説明

チューブリン重合阻害剤としての置換4−アミノ−5−ベンゾイル−2−(フェニルアミノ)チオフェン−3−カルボニトリルおよび置換4−アミノ−5−ベンゾイル−2−(フェニルアミノ)チオフェン−3−カルボキサミド

置換
置換4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボニトリルおよび置換4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボキサミドならびにその塩は、がんの治療に有用なチューブリン重合阻害剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「チューブリン重合阻害剤としての置換4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボニトリルおよび-3-カルボキサミド」と題する、35 USC 119(e)に基づく米国仮出願番号61/169,785(2009年4月16日出願)の利益を請求するものであり、これらは、全体として参照することにより本願に援用される。
技術分野
本発明は、置換4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボニトリルおよび4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボキサミド、その塩、それを含む医薬組成物およびチューブリン重合阻害剤としてのその使用ならびにがんの治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
微小管は、αチューブリン重合体およびβチューブリン重合体を含む細胞骨格タンパク質重合体である。それは、すべての細胞の重要な成分であり、細胞形態の維持にとって不可欠である。微小管は、細胞における分裂装置の基礎を形成し、動的に機能している微小管は、正常な細胞分裂ならびに細胞運動および結合にとって不可欠である。微小管動態の障害は、細胞周期を介して正常に進行することから細胞分裂を妨げ、G2/M細胞周期停止およびアポトーシスに至らしめる。がん細胞は、無限の複製能を獲得し、休眠または老化することなく継続的に分裂する。結果として、がん細胞は、微小管動態に著しく依存し、したがって、チューブリン重合の阻害または微小管重合体の安定化のいずれかを介して微小管動態に干渉する作用剤の影響を受けやすい。
【0003】
細胞周期のM期の間、細胞有糸分裂紡錘体を含む動的微小管は、大部分の既知のチューブリン阻害剤の標的である。さまざまな抗有糸分裂薬の作用の根本的なメカニズムは、本質的に同じである(すなわち、正常な微小管形成および動態の乱れ)が、異なるがんのタイプに対するさまざまな作用剤の活性には差異がある。たとえば、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびビノレルビンなど)は、一般に、血液がんに対して有効性が高く、ビノレルビンが非小細胞肺がんおよび乳がんにおいて活性を有するとはいえ、固形腫瘍に対して有効性が低い;タキサン(パクリタキセルおよびドセタキセルなど)は、卵巣腫瘍、乳房腫瘍および肺固形腫瘍に対して有効であるが、結腸および腎臓の固形腫瘍および血液がんに対して相対的に効果がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
抗がん剤としてチューブリン重合の強力な阻害剤である化合物を開発するのが望ましい。
【0005】
米国特許公開公報2005/0085531(Amphora)は、ATP利用酵素阻害活性を示すと言われている544チオフェン型化合物を開示している。これらの化合物として、GSK-3α、GSK-3β、KITおよびMAPKAPKの阻害剤であると言われている4-アミノ-5-ベンゾイル-2-[(2-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;オーロラA、GSK-3α、GSK-3βおよびKITの阻害剤であると言われている4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボキサミド;ならびにオーロラA、GSK-3αおよびGSK-3βの阻害剤であると言われている4-アミノ-2-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルアミノ)-5-(4-クロロベンゾイル)チオフェン-3-カルボキサミド(後記の化合物27A)が挙げられる。該化合物は、列挙した標的酵素のそれぞれに対して、同じ標的酵素に対して主に不活性な化合物の集団の平均活性よりも3σ以上大きい活性を有すると言われているが、特異的活性は付与されていない。
【0006】
米国特許公開公報2006/0041006(Plexxikon)は、ホスホジエステラーゼ(PDE)4Bに対するリガンドであると言われている281チオフェン型化合物およびPDE4Bがもたらす症状の治療におけるその使用を開示している。これらの化合物として、4-アミノ-5-(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル(後記の化合物7A)などの43の4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボニトリル類および1つの4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボキサミドが挙げられる。
【0007】
GraschenkovaらのFarmatsevtichnii Zhurnal、4、69-73(2007)は、さまざまな2-アロイル-3-アミノ-4-ニトリル-5-アリールアミノ-チオフェン類の合成および脂質低下作用を開示すると言われている。ケミカル・アブストラクトからのアブストラクトおよびインデキシングによれば、化合物4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-エチルフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル(後記の化合物15A)が、開示されていると言われていた。
【0008】
後記の化合物1A、4A、12A、17Aおよび38Aなどの多くの置換4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボニトリルおよび4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボキサミドが、科学カタログから入手可能である。
【0009】
本願で参照されるすべての文献の全体的開示は、参照することにより本発明に援用される
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の開示
第1の態様において、本発明は、式A:

[式中、
Xは、CNまたはCONH2である;
mおよびnは独立して、0、1、2または3であるが、ただし、少なくとも1つのmおよびnは0ではない;および
各Rは独立して、ハロ、シアノ、ニトロもしくは必要に応じて置換されたアルキルであるか、または-OR’、-SR’、-C(O)OR’もしくは-NR’R"である(ここで、R’は、必要に応じて置換されたアルキルであり、R"は、水素もしくはアルキルである)か、あるいは同じフェニル基上の2つの隣接するR基が一緒になって、メチレンジオキシである]
で示される置換4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボニトリルおよび置換4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボキサミドおよびその塩の、チューブリン重合阻害剤としての使用、およびチューブリン重合阻害剤によって治療することができる疾患、特にがんの治療における使用;チューブリン重合阻害剤としての使用のため、およびチューブリン重合阻害剤によって治療することができる疾患、特にがんの治療における使用のための該化合物を含む医薬組成物;チューブリン重合阻害剤としての使用のため、およびのチューブリン重合阻害剤によって治療することができる疾患、特にがんの治療における使用のための薬剤の製造における該化合物の使用;および該化合物の投与による、チューブリン重合阻害剤によって治療することができる疾患、特にがんを治療する方法である。
【0011】
第2の態様において、本発明は、医薬品としての化合物1A、4A、12A、17Aおよび38A、該化合物を含む医薬組成物、薬剤の製造における該化合物の使用ならびに該化合物の投与による疾患の治療における使用のための該化合物である。
【0012】
本発明はまた、後記の化合物2A、3A、5A、6A、8A〜11A、13A、14A、16A、18A〜26A、28A〜37Aおよび39A〜41Aなどの、本発明の第1の態様に記載した化合物の範囲内にある新規化合物およびその塩、ならびにそれらを含む医薬組成物;薬剤としての、および薬剤の製造におけるその使用;および本発明の第1および第2の態様において記載した、該化合物の投与による治療方法を包含する。これらの化合物のそれぞれが、個別に、およびすべての組み合わせにおいて開示される。
【0013】
本発明の好ましい実施態様は、本願明細書および請求の範囲によって特徴付けられる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
「アルキル」は、炭素原子からの1つの水素原子の除去によって飽和C1-3炭化水素から誘導される直鎖、分枝鎖または環式であってよい一価の基、すなわち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびシクロプロピルを意味する。本願における「アルキル」の定義が、従来の定義よりも広く、通例はシクロアルキルと称される基を包含することに留意されたい。
【0015】
「置換アルキル」は、3個までのハロゲン原子および/または-CN、-OR、-SRおよび-NR2(ここで、Rは独立して、水素またはアルキルである)から選ばれる置換基で置換される上記アルキルである。したがって、たとえば、置換アルキル基として、トリフルオロメチル、2-(ジメチルアミノ)エチルおよび3-クロロプロピルなどの基が挙げられる。
【0016】
「ハロゲン」または「ハロ」は、F、ClまたはBrを意味する。
【0017】
「塩」は、「本発明化合物」と題する欄で記載する。
【0018】
「治療有効量」は、がんを治療するためにヒトに投与される場合に、がんに対する治療を達成するのに十分な量を意味する。ヒトにおける、がんを「治療する」またはがんの「治療」は、以下のうちの1つ以上である:
(1)がんの成長を制限/阻害すること、すなわち、その進行を制限/阻止すること;
(2)がんの広がりを縮小/防止すること、すなわち、転移を縮小/防止すること;
(3)がんを緩和すること、すなわち、がんの緩解を引き起こすこと;
(4)がんの再発を減少/予防すること;および
(5)がんの症状を緩和すること。
【0019】
「併用療法」は、本発明化合物および治療される疾患のためのもう1つの療法、特にがんの化学療法の過程におけるもう1つの抗がん療法の投与を意味する。このような併用療法は、もう1つの療法の投与前、投与中および/または投与後の本発明の第1の態様の化合物の投与を包含する。本発明の第1の態様の化合物の投与は、もう1つの療法の投与から数週間の隔たりがあってもよく、その前あるいは後であってよいが、より一般的には、本発明の第1の態様の化合物の投与は、48時間以内、最も一般的には24時間以内に、もう1つの療法の少なくとも1つの態様(抗がん療法の場合、化学療法剤、分子標的治療剤、生物療法剤または放射線療法の単回投与など)を伴う。
【0020】
「もう1つの療法」は、本発明化合物による治療ではない、疾患のための療法である。がんのためのこのような「もう1つの療法」として、化学療法;分子標的療法;生物療法;および放射線療法が挙げられる。これらの療法は、単剤療法または併用療法として用いられる。
【0021】
がんのに対する化学療法剤として、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗腫瘍抗生物質、アントラサイクリン、酵素、タキサン、ビンカアルカロイド、カンプトテシンおよびエトポシドなどの天然産物、ホルモンおよびホルモンアンタゴニスト、およびアルトレタミン、三酸化ヒ素、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レバミゾール、ミトタン、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、サリドマイド、レナリドマイドなどの種々雑多な製剤、メトキサレンおよびポルフィマーナトリウムなどの光力学的化合物ならびにボルテゾミブなどのプロテアソーム阻害剤が挙げられる。
【0022】
がんに対する分子標的療法剤として、機能性治療剤、モノクローナル抗体などの表現型に対する治療剤およびがんワクチンが挙げられる。
【0023】
がんに対する生物療法剤として、インターフェロンおよびインターロイキンが挙げられる。
【0024】
がん細胞に対して作用することを意図するこれらの作用剤のほかに、抗がん療法として、アミホスチン、デクスラゾキサンおよびメスナなどの細胞保護剤;パミドロネートおよびゾレドロン酸などのホスホネート;およびエポエチン、ダルベポエチン、フィルグラスチム、PEG-フィルグラスチムおよびサルグラモスチムなどの刺激因子といったような保護剤または補助剤の使用が挙げられる。
【0025】
本発明化合物を組み合わせることができる組み合わせがん療法レジメンは、上記段落番号0021〜0023に言及した抗がん療法および/または放射線療法などの2つ以上の抗がん療法(抗がん剤)の使用を用いるすべてのレジメンを包含し、必要に応じて、上記段落番号0024に言及した保護剤および補助剤を包含する;そして、本発明化合物は、ChabnerおよびLongo編、「Cancer Chemotherapy and Biotherapy: Principles and Practice」、3rd ed. (2001)およびSkeel編、「Handbook of Cancer Chemotherapy」、6th ed. (2003)、両者ともLippincott Williams & Wilkins社、Philadelphia、Pennsylvania、U.S.A.などに言及されているレジメなどのさまざまながんの治療用で知られている既存の抗がんレジメンに加えることができ、そして抗がん療法、特に化学療法のためのレジメンは、国立癌研究所(www.cancer.gov)、米国臨床腫瘍学会(www.asco.org)および全米総合がん情報 ネットワーク(www.nccn.org)などのウェブサイトに見出すことができる。
【0026】
「含む(Comprising)」または「含む(containing)」およびそれらの文法的変形は、包含の用語であって限定の用語ではなく、述べられた成分、基、ステップなどの存在を特定することを意味するものであって、他の成分、基、ステップなどの存在を排除するものではない。したがって、「含む(Comprising)」は、「からなる(consisting of)」、「実質的にからなる(consisting substantially of)」または「のみからなる(consisting only of)」を意味しない;そして、たとえば、ある化合物を「含む」製剤は、その化合物を含まなければならないが、他の有効成分および/または賦形剤を含んでもよい。
【0027】
本発明化合物
式Aで示される化合物の塩(たとえば、医薬的に許容しうる塩)は、本発明に包含され、本願で記載する組成物、方法および使用において有用である。このような塩は、医薬的に許容しうる酸と形成されるのが好ましい。医薬的塩、その選択、製造および使用の広範囲にわたる議論については、たとえば、Stahl and Wermuth編、「Handbook of Pharmaceutically Acceptable Salts」、(2002)、Verlag Helvetica Chimica Acta、Zurich、Switzerlandを参照されたい。他に特記されない限り、本発明のいずれの化合物への言及も、該化合物およびその塩の両方への言及である。
【0028】
これらの塩は、存在する酸性プロトンが無機または有機塩基と反応する能力がある場合に形成されうる塩を包含する。代表的には、親化合物が、過剰の適切なカチオンを含む水酸化物、炭酸塩またはアルコキシドなどのアルカリ性試薬で処理される。Na+、K+、Ca2+、Mg2+およびNH4+などのカチオンが、医薬的に許容しうる塩に存在するカチオンの例である。したがって、適当な無機塩基として、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムが挙げられる。第1、第2および第3級アミン、天然置換アミンなどの置換アミンおよびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N-アルキルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジンなどの環状アミンの塩など、有機塩基を用いて塩を製造してもよい。
【0029】
本発明の第1の態様の化合物が、-NR2基などの塩基性基を含むならば、酸付加塩として製造されてもよい。該化合物の酸付加塩は、適当な溶媒中、標準的方法で、親化合物および塩酸、臭化水素酸、硫酸(硫酸塩および重硫酸塩ができる)、硝酸、リン酸など、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、サリチル酸、4-トルエンスルホン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、乳酸、2-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2.]オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、4,4’-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-ナフトエ)酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルクロン酸、グルタミン酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸などの過剰の酸から製造される。
【0030】
本発明の代表的化合物として、以下の1つ以上が当てはまる、式Aで示される化合物が挙げられる:
(1a)Xが、CNである;または
(1b)Xが、CONH2である;
(2)mが、少なくとも1、好ましくは1または2である;
(3)nが、少なくとも1、好ましくは1または2である;および
(4)少なくとも1つのRが、それが結合するフェニルの4位にある(1位を、フェニルをチオフェンに結合するカルボニル基またはアミノ基への結合点であるとみなす)か、または2つのRが一緒になってメチレンジオキシである場合、メチレンジオキシは、フェニルの3および4位にて結合する;両方のフェニルが、Rによって4位で置換されるか、または一方のフェニルがRによって4位で置換され、他方のフェニルが3,4-メチレンジオキシによって置換されるのが好ましい。
【0031】
一般に、これらの特徴のより多くを有する化合物が、これらの特徴のより少なくを有する化合物よりも好ましい;特に、すべてよりも少ない特徴を有する化合物に、これらの特徴の1つを加えることは、一般に、その特徴をもたない化合物よりも好ましい化合物をもたらす。
【0032】
本発明化合物として、化合物2A、3A、5A、6A、8A〜11A、13A、14A、16A、18A〜26A、28A〜37Aおよび39A〜41A;特に、化合物2A、3A、5A、6A、8A〜11A、13A、14Aおよび16A;特に、化合物6Aおよび10A;ならびにその塩などの実施例および後記の表などの本願明細書および請求の範囲に記載の化合物が挙げられる。本発明組成物および方法などは、化合物が、前述の化合物ならびに化合物1A、4A、7A、12A、15A、17A、27Aおよび38Aの1つである組成物および方法などを包含する。
【0033】
単純性および整合性のために、式Aで示される化合物のそれぞれは、本願明細書および請求の範囲において、以下のIUPAC命名規則の優先規則にしたがうのではなく、4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボニトリルまたは4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボキサミドの誘導体として命名される。したがって、たとえば、式:

で示される化合物6Aは、4-アミノ-5-(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリルと命名され、式:

で示される化合物1Aは、4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボキサミドと命名される。
【0034】
化合物の製造
一般的合成方法の議論における下記反応工程式において、いずれのベンゼン環にも置換基は示されていないが、本明細書において後述され、実施例によって説明されるように、置換基(所望の化合物における最終的置換基、あるいは化合物コアの形成後に変更されるその最終的置換基に至る前駆体のいずれかとして)が存在してもよいことは明らかであろう。
【0035】
カルボニトリルおよびカルボキサミドの両方に適用できる従来の一般的合成方法は、マロノニトリルまたは2-シアノアセトアミドのアニオンとイソチオシアン酸フェニルおよび2-L-アセトフェノンとの反応を含み、以下の通りである。

反応工程式中、base=塩基
【0036】
ジメチルホルムアミドなどの極性溶媒に溶解したマロノニトリル(1、X=CN)または2-シアノアセトアミド(1、X=CONH2)を塩基で処理して、対応するアニオンを形成する。マロノニトリルを用いる場合、塩基は、炭酸カリウムなどの弱塩基であってよいが、2-シアノアセトアミドを用いる場合、塩基は、一般に、金属水素化物または金属エトキシドなどの強塩基である。次いで、イソチオシアン酸フェニル(2)に続いて2-L-アセトフェノン(3、Lは、臭素、塩素、アルキルスルホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシ、特に臭素などの脱離基である)を加える。必要に応じて溶媒を除去した後、水を加えることによって、式Aで示される得られるカルボニトリル/カルボキサミド生成物を簡便に単離して、粗生成物を沈殿させ、次いで、シリカゲルクロマトグラフィーなどの従来の手段で精製することができる。
【0037】
多くのイソチオシアン酸フェニルおよび2-ブロモアセトフェノンなどの2-L-アセトフェノンがそうであるように、多くのマロノニトリルおよび2-シアノアセトアミドは、市販されている。チオホスゲンとの反応によって、対応するアニリンからイソチオシアン酸フェニルを製造してもよい(およびアニリンもまた還元によって対応するニトロベンゼンから製造される);および2-ブロモアセトフェノンもまた、酢酸中の臭素との反応によってそれらの対応するアセトフェノンから製造してもよい;多くの出発物質、したがって式Aで示される化合物の簡便な製造が可能である。
【0038】
酸付加塩を形成するための当業者に周知の技術を用いる適切な酸との反応によって、式Aで示される化合物を塩に変換してもよい。医薬的に許容しうる塩であって、固形(たとえば、非晶質または結晶など)などの単離および製剤に便利な形態を有する塩を得るために使用する酸および反応条件を選択することができる。
【0039】
使用のための化合物、組成物および用途
本発明化合物は、治療される患者および患者の症状の性質に適したいずれかの経路で投与することができる。投与経路として、静脈内、腹腔内、筋肉内および皮下注射などの注射による投与、局所適用、鼻腔用スプレー、座薬などの経粘膜または経皮デリバリーによる投与が挙げられ、あるいは、経口投与されてもよい。製剤は、必要に応じて、リポソーム製剤、乳剤、薬物を経粘膜投与するように設計された製剤または経皮製剤であってもよい。これらの投与方法のそれぞれに適した製剤は、たとえば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、20th ed.、A. Gennaro、ed.、Lippincott Williams & Wilkins社、Philadelphia、Pennsylvania、U.S.Aに見出すことができる。代表的な製剤は、経口または静脈内注入のいずれかである。代表的な投与剤形は、経口投与用の錠剤またはカプセル剤、静脈内注入用液剤および静脈内注入のための溶液として戻すための凍結乾燥粉末である。
【0040】
意図する投与形態に応じて、医薬組成物は、固体、半固体または液体投与剤形の形態であってもよく、正確な用量の単回投与に適した単位投与剤形であるのが好ましい。有効量の活性化合物に加えて、組成物は、活性化合物の医薬的に使用されうる製剤への処理を促進する補助剤などの適当な医薬的に許容しうる賦形剤を含んでもよい。「医薬的に許容しうる賦形剤」は、活性化合物の生物活性の有効性に干渉せず、投与される患者にとって毒性でないか、または望ましくなくない賦形剤または賦形剤の混合物を意味する。
【0041】
固体組成物には、従来の賦形剤として、たとえば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。液体の薬理学的に投与可能な組成物は、たとえば、本明細書に記載した活性化合物および任意の医薬的補助剤を、水、食塩水、水性デキストロースなどの水または水性賦形剤に溶解、分散させて、溶液または懸濁液を形成することによって製造することができる。要すれば、投与される医薬組成物は、酢酸ナトリウム、ソルビタンラウリン酸モノエステル、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミンといったような、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤などの少量の非毒性の補助的賦形剤を含んでもよい。
【0042】
経口投与には、組成物は、一般に、錠剤またはカプセル剤の剤形をとるか、または水性もしくは非水性溶液、懸濁液またはシロップ剤であってもよい。錠剤およびカプセル剤が、好ましい経口投与剤形である。経口用の錠剤およびカプセル剤は、ラクトースおよびコーンスターチなどの1種以上の通例用いられる賦形剤を含む。代表的には、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も加えられる。懸濁液剤を用いる場合、活性作用物質は、乳化賦形剤および懸濁化賦形剤と組み合わせてもよい。必要に応じて、香味剤、着色剤および/または甘味料を加えてもよい。経口製剤に配合する他の任意の賦形剤として、保存剤、懸濁化剤、増粘剤などが挙げられる。
【0043】
注射製剤は、溶液もしくは懸濁液、注射前の液体への可溶化もしくは懸濁に適した固形形状、または乳液製剤もしくはリポソーム製剤のいずれかの従来の剤形で製造されうる。滅菌注射製剤は、滅菌注射溶液剤、または非毒性の非経口で許容しうる希釈剤もしくは溶媒中の懸濁液剤であってもよい。使用されうる許容しうるビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌した固定油、脂肪酸エステルまたはポリオールが、溶媒または懸濁化媒体として従来的に用いられる。
【0044】
本発明の医薬組成物は、非経口投与用の凍結乾燥剤形で製剤されてもよい。凍結乾燥製剤は、水または他の水性媒体を添加することによって戻すことができ、次いで、使用前に適当な希釈剤でさらに希釈することができる。液体製剤は、一般に、緩衝性で等張性の水性溶液である。適当な希釈液の例は、等張食塩水、5%デキストロース水溶液および酢酸ナトリウムまたは酢酸アンモニウム緩衝液である。医薬的に許容しうる固体または液体賦形剤を加えて、組成物を強化または安定させるか、もしくは組成物の製造を促進することができる。
【0045】
代表的には、本発明の医薬組成物は、チューブリン重合阻害剤の投与によって治療可能な疾患、特にがんの治療における医薬組成物の使用を表示しているラベルもしくは説明書あるいはその両方を備えた容器にパッケージングされる。
【0046】
医薬組成物は、本発明化合物に加えて、1種以上の薬理学的活性作用物質をさらに含んでもよい。これらの追加の活性作用物質は、代表的に、がんの治療において有用であるか、または本発明化合物によるがんの治療を増進するために有用である。
【0047】
本発明の使用方法
後記実施例において、インビトロおよびインビボにて実証するように、本発明の第1の態様の化合物は、ヒトがん細胞株に対して活性を有し、したがって、ヒトのがんの治療のためのヒトがん化学療法剤として有用であるとみなされる。
【0048】
このように、本発明は、ヒトへの治療有効量の本発明化合物または本発明化合物を含む医薬組成物の投与による、ヒトにおけるがんの治療方法、およびヒトにおけるがんの治療のための薬剤の製造における本発明化合物の使用を包含する。必要に応じて、該方法は、治療されるがんに対する従来療法などのもう1つの抗がん療法でヒトを治療することをさらに含む。
【0049】
本発明方法によって特に治療可能ながんは、チューブリン重合阻害剤に対する感受性をもつがんである。このようながんとして、白血病などの血液悪性腫瘍、リンパ腫および骨髄異形成症候群などの上記段落番号0002に言及したものが挙げられる。本発明方法によって治療可能な他のがんとして、結腸直腸がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、膵臓がん、膀胱がん、脳腫瘍、胃腸がんおよび腎臓がんなどの固形悪性腫瘍および白血病、特にALLおよびCML、リンパ腫および骨髄異形成症候群などの血液悪性腫瘍が挙げられる。
【0050】
単独で、または通例本発明の組成物としてのいずれかで、ヒトに投与される本発明化合物の量は、単独または、もし、本発明化合物がもう1つの抗がん療法と併用で投与されるならば、もう1つの抗がん療法と併用で用いる場合の治療有効量であるべきである;もし、本発明化合物がもう1つの抗がん療法と併用で投与されるならば、ヒトに投与されるもう1つの抗がん療法の量は、同様に、本発明化合物と併用で用いる場合の治療有効量であるべきである。しかしながら、併用がん化学療法において投与される場合の本発明化合物の量およびもう1つの抗がん療法の量のいずれかの治療有効量はそれぞれ、単独でヒトにデリバリーされる場合の治療有効量よりも少ない。とはいえ、用いる療法の通例の毒性またはもう1つの療法による1つの療法の毒性の相乗作用ゆえに、各療法の最大耐量よりは減らして用いるのが、がん療法においては一般的である、
【0051】
したがって、本発明化合物またはそれを含む医薬組成物は、治療有効量の選択された化合物または組成物を投与することによって、治療を必要とするヒトにおけるがんを治療するために用いられる。本発明化合物の治療有効量は、10〜10,000 mg/m2、たとえば、30〜3000 mg/m2または100〜1000 mg/m2の範囲である。投与は、1〜35日間隔であってよい;たとえば、1〜5週間隔、特に、1、2、3または4週間隔で、あるいは数日間(たとえば、5または7日間)の1日1回投与などのより多い頻度で、2、3または4週間毎の繰り返し投与で、または2、3または4週間毎の繰り返し投与での6〜72時間の期間の連続注入での約500〜1000 mg/m2の投与であってよい。適当な用量および投与頻度は、当業者および本発明の開示によって、容易に決定することができる。本発明にしたがって、本発明化合物が投与される場合、許容できない毒物学的影響は予期されない。
【0052】
がん療法の当業者は、過度の実験をすることなく、個人的知識および本発明の開示に基づいて、特定のがんおよび疾患の段階にとっての本発明化合物治療有効量およびもう1つのがん療法(本発明化合物が化学療法の組み合わせの一部として投与される場合)の治療有効量を確かめることができる。
【0053】
以下の実施例は、本発明化合物の製造およびそのインビトロおよびインビボの抗がんアッセイにおいて予期される活性を説明する。これらのアッセイにおいて試験された他の抗がん剤が、ヒトにおける抗がん活性を示したので、これらの結果は、ヒト抗がん化学療法における効力を予測するとみなされる。これらの実施例は、当業者が、本発明をより明確に理解し、実施するのを可能にするものであり、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきではなく、本発明を説明するもの、および代表するものにすぎないとみなされるべきである。
【0054】
製造例および合成例
本発明化合物は、有機合成の通例の方法によって製造される。たとえば、Larock、“Comprehensive Organic Transformations”、Wiley-VCH、New York、New York、U.S.A.などを参照されたい。場合によっては、保護基を導入し、後に除去してもよい。適当な保護基は、Greeneらの「Protective Groups in Organic Synthesis」、2nd ed.、1991、John Wiley and Sons、New York、New York、U.S.A.に記載されている。本発明化合物は、一般に、以下の実施例に示すように、本願明細書において先に説明した合成反応工程式にしたがうか、または当業者に公知の手段によって例示の合成を修飾することによって合成することができる。製造例は、本発明化合物の合成に有用な中間体の製造を意味し、合成例は、本発明化合物の合成を意味する。化合物の番号は、これらの実施例の直後の表に記載の番号である。
【製造例1】
【0055】
化合物36Aのための中間体である、4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]イソチオシアン酸フェニルの製造
テトラヒドロフラン(2 mL)中の4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]アニリン(200 mg、1.11 mmol、1当量)の溶液に、0℃にて、ジイソプロピルエチルアミン(344 mg、2.66 mmol、2.4当量)を撹拌しながら加え、次いで、チオホスゲン(153 mg、1.33 mmol、1.2当量)を撹拌しながら滴下する。反応混合物を撹拌しながら室温まで暖め、室温にて40分間撹拌し、沈殿を形成させる。テトラヒドロフランを真空除去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、食塩水(3×10 mL)で洗浄し、次いで、酢酸エチル層を乾燥(硫酸マグネシウム)し、酢酸エチルを蒸発させて、4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]イソチオシアン酸フェニル(0.20 g)を暗褐色油状物で得、さらなる精製を行わずに用いる。
【製造例2】
【0056】
化合物39Aのための中間体である、2-ブロモ-4’-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]アセトフェノンの製造
アセトン(100 mL)中の4’-ヒドロキシアセトフェノン(3.00 g、22.0 mmol、1当量)の溶液に、塩化2-(ジメチルアミノ)エチル塩酸塩(3.49 g、23.2 mmol、1.1当量)を加え、次いで、炭酸カリウム(9.12 g、66.0 mmol、3当量)を加える。反応混合物を一夜加熱還流し、冷却し、濾過する;濾液を濃縮し、水(50 mL)を加えると、濁った溶液が形成される。塩酸(0.1N、20 mL)を加え、得られる透明な溶液を酢酸エチルで3回抽出する。水性相を、水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にし、濁った混合物を形成させ、これを酢酸エチル(5×50 mL)で抽出し、次いで、酢酸エチル層を乾燥(硫酸マグネシウム)し、酢酸エチルを蒸発させて、4’-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]アセトフェノン(2.90 g)を明黄色油状物で得、LC-MSによって同定し、純度を決定する。酢酸(5 mL)中の4’-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]アセトフェノン(1.5 g、7.24 mmol)の溶液に、臭素を滴下し、反応混合物を24℃にて3時間撹拌し、暗赤色溶液を得る。反応混合物を冷却し、水(5 mL)を加え、混合物を一夜凍結乾燥する。粗2-ブロモ-4’-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]アセトフェノンを、プレパラティブHPLCによって精製し、次いで、適当なフラクションを凍結乾燥して、2-ブロモ-4’-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]アセトフェノン(0.7 g)をオフホワイト固体で得る。
【合成例1】
【0057】
化合物6Aである、4-アミノ-5-(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリルの合成
ジメチルホルムアミド(DMF)(5 mL)中のマロノニトリル(0.40 g、6.1 mmol)の撹拌溶液に、炭酸カリウム(1.68 g、12.2 mmol、2当量)を加える。混合物を室温にて15分間撹拌し、4-エトキシイソチオシアン酸フェニル(1.07 g、6.1 mmol)を加える。さらに30分間撹拌した後、2-ブロモ-2',4'-ジメトキシ-アセトフェノン(1.57 g、6.1 mmol、1当量)を加え、混合物を室温にて一夜撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣に水(20 mL)を加える。得られる固体を濾過して集め、真空乾燥して、粗生成物2.80 gを黄色固体で得る。この粗生成物を2つの類似のバッチ(粗生成物の総量は7.7 g)と合わせ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーをヘキサン/酢酸エチル(2:1、次いで、1:1)で溶離することにによって精製して、4-アミノ-5-(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル(2.2 g)を、黄褐色固体で得る。1H NMR(DMSO-d6): δ 10.24(1H、s)、7.79(2H、br.s)、7.21(2H、d、J=8.6 Hz)、7.09(1H、d、J=8.6 Hz)、6.91(2H、d、J=9.0 Hz)、6.56(1H、d、J=2.0 Hz)、6.49(1H、dd、J=8.4 Hz、J=2.2 Hz)、4.02-3.96(2H、q、J=7.0 Hz)、3.76(3H、s)、1.92-1.57(3H、t、J=7.0 Hz)。
【合成例2】
【0058】
化合物1Aである、4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボキサミドの合成
DMF(50 mL)中の2-シアノアセトアミド(3.0 g、36 mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%鉱物油液、1.43 g、35.7 mmol、1当量)を加え、混合物を0℃にて1時間撹拌して、透明な溶液を得る。DMF(10 mL)中の4-メトキシイソチオシアン酸フェニル(15.90 g、35.7 mmol、1当量)を加え、30分間撹拌し、次いで、2-ブロモ-4’-クロロアセトフェノン(8.33 g、35.7 mmol、1当量)および炭酸カリウム(4.93 g、35.7 mmol、1当量)を加え、混合物を室温にて1週間撹拌する。水(200 mL)を加え、形成された暗色沈殿を濾過し、水(3×50 mL)、酢酸エチル(3×15 mL)およびアセトン(3×15 mL)で洗浄し、次いで、真空乾燥して、4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボキサミド(5.6 g)を明橙色固体で得る。1H NMR(DMSO-d6): δ 9.97(1H、s)、8.03(2H、s)、7.54(2H、d、J=8.2 Hz)、7.48(2H、d、J=8.2 Hz)、7.41(2H、s)、7.25(2H、d、J=8.6 Hz)、6.94(2H、d、J=8.6 Hz)、3.74(3H、s)。
【0059】
下記表において式Aで示される化合物は、1種以上の上述の方法または本明細書には詳述していない類似の方法によって製造される。純度用HPLC、同定用1種以上の質量分析(陽または陰イオン化のいずれかを用いる)およびNMR(1Hおよび/または13C)を用いて、すべての式Aで示される化合物の同定および純度測定を行い、良好な純度の予期される生成物であることを確認した。多くの他の式Aで示される化合物を同様に製造したが、さらなる式Aで示される化合物を同様に製造することができる。
【0060】
代表的な式Aで示される化合物として、以下のものが挙げられる(「正確な量」は、親化合物である;質量分析は、陽イオン化により行い、ブランクは測定を行わなかったことを意味する):


【0061】

【0062】

【0063】

【0064】

【0065】

他の本明細書化合物は、同様に製造することができるか、または本明細書の開示および当業者に公知の方法を用いて製造することができる。
【0066】
インビトロ実施例
以下の実施例は、インビトロでのヒトがん細胞株に対する本発明化合物の細胞毒性/細胞静止作用について説明する。これらのアッセイにおいて試験された他の抗がん剤が、ヒトにおける抗がん活性を示したので、これらの結果は、ヒト抗がん化学療法における効力を予測するとみなされる。
【0067】
アメリカ合衆国ヴァージニア州マナッサスのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから、細胞株A549(ヒト肺腺がん)、OVCAR-3(ヒト卵巣がん)、HL60(ヒト前骨髄球性白血病)、DLD1(ヒト結腸腺がん)およびHCT116(ヒト結腸がん)を入手した。すべての製品は、使用説明書にしたがって用いた。溶媒コントロールを用い、ヒストンリン酸化(p-H3)アッセイを2回行った。
【インビトロ実施例1】
【0068】
対数期細胞をトリプシン処理し、遠心分離によって集め、少量の新鮮な培地に再懸濁させ、トリパン・ブルー染色によって、生存細胞の密度を決定した。新鮮な培地で細胞を希釈し、最終DMSO濃度が0.5%になるように希釈した後ただちに試験化合物(濃度0.1μM〜200μM、DMSOに溶解、50 μL)を加え、次いで、96ウエルプレートに、150 μL/ウエルにて懸濁液を加え、一夜インキュベートして、接着細胞については付着させた。細胞を3日間培養した(約3回の倍増時間)。次いで、細胞を遠心分離によって集め、100 μLの培養上清を、CellTiter-Glo試薬と置き換えた。室温にて15分間インキュベートした後、プレートを照度計で読んだ。これらのアッセイにおいて、式Aで示される化合物は、以下の細胞毒性を示した。表中、細胞毒性IC50は、μMであり、1つの有効数字に四捨五入した。
【0069】

【0070】

【インビトロ実施例2】
【0071】
A549細胞の細胞周期分析
細胞培養が収穫日に80%以下の集密になるように細胞密度を選択して、75 mLのフラスコに対数期細胞を一夜播種し、細胞付着させた。約IC80にて試験化合物を加え、最終DMSO濃度を0.1%にし、次いで、細胞をさらに、1、2または3日間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を収穫し、冷PBSで洗浄し、75%水性エタノールに固定し、分析するまで-20℃にて保管した。細胞周期状態を反映する細胞DNA含量を決定するために、固定細部および/またはをリン酸緩生理食塩水で2回洗浄し、次いで、RNaseで37℃にて30分間処理した。次いで、細胞をヨウ化プロピジウムで染色し、次いで、ベクトン・ディッキンソンFACSCaliburシステムで、FACS分析を行った。上述した41種の式Aで示される化合物のうち、35種を試験し、30種が、G2/M細胞周期停止を示した。
【インビトロ実施例3】
【0072】
ヒストンリン酸化(p-H3)アッセイ
対数期A549細胞を、96ウエルプレートに播種し、一夜付着させた。試験化合物をDMSOで希釈し(一連の3倍希釈で8種の濃度)、細胞に加え(最終濃度0.5% DMSO)、細胞を4時間インキュベートした。次いで、細胞を冷リン酸緩衝生理食塩水で3回洗浄し、溶解緩衝液を加えた。4℃および遠心分離にて30分間振とうした後、ドットブロット装置によって、上清をニトロセルロース膜に移した。ウエルを洗浄した後、膜をウエスタンブロットで処理した。同じ膜において、一次ウサギ抗p-H3およびマウス抗βアクチン抗体、次いで、二次ヤギ抗ウサギIRDye800およびヤギ抗マウスAlexaFluor 680抗体で、p-H3およびβアクチンの検出を行った。オデッセイスキャナーで膜をスキャンした。0.02 μM(化合物2A)〜0.5 μM(化合物15A)のIC50で、11種の化合物1A〜15Aを試験したところ、阻害能力の傾向は、一般に、細胞毒性の傾向と同じであった。
【インビトロ実施例4】
【0073】
チューブリン重合の阻害
チューブリン重合の阻害について、無細胞蛍光アッセイにより、化合物2A、9A、12A、14Aおよび21Aを試験したところ、化合物のすべてがチューブリン重合の阻害を示した。A549細胞におけるチューブリン重合の阻害について、免疫顕微鏡法により、0.009 μM(化合物7A) to 2 μM(化合物30A)のIC50で、化合物2A、4A〜10A、12A、14A、15A、19A、29A、30Aおよび40Aを試験したところ。阻害能力の傾向は、一般に、細胞毒性の傾向と同じであった。化合物40Aは、このアッセイでは不活性であった。
【インビトロ実施例5】
【0074】
その他のアッセイ
交差耐性について、P388(マウス白血病)細胞株において、P388およびP388/ADR(ドキソルビシン耐性)細胞の両方におけるその細胞毒性をアッセイすることにより、化合物2A、9Aおよび12Aを試験した。ドキソルビシン自体が200倍の耐性比を示し、ビンブラスチンが、50倍の耐性比を示し、コルチシン(チューブリンインヒビター)が、70倍の耐性比を示したが、化合物2A、9Aおよび12Aはすべて、2倍以下の耐性比を示した。より細胞毒性の強いいくつかの式Aで示される化合物を試験したところ、がん細胞における多剤耐性に関連する排出ポンプであるP-糖タンパク質の基質でないことが見出された。
【0075】
インビボ実施例
【インビボ実施例1】
【0076】
HL60異種移植片アッセイ、経口投与
6-8週齢(約20 g)の雄性無胸腺nu/nuマウスの右前脇腹に、少なくとも2代継代期間、無抗生物質培地で成長させたHL60(ヒト前骨髄球性白血病)細胞株の約1×107個の細胞を皮下埋め込みした。腫瘍埋め込みから約6日後、腫瘍重量が約50-250 mgになったとき、マウスを処置グループに割り当てた。試験化合物を0.55 重量%の水性カルボキシメチルセルロースに20 mg/mLで懸濁させた。マウスのグループを、処置開始から1-5および8-10日の1日1回の胃管栄養によって、200 mg/Kgの化合物2A、9Aおよび12Aならびにビヒクルコントロールで処置した。処置の最終日に、腫瘍増殖の阻害を測定した。試験した3つの化合物のすべてが、このアッセイにおいて活性があり、ビヒクルに比べて、化合物2Aは腫瘍増殖を46%阻害し、化合物9Aは43%阻害し、化合物12Aは66%阻害した。
【インビボ実施例2】
【0077】
HCT116異種移植片アッセイ、経口投与
6-8週齢(約20 g)の雄性無胸腺nu/nuマウスの右前脇腹に、少なくとも2代継代期間、無抗生物質培地で成長させたHCT116(ヒト結腸がん)細胞株の約1×107個の細胞を皮下埋め込みした。腫瘍移植から約14-21日後、腫瘍重量が約50-250 mgになったとき、マウスを処置グループに割り当てた。試験化合物を0.55 重量%の水性カルボキシメチルセルロースに20 mg/mLで懸濁させた。マウスのグループを、処置開始から1-5および8-12日の1日1回の胃管栄養によって、200 mg/Kgの化合物2A、9Aおよび12Aならびにビヒクルコントロールで処置した。処置の最終日から2日後に、腫瘍増殖の阻害を測定した。試験した3つの化合物のすべてが、このアッセイにおいて活性があり、ビヒクルに比べて、化合物2Aは腫瘍増殖を35%阻害し、化合物9Aは36%阻害し、化合物12Aは46%阻害した。
【インビボ実施例3】
【0078】
HL60異種移植片アッセイ、経口投与
概してインビボ実施例1に記載のように、実験を行った。マウスのグループを、処置開始から1-5および8-10日の1日1回の胃管栄養によって、200 mg/Kgの化合物5A、6A、7A、8Aおよび10Aならびにビヒクルコントロールで処置した。処置の最終日の後に、腫瘍増殖の阻害を測定した。試験した5つのうち4つの化合物が、このアッセイにおいて活性があり、ビヒクルに比べて、化合物5Aは腫瘍増殖を45%阻害し、化合物96Aは89%阻害し、化合物7Aは45%阻害し、化合物10Aは67%阻害したが、化合物8Aは、10%しか阻害しなかった(統計的に有意な値ではない)。
【0079】
製剤例
【製剤例1】
【0080】
経口投与用製剤
以下の成分:
本発明化合物 25.0% w/w
ステアリン酸マグネシウム 0.5% w/w
デンプン 2.0% w/w
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.0% w/w
微結晶セルロース 71.5% w/w
を合わせ、混合物を圧縮して錠剤を成形するか、または硬ゼラチンカプセルに充填して、本発明化合物をたとえば100 mg含有する経口投与用固体製剤を製造する。錠剤は、要すれば、塗膜形成剤(たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、色素(たとえば、二酸化チタンなど)および可塑剤(たとえば、フタル酸ジエチルなど)の懸濁液を適用し、溶媒を蒸発させて塗膜を乾燥させることによって、コーティングされてもよい。
【製剤例2】
【0081】
静脈内投与用製剤
たとえば、本発明化合物を100 mg含む静脈内投与用製剤は、本発明化合物を、たとえば医薬的に許容しうる塩として、濃度1% w/vになるようにリン酸緩衝液に溶解し、たとえば滅菌濾過などによって溶液を滅菌し、滅菌容器に密閉することによって製造される。
【0082】
別法として、本発明化合物を、たとえば医薬的に許容しうる塩として、たとえば上述のリン酸緩衝生理食塩水などの適当な緩衝液に溶解し、必要に応じて増量剤およびその他の医薬的に有用な賦形剤を添加し、該溶液を滅菌し、適当な滅菌バイアルに分注し、水を除去して溶液を凍結乾燥し、バイアルを密閉することによって、凍結乾燥製剤を製造する。滅菌水を加えて凍結乾燥製剤を戻し、戻した溶液を投与用に、0.9%塩化ナトリウム静注液または5%デキストロース静注液などの溶液でさらに希釈してもよい。
【0083】
本発明を特定の実施態様および実施例とともに記載したが、特に開示した物質および方法の等価物もまた本発明に適用可能であり、このような等価物が以下の請求の範囲に包含されることを意図するものであることは、当業界のスキルおよび本明細書の開示を有する当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブリン重合阻害剤によって治療することができる疾患、特にがんの治療のための薬剤の製造における、式A:

[式中、
Xは、CNまたはCONH2である;
mおよびnは独立して、0、1、2または3であるが、ただし、少なくとも1つのmおよびnは0ではない;および
各Rは独立して、ハロ、シアノ、ニトロもしくは必要に応じて置換されたアルキルであるか、または-OR’、-SR’、-C(O)OR’もしくは-NR’R"である(ここで、R’は、必要に応じて置換されたアルキルであり、R"は、水素もしくはアルキルである)か、あるいは同じフェニル基上の2つの隣接するR基が一緒になって、メチレンジオキシである]
で示される置換4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボニトリルおよび置換4-アミノ-5-ベンゾイル-2-(フェニルアミノ)チオフェン-3-カルボキサミドおよびその塩の使用。
【請求項2】
チューブリン重合阻害剤によって治療することができる疾患、特にがんの治療のためなどの薬剤の製造における、
1A;4A;12A;17A;38A;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボキサミド;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-メトキシベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;および
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-フルオロフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
から選ばれる式Aで示される化合物およびその塩の使用。
【請求項3】
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-ブロモベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(3,4-ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-メトキシベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボキサミド;
4-アミノ-5-[4-(ジメチルアミノ)ベンゾイル]-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-メトキシベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-[4-(ジメチルアミノ)ベンゾイル]-2-[(3,4-ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボキサミド;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-メチルフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(3,4-ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-メチルベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-シアノベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(2-メトキシベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(2,4-ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-ブロモベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(3-メトキシベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-[4-(ジメチルアミノ)ベンゾイル]-2-[(2,4-ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-メトキシベンゾイル)-2-[(3,4-ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-イソプロピルフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-{[4-(メトキシカルボニル)フェニル]アミノ}チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-メトキシベンゾイル)-2-[(2,4-ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-フルオロベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(3-シアノベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(3-クロロベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-({4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}アミノ)チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-ニトロフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-{4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]ベンゾイル}-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-シアノフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;および
4-アミノ-5-(3-ブロモベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
およびその塩から選ばれる化合物。
【請求項4】
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-ブロモベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(3,4-ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-メトキシベンゾイル)-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボキサミド;
4-アミノ-5-[4-(ジメチルアミノ)ベンゾイル]-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-メトキシベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-[4-(ジメチルアミノ)ベンゾイル]-2-[(3,4-ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボキサミド;
4-アミノ-5-(4-クロロベンゾイル)-2-[(4-メチルフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;および
4-アミノ-5-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリル;
およびその塩から選ばれる請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
4-アミノ-5-(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2-[(4-エトキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリルまたはその塩である請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
4-アミノ-5-(4-メトキシベンゾイル)-2-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)アミノ]チオフェン-3-カルボニトリルまたはその塩である請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2012−524066(P2012−524066A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505897(P2012−505897)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/023561
【国際公開番号】WO2010/120400
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(593182956)テリック,インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】