説明

ディスクドライブ装置及びディスク記録及び/又は再生装置

【課題】ディスクチャッキングの際に、ディスク装着部がクランパに近づくと、スピンドルモータの回転軸(ロータ)が有するガタにより、ディスク装着部がクランパに衝突して「カチン」という大きな音を発生する。
【解決手段】情報信号の記録及び/又は再生のための光ディスクが着脱可能に装着されると共にその光ディスクを回転させるターンテーブル18と、そのターンテーブル18を昇降動作させる昇降機構と、ターンテーブル18に対向するように配置されると共にそのターンテーブル18に対して磁石により着脱可能に装着され且つターンテーブル18との間で光ディスクを挟持可能なクランパ124と、そのクランパ124を回転自在及び移動可能に支持するクランプブラケット120と、そのクランプブラケット120を移動させてクランパ124をターンテーブル18に対して接近及び離反させる移動機構と、を設け、昇降機構と移動機構の動作タイミングを異ならせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装着部に光ディスクや光磁気ディスク等のディスク状記録媒体を装着した後クランパを吸着し、クランパとディスク装着部でディスク状記録媒体を挟持して回転駆動すると共に、回転するディスク状記録媒体の情報記録面に沿って光学ピックアップ装置を移動させて情報信号の記録(書込み)及び/又は再生(読取り)を行うディスクドライブ装置、及び、そのディスクドライブ装置を備えたディスク記録及び/又は再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、この種のディスクドライブ装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、光学ディスクを用いるディスクドライブ装置及び、そのヘッド送り機構に関するものが記載されている。この特許文献1に係るディスクドライブ装置は、「情報信号の記録及び/又は再生のための光学ディスクをディスク装着部に搬送するディスクトレイと、上記ディスクトレイに載置されて搬送された上記光学ディスクが着脱可能に装着されるターンテーブルを回転自在に支持するベースシャーシと、上記ターンテーブルに装着された上記光学ディスクに対して上記ベースシャーシに設けた開口部から光学ヘッドを臨ませて情報信号の書込み及び/又は読出しを行う光学ピックアップ装置と、上記光学ピックアップ装置を上記ターンテーブルに対して接近及び離反するように移動させる送り軸を有するピックアップ送り機構とを備えたディスクドライブ装置において、上記送り軸の軸受部を上記ベースシャーシに一体に設けた」ことを特徴としている。
【0003】
かかる構成を有する特許文献1に係るディスクドライブ装置(第1の従来例という。)によれば、「送り軸の軸受部をベースシャーシに一体に設けるようにしたため、軸受部材を別部材として必要とすることがなく、部品点数の削減を図ることができると共に、送り軸の取付精度を高めて高精度の送り機構を実現することができる」(明細書の段落[0019])という効果が期待される。
【0004】
また、従来のディスクドライブ装置の他の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2には、ディスクトレイが装置本体内に引き込まれると、ディスク状記録媒体が内部のターンテーブルに回転自在に装着されるディスクドライブ装置及びディスクトレイに関するものが記載されている。この特許文献2に係るディスクドライブ装置は、「装置本体と、上記装置本体内に設けられ、ディスク状記録媒体を収納する収納凹部が設けられたディスクトレイと、上記ディスクトレイを上記装置本体の前面に設けられた開口部より該装置本体の内外に亘って搬送する搬送機構と、上記装置本体内に搬送されたディスク状記録媒体を保持すると共に回転駆動するディスク回転駆動機構と、上記回転駆動されたディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録再生機構とを備え、上記ディスクトレイは、収納凹部の周面に緩衝材が設けられている」ことを特徴としている。
【0005】
かかる構成を有する特許文献2に係るディスクドライブ装置(第2の従来例という。)によれば、「光ディスクに亀裂やキズ等があることにより、高速回転に伴う負荷により光ディスクが割れた場合にも、ディスクトレイに形成された収納凹部の周面に緩衝材が設けられているため、この緩衝材により周面への衝突による衝撃が弱められる」(明細書の段落[0014])という効果が期待される。
【特許文献1】特開2000−195196号公報
【特許文献2】特開2006−85778号公報
【0006】
しかしながら、上述した第1の従来例及び第2の従来例のいずれの場合においても、上方に待機しているクランパに対して、下方に配置されたディスク装着部(スピンドルモータ等)が昇降可能に構成されており、ディスクチャッキングの際に、ディスク装着部が上昇することにより、クランパ又はディスク装着部に内蔵されている磁石の磁力によってクランパがディスク装着部に吸着される構成となっていた。この磁石の吸着力により、ディスク状記録媒体がクランパとディスク装着部で挟持されて、一体的に回転駆動される。
【0007】
ここで、現在多く使用されているスピンドルモータはメタル軸受タイプのもので、モータの回転軸(ロータ)は、スラスト方向のガタを持っている。そのため、クランパ又はディスク装着部に内蔵されている磁石の吸着力が作用する高さまでディスク装着部が上昇すると、上記ガタによってスピンドルモータの回転軸(ロータ)が急速に上昇し、ディスク装着部がクランパに衝突して「カチン」という大きな音を発生するという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、ディスクチャッキングの際に、ディスク装着部がクランパに近づくと、スピンドルモータの回転軸(ロータ)が有するガタにより、ディスク装着部がクランパに衝突して「カチン」という大きな音を発生するという点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、情報信号の記録及び/又は再生のためのディスク状記録媒体が着脱可能に装着されると共にそのディスク状記録媒体を回転させるディスク装着部と、そのディスク装着部を昇降動作させる昇降機構と、ディスク装着部に対向するように配置されると共にそのディスク装着部に対して磁石により着脱可能に装着され且つディスク装着部との間でディスク状記録媒体を挟持可能なクランパと、そのクランパを回転自在及び移動可能に支持するクランプブラケットと、そのクランプブラケットを移動させてクランパをディスク装着部に対して接近及び離反させる移動機構と、を設け、昇降機構と移動機構の動作タイミングを異ならせたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のディスクドライブ装置は、ディスク状記録媒体をチャッキングする際に、ディスク状記録媒体に付与される衝撃(挟持力)を抑制し、発生する衝撃音を小さく抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ディスク状記録媒体をチャッキングする際に発生する衝撃音を小さく抑えるという目的を、昇降機構によるディスク装着部の動作のタイミングと移動機構によるクランパの動作のタイミングを異ならせることにより、簡単な構成によって実現した。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明を適用したディスクドライブ装置及びそのディスクドライブ装置を備えたディスク記録及び/又は再生装置の実施の形態を、添付した図面を参照して説明する。この実施例に係るディスクドライブ装置は、直径12cmと直径8cmのDVDやCD−ROM等の光学ディスクをディスク状記録媒体として用いて、その光学ディスクをディスクトレイにより搬送して自動的にローディングし、その光学ディスクに記録されている情報の再生(読取り)や記録(書込み)を行うディスクトレイ方式のディスクドライブ装置に適用したものである。
【0013】
即ち、図1及び図2は本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示す斜視図、図3〜図8は筐体を取り除いたもので、図3は斜視図、図4は平面図、図5は側面図、図6はディスクトレイを突出させた斜視図、図7は同じく平面図、図8は同じく側面図である。図9はメインフレームの斜視図、図10はドライブユニットの斜視図、図11はディスクトレイの斜視図、図12はシャッタ用開閉部材の斜視図、図13はシャッタ用歯車、図14〜図17は左右のスライド部材を示すもので、図14は左スライド部材の分解斜視図、図15は同じく組立斜視図、図16は右スライド部材の分解斜視図、図17は同じく組立斜視図である。図18は動力伝達系の平面図、図19及び図20は同じく斜視図、図21は分解斜視図、図22は一部分解斜視図、図23は組立斜視図、図24は平面図、図25は正面図、図26は断面図である。図27〜図29はチャッキング時のディスク装着部とクランパの動作説明図、図30及び31はストッパの説明図である。
【0014】
図1〜図8に示すように、ディスクドライブ装置1は、直方体をなす中空で偏平の筐体2と、この筐体2内に収納されたメインフレーム3と、このメインフレーム3内に収納されたドライブユニット4と、メインフレーム3に対して進退移動可能に支持されたディスクトレイ5等を備えて構成されている。図1及び図2に示すように、筐体2は、正面及び下面に開口されたトップパネル6と、正面及び上面に開口された図に現れないロアパネルと、フロントパネル7とから構成されている。トップパネル6とロアパネルは、上下に重ね合わせることができる形状とされており、トップパネル6とロアパネルを重ね合わせることによって正面が開口されたケース本体が構成されている。トップパネル6とロアパネルは、図示しない固定ねじによって着脱可能に締付固定されている。
【0015】
トップパネル6とロアパネルによって構成されるケース本体の前面の開口部が、フロントパネル7によって閉じられている。フロントパネル7は、ケース本体に対して着脱可能に構成されている。即ち、フロントパネル7は、図3に示すように、ケース本体の前面開口部の全体を覆うことができる大きさを有する横長とされた長方形の前面部7aと、この前面部7aと一体に設けられた弾性を有する複数の係合片7bとからなっている。複数の係合片7bは、フロントパネル7をケース本体に取り付けるためのもので、この実施例では、前面部7aの周縁にそれぞれ1個ずつ又は2個並べられて合計5個の係合片7bが設けられている。
【0016】
フロントパネル7の前面部7aには、ディスクトレイ5が出し入れされるトレイ出入口8と、複数の操作ボタン9a,9b,9cが設けられている。トレイ出入口8は、前面部7aの幅方向(上下方向)の上側に偏った位置で長手方向(左右方向)に延在されて設けられている。この前面部7aの幅方向の下側に偏った位置において、その長手方向の一方に第1の操作ボタン9aと第2の操作ボタン9bが配置され、長手方向の他方に第3の操作ボタン9cが配置されている。例えば、第1の操作ボタン9aとしては電源ボタン、第2の操作ボタン9bとしては記録・再生ボタン、第3の操作ボタン9cとしてはイジェクトボタン等を挙げることができる。しかしながら、操作ボタンとしては、これらのボタンに限定されるものでないことは勿論である。
【0017】
図9に示すように、メインフレーム3は、四角形の枠体からなるフレーム部3aと、このフレーム部3aの幅方向の両外側に所定の隙間をあけて配置された左右の側面部3b,3cを有している。このメインフレーム3の中央部にはドライブユニット4が配置され、そのドライブユニット4は、後端部を回動支点として前側が上下方向へ昇降動作可能に支持されている。また、フレーム部3aの前端部には、上面に開口された凹陥部からなる動力系収納部11が設けられている。動力系収納部11には、動力伝達機構12が収納されている。そして、左側面部3bの外側には左スライド部材13が配置され、右側面部3cの外側には右スライド部材14が配置されている。
【0018】
ドライブユニット4は、図10に示すような構成を備えている。即ち、ドライブユニット4は、メインフレーム3に対して姿勢変更(揺動)可能に支持されるベースシャーシ16と、このベースシャーシ16に固定されるスピンドルモータ17と、このスピンドルモータ17の回転軸に固定されるディスク装着部の一具体例を示すターンテーブル18と、このターンテーブル18に装着された光学ディスクに対して情報信号の記録(書込み)及び/又は再生(読出し)を行う光学ピックアップ装置20と、この光学ピックアップ装置20をターンテーブル18に対して接近及び離反させるように移動させるピックアップ移動機構21と、ピックアップ移動機構21を支持するピックアップシャーシ22等を有している。
【0019】
ベースシャーシ16は、メインフレーム3のフレーム部3aの枠内に入り込む大きさを有する略長方形をなす枠状の板材からなる。このベースシャーシ16の四辺には、補強の役割りを果たす折り曲げ部16aが同一面方向へ突出するように設けられている。更に、ベースシャーシ16の後側折り曲げ部16aには、後方へ突出するように2つの支持片16b,16bが設けられている。各支持片16bには、側方に開口する切欠き穴が設けられており、各切欠き穴にはゴム製の第1のインシュレータ23がそれぞれ装着されている。各第1のインシュレータ23に固定ねじ24を貫通させ、各固定ねじ24の先部をフレーム部3aに螺合固定することにより、ベースシャーシ16の後端部の2箇所がメインフレーム3に傾動可能に支持されている。
【0020】
ベースシャーシ16の前側片の略中央部にスピンドルモータ17が固定されている。スピンドルモータ17は、ベースシャーシ16の主面に対して回転軸の軸心線が略垂直をなすように取り付けられている。このスピンドルモータ17の回転軸の上部に、ターンテーブル18が一体的に設けられている。ターンテーブル18は、光学ディスクの中央穴に嵌合される円形突起部からなる嵌合部18aと、その中央穴の周縁部が載置されるリング状の載置部18bを有している。このベースシャーシ16のスピンドルモータ17の内側に光学ピックアップ装置20が配置されている。
【0021】
光学ピックアップ装置20は、ディスク装着部であるターンテーブル18に装着された光学ディスクの情報記録面に対向される対物レンズ26と、この対物レンズ26をフォーカス方向(情報記録面と垂直をなす方向)及びトラッキング方向(情報記録面と平行をなす方向)に動かすことができる2軸アクチュエータ27と、この2軸アクチュエータ27が搭載されるスライダ28と、このスライダ28に搭載される光学要素等を有している。2軸アクチュエータ27の駆動力としては専ら電磁力が用いられており、この実施例では可動部の支持方式の違いとして分類される板ばね方式の2軸アクチュエータを採用している。しかしながら、2軸アクチュエータとしてその他の形式のワイヤ支持方式、ヒンジ方式、軸摺動方式等を適用できることは勿論である。
【0022】
光学ピックアップ装置20の光学要素は、例えば、記録・再生用のレーザ光を発生する発光ダイオードと、情報記録面で反射された戻りのレーザ光を受光するフォトダイオード等によって構成される。スライダ28は、メインフレーム3のフレーム部3aを横断するように配置されており、所定の間隔をあけて平行に配置された2本のガイド軸29a,29bによって摺動可能に支持されている。2本のガイド軸29a,29bは、スピンドルモータ17を挟むようにして、ベースシャーシ16の長手方向に延在されている。そして、各ガイド軸29a,29bは、その軸方向の両端においてピックアップシャーシ22にそれぞれ支持されている。
【0023】
一方のガイド軸29aの外側には、所定の間隔をあけて送りねじ軸31が平行に配置されている。送りねじ軸31は、送りモータ32の回転軸となっている。送りモータ32は、送りねじ軸31をベースシャーシ16の面方向と平行をなす方向へ向けた状態でピックアップシャーシ22の後端部に固定されている。送りねじ軸31の送りモータ32と反対側の端部は、ピックアップシャーシ22の前端部に回転自在に支持されている。この送りねじ軸31のねじ溝には、スライダ28に取り付けられた図示しないナット部材が噛合されている。このナット部材を介して送りねじ軸31の回転力がスライダ28に伝達されることにより、2本のガイド軸29a,29bにガイドされて、送りねじ軸31の回転方向に応じて光学ピックアップ装置20が、スピンドルモータ17に接近する方向と、そのスピンドルモータ17から離れる方向とへ所定の距離だけ移動可能とされている。
【0024】
ピックアップシャーシ22は、ゴム製の第2のインシュレータ33を介して3箇所でベースシャーシ16に弾性支持されている。3個のインシュレータ33のうち、2個のインシュレータ33はピックアップシャーシ22の前側に配置され、1個のインシュレータ33はピックアップシャーシ22の後側に配置されている。各第2のインシュレータ33に固定ねじ34を貫通させ、各固定ねじ34の先部をベースシャーシ16に螺合することにより、ピックアップシャーシ22がベースシャーシ16に弾性支持されている。
【0025】
この3箇所の第2のインシュレータ33を用いた支持部の締付力を調整することにより、ピックアップシャーシ22の姿勢(傾斜角度)を調整することができる。これにより、光学ディスクの情報記録面に対する対物レンズ26の傾き角、いわゆるスキュー角を調整することができる。2本のガイド軸29a,29bと送りねじ軸31と送りモータ32とナット部材により、光学ピックアップ装置20をターンテーブル18に対して接近及び離反させるピックアップ移動機構が構成されている。
【0026】
このような構成を有するドライブユニット4が、メインフレーム3のフレーム部3aの枠内に挿入されている。このとき、フレーム部3aの一対の支持部3d,3dにドライブユニット4の後端部に配置した一対のインシュレータ23,23が搭載されており、これらのインシュレータ23に挿通された固定ねじ24によってドライブユニット4が、その前側において上下方向へ昇降可能に支持されている。このドライブユニット4の前部に、後端部の一対のインシュレータ23,23を回動中心としてドライブユニット4を上下方向へ回動(昇降)させるための回動ブラケット35が取り付けられている。
【0027】
回動ブラケット35は、図27〜図29に示すように、ベースシャーシ16の両外側に配置される左右の側面部35a,35aと、ベースシャーシ16の下側に配置されると共に左右の側面部35a,35a間を連結する連結部35bとを有している。各側面部35aの後部には、回動動作の中心となる凸軸36が外面から側方へ突出するように設けられている。更に、各側面部35aの前部には、回動動作を生じさせるトレイ昇降機構の一部をなすカムピン37が外面から側方へ突出するように設けられている。回動ブラケット35の左右の凸軸36,36は、メインフレーム3のフレーム部3aの内縁の長手方向中途部に設けられた軸受部38によってそれぞれ回動自在に支持されている。
【0028】
図11に示すように、ディスクトレイ5は、メインフレーム3の上面開口部に見合った大きさを有する略長方形をなす板状の部材からなっている。このディスクトレイ5は、長手方向の一側にディスク収納部41を設けており、そのディスク収納部41の中央部から他側の端部近傍まで長手方向に沿って延びる開口部42が設けられている。そして、ディスクトレイ5の底面の幅方向の一側には、図7に示すように、長手方向の一端から他端の近傍まで延びるメインラック40が設けられている。このメインラック40は、ディスクトレイ5を所定の距離内で進退動作させるための駆動力伝達部をなすものである。
【0029】
また、ディスク収納部41は、直径12cmの光ディスクを収納することができる大径収納部41aと、この大径収納部41aの内側に連続され且つ直径8cmの光ディスクを収納することができる小径収納部41bとを有している。ディスクトレイ5のディスク収納部41と反対側には、補強用の架橋部5aが設けられている。ディスク収納部41の中央部には、ドライブユニット4のスピンドルモータ17との干渉を避けるための半円形をなすモータ逃げ穴43aが設けられている。モータ逃げ穴43aは、長方形をなす開口部42の一端に連続されている。開口部42には、トレイシャッタ44が摺動可能に装着されている。
【0030】
トレイシャッタ44は、ディスク収納部41のうち、開口部42に相当する部分の形状に見合う形状とされている。このトレイシャッタ44は、ディスクトレイ5を引き出した時(ディスク取出し時)に、ディスク収納部41の切欠き部を閉じるためのものである。ディスクトレイ5が筐体2内に収納された状態では、ディスク収納部41から離れた方向に移動する。そのため、トレイシャッタ44は、ディスクトレイ5に対してその長手方向へ移動可能とされている。
【0031】
これを実現するため、トレイシャッタ44の幅方向の両側には、L字状に形成されたレール部44a,44bが設けられている。そして、一方のレール部44aには、その縁に沿って配置されたラック部45が設けられている。このトレイシャッタ44の左右のレール部44a,44bが摺動可能に挿入されるレール受溝46がディスクトレイ5の開口部42の両側内縁に設けられている。更に、トレイシャッタ44のディスク収納部41側の端縁には、スピンドルモータ17との干渉を避けるための半円形をなすモータ逃げ穴43bが設けられている。このトレイシャッタ44がディスク収納部41の切欠き部に完全に挿入されることにより、2つのモータ逃げ穴43a,43bが互いに合わされて、1つの円形をなすモータ逃げ穴が形成される。
【0032】
ディスクトレイ5には、トレイシャッタ44を進退動作させるためのシャッタ移動機構51が設けられている。シャッタ移動機構51は、開閉スライダ52と伝動歯車53とリターンバネ54とによって構成されている。図12に示すように、開閉スライダ52は、長方形の板状の部材からなり、長手方向の一側に段差を付けることによって細幅部52aが設けられている。この開閉スライダ52には、トレイシャッタ44が移動する方向への直線運動を確保するための2つのガイド用長穴55,55と、リターンバネ54を収納するための長穴からなる収納穴56が設けられている。更に、細幅部52aの一側には、その縁に沿って配置されたラック部57が設けられている。
【0033】
図13に示すように、伝動歯車53は、大径ギア53aと、この大径ギア53aの一面に連続して形成された円柱軸部53bと、この円柱軸部53bの大径ギア53aと反対側の面に連続して形成された小径ギア53cとを有している。そして、これらの中心部を貫通する穴53dが伝動歯車53に設けられている。この伝動歯車53を取り付けるためディスクトレイ5には、図11に示すように、凹部58が設けられている。凹部58の中央部には支持軸58aが立設されており、この支持軸58aに穴53dを挿通することによって伝動歯車53が回転自在に支持されている。このとき、伝動歯車53の大径ギア53aの一部がディスクトレイ5のレール受溝46内に入り込む。
【0034】
また、ディスクトレイ5の凹部58の近傍には、開閉スライダ52を摺動可能に支持するための2つのガイド凸起59a,59bが設けられている。2つのガイド凸起59a,59bは、開閉スライダ52の2つのガイド用長穴55,55と対応する位置に配置されている。そして、各ガイド凸起59a,59bの頂部には、各ガイド用長穴55,55が抜け出すのを防止するため側方に突出させた頭部が設けられている。更に、ディスクトレイ5には、リターンバネ54の一端を係止するためのばね受け凸起59cが設けられている。このばね受け凸起59cに一端が係止されたリターンバネ54の他端は、ディスク収納部41側に延在されて開閉スライダ52の前部に係止されている。
【0035】
リターンバネ54は、この実施例では、圧縮コイルばねを用いており、通常は圧縮された状態にある。そのため、リターンバネ54が自由状態にあるときには、開閉スライダ52はディスク収納部41から離れた位置にある。このとき、開閉スライダ52のラック部57は、凹部58に収納されている伝動歯車53の小径ギア53cに噛合されている。そして、伝動歯車53の大径ギア53aにはトレイシャッタ44のラック部45が噛合されており、そのトレイシャッタ44はディスク収納部41の切欠き内に入り込んだ状態となっている。
【0036】
このような構成を有し且つトレイシャッタ44とシャッタ移動機構51が搭載されたディスクトレイ5が、メインフレーム3に対して長手方向である前後方向へ移動可能に装着されている。そのため、図9に示すように、メインフレーム3の左右の側面部3b,3cの内面には、ディスクトレイ5をガイドする左右のレール突条61,61が設けられている。そして、これらのレール突条61,61を挟んで支持するために左右のレール挟持部62,62がディスクトレイ5の両側部に設けられている。各レール挟持部62は、レール突条61の上面に臨む2つのL字状のフック部62aと、レール突条61の下面に臨む庇状の張出し部62bとからなっている。この左右のレール突条61,61にガイドされて、ディスクトレイ5が前後方向に移動される。
【0037】
メインフレーム3の左側部に配置された左スライド部材13は、図14及び図15に示すような構成を有している。即ち、左スライド部材13は、スライド板63と、このスライド板63と組み合わされて一体的に構成されるカム板64とによって構成されている。スライド板63は、適宜な幅を有する長尺状の板状の部材からなり、長手方向の一側(後側)に段差を付けることによって細幅部63aが設けられている。このスライド板63には、ディスクトレイ5が移動する方向への直線運動を確保するための2つのガイド用長穴65,65と、クランプ用のカム溝66と、左右のスライド部材13,14間におけるスライド時の動作の同期を取るためのラック部67が設けられている。
【0038】
2つのガイド用長穴65,65は、スライド板63の長手方向に所定の間隔をあけて所定の長さに設定されており、この長穴65の範囲内でスライド板63がメインフレーム3に対して前後方向へ相対的に移動可能とされている。カム溝66は、後述するクランパを上下方向へ回動(昇降)させるクランパ昇降機構の一部をなすものである。このカム溝66は、前後方向に延在された前水平部66a及び後水平部66cと、前水平部66aと後水平部66cを斜めに連通する傾斜部66bを有している。傾斜部66bは後端側に設定されており、前水平部66aよりも後水平部66cが十分に小さく形成されている。
【0039】
また、スライド板63の細幅部63aの下側にラック部67が設けられている。このラック部67には、図19及び図20に示すように、同期用のピニオンが噛合される。更に、スライド板63には、カム板64を取り付けるための2つの嵌合穴68,68と、カム板64を位置決めするための2つの位置決め穴69a,69bが設けられている。2つの嵌合穴68,68は、スライド板63のガイド用長穴65の下側において、そのガイド用長穴65の長さと同程度の間隔をあけて配置されており、その内側に2つの位置決め穴69a,69bが配置されている。
【0040】
カム板64は、ガイド用長穴65の長さよりも少し大きな略長方形をなす板状の部材からなり、長手方向の一側(前側)に段差を付けることによって細幅部64aが設けられている。このカム板64の一面には昇降用カム溝71とラック部72が設けられ、その反対側の他面には連結用の張出し部73と摺動突条74が設けられている。そして、カム板64の幅方向の一側には、ストッパ75の回動動作を許容するためのV字状に形成された切欠き部76と、L字状に形成されたフックガイド77が設けられている。
【0041】
ラック部72は、カム板64の前側である細幅部64aの先端から後方の中途部まで所定の長さに設定されている。昇降用カム溝71は、ドライブユニット4を昇降動作(後端の支持部3dを中心として前側を上下方向へ回動させる動作)させるためのものである。この昇降用カム溝71は、前側に設定された下水平部71aと、この下水平部71aよりも所定間隔だけ後方であって所定の高さ高い位置に設定された上水平部71cと、下水平部71aと上水平部71cを斜めに連通する傾斜部71bを有している。昇降用カム溝71の下水平部71aは、ドライブユニット4を最大角度傾斜させる部位である。また、上水平部71cは、ドライブユニット4を略水平状態に維持する部位である。この昇降用カム溝71には、前述した回動ブラケット35のカムピン37が摺動可能に係合される。
【0042】
カム板64の昇降用カム溝71の下水平部71aの上方に切欠き部76が配置されている。切欠き部76の略中央部には、昇降用カム溝71内にカムピン37を導入するための連通溝78が設けられている。フックガイド77は、ディスクトレイ5をガイドしてメインフレーム3からの脱落を防止するものである。フックガイド77の先端は内側に突出されており、この先端部がディスクトレイ5の図11において図に現れない側面に設けたガイド溝(要部を取り出して示した部分)79に係合される。このディスクトレイ5の側面のガイド溝79の前側に、ストッパ75が着脱可能に係合される三角凹部からなるストッパ受部80が設けられている。
【0043】
ストッパ75は、図14に示すように、2つの三角形のブロックを合体させたような形状を有するストッパ本体と、このブロック本体と一体に設けた回動軸部75aとからなっている。2つのブロックは、頂角に隣り合う一方の角部を互いに重ね合わせると共に一方の頂角を他方の底辺に重ね合うようにして一体に形成されており、互いに重ね合わされた角部に回動軸部75aが設けられている。これにより、ストッパ75には、回動軸部75aを中心として所定角度だけ回転変位した位置に突出する2つの突出角部75b,75cが設けられている。
【0044】
カム板64の張出し部73は、スライド板63との間に所定の隙間を設定するために設けたものである。この張出し部73の外側の端面に2つの嵌合凹部81,81が、スライド板63の2つの嵌合穴68,68と対応する間隔をあけて設けられている。そして、2つの嵌合凹部81,81の内側に、2つの位置決め穴69a,69bに対応する間隔をあけて2つの位置決め凸部82,82が設けられている。摺動突条74は、カム板64が摺動する際の摩擦抵抗を軽減するために設けたものである。
【0045】
スライド板63とカム板64は、張出し部73を介して重ね合わされ、嵌合凹部81の穴と嵌合穴68を貫通する固定ねじにより締付固定されて、図15に示すように組み立てられる。左スライブ部材13の組立時、スライド板63はメインフレーム3の左側面部3bの外側に配置され、カム板64は左側面部3bの内側に配置される。そして、スライド板63とカム板64で左側面部3bを挟んだ状態で、左スライブ部材13が前後方向に移動可能とされてメインフレーム3に保持されている。
【0046】
右スライド部材14は、スライド板83と、このスライド板83と組み合わされて一体的に構成されるカム板84とによって構成されている。スライド板83は、スライド板63と左右対称の形状を有しており、適宜な幅を有する長尺状の板状部材の長手方向の一側(後側)に段差を付けることによって細幅部83aが設けられている。このスライド板83に、ディスクトレイ5が移動する方向への直線運動を確保するための2つのガイド用長穴65,65と、クランプ用のカム溝66と、左右のスライド部材13,14間におけるスライド時の動作の同期を取るためのラック部67が設けられている。
【0047】
2つのガイド用長穴65,65は、スライド板83の長手方向に所定の間隔をあけて所定の長さに設定されており、この長穴65の範囲内でスライド板83がメインフレーム3に対して前後方向へ相対的に移動可能とされている。カム溝66は、後述するクランパを上下方向へ回動(昇降)させるクランパ昇降機構の一部をなすものである。このカム溝66は、前後方向に延在された前水平部66a及び後水平部66cと、前水平部66aと後水平部66cを斜めに連通する傾斜部66bを有している。傾斜部66bは後端側に設定されており、前水平部66aよりも後水平部66cが十分に小さく形成されている。
【0048】
また、スライド板83の細幅部83aの下側にラック部67が設けられている。このラック部67には、図19及び図20に示すように、同期用のピニオンが噛合される。更に、スライド板83には、カム板84を取り付けるための2つの嵌合穴68,68と、カム板84を位置決めするための2つの位置決め穴69a,69bが設けられている。2つの嵌合穴68,68は、スライド板83のガイド用長穴65の下側において、そのガイド用長穴65の長さと同程度の間隔をあけて配置されており、その内側に2つの位置決め穴69a,69bが配置されている。
【0049】
カム板84は、ガイド用長穴65の長さよりも少し大きな略長方形をなす板状の部材からなり、長手方向の一側(前側)に段差を付けることによって細幅部84aが設けられている。このカム板84の一面には昇降用カム溝71が設けられ、その反対側の他面には連結用の張出し部73が設けられている。昇降用カム溝71は、カム板64に設けたものと左右対称をなすもので、ドライブユニット4を昇降動作させるものである。
【0050】
この昇降用カム溝71は、前側に設定された下水平部71aと、この下水平部71aよりも所定間隔だけ後方であって所定の高さ高い位置に設定された上水平部71cと、下水平部71aと上水平部71cを斜めに連通する傾斜部71bを有している。昇降用カム溝71の下水平部71aは、ドライブユニット4を最大角度傾斜させる部位であり、上水平部71cは、ドライブユニット4を略水平状態に維持する部位である。この昇降用カム溝71には、同じく回動ブラケット35のカムピン37が摺動可能に係合される。
【0051】
カム板84の張出し部73は、スライド板83との間に所定の隙間を設定するために設けたものである。この張出し部73の外側の端面に2つの嵌合凹部81,81が、スライド板83の2つの嵌合穴68,68と対応する間隔をあけて設けられている。そして、2つの嵌合凹部81,81の内側に、2つの位置決め穴69a,69bに対応する間隔をあけて2つの位置決め凸部82,82が設けられている。
【0052】
スライド板83とカム板84は、張出し部73を介して重ね合わされ、嵌合凹部81の穴と嵌合穴68を貫通する固定ねじによって図17に示すように組み立てられる。右スライブ部材14の組立時、スライド板83はメインフレーム3の右側面部3cの外側に配置され、カム板84は右側面部3cの内側に配置される。そして、スライド板83とカム板84で右側面部3cを挟んだ状態で右スライブ部材14が前後方向に移動される。
【0053】
図19及び図20は、左右のスライド部材13,14を、2枚の歯車85,86で動力伝達可能に連結して同期動作可能にした状態を示している。左スライド部材13のスライド板63のラック部67には歯車85が噛合され、右スライド部材14のスライド板83のラック部67には歯車86が噛合されている。2枚の歯車85,86は、メインフレーム3の底部を横断するように設けた連結軸87の両端にそれぞれ固定されている。そして、連結軸87は、メインフレーム3に回転自在に支持されている。
【0054】
また、左右のスライド部材13,14のスムースなスライド動作を確保するため、メインフレーム3の左右の側面部3b,3cには、2つのガイド軸部88,88と2つのフック部89,89が設けられている。2つのガイド軸部88,88は、各側面部3b,3cにおいて、前後方向に所定の間隔をあけて設けられている。これらのガイド軸部88,88には、スライド板63,83に設けたガイド用長穴65,65がそれぞれ摺動可能に係合される。2つのフック部89,89は、左右の側面部3b,3cの2つのガイド軸部88,88より上方において、前後方向に所定の間隔をあけて配置されている。各フック部89はL字状に形成されており、爪状の先部においてスライド板63,83の側方への撓み変形を防止している。図3及び図5等に示す符号115は、ディスクトレイ5の位置を検出する位置検出スイッチである。
【0055】
ディスクトレイ5と左右のスライド部材13,14を往復動作させる動力伝達機構12は、図7及び図18等に示すように、メインフレーム3の前部に設けた動力系収納部11に収納されている。この動力伝達機構12は、図21〜図26に示すような構成を有している。即ち、動力伝達機構12は、動力発生源である駆動モータ90と、この駆動モータ90と動力伝達可能に連結された遊星歯車機構91と、この遊星歯車機構91と動力伝達可能に連結された歯車駆動機構92等によって構成されている。
【0056】
駆動モータ90としては、例えば、ステッピングモータを適用することができる。しかしながら、駆動モータ90としては、その他の形式の誘導モータや直流モータを用いることができることは勿論である。駆動モータ90の回転軸には、V字状の溝を有する駆動プーリ93が固定されている。駆動プーリ93には、動力伝達部材の一具体例を示すゴム製の角型ベルト94の一端が掛け止められている。角型ベルト94の他端は、V字状の溝を有する従動プーリ95に掛け止められている。
【0057】
遊星歯車機構91は、従動プーリ95と一体に形成された太陽歯車96と、この太陽歯車96の外側を回るキャリア97と、このキャリア97に回転自在に保持された複数の遊星歯車98と、複数の遊星歯車98に噛合された内歯歯車99とを備えている。従動プーリ95の一面の中央部には、その平面と直交する方向に突出する円筒軸部95aが設けられており、この円筒軸部95aの先端に太陽歯車96が一体に設けられている。従動プーリ95と円筒軸部95aと太陽歯車96は、それぞれ同心に配置されており、円筒軸部95aは従動プーリ95よりも小径に形成され、太陽歯車96は円筒軸部95aよりも小径に形成されている。そして、従動プーリ95と円筒軸部95aと太陽歯車96の中心に貫通穴が貫通されている。
【0058】
遊星歯車機構91のキャリア97は、円筒軸部95aが貫通される中心穴を有する円盤状の部材として形成されている。キャリア97の一面には、中心穴と同心に形成されたキャリアギア101が設けられている。また、キャリア97の他面には、遊星歯車98を回転自在に支持するための複数(この実施例では2個)の枢軸102が設けられている。これらの枢軸102に支持された複数の遊星歯車98が、同時に内歯歯車99に噛合されている。内歯歯車99の反対側の面には、回動中心を一致させた外周ギア103が一体に設けられている。このような構成を有する遊星歯車機構91が、動力系収納部11内に立設された第1の回動軸104に回転自在に支持されている。
【0059】
動力伝達機構12の歯車駆動機構92は、ディスクトレイ5をスライド動作させる第1の駆動系を構成する第1の駆動ギア106と、ドライブユニット4及び後述するクランパを昇降動作させる第2の駆動系を構成する中間ギア107及び第2の駆動ギア108によって構成されている。第1の駆動ギア106は、遊星歯車機構91の内歯歯車99に設けた外周ギア103に噛合される大径ギア106aと、この大径ギア106aと同心にして一体に設けられた小径ギア106bとを有している。また、中間ギア107は、遊星歯車機構91のキャリア97に設けたキャリアギア101に噛合される大径ギア107aと、この大径ギア107aと同心にして一体に設けられた小径ギア107bとを有している。
【0060】
第1の駆動ギア106と中間ギア107は、第1の駆動ギア106を中間ギア107の上に重ね合わせた状態で、動力系収納部11内に立設された第2の回動軸109に回転自在に支持されている。この組立状態において、図26に示すように、第1の駆動ギア106の大径ギア106aが内歯歯車99の外周ギア103に噛合される。この第1の駆動ギア106の小径ギア106bに、ディスクトレイ5に設けたメインラック40が噛合されている。また、中間ギア107の大径ギア107aがキャリア97のキャリアギア101に噛合されている。この中間ギア107の小径ギア107bには駆動ギア108が噛合される。
【0061】
歯車駆動機構92の第2の駆動ギア108は、動力系収納部11内に立設された第3の回動軸110に回転自在に支持されている。この組立状態において第2の駆動ギア108は、左スライド部材13のカム板64に設けたラック部72に噛合されている。図26において、符号111は、遊星歯車機構91が第1の回動軸104から脱落するのを防止する取付ねじ、符号112は、第1の駆動ギア106と中間ギア107が第2の回動軸109から脱落するのを防止する取付ねじである。また、符号113は、左スライド部材13のスライド板63とカム板64を固定するための取付ねじである。
【0062】
図3及び図4に示すように、メインフレーム3の上部には、ディスクトレイ5の移動方向と交差する方向に延在されたクランプブラケット120が掛け渡されている。クランプブラケット120は、メインフレーム3の上面を横断する長方形をなす平面部120aと、この平面部120aの長手方向の両端に所定幅で連続する左右の側面部120b,120bを有している。平面部120aの幅方向の両縁には、長手方向に連続する補強用のリブ部を設けるようにしてもよい。
【0063】
クランプブラケット120の両側面部120b,120bは左右対称形状とされており、前後方向の後部には回動中心となる軸受孔がそれぞれ設けられている。各側面部120bの軸受孔には、図5,図6及び図8,図9に示すように、メインフレーム3の左右の側面部3b,3cに設けた軸受凸起121が回動自在に嵌合されている。また、各側面部120bの前後方向の前部には、カムピン122が側方へ突出するように設けられている。このカムピン122は、軸受凸起121を回動中心としてクランプブラケット120を上下方向へ回動(昇降)させるものである。このカムピン122は、スライド板63(又は83)に設けたクランプ用のカム溝66に摺動可能に係合されている。
【0064】
このクランプブラケット120の回動動作を許容するため、メインフレーム3の左右の側面部3b,3cには、その回動量に対応した傾斜角度を有する斜面部123が設けられている。このクランプ用カム溝66とカムピン122と斜面部123を設けたことにより、クランプブラケット120は、図27及び図28に示す水平状態と、図29に示す傾斜状態との間で所定の角度だけ回動自在に構成されている。このクランプブラケット120の水平状態において、平面部120aに回動自在及び着脱自在に保持されているクランパ124は、前側が少し持ち上げられた後傾の状態となっている(図27B,図28Bを参照)。そして、クランプブラケット120の前傾状態において、クランパ124は略水平状態に保持される(図29Bを参照)。
【0065】
即ち、クランプブラケット120の平面部120aの前側略中央部には、クランパ124が緩く嵌合される貫通穴125aを有する支持部125が設けられている。支持部125は、貫通穴125aが開口されていてクランパ124を支持する支持面125bを有しており、その支持面125bは、平面部120aの主面に対して所定の傾斜角度αだけ傾斜して形成されている(図27Bを参照)。
【0066】
クランパ124は、ターンテーブル18の嵌合部18aを覆うと共に載置部18bに対応したリング状の接触部を有するクランパ本体124aと、このクランパ本体124aの外周縁に連続して半径方向外側へ突出されたリング状のフランジ部124bと、クランパ本体124aに保持されたリング状の磁石126及びヨーク127とから構成されている。そして、クランプブラケット120の平面部120aに設けた支持部125の貫通穴125aに上方から嵌合され、自重によって支持面125bに載置されている。このクランプブラケット120に支持されたクランパ124が、ドライブユニット4のターンテーブル18の上方に配置され、そのターンテーブル18との間で光ディスクを着脱可能に構成されている。
【0067】
上述した左右のスライド部材13,14により、ドライブユニット4を昇降動作させるユニット昇降機構が構成されている。また、左右のスライド板63,83とクランプブラケット120により、クランパ124を昇降動作させるクランパ昇降機構が構成されている。更に、開閉スライダ52と伝動歯車53とリターンバネ54により、トレイシャッタ44を動作させるシャッタ移動機構51が構成されている。そして、遊星歯車機構91と歯車駆動機構92により、ユニット昇降機構、クランパ昇降機構及びシャッタ移動機構51を動作させる動力伝達機構12が構成されている。
【0068】
このような構成を有するディスクドライブ装置1の動作は、例えば、次のようなものである。
まず、動力伝達機構12の動作について説明する。ディスクドライブ装置1の電源ボタン9aをオンした後、記録・再生ボタン9bをオンすることにより、駆動モータ90が動作を開始し、その回転力が、駆動プーリ93から角型ベルト94を介して従動プーリ95に伝達される。これにより、従動プーリ95と一体の太陽歯車96が同方向に回転駆動され、その回転力が遊星歯車98を経て内歯歯車99に伝達される。
【0069】
このとき、遊星歯車機構91の内歯歯車99と一体の外周ギア103には第1の駆動ギア106の大径ギア106aが噛合し、その大径ギア106aと一体の小径ギア106bにはディスクトレイ5に設けたメインラック40が噛合している。また、遊星歯車機構91のキャリア97と一体に設けたキャリアギア101には中間ギア107の大径ギア107aが噛合し、その大径ギア107aと一体の小径ギア107bには第2の駆動ギア108が噛合している。そして、第2の駆動ギア108は、左スライド部材13のカム板64に設けたラック部72に噛合している。このような当初の連結・結合状態から、次に述べるようなローディング時における一連の動作が実行される。
【0070】
1.ローディング時
ディスクトレイオープン時は、図2及び図6〜図8に示すように、ディスクトレイ5が前側に移動して最前端に位置しており、フロントパネル7のトレイ出入口8からディスク収納部41が大きく露出した状態をいう。この場合、図30に示すように、メインフレーム3に回動可能に保持されているストッパ75は、左スライド部材13のカム板64に設けた切欠き部76の凹部内に入り込んでいる。このストッパ75の上にはディスクトレイ5が位置しているため、左スライド部材13はロックされた状態となっている。
【0071】
この状態では、カム板64のラック部72に噛合している第2の駆動ギア108がロックされているため、中間ギア107を介して連結されたキャリア97が固定された状態となっている。そのため、遊星歯車機構91まで伝達された回転力は、ドライブ側経路DLが拘束され、トレイ側経路TLにおいて内歯歯車99の外周ギア103から第1の駆動ギア106を経てディスクトレイ5のメインラック40に伝達される。この遊星歯車機構91のスター型駆動に基づいて、ディスクトレイ5が引っ込むように後側へ移動し、フロントパネル7のトレイ出入口8から筐体2内に入り込む。
【0072】
この場合に、ディスクトレイ5がトレイ収納部に完全に収納される収納状態に近づくと、ディスクトレイ5の側面に設けた三角形状の嵌合凹部81がストッパ75の上方に移動する。そのため、ストッパ75の上方に嵌合凹部81による隙間ができることから、ストッパ75では、その回動軸部75aを中心とした上方向(トレイ側)への回動が可能となる。そして、左スライド部材13が前側へ移動すると、カム板64に設けた切欠き部76の後方の傾斜面によってストッパ75が持ち上げられ、そのストッパ75が嵌合凹部81に嵌合される。これにより、ディスクトレイ5がストッパ75によって拘束され、光ディスクに対する情報信号の記録・再生が実行されるトレイ収納位置においてディスクトレイ5がロックされる。
【0073】
このように、ディスクトレイ5が収納位置に来て移動動作が終了する(トレイ拘束状態)と、動力伝達機構12のドライブ側経路DLが拘束される(図26を参照)。その結果、遊星歯車機構91の内歯歯車99が固定されることにより、遊星歯車機構91がプラネタリ駆動となり、トレイ側経路TLが拘束され、ドライブ側経路DLにおいてキャリア97のキャリアギア101から中間ギア107及び第2の駆動ギア108を経てカム板64のラック部72に動力が伝達される。このとき、ストッパ75によってロックされていた左スライド部材13は、前記トレイ収納位置においてロックが解除されているため、ストッパ75を押しのけてスライド動作することができる。
【0074】
2.イジェクト時
図27は、チャックアップ状態を示している。このとき、ストッパ75はディスクトレイ5の嵌合凹部81に入り込んでおり、そのストッパ75の下方にはカム板64が位置している。そのため、ディスクトレイ5はロック状態となっている。このディスクトレイ5のロック状態では、遊星歯車機構91はプラネタリ駆動となっているため、左右のスライド部材13,14を動かすことができる。
【0075】
次に、スライド部材13,14が動作終了状態になると、カム板64に設けた切欠き部76がストッパ75の下方に移動する。これにより、ストッパ75の下方への移動が可能となり、そのストッパ75が嵌合凹部81に入り込む。そのため、スライド部材13の移動がストッパ75によって拘束される(スライダ拘束状態)。その結果、ドライブ側経路DLが拘束され、遊星歯車機構91がスター型駆動となるため、トレイ側経路TLにおいて内歯歯車99の外周ギア103から第1の駆動ギア106を経てディスクトレイ5のメインラック40に回転力が伝達される。
【0076】
これにより、ストッパ75によるロックが解除されて移動が可能となったディスクトレイ5に回転力が伝達され、ディスクトレイ5がフロントパネル7のトレイ出入口8から外へ突出するように移動する。そして、ディスクトレイ5が所定位置まで前進することにより、ディスク収納部41がトレイ出入口8の前方に大きく露出される。これにより、ディスク収納部41に収納されている光ディスクを取り出すことができ、また、そのディスク収納部41に新たな光ディスクを載置することが可能となる。
【0077】
このように切換動作される動力伝達機構12において、そのギアトレインは常時噛み合っており、常に噛み合い状態を維持したまま一連の切り換え動作を行うことができる。そのため、一連の切換動作において、その切り換えのたび毎に噛み合い動作が行われることがなく、噛み合い開始時における衝撃音の発生を防止することができる。
【0078】
次に、ディスクトレイ5に載置されて搬送される光ディスクのチャッキング動作について説明する。図27A,27Bは、光ディスクのチャッキング前の状態を示す図である。このとき、ドライブユニット4のベースシャーシ16に搭載されているスピンドルモータ17の回転部に固定されているターンテーブル18は、ベースシャーシ16が前下がりの状態となっているため、同様に前下がりの状態となっている。また、メインフレーム3に取り付けられているクランプブラケット120は、フレーム部3aに対して略水平の状態となっている(図27A)が、クランプブラケット120に設けた支持部125の支持面125aには傾斜角度αが付いており、クランパ124は後ろ下がりの状態となっている。そのため、ターンテーブル18とクランパ124は、前側を広くあけた状態となっている。
【0079】
この状態から、ディスクトレイ5が所定の収納位置に移動して来ると、まず、図28A,28Bに示すように、ターンテーブル18側が上方へ回動される。この上昇動作は、左右のスライド部材13,14のカム板64,84に設けた昇降用カム溝71によって実行される。即ち、左右のスライド部材13,14が前方に移動すると、ベースシャーシ16に取り付けられた回動ブラケット35に設けたカムピン37,37が、各カム板64,84に設けた昇降用カム溝71の下水平部71aから傾斜部71b内に入り込み、その傾斜部71bを摺り上がって上水平部71cに移動する。
【0080】
これにより、ベースシャーシ16の前側が上方に回動され、ターンテーブル18が略水平の状態になる。このとき、ディスクトレイ5のディスク収納部41に載置されている光ディスクの中央穴内にターンテーブル18の嵌合部18aが入り込む。そして、ターンテーブル18の載置部18bによって光ディスクの中央穴の周縁部が支持される。
【0081】
この場合、左右のスライド部材13,14の移動によっては、クランプブラケット120の水平状態が変更されることはない。即ち、左右のスライド部材13,14のスライド板63,83に設けたクランプ用カム溝66,66にはクランプブラケット120に設けたカムピン122,122がそれぞれ摺動可能に係合しているが、各カムピン122が摺動する前水平部66aは水平にある。そのため、カムピン122が移動することによってもクランプブラケット120の水平状態が変更されることはない。
【0082】
その後、回動ブラケット35のカムピン37,37が各カム板64,84の昇降用カム溝71における傾斜部71bから上水平部71cに移動すると、その上水平部71cは水平部分のみから形成されているため、ターンテーブル18の水平状態が維持される。これに対して、クランプブラケット120のカムピン122,122がクランプ用カム溝66,66の前水平部66aから傾斜部66bを経て後水平部66cに移動すると、図29A,29Bに示すように、クランプブラケット120が前下がりの状態となる。このときのクランプブラケット120の傾斜角度がαである。
【0083】
その結果、クランプブラケット120に保持されているクランパ124がターンテーブル18と平行する状態となる。このとき、クランパ124は、クランパ本体124aに収納した磁石126の磁力により、ターンテーブル18の嵌合部18aに収納した磁性鉄片に吸引される。その結果、クランパ124の押圧面をターンテーブル18の載置面18bと平行にした状態でクランパ124がターンテーブル18に吸着される。この平行状態において、光ディスクがクランパ124とターンテーブル18によって上下から挟持され、一体的に回転駆動される。
【0084】
この際、クランパ124とターンテーブル18は、平行状態で直接に衝突するのではなく、まず、ターンテーブル18が傾斜状態から水平状態に変化し、次に、クランパ124が傾斜状態から水平状態に変化して、動作タイミングが異なるようにしている。そのため、クランパ124がターンテーブル18に接触する際の衝突音を小さく抑えることができ、チャッキング時に発生する衝撃音を効果的に緩衝することができる。
【0085】
次に、ディスクトレイ5に装着されているトレイシャッタ44の動作について説明する。図6及び図7に示すように、ディスクトレイ5がオープン状態にあるときには、リターンバネ54のばね力により、開閉スライダ52が後方へ引き付けられている。そして、開閉スライダ52のラック部57が伝動歯車53の小径ギア53cに噛合し、その伝動歯車53の大径ギア53aがトレイシャッタ44のラック部45に噛合している。そのため、トレイシャッタ44はシャッタ移動機構51のリターンバネ54のばね力によってトレイ前方に押し付けられ、ディスクトレイ5のディスク収納部41の開口部42はトレイシャッタ44で閉じられている。
【0086】
ディスクトレイ5がクローズ状態になると、その後退動作の途中で開閉スライダ52がメインフレーム3の背面部に接触する。すると、開閉スライダ52は、メインフレーム3の背面部に押され且つリターンバネ54のばね力に抗して前側に移動する。この開閉スライダ52の移動が、ラック部57から伝動歯車53を介してトレイシャッタ44のラック部45に伝達される。その結果、トレイシャッタ44が後方へ移動し、ディスクトレイ5のディスク収納部41の開口部42が開かれる。
【0087】
この際、トレイシャッタ44は、開口部42内において光学ピックアップ装置20が移動する範囲よりも大きく後退動作する。そのため、光学ピックアップ装置20のために開口部42を大きく開口させることができ、トレイシャッタ44の存在が光学ピックアップ装置20の移動の邪魔になることがない。しかも、トレイシャッタ44でディスク収納部41の開口部42を閉じたときには、そこからゴミやホコリ等が筐体2内に入り込むのを効果的に防止することができる。
【0088】
以上説明したように、本発明によれば、チャッキング時にディスク状記録媒体に付与される衝撃を抑えることができ、チャッキング時に発生する衝撃音を小さく抑えることができる。更に、動力伝達機構における駆動経路の切り換えに際しても、切換音の発生を防止することができる。また、トレイシャッタを設けたことにより、ディスクトレイのオープン時に装置内部が見えなくすることができ、見映えの向上を図ることができると共に、ゴミやホコリ等の侵入を防止することができる。
【0089】
なお、前記実施例においては、ドライブユニット4を回動させて昇降動作をさせる例について説明したが、ドライブユニット4を平行移動させて昇降動作をさせる構成とすることもできる。また、動力伝達部材としてゴム製の角型ベルトを用いた例について説明したが、丸型や平型その他の形状のベルトであってもよく、更には、ゴム製以外の皮革製、金属ベルトその他の材料を適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示すもので、ディスクトレイを収納した外観斜視図である。
【図2】本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示すもので、ディスクトレイを飛び出した外観斜視図である。
【図3】本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示すもので、筐体を取り除き、フロントパネルを分解した斜視図である。
【図4】本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示すもので、筐体を取り除いた平面図である。
【図5】本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示すもので、筐体を取り除いた側面図である。
【図6】本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示すもので、筐体を取り除いてディスクトレイを飛び出した斜視図である。
【図7】本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示すもので、筐体を取り除いてディスクトレイを飛び出した平面図である。
【図8】本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示すもので、筐体を取り除いてディスクトレイを飛び出した側面図である。
【図9】本発明のディスクドライブ装置に係るメインフレームの斜視図である。
【図10】本発明のディスクドライブ装置に係るドライブユニットの斜視図である。
【図11】本発明のディスクドライブ装置に係るディスクトレイ及びトレイシャッタの斜視図である。
【図12】本発明のディスクドライブ装置に係る開閉スライダの斜視図である。
【図13】本発明のディスクドライブ装置に係る伝動歯車の斜視図である。
【図14】本発明のディスクドライブ装置に係る左スライド部材を示すもので、図14Aはスライド板及びカム板の斜視図、図14Bはカム板の逆側の面を現した斜視図である。
【図15】本発明のディスクドライブ装置に係る左スライド部材の組立斜視図である。
【図16】本発明のディスクドライブ装置に係る右スライド部材を示すもので、図16Aはスライド板及びカム板の斜視図、図16Bはカム板の逆側の面を現した斜視図である。
【図17】本発明のディスクドライブ装置に係る右スライド部材の組立斜視図である。
【図18】本発明のディスクドライブ装置に係る動力伝達機構を現した説明図である。
【図19】本発明のディスクドライブ装置に係る左右のスライド部材の動作の同期状態を説明するもので、ディスクトレイの前進時の説明図である。
【図20】本発明のディスクドライブ装置に係る左右のスライド部材の動作の同期状態を説明するもので、ディスクトレイの後退時の説明図である。
【図21】本発明のディスクドライブ装置に係る動力伝達機構の分解斜視図である。
【図22】本発明のディスクドライブ装置に係る動力伝達機構の一部を分解した斜視図である。
【図23】本発明のディスクドライブ装置に係る動力伝達機構の組立斜視図である。
【図24】本発明のディスクドライブ装置に係る動力伝達機構の平面図である。
【図25】本発明のディスクドライブ装置に係る動力伝達機構の正面図である。
【図26】本発明のディスクドライブ装置に係る動力伝達機構の断面図である。
【図27】本発明のディスクドライブ装置に係るクランパ昇降機構とユニット昇降機構の動作を説明するもので、図27A及び図27Bはクランパ昇降機構が上昇状態でユニット昇降機構が下降状態を示すそれぞれ説明図である。
【図28】本発明のディスクドライブ装置に係るクランパ昇降機構とユニット昇降機構の動作を説明するもので、図28A及び図28Bはクランパ昇降機構及びユニット昇降機構が共に上昇状態を示すそれぞれ説明図である。
【図29】本発明のディスクドライブ装置に係るクランパ昇降機構とユニット昇降機構の動作を説明するもので、図29A及び図29Bはクランパ昇降機構が下降状態でユニット昇降機構が上昇状態を示すそれぞれ説明図である。
【図30】本発明のディスクドライブ装置に係るストッパの動作を説明する非ロック状態の説明図である。
【図31】本発明のディスクドライブ装置に係るストッパの動作を説明するロック状態の説明図である。
【符号の説明】
【0091】
1‥ディスクドライブ装置、 2‥筐体、 3‥メインフレーム、 4‥ドライブユニット、 5‥ディスクトレイ、 7‥フロントパネル、 8‥トレイ出入口、 9a,9b,9c‥操作ボタン、 11‥動力系収納部、 12‥動力伝達機構、 13‥左スライド部材、 14‥右スライド部材、 16‥ベースシャーシ、 17‥スピンドルモータ、 18‥ターンテーブル(ディスク装着部)、 20‥光学ピックアップ装置、 35‥回動ブラケット、 37‥カムピン、 40‥メインラック、 44‥トレイシャッタ、 45‥ラック部、 51‥シャッタ移動機構、 52‥開閉スライダ、 53‥伝動歯車、 54‥リターンバネ、 57‥ラック部、 63,83‥スライド板、 64,84‥カム板、 65‥ガイド用長穴、 66‥クランプ用カム溝、 67‥ラック部、 71‥昇降用カム溝、 72‥ラック部、 75‥ストッパ、 76‥切欠き部、 79‥ガイド溝、 81‥嵌合凹部、 90‥駆動モータ、 91‥遊星歯車機構、 92‥歯車駆動機構、 96‥太陽歯車、 97‥キャリア、 98‥遊星歯車、 99‥内歯歯車、 106‥第1の駆動ギア、 107‥中間ギア、 108‥第2の駆動ギア、 120‥クランプブラケット、 122‥カムピン、 124‥クランパ、 α‥傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報信号の記録及び/又は再生のためのディスク状記録媒体が着脱可能に装着されると共に当該ディスク状記録媒体を回転させるディスク装着部と、
前記ディスク装着部を昇降動作させる昇降機構と、
前記ディスク装着部に対向するように配置されると共に当該ディスク装着部に対して磁石により着脱可能に装着され且つ当該ディスク装着部との間で前記ディスク状記録媒体を挟持可能なクランパと、
前記クランパを回転自在及び移動可能に支持するクランプブラケットと、
前記クランプブラケットを移動させて前記クランパを前記ディスク装着部に対して接近及び離反させる移動機構と、を設け、
前記昇降機構と前記移動機構の動作タイミングを異ならせた
ことを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項2】
前記昇降機構は、前記ディスク装着部が搭載されると共にメインフレームに回動可能に支持されたベースシャーシと、前記メインフレームに摺動可能に支持されたスライド部材と、前記スライド部材の摺動動作を前記ベースシャーシの昇降動作に変換する第1のカム機構と、からなる
ことを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項3】
前記移動機構は、メインフレームに回動可能に支持された前記クランプブラケットと、前記メインフレームに摺動可能に支持されたスライド部材と、前記スライド部材の摺動動作を前記クランプブラケットの昇降動作に変換する第2のカム機構と、からなる
ことを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項4】
前記クランパは、外周縁に外向きのフランジ部を有する円板部材からなり、
前記クランプブラケットは、前記クランパが嵌合される穴を有し、前記穴の前記フランジ部が載置される載置部は、前記クランパと前記ディスク装着部とで前記ディスク状記録媒体を挟持したときに水平状態となり、当該ディスク状記録媒体を挟持する前は傾斜した状態にある
ことを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項5】
前記ディスク状記録媒体が載置されるディスクトレイと、前記ディスクトレイを前記ディスク装着部のある装着位置とその反対側の取出し位置とに搬送するトレイ搬送機構と、を設け、
前記ディスクトレイに、前記ディスク装着部が出し入れ可能とされた開口部を設けた、
ことを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項6】
ディスク状記録媒体を回転駆動すると共に当該ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置を備えたディスク記録及び/又は再生装置であって、
前記ディスクドライブ装置は、
情報信号の記録及び/又は再生のためのディスク状記録媒体が着脱可能に装着されると共に当該ディスク状記録媒体を回転させるディスク装着部と、
前記ディスク装着部を昇降動作させる昇降機構と、
前記ディスク装着部に対して磁石により着脱可能に装着されると共に当該ディスク装着部との間で前記ディスク状記録媒体を挟持可能なクランパと、
前記クランパを回転自在及び移動可能に支持するクランプブラケットと、
前記クランプブラケットを移動させて前記クランパを前記ディスク装着部に対して接近及び離反させる移動機構と、を設け、
前記昇降機構と前記移動機構の動作タイミングを異ならせた
ことを特徴とするディスク記録及び/又は再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2009−70492(P2009−70492A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238324(P2007−238324)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】