説明

チロシナーゼ阻害剤としてのヒドロキシベンジル又はヒドロキシピラノンメチルエステル

皮膚美白化エステル化合物の製造方法並びにエステル化合物を含む皮膚美白化組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラニン形成を減少させる置換ヒドロキシアリール又はヒドロキシピラノンメタノールのエステルを基材とする組成物に関する。本発明の別の態様は前記組成物及びエステルの製造方法並びに前記組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の高色素沈着は、チロシンから形成される黒色色素であるメラニンの形成に直接関係する。チロシンからメラニンへの転化の最初の工程には、酵素チロシナーゼが介在する。チロシナーゼの有効な阻害剤は、メラニン形成を阻害することができ、皮膚の不所望な色素沈着の減少(例えば皮膚美白化(skin brightening)、肌の色合い(tone)の均一化又はしみの発生の減少)に有用である。現在のところ、ヒドロキノン、コウジ酸及びアルブチンを含むいくつかのチロシナーゼ阻害剤が市場に出回っている。しかし、これらの製品はいずれにも欠点がある。例えばコウジ酸はバイオアベイラビリティが低いので、効果が充分とは言えない。別の例であるヒドロキノンは空気、光及びチロシナーゼ自体で酸化される。ヒドロキノンのこのような酸化生成物は皮膚炎、そしておそらくは細胞毒性に関係している。
【0003】
コウジ酸は、皮膚美白化成分としてよく使用される。これは、安全であり且つ局所使用に有効であることがわかっている真菌代謝産物である(非特許文献1に概説されている)。コウジ酸のモノエステル及びジエステルも文献記載されており(特許文献1)、皮膚のメラニン形成を阻害するような優れたチロシナーゼ阻害活性を有するようである。この阻害作用は、皮膚の美白化に優れた効果をもたらすことができる。
【0004】
親分子がエノールアルコール(又はフェノール)と第一アルコールを共に有するので、コウジ酸又は4−ヒドロキシベンジルアルコールからは2つの異なるモノエステルが製造される可能性がある。特許文献1に報告されているコウジ酸のモノエステルは、高温条件下で化学的方法によって製造され、第一アルコールのエステルを生じた。使用する激しい条件は、熱的に不安定な反応相手には適さないであろう。コウジ酸はエノール酸素で特異的に酵素的にアシル化されることが報告されている(非特許文献2)。矛盾した報告であるが、特許文献2は、コウジ酸が、アシル化剤として酸又はビニルエステルを用いる場合に、ヒドロキシメチル酸素で酵素的にアシル化されることを示した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,369,174号(Nagai,S.;Izumi,T.)
【特許文献2】特願2002−257704(特開2003−155283)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Burdock et al.,2001,Regulatory Toxicology and Pharmacology 33:80−101
【非特許文献2】Liu,K.−J.;Shaw,J.−F.J.Am.Oil Chem.Soc.1998,75,1507−1511
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バイオアベイラビリティがより高く且つより有効な阻害剤は皮膚炎を起こさずに顕著な美白化のメリットを与える可能性を更に増す。他のメリットとしては、使いやすさ、改善された保存寿命及び減少した適用頻度が挙げられる。本発明の目的は、このような化合物及び組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、酵素の存在下で及び有機溶媒の存在下又は不存在下において、式2:
【0009】
【化1】

【0010】
で表されるアルコールを式3:
【0011】
【化2】

【0012】
の酸誘導体と反応させることを含んでなる式1:
【0013】
【化3】

【0014】
で表されるエステル化合物の製造方法に関する。RはC6〜C20炭素環式ヒドロキシアリール、置換ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル[置換基はC1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、置換C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1〜C6アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ、−O−R2、S−R2、−SO2−R2、−NHSO22及び−NHCO22(R2はフェニル、ナフチル、又はC1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1〜3個の基で置換されたフェニル若しくはナフチルである)からなる群から選ばれる]、及びC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれる。R1は、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物から選ばれる。更に、R4は水素、C1〜C4アルキル及びC2〜C4アルケニルからなる群から選ばれる。
【0015】
別の態様は、酵素の存在下で及び有機溶媒の存在下又は不存在下において、式4:
【0016】
【化4】

【0017】
で表されるエステルを式3:
【0018】
【化5】

【0019】
の酸誘導体と反応させることを含んでなる式1:
【0020】
【化6】

【0021】
で表されるエステル化合物の製造方法に関する。RはC6〜C20炭素環式ヒドロキシアリール、ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル及びC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれる。R1は、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。更に、R4が水素、C1〜C4アルキル及びC2〜C4アルケニルからなる群から選ばれ、R5が水素又はC1〜C4アルキルである。
【0022】
更に別の態様は、酵素の存在下で及び有機溶媒の存在下又は不存在下において、式2:
【0023】
【化7】

【0024】
で表されるアルコールを式5:
【0025】
【化8】

【0026】
で表される酸無水物と反応させることを含んでなる式1:
【0027】
【化9】

【0028】
で表されるエステル化合物の製造方法に関する。RはC6〜C20炭素環式ヒドロキシアリール、ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル及びC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれ、R1はC1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。更に、R6がC1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物から選ばれる。
【0029】
更に別の態様は、式1:
【0030】
【化10】

【0031】
で表されるエステル化合物及び化粧品用として許容され得る担体を含んでなる皮膚の美白化組成物に関する。Rは、C6〜C20炭素環式ヒドロキシアリール、ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル及びC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれ、R1は、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の一態様は、コウジ酸及びヒドロキシベンジルアルコールモノエステル並びにエステルがエノール酸素ではなく一級酸素において形成された関連物質を製造するための穏やかで、簡単で且つ新規な生体触媒による方法に関する。これらの化合物は、極めて有効なチロシナーゼ阻害剤としてとして作用する。
【0033】
本発明の一態様は、一般式1:
【0034】
【化11】

【0035】
[式中、RはC6〜C22炭素環式ヒドロキシアリール、置換ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル及び置換若しくは非置換のC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)から選ばれ、及び
1は置換及び非置換の分岐及び直鎖飽和C1〜C22アルキル、置換及び非置換の分岐及び直鎖C2〜C22アルケニル、置換及び非置換の分岐及び直鎖C4〜C22ジエニル、置換及び非置換の分岐及び直鎖C6〜C22トリエニル並びに置換及び非置換の分岐及び直鎖C8〜C22テトラエニル又はそれらの混合物から選ばれる]
で表されるエステル化合物の製造方法に関する。
【0036】
Rが表すことができるアリール基としては、フェニル、ナフチル又はアントラセニル、並びにヒドロキシル基及び1〜3個の追加置換基で置換されたフェニル、ナフチル又はアントラセニルが挙げられ、前記追加置換基はC1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、置換C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1〜C6アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ、−O−R2、S−R2、−SO2−R2、−NHSO22及び−NHCO22(R2はフェニル、ナフチル、又はC1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1〜3個の基で置換されたフェニル若しくはナフチルである)から選ばれる。
【0037】
Rが表すことができるヘテロアリール基としては、酸素、硫黄及び窒素から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含む5員又は6員ヒドロキシ置換芳香環が挙げられる。このようなヘテロアリール基の例はヒドロキシチエニル、ヒドロキシフリル、ヒドロキシピロリル、ヒドロキシイミダゾリル、ヒドロキシピラゾリル、ヒドロキシチアゾリル、ヒドロキシイソチアゾリル、ヒドロキシオキサゾリル、ヒドロキシイソオキサゾリル、ヒドロキシトリアゾリル、ヒドロキシチアジアゾリル、ヒドロキシオキサジアゾリル、ヒドロキシテトラゾリル、ヒドロキシピリジル、ヒドロキシピリミジル、ヒドロキシベンゾオキサゾリル、ヒドロキシベンゾチアゾリル、ヒドロキシベンズイミダゾリル、ヒドロキシインドリルなどである。ヘテロアリール基は、例えばC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル及びC2〜C6アルカノイルアミノのような3個以下の追加の基で置換されることができる。ヘテロアリール基はまた、縮合環系、例えばベンゾ又はナフト残基で置換されることができ、前記ベンゾ又はナフト残基は例えば、前記文中に記載した基3個以下で置換されていても非置換でもよい。
【0038】
用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含めるために用いる。
【0039】
1が表すことができるアルキル、アルケニル、ジエニル、トリエニル及びテトラエニル基は、炭素原子が約20以下の直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基であることができ、例えば、C1〜C6アルコキシ、シアノ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール、ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、ジチオラン及びハロゲンから選ばれた1〜3個の基で置換されることができる。用語「C1〜C6アルコキシ」、「C2〜C6アルコキシカルボニル」及び「C2〜C6アルカノイルオキシ」は、それぞれ、構造−OR3、−CO23及び−OCOR3(R3はC1〜C6アルキル又は置換C1〜C6アルキルである)に対応する基を示すのに用いる。
【0040】
現在好ましい本発明の化合物はRがフェノール及び置換ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イルから選ばれる式1の化合物である。特に好ましい化合物はRが4−ヒドロキシフェニルであり且つR1がC1〜C16直鎖アルキル基から選ばれる構造1並びにRが5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イルであり且つR1がC1〜C16直鎖アルキル基及び4−(1,2−ジチオラン−3−イル)−1−ブチルから選ばれる構造1で表される。
【0041】
この方法は、酵素の存在下で及び有機溶媒の存在下又は不存在下において、アルコール2:
【0042】
【化12】

【0043】
を式3:
【0044】
【化13】

【0045】
の酸誘導体と反応させて望ましいエステル1を形成することを含む。前記アルコール2の置換基R及び前記酸誘導体3のR1は前に定義した通りであり、前記酸誘導体の置換基R2は水素、C1〜C4置換又は非置換アルキル基及びC2〜C4アルケニル基から選ばれる。C1〜C4アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチルなどが挙げられる。C2〜C4アルケニル基の例としては、ビニル、1−プロペニル、1−イソプロペニル、1−ブテニルなどが挙げられる。好ましい置換基R4としては、水素、メチル、エチル及びビニルが挙げられ、水素及びビニルが最も好ましい。
【0046】
この方法は、更なる溶媒を用いずに、或いは任意的に環状若しくは非環状エーテル溶媒(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル若しくはテトラヒドロフラン)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン若しくはキシレン)、脂肪族若しくは脂環式飽和若しくは不飽和炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン若しくはリモネン)、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、テトラクロロエチレン若しくはクロロベンゼン)、極性非プロトン性溶媒(例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド若しくはジメチルスルホキシド)又はそれらの混合物から選ばれた不活性溶媒中で実施できる。好ましい溶媒はトルエン及びアセトニトリルである。この方法は、約−100℃〜溶媒の沸点、好ましくは約0〜70℃、最も好ましくは20〜60℃の温度において実施できる。酸誘導体3の量は、2に基づき、0.85〜20当量であることができ、好ましくは1〜10当量である。この方法に使用する酵素はプロテアーゼ、リパーゼ又はエステラーゼから選ばれる。好ましい酵素はリパーゼである。これらのリパーゼは細胞全体、単離天然酵素の形態であることもできるし、担体に固定させることもできる。これらのリパーゼの例としては、Lipase PS(Pseudomonasの種に由来)、Lipase PS−C(セラミックに固定されたPseudomonasの種に由来)、Lipase PS−D(珪藻土に固定されたPseudomonasの種に由来)、Lipoprime 50T、Lipozyme TL IM又はNovozym 435(アクリル樹脂に固定されたCandida antarcticaに由来)が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0047】
この方法は、任意的に、分子篩(モレキュラーシープ)又はイオン交換樹脂から選ばれた種々の追加物の存在下で、実施できる。特に好ましいのは分子篩である。これは、これらの材料が反応の間に発生する水又は低級鎖アルコールのような副生成物を除去できるからである。これらの例には、3A、4A及び5A分子篩がある。
【0048】
この方法の生成物は、当業者に知られた方法、例えば抽出、濾過又は結晶化を用いて単離できる。生成物1は、必要ならば、当業者に知られた方法、例えば抽出、クロマトグラフィー、蒸留又は結晶化を用いて精製できる。
【0049】
本発明の別の態様は、酸素の存在下で及び有機溶媒の存在下又は不存在下において、エステル4:
【0050】
【化14】

【0051】
を式3:
【0052】
【化15】

【0053】
の酸誘導体とエステル交換して所望のエステル1を形成することを含む。前記エステル4の置換基R並びに前記酸誘導体のR1及びR4は前に定義した通りであり、前記エステル4の置換基R5は水素及びC1〜C4置換又は非置換アルキル基から選ばれる。C1〜C4アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチルなどが挙げられる。好ましい置換基R5としては、水素、メチル及びエチルが挙げられる。
【0054】
この方法は、更なる溶媒を用いずに、或いは任意的に環状若しくは非環状エーテル溶媒(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル若しくはテトラヒドロフラン)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン若しくはキシレン)、脂肪族若しくは脂環式飽和若しくは不飽和炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン若しくはリモネン)、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、テトラクロロエチレン若しくはクロロベンゼン)、極性非プロトン性溶媒(例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド若しくはジメチルスルホキシド)又はそれらの混合物から選ばれた不活性溶媒中で実施できる。好ましい溶媒はトルエン及びアセトニトリルである。この方法は、約−100℃〜溶媒の沸点、好ましくは約0〜70℃、最も好ましくは20〜60℃の温度において実施できる。酸誘導体3の量は、4に基づき、0.85〜20当量であることができ、好ましくは1〜10当量である。この方法に使用する酵素はプロテアーゼ、リパーゼ又はエステラーゼから選ばれる。好ましい酵素はリパーゼである。これらのリパーゼは細胞全体、単離天然酵素の形態であることもできるし、担体に固定させることもできる。これらのリパーゼの例としては、Lipase PS(Pseudomonasの種に由来)、Lipase PS−C(セラミックに固定されたPseudomonasの種に由来)、Lipase PS−D(珪藻土に固定されたPseudomonasの種に由来)、Lipoprime 50T、Lipozyme TL IM又はNovozym 435(アクリル樹脂に固定されたCandida antarcticaに由来)が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0055】
この方法は任意的に、分子篩又はイオン交換樹脂から選ばれた種々の追加物の存在下で実施できる。特に好ましいのはイオン交換樹脂である。これらの樹脂の例は、Amberlite(登録商標)又はAmberlyst(登録商標)弱塩基性樹脂、例えばAmberlite IRA−95、Amberlite IRA−94及びAmberlyst A−21であるが、任意の弱塩基性樹脂が許容され得るようである。
【0056】
この方法の生成物は、当業者に知られた方法、例えば抽出、濾過又は結晶化を用いて単離できる。生成物1は、必要ならば、当業者に知られた方法、例えば抽出、クロマトグラフィー、蒸留又は結晶化を用いて精製できる。
【0057】
本発明の別の実施態様は、酸素の存在下で及び有機溶媒の存在下又は不存在下において、アルコール2:
【0058】
【化16】

【0059】
を式5:
【0060】
【化17】

【0061】
の酸無水物と反応させて、所望のエステル1を形成することを含む。前記アルコール2の置換基R及び前記酸無水物5のR1は前に定義した通りであり、前記酸無水物の置換基R6は、置換及び非置換の分岐及び直鎖飽和C1〜C22アルキル、置換及び非置換の分岐及び直鎖C2〜C22アルケニル、置換及び非置換の分岐及び直鎖C4〜C22ジエニル、置換及び非置換分岐及び直鎖C6〜C22トリエニル、並びに置換及び非置換の分岐及び直鎖C8〜C22テトラエニル又はそれらの混合物から選ばれる。好ましい酸無水物としてはR1とR6が同一のものが挙げられる。
【0062】
この方法は、更なる溶媒を用いずに、或いは任意的に環状若しくは非環状エーテル溶媒(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル若しくはテトラヒドロフラン)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン若しくはキシレン)、脂肪族若しくは脂環式飽和若しくは不飽和炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン若しくはリモネン)、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、テトラクロロエチレン若しくはクロロベンゼン)、極性非プロトン性溶媒(例えばアセトニトリル若しくはジメチルホルムアミド)又はそれらの混合物から選ばれた不活性溶媒中で実施できる。好ましい溶媒はトルエン及びアセトニトリルである。この方法は、約−100℃〜溶媒の沸点、好ましくは約0〜70℃、最も好ましくは20〜60℃の温度において実施できる。酸無水物の量は、2に基づき、0.85〜20当量であることができ、好ましくは1〜5当量である。この方法に使用する酵素はプロテアーゼ、リパーゼ又はエステラーゼから選ばれる。好ましい酵素はリパーゼである。これらのリパーゼは細胞全体、単離天然酵素の形態であることもできるし、担体に固定させることもできる。これらのリパーゼの例としては、Lipase PS(Pseudomonasの種に由来)、Lipase PS−C(セラミックに固定されたPseudomonasの種に由来)、Lipase PS−D(珪藻土に固定されたPseudomonasの種に由来)、Lipoprime 50T、Lipozyme TL IM又はNovozym 435(アクリル樹脂に固定されたCandida antarcticaに由来)が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0063】
この方法の生成物は、当業者に知られた方法、例えば抽出、濾過又は結晶化を用いて単離できる。生成物1は、必要ならば、当業者に知られた方法、例えば抽出、クロマトグラフィー、蒸留又は結晶化を用いて精製できる。
【0064】
哺乳類の皮膚におけるチロシンからのメラニン生合成の初期工程は、酵素チロシナーゼによって触媒される。チロシナーゼを阻害する化合物は皮膚色素沈着の減少に有効である。化合物が皮膚色素沈着を減少させる能力は、インビトロ・アッセイでチロシナーゼ阻害活性を測定することによって非常に効果的に予測できる。精製されたチロシナーゼ(通常はマッシュルーム(mushroom)に由来)をチロシナーゼの基質(L−DOPA)と種々の濃度の被験化合物の存在下でインキュベートする。試験化合物の濃度依存性活性を、比色反応であるL−DOPAのチロシナーゼ触媒酸化の阻害度として測定する。皮膚美白化合物の活性の他の試験方法は、培養された初代又は継代(immortalized)メラノサイト細胞培養物(多くの場合、ネズミ科動物又はヒト由来)を化合物に暴露し、メラニン産生を測定し、共培養されたメラノサイト、ケラチノサイト及び/若しくは繊維芽細胞を含む再構成皮膚モデルを暴露し、又は皮膚の色又は反射率を監視しながら、ヒト被検者の皮膚に化合物を適用することを含む(例えばVirador et al.Analytical Biochemistry 1999,270,207;Boissy et al.Experimental Dematology 2005,14,601)。
【0065】
チロシナーゼ阻害アッセイは、試験化合物の潜在的皮膚美白化活性を測定するための一般に認められている方法である(例えば、Um et al.Bioorganic & Medicinal Chemistr 2003,11,5345)。本発明のエステルは酵素チロシナーゼを阻害する強力な能力を示す。
【0066】
本発明の典型的な皮膚美白化組成物は、本発明に係るエステルを少なくとも0.0001重量%含む。例えば、この組成物は本発明に係るエステルを約0.0001%〜約10.0重量%又は約0.001%〜約2.0重量%含むことができる。高色素沈着状態がそれほど顕著でない場合並びに皮膚美白化処理後に使用されるサンスクリーン及びサンブロック中にはこれより低濃度も使用でき、より急性の色素沈着状態の場合にはより高濃度も使用できる。推奨範囲は、組成物中に使用される全ての補助成分と使用者の肌色及び肌質並びに高色素沈着問題の重症度によっても異なる。
【0067】
本発明の皮膚美白化組成物は、エステルに加えて他の皮膚美白化成分を含むこともできる。このような他の成分は当業者に知られている。
【0068】
典型的には、皮膚部位への局所適用は担体と共に行う。使用する場合には、担体は活性若しくは補助成分の失活又は酸化を引き起こさないという意味において、また、適用皮膚領域に対して副作用を起こさないという意味において不活性である。例えば、本発明に係る化合物は、局所適用を容易にするために、及び場合によっては、もたらされるかもしれない更なる有益な効果(例えば皮膚患部の保湿によって)を提供するように、皮膚科学的に許容され得る担体又は賦形剤と混合して(例えばローション剤、クリーム、軟膏、石けん、スティックなどとして)適用する。多くの製剤が当業界で知られており、その例としては、油及び/若しくはアルコールを含むローション剤並びに皮膚軟化剤、例えばオリーブ油、炭化水素油及びワックス、シリコーン油、他の植物、動物若しくは海産脂肪若しくは油、グリセリド誘導体、脂肪酸若しくは脂肪酸エステル又はアルコール若しくはアルコールエーテル、レシチン、ラノリン及び誘導体、多価アルコール若しくはエステル、ワックスエステル、ステロール、リン脂質など、一般には更にまた乳化剤(非イオン性、陽イオン性又は陰イオン性)が挙げられるが、皮膚軟化剤の一部は本質的に乳化性を有する。これらの同じ一般的成分をローション剤ではなくクリーム中に、又はゲル中に、又は固体スティック中に、成分を種々の割合で用いることによって及び/又はガム若しくは他の形態の親水性コロイドのような増粘剤を含ませることによって、配合することができる。
【実施例】
【0069】
本発明が提供する方法を以下の例によって更に説明する。
実施例1
5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−メチルアセテート(1a)の製造
2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;500mg;3.52ミリモル)をアセトニトリル10mL中でスラリー化した。酢酸ビニル(324μL;3.52ミリモル;1.0当量)を、次いでNovozyme 435 120mgを添加した。混合物を50℃まで6時間加熱した。その時点でtlc分析は1aへのかなりの転化を示す。酢酸ビニルを更に0.2当量添加し、混合物を一晩加熱して、少量の残留2aが得られた。酢酸ビニルを更に0.2当量添加し、混合物を50℃において12時間加熱した。tlc分析によれば、2aは完全に消費されていた。混合物を温かいうちに濾過して、酵素を除去し、濾液をストリッピングして1aを0.64g(99%)得た。この化合物は、2a(EC50 0.015mM)よりもかなり優れたチロシナーゼの強力な阻害剤であった(EC50 0.0049mM)(表I参照)。
【0070】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.24(br s,1H);8.08(s,1H);6.47(s,1H);4.93(s,2H);2.10(s,3H)。
【0071】
比較例1
2−ヒドロキシメチル−4H−ピラン−4−オン−5−イルアセテート(6a)の製造
2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;1.00g;7.04ミリモル)をジクロロメタン30mL中でスラリー化した。トリエチルアミン(1.47mL;10.6ミリモル;1.5当量)を添加し、次いで無水酢酸(0.69mL;7.04ミリモル;1.0当量)を滴加した。不均一混合物が30分かけて均一になり、それを一晩撹拌した。tlc分析(酢酸エチル溶離剤)によって、中間極性の大きいスポットと無極性スポットを得た。反応混合物を濃縮し、フラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、4:1酢酸エチル:ヘプタン〜100%酢酸エチルの溶媒勾配を用いて溶離させた。中間スポットのセンターカットを収集し、6aを415mg(32%)得た。この化合物は2a(EC500.015mM)に比較してそれほど強力でないチロシナーゼの阻害剤であった(EC500.084mM)(表I参照)。
【0072】
1H NMR(DMSO−d6)δ8.46(s,1H);6.42(s,1H);5.77(br s,1H);4.34(br s,2H);2.25(s,3H)。
【0073】
実施例2
5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−メチルプロピオネート(1b)の製造
Novozyme 435(120mg)及び乾燥させた4A分子篩(1g)を50mLフラスコに加えた。2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;500mg;3.52ミリモル)を加え、アセトニトリル10mLで洗浄した。プロピオン酸(525μL;7.04ミリモル;2当量)を加え、混合物を一晩50℃まで加熱した。その時点でtlc分析(酢酸エチル溶離剤)は1bへの転化を示した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。粗製生成物をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、4:1酢酸エチル:ヘプタンで溶離させて、1bを285mg(41%)得た。この化合物はチロシナーゼの強力な阻害剤であり(EC500.0046mM)、2a(EC500.015mM)よりもかなり優れていた(表I参照)。
【0074】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.25(br s,1H);8.09(s,1H);6.46(s,1H);4.95(s,2H);2.42(q,2H,J=7.42Hz);1.04(t,3H,J=7.42Hz)。
【0075】
実施例3
無水プロピオン酸を用いた酵素的エステル化による5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−メチルプロピオネート(1b)の製造
2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;500mg;3.52ミリモル)をアセトニトリル10mL中でスラリー化し、無水プロピオン酸(0.54mL;4.2ミリモル;1.2当量)を添加した。Novozyme 435(120mg)を添加し、混合物を周囲温度で5.5時間撹拌した。HPLC及びtlc分析(酢酸エチル溶離剤)によれば、2aは1bにほとんど完全に転化されていた。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。粗製生成物を酢酸エチルに溶解させ、ヘプタンで稀釈して沈殿物を得た。この沈殿物を収集し、ヘプタンで洗浄し、乾燥させた。この濾液を濃縮乾固し、得られた固体をヘプタンで磨砕し、濾過し、ヘプタンで洗浄し、乾燥させた。合した固形分(576mg;83%)は1H NMRによって純粋な1bと分析された。
【0076】
比較例2
2−ヒドロキシメチル−4H−ピラン−4−オン−5−イルプロピオネート(6b)の製造
2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;852mg;6.00ミリモル)をジクロロメタン30mL中でスラリー化した。周囲温度でトリエチルアミン(1.25mL;9.0ミリモル;1.5当量)を添加し、次いで無水プロピオン酸(0.77mL;6.0ミリモル;1.0当量)を滴加した。反応混合物が1分以内で均一になり、それを一晩撹拌した。tlc(酢酸エチル溶離剤)によって、1つの大きいスポットを得た。揮発分をストリッピングし、残渣を酢酸エチルで稀釈し、1M HCl(15mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物0.92gを得た。1H NMRによるこの粗製生成物の分析は、少量の2a、少量の2aのジプロピオネート(7b)及び90:10の比で6b及び1bを示した。混合物をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、1:1酢酸エチル:ヘプタン〜4:1酢酸エチル:ヘプタンで溶離させて、6bを476mg(40%)得た。この化合物は2a(EC500.015mM)に比較してそれほど強力でないチロシナーゼの阻害剤であった(EC500.10mM)(表I参照)。
【0077】
1H NMR(DMSO−d6)δ8.46(s,1H);6.42(t,1H,J=0.82Hz);5.76(t,1H,J=6.05Hz);4.34(dd,2H;J=0.82,6.05Hz);2.58(q,2H,J=7.42Hz);1.11(t,3H,J=7.42Hz)。
【0078】
比較例3
2−プロピオニルオキシメチル−4H−ピラン−4−オン−5−イルプロピオネート(7b)の製造
2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;852mg;6.00ミリモル)をジクロロメタン30mL中でスラリー化した。周囲温度で、トリエチルアミン(2.51mL;18.0ミリモル;3当量)を添加し、次いで無水プロピオン酸(1.69mL;13.2ミリモル;2.2当量)を滴加した。反応混合物が1分以内で均一になり、それを一晩撹拌した。tlc(酢酸エチル溶離剤)によって、1つの大きいスポットを得た。揮発分をストリッピングし、残渣を酢酸エチルで稀釈し、1M HCl(15mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物2.30gを得た。これをフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、1:1酢酸エチル:ヘプタンで溶離させて、7bを1.39g(97%)得た。この化合物は2a(EC500.015mM)に比較してそれほど強力でないチロシナーゼの阻害剤であった(EC500.097mM)(表I参照)。
【0079】
1H NMR(DMSO−d6)δ8.52(s,1H);6.59(s,1H);5.01(s,1H);2.59(q,2H;J=7.42Hz);2.44(q,2H,J=7.42Hz);1.11(t,3H,J=7.42Hz);1.05(t,3H,J=7.42Hz)。
【0080】
実施例4
ヘキサン酸無水物を用いた酵素的エステル化による5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−メチルヘキサノエート(1c)の製造
2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;500mg;3.52ミリモル)をアセトニトリル10mL中でスラリー化し、ヘキサン酸無水物(0.81mL;3.52ミリモル;1.0当量)を添加した。Novozyme 435(120mg)を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。HPLC分析によれば、2aは1cに85%転化されていた。追加のヘキサン酸無水物(0.12mL;0.53ミリモル;0.15当量)を添加し、混合物を一晩撹拌して、2aを1cに98%転化させた。反応混合物を濾過し、濾液を周囲温度で減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水(10mL)及び炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3×10mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、1c(761mg;90%)をオフホワイトの固体として得た。この化合物はチロシナーゼの極めて強力な阻害剤であり(EC500.00098mM)であり、2a(EC500.015mM)よりもかなり優れていた(表I参照)。
【0081】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.25(br s,1H);8.08(s,1H);6.45(s,1H);4.95(s,2H);2.39(t,2H,J=7.42Hz);1.59〜1.49(m,2H);1.31〜1.20(m,4H);0.85(m,3H)。
【0082】
実施例5
5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−メチルオクタノエート(1d)の製造
Novozyme 435(500mg;50重量%)及び乾燥4A分子篩(2g;2重量当量)をフラスコに加えた。2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;1.00g;7.04ミリモル)を加え、アセトニトリル20mLで洗浄した。オクタン酸(2.23mL;14.07ミリモル;2当量)を加え、混合物を一晩50℃まで加熱した。その時点でtlc分析(酢酸エチル溶離剤)は1dへの転化を示した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。粗製生成物を酢酸エチルに溶解させ、水(10mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム(2×10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、無色油1.81gを得た。この油をヘプタンに溶解させ、濃縮して、ワックス状固体を得た。固体をヘプタンで磨砕し、濾過し、ヘプタンで洗浄し、乾燥させて、1dを0.79g(42%)得た。この化合物はチロシナーゼの非常に強力な阻害剤であり(EC500.00039mM)、2a(EC500.015mM)よりもかなり優れていた(表I参照)。
【0083】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.24(br s,1H);8.07(s,1H);6.45(s,1H);4.95(s,2H);2.390(t,2H,J=7.15Hz);1.53(m,2H);1.24(m,8H);0.85(m,3H)。
【0084】
実施例6
オクタン酸無水物を用いた酵素的エステル化による5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−メチルオクタノエート(1d)の製造
2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;1.04g;7.32ミリモル)をアセトニトリル20mL中でスラリー化し、オクタン酸無水物(2.90g;8.05ミリモル;1.1当量)を添加した。Novozyme 435(0.33g)を添加し、混合物を周囲温度で12時間撹拌した。HPLC分析によれば、2aは1cに完全に消費されていた。反応混合物を濾過し、濾液を周囲温度で減圧濃縮した。残渣をヘプタンに溶解させ、水:炭酸水素ナトリウム飽和水溶液:メタノールの1:1:1混合物(3×30mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、フラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、2:1酢酸エチル:ヘプタンで溶離させて、1dとオクタン酸の混合物1.91gを得た。この物質を最小容量の熱ヘプタンから周囲温度まで冷却されることによって再結晶化させて1dを1.38g(70%)得た。
【0085】
比較例4
2−ヒドロキシメチル−4H−ピラン−4−オン−5−イルオクタノエート(6d)の製造
2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(1.84g;7.19ミリモル;1.2当量)及びオクタン酸(0.95mL;6.00ミリモル;1.0当量)をジクロロメタン10mL中でスラリー化した。トリエチルアミン(2.01mL;14.39ミリモル;2.4当量)を添加し、混合物を周囲温度で15分間撹拌した。2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;852mg;6.00ミリモル)を添加し、ジクロロメタン5mLで洗浄した。混合物は約30分かけて黄色から淡褐色の(tan)スラリーへと脱色された。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。tlc(3:2酢酸エチル:ヘプタン)によって、大きいスポット1つと小さいスポット1つが得られた。この混合物を濾過し、沈殿物をジクロロメタンで洗浄した。合した濾液を濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、3:2〜4:1の酢酸エチル:ヘプタンの溶媒勾配によって溶離させて、6dを864mg(54%)得た。この化合物は、2a(EC500.015mM)に比較してそれほど強力でないチロシナーゼの阻害剤であった(EC500.18mM)(表I参照)。
【0086】
1H NMR(DMSO−d6)δ8.45(s,1H);6.42(s,1H);5.76(t,1H,J=6.05Hz);4.34(d,2H,J=5.50Hz);2.54(t,2H,J=7.15Hz);1.65〜1.55(m,2H);1.38〜1.25(m,8H);0.86(t,3H,J=6.60Hz)。
【0087】
比較例5
2−オクタノイルオキシメチル−4H−ピラン−4−オン−5−イルオクタノエート(7d)の製造
2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(2.16g;8.44ミリモル;2.4当量)及びオクタン酸(1.28mL;8.44ミリモル;2.4当量)をジクロロメタン10mL中でスラリー化した。トリエチルアミン(2.35mL;16.9ミリモル;4.8当量)を添加し、混合物を周囲温度で15分間撹拌した。2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;500mg;3.52ミリモル)を添加し、ジクロロメタン5mLで洗浄した。混合物は最初はほとんど均一な黄色溶液になり、次いで約30分かけて淡褐色のスラリーに変化した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。tlc(3:2酢酸エチル:ヘプタン)によって、単一のスポットが得られた。この混合物を濾過し、沈殿物をジクロロメタンで洗浄した。合した濾液を濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、2:1酢酸エチル:ヘプタンで溶離させて、7dを1.07g(83%)得た。この化合物は、弱いチロシナーゼ阻害剤であった(EC50>1.0mM)(表I参照)。
【0088】
1H NMR(DMSO−d6)δ8.51(s,1H);6.57(s,1H);5.00(s,2H);2.55(t,2H,J=7.42Hz);2.41(t,2H,J=7.42Hz);1.62〜1.49(m,4H);1.30〜1.25(m,16H);0.88〜0.83(m,6H)。
【0089】
実施例7
5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−メチルリポエート(1e)の製造
Novozyme 435(400mg;80重量%)及び乾燥4A分子篩(1g;2重量当量)をフラスコに加えた。2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;500mg;3.52ミリモル)を添加し、アセトニトリル10mLで洗浄した。リポ酸(1.0g;4.85ミリモル;1.38当量)を添加し、混合物を一晩50℃まで加熱した。その時点でtlc分析(酢酸エチル溶離剤)は1eへの転化を示した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。粗製生成物を酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム(2×10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、4:1酢酸エチル:ヘプタンで溶離させて、1eを350mg(30%)得た。この化合物はチロシナーゼの極めて強力な阻害剤であり(EC500.00093mM)、2a(EC500.015mM)よりもかなり優れていた(表I参照)。
【0090】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.20(br s,1H);8.08(s,1H);6.46(s,1H);4.95(s,2H);3.65〜3.56(m,1H);3.23〜3.06(m,2H);2.46〜2.35(m,1H);2.21(t,2H,J=7.15Hz);1.92〜1.80(m,1H);1.68〜1.46(m,4H);1.42〜1.32(m,2H)。
【0091】
実施例8
4−ヒドロキシベンジルアセテート(1f)の製造
4−ヒドロキシベンジルアルコール(2b)(3.5g;28.2ミリモル)をアセトニトリル20mL中でスラリー化した。酢酸ビニル(3.64mL;39.5ミリモル;1.4当量)、次いでNovozyme 435(500mg;14重量%)を添加した。反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。その時点でtlc分析(1:1酢酸エチル:ヘプタン溶離剤)は2bを示さず、大きい単一の無極性スポットを示した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮して、1fを4.67g(99%)得た。この化合物はチロシナーゼの阻害剤であり(EC500.038mM)、2b(EC500.19mM)よりも強力であった(表I参照)。
【0092】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.6(br s,1H);7.17(m,2H);6.74(m,2H);4.93(s,2H);2.01(s,3H)。
【0093】
比較例6
4−アセトキシベンジルアルコール(6f)の製造
4−ヒドロキシベンジルアルコール(2b)(500mg;4.03ミリモル)をジクロロメタン15mL中でスラリー化した。トリエチルアミン(0.84mL;6.04ミリモル;1.5当量)を添加し、次いで無水酢酸(0.39mL;4.03ミリモル;1.0当量)を滴加した。不均一な混合物が30分かけて均一になり、それを周囲温度で一晩撹拌した。tlc分析(1:1酢酸エチル:ヘプタン)によれば、6fに部分転化されていた。反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、3:2ヘプタン:酢酸エチルで溶離させて、6fを390mg(58%)得た。この化合物は2b(EC500.19mM)に比較してそれほど強力でないチロシナーゼの阻害剤であった(EC500.92mM)(表I参照)。
【0094】
1H NMR(DMSO−d6)δ7.34(d,2H,J=7.97Hz);7.06(m,2H);5.215(t,1H,J=5.77Hz);4.49(d,2H,J=5.77Hz);2.26(s,3H)。
【0095】
実施例9
4−ヒドロキシベンジルプロピオネート(1g)の製造
4−ヒドロキシベンジルアルコール(2b)(530mg;4.27ミリモル)をアセトニトリル14mLに溶解させた。プロピオン酸(2.0mL;26.8ミリモル;6.3当量)を添加し、Novozyme 435(625mg;1.17重量当量)及び乾燥4A分子篩(900mg;1.7重量当量)を添加した。反応混合物を一晩撹拌し且つ50℃まで加熱した。その時点でHPLC分析は1gへの約30%の転化を示した。反応混合物を濾過し、沈殿物をアセトニトリル及びトルエンで洗浄した。合した濾液/洗液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、1:4酢酸エチル:ヘプタンで溶離させて、1gを185mg(24%)を無色油として得た。この化合物はチロシナーゼの強力な阻害剤であり(EC500.017mM)、2b(EC500.19mM)よりもはるかに優れていた(表I参照)。
【0096】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.50(s,1H);7.17(d,2H,J=8.25Hz);6.74(d,2H,J=7.97Hz);4.94(s,2H);2.31(2H,q,J=7.42Hz);1.02(t,3H,J=7.42Hz)。
【0097】
実施例10
プロピオン酸無水物を用いた酵素的エステル化による4−ヒドロキシベンジルプロピオネート(1g)の製造
4−ヒドロキシベンジルアルコール(2b)(5.00g;40.3ミリモル)をアセトニトリル100mLに溶解させた。無水プロピオン酸(6.20mL;48.3ミリモル;1.2当量)、次いでNovozyme 435(0.25g)を添加した。混合物を周囲温度で18時間撹拌した。HPLC分析によれば、2bはほとんど完全に1gに転化されていた。反応混合物を濾過し、濾液を周囲温度で減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2×25mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、粗製生成物をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過して、1h(5.84g;80%)を無色油として得た。
【0098】
比較例7
4−プロピオニルオキシベンジルアルコール(6g)の製造
4−ヒドロキシベンジルアルコール(2b)(500mg;4.03ミリモル)をジクロロメタン15mL中でスラリー化した。トリエチルアミン(0.84mL;6.04ミリモル;1.5当量)を添加し、次いで無水プロピオン酸(0.52mL;4.03ミリモル;1.0当量)を滴加した。不均一混合物が1分以内に均一になった。反応混合物をRTで一晩撹拌した。tlc分析(1:1酢酸エチル:ヘプタン)によって、大きいスポット1つ及び小さいスポット1つが得られた。混合物を濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、3:2ヘプタン:酢酸エチルで溶離させて、6gを442mg(61%)得た。この化合物は2b(EC500.19mM)に比較してそれほど強力でないチロシナーゼの阻害剤であった(EC501.01mM)(表I参照)。
【0099】
1H NMR(DMSO−d6)δ7.34(m,2H);7.06(m,2H);5.22(br t,1H);4.49(d,2H,J=4.94Hz);2.59(2H,q,J=7.42Hz);1.13(t,3H,J=7.42Hz)。
【0100】
比較例8
4−プロピオニルオキシベンジルプロピオネート(6g)の製造
4−ヒドロキシベンジルアルコール(2b)(500mg;4.03ミリモル)をジクロロメタン15mL中でスラリー化した。トリエチルアミン(1.40mL;10.1ミリモル;2.5当量)を添加し、次いで無水プロピオン酸(1.14mL;8.9ミリモル;2.2当量)を滴加した。不均一混合物が15分かけて均一になり、これを周囲温度で一晩撹拌した。tlc分析(1:1酢酸エチル:ヘプタン)によって、単一の無極性スポットが得られた。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させた。有機溶液を1.5M HCl(20mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この有機溶液の濃縮により、7gが923mg(97%)得られた。この化合物は弱いチロシナーゼ阻害剤であった(EC50>10mM)(表I参照)。
【0101】
1H NMR(DMSO−d6)δ7.40(m,2H);7.12(m,2H);5.08(s,2H);2.60(q,2H,J=7.42Hz);2.37(q,2H,J=7.42Hz);1.13(t,3H,J=7.42Hz);1.04(t,3H,J=7.42Hz)。
【0102】
実施例11
ヘキサン酸無水物を用いた酵素的エステル化による4−ヒドロキシベンジルヘキサノエート(1h)の製造
4−ヒドロキシベンジルアルコール(2b)(500mg;4.03ミリモル)をアセトニトリル10mLに溶解させた。無水ヘキサン酸(1.12mL;4.83ミリモル;1.2当量)、次いでNovozyme 435(120mg)を添加した。混合物を周囲温度で7.5時間撹拌した。HPLC分析によれば、2bはほとんど完全に1hに転化されていた。混合物を濾過し、濾液を周囲温度で減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3×10mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、1h(832mg;93%)を無色油として得た。この化合物はチロシナーゼの強力な阻害剤であり(EC500.049mM)、2b(EC500.19mM)よりも優れていた(表I参照)。
【0103】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.49(s,1H);7.17〜7.14(m,2H);6.76〜6.71(m,2H);4.94(s,2H);2.28(t,2H,J=7.42Hz);1.56〜1.46(m,2H);1.31〜1.21(m,4H);0.83(m,3H)。
【0104】
実施例12
4−ヒドロキシベンジルオクタノエート(1i)の製造
4−ヒドロキシベンジルアルコール(2b)(250mg;2.02ミリモル)をアセトニトリル5mLに溶解させた。オクタン酸(500μL;3.3ミリモル;1.63当量)、次いでNovozyme 435(200mg;80重量%)及び4A分子篩(500mg;2重量当量)を添加した。混合物を一晩、撹拌及び50℃まで加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、濾過し、沈殿物をアセトニトリルで洗浄した。合した濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム(2×10mL)で洗浄した。有機溶液を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濃縮し、粗製生成物をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、1:4酢酸エチル:ヘプタンで溶離させて、若干の残留オクタン酸を含む1iを960mg得た。
【0105】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.48(br s,1H);7.18〜7.13(m,2H);6.75〜6.71(m,2H);4.94(s,2H);2.28(t,2H,J=7.42Hz);1.51(m,2H);1.22(m,8H);0.84(m,3H)。
【0106】
実施例13
エステル交換による4−ヒドロキシベンジルオクタノエート(1i)の製造
4−ヒドロキシベンジルアセテート(1f)(83mg;0.50ミリモル)をトルエン1.5mLに溶解させた。オクタン酸(158μL;1.0ミリモル;2.0当量)、次いでNovozyme 435(60mg)を添加した。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。この時点でHPLC分析は1iへの58.1%の転化を示した(1f 40.4%及び4−ヒドロキシベンジルアルコール1.4%も観察された)。
【0107】
実施例14
Amberlyst A−21の存在下におけるエステル交換による4−ヒドロキシベンジルオクタノエート(1i)の製造
4−ヒドロキシベンジルアセテート(1f)(83mg;0.50ミリモル)及び乾燥Amberlyst A−21(83mg;1重量当量)をトルエン1.5mL中で合した。オクタン酸(158μL;1.0ミリモル;2.0当量)、次いでNovozyme 435(60mg)を添加した。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。この時点でHPLC分析は1iへの88.2%の転化を示した(1f 11.1%及び4−ヒドロキシベンジルアルコール0.8%も観察された)。
【0108】
実施例15
4−ヒドロキシベンジルリポエート(1j)の製造
4−ヒドロキシベンジルアルコール(2b)(520mg;4.19ミリモル;1.24当量)をアセトニトリル10mLに溶解させた。リポ酸(0.70g;3.39ミリモル)、次いでNovozyme 435(150mg)及び4A分子篩(1g)を添加した。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、濾過し、沈殿物をアセトニトリルで洗浄した。合した濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム(2×10mL)で洗浄した。有機溶液を乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、粗製生成物をフラッシュシリカゲルのパッドに通して濾過し、1:4酢酸エチル:ヘプタンで溶離させて、1jを184mg(16%)得た。
【0109】
1H NMR(DMSO−d6)δ9.50(s,1H);7.18〜7.14(m,2H);6.75〜6.70(m,2H);4.94(s,2H);3.62〜3.52(m,1H);3.27〜3.06(m,2H);2.43〜2.35(m,1H);2.31(t,2H,J=7.15Hz);1.89〜1.78(m,1H);1.68〜1.46(m,4H);1.39〜1.23(m,2H)。
【0110】
実施例16
溶媒を用いない混合脂肪酸エステルからの2−アシルオキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(1k)の製造
Novozyme 435(100mg)及び2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン(2a;100mg;0.7770ミリモル)をバイアルに加え、パッションフルーツ油からの混合エチルエステル2mLを添加した。混合物を一晩60℃まで加熱した。その時点でtlc分析(酢酸エチル溶離剤)は1kへのかなりの転化を示した。
【0111】
チロシナーゼは、チロシンからメラニンに至る生合成経路における最初の2つの工程を触媒する役割を担っている。チロシナーゼはチロシンをジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)へとヒドロキシル化し、続いてL−DOPAをドーパキノンへと酸化する。種々の化合物のチロシナーゼ阻害活性を測定するための本発明者らの方法は、475nmにおけるドーパキノンの分光光度の出現によってL−DOPAのドーパキノンへの酸化工程に目を向ける。酵素アッセイは主としてZhang,JP.,Chen,QX.,Song,KK.,&Xie,JJ.Food Chemistry 2006,95,579−584に記載された方法に基づいた。
【0112】
問題の化合物を、水性環境への溶解度について評価する。水若しくはジメチルスルホキシド中の適当な稀釈液を調製する。広範囲の稀釈液を原液から調製して、典型的には10nM〜10mMの最終阻害剤濃度を測定する。
【0113】
アッセイ混合物は、50mM Na2HPO4/NaH2PO4(pH7.0)及び0.5mM L−DOPAからなる。酵素反応は、マッシュルームのチロシナーゼ(Sigma T3824)を18単位添加することによって開始する。チロシナーゼ活性のベースライン初速度を、1mlの反応様式で30℃においてBeckman Coulter DU 800 UV/Vis Spectrophotometerを用いて475nmで測定し、次いで阻害剤溶液の25μlアリコートを添加/混合し、速度の変化を記録する。速度の変化は、阻害剤の存在によるチロシナーゼの%阻害に関係する。存在する全てのDMSOの阻害作用は、最終濃度を2.5%まで制限し且つ各アッセイに関してDMSOブランクを用いて全てのバックグラウンド阻害を明らかにすることによって、最小にする。
【0114】
チロシナーゼ阻害度は、チロシナーゼを50%阻害するのに必要な阻害剤の濃度、EC50値に換算して判定した。これは、阻害剤濃度の対数(log)を速度応答(rate response)(%阻害)に対してプロットすることによってGraphpad Prizm(登録商標)Version 4に生じたS字形用量反応曲線によって求めた。本発明の種々の実施例及び他の比較例に関するデータを以下の表Iに記載する。
【0115】
【表1】

【0116】
本発明を特にその好ましい態様に関して詳述したが、本発明の精神及び範囲内で変形及び変更が可能なことがわかるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵素の存在下で式2:
【化1】

で表されるアルコールを式3:
【化2】

の酸誘導体と反応させることを含んでなる式1:
【化3】

[式中、RはC6〜C20炭素環式ヒドロキシアリール、置換ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル(置換基は、C1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、置換C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1〜C6アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ、−O−R2、S−R2、−SO2−R2、−NHSO22及び−NHCO22(R2は、フェニル、ナフチル、又はC1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1〜3個の基で置換されたフェニル若しくはナフチルである)からなる群から選ばれる)及びC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれ、
1は、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物から選ばれ、そして
4は、水素、C1〜C4アルキル及びC2〜C4アルケニルからなる群から選ばれる]
で表されるエステル化合物の製造方法。
【請求項2】
前記アルコール及び誘導体を酵素及び有機溶媒の存在下で反応させる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Rのアリールがヒドロキシル基及び1〜3個の追加置換基で置換されたフェニル、ナフチル又はアントラセニルであり、前記追加置換基が、C1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、置換C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1〜C6アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ、−O−R2、S−R2、−SO2−R2、−NHSO22及び−NHCO22(R2は、フェニル、ナフチル、又はC1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1〜3個の基で置換されたフェニル若しくはナフチルである)からなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
Rのヘテロアリール部分が酸素、硫黄及び窒素からなる群から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含む5員又は6員ヒドロキシ置換芳香環である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ヘテロアリール部分がヒドロキシチエニル、ヒドロキシフリル、ヒドロキシピロリル、ヒドロキシイミダゾリル、ヒドロキシピラゾリル、ヒドロキシチアゾリル、ヒドロキシイソチアゾリル、ヒドロキシオキサゾリル、ヒドロキシイソオキサゾリル、ヒドロキシトリアゾリル、ヒドロキシチアジアゾリル、ヒドロキシオキサジアゾリル、ヒドロキシテトラゾリル、ヒドロキシピリジル、ヒドロキシピリミジル、ヒドロキシベンゾオキサゾリル、ヒドロキシベンゾチアゾリル、ヒドロキシベンズイミダゾリル及びヒドロキシインドリルからなる群から選ばれる請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ヘテロアリール部分がC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換C1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル及びC2〜C6アルカノイルアミノからなる群から選ばれた3個以下の追加の基で置換されている請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ヘテロアリール部分がベンゾ残基又はナフト残基で置換されており、前記ベンゾ残基又はナフト残基が任意的に、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換C1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル及びC2〜C6アルカノイルアミノからなる群から選ばれた3個以下の基で置換されている請求項4に記載の方法。
【請求項8】
1が、C1〜C6アルコキシ、シアノ、C2〜C6アルキルカルボニル、C2〜C6アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール、ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、ジチオラン及びハロゲンからなる群から選ばれた1〜3個の基で任意的に置換された炭素数約22以下の脂肪族炭化水素である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
Rがフェノール又は置換ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イルである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
Rが4−ヒドロキシフェニルであり且つR1が少なくとも1つのC1〜C16直鎖アルキル基である請求項1に記載の方法。
【請求項11】
酵素の存在下で式4:
【化4】

で表されるエステルを式3:
【化5】

の酸誘導体と反応させることを含んでなる式1:
【化6】

[式中、RはC6〜C20炭素環式ヒドロキシアリール、ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル及びC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれ、R1はC1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物からなる群から選ばれ、
4は水素、C1〜C4アルキル及びC2〜C4アルケニルからなる群から選ばれ、そして
5は水素又はC1〜C4アルキルである]
で表されるエステル化合物の製造方法。
【請求項12】
前記エステル及び誘導体を酵素及び有機溶媒の存在下で反応させる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
Rのアリールがヒドロキシル基及び1〜3個の追加置換基で置換されたフェニル、ナフチル又はアントラセニルであり、前記追加置換基がC1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、置換C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1〜C6−アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ、−O−R2、S−R2、−SO2−R2、−NHSO22及び−NHCO22(R2はフェニル、ナフチル、又はC1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1〜3個の基で置換されたフェニル若しくはナフチルである)からなる群から選ばれる請求項11に記載の方法。
【請求項14】
Rのヘテロアリール部分が酸素、硫黄及び窒素からなる群から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含む5員又は6員ヒドロキシ置換芳香環である請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ヘテロアリール部分がヒドロキシチエニル、ヒドロキシフリル、ヒドロキシピロリル、ヒドロキシイミダゾリル、ヒドロキシピラゾリル、ヒドロキシチアゾリル、ヒドロキシイソチアゾリル、ヒドロキシオキサゾリル、ヒドロキシイソオキサゾリル、ヒドロキシトリアゾリル、ヒドロキシチアジアゾリル、ヒドロキシオキサジアゾリル、ヒドロキシテトラゾリル、ヒドロキシピリジル、ヒドロキシピリミジル、ヒドロキシベンゾオキサゾリル、ヒドロキシベンゾチアゾリル、ヒドロキシベンズイミダゾリル及びヒドロキシインドリルからなる群から選ばれる請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ヘテロアリール部分がC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換C1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル及びC2〜C6アルカノイルアミノからなる群から選ばれた3個以下の追加の基で置換されている請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ヘテロアリール部分がベンゾ残基又はナフト残基で置換されており、前記ベンゾ残基又はナフト残基が任意的に、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換C1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル及びC2〜C6アルカノイルアミノからなる群から選ばれた3個以下の基で置換されている請求項14に記載の方法。
【請求項18】
ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イルが、C1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、置換C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1〜C6アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ、−O−R2、S−R2、−SO2−R2、−NHSO22及び−NHCO22(R2は、フェニル、ナフチル、又はC1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1〜3個の基で置換されたフェニル若しくはナフチルである)、並びにC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれた1又は2個の置換基を有する請求項11に記載の方法。
【請求項19】
1が、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール、ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、ジチオラン及びハロゲンからなる群から選ばれた1〜3個の基で任意的に置換された炭素数約22以下の脂肪族炭化水素である請求項11に記載の方法。
【請求項20】
Rがフェノール又はヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イルである請求項11に記載の方法。
【請求項21】
Rが4−ヒドロキシフェニルであり且つR1が少なくとも1つのC1〜C16直鎖アルキル基であるか、又はRが5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イルであり且つR1が少なくとも1つのC1〜C16直鎖アルキル基及び4−(1,2−ジチオラン−3−イル)−1−ブチルである請求項11に記載の方法。
【請求項22】
酵素の存在下で式2:
【化7】

で表されるアルコールを式5:
【化8】

で表される酸無水物と反応させることを含んでなる式1:
【化9】

[式中、Rは、C6〜C20炭素環式ヒドロキシアリール、ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル及びC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれ、R1は、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物からなる群から選ばれ、そして
6はC1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる]
で表されるエステル化合物の製造方法。
【請求項23】
前記アルコール及び酸無水物を酵素及び有機溶媒の存在下で反応させる請求項22に記載の方法。
【請求項24】
Rのアリールがヒドロキシル基及び1〜3個の追加置換基で置換されたフェニル、ナフチル又はアントラセニルであり、前記追加置換基がC1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、置換C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1〜C6アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ、−O−R2、S−R2、−SO2−R2、−NHSO22及び−NHCO22(R2はフェニル、ナフチル、又はC1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1〜3個の基で置換されたフェニル若しくはナフチルである)からなる群から選ばれる請求項22に記載の方法。
【請求項25】
Rのヘテロアリール部分が酸素、硫黄及び窒素からなる群から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含む5員又は6員ヒドロキシ置換芳香環である請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記ヘテロアリール部分がヒドロキシチエニル、ヒドロキシフリル、ヒドロキシピロリル、ヒドロキシイミダゾリル、ヒドロキシピラゾリル、ヒドロキシチアゾリル、ヒドロキシイソチアゾリル、ヒドロキシオキサゾリル、ヒドロキシイソオキサゾリル、ヒドロキシトリアゾリル、ヒドロキシチアジアゾリル、ヒドロキシオキサジアゾリル、ヒドロキシテトラゾリル、ヒドロキシピリジル、ヒドロキシピリミジル、ヒドロキシベンゾオキサゾリル、ヒドロキシベンゾチアゾリル、ヒドロキシベンズイミダゾリル及びヒドロキシインドリルからなる群から選ばれる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ヘテロアリール部分がC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換C1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル及びC2〜C6アルカノイルアミノからなる群から選ばれた3個以下の追加の基で置換されている請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ヘテロアリール部分がベンゾ残基又はナフト残基で置換されており、前記ベンゾ残基又はナフト残基が任意的に、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換C1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル及びC2〜C6アルカノイルアミノからなる群から選ばれた3個以下の基で任意的に置換されている請求項25に記載の方法。
【請求項29】
ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イルが、C1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、置換C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1〜C6アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ、−O−R2、S−R2、−SO2−R2、−NHSO22及び−NHCO22(R2はフェニル、ナフチル、又はC1〜C6アルキル、C6〜C10アリール、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1〜3個の基で置換されたフェニル若しくはナフチルである)並びにC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれた1又は2個の置換基を有する請求項22に記載の方法。
【請求項30】
1が、C1〜C6アルコキシ、シアノ、C2〜C6アルキルカルボニル、C2〜C6アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール、ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、ジチオラン及びハロゲンからなる群から選ばれた1〜3個の基で任意的に置換された炭素数約20以下の脂肪族炭化水素である請求項22に記載の方法。
【請求項31】
Rがフェノール又はヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イルである請求項22に記載の方法。
【請求項32】
Rが4−ヒドロキシフェニルであり且つR1が少なくとも1つのC1〜C16直鎖アルキル基であるか、又はRが5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イルであり且つR1が少なくとも1つのC1〜C16直鎖アルキル基及び4−(1,2−ジチオラン−3−イル)−1−ブチルである請求項22に記載の方法。
【請求項33】
式1:
【化10】

[式中、Rは、C6〜C20炭素環式ヒドロキシアリール、ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル及びC4〜C20ヒドロキシへテロアリール(ヘテロ原子は硫黄、窒素及び酸素からなる群から選ばれる)からなる群から選ばれ、そして
1は、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C4〜C22ジエニル、C6〜C22トリエニル、C8〜C22テトラエニル及びそれらの混合物から選ばれる]
で表されるエステル化合物及び化粧品用として許容され得る担体を含んでなる皮膚美白化組成物。

【公表番号】特表2010−528654(P2010−528654A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511159(P2010−511159)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/006699
【国際公開番号】WO2008/153784
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】