説明

テレビコンセント

【課題】テレビコンセントにおいて、同軸ケーブルを曲げた状態で入力端子に接続し易く、また、同軸ケーブルが曲げにくかったり、同軸ケーブルの端子の長さが長かったりしたときにも、同軸ケーブルを上向きに入力端子に接続することが可能となるようにする。
【解決手段】筐体10の前面の上部には、第1のテレビ端子2aが設けられている。筐体10内部には、入力端子2cと接続される2分配回路基板5が、第1のテレビ端子2aが設けられた部位から後方に向かって上方に傾斜するように収納されている。筐体10の2分配回路基板5が配されている部位は後方に出っ張った形状とされており、その部位の下面から下方に向けて、同軸ケーブルと接続される入力端子2cが設けられている。2分配回路基板5が水平に配されるときよりも、入力端子2cを上方に配置することができ、容易に同軸ケーブルを曲げて接続した状態とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、双方向CATV用配線系等の信号伝送システムの末端において、そのシステムと、テレビ受像機やチューナ等の受信機器又はケーブルモデム等の情報端末とを接続するテレビコンセントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、双方向CATVの信号伝送システムにおいては、CATV局から加入者に向けての下り方向に対応する信号とその反対方向の上り方向に対応する信号とを周波数帯域で分けることにより、一本の同軸ケーブルで双方向通信が行われている。この上り方向の信号に加入者側からノイズ等が混入すると、通信の性能が低下するなどの影響を生じる。このため、下り方向のみの片方向通信のみを行うときには、信号伝送システムの末端となる端子を備えたテレビコンセントとして、上り方向に対応する周波数帯域の信号をカットするフィルタを備えたものが用いられている。
【0003】
このようなテレビコンセントの中には、フィルタを適用するかどうかをスイッチにより選択して、双方向通信を行うか片方向通信を行うかを選択可能としたものが知られている。双方向/片方向を選択可能なテレビコンセントとしては、例えば特許文献1に示されるように、2つのテレビ端子を有し、これらのテレビ端子についてそれぞれ双方向通信用か片方向通信用かを切り替える2つの切り替えスイッチを有するものがある。
【0004】
図4(a)、(b)、(c)は、上述の特許文献1に記載されたテレビコンセントの一例を示す。このテレビコンセント81の筐体810の前面の上部及び下部には、それぞれ第1のテレビ端子82a及び第2のテレビ端子82bが設けられている。筐体810の上部は、後述するように開口部が設けられた部位の背面から後方に出っ張った形状となっている。この後方に出っ張った部位の下面には、入力端子82cが下向きに露出されるように立設されている。筐体810の前面の、第2のテレビ端子82bの近傍には、筐体810に設けられている操作孔83を通して外部から操作可能となるように、2つの切り替えスイッチ(以下、スイッチと称する)84が設けられている。これらの2つのスイッチ84は、図4(a)に示すように、互いに略水平に並んで設けられている。筐体810の内部には、後述するように2分配回路基板85とフィルタ回路基板86が配される。筐体810及びフィルタ回路基板86の第1のテレビ端子82aと操作孔83との間の部位は、幅方向の寸法が狭くなるように形成されている。入力端子82cは、この筐体810の幅方向の寸法が狭くなることにより発生した空間810eの後方に設けられている。
【0005】
2分配回路基板85は、筐体810の後方に出っ張った部位の内部に略水平に収納されている。この2分配回路基板85は、入力端子82cと接続されており、入力端子82cから入力された信号を2分配する2分配回路(図示せず)を有している。なお、このテレビコンセント81は、筐体810が、2分配回路基板85を第1のテレビ端子82aが設けられた部位の後方に収納するように構成されている。この2分配回路基板85の2分配回路は、後述するようにフィルタ回路基板86上の経路87a,87bに接続されるものであるが、2分配回路基板85上でこの2分配回路の配置を変更すること等により、第1のテレビ端子82aに直接接続することも可能とされている。
【0006】
図5は、フィルタ回路基板86を示す。筐体810の背面の後方に出っ張った部位の下方には開口部が設けられており、フィルタ回路基板86は、この開口部から筐体810の内部に配される。筐体810の開口部は、フィルタ回路基板86が筐体810の内部に配された状態で、封止板811bが圧入されて封止される。このフィルタ回路基板86は、上述の2分配回路と第1のテレビ端子82a及び第2のテレビ端子82bとをそれぞれ接続する導電パターンである2つの経路87a,87bと、これら2つの経路87a,87bの間にそれぞれ接続されるフィルタ88と、スイッチ84と接続され、経路87a,87bの途中にそれぞれ配されるスイッチ接続部841とを搭載している。スイッチ84が切り替わると、このフィルタ88が経路87a,87bに挿入されるかどうかが切り替わることによって双方向通信と片方向通信とが切り替わる。
【0007】
このテレビコンセント81は、図6(a)、(b)に示すように、筐体810の前面がカバー820により覆われて、室内等にカバー820と第1のテレビ端子82a及び第2のテレビ端子82bとが露出するように、壁面890に配置されて用いられる。テレビコンセント81の後方には、アウトレットボックス880が設けられている。テレビコンセント81は、壁面890の背面側からアウトレットボックス880内に配された同軸ケーブル860の端部の端子861が入力端子82cに接続された状態で壁面890に配される。このとき、一般的には、図6(b)に示すように、同軸ケーブル860がアウトレットボックス880の内部で略U字状に曲げられ、筐体810から下向きに突出した入力端子82cに対して端子861が上向きに接続されている。これは、同軸ケーブル860に結露等が発生しても、その水滴がテレビコンセント81に落下して内部に浸入しないようにして、テレビコンセント81の動作不良や故障が発生しないようにするためである。
【0008】
しかしながら、アウトレットボックス880内部の空間は限られており、同軸ケーブル860を曲げて入力端子82cに接続した状態とすることが困難となる場合がある。同軸ケーブル860を入力端子82cに容易に接続できるようにするには、入力端子82cがより上方となるように構成すればよいが、入力端子82cを上方に配置するためには、第1のテレビ端子82a及び2分配回路基板85をそれぞれ、より上方に配置することが必要である。しかしながら、第1のテレビ端子82aを設けることができる位置をより上方に配置するには限界がある。
【0009】
ところで、近年、廃棄後の環境への影響を低減するために、例えばポリエチレン等のノンハロゲン樹脂を絶縁材として用いた同軸ケーブルが実用化されている。このようなノンハロゲン樹脂は従来のものに比べて硬く、これを絶縁材として用いた同軸ケーブルは曲げにくいものである。また、同軸ケーブル860の端子861として、長さが長いものが用いられる場合がある。
【0010】
同軸ケーブル860として上述のように曲げにくいものが用いられたり、端子861の長さが長いものが用いられたりすると、上述のように、限られた空間内で同軸ケーブル860を曲げて入力端子82cに接続した状態とすることが困難となる場合がある他に、同軸ケーブル860を曲げた状態で取り付け不可能となる場合がある。同軸ケーブル860を曲げた状態で取り付け不可であるときには、テレビコンセント81の上下方向の向きを通常とは逆にして壁面890に取り付けることを余儀なくされてしまい、上述のように動作不良や故障が発生してしまう原因となる場合がある。
【特許文献1】特開2002−171180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、同軸ケーブルが上向きに接続される入力端子の位置を、筐体のより上方に設けることができ、同軸ケーブルを曲げた状態で入力端子に接続し易く、また、同軸ケーブルが曲げにくかったり、同軸ケーブルの端子の長さが長かったりしたときにも、同軸ケーブルを上向きに入力端子に接続することが可能なテレビコンセントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、筐体前面からそれぞれ露出されるように、筐体の一方に設けられた第1のテレビ端子及び筐体の他方に設けられた第2のテレビ端子と、筐体外部に露出されるように、筐体の一方の後方に出っ張った部位の一面から他方へ立設され、同軸ケーブルと接続される入力端子とが筐体に形成され、さらに、筐体の前記出っ張った部位を、その他方側の面が前記一方に寄るように薄く形成し、筐体の一方の内部に、前記第1のテレビ端子が設けられた部位から後方に向かって前記出っ張った部位の薄型化に伴って一方に傾斜するように収納され、前記入力端子に接続されて前記同軸ケーブルを経由して送られる信号を2分配する2分配回路を有する2分配回路基板と、前記2分配回路と第1のテレビ端子及び第2のテレビ端子とを前記信号を伝送可能に接続する導電パターンである2つの経路と、これらの経路それぞれに挿入可能なフィルタとを有し、筐体内部の前記2分配回路基板よりも他方に筐体の前面と略平行に収納されたフィルタ回路基板と、前記筐体前面の前記第2のテレビ端子の近傍に外部から操作可能に設けられ、前記第1のテレビ端子に接続される経路に接続され、前記フィルタを前記経路に挿入するかどうかによって双方向通信と片方向通信とに切り替えるための第1の切り替えスイッチと、前記筐体前面の前記第2のテレビ端子の近傍に外部から操作可能に設けられ、第2のテレビ端子に接続される経路に接続され、前記フィルタを前記経路に挿入するかどうかによって双方向通信と片方向通信とに切り替えるための第2の切り替えスイッチとを備えたものである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記筐体は、前記第1のテレビ端子が設けられた部位と前記第1の切り替えスイッチ及び第2の切り替えスイッチが設けられた部位との間の部位が、幅方向の寸法が狭くなるように成形されているものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、2分配回路基板が、第1のテレビ端子が設けられた部位から後方に向かって一方に傾斜するように収納されているので、入力端子を従来のものよりも筐体の一方に配置することができる。これにより、同軸ケーブルを曲げた状態で入力端子に接続し易くなる。また、同軸ケーブルが曲げにくかったり、同軸ケーブルの端子の長さが長かったりしたときにも、同軸ケーブルを上向きに入力端子に接続することが可能となり、テレビコンセントを上下逆方向に取り付ける必要がなく、同軸ケーブルから水滴が落下しテレビコンセントに動作不良や故障が発生することを防ぐことが可能となる。
【0015】
請求項2の発明によれば、筐体の第1のテレビ端子が設けられた部位と第1の切り替えスイッチ及び第2の切り替えスイッチが設けられた部位との間の部位が幅方向の寸法が狭くなるように成形されているので、入力端子の周囲の空間がより広くなる。これにより、上述のように同軸ケーブルを曲げた状態で入力端子に接続し易くなるとともに、入力端子に同軸ケーブルを接続する作業を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1(a)、(b)、及び図2は、本実施形態に係るテレビコンセントを示す。このテレビコンセント1の筐体10の上部(一方)及び下部(他方)には、筐体10の前面から露出されるように、それぞれ第1のテレビ端子2a及び第2のテレビ端子2bが設けられている。筐体10の背面側には、筐体10の外部に露出するように、同軸ケーブル(図示せず)に接続される入力端子2cが設けられている。第1のテレビ端子2a、第2のテレビ端子2b、及び入力端子2cは、例えばF型コネクタの端子であり、入力端子2cには、同軸ケーブル端部の端子がねじ込まれることによって同軸ケーブルが接続される。筐体10の前面の第2のテレビ端子2bの近傍には、2つの操作孔3a,3bが設けられている。この操作孔3a,3bを通して筐体10の外部から操作可能となるように、筐体10の内部に、第1の切り替えスイッチ(以下、第1のスイッチと称する)4a、第2の切り替えスイッチ(以下、第2のスイッチと称する)4bがそれぞれ設けられている。筐体10の上部の内部には、入力端子2cと接続され、同軸ケーブルを経由して送られる信号を2分配する2分配回路を有する2分配回路基板5が収納されている。筐体10の2分配回路基板5よりも下方(他方)には、2分配された信号を第1のテレビ端子2a及び第2のテレビ端子2bに伝送するフィルタ回路基板6が、筐体10の前面と略平行に収納されている。このテレビコンセント1は、入力端子2cに同軸ケーブルが接続された状態で、例えば室内の壁面等に取り付けられて用いられる。このとき、同軸ケーブルは、壁面内等に埋め込まれているアウトレットボックス(図示せず)の内部で略U字状に曲げられ、筐体10から下向きに突出した入力端子2cに対して同軸ケーブルの端部の端子が上向きに接続された状態となる。
【0017】
筐体10は、例えばダイキャスト等、金属により成形される。図1(b)に示すように、筐体10の上部の2分配回路基板5が収納されている部位はフィルタ回路基板6が設けられている部位の背面から後方に出っ張った形状とされている。図2に示すように、入力端子2cは、この筐体10の上部の後方に出っ張った部位の下面10cから下方向に突出するように、筐体10の側面の近傍に設けられている。また、筐体10の上面と、フィルタ回路基板6が設けられている部位の背面とは、それぞれ外部に解放された開口部10a,10bとなっている。開口部10a,10bは、それぞれ封止板11a,11bによって覆われている。
【0018】
また、本実施形態において、図1(a)に示すように、筐体10の第1のテレビ端子2aと操作孔3a,3bとの間の部位は、幅方向の寸法が狭くなるように成形されており、その部位の左右両側は空間10eとなっている。筐体10は、この空間10eが大きくなるような形状に成形されており、これにより、入力端子2cの周囲には広い空間が確保され、入力端子2cに同軸ケーブルの端子をねじ込む作業を容易に行うことができるように構成されている。
【0019】
操作孔3aは、図1(a)に示すように、操作孔3bよりも第1のテレビ端子2aに近い位置に配置され、操作孔3bは、操作孔3aよりも第2のテレビ端子2bに近い位置に配置されている。すなわち、第1のスイッチ4a及び第2のスイッチ4bは、共に第2のテレビ端子2bの近傍に設けられており、第1のスイッチ4aは、第2のスイッチ4bよりも第1のテレビ端子2aに近い位置に配置され、第2のスイッチ4bは、第1のスイッチ4aよりも第2のテレビ端子2bに近い位置に配置されている。第1のスイッチ4a及び第2のスイッチ4bは、例えばスライド型のスイッチであり、本実施形態においては、操作孔3a,3bを通して上下方向に切り替えることができるように配されている。
【0020】
2分配回路基板5は、図1(b)に示すように、筐体10の上部の後方に出っ張った部位の内部の空間に、前端が第1のテレビ端子2aが設けられた部位の後方となり、そしてそこから後方に向かって上方に傾斜するようにして収納されている。2分配回路基板5は、入力端子2cと接続されており、2分配回路により、同軸ケーブルを経由して入力端子2cから入力された信号を2分配する。この2分配回路基板5の2分配回路は、後述するようにフィルタ回路基板6上の経路7a,7bに接続されるものであるが、2分配回路基板5上でこの2分配回路の配置を変更すること等により、第1のテレビ端子2aに直接接続することも可能とされている。
【0021】
図3(a)、(b)は、フィルタ回路基板6を示す。フィルタ回路基板6は、筐体10の内部形状に対応した形状とされており、上述のように、筐体10の内部に、筐体10の前面と平行に収納されている。このフィルタ回路基板6は、2つの経路7a,7bと、これらの経路7a,7bそれぞれに挿入可能に設けられるフィルタ8と、上述の第1のスイッチ4a及び第2のスイッチ4bにそれぞれ接続されるスイッチ接続部41a,41bを有している。第1のテレビ端子2a及び第2のテレビ端子2bと、2分配回路基板上の2分配回路は、このフィルタ回路基板6に接続されている。経路7a,7bは、この第1のテレビ端子2a及び第2のテレビ端子2bと、2分配回路基板5の2分配回路とを、信号を伝送可能にそれぞれ接続している。スイッチ接続部41a,41bは、それぞれ経路7a,7bの途中に配されており、スイッチ4a,4bが切り替わると、フィルタ8が経路7a,7bに挿入されるかどうかが切り替わるように構成されている。
【0022】
フィルタ8は、CATV用の信号のうち、加入者(ユーザ)側からCATV局側に向かう上り方向に対応する周波数帯域の成分を除去する帯域阻止フィルタである。フィルタ8は、経路7a,7bにそれぞれ挿入されたとき、この経路7a,7bを伝送されるCATV用の信号のうち、第1のテレビ端子2a及び第2のテレビ端子2bから入力端子2cに向かう上り方向に対応する周波数帯域の信号をカットする。このため、経路7a,7bは、入力端子2cから第1のテレビ端子2a及び第2のテレビ端子2bに向かう下り方向に対応する周波数帯域の信号のみを通過可能な片方向通信用の経路となる。フィルタ8が経路7a,7bに挿入されていないときには、経路7a,7bは双方向通信用の経路となる。すなわち、上述のように、第1のスイッチ4a又は第2のスイッチ4bが切り替わり、フィルタ8がそれぞれ経路7a,7bに挿入されるかどうかが切り替わると、第1のテレビ端子2a、第2のテレビ端子2bについて、双方向通信用か片方向通信用かの設定が切り替わる。なお、本実施形態においては、第1のテレビ端子2aと第2のテレビ端子2bとのそれぞれについての双方向通信と片方向通信との切り替え作業は、筐体10の外部から第1のスイッチ4a又は第2のスイッチ4bの双方向/片方向の設定を切り替えることにより行われる。この作業は、テレビコンセント1が壁面等に設置されている状態で行うことができる。
【0023】
本実施形態においては、図1(b)の寸法線で示すように、筐体10は、上述のように2分配回路基板5が後方に向かって上方へ傾斜するように収納されていることに伴い、筐体10の後方に出っ張った部位の厚みDが、従来の背景技術の欄で説明したように2分配回路基板5が第1のテレビ端子2aの後方に略水平に配されているときよりも、薄くなるような形状とされている。すなわち、図2に示すように、筐体10の後方に出っ張った部位の下面10cは、2分配回路基板5が傾斜されて収納され後端が上方に配置されている分、上方となっている。これにより、下面10cから立設される入力端子2cも、2分配回路基板5が第1のテレビ端子2aの後方に略水平に配されているときよりも上方に配置されている。なお、本実施形態において、2分配回路基板5の水平面に対する傾斜角度は、2分配回路基板5上の回路や回路部品等が筐体10及び封止板11aに接触しない範囲でできるだけ大きくなるように構成されているが、これに限られるものではない。
【0024】
このように、入力端子2cを従来のものよりも筐体10のより上方に配置することができるので、同軸ケーブルを曲げて入力端子2cに接続した状態でテレビコンセント1を壁面等に配することを容易に行うことができる。また、同軸ケーブルが曲げにくかったり、同軸ケーブルの端子の長さが長かったりしたときにも、同軸ケーブルを上向きに入力端子2cに接続することが可能となる。これにより、テレビコンセント1を上下逆方向に取り付ける必要がなくなり、同軸ケーブルに結露等が発生したときに、同軸ケーブルから水滴が落下してテレビコンセント1に動作不良や故障が発生することを防ぐことが可能となる。
【0025】
また、本実施形態においては、上述のように、筐体10の第1のテレビ端子2aが設けられた部位と第1のスイッチ4a及び第2のスイッチ4bが設けられた部位との間の部位が幅方向の寸法が狭くなるように成形されているので、入力端子2cの周囲の空間がより広くなる。これにより、上述のように同軸ケーブルを曲げた状態で入力端子2cに接続し易くなるとともに、入力端子2cに同軸ケーブルの端子をねじ込んで接続する作業を容易に行うことが可能となる。
【0026】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、テレビコンセント1は、筐体10の背面側に、入力端子2cの他に送り配線用の出力端子が設けられているようなものであってもよい。このとき、出力端子も入力端子2cと同様に上方に配置されるので、上述のように、同軸ケーブルを曲げて出力端子にも接続した状態でテレビコンセント1を壁面等に配することを容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係るテレビコンセントを示す正面図、(b)は同テレビコンセントを示す側断面図。
【図2】同上テレビコンセントを示す斜視図。
【図3】同上テレビコンセントのフィルタ回路基板を示す平面図。
【図4】(a)は従来のテレビコンセントの一例を示す正面図、(b)は同テレビコンセントを示す側面図、(c)は同テレビコンセントを示す斜視図。
【図5】同上テレビコンセントのフィルタ回路基板を示す平面図。
【図6】(a)は同上テレビコンセントにカバーを配したときの正面図、(b)は同テレビコンセントを壁面に設置したときを示す図。
【符号の説明】
【0028】
1 テレビコンセント
2a 第1のテレビ端子
2b 第2のテレビ端子
2c 入力端子
4a 第1の切り替えスイッチ
4b 第2の切り替えスイッチ
5 2分割回路基板
6 フィルタ回路基板
7a,7b 経路
8 フィルタ
10 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体前面からそれぞれ露出されるように、筐体の一方に設けられた第1のテレビ端子及び筐体の他方に設けられた第2のテレビ端子と、
筐体外部に露出されるように、筐体の一方の後方に出っ張った部位の一面から他方へ立設され、同軸ケーブルと接続される入力端子とが筐体に形成され、さらに、筐体の前記出っ張った部位を、その他方側の面が前記一方に寄るように薄く形成し、
筐体の一方の内部に、前記第1のテレビ端子が設けられた部位から後方に向かって前記出っ張った部位の薄型化に伴って一方に傾斜するように収納され、前記入力端子に接続されて前記同軸ケーブルを経由して送られる信号を2分配する2分配回路を有する2分配回路基板と、
前記2分配回路と第1のテレビ端子及び第2のテレビ端子とを前記信号を伝送可能に接続する導電パターンである2つの経路と、これらの経路それぞれに挿入可能なフィルタとを有し、筐体内部の前記2分配回路基板よりも他方に筐体の前面と略平行に収納されたフィルタ回路基板と、
前記筐体前面の前記第2のテレビ端子の近傍に外部から操作可能に設けられ、前記第1のテレビ端子に接続される経路に接続され、前記フィルタを前記経路に挿入するかどうかによって双方向通信と片方向通信とに切り替えるための第1の切り替えスイッチと、
前記筐体前面の前記第2のテレビ端子の近傍に外部から操作可能に設けられ、第2のテレビ端子に接続される経路に接続され、前記フィルタを前記経路に挿入するかどうかによって双方向通信と片方向通信とに切り替えるための第2の切り替えスイッチとを備えたことを特徴とするテレビコンセント。
【請求項2】
前記筐体は、前記第1のテレビ端子が設けられた部位と前記第1の切り替えスイッチ及び第2の切り替えスイッチが設けられた部位との間の部位が、幅方向の寸法が狭くなるように成形されていることを特徴とする請求項1に記載のテレビコンセント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−12474(P2007−12474A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192729(P2005−192729)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】