説明

テレビ会議装置及びテレビ会議システム

【課題】撮影対象物の撮影条件に応じて撮影対象物の撮影が可能なテレビ会議装置及びテレビ会議システムを提供する。
【解決手段】テレビ会議装置は、はじめに、初期設定処理において撮影対象物の位置を検出すると同時に、前記撮影対象物から前記撮影対象物の種類及び撮影条件を取得して撮影のための撮影設定を行う(S20)。次に、ユーザから撮影対象物の指示を受け付けると(S30:YES)、指示された撮影対象物の前記撮影設定を読み出し(S40)、指示された撮影対象物の撮影設定を再度行う。そして、前記撮影設定の条件に従って、撮影手段から撮影を行うための撮影制御を行う(S60)。このようにして撮影対象物の撮影条件に応じて撮影対象物の撮影が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置とネットワークを介してテレビ会議を行うテレビ会議装置及びテレビ会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠隔地に設置された端末装置とネットワークを介して接続し、該端末装置と画像と音声を双方向に送受信することにより、遠隔地にある者同士の会議を実現するテレビ会議システムが知られている。ところで、テレビ会議中に参加者が席を替わる等して参加者の位置が変わることがある。このような場合、例えば、該参加者が撮影領域から外れ、該参加者の撮影ができないことがある。そこで、参加者に無線タグを取り付け、参加者の情報を無線タグから収集し、収集された情報に基づいて撮影装置のレンズ部を該参加者の方向に制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−67349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、撮影対象物の撮影条件に応じて撮影の制御ができない。そのため、例えば撮影対象物がホワイトボードである場合や撮影対象物が人物であっても同様に撮影されるため、ホワイトボードに書かれた文字が読み取れなかったりする問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、撮影対象物の撮影条件に応じて撮影対象物の撮影が可能なテレビ会議装置及びテレビ会議システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様のテレビ会議装置は、端末装置とネットワークを介して接続されるテレビ会議装置であって、撮影対象物を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影する前記撮影対象物の種類を取得する取得手段と、前記撮影対象物の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段によって検出された前記撮影対象物の位置と前記取得手段によって取得された前記撮影対象物の種類とに基づいて、前記撮影対象物の撮影設定を決定する撮影設定決定手段と、前記撮影設定決定手段により決定された前記撮影設定に従って、前記撮影対象物を撮影するように前記撮影手段を制御する撮影制御手段と、前記撮影設定に従って前記撮影制御手段の制御の下で前記撮影手段によって撮影された前記撮影対象物の画像データを、前記ネットワークを介して前記端末装置に送信する送信手段とを備える。この場合のテレビ会議装置では、撮影対象物の種類や撮影条件に応じて撮影対象物の撮影が可能となるので、例えば撮影対象物がホワイトボードである場合、ホワイトボードに書かれた文字が読み取れなかったりすることを未然に防ぐことができる。
【0007】
本態様のテレビ会議装置は、前記撮影対象物の撮影の指示を受け付ける受付手段をさらに備え、前記受付手段から前記撮影対象物の撮影の指示を受け付けると、前記位置検出手段は前記撮影対象物の位置を再検出し、前記撮影設定決定手段は再検出の検出結果と前記取得手段によって取得された前記撮影対象物の種類に基づいて、前記撮影対象物の撮影設定を再度決定するようにしても良い。この場合のテレビ会議装置では、撮影指示を受け付ける毎に撮影対象物の撮影設定を決定するため、より適切に撮影対象物を撮影することができる。
【0008】
本態様のテレビ会議装置は、前記撮影対象物の位置を再検出する必要があるかないかを判定する判定手段をさらに備え、前記受付手段から前記撮影対象物の撮影の指示を受け付けた場合であっても、撮影対象物の種類により前記判定手段が前記撮影対象物の位置を再検出する必要がないと判定した場合には、前記位置検出手段は前記撮影対象物の位置を再検出しないとしても良い。この場合のテレビ会議装置では、指示された撮影対象物が、例えば固定物等の会議中に移動する可能性の少ない撮影対象物の場合、撮影対象物の位置検出処理を省くことができるのでテレビ会議の効率を上げることができる。
【0009】
本態様のテレビ会議装置では、前記撮影対象物に取り付けられた無線タグと通信を行う無線通信手段をさらに備え、前記位置検出手段は、前記無線通信手段の通信結果から前記撮影対象物の位置を検出するようにしても良い。この場合のテレビ会議装置では、無線タグから撮影対象物の位置が検出されるので、例えば撮影対象物が移動等しても、移動後の前記撮影対象物の位置を検出することができる。
【0010】
本態様のテレビ会議装置では、前記無線タグのメモリ部に記憶されている前記撮影対象物の撮影条件を前記無線通信手段を介して取得するタグ情報取得手段をさらに備え、前記撮影設定決定手段は、前記タグ情報取得手段によって取得された前記撮影対象物の前記撮影条件と前記位置検出手段によって検出された検出結果とから前記撮影対象物の撮影設定を決定するようにしても良い。この場合のテレビ会議装置では、タグのメモリ部の中に撮影対象物の撮影条件が記憶されているので、撮影条件を記憶してないテレビ会議装置を使用しても、確実に撮影対象物の撮影設定を行なうことができる。
【0011】
本態様のテレビ会議装置では、前記撮影設定が、前記撮影対象の撮影倍率の設定、及び前記撮影手段のレンズの焦点位置の設定であるとしても良い。この場合のテレビ会議装置では、撮影設定に撮影対象物の撮影倍率とレンズの焦点の位置が設定されるので、より撮影対象物に適した撮影が可能となる。
【0012】
本態様のテレビ会議装置では、撮影対象の音声を集音するマイクと、前記マイクの感度及び指向性の少なくとも1つに応じて、前記マイクを前記位置取得手段が取得した前記撮影対象の位置に向けるマイク用駆動手段と、前記マイクによって集音された音声の音声データを前記テレビ会議装置に送信する音声データ送信手段とを備えるようにしても良い。この場合のテレビ会議装置では、撮影対象物に応じてマイクの感度や指向性を最適に設定できるので、撮影対象物の音(音声)などを最適に集音することができる。
【0013】
本発明の第二の態様のテレビ会議システムでは、端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して実施されるテレビ会議を制御するテレビ会議装置とからなるテレビ会議システムであって、前記端末装置は、前記テレビ会議装置の撮影手段で撮影する前記撮影対象物の種類をユーザから受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記撮影対象物の前記種類を受け付けた場合、受け付けた前記撮影対象物の前記種類を前記テレビ会議装置へ送信する送信手段と、前記テレビ会議装置からの画像データを受信する受信手段と備え、前記テレビ会議装置は、撮影対象物を撮影する撮影手段と、前記撮影対象物の位置を検出する位置検出手段と、前記テレビ会議装置の送信手段から送信された前記撮影対象物の前記種類を受信する受信手段と、前記位置検出手段の位置と前記受信手段で受信した前記撮影対象物の前記種類に基づいて、前記撮影対象物の撮影設定を決定する撮影設定決定手段と、前記撮影設定決定手段により決定された撮影設定に従って、前記撮影対象物を撮影するように前記撮影手段を制御する撮影制御手段と、前記ネットワークを介して、前記撮影設定に従って前記撮影制御手段の制御の下で前記撮影手段によって撮影された前記撮影対象物の画像データを前記端末装置に送信する送信手段とを備える。この場合のテレビ会議装置では、撮影対象物の種類や撮影条件に応じて撮影対象物の撮影が可能となるので、例えば撮影対象物がホワイトボードである場合、ホワイトボードに書かれた文字が読み取れなかったりすることを未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】テレビ会議システム1の全体構成を示す図である。
【図2】テレビ会議装置6の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】無線タグT1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】無線タグT1のメモリ部135に記憶されている撮影条件の情報を模式的に示した図である。
【図5】RF通信制御部69及びアンテナ70の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】撮影制御部71及び集音制御部67の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】メイン処理のフローチャートである。
【図8】第1撮影設定テーブル470の模式図である。
【図9】第2撮影設定テーブル475の模式図である。
【図10】撮影設定一覧480の模式図である。
【図11】初期設定処理のフローチャートである。
【図12】受信アンテナの位相決定原理の説明図420である。
【図13】初期チルト方向検出処理のフローチャートである。
【図14】信号強度と距離との関係図430である。
【図15】初期値算出処理のフローチャートである。
【図16】ズーム・トラッキング・カーブ455を示す図である。
【図17】位置検出処理のフローチャートである。
【図18】チルト方向検出処理のフローチャートである。
【図19】設定値算出処理のフローチャートである。
【図20】距離とズームの関係図450である。
【図21】撮影制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態であるテレビ会議装置6及びテレビ会議システム1について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置、端末の構成、各種処理のフローチャートなどは、特に特定的な記載がない限り、単なる説明例である。
【0016】
はじめに、図1を参照して、テレビ会議システム1を説明する。テレビ会議システム1は、端末装置2、端末装置2にネットワーク4を介して接続されているテレビ会議装置6、撮影対象物群10、及びビデオ画像をテレビ会議装置6に取り込むパーソナルコンピュータ80(以下では、「PC」という)から構成される。テレビ会議装置6は、テレビ会議が行われる屋内8に設置され、撮影対象物群10の位置の検出や撮影等を行う。端末装置2は、参加者12が屋内8で開催されるテレビ会議に参加するために利用するPCであり、参加者12の撮影や音声の集音が可能であり、また撮影された画像の画像データや集音された音声の音声データを、ネットワーク4を介してテレビ会議装置6に送信可能である。さらに、テレビ会議装置6からネットワーク4を介して送信されてきた画像データや音声データの受信が可能であり、受信した画像データや音声データをユーザに認識させる出力装置(図示しない)や、テレビ会議装置6に対して撮影の指示等を行うキー入力部66(図2参照)を備える。
【0017】
次に、図2を参照して、テレビ会議装置6の電気的構成を説明する。図2に示すように、テレビ会議装置6は、CPU61、ROM62、RAM63、フラッシュメモリ64、通信制御部65及びキー入力部66を備える。CPU61は、テレビ会議装置6の全体の制御を実行する。ROM62は、CPU61が実行するプログラムを記憶する。RAM63は、データ等を一時的に記憶する。フラッシュメモリ64は、無線タグT1〜無線タグT7を識別するための識別ID(以下では、「識別ID」という。)を撮影対象物101〜撮影対象物107と関連付けて記憶する。通信制御部65は、ネットワーク4を介して端末装置2との間で行われる通信の制御を行う。キー入力部66は、テレビ会議装置6の立ち上げ等を行う際に利用される。なお、CPU61は、ROM62、RAM63及びフラッシュメモリ64の各記憶領域に対してアクセス可能である。
【0018】
テレビ会議装置6は、さらに、マイク68が接続された集音制御部67、アンテナ70が接続されたRF通信制御部69、カメラモジュール72が接続された撮影制御部71、ディスプレイ107が接続された映像制御部74、PC80に接続されたビデオ入力部76、及びカメラモジュール72及びマイク68が接続された画像音声処理部78を備える。集音制御部67は、マイク68の駆動制御を行い、マイク68を介して撮影対象物の音声を集音する。RF通信制御部69は、アンテナ70を介して撮影対象物に取り付けられた無線タグT1〜無線タグT7と通信を行うことによって、撮影対象物101〜撮影対象物107の位置検出や無線タグT1〜無線タグT7のそれぞれに記憶されている撮影対象物101〜撮影対象物107の撮影条件の情報等を取得する。
【0019】
撮影制御部71は、カメラモジュール72の駆動制御を行う。カメラモジュール72は、ズームレンズやフォーカスレンズ、イメージセンサ、A−D変換やノイズ除去、ゲイン調整などのフロントエンド処理を行うLSI等(いずれも図示しない)を含む撮像素子から構成され、撮影対象物101〜撮影対象物107の撮影を行う。映像制御部74は、端末装置2からネットワーク4を介して送信されてきた画像やカメラモジュール72を介して撮影された画像をディスプレイ107に表示する表示制御を行う。ビデオ入力部76は、接続されたPC80から、PC80のディスプレイに表示されたパワーポイント(登録商標)のデータやエクセル(登録商標)のデータ等の取込み制御を行う。
【0020】
次に、図2を参照して、撮影対象物101〜撮影対象物107について説明する。図2に示すように、撮影対象物101はテレビ会議の参加者Aであり、撮影対象物102はテレビ会議の参加者Bであり、撮影対象物103はホワイトボードである。また、撮影対象物104は、ホワイトボードに記述できるペンであり、撮影対象物105はテレビ会議の参加者Cである。さらに、撮影対象物106は例えば新製品の形態等の機密情報であり、撮影対象物107は画像等を表示する前述したディスプレイである。これら撮影対象物101〜撮影対象物107には、無線タグT1〜無線タグT7がそれぞれ取り付けられている。
【0021】
次に、図3を参照して、撮影対象物101〜撮影対象物107に取り付けられた無線タグT1〜無線タグT7の電気的構成を説明する。なお、本実施の形態における無線タグT1〜無線タグT7の電気的構成は同じであるので、無線タグT1の電気的構成のみを説明する。図3において、無線タグT1は、テレビ会議装置6のアンテナ70とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行うアンテナ120と、アンテナ120に接続されたIC回路部130とを有している。
【0022】
IC回路部130は、アンテナ120により受信された搬送波を整流する整流部131と、整流部131により整流された搬送波のエネルギーを蓄積し駆動電源とするための電源部132と、アンテナ120により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部133に供給するクロック抽出部134を備える。また、IC回路部130は、所定の情報信号や撮影条件の情報(後述する)等を記憶するメモリ部135と、アンテナ120に接続された変復調部136と、整流部131、クロック抽出部134、及び変復調部136等を介して無線タグ回路素子のIC回路部130の作動を制御する制御部133とを備える。
【0023】
変復調部136は、アンテナ120により受信されたテレビ会議装置6のアンテナ70からの通信信号の復調を行うと共に、制御部133からの返信信号に基づき、アンテナ120より受信された搬送波を反射変調する。制御部133は、変復調部136により復調された受信信号を解釈し、メモリ部135において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、変復調部136により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0024】
次に、図4を参照して、無線タグT1のメモリ部135に記憶されている撮影条件の情報について説明する。無線タグT1のメモリ部135には、タグ番号情報、識別IDの情報、タグが取り付けられた撮影対象物の種類情報、撮影対象物から音声を集音する必要があるかないかの情報(以下、「音声情報」という。)、撮影対象物が固定物であるかないかの情報(以下、「固定物情報」という。)、及び撮影対象物が機密情報である場合、該撮影対象物の実寸を示すサイズ情報がそれぞれ記憶されている。
【0025】
無線タグT1のメモリ部135には、図4に示すように、タグ番号情報「1」、識別ID情報「1」、撮影対象物の種類情報「参加者A」、音声情報「あり」、固定物情報「×」(×は固定物でないことを示す)、及びサイズ情報「−」(「−」はサイズ情報が記憶されていないことを示す)がそれぞれ記憶されている。
【0026】
無線タグT2のメモリ部135には、タグ番号情報「2」、識別ID情報「2」、撮影対象物の種類情報「参加者B」、音声情報「あり」、固定物情報「×」、及びサイズ情報「−」がそれぞれ記憶されている。また、無線タグT3のメモリ部135には、タグ番号情報「3」、識別ID情報「3」、撮影対象物の種類情報「ホワイトボード」、音声情報「なし」、固定物情報「○」(○は固定物であることを示す)、及びサイズ情報「−」がそれぞれ記憶されている。
【0027】
無線タグT4のメモリ部135には、タグ番号情報「4」、識別ID情報「4」、撮影対象物の種類情報「ペン(文字)」、音声情報「なし」、固定物情報「×」、及びサイズ情報「−」がそれぞれ記憶されている。また、無線タグT5のメモリ部135には、タグ番号情報「5」、識別ID情報「5」、撮影対象物の種類情報「参加者C」、音声情報「あり」、固定物情報「×」、及びサイズ情報「−」がそれぞれ記憶されている。
【0028】
無線タグT6のメモリ部135には、タグ番号情報「6」、識別ID情報「6」、撮影対象物の種類情報「機密情報」、音声情報「なし」、固定物情報「○」、及びサイズ情報「10×20」がそれぞれ記憶されている。なお、サイズ情報の「10×20」は機密情報である撮影対象物の実寸が横10cm及び高さ20cmであることを示している。また、無線タグT7のメモリ部135には、タグ番号情報「7」、識別ID情報「7」、撮影対象物の種類情報「ディスプレイ」、音声情報「なし」、固定物情報「○」、及びサイズ情報「−」がそれぞれ記憶されている。
【0029】
次に、図5を参照して、RF通信制御部69及びアンテナ70の電気的構成を説明する。RF通信制御部69は、CPU61及びアンテナ70に接続されている。また、アンテナ70は、指向性を有するアンテナであり、アンテナ70の指向性のビームを上下に駆動させるチルトモータ260に接続されている。チルトモータ260は、チルトモータ260の駆動制御を行うモータドライバ250に接続されている。モータドライバ250は、CPU61に接続され、PWM制御などが行われる。
【0030】
RF通信制御部69は、送信アンテナ70A、受信アンテナ70B,受信アンテナ70C,及び受信アンテナ70Dを介し、無線タグの回路素子のメモリ部135(図3参照)の情報(無線タグ情報)へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための送信部212及び受信部213(=高周波回路)と接続されている。
【0031】
また、RF通信制御部69は、受信アンテナ70Bに係わる位相制御ユニット203Bと、受信アンテナ70Cに係わる位相制御ユニット203Cと、受信アンテナ70Dに係わる位相制御ユニット203Dと、これら位相制御ユニット203B,位相制御ユニット203C,位相制御ユニット203Dからの出力を加算する加算器205とを備える。さらに、RF通信制御部69は、無線タグの各回路素子のメモリ部135から読み取られた信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグの回路素子のIC回路部130へアクセスするためのアクセス情報を生成するCPU61と接続されている。また、RF通信制御部69は、送信部212及び受信部213を備える。
【0032】
位相制御ユニット203B,位相制御ユニット203C,及び位相制御ユニット203Dは、CPU61からの位相制御信号を入力しこれに応じて受信アンテナ70B,受信アンテナ70C,受信アンテナ70Dにおける受信電波信号の位相を可変に設定する移相器206B,移相器206C,移相器206Dを各々備える。また、位相制御ユニット203B,位相制御ユニット203C,位相制御ユニット203Dは、CPU61からの信号を入力しこれに応じて移相器206B,移相器206C,移相器206Dから入力した信号を可変に増幅し加算器205に出力する可変ゲインアンプ(増幅率可変アンプ)208B,可変ゲインアンプ208C,可変ゲインアンプ208D各々を備える。
【0033】
送信部212は、送信アンテナ70Aを介し無線タグの回路素子に対して信号を送信する。送信部212は、無線タグの回路素子のIC回路部130の無線タグ情報にアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させる搬送波発生部として機能する水晶発振回路215を備える。また、送信部212は、CPU61から供給される信号に基づいて水晶発振回路215により発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU61からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する搬送波変調部として機能する送信乗算回路216(但し「TX_ASK信号」の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例ではCPU61からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する変調波増幅部として機能する送信アンプ217とを備える。水晶発振回路215により発生される搬送波は、好適には周波数300MHz以上とされ、望ましくは900MHz近傍あるいは2.45GHz近傍とされ、上記送信アンプ217の出力は、送信アンテナ70Aに伝達されて無線タグ回路素子のIC回路部130に供給される。
【0034】
受信部213は、受信アンテナ70B,受信アンテナ70C及び受信アンテナ70Cにより受信され、位相制御ユニット203B,位相制御ユニット203C,及び位相制御ユニット203Dを経て加算器205で合算された無線タグの回路素子からの反射波と水晶発振回路215により発生させられた搬送波とを掛け合わせる第1乗算回路218を備える。また、受信部213は、受信第1乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ219と、第1バンドパスフィルタ219の出力を増幅して第1リミッタ220に供給する受信第1アンプ221とを備える。さらに、受信部213は、受信アンテナ70B,受信アンテナ70C、受信アンテナ70Dで受信され位相制御ユニット203B,位相制御ユニット203C、及び位相制御ユニット203Dを経て加算器205で合算された無線タグの回路素子からの反射波と水晶発振回路215により発生された後に位相を90度遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路222を備える。さらに、受信部213は、受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ223と、この第2バンドパスフィルタ223の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ224に供給する受信第2アンプ225とを備える。
【0035】
第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、CPU61に入力されて処理される。また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSS−I」がCPU61に入力される。CPU61は、この信号強度に応じて通信対象の無線タグまでの距離を後述する方法によって算出する。
【0036】
次に、図6を参照して、集音制御部67及び撮影制御部71の電気的構成を説明する。撮影制御部71は、CPU61と接続されたモータドライバ300、モータドライバ300に接続されたズーム用SPモータ305、CPU61及びズーム用SPモータ305に接続された、フォトリフレク等からなる原点検知用センサ310を備える。モータドライバ300は、CPU61の制御下でズーム用SPモータ305を駆動制御する。ズーム用SPモータ305は、カメラモジュール72(図2参照)に含まれているズームレンズ(図示しない)を駆動させる。原点検知用センサ310は、ズームレンズが原点位置にあるかどうかを検知する。
【0037】
撮影制御部71は、CPU61と接続されたモータドライバ320、モータドライバ320に接続されたAF用SPモータ325、CPU61及びAF用SPモータ325に接続された、フォトリフレク等からなる原点検知用センサ330を備える。モータドライバ320は、CPU61の制御下でAF用SPモータ325を駆動制御する。AF用SPモータ325は、カメラモジュール72(図2に示す)に含まれているフォーカスレンズ(図示しない)を駆動させる。原点検知用センサ330は、フォーカスレンズが原点位置にあるかどうかを検知する。
【0038】
撮影制御部71は、カメラをパン方向(水平方向)に駆動制御するモータドライバ340、カメラをパン方向に駆動させるカメラパンDCモータ345、フォトリフレク等からなる原点検知用センサ350、及びエンコーダとエンコーダの回転本数を読み取るフォトインタラプタから構成されるエンコーダセンサ355等を備える。モータドライバ340は、CPU61とカメラパンDCモータ345に接続される。原点検知用センサ350は、CPU61とカメラパンDCモータ345に接続され、カメラが原点位置にあるかどうかを検知する。エンコーダセンサ355は、CPU61とカメラパンDCモータ345とに接続され、カメラパンDCモータ345の回転数を検知する。
【0039】
撮影制御部71は、カメラチルトSPモータ365を駆動させるモータドライバ360、カメラをチルト方向に駆動させるカメラチルトSPモータ365、フォトリフレク等からなる原点検知用センサ370等を備える。モータドライバ360は、CPU61とカメラチルトSPモータ365に接続される。原点検知用センサ370は、CPU61とカメラチルトSPモータ365に接続され、カメラが原点位置にあるかどうかを検知する。
【0040】
集音制御部67は、図6に示すようにマイクパンDCモータ385を駆動制御するモータドライバ380、フォトリフレク等からなる原点検知用センサ390、及びエンコーダセンサ395等を備える。モータドライバ380は、CPU61とマイクパンDCモータ385に接続されている。マイクパンDCモータ385は、マイク68(図2に示す)をパン方向に駆動させる。原点検知用センサ390は、CPU61とマイクパンDCモータ385に接続され、マイク68(図2に示す)が原点位置にあるかどうかを検出する。エンコーダセンサ395は、エンコーダとエンコーダの回転数を読み取るフォトインタラプタから構成され、CPU61とマイクパンDCモータ385に接続される。エンコーダセンサ395は、マイクパンDCモータ385の回転数を検知する。
【0041】
また、集音制御部67は、マイクチルトSPモータ405を駆動制御するモータドライバ400、及び原点検知用センサ410を備える。モータドライバ400は、CPU61とマイクチルトSPモータ405に接続される。フォトリフレク等からなる原点検知用センサ410は、CPU61とマイクチルトSPモータ405と接続される。マイクチルトSPモータ405は、マイク68をチルト方向に駆動させる。原点検知用センサ410は、マイク68が原点位置にあるかどうかを検知する。
【0042】
次に、図7を参照して、撮影開始から撮影終了までの全体処理であるメイン処理を説明する。なお、この処理は、CPU61がROM62に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。また、本実施の形態では、テレビ会議装置6が検出を行う撮影対象物の個数は、予め8個に設定されている。
【0043】
はじめに、メイン処理では、キー入力部66(図2に示す)を介して、参加者等から端末装置2への接続開始の指示を受け付けたか否かが判断される(S10)。接続開始の指示を受け付けていない場合(S10:NO)、接続開始の指示の受け付けを監視する。一方、接続開始の指示を受け付けた場合(S10:YES)、カメラモジュール72(図2に示す)に含まれるカメラで撮影を開始し(S13)、フラッシュメモリ64に記憶されている過去の撮影対象物の撮影設定等の情報をリセットし(S15)、初期設定処理を開始する(S20)。初期設定処理では、詳しくは後述するが、撮影対象物101〜撮影対象物107の指向性方向P及び指向性方向Tの検出や、撮影対象物101〜撮影対象物107のメモリ部135に記憶されている撮影条件を読み出し所定の処理を行うことによって撮影設定を算出してフラッシュメモリ64に記憶する。
【0044】
図8は、初期設定処理の終了後に、フラッシュメモリ64に記憶される撮影設定の内容を関連付けて模式的に示した第1撮影設定テーブル470である。第1撮影設定テーブル470は、撮影対象物欄、識別ID欄、無縁タグから電波を受信できたか否かを示す受信欄、撮影対象物の種類欄、撮影対象物から音声を集音する必要あるか否かを示す音声欄、撮影対象物が固定物か否かを示す固定欄、無線タグから受信した電波の受信強度の最高値を示す受信強度欄を備える。また、第1撮影設定テーブル470は、パン方向(水平方向)に受信アンテナを動かした時に無線タグから受信する電波の強度が最も大きい方向を示す指向性方向P欄、チルト方向(上下方向)に受信アンテナを動かした時に無線タグから受信する電波の強度が最も大きい方向を示す指向性方向T欄を備える。さらに、第1撮影設定テーブル470は、テレビ会議装置6から撮影対象物までの距離を示す距離欄、撮影対象物の撮影倍率を示すズーム倍率欄、フォーカスレンズの位置を示すAF値欄、撮影対象物の画像データに対して行われる画像処理の方法を示す画像処理欄、及び撮影対象物が機密情報である場合における該撮影対象物の実寸を示すサイズ欄を備える。
【0045】
例えば、図8の点線471内は、撮影対象物101の撮影設定を示している。点線471内に示されるように、撮影対象物101の撮影設定は、識別IDが「1」、受信が「○」、(○は、受信できたことを表す)、撮影対象物の種類が「参加者A」、音声「あり」、固定「×」(×は固定物でないことを示す)、受信強度が「1000」、指向性方向Pが「100度」、及び画像処理が「顔検出」であり、指向性方向T、距離、ズーム倍率及びAF値は、初期値設定処理では算出されないため、設定されていない。また、図8の点線472内は、撮影対象物106の撮影設定を示している。点線472内に示すように、撮影対象物106の撮影設定は、識別IDが「6」、受信の可否が「○」、撮影対象物の種類が「機密情報」、音声「なし」、固定「○」、受信強度が「700」、パン方向の撮影禁止角が「35度〜45度」、チルト方向の撮影禁止角が「10度〜20度」、距離が「170cm」、ズーム倍率が「1倍」、及びサイズが「10×20」であり、画像処理及びAF値は設定されていない。また、本実施の形態では、撮影対象物が機密情報である場合には、指向性方向P及び指向性方向Tの代わりに、パン方向の撮影禁止範囲及びチルト方向の撮影禁止範囲がそれぞれ設定される。さらに、撮影対象物108が撮影対象物群10(図2に示す)中に存在しない。そのため、撮影対象物108に取り付けられた識別ID「8」を有する無線タグも存在しないので、受信が「×」(受信できなかったことを表す)に設定される。
【0046】
ステップS20で、初期設定処理が終了するとステップS30に進む。S30では、撮影対象物の撮影の指示を受け付けたか否かが判断される(S30)。撮影の指示を受け付けていない場合(S30:NO)、ステップS85に進む。一方、撮影の指示を受け付けた場合(S30:YES)、指示された撮影対象物の撮影設定をフラッシュメモリ64から読み出し(S40)、指示された撮影対象物が固定物であるか否かが判断される(S45)。指示された撮影対象物が固定物である場合(S45:YES)、固定物がステップS20の初期設定処理後に移動等している可能性が少なく、位置の再検出を行う必要はないから、ステップS60に進む。一方、指示された撮影対象物が固定物でない場合(S45:NO)、指示された撮影対象物がステップS20の初期設定処理の後に移動等している可能性があるので、撮影設定の情報を更新するために指示された撮影対象物の位置検出処理を行う(S50)。
【0047】
ステップS50では、指示された撮影対象物の位置の再検出の処理が行われ、その後ステップS60に進む。後述するステップS50の位置検出処理が終了すると、指示された撮影対象物の撮影設定の情報は更新される。後述するステップS60では、更新された撮影設定に従って、指示された撮影対象物の撮影が行われ、終了後にステップS70に進む。
【0048】
例えば、撮影対象物101に対して撮影の指示がなされたとして説明する。前述したように撮影対象物101の撮影の指示がなされると、撮影対象物101に対して図7のステップS50に示す位置検出処理が行われる。図9は、図7に示すステップS50の処理後に、更新された撮影設定の情報を関連づけて模式的に示した第2撮影設定テーブル475である。図9に示すように、図8の点線471内の撮影設定の内容は、図9の点線476内の撮影設定の内容に更新される。具体的には、図8の点線471内と図9の点線476内と比較するとわかるように、指向性方向Pが100度から170度に更新され、また指向性方向Tが「25度」と算出される。この更新及び算出された情報に基づいて、距離「100cm」、ズーム倍率「2倍」、及びAF値「7mm」がそれぞれ算出されている。図7のステップS60では、この撮影設定に従って撮影対象物101の撮影が実行される。具体的には、カメラが指向性方向P「170度」、指向性方向T「25度」で示される方向に設定され、またズーム倍率2倍、オート・フォーカスレンズの位置「7mm」の設定で撮影対象物101の撮影が行われる。なお、図9に示す第2撮影設定テーブル475において、撮影対象物102〜撮影対象物107については、撮影の指示がなされていないため、撮影設定の情報は更新されていない。
【0049】
図10は、撮影対象物101〜撮影対象物107のすべてに対して撮影の指示がなされた場合の更新された撮影設定の一例を示す撮影設定一覧480である。撮影の指示がなされた撮影対象物は、撮影設定一覧480に示される撮影設定に従って撮影の実行及び画像処理が行われる。
【0050】
次に、図7のステップS70では、指示された撮影対象物から音声を集音する必要があるか否かが判断される。音声を集音する必要がないと判断された場合(S70:NO)、ステップ80に進む。一方、音声を集音する必要があると判断された場合(S70:YES)、マイクを設定された方向に向け(パンチルト制御)(S75)し、ステップS80に進む。
【0051】
ステップS80では、撮影設定に従い、指示された撮影対象物の撮影の後の画像データに対して画像処理を行い、端末装置2に画像処理後の画像データ及び音声データを送信し(S85)、ステップS90に進む。例えば、指示された撮影対象物が撮影対象物101である場合、図9に示す点線476内の撮影設定に従って、音声を集音し「顔検出」の画像処理が行われる。
【0052】
ステップS90では、端末装置2との接続終了の指示を受け付けたか否かが判断される。接続終了の指示を受け付けていない場合(S90:NO)、参加者から再度の撮影対象物の再撮影の指示がある可能性があるから、ステップS30に戻り、撮影対象物の再撮影の指示を監視する。一方、接続終了の指示を受け付けた場合(S90:YES)、撮影を終了し、メイン処理を終了する。
【0053】
次に、図11のフローチャート及び図12を参照して、図7のステップS20で実行される初期設定処理を説明する。なお、初期設定処理は、CPU61がROM62に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。はじめに、撮影対象物101〜撮影対象物107の位置の検出方法について説明する。まず、図12に示す受信アンテナの位相決定原理の説明図420を用いて、受信アンテナの位相決定原理を説明する。図12に示す3つの受信アンテナ70B,受信アンテナ70C、及び受信アンテナ70Dに対し1つの返答信号が角度を持って斜めから伝搬した場合、その行路長の差だけ受信電波の位相に差が出る。これを利用して、無線タグT1〜無線タグT7の位置を検出する。
【0054】
なお、図12に示すように、受信アンテナ70B、受信アンテナ70C及び受信アンテナ70Dの(受信)指向性を単一方向に保持しつつこれら受信アンテナの方向を変化させるときにおけるある基準値(例えば、図2に示すカメラモジュール72に含まれるカメラのテレビ会議装置の図2に向かって真左方向)からの指向性の角度(以下、「指向角」という)を示す変数をθとし、無線タグ番号を示す変数をNとする。
【0055】
はじめに、図11に示すように、初期設定処理では、撮影対象物101が位置するパン方向の角度を、指向角0度から順次変化させて検出するために、θを0に、Nを1にそれぞれ設定し(S201)、タグ番号Nに対応する無線タグの識別IDをフラッシュメモリ64から取得する(S203)。
【0056】
次に、指向角θの値に応じ、受信アンテナ70B,受信アンテナ70C、及び受信アンテナ70Dに係る位相を決定し(S205)、これに対応した位相制御信号を位相制御ユニット203A,位相制御ユニット203B及び位相制御ユニット203Cに出力する。具体的には該受信電波の隣接するアンテナでの受信信号の位相差は図12に示すように、隣接する受信アンテナ間隔をd、受信電波の波長をλ、指向角をθとして(2・π・d・cosθ)/λであり、対応する位相差が位相制御ユニット203B,位相制御ユニット203C及び位相制御ユニット203Dにそれぞれ与えられる。
【0057】
次に、受信アンテナ70B,受信アンテナ70C及び受信アンテナ70Dの位相を設定した(換言すれば、指向角θを設定した)条件のもと、送信アンテナ70Aより検出対象の無線タグに対する呼びかけ信号である「Scroll ID」信号を出力する(S207)。「Scroll ID」信号に対応して検出対象の無線タグの回路素子から送信された返答信号(=リプライ信号;タグ識別情報等の無線タグに記憶されている情報)を受信アンテナ70B,受信アンテナ70C及び受信アンテナ70Cを介して受信したか否かが判断される(S209)。「Scroll ID」信号を受信していない場合(S209:NO)、このタグ番号に対応する無線タグは存在しないのであるから、ステップS213に進む。一方、「Scroll ID」信号を受信した場合(S209:YES)、受信信号の強度がフラッシュメモリ64(図2に示す)に記憶され(S211)、ステップS213に進む。
【0058】
具体的には、図5に示すように、CPU61は、「TX―ASK」信号を生成して送信乗算回路216に出力する。送信乗算回路216において、「TX―ASK」信号の振幅変調が行われ、アクセス情報としての「Scroll ID」信号が生成される。一方、CPU61は「TX_PWR」信号を生成して送信アンプ217に出力する。送信アンプ217において、「TX_PWR」信号の信号増幅が行われた後に送信アンテナ70Aを介し送信され、検出対象である無線タグの回路素子からの返信を促す。「Scroll ID」信号に対応して検出対象の無線タグの回路素子から送信された返答信号を受信アンテナ70B,受信アンテナ70C及び受信アンテナ70Dを介して受信する。そして、位相制御ユニット203B,位相制御ユニット203C及び位相制御ユニット203Dで返信信号の位相を制御し、加算器205及び受信部213を介し返答信号が取り込まれ、RSSI回路226からの返信信号の受信信号強度信号「RSSI」が入力され、フラッシュメモリ64(図2に示す)に記憶される。
【0059】
ステップS213では、無線タグ番号を示すNの値が最後であるか否かが判断され、Nの値が最後でない場合(S213:NO)、次の番号の無線タグが取り付けられた撮影対象物の位置を検出するために変数Nの入力値に1を加算し(S215)、ステップS203に進み、ステップS203〜ステップS213までの処理を繰り返す。一方、Nの値が最後である場合(S213:YES)、ステップS217に進む。具体的には、本実施の形態においては、前述したように検出対象の無線タグの個数は予め8回と設定されているので、ステップS203〜ステップS213までの処理は、N=8となるまで繰り返される。また、N=8の場合、タグ番号8に対応する無線タグは存在しないので、S209においてリプライ信号は受信することができない。この場合、図8の第1撮影設定テーブル470に示される撮影対象物108の受信欄には「×」が設定される。以上のように、ここまでの処理によってパン方向の指向角0度での無線タグT1〜無線タグT7からの電波の受信強度が測定され、フラッシュメモリ64に記憶される。
【0060】
ステップS217では、指向角を示す変数θの値が、予め指向角θを順次変化させるときの最終値として設定されたθEND(例えば、θEND=180度)に等しくなったか否かが判断される。θの値がθENDでない場合(S217:NO)、次の指向角で撮影対象物101〜撮影対象物107の位置を検出するために、θに予め定められたθSTEP(例えば、θSTEP=30度)だけ加え、Nを1に設定し(S219)、ステップS203に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0061】
例えば、θSTEP=30度である場合、指向角θ=0度の次に指向角θ=30度で撮影対象物101〜撮影対象物107の位置の検出を行い、取得した受信強度をフラッシュメモリ64に記憶する。また、θSTEP=30度の場合、指向角=0度、30度、60度、90度、120度、150度、及び180度のそれぞれの角度で撮影対象物101〜撮影対象物107の位置が検出され、受信強度がフラッシュメモリ64に記憶される。
【0062】
θの値がθENDである場合(S217:YES)、フラッシュメモリ64に記憶された無線タグT1〜無線タグT7の受信強度から、それぞれの無線タグの存在する指向性方向Pを決定する(S221)。例えば、撮影対象物101の受信強度が、例えば、θ=0度で「30」、θ=30度で「155」、θ=60度で「900」、θ=90度で「600」、θ=120度で「500」、θ=150度で「300」、θ=180度で「140」である場合、撮影対象物101に取り付けられた無線タグT1が存在する指向性方向Pは、受信強度が最も高い「60度」と決定される。このようにして、撮影対象物101〜撮影対象物107の指向性方向Pが決定される。
【0063】
次に、指向性方向Pが決定された後、ステップS230に進み、後述する初期チルト方向検出処理を行い(ステップS230)、次に初期値算出処理を行い(S270)、その後図7のステップS20に戻る。
【0064】
次に、図13に示すフローチャートを参照して、図11のステップS230で実行される初期チルト方向検出処理を説明する。はじめに、初期チルト方向検出処理では、チルト方向の指向角を示すθ1に0を、タグ番号を示すNに1をそれぞれ設定し(S231)、図11のステップS209において、タグ番号Nの無線タグからリプライ信号を受信できたか否かが判断される(S233)。受信できていない場合(S233:NO)、ステップS255に進む。一方、受信できた場合(S233:YES)、タグ番号Nに対応する撮影対象物が固定物であるか否かが判断される(S235)。固定物でない場合(S235:NO)、ここでの位置検出を行ってもその後移動する可能性があるから、位置検出は行わずにステップS255に進む。撮影対象物が固定物である場合(S235:YES)、今後移動等する可能性は低いから位置検出を行うために、図11のステップS221で決定された指向性方向Pをフラッシュメモリ64から読み出し(S237)、指向性方向Pに応じて位相を決定する(S239)。次に、送信アンテナ70A(図5に示す)の指向角がθ1となるように送信アンテナ70Aを駆動制御し(S241)、「Scroll ID」信号を送信する(S243)。リプライ信号を受信後(S245)、受信信号の強度をフラッシュメモリ64に記憶し(S247)、θ1=θ1ENDか否かが判断される。θ1=θ1ENDでない場合(S249)、θ1の値にθ1STEPを加え(S251)、ステップS233に戻る。
【0065】
一方、θ1=θ1ENDである場合(S249:YES)、フラッシュメモリ64に記憶された受信強度の結果から、撮影対象物のチルト方向の指向性方向Tを決定し、距離を算出して(S253)、ステップS255に進む。具体的には、撮影対象物までの距離は、図14の信号強度と距離との関係図430に示す信号強度と距離との関係式431から算出される。例えば、信号強度がR1である場合、RIから距離軸と平行に伸ばした半直線と、関係式431とが交わる点から距離軸に下ろした垂線と距離軸との交点の値が、テレビ会議装置6と撮影対象物との距離K1となる。
【0066】
ステップS255では、変数Nの値が最後の値か否かが判断され(S255)、最後でない場合(S255:NO)、次のタグ番号が取り付けられている撮影対象物の位置を検出するために、変数Nに1を加え、変数θ1を0に設定し(S257)、ステップS233に戻り、ステップS233〜ステップS253を繰り返して次の撮影対象物の位置検出を行う。ステップS255で、Nの値が最終値である場合(S255:YES)、すべての撮影対象物のチルト方向の位置検出は終わったのであるから、処理を終了して、図11のステップS230に戻る。
【0067】
次に、図15を参照して、図11のステップS270で実行される初期値算出処理を説明する。はじめに、初期値算出処理では、タグ番号を示す変数Nを1に設定し(S271)、図11のステップS209で、タグ番号Nの無線タグからリプライ信号を受信したか否かが判断される(S273)。リプライ信号を受信していない場合(S273:NO)、このタグ番号に対応する無線タグは存在しなく、従って初期値の算出ができないのであるから、ステップS297に進む。
【0068】
一方、リプライ信号を受信した場合(S273:YES)、フラッシュメモリ64に記憶されているタグ番号Nに対応する撮影対象物の種類情報、固定物情報、指向性方向P、指向性方向T、距離情報及びサイズ情報を読み出し(S275)、撮影対象物が固定物であるか否かが判断される(S277)。撮影対象物が固定物でない場合(S277:NO)、ステップS289に進む。一方、撮影対象物が固定物である場合(ステップS277:YES)、撮影対象物が機密情報に該当するか否かが判断される(S279)。撮影対象物が機密情報である場合(S279:YES)、機密を守るために、サイズと距離、ズーム倍率から撮影を禁止する指向性方向P、指向性方向Tの範囲を算出し(S281)、ステップS297に進む。本実施の形態では、撮影対象物が機密情報の場合のズーム倍率は、カメラにより撮影される範囲が一番広くなる1倍と設定されている。撮影禁止範囲の一例としては、図8に示すように、例えば撮影対象物106は機密情報に該当するので、パン方向「35度〜45度」及びチルト方向「10度〜20度」が撮影禁止の範囲に設定される。
【0069】
一方、撮影対象物が機密情報でないと判断された場合(S279:NO)、撮影対象物がディスプレイ又はホワイトボードであるかが判断される(S283)。撮影対象物がディスプレイない、かつ、ホワイトボードでないと判断された場合(S283:NO)、ステップS289に進む。一方、撮影対象物がディスプレイ又はホワイトボードである場合(S283:YES)、ズーム倍率を1倍に設定し、かつ、撮影画像の画像データに「ゆがみ補正」の画像処理を行うことを決定し(S285)、ステップS287に進む。ステップS287では、図16に示すズーム・トラッキング・カーブ455からAF値(フォーカスレンズの位置)をズームレンズの倍率と距離とから算出し(S287)、ステップS289に進む。ここで、AFの設定値(フォーカス・レンズの位置)の算出方法としては、AFの設定値を、図16の動作範囲のニア・リミットの値、もしくはファー・リミットの値、もしくは動作範囲の真ん中などの値を予め記憶する。以下、AF値を動作範囲の真ん中の値と設定した場合で説明する。はじめに、ズーム倍率は「1倍」と決定されたので、このズーム倍率と撮影対象物までの距離とから、ズームレンズの位置が決定される。次に、図16に示すように、位置が決定されたズームレンズの位置をP1とすると、P1からフォーカスレンズの位置の軸に平行に、動作範囲の真ん中の点P2に直線を引く。そして、点P2からズームレンズの位置の軸と平行な直線を引き、この直線とフォーカスレンズの軸との交点がフォーカスレンズの位置P3となる。
【0070】
ステップS289では、撮影対象物が参加者であるか否かが判断され、撮影対象物が参加者でないと判定された場合(S289:NO)、ステップS293に進む。一方、撮影対象物が参加者であると判断された場合(S289:YES)、画像処理を顔検出に決定し(S291)、ステップS293に進む。ステップS293では、撮影対象物はペンであるか否かが判断され、撮影対象物がペンでない場合(S293:NO)、ステップS297に進む。一方、撮影対象物がペンである場合(S293:YES)、画像処理をペンに記載された文字の輪郭補正に決定し(S295)、ステップS297に進む。ステップS297では、すべての撮影対象物の初期値が算出されたか否かが判断され、すべての撮影対象物の初期値が算出されていない場合(S297:NO)、次の撮影対象物の初期値の算出を行うために、Nの値に1を加え(S299)、ステップS273に戻り、ステップS273〜ステップS295までの処理を繰り返す。一方、すべての撮影対象物の初期値が算出された場合(S297:YES)、処理を終了し、図11のステップS270に戻る。
【0071】
次に、図17を参照して、図7のステップS50で実行される位置検出処理を説明する。なお、図11の初期設定処理のフローチャートと同じ処理に関しては、同じステップ番号を付し、詳細な説明は割愛する。はじめに、位置検出処理では、指示された撮影対象物に取り付けられた無線タグの識別IDをフラッシュメモリ64から取得し(S501)、パン方向の指向角を示す変数θを0に設定し(S503)、ステップS205〜ステップS217までの処理を行う。ステップS217で、θ=θENDであると判断されない場合(S217:NO)、θに予め定められたθSTEPを加え(S504)、ステップS205に戻る。一方、ステップS217で、θ=θENDであると判断された場合(S217:YES)、ステップS211においてフラッシュメモリ64に記憶された受信信号の強度から指示された撮影対象物のパン方向の指向性方向Pを決定する(S517)。次に、ステップS519に進み、チルト方向検出処理を行った後、図19に示す設定値算出処理を行い(S550)、図7のステップS50に戻る。
【0072】
次に、図18を参照して、図17のステップS519で実行されるチルト方向検出処理を説明する。なお、図13に示す初期チルト方向検出処理と同じ処理については同じステップ番号を付し、詳細な説明は割愛する。はじめに、チルト方向検出処理では、チルト方向の指向角を示す変数であるθ1を0に設定し(S521)、図17のステップS209で指示された撮影対象物に取り付けられた無線タグからリプライ信号を受信したか否かが判断される(S523)。受信していない場合、指示された撮影対象物は存在しないのであるから、図17のステップS519に戻る。一方、受信した場合(S523:YES)、ステップS237に進み、ステップS237〜ステップS251までの処理を行い、ステップS249でθ1=θ1ENDと判定すると(S249:YES)、指示された撮影対象物のチルト方向の指向性方向Tを決定し(S541)し、その後、図17のステップS519に戻る。
【0073】
次に、図19を参照して、図17のステップS550で実行される設定値算出処理を説明する。はじめに、設定値算出処理では、図11のステップS209で指示された撮影対象物に取り付けられた無線タグからリプライ信号を受信したか否かが判断され(S551)、受信していない場合(S551:NO)、処理を終了し、図17のステップS550に戻る。一方、受信した場合(ステップS551:YES)、フラッシュメモリ64に記憶されている撮影対象物の種類情報、固定物か否かの情報、指向性方向P、指向性方向T、距離、機密情報であるか否かの情報及びサイズ情報を読み出し(S553)、指示された撮影対象物が機密情報であるか否かが判断される(S555)。機密情報である場合(S555:YES)、機密を守るために撮影対象物のサイズ、距離、及びズーム倍率から撮影の禁止範囲を算出し(S557)、その後処理を終了し、図17のステップS550に戻る。本実施の形態では、前述したように撮影対象物が機密情報の場合のズーム倍率は、カメラにより撮影される範囲が一番広くなる1倍と設定されている。撮影禁止範囲の一例としては、図8に示すように撮影対象物106は機密情報に該当するので、パン方向「35度〜45度」及びチルト方向「10度〜20度」が撮影禁止の範囲に設定される。一方、指示された撮影対象物が機密情報でない場合(S555:NO)、指示された撮影対象物が参加者であるか否かが判断される(S559)。参加者でない場合(S559:NO)、ステップS563に進む。
【0074】
一方、指示された撮影対象物が参加者である場合(S559:YES)、図20の距離とズームの関係図450に示す参加者用関数451を用い、この関数で表される対応関係と距離からズーム倍率を算出し(S561)、ステップS563に進む。例えば、図20の距離とズームの関係図450の点P1からズーム軸に平行に半直線を引き、この半直線と参加者用関数451との交点から距離軸に平行な半直線を引き、この半直線とズーム軸との交点P2がズーム倍率となる。
【0075】
ステップS563では、指示された撮影対象物がペンであるか否かが判断され、指示された撮影対象物がペンでない場合(S563:NO)、ステップS567に進む。一方、指示された撮影対象物がペンである場合(S563:YES)、図20の距離とズームの関係図450に示すペン用関数452を用い、この関数で表される対応関係からズーム倍率を算出し(S565)、ステップS567に進む。ステップS567では、ステップS561又はステップS565で算出されたズーム倍率と距離とから、図16に示すズーム・トラッキング・カーブ455からAF値を算出し(S368)、その後、処理を終了し、図17のステップS550に戻る。
【0076】
次に、図21を参照して、図7のステップS60で実行される撮影制御処理を説明する。はじめに、撮影制御処理では、指示された撮影対象物の指向性方向P、指向性方向T、ズーム値及びAF値をフラッシュメモリ64から読み出し(S601)、指向性方向P及び指向性方向Tは撮影禁止範囲外であるか否かを判断する(S603)。撮影範囲外でない場合(S603:NO)、撮影禁止の範囲にモザイク処理を行うため、画像処理をモザイクに設定し(S605)、図7のステップS60に戻る。一方、撮影禁止範囲外である場合(S603:YES)、カメラの向きを指向性方向P及び指向性方向Tの指し示す方向に制御し(S607)、取得された画像データによりAF値の微調整を行い(S611)、図7のステップS60に戻る。
【0077】
以上のように、本実施の形態によれば、参加者等から撮影対象物の撮影指示がなされた場合、無線タグT1〜無線タグT7のメモリ部135から取得された撮影対象物の種類や撮影条件から撮影対象物の撮影の設定がなされる。そして、この設定に従って指示された撮影対象物の撮影がなされる。これによって、撮影対象物の種類や撮影条件に応じて撮影対象物の撮影が可能となるので、例えば撮影対象物がホワイトボードである場合、ホワイトボードに書かれた文字が読み取れなかったり、また、撮影対象物が機密情報等である場合に、そのまま撮影してしまい機密情報が漏洩したりすることを未然に防ぐことができる。
【0078】
また、無線タグに撮影対象物の種類や撮影条件を記憶させておくことにより、固定されていない撮影対象物の位置情報などを、撮影指示をうける度に自動で再検出できる。また、例えば別の場所に設置されたテレビ会議装置を用いても、撮影対象物の撮影設定を行えるので便利である。
【0079】
撮影設定に撮影対象物の撮影倍率とレンズの焦点の位置が設定されるので、撮影対象物に最適な拡大等での撮影が可能となる。また、撮影対象物に応じてマイクの感度や指向性を最適に設定できるので、撮影対象物の音(音声)などを最適に集音できる。さらに、ユーザからの撮影の指示を受け付ける受付手段を備えるので、ユーザは所望する撮影対象物の撮影が可能となる。
【0080】
ユーザから受付手段を介して、撮影対象物の撮影の指示を受け付けた場合であっても、例えばホワイトボードやディスプレイ等のような会議中にほとんど動かされずに固定されている撮影対象物の場合には、初期チルト方向で検出されたチルト方向の角度が設定される。これによって、撮影対象物のチルト方向を再検出する際に必要とされる時間を省くことができるのでテレビ会議の効率を上げることができる。
【0081】
なお、本実施の形態では、撮影対象物の撮影条件等は、撮影対象物101〜撮影対象物107に取り付けられて無線タグT1〜無線タグT7のメモリ部135から取得するものとしたが、これには限定されず、例えばキー入力部66(図2に示す)を介して会議の参加者等が撮影条件などを入力する構成としても良い。
【符号の説明】
【0082】
1 テレビ会議システム
2 端末装置
4 ネットワーク
6 テレビ会議装置
61 CPU
65 通信手段
67 集音制御部
68 マイク
70 アンテナ
72 カメラモジュール
101〜107 撮影対象物
T1〜T7 無線タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置とネットワークを介して接続されるテレビ会議装置であって、
撮影対象物を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影する前記撮影対象物の種類を取得する取得手段と、
前記撮影対象物の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段によって検出された前記撮影対象物の位置と前記取得手段によって取得された前記撮影対象物の種類とに基づいて、前記撮影対象物の撮影設定を決定する撮影設定決定手段と、
前記撮影設定決定手段により決定された前記撮影設定に従って、前記撮影対象物を撮影するように前記撮影手段を制御する撮影制御手段と、
前記撮影設定に従って前記撮影制御手段の制御の下で前記撮影手段によって撮影された前記撮影対象物の画像データを、前記ネットワークを介して前記端末装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項2】
前記撮影対象物の撮影の指示を受け付ける受付手段をさらに備え、前記受付手段から前記撮影対象物の撮影の指示を受け付けると、前記位置検出手段は前記撮影対象物の位置を再検出し、前記撮影設定決定手段は再検出の検出結果と前記取得手段によって取得された前記撮影対象物の種類に基づいて、前記撮影対象物の撮影設定を再度決定する請求項1に記載のテレビ会議装置。
【請求項3】
前記撮影対象物の位置を再検出する必要があるかないかを判定する判定手段をさらに備え、前記受付手段から前記撮影対象物の撮影の指示を受け付けた場合であっても、撮影対象物の種類により前記判定手段が前記撮影対象物の位置を再検出する必要がないと判定した場合には、前記位置検出手段は前記撮影対象物の位置を再検出しないことを特徴とする請求項2に記載のテレビ会議制御装置。
【請求項4】
前記撮影対象物に取り付けられた無線タグと通信を行う無線通信手段をさらに備え、前記位置検出手段は、前記無線通信手段の通信結果から前記撮影対象物の位置を検出する請求項1から3のいずれかに記載のテレビ会議装置。
【請求項5】
前記無線タグのメモリ部に記憶されている前記撮影対象物の撮影条件を前記無線通信手段を介して取得するタグ情報取得手段をさらに備え、前記撮影設定決定手段は、前記タグ情報取得手段によって取得された前記撮影対象物の前記撮影条件と前記位置検出手段によって検出された検出結果とから前記撮影対象物の撮影設定を決定する請求項4に記載のテレビ会議装置。
【請求項6】
前記撮影設定が、前記撮影対象物の撮影倍率の設定、及び前記撮影手段のレンズの焦点位置の設定であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のテレビ会議制御装置。
【請求項7】
撮影対象物の音声を集音するマイクと、
前記マイクの感度及び指向性の少なくとも1つに応じて、前記マイクを前記位置取得手段が取得した前記撮影対象物の位置に向けるマイク用駆動手段と、
前記マイクによって集音された音声の音声データを前記テレビ会議装置に送信する音声データ送信手段と
を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のテレビ会議制御装置。
【請求項8】
端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して実施されるテレビ会議を制御するテレビ会議装置とからなるテレビ会議システムであって、
前記端末装置は、
前記テレビ会議装置の撮影手段で撮影する撮影対象物の種類をユーザから受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記撮影対象物の前記種類を受け付けた場合、受け付けた前記撮影対象物の前記種類を前記テレビ会議装置へ送信する送信手段と、
前記テレビ会議装置からの画像データを受信する受信手段と
備え、
前記テレビ会議装置は、
撮影対象物を撮影する撮影手段と、
前記撮影対象物の位置を検出する位置検出手段と、
前記端末装置の前記送信手段から送信された前記撮影対象物の前記種類を受信する受信手段と、
前記位置検出手段によって検出された位置と前記受信手段で受信した前記撮影対象物の前記種類に基づいて、前記撮影対象物の撮影設定を決定する撮影設定決定手段と、
前記撮影設定決定手段により決定された撮影設定に従って、前記撮影対象物を撮影するように前記撮影手段を制御する撮影制御手段と、
前記ネットワークを介して、前記撮影設定に従って前記撮影制御手段の制御の下で前記撮影手段によって撮影された前記撮影対象物の画像データを前記端末装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−209771(P2012−209771A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74036(P2011−74036)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】