説明

ディスク装置

【課題】 小径ディスクが中心線から偏った姿勢で搬入されたときに、小径ディスクの姿勢を中心線に向けて矯正することができ、小径ディスクが偏った状態でクランプ動作が開始されるのを防止できる「ディスク装置」を提供する。
【解決手段】 右側の検知突起23が設けられた検知レバー21には、支点軸25よりも前方に規制移動部材60が回動自在に設けられており、この規制移動部材60に規制突起62が設けられている。また検知レバー21が時計方向へ回動しているときに規制突起62を規制位置に保持する保持凹部71が設けられている。小径ディスクDsが右側に偏って搬入されたときには規制突起62に当たって中心線O−Oに向けて姿勢が矯正される。大径ディスクが搬入されたときには、大径ディスクの外周縁に押されて規制突起62が右方向へ退避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小径ディスクと大径ディスクの双方が装填可能なディスク装置に係り、特に小径ディスクが中心線から位置ずれして搬入されたときにこの小径ディスクの位置ずれを矯正できるディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクト・ディスク(CD)やディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)などが装填される車載用などのディスク装置として、直径が12cmの大径ディスクと直径が8cmの小径ディスクの双方が装填可能なものが使用されている。
【0003】
以下の特許文献1などに記載のディスク装置は、ディスクを挿入する挿入口の内側に一対の検知突起が小径ディスクの直径よりも狭い間隔で対向している。挿入口からディスクが挿入され、このディスクが装置内に搬入されていくと、ディスクの外周縁が前記検知突起に当たり、ディスクの搬入にしたがって検知突起が前記外周縁を摺動して、検知突起の間隔が広げられる。
【0004】
ディスクの中心穴が設置される回転駆動手段よりも搬入方向前方には、一対の位置決め突起が設けられており、一対の前記検知突起の広がり距離に応じて前記位置決め突起が2つの位置に設置される。
【0005】
すなわち小径ディスクが搬入されたときには、前記位置決め突起が小径ディスクを位置決めできる位置に設置され、搬入された小径ディスクの外周縁が前記位置決め突起に当たった時点で小径ディスクの中心穴が回転駆動手段の回転部に位置決めされる。大径ディスクが搬入されると検知突起の間隔がさらに広げられて、この検知突起の広がりに連動して位置決め突起が大径ディスクを位置決めできる位置に設置される。そして、大径ディスクの外周縁が位置決め突起に当たったときに、大径ディスクの中心穴が回転駆動手段の回転部に位置決めされる。
【0006】
また、装置内には一対の位置決め突起の一方によって動作させられる装填検知手段が設けられている。小径ディスクの中心穴が前記回転部に位置決めされたときに、小径ディスクによって一方の位置決め突起が押され、この位置決め突起によって前記装填検知手段が動作させられる。また大径ディスクの中心部が前記回転部に位置決めされたときにも大径ディスクによって前記一方の位置決め突起が押されて装填検知手段が動作させられる。
【0007】
制御部では、前記装填検知手段が動作したときに、小径ディスクまたは大径ディスクの中心が前記回転部に位置決めされたことを認識し、例えば前記回転部へのディスクのクランプ動作などが始動する。
【特許文献1】特開2003−228901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この種のディスク装置では、小径ディスクが搬送手段で搬入されるときに、小径ディスクの中心が、回転駆動手段の回転中心を通る中心線から左右いずれかの方向へ位置ずれして搬入される可能性がある。前記特許文献1などに記載のディスク装置は、回転駆動手段よりも搬入方向の前方に一対の位置決め突起が設けられているため、小径ディスクが位置ずれして搬入されたときに、その外周縁がいずれか一方の位置決め突起に当たりその当接部を支点として小径ディスクが回転することで、中心穴が回転駆動手段の回転部に一致するように矯正できるようになっている。
【0009】
しかしながら、小径ディスクが中心線に対して前記装填検知手段が設けられているのと同じ側に位置ずれして搬入されると、小径ディスクが前記のように矯正される前にこの小径ディスクによって前記装填検知手段が押されるおそれがある。装填検知手段が押されると、小径ディスクの中心が前記回転部に位置決めされていない段階でディスクのクランプ動作が開始されるなどの不具合が発生する。
【0010】
また、中心線に対して前記装填検知手段が設けられている側に偏った位置に規制突起を設けておけば、位置ずれして搬入されたディスクが前記装填検知手段を動作させる前に前記規制突起に当たってその移動姿勢が変化させられて、ディスクの中心穴を回転部に位置決めできるようになる。しかし、前記規制突起を設けておくと、大径ディスクを搬入するときに、前記規制突起が大径ディスクの搬入経路の障害となってしまい、大径ディスクと小径ディスクの双方を装填することができなくなる。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、小径ディスクが中心線から外れて偏った位置から搬入されたとき、この小径ディスクを回転駆動手段に位置決めできる位置へ矯正することができ、且つ大径ディスクの搬入も可能とされたディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、小径ディスクと大径ディスクの双方を挿入可能な挿入部と、前記挿入部から挿入されたディスクを搬入し搬出する搬送手段と、前記搬送手段によって搬入された前記小径ディスクと前記大径ディスクがいずれも装着可能な回転駆動手段とを有するディスク装置において、
前記回転駆動手段の回転中心を通ってディスクの搬入方向に延びる仮想線を中心線としたときに、
前記中心線を挟んで両側に位置し、ディスクの挿入を待機しているときにその間隔が小径ディスクの直径よりも狭い待機位置に設定される一対の検知突起と、前記検知突起を有しこの検知突起よりも搬入方向前方に位置する支点を介して回動自在に支持された検知レバーと、前記検知突起を待機位置に設置する方向へ前記検知レバーを付勢する付勢手段と、
前記回転駆動手段よりも搬入方向前方でディスクの外周縁に対向する位置に有って、前記検知レバーの回動量に応じて小径ディスクを回転駆動手段に位置決めする小径ディスク設置位置と、大径ディスクを回転駆動手段に位置決めする大径ディスク設置位置とに設置される位置決め突起とを有しており、
前記中心線から横方向へ離れた位置に、規制移動部材と、前記規制移動部材に設けられてディスクの外周縁に対向する規制突起と、前記規制突起を規制位置に保持する保持手段とが設けられており、
小径ディスクがその中心が前記中心線からずれて搬入されたときに、小径ディスクの外周縁が前記規制位置に保持された規制突起に当たって中心線からのずれが規制されるとともに、大径ディスクが搬入されたときには、その外周縁に押されて前記規制突起が前記保持手段および中心線から離れる退避位置へ押圧移動させられることを特徴とするものである。
【0013】
前記ディスク装置では、小径ディスクが中心線からずれて搬入されたときには、小径ディスクが前記規制突起で規制されて、小径ディスクの中心が回転駆動手段に位置決めできるようになる。また大径ディスクが搬入されるときには、この大径ディスクに押されて前記規制突起が退避できるため、規制突起が大径ディスクの搬入の障害とならない。
【0014】
例えば、本発明は、前記規制移動部材は、前記支点よりも搬入方向前方において前記検知レバーに回動自在に支持されているものである。
【0015】
規制移動部材が検知レバーに支持されていると、大径ディスクが検知突起を押して、検知レバーが回動するときに、この回動動作を利用して規制突起を前記保持手段から離脱させる動作が可能になり、規制突起の退避位置への移動をさらに確実に行えるようになる。
【0016】
なお、本発明では、前記規制移動部材が検知レバー以外の部分、例えば筐体の天井部などに移動自在に設けられていてもよい。
【0017】
また、本発明では、大径ディスクが搬出されるときに、前記規制突起を前記保持手段に保持させる付勢部材が設けられていることが好ましい。
【0018】
前記付勢部材が設けられていると、大径ディスクを搬出するときに、前記規制突起を前記規制位置へ確実に復帰させることができる。
【0019】
例えば本発明は、前記保持手段は、中心線から横方向に離れて位置し、搬入方向に向けて開口する保持凹部である。
【0020】
さらに本発明は、中心線から一方向へ離れた位置に、小径ディスクの搬入力によって動作させられてディスクの装填完了を検知する装填検知手段が設けられており、前記規制突起は、中心線に対して前記装填検知手段と同じ側で且つ小径ディスク設置位置にある前記位置決め突起よりも挿入部側に配置されているものにおいて特に有効である。
【0021】
前記のように中心線から一方に離れた側に装填検知手段が存在している場合に、小径ディスクが装填検知手段と同じ方向へ偏って搬入されたとしても、この小径ディスクが規制突起によって規制されて回転駆動手段に位置決めできる位置へ矯正させられる。よって、偏って搬入された小径ディスクによって誤って装填検知手段が動作させられる不具合を防止できるようになる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、小径ディスクが中心線から片側へ位置ずれして搬入されたときに、その搬入姿勢を矯正して、小径ディスクを回転駆動手段に確実に位置決めできるようになる。また、大径ディスクが搬入されるときには、規制突起がその搬入を妨げることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明の実施の形態である車載用のディスク装置を側方から示す断面図、図2は図1に示すディスク装置の天井部分に設けられた機構をII矢視方向から見た底面図、図3と図4は前記底面図において小径ディスクの案内動作を示す。図5ないし図7は、前記底面図において大径ディスクの案内動作を示す。
【0024】
図1に示すように、ディスク装置1は、1DINサイズの外部ケースに収納可能な筐体2を有している。筐体2は、下部シャーシ3と上部シャーシ4を有し、前記下部シャーシ3と上部シャーシ4とが組み合わされて箱体が形成されている。ディスク装置1は、図1に示すY1方向がディスクの搬入方向の前方であり、以下ではY1方向を前方と表現することがある。またY2方向がディスクの搬出方向であり、以下ではY2方向を後方と表現することがある。
【0025】
筐体2は、Y2側の端面が表面5であり、この表面5にディスク挿入部である挿入口6がスリット状に開口している。この挿入口6は、直径が8cmの小径ディスクDsと直径が12cmの大径ディスクDlの双方を挿入できる開口幅寸法を有している。
【0026】
筐体2の内部には回転駆動手段7が設けられている。この回転駆動手段7は、スピンドルモータ8と、このスピンドルモータ8の回転軸に固定された回転部であるターンテーブル9を有している。また、前記上部シャーシ4には、前記ターンテーブル9に対向するクランパ10が回転自在に設けられている。前記上部シャーシ4にはクランプ機構が設けられており、小径ディスクDsの中心穴または大径ディスクDlの中心穴がターンテーブル9に一致したときに、前記クランプ機構が動作して、ディスクがターンテーブル9とクランパ10とで挟持されて回転駆動手段7にクランプされる。
【0027】
図2は、前記上部シャーシ4をII矢視方向から見た底面図であるが、図2に示すOsは、クランパ10の回転中心であり、且つ前記ターンテーブル9の回転中心である。また、前記回転中心Osを通ってディスクの搬入方向(Y1方向)に延びる仮想線が中心線O−Oである。
【0028】
前記挿入口6と回転駆動手段7との間には搬送手段11が設けられている。搬送手段11には、搬送ローラ12とこの搬送ローラ12の上方に対向する摺動部材13とが設けられている。前記搬送ローラ12は、図示しない搬送アームに支持されており、この搬送アームが回動すると、搬送ローラ12が摺動部材13にばね力を介して圧接され、搬送ローラ12と摺動部材13との間でディスクを挟持できるようになる。この挟持状態で搬送ローラ12を回転させると、ディスクが前方へ搬入され、また後方へ搬出される。また、ディスクの中心穴がターンテーブル9に装着された後は、前記搬送アームが回動し、搬送ローラ12が下降してディスクの下面から離れる。
【0029】
図2に示すように、上部シャーシ4の下面には、中心線O−Oよりも右側に検知レバー21が設けられ、この検知レバー21の後方(Y2方向)の端部には検知突起23が設けられている。中心線O−Oよりも左側にも検知レバー22が設けられており、この検知レバー22の後方の端部に検知突起24が設けられている。図1に示すように、前記検知突起23と検知突起24は、挿入口6と搬送ローラ12との間において挿入口6に接近して対向しており、挿入口6から挿入された小径ディスクDsまたは大径ディスクDlは、必ず検知突起23と検知突起24に当接する。
【0030】
右側の検知レバー21は、検知突起23よりも前方に位置する支点軸25によって上部シャーシ4の天井面4aに回動自在に支持されている。同様に左側の検知レバー22は、検知突起24よりも前方に位置する支点軸26によって前記天井面4aに回動自在に支持されている。前記検知レバー21と検知レバー22は、前記天井面4aと平行な面に沿って回動し、その結果、検知突起23と検知突起24との対向間隔が変化できるようになっている。
【0031】
右側の検知レバー21には、前記支点軸25よりも後方に連結軸27が設けられ、左側の検知レバー22には、前記支点軸26よりも前方に連結軸28が設けられている。連結部材29の一方の端部が連結軸27に回動自在に連結され、他方の端部が連結軸28に回動自在に連結されている。その結果、検知レバー21と検知レバー22は、互いに拘束しあいながら同期して互いに逆方向へ回動できるようになっている。
【0032】
右側の検知レバー21の前端で且つ支点軸25よりも前方には、軸32が設けられており、位置決めレバー31が前記軸32によって検知レバー21に回動自在に支持されている。同様に左側の検知レバー22の前端で且つ支点軸26よりも前方には軸38が設けられ、この軸38を介して、位置決めレバー33が検知レバー22に回動自在に支持されている。
【0033】
位置決めレバー31の前端には、位置決め突起34が設けられ、位置決めレバー33の前端には、位置決め突起35が設けられている。図1に示すように、位置決め突起34と位置決め突起35は、共に筐体1内に搬入されていく小径ディスクDsまたは大径ディスクDlの外周縁に当たる位置に対向している。
【0034】
右側の位置決めレバー31と天井面4aとの間には付勢手段であるスプリング36が掛けられており、このスプリング36の引っ張り弾性力によって、位置決めレバー31が軸32を支点として反時計方向(CCW)へ回動付勢されているとともに、右側の検知レバー21が支点軸25を介して時計方向(CW)へ回動付勢されている。左側の位置決めレバー33と天井面4aとの間にはスプリング37が掛けられており、このスプリング37の引っ張り弾性力により、位置決めレバー33が軸38を支点として時計方向(CW)に回動付勢されているとともに、検知レバー22が支点軸26を支点として反時計方向(CCW)へ回動付勢されている。
【0035】
図2に示すように、検知レバー21の時計方向(CW)の回動限界位置は天井面4aに設けられたストッパ39aによって決められており、検知レバー22の反時計方向(CCW)の回動限界位置もストッパ39bによって決められている。その結果、ディスクが挿入されていない待機状態では、検知突起23と検知突起24は、その対向間隔Wが小径ディスクDsの直径よりも狭い待機位置に設定されている。
【0036】
図2に示すように、上部シャーシ4の天井面4aには、回転駆動手段7よりも前方の位置に案内部40と41が設けられている。この案内部40と41は、中心線O−Oを挟んで左右に等距離を空けた位置において、前記天井面4aに穴を開けることで形成されている。
【0037】
案内部40には、後方(Y2方向)に向けて延びる小径ディスク設定部42が凹状に形成されている。案内部40の穴の中心線O−O側の縁部は、前記小径ディスク設定部42と連続する摺動案内部43となっている。また、前記摺動案内部43から右側へ離れた位置に、大径ディスク設定部44が凹状に形成されている。同様に、左側の案内部41にも、凹状の小径ディスク設定部45と摺動案内部46および凹状の大径ディスク設定部48が設けられている。
【0038】
前記位置決め突起34と位置決め突起35は、位置決めレバー31,33の下面から下方へ延びて、搬入されてくるディスクに対向するとともに、前記位置決め突起34と位置決め突起35は、位置決めレバー31,33の上面からも延び出ており、この延び出ている部分が、前記案内部40と案内部41内に入り込んで、前記小径ディスク設定部42,45、摺動案内部43,46および大径ディスク設定部44,48に案内される。
【0039】
中心線O−Oよりも右側で且つ検知レバー21よりも前方には、装填検知手段50が設けられている。この装填検知手段50には、検知動作部材51が設けられている。この検知動作部材51は、支持軸52によって上部シャーシ4の天井面4aに回動自在に支持されている。検知動作部材51は合成樹脂材料で形成されており、その右側には弾性片53が一体に形成されている。この弾性片53が、天井面4aに設けられた掛止部54に掛止されており、弾性片53の弾性復元力により、検知動作部材51は支持軸52を支点として反時計方向(CCW)へ付勢されている。検知動作部材51は図2に示す姿勢が最も反時計方向へ回動した位置であり、この位置においてそれ以上反時計方向で回動できないようにストッパ(図示せず)によって規制されている。
【0040】
検知動作部材51の左側の端部には、小径押圧部55が突出して形成されている。図2に示すように、右側の位置決め突起34が小径ディスク設定部42内に位置して小径ディスク設置位置に位置決められている状態で、前記小径押圧部55は前記位置決め突起34の前方に対向している。そして、小径ディスクDsの外周縁により位置決め突起34が押されたときに、この位置決め突起34を介して前記小径押圧部55が押圧されて、検知動作部材51が時計方向へ回動するようになっている。
【0041】
検知動作部材51の前方端部には大径押圧部56が凹状に形成されている。図7に示すように、右側の位置決め突起34が案内部40の大径ディスク設定部44内に位置しているとき、前記位置決め突起34が大径押圧部56内に入り込む。このとき位置決め突起34によって大径押圧部56が押され、検知動作部材51が時計方向(CW)へ回動させられる。
【0042】
検知動作部材51の右端には、検知部57が設けられ、上部シャーシ4の天井面4aには検知スイッチ58が設けられている。検知動作部材51が時計方向(CW)へ回動すると、検知部57によって前記検知スイッチ58が動作させられる。筐体2内に設けられた図示しない制御回路では、前記検知スイッチ58が動作したことを検知することにより、小径ディスクDsまたは大径ディスクDlの中心穴が、ターンテーブル9上に位置決められた装填完了状態であることが認識される。
【0043】
図2に示すように、中心線O−Oを挟んで前記装填検知手段50と同じ側で、且つ装填検知手段50よりも後方(Y2方向)には、規制移動部材60が設けられている。右側の検知レバー21における支点軸25よりも前方の端部に支持軸61が設けられており、前記規制移動部材60は前記支持軸61に回動自在に支持されている。前記規制移動部材60には、前記支持軸61と離れた位置に規制突起62が設けられている。図1に示すように、この規制突起62は、搬送手段11の搬送力によって搬入される小径ディスクDsおよび大径ディスクDlのそれぞれの外周縁が当たることができる位置に対向している。
【0044】
前記規制移動部材60は合成樹脂材料で形成されており、前記支持軸61を挟んで前記規制突起62と逆側の位置には、付勢部材である弾性片63が一体に形成されている。
【0045】
図2に示すように、中心線O−Oよりも右側には、前記天井面4aと隙間を空けて合成樹脂材料製のガイド板70が固定されている。前記検知レバー21、位置決めレバー31および規制移動部材60は、天井面4aとガイド板70との隙間内で移動できるようになっている。
【0046】
ガイド板70には、保持手段を構成する保持凹部71が前方(Y1方向)へ向けて開口して形成されている。図2に示すように、規制移動部材60に設けられた規制突起62が前記保持凹部71の内部に入り込んだときに、この規制突起62が規制位置に設置される。このとき図4に示すように、小径ディスクDsが中心線O−Oから右側へ位置ずれして搬入されたときに、小径ディスクDsの外周縁が規制突起62に規制されて、小径ディスクDsが中心線O−O側へ戻るように矯正される。
【0047】
また、前記保持凹部71は、凸側が右方向へ向けられた曲線軌跡に沿って形成されており、図5に示すように、右側の検知レバー21が反時計方向(CCW)へ大きく回動すると、規制移動部材60が反時計方向へ回動して、規制突起62が保持凹部71内から抜け出る方向へ移動できるようになっている。
【0048】
前記ガイド板70の前端には、前記保持凹部71の開口部から中心線O−Oに向かって延びる付勢案内部72が形成されている。図5から図6に示すように規制突起62が保持凹部71から前方へ抜け出て、さらに大径ディスクDlの外周縁で規制突起62が押されて規制移動部材60が反時計方向へ回動させられるときに、この規制移動部材60に一体に形成された前記弾性片63が付勢案内部72に押し付けられ、規制移動部材60に対して時計方向(CW)への復帰付勢力が与えられる。
【0049】
また、ガイド板70の前端には、保持凹部71の開口部から右方向へ延びる摺動案内部73が形成されており、この摺動案内部73の右端には中心線O−Oに対して傾斜して形成された退避部74が形成されている。図7に示すように、大径ディスクDlが装填されたときには、規制突起62が前記退避部74に保持されて大径ディスクDlの外周縁から離れた退避位置に拘束されるようになっている。
【0050】
次に、図1ないし図4を参照して小径ディスクDsの装填動作を説明する。
図2は、ディスクが装填される前の待機状態を示している。この待機状態では、スプリング36の弾性力によって検知レバー21が時計方向(CW)へ回動させられ検知レバー21の時計方向の回動がストッパ39aで規制されている。また位置決めレバー31が反時計方向(CCW)へ回動させられ、位置決めレバー31に設けられた位置決め突起34が、右側の案内部40の小径ディスク設定部42内に位置している。左側の検知レバー22は右側の検知レバー21に連動して反時計方向(CCW)へ回動し、ストッパ39bにより反時計方向への回動が規制されている。また、左側の位置決めレバー33が時計方向(CW)へ回動して、位置決め突起35が案内部41の小径ディスク設定部45内に位置している。そして、一対の検知突起23と24は、小径ディスクDsの直径よりも狭い間隔Wを空けて対向している。
【0051】
さらに、規制移動部材60に設けられた規制突起62は、ガイド板70に形成された保持凹部71内に保持された規制位置にある。また、搬送手段11では、搬送ローラ12が摺動部材13にばねの力で圧接されている。
【0052】
小径ディスクDsが挿入口6から挿入されると、図2に示すように、小径ディスクDsの外周縁が検知突起23と検知突起24との間に入り込む。小径ディスクDsが筐体2内に押し込まれると、検知突起23と検知突起24は、小径ディスクDsの外周縁を摺動して、その対向間隔が広げられる。このときの検知レバー21または検知レバー22の回動動作が図示しないスイッチによって検知されると、制御回路からの指令で搬送モータが始動させられ、搬送ローラ12が図1において反時計方向へ回転し始める。
【0053】
小径ディスクDsは、搬送ローラ12と摺動部材13とで挟持されて、搬送ローラ12の回転力によって筐体2内を前方(Y1方向)に向けて搬入される。小径ディスクDsの搬入に伴って、検知突起23と検知突起24が小径ディスクDsの外周縁を摺動して、その対向間隔が徐々に広げられる。図3は、小径ディスクDsの中心穴が検知突起23と検知突起24との間に位置した状態を示しており、このとき検知突起23と検知突起24との対向間隔がW1となり、この間隔W1が、小径ディスクDsが搬入されるときの最大間隔となる。
【0054】
図3では、右側の検知レバー21の反時計方向(CCW)への回動に伴って、右側の位置決め突起34が案内部40の摺動案内部43を摺動して(ア)方向へ移動する。同様に、左側の検知レバー22が時計方向へ回動するため、左側の位置決め突起35が案内部41の摺動案内部46を摺動して(ア)方向へ移動する。ただし、検知突起23と検知突起24の対向間隔が図3に示すW1のときには、右側の位置決め突起34が、案内部40の小径ディスク設定部42から前方へ抜け出ることがなく、左側の位置決め突起35が、案内部41の小径ディスク設定部45から前方へ抜け出ることがない。
【0055】
図4は、小径ディスクDsが筐体2内にさらに搬入されて、小径ディスクDsの外周縁が、検知突起23と検知突起24から離れた状態を示している。小径ディスクDsが図3から図4に示す位置へ搬入される間に、検知レバー21と検知レバー22は元の状態に復帰し、検知突起23と検知突起24は、対向間隔Wの待機位置に復帰させられる。これに伴い、位置決めレバー31と位置決めレバー33も、図2と同じ初期状態に復帰する。その結果、位置決め突起34は案内部40の小径ディスク設定部42内に戻って小径ディスク設置位置に設定され、左側の位置決め突起35も案内部41の小径ディスク設定部45内に戻って小径ディスク設置位置に設定される。
【0056】
このとき、右側の位置決め突起34は、検知動作部材51に一体に形成された小径押圧部55に対して後方(Y2側)から対向している。
【0057】
図3に示すように、小径ディスクDsは、右側の検知突起23と左側の検知突起24とで挟まれた状態で搬入されるため、図4において(イ)で示すように、小径ディスクDsは、その中心が中心線O−Oに沿うようにして搬入されやすい。図4において(イ)で示す小径ディスクDsは、その中心穴がターンテーブル9よりもやや後方(Y2方向)に位置している。小径ディスクDsが、(イ)の位置からさらにY1方向へ搬入されると、小径ディスクDsの外周縁によって、右側の位置決め突起34が前方へ押され、この位置決め突起34によって検知動作部材51の小径押圧部55が押されて、検知動作部材51が時計方向(CW)へ回動させられる。
【0058】
検知動作部材51が時計方向へ回動させられるのとほぼ同時に、小径ディスクDsの外周縁が、位置決め突起34と位置決め突起35の双方に当たって、小径ディスクDsの中心が中心線O−O上に位置するように矯正され、さらに小径ディスクDsの中心穴がターンテーブル9上に位置決めされる。
【0059】
前記のように、小径ディスクDsの中心穴がターンテーブル9上に位置決めされるとほぼ同時に、検知動作部材51が時計方向へ回動するため、検知動作部材51の検知部57により検知スイッチ58が動作させられる。このとき制御回路は小径ディスクDsの装填が完了したものと認識し、その後の制御回路からの指令により、クランプ機構が動作して、小径ディスクDsの中心穴がターンテーブル9とクランパ10とで挟持されてクランプされるとともに、搬送アームが動作して搬送ローラ12が小径ディスクDsの下面から離れ、小径ディスクDsへの搬入力が断たれる。
【0060】
さらに、回転駆動手段7のスピンドルモータ8が始動し、ターンテーブル9とともに小径ディスクDsが回転駆動され、図示しない光ヘッドが動作して、小径ディスクDsに記録されている信号が読み取られ、あるいは小径ディスクDsに信号が記録される。
【0061】
前述のように、小径ディスクDsは、一対の検知突起23と24とで挟まれながら搬入されるために、その中心が中心線O−Oに沿うようにして搬入されやすい。しかし、挿入口6において小径ディスクDsを無理に右側に偏らせて挿入すると、小径ディスクDsの中心が中心線O−Oから右側へずれた状態で、搬送ローラ12の回転力により前方へ搬入されていくことがありえる。図4では、その中心が中心線O−Oから右側に偏った状態で搬入されていく小径ディスクDsを符号(ウ)で示している。
【0062】
(ウ)で示すように右側に偏った姿勢で搬入されていく小径ディスクDsは、その外周縁が、規制位置にある規制突起62に当たり、さらに搬送ローラ12から受ける搬入力により、小径ディスクDsは、規制突起62との当接点を支点として時計方向へ回動しながら搬入される。その結果、小径ディスクDsは前記(イ)で示すように、その中心が中心線O−Oに一致する位置へ矯正され、小径ディスクDsの中心穴がターンテーブル9に一致できるように導かれる。
【0063】
また、(ウ)の姿勢で小径ディスクDsが搬入されると、小径ディスクDsの外周縁によって規制位置にある規制突起62が押されることになる。しかし、規制突起62を保持している保持凹部71の中心線OLの円弧軌跡は、支持軸61を中心とする規制移動部材60の回動軌跡と一致していないため、小径ディスクDsから受ける押圧力によって、規制突起62が規制位置から動くことはない。
【0064】
ここで、仮に前記規制突起62が図4に示す規制位置に存在していなかった場合には、(ウ)に示す姿勢の小径ディスクDsがそのままY1方向へ搬入されていき、小径ディスクDsの外周縁が、左側の位置決め突起35に当たることなく、右側の位置決め突起34のみに当たって、この位置決め突起34をY1方向へ押圧することになる。その結果、小径ディスクDsの中心が中心線O−Oから右方向へずれているのにも拘わらず、位置決め突起34で小径押圧部55が押され、検知動作部材51が時計方向へ回動し、検知スイッチ58が動作させられて、クランプ動作が開始される不具合が生じる。
【0065】
しかし、この実施の形態では、規制突起62が規制位置に配置されていることにより、小径ディスクDsを中心線O−O側へ向けて矯正できるようになる。このような矯正機能を発揮するためには、規制位置にある規制突起62は、小径ディスク設置位置にある右側の位置決め突起34よりも後方で、且つ中心線O−Oとの距離が小径ディスクDsの半径寸法よりも離れた位置に配置されていることが好ましい。
【0066】
一方、小径ディスクDsが、挿入口6において中心線O−Oに対して左側に偏った位置から挿入されたときに、小径ディスクDsは、その中心が中心線O−Oよりも左側に位置ずれした状態で搬入されていくことがありえる。ただし、この場合には、小径ディスクDsの外周縁が、左側の小径ディスク設置位置にある位置決め突起35に最初に当たり、その後の搬入力により、小径ディスクDsが位置決め突起35との当接点を支点として反時計方向へ回動するように矯正され、その後に小径ディスクDsの外周縁によって右側の位置決め突起34が押される。
【0067】
したがって、右側の位置決め突起34によって検知動作部材51が時計方向へ回動させられて検知スイッチ58が動作し、ディスククランプ動作が開始されたときには、小径ディスクDsの中心穴がターンテーブル9上に位置決めされているのため、特に問題は生じない。
【0068】
図5ないし図7は大径ディスクDlが搬入される動作を示している。
大径ディスクDlが挿入口6から挿入されると、検知突起23と検知突起24は、大径ディスクDlの外周縁によってその間隔が広げられる。検知レバー21と検知レバー22のいずれかの回動動作がスイッチで検知されると、搬送モータが始動して、大径ディスクDlは搬送ローラ12と摺動部材13とで挟持されて搬入されていく。大径ディスクDlは直径が12cmであり、小径ディスクDsよりも直径が十分に大きいため、大径ディスクDlが搬入されるのに伴って、検知突起23と検知突起24との間隔が大きく広げられる。
【0069】
図5は、大径ディスクの中心穴が、検知突起23と検知突起24との間に至った状態を示している。このとき検知突起23と検知突起24の間隔は最も広げられてW2となる。
【0070】
図2の待機状態から図5に至る間に、右側の検知レバー21は反時計方向(CCW)へ大きく回動し、左側の検知レバー22も時計方向(CW)へ大きく回動する。それぞれの検知レバー21と22が図5の状態まで回動すると、右側の位置決め突起34が案内部40の摺動案内部43を摺動して(エ)方向へ大きく前進して、小径ディスク設定部42から抜け出る。同様に、左側の位置決め突起35が、案内部41の摺動案内部46を摺動して(エ)方向へ大きく前進し、小径ディスク設定部45から抜け出る。
【0071】
また、図5の状態では、右側の検知レバー21が反時計方向(CCW)へ大きく回動するために、規制移動部材60の支持軸61が、保持凹部71よりも中心線O−O側へ移動する。保持凹部71の中心線OLの円弧軌跡の曲率半径は、支持軸61を中心とする規制突起62の回動軌跡の曲率半径よりも大きく、図5に示す状態で、前記円弧軌跡OLの曲率中心が前記支持軸61より後方(Y2側)に位置しているため、支持軸61が図5に示す位置へ移動する間に、規制移動部材60が支持軸61を中心として反時計方向へ回動させられ、規制突起62が、保持凹部71のほぼ開口部付近へ移動させられる。
【0072】
図6は、大径ディスクDlが、図5よりもさらに前方へ搬入された状態を示している。図6では、大径ディスクDlの外周縁によって規制突起62が前方へ押され、規制移動部材60がさらに反時計方向へ回動させられて、規制突起62が保持凹部71内から完全に離脱させられる。
【0073】
図7は、大径ディスクDlの中心穴がターンテーブル9の上に至った状態を示している。
【0074】
大径ディスクDlが、図5の位置から図6の位置を経て図7の位置へ搬入されていく間に、検知レバー21はスプリング36の付勢力によって時計方向(CW)へ復帰させられ、検知レバー22はスプリング37の付勢力によって反時計方向へ回動させられる。これに伴い、図6に示すように、位置決め突起34は案内部40の摺動案内部43に沿って(オ)方向へ戻ろうとする。同様に、左側の位置決め突起35も、案内部41の摺動案内部46に沿って(オ)方向へ戻ろうとする。しかし、この戻り動作の途中で、大径ディスクDlの外周縁が位置決め突起34と位置決め突起35に当たるため、位置決め突起35は小径ディスク設定部42内に戻ることができず、同様に位置決め突起35は小径ディスク設定部45に戻ることができなくなる。
【0075】
その後、さらに大径ディスクDlが前方へ搬入されていくと、検知レバー21が時計方向へ回動し、検知レバー22が反時計方向へ回動して、検知突起23と検知突起24が、図7に示すように間隔Wの待機位置へ復帰する。この間に、検知レバー21の時計方向への回動力によって、右側の位置決め突起34は、案内部40の大径ディスク設定部44内に入り込んで大径ディスク設置位置に設定される。同様に、位置決め突起35も案内部41の大径ディスク設定部48内に入り込んで大径ディスク設置位置に設定される。そして、大径ディスクDlは、前記位置決め突起34と位置決め突起35に当たり、このとき、大径ディスクDlの中心穴がターンテーブル9上に位置決めされる。
【0076】
図7の状態では、スプリング36の引っ張り力によって時計方向へ回動させられる検知レバー21の回動力によって、大径ディスク設定部44に至った位置決め突起34がさらに検知動作部材51の大径押圧部56に押し付けられ、検知動作部材51が時計方向へ回動させられる。よって検知部57によって検知スイッチ58が動作させられ、大径ディスクDlの装填が完了したことが検知され、クランプ動作が開始される。このとき大径ディスクDlはその中心穴がターンテーブル9に一致するように位置決めされているため、大径ディスクDlは、ターンテーブル9とクランパ10とで確実にクランプされる。
【0077】
また、図6において、大径ディスクDlの外周縁によって前方へ押し出された規制突起62は、その後に検知レバー21の時計方向(CW)への回動に伴って、ガイド板70の摺動案内部73を右方向へ摺動する。そして、検知レバー21が図7の状態まで回動した時点で、この検知レバー21の回動力によって規制突起62が、ガイド板70の右端の退避部74に保持され、規制突起62がターンテーブル9に保持された大径ディスクDlの外周縁から離れる。
【0078】
よって、大径ディスクDlは規制突起62と摺動することなく回転できるようになる。また、検知レバー21の時計方向への回動力により大径ディスク設定部44に至った位置決め突起34、および検知レバー22の反時計方向への回動力により大径ディスク設定部48に至った位置決め突起35も、その時点で、ターンテーブル9に保持された大径ディスクDlの外周縁からわずかに離れる。
【0079】
次に、小径ディスクDsまたは大径ディスクDlを排出するときには、制御回路からの排出動作指令により、クランパ10がディスクから離れる。さらに、搬送アームが回動して、搬送ローラ12と摺動部材13とでディスクが挟持され、このとき搬送ローラ12によってディスクが持ち上げられ、ディスクの中心穴がターンテーブル9から上方へ離れる。その後は、搬送ローラ12の図1における時計方向への回転動作により、ディスクが挿入口6へ向けて搬出される。
【0080】
小径ディスクDsが搬出されるときには、小径ディスクDsのY2方向への移動に伴って、検知レバー21と検知レバー22が、図4から図3の状態に回動し、さらに図2の待機状態に復帰する。
【0081】
大径ディスクDlが搬出されるときには、図7から図5に示すように、検知突起23と検知突起24が大径ディスクDlの外周縁を摺動して、右側の検知レバー21が反時計方向へ大きく回動し、左側の検知レバー22は時計方向へ大きく回動する。そして、大径ディスクDlの中心穴が検知突起23および検知突起24よりも後方へ移動すると、スプリング36の付勢力により右側の検知レバー21が時計方向へ回動して復帰し、スプリング37の付勢力により左側の検知レバー22が反時計方向へ回動して復帰する。この間、位置決め突起34は、案内部40の摺動案内部43を摺動して図2に示すように小径ディスク設定部42に復帰し、位置決め突起35も、案内部41の小径ディスク設定部45に復帰する。
【0082】
また、大径ディスクDlの搬出動作の際に、図7の状態から図5の状態に至る間に、右側の検知レバー21が反時計方向へ回動し、この回動動作に伴って規制突起62も中心線O−Oへ接近する方向へ移動していく。そして、図5の状態では、規制移動部材60に設けられた弾性片63が、ガイド板70の付勢案内部72に当接し、この弾性片63が弾性変形して、規制移動部材60に時計方向への回動付勢力が与えられ。そのため、図5の状態の後に、検知レバー21が時計方向へ回動復帰するときに、規制突起62がガイド板70の保持凹部71内に確実に入り込むようになる。よって、図2に示す初期状態に復帰したときに、規制突起62は保持凹部71内の規制位置に設定されるようになる。
【0083】
なお、図5に示す状態で、規制移動部材60を時計方向へ付勢する付勢部材として、前記弾性片63ではなく、例えば支持軸61に装着されたトーションばねなどを使用してもよい。
【0084】
また、規制移動部材60を検知レバー21に搭載するのではなく、上部シャーシ4の天井面4aなどにおいて左右方向へ移動自在で且つ回動自在に設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態である車載用のディスク装置を側方から見た断面図、
【図2】ディスク装置の上部シャーシを図1のII矢視方向から見た底面図であり、ディスク挿入待機状態を示す、
【図3】ディスク装置の上部シャーシを図1のII矢視方向から見た底面図であり、小径ディスクの搬入動作を示す、
【図4】ディスク装置の上部シャーシを図1のII矢視方向から見た底面図であり、小径ディスクの搬入動作を示す、
【図5】ディスク装置の上部シャーシを図1のII矢視方向から見た底面図であり、大径ディスクの搬入動作を示す、
【図6】ディスク装置の上部シャーシを図1のII矢視方向から見た底面図であり、大径ディスクの搬入動作を示す、
【図7】ディスク装置の上部シャーシを図1のII矢視方向から見た底面図であり、大径ディスクの装填完了状態を示す、
【符号の説明】
【0086】
Ds 小径ディスク
Dl 大径ディスク
Y1 搬入方向(前方)
Y2 搬出方向(後方)
1 ディスク装置
2 筐体
4 上部シャーシ
4a 天井面
6 挿入口
7 回転駆動手段
9 ターンテーブル
11 搬送手段
12 搬送ローラ
21,22 検知レバー
23,24 検知突起
25,26 支点軸
29 連結部材
31,33 位置決めレバー
34,35 位置決め突起
36,36 スプリング(付勢手段)
40,41 案内部
50 装填検知手段
51 検知動作部材
58 検知スイッチ
60 規制移動部材
62 規制突起
71 保持凹部
74 退避部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小径ディスクと大径ディスクの双方を挿入可能な挿入部と、前記挿入部から挿入されたディスクを搬入し搬出する搬送手段と、前記搬送手段によって搬入された前記小径ディスクと前記大径ディスクがいずれも装着可能な回転駆動手段とを有するディスク装置において、
前記回転駆動手段の回転中心を通ってディスクの搬入方向に延びる仮想線を中心線としたときに、
前記中心線を挟んで両側に位置し、ディスクの挿入を待機しているときにその間隔が小径ディスクの直径よりも狭い待機位置に設定される一対の検知突起と、前記検知突起を有しこの検知突起よりも搬入方向前方に位置する支点を介して回動自在に支持された検知レバーと、前記検知突起を待機位置に設置する方向へ前記検知レバーを付勢する付勢手段と、
前記回転駆動手段よりも搬入方向前方でディスクの外周縁に対向する位置に有って、前記検知レバーの回動量に応じて小径ディスクを回転駆動手段に位置決めする小径ディスク設置位置と、大径ディスクを回転駆動手段に位置決めする大径ディスク設置位置とに設置される位置決め突起とを有しており、
前記中心線から横方向へ離れた位置に、規制移動部材と、前記規制移動部材に設けられてディスクの外周縁に対向する規制突起と、前記規制突起を規制位置に保持する保持手段とが設けられており、
小径ディスクがその中心が前記中心線からずれて搬入されたときに、小径ディスクの外周縁が前記規制位置に保持された規制突起に当たって中心線からのずれが規制されるとともに、大径ディスクが搬入されたときには、その外周縁に押されて前記規制突起が前記保持手段および中心線から離れる退避位置へ押圧移動させられることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記規制移動部材は、前記支点よりも搬入方向前方において前記検知レバーに回動自在に支持されている請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
大径ディスクが搬出されるときに、前記規制突起を前記保持手段に保持させる付勢部材が設けられている請求項1または2記載のディスク装置。
【請求項4】
前記保持手段は、中心線から横方向に離れて位置し、搬入方向に向けて開口する保持凹部である請求項1ないし3のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項5】
中心線から一方向へ離れた位置に、小径ディスクの搬入力によって動作させられてディスクの装填完了を検知する装填検知手段が設けられており、前記規制突起は、中心線に対して前記装填検知手段と同じ側で且つ小径ディスク設置位置にある前記位置決め突起よりも挿入部側に配置されている請求項1ないし4のいずれかに記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−120278(P2006−120278A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309366(P2004−309366)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】