい。
【0078】
上に記載されるようなデンタルケア製品を含む練歯磨きは、子供による使用に向けられるてもよい。子供のためのこの練歯磨きは、好ましくは、少なくとも、0.5μmの平均粒子サイズのダイヤモンド粒子を製品の0.1重量%の量で含む。子供のためのこの練歯磨きは、好ましくは、フッ素を1000ppm未満、より好ましくは500ppm未満の量で含む。
【0079】
上に記載されるようなデンタルケア製品を含む練歯磨きは、大人による使用に向けられてもよい。大人のためのこの練歯磨きは、好ましくは、少なくとも、1μmの平均粒子サイズのダイヤモンド粒子を製品の0.2重量%の量で含む。大人のためのこの練歯磨きは、好ましくは、フッ素を3000ppm未満、より好ましくは1500ppm未満、最も好ましくは800ppmと1500ppmとの間の量で含む。
【0080】
上に記載されるようなデンタルケア製品を含む練歯磨きは、特別な練歯磨きとしての使用に向けられてもよい。特別な使用のためのこの練歯磨きは、好ましくは、少なくとも、1μmの平均粒子サイズのダイヤモンド粒子を製品の0.1重量%の量で含み、4μmの平均粒子サイズのダイヤモンド粒子を製品の0.1重量%の量で含む。この練歯磨きは、子供または大人のための練歯磨きのために記載されるような量でフッ素を含んでもよく、または実質的な量のフッ素を含まなくてもよい。
【0081】
この発明のさらなる局面は、少なくとも1つの漂白された歯の処置での使用のための、上に記載されるデンタルケア製品に関する。
【0082】
従来の方法、たとえば歯を化学的に白くする漂白ジェルでの歯の漂白後、歯は、しばしば、外部の熱的刺激、化学的刺激または触覚的刺激に神経過敏になる。前記漂白された歯の処置は、この過敏症を有意に低減する。これは歯細管の封止により達成される。
【0083】
この発明のさらに別の局面は、上に記載されるようなデンタルケア製品を伴う、少なくとも1つの漂白された歯の処置のための方法に関し、少なくとも1つの歯は、漂白に続いてデンタルケア製品で処置される。
【0084】
この発明を、非限定的な例および図面によって、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1a】公知の練歯磨きの研磨粒子を示す。
【図1b】公知の練歯磨きの研磨粒子を示す。
【図2a】この発明による練歯磨きのダイヤモンド粒子を示す。
【図2b】この発明による練歯磨きのダイヤモンド粒子を示す。
【図3】この発明による練歯磨きのダイヤモンド粒子の粒度分布を示す
【図4】この発明による別の練歯磨きのダイヤモンド粒子の粒度分布を示す
【図5】この発明によるさらに別の練歯磨きのダイヤモンド粒子の粒度分布を示す
【図6】この発明による練歯磨きに含まれる研磨粒子を伴うクラスタの概略図を示す
【図7a】この発明によるキットの、研磨粒子を含む剛毛2を含む歯ブラシを示す。
【図7b】この発明によるキットの、研磨粒子を含む剛毛2を含む歯ブラシを示す。
【図8a】剛毛の表面が粗くされ、研磨粒子を保持することができる、この発明によるキットの別の歯ブラシを示す。
【図8b】剛毛の表面が粗くされ、研磨粒子を保持することができる、この発明によるキットの別の歯ブラシを示す。
【図8c】剛毛の表面が粗くされ、研磨粒子を保持することができる、この発明によるキットの別の歯ブラシを示す。
【図9】この発明によるさらなる練歯磨きのダイヤモンド粒子の粒度分布を示す。
【図10】この発明による第1および第2のデンタル製品を含むパーツからなるキットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1aは、一般に利用可能な練歯磨きに含まれる研磨粒子の画像を示す。画像は一般に公知の走査電子顕微鏡(SEM)によって得られた。図1bは、これらの研磨粒子の概略図を示す。これらの図から見ることができるように、珪酸からなる研磨粒子は、数マイクロメートルのサイズを有する。
他方、図2aおよび図2bは、この発明による練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子のSEM画像および概略図をそれぞれ示す。これらのダイヤモンド粒子は図3に従う粒度分布を有する(以下を参照)。図1aおよび図1bで示される現在の技術に関してのこの低減されたサイズにより、練歯磨きの適用中に歯から取除かれる材料の量は、有意に低減される。
【0087】
図3は、練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子の粒度分布を示す。この粒度分布は、0.75μmから1.5μmまでのサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む。この粒度分布は、0.75μmにあるサイズ範囲の下端より下のダイヤモンド粒子も含む。この粒度分布は、0.2μm未満またはさらには0.1μm未満のサイズを有するダイヤモンド粒子を含んでもよいし、含まなくてもよい。しかしながら、好ましい実施の形態によれば、粒度分布は、0.2μmより下のサイズを有する0.005重量%未満のダイヤモンド粒子を含み、そのパーセンテージは練歯磨き全体に対して得られるものである。図3は相対的な重量分布を示す片対数プロットであり、片対数プロットの最大値が100の縦座標値に対応するよう正規化されている。図3による分布は1.08μmで最大値を有する。
【0088】
図4は、この発明による別の練歯磨きにおけるダイヤモンド粒子の粒度分布を示す図を示す。この図4は相対的な重量分布も示すことに注目されたい。図4によるダイヤモンド粒子の分布は、本質的に、0.75μmと1.5μmとの間のサイズ範囲内のダイヤモンド粒子のみを含み、ダイヤモンド粒子の0.005%未満がこのサイズ範囲外である(それは図4においてグラフでは分離できない)。このパーセンテージも、練歯磨き全体に対して得られるものである。
【0089】
図5は、この発明によるさらに別の練歯磨きにおけるダイヤモンド粒子の粒度分布を示す。この図は、0.3μmと0.8μmとの間のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む相対的な重量分布を示す。この分布は、図5の片対数のプロットにおいて0.4μmおよび0.6μmに局所極大を有する双峰分布である。粒度分布は、0.2μmより下のサイズを有する0.005重量%未満のダイヤモンド粒子を含み、これらのパーセンテージも練歯磨き全体に対して得られるものである。
【0090】
図6は、この発明による練歯磨きに含まれる、ダイヤモンド粒子3を伴うクラスタ5の概略図を示す。ダイヤモンド粒子3は、水溶性バインダとして働くゼラチンにより結合され、0.75μmと2.5μmとの間のサイズを有する。練歯磨き内のクラスタの少なくとも95%は、ダイヤモンド粒子3の40体積%と60体積%との間を含む。ゼラチンによって結合された粒子を含むクラスタの製造は、それ自体、たとえば、GB 1 460 069から公知である。さらに、噴霧乾燥のような、クラスタを製造するための任意の他の公知の技術を適用してもよい。
【0091】
図7aは、この発明によるキットに含まれる歯ブラシ1を示す。歯ブラシ1は剛毛2を含む。剛毛2はポリアミドまたはポリエステルからなる。それらは11mmの長さおよび0.2mmの直径を有する。剛毛2は、それらの表面上にダイヤモンド粒子3を含む(図7bにおける拡大図)。ダイヤモンド粒子3はポリアミドまたはポリエステルのバインダによって剛毛2に結合される。製造に関して、剛毛2は、バインダおよびダイヤモンド粒子3を含むコーティング混合物でコーティングされる。
【0092】
剛毛2のダイヤモンド粒子3は、2μmの中央値サイズおよび0.15μmの標準偏差を有する。図7bの研磨粒子3は尺度決めされて示されていないことに注意されたい。
【0093】
図8aは、パーツからなる発明のキットの歯ブラシ1の別の実施の形態を示す。図7aに示される歯ブラシに対立するものとして、この歯ブラシ1はその最初の状態において研磨粒子を含んでいない。代りに、図8bの拡大図で示されるように、剛毛2は、0.7μmの表面粗さRmax、およびISO 4287による1μmの中間ピーク間隔を有する、粗くされた面を有する。剛毛2は、たとえばサンドブラスティングによって、テクスチャを与えられてもよい。サンドブラスティングによる製造で用いられる砂粒子は、50μmのサイズを有してもよい。代替的に、テクスチャは、研磨ディスクまたは研磨ブラシのような研磨ツールで表面を粗くすることにより得られてもよい。
【0094】
剛毛2は、キットの練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を少なくとも一時的に保持することができるように、粗くされる。したがって、剛毛2は、約0.3μm〜約1μmまでの範囲のダイヤモンド粒子を保持することができる。これらのダイヤモンド粒子は、表面の凹部に入り、剛毛2の材料の弾性のために表面の隣り合う隆起間に留められることによって、剛毛2により機械的に保持されてもよい。図8cは、歯ブラシ1でのこの発明による練歯磨きの適用中に練歯磨きから取られたダイヤモンド粒子3を保持する、図8bの剛毛2を示す。
【0095】
図9は、練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子の粒度分布を示す。この粒度分布は、0.3μmから2.5μmまでの第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む。さらに、この粒度分布は、3.4μmから4.6μmまでの第2のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含む。図9は相対的な重量分布を示す線形のプロットであり、線形のプロットの最大値が100の縦座標値に対応するように、正規化されている。
【0096】
図10は、第1のデンタルケア製品11を伴う練歯磨きおよび第2のデンタルケア製品12を伴う練歯磨きを含むパーツのキット10を示す。両方の練歯磨きは、たとえば、買い手へのパーツのキット10の運送に好適な箱11に含まれる。
【0097】
第1のデンタルケア製品は、1.2μmの中央値サイズを伴うダイヤモンド粒子を含む。第2のデンタルケア製品は、4μmの中央値サイズを伴うダイヤモンド粒子、および歯のホワイトニング剤としての過酸化水素を含む。
【実施例】
【0098】
実施例1(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第1の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 60%のポリエチレングリコール;
− 33.5%のソルビトール;
− 1.5%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1.85%のスペアミント;
− 2%のキサンタンガム;
− 0.5%の甘味料;
− 0.15%の図3に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.5%のフッ化ナトリウム。
【0099】
実施例2(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第2の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 25%のグリセリン;
− 25%の水;
− 43%のソルビトール;
− 1.5%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1%のメントール;
− 3%のアカシアゴム;
− 0.5%の図3に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.5%の二酸化チタン;
− 0.5%のフッ化ナトリウム。
【0100】
実施例3(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第3の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 60%のグリセリン;
− 33%のキシリトール;
− 2%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1.8%のペパーミント;
− 2%のガーゴム;
− 0.2%の図3に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.25%のフッ化ナトリウム;
− 0.25%のフッ化スズ;
− 0.5%のクエン酸亜鉛。
【0101】
実施例4(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第4の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 60%のグリセリン;
− 33%のキシリトール;
− 2%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1.8%のペパーミント;
− 2%のガーゴム;
− 0.2%の図9に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.25%のフッ化ナトリウム;
− 0.25%のフッ化スズ;
− 0.5%のクエン酸亜鉛。
【0102】
実施例5(練歯磨き):
この発明による練歯磨きの第5の実施の形態は、当該技術分野においてそれ自体公知の任意の技術によって以下の成分を混合することにより調製され、そのパーセンテージは製品全体に関して重量で与えられるものである:
− 25%のグリセリン;
− 25%の水;
− 43%のソルビトール;
− 1.4%のラウリル硫酸ナトリウム;
− 1%のメントール;
− 3%のアカシアゴム;
− 0.5%の図3に示される相対的な粒度分布によるダイヤモンド粒子;
− 0.5%の二酸化チタン;
− 0.5%のフッ化ナトリウム;
− 0.1重量%の過酸化水素。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に練歯磨きである、デンタルケア製品であって、0.3μmから2.5μm、好ましくは0.5μmから2.0μm、最も好ましくは0.75μmから1.5μmまでの第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、前記第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の量は、前記製品の2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下であることにおいて特徴付けられる、デンタルケア製品。
【請求項2】
前記第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の量は、前記製品の少なくとも0.0001重量%、より好ましくは少なくとも0.05重量%、最も好ましくは少なくとも0.1重量%であることにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%は、前記第1のサイズ範囲の下半分内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項4】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%は、前記第1のサイズ範囲の上半分内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項5】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、前記第1のサイズ範囲の最も下の4分の1内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項6】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、前記第1のサイズ範囲の下から2番目の4分の1内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項7】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、前記第1のサイズ範囲の上から2番目の4分の1内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項8】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、前記第1のサイズ範囲の最も上の4分の1内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項9】
前記製品におけるすべてのダイヤモンド粒子の総量は、前記製品の3重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満であることにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項10】
前記製品は、0.025重量%未満、好ましくは0.005重量%未満の、0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、より好ましくは0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子をまったく含まないことにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項11】
前記製品は、0.005重量%未満、好ましくは0.001重量%未満の、0.1μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、より好ましくは0.1μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子まったくを含まないことにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項12】
特に、水、グリセリン、ポリエチレングリコールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される基材物質を含むことにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項13】
2,000,000mPas以下、好ましくは1,000,000mPas以下、最も好ましくは500,000mPas以下のブルックフィールド粘度を有する、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項14】
少なくとも1つの活性成分、特に、抗菌剤、う蝕予防薬、抗歯肉炎薬、抗歯垢形成剤、抗歯石剤、ビタミンからなる群から選択される活性成分が、前記ダイヤモンド粒子の少なくとも一部、特に前記第1のサイズ範囲内のダイヤモンド粒子の少なくとも一部に結合されることにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項15】
ダイヤモンド粒子、特に前記第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含むクラスタを含み、前記クラスタのダイヤモンド粒子は水溶性バインダによって結合される、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項16】
1μmと100μmとの間、好ましくは5μmと50μmとの間のサイズを有するクラスタを含むことにおいて特徴付けられる、請求項15に記載の製品。
【請求項17】
前記製品のダイヤモンド粒子の少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくはすべてが、クラスタ内に配置される、請求項15または16の1つに記載の製品。
【請求項18】
前記クラスタ、特に、前記クラスタ内のダイヤモンド粒子のサイズ、および/または前記水溶性バインダの組成、および/または前記クラスタのサイズは、各クラスタの少なくとも90重量%が、5分、好ましくは3分、最も好ましくは2分内に水に溶けるように、設計される、請求項15〜17の1つに記載の製品。
【請求項19】
2.6μmと10μmとの間、より好ましくは3μmと6μmとの間、最も好ましく3.5μmと5μmとの間の第2のサイズ範囲内のサイズを有する研磨粒子(3)、特にダイヤモンド粒子を含む、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項20】
前記製品の2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下の前記第2のサイズ範囲内のサイズを有する研磨粒子を含む、請求項19に記載の製品。
【請求項21】
好ましくは、5重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満の量で存在する歯のホワイトニング剤、好ましくは化学的な歯のホワイトニング剤を含むことにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項22】
前記歯のホワイトニング剤は、過酸化水素、過酸化カルバミド、三リン酸五ナトリウム、ポリリン酸塩、ピロ燐酸塩、クエン酸、パパインの少なくとも1つを含むことにおいて特徴付けられる、請求項21に記載の製品。
【請求項23】
デンタルケア製品、特に先行する請求項のいずれかに記載のデンタルケア製品であって、特に、医療用チューインガム、小楊枝、デンタルフロス、および歯間ブラシからなる群から選択され、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含むことにおいて特徴付けられる、デンタルケア製品。
【請求項24】
− 第1のサイズ範囲のダイヤモンド粒子を含む請求項1〜23の1つに記載の第1のデンタルケア製品(12)と、
− 特に請求項1〜23の1つに記載の第2のデンタルケア製品(13)とを含むパーツを含むキット(10)であって、
(i)第2のサイズ範囲の、特にダイヤモンド粒子の研磨粒子(3)、および/または(ii)歯のホワイトニング剤を含む、キット。
【請求項25】
歯ブラシ(1)および請求項1〜23の1つに記載の製品を含むパーツからなるキットであって、前記製品は練歯磨きである、キット。
【請求項26】
前記歯ブラシ(1)は、研磨粒子(3)、特にダイヤモンド粒子を含む剛毛(2)を含むことにおいて特徴付けられる、請求項25に記載のキット。
【請求項27】
前記剛毛(2)は、0.3μmと50μmとの間、好ましくは0.4μmと20μmとの間、最も好ましくは0.5μmと10μmとの間のサイズを有する研磨粒子(3)を含むことにおいて特徴付けられる、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
前記剛毛(2)の前記研磨粒子(3)は、本質的に前記剛毛(2)の表面に位置することにおいて特徴付けられる、請求項25〜27の1つに記載のキット。
【請求項29】
前記剛毛(2)は、前記練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を少なくとも一時的に保持することができることにおいて特徴付けられる、請求項25〜28の1つに記載のキット。
【請求項30】
前記剛毛(2)の少なくとも一部の表面の少なくとも一部は、前記剛毛(2)が前記練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を保持することができるように、テクスチャを与えられることにおいて特徴付けられる、請求項29に記載のキット。
【請求項31】
研磨粒子(3)、特にダイヤモンド粒子を含む剛毛(2)を含む歯ブラシ(1)であって、前記研磨粒子(3)は、0.3μmと50μmとの間、好ましくは0.4μmと20μmとの間、最も好ましくは0.5μmと10μmとの間のサイズを有することにおいて特徴付けられる、歯ブラシ(1)。
【請求項32】
前記剛毛(2)の前記研磨粒子(3)は、本質的に前記剛毛(2)の表面に位置することにおいて特徴付けられる、請求項31に記載の歯ブラシ(1)。
【請求項33】
歯ブラシ(1)、特に請求項31および32の1つに記載の歯ブラシ(1)であって、0.3μmと2.5μmとの間、好ましくは0.5μmと2.0μmとの間、より好ましくは0.75μmと1.5μmとの間のサイズを有するダイヤモンド粒子を少なくとも一時的に保持することができる剛毛(2)を含む、歯ブラシ(1)。
【請求項34】
少なくとも1つの漂白された歯の処置で使用される、請求項1〜23の1つに記載のデンタルケア製品。
【請求項35】
請求項1〜23の1つに記載のデンタルケア製品を伴う、少なくとも1つの漂白された歯の処置の方法であって、前記少なくとも1つの漂白された歯は、漂白後に前記デンタルケア製品で処置される、方法。
【請求項1】
特に練歯磨きである、デンタルケア製品であって、0.3μmから2.5μm、好ましくは0.5μmから2.0μm、最も好ましくは0.75μmから1.5μmまでの第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、前記第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の量は、前記製品の2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下であることにおいて特徴付けられる、デンタルケア製品。
【請求項2】
前記第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子の量は、前記製品の少なくとも0.0001重量%、より好ましくは少なくとも0.05重量%、最も好ましくは少なくとも0.1重量%であることにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%は、前記第1のサイズ範囲の下半分内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項4】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%は、前記第1のサイズ範囲の上半分内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項5】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、前記第1のサイズ範囲の最も下の4分の1内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項6】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、前記第1のサイズ範囲の下から2番目の4分の1内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項7】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、前記第1のサイズ範囲の上から2番目の4分の1内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項8】
前記第1のサイズ範囲内にサイズを有するダイヤモンド粒子の少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%は、前記第1のサイズ範囲の最も上の4分の1内のサイズを有することにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項9】
前記製品におけるすべてのダイヤモンド粒子の総量は、前記製品の3重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満であることにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項10】
前記製品は、0.025重量%未満、好ましくは0.005重量%未満の、0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、より好ましくは0.2μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子をまったく含まないことにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項11】
前記製品は、0.005重量%未満、好ましくは0.001重量%未満の、0.1μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子を含み、より好ましくは0.1μmより下のサイズを有するダイヤモンド粒子まったくを含まないことにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項12】
特に、水、グリセリン、ポリエチレングリコールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される基材物質を含むことにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項13】
2,000,000mPas以下、好ましくは1,000,000mPas以下、最も好ましくは500,000mPas以下のブルックフィールド粘度を有する、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項14】
少なくとも1つの活性成分、特に、抗菌剤、う蝕予防薬、抗歯肉炎薬、抗歯垢形成剤、抗歯石剤、ビタミンからなる群から選択される活性成分が、前記ダイヤモンド粒子の少なくとも一部、特に前記第1のサイズ範囲内のダイヤモンド粒子の少なくとも一部に結合されることにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項15】
ダイヤモンド粒子、特に前記第1のサイズ範囲内のサイズを有するダイヤモンド粒子を含むクラスタを含み、前記クラスタのダイヤモンド粒子は水溶性バインダによって結合される、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項16】
1μmと100μmとの間、好ましくは5μmと50μmとの間のサイズを有するクラスタを含むことにおいて特徴付けられる、請求項15に記載の製品。
【請求項17】
前記製品のダイヤモンド粒子の少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくはすべてが、クラスタ内に配置される、請求項15または16の1つに記載の製品。
【請求項18】
前記クラスタ、特に、前記クラスタ内のダイヤモンド粒子のサイズ、および/または前記水溶性バインダの組成、および/または前記クラスタのサイズは、各クラスタの少なくとも90重量%が、5分、好ましくは3分、最も好ましくは2分内に水に溶けるように、設計される、請求項15〜17の1つに記載の製品。
【請求項19】
2.6μmと10μmとの間、より好ましくは3μmと6μmとの間、最も好ましく3.5μmと5μmとの間の第2のサイズ範囲内のサイズを有する研磨粒子(3)、特にダイヤモンド粒子を含む、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項20】
前記製品の2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下の前記第2のサイズ範囲内のサイズを有する研磨粒子を含む、請求項19に記載の製品。
【請求項21】
好ましくは、5重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満の量で存在する歯のホワイトニング剤、好ましくは化学的な歯のホワイトニング剤を含むことにおいて特徴付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の製品。
【請求項22】
前記歯のホワイトニング剤は、過酸化水素、過酸化カルバミド、三リン酸五ナトリウム、ポリリン酸塩、ピロ燐酸塩、クエン酸、パパインの少なくとも1つを含むことにおいて特徴付けられる、請求項21に記載の製品。
【請求項23】
デンタルケア製品、特に先行する請求項のいずれかに記載のデンタルケア製品であって、特に、医療用チューインガム、小楊枝、デンタルフロス、および歯間ブラシからなる群から選択され、研磨粒子、特にダイヤモンド粒子を含むことにおいて特徴付けられる、デンタルケア製品。
【請求項24】
− 第1のサイズ範囲のダイヤモンド粒子を含む請求項1〜23の1つに記載の第1のデンタルケア製品(12)と、
− 特に請求項1〜23の1つに記載の第2のデンタルケア製品(13)とを含むパーツを含むキット(10)であって、
(i)第2のサイズ範囲の、特にダイヤモンド粒子の研磨粒子(3)、および/または(ii)歯のホワイトニング剤を含む、キット。
【請求項25】
歯ブラシ(1)および請求項1〜23の1つに記載の製品を含むパーツからなるキットであって、前記製品は練歯磨きである、キット。
【請求項26】
前記歯ブラシ(1)は、研磨粒子(3)、特にダイヤモンド粒子を含む剛毛(2)を含むことにおいて特徴付けられる、請求項25に記載のキット。
【請求項27】
前記剛毛(2)は、0.3μmと50μmとの間、好ましくは0.4μmと20μmとの間、最も好ましくは0.5μmと10μmとの間のサイズを有する研磨粒子(3)を含むことにおいて特徴付けられる、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
前記剛毛(2)の前記研磨粒子(3)は、本質的に前記剛毛(2)の表面に位置することにおいて特徴付けられる、請求項25〜27の1つに記載のキット。
【請求項29】
前記剛毛(2)は、前記練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を少なくとも一時的に保持することができることにおいて特徴付けられる、請求項25〜28の1つに記載のキット。
【請求項30】
前記剛毛(2)の少なくとも一部の表面の少なくとも一部は、前記剛毛(2)が前記練歯磨きに含まれるダイヤモンド粒子を保持することができるように、テクスチャを与えられることにおいて特徴付けられる、請求項29に記載のキット。
【請求項31】
研磨粒子(3)、特にダイヤモンド粒子を含む剛毛(2)を含む歯ブラシ(1)であって、前記研磨粒子(3)は、0.3μmと50μmとの間、好ましくは0.4μmと20μmとの間、最も好ましくは0.5μmと10μmとの間のサイズを有することにおいて特徴付けられる、歯ブラシ(1)。
【請求項32】
前記剛毛(2)の前記研磨粒子(3)は、本質的に前記剛毛(2)の表面に位置することにおいて特徴付けられる、請求項31に記載の歯ブラシ(1)。
【請求項33】
歯ブラシ(1)、特に請求項31および32の1つに記載の歯ブラシ(1)であって、0.3μmと2.5μmとの間、好ましくは0.5μmと2.0μmとの間、より好ましくは0.75μmと1.5μmとの間のサイズを有するダイヤモンド粒子を少なくとも一時的に保持することができる剛毛(2)を含む、歯ブラシ(1)。
【請求項34】
少なくとも1つの漂白された歯の処置で使用される、請求項1〜23の1つに記載のデンタルケア製品。
【請求項35】
請求項1〜23の1つに記載のデンタルケア製品を伴う、少なくとも1つの漂白された歯の処置の方法であって、前記少なくとも1つの漂白された歯は、漂白後に前記デンタルケア製品で処置される、方法。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2012−509920(P2012−509920A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537902(P2011−537902)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053881
【国際公開番号】WO2010/060653
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(511126095)エイエムシー・アブレイシブズ・マーケティング・アンド・コンサルティング・リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ (1)
【氏名又は名称原語表記】AMC ABRASIVES MARKETING & CONSULTING LLP
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053881
【国際公開番号】WO2010/060653
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(511126095)エイエムシー・アブレイシブズ・マーケティング・アンド・コンサルティング・リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ (1)
【氏名又は名称原語表記】AMC ABRASIVES MARKETING & CONSULTING LLP
【Fターム(参考)】
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