説明

ディスプレイ用スピーカの構造およびそのスピーカを用いた音源画像一致型ディスプレイ

【課題】平面形状ステレオ型スピーカの機能として、中心位置での音像が中心位置に定位可能とする。
【解決手段】左右チャンネル用エキサイタ5L,5Rを装備する中抜き振動板4とセンターチャンネル用エキサイタ5Cを装備するセンター振動板4Cとを同一平面上に分割して配備する。その構成で、エキサイタ5Cは、中抜き振動板4から独立しているセンター振動板4Cを振動させる。本体に固定される前面外装体3と振動板4,4Cそれぞれとの間には緩衝材枠6,6Cが配備されており、エキサイタ5L,5Rとエキサイタ5Cとのそれぞれの振動は、振動板4と振動板4Cとのそれぞれに、相互間干渉を回避するように伝達されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音源画像一致型ディスプレイ並びにディスプレイパネルにスピーカの振動板を重ね合わせて形成されるディスプレイ用スピーカの構造に関する。特に、映像と音源との空間的一致対応による高臨場感の実現が容易なディスプレイ用スピーカの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラズマおよび液晶などによる表示技術の進展により、ディスプレイパネルの平面状大型化が促進されている。平面状大型化パネルは、薄型化とともに高級感化が求められる。更には、映像と音源との空間的一致対応による高臨場感の実現が促進されている。映像と音源との一致性を実現する技術として、ディスプレイパネルにスピーカの振動板を重ね合わせて形成される音源画像一致型ディスプレイが、例えば特表2002−533957号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
また、高級感化のためステレオスピーカの構造を有する音源画像一致型ディスプレイとして、例えば、特開2005−94377号公報(特許文献2)に開示されたものがある。特許文献2では、ディスプレイそのものより、スピーカの組立構造およびその組立方法について説明しているが、その記載からディスプレイ構造の概要が次のように理解できる。
【0004】
図1は特許文献2の記載から理解されるディスプレイの構造について概要を示す図である。このディスプレイ101は、画面表示板102、正面側外装体103、および振動板104を有し、順次重ね合わせられ形成される構造である。画面表示板102は背面側外装体に組み込まれ、ディスプレイ101に形成された後、画面表示板102の画面を正面側外装体103および振動板104の透明部分を介して見ることができる。図示されない背面側外装体には音声信号生成ユニットをも有する。音声再生は、振動板104を平面広域スピーカに形成して実現する。
【0005】
振動板104の平面広域スピーカとしての組立構造は特許文献2に詳述されている。すなわち、振動板104は、周辺を半透明とする一枚の薄い透明板であり、その左右に取り付けられた振動体のエキサイタ105により振動が与えられ、その振動の振動数に対応する撓みを発生させる。エキサイタ105は上記音声信号生成ユニットから左右それぞれのチャンネル対応に音声信号を受ける。従って、振動板104は前面に対してステレオによる音響効果を有する平面広域スピーカに形成される。
【0006】
しかしながら、近年、ディスプレイ製品におけるスピーカ機能は、とどまること無く付加価値化が進んでいる。例えばパーソナルコンピュータにおいて、音響に対するDVD機能・TV機能を持った製品群の増加に伴い高音質を求めるユーザが増えている。一方、メーカ側としても、OS(Operating System)などの基本機能が各社横並びとなる製品群において、競合他社との差別化を図る上で、スピーカの構造すなわち音質は重要な機能であり要素である。更に、例えばTVにおいては液晶/プラズマ方式などでの大型化が進んでおり、高画質・大画面化に見合った音響性能が必要となってきている。
【0007】
すなわち、このようなパネルスピーカは、平面形状をなしているので、コーン型スピーカ同様、理想的な聴取位置で聞かない限り中心位置での音像定位が曖昧になるという問題がある。特に、左チャンネルまたは右チャンネル近傍での聴取では、音像が中心位置に定位しなくなる。更に、スピーカ機能として、一枚板の振動板では、複数の音源エキサイタによる振動が振動板上で交差するため、複数に対する音像の分離を悪化させている。
【0008】
【特許文献1】特表2002−533957号公報(図5参照)
【特許文献2】特開2005−94377号公報(図1、図3、図5参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする課題は、平面形状ステレオ型スピーカの機能として、中心位置での音像が中心位置に定位しないことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、スピーカ機能として中心位置での音像を中心位置に定位させることを目的として、左右チャンネル用振動板とは分離された、センター用振動板を備えることを主要な特徴とする。その組立構造の詳細は、本発明の範囲外であり、周知の方法および構造を適用することができる。
【0011】
このため、本発明によるステレオ型ディスプレイ用スピーカの構造は、複数チャンネルそれぞれに対応するエキサイタを分散して装備する複数の振動板を備えている。そして、前記振動板のうちの第1の振動板に装備されるエキサイタは残りのチャンネルの音源を合成したセンターチャンネル用である。従って、各チャンネルのエキサイタごとに適切な形状の振動板を配備することもできる。
【0012】
ディスプレイは一般にパネルとして平面形状をなしている。音像に対する左右チャンネル用エキサイタはディスプレイの表示画像の左右それぞれで同一平面をなして振動板を振動させる。他方のセンターチャンネル用エキサイタは、前記左右チャンネル用エキサイタを対称位置にする中心線上に在ることが望ましい。しかし、左右チャンネル用振動板とセンターチャンネル用振動板とは同一平面上にある必要はない。このような構成により、センターチャンネル用振動板を左右チャンネル用振動板から独立させることができるので、センターチャネルの音像は中心位置に明確化される。
【0013】
前記振動板のうち、左右チャンネル用振動板を第2の振動板とする。第2の振動板は、表示画像を透過可能とするように、左右チャンネル用エキサイタを左右それぞれに装備する一枚の透明パネルとすることができる。
【0014】
更に、スピーカ機能として少なくとも左右の音像分離を改善させることができる。
【0015】
その一つは、上記第2の振動板を中抜き振動板とすることである。中抜き振動板は、中央部分で表示画像を透過可能とするように、左右チャンネル用エキサイタを振動板上の左右それぞれに装備し、かつ、中央部分に表示画像を透過させる中抜き開口部を有する。このような中抜き形状により、左右チャンネルの音像分離は効果的に改善される。
【0016】
他の一つは、前記振動板のうちで前記第1の振動板とは別に、第3および第4の振動板を上記第2の振動板に替えて備えることである。第3および第4の振動板は、左右チャンネル用エキサイタそれぞれを装備し、中央部分で表示画像を透過可能とするように、表示画像透過領域とほぼ等距離の間隔をもって装備される。この場合では、スピーカの音像が二つの分離された振動板により左右に完全に分離されるので、その左右チャンネルの音像分離は大幅に改善される。
【0017】
更に、上記第3および第4の振動板それぞれをコーン型ボックススピーカとすることもできる。すなわち、左右チャンネル用エキサイタそれぞれを有するコーン型ボックススピーカを、中央部分で表示画像を透過可能とするように、表示画像透過領域とほぼ等距離の間隔をもってその左右それぞれに備える事となる。この構成により、コーン型スピーカの特性を発揮することができる。
【0018】
上述した振動板の構成では、センターチャンネル用振動板である第1の振動板と残りの振動板とが分離しているので、全ての振動板を同一平面上に配列させる必要はない。従って、正面から視聴者が表示画像を視聴可能とするように、中心線上にセンターチャンネル用エキサイタを位置させるように第1の振動板を装備すればよい。また、左右に左右チャンネル用エキサイタそれぞれを配置するように振動板又はボックススピーカを装備すればよい。それらは、それぞれが近接しており、従って、ほぼ同一の平面上にあれば、その臨場感は最高のものとなる。
【0019】
従って、音源画像一致型ディスプレイは、上述したステレオ型ディスプレイ用スピーカのひとつを外装体の前面側に、画像用表示モジュールを後面側にそれぞれ密着して形成されるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明のディスプレイ用スピーカの構造およびそのスピーカを用いた音源画像一致型ディスプレイでは、左右チャンネル用エキサイタを有する振動板とは分離された、センターチャンネル用エキサイタを有するセンターチャンネル用振動板が備えられている。そのため、センターチャネルでの音像は、左右チャンネルの音像とは切り離されて出力されるので、中心位置に明確化されるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
スピーカ機能として中心位置での音像を中心位置に定位させるという目的を、音声対応の左右チャンネル用振動板とは分離された、センターチャンネル用振動板を備えることにより実現した。
【0022】
以下に、図面を参照して複数の実施例について説明する。下記実施例における構成要素のうち組合せ可能な構成要素は組合せてもよい。図面では、本発明に係る構成部分は明示するが、それ以外の必須な構成要素でも、図示を省略したものがある。また、図面では、構成の理解を補助するため誇張された部分もあり、相互で比較対照される相対寸法は実際の相対寸法とは相違している。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例1について図2から図5までを併せ参照して説明する。
【0024】
図2は、本発明におけるディスプレイパネル1の実施の一形態を分解組立構造で示す斜視図である。ディスプレイパネルは名前が示すように平板形状を有する。図3は、図2における各構成部材を組み立てた場合の正面図である。図4は図3のA−A断面を示す図である。組立構造の詳細は、例えば上記特許文献2に基づくことでよいが、本発明の機能を満たすものであれば、他のいかなる構造でもよい。
【0025】
ディスプレイパネル1は、表示モジュール2、前面外装体3、中抜き振動板4およびセンター振動板4C、並びに中抜き振動板用緩衝材枠6およびセンター振動板用緩衝材枠6Cを図4に示されるように重ね合わせて形成される。従って、緩衝材枠6,6Cを除くそれぞれは、薄い板形状をなす。また、ディスプレイパネル1は、左チャンネル用エキサイタ5L、右チャンネル用エキサイタ5R、およびセンターチャンネル用エキサイタ5Cを備えて振動板4,4Cを振動させる。
【0026】
表示モジュール2は、液晶、プラズマなどによる画面表示板である。前面外装体3は、中央部で表示モジュール2の画面表示領域分の中抜き開口部3Hが設けられ、装置本体に固定支持される。前面外装体3には、中抜き開口部3Hの左右に緩衝材を介して左チャンネル用エキサイタ5Lおよび右チャンネル用エキサイタ5Rが固定され、中抜き開口部3Hの下方に緩衝材を介してセンターチャンネル用エキサイタ5Cが固定される。
【0027】
中抜き振動板4は、前面外装体3と横寸法を同一とし中央部で表示モジュール2の画面表示領域分の中抜き開口部4Hを有する。中抜き振動板4は、前面外装体3に中抜き開口部3Hの位置を一致させて緩衝材枠6により固定される。センター振動板4Cは、中抜き振動板4の横寸法と同一寸法を有し、中抜き振動板4の下辺に小間隙を持って配置され、前面外装体3に緩衝材枠6Cにより固定される。すなわち、中抜き振動板4とセンター振動板4Cとで構成される二枚の振動板は同一平面上に隣接配置され、前面外装体3と同一の外形寸法である。
【0028】
左チャンネル用エキサイタ5Lは前面外装体3の中抜き開口部3Hの左側壁面に緩衝材を介して固定される一方、その駆動コイルは中抜き振動板4に接着される。従って、その駆動コイルのピストン運動により中抜き振動板4の左側壁が振動し左チャンネル音像の音圧を作り出す。右チャンネル用エキサイタ5Rも同様であり、中抜き振動板4の右側壁を振動させて右チャンネル音像の音圧を作り出す。同様に、センターチャンネル用エキサイタ5Cはその駆動コイルのピストン運動によりセンター振動板4Cを振動させてセンター音像の音圧を作り出す。
【0029】
中抜き振動板用緩衝材枠6は、例えば発泡体クッションであり、中抜き振動板4を前面外装体3に固定する際、その外周近辺に振動補助のため用いられる。センター振動板用緩衝材枠6Cは、例えば発泡体クッションであり、センター振動板4Cを前面外装体3に固定する際その外周近辺における振動補助のために用いられる。
【0030】
この結果、図4に示されるようにそれぞれの構成要素が重なり合わせられ、図3に示されるように中抜き振動板4およびセンター振動板4Cが前面となり、その振動によりスピーカ機能が発揮されると共に、中抜き開口部4Hでは最後部の表示モジュール2の表示画面領域の画面を見ることができる。
【0031】
次に、図5を参照して、本実施の形態におけるステレオ音像の再生について説明する。
【0032】
図5は、上述した左チャンネル用エキサイタ5L、右チャンネル用エキサイタ5R、およびセンターチャンネル用エキサイタ5Cを励起するための回路構成を示す図である。その回路は、ステレオ音源11、ステレオアンプ(増幅器)12、センターアンプ13、およびセンター用フィルター14によりエキサイタ5L,5R,5Cを駆動する。
【0033】
図示されるように、ステレオ音源11は、ステレオアンプ12およびセンターアンプ13それぞれに左チャンネル音源および右チャンネル音源を供給する。ステレオアンプ12は、受けたそれぞれの音源を増幅して、左チャネル音源を左チャンネル用エキサイタ5Lに、右チャネル音源を右チャンネル用エキサイタ5Rに、それぞれ供給する。このような構成により、中抜き振動板4がエキサイタ5L、5Rの振動に応じて振動し、ステレオ音像の再生が実現する。
【0034】
センターアンプ13は、受けたそれぞれの音源を増幅して混合しセンター用フィルター14を介して混合された「左+右」チャンネル音源をセンターチャンネル用エキサイタ5Cに供給する。センター用フィルター14は、例えば、低域および高域の周波数音域を遮断する帯域通過機能を有し、センターチャンネルからの再生音を中域音つまり人間の声の周波数帯域に絞り込むことができる。このような構成により、センター振動板4Cは、左/右チャンネルの分離を悪化させることなく、センターチャンネル追加の効果を十分に発揮させることができる。この結果、どの位置で聞いても中央に定位すべき音像がセンターから聞こえる効果が得られる。上記説明では、センター用フィルターが音声帯域通過機能を有するとしたが、低域通過機能など、他の機能であってもよい。
【0035】
このように、本発明による平面形状スピーカは、センターチャンネル音像用の振動板と、左/右チャンネルによるステレオ音像再生のための振動板とを分割する構成を採用したので、次のような効果が得られる。
【0036】
第1に、平面形状スピーカにおいて、振動板の保持具合、例えば発泡体クッションの硬さは音響特性に大きく影響を及ぼす重要な因子である。本発明では、センターチャンネル用の部分を別振動板としているのでそれぞれの振動板でその保持具合を自由に設定することが可能となり、音響調整の幅が大きく拡がる。また、振動板分割構造は、双方の振動の影響を受けることが無いため、例えばそれぞれのチャンネルで異なる特性を持った音響を再生させる場合、意図した効果を容易に得ることができる。すなわち、ステレオ音源から取り出した各チャンネルの音響に対するエキサイタごとに振動板を設けることにより、それぞれのチャンネルで異なる特性を持った音像を容易に確実に再生させることができる。
【0037】
第2に、デザインの自由度が拡大し、より商品性の高い設計が可能となる。例えばデザイン上、中抜き振動板とセンター振動板とに角度差を付けた造形が可能になるにもかかわらず、各チャンネルでの音響効果を損なうことがない。更に、振動板の実装が任意に設定できるので、デザイン性と音響性能とを高次元で両立させることができる。
【実施例2】
【0038】
次に、図6を参照して本発明における実施例2のディスプレイパネル21について説明する。
【0039】
この実施例は、図2における中抜き振動板4のみを透明パネル22で構成している。このような構成により、例えば装置前面で画面周囲を一平面で構成させるような透明感のあるデザインが可能となる。また、音声と映像との一体感を重視したデザインにも有効である。
【0040】
本実施例でも、平面形状スピーカは、センターチャンネル用の振動板と左/右チャンネルによるステレオ音像再生のための振動板とを分割する構成を採用したので、上記実施例と同様な効果が得られる。
【実施例3】
【0041】
次に、図7を参照して本発明における実施例3のディスプレイパネル31について説明する。
【0042】
この実施例における振動板は、図2における中抜き振動板4の左右の柱状部分を残して左チャンネル用振動板32Lと右チャンネル用振動板32Rとに分割された構成をなしている。この分割に応じて、緩衝材枠6も左チャンネル用緩衝材枠33Lと右チャンネル用緩衝材枠33Rとに分割されている。このような構成により、振動板のコストを下げることができる。更に、これは、左右チャンネルの分離を重視する場合に有効である。
【0043】
本実施例では、センターチャンネル用と分離された振動板が、上記実施例に更に、左/右チャンネルそれぞれに分割されているので、上記実施例と同様な効果に加え、ステレオ音像の左/右チャンネル分離を重視する場合に効果的である。
【実施例4】
【0044】
次に、図8を参照して本発明における実施例4のディスプレイパネル41について説明する。
【0045】
この実施例は、図7における左右チャンネル用振動板32L,32R、左右チャンネル用緩衝材枠33L,33R、および左右チャンネル用エキサイタ5L,5Rの代わりに、左コーン型ボックススピーカ45Lおよび右コーン型ボックススピーカ45Rを備えている。すなわち、ボックススピーカ45L,45Rそれぞれは、振動板32L,32R、緩衝材枠33L,33R、およびエキサイタ5L,5R、これらの構成要素を統合して有する。また、前面外装体3が左右チャンネル用外装体42とセンターチャンネル用外装体42Cとに分割されている。
【0046】
図示されるボックススピーカ45L,45Rは、左右チャンネル用外装体42の後面側に装備されており、内部の振動板の振動が前面に音像として送出される。この場合、ボックススピーカ45L,45Rを装備する左右チャンネル用外装体42の左右壁にはスリット開口などが設けられ、音声を前面外部に排出させている。
【0047】
センターチャンネル用外装体42Cは中心部分に緩衝材を介してセンターチャンネル用エキサイタ45Cを固定する。センターチャンネル用エキサイタ45Cは図2におけるセンターチャンネル用エキサイタ5Cと同一構成でセンター振動板4Cと組み立てられる。また、センターチャンネル用外装体42Cには、センター振動板4Cが緩衝材枠6Cにより固定される。従って、センターチャンネル用エキサイタ5Cはその駆動コイルのピストン運動によりセンター振動板4Cを振動させてセンター音像の音圧を作り出す。
【0048】
このような構成により、センターチャンネルの音像は他の実施例と同様であるが、左右チャンネルのステレオ音像特性はコーン型ボックススピーカ特性を有する。従って、この構成は、コーン型スピーカ特性を必要とする場合に効果的である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
平面状スピーカのセンターチャンネル用エキサイタにより駆動される振動板と他のチャンネル用エキサイタにより駆動される振動板とを分割してそれぞれのエキサイタを駆動することにより、他チャンネルとは無関係に、センターチャネルの音像を中心位置に設定できるので、高度の音響性能が必要かつ不可欠な音響画像システムでの画面表示部一体型スピーカは勿論、例えば、情報機器、携帯端末機器などでの音声再生機能付き表示画面への用途にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】従来のディスプレイ用スピーカの構造の一例を分解して示した斜視図である。
【図2】本発明によるディスプレイ用スピーカの構造の実施の一形態を分解して示した斜視図である。(実施例1)
【図3】図2におけるディスプレイ用スピーカの構成要素を組み立てた際の一態様を前面から示した正面図である。(実施例1)
【図4】図3におけるディスプレイ用スピーカを上下方向の中心線で切断した、A−A断面を示した図である。(実施例1)
【図5】本発明によるディスプレイ用スピーカにおける駆動回路構成の実施の一形態をブロックで示した図である。(実施例共通)
【図6】本発明によるディスプレイ用スピーカの構造の実施の一形態を分解して示した斜視図である。(実施例2)
【図7】本発明によるディスプレイ用スピーカの構造の実施の一形態を分解して示した斜視図である。(実施例3)
【図8】本発明によるディスプレイ用スピーカの構造の実施の一形態を分解して示した斜視図である。(実施例4)
【符号の説明】
【0051】
1、21、31、41 ディスプレイパネル
2 表示モジュール
3 前面外装体
3H、4H 中抜き開口部
4 中抜き振動板
4C センター振動板
5C、45C センターチャンネル用エキサイタ(エキサイタ)
5L 左チャンネル用エキサイタ(エキサイタ)
5R 右チャンネル用エキサイタ(エキサイタ)
6 中抜き振動板用緩衝材枠(緩衝材枠)
6C センター振動板用緩衝材枠(緩衝材枠)
11 ステレオ音源
12 ステレオアンプ
13 センターアンプ
14 センター用フィルター
22 透明パネル
32L 左チャンネル用振動板(振動板)
32R 右チャンネル用振動板(振動板)
33L 左チャンネル用緩衝材枠(緩衝材枠)
33R 右チャンネル用緩衝材枠(緩衝材枠)
42 左右チャンネル用外装体(外装体)
42C センターチャンネル用外装体(外装体)
45L 左コーン型ボックススピーカ(ボックススピーカ)
45R 右コーン型ボックススピーカ(ボックススピーカ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステレオ型ディスプレイ用スピーカの構造において、複数チャンネルそれぞれに対応するエキサイタを分散して装備する複数の振動板を備えることを特徴とするディスプレイ用スピーカの構造。
【請求項2】
請求項1に記載のディスプレイ用スピーカの構造において、前記振動板のうちの第1の振動板に装備されるエキサイタは残りのチャンネルの音源を合成したセンターチャンネル用であることを特徴とするディスプレイ用スピーカの構造。
【請求項3】
請求項2に記載のディスプレイ用スピーカの構造において、前記振動板のうちの第2の振動板は、表示画像を透過可能とするように、左右チャンネル用エキサイタを左右それぞれに装備する一枚の透明パネルであることを特徴とするディスプレイ用スピーカの構造。
【請求項4】
請求項2に記載のディスプレイ用スピーカの構造において、前記振動板のうちの第2の振動板は、中央部分で表示画像を透過可能とするように、左右チャンネル用エキサイタを振動板上の左右それぞれに装備し、かつ、中央部分に表示画像を透過させる中抜き開口部を有することを特徴とするディスプレイ用スピーカの構造。
【請求項5】
請求項2に記載のディスプレイ用スピーカの構造において、前記振動板のうちで前記第1の振動板とは別に備えられる第3および第4の振動板は、左右チャンネル用エキサイタそれぞれを装備し、中央部分で表示画像を透過可能とするように、表示画像透過領域とほぼ等距離の間隔をもって装備されることを特徴とするディスプレイ用スピーカの構造。
【請求項6】
請求項2に記載のディスプレイ用スピーカの構造において、前記第1の振動板とは別に左右チャンネル用エキサイタそれぞれを有するコーン型ボックススピーカを、中央部分で表示画像を透過可能とするように、表示画像透過領域とほぼ等距離の間隔をもってその左右それぞれに備えることを特徴とするディスプレイ用スピーカの構造。
【請求項7】
請求項2から請求項6までの一つに記載のディスプレイ用スピーカの構造において、正面から視聴者が表示画像を視聴可能とするように、中心線上にセンターチャンネル用エキサイタを位置させるように前記第1の振動板を、かつ、左右に左右チャンネル用エキサイタそれぞれを配置するように前記振動板又は前記ボックススピーカを、それぞれ近接させてほぼ同一面上に装備することを特徴とするディスプレイ用スピーカの構造。
【請求項8】
ステレオ型ディスプレイ用スピーカを外装体の前面側に、画像用表示モジュールを後面側に密着して形成する音源画像一致型ディスプレイにおいて、前記ステレオ型ディスプレイ用スピーカが、請求項1から請求項7までのうちの一つに記載のディスプレイ用スピーカ構造を有することを特徴とする音源画像一致型ディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−267302(P2007−267302A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92817(P2006−92817)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【出願人】(595077418)株式会社オーセンティック (25)
【Fターム(参考)】