説明

テープ供給装置

【課題】近年のニーズに対応し、テープ張力制御における応答性を向上し、迅速に目標張力値に制御する。
【解決手段】基材テープ101が巻回された第1ローラ102と、この第1ローラ102を駆動する供給ローラ駆動軸60と、第1ローラ102から基材テープ101を繰り出すために基材テープ101に駆動力を付与する圧着ローラ駆動軸12と、この駆動力で繰り出される基材テープ101の搬送方向と交差する交差方向に進退可能に設けたダンサローラ61と、このダンサローラ61を交差方向に進退させるエアシリンダ62と、繰り出される基材テープ101の張力に基づき、エアシリンダを制御する張力制御部30Bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラを用いて、対象とするテープを供給するテープ供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
駆動力によってローラを駆動し、その駆動されるローラを用いて搬送・処理対象となるテープを供給するテープ供給装置としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
【0003】
この従来技術では、テープが巻回された供給ローラ(供給リール)を供給ローラ駆動手段(供給リール駆動手段)で駆動するとともに、その供給ローラから繰り出されたテープを巻取ローラ(巻取リール)で巻き取る。このとき、供給ローラと巻取ローラとの間のテープ搬送路に、テープ張力を検出する検出手段(テンションセンサ)が設けられており、その検出結果に応じて供給ローラ駆動手段が供給ローラの駆動を制御することにより、テープ張力が制御されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−81989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、テープの張りを直接調整するのではなく、張力の検出値に応じて供給ローラの回転速度を制御しこの速度制御によって間接的にテープ張力制御を行う手法である。このため、制御応答性に限界があり、目標とする張力値へ迅速に制御することが難しかった。そのため、テープ搬送と停止を交互に行うような場合には動作速度を高速にすることが困難であった。
【0006】
本発明の目的は、テープ張力制御における応答性を向上し、迅速に目標張力値に制御することができるテープ供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、テープが巻回された供給ローラと、この供給ローラを駆動する供給ローラ駆動手段と、前記供給ローラから前記テープを繰り出すために前記テープに駆動力を付与する繰り出し駆動手段と、この繰り出し駆動手段の駆動力で繰り出される前記テープの搬送方向と交差する交差方向に進退可能に設けた張力調整ローラと、この張力調整ローラを前記交差方向に進退させる進退アクチュエータと、前記繰り出される前記テープの張力に基づき、前記進退アクチュエータを制御する進退制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、繰り出し駆動手段の駆動力で供給ローラからテープが繰り出されるとき、テープの張力に応じて進退制御手段が進退アクチュエータを制御し、テープの搬送方向との交差方向に張力調整ローラを進退させる。これにより、例えば張力が過小のときには張力調整ローラをテープ搬送路に向かって近づけることで迅速に張力を増大でき、張力が過大のときには張力調整ローラをテープ搬送路から遠ざけることで迅速に張力を減少できる。このように張力が生じているテープ面方向に対して交差する方向の力を作用させて張力増減調整を図ることにより、テープが繰り出される供給ローラ側の回転駆動制御のみで張力の調整を行う場合に比べ、迅速に応答性よく張力調整を行うことができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1発明において、前記供給ローラは、筐体に設けたカートリッジホルダ部に着脱可能に構成されたカートリッジ内に配置されており、前記供給ローラ駆動手段、前記繰り出し駆動手段、前記張力調整ローラ、前記進退アクチュエータは、前記筐体に設けられていることを特徴とする。
【0010】
本願第2発明においては、筐体側に設けた繰り出し駆動手段により、カートリッジ内に配置された供給ローラからテープを繰り出し、そのときのテープの張力に応じて進退制御手段が筐体側に設けた張力調整ローラを進退アクチュエータにより進退させる。これにより、迅速に応答性よく張力調整を行うことができる。
【0011】
第3の発明は、上記第2発明において、前記進退アクチュエータは、エアシリンダ、ソレノイド、電動モータのいずれか少なくとも1つを備えることを特徴とする。
【0012】
テープの張力に応じて進退制御手段によりエアシリンダ、ソレノイド、電動モータ等が駆動されて進退することで、迅速に応答性よく張力調整を行うことができる。
【0013】
第4の発明は、上記第2又は第3発明において、前記供給ローラは、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を複数個配置したタグテープが巻回されており、前記タグ側アンテナと情報の送受信を行う装置側アンテナと、前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成し、前記装置側アンテナを介して前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報アクセス手段とを設けたことを特徴とする。
【0014】
供給ローラから繰り出されたタグテープの張力を制御しつつ、タグテープに備えられたIC回路部に対し、情報アクセス手段で生成したアクセス情報を装置側アンテナ及びタグ側アンテナを介して送信することで、IC回路部に対し情報読み取り又は書き込みを行うことができる。
【0015】
第5の発明は、上記第4発明において、前記張力調整ローラに備えられ前記タグテープに当接するローラ本体は、前記タグテープに配置された前記無線タグ回路素子との接触を回避するための凹部を備えるか、又は、軸方向に分割構造となっていることを特徴とする。
【0016】
これにより、張力調整ローラのローラ本体が当接することでタグテープの無線タグ回路素子の耐久性に悪影響が生じるのを防止できる。
【0017】
第6の発明は、上記第2乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記筐体に設けられ、前記供給ローラから繰り出されたテープに所定の印字を行う印字手段を有し、この印字手段による印字後の前記テープを用いて印字ラベルを作成することを特徴とする。
【0018】
これにより、例えばIC回路部の記憶内容や関連付けされた情報等を明示する印字を備えた印字ラベルを作成することができる。
【0019】
第7の発明は、上記第1発明において、前記供給ローラから繰り出された前記テープを巻き取る巻取ローラと、この巻取ローラを駆動する巻取ローラ駆動手段とを有し、前記繰り出し駆動手段は、テープ搬送経路に沿って前記供給ローラと前記巻取ローラとの間に設けられた搬送ローラを駆動する搬送ローラ駆動手段であり、前記張力調整ローラは、テープ搬送経路に沿って前記供給ローラと前記搬送ローラとの間及び前記搬送ローラと前記巻取ローラとの間にそれぞれ設けられており、前記進退アクチュエータは、それら2つの張力調整ローラをそれぞれ進退させるように前記供給ローラ側と前記巻取ローラ側とに設けられていることを特徴とする。
【0020】
本願第7発明においては、供給ローラと巻取ローラとの間に設けた搬送ローラ駆動手段で搬送ローラを駆動することにより、供給ローラからテープを繰り出し、またその繰り出したテープは搬送ローラを経て、巻取ローラにて巻き取られる。そしてそのときのテープの張力に応じて進退制御手段が供給ローラ側と巻取ローラ側の合計2箇所に設けた張力調整ローラをそれぞれ進退アクチュエータにより進退させる。これにより、供給ローラから巻取ローラまでの一連の搬送経路において迅速に応答性よく張力調整を行うことができる。
【0021】
第8の発明は、上記第7発明において、前記供給ロールから繰り出される前記テープの張力を検出する検出手段を有することを特徴とする。
【0022】
検出手段で検出したテープの張力に応じて、進退制御手段で応答性よく張力調整を行うことができる。
【0023】
第9の発明は、上記第8発明において、前記張力調整ローラを回転可能に支持し、前記進退アクチュエータにより支点回りに回動されるアーム部材を有し、前記検出手段は、前記アーム部材の回動角を検出する角度センサであることを特徴とする。
【0024】
張力調整ローラを支持するアーム部材の回動角を角度検出センサで検出することで、テープの張力を検出することができる。
【0025】
第10の発明は、上記第7乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記進退アクチュエータは、入力された電気信号に応じて制御された作動ガスによりピストンを駆動するシリンダ手段であることを特徴とする。
【0026】
シリンダ手段の制御時に、シリンダ手段に対し電気信号を出力することで、この入力した電気信号に応じて作動ガスが制御され、これによってピストンが駆動されて張力調整ローラを搬送方向と交差方向に進退させることができる。
【0027】
第11の発明は、上記第7乃至第10発明のいずれか1つにおいて、前記供給ローラから繰り出された前記テープに対し、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を、所定間隔で取り付けるタグ取り付け手段を有することを特徴とする。
【0028】
供給ローラから繰り出されたテープに対し、タグ取り付け手段で無線タグ回路素子を所定間隔で取り付けることにより、IC回路部とタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を複数個配置したタグテープを形成することができる。
【0029】
第12の発明は、上記第11発明において、前記無線タグ回路素子を取り付ける位置となったときに前記テープの搬送を停止して当該取り付けを行い、取り付け終了後には前記テープの搬送を再開するように、前記搬送ローラ駆動手段及び前記タグ取り付け手段を連携制御する連携制御手段を有することを特徴とする。
【0030】
取り付け位置に到達するごとにテープ搬送を停止して無線タグ回路素子の取り付けを行うことにより、無線タグ回路素子がテープ長手方向に所定間隔で複数個配置されたタグテープを形成することができる。また取り付けの際にも張力を制御しているので、形成されたタグテープは無線タグ回路素子が配設されていても巻きムラを低減することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、テープ張力制御における応答性を向上し、迅速に目標張力値に制御することができるテープ供給装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0033】
本発明の第1の実施形態を図1〜図16により説明する。本実施形態は、本発明によるテープ供給装置を、タグラベル作成装置に適用した場合の実施形態である。
【0034】
図1は、上記本実施形態のテープ供給装置を備えたタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。この実施形態は、本発明を読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに適用した場合の実施形態である。
【0035】
図1に示すこの無線タグ生成システム1において、タグラベル作成装置2(無線タグ情報通信装置)は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、端末5、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ7に接続されている。
【0036】
図2は、上記タグラベル作成装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
【0037】
図2において、タグラベル作成装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部に、カートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
【0038】
装置本体8は、カートリッジ100を嵌合させる上記カートリッジホルダ部を備えるとともに外郭を構成する筐体9を有しており、この筐体9は、上記カートリッジホルダ部に設けられ、カバーフィルム103に所定の印字(印刷)を行う印字手段としての印字ヘッド(印字手段;この例ではサーマルヘッド)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、カバーフィルム103と基材テープ(テープ;タグテープ)101とを貼り合わせつつ印字済タグラベル用テープ110としてカートリッジ100から繰り出すための圧着ローラ駆動軸12(繰り出し駆動手段)と、上記基材テープ101を繰り出して供給するための供給ローラ駆動軸60(供給ローラ駆動手段)と、この繰り出される基材テープ101の搬送方向と交差(この例では直交)する交差方向に進退可能に設けたダンサローラ61(張力調整ローラ)と、このダンサローラを上記交差方向に進退させるエアシリンダ62(進退アクチュエータ)とを備えている。なお進退アクチュエータとして、エアシリンダ62に代えてソレノイドの電磁力を用いた直接駆動や、電動モータ(リニアモータ、パルスモータを含む各種モータ)等を用いてもよい。
【0039】
また装置本体8は、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の送受を行うアンテナ14(装置側アンテナ)と、上記印字済タグラベル用テープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルT(印字ラベル;詳細は後述)を生成するカッタ15と、上記無線通信による信号送受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ14に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに、切断後のテープ110(=無線タグラベルT)を案内するための一対の搬送ガイド13と、その案内された無線タグラベルTを搬出口16へと搬送し送出する送出ローラ17と、搬出口16における無線タグラベルTの有無を検出するセンサ18と、カッタ15の上記印字済みタグラベル用テープ110の搬送方向下流側に、その搬送経路(図2中水平方向)に臨むように(この例ではテープ裏面に正対するように)設けられ、対応する検出信号を制御回路30へ入力するフォトセンサ19とを有している。
【0040】
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻取りローラ駆動軸11、テープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、供給ローラ駆動軸60を駆動する供給ローラ用モータ63と、この供給用ローラ用モータ63の駆動を制御する供給ローラ駆動回路64と、上記入力された電気信号に応じた開度に制御される開閉弁(図示せず)を備え、図示しない気体源からの気体を上記電気信号に対応した圧力でエアシリンダ62へと供給する電気−空気変換手段として機能する電空レギュレータ65と、この電空レギュレータ65から供給される作動ガスにより伸縮駆動する上記エアシリンダ62(シリンダ手段)と、上記電空レギュレータ65の上記開閉弁を制御するレギュレータ駆動回路66と、上記ダンサローラ61をその先端部に回転可能に支持し、上記エアシリンダ62によって回動支点67a周りに回動可能なテンションアーム67(アーム部材)と、この例では上記回動支点近傍に設けられ、上記テンションアーム67の角度を検出することで基材テープ101の張力を検出する角度センサ68(検出手段)と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、タグラベル作成装置2全体の動作を制御するための上記制御回路30とを有する。
【0041】
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。そして、この制御回路30には、機能的構成として、無線タグラベルTを作成するために主としてテープ搬送制御、印字制御、通信制御を行う搬送・通信制御部30Aと、上記テープ搬送時におけるテープ張力制御を行う張力制御部30Bとが備えられている。なお、この制御回路30は、入出力インターフェイス31を介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0042】
図3は、カートリッジ100の詳細構造を説明するための説明図である。
【0043】
この図3において、カートリッジ100は、筐体100Aと、この筐体100A内に配置され帯状の上記基材テープ101が巻回され上記供給ローラ駆動軸60により駆動される第1ローラ102(供給ローラ)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、上記インクリボン105(熱転写リボン、但しカバーフィルムが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープ110としつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをする(=テープ送りローラとしても機能する)圧着ローラ107とを有する。
【0044】
第1ローラ102は、上記供給ローラ駆動軸60により駆動されるリール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。
【0045】
基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a(粘着材層)、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c(粘着材層)、剥離紙101d(剥離材)の順序で積層され構成されている。
【0046】
ベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、情報の送受信を行うアンテナ(タグ側アンテナ)152が一体的に設けられており、これに接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
【0047】
ベースフィルム101bの表側(図3中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0048】
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0049】
リボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記カートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。また第1ローラ102は、カートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記供給ローラ用モータ63(前述の図2参照)の駆動力が上記供給ローラ駆動軸60に伝達されることによって回転駆動される。
【0050】
なお、上記エアシリンダ62は、ピストン62aと、シリンダ本体62bとを備えており、シリンダ本体62bに内包されたピストン62aが電空レギュレータ65から供給される作動ガスによって進退されることにより、ピストン62aに連結された上記テンションアーム67を回動支点67aまわりに回動させ、これによってダンサローラ61の位置を変化させ基材テープ101の張力を制御するようになっている。
【0051】
上記構成のカートリッジ100において、上記第1ローラ102より繰り出された基材テープ101は、ダンサローラ61を経て、圧着ローラ107へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0052】
そして、カートリッジ100が上記装置本体8のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103が圧着ローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107が矢印B及び矢印Dで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12と上記サブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴い圧着ローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転する。一方、供給ローラ用モータ63の駆動力によって第1ローラ102が矢印Fで示す方向に回転駆動される。これらにより、第1ローラ102から基材テープ101が繰り出され、上述のように圧着ローラ107へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に印字R(後述の図7参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110として形成され、カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0053】
図4は、基材テープ101をその一方側の面(裏面)からみた詳細構造を表す図3中E方向からの矢視図である。
【0054】
図4において、基材テープ101の上記剥離紙101dには、各無線タグ回路素子Toに対応して、カッタ15による切断位置CLを位置決めするためのカットマークPM(位置決め識別子)が、無線タグ回路素子Toと略同数だけ設けられている。このとき、隣接するカットマークPMどうしの配置間隔は、無線タグ回路素子Toの配置間隔と略同一である。
【0055】
フォトセンサ19(図2参照)は、位置決め検出手段としてカットマークPMを検出し、テープ110の搬送とともに現れるカットマークPMを検出し、対応する検出信号を制御回路30へ入力する。
【0056】
図5は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図5において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
【0057】
送信部32は、制御回路30からの制御信号(搬送波発生指令信号)に応じ、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(この例では読み取り、後述の変形例では書き込みも含む)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波(無線タグ情報)を、制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定し増幅する可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯又はマイクロ波帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0058】
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅する受信第1アンプ43と、この受信第1アンプ43の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ42と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器49で位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を増幅する受信第2アンプ47と、この受信第2アンプ47の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ46とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
【0059】
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0060】
図6は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図6において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0061】
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部151の駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0062】
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置2のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
【0063】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0064】
図7(a)及び図7(b)は、上述のようにして無線タグ回路素子Toの情報書き込み及び印字済タグラベル用テープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図7(a)は上面図(すなわちカバーフィルム103側から見た図)、図7(b)は下面図(すなわち剥離紙101d側から見た図)である。また図8は、図7中VIII−VIII′断面による横断面図である。
【0065】
これら図7(a)、図7(b)、及び図8において、無線タグラベルTは、図3に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図8中上側)よりその反対側(図8中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。また剥離紙101dの表面には、上記カットマークPMが例えば印刷により設けられている。
【0066】
図9は、上述したようなタグラベル作成装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記した端末5又は汎用コンピュータ6に表示される画面の一例を表す図である。
【0067】
図9において、この例では、タグラベル種別、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有のIDであるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバ7に記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバ4におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が前記端末5又は汎用コンピュータ6に表示可能となっている。そして、タグ作成時に、その端末5又は汎用コンピュータ6の操作によりタグラベル作成装置2が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に予め記憶された物品情報等の無線タグ情報が読みとられる(又はIC回路部151に上記書き込みID及び物品情報等の情報が書き込まれる)。
【0068】
なお、上記においては、印刷動作に伴い搬送ガイド13を移動中の印字済タグラベル用テープ110に対してアクセスエリア内に保持してアクセス(読み取り又は書き込み)するようにした例を示したが、これに限られず、その印字済タグラベル用テープ110を所定位置で停止させて搬送ガイド13にて保持した状態で上記アクセスを行うようにしてもよい。
【0069】
また、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTのIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバ4に記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0070】
図10は、上述した無線タグラベルTの作成、すなわち、カバーフィルム103を搬送し印字ヘッド10で所定の印字を行いつつ基材テープ101を貼り合わせて印字済タグラベル用テープ110とした後印字済タグラベル用テープ110を無線タグ回路素子Toごとに切断し無線タグラベルTとする際に、制御回路30の上記搬送・通信制御部30Aによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0071】
この図10において、タグラベル作成装置2の読み取り操作が行われるとこのフローが開始される。まずステップS105において、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された、印字ヘッド10により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報が通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し読み込まれる。
【0072】
その後、ステップS110において、無線タグ回路素子Toからの応答がなく、リトライを行った回数(アクセス試行回数)をカウントする変数N、及び通信良好か不良かを表すフラグFを0に初期化する。
【0073】
そして、ステップS115において、カートリッジ駆動回路24及び供給ローラ駆動回路64に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23及び供給ローラ用モータ63の駆動力によってリボン巻取りローラ106、圧着ローラ107、及び第1ローラ102を回転駆動させる(なおこのときの第1ローラの回転速度は張力制御部30Bにおける後述の張力制御によって調整される)。これにより、第1ローラ102から基材テープ101が繰り出され圧着ローラ107へ供給され、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出される。またこのとき、印刷駆動回路25に制御信号を出力し、印字ヘッド10を通電して、カバーフィルム103のうち所定の領域(例えば基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面に貼り合わせることとなる領域)に、ステップS105で読み込んだ文字、記号、バーコード等の印字Rを印刷させる。さらに送出ローラ駆動回路29を介して送出ローラ用モータ28に制御信号を出力し、送出ローラ17を回転駆動させる。以上の結果、前述したように基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110として形成され、カートリッジ体100外方向へと搬送される。
【0074】
その後、ステップS120において、印字済タグラベル用テープ110が所定値(例えば、対応する印字が施されたカバーフィルム103が貼り合わされた無線タグ回路素子Toが搬送ガイド13に到達するだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定は、例えば、現在作成中のタグラベルT位置に先行するタグラベルT位置に設けられたテープ110のカットマークPMのフォトセンサ19による検出結果に基づき、パルスモータである上記カートリッジ用モータ23を駆動するカートリッジ駆動回路24の出力するパルス数をカウントすることによって行えばよい。判定が満たされたら、ステップS200に移る。
【0075】
ステップS200では、例えば、公知の方法で取得したタグID(全部又は一部)を指定してタグ情報読み取り処理を行い、読み込むための問いかけ信号(特定検索信号等)を無線タグ回路素子Toに送信し、無線タグ情報を含む返答信号を受信して読み込む(詳細は後述の図11参照)。なお、誤通信防止のための手段が別途用意されている等、混信の心配がなければ、タグIDを特定せず不特定検索信号又は探索信号を送信するようにしてもよい。このステップS200が終了したらステップS125に移る。
【0076】
ステップS125では、フラグF=0であるかどうかが判定される。読み取り処理が正常に完了していればF=0のまま(後述の図11に示すフローのステップS280参照)であるので、この判定が満たされ、ステップS130に移る。
【0077】
ステップS130では、上記ステップS200で無線タグ回路素子Toより読み取られた情報と、これに対応して既に印字ヘッド10により印字された印字情報との組み合わせを、入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し端末5又は汎用コンピュータ6を介して出力され、情報サーバ7やルートサーバ4に記憶される。なお、この記憶データは必要に応じて端末5又は汎用コンピュータ6より参照可能に例えばデータベース内に格納保持される。
【0078】
その後、カバーフィルム103のうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する領域への印字がすべて完了するまでステップS135の判断を繰り返し、印字終了後、ステップS140へ移る。
【0079】
なお、先に述べたステップS125において、何らかの理由で読み取り処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図11に示すフローのステップS280参照)のでS125の判定が満たされず、ステップS137に移り、印刷駆動回路25に制御信号を出力して印字ヘッド10を通電を中止し印字を停止させる。このように印字中途停止によって当該無線タグ回路素子Toが正常品でないことを明らかに表示するようにした後、ステップS140へ移る。
【0080】
ステップS140では、印字済タグラベル用テープ110がさらに搬送されて剥離紙101d上のカットマークPMを上記フォトセンサ19で検出したかどうかを判断する。判定が満たされたら、ステップS145に移る。
【0081】
ステップS145では、上記カットマークPMの検出に応じてカートリッジ駆動回路24、送出ローラ駆動回路29、供給ローラ駆動回路64に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23、送出ローラ用モータ28、供給ローラ用モータ63の駆動を停止して、リボン巻取りローラ106、圧着ローラ107、第1ローラ102、送出ローラ17の回転を停止する。これにより、第1ローラ102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び送出ローラ17による印字済タグラベル用テープ110の搬送が停止し、剥離紙101dに設けた上記切断ラインCLがちょうどカッタ105の刃物どうしの間に挟まれる位置となる(予めそのように基材テープ101や筐体9内機器配置が設定されている)。
【0082】
その後、ステップS150でソレノイド駆動回路27に制御信号を出力してソレノイド26を駆動し、カッタ15の上記刃物を用いて印字済タグラベル用テープ110を上記切断ラインCLにて切断(分断)する。前述したように、この時点で、例えば処理対象の無線タグ回路素子To及びこれに対応するカバーフィルム103の印字領域のすべてがカッタ15を十分に越えており、このカッタ15の切断によって、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
【0083】
その後、ステップS155に移り、送出ローラ用駆動回路29に制御信号を出力し、送出ローラ用モータ28の駆動を再開して、送出ローラ17を回転させる。これにより、送出ローラ17による搬送が再開されて上記ステップS150でラベル状に生成された無線タグラベルTが搬出口16へ向かって搬送され、さらに搬出口16から装置2外へと排出される。
【0084】
図11は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【0085】
図11において、まず、ステップS210において、前述したように公知の手法で予め特定した、通信対象となる(生成される無線タグラベルに内蔵される)無線タグ回路素子ToのタグID(タグIDの一部でも良い)が設定される。
【0086】
その後、ステップS220において、前述のステップS120で取得した当該無線タグ回路素子ToのタグIDの一部又は全部を指定して、無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll ID」コマンド(又は1つ以上の所定の無線タグ回路素子に応答を求める「Ping」コマンドでもよい)を信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Scroll ID」信号(又は「Ping」信号)が生成されて高周波回路21を介して当該タグIDを備えたアクセス対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。なお、前述したようにタグIDを特定する必要がない場合には、ステップS210は省略し、ステップS220で全ての無線タグ回路素子に応答を求める「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路22に出力して「Scroll All ID」信号を無線タグ回路素子Toに送信する。
【0087】
次に、ステップS230において、上記「Scroll ID」信号に対応し上記アクセス対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(物品情報等の無線タグ情報)をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0088】
次に、ステップS240において、上記ステップS230で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
【0089】
判定が満たされない場合はステップS250に移ってNに1を加え、さらにステップS260においてNが予め定められた所定のリトライ回数(この例では5回。それ以外の回数に適宜設定してもよい)となったかどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS270に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31に及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6に出力して読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS280で前述のフラグF=1にし、このフローを終了する。このようにして読み取りが不調でも所定回数(この例では5回)までは再試行が行われる。
【0090】
ステップS240の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このフローを終了する。
【0091】
以上のルーチンにより、カートリッジ100内のアクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、IC回路部151の無線タグ情報にアクセスしこれを読み出すことができる。また、IC回路部151の無線タグ情報が所定回数以内で正しく読み出せなかった場合には、無線タグ回路素子Toが破損していることが判るので、無線タグラベルが不良品でないかを判断することができる。
【0092】
本実施形態の要部は、上記した基本構成及び動作のタグラベル作成装置2において基材テープ101の張力制御を行う際、テンションアーム67の実回動角度(実張力)と目標回動角度(目標張力)との偏差を用いてエアシリンダ62でテンションアーム67を回動させることで、第1ロール102から繰り出される基材テープ101の張力制御を応答性よく行うことにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0093】
図12は、上記張力制御の概念を表す説明図である。
【0094】
図12において、角度センサ68(図2参照)で検出するテンションアーム67の回動角により検出される基材テープ101の張力が目標値よりも不足していた場合には、供給ローラ用モータ63による第1ローラ102の繰り出し方向への回転速度が相対的に遅くされる(言い換えれば相対的に−側への回転速度を与える)。また、電空レギュレータ65によるエアシリンダ62へのエアー圧が低く制御されてピストン62aがシリンダ本体62側に引き込まれ、テンションアーム67がテープ搬送経路をより外周側に膨らませるように回動する(図中「A」位置)。これらの結果、基材テープ101の張力は増大方向へと制御される。
【0095】
逆に、基材テープ101の張力が目標値よりも過大であった場合には、供給ローラ用モータ63による第1ローラ102の繰り出し方向への回転速度が相対的に速くされる(言い換えれば相対的に+側への回転速度を与える)。また、電空レギュレータ65によるエアシリンダ62へのエアー圧が高く制御されてピストン62aがシリンダ本体62側から押し出され、テンションアーム67がテープ搬送経路をより内周側に凹ませるように回動する。これらの結果、基材テープ101の張力は減少方向へと制御される。
【0096】
図13は、上記張力制御を行うための制御系を概念的に表す機能ブロック図である。図13において、例えばタグラベル作成時に、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して基材テープ101の目標張力値toが入力操作され、通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し制御回路30の張力制御部30Bへ読み込まれる。張力制御部30Bには、電圧変換演算部30Ba、減算部30Bb、モータ速度指令演算部30Bc、テンションエアー圧指令演算部30Bdが備えられており、上記目標張力toは電圧変換演算部30Baで対応するテンションアーム67の目標角度θoに変換された後、上記減算部30Bbに入力される。
【0097】
一方このとき、角度センサ68からは、検出された実際のテンションアーム67の回動角度(実角度)θがA/D変換された後に出力されており、この実角度θは減算部30Bbに入力される。減算部30Bbでは、前述の目標角度θoから実角度θを減算し、角度偏差△θを求める。この角度偏差△θは、モータ速度指令演算部30Bcとテンションエアー圧指令演算部30Bdとの両方に入力される。
【0098】
モータ速度指令演算部30Bcでは、上記角度偏差△θの微分項、比例項、積分項をそれぞれ算出して足し合わせる公知のPID制御演算(詳細は後述の図14参照)を実行し、これによって対応する供給モータ速度指令信号Vを生成する。この供給モータ速度指令信号Vは前述した供給ローラ駆動回路64にてD/A変換された後、駆動電流として供給ローラ用モータ63へ供給される。
【0099】
テンションエアー圧指令演算部30Bdでは、上記角度偏差△θに対し所定の演算処理(この例では線形変換、詳細は後述の図14参照)を実行し、これによって対応するテンションエアー圧指令信号Pを生成する。このテンションエアー圧指令信号Pは前述したレギュレータ駆動回路66にてD/A変換された後、駆動電流としてエアシリンダ62の電空レギュレータ65へ供給される。このように角度偏差△θに基づく第1ローラ102の回転速度制御及びテンションアーム67の回動制御によって、基材テープ101の張力制御が行われる。
【0100】
図14は、上記張力制御部30Bで実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0101】
図14において、まずステップS600において、電圧変換演算部30Baで、前述のように操作入力された基材テープ目標張力値toを元に、テンションアーム67の目標角度θoを算出する。その後、ステップS605に移り、上記角度センサ68からのテンションアーム67の実角度θを読み取る。
【0102】
そして、ステップS610において、上記減算部30Bbで、上記ステップS600で算出した目標角度θoと上記ステップS605で読み込んだ実角度θとの角度偏差△θ=θo−θを算出する。すなわち△θは符号を持っており、テンションアーム67が目標位置よりテープ搬送経路の内側にあるか外側にあるかかによって、後述するステップS630でエアー圧を基準値より強めるか弱めるかを決定する。
【0103】
その後、ステップS620に移り、モータ速度指令演算部30Bcで、ゲインkd,kp,kiを用いて、上記角度偏差△θの微分項kd×d△θ、比例項kp×△θ、積分項ki×∫△θをそれぞれ算出し、これらを足し合わせて供給モータ速度Vを演算する。
【0104】
そして、ステップS630で、テンションエアー圧指令演算部30Bdでは、上記角度偏差△θに対し、この例では線形変換演算、すなわち、Aをエアー圧調整ゲイン、Bを設定基準エアー圧(テンションアーム67が基準角度時のエアー圧)として、P=−A×△θ+Bによって、テンションエアー圧Pを演算する。
【0105】
その後、ステップS640に移り、上記ステップS620で演算した供給モータ速度指令信号Vを供給ローラ駆動回路64へ出力し、さらにステップS650で、上記ステップS630で演算したテンションエアー圧指令信号Pをレギュレータ駆動回路66へ出力し、このフローを終了する。
【0106】
以上において、信号処理回路22と高周波回路21の送信部32とが、各請求項記載の、IC回路部の情報にアクセスするためのアクセス情報(「Scroll ID」信号、「Ping 」信号、後述の「Program」信号、「Erase」信号、「Verify」信号等)を生成し、装置側アンテナを介してタグ側アンテナに送信し、IC回路部の情報へのアクセスを行う情報アクセス手段を構成する。また、制御回路30の張力制御部30Bが、繰り出されるテープの張力に基づき、進退アクチュエータを制御する進退制御手段を構成する。
【0107】
以上説明したように、本実施形態のタグラベル作成装置2においては、無線タグラベルTを作成する際には、基材テープ101と印字後のカバーフィルム103とが圧着ローラ107とサブローラ109とで圧着されて印字済みタグラベル用タグテープ110が生成され、さらに信号処理回路22及び高周波回路21で生成されたアクセス情報がアンテナ14を介し無線タグ回路素子Toのアンテナ152に送信され、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の情報へのアクセス(この例では情報の読み取り、後述の変形例では情報の書き込み)が行われる。これにより、例えばIC回路部151の記憶内容等を明示する印字を備えた無線タグラベルTを作成することができる。
【0108】
そして、このラベル作成のための基材テープ101の搬送時において、角度センサ68を介し検出されるテープの張力に応じて制御回路30の張力制御部30Bによってエアシリンダ62が制御され、テンションアーム67の進退に応じて基材テープ101の搬送方向との交差方向にダンサローラ61が進退する。そして、張力が過小のときにはダンサローラ61をテープ搬送路から外周方向に膨らむように移動させることで迅速に張力を増大でき、張力が過大のときにはダンサローラを上記テープ搬送路から外周方向への膨らみを減らすように移動させることで迅速に張力を減少できる。このように、張力が生じているテープ面方向に対して交差する方向の力を作用させて張力増減調整を図ることにより、供給ローラ(本実施形態では第1ローラ102)側の回転速度制御のみで張力の調整を行う場合に比べ、迅速に応答性よく張力調整を行うことができる。
【0109】
また、本実施形態では特に、角度センサ68でテープ張力をテンションアーム67の回動角度として検出し、そのテープ張力に応じてエアシリンダ62を進退駆動させることにより、確実に応答性よく張力調整を行うことができる。
【0110】
なお、本発明は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0111】
(1)異形状ローラを用いる場合
すなわち、図示を省略するが、例えば上記ダンサローラ61として、基材テープ101に当接するローラ本体(円胴状)が、上記無線タグ回路素子Toとの接触を回避するための凹部を備えるか、又は、軸方向に分割構造となっているものを用いてもよい。この場合、ダンサローラ61の上記ローラ本体が当接することで基材テープ101の無線タグ回路素子Toの耐久性に悪影響が生じるのを防止できる。
【0112】
(2)無線タグ回路素子に情報書き込みを行う場合
上記各実施形態においては、読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に情報の書き込みを行う無線タグの生成システムに適用してもよい。
【0113】
図15は、この変形例における制御回路30の搬送・通信制御部30Aで実行する制御手順を表すフローチャートであり、前述の図10に相当する図である。図10と同等の手順には同一の符号を付している。
【0114】
図15において、ステップS105Aで、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に書き込む情報と印字ヘッド10により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報が通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し読み込まれる。この手順が終了した後はステップS110Aに移り、前述の変数N及びフラグFに加え、さらに変数M(詳細は後述)を0に初期化する。
【0115】
その後、図10と同様のステップS115,S120を経て、ステップS200Aに移る。ステップS200Aでは、例えば、公知の方法で取得したタグID(全部又は一部)を指定してタグ情報を書き込むためのメモリ初期化(消去)を行った後、無線タグ情報を無線タグ回路素子Toに送信して書き込む(詳細は後述の図16参照)。このステップS200Aが終了したら図10と同様、ステップS125に移る。
【0116】
ステップS125では、図10と同様にフラグF=0であるかどうかが判定され、この判定が満たされたら、ステップS130Aに移る。
【0117】
ステップS130Aでは、上記ステップS200Aで無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド10により印字された印字情報との組み合わせが、入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し端末5又は汎用コンピュータ6を介して出力され、図10のステップS130と同様に例えばルートサーバ4に記憶される。なお、この記憶データは必要に応じて端末5又は汎用コンピュータ6より参照可能に格納保持される。
【0118】
以降の手順は図10と内容は実質同様であるので、説明を省略する。
【0119】
図16は、上述のステップS200Aの詳細手順を表すフローチャートである。
【0120】
この図16において、まず、ステップS310において、前述したように公知の手法で予め特定した、通信対象となる(生成される無線タグラベルに内蔵される)無線タグ回路素子ToのタグID(タグIDの一部でも良い)が設定される。
【0121】
その後、ステップS320において、上記タグID(全部又は一部)を指定して無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Erase」信号が生成されて高周波回路21を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157を初期化する。
【0122】
次に、ステップS330において、上記同様にメモリ部157の内容を確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS340において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0123】
次に、ステップS350において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
【0124】
判定が満たされない場合はステップS360に移ってMに1を加え、さらにステップS370においてMが予め定められた所定のリトライ回数(この例では5回。それ以外の回数に適宜設定してもよい)となったかどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS320に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS380に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせる。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。ステップS380が終了すると、ステップS385に移る。ステップS385では、前述のフラグF=1にし、ステップS460に移る。
【0125】
一方、ステップS350の判定が満たされた場合、ステップS390に移り、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された無線タグ回路素子ToのIC回路部151に書き込む情報を含むアクセス情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157に、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された情報が書き込まれる。
【0126】
その後、ステップS400において、「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき上記同様信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS410において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0127】
次に、ステップS420において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
【0128】
判定が満たされない場合はステップS430に移ってNに1を加え、さらにステップS440においてNが予め定められた所定のリトライ回数(この例では5回。それ以外の回数に適宜設定してもよい)となったかどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS390に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS380に移り、同様に上記端末5又は汎用コンピュータ6に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS385で前述のフラグF=1にし、このフローを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
【0129】
一方、ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS450に移り、「Lock」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で上記同様に沿って「Lock」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みが禁止される。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了し、前述のようにして無線タグ回路素子Toが排出される。ステップS450が終了したら、このフローを終了する。
【0130】
以上のルーチンにより、カートリッジ100内のアクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、IC回路部151に所望の情報を書き込みことができる。
【0131】
以上のようにして、本変形例においては、無線タグ情報の書き込みを行う無線タグ生成システムにおいて、上記実施形態とほぼ同様の効果を得る。
【0132】
なお、以上で用いた「Scroll
ID」信号、「Ping」信号、「Scroll All ID」信号」、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0133】
本発明の第2の実施形態を図17〜図23により説明する。本実施形態は、本発明によるテープ供給装置を、前述した積層構造を備えた基材テープの製造装置(小巻装置)に適用した場合の実施形態である。第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0134】
図17は、上記本実施形態のテープ供給装置を備えた基材テープ製造装置の全体概略構造を表す概念図である。図17において、この基材テープ製造装置は、第1テープ200A(詳細構造は後述)と第2テープ200B(詳細構造は後述)とを貼り合わせ、かつその張り合わせるそれら2つのテープの間に無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTgを挿入することにより、上記第1の実施形態の基材テープ101に対応する基材テープ210を作成するようになっている。
【0135】
すなわち、基材テープ製造装置は、上記第1テープ200Aが巻回された第1テープ巻き出しローラ211(供給ローラ)と、この第1テープ巻き出しローラを駆動する第1テープ巻き出しローラ駆動モータ212(供給ローラ駆動手段)と、上記第2テープ200Bが巻回された第2テープ巻き出しローラ213(供給ローラ)と、この第2テープ巻き出しローラを駆動する第2テープ巻き出しローラ駆動モータ214(供給ローラ駆動手段)と、上記第1及び第2テープ巻き出しローラ211,213から繰り出された第1テープ200A及び第2テープ200Bを張り合わせたテープのうち、セパレータ209(剥離材層、詳細は後述)を除く他の層からなる上記基材テープ210を巻き取る基材テープ巻取ローラ215(巻取ローラ)と、この基材テープ巻取ローラ215を駆動する基材テープ巻取ローラ駆動モータ216(巻取ローラ駆動手段)と、上記セパレータ209を巻き取るセパレータ巻取ローラ217(巻取ローラ)と、このセパレータ巻取ローラ217を駆動するセパレータ巻取ローラ駆動モータ218(巻取ローラ駆動手段)と、上記第1及び第2テープ200A,200Bのテープ搬送経路に沿って上記巻き出しローラ211,213と上記巻取ローラ215,217との間に設けられ、上記第1及び第2巻き出しローラ211,213から上記第1及び第2テープ200A,200Bを繰り出すためにそれらテープ200A,200Bに駆動力を付与する搬送ローラ219A(駆動側)及び219B(従動側)と、駆動側搬送ローラ219Aを駆動する搬送ローラ駆動モータ220(搬送ローラ駆動手段、繰り出し駆動手段)と、第1テープ200Aのテープ搬送経路に沿って第1テープ巻き出しローラ211と搬送ローラ219A,219Bとの間に設けられ、繰り出される第1テープ200Aのテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第1ダンサローラ221(張力調整ローラ)と、上記第1テープ200Aに基づき生成された基材テープ210のテープ搬送経路に沿って搬送ローラ219A,219Bと基材テープ巻取ローラ215との間に設けられ、基材テープ210のテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第2ダンサローラ222(張力調整ローラ)と、第2テープ200Bのテープ搬送経路に沿って第2テープ巻き出しローラ213と搬送ローラ219A,219Bとの間に設けられ、繰り出される第2テープ200Bのテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第3ダンサローラ223(張力調整ローラ)と、上記第2テープ200Bに基づき生成されたセパレータ209のテープ搬送経路に沿って搬送ローラ219A,219Bとセパレータ巻取ローラ217との間に設けられ、基材テープ210のテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第4ダンサローラ224(張力調整ローラ)と、上記第1〜第4ダンサローラ221〜224をそれぞれ上記交差方向(この例ではテープ搬送路と直交方向)に進退させるエアシリンダ262A,262B,262C,262D(進退アクチュエータ)と、上記第1テープ巻き出しローラ211から繰り出された第1テープ200A及び上記第2テープ巻き出しローラ213から繰り出された第2テープ200Bとを押圧し貼り合わせる貼り合わせローラ225A,225Bと、この貼り合わせローラ225A,225Bによって貼り合わせられる第1テープ200A及び第2テープ200Bの間に、情報を記憶するIC回路部151とこのIC回路部151に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナ152とを備えた無線タグ回路素子Toを含む無線タグTgを、所定間隔で取り付けるタグ挿入器226(タグ取り付け手段)と、上記基材テープ210を所定長さに切断するためのカッタ227と、コントローラ230と、搬送ローラ219A,219Bの上記テープ搬送方向下流側に、その搬送経路(図17中水平方向)に臨むように(この例ではテープの図示上側の面に正対するように)設けられ、対応する検出信号を制御回路230へ入力するフォトセンサ228と、カッタ227の上記基材テープ210の搬送方向下流側に、その搬送経路(図17中水平方向)に臨むように(この例ではテープの図示下側の面に正対するように)設けられ、対応する検出信号を制御回路230へ入力するフォトセンサ229と、前述した第1テープ巻き出しローラ駆動モータ212の駆動制御を行う第1テープ巻き出しローラ駆動回路231と、前述した第2テープ巻き出しローラ駆動モータ214の駆動制御を行う第2テープ巻き出しローラ駆動回路232と、前述した基材テープ巻取ローラ駆動モータ216の駆動制御を行う基材テープ巻取ローラ駆動回路233と、前述したセパレータ巻取ローラ駆動モータ218の駆動制御を行うセパレータ巻取ローラ駆動回路234と、前述した搬送ローラ駆動モータ220の駆動制御を行う搬送ローラ駆動回路235と、上記カッタ227を駆動して切断動作を行わせるソレノイド236と、そのソレノイド236を制御するソレノイド駆動回路237と、コントローラ230から入力された電気信号に応じた開度に制御される開閉弁(図示せず)を備え、図示しない気体源からの気体を上記電気信号に対応した圧力の作動ガスとしてエアシリンダ262A,262B,262C,262Dへとそれぞれ供給する電気−空気変換手段として機能する電空レギュレータ265A,265B,265C,265Dと、上記電空レギュレータ265A,265B,265C,265Dの上記開閉弁をそれぞれ制御するレギュレータ駆動回路266A,266B,266C,266Dと、上記ダンサローラ221,222,223,224をその先端部に回転可能に支持し、上記エアシリンダ262A,262B,262C,262Dによって回動支点周りに回動可能なテンションアーム267A,267B,267C,267D(アーム部材)と、この例では上記回動支点近傍に設けられ、上記テンションアーム267A,267B,267C,267Dの角度を検出することで対応するテープ200A,210,200B,209の張力をそれぞれ検出する角度センサ268A,268B,268C,268D(検出手段)とを有する。
【0136】
第1テープ巻き出しローラ211は、上記第1テープ巻き出しローラ駆動モータ212により駆動されるリール部材211aの周りに、第1テープ200Aが巻回されている。同様に、第2テープ巻き出しローラ213は、上記第2テープ巻き出しローラ駆動モータ214により駆動されるリール部材213aの周りに、第2テープ200Bが巻回されている。また、基材テープ巻取ローラ215は、リール部材215aが上記基材テープ巻取ローラ駆動モータ216により駆動されることにより、基材テープ210がその周りに巻回される。同様に、セパレータ巻取ローラ217は、リール部材217aが上記セパレータ巻取ローラ駆動モータ218により駆動されることにより、セパレータ209がその周りに巻回される。
【0137】
上記エアシリンダ262A〜Dのそれぞれは、ピストン262aと、シリンダ本体262bとを備えており、シリンダ本体262bに内包されたピストン262aが電空レギュレータ265A〜Dからそれぞれ供給される作動ガスによって進退されることにより、ピストン262aに連結された上記テンションアーム267A〜Dを回動支点まわりに回動させ、これによってダンサローラ221,222,223,224の位置を変化させテープ200A,210,200B,209の張力を制御するようになっている。
【0138】
なお進退アクチュエータとして、エアシリンダ62に代えてソレノイドの電磁力を用いた直接駆動や、電動モータ(リニアモータ、パルスモータを含む各種モータ)等を用いてもよい。
【0139】
コントローラ230は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。そして、このコントローラ230には、機能的構成として、主としてテープ搬送制御及びタグ挿入制御を行う搬送・挿入制御部230Aと、上記テープ搬送時におけるテープ張力制御を行う張力制御部230Bとが備えられている。
【0140】
上記構成において、主として搬送ローラ219A,219Bの搬送駆動力により、第1テープ200Aが上記第1テープ巻き出しローラ211より繰り出され、ダンサローラ221を経て、貼りあわせローラ225A,225Bへと供給される。同様に、第2テープ巻き出しローラ213より繰り出された第2テープ200Bも、ダンサローラ223を経て、貼りあわせローラ225A,225Bへと供給される。そしてこれら第1テープ200A及び第2テープ200Bが貼りあわせローラ225A,225Bで貼りあわされるとき、それら第1テープ200A及び第2テープ200Bの間にタグ挿入器226により無線タグTgが順次挿入される。なお、このタグ挿入は、所定の挿入箇所(例えば等間隔配置)になったら第1テープ200A及び第2テープ200Bの搬送駆動を停止して挿入を行う、いわゆる間欠搬送駆動方式となっている(このときの位置決めはセンサ228の検出信号に応じて制御する。詳細は後述)。
【0141】
このようにして貼り合わされさらにタグが挿入されたテープは、搬送ローラ219A,219Bの下流側に位置するローラ240A,240Bにおいて、第2テープ200Bに備えられていた剥離紙200Bdからなる剥離紙(セパレータ)209と、それ以外の部分からなる基材テープ210とに分離される。基材テープ210は基材テープ巻取ローラ215に巻き取られていき、所定の長さになったらカッタ227によって切断を行う(このときの位置決めはセンサ229の検出信号に応じて制御する。詳細は後述)。一方、セパレータ209は、セパレータ巻取ローラ217によって巻き取られ回収される。以上の結果、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ210が基材テープ巻取ローラ215に巻回されることとなる。
【0142】
図18(a)は、第1テープ200Aの詳細断面構造を表す図17中P−P断面による横断面図である。第1テープ200Aは、この例では4層構造となっており、第1テープ巻き出しローラ211の外側に巻かれる側(図18(a)中下側)よりその反対側(図18(a)中上側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着材層200Aa、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのテープ基材層(ベースフィルム)200Ab、適宜の粘着材からなる粘着材層200Ac、剥離紙200Ad(剥離材層)の順序で積層され構成されている。なお、この剥離紙200Adは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着材層200Acにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0143】
図18(b)は、無線タグTgの詳細断面構造を表す図17中Q−Q断面による横断面図である。図18(b)において、無線タグTgは、略シート状のタグ基材160と、このタグ基材160の裏側(図18(a)中下側)に設けられ、情報の送受信を行うアンテナ(タグ側アンテナ)152と、このアンテナ152に接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151(図示せず)を備えたICチップ保持部材161とを備えている。なお、上記アンテナ152及びIC回路部151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。
【0144】
図18(c)は、第2テープ200Bの詳細断面構造を表す図17中R−R断面による横断面図である。第2テープ200Bは、この例では4層構造となっており、外側に巻かれる側(図18(c)中上側)よりその反対側(図18(c)中下側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着材層200Ba、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム(テープ基材層)200Bb、適宜の粘着材からなる粘着材層200Bc、剥離紙(セパレータ)200Bd(剥離材層)の順序で積層され構成されている。なお、この剥離紙200Bdは、最終的に上記セパレータ巻取ローラ217によって巻き取られる。
【0145】
図19は、上記のようにして作成された基材テープ210の詳細断面構造を表す図17中S−S断面による横断面図である。基材テープ210は、上記4層構造の第1テープ200Aと4層構造の第2テープ200Bとの間に無線タグTgが挿入配置された後、前述のように剥離紙200Baがセパレータ巻取ローラ217で巻き取られて除去されることでこの例では10層構造となっている。すなわち、基材テープ巻取ローラ215の内側に巻かれる側(図19中上側)よりその反対側(図19中下側)へ向かって、上記剥離紙200Ad、粘着材層200Ac、ベースフィルム200Ab、粘着材層200Aa、タグ基材160、アンテナ152、ICチップ保持部材161、粘着材層200Ba、テープ基材層200Bb、粘着材層200Bcの順序で積層され構成されている。
【0146】
図20は、上述したコントローラ230の搬送・挿入制御部230Aで実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0147】
この図20において、まずステップS505において、図示しない操作手段等を介し入力された基材テープの作成開始の旨の操作信号に応じ、テープ駆動を開始する。すなわち、搬送ローラ駆動回路235に制御信号を出力し、搬送ローラ駆動モータ220の駆動力によって第1テープ200A、第2テープ200Bを第1テープ巻き出しローラ211及び第2テープ巻き出しローラ213から繰り出し駆動させる。なおこのとき併せて、第1及び第2テープ巻き出しローラ駆動回路231,232と基材テープ巻取ローラ駆動回路233及びセパレータ巻取ローラ駆動回路234にも制御信号が出力され、第1及び第2テープ巻き出しローラ駆動モータ212,213と基材テープ巻取ローラ駆動モータ216及びセパレータ巻取ローラ駆動モータ218も駆動されて、対応する各テープの張力制御が行われるが、その張力制御値は張力制御部230Bによって制御される(詳細は後述)。これにより、第1テープ巻き出しローラ211から第1テープ200Aが繰り出されるとともに第2テープ巻き出しローラ213から第2テープ200Bが繰り出されて、貼りあわせローラ225A,225Bで張り合わされて一体化され、搬送ローラ219A,219B側へと搬送される。
【0148】
その後ステップS510に移り、上記のようにして搬送されるテープが無線タグTgの貼りあわせ位置になったかどうかを判定する。このときの判定は、前述した第1テープ200Aの表面の所定箇所に例えば等ピッチで設けられたマーク(識別子)のフォトセンサ228による検出結果に基づき、例えばパルスモータである上記搬送ローラ駆動モータ220を駆動する搬送ローラ駆動回路235の出力するパルス数をカウントすることによって行えばよい。判定が満たされたら、ステップS515に移る。
【0149】
ステップS515では、搬送ローラ駆動回路235に再び制御信号を出力し、搬送ローラ駆動モータ220の駆動を停止させて第1テープ巻き出しローラ211及び第2テープ巻き出しローラ213からの第1テープ200A、第2テープ200Bの繰り出し駆動を停止させる(なおこのとき、第1及び第2テープ巻き出しローラ駆動モータ212,213と基材テープ巻取ローラ駆動モータ216及びセパレータ巻取ローラ駆動モータ218については上記張力制御によって自動的に駆動停止することとなる。詳細は後述)。
【0150】
このような(所定のタグ挿入位置において)テープ駆動が停止した状態で、その後のステップS520において、タグ挿入器226に制御信号を出力し、前述したIC回路部151及びアンテナ152からなる無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTgを挿入する。その後、ステップS525に移り、ステップS505と同様、搬送ローラ駆動回路235に制御信号を出力し、搬送ローラ駆動モータ220の駆動力によって第1テープ200A、第2テープ200Bの搬送駆動を再開する。
【0151】
その後ステップS530に移り、基材テープ巻取ローラ215で巻き取られていく基材テープ210が、所定の巻取終了位置に達したかどうかを判定する。具体的には、上述のようにして所定の等間隔にて無線タグTが挿入されつつローラ240A,240Bにおいてセパレータ209と分離され基材テープ巻取ローラ215で巻き取られていく基材テープ210のうち、例えば剥離紙200Adの所定の箇所に予め設けられていた巻取終了位置を表す適宜のマーク(識別子)をカッタ227下流のフォトセンサ229で検出したかどうかによって判定を行う。通常の巻取開始直後はこの判定が満たされず、ステップS510に戻って同様の手順を繰り返す。
【0152】
上記のようにしてステップS510→ステップS515→ステップS520→ステップS525→ステップS530→ステップS510→…と繰り返し、基材テープ巻取ローラ215で巻き取られた基材テープ210が所定の量(長さ、巻き数等)に達して上記剥離紙200Adの巻取終了位置を表すマーク(識別子)がフォトセンサ229で検出されたら、判定が満たされ、ステップS535に移る。
【0153】
ステップS535では、上記ステップS515と同様、搬送ローラ駆動回路235に再び制御信号を出力し、搬送ローラ駆動モータ220の駆動を停止させて第1テープ巻き出しローラ211及び第2テープ巻き出しローラ213からの第1テープ200A、第2テープ200Bの繰り出し駆動を停止させる。
【0154】
その後、ステップS540に移り、ソレノイド駆動回路237に制御信号を出力してソレノイド236を駆動し、カッタ227を用いて基材テープ210を切断(分断)する。これにより、所定の長さの基材テープ210が巻回されたロールが完成する。
【0155】
本実施形態の要部は、上記した基本構成及び動作の基材テープ製造装置において第1テープ200A、第2テープ200B、基材テープ210、セパレータ209の張力制御を行う際、上記第1実施形態と同様、テンションアーム267A〜Dの実回動角度(実張力)と目標回動角度(目標張力)との偏差を用いてエアシリンダ262A〜Dでテンションアーム267A〜Dを回動させることで、上記各テープ200A,200B,209,210の張力制御を応答性よく行うことにある。
【0156】
図21(a)(b)は、上記張力制御の概念を表す説明図であり、上記第1の実施形態の図12に対応する図である。
【0157】
図21(a)は第1及び第2テープ巻き出しローラ211,213側における張力制御挙動を表しており、角度センサ268A,268C(図17参照)で検出するテンションアーム267A,267Cの回動角により検出される第1又は第2テープ200A,200Bの張力が目標値よりも不足していた場合には、第1又は第2テープ巻き出しローラ駆動モータ212,214による第1又は第2テープ巻き出しローラ211,213の繰り出し方向への回転速度が相対的に遅くされる(言い換えれば相対的に−側への回転速度を与える)。また、電空レギュレータ265A,265Cによるエアシリンダ262A,262Cへのエアー圧が高く制御されてピストン262aがシリンダ本体262b側から突出され、テンションアーム267A,267Cがテープ搬送経路をより外周側に膨らませるように回動する(図中「A」位置)。これらの結果、第1又は第2テープ200A,200Bの張力は増大方向へと制御される。
【0158】
逆に、第1又は第2テープ200A,200Bの張力が目標値よりも過大であった場合には、第1又は第2テープ巻き出しローラ駆動モータ212,214による第1又は第2テープ巻き出しローラ211,213の繰り出し方向への回転速度が相対的に速くされる(言い換えれば相対的に+側への回転速度を与える)。また、電空レギュレータ265A,265Cによるエアシリンダ262A,262Cへのエアー圧が低く制御されてピストン262aがシリンダ本体262側へと引き込まれ、テンションアーム267A,267Cがテープ搬送経路をより内周側に凹ませるように回動する(図中「B」位置)。これらの結果、第1又は第2テープ200A,200Bの張力は減少方向へと制御される。
【0159】
一方、図21(b)は基材テープ巻取ローラ215及びセパレータ巻取ローラ217側における張力制御挙動を表しており、角度センサ268B,268D(図17参照)で検出するテンションアーム267B,267Dの回動角により検出される基材テープ210又はセパレータ209の張力が目標値よりも不足していた場合には、基材テープ巻取ローラ駆動モータ216又はセパレータ巻取ローラ駆動モータ218による基材テープ巻取ローラ215又はセパレータ巻取ローラ217による巻取方向への回転速度が相対的に速くされる(言い換えれば相対的に+側への回転速度を与える)。また、電空レギュレータ265B,265Dによるエアシリンダ262B,262Dへのエアー圧が高く制御されてピストン262aがシリンダ本体262b側から突出され、テンションアーム267B,267Dがテープ搬送経路をより外周側に膨らませるように回動する(図中「C」位置)。これらの結果、基材テープ210又はセパレータ209の張力は増大方向へと制御される。
【0160】
逆に、基材テープ210又はセパレータ209の張力が目標値よりも過大であった場合には、基材テープ巻取ローラ駆動モータ216又はセパレータ巻取ローラ駆動モータ218による基材テープ巻取ローラ215又はセパレータ巻取ローラ217による巻取方向への回転速度が相対的に遅くされる(言い換えれば相対的に−側への回転速度を与える)。また、電空レギュレータ265B,265Dによるエアシリンダ262B,262Dへのエアー圧が低く制御されてピストン262aがシリンダ本体262側へと引き込まれ、テンションアーム267A,267Cがテープ搬送経路をより内周側に凹ませるように回動する(図中「D」位置)。これらの結果、基材テープ210又はセパレータ209の張力は減少方向へと制御される。
【0161】
図22は、上記張力制御を行うための制御系を概念的に表す機能ブロック図であり、上記第1実施形態の図13に相当する図である。図22において、例えば基材テープ210の製造開始時に、図示しない操作手段等を介し入力された各テープ(第1テープ200A、第2テープ200B、基材テープ210、セパレータ209)の目標張力値toが入力操作され、コントローラ230の張力制御部230Bへ読み込まれる。張力制御部230Bには、上記同様、電圧変換演算部230Ba、減算部230Bb、モータ速度指令演算部230Bc、テンションエアー圧指令演算部230Bdが備えられており、上記目標張力toは電圧変換演算部230Baで各テープに対応するテンションアーム267A〜Dの目標角度θoに変換された後、上記減算部230Bbに入力される。
【0162】
一方このとき、各テープに対応する角度センサ268A〜Dからは、検出された実際のテンションアーム267A〜Dの回動角度(実角度)θがそれぞれA/D変換された後に出力されており、この実角度θは減算部230Bbに入力される。減算部230Bbでは、前述の各目標角度θoから各実角度θをそれぞれ減算し、角度偏差△θを求める。この角度偏差△θは、モータ速度指令演算部230Bcとテンションエアー圧指令演算部230Bdとの両方に入力される。
【0163】
モータ速度指令演算部230Bcでは、上記角度偏差△θの微分項、比例項、積分項をそれぞれ算出して足し合わせる公知のPID制御演算(詳細は後述の図23参照)を実行し、これによって対応する各モータ(第1テープ巻き出しローラ駆動モータ212、第2テープ巻き出しローラ駆動モータ214、基材テープ巻取ローラ駆動モータ216、セパレータ巻取ローラ駆動モータ218)へのモータ速度指令信号Vを生成する。この供給モータ速度指令信号Vは前述した各モータの駆動回路(第1テープ巻き出しローラ駆動回路231、第2テープ巻き出しローラ駆動回路232、基材テープ巻取ローラ駆動回路233、セパレータ巻取ローラ駆動回路234)にてD/A変換された後、駆動電流として各ローラ用モータ212,214,216,218へそれぞれ供給される。
【0164】
テンションエアー圧指令演算部230Bdでは、上記角度偏差△θに対し所定の演算処理(この例では線形変換、詳細は後述の図23参照)を実行し、これによって対応する各モータ(第1テープ巻き出しローラ駆動モータ212、第2テープ巻き出しローラ駆動モータ214、基材テープ巻取ローラ駆動モータ216、セパレータ巻取ローラ駆動モータ218)に関わるテンションエアー圧指令信号Pをそれぞれ生成する。このテンションエアー圧指令信号Pは前述したレギュレータ駆動回路266A〜DにてそれぞれD/A変換された後、駆動電流として対応するエアシリンダ262A〜Dの電空レギュレータ265A〜Dへそれぞれ供給される。このように角度偏差△θに基づく各ローラ211,213,215,217の回転速度制御及びテンションアーム267A〜Dの回動制御によって、各テープ200A,200B,210,209の張力制御が行われる。
【0165】
図23は、上記張力制御部230Bで実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記第1の実施形態の図14に相当する図である。
【0166】
図23において、まずステップS700において、上記図14のステップS600と同様、電圧変換演算部230Baで、前述のように操作入力された基材テープ目標張力値toを元に、テンションアーム267A〜Dそれぞれの目標角度θoを算出する。その後、ステップS705に移り、ステップS605と同様、上記角度センサ268A〜Dからのテンションアーム267A〜Dそれぞれの実角度θを読み取る。
【0167】
そして、ステップS710において、上記ステップS610と同様、上記減算部230Bbで、上記ステップS700で算出した目標角度θoと上記ステップS705で読み込んだ実角度θとの角度偏差△θ=θo−θをそれぞれ算出する。この場合の△θも上記第1の実施形態と同様、符号を持っており、テンションアーム267A〜Dがそれぞれ目標位置よりテープ搬送経路の内側にあるか外側にあるかかによって、後述するステップS730でエアー圧を基準値より強めるか弱めるかを決定する。
【0168】
その後、ステップS720に移り、第1の実施形態のステップS620と同様、モータ速度指令演算部230Bcで、ゲインkd,kp,kiを用いて、上記角度偏差△θの微分項kd×d△θ、比例項kp×△θ、積分項ki×∫△θをそれぞれ算出し、これらを足し合わせて各モータ212,214,216,218のモータ速度Vをそれぞれ演算する。
【0169】
そして、ステップS730で、上記ステップS630と同様、テンションエアー圧指令演算部230Bdで、上記角度偏差△θに対し、この例では線形変換演算、すなわち、Aをエアー圧調整ゲイン、Bを設定基準エアー圧(テンションアーム267A〜Dが基準角度時のエアー圧)として、P=−A×△θ+Bによって、テンションエアー圧Pを演算する。
【0170】
その後、ステップS740に移り、上記ステップS720で演算したモータ速度指令信号Vを各モータ212,214,216,218に対応した駆動回路231,232,233,234へ出力し、さらにステップS750で、上記ステップS730で演算したテンションエアー圧指令信号Pをレギュレータ駆動回路66へ出力し、このフローを終了する。
【0171】
以上において、コントローラ230の張力制御部230Bが、繰り出されるテープの張力に基づき、進退アクチュエータを制御する進退制御手段を構成し、搬送・挿入制御部230Aが、無線タグ回路素子を取り付ける位置となったときにテープの搬送を停止して当該取り付けを行い、取り付け終了後にはテープの搬送を再開するように、搬送ローラ駆動手段及びタグ取り付け手段を連携制御する連携制御手段を構成する。
【0172】
以上説明したように、本実施形態の基材テープ製造装置においては、基材テープ210の製造時には、主として搬送ローラ219A,219Bの搬送駆動力により、第1テープ200Aが上記第1テープ巻き出しローラ211より繰り出され貼りあわせローラ225A,225Bへと供給される。同様に、第2テープ巻き出しローラ213より繰り出された第2テープ200Bも貼りあわせローラ225A,225Bへと供給される。そしてこれら第1テープ200A及び第2テープ200Bが貼りあわせローラ225A,225Bで貼りあわされるとき、それら第1テープ200A及び第2テープ200Bの間にタグ挿入器226により無線タグTgが順次挿入される。そして、このような多層積層構造のテープが搬送ローラ219A,219Bよりさらに下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいて剥離紙(セパレータ)209が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210が基材テープ巻取ローラ215に巻き取られる。これにより、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープ210を製造することができる。
【0173】
そして、このラベル作成のための第1テープ200A、第2テープ200B、基材テープ210、セパレータ209の搬送時において、角度センサ268A〜Dを介し検出されるテープの張力に応じてコントローラ230の張力制御部230Bによってエアシリンダ262A〜Dが制御され、テンションアーム267A〜Dの進退に応じて各テープ200A,200B,210,209の搬送方向との交差方向にダンサローラ221,222,223,224が進退する。そして、張力が過小のときには各ダンサローラ221,222,223,224をテープ搬送路から外周方向に膨らむように移動させることで迅速に張力を増大でき、張力が過大のときには各ダンサローラ221,222,223,224を上記テープ搬送路から外周方向への膨らみを減らすように移動させることで迅速に張力を減少できる。このように、張力が生じているテープ面方向に対して交差する方向の力を作用させて張力増減調整を図ることにより、供給ローラ(本実施形態では第1テープ巻き出しローラ211や第2テープ巻き出しローラ213)側の回転速度制御のみで張力の調整を行う場合に比べ、迅速に応答性よく張力調整を行うことができる。
【0174】
また、本実施形態では特に、上記第1実施形態と同様、角度センサ268A〜Dでテープ張力をテンションアーム267A〜Dの回動角度として検出し、そのテープ張力に応じてエアシリンダ262A〜Dを進退駆動させることにより、確実に応答性よく張力調整を行うことができる。
【0175】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の第1の実施形態のテープ供給装置を備えたタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である
【図2】タグラベル作成装置の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図3】カートリッジの詳細構造を説明するための説明図である。
【図4】基材テープをその一方側の面からみた詳細構造を表す図3中E方向からの矢視図である。
【図5】高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図6】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図7】無線タグラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図8】図7中VIII−VIII′断面による横断面図である。
【図9】端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。
【図10】制御回路の搬送・通信制御部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図11】図10のステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図12】張力制御の概念を表す説明図である。
【図13】張力制御を行うための制御系を概念的に表す機能ブロック図である。
【図14】張力制御部で実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図15】無線タグ回路素子に情報書き込み変形例における制御回路の搬送・通信制御部で実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図16】図15に示したステップS200Aの詳細手順を表すフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施形態のテープ供給装置を備えた基材テープ製造装置の全体概略構造を表す概念図である。
【図18】第1テープの詳細断面構造を表す図17中P−P断面による横断面図、無線タグの詳細断面構造を表す図17中Q−Q断面による横断面図、第2テープの詳細断面構造を表す図17中R−R断面による横断面図である。
【図19】基材テープの詳細断面構造を表す図17中S−S断面による横断面図である。
【図20】コントローラの搬送・挿入制御部で実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図21】図21(a)(b)は、上記張力制御の概念を表す説明図である。
【図22】張力制御を行うための制御系を概念的に表す機能ブロック図である。
【図23】張力制御部で実行される制御手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0177】
2 タグラベル作成装置
9 筐体
10 印字ヘッド(印字手段)
12 圧着ローラ駆動軸(繰り出し駆動手段)
14 アンテナ(装置側アンテナ)
15 カッタ(切断手段)
19 フォトセンサ
21 高周波回路
22 信号処理回路(情報アクセス手段)
30 制御回路
30B 張力制御部(進退制御手段)
32 送信部(情報アクセス手段)
60 供給ローラ駆動軸(供給ローラ駆動手段)
61 ダンサローラ(張力調整ローラ)
62 エアシリンダ(シリンダ手段、進退アクチュエータ)
65 電空レギュレータ
67 テンションアーム(アーム部材)
68 角度センサ(検出手段)
100 カートリッジ
101 基材テープ(テープ、タグテープ)
102 第1ローラ(供給ローラ)
151 IC回路部
152 アンテナ(タグ側アンテナ)
209 セパレータ(剥離材層)
211 第1テープ巻き出しローラ(供給ローラ)
212 第1テープ巻き出しローラ駆動モータ(供給ローラ駆動手
段)
213 第2テープ巻き出しローラ(供給ローラ)
214 第2テープ巻き出しローラ駆動モータ(供給ローラ駆動手
段)
215 基材テープ巻取ローラ(巻取ローラ)
216 基材テープ巻取ローラ駆動モータ(巻取ローラ駆動手段)
217 セパレータ巻取ローラ(巻取ローラ)
218 セパレータ巻取ローラ駆動モータ(巻取ローラ駆動手段)
219A,B 搬送ローラ
220 搬送ローラ駆動モータ(搬送ローラ駆動手段、繰り出し駆
動手段)
221 第1ダンサローラ(張力調整ローラ)
222 第2ダンサローラ(張力調整ローラ)
223 第3ダンサローラ(張力調整ローラ)
224 第4ダンサローラ(張力調整ローラ)
226 タグ挿入器(タグ取り付け手段)
230 コントローラ
230A 搬送・挿入制御部
230B 張力制御部(進退制御手段)
262A〜D エアシリンダ(進退アクチュエータ)
265A〜D 電空レギュレータ
267A〜D テンションアーム(アーム部材)
268A〜D 角度センサ(検出手段)
CL 切断位置
PM カットマーク(位置決め識別子)
T 無線タグラベル(印字ラベル)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープが巻回された供給ローラと、
この供給ローラを駆動する供給ローラ駆動手段と、
前記供給ローラから前記テープを繰り出すために前記テープに駆動力を付与する繰り出し駆動手段と、
この繰り出し駆動手段の駆動力で繰り出される前記テープの搬送方向と交差する交差方向に進退可能に設けた張力調整ローラと、
この張力調整ローラを前記交差方向に進退させる進退アクチュエータと、
前記繰り出される前記テープの張力に基づき、前記進退アクチュエータを制御する進退制御手段とを有することを特徴とするテープ供給装置。
【請求項2】
請求項1記載のテープ供給装置において、
前記供給ローラは、筐体に設けたカートリッジホルダ部に着脱可能に構成されたカートリッジ内に配置されており、
前記供給ローラ駆動手段、前記繰り出し駆動手段、前記張力調整ローラ、前記進退アクチュエータは、前記筐体に設けられていることを特徴とするテープ供給装置。
【請求項3】
請求項2記載のテープ供給装置において、
前記進退アクチュエータは、エアシリンダ、ソレノイド、電動モータのいずれか少なくとも1つを備えることを特徴とするテープ供給装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載のテープ供給装置において、
前記供給ローラは、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を複数個配置したタグテープが巻回されており、
前記タグ側アンテナと情報の送受信を行う装置側アンテナと、
前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成し、前記装置側アンテナを介して前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報アクセス手段とを設けたことを特徴とするテープ供給装置。
【請求項5】
請求項4記載のテープ供給装置において、
前記張力調整ローラに備えられ前記タグテープに当接するローラ本体は、前記タグテープに配置された前記無線タグ回路素子との接触を回避するための凹部を備えるか、又は、軸方向に分割構造となっていることを特徴とするテープ供給装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項記載のテープ供給装置において、
前記筐体に設けられ、前記供給ローラから繰り出されたテープに所定の印字を行う印字手段を有し、
この印字手段による印字後の前記テープを用いて印字ラベルを作成することを特徴とするテープ供給装置。
【請求項7】
請求項1記載のテープ供給装置において、
前記供給ローラから繰り出された前記テープを巻き取る巻取ローラと、
この巻取ローラを駆動する巻取ローラ駆動手段とを有し、
前記繰り出し駆動手段は、テープ搬送経路に沿って前記供給ローラと前記巻取ローラとの間に設けられた搬送ローラを駆動する搬送ローラ駆動手段であり、
前記張力調整ローラは、テープ搬送経路に沿って前記供給ローラと前記搬送ローラとの間及び前記搬送ローラと前記巻取ローラとの間にそれぞれ設けられており、前記進退アクチュエータは、それら2つの張力調整ローラをそれぞれ進退させるように前記供給ローラ側と前記巻取ローラ側とに設けられていることを特徴とするテープ供給装置。
【請求項8】
請求項7記載のテープ供給装置において、
前記供給ロールから繰り出される前記テープの張力を検出する検出手段を有することを特徴とするテープ供給装置。
【請求項9】
請求項8記載のテープ供給装置において、
前記張力調整ローラを回転可能に支持し、前記進退アクチュエータにより支点回りに回動されるアーム部材を有し、
前記検出手段は、前記アーム部材の回動角を検出する角度センサであることを特徴とするテープ供給装置。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項記載のテープ供給装置において、
前記進退アクチュエータは、入力された電気信号に応じて制御された作動ガスによりピストンを駆動するシリンダ手段であることを特徴とするテープ供給装置。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか1項記載のテープ供給装置において、
前記供給ローラから繰り出された前記テープに対し、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を、所定間隔で取り付けるタグ取り付け手段を有することを特徴とするテープ供給装置。
【請求項12】
請求項11記載のテープ供給装置において、
前記無線タグ回路素子を取り付ける位置となったときに前記テープの搬送を停止して当該取り付けを行い、取り付け終了後には前記テープの搬送を再開するように、前記搬送ローラ駆動手段及び前記タグ取り付け手段を連携制御する連携制御手段を有することを特徴とするテープ供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−298572(P2006−298572A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122831(P2005−122831)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】