説明

ディスク駆動装置およびディスク駆動装置の製造方法

【課題】ディスク駆動装置をより薄くしつつ、トルクの低下を軽減し、記録ディスクの回転を安定させるディスク駆動装置を提供する。
【解決手段】ディスク駆動装置100は、ベース部材3と、記録ディスク1を載置するハブ4と、クランパー70と、ハブ4を回転自在に支持する軸受ユニット5と、ハブ4を回転駆動するスピンドル駆動ユニット6と、を備える。スピンドル駆動ユニット6は、突極を有するステータコア11と、突極に巻かれたコイル12と、突極と対向するようにハブに固定されるマグネット21と、を含む。ハブ4は磁性体材料により形成され、軸受ユニット5の潤滑剤が保持される空間の半径方向外側に位置する環状段差にクランパー70の中央部が嵌め込まれるクランパー嵌装部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ディスクを載置するハブを備えるディスク駆動装置およびそのディスク駆動装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDDなどのディスク駆動装置は、流体動圧軸受ユニットを備えることで、軸受剛性が向上されている。この流体動圧軸受ユニットを備えるディスク駆動装置は、小型の携帯機器に搭載される場合がある。携帯機器には一層の薄型化および軽量化が要請されており、携帯機器に搭載するディスク駆動装置に対しても一層の薄型化および軽量化が要請されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、流体動圧軸受ユニットを備え、第1のラジアル動圧溝の軸方向の形成幅を、第2のラジアル動圧溝の軸方向の形成幅よりも狭く形成したディスク駆動装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−198555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ディスク駆動装置の薄型化には、スピンドル駆動ユニットおよび流体動圧軸受ユニットを薄くすることが必要である。ここで、スピンドル駆動ユニットを一層薄くすると、トルクが低下することがあり、回転が不安定となりうる。また流体動圧軸受ユニットを一層薄くすると、流体動圧軸受ユニットの剛性が低下することがあり、回転が不安定となりうる。このように回転が不安定になると、最悪、正常な磁気データのリードおよびライト動作の障害となりうる課題がある。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、ディスク駆動装置をより薄くしつつ、記録ディスクの回転を安定させるディスク駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のディスク駆動装置は、ベース部材と、ベース部材の第1面側において記録ディスクを載置するハブと、記録ディスクをハブとの間に挟むクランパーと、ベース部材上に配設され、所定の空間に潤滑剤を保持し、ハブを回転自在に支持する軸受ユニットと、ベース部材の第1面に配設され、ハブを回転駆動するスピンドル駆動ユニットと、ベース部材の第1面と反対側の第2面に配設される配線部材と、を備えている。スピンドル駆動ユニットは、突極を有するステータコアと、突極に巻かれたコイルと、突極と対向するようにハブに固定されるマグネットと、を含んでいる。ベース部材は、コイルを形成するワイヤを挿通するワイヤ孔を有している。ワイヤは、ワイヤ孔を通じてベース部材の第2面に導出されて、配線部材に接続され、ハブは磁性体材料により形成され、軸受ユニットの潤滑剤が保持される空間の半径方向外側に位置する環状段差にクランパーの中央部が嵌め込まれるクランパー嵌装部を有する。
【0008】
この態様によると、内筒部の直径を外筒部の直径より大きくすることで、マグネットの直径を記録ディスクの内周より大きくすることができる。これにより、薄型化したディスク駆動装置においても、十分な大きさのマグネットを確保することができ、トルクの低下を軽減し、記録ディスクの回転を安定させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ディスク駆動装置をより薄くしつつ、記録ディスクの回転を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)および(b)は、実施形態に係るディスク駆動装置を示す図である。
【図2】実施形態に係るディスク駆動装置の一部の断面図である。
【図3】実施形態に係るハブの断面図である。
【図4】比較技術に係るディスク駆動装置の一部の断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、実施形態に係るコイルの成形方法を示す図である。
【図6】記録ディスク面の瞬間的な振動の様子を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。なお、以下の説明では、便宜上図面に示された下方を下、上方を上として表現する。
【0012】
図1(a)および(b)は、実施形態に係るディスク駆動装置100を示す。図1(a)は、ディスク駆動装置100の上面図であり、図1(b)は、ディスク駆動装置100の横面図である。なお、図1(a)は、トップカバー2を取り外した状態である。また、図2は、実施形態に係るディスク駆動装置100の一部の断面図である。また、図3は、実施形態に係るハブ4の断面図である。図2および図3は、図1(a)のA−B部の断面図である。
【0013】
ディスク駆動装置100は、ベース部材3と周環壁部15とを有するシャーシ10と、ドーナツ形状の記録ディスク1を載置するハブ4と、ベース部材3上に配設され、ハブ4を回転自在に支持する軸受ユニット5と、ハブ4を回転駆動するスピンドル駆動ユニット6と、ヘッド駆動ユニット17と、トップカバー2と、スクリュウ9とを備える。また、ディスク駆動装置100は、回転をしない固定部材で構成された固定体部7と回転する部材で構成された回転体部8とから構成され、固定体部7および回転体部8は、ハブ4を相対的に回転自在に支持する軸受ユニット5、およびハブ4を回転駆動するスピンドル駆動ユニット6が含まれて構成される。
【0014】
シャーシ10は、窪み部分の平面領域であるベース部材3とベース部材3の外周に壁状に形成された周環壁部15とを有する。ベース部材3は、ハウジング13とスリーブ14およびシャフト16が挿入される軸受孔3Aとを有する。周環壁部15の外周面は矩形に形成される。周環壁部15の内周面は、記録ディスク1を囲む環状部15Aと、ヘッド駆動ユニット17が載置される領域を囲む矩形部15Bとが連結されて形成される。周環壁部15は、シャフト16の回転軸方向に支持するディスク駆動装置100の支持部材として機能する。一方、ベース部材3は、シャフト16の回転軸方向とは垂直方向に支持するディスク駆動装置100の支持部材として機能する。
【0015】
図1(b)に記載のトップカバー2は、周環壁部15の上端に設けられ、周環壁部15の上端面側に形成されたスクリュウ孔15Cにスクリュウ9を螺合することにより固定される。シャーシ10と、シャーシ10の窪み部分の空間を覆うトップカバー2とで密閉されて、清浄空気空間が形成される。清浄空気空間は、パーティクルを除去した清浄な空気で満たされる。清浄空気空間内には、磁気記録媒体である記録ディスク1と、回転体部8と、ヘッド駆動ユニット17とが配置される。
【0016】
軸受ユニット5は、ベース部材3上に配設され、シャフト16とスリーブ14とハウジング13と張出部材19と下垂部20とを有する。また、軸受ユニット5は、ラジアル動圧溝22とスラスト動圧溝23とキャピラリーシール部24を含む。
【0017】
シャフト16は回転軸として機能し、シャフト16の上端部は、ハブ4の中央に形成されるシャフト穴4Mに固定される。シャフト16は、スリーブ14に内挿される。略円筒状のスリーブ14はハウジング13に内挿され、スリーブ14の外周面の一部がハウジング13の内周面に接着などにより固定されている。スリーブ14の上方側の開口端面14Aには半径方向外側に向けて張り出す張出部材19が固定されている。張出部材19は下垂部20と協働しハブ4の軸方向の移動を制限する。また、張出部材19と下垂部20により、回転体部8が抜けることを防止する。
【0018】
ハウジング13は有底カップ状に形成され、ハウジング13の外周面の一部はベース部材3の略中央部の軸受孔3Aに固定されている。ハウジング13の下端部には、底部が形成され、底部は、潤滑剤が外部に漏れないように封止している。
【0019】
ラジアル動圧溝22およびスラスト動圧溝23は、ハブ4を回転自在に支持する軸受として機能する。2つのヘリングボーン形状のラジアル動圧溝22が、スリーブ14の内周面およびシャフト16の外周面の少なくとも一方に上下に離間して形成される。また、ヘリングボーン形状またはスパイラル形状のスラスト動圧溝23が、ハウジング13の開口端面に対向する下垂部20の面と、張出部材19の下面と対向する下垂部20の上面と、に形成される。なお、スラスト動圧溝23は、スリーブ14の開口端面14A、および開口端面14Aと対向するハブ4の下端面4Fの少なくともいずれか一方に形成されてもよい。
【0020】
シャフト16が回転すると、ラジアル動圧溝22が潤滑剤にラジアル動圧を発生させ、回転体部8がラジアル方向に支持される。また下垂部20が回転すると、スラスト動圧溝23が潤滑剤にスラスト動圧を発生させ、回転体部8がスラスト方向に支持される。
【0021】
キャピラリーシール部24は、下垂部20の円筒部の内周面とハウジング13の外周面とにより形成され、下垂部20の内周面とハウジング13の外周面との隙間が下方の開放端に向かって徐々に拡がるように形成される。ラジアル動圧溝22とそれに対向する面、スラスト動圧溝23とそれに対向する面、およびキャピラリーシール部24によって形成される空間には、オイルなどの潤滑剤が注入される。潤滑剤が外気と接する境界面(液面)は、キャピラリーシール部24の中途の位置に設定される。キャピラリーシール部24は、潤滑剤の漏れ出しを毛細管現象により防ぐことができる。
【0022】
スピンドル駆動ユニット6は、ベース部材3に固定されたステータコア11と、ステータコア11の突極に巻かれた3相のコイル12と、ハブ4の内筒部4Dに固定された略円筒状のマグネット21と、を含む。
【0023】
ステータコア11は、円環部と、そこから半径方向に延伸された9個の突極とを有する。ステータコア11は、ケイ素鋼板等の磁性板材が複数枚積層された後、表面に電着塗装や粉体塗装等による絶縁コーディングが施されて形成される。マグネット21は、例えばNd−Fe−B(ネオジウム−鉄−ボロン)系の希土類材料で形成され、表面に電着塗装やスプレー塗装などによる防錆処理が施される。また、マグネット21は、マグネット21の内周部の円周方向に沿って例えば12極の駆動用磁極を有する。マグネット21は、突極の突端と対向する。
【0024】
コイル12は、ワイヤ25を下側からステータコア11の突極に所定の回数巻きつけられ、その後、連続して隣接するステータコア11の突極に上側からワイヤ25を巻きつけられる。このようにステータコア11の突極に連続的に所定の回数巻いた後、ステータコア11の突極の下側に巻き終わりのワイヤ25を引き出す。さらに、巻き終わりのワイヤ25は、ベース部材3に設けたワイヤ孔3Bを通じてベース部材3の反対側に引き出され、ベース部材3の下面に配設された配線部材26に電気的に接続される。引き出されたワイヤ25の巻き終わりの部分は解けないように接着剤で固定される。かかる固定により、超音波洗浄時にワイヤ25が共振し大きな振幅で振動し断線することを防ぐ。所定の駆動回路により配線部材26を通じて3相の略正弦波状の電流がコイル12に通電されると、コイル12はステータコア11の突極に回転磁界を発生する。マグネット21の駆動用磁極と、当該回転磁界との相互作用により回転駆動力が生じ、回転体部8が回転する。即ちスピンドル駆動ユニット6は、回転体部8を回転駆動する。
【0025】
固定体部7は、断面が略凹形状となるシャーシ10と、ステータコア11と、コイル12と、ハウジング13と、スリーブ14とを含んで構成される。また、回転体部8は、記録ディスク1を載置する略受け皿状のハブ4と、シャフト16と、マグネット21とを含んで構成される。
【0026】
ここで、ハブ4について図3を用いて具体的に説明する。ハブ4は、軟磁性を有する例えばSUS430F等の磁性体材料により形成される。ハブ4全体が磁性体材料で構成されることは磁気シールドの効果を生じる点で好ましい。ハブ4は、鉄鋼板をプレス加工や切削加工などにより加工されて、略受け皿状の所定の形状を形成する。例えば、大同特殊鋼社製の商品名DHS1のステンレスはアウトガスが少なく、加工容易である点で好ましい。また、同様に商品名DHS2のステンレスはさらに耐食性が良好な点でより好ましい。
【0027】
ハブ4の中央にはシャフト穴4Mが形成され、シャフト穴4Mの周りに環状の中央部4Iが形成される。シャフト穴4Mの軸方向寸法は、スリーブ14の上端面と対向する中央部4Iの部分の軸方向寸法より大きく形成され、シャフト穴4Mの外周面の一部は、下方に突設している。これにより、薄型化したときのハブ4とシャフト16の接合面が確保される。
【0028】
ハブ4の上端面4Aには2段の環状段差が形成され、中央部4Iが最上段に位置する。中央部4Iから一段下に凹んだ凹部4Jが、上端面4Aに環状に形成される。凹部4Jの上面には周状の等間隔の位置にねじ穴4Kが複数設けられている。クランパー29は凹部4J上に配置され、クランパー29の中央穴が中央部4Iと凹部4Jとの間の環状段差に嵌合される。クランパー29は、ねじ穴4Kにスクリュウ30を螺合することで係止される。
【0029】
環状の外筒部4Bは、凹部4Jの外周端から凹んだ段差として形成され、外筒部4Bの外周下端から径方向外側に延出する環状延出部4Cが形成される。記録ディスク1の中央孔の内周がハブ4の外筒部4Bに係合され、環状延出部4Cの上面に載置される。環状延出部4Cはベース部材3側に垂れており、内筒部4Dにはマグネット21の外周が固定される。マグネット21の外周の径方向外側の領域に位置する環状延出部4Cは、マグネット21のバックヨークとして機能する。
【0030】
ハブ4の下面には、ハウジング13とステータコア11との間でベース部材3方向に突出した環状突部4Eが形成される。ハブ4の環状突部4Eの内周面には円環状の下垂部20が接着により固定される。
【0031】
中央部4Iの裏面には、スリーブ14の開口端面14Aと対向するハブ4の下端面4Fが位置する。凹部4Jの裏面には、ハブ4のコイル12と対向する部分4Hが位置する。
【0032】
ここで、図4に示す比較技術に係る構成をもとに、本発明者が認識した課題を説明する。図4は、比較技術に係るディスク駆動装置200の一部の断面図である。比較技術に係るディスク駆動装置200では薄型化すると、その分だけステータコア50等のスピンドル駆動ユニット52が薄くなる。スピンドル駆動ユニット52が薄くなると、トルクが低下することから回転が不安定になる。回転が不安定になると、最悪、正常な磁気データのリードおよびライト動作の障害となりうる課題があった。
【0033】
低下したトルクを回復させるために、より直径の大きなマグネット54を用いる方法もある。しかし、記録ディスク1が、マグネット54の外周の延長上の領域に位置している構成では、記録ディスク1の内周とマグネット54の外周とに挟まれたハブ56のバックヨーク部分58が、マグネット54の直径に応じて薄くなる。このバックヨーク部分58は、マグネット54の外周から出る磁束が通過する磁気回路の一部となっており、薄くなると磁気飽和する。磁気飽和すると、磁界を強くしても磁束が増大しなくなり、トルクに寄与する磁束の増大が僅かとなって、トルクを増加できない。一方、記録ディスク1側に漏れる磁束は大幅に増える。したがって、マグネット54の外周の延長上に記録ディスク1が位置している構成では、漏れ磁束により、正常な磁気データのリードおよびライト動作の障害となる可能性があり、ディスク駆動装置200の薄型化の阻害要因となっていた。また、比較技術においてバックヨーク部分を厚くしても、その分だけマグネット54を小さくしなければならず、トルクの増加が見込めない。
【0034】
図2に戻る。この課題に対応するため、実施形態に係る記録ディスク1は、マグネット21の外周の径方向延長上の領域から離れて、マグネット21より軸方向に離間した上方の位置に配設される。この構成により、記録ディスク1側に漏れる磁束を低減することができる。そして、ハブ4の内筒部4Dの直径は、ハブ4の外筒部4Bの直径より大きくなるように構成する。この結果、マグネット21の外周を大きく構成することができ、駆動用磁極の磁束量が増大してトルクが増大し、薄型化したディスク駆動装置100に好適となる。また、記録ディスク1をマグネット21の外周の径方向延長上の領域を避けて軸方向上方の位置に配設することで、ハブ4のバックヨークを径方向に十分に厚く構成できる。この結果、よりエネルギー積の大きなマグネット21を採用しても、漏れ磁束の影響を小さくでき、トルクを増大し得る。
【0035】
また、ステータコア11の突端を結んだ円の直径は、ハブ4の外筒部4Bの直径の80%以上であるとしてもよい。このようにステータコア11が大きく構成することで、より多くのコイル12を巻き付け可能となり、トルクの増加が見込める。なお、ステータコア11の突端を結んだ円の直径が外筒部4Bの直径の100%を超えると、マグネット21の漏洩磁束が記録ディスク1に作用し正常な磁気データのリードおよびライト動作の障害となりうる。したがって、ステータコア11の突端を結んだ円の直径は、外筒部4Bの直径の80%〜100%の範囲が好ましい。
【0036】
ベース部材3は、コイル12を形成するワイヤ25を挿通するワイヤ孔3Bを有する。コイル12を形成するワイヤ25の引き出し線はワイヤ孔3Bを通じてベース部材3の軸受ユニット5を配設された上面の裏面3Cに導出される。
ここで、図4の比較技術では、ワイヤの引き出し線がコイル62から引き出した真下の位置で配線部材66に半田付けにより接続68されていた。このコイル62の真下の位置における、配線部材66の厚みと接続部分68の高さの分が、スピンドル駆動ユニット52の薄型化の障害となる。
【0037】
図2に戻る。この課題に対応して、ワイヤ25の引き出し線は、ワイヤ孔3Bを通じてベース部材3の軸受ユニット5を配設した上面の裏面3Cに導出され、マグネット21の外径より径方向外側の位置で配線部材26に電気的に接続される。これにより、引き出し線と配線部材26の接続部26Aの高さの分、スピンドル駆動ユニット6を薄くすることができる。なお、マグネット21の径方向外側の領域のベース部材3は、スピンドル駆動ユニット6が配設される領域よりベース部材3上に配設される部材が少ないため、薄く形成することができる。そして、その薄くなったベース部材3の領域に接続部26Aを設けることができる。
【0038】
また、ベース部材3がアルミニウムなどの金属で形成されている場合がある。この場合に、ベース部材3の下面3Cに引き出したワイヤ25が、ベース部材3と直接接触して電気的に短絡することがある。この課題に対応して、ベース部材3の軸受ユニット5を配設した面の裏面3Cに、ワイヤ孔3Bから配線部材26に接続するまでのワイヤを導出する溝部3Dを設ける。この溝部3Dは、絶縁処理されている。この結果、ワイヤ25がベース部材3と電気的に短絡する課題が軽減される。また、上述の接続部26Aの位置をマグネット21の径方向外側の位置にする構成と組み合わせることで、図4に示す比較技術における配線部材66の厚みと接続部分68の高さにもとづく分だけ、スピンドル駆動ユニット6を薄型化できる。なお、絶縁処理は、例えばアルミダイカスト成型したベース部材3にカチオン電着塗装(以下、「EDコート」という)であってよく、ピンホールが少ない点で好ましい。
【0039】
次に、ディスク駆動装置100を一層薄く構成すると、ステータコア11の突極に巻いたコイル12とハブ4の下面が極めて接近する。この場合にコイル12が回転するハブ4に接触する可能性が高くなる。コイル12がハブ4に接触すると、電気的な短絡を生じる課題がある。この課題に対応して、コイル12のハブ4と対向する面およびベース部材3に対向する面が平らになるように均されている。
【0040】
図5(a)〜(c)は、実施形態に係るコイル12の成形方法を示す。図5(a)は、成形前のコイル12を示し、図5(b)は、押圧時のコイル12を示し、図5(c)は、押圧後のコイル12を示す。本図に示すように、コイル12はワイヤ25をステータコア11の突極に巻いた後に、第1押圧金型40と第2押圧金型42との間に挾んで押圧して成形される。第1押圧金型40および第2押圧金型42の押圧面は平面である。コイル12を押圧して平らに成形することで、コイル12の軸方向の寸法が安定し、コイル12が回転するハブ4に接触する可能性を低減することができ、コイル12の軸方向の寸法を薄くすることができる。
【0041】
また、コイル12が回転するハブ4に接触する課題に対応して、均されたコイル12を形成するワイヤ25の扁平率が90%以下であるとしてもよい。ワイヤ25の扁平率とは、一本のワイヤ25の断面の径方向の寸法aを基準として軸方向の寸法bを、百分率で表現したもので、コイル12のワイヤ25の最も扁平率が低い部分で定義する。以下にその式を示す。
ワイヤ25の扁平率=(b/a)×100
コイル12の軸方向の寸法を制限するようにコイル12を押圧成形した場合、ワイヤ25の扁平率が最も低くなる部分は、最も軸方向に厚かった部分である。この結果、コイル12が回転するハブ4に接触する可能性が一層軽減される。
【0042】
また、コイル12が回転するハブ4に接触する課題に対応して、ハブ4のコイル12と対向する面は絶縁処理してもよい。この結果、電気的な短絡を生じ機能障害に至る可能性が低減される。絶縁処理は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)の環状のフィルム27をハブ4のコイル12と対向する面に両面テープで貼り付けてよい。この方法は、作業が容易である点で好ましい。具体的には、フィルム27の径方向幅は、コイル12の径方向幅に応じて形成される。また、コイル12はその中央部が最も盛り上がるので、フィルム27は径方向において少なくともコイル12の中央部を含むように配設されてよい。
【0043】
また、コイル12がベース部材3に接触して電気的な短絡を生じる課題がある。この課題に対応して、ベース部材3のコイル12と対向する面は絶縁処理してよい。この結果、コイル12がベース部材3に接触して電気的な短絡を生じる可能性が低減される。絶縁処理は、例えば、アルミダイカスト成型したベース部材3にEDコートを施してよく、ピンホールが少ない点で好ましい。また、PETの環状のフィルム28をベース部材3のコイル12と対向する面に両面テープで貼り付けてもよい。この方法、作業が容易である点で好ましい。
【0044】
次に、ディスク駆動装置100を薄型化した場合にハブ4のコイル12と対向する部分4Hの軸方向寸法が短くなると剛性が低下しロッキングモード共振周波数が低くなる。ここで、図6を参照して、ロッキングモード共振について説明する。図6は、記録ディスク1面の瞬間的な振動の様子を模式的に示す模式図である。図6において、破線はトルクリップル周波数近傍における節直径36と節円38を示し、ハッチングを有する領域は有さない領域に対してトルクリップル周波数近傍における振動の位相が逆であることを示し、実線はトルクリップル周波数近傍における振動の変位の等高線を示す。
【0045】
記録ディスク1をディスク駆動装置100に載置した状態で、非回転時のディスク駆動装置100の共振について検討した。その結果、トルクリップル周波数近傍には記録ディスク1中に1つの節直径36と中間部の節円38とからなるロッキングモードでの共振が観察された。本発明者の検討から、ロッキングモード共振の周波数を決定する主な要素は、軸受の剛性、ハブ4とシャフト16との結合部分の剛性、記録ディスク1とハブ4との結合部分の剛性、記録ディスク1自体の剛性及び記録ディスク1の横慣性モーメント、ハブ4の横慣性モーメントであるとの知見を得た。
【0046】
ロッキングモード共振周波数が低くなると駆動トルクの変動に共振して大きな振動を生じることがある。このような振動は最悪、正常な磁気データのリードおよびライト動作の障害となりうる課題がある。この課題に対応して、コイル12と対向するハブ4の軸方向の幅は、コイル12と対向するベース部材3の軸方向の幅より厚くしてもよい。これは、ディスク駆動装置100の薄型化の際に、スピンドル駆動ユニット6が配置される領域のベース部材3およびハブ4の軸方向の寸法の相対的な関係を示すものである。この結果、ロッキングモード共振周波数の低下に起因する課題が軽減される。
【0047】
次に、図4に示す比較技術に係るディスク駆動装置200では、クランパー70の中央部分はスクリュウ72によりシャフト74の中央に固定されている。このため、クランパー70およびスクリュウ72の分だけハブ56の中央部分の軸方向寸法を薄くすることになる。ハブ56の中央部分の軸方向寸法が薄くなるとロッキングモード共振周波数が低くなり、駆動トルクの変動に共振して大きな振動を生じることがある。
【0048】
図2および図3に戻る。この課題に対応して、実施形態のディスク駆動装置100では、ハブ4は、ハブ4の記録ディスク1が載置された側の面に形成された凹部4Jと、凹部4Jに設けられたねじ穴4Kと、を有する。クランパー29は、ねじ穴4Kにスクリュウ30で固定する。この結果、ハブ4の中央部4Iの軸方向寸法が薄くなることに起因する課題が軽減される。さらに、シャフト16も長く構成でき、軸受剛性の低下をも防止し得る点で好ましい。
【0049】
また、ハブ4に設けたねじ穴4Kについて螺旋部分の軸方向寸法が十分にとれない課題がある。この課題に対応して、ねじ穴4Kは、軸方向に貫通するよう形成される。そして、コイル12との絶縁のためにハブ4のコイル12と対向する面に貼り付けられるフィルム27は、ネジ穴4Kをカバーするように形成される。この結果、ねじ穴4Kの螺旋部分の軸方向寸法が十分にとれない課題が軽減される。このように、フィルム27によってコイル12に対する絶縁処理とネジ穴4Kのカバーを兼ねる方法は、作業が容易であり好ましいが、コイル12とネジ穴4Kの位置が径方向に離れている場合などにおいては、フィルム27とは別にカバー部材(図示せず)を設けても良い。
【0050】
次に、図4の比較技術のディスク駆動装置200では、ハウジングの円筒部76と底部78とは別部材を接着して固定されている。しかし、ディスク駆動装置200が薄くなると接着部分も薄くなる。接着部分が薄くなると、接合強度が低下して、衝撃によって接合が剥がれる可能性がある。
【0051】
図2に戻る。この課題に対応して、実施形態のディスク駆動装置200では、ハウジング13は、円筒部と底部が一体に形成された有底カップ形状である。この結果、ディスク駆動装置100が薄くなってもハウジング13の円筒部と底部との接合が剥がれる課題が軽減される。
【0052】
次に、図4の比較技術のディスク駆動装置200では、ハブ56の環状突部の内周に環状部材80が接着により固定されている。ドーナツ状の環状部材80は、ハブ56との接合強度を確保するため、軸方向寸法を1.2mm(ミリメートル)以上としている。しかし、ディスク駆動装置200が薄くなると環状部材80の分だけ、ハブ56の中央部の軸方向寸法を薄くすることになる。ハブ56の中央部の軸方向寸法が薄くなると、ロッキングモード共振周波数が低くなり、駆動トルクの変動に共振して大きな振動を生じることがある。
【0053】
図2に戻る。この課題に対応して、実施形態に係る軸受ユニット5は、ハブ4と一体に回転する下垂部20と、下垂部20と軸方向に対向する位置に非回転的に配設された張出部材19と、を含む。また下垂部20は、張出部材19と協働してハブ4の軸方向の移動を制限し、張出部材19と対向する下垂部20の軸方向の幅は0.6mm以下であるとしてもよい。すなわち、下垂部20の円盤部20Aの厚さを0.6mm以下とする。この結果、ディスク駆動装置100を薄型化したときに、ハブ4の中央部4Iの軸方向寸法を確保することができる。さらに下垂部20の当該寸法を0.4mm以下とすると、一層、ハブ4の中央部4Iの軸方向寸法を厚くし得る点で好ましい。
【0054】
また、図4の環状部材80の軸方向寸法を薄くすると、環状部材80はハブ56との接合強度が低下し、衝撃によって接合が剥がれる課題がある。この課題に対応して、下垂部20は、張出部材19と軸方向に対向する円盤部20Aと、円盤部20Aの外縁部分に連結した円筒部20Bと、を一体に形成される。この構成により、ハブ4の環状突部4Eと接合する軸方向寸法を十分に確保できる。この結果、下垂部20とハブ4との接合が剥がれる課題が軽減される。例えば円筒部20Bの軸方向寸法は2.0mm以上としてハブ4との接合強度を十分に確保する。その上で円盤部20Aの軸方向寸法は0.4mm以下とすることで、ハブ4の中央部4Iの軸方向寸法を厚く構成することができる。
【0055】
下垂部20の加工の手間が多くかかる課題がある。この課題に対応して、下垂部20は金属材料のプレス加工によって形成されてよい。この結果、下垂部20の加工の手間がかかる課題が軽減される。
【0056】
また、下垂部20の円盤部20Aの少なくとも何れかの面にはスラスト動圧溝23が形成されてよい。具体的には、ハウジング13の開口上端面と対向する円盤部20Aの面、および張出部材19と対向する円盤部20Aの面の少なくとも一方にスラスト動圧溝23が形成される。この結果、スラスト動圧溝23の加工が容易となる。
【0057】
次に、ディスク駆動装置100の薄型化に伴いステータコア11は薄く構成することになる。ステータコア11が薄くなると、その円環部をベース部材3に嵌合してもステータコア11が傾いて取り付けられる可能性がある。この課題に対応して、ステータコア11の突極とベース部材3の間にステータコア支持部材32を配設した。ステータコア支持部材32は、ベース部材3から、コイル12が設けられていないステータコア11の突極に向かって、環状に突設する。この結果、ステータコア11は内周と外周で支持され、薄型化によってステータコア11に傾きが生じる課題が軽減される。
【0058】
また、ステータコア支持部材32はベース部材3と一体に形成される。組立の手間がかからない点で好ましい。なお、ステータコア支持部材32はベース部材3と別部材として配設してもよい。金属材料やプラスチック材料など各種の材料で形成できる点で好ましい。
【0059】
ハブ4のマグネット21の外周を覆う部分はいわゆるバックヨークの機能を果たす。バックヨークが薄くなると磁気抵抗が増える。磁気抵抗が増えるとマグネット21が発生する磁束が減る。磁束が減るとトルクが低下し、回転が不安定になるなどの障害を生じる課題がある。この課題に対応して、ハブ4は、外側に延出した環状延出部4Cを有し、環状延出部4Cの外周端の直径を、ハブ4の内筒部4Dの直径より4mm以上大きくする。この結果、バックヨークの十分な厚さを確保することができ、トルク低下に起因する課題が軽減される。
【0060】
また、トルク向上のために、強力なマグネット材料を用いると、バックヨーク内部の磁束が飽和して、漏れ磁束が増大することがある。漏れ磁束が増大するとデータを読み取る磁気ヘッドにノイズ信号を発生させる。このノイズ信号が大きいと正常な磁気データのリードおよびライト動作の障害となる可能性がある。この課題に対応して、バックヨークとして機能する環状延出部4Cの飽和磁束密度を1T(テスラ)以上とする。このように構成することで、バックヨークに十分な飽和磁束密度を確保することができ、漏れ磁束が増大する課題が軽減される。なおハブ4の飽和磁束密度を1.2T以上とすると、より強力なマグネット材料を用いることができる。
【0061】
さらにトルクを向上させて、回転を安定させたい課題がある。この課題に対応して、突極の突端とマグネット21が対向する隙間を0.4mm以下とする。この結果、磁気回路のエアギャップが小さくなり、マグネット21の磁束量が増大し、トルクが向上する。この突極とマグネット21が対向する隙間は、トルク向上の効果を確保する点では0.4mm以下が好ましく、突極とマグネット21が接触しないようにするためには0.2mm以上が好ましい。
【0062】
また、実施形態に係るマグネット21の最大エネルギー積を10MGOe(メガガウスエルステッド)以上としてもよい。これにより、マグネット21の磁束量が増大してトルクを向上する。マグネット21の最大エネルギー積は、トルク向上の効果を確保する点で10MGOe以上が好ましく、着磁が容易である点で16MGOe以下が好ましい。なお、この最大エネルギー積のマグネット21と飽和磁束密度を1T以上のバックヨークを組み合わせて用いることで、薄型化したディスク駆動装置100においてもバックヨークから漏れる磁束を抑えることができる。
【0063】
携帯機器に搭載するディスク駆動装置100は一層の薄型化、軽量化の課題がある。この課題に対応して、記録ディスク1の内径を20mmとし、ディスク駆動装置の軸方向の厚みを7.5mm以下とする。この結果、携帯機器を薄く軽量に構成し得る。また、省資源にも資することができる。
【0064】
以上に説明したように、実施形態に係るディスク駆動装置100では、携帯機器等に好適になるよう形状を一層薄型化しつつ、記録ディスク1の回転を安定させることができる。
【0065】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 記録ディスク、 2 トップカバー、 3 ベース部材、 3A 軸受孔、 3B ワイヤ孔、 3C 下面、 3D 溝部、 4 ハブ、 4A 上端面、 4B 外筒部、 4C 環状延出部、 4D 内筒部、 4E 環状突部、 4F 下端面、 4I 中央部、 4J 凹部、 4K ねじ穴、 4M シャフト穴、 5 軸受ユニット、 6 スピンドル駆動ユニット、 7 固定体部、 8 回転体部、 9 スクリュウ、 10 シャーシ、 11 ステータコア、 12 コイル、 13 ハウジング、 14 スリーブ、 14A 開口端面、 15 周環壁部、 15A 環状部、 15B 矩形部、 15C スクリュウ孔、 16 シャフト、 17 ヘッド駆動ユニット、 19 張出部材、 20 下垂部、 20A 円盤部、 20B 円筒部、 21 マグネット、 22 ラジアル動圧溝、 23 スラスト動圧溝、 24 キャピラリーシール部、 25 ワイヤ、 26 配線部材、 26A 接続部、 27,28 フィルム、 29 クランパー、 30 スクリュウ、 32 ステータコア支持部材、 40 第1押圧金型、 42 第2押圧金型、 50 ステータコア、 52 スピンドル駆動ユニット、 54 マグネット、 56 ハブ、 58 バックヨーク部分、 62 コイル、 70 クランパー、 72 スクリュウ、 74 シャフト、 80 環状部材、 100,200 ディスク駆動装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材の第1面側において記録ディスクを載置するハブと、
前記記録ディスクを前記ハブとの間に挟むクランパーと、
前記ベース部材上に配設され、所定の空間に潤滑剤を保持し、前記ハブを回転自在に支持する軸受ユニットと、
前記ベース部材の前記第1面に配設され、前記ハブを回転駆動するスピンドル駆動ユニットと、
前記ベース部材の前記第1面と反対側の第2面に配設される配線部材と、を備え、
前記スピンドル駆動ユニットは、
突極を有するステータコアと、
前記突極に巻かれたコイルと、
前記突極と対向するように前記ハブに固定されるマグネットと、を含み、
前記ベース部材は、前記コイルを形成するワイヤを挿通するワイヤ孔を有し、
前記ワイヤは、前記ワイヤ孔を通じて前記ベース部材の前記第2面に導出されて、前記配線部材に接続され、
前記ハブは磁性体材料により形成され、前記軸受ユニットの前記潤滑剤が保持される空間の半径方向外側に位置する環状段差に前記クランパーの中央部が嵌め込まれるクランパー嵌装部を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項2】
前記クランパ−嵌装部は、前記コイルの半径方向内側に位置することを特徴とする請求項1に記載のディスク駆動装置。
【請求項3】
前記クランパーは、前記クランパー嵌装部に接する部分に折り曲げ部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のディスク駆動装置。
【請求項4】
前記ワイヤ孔は前記クランパー嵌装部の半径方向外側に位置し、
前記ベース部材の前記第2面に、前記ワイヤ孔から前記配線部材に接続するまでの前記ワイヤを導出する溝部を設け、
前記溝部は、絶縁処理されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項5】
前記ベース部材は、前記第2面に形成された第2面側凹み領域を有し、
前記ワイヤは、前記ワイヤ孔を通じて前記ベース部材の前記第2面に導出され、前記第2面側凹み領域のうち前記マグネットの外径より径方向外側の領域であるマグネット外側領域において前記配線部材に接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項6】
前記ステータコアの突端を結んだ円の直径は、前記ハブの前記記録ディスクの内周と係合する前記外筒部の直径の80%以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項7】
前記ベース部材の前記第2面に、前記ワイヤ孔から前記配線部材に接続するまでの前記ワイヤを導出する溝部を設け、
前記溝部は、絶縁処理用の電着塗装がされていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項8】
前記コイルの前記ハブと対向する面および前記ベース部材に対向する面に型押しされた押圧面が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項9】
前記押圧面が形成されている前記コイルを形成するワイヤの扁平率が90%以下であることを特徴とする請求項8に記載のディスク駆動装置。
【請求項10】
前記ハブの前記コイルと対向する面は、絶縁処理用の環状のフィルムが両面テープで貼り付けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項11】
前記ベース部材の前記コイルと対向する面は、絶縁処理されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項12】
前記コイルと対向する前記ハブの軸方向の幅は、前記コイルと対向する前記ベース部材の軸方向の幅より厚いことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項13】
前記軸受ユニットは、
前記ハブと一体に回転する下垂部と、
前記下垂部と軸方向に対向する位置に非回転的に配設された張出部材と、をさらに含み、
前記下垂部は、前記張出部材と協働して前記ハブの軸方向の移動を制限し、
前記張出部材と対向する前記下垂部の軸方向の幅は0.6mm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項14】
前記ステータコアは、前記突極と前記ベース部材の間にステータコア支持部材を配設したことにより、前記コイルより前記ステータコアの内径側と外径側とで前記ベース部材に支持されることを特徴する請求項1〜13のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項15】
前記マグネットの最大エネルギー積は10MGOe以上16MGOe以下の範囲であり、前記ハブの前記マグネットを環囲する部分の飽和磁束密度が1T以上であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のディスク駆動装置。
【請求項16】
前記記録ディスクを前記ハブとの間に挟んで固定するクランパーを備え、
前記クランパーの中央部は前記軸受ユニットの半径方向外側の位置において前記ハブの環状段差の側面に嵌合され、前記クランパーの外径部は前記記録ディスクに接することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のディスク駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−21917(P2013−21917A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−229599(P2012−229599)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【分割の表示】特願2010−138335(P2010−138335)の分割
【原出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(508100033)アルファナテクノロジー株式会社 (100)
【Fターム(参考)】