説明

テレビインターホン装置

【課題】室外子機と室内親機とを備えたテレビインターホン装置において、室外子機の電力系統からの電力供給を必須とせず、かつ、従来よりもインターホン装置の機能停止までの時間を延長できるテレビインターホン装置を提供する。
【解決手段】テレビインターホン装置の室外子機は、太陽電池を有し、太陽電池の電池電圧値を検出することにより、太陽電池の電池電圧値に応じて、映像及び音声の通信から、映像の送信を停止して音声のみの通信に切り替える映像送信停止手段を備える。これにより、太陽電池の電池持ちが向上し、テレビインターホン装置の機能停止までの時間を延長することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホン装置に関し、特に、カメラ付きのテレビインターホン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テレビインターホン装置は、音声やチャイム音の通信と同時に、室外子機のカメラで撮像した映像を有線又は無線によって室内親機へ送信し、室内親機にその映像を表示するものであり、従来から種々提案されている。この種のテレビインターホン装置の室外子機は、電力系統から電力供給するのが通常である。従来の音声のみのインターホン装置では乾電池から電力供給するのが一般的であるが、テレビインターホン装置は映像を室内親機に送信するので、音声のみを通信するインターホン装置と比較し、大きな電力を必要とするためである。
【0003】
一方、テレビインターホン装置において、室外子機に太陽電池を用いたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載のテレビインターホン装置(テレビドアホン装置)は、室外子機本体に接続された二次電池を有する充電器に発電器が接続され、この二次電池から電力供給するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−32533号公報(図1,図5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のテレビインターホン装置は、前記した通り映像の送信に大きな電力を必要とするため、頻繁に使用した場合や夜間などにおいて室外子機の電池切れの心配がある。室外子機の電池が切れると、当然にインターホンとしての機能が完全に停止してしまう。また、室内にいる居住者は室外子機の電池切れに気づきにくい。
【0007】
一方、従来のテレビインターホン装置では、電池切れの心配は不要であるが、電力系統から電力供給するため、設置場所が限定される上、室外子機の取り付けが猥雑で、工事が必須であり設置コストが大きいという課題がある。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、太陽電池を用いた室外子機と、室内親機との通信を、太陽電池の状態に応じて、映像及び音声から音声のみの通信に切り替え可能とすることにより、電力系統からの電力供給を必須とせず、かつ、電池持ちのよいテレビインターホン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために本発明に係るテレビインターホン装置は、室外子機と室内親機間で映像や音声を通信するテレビインターホン装置であって、
前記室外子機が、太陽電池と、電池電圧値を検出する電圧値検出手段と、前記電圧値検出手段により検出された太陽電池電圧値とあらかじめ定めた第1の設定電圧値との大小を判定する第1電圧値判定手段と、前記太陽電池電圧値が前記第1の設定電圧値より小さい場合に、映像の送信を停止する映像送信停止手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、太陽電池の電池電圧値が所定の設定電圧値を下回った場合に、映像や音声の通信から、映像の通信を停止して、映像及び音声の通信から音声の通信に切り替えることができるため、太陽電池の電池持ちを向上できる。なお、映像及び音声の通信に比べ、音声の通信は消費電力が大幅に少ないため、従来に比べてインターホン機能が停止するまでの時間を大きく延長できる。また、映像及び音声の通信、並びに音声の通信には、当然に室内親機のチャイム音を鳴らすための信号等の通信も含まれる。
【0011】
また、太陽電池には充電可能なものを用い、具体的には二次電池にソーラーパネルを接続してなる太陽電池を用いる。なお、ソーラーパネルは、室外子機と一体でもよいし、別途接続する構成でもよい。
【0012】
ここで、以下について簡単に説明する。
・「電圧値検出手段」とは、たとえば、室外子機の回路内に電圧計を設けることとすればよい。
・「第1の設定電圧値」とは、映像及び音声の通信から音声の通信に切り替える電圧の境界値をいい、この設定によって、映像及び音声の通信と、音声の通信とのバランスが決まる。通常、この第1の設定電圧値は比較的小さい値に設定して、映像及び音声の通信がされる状態をメインに使用する。
・「第1電圧値判定手段」とは、太陽電池電圧値と第1の設定電圧値とが制御部に入力され、制御部がその大小を判定するものである。
・「映像送信停止手段」とは、室外子機の制御部が、映像の送信を停止させ、映像及び音声の通信から音声の通信に切り替えるものである。
【0013】
請求項2に係るテレビインターホン装置は、前記第1電圧値判定手段によって前記太陽電池電圧値が前記第1の設定電圧値より小さい場合に、前記室外子機が、前記室外子機の状態を前記室内親機の表示部に表示させる信号を送信する第1の状態表示信号送信手段を備え、前記室内親機が、前記第1の状態表示信号を受信する状態表示信号受信手段を備えることとしてもよい。
【0014】
この構成によれば、室内親機に室外子機の状態が表示されるので、居住者は室内に居ながら室外子機の状態を知ることができる。ここで、「第1の状態」とは、室外子機が映像及び音声の通信から音声の通信に切り替わった状態である「音声のみの通信状態」(映像及び音声に対し、音声のみという意味)をいう。なお、室外子機が「音声のみの通信状態」の場合は室内親機に『映像停止』などと表示させる。
【0015】
請求項3に係るテレビインターホン装置は、前記室外子機が、バックアップ用の予備電池と、前記太陽電池電圧値と前記第1の設定電圧値より小さいあらかじめ定めた第2の設定電圧値との大小を判定する第2電圧値判定手段と、前記太陽電池電圧値が前記第2の設定電圧値より小さい場合に、前記室外子機の電源供給を、前記太陽電池から前記予備電池に切り替える電源切替手段とを備えることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、太陽電池の電池電圧値が、第2の設定電圧値を下回った場合、バックアップ用の予備電池に切り替わるため、万が一太陽電池が切れかかっても、インターホンの機能が完全に停止することなく使用を継続できる。なお、「第2の設定電圧値」は、前記「第1の設定電圧値」より小さい値に設定する。ここで、「電源切替手段」とは、室外子機の制御部が、電源供給を太陽電池から予備電池に切り替えるものである。
【0017】
請求項4に係るテレビインターホン装置は、前記第2電圧値判定手段によって前記太陽電池電圧値が前記第2の設定電圧値より小さい場合に、前記室外子機が、前記室外子機の状態を前記室内親機の表示部に表示させる信号を送信する第2の状態表示信号送信手段を備え、前記室内親機が、前記第2の状態表示信号を受信する状態表示信号受信手段を備えてもよい。
【0018】
この構成によれば、室内親機に室外子機の状態が表示されるので、居住者は室内に居ながら室外子機の状態を知ることができる。ここで、「第2の状態」とは、室外子機が「音声のみの通信状態(太陽電池による)」から切り替わった状態である「音声のみの通信状態(予備電池による)」をいう。なお、室外子機が「音声のみの通信状態(予備電池による)」の場合は、室内親機に『充電中』などと表示させる。
【0019】
請求項5に係るテレビインターホン装置は、前記室外子機が、前記電圧値検出手段によって検出した前記予備電池の予備電池電圧値とあらかじめ定めた第3の設定電圧値との大小を判定する第3電圧値判定手段と、前記予備電池電圧値が前記第3の設定電圧値より小さい場合に、前記室外子機が、予備電池交換表示信号を送信する予備電池交換表示信号送信手段とを備え、前記室内親機が、前記予備電池交換表示信号を受信する予備電池交換表示信号受信手段を備えることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、バックアップ用の予備電池の電池電圧値が小さくなった場合に、室内親機に予備電池の電池切れを注意喚起する表示がされるため、居住者はそのことを早期に気づくことができる。この表示がされた場合、居住者は速やかにバックアップ用の予備電池を交換すればよい。ここで、「第3の設定電圧値」とは、予備電池の電池容量が少ない状態の電池電圧値を設定する。なお、第1の設定電圧値及び第2の設定電圧値が太陽電池の電池電圧値に基づいて設定されるものであるのに対し、第3の設定電圧値は予備電池の電池電圧値に基づき設定する。
【0021】
請求項6に係るテレビインターホン装置は、前記予備電池電圧値が前記第3の設定電圧値より小さい場合に、前記室外子機が、音声の通信を停止する音声通信停止手段を備えることとしてもよい。
【0022】
この構成によれば、予備電池の電池電圧値が第3の設定電圧値を下回った場合に、音声の通信を積極的に停止する。そして、チャイム音の信号送信のみを継続させる。これにより、音声の通信を停止した後もチャイム音で来訪者を知ることができる上、音声通信を行う場合に比べて電池持ちが向上し、インターホン装置が完全な機能停止状態に至るまでの時間を延長できる。
【0023】
請求項7に係るテレビインターホン装置は、前記室外子機と前記室内親機との通信手段が、無線によるものであることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、室外子機と室内親機との物理的な接続が不要となり、さらに室外子機の設置場所の制限が緩和される。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明に係るテレビインターホン装置は、次のような優れた効果がある。
・電力系統からの電源供給が必須ではなく、設置コストを抑え、低コスト化できる。
・電池電圧に応じて、映像及び音声の通信から音声の通信に切り替えられるため、電池持ちが向上し、インターホン機能が停止するまでの時間を延長できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係るテレビインターホン装置の室外子機のブロック図であって、(b)は(a)の室外子機の変形例を示すブロック図である。
【図2】同テレビインターホン装置の室内親機のブロック図である。
【図3】(a)は同テレビインターホン装置の室外子機の状態と室内親機の状態及び表示との関係を示し、太陽電池の電池容量を基準とする説明図である。(b)は予備電池の電池容量を基準とする説明図である。
【図4】同テレビインターホン装置のフローチャート図である。
【図5】図4のフローチャートの一部変形例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るテレビインターホン装置について、図面に基づき説明する。なお、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
【0028】
1.[テレビインターホン装置の構成]
本発明のテレビインターホン装置は、主として玄関に設置する室外子機1と、室内に設置する室内親機2とを主要な構成とする。なお、室外子機1と室内親機2との通信は無線によるワイヤレス通信である。
【0029】
(1)室外子機1
図1(a)に示すように、室外子機1は、制御部11に、主要電源である太陽電池12、バックアップ用の予備電池13、室内親機2との無線通信に使用する無線部14、来訪者等を撮像するカメラ部15、マイク部16、スピーカー部17、音量調整SW18、呼び出しボタン19が接続されている。なお、太陽電池12は、二次電池12aとソーラーパネル12bとからなり、ソーラーパネル12bが太陽光を受けて二次電池12aが充電される。予備電池13は通常の乾電池(一次電池)でもよいし、乾電池型の充電池(二次電池)でもよい。
【0030】
また、制御部11には、CPU11aとメモリ11b、回路上に配された電圧計11cとを有し、この電圧計11cによって、太陽電池12や予備電池13の電池電圧値が検出される。そして、その検出された電池電圧値と、あらかじめ設定されメモリー11bに記憶された設定電圧値とがCPU11aに入力され、その大小を判定する。一方、電池電圧と電池容量とは相関があるため、電池電圧値を計測することで電池容量を知ることができる。
【0031】
なお、室外子機1の状態を室内親機2に表示させる状態表示信号の送信は、無線部14によって行われる。
【0032】
また、本実施形態の室外子機1は、ソーラーパネル12bが一体に組み込まれ構成されているが、図1(b)のように、ソーラーパネル12b’を別体とし、室外子機1’に接続する構成としてもよい。その他の機器については、室外子機1と同様の構成である。
【0033】
(2)室内親機2
図2に示すように、室内親機2は、制御部21に、電源部22、室外子機1との無線通信に使用する無線部24、室外子機1のカメラ部15により撮像された映像を表示する表示部(ディスプレイ)25、マイク部26、スピーカー部27、音量調整SW28、応答ボタン29とが接続されている。また、電源部22は、コンセントを介してAC100V(電力系統)23に接続され、室内親機2に電力供給している。なお、室外子機1の状態を表示部25に表示するための状態表示信号の受信は、無線部24によって行われる。
【0034】
また、制御部21はCPU21aとメモリ21bとを有し、室外子機1より送信された状態表示信号を室内親機2の無線部24で受信した後、CPU21aで処理し、状態表示信号に応じたデータをメモリ21bより読み出し、表示部25に室外子機1の状態を表示させる。
【0035】
2.[室外子機1の状態と室内親機2の表示との関係]
(1)太陽電池12の状態に基づく
図3(a)は、太陽電池電圧の各状態における、室外子機1の状態と室内親機2の状態及び表示部25の表示との関係を示す図である。図3(a)に示すように、太陽電池電圧値が満充電電圧値〜第1設定電圧値において、室外子機1と室内親機2間で映像及び音声の通信がされる。
【0036】
太陽電池電圧値が第1設定電圧値〜第2設定電圧値においては、室外子機1の制御部11が映像及び音声の通信から音声のみの通信に切り替えるため、室外子機1と室内親機2とで音声のみのやりとりとなる。なお、ここで音声のみとは、映像及び音声に対し音声のみとの意味であり、チャイム音の通信や状態表示の通信などは継続される(以下、同じ)。また、それと同時に、室外子機1は『映像停止』を表示させる信号(第1の状態表示信号)を室内親機2に通信する。これにより室内親機2の表示部25に『映像停止』と表示される。
【0037】
太陽電池電圧値が第2設定電圧値を下回る場合、室外子機1の制御部11は、電源供給を太陽電池12から予備電池13へ切り替える。この時、室外子機1は音声のみの通信を継続し、映像の撮像及び送信はされず、室外子機1と室内親機2とで音声のみのやりとりとなる。それと同時に、室外子機1は『充電中』を表示させる信号(第2の状態表示信号)を室内親機2に通信する。これにより室内親機2の表示部25に『充電中』と表示される。なお、『充電中』とは、太陽電池12が充電中であって、予備電池13が使用されている状態を表す。
【0038】
(2)予備電池13の状態に基づく
図3(b)は、予備電池電圧の各状態における、室外子機1の状態と室内親機2の状態及び表示部25の表示との関係を示す図である。なお、図3(b)は、図3(a)の太陽電池電圧値が第2レベルを下回った状態における、予備電池13の電池電圧の各状態の詳細である。
【0039】
予備電池電圧値が満充電電圧値〜第3設定電圧値において、予備電池13を電源として、室外子機1と室内親機2とで音声のみの通信が行われ、室内親機2の表示部25には『充電中』と表示される。『充電中』とは、太陽電池12が充電中の意味である。
【0040】
予備電池電圧値が第3設定電圧値を下回る場合、音声の通信も停止され、室外子機1は『予備電池交換』を表示させる信号(予備電池交換表示信号)を室内親機2に通信し、室内親機2の表示部25には『予備電池交換』と表示される。なお、一旦室内親機2にこの表示がされた場合には、予備電池13が交換されるまで、この表示がされる。この状態は、映像及び音声の通信が停止している状態である。したがって、この『予備電池交換』表示がされた場合、居住者は早急に予備電池13を交換することが望ましい。
【0041】
なお、第1設定電圧値及び第2設定電圧値が太陽電池12の電圧値に基づいて設定されるものであるのに対し、第3設定電圧値は予備電池13の電圧値に基づき設定されるものである。
【0042】
以上、太陽電池12や予備電池13の電池電圧値に応じた室外子機1と室内親機2の状態及び表示部25の表示について説明したが、前記『映像停止』『充電中』『予備電池交換』等の表示は例示であり、これら以外の文言を用いてもよい。
【0043】
3.[フローチャート]
次に、図4のフローチャート図に基づき、テレビインターホン装置の制御フローについて説明する。
【0044】
(1)ステップS1〜ステップS2
まず、来訪者が室外子機1の呼び出しボタン19を押すと(ステップS1)、制御部11が太陽電池12の電池電圧値Vaと第1設定電圧値V1との大小を判定する(ステップS2)。
【0045】
(2)ステップS3〜ステップS5
Va>V1の場合、居住者が室内親機2の応答ボタン29を押すと、室外子機1は来訪者の映像をカメラ部15で撮像して、映像及び音声データを無線部14より室内親機2へ送信する(ステップS3)。そして、室内親機2の無線部24が映像及び音声データを受信して、表示部25にその映像が映し出される。居住者はその映像を見ながら来訪者を確認して、来訪者と話をする(ステップS4)。なお、音声については双方向通信で行われ、居住者及び来訪者の音声がマイク部16及び26を介して、スピーカー部17及び27よりその音声が出力される。来訪者とのやりとりが終わると、居住者は応答ボタン29を押して通話を終了する(ステップS5)。
【0046】
(3)ステップS6
ステップS2の大小判定において、Va>V1でないと判定した場合、次に、室外子機1の制御部11は、太陽電池12の電池電圧値Vaと第2設定電圧値V2との大小を判定する(ステップS6)。
【0047】
(4)ステップS7〜ステップS9
Va>V2の場合、居住者が室内親機2の応答ボタン29を押すと、音声データを室外子機1の無線部14より室内親機2へ送信する。これと同時に、室外子機1は『映像停止』の表示データを室内親機2へ送信する(ステップS7)。なお、このとき映像は送信されず、カメラ部15も動作しない。そして、室内親機2の無線部24が音声データ及び『映像停止』表示データを受信する。居住者は、表示部25に『映像停止』表示がされた状態で来訪者と話をする(ステップS8)。来訪者とのやりとりが終わると、居住者は応答ボタン29を押して通話を終了する(ステップS9)。
【0048】
(5)ステップS10
ステップS6の大小判定において、Va>V2でないと判定した場合、制御部11は室外子機1の電力供給を、太陽電池12から予備電池13へと切り替える(ステップS10)。
【0049】
(6)ステップS11
そして、制御部11は予備電池13の電池電圧値Vbと第3設定電圧値V3との大小を判定する(ステップS11)。
【0050】
(7)ステップS12〜ステップS14
ステップS11の大小判定において、Vb>V3の場合、居住者が室内親機2の応答ボタン29を押すと、音声データを室外子機1の無線部14より室内親機2へ送信する。これと同時に、室外子機1は『充電中』の表示データを室内親機2へ送信する(ステップS12)。なお、映像は送信されず、カメラ部15も動作しない。そして、室内親機2の無線部24が音声データ及び『充電中』表示データを受信する。居住者は、表示部25に『充電中』の表示がされた状態で来訪者と話をする(ステップS13)。来訪者とのやりとりが終わると、居住者は応答ボタン29を押して通話を終了する(ステップS14)。
【0051】
(8)ステップS15〜ステップS16
一方、ステップS11の大小判定において、Vb>V3でないと判定した場合、予備電池13の電池電圧が小さく電池切れに近い状態であるため、室外子機1は音声通信も停止させる。この場合には、室外子機1の無線部14より『予備電池交換』の表示データを室内親機2へ送信する(ステップS15)。これを室内親機2の無線部24が受信して、表示部25に『予備電池交換』の表示がされる(ステップS16)。この表示は、いわば居住者に予備電池13の電池切れを注意喚起するためのものであり、一旦室内親機2にこの表示がされた場合には、予備電池13が交換されるまで、この表示がされるものとする。これに気付いた居住者は直ちに予備電池13を交換するとよい。
なお、注意喚起の方法としては、『予備電池交換』表示以外のものも考えられ、例えばランプを点灯・点滅させるといった方法でもよい。
【0052】
(8’)ステップS21及びステップS25〜ステップS26(ステップS11、ステップS15、ステップS16の変形例)
ステップS11及びステップS15〜ステップS16に代えて、以下のようにフローを変形してもよい。なお、それ以外のステップについては、前記実施形態と同様である。以下、変形例について図5を用いて説明する。
【0053】
制御部11が室外子機1の電源供給を、太陽電池12から予備電池13へと切り替えた後(ステップS10)、制御部11は予備電池13の電池電圧値Vbと第3’設定電圧値V3’との大小を判定する(ステップS21)。なお、この第3’設定電圧値V3’は、第3設定電圧値V3よりも少し高い電圧値、つまり予備電池13の電池容量を少し残した状態となるよう設定するとよい。
この時、ステップS21の大小判定において、Vb>V3’と判定された場合のS12〜S14は、前記(7)のフローと同一とする。
【0054】
一方、ステップS21の大小判定において、Vb>V3’でないと判定された場合、室外子機1は映像及び音声の通信を停止し、チャイム音の通信と表示データの通信のみ可能な状態となる。この場合、来訪者が呼び出しボタン19を押すと、室外子機1の無線部14よりチャイム音信号と『予備電池交換』の表示データを室内親機2へ送信する(ステップS25)。これを室内親機2の無線部24が受信して、室内親機2のスピーカー部27よりチャイム音が鳴り、同時に、表示部25に『予備電池交換』の表示がされる(ステップS26)。この表示は、居住者に予備電池13の電池切れを注意喚起するためのものである。この変形例においては、音声のやりとりはできずとも、居住者は来訪者をチャイム音によって知ることができる。また、音声の通信も停止した状態であるため、予備電池13の電池持ちが良くなり、テレビインターホン装置の機能が完全に停止するまでの時間を延長できるというメリットがある。
【符号の説明】
【0055】
1 室外子機
11 制御部
11a CPU
11b メモリ
11c 電圧計
12 太陽電池
12a 二次電池
12b ソーラーパネル
13 予備電池
14 無線部
15 カメラ部
16 マイク部
17 スピーカー部
18 音量調整SW
19 呼び出しボタン
2 室内親機
21 制御部
21a CPU
21b メモリ
22 電源部
23 電力系統
24 無線部
25 表示部
26 マイク部
27 スピーカー部
28 音量調整SW
29 応答ボタン
1’ 室外子機(変形例)
11’ 太陽電池
12a’ 二次電池(変形例)
12b’ ソーラーパネル(変形例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外子機と室内親機間で映像や音声を通信するテレビインターホン装置であって、
前記室外子機が、太陽電池と、
電池電圧値を検出する電圧値検出手段と、
前記電圧値検出手段により検出された太陽電池電圧値とあらかじめ定めた第1の設定電圧値との大小を判定する第1電圧値判定手段と、
前記太陽電池電圧値が前記第1の設定電圧値より小さい場合に、映像の送信を停止する映像送信停止手段と、を備えることを特徴とするテレビインターホン装置。
【請求項2】
前記第1電圧値判定手段によって前記太陽電池電圧値が前記第1の設定電圧値より小さい場合場合に、
前記室外子機が、前記室外子機の状態を前記室内親機の表示部に表示させる信号を送信する第1の状態表示信号送信手段を備え、
前記室内親機が、前記第1の状態表示信号を受信する状態表示信号受信手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のテレビインターホン装置。
【請求項3】
前記室外子機が、バックアップ用の予備電池と、
前記太陽電池電圧値と、前記第1の設定電圧値より小さいあらかじめ定めた第2の設定電圧値との大小を判定する第2電圧値判定手段と、
前記太陽電池電圧値が前記第2の設定電圧値より小さい場合に、前記室外子機の電源供給を、前記太陽電池から前記予備電池に切り替える電源切替手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のテレビインターホン装置。
【請求項4】
前記第2電圧値判定手段によって前記太陽電池電圧値が前記第2の設定電圧値より小さい場合に、
前記室外子機が、前記室外子機の状態を前記室内親機の表示部に表示させる信号を送信する第2の状態表示信号送信手段を備え、
前記室内親機が、前記第2の状態表示信号を受信する状態表示信号受信手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のテレビインターホン装置。
【請求項5】
前記室外子機が、前記電圧値検出手段によって検出した前記予備電池の予備電池電圧値とあらかじめ定めた第3の設定電圧値との大小を判定する第3電圧値判定手段と、
前記予備電池電圧値が前記第3の設定電圧値より小さい場合に、前記室外子機が、予備電池交換表示信号を送信する予備電池交換表示信号送信手段とを備え、
前記室内親機が、前記予備電池交換表示信号を受信する予備電池交換表示信号受信手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のテレビインターホン装置。
【請求項6】
前記予備電池電圧値が前記第3の設定電圧値より小さい場合に、前記室外子機が、音声の通信を停止する音声通信停止手段を備えることを特徴とする請求項5に記載のテレビインターホン装置。
【請求項7】
前記室外子機と前記室内親機との通信が、無線によるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のテレビインターホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−9953(P2012−9953A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141911(P2010−141911)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】