説明

チャッキング装置

【課題】チャック機構の簡素化を図ったチャッキング装置を提供する。
【解決手段】ロッド1の外周部に設けられて、円筒体Kを内面側から保持するチャック機構2を備え、チャック機構2は、外周面に環状の凹溝9が設けられた円筒状の本体部3と、凹溝9に密接状態に装着され、凹溝9内に導入される加圧流体により拡張して円筒体Kの内面側に密着するOリング、Xリング、Cリング、Vリングまたは断面方形のリング等の環状の弾性シール部材4を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒体または円柱体を内面側または外面側から保持するチャッキング装置に関し、特に、感光体ドラムの外表面に感光層を塗布する際に用いて好適なチャッキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、円筒体のように孔の空いた物品を、その孔の内周面を手掛かりとして保持するチャッキング装置として、例えば、特許文献1が開示されている。
【0003】
特許文献1には、図8に示すように、内部にエアー流通路42を有する基体41に、膨張可能なチューブ43を密嵌して取り付けるとともに、その両端を可締めリング44、45で固定して袋状とし、エアー流通路42よりこの袋部分にエアーを導入して袋部分を膨脹させ、部品の孔の内面にチューブ43の膨張面を圧着させることで部品を保持する構造が開示されている。
ところが、このチャッキング装置は、チューブ両端を可締めリング44、45を用いて固定して袋体を形成していること、さらには、チューブ43を固定する際、図示のように、このチューブ43の一端を内側に折り返していること等により袋体の構成が複雑になっており、このことがチャック機構の構造を複雑化している。
【0004】
また、上記特許文献1の他、感光体ドラムの外表面に感光層を塗布するためのチャッキング装置も知られており、例えば、特許文献2には、その膨脹によりドラムの内周面に気密に当接する弾性袋部分を有するチャック機構と、袋部分に流体を導入・排出してこれを膨張・収縮させる排出入機構を備え、流体(エアー)を導入してこの袋部分を膨脹させることによりドラムを内側より鉛直に保持する構造のチャッキング装置が開示されているが、やはり、上記特許文献1と同様に弾性袋体を用いたチャック機構であるが故、その構造が複雑化している。
【特許文献1】特公平7−29266号公報
【特許文献2】特公昭62−29106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み成されたもので、簡易な構造であって、しかも優れたチャッキング性能を得ることができるチャッキング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載の本発明は、円筒体を保持するチャッキング装置であって、ロッドの外周部に設けられて、上記円筒体を内面側から保持するチャック機構を備え、上記チャック機構は、上記ロッドの下端部に設けられ、上記円筒体内に挿入されるとともに、外周部に環状の凹溝が設けられた本体部と、上記凹溝に密接状態に収容され、上記凹溝内に導入される加圧流体により径方向に拡張して上記円筒体の内面側に密着する環状の弾性シール部材とを備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のチャッキング装置において、上記本体部は、上記凹溝の底部と上記弾性シール部材との間に連通する加圧管路を備え、上記加圧管路より導入されたエアーの圧力により上記弾性シール部材を径方向に拡張させることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載のチャッキング装置において、上記本体部は、上記円筒体が液体中に浸漬された際、液面と径方向に拡張された上記弾性シール部材とにより密閉された上記円筒体内に連通し、当該円筒体内のエアー量を操作する内圧操作用管路を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載のチャッキング装置において、上記本体部の上記凹溝には、複数の上記弾性シール部材が軸心方向に密接状態で収容されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜請求項4の何れかに記載のチャッキング装置において、上記本体部に、下端に向けて漸次縮径された複数の段部を形成し、各々の上記段部に上記凹溝を設け、各段部に、上記加圧管路を独立して設けたことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の本発明は、円筒体または円柱体を保持するチャッキング装置であって、ロッドの内周部に設けられて、上記円筒体または円柱体を外面側から保持するチャック機構を備え、上記チャック機構は、上記ロッドの下端部に設けられ、円筒体または円柱体が挿入されるとともに、内周部に環状の凹溝が設けられた本体部と、上記凹溝に密接状態に収容され、上記凹溝内に導入される加圧流体により径方向に縮径して上記円筒体または円柱体の外面側に密着する環状の弾性シール部材とを備えられることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の本発明は、請求項6に記載のチャッキング装置において、上記本体部は、上記凹溝の底部と上記弾性シール部材との間に連通する加圧管路を備え、上記加圧管路より導入されたエアーの圧力により上記弾性シール部材を縮径させることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の本発明は、請求項6または請求項7に記載のチャッキング装置において、上記本体部の上記凹溝には、複数の上記弾性シール部材が軸心方向に密接状態で収容されていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項9に記載の本発明は、請求項1〜8の何れかに記載のチャッキング装置において、上記弾性シール部材が、Oリング、Xリング、Cリング、Vリングまたは断面方形のリングであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、2に記載の発明によれば、本体部と円筒体との接触部分に弾性シール部材を設け、この弾性シール部材を圧力(エアー圧力)により拡張(拡径)させて円筒体の内面側に密着させることにより、円筒体を内側より保持する構成としたので、チャック機構は極めて簡素であり、よって、安価なチャッキング装置を実現できる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、感光体ドラムの外周面に感光層を形成するため、円筒体の下端を液中に浸漬させた時、液面と拡張した弾性シール部材により密閉された円筒体内のエアーを内圧操作用管路を介して流通させ、内圧を操作することにより、円筒体を液中から引き上げる際に気密空間内に封じ込められた気体が気泡となって液内に流出し液面を揺らしたり、液中において気泡が円筒体の外周面に付着して破裂したりすることが防止でき、円筒体の塗布面に均一な塗布膜を形成できるようになる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、本体部と円筒体との接触部分に複数の弾性シール部材を設けることにより、円筒体を内側より保持する力が増加されるため、円筒体の重量が比較的大きい場合、及び高耐トルク性が要求される場合等においても、良好なチャッキングを実現できる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、ロッドの下端部は階段状に縮径されることで、下端に向けて縮径された各段部の凹溝に設けられたチャッキング装置により、1組の装置によって複数の径の異なる円筒体を保持できるため、経済性に優れるとともに、各々の径に専門の装置を用意する場合と比較して、段取替の簡素化が実現できる。
【0019】
請求項6、7に記載の発明によれば、本体部と円筒体または円柱体との接触部分に弾性シール部材を設け、この弾性シール部材を圧力(エアー圧力)により縮径させて円筒体または円柱体の外面側に密着させることにより、円筒体または円柱体を外面より保持する構成としたので、チャック機構は極めて簡素であり、よって、安価なチャッキング装置を実現できる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、本体部と円筒体または円柱体との接触部分に複数の弾性シール部材を設けることにより、円筒体または円柱体を外側より保持する力が増加されるため、特に中実で重量が大きい円柱体、及び高耐トルク性が要求される場合のチャッキングに好適である。
【0021】
さらに、請求項9に記載の発明によれば、上記弾性シール部材として、汎用(市販)のOリング、Xリング、Cリング、Vリング、断面が正方形や長方形等の方形のリングを用いて円筒体との接触部分に高い気密性を確保することができるため、経済性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
図1〜図4に基づいて本発明に係る円筒体のチャッキング装置の第1の実施形態およびその変形例を説明する。図1は本実施形態によるチャッキング装置の正面図、図2はそのチャック機構の拡大断面図、図3は第1の実施形態の変形例、図4は第1の実施形態の他の変形例であって複数の弾性シール部材を軸心方向に備えたチャック機構の拡大断面図である。
【0023】
本実施形態によるチャッキング装置は、例えば、図1〜図4に示すように、軸心方向に移動可能な円筒状のロッド1と、このロッド1の下端部に設けられて、円筒体Kを内面側から保持するチャック機構2とを備える。
【0024】
ロッド1の中心部には、軸心方向に沿って通孔10が設けられ、この通孔10の中央に軸心方向に沿って小径のパイプ11が同軸状に挿通されている。
【0025】
チャック機構2は、ロッド1の下端部を縮径した円筒状の本体部3を備え、その下端部に逆円錐状のガイドヘッド8を形成している。
そして、この本体部3を円筒体Kの内側に自在に挿入できるように、本体部3の外径寸法は円筒体Kの内径より僅かに小径に形成されており、且つ、ロッド1の外径は円筒体Kの外径と同径、もしくは、それ以上の大径に形成されており、本体部3がガイドヘッド8に誘導されながら円筒体Kの内側に挿入された時、ロッド1と本体部3との段部12が円筒体Kの上端に当接することにより、本体部3が円筒体K内に鉛直状態に正しく位置決めされるようになっている。
【0026】
図2に示すように、この本体部3の外周部に環状の凹溝9が設けられ、この凹溝9内にOリング4(弾性シール部材4)が収容されている。
【0027】
凹溝9の溝幅は、Oリング4の太さ(断面の径寸法)とほぼ同サイズ、または僅かに小幅に形成されており、Oリング4を凹溝9内に収容した時、Oリング4の外周面が凹溝9の両側部に移動可能に接触するようになっているとともに、溝の深さは、Oリング4の径寸法より幾分大きく形成され、円筒体Kの内壁との間に少々隙間Gが生じるようになっている。
【0028】
また、接触面の摩擦抵抗を少なくしてOリング4の寿命を長くするため、凹溝9の側面はできる限り平坦に仕上げられている。
尚、Oリング4は、合成ゴムで成る汎用(市販)品を使用できる。
【0029】
上記通孔10は、本体部3内において端部が閉塞されており、その閉塞端部において側方に延設されて上記凹溝9の底部9aに数カ所で連通する複数のエアー通路13が形成されている。尚、エアー通路13は、1本のみを形成するようにしてもよい。
【0030】
パイプ11は、通孔10内を軸心方向に貫通してガイドヘッド8の下端部において外部に開放されており、そして、通孔10と、このパイプ11の外側との間に生じた空間部が凹溝9にエアーを導入・排出するための加圧管路5を構成し、中央のパイプ11の内部空間が円筒体Kの内部空間20のエアーを操作し、円筒体Kの内圧を操作する内圧操作用管路6を構成している。
【0031】
ロッド1は、上部において昇降自在のロボットアーム17に固定されており、このロボットアーム17の昇降動作により、ロッド1が軸心方向に移動するようになっている。
ロッド1の上側部には、通孔10に連通する給排気口15が設けられ、この給排気口15を通してエアーの導入・排出が行われるようになっている。
また、パイプ11はOリング21を介してロボットアーム17に支持されているとともに、その上端において外部に開放されている。
【0032】
上記構成のチャッキング装置にて円筒体Kである感光体ドラムを保持し、その外面に感光層を形成する場合は、先ず、チャック機構2部分が円筒体K内に鉛直に挿入される。
本体部3がガイドヘッド8に誘導されながら円筒体Kの内側に挿入されると、ロッド1と本体部3との段部12が円筒体Kの上端に当接して、チャック機構2が円筒体K内に鉛直状態に正しく位置決めされる。
【0033】
この時、図2においてチャック機構2の左半面部分に示されるように、凹溝9内のOリング4は、凹溝9の底部9a側に接した状態となっており、円筒体Kの内壁との間に少々隙間Gが生じている。
この状態でロッド1の給排気口15よりエアーが導入されると、エアーは通孔10の加圧管路5より末端部のエアー通路13を通して凹溝9内に供給され、その際のエアー供給圧がOリング4の内面側に作用してOリング4を拡張(拡径)させる。
【0034】
そして、図2においてチャック機構2の右半面部分に示されるように、エアー圧によりOリング4は径方向と軸心方向に拡張され、その外周面が凹溝9の両側部の他、円筒体Kの内周面に強く密着して樽状に変形し、この変形したOリング4によって凹溝9は確実に密封・シールされるとともに、円筒体Kは内側より密閉状態で保持されるため、この状態で円筒体Kを鉛直に吊り下げ、これを液中(例えば、感光体の液)に浸漬させることができる。
【0035】
この際、円筒体K下部の空間と液面(図示せず)の間にはエアーが封じ込められるので、円筒体Kを液中に浸漬させた時、液体はこの空間部分にほとんど侵入せず、よって、円筒体Kの外表面だけが液体と接触することになる。
【0036】
また、内部空間20内には気体(溶剤蒸気)が充満し、体積が増大した状態となるが、この内部空間20内に封じ込められた気体は、ガイドヘッド8の下端部において内部空間20内に開口した内圧操作用管路6を通して流通し、パイプ11の上端部で制御するため、円筒体Kを液中から引き上げる時、気密空間内に封じ込められた気体が気泡となって液内に流出し液面を揺らしたり、液中において気泡が円筒体Kの外周面に付着して破裂したりすることが防止される。
【0037】
以上のように、本実施形態のチャッキング装置では、本体部3と円筒体Kとの接触部分にOリング4を設け、このOリング4をエアー圧力により拡張させて円筒体Kの内面に密着させることにより、円筒体Kを内側より保持するチャック機構2を備えるので、拡張可能な弾性部材として袋体を用いた従来のチャッキング装置と比べてチャック機構2の構造を簡素化でき、安価なチャッキング装置を実現できる。
【0038】
また、加圧管路5とともに内圧操作用管路6が配設されることにより、チャック機構2により保持された円筒体Kが液体中に浸漬された際、液面と拡張したOリング4により密閉された円筒体K内のエアーを内圧操作用管路6を介して外部に流通させ、円筒体Kの内圧を操作することができるため、円筒体Kを液中から引き上げる際に気密空間内に封じ込められた気体が気泡となって液内に流出し液面を揺らしたり、液中において気泡が円筒体Kの外周面に付着して破裂したりすることが防止され、円筒体Kの塗布面に均一な塗布膜を形成することができる。
よって、本実施形態のチャッキング装置は、感光体ドラムKの外表面に感光層を塗布するのに用いて極めて好適なチャッキング装置となる。
【0039】
なお、図1および図2に示す第1の実施形態においては、環状の弾性シール部材として、Oリング4を用いた場合について説明したが、図3に示す変形例のように、断面正方形または長方形のリング4を用いることもできる。
ちなみに、この断面方形のリング4は、軸線方向の巾寸法が凹溝9の溝幅とほぼ同サイズまたは極僅かに小さく形成されており、これによりリング4を凹溝9内に収容した時、リング4の軸線方向両端面が凹溝9の両側面に密着した状態で移動可能になっている。
【0040】
このような断面方形のリング4によれば、軸線方向の両端面が凹溝9の両側面に密着しているために、より一層両者間における気密性を向上させることができ、よって、長期間にわたって高いチャッキング性能を保持することが可能になる。ちなみに、上記断面方形のリング4としては、上述した正方形や長方形の他、内外周面に傾斜を設けた台形等の様々な方形のものを用いることができる。また、必要に応じて角部にR加工や面取り加工を施してもよい。
【0041】
また、図1または図2では、チャック機構2の本体部3の外周部に設けられた環状の凹溝9を一段設ける構成としたが、必要に応じて凹溝9とエアー通路13を軸心方向に複数段(例えば、上下2段)設けることで、複数本(例えば、上下2本)のOリング4で円筒体Kを内側より保持することが可能となり、その保持力はOリング4の本数にほぼ比例するため、円筒体Kの重量が比較的大きい場合に好適なチャッキングを実現可能となる。
【0042】
また、図4に示す他の変形例のように、チャック機構2の本体部3の外周部に設けられた環状の凹溝9内に、複数本(例えば、3本)のOリング4を軸心方向に密接状態で収容すれば、凹溝9とエアー通路13を軸心方向に複数段設ける場合に比べ、コンパクト化が可能となる。
【0043】
また、弾性シール部材4としてOリング4や断面方形のリング4を用いたが、図示しないが、断面がX形状のXリングや断面C形状のCリングや断面V形状のVリング等の他の汎用の環状の弾性シール部材を使用することも可能である。
【0044】
尚、本実施形態では、円筒体Kとして感光体ドラムを鉛直に保持する場合を示したが、これに限定されるものではなく、孔の空いた物品であれば保持可能であり、また、保持方向も鉛直方向に限るものではなく、径方向の保持も勿論可能である。
【0045】
(第2の実施形態)
図5に基づいて本発明に係る円筒体のチャッキング装置の第2の実施形態を説明する。図の右半面部分は定常時の状態を示し、左半面部分は加圧時の状態を示している。
【0046】
本実施形態によるチャッキング装置は、図5に示すように、軸心方向に移動可能な円筒状のロッド51の下端部に、内径の異なる円筒体L、M、Nを内面側から保持するチャック機構52が設けられている。
【0047】
ロッド51は、チャック機構52と圧力供給部54、スペーサー管55、取付用アダプター56とで構成され、それぞれは連結ボルト58にて連結されている。
ロッド51の中心部には、軸心方向に沿って第1管59が同軸状に挿通され、さらに第1管59の内部に第2管60が、第2管60の内部に第3管61が、第3管61の内部に内圧操作用管62が挿通されている。
ここで、内圧操作用管62は、その上端において外部に開放されている。
【0048】
第1管59と第2管60との間に第1加圧管路63が設けられており、同様に第2管60と第3管61との間に第2加圧管路64が、第3管61と内圧操作用管62との間に第3加圧管路65が、内圧操作用管62の内部に内圧操作用管路66がそれぞれ設けられている。
また、ロッド51は、取付用アダプター56上部において昇降自在のロボットアーム77に固定されており、このロボットアーム77の昇降動作により、ロッド51が軸心方向に移動するようになっている。
【0049】
圧力供給部54は、下部の第1圧力供給部材54aと中間部の第2圧力供給部材54b、上部の第3圧力供給部材54cとで構成され、取付用アダプター56とともに連結ボルト57にて連結されている。
【0050】
第1圧力供給部材54a、第2圧力供給部材54b、および第3圧力供給部材54cの側面には、それぞれ第1加圧管路63、第2加圧管路64、第3加圧管路65に連通する給排気口76a、76b、76cが設けられ、これら給排気口76a、76b、76cを通してエアーの導入・排出が行われている。
【0051】
第1圧力供給部材54aの内周部に、環状の凹溝73eと凹溝73fが設けられ、凹溝73e内にOリング、接着剤、溶接等のシール部材70eが、凹溝73f内にシール部材70fが収容されており、シール部材70eによって第1管59の上部が支持されるとともに、シール部材70fによって第2管60の上部が支持されている。
【0052】
また、第2圧力供給部材54bの内周部に、凹溝73gが設けられ、凹溝73g内に収容されているシール部材70gによって、第3管61の上部が支持されている。
さらに、第3圧力供給部材54cの内周部に、凹溝73hが設けられ、凹溝73h内に収容されているシール部材70hによって、内圧操作用管62の上部が支持されている。
【0053】
第1加圧管路63、第2加圧管路64、および第3加圧管路65は、本体部53内において下端部がシール部材70c、70b、70aによって閉塞されており、その閉塞端部において側方に延設されて凹溝73c、73b、73aの底部74c、74b、74aに数カ所で連通する複数のエアー通路75c、75b、75aが形成されているとともに、シール部材70c、70b、70aによって第2管60、第3管61、内圧操作用管62の下部が支持されている。
また、本体部53の内周部に環状の凹溝73dが設けられ、凹溝73d内に収容されているシール部材70dによって第1管59の下部が支持されている。
【0054】
内圧操作用管路66は、第3本体部53aの先端部から側方に複数の先端管路68が延設され、この先端管路68において外部に開放されている。
そして、内圧操作用管路66と先端管路68の内部空間が円筒体L、M、Nの内部空間78a、78b、78cのエアーを操作し、円筒体L、M、Nの内圧を操作することができる。
また、内圧操作用管62が先端管路68内に脱落されることを防止するため、内圧操作用管62の下端に脱落防止用止め具67が設けられている。
【0055】
スペーサー管55は、チャック機構52の上端部に設けられた段部72bと第1圧力供給部材54aの下端部に設けられた段部72cに嵌められ、スペーサー管55の長さが変わることで、用途に合わせた好適なチャッキングが可能となっている。
ここで、段部72bと段部72cの外径寸法は、スペーサー管55の内径と同径、もしくはそれ以下の小径に形成され、スペーサー管55の上端部が段部72cに当接し、スペーサー管55の下端部が段部72bに当接することにより、鉛直状態に正しく位置決めされるようになっている。
【0056】
チャック機構52は、ロッド51の下端部が漸次縮径されることにより複数(図では、3つ)の段状に形成された本体部53を備え、この本体部は、第1本体部(上段部)53c、第2本体部(中段部)53b、第3本体部(下段部)53aの3段から構成され、第1本体部53c、第2本体部53b、第3本体部53aの下端部にそれぞれ逆円錐状のガイドヘッド71c、71b、71aが形成されている。
【0057】
そして、この第1本体部53c、第2本体部53b、第3本体部53aを円筒体N、M、Lの内側に自在に挿入できるように、第1本体部53c、第2本体部53b、第3本体部53aの外径寸法は円筒体N、M、Lの内径より僅かに小径に形成され、且つ、ロッド51、第1本体部53c、第2本体部53bの外径は円筒体N、M、Lの外径と同径、もしくは、それ以上の大径に形成されている。
【0058】
また、第1本体部53cがガイドヘッド71a、71b、71cに誘導されながら円筒体Nの内側に挿入された時、ロッド51と第1本体部53cとの段部72aが円筒体Nの上端に当接することにより、第1本体部53cが円筒体N内に鉛直状態に正しく位置決めされるようになっている。
【0059】
同様に、第2本体部53bがガイドヘッド71a、71bに、第3本体部53aがガイドヘッド71aに誘導されながら円筒体M、Lの内側に挿入された時、ガイドヘッド71c、71bが円筒体M、Lの上端に当接することにより、第2本体部53b、第3本体部53aが円筒体M、L内に鉛直状態に正しく位置決めされるようになっている。
【0060】
そして、第1本体部53c、第2本体部53b、第3本体部53aの外周部に環状の凹溝73c、73b、73aがそれぞれ設けられ、この凹溝73c、73b、73a内にそれぞれ2個のOリング(弾性シール部材)69c、69b、69aが軸心方向に密接状態で収容されている。
【0061】
凹溝73a、73b、73cの溝幅は、Oリング69a、69b、69cの太さ(断面の径寸法)2本分とほぼ同サイズ、または僅かに小幅に形成されており、Oリング69a、69b、69cを凹溝73a、73b、73c内に収容した時、Oリング69a、69b、69cの外周面が凹溝73a、73b、73cの両側部に移動可能に接触するようになっているとともに、溝の深さは、Oリング69a、69b、69cの径寸法より幾分大きく形成され、円筒体L、M、Nの内壁との間に少々隙間H、I、Jが生じるようになっている。
【0062】
そして、接触面の摩擦抵抗を少なくしてOリング69a、69b、69cの寿命を長くするため、凹溝73a、73b、73cの側面はできる限り平坦に仕上げられている。
尚、Oリング69a、69b、69cは、合成ゴムで成る汎用(市販)品を使用できる。
【0063】
以上の構成からなるチャッキング装置によって、円筒体Nである感光体ドラムを保持し、その外面に感光層を形成する場合には、チャック機構52部分を円筒体N内に鉛直に挿入する。
また、円筒体Mを保持し、その外面に感光層を形成する場合には、チャック機構52部分を円筒体M内に鉛直に挿入する。
さらに、円筒体Lを保持し、その外面に感光層を形成する場合には、チャック機構52部分を円筒体L内に鉛直に挿入する。
【0064】
ここで、円筒体Nを保持する場合について、詳細に説明する。
先ず、第1本体部53cを、ガイドヘッド71aと、71bと、71cとに案内させつつ円筒体Nの内側に挿入すると、ロッド51と第1本体部53cとの段部72aが円筒体Nの上端に当接して、チャック機構52が円筒体N内に鉛直状態に正しく位置決めされる。
また、チャック機構52の右半面部分に示されるように、凹溝73c内のOリング69cは、凹溝73cの底部74c側に接し、円筒体Nの内壁との間に少々隙間Jが生じている。
【0065】
この状態で、ロッド51の給排気口76aよりエアーを導入すると、エアーは第1加圧管路63より末端部のエアー通路75cを通して凹溝73c内に供給され、その際のエアー供給圧がOリング69cの内面側に作用してOリング69cが拡張(拡径)する。
【0066】
この結果、チャック機構52の左半面部分に示されるように、エアー圧によりOリング69cは径方向と軸心方向に拡張され、その外周面が凹溝73cの両側部の他、円筒体Nの内周面に強く密着して樽状に変形し、この変形したOリング69cによって凹溝73cは確実に密封・シールされるとともに、円筒体Nを内側より密閉状態で保持するため、この状態で円筒体Nを鉛直に吊り下げ、これを液中(例えば、感光体の液)に浸漬させることができる。
【0067】
この際、円筒体N下部の空間と液面(図示せず)の間にはエアーが封じ込められるので、円筒体Nを液中に浸漬させた時、液体はこの空間部分にほとんど侵入せず、よって、円筒体Nの外表面だけが液体と接触することになる。
【0068】
また、内部空間78c内には気体(溶剤蒸気)が充満し、体積が増大した状態となるが、この内部空間78c内に封じ込められた気体は、ガイドヘッド71aの下端部において内部空間78c内に開口した先端管路68と内圧操作用管路66とを流通し、内圧操作用管62の上端部で制御するため、円筒体Nを液中から引き上げる時、気密空間内に封じ込められた気体が気泡となって液内に流出し液面を揺らしたり、液中において気泡が円筒体Nの外周面に付着して破裂したりすることが防止される。
【0069】
また、第1加圧管路63、内圧操作用管路66および先端管路68を配設することにより、チャック機構52により保持された円筒体Nが液体中に浸漬された際、液面と拡張したOリング69cにより密閉された円筒体N内のエアーを内圧操作用管路66および先端管路68を介して外部に流通させ、円筒体Nの内圧を操作することができるため、円筒体Nを液中から引き上げる際に気密空間内に封じ込められた気体が気泡となって液内に流出し液面を揺らしたり、液中において気泡が円筒体Nの外周面に付着して破裂したりすることが防止され、円筒体Nの塗布面に均一な塗布膜を形成することができる。
よって、本実施形態のチャッキング装置は、感光体ドラムNの外表面に感光層を塗布するのに用いて極めて好適なチャッキング装置となる。
【0070】
また、上記円筒体Nに代えて、円筒体MあるいはLをチャッキングする場合には、第2本体部53b、または第3本体部53aを、円筒体M、またはLの内側に挿入し、ガイドヘッド71a、または71bを円筒体M、またはLの上端に当接させ、チャック機構52を円筒体M,またはL内に鉛直状態に正しく位置決めすればよい。
【0071】
すると、チャック機構52の右半面部分に示されるように、凹溝73b、または73a内のOリング69b、または69aは、凹溝73b、または73aの底部74b、または74a側に接し、円筒体M、またはLの内壁との間に少々隙間I、またはHが生じる。
【0072】
次いで、給排気口76b、または76cよりエアーを導入すると、第2加圧管路64、または第3加圧管路65とエアー通路75b、または75aを通じて凹溝73b、または73a内に供給され、そのエアー供給圧によりOリング69b、または69aが径方向と軸心方向に拡張する。
【0073】
そして、エアー圧により拡張したOリング69b、または69aによって、円筒体M、またはLを鉛直に吊り下げ、これを液中に浸漬させることができる。
この際、円筒体M、またはL下部の空間と液面の間にはエアーが封じ込められるので、円筒体M、またはLを液中に浸漬させた時、液体はこの空間部分にほとんど侵入せず、円筒体M、またはLの外表面だけが液体と接触することになる。
【0074】
以上のように、本実施形態のチャッキング装置では、段状に形成された複数の本体部53により、複数の径の異なるチャック機構52を設けることが可能となり、1組の装置によって複数の径の異なる円筒体を保持できるため、経済性に優れるとともに、各々の径に専門の装置を用意する場合と比較して、段取替の簡素化が実現できる。
【0075】
また、第1本体部53c、第2本体部53b、または第3本体部53aの外周部に設けられた環状の凹溝73a、73b、または73cを一段設け、凹溝73a、73b、または73c内に2個のOリング69a、69b、または69cを軸心方向に密接状態に収容する構成としたが、必要に応じて凹溝73a、73b、または73cとエアー通路75a、75b、または75cを軸心方向に複数段(例えば、上下2段)設けることで、複数本(例えば、上下4本)のOリング69a、69b、または69cで円筒体L、M、またはNを内側より保持することが可能となり、その保持力はOリング69a、69b、または69cの本数にほぼ比例するため、円筒体L、M、またはNの重量が比較的大きい場合に好適なチャッキングを実現可能となる。
【0076】
そして、チャック機構52の本体部53を、第1本体部53c、第2本体部53b、第3本体部53aの3段とすることで、圧力供給部54についても第1圧力供給部材54a、第2圧力供給部材54b、または第3圧力供給部材54cの3段となり、管においても第1管59、第2管60、または第3管61の3本となったが、これに限定するものではなく、それぞれ複数とすることが可能である。
それから、本体部53の各段部において、外周部に設けた環状の凹溝を一段設けた場合を示したが、これに限定するものではなく、複数とすることが可能である。
【0077】
さらに、本体部53の外周部に設けた環状の凹溝内に、2個のOリングを軸心方向に密接状態で収容された場合を示したが、これに限定するものではなく、複数とすることが可能である。
【0078】
また、弾性シール部材としてOリングを用いたが、図示しないが、断面がX形状のXリングや断面C形状のCリングや断面V形状のVリング等の使用も可能であり、Oリングと同様に汎用性を有し、且つ、優れた密着性、気密性が得られる。
尚、保持方向も鉛直方向に限るものではなく、径方向の保持も勿論可能である。
【0079】
(第3の実施形態)
図6または図7に基づいて本発明に係る円筒体または円柱体のチャッキング装置の第3の実施形態を説明する。図6または図7の右半面部分は定常時の状態を示し、左半面部分は加圧時の状態を示している。
【0080】
本実施形態によるチャッキング装置は、図6に示すように、軸心方向に移動可能な円筒状のロッド91と、このロッド91の下端部に設けられて、円筒体または円柱体Qを外面側から保持するチャック機構92を設けている。
【0081】
チャック機構92は、ロッド91の中心部を貫通した円筒状の本体部93を備え、下端部に円錐状に刳り貫いたガイドヘッド95を形成されている。
そして、この本体部93を円筒体または円柱体Qの外側に自在に挿入できるように、本体部93の内径寸法は円筒体または円柱体Qの外径より僅かに大径に形成されており、本体部93がガイドヘッド95に誘導されながら円筒体または円柱体Qの外側に挿入されるようになっている。
【0082】
この本体部93の内周部に環状の凹溝96が設けられ、この凹溝96内にOリング94(弾性シール部材94)が収容されている。
【0083】
上記凹溝96の溝幅は、Oリング94の太さ(断面の径寸法)とほぼ同サイズ、または僅かに小幅に形成されており、Oリング94を凹溝96内に収容した時、Oリング94の外周面が凹溝96の両側部に移動可能に接触するようになっているとともに、溝の深さは、Oリング94の径寸法より幾分大きく形成され、円筒体または円柱体Qの外壁との間に少々隙間Pが生じるようになっている。
また、接触面の摩擦抵抗を少なくしてOリング94の寿命を長くするため、凹溝96の側面はできる限り平坦に仕上げられている。
尚、Oリング94は、合成ゴムで成る汎用(市販)品を使用できる。
【0084】
そして、ロッド91の胴体部に加圧管路97を設け、その加圧管路97は、本体部93内において端部が閉塞されており、その閉塞端部において側方に延設されて上記凹溝96の底部96aに数カ所で連通する複数のエアー通路98が形成されており、このエアー通路98によって凹溝96にエアーを導入・排出されている。
【0085】
上記構成のチャッキング装置にて円筒体または円柱体Qを保持する場合は、先ず、チャック機構92部分が円筒体または円柱体Qに鉛直に挿入する。
本体部93がガイドヘッド95に誘導されながら円筒体または円柱体Qの外側に挿入する時、図6においてチャック機構92の右半面部分に示されるように、凹溝96内のOリング94は、凹溝96の底部96a側に接し、円筒体または円柱体Qの外壁との間に少々隙間Pが生じている。
【0086】
この状態でロッド91の加圧管路97上部の給排気口99よりエアーを導入すると、エアーは加圧管路97より末端部のエアー通路98を通して凹溝96内に供給し、その際のエアー供給圧がOリング94の外面側に作用してOリング94が縮径する。
【0087】
そして、図6においてチャック機構92の左半面部分に示されるように、エアー圧によりOリング94は径方向には縮径、軸心方向には拡張し、その外周面が凹溝96の両側部の他、円筒体または円柱体Qの外周面に強く密着して樽状に変形し、この変形したOリング94によって凹溝96は確実に密封・シールするとともに、円筒体または円柱体Qは外側より密閉状態で保持するため、この状態で円筒体または円柱体Qを鉛直に吊り下げることができる。
【0088】
図6では、チャック機構92の本体部93の内周部に設けた環状の凹溝96を一段設ける構成としたが、必要に応じて凹溝96とエアー通路98を軸心方向に複数段(例えば、上下2段)設けることで、複数本(例えば、上下2本)のOリング94で円筒体または円柱体Qを外側より保持することが可能となり、その保持力はOリング94の本数にほぼ比例するため、中実で重量が大きい円柱体に好適なチャッキングを実現可能となる。
【0089】
図7に示すように、チャック機構92の本体部93の内周部に設けた環状の凹溝96内に、複数本(例えば、3本)のOリング94を軸心方向に密接状態で収容することで、凹溝96とエアー通路98を軸心方向に複数段設ける場合に比べ、コンパクト化が可能となる。
【0090】
また、上記第2および第3の実施形態においても、環状の弾性シール部材としてOリング4、94に代えて、図3に示したように断面方形のリング4や、図示しないが、断面がX形状のXリングや断面C形状のCリングや断面V形状のVリング等の使用も可能であり、Oリング94と同様に汎用性を有し、且つ、優れた密着性、気密性が得られる。
【0091】
なお、上記第1〜第3の実施形態では、いずれも円筒体または円柱体Qを鉛直に保持する場合を示したが、径方向に保持することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施形態によるチャッキング装置の縦断面図である。
【図2】図1の要部の拡大断面図である。
【図3】図1の第1の実施形態の変形例を示す拡大断面図である。
【図4】図1の第1の実施形態の他の変形例を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態によるチャッキング装置のチャック機構の縦断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態によるチャッキング装置のチャック機構の拡大断面図である。
【図7】図6のチャッキング装置のチャック機構の変形例を示す拡大断面図である。
【図8】従来のチャッキング装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0093】
1 ロッド
2 チャック機構
3 本体部
4 弾性シール部材(Oリング、Xリング、Cリング、Vリングまたは断面方形のリング)
5 加圧管路
6 内圧操作用管路
9 凹溝
91 ロッド
92 チャック機構
93 本体部
94 弾性シール部材(Oリング、Xリング、Cリング、Vリングまたは断面方形のリング)
96 凹溝
97 加圧管路
K 円筒体
Q 円筒体または円柱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒体を保持するチャッキング装置であって、
ロッドの外周部に設けられて、上記円筒体を内面側から保持するチャック機構を備え、
上記チャック機構は、上記ロッドの下端部に設けられ、上記円筒体内に挿入されるとともに、外周部に環状の凹溝が設けられた本体部と、
上記凹溝に密接状態に収容され、上記凹溝内に導入される加圧流体により径方向に拡張して上記円筒体の内面側に密着する環状の弾性シール部材とを備えることを特徴とするチャッキング装置。
【請求項2】
上記本体部は、上記凹溝の底部と上記弾性シール部材との間に連通する加圧管路を備え、上記加圧管路より導入されたエアーの圧力により上記弾性シール部材を径方向に拡張させることを特徴とする請求項1に記載のチャッキング装置。
【請求項3】
上記本体部は、上記円筒体が液体中に浸漬された際、液面と径方向に拡張された上記弾性シール部材とにより密閉された上記円筒体内に連通し、当該円筒体内のエアー量を操作する内圧操作用管路を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチャッキング装置。
【請求項4】
上記本体部の上記凹溝には、複数の上記弾性シール部材が軸心方向に密接状態で収容されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載のチャッキング装置。
【請求項5】
上記本体部に、下端に向けて漸次縮径された複数の段部を形成し、各々の上記段部に上記凹溝を設け、各段部に、上記加圧管路を独立して設けたことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れかに記載のチャッキング装置。
【請求項6】
円筒体または円柱体を保持するチャッキング装置であって、
ロッドの内周部に設けられて、上記円筒体または円柱体を外面側から保持するチャック機構を備え、
上記チャック機構は、上記ロッドの下端部に設けられ、円筒体または円柱体が挿入されるとともに、内周部に環状の凹溝が設けられた本体部と、
上記凹溝に密接状態に収容され、上記凹溝内に導入される加圧流体により径方向に縮径して上記円筒体または円柱体の外面側に密着する環状の弾性シール部材とを備えられることを特徴とするチャッキング装置。
【請求項7】
上記本体部は、上記凹溝の底部と上記弾性シール部材との間に連通する加圧管路を備え、上記加圧管路より導入されたエアーの圧力により上記弾性シール部材を縮径させることを特徴とする請求項6に記載のチャッキング装置。
【請求項8】
上記本体部の上記凹溝には、複数の上記弾性シール部材が軸心方向に密接状態で収容されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のチャッキング装置。
【請求項9】
上記弾性シール部材は、Oリング、断面方形のリング、Xリング、CリングまたはVリングであることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載のチャッキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−264984(P2008−264984A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−129391(P2007−129391)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)
【Fターム(参考)】