説明

ダクト用保温断熱材の多数梱包体及びその製造方法

【課題】工場から現場までの運搬車による搬送回数やエレベータ等による揚重回数が少なく、作業現場で保管場所を多く必要とせず、さらに作業時に保温材の切れ端や余りなどが発生しないダクト用保温断熱材の多数梱包体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】柔軟性マット状断熱材とシート状表被材との積層物からなり、ダクトに被覆して用いられるダクト用保温断熱材1を、2〜5つ折りに折曲し、多数積み重ね、前記多数積み重ねられたダクト用保温断熱材1を圧縮して袋状体内6に収容・真空梱包してダクト用保温断熱材の多数梱包体100を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダクトに被覆して用いられる柔軟性マット状断熱材とシート状表被材との積層物で構成されるダクト用保温断熱材の多数梱包体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ダクトの保温のために、柔軟性マット状断熱材とシート状表被材との積層物からなる保温材が用いられている。この保温材をダクトに被覆する方法としては、例えば、高層建築物においてダクトに保温材を被覆する場合、まず、柔軟性マット状断熱材とシート状表被材との積層物からなる長尺の保温材をロール巻の状態でトラック等の運搬車で現場に運搬し、その後、被覆作業をする所定のダクトの近くまで前記ロール巻の保温材をエレベータ等で運び揚げる。そして被覆作業時に、その場で保温材を必要な形状に切断した後に、作業用の高所作業車に前記切断した保温材を載置して移動し、その保温材を所定のダクトに配置して粘着性テープ等を巻き付けて固定するという方法が採られている。
【0003】
しかし、前記保温材を構成する柔軟性マット状断熱材は、グラスウールやロックウールなどの無機質繊維などであり、厚さが25〜50mmと厚いため、ロール巻した保温材は、軽量ではあるが、非常に嵩高く、運搬・揚重時に占有する体積が大きいため、工場から現場まで運搬車で搬送する回数が多くなったり、エレベータ等による揚重回数が多くなったりするなど、運搬作業において非効率な面が多く、コストもかかるという問題があった。
また、現場においても、前記保温材が搬送されてもすぐに作業にかかれるとは限らず、作業時まで現場で保管しなければならないことも多く、保管場所の確保に苦労していた。
さらに、現場で所定のサイズに切断して使用するため、大量の切れ端や余りが発生し、これを廃棄物として処理しなければならず、また、前記切れ端や余りが作業現場に散乱し、作業環境が乱雑になりやすいという問題があった。
【0004】
そこで、上記問題を解決するための方法としては、特開平09−66978号公報に開示されたものなどがある。
例えば、前記公報においては、圧縮梱包された無機質繊維断熱吸音材を必要枚数だけ取出し、残った無機質繊維断熱吸音材をコンパクトで運びやすい形状にすることができる開梱方法が提供されている。すなわち、マット状の無機質繊維断熱吸音材を所定枚数積層し、積層方向に圧縮して外装袋で被覆し、封止してなる無機質繊維断熱吸音材の圧縮梱包体の開梱方法であって、前記圧縮梱包体を挿入できる大きさ及び形状を有し、長さ方向に沿って開閉自在な開口部を備えた袋状物に、前記無機質繊維断熱吸音材の積層方向が、前記袋状物の開口部を広げる方向となるように挿入され、前記袋状物の前記開口部を開いた状態で、前記外装袋の前記袋状物の開口部側の面を切り裂いて、前記無機質繊維断熱吸音材を前記袋状物の容積一杯まで膨張させ、前記無機質繊維断熱吸音材を必要枚数取出し、前記袋状物の開口部を閉じて、前記無機質繊維断熱吸音材の残部を前記袋状物で被覆する圧縮梱包体の開梱方法である。
【特許文献1】特開平09−66978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、従来は、ロール巻の保温材を現場に搬入し、現場で必要な大きさに切断してダクトの被覆作業を行っていたため、保温材がダクトの途中で繋がれて使用されるということは多くはなかった。
しかし、上記の公報記載の方法においては、無機質繊維断熱吸音材が施工しやすい大きさのもの、例えば厚さ20〜120mm、幅250〜500mm、長さ1200〜2800mm程度のマット状に形成されている。
これは、袋状物内に無機質繊維断熱吸音材を積層し圧縮した圧縮梱包体を収納しやすくするため、または前記圧縮梱包体が挿入された袋状物の大きさを運搬しやすい大きさとするためである。
そのため、仮に2800mmの長さの無機質繊維断熱吸音材を用いたとしても、2800mm以上のダクトに施工する際には、無機質繊維断熱吸音材が複数枚必要となる。一般的には、複数枚の無機質繊維断熱吸音材を用いる場合には、継ぎ目の部分を他の帯状材料、例えばテープ等で巻いて固着するという手段が採られている。
【0006】
しかしながら、ダクトは高所にあることが多く、不安定な場所での作業であり、かつ特に円筒形のダクトの場合、被覆する部分が曲面であり1m以上の無機質繊維断熱吸音材を2枚配置し、継ぎ目にテープを巻いて固定するというのは、非常に困難であり、その作業には熟練を要し、複数の作業者によって作業したとしても作業に時間がかかるという問題があった。
また、継ぎ目の固着が不十分な場合には保温効果を下げるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決する手段、すなわち、複数のダクト用保温断熱材の連結作業が容易で、かつ工場から現場までの運搬車による搬送回数やエレベータ等による揚重回数が少なく、作業現場で保管場所を多く必要とせず、さらに作業時に保温材の切れ端や余りなどが発生しない作業性に優れた以下のダクト用保温断熱材の多数梱包体及びその製造方法を下記の手段によって提供するものである。
〔1〕柔軟性マット状断熱材とシート状表被材との積層物からなり、ダクトに被覆して用いられるダクト用保温断熱材が2〜5つ折りに折曲され、かつ前記折曲されたダクト用保温断熱材の多数枚が積み重ねられ、圧縮されて袋状体内に収容・梱包されてなることを特徴とするダクト用保温断熱材の多数梱包体。
〔2〕ダクト用保温断熱材のシート状表被材の一辺が、柔軟性マット状断熱材の一辺より長く形成され、前記シート状表被材の一辺の端部が前記柔軟性マット状断熱材の端部より延出して延出片部を形成し、かつ前記延出片部に両面テープが貼着されてなることを特徴とする前記〔1〕に記載のダクト用保温断熱材の多数梱包体。
〔3〕ダクト用保温断熱材が、柔軟性マット状断熱材側に折曲用凹溝部が形設されてなり、前記折曲用凹溝部に沿って折曲されてなることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕のいずれかに記載のダクト用保温断熱材の多数梱包体。
〔4〕前記シート状表被材がアルミニウム箔又はアルミニウム箔蒸着クロスであり、柔軟性マット状断熱材が無機質繊維マットであることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のダクト用保温断熱材の多数梱包体。
〔5〕前記ダクト用保温断熱材が、あらかじめダクトの被覆作業に使用される形状に形成されてなることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のダクト用保温断熱材の多数梱包体。
【0008】
〔6〕ダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法であって、
(1)長尺のシート状の表被材の一方の面に、長尺の柔軟性マット状断熱材の一方の面を接着して長尺のダクト用保温断熱材を製造する第一工程と、
(2)第一工程で製造された長尺のダクト用保温断熱材をダクトの被覆作業に使用される形状に切断する第二工程と、
(3)第二工程で切断されたダクト用保温断熱材の柔軟性マット状断熱材側に1〜4筋の折曲用凹溝部を形成する第三工程と、
(4)第三工程で形成された1〜4筋の折曲用凹溝部に沿って内側に折曲して、折曲されたダクト用保温断熱材を製作する第四工程と、
(5)第四工程で製作した折曲されたダクト用保温断熱材の多数枚を並べて圧縮する第五工程と、
(6)第五工程で圧縮された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材を一端に空気排出口を備えた袋状体に収納する第六工程と、
(7)第六工程で前記袋状体に収納された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材を再度圧縮する第七工程と、
(8)第七工程を終えた前記袋状体の開口部を封止し、前記袋状体に備えられた空気排出口から袋状体内の空気を排出する第八工程が、
採用されて行われることを特徴とするダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法。
【0009】
〔7〕ダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法であって、
(1)長尺のシート状の表被材の一方の面に、その長辺側の一辺の端部が長尺の柔軟性マット状断熱材の一辺の端部から延出するように長尺の柔軟性マット状断熱材の一方の面を接着し、前記一辺の端部に長尺の両面テープを貼着して長尺のダクト用保温断熱材を製造する第一工程と、
(2)第一工程で製造された長尺のダクト用保温断熱材をダクトの被覆作業に使用される形状に切断する第二工程と、
(3)第二工程で切断されたダクト用保温断熱材の柔軟性マット状断熱材側に1〜4筋の折曲用凹溝部を形成する第三工程と、
(4)第三工程で形成された1〜4筋の折曲用凹溝部に沿って内側に折曲して、折曲されたダクト用保温断熱材を製作する第四工程と、
(5)第四工程で製作した折曲されたダクト用保温断熱材の多数枚を並べて圧縮する第五工程と、
(6)第五工程で圧縮された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材を一端に空気排出口を備えた袋状体に収納する第六工程と、
(7)第六工程で前記袋状体に収納された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材を再度圧縮する第七工程と、
(8)第七工程を終えた前記袋状体の開口部を封止し、前記袋状体に備えられた空気排出口から袋状体内の空気を排出する第八工程が、
採用されて行われることを特徴とするダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体によれば、柔軟性マット状断熱材とシート状の表被材との積層物からなるダクト用保温断熱材が、2〜5つ折りに折曲され多数枚積み重ねられ、圧縮されて袋状物内にコンパクトに収容・梱包されているので、一度に多量のダクト用保温断熱材を運搬することができ、工場から現場への運搬回数を従来より大幅に減らすことができる。
そして、現場での移送、例えばエレベータ等による揚重回数も同様に減らすことができるので、低コストで効率よく運搬でき、かつエレベータや階段等を占有して他の作業者等に迷惑をかけることなく、作業現場へ搬入することができる。
さらには、搬入後、すぐに作業できない場合でも、占有スペースが少なくてすみ、保管場所確保が容易になる。
【0011】
また、本発明におけるダクト用保温断熱材の多数梱包体は、その袋状体内に収容・梱包されるダクト用保温断熱材が、あらかじめダクトの被覆作業に使用される形状に形成されているので、作業現場での切断等の作業が不要となり、切れ端や余りが発生することがなく、廃棄物をなくすことができるとともに、作業現場が乱雑になることを防止できる。
そして、ダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造時においては、ダクト用保温断熱材の柔軟性マット状断熱材側に折曲用凹溝部が形設されているので、その折曲用凹溝部に沿って折曲するだけでよく、型くずれすることなく折曲することができ、整然と袋状体内に収容・梱包することができる。
【0012】
さらに、本発明において、ダクト用保温断熱材の多数梱包体の袋状体内に収容・梱包されるダクト用保温断熱材を、シート状の表被材の一辺が、柔軟性マット状断熱材の一辺より長く形成され、前記シート状表被材の一辺の端部が柔軟性マット状断熱材の端部より延出して延出片部を形成して、前記延出片部に両面テープを貼着して構成したものとすることにより、複数枚のダクト用保温断熱材の継ぎ目の連結作業時において、隣接する他のダクト用保温断熱材の端部に、前記シート状表被材の一辺の端部に形成された延出片部を被せて、そこに貼着されている両面テープで隣接する他のダクト用保温断熱材と固着するだけでよく、テープ等の帯状材料を使うことなく連結作業ができる。
そして、複数のダクト用保温断熱材の連結作業が、両面テープで固着するだけなので、隣接するダクト用保温断熱材の柔軟性マット状断熱材部分を当接させた後、微調整しながら貼着でき、確実に柔軟性マット状断熱材同士を接触させて被覆作業することができる。
そのため、ダクトへの被覆作業に熟練を必要とせず、少数の作業員でも作業効率の良い、工期の短いダクトの保温断熱材の被覆作業をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体は、保温又は断熱、あるいは保温及び断熱のためにダクトに被覆して用いられる柔軟性マット状断熱材とシート状表被材との積層物からなるダクト用保温断熱材が、2〜5つ折りに折曲され、前記折曲されたダクト用保温断熱材の多数枚が積み重ねられて、圧縮されて袋状体内に収容・梱包されて構成される。
なお、前記ダクト用保温断熱材の多数梱包体における、袋状体内に収容・梱包されるダクト用保温断熱材は、柔軟性マット状断熱材とシート状表被材との積層物からなるものであり、前記シート状表被材としては、アルミニウム箔、アルミニウム箔蒸着クロス、ガラスクロスなどが挙げられる。また、柔軟性マット状断熱材としては、マット状のグラスウールやロックウール、セラミックスウールなどが挙げられる。
【0014】
そして、ダクト用保温断熱材は、シート状表被材と柔軟性マット状断熱材の4辺の長さが同一に形成され積層されて構成されるもの、あるいは、シート状表被材の一辺が、柔軟性マット状断熱材の一辺より長く形成されて、前記シート状表被材の一辺の端部が柔軟性マット状断熱材の端部より延出されて積層されて延出片部を形成し、前記延出片部に両面テープが貼着されて構成されるものとすることができる。
ダクトへの被覆作業時において、前者のダクト用保温断熱材、すなわちシート状表被材と柔軟性マット状断熱材の4辺のそれぞれの長さが同一に形成され積層されて構成されるダクト用保温断熱材は、隣接する他のダクト用保温断熱材との連結の際には、テープ等を巻き付けて連結作業を行い、後者のダクト用保温断熱材、すなわちシート状表被材の一辺が、柔軟性マット状断熱材の一辺より長く形成されて、前記シート状表被材の一辺の端部が柔軟性マット状断熱材の端部より延出されて積層されて延出片部を形成し、前記延出片部に両面テープが貼着されて構成されるダクト用保温断熱材の場合は、隣接する他のダクト用保温断熱材との連結の際に、前記隣接する他のダクト用保温断熱材の端部に延出片部を被せて、前記延出片部に貼着された両面テープで他のダクト用保温断熱材と連結する。
前者のダクト用保温断熱材と後者の延出片部を備えたダクト用保温断熱材は、その被覆作業されるダクトや現場によって、適宜選択して使うことができる。
なお、後者の延出片部を備えたダクト用保温断熱材は、複数のダクト用保温断熱材を連結する際に、テープ等の帯状材料を使用することなく作業でき、両面テープで貼着するだけで連結作業ができる作業性が容易なものとなっている。
【0015】
本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体は、被覆作業が施されるダクトの形状に合わせて形成されたダクト用保温断熱材を折曲し積み重ねて袋状体内に収容・梱包される。
被覆作業が施されるダクトの形状、例えば長さや径(外周の寸法)は、あらかじめ決められているため、工場でダクト用保温断熱材を製作する段階で、どのような形状のダクト用保温断熱材が必要かを算出することができる。そこで、工場での製作段階で、前記算出した形状にダクト用保温断熱材を製作する。
工場で、あらかじめダクトの被覆作業に使用される形状にダクト用保温断熱材を形成しておくことで、現場でのダクト用保温断熱材の切断作業が不要となり、切れ端や余りが発生せず、また作業時間を大幅に短縮できるものとなる。
【0016】
一方、前記本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体は、ダクト用保温断熱材が多数積み重ねられて圧縮され、袋状体内に収容・梱包されて、多数梱包体を形成することができるものである。
なお、ダクト用保温断熱材を多数積み重ねるにあたって、ダクト用保温断熱材を構成する柔軟性マット状断熱材を、2〜5つ折りに折曲することで、前記多数梱包体の大きさを小さくすることができる構成となっている。
ダクト用保温断熱材を被覆するダクトの径によっては、ダクト用保温断熱材を小さく構成することもできるので、その際には、折曲せずに多数梱包体を形成することもできる。
また、前記ダクト用保温断熱材は、折曲される側、例えば柔軟性マット状断熱材側に折曲用凹溝部を形設して構成することもできる。折曲用凹溝部を形設し、前記折曲用凹溝部に沿って折曲することで、任意の形状に確実にかつ容易に折曲でき、型くずれ等することなく、袋状体内に収容・梱包することが可能となる。
【実施例1】
【0017】
次に本発明について、図に基づいて説明する。
図1は本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の斜視図、図2は本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体におけるダクト用保温断熱材の一例の斜視図及び断面図、図3は本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体におけるダクト用保温断熱材のその他の例の斜視図及び断面図、図4は本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造工程を示す図、図5〜図13は本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図、図14〜図16は本発明のダクト用保温断熱材の運搬・搬入方法の説明図で、図17は本発明のダクト用保温断熱材の被覆作業時の説明図である。
図中、1はダクト用保温断熱材、1’は折曲されたダクト用保温断熱材、1”は長尺のダクト用保温断熱材、2は柔軟性マット状断熱材、3はシート状表被材、3aはシート状表被材の延出片部、4は両面テープ、5は圧接ローラ、6は袋状体、6’は開口部、7は搬入先指示ラベル、8は切断具、9は折曲用凹溝部、10は延出片部を備えたダクト用保温断熱材、11は折曲用凹溝部形成機、12、12’は圧縮機、12aは回転軸、13は吸引機、14は台車、15はトラック、16はエレベータ、17は高所作業車、18はダクト、60は空気排出口、100はダクト用保温断熱材の多数梱包体、である。
【0018】
本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体100(以下多数梱包体100とする)は、図1の本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の斜視図に示すように、ダクトに被覆して用いられるダクト用保温断熱材1(図2参照)が折曲されたダクト用保温断熱材1’が多数枚積み重ねられて、圧縮されて袋状体6内に収容・梱包されて構成される。
前記折曲されたダクト用保温断熱材1’は、ダクト用保温断熱材1を多数枚積み重ねた際に、取り扱いしやすいように、シート状表被材3が外側になるように、柔軟性マット状断熱材2を内側にして、2〜5つ折りに折曲して形成される(図6参照)。
また、図1においては、多数梱包体100が、その内包するダクト用保温断熱材1の使用される現場に確実に搬入できるように、袋状体6に、搬入する場所を示す搬入先指示ラベル7が貼着されている。
このように、本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体100は、袋状体6内で圧縮されて収容・梱包されているので、その厚さを薄くすることができ、運搬や揚重時に占領容積を小さくすることができ、一度の運搬や揚重で大量に運ぶことができるので、運搬回数や、揚重回数を大幅に減らすことができるものとなっている。
【0019】
そして、多数梱包体100の袋状体6内に収容・梱包されるダクト用保温断熱材1は、図2の本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体におけるダクト用保温断熱材の一例の斜視図及び断面図に示すように、柔軟性マット状断熱材2とシート状表被材3の積層物で構成される。
図2において、ダクト用保温断熱材1を構成する柔軟性マット状断熱材2とシート状表被材3は、その四辺の長さが同一に形成されて、接着されている。
また、本発明の多数梱包体100におけるダクト用保温断熱材1は、図3の本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体におけるダクト用保温断熱材のその他の例の斜視図及び断面図に示すようなシート状表被材の一辺の端部に延出片部を備えたダクト用保温断熱材10とすることもできる。
前記延出片部を備えたダクト用保温断熱材10は、シート状表被材3の一辺が、柔軟性マット状断熱材2の一辺より長く形成されており、シート状表被材3と柔軟性マット状断熱材2を接着して積層した際に、シート状表被材3の一辺の端部を、柔軟性マット状断熱材2の端部から延出させ延出片部3aを形成している。
そして、その延出片部3aに、両面テープ4が貼着されたものである。
前記延出片部を備えたダクト用保温断熱材10のシート状表被材3の一辺の端部に形成される両面テープ4が貼着される延出片部3aは、ダクトへの被覆作業時において、先にダクトに被覆されたダクト用保温断熱材1に、隣接してダクトに被覆し、前記先にダクトに被覆したダクト用保温断熱材1と連結する際に、前記隣接するダクト用保温断熱材の端部に重なる部分となり、貼着されている両面テープ4を介して、隣接する他のダクト用保温断熱材と接着固定される個所となる。そのため、シート状表被材3の一辺の端部3aは、隣接する他のダクト用保温断熱材と確実に接着固定できる程度の両面テープ4が貼着できる幅で形成される。一般的に用いられるダクトであれば、前記シート状表被材3の一辺の端部に形成される延出片部3aは、40mm〜50mm程度で形成されるが、ダクトの径によってその大きさを考慮することが好ましく、径が大きい場合には、延出片部3aも大きくすると確実に接着できて好ましい。
【0020】
また、本発明の多数梱包体に収容・梱包されるダクト用保温断熱材1あるいは延出片部を備えたダクト用保温断熱材10は、あらかじめダクトの被覆作業に使用される形状に形成されることが望ましい。
実際に現場で使用されるダクトは、円筒形ダクトであれば、使用される円筒の規格が径は25mmきざみとなっているので、あらかじめ、どの径の円筒形ダクトが使用されているかがわかれば、そのダクトへの被覆に必要なダクト用保温断熱材1及び延出片部を備えたダクト用保温断熱材10の幅が計算できる。
また、構造物に配置されるダクトの長さも、施工図等から算出することができるので、ダクト用保温断熱材1及び延出片部を備えたダクト用保温断熱材10の枚数を、その算出された長さに合わせて製作する。
もちろん、角形ダクトも同様にその長さと外周の寸法を計算することで、被覆に必要なダクト用保温断熱材1の幅及び枚数を算出することができる。
本発明におけるダクト用保温断熱材1及び延出片部を備えたダクト用保温断熱材10は、工場で製作される段階で、使用するダクトの大きさに合わせて形成されることにより、現場での切断作業が不要となり、作業時間の大幅な短縮を図ることができるものとなっている。
【0021】
ここで、上記図1に示したダクト用保温断熱材の多数梱包体100の製造方法を説明する。
図4は、本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造工程を示す図であり、図5〜図13は、本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図である。
【0022】
図4に示すように、本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体100は、以下のような工程で製造される。
第一工程:長尺のシート状表被材3の一方の面に、長尺の柔軟性マット状断熱材2の一方の面を接着して、長尺のダクト用保温断熱材1”を製造する。
なお、図示しないが、延出片部を備えたダクト用保温断熱材10で多数梱包体100を製造する場合には、第一工程として、長尺のシート状表被材3の一方の面に、その長辺側のいずれか一辺の端部を残して長尺の柔軟性マット状断熱材2の一方の面を接着し、前記一辺の端部に形成された延出片部3aに長尺の両面テープ4を貼着して長尺のダクト用保温断熱材を製造する。
第二工程:第一工程で製造された長尺のダクト用保温断熱材1”をダクトの被覆作業に使用される形状に切断具8で切断する。
第三工程:第二工程で切断されたダクト用保温断熱材1の柔軟性マット状断熱材2側に1〜4筋の折曲用凹溝部9を折曲用凹溝部形成機11で形成する。
第四工程:第三工程で形成された1〜4筋の折曲用凹溝部9に沿って折曲して、折曲されたダクト用保温断熱材1’を製造する。
第五工程:第四工程で製作された折曲されたダクト用保温断熱材1’の多数枚を並べて圧縮機12で圧縮する。
第六工程:第五工程で圧縮された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材1’を一端に空気排出口60を備えた袋状体6に収納する。
第七工程:第六工程で前記袋状体6に収納された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材1’を再度圧縮機12’で圧縮する。
第八工程:第七工程を終えた前記袋状体6の開口部6’を封止し、前記袋状体6に設けられた空気排出口60から袋状体6内の空気を吸引機13で吸引して排出する。
以上、工程によってダクト用保温断熱材の多数梱包体100が製造される。
【0023】
前記製造工程について以下に詳細に説明する。
第一工程は図4に示すごとく、長尺のシート状表被材3と長尺の柔軟性マット状断熱材2を配置し、前記シート状表被材3と柔軟性マット状断熱材2の間に接着剤を噴霧するなどして付着した後、圧接ローラ5の圧力で接着させて、長尺のダクト用保温断熱材1”を製造する。
なお、延出片部を備えたダクト用保温断熱材10の場合には、図示しないが、長尺のシート状表被材3、長尺の柔軟性マット状断熱材2及び両面テープ4を配置し、前記シート状表被材3と柔軟性マット状断熱材2の間に接着剤を噴霧するなどして付着した後、圧接ローラ5の圧力で接着させ、また、シート状表被材3の一辺の端部の延出片部3aには、両面テープ4を貼着し、シート状表被材3及び柔軟性マット状断熱材2と一緒に圧接ローラ5で確実に貼着し、長尺のダクト用保温断熱材を製造する。
以下の工程においては、ダクト用保温断熱材1であっても、延出片部を備えたダクト用保温断熱材10であっても、同様となる。
【0024】
そして、第二工程として、図4に示すように、前記第一工程で製造された長尺のダクト用保温断熱材1”をダクトの被覆作業に使用される形状に切断具8で切断する。
ダクト被覆作業に使用される形状とは、前述したように、あらかじめ、現場でダクトを被覆作業する際に使用される形状で、施工図等により算出されたダクト径に適合した形状であり、本発明のダクト用保温断熱材1は、第二工程でその形状に合わせて必要な形状に切断される。
例えば、円筒形ダクトの場合、その長さは、2πr+130mmで形成する。なお、rはダクトの径の半径である。
なお、あらかじめ使用される現場が特定できないような場合には、第二工程における切断作業は、作業しやすい任意の形状を選択して行われる。
【0025】
第三工程では、図5に示すごとく、第二工程で切断されたダクト用保温断熱材1の柔軟性マット状断熱材2側に、折曲用凹溝部形成機11で1〜4筋の折曲用凹溝部9を形成する。図においては、1筋の折曲用凹溝部が形成されている。
折曲用凹溝部9は、袋状体6に収納しやすい大きさにするために、ダクト用保温断熱材1を折り曲げる際に、折り曲げる部分を案内するための凹溝であり、折り曲げにくい柔軟性マット状断熱材2を、画一的に整然と折曲し、型くずれを防止するために形成される。
そのため、ダクト用保温断熱材1の長さに合わせて、1〜4筋の折曲用凹溝部9を形成して、2つ折り〜5つ折りとする。
なお、ダクト用保温断熱材1の長さによっては、5筋、6筋形成して6つ折り、7つ折りとすることもでき、また、短い場合には、折曲用凹溝部9を形成しなくてもよく、その折曲用凹溝部9の本数は限定されるものではないが、2つ折り〜5つ折りができるように、1〜4筋の折曲用凹溝部9を形成することが作業性が良く好適である。
【0026】
第四工程では、第三工程で形成された1〜4筋の折曲用凹溝部9に沿ってダクト用保温断熱材1を柔軟性マット状断熱材2を内側にして折曲し、折曲されたダクト用保温断熱材1’を製作する。
図6(A)は、折曲用凹溝部9が1筋形成された場合の折曲方法を示しており、図6(B)は、折曲用凹溝部9が2筋形成された場合の折曲方法を説明を示している。
図6(A)及び(B)の(a)において、折曲用凹溝部形成機11で、折曲用凹溝部9を形成し、(b)で折曲し、(c)で折曲されたダクト用保温断熱材1’を製作している。
図7は、1枚の折曲されたダクト用保温断熱材1’(a)と前記折曲されたダクト用保温断熱材1’を8枚積み重ねた状態(b)を示している。
【0027】
第五工程では、第四工程で製作された折曲されたダクト用保温断熱材1’の多数枚を並べて圧縮機12で圧縮する。ここでの圧縮は、多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材1’を次工程で袋状体6に収納する際に、収納しやすい厚さまで圧縮している。なお、図8においては、折曲されたダクト用保温断熱材1’を横に並べているが、圧縮機12の種類によって、積み重ねて圧縮してもよい。
折曲されたダクト用保温断熱材1’は、例えば、50mmの柔軟性マット状断熱材2を使用した場合、2つ折りの状態で100mmの厚さとなる。したがって、前記柔軟性マット状断熱材2を8枚重ねた場合、100mm×8枚で800mmの高さとなる。
第五工程においては、これを袋状体6に収納しやすい200mm〜400mm程度の厚さまで圧縮する。なお、袋状体6の大きさによって、この厚さは適宜変更できる。
【0028】
第六工程では、第五工程で圧縮された多数枚並べた折曲されたダクト用保温断熱材1’を袋状体6に収納する。なお、袋状体6には、一端に空気排出口60が備えられている。
本実施例においては、図9に示すように、第五工程で使用した圧縮機12が回転軸12aを備えたコンベヤー装置となっているため、圧縮された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材1’は、回転軸12aの駆動により袋状体6内に搬送されて収納される。
図10は、圧縮された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材1’が袋状体6内に収容された状態を示している。
【0029】
第七工程では、第六工程で袋状体6に収納された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材1’を図11、図12に示すように再度圧縮機12’で圧縮する。本工程における圧縮は、ダクト用保温断熱材1の多数梱包体100が運搬時等に嵩張らない形状とするためのものであり、50〜100mm程度の厚さまで圧縮することが好ましいが、袋状体6内に収納した折曲されたダクト用保温断熱材1’の枚数等を考慮して圧縮する。
【0030】
次の第八工程では、第七工程で多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材1’を収納した袋状体6の開口部6’を封止し、図13に示すように前記袋状体6の一端に設けられた空気排出口60から袋状体6内の空気を吸引機13で吸引して排出する。
本発明において使用される袋状体6は、一端に空気排出口60を備えるものであり、開口部6’を封止した状態で、空気排出口60から袋状体6内の空気を排出して、真空状態とすることができる構造となっているものが採用される。
そのため、袋状体6は気密性の高い樹脂フィルムで構成され、開閉自在な凸部と凹部とからなる気密性の高いファスナーを1又は2以上備えて構成された開口部6’を備えたものが好ましい。袋状体6を構成する樹脂フィルムとしては、例えばビニールフィルムやポリオフィレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルムなどが挙げられる。
【0031】
また、空気排出口60は、吸引機13で袋状体6内の空気を吸引して排出した後に、袋状体6内に空気が逆流しないものであり、例えば、逆止弁を備えた空気排出口60とすることが好ましい。
なお、吸引機13としては、掃除機などが挙げられる。
そして、袋状体6は、開閉自在な凸部と凹部とからなる気密性の高いファスナーを1又は2以上備えて構成されるので、使用時には、前記ファスナーを開閉するだけでよく、また、カッター等で袋状体6を切断する必要がないので、使用後は再利用することができる。
【0032】
また、第八工程における袋状体6内の空気の排出は、圧縮機12’で圧縮した状態で行うと、吸引作業が容易である。
【0033】
以上の工程により、図1に示すダクト用保温断熱材の多数梱包体100が製造される。前記工程を経て、多数梱包体100は50〜100mm程度の厚さに製造される。
なお、本実施例における製造工程は、一実施例であり、梱包するダクト用保温断熱材1の形状等によって、適宜不要な工程を除くことができる。
例えば、第三工程〜第四工程のダクト用保温断熱材1の柔軟性マット状断熱材2側に、折曲用凹溝部形成機11で1〜4筋の折曲用凹溝部9を形成し、折曲する工程を除いて、折曲されたダクト用保温断熱材1’とせずに、折曲しない多数枚のダクト用保温断熱材1を袋状体6に圧縮して梱包してもよい。
また、ダクト用保温断熱材1の枚数が少ない場合などには、第五工程の圧縮を除いて、折曲されたダクト用保温断熱材1’を圧縮せずに袋状体6に収容した後に、圧縮してもよい。
また、袋状体6に貼着される搬入先指示ラベル7は、袋状体6の外側に貼着しても、貼着せずに中に挿入するだけでもよく、当該ダクト用保温断熱材の多数梱包体100が、現場におけるどのダクトに使用されるものであるかが、運搬時に容易にわかる方法であれば、その方法は限定されない。
【0034】
本発明におけるダクト用保温断熱材1の多数梱包体100は、前述の製造方法により製造されるので、50〜100mm程度の厚さとなり、工場から現場への運搬時、及び現場における作業場所までの搬入時において、一回に運べる量が大幅に増えるため、運搬・搬入回数を減らすことができ、かつ現場における保管場所の確保も容易なものとなる。
図14〜図16は本発明のダクト用保温断熱材の運搬・搬入方法の一例の説明図、図17は本発明のダクト用保温断熱材の被覆作業時の説明図であるが、図14においては、本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体100は、台車14に複数個整然と収容されている。そして、図15に示すようにダクト用保温断熱材の多数梱包体100は、前記台車14ごと運搬用トラック15の荷台に搭載される。
そして、現場においては、図16に示すように前記ダクト用保温断熱材の多数梱包体100が収容された台車14ごと、エレベータ16等により移送されてダクトの被覆作業を行う場所に搬入する。台車14にも、搬入先指示ラベル7が備えられているので、所定の作業場所に台車14を搬入することができる。
そして、被覆作業時には、図17に示すように、台車14から、ダクト用保温断熱材の多数梱包体100に備えられた搬入先指示ラベル7の内容を確認して、被覆作業をするダクト18に使用するダクト用保温断熱材の多数梱包体100を取り出して、高所作業車17に載置し、使用する段階で、袋状体6の開口部6’を開いて使用することができる。
なお、ダクト用保温断熱材の多数梱包体100は、台車14に収容され、台車14ごと現場における作業場所に移送され、作業段階まで台車14に収容されているので、ダクト用保温断熱材1’が常に整理された状態で保管でき、また、台車14にも、その台車14に収納されたダクト用保温断熱材1の搬入先に係る情報を明記しておくことにより、ダクト用保温断熱材1の誤送を防ぐことができる。
【0035】
また、本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体100は、袋状体6内の空気を排出して真空状態にしているだけなので、袋状体6の開口部6’を開封するだけで、ダクト用保温断熱材1は元の状態まで復元させることができる。
さらに、使用したダクト用保温断熱材の多数梱包体100の袋状体6を、前記台車14の中に収容すれば、台車14とともに袋状体6も工場へ戻るので、廃棄物を出すことなく、再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の斜視図
【図2】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体におけるダクト用保温断熱材の一例の斜視図及び断面図
【図3】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体におけるダクト用保温断熱材のその他の例の斜視図及び断面図、
【図4】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造工程を示す図
【図5】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図
【図6】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図
【図7】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図
【図8】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図
【図9】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図
【図10】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図
【図11】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図
【図12】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図
【図13】本発明のダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法の詳細説明図
【図14】本発明のダクト用保温断熱材の運搬・搬入方法の説明図
【図15】本発明のダクト用保温断熱材の運搬・搬入方法の説明図
【図16】本発明のダクト用保温断熱材の運搬・搬入方法の説明図
【図17】本発明のダクト用保温断熱材の被覆作業時の説明図
【符号の説明】
【0037】
1 ダクト用保温断熱材
1’ 折曲されたダクト用保温断熱材
1” 長尺のダクト用保温断熱材
2 柔軟性マット状断熱材
3 シート状表被材
3a 延出片部
4 両面テープ
5 圧接ローラ
6 袋状体
6’ 開口部
7 搬入先指示ラベル
8 切断具
9 折曲用凹溝部
10 延出片部を備えたダクト用保温断熱材
11 折曲用凹溝部形成機
12、12’ 圧縮機
12a 回転軸
13 吸引機
14 台車
15 トラック
16 エレベータ
17 高所作業車
18 ダクト
60 空気排出口
100 ダクト用保温断熱材の多数梱包体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性マット状断熱材とシート状表被材との積層物からなり、ダクトに被覆して用いられるダクト用保温断熱材が2〜5つ折りに折曲され、かつ前記折曲されたダクト用保温断熱材の多数枚が積み重ねられ、圧縮されて袋状体内に収容・梱包されてなることを特徴とするダクト用保温断熱材の多数梱包体。
【請求項2】
ダクト用保温断熱材のシート状表被材の一辺が、柔軟性マット状断熱材の一辺より長く形成され、前記シート状表被材の一辺の端部が前記柔軟性マット状断熱材の端部より延出して延出片部を形成し、かつ前記延出片部に両面テープが貼着されてなることを特徴とする請求項1に記載のダクト用保温断熱材の多数梱包体。
【請求項3】
ダクト用保温断熱材が、柔軟性マット状断熱材側に折曲用凹溝部が形設されてなり、前記折曲用凹溝部に沿って折曲されてなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のダクト用保温断熱材の多数梱包体。
【請求項4】
前記シート状表被材がアルミニウム箔又はアルミニウム箔蒸着クロスであり、柔軟性マット状断熱材が無機質繊維マットであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のダクト用保温断熱材の多数梱包体。
【請求項5】
前記ダクト用保温断熱材が、あらかじめダクトの被覆作業に使用される形状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のダクト用保温断熱材の多数梱包体。
【請求項6】
ダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法であって、
(1)長尺のシート状の表被材の一方の面に、長尺の柔軟性マット状断熱材の一方の面を接着して長尺のダクト用保温断熱材を製造する第一工程と、
(2)第一工程で製造された長尺のダクト用保温断熱材をダクトの被覆作業に使用される形状に切断する第二工程と、
(3)第二工程で切断されたダクト用保温断熱材の柔軟性マット状断熱材側に1〜4筋の折曲用凹溝部を形成する第三工程と、
(4)第三工程で形成された1〜4筋の折曲用凹溝部に沿って内側に折曲して、折曲されたダクト用保温断熱材を製作する第四工程と、
(5)第四工程で製作した折曲されたダクト用保温断熱材の多数枚を並べて圧縮する第五工程と、
(6)第五工程で圧縮された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材を一端に空気排出口を備えた袋状体に収納する第六工程と、
(7)第六工程で前記袋状体に収納された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材を再度圧縮する第七工程と、
(8)第七工程を終えた前記袋状体の開口部を封止し、前記袋状体に備えられた空気排出口から袋状体内の空気を排出する第八工程が、
採用されて行われることを特徴とするダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法。
【請求項7】
ダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法であって、
(1)長尺のシート状の表被材の一方の面に、その長辺側の一辺の端部が長尺の柔軟性マット状断熱材の一辺の端部から延出するように長尺の柔軟性マット状断熱材の一方の面を接着し、前記一辺の端部に長尺の両面テープを貼着して長尺のダクト用保温断熱材を製造する第一工程と、
(2)第一工程で製造された長尺のダクト用保温断熱材をダクトの被覆作業に使用される形状に切断する第二工程と、
(3)第二工程で切断されたダクト用保温断熱材の柔軟性マット状断熱材側に1〜4筋の折曲用凹溝部を形成する第三工程と、
(4)第三工程で形成された1〜4筋の折曲用凹溝部に沿って内側に折曲して、折曲されたダクト用保温断熱材を製作する第四工程と、
(5)第四工程で製作した折曲されたダクト用保温断熱材の多数枚を並べて圧縮する第五工程と、
(6)第五工程で圧縮された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材を一端に空気排出口を備えた袋状体に収納する第六工程と、
(7)第六工程で前記袋状体に収納された多数枚の折曲されたダクト用保温断熱材を再度圧縮する第七工程と、
(8)第七工程を終えた前記袋状体の開口部を封止し、前記袋状体に備えられた空気排出口から袋状体内の空気を排出する第八工程が、
採用されて行われることを特徴とするダクト用保温断熱材の多数梱包体の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−131295(P2006−131295A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325636(P2004−325636)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】