説明

チャック及び時計の製造方法

【課題】 微小なワークを保持することができるとともに、様々な表面形状のワークを確実に保持することができ、一台で表面形状の異なる複数のワークに対応することができるチャックを提供すること、及び、チャックの台数を削減してコストダウンを図るとともに、調整時間を短縮して生産性の向上を図ることができる時計の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ストロー部材4の先端面4aをワークXに当接させるとともにストロー部材4の基端側からエア吸引することで、ストロー部材4の先端面4aにワークXを吸着させ、ワークXを保持するチャック1において、ストロー部材4は、その軸線L方向に沿って平行に配設された軸線L方向に移動可能な複数のパイプ40からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを吸着によって保持するチャック及び時計の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば腕時計を製造する場合には、歯車や板バネ等の微小部品を組み立てることになるため、これらの微小部品を保持する小型のチャックが必要となる。このようなチャックとして、従来、バキュームによりワーク(微小部品)を吸着させる構造のものが知られている。このチャックは、チャック先端面に複数の貫通孔が形成され、これらの貫通孔からバキュームによってエア吸引し、チャック先端面にワークを吸着させるものである。
【0003】
また、ワークを保持するワーク保持装置として、例えば下記特許文献1に示されているように、複数の吸着ロッドでワークを保持する構成が知られている。前記吸着ロッドは、上下方向に移動可能に垂設されており、その下端部には、ワークに押し付けることでワークに吸着される吸盤が設けられている。このワーク保持装置では、複数の吸着ロッドを上下方向にそれぞれ移動させることで、様々な形状のワークを保持することできる。
【特許文献1】特開2005−14197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のチャックでは、先端面が平面状のチャックを用いて、表面(上面)に凹凸があるワークを保持しようとすると、吸着面積(チャック先端面に当接する面積)が小さくなり、ワークが確実に保持されず、搬送中に脱落するおそれがあるという問題がある。したがって、表面に凹凸があるワークに対しては、そのワーク表面形状に合った形状の先端面を有するチャックを用いる必要がある。つまり、従来、複数のワークの種類毎に、その表面形状に合わせてチャックを作製している。このため、複数の種類の部品を組み立てる場合には、複数の種類のチャックを用意しなければならない。仮に、同型の製品を大量生産する場合には、複数のチャックを用いて流れ作業で組立作業を行うので、複数のチャックを用意してもコストに与える影響は少ないが、生産台数の少ない製品を組み立てる場合には、異なる部品毎にチャックを用意したときのコストに与える影響が大きく、経済性が低下する。
【0005】
また、上記した特許文献1に記載された従来の技術では、装置が大型になり、微小部品を保持させることができないという問題がある。また、ワークの形状に合わせて複数の吸着ロッドの位置調整を行わなければならず、生産性が低いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、微小なワークを保持することができるとともに、様々な表面形状のワークを確実に保持することができ、一台で表面形状の異なる複数のワークに対応することができるチャックを提供することを目的としている。さらに、本発明は、チャックの台数を削減してコストダウンを図るとともに、調整時間を短縮して生産性の向上を図ることができる時計の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るチャックは、ストロー部材の先端面をワークに当接させるとともに前記ストロー部材の基端側からエア吸引することで、前記ストロー部材の先端面に前記ワークを吸着させ、該ワークを保持するチャックにおいて、前記ストロー部材は、その軸線方向に沿って平行に配設された前記軸線方向に移動可能な複数のパイプからなることを特徴としている。
このような特徴により、ストロー部材の先端面をワークの表面に当接させると、ストロー部材の先端面がワークの表面形状に倣って変形する。すなわち、ストロー部材の先端面がワークの表面に当接したとき、ストロー部材を構成するパイプが軸線方向に沿って基端側へ移動するため、これらのパイプからなるストロー部材の先端面がワークの表面形状に倣った形状となる。その後、ストロー部材の基端側からエア吸引することで、各パイプの先端面にワークの表面が吸着され、ワークが保持される。
【0008】
また、本発明に係るチャックは、前記複数のパイプが挿通されたリングと、該リングの基端側に配置され、前記複数のパイプが前記軸線方向に移動可能に貫設されたホルダと、が備えられ、前記ホルダ及び前記リングのうちの少なくとも一方は、前記軸線方向に移動可能に設けられ、前記ホルダの外周面に形成された先端側に向かって漸次縮径されたホルダテーパー面と、前記リングの内周面に形成された基端側に向かって漸次拡径されたリングテーパー面と、が当接されていることが好ましい。
これにより、ストロー部材の先端面をワークの表面に当接させて変形させた後、リング及びホルダのうちの少なくとも一方を軸線方向の一方側へ移動させ、リング内にホルダを押し込んだ状態にすると、双方のテーパー面によってホルダが締め付けられて弾性変形する。これにより、ホルダに貫設された複数のパイプの移動が規制され、ストロー部材の先端面は、変形後の形状(ワーク表面に倣った形状)で固定される。また、その後、リング及びホルダのうちの少なくとも一方を軸線方向の他方側へ移動させると、ホルダの締め付けが解除され、パイプが軸線方向に移動可能となる。これにより、ストロー部材の先端面を他のワークの表面に当接させて再度変形させることが可能となる。
【0009】
また、本発明に係るチャックは、前記ホルダに、前記パイプを挿通させる貫通孔が各パイプ毎に複数形成されており、前記パイプの基端部に、その径方向外側に突出し、前記ホルダの基端面に掛止されるフランジ部が形成されていることが好ましい。
これにより、ホルダの締め付けが解除され、各パイプが先端側に移動して元の位置に戻るとき、各パイプのフランジ部がホルダの基端面に掛止され、各パイプは所定位置に配置される。
【0010】
また、本発明に係る時計の製造方法は、上記したチャックを用いて時計部品の組み立てを行う時計の製造方法であって、1台の前記チャックで複数の前記時計部品の組み立てを行うことを特徴としている。
これにより、時計の部品を組み立てる際に、部品毎にチャックを用意する必要がなく、1台のチャックを用いて複数の部品が組み立てられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るチャックによれば、チャックを小型にすることができるので、微小なワークを保持することができ、また、ワークの表面形状に倣ってストロー部材の先端面の形状が変形するので、様々な表面形状のワークを確実に保持することができ、一台のチャックで表面形状の異なる複数の部品に対応することができる。
また、本発明に係る時計の製造方法によれば、一台のチャックで複数の時計部品を組み立てるので、チャックの台数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。また、ストロー部材の先端面を時計部品に当接させるだけで、ストロー部材の先端面が時計部品の表面形状に倣った形状に変形するので、異なる形状の時計部品を保持する際の調整時間を短縮することができ、生産性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るチャック及び時計の製造方法の実施の形態について、図面に基いて説明する。
なお、下記の実施の形態では、ワークXが吸着されるチャック1,101,201の先端側(図1、図4、図6における下側)を下方とし、その反対のチャック1,101,201の基端側(図1、図4、図6における上側)を上方とする。また、図1、図4、図6に示す上下方向に延在する符号Lの鎖線は、ストロー部材4の中心軸線Lを示している。
【0013】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係るチャックの第1の実施の形態について説明する。
図1は本実施の形態におけるチャック1の断面図であり、図2は後述するストロー部材4、ホルダ5及びリング6の断面を表した斜視図であり、図3(a)はワークXを吸着させていない状態のチャック1の断面図であり、図3(b)はワークXを吸着させた状態のチャック1の断面図である。
【0014】
チャック1は、図1に示すように、ワークXを吸着によって保持するものである。詳しく説明すると、チャック1は、ストロー部材4の下端面(先端面4a)をワークXに当接させるとともにストロー部材4の上端側からエア吸引することで、ストロー部材4の先端面4aにワークXを吸着させてワークXを保持するものである。このチャック1の概略構成としては、上部金物2と、筒体3と、ストロー部材4と、ホルダ5と、リング6と、コイルスプリング7(弾性部材)と、を備えている。
【0015】
上部金物2は、図1に示すように、後述する図7に示すブラケット334等に取り付けられる取付部20と、取付部20の下端に設けられたフランジ部21と、フランジ部21の下面に突設された嵌合部22と、を備えている。嵌合部22の下端面の中央部分には凸部23が突設されている。また、上部金物2には、筒体3内のエアを吸引するためのエア通路24が形成されている。このエア通路24は、凸部23の下端面から上方に延びた縦路24aと、縦路24aの上端部から側方に延びた横路24bと、から構成されている。縦路24aの下端は、筒体3内に向けて開放されている。横路24bは、その一端が縦路24a内に連通され、他端がフランジ部21の外周面から外部に向けて開放されている。横路24bの他端には図示せぬエアホースが接続され、このエアホースを介してエア通路24は図示せぬバキューム装置に接続される。
【0016】
筒体3は、図1に示すように、中心軸線L方向に延設された有底円筒形状の部材であり、上部金物2から垂下されている。詳しく説明すると、筒体3の上端部の内側に上部金物2の嵌合部22が嵌合されており、筒体3は、上部金物2のフランジ部21の下面から垂設されている。また、筒体3の底部30の中央部分には、中心軸線L方向に延在する貫通孔30aが形成されている。
【0017】
リング6は、図1、図2に示すように、円環状の部材であり、筒体3の内側に収容され、筒体3と同軸上に配設されている。詳しく説明すると、リング6は、中心軸線Lを中心にして配設されており、筒体3の内側の底面に載置され、その外周面は筒体3の内周面に摺接されている。リング6の内側には、ストロー部材4が挿通されており、リング6の上端部の内周面には、上方に向かうに従い漸次拡径されたリングテーパー面60が形成されている。
【0018】
ホルダ5は、図1、図2に示すように、中心軸線L方向に延設された略円柱形状の部材であり、筒体3の内側に収容され、リング6の上側に筒体3と同軸(中心軸線L)上に配設されている。ホルダ5の下端部の外周面には、下方に向かうに従い漸次縮径されたホルダテーパー面50が形成されている。このホルダテーパー面50と上記したリングテーパー面60とは当接されている。すなわち、ホルダ5の下端部は、リング6のリングテーパー面60の内側に挿入されており、リング6のリングテーパー面60上にホルダ5が載置されている。また、ホルダ5の平面視における中央部分には、中心軸線L方向に延在する円柱形状の貫通孔51が複数形成されている。この貫通孔51は、後述するパイプ40を挿通させるための孔であり、複数のパイプ40毎にそれぞれ形成されている。
【0019】
ストロー部材4は、図1、図2に示すように、中心軸線L方向に沿って平行に配設された複数のパイプ40からなる。パイプ40は、両端がそれぞれ開放された丸管であり、パイプ40の上端は筒体3の内部に開放され、パイプ40の下端は筒体3の外部に開放されている。複数のパイプ40は、略同一の長さ寸法であり、ホルダ5に中心軸線L方向に移動可能に貫設されている。具体的に説明すると、パイプ40の上部は、ホルダ5の貫通孔51内に摺動可能に挿通されている。また、上記貫通孔51の上端から突出したパイプ40の上端部には、その径方向外側に突出したフランジ部41が全周に亘って形成されており、このフランジ部41は、ホルダ5の上端面に掛止可能になっている。また、複数のパイプ40からなるストロー部材4は、リング6の内側及び筒体3の貫通孔30aの内側にそれぞれ挿通されており、筒体3の貫通孔30aの下端から筒体3の外部に突出されている。
【0020】
コイルスプリング7は、図1に示すように、上記したホルダ5を下方へ向けて付勢する部材である。コイルスプリング7は、筒体3と同軸上に配設されており、上部金物2の嵌合部22の下端面とホルダ5の上端面との間に介装されている。また、コイルスプリング7の内径は、上部金物2の凸部23の外径やストロー部材4の外径よりも大きく、コイルスプリング7の上端部の内側に上部金物2の凸部23が配置されており、また、パイプ40が上方に移動した際、パイプ40の上端部がコイルスプリング7の内側に配置される。
【0021】
次に、上記した構成からなるチャック1の作用について説明する。
【0022】
まず、ワークXを保持する前のチャック1は、図3(a)に示す状態となる。詳しく説明すると、コイルスプリング7によりホルダ5が下方に付勢され、ホルダテーパー面50がリングテーパー面60に押し付けられ、リング6の下端面は筒体3の内側の底面に当接されている。このとき、ホルダ5は締め付けられていないため、ストロー部材4を構成する各パイプ40は、ホルダ5の貫通孔51内に緩挿された状態になっており、それぞれ中心軸線L方向に移動可能になっている。また、複数のパイプ40は、図2に示すフランジ部41がホルダ5の上端面に掛止される位置にそれぞれ配置されており、複数のパイプ40の下端面の上下方向位置は同じ位置に揃えられている。
【0023】
次に、上記したチャック1を用いてワークXを保持する場合には、まず、図3(b)に示すように、ストロー部材4の先端面4aをワークXの上面に当接させる。このとき、ストロー部材4を構成する複数のパイプ40は、中心軸線L方向に沿って移動可能であるため、ワークXの上面の凹凸に応じて押し上げられるように上方に移動する。これにより、ストロー部材4の先端面4aがワークXの上面に倣った形状に変形する。
【0024】
次に、ストロー部材4の上端側からエア吸引を行う。詳しく説明すると、上部金物2に形成されたエア通路24の外部側の端部(横路24bの他端)に図示せぬエアホースを介して接続された図示せぬバキューム装置を稼動させ、エア通路24から筒体3内のエア吸引を行う。これにより、筒体3の内部に開放された各パイプ40の上端からそれぞれエアが吸引され、各パイプ40の下端にワークXの上面が吸着され、ワークXが保持される。
【0025】
また、上記のように筒体3内のエア吸引が行われると、リング6の外周面は筒体3の内周面に摺接されているため、リング6は中心軸線L方向に沿って上方に移動する。このとき、ホルダ5は、コイルスプリング7によって下方に向けて付勢されているため、上方に移動しない。つまり、リング6は、リングテーパー面60がホルダテーパー面50上を摺動しながら、ホルダ5に対して相対的に上方に移動し、リング6内にホルダ5が押し込まれた状態となる。これにより、ホルダ5は、リング6によって締め付けられて弾性変形し、ホルダ5の貫通孔51(図2に示す。)内に挿通されたパイプ40はそれぞれ締め付けられ、パイプ40の移動が規制される。その結果、ストロー部材4の先端面4aの形状は、ワークXの上面に倣った形状(変形後の形状)で固定される。
【0026】
次に、上述したようにワークXを保持したチャック1を所定の位置まで移動させた後、図示せぬバキューム装置を停止させてエア吸引を停止する。これにより、ストロー部材4の先端面4aに吸着されていたワークXがストロー部材4の先端面4aから離れる。
また、エア吸引を停止すると、図3(a)に示すように、リング6がその自重及びコイルスプリング7による付勢により落下(下方に移動)し、ホルダ5の締め付けが解除され、パイプ40の移動規制が解除される。その結果、上方に移動していたパイプ40が自重により落下する。そして、これらのパイプ40のフランジ部41(図2に示す。)がホルダ5の上端面に掛止され、複数のパイプ40は、下端面が揃えられた元の位置にそれぞれ配置される。
【0027】
上述したチャック1によれば、チャック1を小型化することができるので、微小部品のワークXを保持することができる。
また、ストロー部材4の先端面4aの形状が、ワークXの上面形状に倣って変形するので、様々な表面形状のワークXを確実に保持することができ、一台のチャック1で、表面形状の異なる複数の種類のワークXに対応することができる。
さらに、ストロー部材4の先端面4aをワークXに当接させるだけで、ストロー部材4の先端面4aがワークXの上面形状に倣った形状に変形するので、表面形状の異なるワークXを保持する際の調整時間を短縮することができる。
【0028】
また、上述したチャック1によれば、ホルダ5とリング6とがホルダテーパー面50及びリングテーパー面60を介して当接されており、エア吸引によってホルダ5が締め付けられてパイプ40の移動が規制され、ストロー部材4の先端面4aがワークXの上面に倣った形状で固定されるので、ストロー部材4の先端面4aに吸着されたワークXが離れにくくなり、ワークXを確実に保持することができる。
【0029】
また、上述したチャック1によれば、パイプ40の上端にフランジ部41が設けられており、エア吸引を停止したときに複数のパイプ40の各フランジ部41がホルダ5の上端面に掛止されるので、複数のパイプ40を容易に揃えることができ、チャック1の調整時間を短縮することができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係るチャックの第2の実施の形態について説明する。
図4は本実施の形態におけるチャック101の断面図であり、図5はそのチャック101に用いられるホルダ105の斜視図である。
なお、本実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0031】
上述した第1の実施の形態に係るチャック1では、ホルダ5に、パイプ40を挿通させる貫通孔51が各パイプ40毎に形成されているが、本実施の形態に係るチャック101では、図4、図5に示すように、ホルダ105に、複数のパイプ140をまとめて挿通させる大径の貫通孔151が形成されている。そして、ホルダ105によって複数のパイプ140を常時締め付けて保持し、ストロー部材4の先端面4aをワークXに当接させる際にパイプ140の締め付けを解除する構成になっている。
【0032】
具体的に説明すると、図4、図5に示すように、ホルダ105は、中心軸線L方向に延設された略円筒形状の部材であり、筒体3の内側に収容され、リング6の上側に筒体3と同軸上に配設されている。このホルダ105の内側(貫通孔151内)には、略円柱状に束にした複数のパイプ140の上端部が挿通されている。なお、第1の実施の形態におけるパイプ40の上端部にはフランジ部41が設けられているが、本実施の形態におけるパイプ140は、全長に亘って外周面に凹凸が無い。また、ホルダ105の下端部の外周面には、下方に向かって漸次縮径されたホルダテーパー面150が形成されており、このホルダテーパー面150はリング6のリングテーパー面60に当接されている。また、ホルダ105の上端部には、その径方向外側に突出したフランジ部152が全周に亘って形成されており、このフランジ部152の外周面には、断面視凹形状の凹溝152aが全周に亘って形成されている。この凹溝152a内には、筒体3の内周面に摺接するOリング153が嵌合されており、ホルダ105は、筒体3の内周面に沿って中心軸線L方向に移動可能になっている。また、ホルダ105には、その下端面から中心軸線L方向に延びるスリット154が複数形成されている。これらのスリット154は平面視において等間隔に形成されている。
【0033】
なお、上記したフランジ部152により、筒体3の内部空間は、上記したOリング153付きのフランジ部152の上側にある上室31と、フランジ部52の下側にある下室32と、に区分けされている。そして、上記したOリング153により、上記した上室31と下室32との間の気密性が確保されている。
また、上部金物2に形成されたエア通路24は、筒体3の内部のうちの上室31内に開放されている。
【0034】
また、上記した上室31内には、ホルダ105を下方に付勢するコイルスプリング107が配設されている。このコイルスプリング107は、筒体3と同軸上に配設されており、上部金物2の嵌合部22の下端面とホルダ105の上端面との間に介装されている。
また、筒体3には、上記した下室32に連通されたエア供給口33が形成されており、このエア供給口33には、図示せぬエアホースを介して、下室32内にエアを圧入する図示せぬエアコンプレッサー等が接続されている。
【0035】
次に、上記した構成からなるチャック101の作用について説明する。
【0036】
まず、常時のチャック101は、コイルスプリング107による付勢によって、ホルダ105が、ホルダテーパー面150をリングテーパー面60に摺接させながら、リング6内に押し込まれた状態となっている。これにより、ホルダ105は、リング6によって締め付けられて弾性変形し、ホルダ105の貫通孔151が縮径する。そして、この貫通孔151内に挿通された複数のパイプ140はそれぞれ締め付けられ、筒体3の内周面とパイプ140の外周面との間の摩擦力及び隣接するパイプ140の外周面間の摩擦力により各パイプ140の移動がそれぞれ規制され、複数のパイプ140が束になった状態で保持されている。
【0037】
次に、上記したチャック101を用いてワークXを保持する場合には、まず、ストロー部材4の先端面4aをワークXの上面に対して当接、或いは隙間をあけて対向配置させる。
続いて、上記した図示せぬエアコンプレッサーを稼動させ、エア供給口33から下室32内にエアを圧入する。このエア圧入により、中心軸線L方向に移動可能なホルダ105は、ホルダテーパー面150がリングテーパー面60上を摺動しながら、上方に移動する。これにより、ホルダ105の締め付けが解除され、ホルダ105によって保持されていた複数のパイプ140が自重によって落下し、各パイプ140の下端面がワークXの上面にそれぞれ当接する。その結果、ストロー部材4の先端面4aがワークXの上面に倣った形状に変形する。
【0038】
次いで、上記したエアコンプレッサーを停止させ、エアの圧入を停止する。エア圧入が停止すると、コイルスプリング107によってホルダ105が下方に付勢され、ホルダテーパー面150がリングテーパー面60上を摺動しながら、ホルダ105の下端部がリング6内に押し込まれる。これにより、スリット154が形成されたホルダ105は、リング6によって締め付けられて弾性変形し、ホルダ105の貫通孔151が縮径する。そして、この貫通孔151内に挿通された複数のパイプ140はそれぞれ締め付けられ、複数のパイプ140の移動が規制される。その結果、ストロー部材4の先端面4aの形状は、ワークXの上面に倣った形状(変形後の形状)で固定される。
【0039】
次に、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、図示せぬバキューム装置を稼動させ、エア通路24から筒体3の上室31内のエア吸引を行う。これにより、筒体3の内部に開放された各パイプ140の上端からそれぞれエアが吸引され、各パイプ140の下端にワークXの上面が吸着され、ワークXが保持される。
次に、上述したようにワークXを保持したチャック101を所定の位置まで移動させた後、図示せぬバキューム装置を停止させてエア吸引を停止する。これにより、ストロー部材4の先端面4aに吸着されていたワークXがストロー部材4の先端面4aから離れる。
【0040】
上記した構成からなるチャック101によれば、パイプ140を一本づつ通す貫通孔を形成する必要がなく、束になった複数のパイプ140を通す大径の貫通孔151を形成するだけでよいので、小型のチャック101を容易に製作することができる。
【0041】
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係るチャックの第3の実施の形態について説明する。
図6は本実施の形態におけるチャック201の断面図である。
なお、本実施の形態において、上述した第1、第2の実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
上述した第1、第2の実施の形態に係るチャック1,101では、ホルダ5,105を下方に付勢する手段としてコイルスプリング7,107が用いられているが、本実施の形態に係るチャック201では、エアによる圧力でホルダ205を下方に付勢している。
【0043】
具体的に説明すると、図6に示すように、ホルダ205は、中心軸線L方向に延設された略円筒形状の部材であり、筒体3の内側に収容され、リング6の上側に筒体3と同軸上に配設されている。このホルダ205の内周孔(貫通孔251)は、上側の大径部251aと下側の小径部251bとが、下方に向かうに従い縮径されたテーパー部251cを介して連通された構成となっている。大径部251aの上端部には、上部金物2の凸部23が嵌合されている。また、小径部251bには、略円柱状に束にした複数のパイプ140の上端部が挿通されており、パイプ140の上端はホルダ205内(貫通孔251内)に開放され、パイプ140の下端は筒体3の外部に開放されている。
【0044】
また、ホルダ205の下端部の外周面には、下方に向かって漸次縮径されたホルダテーパー面250が形成されており、このホルダテーパー面250はリング6のリングテーパー面60に当接されている。また、ホルダ205の中間部の外周面には、その径方向外側に突出したフランジ部252が全周に亘って形成されており、このフランジ部252の外周面には、断面視凹形状の凹溝252aが全周に亘って形成され、凹溝252a内には、筒体3の内周面に摺接するOリング253が嵌合されている。また、ホルダ205のうちのフランジ部252よりも下側の部分には、ホルダ205の下端面から中心軸線L方向に延びる複数の図示せぬスリットが平面視において等間隔に形成されている。
【0045】
また、上部金物2に形成されたエア通路24は、ホルダ205内(貫通孔251内)に開放されている。
また、筒体3には、ホルダ205のフランジ部252の上側の上室31に連通された第一エア供給口234が形成されているとともに、フランジ部252の下側の下室32に連通された第二エア供給口233が形成されている。そして、第一エア供給口234には、図示せぬエアホースを介して、上室31内にエアを圧入する図示せぬエアコンプレッサー等が接続されており、また、第二エア供給口233には、図示せぬエアホースを介して、下室32内にエアを圧入する図示せぬエアコンプレッサー等が接続されている。
【0046】
次に、上記した構成からなるチャック201の作用について説明する。
【0047】
まず、常時のチャック201は、第一エア供給口234に接続された図示せぬエアコンプレッサーを駆動させ、第一エア供給口234から上室31内にエアを圧入している。これにより、ホルダ205が、ホルダテーパー面250をリングテーパー面60に摺接させながら、リング6内に押し込まれた状態となる。そして、上述した第2の実施の形態と同様に、ホルダ205は、リング6によって締め付けられて弾性変形し、ホルダ205の貫通孔251内の各パイプ140の移動がそれぞれ規制され、複数のパイプ140が束になった状態で保持されている。このとき、第二エア供給口233に接続された図示せぬエアコンプレッサーは停止させておき、下室32内へのエアの圧入は行わない。
【0048】
次に、上記したチャック201を用いてワークXを保持する場合には、まず、ストロー部材4の先端面4aをワークXの上面に対して当接、或いは隙間をあけて対向配置させる。
続いて、第一エア供給口234に接続された図示せぬエアコンプレッサーを停止させ、第一エア供給口234から上室31内へのエア圧入を停止するとともに、第二エア供給口233に接続された図示せぬエアコンプレッサーを稼動させ、第二エア供給口233から下室32内にエアを圧入する。この下室32内へのエア圧入により、上述した第2の実施の形態と同様に、ホルダ205は上方に移動し、ホルダ205の締め付けが解除され、ホルダ205によって保持されていた複数のパイプ140が自重によって落下してその下端面がワークXの上面にそれぞれ当接し、ストロー部材4の先端面4aがワークXの上面に倣った形状に変形する。
【0049】
第一エア供給口234に接続された図示せぬエアコンプレッサーを稼動させ、第一エア供給口234から上室31内にエアを圧入するとともに、第二エア供給口233に接続された図示せぬエアコンプレッサーを停止させ、第二エア供給口233から下室32内へのエア圧入を停止する。この上室31内へのエア圧入により、ホルダ205は下方に移動し、ホルダテーパー面250がリングテーパー面60上を摺動しながら、ホルダ205の下端部がリング6内に押し込まれる。これにより、ホルダ205は、リング6によって締め付けられて弾性変形し、ホルダ205の貫通孔251が縮径する。そして、この貫通孔251内に挿通された複数のパイプ140はそれぞれ締め付けられ、複数のパイプ140の移動が規制される。その結果、ストロー部材4の先端面4aの形状は、ワークXの上面に倣った形状(変形後の形状)で固定される。
【0050】
次に、上述した第1、第2の実施の形態の場合と同様に、図示せぬバキューム装置を稼動させ、エア通路24からホルダ205内(貫通孔251内)のエア吸引を行う。これにより、ホルダ205内に開放された各パイプ140の上端からそれぞれエアが吸引され、各パイプ140の下端にワークXの上面が吸着され、ワークXが保持される。
次に、上述したようにワークXを保持したチャック201を所定の位置まで移動させた後、図示せぬバキューム装置を停止させてエア吸引を停止する。これにより、ストロー部材4の先端面4aに吸着されていたワークXがストロー部材4の先端面4aから離れる。
【0051】
上記した構成からなるチャック201によれば、コイルスプリング7,107を用いずにホルダ205を下方に付勢することができるので、ホルダ205の上下方向の移動が制御しやすく、ホルダ205の締め付け、及びホルダ5の締め付けの解除を、確実に行うことができる。これにより、ストロー部材4の先端面4aをワークXの上面に倣った形状に確実に変形することができ、また、その変形後の形状でストロー部材4の先端面4aを確実に固定することができる。
【0052】
[時計の製造方法]
次に、本発明に係る時計の製造方法の実施の形態について説明する。
図7はその時計の製造方法に用いる組立装置300を表した斜視図である。
【0053】
まず、組立装置300について説明する。
図7に示すように、組立装置300は、時計の地板X0に時計部品X1,X2…を組み込んでいき、腕時計を組み立てるための装置である。組立装置300の概略構成としては、時計部品X1,X2…を種類毎に分けて入れたパレット310A,310B,…が載置される架台301と、時計の地板X0を搬送するベルトコンベア302(搬送装置)と、時計部品X1,X2…を保持するチャック1,101,201(以下、チャック1と記す。)と、チャック1を移動させるチャック移動機構303と、を備えている。
【0054】
チャック移動機構303は、水平方向のうちの一方向(第一水平方向A)へチャック1を往復移動させる第一移動機構331と、水平方向のうちの他方向(第二水平方向B)へチャック1を往復移動させる第二移動機構332と、鉛直方向Cへチャック1を往復移動させる第三移動機構333と、を備えている。第一移動機構331は、第一水平方向Aへ延設された平行する一対の第一ガイド331aと、一対の第一ガイド331a上にそれぞれ設けられ、一対の第一ガイド331aに沿って同期して走行する一対の第一ライナー331bと、を備えている。また、第二移動機構332は、一対の第一ライナー331b間に架設されて第二水平方向Bに延設された第二ガイド332aと、第二ガイド332aの側面に設けられ、第二ガイド332aに沿って走行する第二ライナー332bと、を備えている。また、第三移動機構333は、第二ライナー332bに設けられて鉛直方向Cに延設された第三ガイド333aと、第三ガイド333aに沿って走行する第三ライナー333bと、を備えている。この第三ライナー333bには、ブラケット334が設けられており、このブラケット334の下面にチャック1が垂設されている。
【0055】
次に、上記した組立装置300を用いて時計の地板X0に歯車や板バネ等の時計部品X1,X2…を組み込んでいき、腕時計を組み立てる時計の製造方法について説明する。
【0056】
まず、ベルトコンベア302上に地板X0を載せ、ベルトコンベア302により搬送する。
一方、第一移動機構331及び第二移動機構332によって、チャック1を、第一の時計部品X1が入ったパレット310Aの上方まで移動させる。その後、第三移動機構333によって、チャック1を下降させてチャック1の先端(図1に示すストロー部材4の先端面4a)を第一の時計部品X1の上面に当接させ、チャック1の先端に第一の時計部品X1を吸着させて第一の時計部品X1を保持する。
【0057】
次に、第三移動機構333によってチャック1を上昇させ、第一の時計部品X1をパレット310A内から持ち上げるとともに、第一移動機構331及び第二移動機構332によって当該第一の時計部品X1をベルトコンベア302上の地板X0のところまで搬送し、地板X0に第一の時計部品X1を組み込む。その後、チャック1による吸着を解除して、チャック1の先端から第一の時計部品X1を離す。
【0058】
次に、第一移動機構331及び第二移動機構332によって、チャック1を、上記した第一の時計部品X1と異なる形状の第二の時計部品X2が入ったパレット310Bの上方まで移動させる。その後、第三移動機構333によって、チャック1を下降させてチャック1の先端を第二の時計部品X2の上面に当接させ、チャック1の先端に第二の時計部品X2を吸着させて第二の時計部品X2を保持する。
【0059】
次に、第三移動機構333によってチャック1を上昇させ、第二の時計部品X2をパレット310B内から持ち上げるとともに、第一移動機構331及び第二移動機構332によって当該第二の時計部品X2をベルトコンベア302上の地板X0のところまで搬送し、地板X0に第二の時計部品X2を組み込む。その後、チャック1による吸着を解除して、チャック1の先端から第二の時計部品X2を離す。
【0060】
上述した工程を繰り返すことにより、地板X0に全ての時計部品X1,X2…を組み込んでいき、最後に図示せぬ輪列受け板を被せて時計が完成する。
【0061】
上記した構成からなる時計の製造方法によれば、一台のチャック1で複数の時計部品X1,X2…を組み立てるので、種類の異なる時計部品X1,X2…毎にチャックを用意する必要がない。これにより、チャック1の台数を削減することができ、時計の製造コストの低減を図ることができる。
また、上述したようにチャック1のストロー部材4の先端面4aを時計部品X1,X2…に当接させるだけで、ストロー部材4の先端面4aが時計部品X1,X2…の表面形状に倣った形状に変形するので、種類の異なる時計部品X1,X2…を保持する際の調整時間を短縮することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0062】
以上、本発明に係るチャック及び時計の製造方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、1台のチャック1,101,201に対してストロー部材4が1つだけ設けられているが、本発明は、1台のチャックに対して複数のストロー部材が設けられていても良い。
【0063】
また、上記した実施の形態では、ホルダ5,105,205を締め付けたり締め付けを解除したりする際に、コイルスプリング7,107や図示せぬバキューム装置によるエア吸引、図示せぬエアコンプレッサーによるエア圧入によってリング6やホルダ105,205を中心軸線L方向に移動させているが、本発明は、ホルダやリングを移動させる手段は適宜変更可能であり、例えば、板バネ等のコイルスプリング以外の弾性部材を用いてリングやホルダを軸線方向に移動させることも可能であり、或いは、電磁力を利用してリングやホルダを軸線方向に移動させることも可能である。
【0064】
また、上記した実施の形態では、チャック1,101,201を用いて時計を製造しているが、本発明に係るチャックは、時計以外の製品の組立に用いることも可能であり、或いは部品の組立以外の目的で使用することも可能である。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係るチャックの第1の実施の形態を説明するためのチャックの断面図である。
【図2】本発明に係るチャックの第1の実施の形態を説明するためのストロー部材、ホルダ及びリングの断面を表した斜視図である。
【図3】(a)はワークを保持する前のチャックを表した断面図であり、(b)はワークを保持したチャックを表した断面図である。
【図4】本発明に係るチャックの第2の実施の形態を説明するためのチャックの断面図である。
【図5】本発明に係るチャックの第2の実施の形態を説明するためのホルダの斜視図である。
【図6】本発明に係るチャックの第3の実施の形態を説明するためのチャックの断面図である。
【図7】本発明に係る時計の製造方法の実施の形態を説明するための組立装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1,101,201 チャック
4 ストロー部材
4a 先端面
40,140 パイプ
41 フランジ部
5,105,205 ホルダ
50,150,250 ホルダテーパー面
51,151,251 貫通孔
6 リング
60 リングテーパー面
L 中心軸線(軸線)
X ワーク
X1 第一の時計部品(時計部品)
X2 第二の時計部品(時計部品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロー部材の先端面をワークに当接させるとともに前記ストロー部材の基端側からエア吸引することで、前記ストロー部材の先端面に前記ワークを吸着させ、該ワークを保持するチャックにおいて、
前記ストロー部材は、その軸線方向に沿って平行に配設された前記軸線方向に移動可能な複数のパイプからなる、ことを特徴とするチャック。
【請求項2】
前記複数のパイプが挿通されたリングと、該リングの基端側に配置され、前記複数のパイプが前記軸線方向に移動可能に貫設されたホルダと、が備えられ、
前記ホルダ及び前記リングのうちの少なくとも一方は、前記軸線方向に移動可能に設けられ、
前記ホルダの外周面に形成された先端側に向かって漸次縮径されたホルダテーパー面と、前記リングの内周面に形成された基端側に向かって漸次拡径されたリングテーパー面と、が当接されている、ことを特徴とする請求項1に記載のチャック。
【請求項3】
前記ホルダには、前記パイプを挿通させる貫通孔が各パイプ毎に複数形成されており、
前記パイプの基端部には、その径方向外側に突出し、前記ホルダの基端面に掛止されるフランジ部が形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のチャック。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載されたチャックを用いて時計部品の組み立てを行う時計の製造方法であって、
1台の前記チャックで複数の前記時計部品の組み立てを行う、ことを特徴とする時計の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−113158(P2009−113158A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289537(P2007−289537)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】