説明

チップスメーカー

【課題】 本発明は、ポテトチップスを一般家庭において電子レンジを使用して簡単かつ良好に作ることができる器具に関するものである。
【解決手段】 器体1と、この器体上に嵌置する適所に刃片5を設けたスライサー体4と、中心部に空間部13を形成し等間隔に挿入部16・・を形成した仕切部17・・を設けた載置部材12と、スライスする生じゃが芋を抑止するホルダー8とから成り、器体とスライサー体と載置部材が一体に組立て梱包し得るように成るチップスメーカーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として電子レンジにおいて使用するチップスメーカーに関するもので、例えばポテトチップスを一般家庭において簡単かつ良好に作ることができる器具を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭においても、電子レンジを使用して生のじゃが芋からポテトチップスを作ることが普及しているところ、それには2つの課題があった。
【0003】
その一はポテトをスライスするときの厚さが不均一であったこと、その二は器具の中心部が閉口状態に成ることから、チップスへのマイクロ波の照射が不均一になるとともに周囲に載置するチップスが過熱状態になるために、チップスが部分的に焦げついたり、器具の合成樹脂材部分が溶解したりする欠点があった。
【0004】
また、電子レンジ用トレーとしては、本発明の出願人会社の出願にかかる実用新案登録第3116210号のごときものがあるが、これは一例として棒状に切り取ったポテトスティックを作るものである。
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3116210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、前記のような電子レンジを使用するチップスメーカーの欠点を除去した安全かつ合理的な構造から成る器具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一側部に柄片を突設した器体と、この器体上に嵌置する適所に刃片を設けた柄片付きのスライサー体と、適所に持ち手を設けるとともに中心部に空間部を形成して等間隔に挿入部を形成した仕切部を設けた載置部材と、スライスする生じゃが芋を抑止するホルダーとから成るチップスメーカーである。
【発明の効果】
【0008】
第1に、全体が合成樹脂製に成る本器具は、電子レンジにおいてポテトチップスを作るものであるが、載置部材の中心部が空間状態に成るから、全体が弯曲形状に成る載置部材の全周挿入部に載置するチップス全部へのマイクロ波の照射効率がきわめて良くなり、加熱による仕上がり状態が均一になる。
【0009】
第2に、載置部材の底周面部が電子レンジの回転板面より15〜20mm位の上方位置にあるから、この点も全チップスへのマイクロ波の照射効率がきわめて良好な構造となっている。
【0010】
第3に、ホルダーで抑止作動した生じゃが芋の下面部分はスライサー体面上の刃片に接することによりすべて均一厚さにスライスされるようになり、その厚さもスライサー体面上の刃片との間隔は1.5mm位に設定できているから、チップスへは一定の加熱時間内で均一の焼き上げができるようなり、焦げ付きが起ることはない。
【0011】
第4に、以上の結果として、合成樹脂製の載置部材が、電子レンジ内部における加熱によって溶解したり破損したりするような現象は一切起らない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
生じゃが芋のスライスは、ホルダーの下面部をじゃが芋上面部に抑止しこれを前後作動して行うものであるから、じゃが芋全部は常に均一の厚さにスライスすることができるようになる。
【0013】
本発明の構成にかかる載置部材を使用することにより、電子レンジが発生するマイクロ波は全周囲に円形状に載置している生チップスの全部に対して均一に照射するようになるから、本器具メーカーはその使用注意書においてユーザーに対し必要な加熱時間等を明記し、使用上の便宜を図るようにすることができ、安全性を確保した器具となっている。
【0014】
前記使用注意書においてメーカーとしては、例えば、スライスした生じゃが芋100gにつき8〜9分/500wのように、重量当たりのワット数により加熱時間の目安を明記しておけばよい。
【実施例1】
【0015】
1は器体で、この器体の一側部には柄片2が水平に突設し、この柄片上面には凸起3を設けている。
【0016】
4は前記器体1上に嵌置するスライサー体で、その上面部適所に刃片5を設置したスライサー体面の左右両側部にはガイドレール4’,4’を形成し、スライサー体面の一側部には前記器体側の柄片2と同形状の柄片6を突設し、かつこの柄片には前記柄片2の凸起3に嵌合する通口7を設ける。
【0017】
前記スライサー4面と刃片5との間は僅かな間隙を形成しており、この間隙によってポテトチップスの均一厚さのスライスができるようになる。
【0018】
8は左右両端部に抑止部9,9を設け,下面部に突刺部11を設けたホルダーで、このホルダーの上面部には把持部10を設ける。前記ホルダーの下面突刺部を生じゃが芋aの上面部分に固定した状態に保持し、生じゃが芋の下面部分をスライサー体4面に当接して前後運動を繰返せば、芋部分は刃片5に接することによりスライスされて間隙部から器体内に落下する。
【0019】
12は中央部に空間部13を形成し,全体が外周縁部14から内周縁部15にかけて等間隔に弯曲形状に挿入部16・・・を形成した仕切部17・・・を設けて成る載置部材で、この載置部材の全仕切部17は外周縁部14にかけて広巾形状に,内周縁部15にかけて狭巾形状に形成し、前記中央空間部に隣接する各仕切部間の挿入部に挿入する生チップスbが加熱中に相互に接触しないような間隔を保持するように成る。
【0020】
18は前記載置部材12の内周縁部15に両側基端を一体に立設した持ち手で、この持ち手は前記空間部13の上方位置にある。
【0021】
19,19は前記載置部材12の内周縁部15の下側部に設けた脚部で、この脚部は前記載置部材12の底周面部と電子レンジの回転板cとの間に15〜20mmの間隔を保つようにする。
【実施例2】
【0022】
21は器体で、この器体の周縁部22の一部には柄片23が水平に突設する。
【0023】
24,24は前記器体周縁部22の対称位置に設けた切欠部で、この切欠部には後記載置部材25の外周縁部の対称位置に略水平に設けた持ち手31,31が嵌置するようになる。この持ち手は、後記スライサー体34の切欠部37,37にも嵌置するようになる。
【0024】
25は中央部に空間部26を形成し、全体が外周縁部27から内周縁部28にかけて等間隔に弯曲形状に挿入部29・・・を形成した仕切部30・・・を設けて成る載置部材で、この載置部材の全仕切部30は外周縁部27にかけて広巾形状に,内周縁部28にかけて狭巾形状に形成し、前記中央空間部に隣接する各仕切部間の挿入部に挿入する生チップスが加熱中に相互に接触しないような間隔を保持するように成る。
【0025】
31,31は前記載置部材25の外周縁部27の対称位置に設けた持ち手である。
【0026】
32,32は前記載置部材25の外周縁部27の対称位置に設けた脚部で、この脚部とは別の外周縁部27の対称位置に垂直の小脚部33,33を設ける。
【0027】
34は前記器体21上に嵌置するスライサー体で、その上面部適所に刃片35を設置したスライサー体面の左右両側部にはガイドレール34’,34’を形成し、スライサー体面と同一方向の一側部には前記器体側の柄片23と同形状の柄片36を突設し、この柄片の外周縁には係止部36’を設ける。
【0028】
37,37は前記スライサー体34の左右周縁部38の対称位置に設けた切欠部で、この切欠部は前記載置部材25の持ち手31,31上に嵌置する。
【0029】
39は左右両端部に抑止部40,40を設け,下面部に突刺部42を設けたホルダーで、このホルダーの上面部には把持部41を設ける。
【0030】
実施例2の場合にあっても、前記ホルダー39によって生じゃが芋aの上面部分を抑止保持して芋の下面部分を刃片35に接することによりスライスして間隙部分から器体21内に落下したり、スライスしたチップスbを載置部材25の各挿入部29・・に挿入載置し、このようにした器体を電子レンジの回転板c上に置いて所定時間をかけて均一に焼き上げる方法は、実施例1の場合と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】全体の分離状態を示す各部材の斜視図(実施例1)
【図2】要部材の関係を示す斜視図(同上)
【図3】要部材の縦断面図(同上)
【図4】(a)(b)は作用時の要部の斜視図 (同上)
【図5】使用時の状態図(同上)
【図6】全体の分離状態を示す各部材の斜視図(実施例2)
【図7】要部材の正斜視図(同上)
【図8】組立梱包時の全体の斜視図(同上)
【図9】組立梱包時の中央部縦断面図(同上)
【符号の説明】
【0032】
1 器体
2 柄片
3 凸起
4 スライサー
4’,4’ ガイドレール
5 刃片
6 柄片
7 通孔
8 ホルダー
9,9 抑止部
10 把持部
11 突刺部
12 載置部材
13 空間部
14 外周縁部
15 内周縁部
16・・ 挿入部
17・・ 仕切部
18 持ち手
19,19 脚部
21 器体
22 周縁部
23 柄片
24,24 切欠部
25 載置部材
26 空間部
27 外周縁部
28 内周縁部
29・・ 挿入部
30・・ 仕切部
31,31 持ち手
32,32 脚部
33,33 小脚部
34 スライサー
35 刃片
36 柄片
37,37 切欠部
38 周縁部
39 ホルダー
40,40 抑止部
41 把持部
42 突刺部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器体と、この器体上に嵌置する適所に刃片を設けたスライサー体と、中心部に空間部を形成し等間隔に挿入部を形成した仕切部を設けた載置部材と、スライスする生じゃが芋を抑止するホルダーとから成ることを特徴とするチップスメーカー。
【請求項2】
載置部材の周縁部適所に持ち手を設けて成る請求項1に記載したチップスメーカー。
【請求項3】
載置部材の中央空間部上方に持ち手を設けて成る請求項1に記載したチップスメーカー。
【請求項4】
円形状に成る載置部材の全体において外周縁部から内周縁部にかけて等間隔に弯曲形状に構成する挿入部間の仕切部が広巾形状から狭巾形状に成る請求項1に記載したチップスメーカー。
【請求項5】
器体の一側部に柄片を設けるとともにスライサー体に柄片を設けて成る請求項1に記載したチップスメーカー。
【請求項6】
載置部材の内周縁部の下側に脚部を設け、この脚部により載置部材の底周面部と電子レンジ回転板との間隔を保持する請求項1に記載したチップスメーカー。
【請求項7】
器体とスライサー体と載置部材とが一体に組立て梱包されるように成ることを特徴とするチップスメーカー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−178691(P2008−178691A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17234(P2008−17234)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3130695号
【原出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000145552)株式会社曙産業 (10)
【Fターム(参考)】