説明

テーブルタップ及び電力測定システム

【課題】テーブルタップと電力測定システムにおいて、複数のコンセントに接続された各電気機器の消費電力を個別に測定すること。
【解決手段】電源Aに電気的に接続されるバスバー12と、複数のコンセントプラグ7を受容する複数のコンセント1aと、バスバー12ーから分岐して、複数のコンセント1aの各々に電源Aの電流を供給する分岐バー17と、複数の分岐バー17の各々を流れる電流を測定する複数の電流測定部30とを有するテーブルタップ1による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテーブルタップ及び電力測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力需要の増加や地球環境の配慮から、家庭やオフィスにおける消費電力を節約しようという機運が高まりつつある。このような省エネルギ志向の高まりにより、電気機器の電源をこまめに切ったり、空調の設定温度を見直す等の努力がなされている。
【0003】
これらの努力によって実際にどの程度の省エネルギ化が図られたかを把握すべく、様々な消費電力の測定方法が提案されている。
【0004】
しかし、いずれの方法においても、電気機器の個々の消費電力を正確に測定するのが難しい。
【0005】
例えば、家庭内のコンセントに消費電力を測定するターミナルを設け、そのコンセントに接続されている電気機器の現在の消費電力を測定する方法が提案されている。但し、この方法では、一つの壁面コンセントにテーブルタップが接続され、そのテーブルタップに複数の電気機器が接続されている場合、各電気機器の消費電力の総計しか測定できず、各電気機器の消費電力を個別に測定することができないという問題がある。
【0006】
また、家庭内の分電盤で分岐される前の電源線に消費電力を測定するための電流センサを設ける方法もある。しかし、この方法では、分電盤で分岐された後の各電源線において、どの程度の電力が消費されているかを知ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−84146号公報
【特許文献2】特開平11−313441号公報
【特許文献3】特開2001−663330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
テーブルタップと電力測定システムにおいて、テーブルタップの複数のコンセントに接続された各電気機器の消費電力を個別に測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下の開示の一観点によれば、電源に電気的に接続されるバスバーと、複数のコンセントプラグを受容する複数のコンセントと、前記バスバーから分岐して、前記複数のコンセントの各々に前記電源の電流を供給する分岐バーと、前記複数の分岐バーの各々を流れる前記電流を測定する複数の電流測定部とを有するテーブルタップが提供される。
【0010】
また、その開示の他の観点によれば、電源の一方の極に電気的に接続される第1のバスバーと、前記第1のバスバーに一体的に設けられ、コンセントプラグの二つのプラグ刃のうち、一方のプラグ刃を受容する複数の第1のコンタクトと、前記電源の他方の極に電気的に接続される第2のバスバーと、前記第2のバスバーに一体的に設けられた挟持片と、前記挟持片によって両主面側から挟持された複数の分岐バーと、前記分岐バーに設けられ、前記コンセントプラグの他方のプラグ刃を受容する複数の第2のコンタクトと、前記複数の分岐バーの各々を流れる電流を測定する複数の電流測定部とを有し、前記第1のバスバーと前記第2のバスバーは、それぞれ同一の平面形状の導電板を曲げ加工して作製されたテーブルタップが提供される。
【0011】
更に、その開示の他の観点によれば、テーブルタップのバスバーから分岐して複数のコンセントの各々に電源を供給する複数の分岐バーを流れる電流を測定する複数の電流測定部と、前記測定された電流に前記電源の電圧を乗ずることにより、前記コンセントに接続された複数の電気機器で消費されている電力を前記電気機器毎に個別に演算するプログラムとを有する電力測定システムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
以下の開示によれば、電流測定部で測定された各分岐バーの電流を利用して、テーブルタップに接続された複数の電気機器の各々の消費電力量を個別に算出できる。
【0013】
また、テーブルタップのバスバーから分岐バーを分岐させるので、バスバーと分岐バーの各々から生じる磁界が非平行となる。そのため、電流測定部が、分岐バーから生じる磁界に基づいて電流を測定する場合、その測定値にバスバーから発生した磁界の影響が反映され難くなり、電流測定の精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、第1実施形態に係るテーブルタップの外観図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係るテーブルタップの上部カバーと下部カバーを取り外したときの外観図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係るテーブルタップの電流測定部とその近傍の拡大斜視図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係るテーブルタップが備えるホール素子の回路図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係るテーブルタップが備えるホール素子の平面図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係るテーブルタップにおいて、ホール素子の感磁面、第2のバスバー、及び分岐バーの各々の位置関係について説明するための斜視図である。
【図7】図7は、第1実施形態において、上部カバーを外した状態でのテーブルタップの外観図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係るテーブルタップが備える送信回路部の機能ブロック図である。
【図9】図9は、第1実施形態に係る電力測定システムについて説明するための模式図である。
【図10】図10は、第2実施形態におけるシミュレーションについて説明するための斜視図である。
【図11】図11(a)、(b)は、第2実施形態における磁界強度のシミュレーション結果について示す図である。
【図12】図12は、第3実施形態に係る分岐バーと第2のバスバーの拡大斜視図である。
【図13】図13は、第4実施形態に係る分岐バーと第2のバスバーの側面図である。
【図14】図14(a)、(b)は、第4実施形態において、分岐バーを非直線状にした場合の側面図である。
【図15】図15は、第5実施形態に係る磁性体コアとその周囲の斜視図である。
【図16】図16は、第5実施形態において、磁性体コアの上面側から見た第1の回路基板の上面図である。
【図17】図17は、第6実施形態に係る磁性体コアとその周囲の斜視図である。
【図18】図18は、第6実施形態に係る磁性体コアとL字リブの側面図である。
【図19】図19は、第7実施形態に係る磁性体コアの斜視図である。
【図20】図20は、第7実施形態において、第1の回路基板に磁性体コアを取り付けるときの斜視図である。
【図21】図21は、第8実施形態における磁性体コアとその周囲の斜視図である。
【図22】図22は、第8実施形態において使用する上部カバーの内面を示す外観図である。
【図23】図23は、第9実施形態における第1の回路基板と磁性体コアの斜視図である。
【図24】図24は、第9実施形態における板の取り付け方法について示す一部斜視図(その1)である。
【図25】図25は、第9実施形態における板の取り付け方法について示す一部斜視図(その2)である。
【図26】図26は、第10実施形態に係る磁性体コアの斜視図である。
【図27】図27は、第10実施形態に係る磁性体コアの上面図である。
【図28】図28は、第11実施形態に係る分岐バーの各部の斜視図である。
【図29】図29は、第11実施形態において、分岐バーの各部を組み立てた状態での斜視図である。
【図30】図30は、第11実施形態において、分岐バーの各部を組み立てた状態での側面図である。
【図31】図31は、第12実施形態において、各バスバーの元となる導電板の斜視図である。
【図32】図32は、第12実施形態において、導電板を曲げ加工して得られた第1のバスバーの斜視図である。
【図33】図33は、第12実施形態において、導電板を曲げ加工して得られた第2のバスバーの斜視図である。
【図34】図34は、第12実施形態において、導電板を曲げ加工して得られた第3のバスバーの斜視図である。
【図35】図35は、第12実施形態に係るテーブルタップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るテーブルタップ1の外観図である。
【0016】
このテーブルタップ1は、コンセントプラグ2と電源コード3から取り込まれた交流電源を複数のコンセント1aに分岐するのに使用され、互いにネジ止めされた樹脂性の下部カバー5と上部カバー6とを有する。
【0017】
このうち、上部カバー6には、外部のコンセントプラグ7を受容する第1の開口6aと第2の開口6bが、上記の複数のコンセント1aに対応して複数形成される。
【0018】
第1の開口6aは、コンセントプラグ7のプラグ刃8、9が挿通するように、概略矩形状の平面形状を有する。また、第2の開口6bは、アース端子10が挿通するように、概略半円状の平面形状を有する。
【0019】
図2は、各カバー5、6を取り外したときの外観図である。
【0020】
図2に示されるように、テーブルタップ1には第1〜第3のバスバー11〜13が設けられる。これらのバスバー11〜13は、例えば、真鍮板等の金属板を型抜きしてそれを曲げ加工して作製され得る。
【0021】
各バスバー11〜13のうち、第1のバスバー11と第2のバスバー12は、電源コード3(図1参照)を介してそれぞれ交流電源ACの両極A+、A-に電気的に接続され、第3のバスバー13は電源コード3を介して接地電位に維持される。
【0022】
また、第1のバスバー11は、外部のコンセントプラグ7のプラグ刃8、9のうち、一方のプラグ刃8を受容する複数の第1のコンタクト11aを有する。
【0023】
一方、第2のバスバー12は、その延在方向に沿って一定間隔で挟持片12aを有する。
【0024】
挟持片12aの各々は分岐バー17をその両主面側から挟持しており、その分岐バー17の端部には一対の第2のコンタクト17aが設けられる。第2のコンタクト17aは、既述の第1のコンタクト11aと対をなしており、コンセントプラグ7のプラグ刃9を受容する。
【0025】
そして、第3のバスバー13は、コンセントプラグ7のアース端子10を受容する複数の第3のコンタクト13aを有する。
【0026】
各分岐バー17の下方には第1の回路基板20が設けられる。
【0027】
第1の回路基板20には、複数の分岐バー17を流れる電流の各々を測定する複数の電流測定部30が設けられる。
【0028】
図3は、電流測定部30とその近傍の拡大斜視図である。
【0029】
電流測定部30は、分岐バー17の各々に対応して第1の回路基板20に固着された磁性体コア21を有する。磁性体コア21は、分岐バー17を流れる電流の周囲に発生する磁界を収束すべく形成され、その磁界の経路に沿って概略リング状に形成される。磁性体コア21の材料は特に限定されないが、本実施形態では入手が容易なフェライトを使用する。
【0030】
また、電流測定部30は、磁性体コア21のギャップ21a内に設けられたホール素子22を有する。そのホール素子22は、ギャップ21a内の磁界の強さから分岐バー17を流れる電流値を推定するものであって、はんだ付け等によって第1の回路基板20上に実装される。
【0031】
そのような複数の電流測定部30を一枚の第1の回路基板20に設けることで、電流測定部30ごとに回路基板を設ける場合と比較して部品点数の削減や組み立ての簡略化を図ることができる。
【0032】
図4は、ホール素子22の回路図である。
【0033】
図4に示されるように、ホール素子22は、ガリウム砒素系の感磁部23と作動増幅器24とを有する。
【0034】
感磁部23は、電源端子22aと接地端子22bとの間に電圧Vccが与えられた状態で磁界に曝されると、その磁界の強さに応じた電位差ΔVを発生する。その電位差ΔVは、作動増幅器24において増幅された後、出力端子22cから外部に出力される。
【0035】
図5は、ホール素子22の平面図である。
【0036】
図5に示すように、感磁部23は、感磁面PMの面内に位置するように、樹脂26によって封止される。そして、ホール素子22は、感磁部23を貫く磁界のうち、感磁面PMに垂直な成分を検出し、その成分の大きさに相当する出力信号を上記の出力端子22cから出力する。
【0037】
なお、各端子22a〜22cは、はんだ付け等により、第1の回路基板20(図3参照)内の配線と電気的に接続される。
【0038】
上記のようなホール素子22は、カレント・トランスのような他の磁界測定素子と比較して素子の大きさが小さいので、テーブルタップの大型化を招くおそれがない。
【0039】
更に、カレント・トランスは、磁界の時間的変動に伴って発生する誘導電流を利用して磁界の大きさを測定するため測定対象が交流磁界に限定されてしまうが、ホール素子22は静磁界の強さも測定できるという利点がある。
【0040】
また、ホール素子22は、カレント・トランスと比較して安価であるため、テーブルタップの高コスト化を防止できる。
【0041】
図6は、ホール素子22の感磁面PMと各バー12、17との位置関係について説明するための斜視図である。
【0042】
感磁面PMは、分岐バー17の延在方向D1に平行になるように設定される。このようにすると、分岐バー17を流れる電流から発生する磁界H1が感磁面PMを略垂直に貫くようになり、ホール素子22の電流検出感度が向上する。
【0043】
また、本実施形態では、分岐バー17の延在方向D1を第2のバスバー12の延在方向D2と非平行にしたので、第2のバスバー12で発生した磁界H2が感磁面PMを垂直に貫くことがない。よって、分岐バー17で発生した磁界H1を測定すべく設けられたホール素子22が、第2のバスバー12で発生した磁界H2を誤って検出する危険性を低減できる。これにより、ホール素子22の磁界検出結果にH1以外の磁界の影響が含まれるクロストークを防止でき、ホール素子22による磁界H1の測定精度が向上する。
【0044】
特に、分岐バー17の延在方向D1を第2のバスバー12の延在方向D2に垂直にすると、感磁面PMも延在方向D2に垂直になる。そのため、第2のバスバー12で発生した磁界H2が感磁面PMに垂直な成分を有さなくなり、ホール素子22における磁界H1の測定精度が更に向上する。
【0045】
図7は、上部カバー6を外した状態でのテーブルタップ1の外観図である。
【0046】
図7に示すように、下部カバー5には、第2の回路基板25を収容する送信回路部27が区画される。
【0047】
第1の回路基板20と第2の回路基板25の各々にはコネクタ35、36が設けられ、これらのコネクタ35、36には通信ケーブル37が接続される。
【0048】
通信ケーブル37は、電源コード3から取り込まれた各ホール素子22(図3参照)の駆動に必要な電力を第1の回路基板20に供給したり、各ホール素子22の出力信号を第2の回路基板25に送信したりする機能を有する。
【0049】
図8は、送信回路部27の機能ブロック図である。
【0050】
図8に示すように、送信回路部27は、電源コード3を流れる交流電力の周期を検出する周期センサ31と、各ホール素子22から出力されたアナログ信号をデジタル化するADコンバータ32と、演算部33と、出力ポート34とを有する。
【0051】
このような送信回路部27は以下のように機能する。
【0052】
まず、各ホール素子22からは、分岐バー17を流れる電流を示すアナログ電流信号SIAが出力される。
【0053】
アナログ値であるアナログ電流信号SIAは、ADコンバータ32においてデジタル化され、デジタル電流信号SIDとなる。
【0054】
周期センサ31は、例えばフォトカプラであって、交流電源ACに接続された電源コード3を流れる交流電力の周期を検知して、その周期に同期して「0」から「1」に立ち上がる周期信号SPを出力する。例えば、交流電流力の周期が50Hzのときは、周期信号SPも50Hzの周期で「0」から「1」に立ち上がることになる。
【0055】
演算部33は、上記の周期信号SPにおいて信号が立ち上がる周期を測定し、その周期を交流電力の周期Tと同定する。更に、演算部33は、64/Tをサンプリング周波数とし、そのサンプリング周波数でデジタル電流信号SIDを取り込む。
【0056】
なお、演算部33は特に限定されないが、本実施形態では8ビットのMPU(Micro Processing Unit)を演算部33として使用する。
【0057】
その後、演算部33は、デジタル電流信号SIDをUSB(Universal Serial Bus)規格にフォーマットし、それを出力信号Soutとして出力ポート34に出力する。
【0058】
なお、出力信号Soutの規格はUSB規格に限定されず、有線LAN(Local Area Network)や無線LAN等の任意の規格に出力信号Soutをフォーマットし得る。
【0059】
また、演算部33に乗算器を設けてもよい。その場合、乗算器内において、交流電源ACの電圧に上記のデジタル電流信号SIDを乗算することにより、各分岐バー17の各々に接続された電気機器で消費されている電力量を求めてもよい。この場合は、分岐バー17ごとの電力量が、出力信号Soutとして出力されることになる。
【0060】
次に、このテーブルタップ1を利用した電力測定システムについて説明する。
【0061】
図9は、本実施形態に係る電力測定システム60について説明するための模式図である。
【0062】
テーブルタップ1の使用に際しては、図9に示すように、壁面コンセント48にプラグ2を差し込む。
【0063】
そして、テーブルタップ1の各コンセント1aに、第1〜第4の電気機器41〜44のコンセントプラグ41a〜44aを差し込む。なお、全てのコンセント1aを電気機器に接続する必要はなく、複数のコンセント1aの中に未使用のものがあってもよい。
【0064】
更に、パーソナルコンピュータ等の電子計算機46とテーブルタップ1の出力ポート34とをUSBケーブル等の信号ケーブル45で接続する。
【0065】
このようにすると、各コンセント1aから電気機器41〜44に供給される個々の電流の値が、既述の出力信号Soutとして電子計算機46に取り込まれる。
【0066】
電子計算機46には、ハードディスク等の記憶部46aが設けられる。そして、その記憶部46aには、出力信号Soutに含まれる電流を電源の電圧に乗ずることにより、各電気機器41〜44で消費されている電力を電気機器41〜44ごとに個別に演算するプログラム47が格納されている。
【0067】
記憶部46aへのプログラム47の格納方法は特に限定されない。例えば、電子計算機46が備える不図示のCD(Compact Disk)ドライバ等を利用して、CD等の記憶媒体49に格納されたプログラム47を電子計算機46が読み取ることにより、記憶部46aにプログラム47を格納してもよい。
【0068】
使用時においては、そのプログラム47はRAM(Random Access Memory)46bに展開され、CPU等の演算部46cがそのプログラム46を利用して消費電力を電気機器41〜44ごとに個別に計算する。そして、その計算結果が、コンセント1aごとにモニタ47に表示される。
【0069】
なお、既述のように演算部33(図8参照)に乗算器を設ける場合は、このような計算を電子計算機46で行う必要はなく、出力信号Soutに含まれる各サービスコンセント口1aでの電力量をモニタ47に表示する。
【0070】
そして、ユーザは、モニタ47を監視することにより、各電気機器41〜44においてどの程度の電力が消費しているかをリアルタイムに把握することができ、省エネルギ化のために各電気機器41〜44の電力を低減すべきかどうかの判断材料を得ることができる。
【0071】
また、電子計算機46内にデータベース46dを設け、そのデータベース46dに各電器機器41〜44の所定期間内における総電力を格納してもよい。これにより、電力を低減すべきかどうかの判断材料を更に増やすことができる。
【0072】
以上説明した本実施形態によれば、図9を参照して説明したように、テーブルタップ1に接続された各電気機器41〜44の消費電力を個別にモニタすることができる。
【0073】
しかも、図6を参照して説明したように、分岐バー17を第2のバスバー12から分岐させたので、各バー17、12の延在方向D1、D2が非平行となり、ホール素子22が第2のバスバー12で発生した磁界H2を誤って測定する危険性を低減できる。その結果、ホール素子22によって分岐バー17を流れる電流を精度良く測定でき、各電気機器41〜44の消費電力量の算出値の信頼性を高めることが可能となる。
【0074】
(第2実施形態)
本実施形態では、磁性体コア21とホール素子22との好適な位置関係について説明する。
【0075】
図10は、本願発明者が行ったシミュレーションについて説明するための斜視図である。
【0076】
図10に示すように、このシミュレーションでは、ギャップ21aに面する磁性体コア21のギャップ面21bにおける磁界強度をシミュレーションした。
【0077】
図11(a)、(b)は、そのシミュレーション結果について示す図である。
【0078】
図11(a)と図11(b)では、分岐バー17とホール素子22との間隔W1、W2が相違しており、図11(a)の方が分岐バー17に近い位置にホール素子22を配している。
【0079】
図11(a)、(b)に示されるように、分岐バー17寄りのギャップ面21bの縁21eでは、分岐バー17に近づくにつれ磁界の強さが急激に弱くなることが明らかとなった。
【0080】
このことから、ホール素子22による磁界の測定精度を保障するには、磁界の空間的な変動が少ないギャップ面21bの中央付近に感磁部23が位置するようにするのが好ましい。
【0081】
但し、第1の回路基板20(図3参照)にホール素子22を実装する際には、ホール素子22と第1の回路基板20との間にある程度の位置ずれが見込まれるので、感磁部23を正確に位置決めするのは難しく、ギャップ面21bの中央付近から感磁部23が外れることがある。特に、図11(a)のように間隔W1を狭めた場合は、縁21eにおける磁界の弱い領域に感磁部23が位置し易くなり、ホール素子22による磁界の測定精度を保障し難くなる。
【0082】
よって、実装時におけるホール素子22の位置ずれを見込んで図11(b)のように間隔W2をなるべく広げ、位置ずれが生じても感磁部23が縁21eに位置しないようにするのが好ましい。このようにすると、感磁部23が、縁21eよりもギャップ面21bの中央C寄りに確実に位置するようになるので、中央C付近で空間的に略一様な磁界を測定でき、磁界の測定信頼性が向上する。
【0083】
更に、ギャップ面21bの面積を感磁部23の面積よりも十分に大きくしてもよい。このようにすると、ギャップ面21bにおいて磁界が略一様である領域が増大するので、縁21eのように磁界が空間的に急激に変化する領域に感磁部23が位置する危険性を低減でき、ホール素子22による磁界の測定精度を向上させることができる。
【0084】
但し、ギャップ面21bの面積を増大させたことにより間隔W2が広くなりすぎると、分岐バー17から感磁部23が過度に離れてしまい、感磁部23における磁界の強さが弱くなってホール素子22による磁界の検出感度が低下するおそれがある。
【0085】
そのため、ギャップ面21aの高さB2を、ホール素子22の高さA2の1.5〜2.5倍程度に留めておき、間隔W2の増大が原因で感磁部23での磁界が弱くなるのを防止するのが好ましい。
【0086】
(第3実施形態)
本実施形態は、分岐バー17の形態のみが第1実施形態と相違し、これ以外は第1実施形態と同様である。
【0087】
図12は、本実施形態に係る分岐バー17と第2のバスバー12の拡大斜視図である。
【0088】
図12に示すように、分岐バー17は、組み立て時に第2のバスバー12の一対の挟持片12aの間に挿入される。このとき、挟持片12aに挟持される部分の分岐バー17を予め面取りしておき、分岐バー17の角部に面取り部17gを形成しておくのが好ましい。このようにすると、組み立て時に面取り部17gが挟持片12aと摺接するようになり、一対の挟持片12aの間に分岐バー17をスムーズに挿入し易くすることができる。
【0089】
面取り部17gの形成方法は特に限定されない。但し、切削加工と比較して加工時間が早いという点からすると、金型を利用した型押し加工によって面取り部17gを形成するのが好ましい。
【0090】
(第4実施形態)
本実施形態は、分岐バー17の形態のみが第1実施形態と相違し、これ以外は第1実施形態と同様である。
【0091】
図13は、分岐バー17と第2のバスバー12の側面図である。
【0092】
図13の例では、分岐バー17の直線状に形成する。その分岐バー17は、高さがL0の下部カバー5のリブ5aによって支持される。
【0093】
一方、図14(a)、(b)は、分岐バー17を非直線状にした場合の側面図である。
【0094】
図14(a)の例では、第2のコンタクト17a寄りの分岐バー17に、第1の回路基板20に向かって伸びる延長部17cを設ける。
【0095】
このようにすると、第2のコンタクト17a寄りの分岐バー17と第1の回路基板20との間隔D1が、第2のバスバー12寄りの分岐バー17と第1の回路基板20との間隔D2よりも狭くなる。
【0096】
よって、分岐バー17を支持するリブ5aの高さL1が図13における高さL0よりも低くなり、下部カバー5を薄型化することができる。
【0097】
一方、図14(b)の例は、第2のコンタクト17a寄りの分岐バー17が第1の回路基板20に近づくように、分岐バー17をブリッジ状にしたものである。このようにしても、間隔D1が間隔D2よりも狭くなるので、リブ5aの高さL2を図13における高さL0よりも低くでき、下部カバー5の薄型化を図ることが可能となる。
【0098】
(第5実施形態)
図15は、本実施形態に係る磁性体コア21とその周囲の斜視図である。
【0099】
本実施形態では、磁性体コア21の取り付け方法のみが第1実施形態と相違し、これ以外は第1実施形態と同様である。
【0100】
図15に示されるように、本実施形態では、第1の回路基板20に開口20aを設け、その開口20aにL字リブ5bを挿通する。
【0101】
L字リブ5bの形成方法は特に限定されない。但し、部品点数の削減という観点からすると、下部カバー5(図7参照)の内面に、該下部カバー5と一体的にL字リブ5bを立設するのが好ましい。
【0102】
図16は、磁性体コア21の上面側から見た第1の回路基板20の上面図である。
【0103】
図16に示すように、L字リブ5bは、断面形状が矩形状の磁性体コア21の対角線上に二つ設けられ、それらが協働して磁性体コア21を挟持する。
【0104】
これによれば、第1の回路基板20に磁性体コア21を接着する必要がなくなり、接着に要する工数を削減できる。
【0105】
しかも、この構造では、第1の回路基板20に磁性体コア21が固定されないので、第1の回路基板20が熱膨張しても、これにつられて磁性体コア21のギャップ21aの幅Gが変動することがない。よって、幅Gの変動が原因でギャップ21a内の磁界が変化するのを抑制でき、ホール素子22による磁界の測定精度を維持することができる。
【0106】
(第6実施形態)
図17は、本実施形態に係る磁性体コア21とその周囲の斜視図である。
【0107】
本実施形態では、L字リブ5bの形状のみが第5実施形態と相違し、これ以外は第5実施形態と同様である。
【0108】
図17に示すように、本実施形態では、L字リブ5bに延長部5cを設け、更にその延長部5cの先端に爪5dを形成する。
【0109】
図18は、磁性体コア21とL字リブ5bの側面図である。
【0110】
図18に示すように、爪5dは、磁性体コア21の上面21cを保持するように設けられる。
【0111】
このようにL字リブ5bに爪5dを設けることで、第1の回路基板20側に磁性体コア21が押し付けられ、磁性体コア21がL字リブ5bから脱落するのを防止することができる。
【0112】
(第7実施形態)
図19は、本実施形態に係る磁性体コア21の斜視図である。
【0113】
本実施形態では、図19に示すように、磁性体コア21の側面21dに溝21eを設ける。これ以外については、本実施形態は第6実施形態と同じである。
【0114】
図20は、第1の回路基板20に磁性体コア21を取り付けるときの斜視図である。
【0115】
溝21eは、爪5dが嵌合する程度の幅と深さを有する。よって、取り付け時に第1の回路基板20に向けて磁性体コア21を下降させても、爪5dが溝21e内に逃げるようになり、爪5dとの摺接によって磁性体コア21が欠損するのを防止できる。
【0116】
(第8実施形態)
図21は、本実施形態における磁性体コア21とその周囲の斜視図である。
【0117】
本実施形態では、図21に示すように、磁性体コア21の上面に弾性体38を設ける。これ以外は第5実施形態と同様である。
【0118】
図22は、その弾性体38と共に使用する上部カバー6の内面を示す外観図である。
【0119】
図22に示すように、上部カバー6の内面6cは、上記した弾性体38が当接する一部領域Rを有する。
【0120】
弾性体38は、内面6cの一部領域Rと磁性体コア21の上面の双方に当接し、第1の回路基板20に向けて磁性体コア21を押し付ける機能を有する。
【0121】
このような弾性体38によって、磁性体コア21がその高さ方向M(図21参照)に動くのが規制され、第1の回路基板20から磁性体コア21が脱離するのを防止できる。
【0122】
弾性体38の材料は特に限定されないが、磁性体コア21を傷つける心配が少ない柔らかなスポンジやゴムを弾性体38の材料として使用するのが好ましい。更に、弾性体38として、高さ方向Mに伸張可能なスプリングを使用してもよい。
【0123】
なお、上記の図21のように各磁性体コア21に個別に弾性体38を複数設けるのに代えて、全ての磁性体コア21に共通の一つの弾性体38を設けてもよい。
【0124】
(第9実施形態)
図23は、本実施形態における第1の回路基板20と磁性体コア21の斜視図である。
【0125】
本実施形態では、図23に示すように、複数の磁性体コア21のそれぞれの上面に当接してそれらを第1の回路基板20に押し付ける板39を設ける。これ以外については、本実施形態は既述の第5実施形態と同様である。
【0126】
図24及び図25は、その板の取り付け方法について示す一部斜視図である。
【0127】
図24に示すように、下部カバー5の内面には、ネジ穴が形成された突起5eが設けられる。
【0128】
その突起5eは、図25に示すように、第1の回路基板20の開口20bを挿通し、ネジ40によって板39とネジ止めされる。
【0129】
このような板39により、各磁性体コア21がそれらの高さ方向に動こうとするのを規制でき、各磁性体コア21が第1の回路基板20から脱落するのを防止できる。
【0130】
なお、板39の材料は特に限定されない。但し、磁性体コア21との接触によって磁性体コア21の欠損を防止するという観点からすると、板39として樹脂板を使用するのが好ましい。
【0131】
(第10実施形態)
図26は本実施形態に係る磁性体コア21の斜視図であり、図27はその上面図である。
【0132】
図26及び図27に示すように、本実施形態では、第1の回路基板20上に磁気シールド50を立設する。これ以外は、本実施形態は第5実施形態と同様である。
【0133】
その磁気シールド50は、磁性体コア21のギャップ21aの横に設けられ、磁性体コア21の外部からギャップ21a内に不要な磁界が進入するのを防止するように機能する。
【0134】
そのような機能を有する磁気シールド50の材料としては、例えば、高透磁率材料がある。高透磁率材料は、外部磁界を補足してそれを自身の内部に通す性質がある。よって、磁気シールド50の材料として高透磁率材料を使用すると、ギャップ21aに進入しようとする外部磁界が磁気シールド42によって補足され、外部磁界が原因でホール素子22による磁界の測定精度が低下するのを防止できる。
【0135】
高透磁率材料のうち、透磁率と飽和磁束密度が高く、保持力が低い強磁性材料は、磁気シールド50の材料に好適である。そのような材料としては、例えば、電磁軟鉄、電磁鋼板、パーマロイ合金、鉄とシリコンとボロンとの化合物のアモルファス材料、このアモルファス材料を結晶化してなる微結晶薄帯等がある。
【0136】
また、磁気シールド50は、接着剤やはんだ付け等、任意の方法で第1の回路基板20に固定してよい。
【0137】
なお、磁気シールド50の大きさは、不必要に大きくならない範囲で、外部磁界がギャップ21a内に進入するのを有効に阻止し得る大きさであるのが好ましい。例えば、磁気シールド50の幅A1は、ギャップ21aの幅Gよりも広く、かつ磁性体コア21の幅B1よりも狭くするのが好ましい。また、磁気シールド50の高さA2については、ホール素子22の高さよりも高く、かつギャップ21aの高さB2よりも低いのが好ましい。
【0138】
(第11実施形態)
図28は、本実施形態に係る分岐バー17の各部の斜視図である。本実施形態では、分岐バー17の形態のみが第1実施形態と異なり、これ以外については第1実施形態と同様である。
【0139】
図28に示すように、本実施形態では分岐バー17をセンシング部17bとコンタクト部17cとに分ける。
【0140】
このうち、センシング部17bにはポスト17dが設けられる。一方、コンタクト部17cには、既述の第1のコンタクト17aの他に挟持片17eが設けられる。
【0141】
図29は、これら各部17b、17cを組み立てた状態での斜視図である。
【0142】
図29に示すように、センシング部17bは、その一端がコンタクト部17cの挟持片17eにより挟持され、その他端が第2のバスバー12の挟持片12aにより挟持される。
【0143】
また、センシング部17bのポスト17dは、接着剤やはんだ付け等によって、第1の回路基板20に固定される。
【0144】
図30は、各部17b、17cを組み立てた状態での側面図である。
【0145】
上記のように、本実施形態では第1の回路基板20にポスト17dを固定するので、第1のコンタクト17aにプラグ刃8、9を脱着するときの力がセンシング部17bに作用しても、その力によってセンシング部17bとホール素子22との距離Xが変動しない。
【0146】
そのため、距離Xの変動が原因でホール素子22が存在する部分の磁界の強さが変動するのを防止でき、センシング部17bを流れる電流によって発生した磁界をホール素子22によって高精度に測定することができる。
【0147】
(第12実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で説明した第1〜第3のバスバー11〜13の作製方法について説明する。
【0148】
図31は、各バスバー11〜13の元となる導電板55の斜視図である。
【0149】
この導電板55は、金型で真鍮板を加工してなり、複数の突起55aを備える。
【0150】
図32〜図34は、この導電板55を曲げ加工して得られた第1〜第3のバスバー11〜13の斜視図である。
【0151】
図32〜図34に示されるように、上記の複数の突起55aは、上記の曲げ加工によって第1〜第3のバスバー11〜13の各々と一体的に設けられた第1〜第3のコンタクト11a〜13aとなる。
【0152】
このように、本実施形態では、同一の平面形状の導電板55において曲げる部位や曲げの方向を変えることで、第1〜第3のバスバー11〜13を簡単に作製することができ、これらのバスバー11〜13の作製コストを安価にできる。
【0153】
図35は、このようにして作製された第1〜第3のバスバー11〜13を備えたテーブルタップ1の斜視図である。なお、図35では、カバー5、6(図1参照)を省略している。
【0154】
本実施形態では、上記のように各バスバー11〜13の作製コストを安価にできるため、これらを組み込んだテーブルタップ1の低コスト化を図ることが可能となる。
【0155】
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0156】
(付記1) 電源に電気的に接続されるバスバーと、
複数のコンセントプラグを受容する複数のコンセントと、
前記バスバーから分岐して、前記複数のコンセントの各々に前記電源の電流を供給する分岐バーと、
前記複数の分岐バーの各々を流れる前記電流を測定する複数の電流測定部と、
を有することを特徴とするテーブルタップ。
【0157】
(付記2) 前記複数の分岐バーの各々は、前記バスバーの延在方向に対して垂直な方向に延在することを特徴とする付記1に記載のテーブルタップ。
【0158】
(付記3) 前記電流測定部は、
前記分岐バーを囲うと共に、ギャップが形成された磁性体コアと、
前記ギャップ内に設けられたホール素子とを有することを特徴とする付記1又は付記2に記載のテーブルタップ。
【0159】
(付記4) 前記ホール素子の感磁面は、前記バスバーの延在方向に垂直であることを特徴とする付記3に記載のテーブルタップ。
【0160】
(付記5) 前記ホール素子の感磁部は、前記ギャップに面する前記磁性体コアのギャップ面の縁よりも、該ギャップ面の中央寄りに位置することを特徴とする付記3又は付記4に記載のテーブルタップ。
【0161】
(付記6) 前記磁性体コアと前記ホール素子とが固定される回路基板を更に備えたことを特徴とする付記3〜5のいずれかに記載のテーブルタップ。
【0162】
(付記7) 前記ギャップの横の前記回路基板に、磁気シールドが立設されたことを特徴とする付記6に記載のテーブルタップ。
【0163】
(付記8) 前記バスバーと前記回路基板を収容すると共に、内面に複数のL字リブが立設された下部カバーを更に有し、
前記回路基板に、前記複数のL字リブの各々が挿通する複数の開口が形成されて、
前記開口を挿通した前記L字リブによって、前記磁性体コアが挟持されたことを特徴とする付記6〜7のいずれかに記載のテーブルタップ。
【0164】
(付記9) 前記L字リブの先端に、前記磁性体コアの上面を保持する爪を設けたことを特徴とする付記8に記載のテーブルタップ。
【0165】
(付記10) 前記爪の下方における前記磁性体コアの側面に、前記爪が嵌合する幅と深さの溝を形成したことを特徴とする付記9に記載のテーブルタップ。
【0166】
(付記11) 前記複数の磁性体コアのそれぞれの上面に当接して、前記複数の磁性体コアのそれぞれを前記回路基板に押し付ける板を更に有することを特徴とする付記3〜10のいずれかに記載のテーブルタップ。
【0167】
(付記12) 前記コンセントプラグが挿通する開口が前記複数のコンセントの各々に対応して複数形成された上部カバーと、
前記上部カバーの内面と前記磁性体コアの上面の各々に当接して、前記磁性体を前記回路基板に押し付ける弾性体とを更に有することを特徴とする付記6〜11のいずれかに記載のテーブルタップ。
【0168】
(付記13) 前記分岐バーの端部に、前記コンセントプラグを受容する一対のコンタクトが設けられ、
前記コンタクト寄りの前記分岐バーと前記回路基板との間隔を、前記バスバー寄りの前記分岐バーと前記回路基板との間隔よりも狭くしたことを特徴とする付記6〜12のいずれかに記載のテーブルタップ。
【0169】
(付記14) 前記分岐バーにポストを設け、前記回路基板に前記ポストを固定したことを特徴とする付記6〜13のいずれかに記載のテーブルタップ。
【0170】
(付記15) 前記バスバーに、前記分岐バーをその両主面側から挟持する一対の挟持片が設けられ、
前記挟持片で挟持された部分の前記分岐バーに、面取り加工が施されたことを特徴とする付記1〜14のいずれかに記載のテーブルタップ。
【0171】
(付記16) 前記複数の電流測定部の各々で測定された前記電流に前記電源の電圧を乗じることにより、前記複数のコンセントの各々に接続された複数の電気機器で消費されている電力を前記電気機器毎に個別に演算する演算部を更に有することを特徴とする付記1〜15のいずれかに記載のテーブルタップ。
【0172】
(付記17) 電源の一方の極に電気的に接続される第1のバスバーと、
前記第1のバスバーに一体的に設けられ、コンセントプラグの二つのプラグ刃のうち、一方のプラグ刃を受容する複数の第1のコンタクトと、
前記電源の他方の極に電気的に接続される第2のバスバーと、
前記第2のバスバーに一体的に設けられた挟持片と、
前記挟持片によって両主面側から挟持された複数の分岐バーと、
前記分岐バーに設けられ、前記コンセントプラグの他方のプラグ刃を受容する複数の第2のコンタクトと、
前記複数の分岐バーの各々を流れる電流を測定する複数の電流測定部とを有し、
前記第1のバスバーと前記第2のバスバーは、それぞれ同一の平面形状の導電板を曲げ加工して作製されたことを特徴とするテーブルタップ。
【0173】
(付記18) 接地電位に維持され、前記コンセントプラグのアース端子を受容する複数の第3のコンタクトを備えた第3のバスバーを更に有し、
前記第1のバスバー、前記第2のバスバー、及び前記第3のバスバーは、それぞれ同一の平面形状の前記導電板を曲げ加工して作製されたことを特徴とする付記17に記載のテーブルタップ。
【0174】
(付記19) テーブルタップのバスバーから分岐して複数のコンセントの各々に電源を供給する複数の分岐バーを流れる電流を測定する複数の電流測定部と、
前記測定された電流に前記電源の電圧を乗ずることにより、前記コンセントに接続された複数の電気機器で消費されている電力を前記電気機器毎に個別に演算するプログラムと、
を有することを特徴とする電力測定システム。
【0175】
(付記20) 前記プログラムは記録媒体に格納されていることを特徴とする付記19に記載の電力測定システム。
【符号の説明】
【0176】
1…テーブルタップ、1a…コンセント、2、7…コンセントプラグ、3…電源コード、5…下部カバー、5a…リブ、5b…L字リブ、5c…延長部、5d…爪、6…上部カバー、6a…第1の開口、6b…第2の開口、8、9…プラグ刃、10…アース端子、11…第1のバスバー、11a…第1のコンタクト、12…第2のバスバー、12a…挟持片、13…第3のバスバー、13a…第3のコンタクト、17…分岐バー、17a…第2のコンタクト、17b…センシング部、17c…コンタクト部、17d…ポスト、17e…挟持片、17g…面取り部、20…第1の回路基板、21…磁性体コア、21a…ギャップ、21b…ギャップ面、21c…上面、21d…側面、21e…溝、22…ホール素子、22a…電源端子、22b…接地端子、22c…出力端子、23…感磁部、24…作動増幅器、25…第2の回路基板、26…樹脂、27…送信回路部、30…電流測定部、31…周期センサ、32…ADコンバータ、33…演算部、34…出力ポート、35、36…コネクタ、37…通信ケーブル、38…弾性体、39…板、40…ネジ、41〜44…第1〜第4の電気機器、45…信号ケーブル、46…電子計算機、46a…記憶部、46b…RAM、46d…データベース、47…プログラム、48…壁面コンセント、49…記憶媒体、50…磁気シールド、55…導電板、55a…突起、60…電力測定システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に電気的に接続されるバスバーと、
複数のコンセントプラグを受容する複数のコンセントと、
前記バスバーから分岐して、前記複数のコンセントの各々に前記電源の電流を供給する分岐バーと、
前記複数の分岐バーの各々を流れる前記電流を測定する複数の電流測定部と、
を有することを特徴とするテーブルタップ。
【請求項2】
前記複数の分岐バーの各々は、前記バスバーの延在方向に対して垂直な方向に延在することを特徴とする請求項1に記載のテーブルタップ。
【請求項3】
前記電流測定部は、
前記分岐バーを囲うと共に、ギャップが形成された磁性体コアと、
前記ギャップ内に設けられたホール素子とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテーブルタップ。
【請求項4】
前記磁性体コアと前記ホール素子とが固定される回路基板を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項5】
前記バスバーと前記回路基板を収容すると共に、内面に複数のL字リブが立設された下部カバーを更に有し、
前記回路基板に、前記複数のL字リブの各々が挿通する複数の開口が形成されて、
前記開口を挿通した前記L字リブによって、前記磁性体コアが挟持されたことを特徴とする請求項4に記載のテーブルタップ。
【請求項6】
前記L字リブの先端に、前記磁性体コアの上面を保持する爪を設けたことを特徴とする請求項5に記載のテーブルタップ。
【請求項7】
前記コンセントプラグが挿通する開口が前記複数のコンセントの各々に対応して複数形成された上部カバーと、
前記上部カバーの内面と前記磁性体コアの上面の各々に当接して、前記磁性体を前記回路基板に押し付ける弾性体とを更に有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項8】
前記複数の電流測定部の各々で測定された前記電流に前記電源の電圧を乗じることにより、前記複数のコンセントの各々に接続された複数の電気機器で消費されている電力を前記電気機器毎に個別に演算する演算部を更に有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項9】
電源の一方の極に電気的に接続される第1のバスバーと、
前記第1のバスバーに一体的に設けられ、コンセントプラグの二つのプラグ刃のうち、一方のプラグ刃を受容する複数の第1のコンタクトと、
前記電源の他方の極に電気的に接続される第2のバスバーと、
前記第2のバスバーに一体的に設けられた挟持片と、
前記挟持片によって両主面側から挟持された複数の分岐バーと、
前記分岐バーに設けられ、前記コンセントプラグの他方のプラグ刃を受容する複数の第2のコンタクトと、
前記複数の分岐バーの各々を流れる電流を測定する複数の電流測定部とを有し、
前記第1のバスバーと前記第2のバスバーは、それぞれ同一の平面形状の導電板を曲げ加工して作製されたことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項10】
テーブルタップのバスバーから分岐して複数のコンセントの各々に電源を供給する複数の分岐バーを流れる電流を測定する複数の電流測定部と、
前記測定された電流に前記電源の電圧を乗ずることにより、前記コンセントに接続された複数の電気機器で消費されている電力を前記電気機器毎に個別に演算するプログラムと、
を有することを特徴とする電力測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−159464(P2011−159464A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19166(P2010−19166)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】