テストフィクスチャ
【課題】 平行列から外れて配置されるリードであっても接触させることができるテストフィクスチャを得る。
【解決手段】 テストフィクスチャにおいて、第1押圧面を有した本体2と、第2押圧面を有した蓋体3と、リードRの間に挿入され各リードRの直径方向の一部分を挿入する溝Mが両面に形成されたスペーサ板4と、本体2とスペーサ板4との間及び蓋体3とスペーサ板4との間に設けられた第1,第2の測定基板5,6と、第1,第2の測定基板5,6の少なくとも一方の測定基板5に設けられ所定のリードR2に対応して切り欠かれたスリット7と、第1の測定基板5と第1押圧面との間に設けられこの基板5を第1押圧面に密着させてスリット7内に一部分が膨出する導電シート8とを備え、蓋体3と本体2とが第1,第2の測定基板5,6をスペーサ板4に向けて押圧して導体Pと各リードRとが接触する。
【解決手段】 テストフィクスチャにおいて、第1押圧面を有した本体2と、第2押圧面を有した蓋体3と、リードRの間に挿入され各リードRの直径方向の一部分を挿入する溝Mが両面に形成されたスペーサ板4と、本体2とスペーサ板4との間及び蓋体3とスペーサ板4との間に設けられた第1,第2の測定基板5,6と、第1,第2の測定基板5,6の少なくとも一方の測定基板5に設けられ所定のリードR2に対応して切り欠かれたスリット7と、第1の測定基板5と第1押圧面との間に設けられこの基板5を第1押圧面に密着させてスリット7内に一部分が膨出する導電シート8とを備え、蓋体3と本体2とが第1,第2の測定基板5,6をスペーサ板4に向けて押圧して導体Pと各リードRとが接触する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリードを導出させた電子デバイスの電気特性を測定するために導体を各リードに接触させた状態で、電子デバイスを保持するテストフィクスチャに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの電気特性を測定するには、電子デバイスに測定用信号を与える信号発生部と、電子デバイスから出力された信号を測定する信号処理部とを、電子デバイスの外部端子であるリードに安定した状態で接触させなければならない。このため、電子デバイスを所定位置に保持するとともに、信号発生部や信号処理部に接続された測定用基板の導体(導体パターン)を電子デバイスのリードに押し付けて導通させるためのテストフィクスチャ(検査治具)が用いられる。
【0003】
例えば、下記特許文献1に開示されるように、複数本のリードが2列に並べられた電子デバイスの場合、絶縁性のデバイス支持体の上に該電子デバイスを載せ、デバイス支持体の一対の側面に各々形成された複数の溝に2列各複数本のリードを保持させる。そして、電子デバイスのリードと測定基板の導体パターンが平行となるように2枚の測定基板をリードの外側に配置し、2つのブロックを測定基板の外側にそれぞれ移動可能に配置して、このブロックで測定基板の導体パターンをリードに押し付けて導通を図っていた。
【特許文献1】特開2004−198303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のテストフィクスチャは、リードの外側に2枚の測定基板を配置し、2つのブロックを測定基板の外側から押し付けて導通をとっていたため、平行列から外れてリードが配置される電子デバイスに対しては導通をとることができなかった。このため、五角形の各対角にリードが配置される5本のリードを有する電子デバイスや、六角形の各対角にリードが配置される6本のリードを有する電子デバイスに対しては測定が行えず、全数評価ができないことから、量産時の歩留まり低下などの問題があった。
また、電子デバイスから細長い棒状のリードが複数本並んで突出する構造では、測定基板に形成された複数の導体パターンに各リードを確実に接触させる必要がある。特に、このようなリードタイプの電子デバイスでは、リードの根元から先端までのインピーダンスの整合を崩すことなく測定するために、リードの全長を測定基板の導体パターンに正しく接触させることが要求された。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、平行列から外れて配置されるリードであっても接触させることができ、しかも、インピーダンスの整合を崩さずに測定できるテストフィクスチャを提供し、もって、全数評価により、開発期間の短縮、歩留まりを向上させ、コストの低減を図ることを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のテストフィクスチャは、一端面14aから複数のリードRを導出させた電子デバイス14の電気特性を測定するために導体Pを前記各リードRに接触させるテストフィクスチャ1であって、
前記リードRの間に挿入され前記各リードRの直径方向の一部分を挿入する溝Mが前記リードRに沿って両面に形成されたスペーサ板4と、
前記リードRを挟んで配置されるとともにそれぞれ一方の面に前記各リードRに接触する前記導体Pが形成された第1,第2の測定基板5,6と、
前記第1,第2の測定基板5,6の少なくとも一方の測定基板5に設けられ所定の前記リードR2に対応して切り欠かれたスリット7と、
前記スリット7の設けられた測定基板5の他方の面側、つまり、導体Pが形成された面と反対の面側に設けられ該測定基板5を密着させることで該スリット7内に一部分が膨出する導電シート8と、
前記第1,第2の測定基板5,6を前記スペーサ板4に向けて押圧して前記導体Pと前記各リードRとを接触させる押圧手段Tと、
を具備することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載のテストフィクスチャは、一端面14aから複数のリードRを導出させた電子デバイス14の電気特性を測定するために導体Pを前記各リードに接触させるテストフィクスチャ1であって、
第1押圧面11を有した本体2と、
前記本体2に取り付けられ前記第1押圧面11に対面する第2押圧面13を有した蓋体3と、
前記リードRの間に挿入され前記各リードRの直径方向の一部分を挿入する溝Mが前記リードRに沿って両面に形成され位置決め手段17,18によって位置決めされて前記本体2と前記蓋体3との間で前記押圧面11,13に平行に挟まれるスペーサ板4と、
前記本体2と前記スペーサ板4との間及び前記蓋体3と前記スペーサ板4との間に設けられ前記リードRに接触する前記導体Pの形成された第1,第2の測定基板5,6と、
前記第1,第2の測定基板5,6の少なくとも一方の測定基板5に設けられ所定の前記リードR2に対応して切り欠かれたスリット7と、
前記スリット7の設けられた測定基板5と該測定基板5に対面する押圧面11との間に設けられた導電シート8と、
前記スリット7の設けられた測定基板5を前記対面する押圧面11に密着させて該スリット7内に前記導電シート8の一部分を膨出させる密着手段Uと、
を具備し、前記蓋体3と前記本体2とが前記第1,第2の測定基板5,6を前記スペーサ板4に向けて押圧することによって前記導体Pと前記各リードRとを接触させることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、平行列から外れて配置されるリードR2はスリット7に配置されてスリット7内に膨出している導電シート8に接触され、他のリードRは測定基板5の導体Pに接触され、押圧手段Tを構成している蓋体3と本体2とが第1,第2の測定基板5,6をスペーサ板4に向けて押圧することでこれらの接触は確実なものとなる。また、リードRが全長にわたって導体Pに接触され、インピーダンスの整合が崩れない。
【0009】
請求項3記載のテストフィクスチャは、5本の前記リードR1,R2,R3,R4,R5が導出される前記電子デバイス14の電気特性を測定する請求項1又は2記載のテストフィクスチャ1であって、
前記スペーサ板4の一方の面に形成された2本の前記溝M2,M3と、
前記スペーサ板4の他方の面に形成された2本の前記溝M4,M5と、
前記スペーサ板4の一方の面に前記スリット7に沿って形成され該一方の面に形成された2本の溝M2,M3より突出して配置された1本の溝M2と、
を具備することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、スペーサ板4の一方の面に配置された1本のリードM2が他の2本のリードM1,M3から外側へ外れる電子デバイス14であっても、当該外側へ外れるリードM2が測定基板5のスリット7に配置され、導電シート8を介しての接触が可能となる。
【0011】
請求項4記載のテストフィクスチャは、6本の前記リードR1,R2,R3,R4,R5,R6が導出される前記電子デバイス14Aの電気特性を測定する請求項1又は2記載のテストフィクスチャ1であって、
前記スペーサ板4Aの一方の面に形成された2本の前記溝M1,M3と、
前記スペーサ板4Aの他方の面に形成された2本の前記溝M4,M6と、
前記スペーサ板4Aの一方の面に前記スリット7に沿って形成され該一方の面に形成された2本の溝M1,M3より突出して配置された1本の溝M2と、
前記スペーサ板4Aの他方の面に前記スリット7に沿って形成され該他方の面に形成された2本の溝M4,M6より突出して配置された1本の溝M5と、
を具備することを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、スペーサ板4Aの両面に配置された1本のリードR2,R5が他の2本のリードRから外側へ外れる電子デバイス14Aであっても、当該外側へ外れるリードR2,R5が第1,第2の測定基板5,6のそれぞれに設けたスリット7,7に配置され、導電シート8,8を介しての接触が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るテストフィクスチャによれば、リードに沿った溝を有するスペーサ板と、スペーサ板を両側から挟んでリードに導体を接触させる第1,第2の測定基板と、スリットの設けられた測定基板をこの測定基板に対面する押圧面に密着させたことでスリット内に一部分が膨出する導電シートとを備えたので、平行列から外れて配置されるリードであっても、スリットに挿入して導体に接触されることができる。そして、第1,第2の測定基板を押圧手段を構成している本体と蓋体とでスペーサ板に向けて押圧することで接触は確実となる。また、リードを溝に保持させ、第1,第2の測定基板でリードを押圧して導通をとるので、リードを所定の位置に確実に保持して測定基板の導体と理想の状態で接触させ、正確な測定をすることができる。さらに、リードの根元から先端までの全長にわたって測定基板の導体に接触させることができるので、インピーダンスの整合を崩すことなく測定することができる。この結果、2枚の測定基板を押圧するだけでは接触できない電子デバイスに対しても安定した接触が行え、電子デバイスの全数評価が可能となり、開発期間の短縮、歩留まりの向上によるコスト低減が可能となる。
【0014】
また、スペーサ板の一方の面に3本のリードが配置され、スペーサ板の他方の面に2本のリードが配置され、かつスペーサ板の一方の面に配置された1本のリードが他の2本のリードから外側へ外れる電子デバイスであっても、当該外側へ外れるリードを測定基板のスリットに配置することで、測定基板の導体とは別のスリットに膨出している導電シートに接触させることができる。この結果、5本のリードが五角形の各対角に配置される電子デバイスに対しても接触を可能にすることができる。
【0015】
さらに、スペーサ板の一方の面に3本のリードが配置され、スペーサ板の他方の面に3本のリードが配置され、かつスペーサ板の両面に配置された1本のリードが他の2本のリードから外側へ外れる電子デバイスであっても、当該外側へ外れるリードを第1,第2の測定基板のそれぞれに設けたスリットに配置することで、測定基板の導体とは別のスリットに膨出している導電シートに接触させることができる。この結果、6本のリードが六角形の各対角に配置される電子デバイスに対しても接触を可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るテストフィクスチャの好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明によるテストフィクスチャを示す側面図、図2は同平面図、図3は図1における蓋体を開放した状態を示すA−A矢視図、図4は図1における蓋体を開放した状態を示すB−B矢視図、図5(a)は上側から見たスペーサ板を示す斜視図、(b)は下側から見たスペーサ板を示す斜視図、図6はスペーサ板がリード間に挿入されて測定基板に挟まれる状態を示す斜視図、図7はスペーサ板が挿入され測定基板を介して本体と蓋体とに挟まれたリードを示す断面図である。
【0017】
本実施の形態によるテストフィクスチャ1は、一端面から複数のリードを略垂直に導出させた電子デバイスの電気特性を測定する目的で、導体を各リードに接触させて電子デバイスを保持するために用いられる。このテストフィクスチャ1は、主要な構成要素として、本体2と、蓋体3と、スペーサ板4と、第1,第2の測定基板5,6と、スリット7と、導電シート8とを備える。
【0018】
本体2は、両側にハンドル9,9を備えたベース基台10上に螺着される。本体2の上部には後述する導電シート8が設けられる凹部が形成された第1押圧面11(図7参照)が形成される。本体2の上部にはヒンジ12を介して蓋体3が開閉自在に取り付けられる。この蓋体3には第1押圧面11に対面する第2押圧面13(図7参照)が形成される。蓋体3は、キャッチクリップ15によって、所定の閉鎖力で本体2に閉止保持されるようになっている。これにより、本体2と蓋体3との間には所定の押圧力が負荷されることとなる。なお、本体2と、蓋体3と、キャッチクリップ15とはこのテストフィクスチャ1の押圧手段Tを構成している。
【0019】
本体2と蓋体3との間には、電子デバイスが挟まれる。本実施の形態では、例えば図6に示すレーザダイオード14が被測定対象として用いられる。ここで、レーザダイオード14についてさらに説明すれば、レーザダイオード14の一端面14aからは5本のリードR(R1,R2,R3,R4,R5)が略垂直に導出され、リードR1,R2,R3,R4,R5は五角形の各対角に配置される。これらのリードRは、送信側電源、送信側接地、光モニター、受信側電源、光遮断に対応する。
【0020】
スペーサ板4は、図6に示すように、リードRの間に挿入され、各リードRの直径方向の一部分を挿入する図5に示す溝M(M1,M2,M3,M4,M5)がリードRに沿って両面に形成される。溝Mの長さは、リードRの長さよりもやや長く、レーザダイオード14のリードRを溝Mに沿って挿入すると、リードRの全長が溝Mに沿って保持される。溝Mの断面形状はV字形であり、その深さと形状は、ここに断面丸形のリードRを保持させた場合、リードRの直径方向の一部がスペーサ板4の面から外に突出するように形成されている。但し、溝Mの断面形状は必ずしもV字形でなくてもよい。
【0021】
スペーサ板4の両側には溝Mに沿った脚部16,16が設けられ、脚部16,16はスペーサ板4を本体2から着脱する際の摘みとして使用される。
【0022】
このスペーサ板4には位置決め手段である位置決め孔17,17が穿設され、位置決め孔17,17には本体2に突設された図7に示す位置決め手段である位置決めピン18,18が挿入される。スペーサ板4は、これら位置決め孔17,17、位置決めピン18,18によって位置決めされて本体2と蓋体3との間で第1押圧面11、第2押圧面13に平行に挟まれる。このスペーサ板4の素材には例えばテフロン(登録商標)、PPO(ポリフェニレン・オキサイド)などが好適に用いられる。
【0023】
本体2とスペーサ板4との間及び蓋体3とスペーサ板4との間には第1,第2の測定基板5,6が設けられる。図6に示すように、第1の測定基板5には、リードR1,R3に接触する導体P(P1,P2)が形成されている。第2の測定基板6にはリードR4,R5に接触する導体P(P3,P4)が形成されている。この導体Pは第1,第2の測定基板5,6の端縁に延出され、図示しない電気接触部に接続される。すなわち、本体2側に取り付けられる第1測定基板5の導体P1,P2は、図2に示す本体2の側面に設けられた端子20,21に導通され、蓋体3に取り付けられる第2の測定基板5の導体P3,P4は、蓋体3の上面に設けられた端子23,24に導通される。
【0024】
図6に示すように、リードRは、スペーサ板4が挿入されると、溝Mによって全長が保持された状態となり、その根元から先端までの全長にわたって第1,第2の測定基板5,6の導体P1,P2、導体P3,P4と接触することとなる。
【0025】
第1,第2の測定基板5,6の少なくとも一方の測定基板(第1の測定基板5)には所定のリードに対応してスリット7が切り欠かれている。本実施の形態では、リードR2に対応してスリット7が設けられている。このリードR2は、例えば送信側接地(GND)となる。
【0026】
ところで、スリット7の設けられた測定基板(第1の測定基板5)に対面するスペーサ板4の面には3本の溝M1,M2,M3が形成され、図7に示すように、スリット7に沿って形成された1本の溝M2が他の2本の溝M1,M3より突出して配置されている。
【0027】
図6,7に示すように、スリット7の設けられた第1の測定基板5の端部近傍には、密着手段Uとしてのネジ25が取り付けられ、第1の測定基板5と、これに対面する第1押圧面11とを密着させる。
【0028】
また、スリット7の設けられた第1の測定基板5と、この第1の測定基板5に対面する第1押圧面11との間には前述した導電シート8が設けられる。導電シート8は、ゴムシートの内部に導電材を有し、弾性を有する導電体となっている。本実施の形態では、細い棒状の導電材がシート全面に埋設され、該シートの一方面から他方面にかけて導通させることを可能としている。この導電シート8は、第1の測定基板5と第1押圧面11との間に配設されることで、蓋体3と本体2とがキャッチクリップ15で閉止されて第1の測定基板5と第2の測定基板6とをスペーサ板4に向けて押圧することにより溝M2に進入したリードR2に接触するようになっている。
【0029】
したがって、本実施の形態のように、スペーサ板4の一方の面に配置された1本のリードR2が他の2本のリードR1,R3から外側へ外れるレーザダイオード14であっても、当該外側へ外れるリードR2が第1の測定基板5のスリット7に配置され、導電シート8を介しての接触が可能となっている。
【0030】
導電シート8は、本体2に設けられた図示しない電気接触部に接続される。ベース基台10上には本体2に対峙するケーブル支持部26が立設され、ケーブル支持部26の上部にはヒンジ27を介して接触板28が回転自在に設けられる。接触板28には光ファイバケーブル29が保持され、光ファイバケーブル29は接触板28がスプリング30によって付勢されることでレーザダイオード14と接続される。
【0031】
テストフィクスチャ1の各端子20,21、端子23,24は、レーザダイオード14の電気特性を測定する測定システムに接続される。測定システムは、信号発生部 (パルスパターンジェネレータ) と、信号測定部と、処理部とから構成される。信号発生部は、レーザダイオード14の機能を測定するために必要な測定用信号を発生し、レーザダイオード14に出力する。
【0032】
テストフィクスチャ1に取り付けられたレーザダイオード14には、信号発生部からの測定用信号が入力され、レーザダイオード14から出力された信号は外部に出力される。信号測定部は、レーザダイオード14から出力された信号を測定するための手段で、信号測定部で測定等された信号は、パソコン等の処理部で演算処理されて表示手段で表示される。
【0033】
次に、本実施の形態によるテストフィクスチャ1の作用を説明する。
測定対象となるレーザダイオード14をテストフィクスチャ1に保持するには、まず、図3,4に示すように、蓋体3を上げて第1押圧面11、第2押圧面13を開放する。この第1押圧面11、第2押圧面13には予め第1,第2の測定基板5,6が取り付けられている。また、第1の測定基板5と第1押圧面11との間には予め導電シート8が挟入されている。導電シート8は、第1の測定基板5を第1押圧面11に密着させることで一部分がスリット7内に膨出している。
【0034】
次いで、図7(a)に示すように、レーザダイオード14のリードR1,R2,R3と、リードR4,R5との間に、リードRの先端からスペーサ板4をスライドさせて挿入し、各リードRを各溝Mに配置する。これにより、リードRは、その根元から先端までの全長にわたって溝Mに沿って保持される。
【0035】
次いで、レーザダイオード14を装着したスペーサ板4を、位置決めピン18,18に位置決め孔17,17を一致させて、本体2の第1の測定基板5上に載置する。
【0036】
次いで、蓋体3を本体2へ押圧しながら閉鎖し、キャッチクリップ15によって本体2側に閉止する。レーザダイオード14は、リードRが溝Mに保持され、スペーサ板4が位置決めされて本体2と蓋体3との間に押圧力を受けながら保持されることで、各リードRが第1,第2の測定基板5,6の導体P1,P2、導体P3,P4に接触する。
【0037】
リードRは、その根元から先端までの全長にわたり、第1,第2の測定基板5,6の対応する各導体Pに理想の状態で接触する。また、リードR2はスリット7に進入して配置され、本体2と蓋体3とが第1,第2の測定基板5,6をスペーサ板4に向けて押圧することによってスリット7内に膨出している導電シート8に接触する。これにより、全てのリードRが確実に固定され、かつ外部の端子20,21、端子23,24と電気的に導通された状態となる。
【0038】
これでレーザダイオード14の各リードRは、第1,第2の測定基板5,6の各導体Pとインピーダンスの整合を崩すことなく接触した状態となるので、レーザダイオード14の電気特性を正確に測定することが可能となる。
【0039】
具体的には、レーザダイオード14に高周波信号を入力し、光出力を測定する場合には、信号発生部で周波数、振幅パターンを設定し、テストフィクスチャ1に装着されたレーザダイオード14に端子20,21から高周波信号を入力する。光送受信部から出力した光は、光出力、波長、Tr、Tf、ジッタ消光比等の各項目が測定され、パソコン等によりデータが処理され、必要に応じてモニター等に表示等される。
【0040】
また、電子デバイスとして、レーザダイオードの代わりにフォトダイオードが装着され、このフォトダイオード14を光入力、高周波信号出力で測定する場合には、レベルの調整された光が光送受信部から入力され、フォトダイオード14を保持したテストフィクスチャ1の端子20,21から高周波信号が出力され、Tr、Tf、ジッタ消光比、ビット誤り率等の各項目が測定され、パソコン等によりデータが処理され、必要に応じてモニター等に表示等される。
【0041】
この実施の形態によるテストフィクスチャ1によれば、リードRに沿った溝Mを有するスペーサ板4と、スペーサ板4を両側から挟んでリードRに導体Pを接触させる第1,第2の測定基板5,6と、第1の測定基板5を第1押圧面11に密着させたことでスリット7内に一部分が膨出する導電シート8とを備えたので、平行列から外れて配置されるリードR2であっても、スリット7に挿入して導体(導電シート8)に接触させることができる。そして、第1,第2の測定基板5,6を本体2と蓋体3とでスペーサ板4に向けて押圧することで接触は確実となる。また、リードRを溝Mに保持させ、第1,第2の測定基板5,6でリードRを押圧して導通をとるので、リードRを所定の位置に確実に保持して測定基板の導体Pと理想の状態で接触させ、正確な測定をすることができる。
【0042】
さらに、リードRの根元から先端までの全長にわたって第1,第2の測定基板5,6の導体Pに接触させることができるので、インピーダンスの整合を崩すことなく測定することができる。この結果、2枚の測定基板を押圧するだけでは接触できない電子デバイスに対しても安定した接触が行え、電子デバイスの全数評価が可能となり、開発期間の短縮、歩留まりの向上によるコスト低減が可能となる。
【0043】
これに加え、本実施の形態では、スペーサ板4の一方の面に3本のリードRが配置され、スペーサ板4の他方の面に2本のリードRが配置され、かつスペーサ板4の一方の面に配置された1本のリードR2が他の2本のリードR1,R3から外側へ外れるレーザダイオード14であっても、当該外側へ外れるリードR2を第1の測定基板5のスペーサ板4に配置することで、測定基板の導体Pとは別のスリット7に膨出している導体(導電シート8)に接触させることができる。この結果、5本のリードRが五角形の各対角に配置されるレーザダイオード14に対しても接触を可能にすることができる。
【0044】
なお、上述した実施の形態によれば、第1の測定基板5を第1押圧面11に密着させるための密着手段Uとしてネジ25を用いる構成としたが、これに限定されず、例えば、図8に示すように、スペーサ板4における第1の測定基板5に対面する一方面に突起部35が形成された構成としてもよい。これにより、蓋体3と本体2とが第1,第2の測定基板5,6をスペーサ板4に向けて押圧したときに、突起部35が第1の測定基板5を押え付けることでこの第1の測定基板5を第1押圧面11に密着させる。この突起部35は、溝Mに沿って複数個が形成されても、凸条で形成されてもよい。
【0045】
また、上述した実施の形態によれば、第1,第2の測定基板5,6のうちスリット7が設けられるのは、本体2側に位置する第1の測定基板5としたが、蓋体3側に位置する第2の測定基板6にスリット7が設けられた構成としてもよい。その場合、導電シート8は、第2の測定基板6と第2押圧面13との間に設けられる。
【0046】
次に、本発明によるテストフィクスチャの第2の実施の形態を説明する。
図9は6本のリードを有する電子デバイスに対応したスペーサ板を備える第2の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。なお、以下の各実施の形態において、図1〜図8に示した部材と同等の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
このテストフィクスチャは、6本のリードR(リードR1,R2,R3,R4,R5,R6)が導出されるレーザダイオード14Aを保持してその電気特性を測定する。したがって、スペーサ板4Aの一方の面に形成された2本の溝M1,M3と、スペーサ板4Aの他方の面に形成された2本の溝M4,M6と、スペーサ板4Aの一方の面にスリット7に沿って形成され一方の面に形成された2本の溝M1,M3より突出して配置された1本の溝M2と、スペーサ板4Aの他方の面にスリット7に沿って形成され他方の面に形成された2本の溝M4,M6より突出して配置された1本の溝M5とを備えている。
【0047】
このテストフィクスチャによれば、スペーサ板4Aの両面に配置されたそれぞれ1本のリードR2,R5が他の2本のリードMから外側へ外れるレーザダイオード14Aであっても、当該外側へ外れるリードR2,R5が第1,第2の測定基板5,6のそれぞれに設けたスリット7,7に配置され、導電シート8,8を介しての接触が可能となる。この結果、6本のリードRが六角形の各対角に配置されるレーザダイオード14Aに対しても接触を可能にすることができる。
【0048】
次に、本発明によるテストフィクスチャの第3の実施の形態を説明する。
図10は分割された測定基板が用いられる第3の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部斜視図である。
このテストフィクスチャは、第1の測定基板5A,5Aが2枚に分割されている。したがって、リードR2は、第1の測定基板5A,5Aの間に形成される間隙31に配置されて導電シート8に接触される。
【0049】
このテストフィクスチャによれば、間隙31の幅を任意に設定することができる。
【0050】
次に、本発明によるテストフィクスチャの第4の実施の形態を説明する。
図11はスリットが断面V字形状に形成される第4の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
このテストフィクスチャは、第1の測定基板5Bに形成されるスリット7Aが断面V字状に形成される。一方、スペーサ板4BにはリードR2を保持する溝M2が形成されず、代わりに凸条32が設けられている。したがって、リードR2は、凸条32に押圧されて、断面V字状のスリット7Aに押し込められるようになっている。
【0051】
このテストフィクスチャによれば、リードR2と導電シート8との接触性を良好にすることができる。
【0052】
次に、本発明によるテストフィクスチャの第5の実施の形態を説明する。
図12はスリットに対向する押圧面に凸部の設けられた第5の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
このテストフィクスチャは、スリット7に対向する第1押圧面11に凸部33が形成されている。凸部33は、スリット7に沿って複数個が形成されても、凸条で形成されてもよい。この凸部33が設けられることで、導電シート8は通常状態においても凸部33に背面が押圧されてスリット7内へ膨出するようになっている。
【0053】
このテストフィクスチャによれば、導電シート8が確実にスリット7内へ突出し、リードR2と導電シート8との接触性を一層良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明によるテストフィクスチャを示す側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】図1における蓋体を開放した状態を示すA−A矢視図である。
【図4】図1における蓋体を開放した状態を示すB−B矢視図である。
【図5】(a)上側から見たスペーサ板を示す斜視図である。 (b)下側から見たスペーサ板を示す斜視図である。
【図6】スペーサ板がリード間に挿入されて測定基板に挟まれる電子デバイスの斜視図である。
【図7】スペーサ板が挿入され測定基板を介して本体と蓋体とに挟まれたリードの断面図である。
【図8】密着手段としての突起部が設けられたスペーサ板が挿入され測定基板を介して本体と蓋体とに挟まれたリードの断面図である。
【図9】第2の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
【図10】第3の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部斜視図である。
【図11】第4の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
【図12】第5の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1…テストフィクスチャ
2…本体
3…蓋体
4…スペーサ板
5,6…第1,第2の測定基板
7…スリット
8…導電シート
11…第1押圧面
13…第2押圧面
14…レーザダイオード(電子デバイス)
14a…一端面
17…位置決め孔(位置決め手段)
18…位置決めピン(位置決め手段)
M1,M2,M3,M4,M5…溝
P…導体
R1,R2,R3,R4,R5…リード
T…押圧手段
U…密着手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリードを導出させた電子デバイスの電気特性を測定するために導体を各リードに接触させた状態で、電子デバイスを保持するテストフィクスチャに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの電気特性を測定するには、電子デバイスに測定用信号を与える信号発生部と、電子デバイスから出力された信号を測定する信号処理部とを、電子デバイスの外部端子であるリードに安定した状態で接触させなければならない。このため、電子デバイスを所定位置に保持するとともに、信号発生部や信号処理部に接続された測定用基板の導体(導体パターン)を電子デバイスのリードに押し付けて導通させるためのテストフィクスチャ(検査治具)が用いられる。
【0003】
例えば、下記特許文献1に開示されるように、複数本のリードが2列に並べられた電子デバイスの場合、絶縁性のデバイス支持体の上に該電子デバイスを載せ、デバイス支持体の一対の側面に各々形成された複数の溝に2列各複数本のリードを保持させる。そして、電子デバイスのリードと測定基板の導体パターンが平行となるように2枚の測定基板をリードの外側に配置し、2つのブロックを測定基板の外側にそれぞれ移動可能に配置して、このブロックで測定基板の導体パターンをリードに押し付けて導通を図っていた。
【特許文献1】特開2004−198303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のテストフィクスチャは、リードの外側に2枚の測定基板を配置し、2つのブロックを測定基板の外側から押し付けて導通をとっていたため、平行列から外れてリードが配置される電子デバイスに対しては導通をとることができなかった。このため、五角形の各対角にリードが配置される5本のリードを有する電子デバイスや、六角形の各対角にリードが配置される6本のリードを有する電子デバイスに対しては測定が行えず、全数評価ができないことから、量産時の歩留まり低下などの問題があった。
また、電子デバイスから細長い棒状のリードが複数本並んで突出する構造では、測定基板に形成された複数の導体パターンに各リードを確実に接触させる必要がある。特に、このようなリードタイプの電子デバイスでは、リードの根元から先端までのインピーダンスの整合を崩すことなく測定するために、リードの全長を測定基板の導体パターンに正しく接触させることが要求された。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、平行列から外れて配置されるリードであっても接触させることができ、しかも、インピーダンスの整合を崩さずに測定できるテストフィクスチャを提供し、もって、全数評価により、開発期間の短縮、歩留まりを向上させ、コストの低減を図ることを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のテストフィクスチャは、一端面14aから複数のリードRを導出させた電子デバイス14の電気特性を測定するために導体Pを前記各リードRに接触させるテストフィクスチャ1であって、
前記リードRの間に挿入され前記各リードRの直径方向の一部分を挿入する溝Mが前記リードRに沿って両面に形成されたスペーサ板4と、
前記リードRを挟んで配置されるとともにそれぞれ一方の面に前記各リードRに接触する前記導体Pが形成された第1,第2の測定基板5,6と、
前記第1,第2の測定基板5,6の少なくとも一方の測定基板5に設けられ所定の前記リードR2に対応して切り欠かれたスリット7と、
前記スリット7の設けられた測定基板5の他方の面側、つまり、導体Pが形成された面と反対の面側に設けられ該測定基板5を密着させることで該スリット7内に一部分が膨出する導電シート8と、
前記第1,第2の測定基板5,6を前記スペーサ板4に向けて押圧して前記導体Pと前記各リードRとを接触させる押圧手段Tと、
を具備することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載のテストフィクスチャは、一端面14aから複数のリードRを導出させた電子デバイス14の電気特性を測定するために導体Pを前記各リードに接触させるテストフィクスチャ1であって、
第1押圧面11を有した本体2と、
前記本体2に取り付けられ前記第1押圧面11に対面する第2押圧面13を有した蓋体3と、
前記リードRの間に挿入され前記各リードRの直径方向の一部分を挿入する溝Mが前記リードRに沿って両面に形成され位置決め手段17,18によって位置決めされて前記本体2と前記蓋体3との間で前記押圧面11,13に平行に挟まれるスペーサ板4と、
前記本体2と前記スペーサ板4との間及び前記蓋体3と前記スペーサ板4との間に設けられ前記リードRに接触する前記導体Pの形成された第1,第2の測定基板5,6と、
前記第1,第2の測定基板5,6の少なくとも一方の測定基板5に設けられ所定の前記リードR2に対応して切り欠かれたスリット7と、
前記スリット7の設けられた測定基板5と該測定基板5に対面する押圧面11との間に設けられた導電シート8と、
前記スリット7の設けられた測定基板5を前記対面する押圧面11に密着させて該スリット7内に前記導電シート8の一部分を膨出させる密着手段Uと、
を具備し、前記蓋体3と前記本体2とが前記第1,第2の測定基板5,6を前記スペーサ板4に向けて押圧することによって前記導体Pと前記各リードRとを接触させることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、平行列から外れて配置されるリードR2はスリット7に配置されてスリット7内に膨出している導電シート8に接触され、他のリードRは測定基板5の導体Pに接触され、押圧手段Tを構成している蓋体3と本体2とが第1,第2の測定基板5,6をスペーサ板4に向けて押圧することでこれらの接触は確実なものとなる。また、リードRが全長にわたって導体Pに接触され、インピーダンスの整合が崩れない。
【0009】
請求項3記載のテストフィクスチャは、5本の前記リードR1,R2,R3,R4,R5が導出される前記電子デバイス14の電気特性を測定する請求項1又は2記載のテストフィクスチャ1であって、
前記スペーサ板4の一方の面に形成された2本の前記溝M2,M3と、
前記スペーサ板4の他方の面に形成された2本の前記溝M4,M5と、
前記スペーサ板4の一方の面に前記スリット7に沿って形成され該一方の面に形成された2本の溝M2,M3より突出して配置された1本の溝M2と、
を具備することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、スペーサ板4の一方の面に配置された1本のリードM2が他の2本のリードM1,M3から外側へ外れる電子デバイス14であっても、当該外側へ外れるリードM2が測定基板5のスリット7に配置され、導電シート8を介しての接触が可能となる。
【0011】
請求項4記載のテストフィクスチャは、6本の前記リードR1,R2,R3,R4,R5,R6が導出される前記電子デバイス14Aの電気特性を測定する請求項1又は2記載のテストフィクスチャ1であって、
前記スペーサ板4Aの一方の面に形成された2本の前記溝M1,M3と、
前記スペーサ板4Aの他方の面に形成された2本の前記溝M4,M6と、
前記スペーサ板4Aの一方の面に前記スリット7に沿って形成され該一方の面に形成された2本の溝M1,M3より突出して配置された1本の溝M2と、
前記スペーサ板4Aの他方の面に前記スリット7に沿って形成され該他方の面に形成された2本の溝M4,M6より突出して配置された1本の溝M5と、
を具備することを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、スペーサ板4Aの両面に配置された1本のリードR2,R5が他の2本のリードRから外側へ外れる電子デバイス14Aであっても、当該外側へ外れるリードR2,R5が第1,第2の測定基板5,6のそれぞれに設けたスリット7,7に配置され、導電シート8,8を介しての接触が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るテストフィクスチャによれば、リードに沿った溝を有するスペーサ板と、スペーサ板を両側から挟んでリードに導体を接触させる第1,第2の測定基板と、スリットの設けられた測定基板をこの測定基板に対面する押圧面に密着させたことでスリット内に一部分が膨出する導電シートとを備えたので、平行列から外れて配置されるリードであっても、スリットに挿入して導体に接触されることができる。そして、第1,第2の測定基板を押圧手段を構成している本体と蓋体とでスペーサ板に向けて押圧することで接触は確実となる。また、リードを溝に保持させ、第1,第2の測定基板でリードを押圧して導通をとるので、リードを所定の位置に確実に保持して測定基板の導体と理想の状態で接触させ、正確な測定をすることができる。さらに、リードの根元から先端までの全長にわたって測定基板の導体に接触させることができるので、インピーダンスの整合を崩すことなく測定することができる。この結果、2枚の測定基板を押圧するだけでは接触できない電子デバイスに対しても安定した接触が行え、電子デバイスの全数評価が可能となり、開発期間の短縮、歩留まりの向上によるコスト低減が可能となる。
【0014】
また、スペーサ板の一方の面に3本のリードが配置され、スペーサ板の他方の面に2本のリードが配置され、かつスペーサ板の一方の面に配置された1本のリードが他の2本のリードから外側へ外れる電子デバイスであっても、当該外側へ外れるリードを測定基板のスリットに配置することで、測定基板の導体とは別のスリットに膨出している導電シートに接触させることができる。この結果、5本のリードが五角形の各対角に配置される電子デバイスに対しても接触を可能にすることができる。
【0015】
さらに、スペーサ板の一方の面に3本のリードが配置され、スペーサ板の他方の面に3本のリードが配置され、かつスペーサ板の両面に配置された1本のリードが他の2本のリードから外側へ外れる電子デバイスであっても、当該外側へ外れるリードを第1,第2の測定基板のそれぞれに設けたスリットに配置することで、測定基板の導体とは別のスリットに膨出している導電シートに接触させることができる。この結果、6本のリードが六角形の各対角に配置される電子デバイスに対しても接触を可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るテストフィクスチャの好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明によるテストフィクスチャを示す側面図、図2は同平面図、図3は図1における蓋体を開放した状態を示すA−A矢視図、図4は図1における蓋体を開放した状態を示すB−B矢視図、図5(a)は上側から見たスペーサ板を示す斜視図、(b)は下側から見たスペーサ板を示す斜視図、図6はスペーサ板がリード間に挿入されて測定基板に挟まれる状態を示す斜視図、図7はスペーサ板が挿入され測定基板を介して本体と蓋体とに挟まれたリードを示す断面図である。
【0017】
本実施の形態によるテストフィクスチャ1は、一端面から複数のリードを略垂直に導出させた電子デバイスの電気特性を測定する目的で、導体を各リードに接触させて電子デバイスを保持するために用いられる。このテストフィクスチャ1は、主要な構成要素として、本体2と、蓋体3と、スペーサ板4と、第1,第2の測定基板5,6と、スリット7と、導電シート8とを備える。
【0018】
本体2は、両側にハンドル9,9を備えたベース基台10上に螺着される。本体2の上部には後述する導電シート8が設けられる凹部が形成された第1押圧面11(図7参照)が形成される。本体2の上部にはヒンジ12を介して蓋体3が開閉自在に取り付けられる。この蓋体3には第1押圧面11に対面する第2押圧面13(図7参照)が形成される。蓋体3は、キャッチクリップ15によって、所定の閉鎖力で本体2に閉止保持されるようになっている。これにより、本体2と蓋体3との間には所定の押圧力が負荷されることとなる。なお、本体2と、蓋体3と、キャッチクリップ15とはこのテストフィクスチャ1の押圧手段Tを構成している。
【0019】
本体2と蓋体3との間には、電子デバイスが挟まれる。本実施の形態では、例えば図6に示すレーザダイオード14が被測定対象として用いられる。ここで、レーザダイオード14についてさらに説明すれば、レーザダイオード14の一端面14aからは5本のリードR(R1,R2,R3,R4,R5)が略垂直に導出され、リードR1,R2,R3,R4,R5は五角形の各対角に配置される。これらのリードRは、送信側電源、送信側接地、光モニター、受信側電源、光遮断に対応する。
【0020】
スペーサ板4は、図6に示すように、リードRの間に挿入され、各リードRの直径方向の一部分を挿入する図5に示す溝M(M1,M2,M3,M4,M5)がリードRに沿って両面に形成される。溝Mの長さは、リードRの長さよりもやや長く、レーザダイオード14のリードRを溝Mに沿って挿入すると、リードRの全長が溝Mに沿って保持される。溝Mの断面形状はV字形であり、その深さと形状は、ここに断面丸形のリードRを保持させた場合、リードRの直径方向の一部がスペーサ板4の面から外に突出するように形成されている。但し、溝Mの断面形状は必ずしもV字形でなくてもよい。
【0021】
スペーサ板4の両側には溝Mに沿った脚部16,16が設けられ、脚部16,16はスペーサ板4を本体2から着脱する際の摘みとして使用される。
【0022】
このスペーサ板4には位置決め手段である位置決め孔17,17が穿設され、位置決め孔17,17には本体2に突設された図7に示す位置決め手段である位置決めピン18,18が挿入される。スペーサ板4は、これら位置決め孔17,17、位置決めピン18,18によって位置決めされて本体2と蓋体3との間で第1押圧面11、第2押圧面13に平行に挟まれる。このスペーサ板4の素材には例えばテフロン(登録商標)、PPO(ポリフェニレン・オキサイド)などが好適に用いられる。
【0023】
本体2とスペーサ板4との間及び蓋体3とスペーサ板4との間には第1,第2の測定基板5,6が設けられる。図6に示すように、第1の測定基板5には、リードR1,R3に接触する導体P(P1,P2)が形成されている。第2の測定基板6にはリードR4,R5に接触する導体P(P3,P4)が形成されている。この導体Pは第1,第2の測定基板5,6の端縁に延出され、図示しない電気接触部に接続される。すなわち、本体2側に取り付けられる第1測定基板5の導体P1,P2は、図2に示す本体2の側面に設けられた端子20,21に導通され、蓋体3に取り付けられる第2の測定基板5の導体P3,P4は、蓋体3の上面に設けられた端子23,24に導通される。
【0024】
図6に示すように、リードRは、スペーサ板4が挿入されると、溝Mによって全長が保持された状態となり、その根元から先端までの全長にわたって第1,第2の測定基板5,6の導体P1,P2、導体P3,P4と接触することとなる。
【0025】
第1,第2の測定基板5,6の少なくとも一方の測定基板(第1の測定基板5)には所定のリードに対応してスリット7が切り欠かれている。本実施の形態では、リードR2に対応してスリット7が設けられている。このリードR2は、例えば送信側接地(GND)となる。
【0026】
ところで、スリット7の設けられた測定基板(第1の測定基板5)に対面するスペーサ板4の面には3本の溝M1,M2,M3が形成され、図7に示すように、スリット7に沿って形成された1本の溝M2が他の2本の溝M1,M3より突出して配置されている。
【0027】
図6,7に示すように、スリット7の設けられた第1の測定基板5の端部近傍には、密着手段Uとしてのネジ25が取り付けられ、第1の測定基板5と、これに対面する第1押圧面11とを密着させる。
【0028】
また、スリット7の設けられた第1の測定基板5と、この第1の測定基板5に対面する第1押圧面11との間には前述した導電シート8が設けられる。導電シート8は、ゴムシートの内部に導電材を有し、弾性を有する導電体となっている。本実施の形態では、細い棒状の導電材がシート全面に埋設され、該シートの一方面から他方面にかけて導通させることを可能としている。この導電シート8は、第1の測定基板5と第1押圧面11との間に配設されることで、蓋体3と本体2とがキャッチクリップ15で閉止されて第1の測定基板5と第2の測定基板6とをスペーサ板4に向けて押圧することにより溝M2に進入したリードR2に接触するようになっている。
【0029】
したがって、本実施の形態のように、スペーサ板4の一方の面に配置された1本のリードR2が他の2本のリードR1,R3から外側へ外れるレーザダイオード14であっても、当該外側へ外れるリードR2が第1の測定基板5のスリット7に配置され、導電シート8を介しての接触が可能となっている。
【0030】
導電シート8は、本体2に設けられた図示しない電気接触部に接続される。ベース基台10上には本体2に対峙するケーブル支持部26が立設され、ケーブル支持部26の上部にはヒンジ27を介して接触板28が回転自在に設けられる。接触板28には光ファイバケーブル29が保持され、光ファイバケーブル29は接触板28がスプリング30によって付勢されることでレーザダイオード14と接続される。
【0031】
テストフィクスチャ1の各端子20,21、端子23,24は、レーザダイオード14の電気特性を測定する測定システムに接続される。測定システムは、信号発生部 (パルスパターンジェネレータ) と、信号測定部と、処理部とから構成される。信号発生部は、レーザダイオード14の機能を測定するために必要な測定用信号を発生し、レーザダイオード14に出力する。
【0032】
テストフィクスチャ1に取り付けられたレーザダイオード14には、信号発生部からの測定用信号が入力され、レーザダイオード14から出力された信号は外部に出力される。信号測定部は、レーザダイオード14から出力された信号を測定するための手段で、信号測定部で測定等された信号は、パソコン等の処理部で演算処理されて表示手段で表示される。
【0033】
次に、本実施の形態によるテストフィクスチャ1の作用を説明する。
測定対象となるレーザダイオード14をテストフィクスチャ1に保持するには、まず、図3,4に示すように、蓋体3を上げて第1押圧面11、第2押圧面13を開放する。この第1押圧面11、第2押圧面13には予め第1,第2の測定基板5,6が取り付けられている。また、第1の測定基板5と第1押圧面11との間には予め導電シート8が挟入されている。導電シート8は、第1の測定基板5を第1押圧面11に密着させることで一部分がスリット7内に膨出している。
【0034】
次いで、図7(a)に示すように、レーザダイオード14のリードR1,R2,R3と、リードR4,R5との間に、リードRの先端からスペーサ板4をスライドさせて挿入し、各リードRを各溝Mに配置する。これにより、リードRは、その根元から先端までの全長にわたって溝Mに沿って保持される。
【0035】
次いで、レーザダイオード14を装着したスペーサ板4を、位置決めピン18,18に位置決め孔17,17を一致させて、本体2の第1の測定基板5上に載置する。
【0036】
次いで、蓋体3を本体2へ押圧しながら閉鎖し、キャッチクリップ15によって本体2側に閉止する。レーザダイオード14は、リードRが溝Mに保持され、スペーサ板4が位置決めされて本体2と蓋体3との間に押圧力を受けながら保持されることで、各リードRが第1,第2の測定基板5,6の導体P1,P2、導体P3,P4に接触する。
【0037】
リードRは、その根元から先端までの全長にわたり、第1,第2の測定基板5,6の対応する各導体Pに理想の状態で接触する。また、リードR2はスリット7に進入して配置され、本体2と蓋体3とが第1,第2の測定基板5,6をスペーサ板4に向けて押圧することによってスリット7内に膨出している導電シート8に接触する。これにより、全てのリードRが確実に固定され、かつ外部の端子20,21、端子23,24と電気的に導通された状態となる。
【0038】
これでレーザダイオード14の各リードRは、第1,第2の測定基板5,6の各導体Pとインピーダンスの整合を崩すことなく接触した状態となるので、レーザダイオード14の電気特性を正確に測定することが可能となる。
【0039】
具体的には、レーザダイオード14に高周波信号を入力し、光出力を測定する場合には、信号発生部で周波数、振幅パターンを設定し、テストフィクスチャ1に装着されたレーザダイオード14に端子20,21から高周波信号を入力する。光送受信部から出力した光は、光出力、波長、Tr、Tf、ジッタ消光比等の各項目が測定され、パソコン等によりデータが処理され、必要に応じてモニター等に表示等される。
【0040】
また、電子デバイスとして、レーザダイオードの代わりにフォトダイオードが装着され、このフォトダイオード14を光入力、高周波信号出力で測定する場合には、レベルの調整された光が光送受信部から入力され、フォトダイオード14を保持したテストフィクスチャ1の端子20,21から高周波信号が出力され、Tr、Tf、ジッタ消光比、ビット誤り率等の各項目が測定され、パソコン等によりデータが処理され、必要に応じてモニター等に表示等される。
【0041】
この実施の形態によるテストフィクスチャ1によれば、リードRに沿った溝Mを有するスペーサ板4と、スペーサ板4を両側から挟んでリードRに導体Pを接触させる第1,第2の測定基板5,6と、第1の測定基板5を第1押圧面11に密着させたことでスリット7内に一部分が膨出する導電シート8とを備えたので、平行列から外れて配置されるリードR2であっても、スリット7に挿入して導体(導電シート8)に接触させることができる。そして、第1,第2の測定基板5,6を本体2と蓋体3とでスペーサ板4に向けて押圧することで接触は確実となる。また、リードRを溝Mに保持させ、第1,第2の測定基板5,6でリードRを押圧して導通をとるので、リードRを所定の位置に確実に保持して測定基板の導体Pと理想の状態で接触させ、正確な測定をすることができる。
【0042】
さらに、リードRの根元から先端までの全長にわたって第1,第2の測定基板5,6の導体Pに接触させることができるので、インピーダンスの整合を崩すことなく測定することができる。この結果、2枚の測定基板を押圧するだけでは接触できない電子デバイスに対しても安定した接触が行え、電子デバイスの全数評価が可能となり、開発期間の短縮、歩留まりの向上によるコスト低減が可能となる。
【0043】
これに加え、本実施の形態では、スペーサ板4の一方の面に3本のリードRが配置され、スペーサ板4の他方の面に2本のリードRが配置され、かつスペーサ板4の一方の面に配置された1本のリードR2が他の2本のリードR1,R3から外側へ外れるレーザダイオード14であっても、当該外側へ外れるリードR2を第1の測定基板5のスペーサ板4に配置することで、測定基板の導体Pとは別のスリット7に膨出している導体(導電シート8)に接触させることができる。この結果、5本のリードRが五角形の各対角に配置されるレーザダイオード14に対しても接触を可能にすることができる。
【0044】
なお、上述した実施の形態によれば、第1の測定基板5を第1押圧面11に密着させるための密着手段Uとしてネジ25を用いる構成としたが、これに限定されず、例えば、図8に示すように、スペーサ板4における第1の測定基板5に対面する一方面に突起部35が形成された構成としてもよい。これにより、蓋体3と本体2とが第1,第2の測定基板5,6をスペーサ板4に向けて押圧したときに、突起部35が第1の測定基板5を押え付けることでこの第1の測定基板5を第1押圧面11に密着させる。この突起部35は、溝Mに沿って複数個が形成されても、凸条で形成されてもよい。
【0045】
また、上述した実施の形態によれば、第1,第2の測定基板5,6のうちスリット7が設けられるのは、本体2側に位置する第1の測定基板5としたが、蓋体3側に位置する第2の測定基板6にスリット7が設けられた構成としてもよい。その場合、導電シート8は、第2の測定基板6と第2押圧面13との間に設けられる。
【0046】
次に、本発明によるテストフィクスチャの第2の実施の形態を説明する。
図9は6本のリードを有する電子デバイスに対応したスペーサ板を備える第2の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。なお、以下の各実施の形態において、図1〜図8に示した部材と同等の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
このテストフィクスチャは、6本のリードR(リードR1,R2,R3,R4,R5,R6)が導出されるレーザダイオード14Aを保持してその電気特性を測定する。したがって、スペーサ板4Aの一方の面に形成された2本の溝M1,M3と、スペーサ板4Aの他方の面に形成された2本の溝M4,M6と、スペーサ板4Aの一方の面にスリット7に沿って形成され一方の面に形成された2本の溝M1,M3より突出して配置された1本の溝M2と、スペーサ板4Aの他方の面にスリット7に沿って形成され他方の面に形成された2本の溝M4,M6より突出して配置された1本の溝M5とを備えている。
【0047】
このテストフィクスチャによれば、スペーサ板4Aの両面に配置されたそれぞれ1本のリードR2,R5が他の2本のリードMから外側へ外れるレーザダイオード14Aであっても、当該外側へ外れるリードR2,R5が第1,第2の測定基板5,6のそれぞれに設けたスリット7,7に配置され、導電シート8,8を介しての接触が可能となる。この結果、6本のリードRが六角形の各対角に配置されるレーザダイオード14Aに対しても接触を可能にすることができる。
【0048】
次に、本発明によるテストフィクスチャの第3の実施の形態を説明する。
図10は分割された測定基板が用いられる第3の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部斜視図である。
このテストフィクスチャは、第1の測定基板5A,5Aが2枚に分割されている。したがって、リードR2は、第1の測定基板5A,5Aの間に形成される間隙31に配置されて導電シート8に接触される。
【0049】
このテストフィクスチャによれば、間隙31の幅を任意に設定することができる。
【0050】
次に、本発明によるテストフィクスチャの第4の実施の形態を説明する。
図11はスリットが断面V字形状に形成される第4の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
このテストフィクスチャは、第1の測定基板5Bに形成されるスリット7Aが断面V字状に形成される。一方、スペーサ板4BにはリードR2を保持する溝M2が形成されず、代わりに凸条32が設けられている。したがって、リードR2は、凸条32に押圧されて、断面V字状のスリット7Aに押し込められるようになっている。
【0051】
このテストフィクスチャによれば、リードR2と導電シート8との接触性を良好にすることができる。
【0052】
次に、本発明によるテストフィクスチャの第5の実施の形態を説明する。
図12はスリットに対向する押圧面に凸部の設けられた第5の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
このテストフィクスチャは、スリット7に対向する第1押圧面11に凸部33が形成されている。凸部33は、スリット7に沿って複数個が形成されても、凸条で形成されてもよい。この凸部33が設けられることで、導電シート8は通常状態においても凸部33に背面が押圧されてスリット7内へ膨出するようになっている。
【0053】
このテストフィクスチャによれば、導電シート8が確実にスリット7内へ突出し、リードR2と導電シート8との接触性を一層良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明によるテストフィクスチャを示す側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】図1における蓋体を開放した状態を示すA−A矢視図である。
【図4】図1における蓋体を開放した状態を示すB−B矢視図である。
【図5】(a)上側から見たスペーサ板を示す斜視図である。 (b)下側から見たスペーサ板を示す斜視図である。
【図6】スペーサ板がリード間に挿入されて測定基板に挟まれる電子デバイスの斜視図である。
【図7】スペーサ板が挿入され測定基板を介して本体と蓋体とに挟まれたリードの断面図である。
【図8】密着手段としての突起部が設けられたスペーサ板が挿入され測定基板を介して本体と蓋体とに挟まれたリードの断面図である。
【図9】第2の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
【図10】第3の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部斜視図である。
【図11】第4の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
【図12】第5の実施の形態に係るテストフィクスチャの要部断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1…テストフィクスチャ
2…本体
3…蓋体
4…スペーサ板
5,6…第1,第2の測定基板
7…スリット
8…導電シート
11…第1押圧面
13…第2押圧面
14…レーザダイオード(電子デバイス)
14a…一端面
17…位置決め孔(位置決め手段)
18…位置決めピン(位置決め手段)
M1,M2,M3,M4,M5…溝
P…導体
R1,R2,R3,R4,R5…リード
T…押圧手段
U…密着手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端面(14a)から複数のリード(R)を導出させた電子デバイス(14)の電気特性を測定するために導体(P)を前記各リードに接触させるテストフィクスチャ(1)であって、
前記リードの間に挿入され前記各リードの直径方向の一部分を挿入する溝(M)が前記リードに沿って両面に形成されたスペーサ板(4)と、
前記リードを挟んで配置されるとともにそれぞれ一方の面に前記各リードに接触する前記導体が形成された第1,第2の測定基板(5,6)と、
前記第1,第2の測定基板の少なくとも一方の測定基板に設けられ所定の前記リードに対応して切り欠かれたスリット(7)と、
前記スリットの設けられた測定基板の他方の面側に設けられ該測定基板を密着させることで該スリット内に一部分が膨出する導電シート(8)と、
前記第1,第2の測定基板を前記スペーサ板に向けて押圧して前記導体と前記各リードとを接触させる押圧手段(T)と、
を具備することを特徴とするテストフィクスチャ。
【請求項2】
一端面(14a)から複数のリード(R)を導出させた電子デバイス(14)の電気特性を測定するために導体(P)を前記各リードに接触させるテストフィクスチャ(1)であって、
第1押圧面(11)を有した本体(2)と、
前記本体に取り付けられ前記第1押圧面に対面する第2押圧面(13)を有した蓋体(3)と、
前記リードの間に挿入され前記各リードの直径方向の一部分を挿入する溝(M)が前記リードに沿って両面に形成され位置決め手段(17,18)によって位置決めされて前記本体と前記蓋体との間で前記押圧面に平行に挟まれるスペーサ板(4)と、
前記本体と前記スペーサ板との間及び前記蓋体と前記スペーサ板との間に設けられ前記リードに接触する前記導体の形成された第1,第2の測定基板(5,6)と、
前記第1,第2の測定基板の少なくとも一方の測定基板に設けられ所定の前記リードに対応して切り欠かれたスリット(7)と、
前記スリットの設けられた測定基板と該測定基板に対面する押圧面との間に設けられた導電シート(8)と、
前記スリットの設けられた測定基板を前記対面する押圧面に密着させて該スリット内に前記導電シートの一部分を膨出させる密着手段(U)と、
を具備し、前記蓋体と前記本体とが前記第1,第2の測定基板を前記スペーサ板に向けて押圧することによって前記導体と前記各リードとを接触させることを特徴とするテストフィクスチャ。
【請求項3】
5本の前記リード(R1,R2,R3,R4,R5)が導出される前記電子デバイスの電気特性を測定する請求項1又は2記載のテストフィクスチャであって、
前記スペーサ板の一方の面に形成された2本の前記溝(M2,M3)と、
前記スペーサ板の他方の面に形成された2本の前記溝(M4,M5)と、
前記スペーサ板の一方の面に前記スリットに沿って形成され該一方の面に形成された2本の溝より突出して配置された1本の溝(M2)と、
を具備することを特徴とするテストフィクスチャ。
【請求項4】
6本の前記リード(R1,R2,R3,R4,R5,R6)が導出される前記電子デバイスの電気特性を測定する請求項1又は2記載のテストフィクスチャであって、
前記スペーサ板の一方の面に形成された2本の前記溝(M1,M3)と、
前記スペーサ板の他方の面に形成された2本の前記溝(M4,M6)と、
前記スペーサ板の一方の面に前記スリットに沿って形成され該一方の面に形成された2本の溝より突出して配置された1本の溝(M2)と、
前記スペーサ板の他方の面に前記スリットに沿って形成され該他方の面に形成された2本の溝より突出して配置された1本の溝(M5)と、
を具備することを特徴とするテストフィクスチャ。
【請求項1】
一端面(14a)から複数のリード(R)を導出させた電子デバイス(14)の電気特性を測定するために導体(P)を前記各リードに接触させるテストフィクスチャ(1)であって、
前記リードの間に挿入され前記各リードの直径方向の一部分を挿入する溝(M)が前記リードに沿って両面に形成されたスペーサ板(4)と、
前記リードを挟んで配置されるとともにそれぞれ一方の面に前記各リードに接触する前記導体が形成された第1,第2の測定基板(5,6)と、
前記第1,第2の測定基板の少なくとも一方の測定基板に設けられ所定の前記リードに対応して切り欠かれたスリット(7)と、
前記スリットの設けられた測定基板の他方の面側に設けられ該測定基板を密着させることで該スリット内に一部分が膨出する導電シート(8)と、
前記第1,第2の測定基板を前記スペーサ板に向けて押圧して前記導体と前記各リードとを接触させる押圧手段(T)と、
を具備することを特徴とするテストフィクスチャ。
【請求項2】
一端面(14a)から複数のリード(R)を導出させた電子デバイス(14)の電気特性を測定するために導体(P)を前記各リードに接触させるテストフィクスチャ(1)であって、
第1押圧面(11)を有した本体(2)と、
前記本体に取り付けられ前記第1押圧面に対面する第2押圧面(13)を有した蓋体(3)と、
前記リードの間に挿入され前記各リードの直径方向の一部分を挿入する溝(M)が前記リードに沿って両面に形成され位置決め手段(17,18)によって位置決めされて前記本体と前記蓋体との間で前記押圧面に平行に挟まれるスペーサ板(4)と、
前記本体と前記スペーサ板との間及び前記蓋体と前記スペーサ板との間に設けられ前記リードに接触する前記導体の形成された第1,第2の測定基板(5,6)と、
前記第1,第2の測定基板の少なくとも一方の測定基板に設けられ所定の前記リードに対応して切り欠かれたスリット(7)と、
前記スリットの設けられた測定基板と該測定基板に対面する押圧面との間に設けられた導電シート(8)と、
前記スリットの設けられた測定基板を前記対面する押圧面に密着させて該スリット内に前記導電シートの一部分を膨出させる密着手段(U)と、
を具備し、前記蓋体と前記本体とが前記第1,第2の測定基板を前記スペーサ板に向けて押圧することによって前記導体と前記各リードとを接触させることを特徴とするテストフィクスチャ。
【請求項3】
5本の前記リード(R1,R2,R3,R4,R5)が導出される前記電子デバイスの電気特性を測定する請求項1又は2記載のテストフィクスチャであって、
前記スペーサ板の一方の面に形成された2本の前記溝(M2,M3)と、
前記スペーサ板の他方の面に形成された2本の前記溝(M4,M5)と、
前記スペーサ板の一方の面に前記スリットに沿って形成され該一方の面に形成された2本の溝より突出して配置された1本の溝(M2)と、
を具備することを特徴とするテストフィクスチャ。
【請求項4】
6本の前記リード(R1,R2,R3,R4,R5,R6)が導出される前記電子デバイスの電気特性を測定する請求項1又は2記載のテストフィクスチャであって、
前記スペーサ板の一方の面に形成された2本の前記溝(M1,M3)と、
前記スペーサ板の他方の面に形成された2本の前記溝(M4,M6)と、
前記スペーサ板の一方の面に前記スリットに沿って形成され該一方の面に形成された2本の溝より突出して配置された1本の溝(M2)と、
前記スペーサ板の他方の面に前記スリットに沿って形成され該他方の面に形成された2本の溝より突出して配置された1本の溝(M5)と、
を具備することを特徴とするテストフィクスチャ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−126138(P2006−126138A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−318174(P2004−318174)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
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