テレビジョンカメラ
【課題】撮像状態によることなく横引きノイズを低減する。
【解決手段】入力光を信号電圧に変換して出力するコモンイメージフォーマットCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部と代表知検出部と補正部を備えたテレビジョンカメラにおいて、
垂直同期周波数50Hzの水平期間が長いモードで水平ブランキング期間内に無信号期間を作り、雑音低減部は当該水平無信号期間をクランプし、代表知検出部は前記CCD部から出力されるオプティカルブラック期間の最小値からN番目の代表値を検出し、補正部は有効画素信号から前記代表値を減算することを特徴とするテレビジョンカメラ。
【解決手段】入力光を信号電圧に変換して出力するコモンイメージフォーマットCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部と代表知検出部と補正部を備えたテレビジョンカメラにおいて、
垂直同期周波数50Hzの水平期間が長いモードで水平ブランキング期間内に無信号期間を作り、雑音低減部は当該水平無信号期間をクランプし、代表知検出部は前記CCD部から出力されるオプティカルブラック期間の最小値からN番目の代表値を検出し、補正部は有効画素信号から前記代表値を減算することを特徴とするテレビジョンカメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョンカメラに関し、特にテレビジョンカメラの映像信号に発生する横引きノイズの低減方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
はじめにテレビジョンカメラの信号処理について、図1を用いて説明する。図1は、従来のテレビジョンカメラの構成を示すブロック図である。11はテレビジョンカメラ、12はレンズ部である。テレビジョンカメラにおいて、101はCCD部、102はCDS( Correlated Double Sampling 、相関2重サンプリング)等の雑音低減部、103はVGA( Variable Gain Amplifier )部、104はA/D( Analog to Digital )変換部、105は映像信号処理部、106は映像信号出力部、107はCPU( Centrl Processing Unit )部、108はCCD部101を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生(TG: Timing Generator )部である。また、112は、CDS等の雑音低減部102、VGA部103、及びA/D変換部104で構成されるFEP( Front End Processor )部である。CDS等の雑音低減部102、VGA部103、及びA/D変換部104は個別に構成される場合もある。なお、VGA部103は、AGC( Auto Gain Contorol )部であっても良く、VGA部103を省略し映像信号処理部105でデジタルゲインコントロールしても良い。
【0003】
図1において、被写体像は、レンズ部12を通り、テレビジョンカメラ11のCCD部101に入射する。CCD部101は、入射光を電圧信号に変換して、CDS等の雑音低減部102に出力する。CDS等の雑音低減部部102は、入力された電圧信号から雑音を除去し、VGA部103に出力する。VGA部103は、入力された信号のレベルを調整して、A/D変換部104に出力する。A/D変換部104は、入力された電圧信号をアナログ信号からデジタル信号に変換して映像信号処理部105に出力する。映像信号処理部105は、入力された信号に対して、色分離、レベル補正、輪郭強調、等の様々な処理を施した後、映像信号出力部106を介してテレビジョンカメラ11の映像信号として出力する。
CPU部107は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ11内の各部の回路を制御している。
【0004】
ノイズの影響により、ライン毎に黒レベルが変化する。これによって映像に横線が発生する。この現象を横引きノイズという。横引きノイズは、撮像素子101で発生するノイズで、従来から、CDS部102で補正を行っていた。なお、横引きノイズとは、周波数が数kHz程度の低周波ノイズにより、表示画面上において横引き状のノイズが見える現象である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−77704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、撮像素子101で発生する低周波ノイズを、CDS等の雑音低減部部102等により低減している。しかし、CDS等の雑音低減部部102以降で発生する横引きノイズについては低減していなかった。
特許文献1には、被写体に動きがある場合には雑音抑制をオフにし、被写体に動きがない場合に雑音抑制をオンにする技術が記載されている。しかし、上記の問題は解決していない。
本発明は、上記の問題に鑑み、横引きノイズを、補正するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のテレビジョンカメラは、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、
前記雑音低減部は前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
具体的には、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧を処理してデジタル映像信号として出力するフロントエンド部と、前記デジタル映像信号の映像処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、前記フロントエンド部は前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
【0008】
また、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、前記タイミング信号発生部は、前記CCD部から出力される信号電圧の水平ブランキング期間に無信号期間を生成し、前記雑音低減部は前記CCD部から出力される信号電荷の前記無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
具体的には、本発明のテレビジョンカメラは、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧を処理してデジタル映像信号として出力するフロントエンド部と、前記デジタル映像信号の映像処理を行う映像処理部を備えたテレビジョンカメラにおいて、前記タイミング信号発生部は、前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間に無信号期間を生成し、前記フロントエンド部は前記CCD部から出力される信号電荷の前記無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
さらに、本発明のテレビジョンカメラは、上記テレビジョンカメラにおいて、代表知検出部と補正部を有し、前記クランプする前記水平期間は、前記無信号期間であり、前記代表知検出部は前記CCD部から出力されるオプティカルブラック期間の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値のいずれか1つの代表値を検出し、前記補正部は有効画素信号から、前記代表値を減算することを特徴とするテレビジョンカメラ。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮像状態によることなくCDS等の雑音低減部部102によって横引きノイズ補正が実現できる。また代表知検出部と補正部を有する本発明によれば、暗電流と垂直スメアを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来のテレビジョンカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施例の水平周期の信号を示すタイミングチャート図である。
【図7】本発明の一実施例の水平周期の信号を示すタイミングチャート図である。
【図8】本発明の一実施例と従来技術でのV−OBでのスミア値の検出を示す画面の模式図である。
【図9】本発明の一実施例を説明するための画面の模式図である。
【図10】本発明の一実施例の垂直スミア信号の検出と補正の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の一実施例の水平代表値の検出と補正の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のテレビジョンカメラは、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧を処理してデジタル映像信号として出力するCDS等の雑音低減部とVGA部とA/D変換部とからなるフロントエンド部と、前記デジタル映像信号の映像処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、前記フロントエンド部は前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
【0012】
また好ましくは、本発明のテレビジョンカメラは、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧を処理してデジタル映像信号として出力するフロントエンド部と、前記デジタル映像信号の映像処理を行う映像処理部を備えたテレビジョンカメラにおいて、前記タイミング信号発生部は、前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間に無信号期間を生成し、前記フロントエンド部は前記CCD部から出力される信号電荷の前記無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
具体的には、放送用のIT( Interline Transfer )−CCD若しくはFIT( Frame Interline Transfer )−CCDといった、暗電流が非常に少なく、垂直スメアも非常に少ないCCDを用い、コモンイメージフォーマットのCCDを垂直同期周波数50Hzで使用し、当該CCD出力の水平無信号期間(画素数1080×1920では、440クロック(440CLK)のあるテレビジョンカメラにおいて、前記CCD出力の水平無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプするものである。
【0013】
さらに好ましくは、本発明のテレビジョンカメラは、上記テレビジョンカメラにおいて、前記クランプする前記水平期間は、前記無信号期間であり、前記映像処理部は有効画素信号から、前記CCD部から出力されるオプティカルブラック期間の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値のいずれか1つの代表値を減算するテレビジョンカメラである。
具体的には、制作用若しくは産業用のIT−CCDといった、暗電流が予め定めた所定の値による補正で済む程度に少ないか、または、垂直スメアが予め定めた所定の値による補正で済む程度に少ないCCDを用い、コモンイメージフォーマットのCCDを垂直同期周波数50Hzで使用し、当該CCD出力の水平無信号期間があるテレビジョンカメラにおいて、前記CCD出力の水平無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプし、V−OB(垂直オプティカルブラック)期間の画素信号の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値(シロキズが除かれた暗電流と垂直スメアの合計値)、または、H−OB(水平オプティカルブラック)期間の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値(シロキズが除かれた暗電流)の、少なくとも一方を有効画素信号から減算するテレビジョンカメラである。
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図の説明において、従来の技術を説明した図1を含め、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、重複を避けるため、できるだけ説明を省略する。
【0015】
コモンイメージフォーマットの放送用IT−CCD若しくはFIT−CCDを用いたテレビジョンカメラでは暗電流も少なく垂直スメアも少ないので、図2〜図5のスメア補正部やOB代表値検出部は不要である。
このようなCCD(撮像素子)を用いたテレビジョンカメラでは、垂直同期周波数50Hz等で使用した場合にCCD出力に水平無信号期間があるテレビジョンカメラにおいて、CCD出力の水平無信号期間をクランプすることによって横引ノイズを補正することができる。
【0016】
以下図5〜図7によって、本発明の一実施例を説明する。
図5は、本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。従来例の図1のテレビジョンカメラ11の構成に対して、図5のテレビジョンカメラ51は、VGA部103の替りにAGC部504、FEP部112の替りにFEP部512、CPU部107の替りにCPU部507、TG部108の替りにTG部508を用いている。
【0017】
図5において、被写体像は、レンズ部12を通り、テレビジョンカメラ51の撮像素子101に入射する。撮像素子101は、入射された被写体像を電圧信号に変換して、CDS部102に出力する。CDS部102は、入力された電圧信号から雑音を除去し、AGC部503に出力する。AGC部503は、入力された信号のレベルを調整して、A/D変換部104に出力する。A/D変換部104は、入力された電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換して映像信号処理部105に出力する。映像信号処理部105は、入力された信号に対して、色分離、レベル補正、輪郭強調、等の様々な処理を施した後、映像信号出力部106を介してテレビジョンカメラ51の映像信号として出力する。
CPU部507は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ51内の各部の回路を制御している。また、TG部508は、CCD部101を駆動するタイミング信号を生成する。
【0018】
図6は、TG部508が生成する本発明の一実施例のコモンイメージフォーマットの1080×1920画素のCCD部101について、水平周期の信号を示すタイミングチャート図である。横軸が時間で、図6(a)、(b)共、上から、水平同期信号、入力信号、CDSクランプ信号である。
図6(a)は、本発明の一実施例の水平周期の信号を示すタイミングチャート図であり、CCD部101を垂直同期周波数60Hzで用いる。このように垂直同期周波数60Hzの場合には、Hブランキング期間の無信号期間が無い。しかし、図6(b)に示すように、垂直同期周波数50Hzで用いると、Hブランキング期間の無信号期間が440CLK(クロック)ある。
【0019】
そこで、図6(b)の垂直同期周波数50Hzでは、FEP部508のCDSクランプ信号は、Hブランキング期間の無信号期間及びH―OB期間の400CLKをクランプする。クランプするCLK数はCLK数が多いほど効果があるが、効果を得るには200CLK以上あることが望ましい。よって400CLKは十分に多いため、横引き成分を抽出して除去することが可能である。
【0020】
図5、図6(b)の実施例では、CDSクランプ信号で、2212CLKから2612CLKの400CLKをクランプする。クランプ期間には、H―OB期間46CLK(2212CLKから2258CLK)が含まれている。
このH―OB期間にも無信号期間と同様に横引き成分はあるため、図5、図6(a)の実施例のように、横引き成分を抽出して除去することが可能である。
また、クランプ期間にH―OB期間は含まれていても、含まれていなくても構わない。
【0021】
クランプ期間にH―OB期間を含まない実施例を図7に示す。図7は、TG部508が生成する本発明の一実施例のコモンイメージフォーマットの1080×1920画素のCCD部101について、水平周期の信号を示すタイミングチャート図である。
2260CLKから2630CLKの無信号期間370CLKをクランプする。370CLKは十分に多いため、横引き成分を抽出して除去することが可能である。
【0022】
また、暗電流が典型値補正で済む程度に少ないまたは垂直スメアが典型値補正で済む程度に少ない制作用または産業用IT−CCDを用いる場合は、CCD出力の水平無信号期間をFEP部508のCDSでクランプするだけではなく、本発明の1実施例のテレビジョンカメラの構成を示すブロック図の図1の補正部5や、OB代表値検出部6を用い、4ラインのV-OB各垂直画素信号の最小値(シロキズが除かれた暗電流と垂直スメアの合計値)を有効画素信号から減算する。スメア補正部5やOB代表値検出部6は映像信号処理部105に含まれても良い。
【0023】
以下、制作用または産業用IT−CCDが用いられるテレビジョンカメラの一実施例を、図2〜図4によって説明する。図2〜図4は、本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【0024】
図2〜図4において、まず、1ラインの入力信号を説明する。1ラインの入力信号は有効画素期間と有効画素期間以外の期間であるHブランキング期間がある。Hブランキング期間には、CCD垂直転送期間とOB(オプティカルブラック)期間とダミー期間がある。
異なるモードでの動作が可能なCCDを用いたテレビジョンカメラの場合には、モードにより水平期間が異なる。このため、水平期間が長いモードではHブランキング期間内に無信号期間を作ることができる。例えば、60Hzモードと50Hzモードの2つのモードに対応したCCDについて、50Hzモードで動作させた場合は、60Hzモードで動作させた場合より、水平期間が長くなる。このため、50Hzの水平期間から60Hzの水平期間を減算した期間を無信号期間とすることができる。
【0025】
図2は、V−OBが3ライン以上またはH−OBが3以上のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
200は本発明のテレビジョンカメラ、201はIT−CCD部、202はCDS部、203はAGC部、204はADC部、206はスミア補正部、207はOB代表値検出部、205は映像信号処理部、208はTG部、209はCPU部である。また、212は、CDS部202、AGC部203、及びADC部204、スミア補正部206、及びOB代表値検出部207で構成されるFEP部である。さらにスミア補正部206において、25はデジタルAGC部、26は減算部である。またさらに、OB代表値検出部207において、21と22は比較部、23と24はメモリ部である。メモリ部23と23は、例えばラインメモリである。
【0026】
図2において、CDS部202、AGC部203、ADC部204内で発生する横引きノイズは、CCD部201から出力されCDS部202に入力される映像信号とは無関係に発生する。このため、映像信号の無信号期間にも横引きノイズが発生する。また、この無信号期間の横引きノイズ成分は、撮像状態により変化することはない。
さらに、H―OB期間でも、同様に、横引きノイズは発生する。H―OB期間の横引きノイズ成分もまた、撮像状態により変化することはない。
【0027】
そこで、従来は、Hブランキング期間のH―OB期間をクランプしていたCDS部202のCDSクランプ処理において、Hブランキング期間の無信号期間とH―OB期間をクランプすることによって、横引きノイズを低減する。
【0028】
図2において、CPU部209は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ200内の各部の回路を制御している。ただし、配線は省略している。また、TG部208は、CCD駆動部で、CPU部209から出力される制御信号(図示しない)に従ってCCD部201を駆動するための信号(垂直駆動及び水平駆動する駆動パルス)を生成し、CCD部201に出力する。
テレビジョンカメラ200のCCD部201は、レンズ部12によって受光面に結像された入射光を、フォトダイオードで光電変換し、信号電荷を生成する。そして、生成した信号電荷を、垂直転送したのち、水平転送して、FEP部212のCDS部202に出力する。
CDS部202、AGC部203、及びADC部204は、CCD部201から入力された信号から、雑音を除去し、暗電流成分を補正し、補正した信号を増幅して、デジタル映像信号Viに変換して、デジタル映像信号Viをスミア補正部206に出力する。
【0029】
デジタル映像信号Viは、スミア補正部206を介してOB代表値検出部207に出力されると共に、後述する信号処理を行うためにスミア補正部206の減算器26にも出力される。OB代表値検出部207は、デジタル映像信号Viを比較部21と22でV−OBラインの垂直画素信号毎に比較し、小さいレベル値の順にラインメモリであるメモリ部23と24に記憶し、スミア成分として検出し、スミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。
【0030】
即ち、OB代表値検出部207において、比較部21は、入力されるデジタル映像信号Viとメモリ部23に記録されている値(最小値信号の上限値)とのレベルを比較し、入力されたデジタル映像信号Viのレベルが記録されていた値より小さい場合には、メモリ部23にデジタル映像信号Viのレベル値を記録し、メモリ部23に記録されていた値を比較部22に出力する。これによって、比較部21とメモリ部23では、それぞれのレベル値を比較し、小さいほうの値をメモリ部23に記録し、同じか若しくは大きいほうの値を比較部22に出力する。
同様に、比較部22は、メモリ部24に記録されている値(2番目に小さい信号値の上限値)と比較部21から入力された値を比較し、入力された値がメモリ部24に記録されていた値より小さい場合には、メモリ部24にそのレベル値を記録し、メモリ部24に記録されていた値をスミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。これによって、比較部22とメモリ部24では、それぞれのレベル値を比較し、小さいほうの値をメモリ部24に記録し、同じか若しくは大きいほうの値を、OB代表値として、スミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。
なお、メモリ部23の最小値信号の上限値、及びメモリ部24の2番目に小さい信号値の上限値は予め設定し記録しておく。
【0031】
この結果、V−OBが3ラインまたはH−OBが3のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラでは、最大のレベル値が代表値として検出され、検出された代表値は、デジタルAGC部25によって、AGC部204の増幅度に合わせて増幅した値を減算部26の減算入力に出力する。
減算部26は、ADC部204から入力されたデジタル映像信号Viのレベル値から、減算入力に入力された値を減算した値を画素データ毎に算出し、デジタル映像信号Vmとして映像信号処理部205に出力する。
映像信号処理部205は入力されたデジタル映像信号Vmに種々の画像処理を施し、所定方式のデジタル処理後、映像データVoとして出力する。
【0032】
同様に、V−OBが3ライン以上またはH−OBが3以上のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラの場合には、最小及び2番目に低い値が除去され、3番目に低い値を補正用のレベル値として用いる。この結果、V−OBが4ラインまたはH−OBが4のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラの場合には、最大値若しくは2番目に高い値を補正用のレベル値として選択可能である。
【0033】
図3は、V−OBが4ライン以上またはH−OBが4以上のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
300は本発明のテレビジョンカメラ、301はIT−CCD部、307はOB代表値検出部、309はCPU部である。また、312は、CDS部202、AGC部203、及びADC部204、スミア補正部206、及びOB代表値検出部307で構成されるFEP部である。さらに、OB代表値検出部307において、31と32は比較部、33、34、及び36はメモリ部、35は加算部、37は演算部である。メモリ部33、34、及び36は、例えばラインメモリである。
【0034】
図3において、TG部208は、CCD駆動部で、CPU部209から出力される制御信号(図示しない)に従ってCCD部301を駆動するための信号(垂直駆動及び水平駆動する駆動パルス)を生成し、CCD部301に出力する。CPU部209は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ300内の各部の回路を制御している。ただし、配線は省略している。
テレビジョンカメラ300のCCD部301は、レンズ部12によって受光面に結像された入射光を、フォトダイオードで光電変換し、信号電荷を生成する。そして、生成した信号電荷を、垂直転送したのち、水平転送して、FEP部312のCDS部202に出力する。
CDS部202、AGC部203、及びADC部204は、図2と同様の動作をして、CCD部301から入力された信号から、雑音を除去し、暗電流成分を補正し、補正した信号を増幅して、デジタル映像信号Viに変換して、デジタル映像信号Viをスミア補正部206に出力する。
【0035】
デジタル映像信号Viは、スミア補正部206を介してOB代表値検出部307に出力されると共に、後述する信号処理を行うためにスミア補正部206の減算器26にも出力される。OB代表値検出部307は、デジタル映像信号Viを比較部31と32でV−OBラインの垂直画素信号毎に比較し、大きいレベル値順にラインメモリであるメモリ部33と34に記憶し、スミア成分として検出し、スミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。
【0036】
即ち、OB代表値検出部307において、比較部31は、入力されるデジタル映像信号Viとメモリ部33に記録されている値(最大値信号の下限値)とのレベルを比較し、入力されたデジタル映像信号Viのレベルが記録されていた値より大きい場合には、メモリ部33にデジタル映像信号Viのレベル値を記録し、メモリ部33に記録されていた値を比較部32に出力する。これによって、比較部31とメモリ部33では、それぞれのレベル値を比較し、大きいほうの値をメモリ部33に記録し、同じか若しくは大きいほうの値を比較部32に出力する。
同様に、比較部32は、メモリ部34に記録されている値(2番目に大きい信号値の下限値)と比較部31から入力された値を比較し、入力された値がメモリ部34に記録されていた値より大きい場合には、メモリ部34にそのレベル値を記録し、メモリ部34に記録されていた値をスミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。これによって、比較部32とメモリ部34では、それぞれのレベル値を比較し、大きいほうの値をメモリ部34に記録し、同じか若しくは小さいほうの値を、OB代表値として、スミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。
なお、メモリ部33の最大値信号の下限値、及びメモリ部34の2番目に大きい信号値の下限値は予め設定し記録しておく。
【0037】
即ち、図3の実施例は、比較部31、32と、ラインメモリ(メモリ部33、34)とを用いて、所定の基準を満たすV−OBラインの垂直画素信号を選び、その選ばれた垂直画素信号を加算部35を用いて加算を行い、加算結果をメモリ部36に記憶し、演算部37で平均値を算出し、算出された平均値をOB代表値信号を算出する。
この結果、V−OBが4ラインのIT−CCDを用いたテレビジョンカメラでは、最大値と2番目に大きい値とを除く値の平均値が代表値として検出され、検出された代表値は、デジタルAGC部25によって、AGC部204の増幅度に合わせて増幅した値を減算部26の減算入力に出力する。
減算部26は、ADC部204から入力されたデジタル映像信号Viのレベル値から、減算入力に入力された値を減算した値を画素データ毎に算出し、デジタル映像信号Vmとして映像信号処理部205に出力する。
映像信号処理部205は入力されたデジタル映像信号Vmに種々の画像処理を施し、所定方式のデジタル処理後、映像データVoとして出力する。
【0038】
図4によって、本発明の別の実施例を説明する。図4は、IT−CCDを用いたテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図であり、特にV−OBが2ラインまたはH−OBが2のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラに適する。
400は本発明のテレビジョンカメラ、401はIT−CCD部、406はスミア補正部、407はOB代表値検出部、409はCPU部である。また、412は、CDS部202、AGC部203、及びADC部204、スミア補正部406、及びOB代表値検出部407で構成されるFEP部である。さらに、スミア補正部406において、43は減算部、44はデジタルAGC部である。またさらに、OB代表値検出部407において、41は比較部、42はメモリ部である。メモリ部42は、例えば、ラインメモリである。
なお、CCD部201、301、若しくは401は、IT−CCDではなく、FIT−CCDであっても良い。
【0039】
図4において、CPU部209は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ400内の各部の回路を制御している。ただし、配線は省略している。また、TG部208は、CCD駆動部で、CPU部209から出力される制御信号(図示しない)に従ってCCD部401を駆動するための信号(垂直駆動及び水平駆動する駆動パルス)を生成し、CCD部401に出力する。
【0040】
テレビジョンカメラ400のCCD部401は、レンズ部12によって受光面に結像された入射光を、フォトダイオードで光電変換し、信号電荷を生成する。そして、生成した信号電荷を、垂直転送したのち、水平転送して、FEP部412のCDS部202に出力する。
CDS部202、及びADC部204は、CCD部201から入力された信号から、雑音を除去し、暗電流成分を補正し、デジタル映像信号Viに変換して、デジタル映像信号Viをスミア補正部406に出力する。
【0041】
デジタル映像信号Viは、スミア補正部406を介してOB代表値検出部407に出力されると共に、後述する信号処理を行うためにスミア補正部406の減算器43にも出力される。OB代表値検出部407は、デジタル映像信号Viを比較部41でV−OBラインの垂直画素信号毎に比較し、最小値をスミア成分として検出し、かつラインメモリであるメモリ部42に記憶する。また検出されたスミア成分は、スミア補正部206の減算部43に出力される。
【0042】
即ち、OB代表値検出部407において、比較部41は、入力されるデジタル映像信号Viとメモリ部42に記録されている値(最小値信号の上限値)とのレベルを比較し、入力されたデジタル映像信号Viのレベルが記録されていた値より小さい場合には、メモリ部42にデジタル映像信号Viのレベル値を記録し、かつ、スミア補正部206の減算部に43出力する。これによって、比較部41とメモリ部42では、それぞれのレベル値を比較し、最小値がメモリ部42に記録し、かつ最小値をOB代表値としてスミア補正部206の減算部43に出力する。
なお、メモリ部42の最小値信号の上限値は予め設定し記録しておく。
【0043】
この結果、図4の実施例のテレビジョンカメラでは、最小値が代表値として検出され、検出された代表値は、ADC部204から入力されたデジタル映像信号Viのレベル値から、減算されてデジタルAGC部44に出力される。
デジタルAGC部44は、AGC部204の増幅度に合わせて増幅した値を画素データ毎に算出し、デジタル映像信号Vmとして映像信号処理部205に出力する。
【0044】
図4に示す実施例では、FEP部412にAGC部が無いので、スミア補正部406でデジタル映像信号ViからOB代表値信号を減算してからのデジタルAGCをおこなうように構成されている。
映像信号処理部205は、入力されたデジタル映像信号Vmに種々の画像処理を施し、所定方式のデジタル処理後、映像データVoとして出力する。
【0045】
上記図2〜図4に示す実施例のように、FEP部内にAGCが含まれていない場合や、スメア補正部のデジタルAGC部の配置場所が異なる場合、等の組合わせは任意に設定可能である。また、デジタル信号ViやVmのビット数やOB代表値信号のビット数もまた任意であり、また、比較部若しくはメモリ部の構成が異なる実施例があっても良く。これらは一実施例にすぎず種々の構成が適用される。
【0046】
図8は、本発明の一実施例と従来技術でのV−OBでのスミア値の検出を示す画面の模式図である。図8(a)〜図8(c)は、それぞれスメアのあるV−OBの信号値、及び従来の時の平均値を示す。さらに、図8(a)は最大値を除く平均値、下から2番目の値(中央値)、及び、最小値を示す。また、図8(b)は最大値を除く平均値、下から2番目の値(中央値)、最小値、及び、最大値と2番目の値を除く平均値を示す。またさらに、図8(c)は最小値を示す。
図8(a)が図2、図8(b)が図3、及び、図8(c)が図4の実施例のケースに対応している。
【0047】
また、図9は、本発明の一実施例を説明するための画面の模式図である。なお、CCD撮像面は、画面と上下左右が反転している。図9(a)は図8(a)、図9(b)は図8(b)、図9(c)は図8(c)に対応している。
図8(c)に示すように、V−OBが2ラインの中に信号値21の白キズがあると、平均値は11.5と特に大きく、スミア補正で誤差が特に大きいことが判る(以下、本実施例では白キズと判定される最大信号値のレベルを21として説明を続ける)。
図8(a)のようにV−OBが3ラインの中に信号値21の白キズがあると、平均値は9となり、中央値4や最大値を除く平均値3から大きく異なる値である。
【0048】
図8(b)のように、V−OBが4ラインの中に信号値21の白キズがあると、平均値は8となり、最大値を除く平均値3.67から大きく異なる値である。よって、平均値はV−OBのライン数が少し多くなってもスミア補正で誤差が大きいことが判る。
【0049】
図8(a)〜図8(c)の実施例では、最小値は2で、中央値や最大値を除く平均値より1から2小さいが、従来の平均値の7から11.5ほど大きな誤差がない。最小値はV−OBのライン数が2と少ない場合でも従来のV−OBが5ラインの平均値よりスミア補正の誤差が少なく、実用的なことが判る。
【0050】
次に、図2〜図4、図8(a)〜図8(c)、図9(a)〜図9(c)に加えて、図10(a)〜図10(c)によって、垂直スミア信号の検出と補正の動作について説明する。図10は、本発明の一実施例の垂直スミア信号の検出と補正の動作を説明するためのフローチャートである。図10(a)は、図2、図8(a)、及び図9(a)で説明した処理に関連するフローチャートである。また、図10(b)は、図3、図8(b)、及び図9(b)で説明した処理に関連するフローチャートである。さらに、図10(c)は、図4、図8(c)、及び図9(c)で説明した処理に関連するフローチャートである。
【0051】
まず、図2、図8(a)、図9(a)及び図10(a)に示す実施例について説明する。
CPU部209は、ラインメモリのメモリ部23と24に最小値信号の上限値、2番目に小さい信号の上限値をそれぞれ設定しておく。ここで、これらの上限値は、例えば、信号の輝度を数値化したものを用いて良い(以下で述べる各値についても、同様の基準で数値化されたものである)。
【0052】
比較部21は、メモリ部23に記憶されている上限値とV−OB領域の1ライン目(以下、V−OB1と称する)の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号(V−OB1の映像信号)を各画素の最小値の信号としてメモリ部23に記憶する(ステップS122)。
さらに比較部21は、2番目に小さい信号(以下、V−OB2と称する)の映像信号の画素の値とメモリ部23に最小値の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号をメモリ部23に各画素の最小値の信号として記憶する。値が大きい方の信号を、比較部22に出力する。
比較部22は、大きい方の信号の値と2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶されている上限値とを各画素間で比較し、小さい方の信号を各画素の2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶する(ステップS123)。
【0053】
同様に、比較部21は、Nライン目(Nは3以上の自然数)のV−OBNの映像信号の画素の値とメモリ部23の最小値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を各画素の最小値の信号としてメモリ部23に記憶する。また、値が大きい方の信号は各画素の比較1の信号として、比較部22に出力される(ステップS124)。
比較部22は、2番目に小さい信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を各画素の2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶する(ステップS125)。
【0054】
比較部22が最後のV−OBの比較処理を終了すると、メモリ部24は、2番目に小さい信号をスミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部206に出力し(ステップS126)、代表値検出処理を終了する。
【0055】
次に、図4、図8(c)、図9(c)、及び図10(c)に示す実施例について説明する。
CPU409は、メモリ部42に最小値信号の上限値を設定しておく。
【0056】
比較部41は、上限値とV−OB1の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号(V−OB1の映像信号)を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS135)。
比較部41は、最小値の信号の値とV−OB2の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS136)。
【0057】
同様に、比較部41は、Nライン目(Nは3以上の自然数)のV−OBNの映像信号の画素の値と最小値の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS137)。
【0058】
比較部41が最後のV−OBの比較処理を終了すると、メモリ部42は、最小値の信号をスミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部406に出力し(ステップS138)、代表値検出処理を終了する。
【0059】
また、図4、図8(c)、図9(c)、及び図10(c)は、本発明の他の一実施例であり、V−OB代表値として各垂直画素信号の最小値を算出する方法を示しており、垂直スミア補正信号の記憶が1ライン分で済み集積規模が従来例よりも小型になる。
本実施例では、V−OBライン数が少なく、黒キズも少ないHDTVのCCD撮像素子に適している。さらに、AGCはないが、16bitのFEPを用い、垂直スミア補正が高精度となっている。ここで、図2、図3で比較部22、23とラインメモリ72、73とを省略し、図10(c)の動作をすれば、V−OBライン数が少なく、黒キズも少ないHDTVのCCD(撮像素子)を用いた高感度用途になる。
【0060】
また次に、図2、図8(b)、図9(b)、及び図10(b)に示す実施例について説明する。
CPU309は、メモリ部36の値を0、メモリ部34の値を信号の上限値に設定しておき、メモリ部33の値を信号の下限値に設定しておく(ステップS143)。
【0061】
比較部31は、下限値とV−OB1の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号(V−OB1の映像信号)を各画素の最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。
比較部31は、最大値の信号とV−OB2の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号を各画素の最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。値が小さい方の信号は、各画素の最小値の信号として比較部32に出力する(ステップS144)。
【0062】
比較部32は、値が小さい方の信号とメモリ部34に記憶された上限値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を各画素の最小値の信号としてメモリ部34に記憶する。
比較部31は、メモリ部33に記憶されている最大値の信号の値とV−OB3の映像信号の画素の値とを各画素で比較し、値が大きい方の信号を最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。
比較部31は、値が小さい方の信号を比較1の信号として比較部32に送る(ステップS145)。
比較部32は、最小値の信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部34に記憶し、値が大きい方の信号を中間値として加算部35を介してメモリ部36に加算記憶する(ステップS146)。
【0063】
同様に、比較部31は、Nライン目(Nは4以上の自然数)のV−OBNの映像信号の画素の値と最大値の信号の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号を最大値の信号としてメモリ部33に記憶し、値が小さい方の信号を比較1の信号として、比較部32に送る(ステップS147)。
比較部32は、最小値の信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部34に記憶し、値が大きい方の信号を中間値として加算部35を介してメモリ部36に加算記憶する(ステップS148)。
【0064】
比較部32が最後のV−OBの比較処理を終了すると、メモリ部36は、演算部37に加算記憶した値を出力する。演算部37は、中間値の信号を1/(N−2)に減衰することによって、平均値を算出し、スミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部305に出力し(ステップS149)、代表値信号処理が終了する。
【0065】
図3、図8(b)、図9(b)、及び図10(b)に示す実施例は、V−OBが4ライン以上で最大値と最小値を除く平均値を代表値として用いる方法を示しており、例えば、22ビットにA/D変換し、CCD(撮像素子)の暗電流の補正が容易な事と合わせて、白キズも黒キズも多くV−OBのライン数も多いCCDを高感度動作させる用途に適している。
【0066】
図2〜図4に示す実施例は、スミア補正部(206、306、若しくは406)とOB代表値検出部(207、307、若しくは407)と映像信号処理部205とを分けていたが、別の実施例として、スミア補正部とOB代表値検出部と映像信号処理部とは、映像専用のメモリ集積DSPや、FPGAに集積する要にしても良い。
【0067】
上述の全体構成の撮像装置を示すブロック図の図2〜図4において、図2はV−OBが3ライン以上で最小値から2番目の値(3ラインで中央値)を検出する場合で、図3はV−OBが4ライン以上で最大値と最小値除く平均値を検出する場合で、図4はV−OBが2ライン以上で最小値を検出しデジタルAGCする場合である。
本発明の一実施例の代表値検出フローチャートの図10(a)〜図10(c)において、図10(a)はV−OB最小値から2番目の値を検出する場合で、図10(b)はV−OB最大値と最小値除く平均値を検出する場合である。図10(a)〜図10(c)の特徴は、比較部とメモリ部とにより、最大値または2番目に大きい値を除きCCD撮像素子の白キズの影響を削除していることである。
【0068】
V−OBは、画面始まりの変動が大きい。この変動の影響である垂直暗部むらによる補正精度劣化を避けるため、有効画素より後に出力される画面下のV−OB領域画素から出力される画像信号を垂直暗部むら補正してから、代表値を算出した方がスミア補正の精度が良くなる。
しかし、スミア補正が1画面(約17m(1/60)秒)遅れるので、実用的ではない。
そこで、14bitにA/D変換して画面始まりの変動が大きい垂直暗部むら補正を高精度に行い、有効画素より先に出力される画面上のV−OB領域画素から出力される画像信号を垂直暗部むら補正してから、代表値を算出すれば、有効画素出力と同時にスミア補正でき、遅れがない。
【0069】
以上、V−OBライン数が少なく黒キズも少ないHDTVのCCD撮像素子とを用いたテレビジョンカメラについて詳細に説明した。しかし、本発明は、ここに記載されたテレビジョンカメラに限定されるものではなく、上記以外のCCDを用いたテレビジョンカメラを含む撮像装置全般に広く適用することができることは言うまでもない。
【0070】
次に、本発明の別の実施例を図11(a)〜図11(c)によって説明する。図11は、本発明の一実施例の水平代表値の検出と補正の動作を説明するためのフローチャートである。図11(a)は、図2、図8(a)、及び図9(a)で説明した処理に関連するフローチャートである。また、図11(b)は、図3、図8(b)、及び図9(b)で説明した処理に関連するフローチャートである。さらに、図11(c)は、図4、図8(c)、及び図9(c)で説明した処理に関連するフローチャートである。
【0071】
図11の実施例を適用する場合には、図2〜図4の全体構成の撮像装置を示すブロック図において、V−OBをH−OBに置き換え、図2は、H−OBが3ヶ以上で最小値から2番目の値(3ヶで中央値)を検出する場合で、図3はH−OBが4ヶ以上で最大値と最小値除く平均値を検出する場合で、図4はH−OBが2ヶ以上で最小値を検出しデジタルAGCする場合とする。
即ち、本発明の他の一実施例の水平代表値検出フローチャートの図11(a)
、図11(b)、及び図11(c)において、図11(a)はH−OB最小値から2番目の値を検出する場合で、図11(b)はH−OB最大値と最小値除く平均値を検出する場合である。
【0072】
まず、図11(a)に示す実施例について説明する。
CPU部209は、メモリ部23と24に最小値信号の上限値、2番目に小さい信号の上限値をそれぞれ設定しておく。ここで、これらの上限値は、例えば、信号の輝度を数値化したものを用いて良い(以下で述べる各値についても、同様の基準で数値化されたものである)。
【0073】
比較部21は、メモリ部23に記憶されている上限値とH−OB領域の1画素目(以下、H−OB1と称する)の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号(H−OB1の映像信号)を各画素の最小値の信号としてメモリ部23に記憶する(ステップS222)。
さらに比較部21は、2番目に小さい信号(以下、H−OB2と称する)の映像信号の画素の値とメモリ部23に最小値の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号をメモリ部23に各画素の最小値の信号として記憶する。値が大きい方の信号を、比較部22に出力する。
比較部22は、大きい方の信号の値と2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶されている上限値とを各画素間で比較し、小さい方の信号を各画素の2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶する(ステップS223)。
【0074】
比較部22がH−OBの比較処理を終了すると、メモリ部24は、2番目に小さい信号をスミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部206に出力し(ステップS226)、代表値検出処理を終了する。
【0075】
次に、図11(c)に示す実施例について説明する。
CPU409は、メモリ部42に最小値信号の上限値を設定しておく。
【0076】
比較部41は、上限値とH−OB1の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号(H−OB1の映像信号)を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS235)。
比較部41は、最小値の信号の値とH−OB2の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS236)。
【0077】
同様に、比較部41は、N画素目(Nは3以上の自然数)のH−OBNの映像信号の画素の値と最小値の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS237)。
【0078】
比較部41が最後のH−OBの比較処理を終了すると、メモリ部42は、最小値の信号をスミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部406に出力し(ステップS238)、代表値検出処理を終了する。
【0079】
また次に、図11(b)に示す実施例について説明する。
CPU309は、メモリ部36の値を0、メモリ部34の値を信号の上限値に設定しておき、メモリ部33の値を信号の下限値に設定しておく(ステップS243)。
【0080】
比較部31は、下限値とH−OB1の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号(V−OB1の映像信号)を各画素の最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。
比較部31は、最大値の信号とV−OB2の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号を各画素の最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。値が小さい方の信号は、各画素の最小値の信号として比較部32に出力する(ステップS244)。
【0081】
比較部32は、値が小さい方の信号とメモリ部34に記憶された上限値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を各画素の最小値の信号としてメモリ部34に記憶する。
比較部31は、メモリ部33に記憶されている最大値の信号の値とV−OB3の映像信号の画素の値とを各画素で比較し、値が大きい方の信号を最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。
比較部31は、値が小さい方の信号を比較1の信号として比較部32に送る(ステップS245)。
比較部32は、最小値の信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部34に記憶し、値が大きい方の信号を中間値として加算部35を介してメモリ部36に加算記憶する(ステップS246)。
【0082】
同様に、比較部31は、Nライン目(Nは4以上の自然数)のV−OBNの映像信号の画素の値と最大値の信号の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号を最大値の信号としてメモリ部33に記憶し、値が小さい方の信号を比較1の信号として、比較部32に送る(ステップS247)。
比較部32は、最小値の信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部34に記憶し、値が大きい方の信号を中間値として加算部35を介してメモリ部36に加算記憶する(ステップS248)。
【0083】
比較部32が最後のV−OBの比較処理を終了すると、メモリ部36は、演算部37に加算記憶した値を出力する。演算部37は、中間値の信号を1/(N−2)に減衰することによって、平均値を算出し、スミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部305に出力し(ステップS249)、代表値信号処理が終了する。
【0084】
以上、H−OBライン数が少なく黒キズも少ないHDTVのCCD撮像素子とを用いたテレビジョンカメラについて詳細に説明した。しかし、本発明は、ここに記載されたテレビジョンカメラに限定されるものではなく、上記以外のCCDを用いたテレビジョンカメラを含む撮像装置全般に広く適用することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0085】
11:テレビジョンカメラ、 12:レンズ部、 21、22:比較部、 23、24:メモリ部、 25:デジタルAGC部、 26:減算部、 31、32:比較部、 33、34、36:メモリ部、 35:加算部、 37:演算部、 41:比較部、 42:メモリ部、 43:減算部、 44:デジタルAGC部、 51:テレビジョンカメラ、 101:CCD部、 102:CDS部、 103:VGA部、 104:A/D変換部、 105:映像信号処理部、 106:映像信号出力部、 107:CPU部、 108:TG部、 112:FEP部、 200:テレビジョンカメラ、 201:IT−CCD部、 202:CDS部、 203:AGC部、 204:ADC部、 205:映像信号処理部、 206:スミア補正部、 207:OB代表値検出部、 208:TG部、 209:CPU部、 212:FEP部、 300:テレビジョンカメラ、 301:IT−CCD部、 307:OB代表値検出部、 309:CPU部、 312:FEP部、 400:テレビジョンカメラ、 401:IT−CCD部、 406:スミア補正部、 407:OB代表値検出部、 409:CPU部、 412:FEP部、 503:AGC部、 507:CPU部、 508:TG部、 512:FEP部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョンカメラに関し、特にテレビジョンカメラの映像信号に発生する横引きノイズの低減方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
はじめにテレビジョンカメラの信号処理について、図1を用いて説明する。図1は、従来のテレビジョンカメラの構成を示すブロック図である。11はテレビジョンカメラ、12はレンズ部である。テレビジョンカメラにおいて、101はCCD部、102はCDS( Correlated Double Sampling 、相関2重サンプリング)等の雑音低減部、103はVGA( Variable Gain Amplifier )部、104はA/D( Analog to Digital )変換部、105は映像信号処理部、106は映像信号出力部、107はCPU( Centrl Processing Unit )部、108はCCD部101を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生(TG: Timing Generator )部である。また、112は、CDS等の雑音低減部102、VGA部103、及びA/D変換部104で構成されるFEP( Front End Processor )部である。CDS等の雑音低減部102、VGA部103、及びA/D変換部104は個別に構成される場合もある。なお、VGA部103は、AGC( Auto Gain Contorol )部であっても良く、VGA部103を省略し映像信号処理部105でデジタルゲインコントロールしても良い。
【0003】
図1において、被写体像は、レンズ部12を通り、テレビジョンカメラ11のCCD部101に入射する。CCD部101は、入射光を電圧信号に変換して、CDS等の雑音低減部102に出力する。CDS等の雑音低減部部102は、入力された電圧信号から雑音を除去し、VGA部103に出力する。VGA部103は、入力された信号のレベルを調整して、A/D変換部104に出力する。A/D変換部104は、入力された電圧信号をアナログ信号からデジタル信号に変換して映像信号処理部105に出力する。映像信号処理部105は、入力された信号に対して、色分離、レベル補正、輪郭強調、等の様々な処理を施した後、映像信号出力部106を介してテレビジョンカメラ11の映像信号として出力する。
CPU部107は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ11内の各部の回路を制御している。
【0004】
ノイズの影響により、ライン毎に黒レベルが変化する。これによって映像に横線が発生する。この現象を横引きノイズという。横引きノイズは、撮像素子101で発生するノイズで、従来から、CDS部102で補正を行っていた。なお、横引きノイズとは、周波数が数kHz程度の低周波ノイズにより、表示画面上において横引き状のノイズが見える現象である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−77704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、撮像素子101で発生する低周波ノイズを、CDS等の雑音低減部部102等により低減している。しかし、CDS等の雑音低減部部102以降で発生する横引きノイズについては低減していなかった。
特許文献1には、被写体に動きがある場合には雑音抑制をオフにし、被写体に動きがない場合に雑音抑制をオンにする技術が記載されている。しかし、上記の問題は解決していない。
本発明は、上記の問題に鑑み、横引きノイズを、補正するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のテレビジョンカメラは、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、
前記雑音低減部は前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
具体的には、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧を処理してデジタル映像信号として出力するフロントエンド部と、前記デジタル映像信号の映像処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、前記フロントエンド部は前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
【0008】
また、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、前記タイミング信号発生部は、前記CCD部から出力される信号電圧の水平ブランキング期間に無信号期間を生成し、前記雑音低減部は前記CCD部から出力される信号電荷の前記無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
具体的には、本発明のテレビジョンカメラは、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧を処理してデジタル映像信号として出力するフロントエンド部と、前記デジタル映像信号の映像処理を行う映像処理部を備えたテレビジョンカメラにおいて、前記タイミング信号発生部は、前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間に無信号期間を生成し、前記フロントエンド部は前記CCD部から出力される信号電荷の前記無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
さらに、本発明のテレビジョンカメラは、上記テレビジョンカメラにおいて、代表知検出部と補正部を有し、前記クランプする前記水平期間は、前記無信号期間であり、前記代表知検出部は前記CCD部から出力されるオプティカルブラック期間の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値のいずれか1つの代表値を検出し、前記補正部は有効画素信号から、前記代表値を減算することを特徴とするテレビジョンカメラ。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮像状態によることなくCDS等の雑音低減部部102によって横引きノイズ補正が実現できる。また代表知検出部と補正部を有する本発明によれば、暗電流と垂直スメアを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来のテレビジョンカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施例の水平周期の信号を示すタイミングチャート図である。
【図7】本発明の一実施例の水平周期の信号を示すタイミングチャート図である。
【図8】本発明の一実施例と従来技術でのV−OBでのスミア値の検出を示す画面の模式図である。
【図9】本発明の一実施例を説明するための画面の模式図である。
【図10】本発明の一実施例の垂直スミア信号の検出と補正の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の一実施例の水平代表値の検出と補正の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のテレビジョンカメラは、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧を処理してデジタル映像信号として出力するCDS等の雑音低減部とVGA部とA/D変換部とからなるフロントエンド部と、前記デジタル映像信号の映像処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、前記フロントエンド部は前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
【0012】
また好ましくは、本発明のテレビジョンカメラは、入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧を処理してデジタル映像信号として出力するフロントエンド部と、前記デジタル映像信号の映像処理を行う映像処理部を備えたテレビジョンカメラにおいて、前記タイミング信号発生部は、前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間に無信号期間を生成し、前記フロントエンド部は前記CCD部から出力される信号電荷の前記無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラである。
具体的には、放送用のIT( Interline Transfer )−CCD若しくはFIT( Frame Interline Transfer )−CCDといった、暗電流が非常に少なく、垂直スメアも非常に少ないCCDを用い、コモンイメージフォーマットのCCDを垂直同期周波数50Hzで使用し、当該CCD出力の水平無信号期間(画素数1080×1920では、440クロック(440CLK)のあるテレビジョンカメラにおいて、前記CCD出力の水平無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプするものである。
【0013】
さらに好ましくは、本発明のテレビジョンカメラは、上記テレビジョンカメラにおいて、前記クランプする前記水平期間は、前記無信号期間であり、前記映像処理部は有効画素信号から、前記CCD部から出力されるオプティカルブラック期間の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値のいずれか1つの代表値を減算するテレビジョンカメラである。
具体的には、制作用若しくは産業用のIT−CCDといった、暗電流が予め定めた所定の値による補正で済む程度に少ないか、または、垂直スメアが予め定めた所定の値による補正で済む程度に少ないCCDを用い、コモンイメージフォーマットのCCDを垂直同期周波数50Hzで使用し、当該CCD出力の水平無信号期間があるテレビジョンカメラにおいて、前記CCD出力の水平無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプし、V−OB(垂直オプティカルブラック)期間の画素信号の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値(シロキズが除かれた暗電流と垂直スメアの合計値)、または、H−OB(水平オプティカルブラック)期間の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値(シロキズが除かれた暗電流)の、少なくとも一方を有効画素信号から減算するテレビジョンカメラである。
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図の説明において、従来の技術を説明した図1を含め、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、重複を避けるため、できるだけ説明を省略する。
【0015】
コモンイメージフォーマットの放送用IT−CCD若しくはFIT−CCDを用いたテレビジョンカメラでは暗電流も少なく垂直スメアも少ないので、図2〜図5のスメア補正部やOB代表値検出部は不要である。
このようなCCD(撮像素子)を用いたテレビジョンカメラでは、垂直同期周波数50Hz等で使用した場合にCCD出力に水平無信号期間があるテレビジョンカメラにおいて、CCD出力の水平無信号期間をクランプすることによって横引ノイズを補正することができる。
【0016】
以下図5〜図7によって、本発明の一実施例を説明する。
図5は、本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。従来例の図1のテレビジョンカメラ11の構成に対して、図5のテレビジョンカメラ51は、VGA部103の替りにAGC部504、FEP部112の替りにFEP部512、CPU部107の替りにCPU部507、TG部108の替りにTG部508を用いている。
【0017】
図5において、被写体像は、レンズ部12を通り、テレビジョンカメラ51の撮像素子101に入射する。撮像素子101は、入射された被写体像を電圧信号に変換して、CDS部102に出力する。CDS部102は、入力された電圧信号から雑音を除去し、AGC部503に出力する。AGC部503は、入力された信号のレベルを調整して、A/D変換部104に出力する。A/D変換部104は、入力された電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換して映像信号処理部105に出力する。映像信号処理部105は、入力された信号に対して、色分離、レベル補正、輪郭強調、等の様々な処理を施した後、映像信号出力部106を介してテレビジョンカメラ51の映像信号として出力する。
CPU部507は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ51内の各部の回路を制御している。また、TG部508は、CCD部101を駆動するタイミング信号を生成する。
【0018】
図6は、TG部508が生成する本発明の一実施例のコモンイメージフォーマットの1080×1920画素のCCD部101について、水平周期の信号を示すタイミングチャート図である。横軸が時間で、図6(a)、(b)共、上から、水平同期信号、入力信号、CDSクランプ信号である。
図6(a)は、本発明の一実施例の水平周期の信号を示すタイミングチャート図であり、CCD部101を垂直同期周波数60Hzで用いる。このように垂直同期周波数60Hzの場合には、Hブランキング期間の無信号期間が無い。しかし、図6(b)に示すように、垂直同期周波数50Hzで用いると、Hブランキング期間の無信号期間が440CLK(クロック)ある。
【0019】
そこで、図6(b)の垂直同期周波数50Hzでは、FEP部508のCDSクランプ信号は、Hブランキング期間の無信号期間及びH―OB期間の400CLKをクランプする。クランプするCLK数はCLK数が多いほど効果があるが、効果を得るには200CLK以上あることが望ましい。よって400CLKは十分に多いため、横引き成分を抽出して除去することが可能である。
【0020】
図5、図6(b)の実施例では、CDSクランプ信号で、2212CLKから2612CLKの400CLKをクランプする。クランプ期間には、H―OB期間46CLK(2212CLKから2258CLK)が含まれている。
このH―OB期間にも無信号期間と同様に横引き成分はあるため、図5、図6(a)の実施例のように、横引き成分を抽出して除去することが可能である。
また、クランプ期間にH―OB期間は含まれていても、含まれていなくても構わない。
【0021】
クランプ期間にH―OB期間を含まない実施例を図7に示す。図7は、TG部508が生成する本発明の一実施例のコモンイメージフォーマットの1080×1920画素のCCD部101について、水平周期の信号を示すタイミングチャート図である。
2260CLKから2630CLKの無信号期間370CLKをクランプする。370CLKは十分に多いため、横引き成分を抽出して除去することが可能である。
【0022】
また、暗電流が典型値補正で済む程度に少ないまたは垂直スメアが典型値補正で済む程度に少ない制作用または産業用IT−CCDを用いる場合は、CCD出力の水平無信号期間をFEP部508のCDSでクランプするだけではなく、本発明の1実施例のテレビジョンカメラの構成を示すブロック図の図1の補正部5や、OB代表値検出部6を用い、4ラインのV-OB各垂直画素信号の最小値(シロキズが除かれた暗電流と垂直スメアの合計値)を有効画素信号から減算する。スメア補正部5やOB代表値検出部6は映像信号処理部105に含まれても良い。
【0023】
以下、制作用または産業用IT−CCDが用いられるテレビジョンカメラの一実施例を、図2〜図4によって説明する。図2〜図4は、本発明のテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
【0024】
図2〜図4において、まず、1ラインの入力信号を説明する。1ラインの入力信号は有効画素期間と有効画素期間以外の期間であるHブランキング期間がある。Hブランキング期間には、CCD垂直転送期間とOB(オプティカルブラック)期間とダミー期間がある。
異なるモードでの動作が可能なCCDを用いたテレビジョンカメラの場合には、モードにより水平期間が異なる。このため、水平期間が長いモードではHブランキング期間内に無信号期間を作ることができる。例えば、60Hzモードと50Hzモードの2つのモードに対応したCCDについて、50Hzモードで動作させた場合は、60Hzモードで動作させた場合より、水平期間が長くなる。このため、50Hzの水平期間から60Hzの水平期間を減算した期間を無信号期間とすることができる。
【0025】
図2は、V−OBが3ライン以上またはH−OBが3以上のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
200は本発明のテレビジョンカメラ、201はIT−CCD部、202はCDS部、203はAGC部、204はADC部、206はスミア補正部、207はOB代表値検出部、205は映像信号処理部、208はTG部、209はCPU部である。また、212は、CDS部202、AGC部203、及びADC部204、スミア補正部206、及びOB代表値検出部207で構成されるFEP部である。さらにスミア補正部206において、25はデジタルAGC部、26は減算部である。またさらに、OB代表値検出部207において、21と22は比較部、23と24はメモリ部である。メモリ部23と23は、例えばラインメモリである。
【0026】
図2において、CDS部202、AGC部203、ADC部204内で発生する横引きノイズは、CCD部201から出力されCDS部202に入力される映像信号とは無関係に発生する。このため、映像信号の無信号期間にも横引きノイズが発生する。また、この無信号期間の横引きノイズ成分は、撮像状態により変化することはない。
さらに、H―OB期間でも、同様に、横引きノイズは発生する。H―OB期間の横引きノイズ成分もまた、撮像状態により変化することはない。
【0027】
そこで、従来は、Hブランキング期間のH―OB期間をクランプしていたCDS部202のCDSクランプ処理において、Hブランキング期間の無信号期間とH―OB期間をクランプすることによって、横引きノイズを低減する。
【0028】
図2において、CPU部209は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ200内の各部の回路を制御している。ただし、配線は省略している。また、TG部208は、CCD駆動部で、CPU部209から出力される制御信号(図示しない)に従ってCCD部201を駆動するための信号(垂直駆動及び水平駆動する駆動パルス)を生成し、CCD部201に出力する。
テレビジョンカメラ200のCCD部201は、レンズ部12によって受光面に結像された入射光を、フォトダイオードで光電変換し、信号電荷を生成する。そして、生成した信号電荷を、垂直転送したのち、水平転送して、FEP部212のCDS部202に出力する。
CDS部202、AGC部203、及びADC部204は、CCD部201から入力された信号から、雑音を除去し、暗電流成分を補正し、補正した信号を増幅して、デジタル映像信号Viに変換して、デジタル映像信号Viをスミア補正部206に出力する。
【0029】
デジタル映像信号Viは、スミア補正部206を介してOB代表値検出部207に出力されると共に、後述する信号処理を行うためにスミア補正部206の減算器26にも出力される。OB代表値検出部207は、デジタル映像信号Viを比較部21と22でV−OBラインの垂直画素信号毎に比較し、小さいレベル値の順にラインメモリであるメモリ部23と24に記憶し、スミア成分として検出し、スミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。
【0030】
即ち、OB代表値検出部207において、比較部21は、入力されるデジタル映像信号Viとメモリ部23に記録されている値(最小値信号の上限値)とのレベルを比較し、入力されたデジタル映像信号Viのレベルが記録されていた値より小さい場合には、メモリ部23にデジタル映像信号Viのレベル値を記録し、メモリ部23に記録されていた値を比較部22に出力する。これによって、比較部21とメモリ部23では、それぞれのレベル値を比較し、小さいほうの値をメモリ部23に記録し、同じか若しくは大きいほうの値を比較部22に出力する。
同様に、比較部22は、メモリ部24に記録されている値(2番目に小さい信号値の上限値)と比較部21から入力された値を比較し、入力された値がメモリ部24に記録されていた値より小さい場合には、メモリ部24にそのレベル値を記録し、メモリ部24に記録されていた値をスミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。これによって、比較部22とメモリ部24では、それぞれのレベル値を比較し、小さいほうの値をメモリ部24に記録し、同じか若しくは大きいほうの値を、OB代表値として、スミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。
なお、メモリ部23の最小値信号の上限値、及びメモリ部24の2番目に小さい信号値の上限値は予め設定し記録しておく。
【0031】
この結果、V−OBが3ラインまたはH−OBが3のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラでは、最大のレベル値が代表値として検出され、検出された代表値は、デジタルAGC部25によって、AGC部204の増幅度に合わせて増幅した値を減算部26の減算入力に出力する。
減算部26は、ADC部204から入力されたデジタル映像信号Viのレベル値から、減算入力に入力された値を減算した値を画素データ毎に算出し、デジタル映像信号Vmとして映像信号処理部205に出力する。
映像信号処理部205は入力されたデジタル映像信号Vmに種々の画像処理を施し、所定方式のデジタル処理後、映像データVoとして出力する。
【0032】
同様に、V−OBが3ライン以上またはH−OBが3以上のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラの場合には、最小及び2番目に低い値が除去され、3番目に低い値を補正用のレベル値として用いる。この結果、V−OBが4ラインまたはH−OBが4のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラの場合には、最大値若しくは2番目に高い値を補正用のレベル値として選択可能である。
【0033】
図3は、V−OBが4ライン以上またはH−OBが4以上のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図である。
300は本発明のテレビジョンカメラ、301はIT−CCD部、307はOB代表値検出部、309はCPU部である。また、312は、CDS部202、AGC部203、及びADC部204、スミア補正部206、及びOB代表値検出部307で構成されるFEP部である。さらに、OB代表値検出部307において、31と32は比較部、33、34、及び36はメモリ部、35は加算部、37は演算部である。メモリ部33、34、及び36は、例えばラインメモリである。
【0034】
図3において、TG部208は、CCD駆動部で、CPU部209から出力される制御信号(図示しない)に従ってCCD部301を駆動するための信号(垂直駆動及び水平駆動する駆動パルス)を生成し、CCD部301に出力する。CPU部209は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ300内の各部の回路を制御している。ただし、配線は省略している。
テレビジョンカメラ300のCCD部301は、レンズ部12によって受光面に結像された入射光を、フォトダイオードで光電変換し、信号電荷を生成する。そして、生成した信号電荷を、垂直転送したのち、水平転送して、FEP部312のCDS部202に出力する。
CDS部202、AGC部203、及びADC部204は、図2と同様の動作をして、CCD部301から入力された信号から、雑音を除去し、暗電流成分を補正し、補正した信号を増幅して、デジタル映像信号Viに変換して、デジタル映像信号Viをスミア補正部206に出力する。
【0035】
デジタル映像信号Viは、スミア補正部206を介してOB代表値検出部307に出力されると共に、後述する信号処理を行うためにスミア補正部206の減算器26にも出力される。OB代表値検出部307は、デジタル映像信号Viを比較部31と32でV−OBラインの垂直画素信号毎に比較し、大きいレベル値順にラインメモリであるメモリ部33と34に記憶し、スミア成分として検出し、スミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。
【0036】
即ち、OB代表値検出部307において、比較部31は、入力されるデジタル映像信号Viとメモリ部33に記録されている値(最大値信号の下限値)とのレベルを比較し、入力されたデジタル映像信号Viのレベルが記録されていた値より大きい場合には、メモリ部33にデジタル映像信号Viのレベル値を記録し、メモリ部33に記録されていた値を比較部32に出力する。これによって、比較部31とメモリ部33では、それぞれのレベル値を比較し、大きいほうの値をメモリ部33に記録し、同じか若しくは大きいほうの値を比較部32に出力する。
同様に、比較部32は、メモリ部34に記録されている値(2番目に大きい信号値の下限値)と比較部31から入力された値を比較し、入力された値がメモリ部34に記録されていた値より大きい場合には、メモリ部34にそのレベル値を記録し、メモリ部34に記録されていた値をスミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。これによって、比較部32とメモリ部34では、それぞれのレベル値を比較し、大きいほうの値をメモリ部34に記録し、同じか若しくは小さいほうの値を、OB代表値として、スミア補正部206のデジタルAGC部25に出力する。
なお、メモリ部33の最大値信号の下限値、及びメモリ部34の2番目に大きい信号値の下限値は予め設定し記録しておく。
【0037】
即ち、図3の実施例は、比較部31、32と、ラインメモリ(メモリ部33、34)とを用いて、所定の基準を満たすV−OBラインの垂直画素信号を選び、その選ばれた垂直画素信号を加算部35を用いて加算を行い、加算結果をメモリ部36に記憶し、演算部37で平均値を算出し、算出された平均値をOB代表値信号を算出する。
この結果、V−OBが4ラインのIT−CCDを用いたテレビジョンカメラでは、最大値と2番目に大きい値とを除く値の平均値が代表値として検出され、検出された代表値は、デジタルAGC部25によって、AGC部204の増幅度に合わせて増幅した値を減算部26の減算入力に出力する。
減算部26は、ADC部204から入力されたデジタル映像信号Viのレベル値から、減算入力に入力された値を減算した値を画素データ毎に算出し、デジタル映像信号Vmとして映像信号処理部205に出力する。
映像信号処理部205は入力されたデジタル映像信号Vmに種々の画像処理を施し、所定方式のデジタル処理後、映像データVoとして出力する。
【0038】
図4によって、本発明の別の実施例を説明する。図4は、IT−CCDを用いたテレビジョンカメラの一実施例の構成を示すブロック図であり、特にV−OBが2ラインまたはH−OBが2のIT−CCDを用いたテレビジョンカメラに適する。
400は本発明のテレビジョンカメラ、401はIT−CCD部、406はスミア補正部、407はOB代表値検出部、409はCPU部である。また、412は、CDS部202、AGC部203、及びADC部204、スミア補正部406、及びOB代表値検出部407で構成されるFEP部である。さらに、スミア補正部406において、43は減算部、44はデジタルAGC部である。またさらに、OB代表値検出部407において、41は比較部、42はメモリ部である。メモリ部42は、例えば、ラインメモリである。
なお、CCD部201、301、若しくは401は、IT−CCDではなく、FIT−CCDであっても良い。
【0039】
図4において、CPU部209は、システムコントローラとして、テレビジョンカメラ400内の各部の回路を制御している。ただし、配線は省略している。また、TG部208は、CCD駆動部で、CPU部209から出力される制御信号(図示しない)に従ってCCD部401を駆動するための信号(垂直駆動及び水平駆動する駆動パルス)を生成し、CCD部401に出力する。
【0040】
テレビジョンカメラ400のCCD部401は、レンズ部12によって受光面に結像された入射光を、フォトダイオードで光電変換し、信号電荷を生成する。そして、生成した信号電荷を、垂直転送したのち、水平転送して、FEP部412のCDS部202に出力する。
CDS部202、及びADC部204は、CCD部201から入力された信号から、雑音を除去し、暗電流成分を補正し、デジタル映像信号Viに変換して、デジタル映像信号Viをスミア補正部406に出力する。
【0041】
デジタル映像信号Viは、スミア補正部406を介してOB代表値検出部407に出力されると共に、後述する信号処理を行うためにスミア補正部406の減算器43にも出力される。OB代表値検出部407は、デジタル映像信号Viを比較部41でV−OBラインの垂直画素信号毎に比較し、最小値をスミア成分として検出し、かつラインメモリであるメモリ部42に記憶する。また検出されたスミア成分は、スミア補正部206の減算部43に出力される。
【0042】
即ち、OB代表値検出部407において、比較部41は、入力されるデジタル映像信号Viとメモリ部42に記録されている値(最小値信号の上限値)とのレベルを比較し、入力されたデジタル映像信号Viのレベルが記録されていた値より小さい場合には、メモリ部42にデジタル映像信号Viのレベル値を記録し、かつ、スミア補正部206の減算部に43出力する。これによって、比較部41とメモリ部42では、それぞれのレベル値を比較し、最小値がメモリ部42に記録し、かつ最小値をOB代表値としてスミア補正部206の減算部43に出力する。
なお、メモリ部42の最小値信号の上限値は予め設定し記録しておく。
【0043】
この結果、図4の実施例のテレビジョンカメラでは、最小値が代表値として検出され、検出された代表値は、ADC部204から入力されたデジタル映像信号Viのレベル値から、減算されてデジタルAGC部44に出力される。
デジタルAGC部44は、AGC部204の増幅度に合わせて増幅した値を画素データ毎に算出し、デジタル映像信号Vmとして映像信号処理部205に出力する。
【0044】
図4に示す実施例では、FEP部412にAGC部が無いので、スミア補正部406でデジタル映像信号ViからOB代表値信号を減算してからのデジタルAGCをおこなうように構成されている。
映像信号処理部205は、入力されたデジタル映像信号Vmに種々の画像処理を施し、所定方式のデジタル処理後、映像データVoとして出力する。
【0045】
上記図2〜図4に示す実施例のように、FEP部内にAGCが含まれていない場合や、スメア補正部のデジタルAGC部の配置場所が異なる場合、等の組合わせは任意に設定可能である。また、デジタル信号ViやVmのビット数やOB代表値信号のビット数もまた任意であり、また、比較部若しくはメモリ部の構成が異なる実施例があっても良く。これらは一実施例にすぎず種々の構成が適用される。
【0046】
図8は、本発明の一実施例と従来技術でのV−OBでのスミア値の検出を示す画面の模式図である。図8(a)〜図8(c)は、それぞれスメアのあるV−OBの信号値、及び従来の時の平均値を示す。さらに、図8(a)は最大値を除く平均値、下から2番目の値(中央値)、及び、最小値を示す。また、図8(b)は最大値を除く平均値、下から2番目の値(中央値)、最小値、及び、最大値と2番目の値を除く平均値を示す。またさらに、図8(c)は最小値を示す。
図8(a)が図2、図8(b)が図3、及び、図8(c)が図4の実施例のケースに対応している。
【0047】
また、図9は、本発明の一実施例を説明するための画面の模式図である。なお、CCD撮像面は、画面と上下左右が反転している。図9(a)は図8(a)、図9(b)は図8(b)、図9(c)は図8(c)に対応している。
図8(c)に示すように、V−OBが2ラインの中に信号値21の白キズがあると、平均値は11.5と特に大きく、スミア補正で誤差が特に大きいことが判る(以下、本実施例では白キズと判定される最大信号値のレベルを21として説明を続ける)。
図8(a)のようにV−OBが3ラインの中に信号値21の白キズがあると、平均値は9となり、中央値4や最大値を除く平均値3から大きく異なる値である。
【0048】
図8(b)のように、V−OBが4ラインの中に信号値21の白キズがあると、平均値は8となり、最大値を除く平均値3.67から大きく異なる値である。よって、平均値はV−OBのライン数が少し多くなってもスミア補正で誤差が大きいことが判る。
【0049】
図8(a)〜図8(c)の実施例では、最小値は2で、中央値や最大値を除く平均値より1から2小さいが、従来の平均値の7から11.5ほど大きな誤差がない。最小値はV−OBのライン数が2と少ない場合でも従来のV−OBが5ラインの平均値よりスミア補正の誤差が少なく、実用的なことが判る。
【0050】
次に、図2〜図4、図8(a)〜図8(c)、図9(a)〜図9(c)に加えて、図10(a)〜図10(c)によって、垂直スミア信号の検出と補正の動作について説明する。図10は、本発明の一実施例の垂直スミア信号の検出と補正の動作を説明するためのフローチャートである。図10(a)は、図2、図8(a)、及び図9(a)で説明した処理に関連するフローチャートである。また、図10(b)は、図3、図8(b)、及び図9(b)で説明した処理に関連するフローチャートである。さらに、図10(c)は、図4、図8(c)、及び図9(c)で説明した処理に関連するフローチャートである。
【0051】
まず、図2、図8(a)、図9(a)及び図10(a)に示す実施例について説明する。
CPU部209は、ラインメモリのメモリ部23と24に最小値信号の上限値、2番目に小さい信号の上限値をそれぞれ設定しておく。ここで、これらの上限値は、例えば、信号の輝度を数値化したものを用いて良い(以下で述べる各値についても、同様の基準で数値化されたものである)。
【0052】
比較部21は、メモリ部23に記憶されている上限値とV−OB領域の1ライン目(以下、V−OB1と称する)の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号(V−OB1の映像信号)を各画素の最小値の信号としてメモリ部23に記憶する(ステップS122)。
さらに比較部21は、2番目に小さい信号(以下、V−OB2と称する)の映像信号の画素の値とメモリ部23に最小値の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号をメモリ部23に各画素の最小値の信号として記憶する。値が大きい方の信号を、比較部22に出力する。
比較部22は、大きい方の信号の値と2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶されている上限値とを各画素間で比較し、小さい方の信号を各画素の2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶する(ステップS123)。
【0053】
同様に、比較部21は、Nライン目(Nは3以上の自然数)のV−OBNの映像信号の画素の値とメモリ部23の最小値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を各画素の最小値の信号としてメモリ部23に記憶する。また、値が大きい方の信号は各画素の比較1の信号として、比較部22に出力される(ステップS124)。
比較部22は、2番目に小さい信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を各画素の2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶する(ステップS125)。
【0054】
比較部22が最後のV−OBの比較処理を終了すると、メモリ部24は、2番目に小さい信号をスミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部206に出力し(ステップS126)、代表値検出処理を終了する。
【0055】
次に、図4、図8(c)、図9(c)、及び図10(c)に示す実施例について説明する。
CPU409は、メモリ部42に最小値信号の上限値を設定しておく。
【0056】
比較部41は、上限値とV−OB1の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号(V−OB1の映像信号)を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS135)。
比較部41は、最小値の信号の値とV−OB2の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS136)。
【0057】
同様に、比較部41は、Nライン目(Nは3以上の自然数)のV−OBNの映像信号の画素の値と最小値の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS137)。
【0058】
比較部41が最後のV−OBの比較処理を終了すると、メモリ部42は、最小値の信号をスミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部406に出力し(ステップS138)、代表値検出処理を終了する。
【0059】
また、図4、図8(c)、図9(c)、及び図10(c)は、本発明の他の一実施例であり、V−OB代表値として各垂直画素信号の最小値を算出する方法を示しており、垂直スミア補正信号の記憶が1ライン分で済み集積規模が従来例よりも小型になる。
本実施例では、V−OBライン数が少なく、黒キズも少ないHDTVのCCD撮像素子に適している。さらに、AGCはないが、16bitのFEPを用い、垂直スミア補正が高精度となっている。ここで、図2、図3で比較部22、23とラインメモリ72、73とを省略し、図10(c)の動作をすれば、V−OBライン数が少なく、黒キズも少ないHDTVのCCD(撮像素子)を用いた高感度用途になる。
【0060】
また次に、図2、図8(b)、図9(b)、及び図10(b)に示す実施例について説明する。
CPU309は、メモリ部36の値を0、メモリ部34の値を信号の上限値に設定しておき、メモリ部33の値を信号の下限値に設定しておく(ステップS143)。
【0061】
比較部31は、下限値とV−OB1の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号(V−OB1の映像信号)を各画素の最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。
比較部31は、最大値の信号とV−OB2の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号を各画素の最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。値が小さい方の信号は、各画素の最小値の信号として比較部32に出力する(ステップS144)。
【0062】
比較部32は、値が小さい方の信号とメモリ部34に記憶された上限値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を各画素の最小値の信号としてメモリ部34に記憶する。
比較部31は、メモリ部33に記憶されている最大値の信号の値とV−OB3の映像信号の画素の値とを各画素で比較し、値が大きい方の信号を最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。
比較部31は、値が小さい方の信号を比較1の信号として比較部32に送る(ステップS145)。
比較部32は、最小値の信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部34に記憶し、値が大きい方の信号を中間値として加算部35を介してメモリ部36に加算記憶する(ステップS146)。
【0063】
同様に、比較部31は、Nライン目(Nは4以上の自然数)のV−OBNの映像信号の画素の値と最大値の信号の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号を最大値の信号としてメモリ部33に記憶し、値が小さい方の信号を比較1の信号として、比較部32に送る(ステップS147)。
比較部32は、最小値の信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部34に記憶し、値が大きい方の信号を中間値として加算部35を介してメモリ部36に加算記憶する(ステップS148)。
【0064】
比較部32が最後のV−OBの比較処理を終了すると、メモリ部36は、演算部37に加算記憶した値を出力する。演算部37は、中間値の信号を1/(N−2)に減衰することによって、平均値を算出し、スミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部305に出力し(ステップS149)、代表値信号処理が終了する。
【0065】
図3、図8(b)、図9(b)、及び図10(b)に示す実施例は、V−OBが4ライン以上で最大値と最小値を除く平均値を代表値として用いる方法を示しており、例えば、22ビットにA/D変換し、CCD(撮像素子)の暗電流の補正が容易な事と合わせて、白キズも黒キズも多くV−OBのライン数も多いCCDを高感度動作させる用途に適している。
【0066】
図2〜図4に示す実施例は、スミア補正部(206、306、若しくは406)とOB代表値検出部(207、307、若しくは407)と映像信号処理部205とを分けていたが、別の実施例として、スミア補正部とOB代表値検出部と映像信号処理部とは、映像専用のメモリ集積DSPや、FPGAに集積する要にしても良い。
【0067】
上述の全体構成の撮像装置を示すブロック図の図2〜図4において、図2はV−OBが3ライン以上で最小値から2番目の値(3ラインで中央値)を検出する場合で、図3はV−OBが4ライン以上で最大値と最小値除く平均値を検出する場合で、図4はV−OBが2ライン以上で最小値を検出しデジタルAGCする場合である。
本発明の一実施例の代表値検出フローチャートの図10(a)〜図10(c)において、図10(a)はV−OB最小値から2番目の値を検出する場合で、図10(b)はV−OB最大値と最小値除く平均値を検出する場合である。図10(a)〜図10(c)の特徴は、比較部とメモリ部とにより、最大値または2番目に大きい値を除きCCD撮像素子の白キズの影響を削除していることである。
【0068】
V−OBは、画面始まりの変動が大きい。この変動の影響である垂直暗部むらによる補正精度劣化を避けるため、有効画素より後に出力される画面下のV−OB領域画素から出力される画像信号を垂直暗部むら補正してから、代表値を算出した方がスミア補正の精度が良くなる。
しかし、スミア補正が1画面(約17m(1/60)秒)遅れるので、実用的ではない。
そこで、14bitにA/D変換して画面始まりの変動が大きい垂直暗部むら補正を高精度に行い、有効画素より先に出力される画面上のV−OB領域画素から出力される画像信号を垂直暗部むら補正してから、代表値を算出すれば、有効画素出力と同時にスミア補正でき、遅れがない。
【0069】
以上、V−OBライン数が少なく黒キズも少ないHDTVのCCD撮像素子とを用いたテレビジョンカメラについて詳細に説明した。しかし、本発明は、ここに記載されたテレビジョンカメラに限定されるものではなく、上記以外のCCDを用いたテレビジョンカメラを含む撮像装置全般に広く適用することができることは言うまでもない。
【0070】
次に、本発明の別の実施例を図11(a)〜図11(c)によって説明する。図11は、本発明の一実施例の水平代表値の検出と補正の動作を説明するためのフローチャートである。図11(a)は、図2、図8(a)、及び図9(a)で説明した処理に関連するフローチャートである。また、図11(b)は、図3、図8(b)、及び図9(b)で説明した処理に関連するフローチャートである。さらに、図11(c)は、図4、図8(c)、及び図9(c)で説明した処理に関連するフローチャートである。
【0071】
図11の実施例を適用する場合には、図2〜図4の全体構成の撮像装置を示すブロック図において、V−OBをH−OBに置き換え、図2は、H−OBが3ヶ以上で最小値から2番目の値(3ヶで中央値)を検出する場合で、図3はH−OBが4ヶ以上で最大値と最小値除く平均値を検出する場合で、図4はH−OBが2ヶ以上で最小値を検出しデジタルAGCする場合とする。
即ち、本発明の他の一実施例の水平代表値検出フローチャートの図11(a)
、図11(b)、及び図11(c)において、図11(a)はH−OB最小値から2番目の値を検出する場合で、図11(b)はH−OB最大値と最小値除く平均値を検出する場合である。
【0072】
まず、図11(a)に示す実施例について説明する。
CPU部209は、メモリ部23と24に最小値信号の上限値、2番目に小さい信号の上限値をそれぞれ設定しておく。ここで、これらの上限値は、例えば、信号の輝度を数値化したものを用いて良い(以下で述べる各値についても、同様の基準で数値化されたものである)。
【0073】
比較部21は、メモリ部23に記憶されている上限値とH−OB領域の1画素目(以下、H−OB1と称する)の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号(H−OB1の映像信号)を各画素の最小値の信号としてメモリ部23に記憶する(ステップS222)。
さらに比較部21は、2番目に小さい信号(以下、H−OB2と称する)の映像信号の画素の値とメモリ部23に最小値の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号をメモリ部23に各画素の最小値の信号として記憶する。値が大きい方の信号を、比較部22に出力する。
比較部22は、大きい方の信号の値と2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶されている上限値とを各画素間で比較し、小さい方の信号を各画素の2番目に小さい信号としてメモリ部24に記憶する(ステップS223)。
【0074】
比較部22がH−OBの比較処理を終了すると、メモリ部24は、2番目に小さい信号をスミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部206に出力し(ステップS226)、代表値検出処理を終了する。
【0075】
次に、図11(c)に示す実施例について説明する。
CPU409は、メモリ部42に最小値信号の上限値を設定しておく。
【0076】
比較部41は、上限値とH−OB1の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号(H−OB1の映像信号)を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS235)。
比較部41は、最小値の信号の値とH−OB2の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS236)。
【0077】
同様に、比較部41は、N画素目(Nは3以上の自然数)のH−OBNの映像信号の画素の値と最小値の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部42に記憶する(ステップS237)。
【0078】
比較部41が最後のH−OBの比較処理を終了すると、メモリ部42は、最小値の信号をスミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部406に出力し(ステップS238)、代表値検出処理を終了する。
【0079】
また次に、図11(b)に示す実施例について説明する。
CPU309は、メモリ部36の値を0、メモリ部34の値を信号の上限値に設定しておき、メモリ部33の値を信号の下限値に設定しておく(ステップS243)。
【0080】
比較部31は、下限値とH−OB1の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号(V−OB1の映像信号)を各画素の最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。
比較部31は、最大値の信号とV−OB2の映像信号の画素の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号を各画素の最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。値が小さい方の信号は、各画素の最小値の信号として比較部32に出力する(ステップS244)。
【0081】
比較部32は、値が小さい方の信号とメモリ部34に記憶された上限値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を各画素の最小値の信号としてメモリ部34に記憶する。
比較部31は、メモリ部33に記憶されている最大値の信号の値とV−OB3の映像信号の画素の値とを各画素で比較し、値が大きい方の信号を最大値の信号としてメモリ部33に記憶する。
比較部31は、値が小さい方の信号を比較1の信号として比較部32に送る(ステップS245)。
比較部32は、最小値の信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部34に記憶し、値が大きい方の信号を中間値として加算部35を介してメモリ部36に加算記憶する(ステップS246)。
【0082】
同様に、比較部31は、Nライン目(Nは4以上の自然数)のV−OBNの映像信号の画素の値と最大値の信号の値とを各画素間で比較し、値が大きい方の信号を最大値の信号としてメモリ部33に記憶し、値が小さい方の信号を比較1の信号として、比較部32に送る(ステップS247)。
比較部32は、最小値の信号の値と比較1の信号の値とを各画素間で比較し、値が小さい方の信号を最小値の信号としてメモリ部34に記憶し、値が大きい方の信号を中間値として加算部35を介してメモリ部36に加算記憶する(ステップS248)。
【0083】
比較部32が最後のV−OBの比較処理を終了すると、メモリ部36は、演算部37に加算記憶した値を出力する。演算部37は、中間値の信号を1/(N−2)に減衰することによって、平均値を算出し、スミア補正用のOB代表値信号としてスメア補正部305に出力し(ステップS249)、代表値信号処理が終了する。
【0084】
以上、H−OBライン数が少なく黒キズも少ないHDTVのCCD撮像素子とを用いたテレビジョンカメラについて詳細に説明した。しかし、本発明は、ここに記載されたテレビジョンカメラに限定されるものではなく、上記以外のCCDを用いたテレビジョンカメラを含む撮像装置全般に広く適用することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0085】
11:テレビジョンカメラ、 12:レンズ部、 21、22:比較部、 23、24:メモリ部、 25:デジタルAGC部、 26:減算部、 31、32:比較部、 33、34、36:メモリ部、 35:加算部、 37:演算部、 41:比較部、 42:メモリ部、 43:減算部、 44:デジタルAGC部、 51:テレビジョンカメラ、 101:CCD部、 102:CDS部、 103:VGA部、 104:A/D変換部、 105:映像信号処理部、 106:映像信号出力部、 107:CPU部、 108:TG部、 112:FEP部、 200:テレビジョンカメラ、 201:IT−CCD部、 202:CDS部、 203:AGC部、 204:ADC部、 205:映像信号処理部、 206:スミア補正部、 207:OB代表値検出部、 208:TG部、 209:CPU部、 212:FEP部、 300:テレビジョンカメラ、 301:IT−CCD部、 307:OB代表値検出部、 309:CPU部、 312:FEP部、 400:テレビジョンカメラ、 401:IT−CCD部、 406:スミア補正部、 407:OB代表値検出部、 409:CPU部、 412:FEP部、 503:AGC部、 507:CPU部、 508:TG部、 512:FEP部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、
前記雑音低減部は前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラ。
【請求項2】
入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、
前記タイミング信号発生部は、前記CCD部から出力される信号電圧の水平ブランキング期間に無信号期間を生成し、前記雑音低減部は前記CCD部から出力される信号電荷の前記無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のテレビジョンカメラにおいて、代表知検出部と補正部を有し、前記クランプする前記水平期間は、前記無信号期間であり、前記代表知検出部は前記CCD部から出力されるオプティカルブラック期間の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値のいずれか1つの代表値を検出し、前記補正部は有効画素信号から、前記代表値を減算することを特徴とするテレビジョンカメラ。
【請求項1】
入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、
前記雑音低減部は前記CCD部から出力される信号電荷の水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラ。
【請求項2】
入力光を信号電圧に変換して出力するCCD部と、前記CCD部を駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号発生部と、前記信号電圧の雑音を低減する雑音低減部と、前記信号電圧の処理を行う映像処理部とを備えたテレビジョンカメラにおいて、
前記タイミング信号発生部は、前記CCD部から出力される信号電圧の水平ブランキング期間に無信号期間を生成し、前記雑音低減部は前記CCD部から出力される信号電荷の前記無信号期間を含む水平ブランキング期間をクランプすることを特徴とするテレビジョンカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のテレビジョンカメラにおいて、代表知検出部と補正部を有し、前記クランプする前記水平期間は、前記無信号期間であり、前記代表知検出部は前記CCD部から出力されるオプティカルブラック期間の最小値からN番目、中央値、若しくは最大値からN番目までを除く平均値のいずれか1つの代表値を検出し、前記補正部は有効画素信号から、前記代表値を減算することを特徴とするテレビジョンカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−220026(P2010−220026A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66223(P2009−66223)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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