説明

テトラヒドロナフタレン化合物

本発明は、式(I)の化合物
【化1】


(式中、R、R、R、R、R、m及びnは、明細書中に定義したとおりである。)及びそのような化合物の薬学的に許容される塩に関する。これらの化合物は、カルシウムチャンネルブロッカーとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なテトラヒドロナフタレン化合物、及び慢性安定狭心症、高血圧、(腎臓及び心臓の)虚血、心房細動を含む不整脈、心肥大又はうっ血性心不全の治療又は予防における強力なカルシウムチャンネルブロッカーとしてのそれらの使用、これらの誘導体を含有する医薬組成物及びそれらの製造のための方法に関する。本発明の架橋6員環化合物誘導体はまた、単独で、又は医薬組成物中で、人及び他の哺乳類における腎臓病、糖尿病及びその合併症、高アルドステロン症、てんかん、神経因性疼痛又は癌の治療のために使用してもよい。
【背景技術】
【0002】
多くの心血管疾患は、心臓及び血管平滑筋細胞の細胞膜を介した、異常に上昇したカルシウムの流入の結果としてのカルシウム過負荷と関連づけられる。細胞外カルシウムがこれらの細胞内に入る3つの主要な経路がある:1)受容体―活性化型カルシウムチャンネル、2)リガンド依存型カルシウムチャンネル、3)電圧駆動型カルシウムチャンネル(VOCs)。
【0003】
VOCsは、6つの主要なカテゴリーに分類される:L(Long−lasting)、T(Transient)、N(Neuronal)、P(プルキンエ細胞)、Q(Pの後)及びR(Remaining又はResistant)。
【0004】
L型カルシウムチャンネルは、カルシウムの内側への移動を司り、心臓及び血管平滑筋細胞の収縮を引き起こすため、心血管系分野における、これらのチャンネルのブロッカーの適用が示唆される。このような見地から、L型カルシウムチャンネルは、60年代初期より、医療において用いられており、現在、収縮期拡張期高血圧及び狭心症の一次治療として推奨されている。
【0005】
T型カルシウムチャンネルは、冠状及び抹消脈管、洞結節及びプルキンエ繊維、脳、副腎等の種々の組織及び腎臓において見られる。この広範な分布は、T型カルシウムチャンネルが心血管保護作用を有し、睡眠障害、気分障害、うつ病、偏頭痛、高アルドステロン血症、早期分娩、尿失禁、アルツハイマー病等の脳老化又は神経変性障害に対し効果を有することを示唆する。
【0006】
Mibefradil(Posicor(登録商標))、最初のL型及びT型カルシウムチャンネルブロッカーは、主にLチャンネルを標的とするカルシウムチャンネルブロッカーに対し優位な効果を示した。Mibefradilは、Lチャンネルブロッカーでよく見られる、変力作用、反射性頻脈、血管収縮性ホルモンの分泌又は末梢性浮腫等の好ましくない副作用を示すことなく、高血圧及び狭心症の治療に用いられた。加えて、mibefradilは、潜在的な心筋保護効果(Villame、Cardiovascular Drugs and Therapy 15、41−28、2001;Ramires、J Mol Cell Cardiol、1998、30、475−83)、腎保護作用(Honda、Hypertension 19、2031−37、2001)を示し、また、心不全の治療において有効な効果を示した(Clozel、Proceedings Association American Physicians、1999、111、429−37)。
【0007】
このようなプロファイルを持つ化合物に対する大きな需要にもかかわらず、許容できないCYP 3A4薬物間相互作用のため、mibefradilは、1998年に(上市から1年後)市場から回収された。さらに、ECG異常(すなわち、QT延長)及びMDR−1介在ジゴキシン流出との相互作用も報告された(du Souich、Clin Pharmacol Ther 67、249−57、2000;Wandel、Drug Metab Dispos、2000、28、895−8)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の化合物は、強力なT/Lチャンネルブロッカーであり、従ってT及びLの両チャンネルが関与する疾病において有用である。
【0009】
本発明の種々の態様を以下に記載する。
【0010】
1) 本発明の第一の態様は式(I)の化合物に関する。
【0011】
【化1】

【0012】
式中、
は水素又はフッ素を表し;
は水素又は−CO−R21を表し;
21は(C1−5)アルキル、(C1−3)フルオロアルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C3−6)シクロアルキル−(C1−3)アルキル、(C1−5)アルコキシ、(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルキル又はR2223N−を表し;
22は(C1−5)アルキルを表し;
23は水素又は(C1−5)アルキルを表し;
nは整数の1、2、3又は4を表し;
mは整数の2、3、4又は5を表し;
は水素、(C1−5)アルキル又は(C1−3)フルオロアルキルを表し;
は、1個のフェニルにより任意に置換された(C1−3)フルオロアルキルを表し;
は、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、各置換基が、ヒドロキシ、(C1−2)アルコキシ、(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C2−4)アルコキシ、アリール−(C1−3)アルコキシ及びアリール−(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシから成る群より独立に選択される当該(C1−5)アルキルを表すか;
又はRは、2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、置換基の1つが(C1−2)アルコキシであり、そして他方がフェニルである当該(C1−5)アルキルを表すか;
又はRは、2個の環酸素原子を任意に含む4−〜8−員の飽和炭素環であって、当該2個の環酸素原子が互いに隣接しない当該飽和炭素環を表す。
【0013】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしており、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用されることを意図している。
【0014】
「(C1−5)アルキル」という用語は、1〜5個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。好ましくは、1〜4個の炭素原子を持つ基である。「(Cx−y)アルキル」(x及びyは整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。(C1−5)アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、イソブチル、n−ペンチル及びイソペンチルである。好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルである。最も好ましくは、メチルである。置換基R21としては、(C1−5)アルキルの好ましい例はイソプロピルである。
【0015】
未置換の(C1−5)アルキルを表すRの好ましい例は、イソプロピル及びtert.−ブチルである。「1又は2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、各置換基がヒドロキシ、(C1−2)アルコキシ、(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C2−4)アルコキシ、アリール−(C1−3)アルコキシ及びアリール−(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシから成る群より独立に選択される当該(C1−5)アルキル」を表すRの好ましい例において、置換基は、ヒドロキシ、(C1−2)アルコキシ、(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシ及びヒドロキシ−(C2−4)アルコキシから(特に(C1−2)アルコキシから)選択される。そのような基の特定の例は、1,3−ジメトキシ−2−メチル−プロパン−2−イル、2−メトキシ−プロパン−2−イル及び1,1−ジメチル−2−メトキシ−エチル−1−イルであり、特に1,3−ジメトキシ−2−メチル−プロパン−2−イルである。
【0016】
「2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、置換基の1つは(C1−2)アルコキシであり、そして他方はフェニルである当該(C1−5)アルキル」を表すRの好ましい例は、1−メトキシ−1−フェニル−エタン−1−イルである。
【0017】
「(C1−5)アルコキシ」という用語は、用語(C1−5)アルキルが、前記の意味を有する式(C1−5)アルキル−O−の基を意味する。用語「(Cx−y)アルコキシ」(x及びyは整数である。)は、x〜y個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルコキシ基を意味する。(C1−5)アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert.−ブトキシである。好ましくは、メトキシ及びエトキシである。
【0018】
「2個の環酸素原子を任意に含む4−〜8−員の飽和炭素環であって、当該2個の環酸素原子が互いに隣接しない当該飽和炭素環」を表すRの好ましい例は、1,3−ジオキソラン−2−イル及び1,3−ジオキサン−2−イルである。
【0019】
「(C1−3)フルオロアルキル」という用語は、1〜7個のフッ素原子で置換された、直鎖又は分岐鎖(C1−3)アルキル基を意味する。同様に、「(Cx−y)フルオロアルキル」(x及びyは整数である。)という用語は、1個から最大限の数までのフッ素原子で置換された、直鎖又は分岐鎖(Cx−y)アルキル基を意味する。(C1−3)フルオロアルキル基の例は、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル及びペンタフルオロエチルである。好ましくは、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル及びペンタフルオロエチルである。最も好ましくは、(特に)トリフルオロメチル及び2,2,2−トリフルオロエチルである。置換基R21としては、2−フルオロエチル、そして特に2,2,2−トリフルオロエチルが好ましい。置換基Rとしては、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルが好ましい。置換基Rとしては、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルが好ましい。
【0020】
「1個のフェニルにより任意に置換された(C1−3)フルオロアルキル」という用語は、1個の水素又はフッ素原子がフェニル基で置換された、前記部分で定義した(C1−3)フルオロアルキル基を意味する。そのような基を表すRの例は、1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルである。好ましくは、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチル等の未置換の(C1−3)フルオロアルキルである。
【0021】
「(C3−6)シクロアルキル」という用語は、3〜6個の炭素原子を持つ、飽和環状アルキル基を意味する。(C3−6)シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。好ましくはシクロプロピルである。
【0022】
「(C3−6)シクロアルキル−(C1−3)アルキル」という用語は、前記部分で定義した(C1−3)アルキル基を介して分子の残りの部分に結合する、前記部分で定義した(C3−6)シクロアルキル基を意味する。例は、シクロプロピル−メチル、シクロペンチル−メチル及びシクロヘキシル−メチルであり;好ましくはシクロプロピル−メチルである。
【0023】
「(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルキル」という用語は、前記部分で定義した(C1−3)アルキル基を介して分子の残りの部分に結合する、前記部分で定義した(C1−2)アルコキシ基を意味する。例は、メトキシ−メチル、2−メトキシ−エチル、2−メトキシ−2−メチル−エチル及び3−メトキシ−プロピルである。置換基R21に対しては、2−メトキシ−2−メチル−エチルであり、そして特にメトキシ−メチルが好ましい。
【0024】
「(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシ」基の例は、2−メトキシ−エトキシである。
【0025】
「ヒドロキシ−(C2−4)アルコキシ」基の例は、2−ヒドロキシ−エトキシである。
【0026】
「アリール−(C1−3)アルコキシ」基の例は、ベンジルオキシである。
【0027】
「アリール−(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシ」基の例は、2−ベンジルオキシ−エトキシである。
【0028】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特にフッ素又は塩素を意味する。
【0029】
「アリール」という用語は、フェニル基を意味する。アリール基は、未置換(好ましい)であっても、1、2又は3個の置換基により置換されていてもよく、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群より独立に選択される。
【0030】
以下に、本発明のさらなる態様を記載する。
【0031】
2) 本発明のさらなる態様は、テトラヒドロナフタレン部分の配置が、R−O−置換基とテトラヒドロナフタレン部分のイソプロピル置換基がcisの関係にあるような(すなわち、絶対配置が、下記の式(IE1)又は式(IE2)のいずれかに示される)配置である、態様1)に従う式(I)の化合物に関する。
【0032】
3) 本発明のさらなる態様は、絶対配置が、式(IE1
【0033】
【化2】

【0034】
に示されるような配置である、態様1)又は2)に従う式(I)の化合物に関する。
【0035】
4) 本発明のさらなる態様は、示される絶対配置が、式(IE2
【0036】
【化3】

【0037】
に示されるような配置である、態様1)又は2)に従う式(I)の化合物に関する。
【0038】
5) 本発明のさらなる態様は、Rがフッ素を表す、態様1)〜4)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0039】
6) 本発明のさらなる態様は、Rが−CO−R21を表し、かつR21が(C1−5)アルキル、(C1−3)フルオロアルキル又は(C3−6)シクロアルキルを表す、態様1)〜5)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0040】
7) 本発明のさらなる態様は、R21が(C1−5)アルキル(好ましい)又は(C1−3)フルオロアルキルを表す、態様1)〜6)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0041】
8) 本発明のさらなる態様は、Rが水素を表す、態様1)〜5)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0042】
9) 本発明のさらなる態様は、mが整数の2又は3を表す、態様1)〜8)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0043】
10) 本発明のさらなる態様は、mが整数の3を表す、態様1)〜9)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0044】
11) 本発明のさらなる態様は、nが整数の2を表す、態様1)〜10)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0045】
12) 本発明のさらなる態様は、Rが(C1−4)アルキル(特にメチル)を表す、態様1)〜11)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0046】
13) 本発明のさらなる態様は、Rが未置換の(C1−3)フルオロアルキルを表す、態様1)〜12)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0047】
14) 本発明のさらなる態様は、Rが、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、各置換基が、ヒドロキシ、(C1−2)アルコキシ、(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシ及びヒドロキシ−(C2−4)アルコキシから成る群より独立に選択される当該(C1−5)アルキルを表すか;
又はRが、2個の環酸素原子を含む4−〜8−員の飽和炭素環であって、当該2個の環酸素原子が互いに隣接しない当該飽和炭素環を表す、態様1)〜13)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0048】
15) 本発明のさらなる態様は、Rが、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、各置換基が(C1−2)アルコキシから独立に選択される、態様1)〜13)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0049】
16) 本発明のさらなる態様は、Rが、2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、各置換基が、(C1−2)アルコキシから独立に選択される(好ましくは、両方の置換基が共にメトキシである)当該(C1−5)アルキルを表す、態様1)〜13)のいずれか1つに従う式(I)の化合物に関する。
【0050】
17) 本発明のさらなる態様は、式(ICE)の化合物でもある、態様1)に従う式(I)の化合物に関する。
【0051】
【化4】

【0052】
式中、
はフッ素を表し;
は水素又は−CO−R21を表し;
21は(C1−5)アルキル又は(C1−3)フルオロアルキルを表し;
は(C1−5)アルキルを表し;
は(C2−3)フルオロアルキルを表し;
は、未置換であるか、1又は(好ましくは)2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、各置換基が(C1−2)アルコキシから独立に選択される当該(C1−5)アルキルを表す。
【0053】
本発明はまた、同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式(I)の化合物をも包含し、当該化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、原子量が自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によって置き換えられた、式(I)の化合物と同一である。同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式(I)の化合物、及びその塩は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体H(デューテリウム)に置換することにより代謝安定性が増大するため、例えば、in−vivoでの半減期が長くなり、あるいは、用量を減らすことができ、又は、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の態様の1つにおいては、式(I)の化合物は、同位体標識されていないか、又は、1若しくは2以上のデューテリウム原子によって標識されている。副態様において、式(I)の化合物は同位体標識されていない。同位体標識された式(I)の化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してもよい。
【0054】
式(I)の化合物は、不斉炭素原子等のキラル又は不斉中心を含む。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は、好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0055】
化合物、塩、医薬組成物、疾病等について複数形が使用される場合は、単数の化合物、塩等をも意味することが意図されている。
【0056】
式(I)、(ICE)、(IE1)及び/又は(IE2)の化合物に対するいかなる言及も、適宜かつ好都合に、そのような化合物の塩(及び、特に、薬学的に許容される塩)にも言及しているものと理解されるべきである。
【0057】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。「Salt selection for basic drugs」、Int. J. Pharm.(1986)、33、201−217を参照してもよい。
【0058】
1態様において、式(I)の好ましい化合物の例は、下記の化合物から成るより選択される:
(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;
イソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
フルオロ−酢酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
(1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;
イソ酪酸(1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸(1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;
イソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;及び
3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル。
【0059】
式(I)、(ICE)、(IE1)及び/又は(IE2)の化合物及びこれらの化合物の薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0060】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」[published by Lippincott Williams & Wilkins]を参照されたい。)、記述された式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な薬学的に許容される固体又は液体の担体材料及び、必要に応じて通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0061】
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、
−慢性安定狭心症、高血圧、(腎臓及び心臓の)虚血、心房細動を含む不整脈、心肥大又はうっ血性心不全の治療又は予防に適切であり、そして/又はそのための医薬の製造において有用である。
【0062】
さらにまた、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、以下の疾病群の単独の疾病又はそれらの任意の組み合わせに対して適切であり、そして/又はそのための医薬の製造に有用である:
−人及び他の哺乳類における腎臓病、糖尿病及びその合併症、高アルドステロン症、てんかん、神経因性疼痛又は癌の治療用;
−抗細動薬、抗喘息薬、抗動脈硬化薬、肺バイパス用心停止液の添加剤、血栓溶解療法の補助薬としての、抗凝集薬としての、又は、不安定性狭心症の治療薬としての使用のため;
−高血圧、特に、門脈圧亢進、エリスロポエチンによる治療に続発する高血圧及び低レニン性高血圧の治療又は予防のため;
−低酸素性又は虚血性疾患における使用、又は、例えば、(例えば、心肺バイパス手術後に起こる)心、腎及び脳虚血及び再灌流、冠動脈及び脳血管れん縮等の治療のための抗虚血薬としての使用、抹消血管疾患(例えば、レイノー病、間欠は行、高安病)、疼痛クリーゼの初発及び/又は進展を含む鎌状赤血球症の治療における使用のため;
−急性及び慢性腎不全、糖尿病性ネフローゼ、高血圧によるネフローゼ、糸球体傷害、老化又は透析に関連する腎障害、腎硬化症、造影剤及びシクロスポリンに関連する腎毒性、腎虚血、原発性膀胱尿管逆流症又は糸球体硬化症を含む、腎、糸球体及びメサンギウム細胞機能に関連する疾患の治療又は予防のため;
−心筋梗塞の治療、心肥大、原発性及び二次性肺高血圧症の治療、繊維化の阻害、左心室肥大、リモデリング及び不全の阻害を含むうっ血性心不全、又は血管形成術若しくはステント後の再狭窄の治療における使用のため;
−内毒血症若しくはエンドトキシンショック、又は出血性ショックの治療のため;
−生殖器、特に海綿体への血流を改善することによる、男性(例えば、糖尿病、脊髄損傷、前立腺全摘除、心理的要因及び他の原因による勃起不全)及び女性双方における性機能障害の治療のため;
−癌又は細胞増殖に関連する臓器障害の予防及び/若しくは縮小のため;
−代謝障害又は慢性炎症性疾患、インスリン依存性又は非インスリン依存性糖尿病及びその合併症(例えば、神経障害、網膜症)、高アルドステロン症、骨リモデリング、乾癬、関節炎、関節リウマチ、変形性関節症サルコイドーシス又は湿疹性皮膚炎の治療のため;
−肝毒性及び突然死、合併症(例えば、肝毒性、繊維化、硬変)を含む初期及び進行肝疾患及び障害、血管外皮細胞腫に起因する高血圧等の腫瘍の有害な影響、尿路及び/又は膀胱の痙攣性疾患、肝腎症候群、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、混合型クリオグロブリン血症等の血管炎に関連する免疫疾患、腎不全及び肝毒性に関連する繊維化の治療のため;
−潰瘍性大腸炎、クローン病、胃粘膜損傷、潰瘍炎症性腸疾患及び虚血性腸疾患等の胃腸疾患、胆管炎等の胆嚢若しくは胆管に基づく疾患、膵炎、細胞増殖の制御、前立腺肥大症又は移植における使用のため、又は止痢薬としての使用のため;
−気管支収縮に関連する疾患、又は閉塞性肺疾患及び成人窮迫症候群等の慢性若しくは急性の炎症性障害の治療のため;
−神経因性疼痛、末梢性の痛み、及び前立腺癌又は骨癌に関連する痛み等の癌に関連する痛みを含む痛みの緩和のため;
−脳梗塞、一過性脳虚血発作、偏頭痛及びクモ膜下出血等の中枢神経系血管障害、中枢神経系行動障害の治療、アルツハイマー型痴呆、老人性痴呆及び血管性痴呆等を含む痴呆、てんかん又は睡眠障害の治療のため;又は
−上記の使用の結果としての一般罹患率及び/又は死亡率の減少のため。
【0063】
本発明はまた、薬学的に活性な量の式(I)の化合物を対象に投与することを含む、ここに言及した疾患又は障害の予防又は治療のための方法に関する。
【0064】
さらに、式(I)の化合物はまた、好ましくは、スタチン等の高脂血症薬、クマリン等の抗凝固薬、クロピドグレル等の抗血栓薬、β−ブロッカー及び他の心保護薬から選択される1又は2以上の薬剤と組み合わせて使用してもよい。
【0065】
さらに、式(I)の化合物(化合物自体、その塩、当該化合物又はその塩を含む組成物、当該化合物又はその塩の使用、その他であるかを問わない)に対して示された好適性は、式(ICE)、(IE1)及び/又は式(IE2)の化合物に準用され、その逆も可である。
【0066】
式(I)の化合物の製造:
式(I)の化合物は、下記のスキーム1に概説する手順に従って、中間体(IV)、(V)及び(VI)を介して製造することができる。
【0067】
がHを表す式(IV)の化合物は、式(II)のアミンを用い、DCMとAcOHの混合物等の適宜な溶媒中、そして好ましくは0とrtの間の温度にて、NaBHCNを還元剤として使用する標準的な条件下で、式(III)のアルデヒドを還元的アミノ化することにより製造することができる。
【0068】
がHを表す式(IV)の化合物のアミド結合は、THF等の適宜な溶媒中、好ましくは0℃と60℃の間の温度にて、BH・THF錯体のTHF中の溶液等の標準的な条件を用いて還元される。RがHを表す、得られる式(V)の生成物は、一般的にBH錯体として得られ、そしてMeOH等のプロトン性溶媒中、好ましくはrtと90℃の間の温度にて、エチレンジアミンで処理され、RがHを表す式(V)の遊離アミンが単離される。
【0069】
がHを表す式(V)の化合物中の第二アミンは、例えば酸塩化物又は酸無水物を用いて、DCM又はTHF等の適宜な溶媒中、DIPEA又はピリジン等の塩基の存在下、そして好ましくは0℃とrtの間の温度にて、R4*が(C1−2)フルオロアルキルを表す酸R4*−COOHの誘導体によりアシル化され、式(VI)の化合物を与える。式(VI)の化合物中の第三アルコールのアシル化が起こる場合には、RがHを表す式(VI)の化合物を単離するために、標準的な条件を用いたけん化工程を追加することが必要である。
【0070】
がHを表す式(VI)の化合物中のアミド結合は、式(IV)の化合物からの式(V)の化合物の製造について前記した条件と類似の条件を用いて還元され、式(I)の化合物を与える。
【0071】
変法においては、RがHを表す式(V)の化合物中の第二アミンは、適宜なアルキル化剤R−X(式中、XはOTs、OMs、OTf、Cl又はBrを表す。)を用い、CsCO又はDIPEA等の鉱物又は有機塩基の存在下、そしてTHF又はDMF等の適切な溶媒中、好ましくはrtと150℃の間の温度にて、式(I)の化合物に直接アルキル化される。
【0072】
がHを表す式(I)のアルコールは、必要であれば、MgBr等のルイス酸の存在下、又はNEt等の塩基の存在下、酸塩化物、酸無水物、クロロギ酸エステル、イソシアネート又はカルバモイルクロリド等の標準的な試薬を用いて、DCM又はTHF等の不活性溶媒中、0℃とrtの間の温度にてアシル化することができ、Rが−COR21を表す式(I)の化合物を与える。
【0073】
あるいは、RがHを表す式(I)の化合物は、中間体(VIII)を介して、下記スキーム1に概説する手順に従って製造することができる。
【0074】
がHを表す式(VIII)の化合物は、DIPEA等の塩基の存在下、そしてDCM、THF又はDMF等の適宜な溶媒中、好ましくはrtにて、EDC及びHOBt又はPyBOP等の標準的な条件を用いて、式(II)のアミンを、式(VII)の酸とカップリングすることにより製造することができる。RがHを表す式(VIII)の化合物中の両方のアミド結合を還元することにより、RがHを表す式(I)の化合物を与える。還元工程は、式(IV)の化合物からの式(V)の化合物の製造について前記した手順と同様である。
【0075】
別の変法において、RがHを表す式(I)の化合物は、RがHを表す式(X)及び(V)の中間体を介して、下記のスキーム1に概説する手順に従って製造することができる。
【0076】
がHを表す式(X)の化合物は、式(VIII)の化合物の製造について前記した標準的な条件を用いて、式(II)のアミンを式(IX)の酸とカップリングすることにより製造される。RがHを表す式(X)の化合物中の両方のアミド結合を還元することにより、RがHを表す式(V)の化合物を与える。還元工程は、式(IV)の化合物からの式(V)の化合物の製造について前記した手順と同様である。
【0077】
【化5】

【0078】
式(II)の化合物は、下記のスキーム2に概説する手順に従って製造することができる。
【0079】
n=2、3、4である式(XI)の化合物及び式(XIV)の化合物は、US4680310及びUS4808605に従って製造され、光学活性な化合物については、US5120759及びTetrahedron:Assymmetry、1997、8(21)、3617−3623に従って製造される。
【0080】
式(XII)の化合物は、例えば、KCN又はTMSCNを用いて、MeCN又はDCM等の適宜な溶媒中、標準的な条件下で、式(XI)のケトンをヒドロシアノ化することにより製造される。続いて、式(XII)の化合物中のニトリル部分を、LiAlH等の標準的な還元剤を用い、THF等の適宜な溶媒中で還元することにより、式(XIII)の化合物が得られる。式(XIII)の化合物中の第一アミンは、DCMとAcOHの混合物等の適宜な溶媒中で、好ましくは0℃とrtの間の温度にて、適宜な市販のアルデヒド及びNaBH(OAc)又はNaBHCNを還元剤として用いて、還元的アルキル化によりアルキル化され、n=1である式(II)の化合物を与える。アルキル化はまた、適宜なアルキル化剤R−X(式中、XはOTs、OMs、OTf、Cl又はBrである。)を用い、DMF等の溶媒中、そして好ましくはrtと100℃の間の温度にて行うこともできる。
【0081】
式(XIV)の化合物中の第一アルコールは、Ts−Cl等のよく知られた方法を用い、NEt、DMAP等の塩基の存在下、そしてトルエン等の適宜な溶媒中、脱離基L(Lは、OTs、OMs、OTf、Cl又はBrである。)に変換される。式(XV)の化合物を、必要であればDIPEA等の塩基の存在下、rtと110℃の間の温度にて、適宜なアミンR−NHで処理することにより、式(II)の化合物が得られる。
【0082】
【化6】

【0083】
式(III)の化合物は、下記のスキーム3に概説する手順に従って製造することができる。
【0084】
市販の式(XVI)のアルキルアミン誘導体を、市販の式(XVII)の適宜な酸と、標準的なアミドカップリング剤及びEDC/HOBt等の条件を用い、DIPEA等の塩基の存在下、THF等の溶媒中で、rtにてカップリングすることにより、式(XVIII)のアミドが得られる。アセトン中TsOH等の標準的な酸性条件を用いた、rtでのアセタールの加水分解により、式(III)の所望のアルデヒドが導かれる。
【0085】
【化7】

【0086】
式(VII)の化合物は、下記のスキーム4に概説する手順に従って製造することができる。
【0087】
が1個のフェニルにより任意に置換された式(XXI)の化合物は、既知の手順(WO2005021487及びJ.Org.Chem.、2006、71、4320−4323)に従って、式(XX)の市販のアミンから製造される。式(XXI)の化合物の第二アミンを、市販の適宜な式(XXII)の酸にカップリングすることにより、式(XXIII)のアミド化合物が得られる。式(XXII)の酸は、式(XVIII)の化合物の製造について前記したのと同様に活性化されるか、又は式(XXII)の酸は、既知の手順に従って、酸塩化物として活性化される。式(XXIII)の化合物のメチルエステル部分を、LiOH又はNaOH等の標準的な塩基性条件を用い、EtOH、THF又はHO等の溶媒中、rtにてけん化することにより、式(VII)の化合物が得られる。
【0088】
式(IX)の化合物は、下記のスキーム4に概説する手順に従って製造することができる。
【0089】
【化8】

【0090】
市販の式(XX)のアミンを、市販の式(XXII)の適宜な酸にカップリングすることにより、式(XXIV)のアミド化合物が得られる。式(XVIII)の化合物の製造について前記したのと同様のカップリング手順が使用される。式(XXIV)の化合物のメチルエステル部分は、式(XXIII)の化合物について前記したのと同様にけん化される。
【0091】
式(I)の化合物がエナンチオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、エナンチオマーは、当業者に知られた方法、例えばジアステレオマー塩の形成及び分離、又はRegis Whelk−O1(R,R)(10μm)カラム、Daicel ChiralCel OD−H(5−10μm)カラム、又はDaicel ChiralPak IA(10μm)若しくはAD−H(5μm)カラム等のキラル固定相上のHPLC、を用いて分離することができる。キラルHPLCの典型的な条件は、0.8から150mL/分の流速における、溶出液A(EtOH。NEt、ジエチルアミン等のアミンの存在下又は非存在下で)及び溶出液B(ヘキサン)の無勾配混合物である。
【実施例】
【0092】
実験の部
以下の実施例は本発明を説明するが、その範囲をまったく限定するものではない。
【0093】
温度はすべて℃で示す。化合物は、H−NMRによって(400MHz)又は13C−NMR(100MHz)(Bruker;化学シフトは、使用する溶媒と関連して、ppmで示してある;多重度:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、p=五重項、hex=六重項、hept=七重項、m=多重項、b=広域、結合定数はHzで示してある。);LC−MS(HP 1100 Binary Pump及びDADを備えたFinnigan Navigator、カラム:4.6x50mm、Zorbax SB−AQ、5μm、120Å、勾配:5〜95%のアセトニトリルの水溶液、1分、0.04%のトリフルオロ酢酸を含む、流速:4.5mL/分)により、tは、分で示してある;TLCによって(MerckからのTLC−プレート、Silica gel 60 F254);又は融点によって特徴付けてある。化合物は、分取用HPLCによって(カラム:X−terra RP18、50×19mm、5μm、勾配:0.5%のギ酸を含む10〜95%のアセトニトリルの水溶液)又はシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製される。
【0094】
(この項において、又は明細書のこれまでの部分において使用される)略語:
Ac アセチル
anh. 無水
BSA ウシ血清アルブミン
CC シリカゲル上カラムクロマトグラフィー
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピル−エチルアミン、Huenigの塩基、
エチル−ジイソプロピルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’エチルカルボジイミド
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
Hept ヘプタン
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
Ms (Ms−Cl=メタンスルホニルクロリドにおけるように)
メタンスルホニル
NEt トリエチルアミン
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−
ホスホニウム−ヘキサフルオロホスファート
sat. 飽和
tert.− (tert.−ブチル=t−ブチル=三級ブチルにおけるように)
三級
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
rt 室温
保持時間
Tf (OTf=トリフルオロメタンスルホニルオキシにおけるように)
トリフルオロメタンスルホニル
Ts (Ts−Cl=パラ−トルエンスルホニルクロリドにおけるように)
p−トルエンスルホニル
TsOH パラ−トルエンスルホン酸
【0095】
実施例の製造
実施例1:(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール
1.1 N−(3,3−ジエトキシ−プロピル)−3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピオンアミド
5gの3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピオン酸(EP609058に記載の通りに製造。)を、49mLのDCM及び12mLのTHF中に溶解した。11.4mLのDIPEA、5.84gのHOBt、7.07gのEDC及び5.45gの3,3−ジエトキシ−プロピルアミンを順番に添加した。混合物をrtにて23h攪拌し、DCMで希釈し、そしてsat.NaHCOで洗浄した。有機相をanh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。得られた粗製物質を、Hept/EtOAc、3/1〜0/1を溶出液として用いてCCで精製して、7.25gのN−(3,3−ジエトキシ−プロピル)−3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピオンアミドを黄色がかった油状物として得た。H−NMR(CDCl):7.04(s、1H)、4.51(t、1H)、3.45−3.7(m、4H)、3.43(s、4H)、3.32(s、6H)、3.30(dd、2H)、1.79(dd、2H)、1.19(t、6H)、1.12(s、3H)。
【0096】
1.2 3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−N−(3−オキソ−プロピル)−プロピオンアミド
3gのN−(3,3−ジエトキシ−プロピル)−3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピオンアミドの、71mLのアセトン中の溶液に、3.91gのTsOH Oを添加した。混合物をrtにて一晩攪拌し、sat.NaHCOでクェンチし、そしてDCMで抽出した。有機相を塩水(brine)で洗浄し、anh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。得られた粗製物質を、Hept/EtOAc、100/0〜0/100を溶出液として用いてCCで精製し、2.19gの3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−N−(3−オキソ−プロピル)−プロピオンアミドを得た。LC−MS:t=0.52/0.67min;[M+H]:218.35。
【0097】
1.3 トルエン−4−スルホン酸 2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチルエステル
30gの(1S,2S)−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(EP177960に記載の通りに製造。)、0.20mLのNEt及び2.9gのDMAPの、トルエン240mL中の混合物に、24.9gのTs−Clを5℃にて添加し、そして混合物をrtにて一晩攪拌した。反応混合物を氷水でクェンチし、そしてエーテルで抽出した。有機相を2M−HCl及びsat.NaHCOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして真空濃縮した。残渣を、Heptからの再結晶により精製して、41.4gのトルエン−4−スルホン酸 2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチルエステルを白色の固体として得た。LC−MS:t=1.08min;[M−HO+H]:389.20。
【0098】
1.4 (1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−(2−メチルアミノ−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール
8gのトルエン−4−スルホン酸 2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチルエステルを、MeNHのEtOH中の8M溶液(100mL)中に溶解した。混合物を40℃にて一晩攪拌し、DCMで希釈し、そしてsat.NaHCOで洗浄した。有機相をanh.NaSO上で乾燥し、そして濃縮して、5.29gの(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−(2−メチルアミノ−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールをベージュ色の固体として得た。LC−MS:t=0.75min;[M+H]:266.41。
【0099】
1.5 N−(3−{[2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−メチル−アミノ}−プロピル)−3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピオンアミド
6.55gの(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−(2−メチルアミノ−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールを、DCM(138mL)/AcOH(15mL)中に溶解した。5.36gの3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−N−(3−オキソ−プロピル)−プロピオンアミド及び6.39gのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。反応混合物を室温で2h攪拌し、sat.NaHCOでクェンチし、そしてDCMで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、anh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。得られた粗製物質を、DCM/MeOH/NEt、100/0/1〜40/1/0.4を溶出液として用いてCCで精製し、10.57gのN−(3−{[2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−メチル−アミノ}−プロピル)−3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピオンアミドを琥珀色も樹脂として得た。LC−MS:t=0.82min;[M+H]:467.51。
【0100】
1.6 (1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−(2−{[3−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピルアミノ)−プロピル]−メチル−アミノ}−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール
4.09gのN−(3−{[2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−メチル−アミノ}−プロピル)−3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピオンアミドの、anh.THF(70mL)中の溶液に、ボラン−THF錯体のTHF中の1M溶液(87mL)を、0℃にて15min滴下した。混合物をrtにて25min、次いで65℃にて1.5h攪拌した。それを0℃に冷却し、1M−NaOHでクェンチし、そしてDCMで抽出した。有機相をanh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。得られた粗製のボラン錯体をMeOH(60mL)に溶解し、そしてマイクロ波条件下(120℃で180s)、エチレンジアミン(2.37mL)で処理した。混合物を真空濃縮し、そして得られた残渣をDCM中に取った。有機相を塩水で洗浄し、anh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。油状の粗製物を、EtOAc/MeOH/NEt、95/5/1〜60/40/1を溶出液として用いてCCで精製し、2.74gの(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−(2−{[3−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピルアミノ)−プロピル]−メチル−アミノ}−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールを黄色がかった油状物として得た。LC−MS:t=0.73min;[M+H]:453.38。
【0101】
1.7 2−フルオロ−N−(3−{[2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−メチル−アミノ}−プロピル)−N−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アセタミド
2.73gの(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−(2−{[3−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピルアミノ)−プロピル]−メチル−アミノ}−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールの、DCM(29mL)中の溶液に、1.5mLのDIPEA及び1.1mLのフルオロアセチルクロリドを0℃にて添加した。混合物を0℃に20min攪拌し、次いでrtまで1h温め、そしてsat.NaHCOでクェンチした。有機相をanh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。得られた粗製のエステルをEtOH(29mL)中の溶解し、そして15mLの1M NaOH溶液で処理した。混合物をrtにて15min攪拌し、そして真空濃縮した。得られた残渣をDCM中に取り、そしてsat.NaHCO及び塩水で洗浄した。有機相をanh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。得られた粗製物を、EtOAc/MeOH/NEt、100/0/1〜90/10/1を用いてCCで精製し、2.07gの2−フルオロ−N−(3−{[2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−メチル−アミノ}−プロピル)−N−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アセタミドをオレンジ色の油状物として得た。LC−MS:t=0.85min;[M+H]:513.40。
【0102】
1.8 (1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール
2.24gの2−フルオロ−N−(3−{[2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−メチル−アミノ}−プロピル)−N−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アセタミドの、anh.THF(35mL)中の溶液に、ボラン−THF錯体のTHF中の1M溶液(44mL)を、0℃にて20min滴下した。混合物を、rtにて10min、次いで65℃にて1.5h攪拌した。それを0℃に冷却し、1M NaOHでクェンチし、そしてDCMで抽出した。有機相をanh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。ボラン錯体として得られた粗製物を、MeOH(42mL)中に溶解し、そしてマイクロ波条件下(120℃で180s)、エチレンジアミン(1.18mL)で処理した。混合物を真空濃縮し、そして得られた残渣をDCM中に取った。有機相を塩水で洗浄し、anh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。油状の粗製物を、EtOAc/MeOH/NEt、100/0/1〜92/8/1を溶出液として用いてCCで精製し、1.51gの(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールを黄色がかった油状物として得た。LC−MS:t=0.75min;[M+H]:499.41。
【0103】
実施例2:イソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル
2.1 イソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル
398mgの(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール及び0.44mLのNEtの、8mLのDCM中の溶液に、0.25mLのイソ酪酸クロリドを0℃にて添加した。混合物を、0℃にて25min、次いでrtにて3h攪拌した。それをsat.水性NaHCOでクェンチし、そしてDCMで抽出した。有機相をanh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。得られた粗製物を、EtOAc/Hept、3/1を溶出液として用いてCCで精製し、411mgのイソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステルをオレンジ色の油状物として得た。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:569.32。
【0104】
2.2 イソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル二塩酸塩
上記の生成物は、下記の手順に従って、対応する二塩酸塩に変換してもよい。
【0105】
411mgのイソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステルを、10mLのEtOAcに溶解し、溶液を氷浴を用いて冷却し、そしてEtOAC中の3M HCl、2.4mLを添加した。反応混合物を、加熱することなく蒸発乾固し、所望のイソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル二塩酸塩を得た。
【0106】
実施例3:3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル
イソ酪酸クロリドを3,3,3−トリフルオロプロピオニルクロリドで置き換えて、NEtを使用せず、そして反応混合物を0℃にて1h攪拌したことを除いては、実施例2、工程2.1と同様の方法を用い、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.84min;[M+H]:609.35。
【0107】
実施例4:フルオロ−酢酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル
イソ酪酸クロリドをフルオロアセチルクロリドで置き換えて、NEtを使用しなかったことを除いては、実施例2、工程2.1と同様の方法を用い、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.81min;[M+H]:559.28。
【0108】
実施例5:(1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール
5.1 2,2−ジフルオロ−N−(3−{[2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−メチル−アミノ}−プロピル)−N−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アセタミド
1gの(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−(2−{[3−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピルアミノ)−プロピル]−メチル−アミノ}−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールの、DCM(11mL)/ピリジン(11mL)中の溶液に、0℃にて、0.77mLのジフルオロ無水酢酸を添加した。混合物を0℃にて45min攪拌し、次いでrtまで温め、そして5h攪拌した。それをDCMで希釈し、そしてsat.NaHCOで洗浄した。有機相をanh.NaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。得られた粗製物を、EtOAc/Hept/NEt、1/2/0.03〜を用いてCCで精製し、818mgの2,2−ジフルオロ−N−(3−{[2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−メチル−アミノ}−プロピル)−N−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アセタミドを黄色がかった樹脂として得た。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:531.33。
【0109】
5.2 (1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール
中間体1.7を中間体5.1で置き換えて、実施例1、工程1.8と同様の方法を用い、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.93min;[M+H]:517.34。
【0110】
実施例6:イソ酪酸(1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル
中間体1.8を中間体5.2で置き換えて、実施例2、工程2.1と同様の方法を用い、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.07min;[M+H]:587.54。
【0111】
実施例7:3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸(1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル
中間体1.8を中間体5.2で置き換え、そしてイソ酪酸クロリドを3,3,3−トリフルオロプロピオニルクロリドで置き換えて、実施例2、工程2.1と同様の方法を用い、本化合物を製造した。若干の変更として、反応混合物を0℃でのみ攪拌し、そしてNEtは使用しなかった。LC−MS:t=1.07min;[M+H]:627.30。
【0112】
実施例8:(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール
8.1 2,2,2−トリフルオロ−N−(3−{[2−((1S,2S)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−メチル−アミノ}−プロピル)−N−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アセタミド
ジフルオロ無水酢酸をトリフルオロ無水酢酸で置き換えて、実施例5、工程5.1と同様の方法を用い、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.93min;[M+H]:549.32。
【0113】
8.2 (1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール
中間体1.7を中間体8.1で置き換えて、実施例1、工程1.8と同様の方法を用い、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:535.33。
【0114】
実施例9:イソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル
中間体1.8を中間体8.2で置き換えて、実施例2、工程2.1と同様の方法を用い、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.09min;[M+H]:605.37。
【0115】
実施例10:3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル
中間体1.8を中間体8.2で置き換え、そしてイソ酪酸クロリドを3,3,3−トリフルオロプロピオニルクロリドで置き換えて、実施例2、工程2.1と同様の方法を用い、本化合物を製造した。若干の変更として、反応混合物を0℃でのみ攪拌し、そしてNEtは使用しなかった。LC−MS:t=1.09min;[M+H]:645.37。
【0116】
生物学的試験
インビトロアッセイ Lチャンネル
式(I)の化合物のLチャンネル拮抗活性(IC50値)を、下記の実験法に従って測定した。補助サブユニットβ−2a及びα2δ−1に加え、ヒトCa1.2チャンネルを発現するヒト胎児由来腎臓(HEK293)細胞を、培地(10%の熱非働化ウシ胎児血清(FCS)、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、100μg/mlのG418、40μg/mlのゼオシン及び100μg/mlのハイグロマイシンを含むDMEM)で培養する。細胞を、384穴ブラッククリアボトム滅菌済プレート(poly−L−lysine−コート、Becton Dickinson)に、20.000細胞/ウェルにてシードする。シードしたプレートを、37℃、5% COにて、一晩インキュベートする。アッセイにおいて20mMの最終濃度で使用するため、アッセイバッファー(0.1%のBSA、20mMのHEPES、0.375g/lのNaHCOを含み、NaOHでpH7.4に調整したHBSS)中の80mMストックソリューションとして、KCl溶液を調製する。拮抗薬は、DMSO中の10mMストックソリューションとして調製し、384穴プレート内で、まずDMSOで、次にアッセイバッファーで希釈し、3xのストックを得る。アッセイの日に、25μlの染色バッファー(20mMのHEPES、0.375g/lのNaHCO及び3μMの蛍光性カルシウム指示薬fluo−4 AM(10%のpluronicを含む、DMSO中の1mMストックソリューション)を含むHBSS)を、シードしたプレートの各ウェルに添加する。384穴セルプレートを、37℃、5%COで60minインキュベートした後、各ウェルを、50μlのアッセイバッファーで2回洗浄し、各ウェルにつき50μlの同バッファーを、室温での平衡化(30−60分)のために残しておく。Fluorescent Imaging Plate Reader(FLIPR、Molecular Devices)内で、各ウェルにつき25μlの拮抗薬をプレートに添加し、3minインキュベートし、最後に、細胞の脱分極のために、各ウェルにつき25μlのKCl溶液を添加する。各ウェルについて、2秒のインターバルで8分間、蛍光を測定し、各蛍光ピークの曲線下の面積を、拮抗剤の代わりにビークルを用いた場合に、20mM KClにより誘導される蛍光ピークの面積と比較する。各拮抗薬について、IC50値(KCl−により誘導される蛍光反応の50%を阻害するのに必要な化合物の(nMで表した)濃度)を、10μMまで測定する。化合物の、算出されるIC50値は、各日の細胞アッセイ操作により変動するかもしれない。この種の変動は、当業者に既知である。
【0117】
このアッセイにおいては、すべての実施例化合物のIC50値は、383〜1837nMの範囲内であり、平均は764nMである。
【0118】
インビトロアッセイ Tチャンネル
式(I)の化合物のTチャンネル拮抗活性(IC50値)を、下記の実験法に従って測定し、データを表1に示す。
【0119】
ヒトCa3.1、Ca3.2又はCa3.3チャンネルをそれぞれ発現するヒト胎児由来腎臓(HEK293)細胞を、培地(10%の熱非働化ウシ胎児血清(FCS)、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン及び1mg/mlのG418を含むDMEM)で培養する。細胞を、384穴ブラッククリアボトム滅菌済プレート(poly−L−lysine−コート、Becton Dickinson)に、20.000細胞/ウェルにてシードする。シードしたプレートを、37℃、5% COにて、一晩インキュベートする。アッセイにおいて10mMの最終濃度で使用するため、TEA−ヒドロキシドでpH7.2に調整した、100mMのテトラメチルアンモニウムクロリド(TEA−クロリド)、50mMのHEPES、2.5mMのCaCl、5mMのKCl、1mMのMgCl中の100mMストックソリューションとして、Ca2+溶液を調製する。拮抗薬は、DMSO中の10mMストックソリューションとして調製し、384穴プレート内で、まずDMSOで、次にTEA−ヒドロキシドでpH7.2に調整した、100mMのTEA−クロリド、50mMのHEPES、2.5mMのCaCl、5mMのKCl、1mMのMgClで希釈し、9xのストックを得る。アッセイの日に、25μlの染色バッファー(20mMのHEPES、0.375g/lのNaHCO及び3μMの蛍光性カルシウム指示薬fluo−4 AM(10%のpluronicを含む、DMSO中の1mMストックソリューション)を含むHBSS)を、シードしたプレートの各ウェルに添加する。384穴セルプレートを、37℃、5%COで60minインキュベートした後、各ウェルを、0.1%のBSA、20mMのHEPES、0.375g/lのNaHCOを含むHBSS、50μlを用いて2回洗浄し、各ウェルにつき50μlの同バッファーを、室温での平衡化(30−60分)のために残しておく。Fluorescent Imaging Plate Reader(FLIPR、Molecular Devices)内で、各ウェルにつき6.25μlの拮抗薬をプレートに添加し、3minインキュベートし、最後に、各ウェルにつき6.25μlのCa2+溶液を添加する。各ウェルについて、2秒のインターバルで8分間、蛍光を測定し、各蛍光ピークの曲線下の面積を、拮抗剤の代わりにビークルを用いた場合に、10mM Ca2+により誘導される蛍光ピークの面積と比較する。各拮抗薬について、IC50値(Ca2+により誘導される蛍光反応の50%を阻害するのに必要な化合物の(nMで表した)濃度)を、10μMまで測定する。化合物の、算出されるIC50値は、各日の細胞アッセイ操作により変動するかもしれない。この種の変動は、当業者に既知である。
【0120】
【表1】

【0121】
Langendorff法(Lgdff)による単離した心臓に対する効果
化合物を、それらの血圧降下作用及び心筋収縮に対するそれらの効果について試験した。単離したマウスの心臓に対するEC50を、文献(Doring HJ.、The isolated perfused heart according to Langendorff technique−−function−−application、Physiol. Bohemoslov. 1990、39(6)、481−504;Kligfield P、Horner H、Brachfeld N.、A model of graded ischemia in the isolated perfused rat heart、J.Appl.Physiol.1976 Jun、40(6)、1004−8)に従って測定した。
【0122】
上記のLangendorff試験について記載した手順を用い、7種の実施例化合物について測定を行った。測定したEC50値は7〜29nMの範囲内であり、平均は13nMであった。選択した化合物の結果を表2に示す。
【0123】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩:
【化1】

式中、
は水素又はフッ素を表し;
は水素又は−CO−R21を表し;
21は(C1−5)アルキル、(C1−3)フルオロアルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C3−6)シクロアルキル−(C1−3)アルキル、(C1−5)アルコキシ、(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルキル又はR2223N−を表し;
22は(C1−5)アルキルを表し;
23は水素又は(C1−5)アルキルを表し;
nは整数の1、2、3又は4を表し;
mは整数の2、3、4又は5を表し;
は水素、(C1−5)アルキル又は(C1−3)フルオロアルキルを表し;
は、1個のフェニルにより任意に置換された(C1−3)フルオロアルキルを表し;
は、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、各置換基が、ヒドロキシ、(C1−2)アルコキシ、(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C2−4)アルコキシ、アリール−(C1−3)アルコキシ及びアリール−(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシから成る群より独立に選択される当該(C1−5)アルキルを表すか;
又はRは、2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、置換基の1つが(C1−2)アルコキシであり、そして他方がフェニルである当該(C1−5)アルキルを表すか;
又はRは、2個の環酸素原子を任意に含む4−〜8−員の飽和炭素環であって、当該2個の環酸素原子が互いに隣接しない当該飽和炭素環を表す。
【請求項2】
テトラヒドロナフタレン部分の配置が、R−O−置換基とテトラヒドロナフタレン部分のイソプロピル置換基がcisの関係にあるような配置である、請求項1に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項3】
21が(C1−5)アルキル又は(C1−3)フルオロアルキルを表す、請求項1又は2に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項4】
mが整数の3を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項5】
nが整数の2を表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項6】
が(C1−4)アルキルを表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項7】
が未置換の(C1−3)フルオロアルキルを表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項8】
が、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換された(C1−5)アルキルであって、各置換基が、ヒドロキシ、(C1−2)アルコキシ、(C1−2)アルコキシ−(C1−3)アルコキシ及びヒドロキシ−(C2−4)アルコキシから成る群より独立に選択される当該(C1−5)アルキルを表すか;又はRが、2個の環酸素原子を含む4−〜8−員の飽和炭素環であって、当該2個の環酸素原子が互いに隣接しない当該飽和炭素環を表す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項9】
下記の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物、又はそのような化合物の塩:
(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;
イソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
フルオロ−酢酸(1S,2S)−6−フルオロ−2−[2−({3−[(2−フルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
(1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;
イソ酪酸(1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸(1S,2S)−2−[2−({3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−6−フルオロ−1−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;
(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;
イソ酪酸(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル;及び
3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸(1S,2S)−6−フルオロ−1−イソプロピル−2−[2−({3−[(3−メトキシ−2−メトキシメチル−2−メチル−プロピル)−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−プロピル}−メチル−アミノ)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、活性成分として、そして少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項11】
医薬としての、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
慢性安定狭心症、高血圧、(腎臓及び心臓の)虚血、心房細動を含む不整脈、心肥大又はうっ血性心不全の治療又は予防のための医薬の製造のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩の、又は請求項10に記載の医薬組成物の使用。
【請求項13】
慢性安定狭心症、高血圧、(腎臓及び心臓の)虚血、心房細動を含む不整脈、心肥大又はうっ血性心不全の治療又は予防のための請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項10に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2012−506418(P2012−506418A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532761(P2011−532761)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054668
【国際公開番号】WO2010/046869
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】