説明

ダイレス加工方法

【課題】どのような形状のワークであっても、加工前の断面形状に対して、相似形の断面に変形できるダイレス加工方法を提供する。
【解決手段】本発明は、長尺なワークWを外周から加熱手段によって加熱しつつ、移動手段によって長さ方向に引張力または圧縮力を付与することにより、ワークの加熱部を変形させるダイレス加工方法を対象とする。本方法は、ワークWを加熱する際に、ワークRの断面形状に応じ、周方向の位置によって、加熱手段によるワーク外周面への入熱量を変化させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長尺なワークを断面方向に変形させるようにしたダイレス加工方法およびその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダイスを使用せずに、押出材等の長尺なワークを縮径加工する技術として例えば、下記特許文献1に示すダイレス加工方法が周知である。
【0003】
このダイレス加工方法は、押出材からなるワークを、所定位置において周方向全域から均一に加熱しつつ、軸心方向に引っ張ることにより、ワークの加熱部を縮径変形させるものである。
【特許文献1】特開昭48−81761号(特許請求の範囲、図面)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示す従来のダイレス加工方法では、断面が非円形等の異形断面形状のワークを加工しようとした際に、加工前の断面形状に対して、相似形の断面に精度良く変形させることは困難であるという問題を抱えていた。
【0005】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、どのような断面のワークであっても、加工前の断面形状に対して、相似形の断面に精度良く変形させることができるダイレス加工方法およびその関連技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
【0007】
ここで本発明において、「長尺なワーク」とは、「ワーク断面の縦方向(高さ方向)および横方向(幅方向)のうち少なくともいずれかの寸法(断面方向寸法)に対し、軸心方向(長さ方向)の長さが長いワーク」を言い、中でも本発明においては、「断面方向寸法に対し軸心方向の長さが3倍以上のワーク」を、「長尺なワーク」として好適に用いることができる。
【0008】
[1] 長尺なワークを外周から加熱手段によって加熱しつつ、長さ方向に引張力または圧縮力を付与することにより、ワークの加熱部を変形させるようにしたダイレス加工方法であって、
ワークを加熱する際に、ワークの断面形状に応じ、周方向の位置によって、加熱手段によるワーク外周面への入熱量を変化させるようにしたことを特徴とするダイレス加工方法。
【0009】
[2] ワークは、周方向の位置によって異なる熱容量を有し、熱容量に応じて加熱手段による入熱量を変化させるようにした前項1に記載のダイレス加工方法。
【0010】
[3] ワークは、周方向の位置によって肉厚の異なる周壁を有し、周壁のうち肉厚の厚い部分には、薄い部分に比べて、加熱手段による入熱量を多くするようにした前項1または2に記載のダイレス加工方法。
【0011】
[4] ワークは、多数の平坦な壁部が周方向に連接された断面多角形の周壁を有し、各壁部のうち断面積の大きい壁部には、断面積の小さい壁部に比べて、加熱手段による入熱量を多くするようにした前項1〜3のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【0012】
[5] ワークの加熱部における断面状態での材料温度において、最高温度と最低温度との温度差が50℃以下に設定される前項1〜4のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【0013】
[6] ワークの加熱部における温度が、450℃以上に設定される前項1〜5のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【0014】
[7] ワークは、多数の平坦な壁部が周方向に連接された断面多角形の周壁を有し、隣り合う壁部間の角部には、他の部分に比べて、加熱手段による入熱量を少なくするようにした前項1〜6のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【0015】
[8] ワークの加熱部を、固溶体化温度まで上昇させる前項1〜7のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【0016】
[9] ワークとして、アルミニウム又はその合金製のものが用いられる前項1〜8のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【0017】
[10] ワークとして、異形断面のものが用いられる前項1〜9のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【0018】
[11] 長尺なワークを外周から加熱手段によって加熱しつつ、長さ方向に引張力または圧縮力を付与することにより、ワークの加熱部を変形させるようにしたダイレス加工装置であって、
加熱手段は、ワークの周方向の位置によって、ワーク外周面への入熱量を変更可能に構成されたことを特徴とするダイレス加工装置。
【0019】
[12] 加熱手段は、ワークの外周に、周方向に並んで配置される複数の加熱器をもって構成される前項11に記載のダイレス加工装置。
【0020】
[13] 各加熱器の出力熱量をそれぞれ個別に調整可能に構成される前項12に記載のダイレス加工装置。
【0021】
[14] 加熱器が、ワークに対し接離方向に移動可能に構成される前項12または13に記載のダイレス加工装置。
【0022】
[15] 長尺なワークを外周から加熱手段によって加熱しつつ、長さ方向に引張力または圧縮力を付与することにより、ワークの加熱部を変形させるようにしたダイレス加工装置のワーク加熱方法であって、
ワークの断面形状に応じ、周方向の位置によって、加熱手段によるワーク外周面への入熱量を変化させるようにしたことを特徴とするダイレス加工装置のワーク加熱方法。
【0023】
[16] 長尺なワークを外周から加熱しつつ、長さ方向に引張力または圧縮力を付与することにより、ワークの加熱部を変形させるようにしたダイレス加工装置のワーク加熱装置であって、
ワークの周方向の位置によって、ワーク外周面への入熱量を変更可能に構成されたことを特徴とするダイレス加工装置のワーク加熱装置。
【発明の効果】
【0024】
発明[1]のダイレス加工方法によれば、どのような断面のワークであっても、加熱部の全周においてほぼ均一な温度に加熱することができるため、加工前の断面形状に対して、相似形の断面に精度良く変形させることができる。
【0025】
発明[2]〜[7]のダイレス加工方法によれば、ワークを、より一層精度良く変形させることができる。
【0026】
発明[8]のダイレス加工方法によれば、焼入れ効果を得ることができ、ダイレス加工製品の品質を向上させることができる。
【0027】
発明[9]のダイレス加工方法によれば、高品質のアルミニウム製ダイレス加工製品を得ることができる。
【0028】
発明[10]のダイレス加工方法によれば、異形断面で高品質のダイレス加工製品を得ることができる。
【0029】
発明[11]のダイレス加工装置によれば、どのような断面のワークであっても、加熱部の全周においてほぼ均一な温度に加熱することができるため、加工前の断面形状に対して、相似形の断面に精度良く変形させることができる。
【0030】
発明[12]〜[14]のダイレス加工装置によれば、ワークを、より一層精度良く変形させることができる。
【0031】
発明[15]によれば、上記と同様に、同様の効果を奏するダイレス加工装置のワーク加熱方法を提供することができる。
【0032】
発明[16]によれば、上記と同様に、同様の効果を奏するダイレス加工装置のワーク加熱装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
<第1実施形態>
図1はこの発明の第1実施形態であるダイレス加工装置を概略的に示す側面断面図、図2はそのダイレス加工装置のワーク加熱部を概略的に示す正面断面図である。両図に示すようにこのダイレス加工装置は、搬送経路(P)に沿って長尺なワーク(W)を長さ方向(軸心方向)に沿って下流側(搬送方向X)に搬送しつつ、加工するものであり、後述するように異形断面のワーク(W)が縮径加工されるようになっている。
【0034】
このダイレス加工装置は、搬送経路(P)の上流側から順に、送給装置(1)、加熱装置(3)、冷却装置(4)および引張装置(2)を備えている。さらに搬送経路(P)上における加熱装置(3)から冷却装置(4)までの領域が、変形加工域(R)として構成され、この変形加工域(R)においてワーク(W)が変形加工される。
【0035】
送給装置(1)は、ワーク(W)の上流側端部(基端部)を把持可能なチャック(11)と、そのチャック(11)を搬送方向(X)に沿って移動させるチャック駆動手段(図示省略)とを備えている。そしてチャック(11)によってワーク(W)の基端部を把持(保持)した状態で、そのチャック(11)をチャック駆動手段によって搬送方向(X)に移動させることによって、ワーク(W)の基端部が搬送経路(P)に沿って下流側に押し込まれて搬送されるようになっている。
【0036】
引張装置(2)は、ワーク(W)の下流側端部(先端部)を把持可能なチャック(21)と、そのチャック(21)を搬送方向(X)に沿って移動させるチャック駆動手段(図示省略)とを備えている。そしてチャック(21)によってワーク(W)の基端部を把持(保持)した状態で、そのチャック(21)をチャック駆動手段によって搬送方向(X)に移動させることによって、ワーク(W)の先端部が搬送経路(P)に沿って下流側に引き込まれて搬送されるようになっている。なお本実施形態においては、引張装置(2)が、ワーク(W)に対し引張力または圧縮力を付与する手段を構成している。
【0037】
本実施形態においては後述するように、送給装置(1)によるワーク(W)の押込速度(V1)よりも、引張装置(2)によるワーク(W)の引張速度(V2)が速く設定されることにより、ワーク(W)に長さ方向に沿った引張力を作用させて、その引張力によりワーク(W)の所定部(加熱部)を縮径薄肉変形させるものである。
【0038】
なお本実施形態において、送給装置(1)および引張装置(2)によるワーク(W)の移動速度(V1)(V2)は、自在に調整できるように構成されており、例えば送給装置(1)によるワーク(W)の押込速度(V1)よりも、引張装置(2)によるワーク(W)の引張速度(V2)を遅く設定することによって、ワーク(W)に長さ方向に沿った圧縮力を作用させて、その圧縮力により、ワーク(W)の所定部(加熱部)を拡径増肉変形させることも可能である。
【0039】
変形加工域(R)の上流側端部に対応して配置される加熱装置(3)は、搬送経路(P)を中心にして上下左右(上下両側)の周囲四側面にそれぞれ1個ずつ配置された4個の加熱器(31)〜(34)を備え、各加熱器(31)〜(34)によって、ワーク(W)を外周から個別に加熱できるようになっている。
【0040】
各加熱器(31)〜(34)としては、火炎を利用して加熱する火炎式加熱手段、電磁誘導を利用して加熱する電磁誘導式加熱手段、プラズマを利用して加熱するプラズマ式加熱手段、レーザーを利用して加熱するレーザー式加熱手段等を好適に用いることができる。
【0041】
さらに各加熱器(31)〜(34)は、ワーク(W)の外周面への入熱量(入力熱量)を調整できるように構成されている。例えば各加熱器(31)〜(34)として、出力熱量を変更できるものを採用して、出力熱量の変更によって入熱量を調整できるようになっている。つまり本実施形態においては、各加熱器(31)〜(34)の出力熱量を調整することにより、ワーク(W)の周囲四側面における各面に対し、それぞれ異なる熱量を与えることができるように構成されている。
【0042】
なお本発明において、入熱量とは、単位時間当たりにワーク(W)の外周面に与えられる熱量(カロリー)のことである。
【0043】
また本実施形態においては、加熱装置(3)が、加熱手段およびワーク加熱装置を構成している。
【0044】
冷却装置(4)は、ワーク(W)を、軸心方向に対して局部的に、かつ周方向に対して全域においてワーク(W)を急速に冷却できるように構成されている。
【0045】
この冷却装置(4)としては、ワーク(W)に、冷却油等の冷却液を吹き付ける水冷式冷却装置や、冷却エアー等を吹き付ける空冷式冷却装置等を好適に用いることができる。
【0046】
また本実施形態のダイレス加工装置においては、パーソナルコンピュータ等によって構成される制御装置(図示省略)が設けられており、この制御装置によって、送給装置(1)、引張装置(2)、加熱装置(3)および冷却装置(4)等の各駆動部の駆動が制御されて、以下に説明する動作が自動的に行われるようになっている。
【0047】
なお、本実施形態のダイレス加工装置によって加工されるワーク(W)は、その素材がアルミニウム(その合金を含む)等の金属によって構成されており例えば、押出成形により得られる押出材によって構成されている。さらにワーク(W)は非円形断面等の異形断面の形状を有するものであり、本実施形態においては図1に示すように、一側壁(W2)の肉厚が厚く、他の壁部、すなわち上下壁(W1)(W3)および他側壁(W4)の肉厚が薄く形成された矩形断面形状のワーク(W)を加工するものである。
【0048】
さらに本実施形態のダイレス加工装置において製造される加工製品は例えば、自動車をはじめとする輸送機器用部材や建築用部材等として用いられる。
【0049】
本実施形態においてワーク(W)を加工するにはまず、ワーク(W)をダイレス加工装置にセットする。すなわちワーク(W)の両端を送給装置(1)および引張装置(2)のチャック(11)(21)に保持させて、ワーク(W)を搬送経路(P)に沿って配置する。
【0050】
この状態において、ダイレス加工装置の動作を開始すると、ワーク(W)が送給装置(1)によって搬送方向(X)に押し込まれる一方、ワーク(W)の先端側が、引張装置(2)によって搬送方向(X)に引っ張られることにより、ワーク(W)が搬送経路(P)上に沿って搬送される。なおこの搬送時においては、送給装置(1)の押込速度(V1)に対し、引張装置(V2)の引張速度が速く設定されており、ワーク(W)に引張力が作用している。
【0051】
こうしてワーク(W)が搬送されつつ、ワーク(3)が変形加工域(R)の上流側端部において加熱装置(3)によって全周から加熱される。
【0052】
この加熱時において本実施形態では、周方向の位置に応じて、加熱装置(3)によるワーク(W)への入熱量が適宜調整される。すなわちワーク(W)は既述したように、一側壁(W2)の肉厚が厚く、他の壁部(W1)(W3)(W4)の肉厚が薄く形成されているため、一側壁(W2)は、他の壁部(W1)(W3)(W4)よりも熱容量が大きくなっている。そして本実施形態においては、ワーク(W)の熱容量が大きい部分に対しては、加熱装置(3)による入熱量を大きく設定し、熱容量が小さい部分に対しては、加熱装置(3)による入熱量を小さく設定する。例えば加熱装置(3)のうち、ワーク(W)の一側壁(W2)に対応する加熱器(32)は、出力熱量を大きく設定するとともに、他の壁部(W1)(W3)(W4)に対応する加熱器(31)(33)(34)は、出力熱量を小さく設定する。このようにワーク(W)における周方向の熱容量に応じて、入熱量が適宜調整されるため、ワーク(W)は断面形状にかかわらず、断面状態で加熱部の材料全域がほぼ均一な温度となるように加熱される。
【0053】
こうして加熱されて変形し易い状態となり、その状態で、ワーク(W)に作用する上記引張力によって、ワーク(W)の加熱部が変形加工域(R)において引き延ばされて、縮径および薄肉変形される。この変形時において、ワーク(W)は加熱部の材料全域がほぼ均一な温度に加熱されているため、材料全域においてバランス良く均一に変形し、加工前の断面形状に対し、正確な相似形状に精度良く変形加工される。
【0054】
一方、変形加工域(R)で変形されて、ワーク(W)が冷却装置(4)の位置を通過する際には、その通過部分が冷却装置(4)によって冷却されて固結(凍結)され、変形抵抗が高く変形し難い状態(安定化状態)となる。
【0055】
このようにワーク(W)が変形加工域(R)に連続して送り込まれて順次、変形加工されて、ワーク(W)における中間の所要領域が連続して縮径および薄肉変形される。
【0056】
なお本実施形態において、加熱装置(3)によってワーク(W)を加熱する際に、ワーク(W)を固溶体化温度にまで加熱して、冷却装置(4)によって急冷して凍結(固結)する場合には、安定した焼入効果を確実に得ることができ、優れた硬度で高品質のダイレス加工製品を得ることができる。
【0057】
以上のように、本実施形態のダイレス加工装置によれば、加熱装置(3)を、周方向に沿って配列し、かつ個々に出力熱量を変更可能な複数の加熱器(31)〜(34)によって構成し、ワーク(W)の断面形状に応じて、周方向の位置毎に適宜入熱量を変化させるようにしている。つまりワーク(W)の周壁部分のうち、肉厚が厚くて、熱容量が大きい一側壁(W2)は、入熱量が多くなるように加熱するとともに、肉厚が薄くて、熱容量が小さい他の壁部(W1)(W3)(W4)は、入熱量が少なくなるように加熱しているため、異形断面のワーク(W)であっても、断面状態で加熱部の材料全域をほぼ均一な温度に加熱することができ、ワーク(W)に作用する引張力によって、ワーク(W)が全周においてバランス良く均一に縮径および薄肉変形し、加工前の断面形状に対し正確な相似形状に加工することができる。
【0058】
しかも、ワーク(W)の周方向の熱容量に応じて、入熱量を適宜調整しているため、ワーク加熱部の材料全域を効率良く加熱することができ、変形加工に適した高い温度にまで短時間で加熱することができ、温度分布の偏りを解消しつつ、生産効率を向上させることができる。
【0059】
ここで本実施形態においては後に詳述するように、ワーク(W)を加熱する際に、断面状態で加熱部の材料温度において、最高温度と最低温度との温度差を50℃以下、より好ましくは30℃以下に設定するのが良い。すなわちこの温度差を特定範囲内に調整した際には、ワーク(W)に作用する引張力によって、ワーク(W)が周方向全域においてバランス良く均等に変形し、加工前の断面形状に対し正確な相似形状に形成することが可能となる。換言すれば、上記温度差が大き過ぎると、つまり加熱部の温度分布にバラツキがあると、ワーク(W)に作用する引張力によって、ワーク(W)の変形量にバラツキが生じ、加工精度が低下して、加工前の断面形状に対し正確な相似形状に形成することが困難となるおそれがある。
【0060】
さらに本実施形態においては、ワーク(W)を加熱する際に、その加熱温度を450℃以上、より好ましくは480℃以上に設定するのが良い。すわわち、加熱温度を特定以上に調整した際には、ワーク(W)の変形に必要な変形力(引張力)が小さくなり、ワーク(W)をスムーズに効率良く変形加工することができる。換言すれば、加熱温度が低過ぎる場合には、ワーク(W)の変形に必要な変形力が大きくなり、ワーク(W)を変形加工するのが困難になるおそれがある。
【0061】
なお本発明においては、ワークの種類によって、周方向の位置毎の入熱量も異なるため、実際にダイレス加工を行う前に予め、後述するように有限要素法(FEM)等によるシミュレーションを行って、加工予定のワークに対し最も効率良く加熱できるような周方向の各部分での加熱条件(入熱量)を求めておき、その加熱条件に従って実際のダイレス加工を行うのが良い。
【0062】
ところで、本実施形態においては、ワーク(W)における周壁の熱容量に応じて、入熱量を調整するものであるが、熱容量は断面積に比例するものであるため、周壁の断面積に応じて、入熱量を調整することができる。例えば図3に示すように、ワーク(W)の各壁(W1)〜(W4)の各幅(高さ)を「H1」「H2」「H3」「H4」、各厚さを「T1」「T2」「T3」「T4」としたとき、「H1×T1」「H2×T2」「H3×T3」「H4×T4」のうち最も大きい壁部に対しては、入熱量を最も多くし、最も小さい壁部に対しては、入熱量を最も少なくする。同図において例えば、「H1×T1」>「H2×T2」>「H3×T3」>「H4×T4」であるならば、各壁部(W1)〜(W4)に対する入熱量(Q1)〜(Q4)は、「Q1」>「Q2」>「Q3」>「Q4」となるように調整するのが好ましい。
【0063】
<第2実施形態>
図4はこの発明の第2実施形態であるダイレス加工装置のワーク加熱部を概略的に示す正面断面図である。同図に示すように、このダイレス加工装置において、加熱装置(3)は、上下左右(上下両側)の周囲四側面にそれぞれ2個ずつ配置された計8個の加熱器(31)〜(34)を備えている。
【0064】
本実施形態においては、各加熱器(31)〜(34)がワーク(W)に対し接離方向に移動自在に設けられており、加熱器(31)〜(34)のワーク(W)に対する距離(D1)〜(D4)が適宜変更されることによって、ワーク(W)への熱量が調整できるように構成されている。
【0065】
例えば図4(a)の状態では、各加熱器(31)〜(34)と各ワーク壁部(W1)〜(W4)との各距離(D1)〜(D4)が全て等しく設定されており、各加熱器(31)〜(34)の出力熱量が同じであれば、ワーク(W)の周囲四側面にそれぞれ均等な熱量が与えられる一方、図4(b)の状態では、両側の加熱器(32)(34)の対ワーク距離(D2)(D4)が、上下の加熱器(31)(33)の対ワーク距離(D1)(D3)に対し、短く調整されており、各加熱器(31)〜(34)の出力熱量が同じであっても、ワーク(W)の両側壁(W2)(W4)への入熱量が、上下壁(W1)(W3)への入熱量に比べて多くなるようになっている。
【0066】
本第2実施形態において、他の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、同一部分に同一または相当符号を付して、重複説明は省略する。
【0067】
本第2実施形態において加工されるワーク(W)は両側壁(W2)(W4)の肉厚が厚く、上下壁(W1)(W3)の肉厚が薄く形成された横長矩形断面形状を有している。
【0068】
このワーク(W)を加工するに際して加熱する場合には、図4(b)に示すように、両側の加熱器(32)(34)はワーク(W)に対し近づけた状態で加熱する一方、上下の加熱器(31)(33)はワーク(W)から遠ざけた状態で加熱する。これにより、熱容量の大きいワーク(W)の両側壁(W2)(W4)に対しては、入熱量が多くなるとともに、熱容量の小さい上下壁(W1)(W3)に対しては、入熱量が少なくなる。従ってワーク(W)は、断面状態で加熱部の材料全域においてほぼ均一な温度となるように加熱される。
【0069】
このようにワーク(W)の加熱部全域において均一な温度に加熱されるため、ワーク(W)に作用する引張力によって、ワーク(W)が加熱部全周においてバランス良く均一に縮径および薄肉変形させることができる。
【0070】
以上のように、この第2実施形態のダイレス加工装置においても、上記第1実施形態と同様に、ワーク(W)を、加工前の断面形状に対し正確な相似形状に加工できて、加工精度を向上させることができるとともに、ワーク(W)の加熱部全周を効率良く加熱することができ、生産効率を向上させることができる。
【0071】
なお本第2実施形態では、加熱装置(3)における各加熱器(31)〜(34)の対ワーク距離(D1)〜(D4)を変更することによって、ワーク(W)に対する周方向の入熱量を調整するようにしているが、それだけに限られず、各加熱器(31)〜(34)として、上記第1実施形態と同様に出力熱量を調整可能なものを用いて、この出力熱量の変更と、距離の変更とを併用して、ワークに対する周方向の入熱量を適宜調整するようにしても良い。
【0072】
<変形例>
上記実施形態においては、矩形断面の角パイプ状のワーク(W)に対し、本発明を適用する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、ワーク(W)の断面形状が特に限定されるものではなく、三角形や、五角形以上の断面形状のワークにも適用でき、さらに多角形状に限られず、楕円形、長円形等のワークや、これらの形状を組み合わせたワーク等、いわゆる異形断面のワークに適用することができる。さらにパイプ形状のワークに限られず、棒状ワーク等の中実構造のワークにも本発明を適用することができる。
【0073】
また図5に示すように外周が真円形に形成されていても、肉厚が周方向の位置によって異なるワーク(W)においては、肉厚の厚い部分(熱容量の大きい部分)の入熱量を多く設定するようにして、本発明を適用することによって、上記と同様に、高い加工精度で効率良く変形させることができる。
【0074】
また上記実施形態では、加熱装置(3)において、4個または8個の加熱器(31)〜(34)を配置する場合を例に挙げて説明したが、加熱器の数は特に限定されるものではなく、要は周方向において部分的に入熱量を変化させることができる構成であれば、どのような加熱装置を採用しても良い。
【0075】
また上記実施形態においては、ワーク(W)に引張力を与えて、ワーク(W)の加熱部を縮径薄肉変形させるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、ワーク(W)に圧縮力を与えて、ワーク(W)の加熱部を拡径増肉変形させるようにしても良い。
【0076】
さらに1本のワーク(W)に対して、引張力による縮径薄肉変形と、圧縮力による拡径増肉変形とを行うようにしても良い。
【0077】
また本発明において、複数の加熱器を配置する場合、ワーク外周における円弧線上に沿って並べて配置するようにしても良い。
【実施例】
【0078】
<実施例1>
図6に示すように、上下壁(W1)(W3)の肉厚が薄く、両側壁(W2)(W4)の肉厚が厚い矩形断面の角パイプ状のワーク(W)において、上壁(W1)および一側壁(W2)とをそれぞれ8等分して、等分された各部分をそれぞれ「a1」〜「a8」、「b1」〜「b8」とする。そしてワーク(W)を500℃に加熱することを目標として、各部分(a1)〜(a8)、(b1)〜(b8)毎の入熱量を、同図の表に示す条件で15秒間加熱した場合を想定して、有限要素法(FEM)によりシミュレーションを行い、ワーク(W)の断面状態での温度分布を求めた。
【0079】
具体的には、ワーク(W)の外周面における部分(a1)(a8)(b1)(b8)は入熱量を「450」に設定し、部分(a2)(a7)は入熱量を「750」に設定し、部分(a3)〜(a6)は入熱量を「650」に設定し、部分(b2)(b7)は入熱量を「1000」に設定し、部分(b3)〜(b6)は入熱量を「1200」に設定した。なお入熱量(熱量)は、大きさを示すのみで単位はなく無次元となっている(以下の実施例、比較例、参照例においても同じ)。
【0080】
この加熱条件で加熱した際のワーク(W)の断面状態での温度分布を図7に示す。同図に示すように、周壁(W1)〜(W4)の外部から内部にかけて温度が低下しているものの、最高温度が510℃、最低温度が478℃となり、温度差は32℃となった。
【0081】
なお検査対象のワーク(W)は左右対称形状であるため、下壁(W3)は上壁(W1)と同じ温度分布となり、他側壁(W4)は一側壁(W2)と同じ温度分布となる(以下の実施例、比較例、参照例においても同じ)。
【0082】
<比較例1>
図10に示すように、上記実施例1と同形状のワーク(W)において、同図の表の加熱条件に示すように各壁部(W1)(W2)の各部分(a1)〜(a8)、(b1)〜(b8)の入熱量を全て「750」と等しく設定した以外は、上記と同様に、ワーク(W)の断面状態での温度分布を求めた。その結果を図11に示す。
【0083】
同図に示すように、上下壁(W1)(W3)に比べて、両側壁(W2)(W4)の温度が低く、さらに最高温度が507℃、最低温度が431℃となり、温度差は76℃となっていた。
【0084】
<評価1>
実施例1のように、ワーク(W)に対し肉厚の厚い部分は入熱量を多くし、薄い部分は入熱量を少なくし、さらに隣り合う壁部間の角部は、熱量が伝わり易いため、角部への入熱量を小さくして、角部から離れるに従って(壁部中間に向かうに従って)、入熱量を次第に多くすることによって、断面状態での温度差を32℃と小さくできる。このように断面状態での加熱部の材料全域においてほぼ均一な温度に設定されたワーク(W)に対し、引張力が作用した際には、ワーク(W)が全周においてバランス良く均一に縮径および薄肉変形し、加工前の断面形状に対し正確な相似形状に加工することができる。
【0085】
これに対し比較例1のように、ワーク(W)の全周のいずれの部分にも均一な入熱量を与えた際には、ワーク(W)における断面状態での温度差が76℃と非常に大きくなる。このように加熱部の材料温度にバラツキがあるワーク(W)に対し、引張力が作用した際には、周方向においてワーク(W)の変形量にバラツキが生じ、加工精度が低下して、加工前の断面形状に対し正確な相似形状に形成することが困難である。
【0086】
なお図18にワーク(W)の温度と0.2%耐力との関係を表すグラフを示す。同グラフに示すように、ワーク(W)の温度が500℃近辺において、温度分布(温度差)が30℃の範囲内にあれば、耐力が50N/mm2 以下と低く、しかも耐力の高低差も20N/mm2 以内と小さくなり、断面部分の全域においてバランス良く変形させることが可能となる。従って本発明においては、ワーク(W)の加熱部における断面部分の温度分布(温度差)が30℃以内であれば、ワーク(W)を全周においてバランス良く均一に変形させることができ、加工精度を向上させることができる。もっとも本発明においては、温度分布(温度差)が50℃以内であれば、耐力も比較的低く、しかも耐力の高低差も比較的小さくすることができるため、ワーク(W)の加熱部における温度分布(温度差)が50℃以内であれば十分に、加工精度を向上させることが可能である。
【0087】
また同グラフから明らかなように、ワーク(W)の加熱温度が450℃以上、好ましくは480℃以上の場合には、耐力が小さくなるため、ワーク(W)を小さい引張力で効率良くスムーズに変形させることができる。
【0088】
<参照例1>
図14に示すように、上記と同形状のワーク(W)において、各壁部(W1)(W2)の各部分(a1)〜(a8)、(b1)〜(b8)に対する入熱量を全て「100」に設定し、上記と同様に、ワーク(W)の断面状態での温度分布を求めた。なおこの参照例1においては、加熱時間を120秒に設定した。その結果を図15に示す。
【0089】
同図に示すように、加熱時間を120秒と長く設定することによって、ワーク(W)の加熱部における材料温度において、最高温度が503℃、最低温度が492℃となり、温度差が11℃と非常に小さくて、加熱部の材料全域においてほぼ均一な温度分布に調整することが可能であるが、この加熱条件では、加熱時間が非常に長く、生産性が著しく低下してしまうため、実際に採用することは困難であると思われる。
【0090】
<実施例2>
図8に示すように、周囲四側壁(W1)〜(W4)の肉厚が等しい正方形断面の角パイプ状のワーク(W)において、同図の表に示す加熱条件で15秒間加熱する場合を想定して、上記と同様にシミュレーションを行い、ワーク(W)の断面状態での温度分布を求めた。その結果を図9に示す。
【0091】
同図に示すように、周壁(W1)(W2)の外部から内部にかけてわずかに温度が低下しているだけで、加熱部の材料全域においてほぼ均一な温度分布に調整することができた。具体的には最高温度が505℃、最低温度が495℃となり、温度差は10℃となった。
【0092】
<比較例2>
図12に示すように、上記実施例2と同形状のワーク(W)において、同図の加熱条件に示すように各壁部(W1)(W2)の各部分(a1)〜(a8)、(b1)〜(b8)に対する入熱量を全て同じに設定した以外は、上記実施例2と同様に、ワーク(W)の断面状態での温度分布を求めた。その結果を図13に示す。
【0093】
同図に示すように、比較例2のものでは、上記実施例2のものと比べて、周壁(W1)(W2)の外部から内部にかけて温度が大きく低下しており、温度分布にバラツキが認められた。具体的には、最愛温度が507℃、最低温度が477℃となり、温度差は30℃となった。
【0094】
<評価2>
実施例2および比較例2から明らかなように、周壁の肉厚が全周にわたって同一の角パイプ状のワーク(W)においては、熱の影響を受けやすい角部において入熱量を少なく設定することにより、材料全域においてほぼ均一な温度分布に調整することができる。従って肉厚が同一の場合であっても特に、断面多角形状のワークにおいては、本発明を適用することによって、優れた効果を得ることができる。
【0095】
<参照例2>
図16に示すように、上記実施例2と同形状のワーク(W)において、同図の加熱条件に示すように各壁部(W1)(W2)の各部分(a1)〜(a8)、(b1)〜(b8)に対する入熱量を全て同じに設定し、上記と同様に、ワーク(W)の断面状態での温度分布を求めた。なおこの参照例2においては、加熱時間を120秒に設定した。その結果を図17に示す。
【0096】
同図に示すように、加熱時間を120秒と長く設定することによって、ワーク(W)の断面状態での材料温度において、最高温度が506℃、最低温度が502℃、温度差が4℃と非常に小さくて、周方向全域においてほぼ均一な温度分布に調整することが可能であるが、加熱時間が非常に長く、生産性が著しく低下してしまうため、実際に採用することは困難であると思われる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
この発明の押出材のダイレス加工方法は、長尺なワークを断面方向に変形させる加工技術に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】この発明の第1実施形態であるダイレス加工装置を概略的に示す側面断面図である。
【図2】第1実施形態のダイレス加工装置における加熱部を概略的に示す正面断面図である。
【図3】本発明における入熱量の設定方法を説明するためのワークの正面断面図である。
【図4】この発明の第2実施形態であるダイレス加工装置を加熱部を概略的示す正面断面図であって、同図(a)は各加熱器の対ワーク距離を等しくした状態の正面断面図、同図(b)は各加熱器の対ワーク距離を変更した状態の正面断面図である。
【図5】この発明のダイレス加工装置に適用可能なワークの変形例を示す断面図である。
【図6】実施例1の入熱量の温度条件を説明するための図である。
【図7】実施例1によるワークの温度分布状態を示す断面図である。
【図8】実施例2の入熱量の温度条件を説明するための図である。
【図9】実施例2によるワークの温度分布状態を示す断面図である。
【図10】比較例1の入熱量の温度条件を説明するための図である。
【図11】比較例1によるワークの温度分布状態を示す断面図である。
【図12】比較例2の入熱量の温度条件を説明するための図である。
【図13】比較例2によるワークの温度分布状態を示す断面図である。
【図14】参照例1の入熱量の温度条件を説明するための図である。
【図15】参照例1によるワークの温度分布状態を示す断面図である。
【図16】参照例2の入熱量の温度条件を説明するための図である。
【図17】参照例2によるワークの温度分布状態を示す断面図である。
【図18】ワークの材料温度と0.2%耐力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0099】
2…引張装置(移動手段)
3…加熱装置(加熱手段、ワーク加熱装置)
31〜34…加熱器
Q1〜Q4…入熱量
T1〜T4…肉厚
W…ワーク
W1〜W4…周壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺なワークを外周から加熱手段によって加熱しつつ、長さ方向に引張力または圧縮力を付与することにより、ワークの加熱部を変形させるようにしたダイレス加工方法であって、
ワークを加熱する際に、ワークの断面形状に応じ、周方向の位置によって、加熱手段によるワーク外周面への入熱量を変化させるようにしたことを特徴とするダイレス加工方法。
【請求項2】
ワークは、周方向の位置によって異なる熱容量を有し、熱容量に応じて加熱手段による入熱量を変化させるようにした請求項1に記載のダイレス加工方法。
【請求項3】
ワークは、周方向の位置によって肉厚の異なる周壁を有し、周壁のうち肉厚の厚い部分には、薄い部分に比べて、加熱手段による入熱量を多くするようにした請求項1または2に記載のダイレス加工方法。
【請求項4】
ワークは、多数の平坦な壁部が周方向に連接された断面多角形の周壁を有し、各壁部のうち断面積の大きい壁部には、断面積の小さい壁部に比べて、加熱手段による入熱量を多くするようにした請求項1〜3のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【請求項5】
ワークの加熱部における断面状態での材料温度において、最高温度と最低温度との温度差が50℃以下に設定される請求項1〜4のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【請求項6】
ワークの加熱部における温度が、450℃以上に設定される請求項1〜5のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【請求項7】
ワークは、多数の平坦な壁部が周方向に連接された断面多角形の周壁を有し、隣り合う壁部間の角部には、他の部分に比べて、加熱手段による入熱量を少なくするようにした請求項1〜6のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【請求項8】
ワークの加熱部を、固溶体化温度まで上昇させる請求項1〜7のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【請求項9】
ワークとして、アルミニウム又はその合金製のものが用いられる請求項1〜8のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【請求項10】
ワークとして、異形断面のものが用いられる請求項1〜9のいずれかに記載のダイレス加工方法。
【請求項11】
長尺なワークを外周から加熱手段によって加熱しつつ、長さ方向に引張力または圧縮力を付与することにより、ワークの加熱部を変形させるようにしたダイレス加工装置であって、
加熱手段は、ワークの周方向の位置によって、ワーク外周面への入熱量を変更可能に構成されたことを特徴とするダイレス加工装置。
【請求項12】
加熱手段は、ワークの外周に、周方向に並んで配置される複数の加熱器をもって構成される請求項11に記載のダイレス加工装置。
【請求項13】
各加熱器の出力熱量をそれぞれ個別に調整可能に構成される請求項12に記載のダイレス加工装置。
【請求項14】
加熱器が、ワークに対し接離方向に移動可能に構成される請求項12または13に記載のダイレス加工装置。
【請求項15】
長尺なワークを外周から加熱手段によって加熱しつつ、長さ方向に引張力または圧縮力を付与することにより、ワークの加熱部を変形させるようにしたダイレス加工装置のワーク加熱方法であって、
ワークの断面形状に応じ、周方向の位置によって、加熱手段によるワーク外周面への入熱量を変化させるようにしたことを特徴とするダイレス加工装置のワーク加熱方法。
【請求項16】
長尺なワークを外周から加熱しつつ、長さ方向に引張力または圧縮力を付与することにより、ワークの加熱部を変形させるようにしたダイレス加工装置のワーク加熱装置であって、
ワークの周方向の位置によって、ワーク外周面への入熱量を変更可能に構成されたことを特徴とするダイレス加工装置のワーク加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図16】
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【図18】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−148805(P2009−148805A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329843(P2007−329843)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】