説明

ダンパ装置

【課題】音振動の吸収能力が高く、捩れ角が大きくとれ、高トルクまで捩れ剛性を低くできるダンパ装置を提供すること。
【解決手段】動力伝達経路上に直列に配設されるとともに、弾性力によって捩れを吸収する複数のダンパ部3a、3cと、動力伝達経路上にて各ダンパ部3a、3cと並列に配設されるとともに、摩擦力によって捩れを吸収する複数のヒステリシス部3b、3dと、最も入力側のダンパ部3a及びヒステリシス部3bへ回転動力を入力する入力プレート部材13と、入力側のダンパ部3a及びヒステリシス部3bから出力側のダンパ部3c及びヒステリシス部3dへ回転動力を伝達する中間プレート部材16、17と、最も出力側のダンパ部3c及びヒステリシス部3dの回転動力を出力する出力プレート部材(27、27b)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸間の変動トルクを吸収するダンパ装置に関し、特に、ダンパ部を直列に配設したダンパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダンパ装置は、例えば、エンジンとクラッチの間の動力伝達経路上に配設され、エンジンと変速機による変動トルクを吸収(抑制)する。ダンパ装置は、変動トルクが生じたときに捩れ、コイルスプリングによる弾性力や、摩擦材による摩擦力(ヒステリシストルク)によって捩れ(変動トルク)を吸収(抑制)する。従来のダンパ装置(トルク変動吸収装置)においては、エンジンの駆動状況(例えば、始動時、アイドリング時など)に応じて変動トルクを抑制できるように、2種類のダンパ部(コイルスプリング、弾性部材)を直列に配設したものがある。
【0003】
例えば、特許文献1では、バッテリーからの電力によって駆動される電気モータと内燃機関とを駆動源として有するとともに、内燃機関の駆動によって発生する電気エネルギーを前記バッテリーに充電可能な発電機を有するハイブリッド車両において前記駆動源の変動トルクを吸収するトルク変動吸収装置であって、第1弾性部材と該第1弾性部材より捩れ剛性の大きな第2弾性部材とにより内燃機関の変動トルクを吸収可能であり、前記第1弾性部材の捩れ剛性は、内燃機関が発電機を発電させる際に生じる内燃機関の変動トルクを吸収できるように設定されたものが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−278836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のトルク変動吸収装置では、内周にある第1弾性部材は、フランジ部とハブ部の間に配設されるという構造的な制約により、小さなトルクしか出せない。そのため、第1弾性部材において変動トルクを吸収する効果は、アイドル時などの微小トルク時のみであった。また、第1弾性部材が配設される位置では、フランジ部とハブ部の間での捩れ角を大きくとることができず、比較的小さなトルクで捩れ剛性が高くなっていた。
【0006】
また、第1弾性部材は、フランジ部の内スプラインと、ハブ部の外スプラインの周方向の間の空間に配設され、第1弾性部材の端面が全面受けとなっていないため、強度上の制約が大きく、衝撃が発生しやすかった。また、第1弾性部材の端部を受けるフランジ部及びハブ部にはスプラインが形成されているために、加工コストが増大していた。
【0007】
さらに、出力側部材となるハブ部は、音や振動を吸収するためには慣性が大きいことが望ましいが、フランジ部よりも内周側に配設されるため、あまり大きな慣性に設定することができない。
【0008】
本発明の主な課題は、音振動の吸収能力が高く、捩れ角が大きくとれ、高トルクまで捩れ剛性を低くできるダンパ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一視点においては、ダンパ装置において、動力伝達経路上に直列に配設されるとともに、弾性力によって捩れを吸収する複数のダンパ部と、前記動力伝達経路上にて各前記ダンパ部と並列に配設されるとともに、摩擦力によって捩れを吸収する複数のヒステリシス部と、各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も入力側のダンパ部及びヒステリシス部へ回転動力を入力する1又は複数の入力プレート部材と、各前記ダンパ部間及び各前記ヒステリシス部間にて入力側のダンパ部及びヒステリシス部から出力側のダンパ部及びヒステリシス部へ回転動力を伝達する1又は複数の中間プレート部材と、各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も出力側のダンパ部及びヒステリシス部の回転動力を出力する1又は複数の出力プレート部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ダンパ部がプレート部材間の相対回転による捩れを吸収する構造なので、捩れ角を大きくとれ、高トルクまで捩れ剛性を低くできる。また、構造上、出力プレート部材の慣性を大きく設定でき、音や振動の吸収能力を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態に係るダンパ装置(図1の3)では、動力伝達経路上に直列に配設されるとともに、弾性力によって捩れを吸収する複数のダンパ部(3a、3c)と、前記動力伝達経路上にて各前記ダンパ部(3a、3c)と並列に配設されるとともに、摩擦力によって捩れを吸収する複数のヒステリシス部(3b、3d)と、各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も入力側のダンパ部(3a)及びヒステリシス部(3b)へ回転動力を入力する1又は複数の入力プレート部材(13)と、各前記ダンパ部間及び各前記ヒステリシス部間にて入力側のダンパ部(3a)及びヒステリシス部(3b)から出力側のダンパ部(3c)及びヒステリシス部(3d)へ回転動力を伝達する1又は複数の中間プレート部材(16、17)と、各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も出力側のダンパ部(3c)及びヒステリシス部(3d)の回転動力を出力する1又は複数の出力プレート部材(27、27b)と、を備える。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施例1に係るダンパ装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。図2は、本発明の実施例1に係るダンパ装置をエンジンと慣性の大きい部品の間に配設した構成を示した模式図(スケルトン図)である。
【0013】
実施例1に係るダンパ装置3は、例えば、図2のようにエンジン1の回転軸2と、慣性の大きい部品5(オートマチックトランスミッションのクラッチドラム、CVTのプーリ、ハイブリッド車のモータなど)の回転軸4との間に設けられており、回転軸2と回転軸4の捩れによる変動トルクを吸収(抑制)する装置である。ダンパ装置3は、捩れ緩衝機能を有し、バネ力によって変動トルクを吸収する第1ダンパ部3a及び第2ダンパ部3cと、摩擦等によるヒステリシストルクによって変動トルクを吸収(抑制)する第1ヒステリシス部3b及び第2ヒステリシス部3dと、を有する。第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cとは、直列に配設されている。第1ダンパ部3aは、回転軸2の回転動力が入力プレート部材6を介して入力され、第2ダンパ部3cに向けて出力する。第2ダンパ部3cは、第1ダンパ部3aの回転動力が中間プレート部材7を介して入力され、出力間プレート部材8を介して回転軸4に向けて出力する。第1ヒステリシス部3bは、第1ダンパ部3aと並列に配設されている。第2ヒステリシス部3dは、第2ダンパ部3cと並列に配設されている。
【0014】
第1ダンパ3aと第2ダンパ部3cは、一方のダンパ部をエンジントルク以上の捩りトルクに設定し、他方のダンパ部をエンジントルクの半分以上の捩りトルクに設定することができる。望ましくは、両方のダンパ部ともにエンジントルク以上である。このようにすることで、一方のダンパ部がストッパで止まっても、他方のダンパ部が衝撃を緩和し、耐久性を確保することができる。
【0015】
第1ヒステリシス部3bと第2ヒステリシス部3dは、異なるヒステリシストルク値に設定することができる。その場合、一方のヒステリシス部のトルク値は、他方のヒステリシス部のトルク値の3倍以上がよい。このようにすることで、ヒステリシストルクが大きいヒステリシス部で、エンジン始動時など大きな振動を抑制することができ、ヒステリシストルクが小さいヒステリシス部で、走行時の微振動を吸収することができる。
【0016】
ダンパ装置3は、図1の構成では、1枚の入力プレート部材13、2枚の中間プレート部材16、17、1枚の出力プレート部材(ハブ部材27)の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、入力プレート部材13と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材16、17と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、ベアリング26と、ハブ部材27と、を有する。
【0017】
プレート10は、例えば、エンジン(図2の1)の回転軸(図2の2)にボルト11によって取付固定された環状の部材である。プレート10は、外周端部近傍の部分にて軸方向の片側(図1の右側)に突出した円筒部を有し、当該円筒部の軸方向の面に入力プレート部材13がボルト12によって取付固定されている。
【0018】
入力プレート部材13は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bへ回転動力を入力する環状の部材である。入力プレート部材13は、外周端部近傍の部分にて、ボルト12によってプレート10に取付固定されている。入力プレート部材13は、中間プレート部材16、17の間にて、中間プレート部材16、17と離間して配されている。入力プレート部材13は、中間の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部13aを有し、当該窓部13aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。入力プレート部材13は、第1ダンパ部3aより内周側の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18、19によってスライド可能に挟持されている。
【0019】
コイルスプリング14は、第1ダンパ部3aの構成部品であり、入力プレート部材13及び中間プレート部材16、17に形成された窓部13a、16a、17aに収容され、両端に配設されたシート部材15と接している。コイルスプリング14は、入力プレート部材13と中間プレート部材16、17とが相対回転したときに収縮し、入力プレート部材13と中間プレート部材16、17の回転差によるショックを吸収する。コイルスプリング14には、ストレート形状、又はストレート形状のスプリングを曲げて組み付けしたものを用いることができるが、広い捩りを実現するために、周方向に沿って曲ったアークスプリングを用いることができる。
【0020】
シート部材15は、第1ダンパ部3aの構成部品であり、入力プレート部材13及び中間プレート部材16、17に形成された窓部13a、16a、17aに収容され、当該窓部13a、16a、17aの周方向の端面とコイルスプリング14の端部との間に配されている。シート部材15には、コイルスプリング14の摩耗を低減するために、樹脂を用いることができる。
【0021】
中間プレート部材16は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材16は、中間プレート部材17とリベット(図示せず)などにより連結されており、中間プレート部材17と一体に回転する。中間プレート部材16は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部16aを有し、当該窓部16aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材16は、第1ダンパ3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18とスライド可能に圧接している。中間プレート部材16は、第1ヒステリシス部3bより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部16bを有し、当該窓部16bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材16は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、スラスト部材23とスライド可能に圧接している。中間プレート部材16は、内周端部に円筒部16cを有し、当該円筒部16cの内周にてベアリング26を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。
【0022】
中間プレート部材17は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材17は、中間プレート部材16とリベット(図示せず)などにより連結されており、中間プレート部材16と一体に回転する。中間プレート部材17は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部17aを有し、当該窓部17aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材17は、第1ダンパ3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、皿ばね20を支持する。中間プレート部材17は、第1ヒステリシス部3bより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部17bを有し、当該窓部17bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材17は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、皿ばね25を支持する。
【0023】
スラスト部材18は、第1ヒステリシス部3bの構成部品であり、入力プレート部材13と中間プレート部材16の間に配された環状の摩擦材である。スラスト部材18は、入力プレート部材13及び中間プレート部材16とスライド可能に圧接している。
【0024】
スラスト部材19は、第1ヒステリシス部3bの構成部品であり、入力プレート部材13と中間プレート部材17の間に配された環状の摩擦材である。スラスト部材19は、中間プレート部材17側から皿ばね20によって付勢されており、入力プレート部材13とスライド可能に圧接している。
【0025】
皿ばね20は、第1ヒステリシス部3bの構成部品であり、スラスト部材19と中間プレート部材17の間に配され、スラスト部材19を入力プレート部材13側に付勢する皿状のばねである。
【0026】
コイルスプリング21は、第2ダンパ部3cの構成部品であり、中間プレート部材16、17、及びハブ部材27の出力プレート部27bに形成された窓部16a、17a、27cに収容され、両端に配設されたシート部材22と接している。コイルスプリング21は、中間プレート部材16、17とハブ部材27とが相対回転したときに収縮し、中間プレート部材16、17とハブ部材27との回転差によるショックを吸収する。コイルスプリング21には、ストレート形状、又はストレート形状のスプリングを曲げて組み付けしたものを用いることができるが、広い捩りを実現するために、周方向に沿って曲ったアークスプリングを用いることができる。
【0027】
シート部材22は、第2ダンパ部3cの構成部品であり、中間プレート部材16、17、及びハブ部材27の出力プレート部27bに形成された窓部16a、17a、27cに収容され、当該窓部16a、17a、27cの周方向の端面とコイルスプリング21の端部との間に配されている。シート部材22には、コイルスプリング21の摩耗を低減するために、樹脂を用いることができる。
【0028】
スラスト部材23は、第2ヒステリシス部3dの構成部品であり、中間プレート部材16とハブ部材27の出力プレート部27bとの間に配された環状の摩擦材である。スラスト部材23は、中間プレート部材16及び出力プレート部27bとスライド可能に圧接している。
【0029】
スラスト部材24は、第2ヒステリシス部3dの構成部品であり、中間プレート部材16とハブ部材27の出力プレート部27bとの間に配された環状の摩擦材である。スラスト部材24は、中間プレート部材17側から皿ばね25によって付勢されており、出力プレート部27bとスライド可能に圧接している。
【0030】
皿ばね25は、第2ヒステリシス部3dの構成部品であり、スラスト部材24と中間プレート部材17の間に配され、スラスト部材24をハブ部材27の出力プレート部27b側に付勢する皿状のばねである。
【0031】
ベアリング26は、中間プレート部材16の円筒部16cの内周にて、中間プレート部材16をハブ部材27に相対回転可能に支持させるためのガイド部材である。ベアリング26の代わりに、ブッシュ等の軸受けを用いてもよい。
【0032】
ハブ部材27は、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dの回転動力を出力する部材である。ハブ部材27は、ハブ部27aの外周の所定の部位から延在した出力プレート部27bを有する。ハブ部27aは、内周面に回転軸(図2の4)と連結するためのスプラインが形成されている。ハブ部27aは、ベアリング26を介して中間プレート部材16を相対回転可能に支持している。出力プレート部27bは、外周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部27cを有し、当該窓部27cの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。出力プレート部27bは、第2ダンパ部3cより内周側の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23、24によってスライド可能に挟持されている。
【0033】
実施例1によれば、出力プレート部材となるハブ部材27が出力プレート部27bを有する構成なので、構造上、ハブ部材27の慣性を大きく設定でき、音や振動の吸収能力を高めることができる。また、第1ダンパ部3aがプレート部材13、16、17の窓部13a、16a、17a(第2ダンパ部3cがプレート部材16、17、27bの窓部16b、17b、27c)の相対回転による捩れを吸収する構造なので、捩れ角を大きくとれ、高トルクまで捩れ剛性を低くできる。さらに、中間プレート部材16とハブ部材27の間にベアリング26を設けることで、中間プレート部材16の偏心を防止することができる。
【0034】
次に、本発明の実施例1に係るダンパ装置の変形例(実施例1−1)について図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施例1に係るダンパ装置の変形例(実施例1−1)の構成を模式的に示した断面図である。図4は、本発明の実施例1に係るダンパ装置の変形例(実施例1−1)をエンジンと慣性の大きい部品の間に配設した構成を示した模式図(スケルトン図)である。
【0035】
実施例1−1に係るダンパ装置3では、回転軸2と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する(図4参照)。その他の構成は、実施例1(図1参照)と同様である。
【0036】
ダンパ装置3は、第1ダンパ部3aよりも外周にリミッタ部3eを有する(図3参照)。リミッタ部3eは、エンジントルクの1.2〜3倍程度で滑ることが望ましい。ダンパ装置3は、リミッタ部3eの構成部品として、プレート28、29と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、入力プレート部材13と、を有する。
【0037】
プレート28は、プレート10とプレート29の間に配設された環状の部材である。プレート28は、外周部分にてプレート29と合わさってボルト12によってプレート10に取付固定されている。プレート28は、摩擦材32とスライド可能に圧接している。
【0038】
プレート29は、プレート28のプレート10側の反対側に配設された環状の部材である。プレート29は、外周部分にてプレート28と合わさってボルト12によってプレート10に取付固定されている。プレート29は、プレッシャプレート30及び皿ばね31を相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持し、皿ばね31と圧接している。
【0039】
プレッシャプレート30は、皿ばね31と摩擦材33の間に配された環状の部材である。プレッシャプレート30は、プレート29に相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持されている。プレッシャプレート30は、皿ばね31によって摩擦材33側に付勢されており、摩擦材33とスライド可能に圧接している。
【0040】
皿ばね31は、プレート29とプレッシャプレート30の間に配された皿状のばねである。皿ばね31は、プレッシャプレート30を摩擦材33側に付勢する。皿ばね31は、プレート29に相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持されている。
【0041】
摩擦材32は、入力プレート部材13とプレート28の間に配され、摩擦材33とともにリベット(図示せず)によって入力プレート部材13に取付固定されている。摩擦材32は、プレート28とスライド可能に圧接している。
【0042】
摩擦材33は、プレッシャプレート30と入力プレート部材13の間に配され、摩擦材32とともにリベット(図示せず)によって入力プレート部材13に取付固定されている。摩擦材33は、プレッシャプレート30とスライド可能に圧接している。
【0043】
入力プレート部材13は、図1のように第1ダンパ部3aよりも外周の部分がボルト12によってプレート10に取付固定されるのではなく、第1ダンパ部3aよりも外周の部分が摩擦材32と摩擦材33の間に配置され、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が固定されている(図3参照)。入力プレート部材13の他の構成は、実施例1(図1参照)と同様である。
【0044】
実施例1−1によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、リミッタ部3eを設けることで、過大トルクがカットされて、ダンパ装置3の破損を防止することができる。また、リミッタ部3eを回転軸(図4の2)と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路に設けることで、リミッタ部3eが外周に配置され、トルク設定が容易になる。
【0045】
次に、本発明の実施例1に係るダンパ装置の変形例(実施例1−2)について図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施例1に係るダンパ装置の変形例(実施例1−2)の構成を模式的に示した断面図である。
【0046】
実施例1−2に係るダンパ装置3では、ダンパ部3a、3c、ヒステリシス部3b、3d、及びリミッタ部3eにおいて油(グリス含む)を封入可能な構成にしたものであり、実施例1−1(図3参照)におけるプレート28及びプレート29の構成を変形したものである(図5参照)。プレート28は、ハブ部材27のハブ部27aの外周まで延在しており、プレート28の内周端部とハブ部27aとの間にシール34が介在している。プレート29は、ハブ部材27のハブ部27aの外周まで延在しており、プレート29の内周端部とハブ部27aとの間にシール35が介在している。その他の構成は、実施例1−1(図3、図4参照)と同様である。
【0047】
実施例1−2によれば、実施例1、実施例1−1と同様な効果を奏するとともに、油の密封により、ダンパ装置3における構成部材の摩耗を低減させることができる。
【実施例2】
【0048】
本発明の実施例2に係るダンパ装置について図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施例2に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【0049】
実施例2に係るダンパ装置3は、図6の構成では、2枚の入力プレート部材37、38、1枚の中間プレート部材42、2枚の出力プレート部材43、44の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、入力プレート部材37、38と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材42と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、出力プレート部材43、44と、ハブ部材47と、を有する。
【0050】
なお、プレート10、ボルト11、12、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、及び、皿ばね25については、実施例1(図1参照)と同様である。また、ダンパ装置3の構成は、図2と同様である。
【0051】
入力プレート部材37は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bへ回転動力を入力する環状の部材である。入力プレート部材37は、外周端部近傍の部分にて、プレート10と入力プレート部材38の間に配されており、ボルト12によって入力プレート部材38とともにプレート10に取付固定されている。入力プレート部材37は、中間の第1ヒステリシス部3b(軸方向の面)にて、スラスト部材18とスライド可能に圧接している。入力プレート部材37は、第1ヒステリシス部3bより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部37aを有し、当該窓部37aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。
【0052】
入力プレート部材38は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bへ回転動力を入力する環状の部材である。入力プレート部材38は、外周端部近傍の部分にて、入力プレート部材37のプレート10側の反対側に配されており、ボルト12によって入力プレート部材37とともにプレート10に取付固定されている。入力プレート部材38は、中間の第1ヒステリシス部3b(軸方向の面)にて、皿ばね20を支持している。入力プレート部材38は、第1ヒステリシス部3bより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部38aを有し、当該窓部38aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。
【0053】
中間プレート部材42は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材42は、入力プレート部材37、38の間にて、入力プレート部材37、38と離間して配されている。中間プレート部材42は、外周の第1ヒステリシス部3bの軸方向の面にて、スラスト部材18、19によってスライド可能に挟持されている。中間プレート部材42は、第1ヒステリシス部3bより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部42aを有し、当該窓部42aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。
中間プレート部材42は、出力プレート部材43、44の間にて、出力プレート部材43、44と離間して配されている。中間プレート部材42は、第1ダンパ部3aより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部42bを有し、当該窓部42bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材42は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23、24によってスライド可能に挟持されている。
【0054】
出力プレート部材43、44は、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dの回転動力を出力する部材である。出力プレート部材43、44は、内周面にて溶接やカシメなどによりハブ部材47と連結されている。出力プレート部材43は、中間プレート部材42のプレート10側にて中間プレート部材42と離間して延在している。出力プレート部材44は、中間プレート部材42のプレート10側の反対側にて中間プレート部材42と離間して延在している。出力プレート部材43、44は、外周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部43a、44aを有し、当該窓部43a、44aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。出力プレート部材43は、第2ダンパ部3cより内周側の第2ヒステリシス部3dにて、スラスト部材23とスライド可能に圧接している。出力プレート部材44は、皿ばね25を支持している。
【0055】
ハブ部材47は、出力プレート部材43、44からの回転動力を出力する円筒状の部材である。ハブ部材47は、内周面に回転軸(図2の4)と連結するためのスプラインが形成されている。ハブ部材47は、外周面にて溶接やカシメなどにより出力プレート部材43、44と連結されている。
【0056】
実施例2によれば、出力プレート部材43、44がハブ部材47と連結されているので、構造上、ハブ部材47の慣性を大きく設定でき、音や振動の吸収能力を高めることができる。また、第1ダンパ部3aがプレート部材37、38、42の窓部37a、38a、42a(第2ダンパ部3cがプレート部材42、43、44の窓部42b、43a、44a)の相対回転による捩れを吸収する構造なので、捩れ角を大きくとれ、高トルクまで捩れ剛性を低くできる。
【0057】
次に、本発明の実施例2に係るダンパ装置の変形例(実施例2−1)について図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施例2に係るダンパ装置の変形例(実施例2−1)の構成を模式的に示した断面図である。図8は、本発明の実施例2に係るダンパ装置の変形例(実施例2−1)をエンジンと慣性の大きい部品の間に配設した構成を示した模式図(スケルトン図)である。
【0058】
実施例2−1に係るダンパ装置3では、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cの間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する(図8参照)。その他の構成は、実施例2(図6参照)と同様である。
【0059】
ダンパ装置3は、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cの間にリミッタ部3eを有する(図7参照)。リミッタ部3eは、エンジントルクの1.2〜3倍程度で滑ることが望ましい。ダンパ装置3は、リミッタ部3eの構成部品として、中間プレート部材48と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、中間プレート部材49と、を有する。
【0060】
なお、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33については、実施例1−1(図3参照)と同様である。
【0061】
中間プレート部材48は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力し、リミッタ部3e及び中間プレート部材49を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材48は、入力プレート部材37、38の間にて、入力プレート部材37、38と離間して配されている。中間プレート部材48は、外周の第1ヒステリシス部3bの軸方向の面にて、スラスト部材18、19によってスライド可能に挟持されている。中間プレート部材48は、第1ヒステリシス部3bより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部48aを有し、当該窓部48aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材48は、第1ダンパ部3aより内周のリミッタ部3eにて、プレッシャプレート30及び皿ばね31を相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持するためのリミッタプレート部48bを有し、リミッタプレート部48bにて皿ばね31と圧接しており、その反対側で摩擦材32とスライド可能に圧接している。
【0062】
中間プレート部材49は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bから出力された回転動力を中間プレート部材48及びリミッタ部3eを介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ入力する環状の部材である。中間プレート部材49は、第2ダンパ部3cよりも外周の部分が摩擦材32と摩擦材33の間に配置され、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が固定されている。中間プレート部材49は、リミッタ部3eより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部49aを有し、当該窓部49aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材49は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23、24によってスライド可能に挟持されている。
【0063】
実施例2−1によれば、実施例2と同様な効果を奏するとともに、リミッタ部3eを設けることで、過大トルクがカットされて、ダンパ装置3の破損を防止することができる。また、リミッタ部3eを第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cの間の動力伝達経路に設けることで、省スペース及び低コストに寄与する。
【0064】
次に、本発明の実施例2に係るダンパ装置の変形例(実施例2−2)について図面を用いて説明する。図9は、本発明の実施例2に係るダンパ装置の変形例(実施例2−2)の構成を模式的に示した断面図である。
【0065】
実施例2−2に係るダンパ装置3では、図4と同様に、回転軸2と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する。リミッタ部3eは、エンジントルクの1.2〜3倍程度で滑ることが望ましい。ダンパ装置3では、第1ダンパ部3aよりも外周にリミッタ部3eを有し、ハブ部材47と連結されている出力プレート部材67に慣性体68を有する(図9参照)。
【0066】
ダンパ装置3は、図9の構成では、1枚の入力プレート部材62、1枚の中間プレート部材63、2枚の出力プレート部材66、67の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート54と、ボルト11、55と、円筒部材56と、リミッタプレート部材57と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、入力プレート部材62と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材63と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、出力プレート部材66、67と、ハブ部材47と、慣性体68と、を有する。
【0067】
なお、ボルト11、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、及び皿ばね25は、実施例1(図1参照)と同様である。また、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33は、実施例1−1(図3参照)と同様である。また、ハブ部材47は、実施例2(図6参照)と同様である。
【0068】
プレート54は、例えば、エンジン(図4の1)の回転軸2にボルト11によって取付固定された環状の部材である。プレート54の径方向外側近傍の部分には、円筒部材56がボルト55によって取付固定されている。
【0069】
円筒部材56は、プレート54の径方向外側近傍の部分に取付固定された円筒状の部材である。円筒部材56は、ボルト55によってプレート54に取付固定されている。円筒部材56のプレート54側の反対面には、リミッタプレート部材57がボルト(図示せず)などによって取付固定されている。
【0070】
リミッタプレート部材57は、円筒部材56に取付固定された円筒状の部材であり、リミッタ部3eの構成部品である。リミッタプレート部材57は、プレッシャプレート30及び皿ばね31を相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持し、皿ばね31と圧接しており、その反対側で摩擦材32とスライド可能に圧接している。
【0071】
入力プレート部材62は、回転動力をリミッタ部3eから第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bに入力する環状の部材である。入力プレート部材62は、第1ダンパ部3aよりも外周の部分が摩擦材32と摩擦材33の間まで延在した外周延在部62cを有し、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が外周延在部62cに固定されている。入力プレート部材62は、内周部分が中間プレート部材63を挟み込むように中間プレート部材63と離間して延在している。入力プレート部材62は、リミッタ部3eより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部62a、62bを有し、当該窓部62a、62bの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。入力プレート部材62は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18とスライド可能に圧接しており、その軸方向反対側にて皿ばね20を支持している。
【0072】
中間プレート部材63は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材63は、入力プレート部材62の間にて、入力プレート部材62と離間して配されている。中間プレート部材63は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部63aを有し、当該窓部63aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材63は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bの軸方向の面にて、スラスト部材18、19によってスライド可能に挟持されている。中間プレート部材63は、第1ヒステリシス部3bより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部63bを有し、当該窓部63bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材63は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23、24によってスライド可能に挟持されている。
【0073】
出力プレート部材66、67は、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dの回転動力を出力する部材である。出力プレート部材66、67は、内周面にて溶接やカシメなどによりハブ部材47と連結されている。
出力プレート部材66は、中間プレート部材63のプレート54側にて中間プレート部材63と離間して延在している。出力プレート部材67は、中間プレート部材63のプレート54側の反対側にて中間プレート部材63と離間して延在している。出力プレート部材66、67は、外周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部66a、67aを有し、当該窓部66a、67aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。出力プレート部材66は、第2ダンパ部3cより内周側の第2ヒステリシス部3dにて、スラスト部材23とスライド可能に圧接している。出力プレート部材67は、皿ばね25を支持している。出力プレート部材67は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bと抵触しないように外周に延在した外周延在部67bを有し、外周延在部67bの先端部に慣性体68が固定されている。
【0074】
慣性体68は、錘となるものである。慣性体68の慣性は、第2ダンパ部3cより出力側の出力プレート部材66、67及びハブ部材47の全体の5%以上であることが好ましい。
【0075】
実施例2−2によれば、実施例2と同様な効果を奏するとともに、リミッタ部3eを設けることで、過大トルクがカットされて、ダンパ装置3の破損を防止することができる。また、リミッタ部3eを回転軸(図4の2)と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路に設けることで、リミッタ部3eが外周に配置され、トルク設定が容易になる。また、出力プレート部材67に慣性体68が取り付けられているので、出力プレート部材67に連結されたハブ部材47の慣性が大きくなり、音や振動の吸収能力をさらに高くすることができる。
【実施例3】
【0076】
本発明の実施例3に係るダンパ装置について図面を用いて説明する。図10は、本発明の実施例3に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【0077】
実施例3に係るダンパ装置3は、図10の構成では、2枚の入力プレート部材70、71、2枚の中間プレート部材72、73、1枚の出力プレート部材(ハブ部材27)の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、入力プレート部材70、71と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材72、73と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、ベアリング26と、ハブ部材27と、を有する。
【0078】
なお、プレート10、ボルト11、12、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、皿ばね25、ベアリング26、及び、ハブ部材27については、実施例1(図1参照)と同様である。また、ダンパ装置3の構成は、図2と同様である。
【0079】
入力プレート部材70は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bへ回転動力を入力する環状の部材である。入力プレート部材70は、外周端部近傍の部分にて、プレート10と入力プレート部材71の間に配されており、ボルト12によって入力プレート部材71とともにプレート10に取付固定されている。入力プレート部材70は、中間の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部70aを有し、当該窓部70aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。入力プレート部材70は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3b(軸方向の面)にて、スラスト部材18とスライド可能に圧接している。入力プレート部材70は、内周端部に円筒部70bを有し、当該円筒部70bの内周にてベアリング26を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。
【0080】
入力プレート部材71は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bへ回転動力を入力する環状の部材である。入力プレート部材71は、外周端部近傍の部分にて、入力プレート部材70のプレート10側の反対側に配されており、ボルト12によって入力プレート部材70とともにプレート10に取付固定されている。入力プレート部材71は、中間の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部71aを有し、当該窓部71aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。入力プレート部材71は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3b(軸方向の面)にて、皿ばね20を支持している。
【0081】
中間プレート部材72は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材72は、入力プレート部材70、71の間にて、入力プレート部材70、71と離間して配されている。中間プレート部材72は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部72aを有し、当該窓部72aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材72は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bの軸方向の面にて、スラスト部材18、19によってスライド可能に挟持されている。中間プレート部材72は、中間プレート部材73とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材73と組み合わさってハブ部材27の出力プレート部27bを挟み込むように出力プレート部27bと離間して配されている。中間プレート部材72は、第1ヒステリシス部3bより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部72bを有し、当該窓部72bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材72は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23とスライド可能に圧接している。
【0082】
中間プレート部材73は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を中間プレート部材72を介して出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材73は、中間プレート部材72とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材72と組み合わさってハブ部材27の出力プレート部27bを挟み込むように出力プレート部27bと離間して配されている。中間プレート部材73は、第1ヒステリシス部3bより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部73aを有し、当該窓部73aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材73は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、皿ばね25を支持している。
【0083】
実施例3によれば、実施例1と同様に、出力プレート部材となるハブ部材27が出力プレート部27bを有する構成なので、構造上、ハブ部材27の慣性を大きく設定でき、音や振動の吸収能力を高めることができる。また、第1ダンパ部3aがプレート部材70、71、72の窓部70a、71a、72a(第2ダンパ部3cがプレート部材72、73、27bの窓部72b、73a、27c)の相対回転による捩れを吸収する構造なので、捩れ角を大きくとれ、高トルクまで捩れ剛性を低くできる。さらに、中間プレート部材70とハブ部材27の間にベアリング26を設けることで、中間プレート部材70の偏心を防止することができる。
【0084】
次に、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−1)について図面を用いて説明する。図11は、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−1)の構成を模式的に示した断面図である。
【0085】
実施例3−1に係るダンパ装置3では、図8と同様に、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cの間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する。
【0086】
ダンパ装置3は、第1ヒステリシス部3bと第2ダンパ部3cの間にリミッタ部3eを有する(図11参照)。リミッタ部3eは、エンジントルクの1.2〜3倍程度で滑ることが望ましい。ダンパ装置3は、リミッタ部3eの構成部品として、中間プレート部材74と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、中間プレート部材75、76と、を有する。
【0087】
なお、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33については、実施例1−1(図3参照)と同様である。また、その他の構成は、実施例3(図10参照)と同様である。
【0088】
中間プレート部材74は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、リミッタ部3e及び中間プレート部材75、76を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材74は、入力プレート部材70、71の間にて、入力プレート部材70、71と離間して配されている。中間プレート部材74は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部74aを有し、当該窓部74aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材74は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bの軸方向の面にて、スラスト部材18、19によってスライド可能に挟持されている。中間プレート部材74は、第1ヒステリシス部3bより内周のリミッタ部3eにて、摩擦材32と摩擦材33の間に配置され、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が固定されている。
【0089】
中間プレート部材75は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を中間プレート部材74及びリミッタ部3eを介して出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材75は、中間プレート部材76とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材76と組み合わさってハブ部材27の出力プレート部27bを挟み込むように出力プレート部27bと離間して配されている。中間プレート部材75は、外周のリミッタ部3eにて、摩擦材32とスライド可能に圧接している。中間プレート部材75は、リミッタ部3eより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部75aを有し、当該窓部75aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材75は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23とスライド可能に圧接している。
【0090】
中間プレート部材76は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を中間プレート部材74及びリミッタ部3eを介して出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材76は、中間プレート部材75とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材75と組み合わさってハブ部材27の出力プレート部27bを挟み込むように出力プレート部27bと離間して配されている。中間プレート部材76は、外周のリミッタ部3eにて、プレッシャプレート30及び皿ばね31を相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持する。中間プレート部材76は、リミッタ部3eより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部76aを有し、当該窓部76aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材76は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、皿ばね25を支持している。
【0091】
実施例3−1によれば、実施例3と同様な効果を奏するとともに、リミッタ部3eを設けることで、過大トルクがカットされて、ダンパ装置3の破損を防止することができる。また、リミッタ部3eを第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cの間の動力伝達経路に設けることで、省スペース及び低コストに寄与する。
【0092】
次に、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−2)について図面を用いて説明する。図12は、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−2)の構成を模式的に示した断面図である。
【0093】
実施例3−2に係るダンパ装置3では、図4と同様に、回転軸2と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する。リミッタ部3eは、エンジントルクの1.2〜3倍程度で滑ることが望ましい。ダンパ装置3では、第1ダンパ部3aよりも外周にリミッタ部3eを有し、ハブ部材27に対して入力プレート部材82及び中間プレート部材83を相対回転可能に支持するためのガイド部材84を有する(図12参照)。
【0094】
ダンパ装置3は、図12の構成では、1枚の入力プレート部材82、1枚の中間プレート部材83、1枚の出力プレート部材(ハブ部材27)の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート54と、ボルト11、55と、円筒部材56と、リミッタプレート部材57と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、入力プレート部材82と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材83と、スラスト部材19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、ハブ部材27と、ガイド部材84と、を有する。
【0095】
なお、ボルト11、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、皿ばね25、及びハブ部材27は、実施例1(図1参照)と同様である。また、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33は、実施例1−1(図3参照)と同様である。また、プレート54、ボルト55、円筒部材56、及びリミッタプレート部材57は、実施例2−2(図9参照)と同様である。
【0096】
入力プレート部材82は、回転動力をリミッタ部3eから第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bに入力する環状の部材である。入力プレート部材82は、第1ダンパ部3aよりも外周の部分が摩擦材32と摩擦材33の間まで延在した外周延在部82cを有し、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が外周延在部82cに固定されている。入力プレート部材82は、中間部分が中間プレート部材83の外周延在部83aを挟み込むように中間プレート部材83と離間して延在している。入力プレート部材82は、リミッタ部3eより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部82a、82bを有し、当該窓部82a、82bの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。入力プレート部材82は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、皿ばね20を支持している。入力プレート部材82は、ハブ部材27のハブ部27aの近傍まで延在した内周延在部82dを有し、内周延在部82dの内周端部にてガイド部材84を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。内周延在部82dの軸方向の面は、ガイド部材84とスライド可能に圧接しており、第1ヒステリシス部3bとなる。
【0097】
中間プレート部材83は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材83は、入力プレート部材82の間にて、入力プレート部材82と離間して配された外周延在部83aを有する。外周延在部83aは、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部83bを有し、当該窓部83bの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材83は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bの軸方向の面にて、スラスト部材19及びガイド部材84によってスライド可能に挟持されている。中間プレート部材83は、内周部分がハブ部材27の出力プレート部27bを挟み込むように出力プレート部27bと離間して延在している。中間プレート部材83は、第1ヒステリシス部3bより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部83c、83dを有し、当該窓部83c、83dの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材83は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、スラスト部材23とスライド可能に圧接しており、その軸方向反対側にて皿ばね25を支持している。中間プレート部材83は、内周端部にてガイド部材84を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。中間プレート部材83の内周端部の軸方向の面は、スラスト部材23との圧接面の反対面にて、ガイド部材84とスライド可能に圧接しており、第1ヒステリシス部3bとなる。
【0098】
ガイド部材84は、入力プレート部材82及び中間プレート部材83の内周端部にて、入力プレート部材82及び中間プレート部材83をハブ部材27に対して相対回転可能にガイドするための部材である。ガイド部材84は、軸方向において入力プレート部材82及び中間プレート部材83の間にも配され、入力プレート部材82及び中間プレート部材83とスライド可能に圧接しており、第1ヒステリシス部3bとなる。ガイド部材84には、樹脂を用いることができる。
【0099】
実施例3−2によれば、実施例3と同様な効果を奏するとともに、リミッタ部3eを設けることで、過大トルクがカットされて、ダンパ装置3の破損を防止することができる。また、リミッタ部3eを回転軸(図4の2)と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路に設けることで、リミッタ部3eの外周に配され、トルク設定が容易になる。また、ガイド部材84がガイド機能(軸受機能)とヒステリシス機能を併せ持つことで、省スペース及び低コストに寄与する。さらに、入力プレート部材82及び中間プレート部材83をガイド部材84を介してハブ部材27に相対回転可能に支持することにより、入力プレート部材82及び中間プレート部材83の偏心を防止することができる。
【0100】
次に、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−3)について図面を用いて説明する。図13は、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−3)の構成を模式的に示した(A)第1の断面図、及び(B)第2の断面図である。
【0101】
実施例3−3に係るダンパ装置では、実施例3−2(図12参照)と同様に、ハブ部材27に対して入力プレート部材82及び中間プレート部材83を相対回転可能に支持するためのガイド部材84を有するが、さらに、ガイド部材84が、図13(A)のようにプレート54(図10のようなプレート10やエンジンフライホイールでも可)も相対回転可能に支持するようにしたり、図13(B)のように回転軸2も相対回転可能に支持するようにしている。その他の構成は、実施例3−2(図12参照)と同様である。
【0102】
実施例3−3によれば、実施例3−2と同様な効果を奏するとともに、ガイド部材84がプレート54又は回転軸2を相対回転可能に支持するので、ダンパ装置の中心軸と回転軸2との位置合わせが容易になり、従来のノック孔加工やノックピン打ち込みのような位置合わせ手法と比べて、コストを低減させることができる。なお、従来のダンパ装置の中心軸と回転軸との位置合わせは、一般に、フライホイール(例えば、図1のプレート10に相当)とダンパ装置のフライホイール取付部材(例えば、図1の入力プレート部材13に相当)にノックピンを立て、位置決め(ズレ防止)をしている。また、ガイド部材84がプレート54又は回転軸2を相対回転可能に支持することで、リミッタ部を有する構造においては、リミッタ部の径方向の偏心を防止することができる。さらに、ガイド部材84が回転軸2を直接支持することで、回転軸2のハブ部材27の軸ズレ防止の精度が高くなる。
【0103】
次に、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−4)について図面を用いて説明する。図14は、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−4)の構成を模式的に示した断面図である。
【0104】
実施例3−4に係るダンパ装置3では、図4と同様に、回転軸2と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する。リミッタ部3eは、エンジントルクの1.2〜3倍程度で滑ることが望ましい。ダンパ装置3では、第1ダンパ部3aよりも外周にリミッタ部3eを有し、ハブ部材27に対して入力プレート部材82、中間プレート部材83、及びリミッタプレート部材85を相対回転可能に支持するためのガイド部材86を有する(図14参照)。
【0105】
ダンパ装置3は、図14の構成では、1枚の入力プレート部材82、1枚の中間プレート部材83、1枚の出力プレート部材(ハブ部材27)の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート54と、ボルト11、55と、円筒部材56と、リミッタプレート部材85と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、入力プレート部材82と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材83と、スラスト部材19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材24と、皿ばね25と、ハブ部材27と、ガイド部材86と、スラスト部材87と、を有する。
【0106】
なお、ボルト11、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材24、皿ばね25、及びハブ部材27は、実施例1(図1参照)と同様である。また、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33は、実施例1−1(図3参照)と同様である。また、プレート54、ボルト55、円筒部材56、及びリミッタプレート部材57は、実施例2−2(図9参照)と同様である。また、入力プレート部材82、及び中間プレート部材83は、実施例3−2(図12参照)と同様である。
【0107】
リミッタプレート部材85は、円筒部材56に取付固定された円筒状の部材であり、リミッタ部3eの構成部品である。リミッタプレート部材85は、プレッシャプレート30及び皿ばね31を相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持し、皿ばね31と圧接しており、その反対側で摩擦材32とスライド可能に圧接している。リミッタプレート部材85は、ハブ部材27のハブ部27aの近傍まで延在した内周延在部85aを有し、内周延在部85aの内周端部にてガイド部材86を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。
【0108】
ガイド部材86は、入力プレート部材82、中間プレート部材83、及びリミッタプレート部材85の内周端部にて、入力プレート部材82、中間プレート部材83、及びリミッタプレート部材85をハブ部材27に対して相対回転可能にガイドするための部材である。ガイド部材86は、軸方向において中間プレート部材83、及びハブ部材27の出力プレート部27bの間にも配され、中間プレート部材83及び出力プレート部27bとスライド可能に圧接しており、第2ヒステリシス部3dとなる。ガイド部材86には、樹脂を用いることができる。
【0109】
スラスト部材87は、1ヒステリシス部3bの構成部品であり、入力プレート部材82と中間プレート部材83の間に配された環状の摩擦材である。スラスト部材87は、入力プレート部材82及び中間プレート部材83とスライド可能に圧接している。
【0110】
実施例3−4によれば、実施例3−2と同様な効果を奏するとともに、リミッタプレート部材85、入力プレート部材82、及び中間プレート部材83をガイド部材86を介してハブ部材27に相対回転可能に支持することにより、リミッタプレート部材85、入力プレート部材82、及び中間プレート部材83の偏心を防止することができる。
【0111】
次に、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−5)について図面を用いて説明する。図15は、本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−5)の構成を模式的に示した断面図である。
【0112】
実施例3−5に係るダンパ装置では、実施例3−4(図14参照)と同様に、ハブ部材27に対して入力プレート部材82、中間プレート部材83、及びリミッタプレート部材85を相対回転可能に支持するためのガイド部材86を有するが、さらに、ガイド部材86が、図15(A)のようにプレート54(図10のようなプレート10やエンジンフライホイールでも可)も相対回転可能に支持するようにしたり、図15(B)のように回転軸2も相対回転可能に支持するようにしている。その他の構成は、実施例3−4(図14参照)と同様である。
【0113】
実施例3−5によれば、実施例3−4と同様な効果を奏するとともに、ガイド部材86がプレート54又は回転軸2を相対回転可能に支持するので、ダンパ装置の中心軸と回転軸2との位置合わせが容易になり、従来のノック孔加工やノックピン打ち込みのような位置合わせ手法と比べて、コストを低減させることができる。また、ガイド部材86がプレート54又は回転軸2を相対回転可能に支持することで、リミッタ部を有する構造においては、リミッタ部の径方向の偏心を防止することができる。さらに、ガイド部材86が回転軸2を直接支持することで、回転軸2のハブ部材27の軸ズレ防止の精度が高くなる。
【実施例4】
【0114】
本発明の実施例4に係るダンパ装置について図面を用いて説明する。図16は、本発明の実施例4に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【0115】
実施例4に係るダンパ装置3は、図16の構成では、1枚の入力プレート部材13、2枚の中間プレート部材89、90、2枚の出力プレート部材43、44の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、入力プレート部材13と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材89、90と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、出力プレート部材43、44と、ハブ部材47と、を有する。
【0116】
なお、プレート10、ボルト11、12、入力プレート部材13、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、及び皿ばね25については、実施例1(図1参照)と同様である。また、出力プレート部材43、44、及びハブ部材47は、実施例2(図6参照)と同様である。また、ダンパ装置3の構成は、図2と同様である。
【0117】
中間プレート部材89は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、中間プレート部材90を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材89は、中間プレート部材90とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材90と組み合わさって入力プレート部材13を挟み込むように入力プレート部材13と離間して配されている。中間プレート部材89は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部89aを有し、当該窓部89aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材89は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、皿ばね20を支持する。
【0118】
中間プレート部材90は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材90は、中間プレート部材89とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材89と組み合わさって入力プレート部材13を挟み込むように入力プレート部材13と離間して配されている。中間プレート部材90は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部90aを有し、当該窓部90aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材90は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18とスライド可能に圧接している。中間プレート部材90は、出力プレート部材43、44の間にて、出力プレート部材43、44と離間して配されている。中間プレート部材90は、第1ヒステリシス部3bより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部90bを有し、当該窓部90bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材90は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23、24によってスライド可能に挟持されている。
【0119】
実施例4によれば、出力プレート部材43、44がハブ部材47と連結されているので、構造上、ハブ部材47の慣性を大きく設定でき、音や振動の吸収能力を高めることができる。また、第1ダンパ部3aがプレート部材13、89、90の窓部13a、89a、90a(第2ダンパ部3cがプレート部材90、43の窓部90b、43a、44a)の相対回転による捩れを吸収する構造なので、捩れ角を大きくとれ、高トルクまで捩れ剛性を低くできる。
【0120】
次に、本発明の実施例4に係るダンパ装置の変形例(実施例4−1)について図面を用いて説明する。図17は、本発明の実施例4に係るダンパ装置の変形例(実施例4−1)の構成を模式的に示した断面図である。図18は、本発明の実施例4に係るダンパ装置の変形例(実施例4−1)をエンジンと慣性の大きい部品の間に配設した構成を示した模式図(スケルトン図)である。
【0121】
実施例4−1に係るダンパ装置3では、第2ダンパ部3cと回転軸4の間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する(図18参照)。また、中間プレート部材89及び出力プレート部材91は、ガイド部材98を介してハブ部材97と相対回転可能に支持されている(図17参照)。また、リミッタ部3eは、出力プレート部材91と、ハブ部材97のプレート部97bとの間の動力伝達経路に配されており、第1ダンパ部3aの位置と同等(又は外周)に配されている。その他の構成は、実施例4(図16参照)と同様である。
【0122】
実施例4−1に係るダンパ装置3は、図17の構成では、1枚の入力プレート部材13、2枚の中間プレート部材89、90、1枚の出力プレート部材91の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、入力プレート部材13と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材89、90と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、出力プレート部材91と、リミッタプレート部材92と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、ハブ部材97と、ガイド部材98と、を有する。
【0123】
なお、プレート10、ボルト11、12、入力プレート部材13、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、及び皿ばね25については、実施例1(図1参照)と同様である。また、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33は、実施例1−1(図3参照)と同様である。また、中間プレート部材90については、実施例4(図16参照)と同様である。
【0124】
中間プレート部材89は、ハブ部材97のハブ部97aの近傍まで延在した内周延在部89bを有し、内周延在部89bの内周端部にてガイド部材98を介してハブ部材97に相対回転可能に支持されている。中間プレート部材89の他の構成は、実施例4の中間プレート部材(図16の89)と同様である。
【0125】
出力プレート部材91は、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dの回転動力を出力する部材である。出力プレート部材91は、内周面にてガイド部材98を介してハブ部材97のハブ部97aに相対回転可能に支持されている。出力プレート部材91は、外周部分が中間プレート部材90を挟み込むように中間プレート部材90と離間して延在している。出力プレート部材91は、外周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部91a、91bを有し、当該窓部91a、91bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。出力プレート部材91は、第2ダンパ部3cより内周側の第2ヒステリシス部3dにて、スラスト部材23とスライド可能に圧接しており、その軸方向反対側にて皿ばね25を支持している。出力プレート部材91は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bと抵触しないように外周に延在した外周延在部91cを有し、外周延在部91cの先端部近傍にてリベット(図示せず)などによりリミッタプレート部材92と連結されている。出力プレート部材91は、リミッタ部3eにて摩擦材32と圧接している。
【0126】
リミッタプレート部材92は、出力プレート部材91の外周延在部91cの先端部近傍にてリベット(図示せず)などにより連結された環状の部材であり、リミッタ部3eの構成部品である。リミッタプレート部材92は、出力プレート部材91と組み合わさってハブ部材97のプレート部97bを挟み込むようにプレート部97bと離間して配されている。リミッタプレート部材92は、プレッシャプレート30及び皿ばね31を相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持し、皿ばね31と圧接している。
【0127】
ハブ部材97は、ハブ部97aの外周の所定の部位から延在したプレート部97bを有する。ハブ部97aは、内周面に回転軸(図18の4)と連結するためのスプラインが形成されている。ハブ部97aは、ガイド部材98を介して中間プレート部材89及び出力プレート部材91を相対回転可能に支持している。プレート部97bは、外周のリミッタ部3eの摩擦材32、33の間まで延在しており、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が固定されている。
【0128】
ガイド部材98は、中間プレート部材89及び出力プレート部材91の内周端部にて、中間プレート部材89及び出力プレート部材91をハブ部材97に対して相対回転可能にガイドするための部材である。ガイド部材98には、樹脂を用いることができる。
【0129】
実施例4−1によれば、実施例4と同様な効果を奏するとともに、第2ダンパ部3cと回転軸(図18の4)の間の動力伝達経路にリミッタ部3eを有することで、第2ダンパ部3cより出力側の部材の慣性を増大させることができ、さらに音や振動の吸収能力を高くすることができる。また、リミッタ部3eを第1ダンパ部3aの位置と同等(又は外周)に配置することで、トルク設定が容易になる。また、中間プレート部材89及び出力プレート部材91をガイド部材98を介してハブ部材97に相対回転可能に支持することにより、中間プレート部材89及び出力プレート部材91の偏心を防止することができ、省スペース及び低コストに寄与する。
【実施例5】
【0130】
本発明の実施例5に係るダンパ装置について図面を用いて説明する。図19は、本発明の実施例5に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【0131】
実施例5に係るダンパ装置3は、図19の構成では、1枚の入力プレート部材13、3枚の中間プレート部材100、101、102、1枚の出力プレート部材(ハブ部材27)の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、入力プレート部材13と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材100、101、102と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、ベアリング26と、ハブ部材27と、を有する。
【0132】
なお、プレート10、ボルト11、12、入力プレート部材13、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、皿ばね25、ベアリング26、及びハブ部材27については、実施例1(図1参照)と同様である。また、ダンパ装置3の構成は、図2と同様である。
【0133】
中間プレート部材100は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、中間プレート部材101、102を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材100は、中間プレート部材101とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材101と組み合わさって入力プレート部材13を挟み込むように入力プレート部材13と離間して配されている。中間プレート部材100は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部100aを有し、当該窓部100aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材100は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、皿ばね20を支持する。
【0134】
中間プレート部材101は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材101は、中間プレート部材100とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材100と組み合わさって入力プレート部材13を挟み込むように入力プレート部材13と離間して配されている。中間プレート部材101は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部101aを有し、当該窓部101aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材101は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18とスライド可能に圧接している。中間プレート部材101は、中間プレート部材102とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材102と組み合わさってハブ部材27の出力プレート部27bを挟み込むように出力プレート部27bと離間して配されている。中間プレート部材101は、第1ヒステリシス部3bより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部101bを有し、当該窓部101bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材101は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23と圧接している。中間プレート部材101は、内周端部に円筒部101cを有し、当該円筒部101cの内周にてベアリング26を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。
【0135】
中間プレート部材102は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を中間プレート部材101を介して出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材102は、中間プレート部材101とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材101と組み合わさってハブ部材27の出力プレート部27bを挟み込むように出力プレート部27bと離間して配されている。中間プレート部材102は、第1ヒステリシス部3bより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部102aを有し、当該窓部102aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材102は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、皿ばね25を支持している。
【0136】
実施例5によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、中間プレート部材101とハブ部材27の間にベアリング26を設けることで、中間プレート部材101の偏心を防止することができる。
【実施例6】
【0137】
本発明の実施例6に係るダンパ装置について図面を用いて説明する。図20は、本発明の実施例6に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。図21は、本発明の実施例6に係るダンパ装置のリベット周辺の構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0138】
実施例6に係るダンパ装置3は、図20の構成では、1枚の入力プレート部材13、3枚の中間プレート部材104、105、106、1枚の出力プレート部材(ハブ部材27)の構成となっている。また、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cが軸方向にずれた構成となっている。
【0139】
ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、入力プレート部材13と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材104、105、106と、リベット107と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、ベアリング26と、ハブ部材27と、を有する。
【0140】
なお、プレート10、ボルト11、12、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、皿ばね25、ベアリング26、及びハブ部材27については、実施例1(図1参照)と同様である。また、ダンパ装置3の構成は、図2と同様である。
【0141】
入力プレート部材13は、リベット107に対して軸方向に対応する位置に、パンチ108を挿通させるための穴13b(切欠きでも可)を有する(図21参照)。入力プレート部材13の他の構成は、実施例1の入力プレート部材(図1の13)と同様である。
【0142】
中間プレート部材104は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、中間プレート部材105、106を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材104は、中間プレート部材105とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材105と組み合わさって入力プレート部材13を挟み込むように入力プレート部材13と離間して配されている。中間プレート部材104は、リベット107に対して軸方向に対応する位置に、パンチ108を挿通させるための穴104b(切欠きでも可)を有する(図21参照)。中間プレート部材104は、穴104bより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部104aを有し、当該窓部104aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材104は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、皿ばね20を支持する。
【0143】
中間プレート部材105は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、中間プレート部材106を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材105は、中間プレート部材104とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材104と組み合わさって入力プレート部材13を挟み込むように入力プレート部材13と離間して配されている。中間プレート部材105は、外周端部近傍にて、リベット107により中間プレート部材106の外周延在部106cと連結されている。中間プレート部材105は、リベット107より内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部105aを有し、当該窓部105aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材105は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18とスライド可能に圧接している。
【0144】
中間プレート部材106は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を中間プレート部材105を介して出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材106は、外周に延在した外周延在部106cを有し、外周延在部106cの外周端部近傍にて、リベット107によって中間プレート部材105に連結されている。中間プレート部材106は、内周部分がハブ部材27の出力プレート部27bを挟み込むように出力プレート部27bと離間して延在している。中間プレート部材106は、第1ダンパ部3aから軸方向にずれた第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部106a、106bを有し、当該窓部106a、106bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材106は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、スラスト部材23とスライド可能に圧接しており、その軸方向反対側にて皿ばね25を支持している。中間プレート部材106は、内周端部にて円筒部106dを有し、円筒部106dの内周にてベアリング26を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。
【0145】
リベット107は、中間プレート部材105と中間プレート部材106をカシメ固定するための部材である。リベット107は、カシメ固定する際、入力プレート部材13をプレート10から外した状態で、パンチ108を、中間プレート部材104の穴104bと、入力プレート部材13の穴13bと、に挿通させてカシメられる(図21参照)。
【0146】
実施例6によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、中間プレート部材106とハブ部材27の間にベアリング26を設けることで、中間プレート部材106の偏心を防止することができる。また、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cを軸方向にずらして配置することで、装置の径方向のスペースを縮小させることができる。
【0147】
次に、本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−1)について図面を用いて説明する。図22は、本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−1)の構成を模式的に示した断面図である。
【0148】
実施例6−1に係るダンパ装置3では、図4と同様に、回転軸2と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する。その他の構成は、実施例6(図21参照)と同様である。
【0149】
ダンパ装置3は、第1ダンパ部3aよりも外周にリミッタ部3eを有する(図22参照)。リミッタ部3eは、エンジントルクの1.2〜3倍程度で滑ることが望ましい。ダンパ装置3は、リミッタ部3eの構成部品として、プレート28、29と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、入力プレート部材13と、を有する。
なお、プレート28、29、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33は、実施例1−1(図3参照)と同様である。
【0150】
入力プレート部材13は、図20のように第1ダンパ部3aよりも外周の部分がボルト12によってプレート10に取付固定されるのではなく、第1ダンパ部3aよりも外周の部分が摩擦材32と摩擦材33の間に配置され、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が固定されている。入力プレート部材13の他の構成は、実施例6(図21参照)と同様である。
【0151】
実施例6−1によれば、実施例6と同様な効果を奏するとともに、リミッタ部3eを設けることで、過大トルクがカットされて、ダンパ装置3の破損を防止することができる。また、リミッタ部3eを回転軸(図4の2)と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路に設けることで、リミッタ部3eが外周に配されるので、トルク設定が容易になる。
【0152】
次に、本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−2)について図面を用いて説明する。図23は、本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−2)の構成を模式的に示した断面図である。
【0153】
実施例6−2に係るダンパ装置3では、図8と同様に、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cの間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する。
【0154】
ダンパ装置3は、第1ダンパ部3aより外周にリミッタ部3eを有する(図23参照)。リミッタ部3eは、エンジントルクの1.2〜3倍程度で滑ることが望ましい。ダンパ装置3は、リミッタ部3eの構成部品として、中間プレート部材105と、リミッタプレート部材109と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、中間プレート部材106と、を有する。
【0155】
なお、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33については、実施例1−1(図3参照)と同様である。また、その他の構成は、実施例6(図20参照)と同様である。
【0156】
中間プレート部材105は、外周先端部近傍にてリベット(図示せず)などによりリミッタプレート部材109と連結されている。中間プレート部材105は、リミッタ部3eにて摩擦材32と圧接している。中間プレート部材105の他の構成は、実施例6の中間プレート部材(図20の105)と同様である。
【0157】
リミッタプレート部材109は、中間プレート部材105の外周先端部近傍にてリベット(図示せず)などにより連結された環状の部材であり、リミッタ部3eの構成部品である。リミッタプレート部材109は、中間プレート部材105と組み合わさって中間プレート部材106の外周延在部106cを挟み込むように外周延在部106cと離間して配されている。リミッタプレート部材109は、プレッシャプレート30及び皿ばね31を相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持し、皿ばね31と圧接している。
【0158】
中間プレート部材106は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を中間プレート部材105及びリミッタ部3eを介して出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材106は、摩擦材32、33の間まで延在した外周延在部106cを有し、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が固定されている。中間プレート部材106の他の構成は、実施例6の中間プレート部材(図20の106)と同様である。
【0159】
実施例6−2によれば、実施例6と同様な効果を奏するとともに、リミッタ部3eを設けることで、過大トルクがカットされて、ダンパ装置3の破損を防止することができる。また、リミッタ部3eを第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cの間の動力伝達経路に設けることで、省スペース及び低コストに寄与する。
【0160】
次に、本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−3)について図面を用いて説明する。図24は、本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−3)の構成を模式的に示した断面図である。
【0161】
実施例6−3に係るダンパ装置3では、図18と同様に、第2ダンパ部3cと回転軸4の間の動力伝達経路において、回転軸2、4の捩れがダンパ部3a、3cやヒステリシス部3b、3dで吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部3eを有する。また、入力プレート部材13、及び中間プレート部材112は、ガイド部材118を介してハブ部材47と相対回転可能に支持されている(図24参照)。また、リミッタ部3eは、出力プレート部材116と、ハブ部材47の間の動力伝達経路に配されている。その他の構成は、実施例6(図20参照)と同様である。
【0162】
実施例6−3に係るダンパ装置3は、図24の構成では、1枚の入力プレート部材13、4枚の中間プレート部材111、112、113、114、1枚の出力プレート部材116の構成となっている。ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、入力プレート部材13と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材111、112、113、114と、リベット115と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、出力プレート部材116と、リミッタプレート部材117と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、ハブ部材47と、ガイド部材118と、を有する。
【0163】
なお、プレート10、ボルト11、12、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、及び皿ばね25については、実施例1(図1参照)と同様である。また、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33は、実施例1−1(図3参照)と同様である。また、ハブ部材47については、実施例2(図6参照)と同様である。
【0164】
入力プレート部材13は、リベット115の軸部を挿通するための穴13cを有する(図24参照)。穴13cは、入力プレート部材13と中間プレート部材111、112が相対回転したときにリベット115の軸部が周方向に所定量移動可能に形成されている。入力プレート部材13は、内周端部にてガイド部材118を介してハブ部材47に相対回転可能に支持されている。入力プレート部材13の他の構成は、実施例1の入力プレート部材(図1の13)と同様である。
【0165】
中間プレート部材111は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、中間プレート部材112、113、114を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材111は、中間プレート部材112とリベット115によって連結されており、中間プレート部材112と組み合わさって入力プレート部材13を挟み込むように入力プレート部材13と離間して配されている。中間プレート部材111は、リベット115より内周の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18とスライド可能に圧接している。中間プレート部材111は、第1ヒステリシス部3bより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部111aを有し、当該窓部111aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。
【0166】
中間プレート部材112は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、中間プレート部材113、114を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材112は、中間プレート部材111とリベット115によって連結されており、中間プレート部材111と組み合わさって入力プレート部材13を挟み込むように入力プレート部材13と離間して配されている。中間プレート部材112は、外周端部近傍にて、リベット(図示せず)などにより中間プレート部材113、114と連結されている。中間プレート部材112は、リベット115より内周の第1ヒステリシス部3bにて、皿ばね20を支持している。中間プレート部材112は、第1ヒステリシス部3bより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部112aを有し、当該窓部112aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材112は、内周端部にてガイド部材118を介してハブ部材47に相対回転可能に支持されている。
【0167】
中間プレート部材113は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を中間プレート部材112を介して出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材113は、外周端部近傍にて、中間プレート部材114とともにリベット(図示せず)などによって中間プレート部材112に連結されている。中間プレート部材113は、中間プレート部材114と組み合わさって出力プレート部材116を挟み込むように出力プレート部材116と離間して配されている。中間プレート部材113は、第1ダンパ部3aから軸方向にずれた第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部113aを有し、当該窓部113aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材113は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、スラスト部材23とスライド可能に圧接している。
【0168】
中間プレート部材114は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を中間プレート部材112、113を介して出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材114は、外周端部近傍にて、中間プレート部材113とともにリベット(図示せず)などによって中間プレート部材112に連結されている。中間プレート部材114は、中間プレート部材113と組み合わさって出力プレート部材116を挟み込むように出力プレート部材116と離間して配されている。中間プレート部材114は、第1ダンパ部3aから軸方向にずれた第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部114aを有し、当該窓部114aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材114は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、皿ばね25を支持している。
【0169】
リベット115は、中間プレート部材111と中間プレート部材112をカシメ固定するための部材である。リベット115は、中間プレート部材111と中間プレート部材112の間の軸部が両端のカシメ部よりも直径が大きく構成されている。リベット115の軸部は、入力プレート部材13の穴13cを挿通しており、穴13cの範囲で周方向に移動可能である。
【0170】
出力プレート部材116は、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dの回転動力を出力する部材である。出力プレート部材116は、中間プレート部材113、114の間にて、中間プレート部材113、114と離間して配されている。出力プレート部材116は、外周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部116aを有し、当該窓部116aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。出力プレート部材116は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23、24によってスライド可能に挟持されている。出力プレート部材116は、第2ヒステリシス部3dより内周のリミッタ部3eにて、摩擦材32と摩擦材33の間に配置され、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が固定されている。
【0171】
リミッタプレート部材117は、ハブ部材47に取付固定された円筒状の部材であり、リミッタ部3eの構成部品である。リミッタプレート部材117は、プレッシャプレート30及び皿ばね31を相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持し、皿ばね31と圧接しており、その反対側で摩擦材32とスライド可能に圧接している。
【0172】
ガイド部材118は、入力プレート部材13及び中間プレート部材112の内周端部にて、入力プレート部材13及び中間プレート部材113をハブ部材47に対して相対回転可能にガイドするための部材である。
【0173】
実施例6−3によれば、実施例6と同様な効果を奏するとともに、第2ダンパ部3cと回転軸(図18の4)の間の動力伝達経路にリミッタ部3eを有することで、第2ダンパ部3cより出力側の部材の慣性を増大させることができ、さらに音や振動の吸収能力を高くすることができる。また、入力プレート部材13及び中間プレート部材112をガイド部材118を介してハブ部材47に相対回転可能に支持することにより、入力プレート部材13及び中間プレート部材112の偏心を防止することができ、省スペース及び低コストに寄与する。
【0174】
次に、本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−4)について図面を用いて説明する。図25は、本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−4)の構成を模式的に示した断面図である。
【0175】
実施例6−4に係るダンパ装置3では、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cを軸方向にずらして並んだ構成にしたものである。また、中間プレート部材104、105、106が内周端部にてガイド部材119を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。その他の構成は、実施例6(図20参照)と同様である。
【0176】
実施例6−4によれば、実施例6と同様な効果を奏するとともに、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cを軸方向にずらして並べて配置することで、装置の径方向のスペースをさらに縮小させることができる。また、中間プレート部材104、105、106をガイド部材118を介してハブ部材47に相対回転可能に支持することにより、中間プレート部材104、105、106の偏心を防止することができ、省スペース及び低コストに寄与する。
【実施例7】
【0177】
本発明の実施例7に係るダンパ装置について図面を用いて説明する。図26は、本発明の実施例7に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【0178】
実施例7に係るダンパ装置3は、図26の構成では、1枚の入力プレート部材121、2枚の中間プレート部材122、123、1枚の出力プレート部材(ハブ部材27)の構成となっている。また、第1ダンパ部3aよりも外周にリミッタ部3eが配置されている。また、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cが軸方向にずれた構成となっている。
【0179】
ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、プレート28、29と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、入力プレート部材121と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材122、123と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、ハブ部材27と、ガイド部材124と、を有する。
【0180】
なお、プレート10、ボルト11、12、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、皿ばね25、及びハブ部材27については、実施例1(図1参照)と同様である。また、プレート28、29、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33は、実施例1−1(図3参照)と同様である。また、ダンパ装置3の構成は、図4と同様である。
【0181】
入力プレート部材121は、回転動力をリミッタ部3eから第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bに入力する環状の部材である。入力プレート部材121は、第1ダンパ部3aよりも外周の部分が摩擦材32と摩擦材33の間まで延在した外周延在部121cを有し、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が外周延在部121cに固定されている。入力プレート部材121は、中間部分が中間プレート部材122を挟み込むように中間プレート部材122と離間して延在している。入力プレート部材121は、リミッタ部3eより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部121a、121bを有し、当該窓部121a、121bの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。入力プレート部材121は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18とスライド可能に圧接しており、その軸方向反対側にて皿ばね20を支持している。入力プレート部材121は、ハブ部材27のハブ部27aの近傍まで延在した内周延在部121dを有し、内周延在部121dの内周にてガイド部材124を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。
【0182】
中間プレート部材122は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、中間プレート部材123を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材122は、入力プレート部材121の間にて、入力プレート部材121と離間して配されている。中間プレート部材122は、外周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部122aを有し、当該窓部122aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材122は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bの軸方向の面にて、スラスト部材18、19によってスライド可能に挟持されている。中間プレート部材122は、軸方向にずれた位置にて、中間プレート部材123とリベット(図示せず)などによって連結されている。中間プレート部材122は、内周端部にてガイド部材124を介してハブ部材27に相対回転可能に支持されている。
【0183】
中間プレート部材123は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を中間プレート部材122を介して出力するとともに、第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材123は、ハブ部材27の出力プレート部27bを挟み込むように出力プレート部27bと離間して延在している。中間プレート部材123は、第1ダンパ部3aから軸方向にずれた第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部123a、123bを有し、当該窓部123a、123bの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材123は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dにて、スラスト部材23とスライド可能に圧接しており、その軸方向反対側にて皿ばね25を支持している。
【0184】
ガイド部材124は、入力プレート部材121の内周延在部121d、及び中間プレート部材122の内周端部にて、入力プレート部材121及び中間プレート部材122をハブ部材27に対して相対回転可能にガイドするための部材である。
【0185】
実施例7によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、リミッタ部3eを設けることで、過大トルクがカットされて、ダンパ装置3の破損を防止することができる。また、リミッタ部3eを回転軸(図4の2)と第1ダンパ部3aの間の動力伝達経路に設けることで、リミッタ部3eが外周に配され、トルク設定が容易になる。また、入力プレート部材121及び中間プレート部材122をガイド部材124を介してハブ部材27に相対回転可能に支持することにより、入力プレート部材121及び中間プレート部材122の偏心を防止することができ、省スペース及び低コストに寄与する。
【実施例8】
【0186】
本発明の実施例8に係るダンパ装置について図面を用いて説明する。図27は、本発明の実施例8に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【0187】
実施例8に係るダンパ装置3は、図27の構成では、1枚の入力プレート部材126、3枚の中間プレート部材127、128、130、2枚の出力プレート部材66、67の構成となっている。また、第1ダンパ部3aよりも外周にリミッタ部3eが配置されている。また、第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cが軸方向にずれた構成となっている。
【0188】
ダンパ装置3は、プレート10と、ボルト11、12と、入力プレート部材126と、コイルスプリング14と、シート部材15と、中間プレート部材127、128、130と、リミッタプレート部材129と、プレッシャプレート30と、皿ばね31と、摩擦材32、33と、スラスト部材18、19と、皿ばね20と、コイルスプリング21と、シート部材22と、スラスト部材23、24と、皿ばね25と、出力プレート部材66、67と、慣性体68と、ハブ部材47と、ガイド部材131と、を有する。
【0189】
なお、プレート10、ボルト11、12、コイルスプリング14、シート部材15、スラスト部材18、19、皿ばね20、コイルスプリング21、シート部材22、スラスト部材23、24、及び皿ばね25については、実施例1(図1参照)と同様である。また、プレート28、29、プレッシャプレート30、皿ばね31、及び摩擦材32、33は、実施例1−1(図3参照)と同様である。また、ハブ部材47は、実施例2(図6参照)と同様である。また、出力プレート部材66、67及び慣性体68は、実施例2−2(図9参照)と同様である。また、ダンパ装置3の構成は、図8と同様である。
【0190】
入力プレート部材126は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bへ回転動力を入力する環状の部材である。入力プレート部材126は、外周端部近傍の部分にて、ボルト12によってプレート10に取付固定されている。入力プレート部材126は、中間プレート部材127、128の間にて、中間プレート部材127、128と離間して配されている。入力プレート部材126は、中間の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部126aを有し、当該窓部126aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。入力プレート部材126は、第1ダンパ部3aより内周側の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18、19によってスライド可能に挟持されている。入力プレート部材126は、内周端部にてガイド部材131を介してハブ部材47に相対回転可能に支持されている。
【0191】
中間プレート部材127は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、中間プレート部材128、リミッタ部3e、及び中間プレート部材130を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材127は、中間プレート部材128とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材128と組み合わさって入力プレート部材126を挟み込むように入力プレート部材126と離間して配されている。中間プレート部材127は、第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部127aを有し、当該窓部127aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材127は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、皿ばね20を支持する。
【0192】
中間プレート部材128は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bからの回転動力を出力するとともに、リミッタ部3e、及び中間プレート部材130を介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ回転動力を入力する環状の部材である。中間プレート部材128は、中間プレート部材127とリベット(図示せず)などによって連結されており、中間プレート部材127と組み合わさって入力プレート部材126を挟み込むように入力プレート部材126と離間して配されている。中間プレート部材128は、外周先端部近傍にてリベット(図示せず)などによりリミッタプレート部材129と連結されている。中間プレート部材128は、リミッタ部3eにて摩擦材32と圧接している。中間プレート部材128は、リミッタ部3eより内周の第1ダンパ部3aにて、コイルスプリング14、及びシート部材15を収容するための窓部128aを有し、当該窓部128aの周方向端面がシート部材15と接離可能に接している。中間プレート部材128は、第1ダンパ部3aより内周の第1ヒステリシス部3bにて、スラスト部材18とスライド可能に圧接している。中間プレート部材128は、内周端部にてガイド部材131を介してハブ部材47に相対回転可能に支持されている。
【0193】
リミッタプレート部材129は、中間プレート部材128の先端部近傍にてリベット(図示せず)などにより連結された環状の部材であり、リミッタ部3eの構成部品である。リミッタプレート部材129は、中間プレート部材128と組み合わさって中間プレート部材130を挟み込むように中間プレート部材130と離間して配されている。リミッタプレート部材129は、プレッシャプレート30及び皿ばね31を相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持し、皿ばね31と圧接している。
【0194】
中間プレート部材130は、第1ダンパ部3a及び第1ヒステリシス部3bから出力された回転動力を中間プレート部材128及びリミッタ部3eを介して第2ダンパ部3c及び第2ヒステリシス部3dへ入力する環状の部材である。中間プレート部材130は、第2ダンパ部3cよりも外周の部分が摩擦材32と摩擦材33の間に配置され、リベット(図示せず)によって摩擦材32、33が固定されている。中間プレート部材130は、リミッタ部3eより内周の第2ダンパ部3cにて、コイルスプリング21、及びシート部材22を収容するための窓部130aを有し、当該窓部130aの周方向端面がシート部材22と接離可能に接している。中間プレート部材130は、第2ダンパ部3cより内周の第2ヒステリシス部3dの軸方向の面にて、スラスト部材23、24によってスライド可能に挟持されている。
【0195】
ガイド部材131は、入力プレート部材126及び中間プレート部材128の内周端部にて、入力プレート部材126及び中間プレート部材128をハブ部材47に対して相対回転可能にガイドするための部材である。
【0196】
実施例8によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、リミッタ部3eを設けることで、過大トルクがカットされて、ダンパ装置3の破損を防止することができる。また、リミッタ部3eを第1ダンパ部3aと第2ダンパ部3cの間の動力伝達経路に設けることで、省スペース及び低コストに寄与する。また、出力プレート部材67に慣性体68が取り付けられているので、出力プレート部材67に連結されたハブ部材47の慣性が大きくなり、音や振動の吸収能力をさらに高くすることができる。また、入力プレート部材126及び中間プレート部材128をガイド部材131を介してハブ部材47に相対回転可能に支持することにより、入力プレート部材126及び中間プレート部材128の偏心を防止することができ、省スペース及び低コストに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】本発明の実施例1に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係るダンパ装置をエンジンと慣性の大きい部品の間に配設した構成を示した模式図(スケルトン図)である。
【図3】本発明の実施例1に係るダンパ装置の変形例(実施例1−1)の構成を模式的に示した断面図である。
【図4】本発明の実施例1に係るダンパ装置の変形例(実施例1−1)をエンジンと慣性の大きい部品の間に配設した構成を示した模式図(スケルトン図)である。
【図5】本発明の実施例1に係るダンパ装置の変形例(実施例1−2)の構成を模式的に示した断面図である。
【図6】本発明の実施例2に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【図7】本発明の実施例2に係るダンパ装置の変形例(実施例2−1)の構成を模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の実施例2に係るダンパ装置の変形例(実施例2−1)をエンジンと慣性の大きい部品の間に配設した構成を示した模式図(スケルトン図)である。
【図9】本発明の実施例2に係るダンパ装置の変形例(実施例2−2)の構成を模式的に示した断面図である。
【図10】本発明の実施例3に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【図11】本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−1)の構成を模式的に示した断面図である。
【図12】本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−2)の構成を模式的に示した断面図である。
【図13】本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−3)の構成を模式的に示した(A)第1の断面図、及び(B)第2の断面図である。
【図14】本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−4)の構成を模式的に示した断面図である。
【図15】本発明の実施例3に係るダンパ装置の変形例(実施例3−5)の構成を模式的に示した(A)第1の断面図、及び(B)第2の断面図である。
【図16】本発明の実施例4に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【図17】本発明の実施例4に係るダンパ装置の変形例(実施例4−1)の構成を模式的に示した断面図である。
【図18】本発明の実施例4に係るダンパ装置の変形例(実施例4−1)をエンジンと慣性の大きい部品の間に配設した構成を示した模式図(スケルトン図)である。
【図19】本発明の実施例5に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【図20】本発明の実施例6に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【図21】本発明の実施例6に係るダンパ装置のリベット周辺の構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図22】本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−1)の構成を模式的に示した断面図である。
【図23】本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−2)の構成を模式的に示した断面図である。
【図24】本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−3)の構成を模式的に示した断面図である。
【図25】本発明の実施例6に係るダンパ装置の変形例(実施例6−4)の構成を模式的に示した断面図である。
【図26】本発明の実施例7に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【図27】本発明の実施例8に係るダンパ装置の構成を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0198】
1 エンジン
2 回転軸(第1回転軸)
3 ダンパ装置
3a 第1ダンパ部
3b 第1ヒステリシス部
3c 第2ダンパ部
3d 第2ヒステリシス部
3e リミッタ部
4 回転軸(第2回転軸)
5 慣性の大きい部品
6 入力プレート部材
7 中間プレート部材
8 出力プレート部材
10 プレート
10a プレート
10b 円筒部材
11、12 ボルト
13 入力プレート部材
13a 窓部
13b、13c 穴
14 コイルスプリング
15 シート部材
16、17 中間プレート部材
16a、16b、17a、17b 窓部
16c 円筒部
18、19 スラスト部材
20 皿ばね
21 コイルスプリング
22 シート部材
23、24 スラスト部材
25 皿ばね
26 ベアリング(ガイド部材)
27 ハブ部材(出力プレート部材)
27a ハブ部
27b 出力プレート部
27c 窓部
28、29 プレート
28a、29a 円筒部
30 プレッシャプレート
31 皿ばね
32、33 摩擦材
34、35 シール
37、38 入力プレート部材
37a、38a 窓部
42 中間プレート部材
42a、42b 窓部
43、44 出力プレート部材
43a、44a 窓部
47 ハブ部材
48、49 中間プレート部材
48a、49a 窓部
48b リミッタプレート部
54 プレート
55 ボルト
56 円筒部材
57 リミッタプレート部材
62 入力プレート部材
62a、62b 窓部
62c 外周延在部
63 中間プレート部材
63a、63b 窓部
66、67 出力プレート部材
66a、67a 窓部
67b 外周延在部
68 慣性体
70、71 入力プレート部材
70a、71a 窓部
70b 円筒部
72、73 中間プレート部材
72a、72b、73a 窓部
74、75、76 中間プレート部材
74a、75a、76a 窓部
82 入力プレート部材
82a、82b 窓部
82c 外周延在部
82d 内周延在部
83 中間プレート部材
83a 外周延在部
83b、83c、83d 窓部
84 ガイド部材
85 リミッタプレート部材
85a 内周延在部
86 ガイド部材
87 スラスト部材
89、90 中間プレート部材
89a、90a、90b 窓部
89b 内周延在部
91 出力プレート部材
91a、91b 窓部
91c 外周延在部
92 リミッタプレート部材
97 ハブ部材
97a ハブ部
97b プレート部
98 ガイド部材
100、101、102 中間プレート部材
100a、101a、101b、102a 窓部
101c 円筒部
104、105、106 中間プレート部材
104a、105a、106a、106b 窓部
104b 穴
106c 外周延在部
106d 円筒部
107 リベット
108 パンチ
109 リミッタプレート部材
111、112、113、114 中間プレート部材
111a、112a、113a、114a 窓部
115 リベット
116 出力プレート部材
116a 窓部
117 リミッタプレート部材
118、119 ガイド部材
121 入力プレート部材
121a、121b 窓部
121c 外周延在部
121d 内周延在部
122、123 中間プレート部材
122a、123a、123b 窓部
124 ガイド部材
126 入力プレート部材
126a 窓部
127、128、130 中間プレート部材
127a、128a、130a 窓部
129 リミッタプレート部材
131 ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力伝達経路上に直列に配設されるとともに、弾性力によって捩れを吸収する複数のダンパ部と、
前記動力伝達経路上にて各前記ダンパ部と並列に配設されるとともに、摩擦力によって捩れを吸収する複数のヒステリシス部と、
各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も入力側のダンパ部及びヒステリシス部へ回転動力を入力する1又は複数の入力プレート部材と、
各前記ダンパ部間及び各前記ヒステリシス部間にて入力側のダンパ部及びヒステリシス部から出力側のダンパ部及びヒステリシス部へ回転動力を伝達する1又は複数の中間プレート部材と、
各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も出力側のダンパ部及びヒステリシス部の回転動力を出力する1又は複数の出力プレート部材と、
を備えることを特徴とするダンパ装置。
【請求項2】
各前記ヒステリシス部は、互いに異なるヒステリシストルク値に設定されていることを特徴とする請求項1記載のダンパ装置。
【請求項3】
前記動力伝達経路上にて、前記ダンパ部及び前記ヒステリシス部で捩れを吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のダンパ装置。
【請求項4】
前記リミッタ部は、各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も入力側のダンパ部及びヒステリシス部よりも入力側の動力伝達経路に配設されていることを特徴とする請求項3記載のダンパ装置。
【請求項5】
前記リミッタ部は、各前記ダンパ部間及び各前記ヒステリシス部間の動力伝達経路に配設されていることを特徴とする請求項3記載のダンパ装置。
【請求項6】
前記リミッタ部は、前記中間プレート部材に設けられていることを特徴とする請求項5記載のダンパ装置。
【請求項7】
前記リミッタ部は、各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も出力側のダンパ部及びヒステリシス部よりも出力側の動力伝達経路に配設されていることを特徴とする請求項3記載のダンパ装置。
【請求項8】
前記リミッタ部は、各前記ダンパ部のうち最も外周に配設されたダンパ部に対して径方向に同等又は外周側に配設されていることを特徴とする請求項7記載のダンパ装置。
【請求項9】
各前記ダンパ部では、周方向に沿って曲ったアークスプリングが用いられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のダンパ装置。
【請求項10】
エンジンの回転動力を前記エンジンの外部に出力する回転軸と、
各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も出力側のダンパ部及びヒステリシス部よりも出力側の動力伝達経路に配設されるとともに、回転軸の外周に装着されるハブ部材と、
前記回転軸、前記回転軸と連結されたプレート、前記入力プレート部材、前記中間プレート部材、及び前記出力プレート部材のいずれかを、前記ハブ部材に対して相対回転可能にガイドするガイド部材と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載のダンパ装置。
【請求項11】
前記ガイド部材は、前記回転軸、前記入力プレート部材、前記中間プレート部材、及び前記出力プレート部材のうち2つ以上の部材を共通にガイドすることを特徴とする請求項10記載のダンパ装置。
【請求項12】
前記ガイド部材は、前記入力プレート部材、前記中間プレート部材、及び前記出力プレート部材のうち2つの部材間にも配されるとともに、各前記ヒステリシス部のいずれかの構成部品となることを特徴とする請求項10又は11記載のダンパ装置。
【請求項13】
前記出力プレート部材は、各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部のうち最も出力側のダンパ部及びヒステリシス部の回転動力を受ける部分よりも外周に延在した部分を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一に記載のダンパ装置。
【請求項14】
前記出力プレート部材は、慣性体が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一に記載のダンパ装置。
【請求項15】
各前記ダンパ部のうち少なくとも2つのダンパ部は、互いに軸方向にずれた位置に配設されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一に記載のダンパ装置。
【請求項16】
前記入力プレート部材、前記中間プレート部材、及び前記出力プレート部材のいずれか1つの部材は、複数のプレートがリベットによってカシメられており、
前記入力プレート部材、前記中間プレート部材、及び前記出力プレート部材のいずれかの部材は、前記リベットの軸方向に対応する位置に、前記リベットをカシメるパンチを相通するための穴又は切欠きを有することを特徴とする請求項15記載のダンパ装置。
【請求項17】
各前記ダンパ部のうち第1ダンパ部は、エンジントルク以上の捩りトルクに設定されており、
各前記ダンパ部のうち前記第1ダンパ部とは別の第2ダンパ部は、エンジントルクの半分以上の捩りトルクに設定されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一に記載のダンパ装置。
【請求項18】
前記ダンパ部は、コイルスプリングの両端に樹脂製のシート部材が配置された構成になっていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一に記載のダンパ装置。
【請求項19】
各前記ダンパ部及び各前記ヒステリシス部は、所定の部材に覆われており、油又はグリスで潤滑されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一に記載のダンパ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−38312(P2010−38312A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203799(P2008−203799)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】