説明

チャンネル変更時間を削減する、スクランブル解除データの前処理

本発明は、利用する前に、復号化するうえで暗号化鍵を必要とする複数の暗号化されたディジタルのビデオ、オーディオ及びデータを受信する装置及び方法を開示する。特に、本発明は、特定のチャンネルを選択すると複数のチャンネルへのアクセスをユーザに備える受信器に複数チャンネル情報を送信する、ケーブル・システムやディジタル放送衛星システムなどの装置に関する。そうしたチャンネル選択は、時間がかかる電子処理によって新たなデータストリームを復号し、フォーマッティングすることを必要とする。本明細書及び特許請求の範囲記載の本発明は、新たなチャンネルをユーザが選択する前にバックグラウンドにおいてスクランブル解除データを監視することによってチャンネル変更時間を削減する。ディジタル放送データは、利用可能な複数ディジタル・データ・ストリーム各々に対するNビット・スクランブル解除鍵の復号化に必要な入力スクランブル解除制御語を含む。データ制御語又はNビット・スクランブル解除鍵を記憶することによって、後の取り出し復号化時間が削減される。しかし、制御語を利用して、Nビット・スクランブル解除鍵をスクランブル解除し、更に、Nビット・スクランブル解除鍵を記憶することによって、通常、チャンネル変更時間を削減するうえでの最大の利得をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、マルチチャンネルの、ディジタルのビデオ/オーディオ/データ(「ディジタル・データ」)の伝送を受信し、処理する方法及び装置に関し、特に、チャンネルを変更する旨のユーザ・コマンドに対する、よりすばやい応答を備えることができるディジタル放送受信器に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチチャンネル・ディジタル・ビデオ受信器がチャンネルを変更するのに必要な時間は、アナログ・ビデオ・システムにおいてチャンネルを変更する時間よりも大きい。何れのシステムでも、選択されるチャンネルの受信処理には、チューナが所望のキャリア周波数にチューニングし、所望のパケットを選択し、信号を復調することが必要である。ディジタル放送信号は、通常はスクランブル解除されている情報を復号化する工程、MPEG符号化データを復元する工程、誤り訂正を備える工程などの更なる工程と、生成されるデータ・パケットをディジタル復号器に伝送する工程とを、所望の番組を表示できる前に通常必要とする。大容量の、複数チャンネルの直接放送衛星システムでは、受信器は、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態と、ディジタル・データ伝送のビット・レートとによってチャンネルを変更するうえで、1秒から5秒に及ぶ、数秒を必要とし得る。しかし、時間遅延の少なくとも一部分は、ディジタル・データをスクランブル解除し、ビデオ表示を順次形成するというきまりによって生じる。米国特許第5,933192号明細書及び米国特許第6,118,498号明細書は、チャンネル変更時間を削減するうえでの装置及び方法の2例を開示している。
【0003】
現行のディジタル・ビデオ復号器システムは、暗号化ディジタル・データ・ストリームを復号化する(図1、従来技術参照。)。こうしたシステムは、ケーブル・システムやディジタル衛星放送(「DBS」)システムを例とするものなどのディジタル放送の技術分野では周知であり、チューナ、変調器、デコーダ、伝送逆多重化装置、マイクロプロセッサ、番組メモリ、ビデオ・ピクチャ・メモリ、MPEGビデオ・デコーダ、ディスプレイ及びスマート・カードを含む。
【0004】
従来技術では、スクランブル・データは、データをスクランブル解除するための関連制御語と一緒に送信され、制御語は、エクスプロイト鍵によって暗号化され、暗号化形式で送信される。スクランブル・データ及び関連制御語は更に、受信器に挿入されて、暗号化制御語を復号し、その後、Nビットのスクランブル解除鍵を生成して送信ディジタル・データを復号化するスマート・カード上に記憶されているエクスプロイト鍵に同等なものへのアクセスを有するデコーダによって受信される。例えば、払い込み済みのディジタル放送システムでは、加入者は、56ビットのスクランブル解除鍵を復号化して伝送の視聴を可能にするのに必要な暗号化制御語を復号するのに必要なエクスプロイト鍵を構成するエンタイトルメント・コントロール・メッセージを受信する。
【0005】
ユーザがチャンネルを選択すると、ソフトウェアは、伝送逆多重化装置を番組識別情報(PID)によって構成し、PIDは更に、入力ディジタル・データ・パケットをフィルタリングする。システムは更に、ディジタル・データ・ストリームにおける全パケットを検査するPID比較ブロックに伝送データストリームが流れることを可能にし、データ・パケットを、ルックアップ・テーブル内のエントリのリストと比較する。通常、一致が存在する場合、データ・パケットはスクランブル解除器に送信される。大半のディジタル放送システム・データ・ストリーム及び大半のディジタル・ケーブル・データ・ストリームは、セキュリティの目的でスクランブルされる。ディジタル放送システムのスクランブル解除は、入力データの形式で復号仕様を含む制御語パケットを送受信することによって達成される。復号制御語は、スマート・カードにプログラムされるアルゴリズムによって処理され、それによって、Nビットのスクランブル解除鍵が生成される。現行のシステムは通常、最大56ビットの鍵を利用する。Nビットの鍵は更に、データ暗号化スクランブルを行うよう、伝送レジスタに記憶される。スクランブル解除が行われると、システムは、ビデオ複合ピクチャをメモリ内に、通常はMPEG−2標準によって構築し、所望のピクチャをディスプレイ上に表示する。ユーザがチャンネルを変更すると、システムは現行の復号化処理をディセーブルし、新たなチャンネルのパラメータによって上記の手順全てをやり直す。例えば、天候や、劣悪な信号受信状態が理由で、信号に誤りが存在する場合、ユーザは、チャンネルを変更するのに、更なる遅延時間、待たなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
チャンネル獲得に関連した遅延は、隣接するチャンネルの順次移動を行うテレビ・ユーザにとって特に気になるものであり、こうした操作は、多くのユーザが、すばやく行いことを好む。部分的には、遅延は、ディジタル・コンテンツが暗号化されていることによるものであり、それによって、デコーダが、特定の順次処理でスクランブル解除データを処理することが必要である。本発明は、伝送逆多重化装置及びスマート・カードに焦点を当てて、ユーザ・チャンネル変更時間を、新たなチャンネルをユーザが選択する前に、次の予測チャンネル毎に、スクランブル解除鍵に関連した制御語又は、スクランブル解除鍵を復号化することによって削減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書及び特許請求の範囲開示の本発明は、ディジタル伝送をチューニングし、復号化して、2つ以上のチューニング・チャンネルに関連した、Nビットのスクランブル解除鍵群を生成する、チューニング及び復号化の手段と、選択チャンネルに対するスクランブル解除鍵群を出力させて、ディジタル情報をビデオ・ディスプレイ内にフォーマッティングするのに必要なディジタル伝送ストリームをスクランブル解除することによって、2つ以上のチューニング・チャンネルのうちの選択された1つに対するユーザ要求に応答する、プログラムされたマイクロプロセッサとを含む。
【0008】
別の実施例では、ディジタル・ビデオ伝送受信器装置は、制御語を記憶する装置を備える。これは、ディジタル伝送をチューニングし、復号化して、各々がNビットのスクランブル解除鍵と関連した2つ以上のチューニング・チャンネルに関する制御語群を生成する、チューニング及び復号化の手段と、制御語群内の制御語のうちの1つに、選択チャンネルが出力されるうえでのスクランブル解除鍵を出力させて、ディジタル情報をディジタル・ディスプレイ内にフォーマッティングするのに必要なディジタル伝送ストリームをスクランブル解除することによって、2つ以上のチューニング・チャンネルのうちの選択された1つに対するユーザ要求に応答する、プログラムされたマイクロプロセッサとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、添付図面に関して検討すると、以下の詳細な説明から最も良く分かる。添付図面の種々の特徴は、網羅的に規定されているものでない。逆に、種々の特徴は、明瞭にするよう、拡張してもよく、縮減してもよい。
【0010】
本発明は、複数のディジタル・データ伝送ストリームに対する、スクランブル解除鍵の復号化に必要なディジタル・データ入力スクランブル解除制御語、又は生成される、Nビットのスクランブル解除鍵自体を記憶する装置及び方法を開示する。データ制御語を記憶することによって、ディジタル・データ・ストリームを復号化する関連スクランブル鍵をスクランブル解除するのに制御語が必要な場合に、後の取り出し時間が削減されることになる。しかし、制御語を利用してNビットのスクランブル解除鍵をスクランブル解除し、更に、Nビットのスクランブル解除鍵を記憶することによって、チャンネル変更時間を削減するうえで最大の利得がもたらされる。複数の番組を同時に監視することは、複数の番組識別情報すなわちPIDをPIDテーブルに追加することによって行うことができる。
【実施例】
【0011】
図1を参照すれば、放送システム1は、スクランブル・ディジタル情報を受信器100に備え、それには、ユーザによって認識することができるデータ・フレームを組み立てる前にスクランブル解除することを必要とする。ビデオ、オーディオ及びデータの放送システム110は、データ・ストリーム125における各データ・パケット131をPIDルックアップ・テーブル124における既存のエントリと比較するPID比較ブロック122に受信器入力によって受信されるデータ・パケット131を含むデータストリーム125を備える。入力データ・パケット131と既存のエントリとの間で一致が見出されれば、出力データ・パケット130がスクランブル解除器140に転送される。データ・パケット130内では、制御語132は、入力データのビデオ、オーディオ、及びデータのストリームを後に復号化するスクランブル解除鍵を復号するのに必要な情報である復号入力データを備える。復号入力データ制御語132は、通常、その中に含まれる情報を利用してNビットのスクランブル解除鍵185を生成するマイクロプロセッサ170を介してスマート・カード190に備えられる。スクランブル解除鍵185は、伝送レジスタ180に記憶され、伝送レジスタでは、ユーザが認識するのに必要な、スクランブルされたビデオ、オーディオ及びデータを解読するのに鍵を用いる。通常のビデオ・システムでは、スクランブル解除パケット145を用いて、メモリ150におけるビデオ・フレームを、MPEG−2などの既存の標準によって構成する。その後、ビデオ・ディスプレイ160によって、番組を視聴することが可能になる。
【0012】
ユーザがチャンネルを変更すると、受信器システム100は、それ自体を動作不能にし、データストリーム125におけるデータ・パケット131各々をPIDルックアップ・テーブル124内の既存のエントリと比較するPID比較ブロック122へ入力するよう、データ・パケット131を獲得する上記手順をやり直さなければならない。一致が生じると、復号入力データを備える制御語132は、新たなチャンネルの後のスクランブル解除を行うための56ビット鍵の終局的な生成を行うよう、マイクロプロセッサ170及びスマート・カード190に中継される。
【0013】
図2を参照すれば、放送システム210のユーザがチャンネル変更を開始すると、受信器システム200は、所望の番組に関連した現行のディジタル・データ・ストリームに対する、Nビットの、記憶されたスクランブル解除鍵を変更するだけでよい。バックグラウンドにおいて先行して復号化されたか、それと同時に復号化された、Nビットのスクランブル解除鍵は、何れかの新たに選択されるディジタル・データ・チャンネルのすばやいスクランブル解除を可能にする。本発明が現行の技術に施されれば、こうしたチャンネル変更の方法は、チャンネル選択遅延時間において最大40%の削減を実現することができる。
【0014】
図2は本発明を示し、ディジタル受信器200は、ユーザによって認識されるようにディジタル情報をフォーマッティングするのに必要な関連スクランブル解除ディジタル伝送ストリーム245によって、選択されるチャンネルに対するスクランブル解除鍵群273を出力させることによって、プログラムされた手段270を利用して、2つ以上のチューニング・チャンネルのうち選択される1つに対するユーザ要求に応答して、2つ以上のチューニング・チャンネル265に関連した、Nビットのスクランブル解除鍵群273を生成する、放送の伝送205を受信する。通常、そうした認識は、選択されるビデオ・ディスプレイ260が、陰極線管上や他のそうした2次元ビデオ・ディスプレイ上にピクチャを投影する場合に達成される。
【0015】
前述の監視及び復号化は、Nビットのスクランブル解除鍵の生成に将来、利用されることになる入力スクランブル解除データ制御語294の記憶によって達成することができ、メモリ275における56ビット鍵を直ちに生成することによっても達成することができる。56ビット鍵を記憶することによって、チャンネル変更時間の削減において最大の利得をもたらすが、それは、Nビット鍵を作成するよう適切な番組への入力として制御語を必要とする工程は、それが必要である際に既に実現されているものであるからである。同時のスクランブル・データ・パケットは複数存在するので、各々が、メモリ275内の別の場所に記憶される。複数の番組を同時に監視することは、複数の番組PIDをPIDテーブル230に追加することによって行うことができる。
【0016】
本発明は、例として、米国特許第5,933,192号明細書又は米国特許第6,118,498号明細書記載の、予測される次のユーザ・コマンドから導き出される制御語295を監視することによって、ユーザ・チャンネル変更時間を削減する。任意的には、放送システム210におけるチャンネル全てを、衛星受信システム開発の技術分野における当業者によって周知である技術を利用して監視し得る。所望の受信番組の前にスクランブル解除鍵全てを処理することによって、受信システム200は、トランスポンダ上に存在するチャンネル全てを監視することができる。よって、ユーザがチャンネルを変更する場合、チューナ・データ265は、スクランブル・ディジタル・データを直ちに復号化させることができるが、それは、復号入力鍵が先行して受信され、スマート・カード290に転送され、その結果、出力鍵群277がメモリ275に記憶されるからである。
【0017】
本明細書及び特許請求の範囲記載の本発明は、通常の受信器システムでは、ユーザ起動チャンネル変更の完了において約400ミリ秒の処理時間を削減することができる。
【0018】
ストリーム内のスクランブル解除入力データは、データストリームにおいて一周期レートで繰り返される。例として、一商用システムでは、このレートは、最大200ミリ秒である。スマート・カード290は通常、56ビット鍵285を生成するのに最大150秒が許容される。復号器システムは、スマート・カード290に応答し、56ビット鍵285を伝送レジスタ280に移動させ、生伝送データストリーム245の復号化を始めるのに最大50ミリ秒が許容される。
【0019】
3つの工程全てが、チャンネル変更毎に順次必要である。
【0020】
ユーザがチャンネル変更を起動させると、システムは、チューナ・データ265を介して現行番組から、メモリ277内のバックグラウンド復号化56ビット鍵に切り替えるだけでよい。プログラミングの技術分野における当業者に周知であるプログラミング手法を利用して、多くの56ビット鍵が、アクセス可能な状態で記憶される。
【0021】
従来技術では、一般的に、一度に1つのビデオ・ストリームのみが表示され、その例外としては、ピクチャ・イン・ピクチャ(PIP)や同様のシステムがあげられる。PIPシステムは、2つ以上のピクチャを同時に表示することを可能にする。しかし、現在、市場に存在するディジタルPIPシステムはわずかである。スクランブル解除データの予測的な復号化及び監視は、ディジタルPIPとともに用いることができる。更に、本発明は、ディジタルPIP機能の速度を増加させることになるが、それは、2次チャンネルが既に、ユーザが第2のピクチャを表示することを選択する前に、監視され、復号化されているからである。PIPを備えるシステムも、PIPを備えないシステムも本発明の恩恵を受けるものである。
【0022】
本明細書及び特許請求の範囲記載の本発明は、スマート・カード290が制御語295の入力を利用して、Nビット・データ暗号化復号化鍵を生成して、ディジタル・データを後にスクランブル解除することを可能にするように入力データストリームをスクランブル解除する方法を含む。スクランブル解除鍵285は、生成されると、メモリ273に記憶され、伝送データをスクランブル解除ディジタル・データ245に復号化するように、例えば、Nビット鍵として、56ビット鍵280及び伝送240に直ちに利用可能にされる。チャンネルが変更される都度、当該処理は上記工程を繰り返す。
【0023】
特に、図3及び図4を参照すれば、チャンネル変更可能数は最大、ディジタル放送システム210によって放送されるチャンネルの数、存在する。しかし、各受信器システム200は、変更可能なものの全体集合のうちの部分集合のみを利用し得る。そうした変更可能性が存在するとすれば、更に、図3を参照すれば、システム300は、ウェイト状態312にあるものでなくなり、受信器システム200は、視聴可能チャンネル320を判定する工程を開始することになる。その後、視聴チャンネルに関連した56ビットの鍵(56は例証の目的で用いているに過ぎない。)が、復号化され(330)、視聴可能チャンネルがユーザによって選択される場合に取り出し可能な状態で、メモリに記憶される。チャンネルがユーザによって選択された(360)場合、選択視聴チャンネルに関連した復号化鍵を取り出し(370)、利用して(380)、Nビット・スクランブル解除コードをスクランブル解除する(380)。スクランブル解除鍵を更に用いて、ディジタル・データ・ストリームを、視聴者によって認識可能な手段に組み立てる(390)。スクランブル解除鍵が復号化されると、システム300は、視聴可能なチャンネル全てがスクランブル解除鍵を復号化させている(330)か、否かを判定する。それらが自らの鍵を復号化させている(330)場合、システム300は、新たな視聴可能性(355)を待つ(355)。視聴可能性(355)がなくなっていない場合、判定(350)によって、当該処理が工程314に戻って、新たなスクランブル解除鍵の復号化(330)の処理が始まる。時間変動放送セキュリティ手法では、判定350は、ネットワーク・データ・パケット220を常に監視して、新たな制御語が、予測されるチャンネル放送の伝送205に施される時点を判定しなければならない。
【0024】
再度、変更可能性が存在するものとする場合、更に、図4を参照すれば、システム400は、ウェイト状態412にないことになり、システムは、視聴可能チャンネル420を判定する工程を開始することになる。その後、スクランブル解除するNビット・スクランブル解除コードに関連した制御語と、関連した視聴チャンネルが復号化され(430)、メモリに記憶され (440)、それらは、視聴可能チャンネルがユーザによって選択される場合に取り出し可能である。チャンネルがユーザによって選択された(460)場合、制御語を取り出し(470)、利用して、Nビット・スクランブル解除コードをスクランブル解除する(480)。スクランブル解除鍵を更に利用して(480)、ディジタル・データ・ストリームを、視聴者によって認識可能な手段に組み立てる。制御語が復号化されると(430)、システム(400)は、視聴可能性(450)を有するチャンネル全てが自らの制御語(410)を記憶させているかを判定する。それらが自らの鍵を記憶させている場合(440)、システムは、新たな視聴可能性(455)を待つ(455)。視聴可能性がなくなっていない場合、判定(450)によって、当該処理は工程420に戻り、新たな制御語を記憶する処理が始まる(440)。時間変動放送セキュリティ手法では、判定(450)は、ネットワーク・データ・パケット(220)を常に監視して、新たな制御語が、予測されるチャンネル放送の伝送205に施される時点を判定する。
【0025】
本願に示す本発明の形態は、好ましい実施例にすぎないこととする。種々の変更を部分の機能及び配置において行い得る。同等の手段を、本願で例証し、記載したものと置き換え得る。更に、特定の特徴を他のものとは無関係に、本特許請求の範囲記載の、本発明の技術思想及び範囲から逸脱することなく用い得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来技術の受信装置を示す構成図である。
【図2】本発明を示す構成図である。
【図3】記憶されている、Nビットの復号化鍵を利用してチャンネル選択における遅延を削減する方法を示す構成図である。
【図4】制御語を利用してチャンネル選択における遅延を削減する方法を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信器であって、
プログラムされる手段を利用して、2つ以上のチューニングされるチャンネルのうちの選択される1つに対するユーザ要求に、前記選択されるチャンネルに対するスクランブル解除鍵群のうちの1つを、選択されるビデオ・ディスプレイ内に情報をフォーマッティングするのに必要な関連スクランブル解除ディジタル伝送ストリームによって出力させることによって応答する、2つ以上のチューニングされるチャンネルを備えることを特徴とする受信器。
【請求項2】
請求項1記載の受信器であって、
前記スクランブル解除鍵群がメモリに記憶されることを特徴とする受信器。
【請求項3】
請求項1記載の受信器であって、
前記スクランブル解除鍵群を、番組選択操作モードにおいて比較して所望のディジタル伝送ストリームを識別することを特徴とする受信器。
【請求項4】
請求項2記載の受信器であって、
前記スクランブル解除鍵群が、前記2つ以上のチューニングされるチャンネルのうちの選択される1つに応じて、前記メモリから取り出されることを特徴とする受信器。
【請求項5】
受信器であって、
ディジタル伝送をチューニングし、復号化して、各々がスクランブル解除鍵と関連した2つ以上のチューニングされるチャンネルに関する制御語群を生成するチューニング及び復号化の装置と、
前記2つ以上のチューニングされるチャンネルのうちの選択される1つに対するユーザ要求に、前記選択されるチャンネルに対するスクランブル解除鍵の生成に対する、前記制御語群内の制御語のうちの1つを出力させて、ビデオ・ディスプレイ内にディジタル情報をフォーマッティングするのに必要なディジタル伝送ストリームをスクランブル解除することによって応答する、プログラムされる手段とを備えることを特徴とする受信器。
【請求項6】
請求項5記載の受信器であって、
前記制御語群がメモリに記憶されることを特徴とする受信器。
【請求項7】
請求項5記載の受信器であって、
前記制御語群を、番組選択操作モードにおいて比較して所望のディジタル・スクランブル解除鍵ストリームを識別することを特徴とする受信器。
【請求項8】
請求項6記載の受信器であって、
前記制御語群が、前記メモリから取り出され、
制御語のうちの記憶された部分は、所望のディジタル伝送ストリームに関連したスクランブル解除手段と優劣つけがたいことを特徴とする受信器。
【請求項9】
ビデオ伝送の受信方法であって、
ディジタル伝送をチューニングし、復号化して、2つ以上のチューニングされるチャンネルに関連したスクランブル解除鍵群を生成する工程と、
前記2つ以上のチューニングされるチャンネルのうちの選択される1つに対するユーザ要求に、前記選択されるチャンネルに対する前記スクランブル解除鍵群を出力させて、
ディジタル情報をビデオ・ディスプレイ内にフォーマッティングするのに必要なディジタル伝送ストリームをスクランブル解除することによって応答するよう手段をプログラムする工程とを備えることを特徴とする受信方法。
【請求項10】
請求項9記載の受信方法であって、
前記スクランブル解除鍵群をメモリに記憶する工程を更に備えることを特徴とする受信方法。
【請求項11】
請求項9記載の受信方法であって、
前記スクランブル解除鍵群を、番組選択操作モードにおいて比較して所望のディジタル伝送ストリームを識別する工程を更に備えることを特徴とする受信方法。
【請求項12】
請求項10記載の受信方法であって、
前記スクランブル解除鍵群を、前記メモリから取り出す工程を更に備え、
スクランブル解除鍵のうちの記憶された部分は、所望のディジタル伝送ストリームと優劣つけがたいことを特徴とする受信方法。
【請求項13】
受信方法であって、
ディジタル伝送をチューニングし、復号化して、各々がスクランブル解除鍵と関連した2つ以上のチューニングされるチャンネルに関する制御語群を生成する工程と、
前記2つ以上のチューニングされるチャンネルのうちの選択される1つに対するユーザ要求に、前記選択されるチャンネルに対するスクランブル解除鍵の生成に対する、前記制御語群内の制御語のうちの1つを出力させて、ディジタル情報をビデオ・ディスプレイ内にフォーマッティングするのに必要なディジタル伝送ストリームをスクランブル解除することによって応答するよう手段をプログラムする工程とを備えることを特徴とする受信方法。
【請求項14】
請求項13記載の受信方法であって、
前記制御語群をメモリに記憶する工程を更に備えることを特徴とする受信方法。
【請求項15】
請求項13記載の受信方法であって、
前記制御語群を、番組選択操作モードにおいて比較して所望のディジタル伝送ストリームを識別する工程を更に備えることを特徴とする受信方法。
【請求項16】
請求項14記載の受信方法であって、
前記制御語群を前記メモリから取り出す工程を更に備え、
制御語のうちの記憶された部分は、所望のスクランブル解除鍵と優劣つけがたいことを特徴とする受信方法。
【請求項17】
受信方法であって、
視聴可能チャンネルを判定する工程と、
前記視聴可能チャンネルに関連した復号化鍵を復号化する工程と、
前記復号化鍵を、前記視聴可能チャンネルがユーザによって選択される場合に取り出し可能な状態でメモリに記憶する工程と、
視聴可能性を有するチャンネル全てが各々のスクランブル解除鍵を復号化させているかを判定し、
視聴可能性を有するチャンネル全てが各々のスクランブル解除鍵を復号化させている訳でない場合、時間変動放送において必要であるように、新たな制御語についてディジタル伝送を監視し続ける工程とを備えることを特徴とする受信方法。
【請求項18】
請求項17記載の受信方法であって、
選択される視聴チャンネルに関連した前記スクランブル解除鍵を取り出す工程を更に備えることを特徴とする受信方法。
【請求項19】
請求項18記載の受信方法であって、
選択される視聴チャンネルに関連した前記スクランブル解除鍵を利用してディジタル・データを組み立てる工程を更に備えることを特徴とする受信方法。
【請求項20】
受信方法であって、
視聴可能チャンネルを判定する工程と、
前記視聴可能チャンネルに関連した制御語を復号化する工程と、
前記制御語を、前記視聴可能チャンネルがユーザによって選択される場合に取り出し可能な状態でメモリに記憶する工程と、
視聴可能性を有するチャンネル全てが前記制御語を復号化させているかを判定し、
視聴可能性を有するチャンネル全てが前記制御語を復号化させている訳でない場合、時間変動放送において必要であるように、新たな制御語についてディジタル伝送を監視し続ける工程を更に備えることを特徴とする受信方法。
【請求項21】
請求項20記載の受信方法であって、
前記制御語を取り出して、選択される視聴チャンネルに関連した鍵をスクランブル解除する工程を更に備えることを特徴とする受信方法。
【請求項22】
請求項21記載の受信方法であって、
選択される視聴チャンネルに関連した鍵のスクランブル解除に対する前記制御語を利用してディジタル・データを組み立てる工程を更に備えることを特徴とする受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−502575(P2007−502575A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523169(P2006−523169)
【出願日】平成16年1月20日(2004.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/001573
【国際公開番号】WO2005/020564
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】