説明

ディスプレイ用光学フィルタの製造方法、ディスプレイ用光学フィルタ、これを備えたディスプレイ及びプラズマディスプレイパネル

【課題】生産性に優れた良好なアース電極部付き光学フィルタの製造方法及び光学フィルタを提供すること。
【解決手段】1枚の透明フィルム12の一方の表面に金属導電層13が設けられた構造を含むディスプレイ用光学フィルタであって、透明フィルム12が矩形状であり、金属導電層13が透明フィルム12全面に設けられ、金属導電層13の少なくとも両側の縁部表面に帯状の第1の機能性層としてハードコート層16'が、金属導電層13と接して設けられ、その帯状の第1の機能性層16'の内側に隣接して第1の機能性層を持たない帯状の金属導電層13'が露出しており、そして露出した帯状の金属導電層13'で囲まれた中央部分には第1の機能性としてハードコート層16が、金属導電層13と接して設けられ、且つ
露出した帯状の金属導電層13'が、連続的な帯状領域であることを特徴とするディスプレイ用光学フィルタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイ、表面電界型ディスプレイ(SED)を含む電界放出型ディスプレイ(FED)等の各種ディスプレイに対して反射防止、近赤外線遮断、電磁波遮蔽等の各種機能を有する光学フィルタ、及びこの光学フィルタを備えたディスプレイ、特にPDPに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、及びCRTディスプレイにおいては、外部からの光が表面で反射し、内部の視覚情報が見えにくいとの問題は、従来から知られており、反射防止膜等を含む光学フィルムの設置等、種々対策がなされている。
【0003】
近年、ディスプレイは大画面表示が主流となり、次世代の大画面表示デバイスとしてPDPが一般的になってきている。しかしながら、このPDPでは画像表示のため発光部に高周波パルス放電を行っているため、不要な電磁波の輻射や赤外線リモコン等の誤動作の原因ともなる赤外線の輻射のおそれがあり、このため、PDPに対しては、導電性を有するPDP用反射防止フィルム(電磁波シールド性光透過窓材)が種々提案されている。この電磁波シールド性光透過窓材の導電層としては、例えば、(1)金属銀を含む透明導電薄膜が設けられた透明フィルム、(2)金属線又は導電性繊維を網状にした導電メッシュを設けた透明フィルム、(3)透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、(4)透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等が知られている。
【0004】
さらに、従来のPDPを初めとした大型ディスプレイでは、反射防止フィルムや近赤外線カットフィルム等の種々のフィルムが貼り合わされている。例えば、特許文献1(特開平11−74683号公報)には、2枚の透明基板の間に導電性メッシュを介在させて、透明接着樹脂で接合一体化してなる電磁波シールド性光透過窓材が記載されている。
【0005】
上記電磁波シールド性光透過窓材においては、上記導電層による電磁波シールド性を良好なものとするために、導電層(電磁波シールド材)、例えば導電性メッシュ、をPDP本体に接地(アース)する必要がある。そのためには、2枚の透明基板間から電磁波シールド材を外部にはみ出させ、上記光透過窓材積層体の裏側に回り込ませて接地するか、2枚の透明基板間に該電磁波シールド材に接触するように導電性粘着テープを挟み込む必要がある。しかしながら、このような方法では、積層工程における上記作業が煩雑であるとの問題がある。
【0006】
また、特許文献2(特開2001−142406号公報)には、1枚の透明基板と、電磁波シールド材と、最表層の反射防止フィルムと、近赤外線カットフィルムとが積層一体化されてなる積層体を備え、該透明基板の縁面及び表裏の縁部にまたがって導電性粘着テープが付着され、該導電性粘着テープと該電磁波シールド材の縁部とが導電性粘着剤によって付着されている電磁波シールド性光透過積層フィルムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−74683号公報
【特許文献2】特開2001−142406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、長尺状のプラスチックフィルムを用いて上記PDP等のディスプレイ用光学フィルタを製造する場合、まず近赤外線カットフィルム及び反射防止フィルムを作製し、これらを電磁波シールド用導電性メッシュを介して積層することにより長尺状の光学フィルタを得、その後、各ディスプレイの全面の表示部の形状に合わせて矩形状に裁断することになる。このため、このような長尺状の光学フィルタは、通常、幅方向に裁断され、その幅方向の裁断面、即ち端面(側面)には、全ての層の端面が露出しているが、当然極めて小さな面積でしかない。導電性メッシュも、メッシュ状の断面がほんのわずか覗いているに過ぎない。
【0009】
このようなディスプレイ用光学フィルタを、そのまま用いて、導電層による電磁波シールド性を良好なものとするために露出した導電層(例えば導電性メッシュ)を用いて接地(アース)することは困難である。
【0010】
特許文献2に記載されているような光学フィルタでは、導電性メッシュを端面からはみ出させるようにフィルタを構成する各層を接着する必要があるとの問題がある。
【0011】
従って、本発明は、容易に製造することができ、そして良好な電磁波シールド性を有し、またディスプレイに装着し易く且つ接地し易いアース電極を有するディスプレイ用光学フィルタを製造する方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、容易に製造することができ、そして軽量で薄く、良好な電磁波シールド性を有し、そしてディスプレイに装着し易く且つ接地し易いアース電極を有するディスプレイ用光学フィルタを製造する方法を提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、容易に製造することができ、そして良好な電磁波シールド性を有し、またディスプレイに装着し易く且つ接地し易いアース電極を有するディスプレイ用光学フィルタを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、容易に製造することができ、そして軽量で薄く、良好な電磁波シールド性を有し、そしてディスプレイに装着し易く且つ接地し易いアース電極を有するディスプレイ用光学フィルタを提供することを目的とする。
【0015】
さらに、本発明は、容易に製造することができ、そして良好な電磁波シールド性を有し、またディスプレイに装着し易く且つ接地し易いアース電極を有するPDP用に好適な光学フィルタを提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、上記優れた特性の光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされたディスプレイを提供することを目的とする。
【0017】
さらにまた、本発明は、上記優れた特性の光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされたPDPを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
従って、本発明は、
1枚の透明フィルムの一方の表面に金属導電層が設けられた構造を含むディスプレイ用光学フィルタであって、
透明フィルムが矩形状であり、金属導電層が透明フィルム全面に設けられ、金属導電層の少なくとも両側の縁部表面に帯状の第1の機能性層としてハードコート層が、金属導電層と接して設けられ、その帯状の第1の機能性層の内側に隣接して第1の機能性層を持たない帯状の金属導電層が露出しており、そして露出した帯状の金属導電層で囲まれた中央部分には第1の機能性としてハードコート層が、金属導電層と接して設けられ、且つ
露出した帯状の金属導電層が、連続的な帯状領域であることを特徴とするディスプレイ用光学フィルタ;
にある。
【0019】
本発明のディスプレイ用光学フィルタの好適態様は以下の通りである。
(1)透明フィルムの金属導電層が設けられていない側に第2の機能性層が設けられている。
(2)帯状の金属導電層が、第1の機能性層の4辺の縁部に枠状に形成されている。
(3)金属導電層が、メッシュ状金属導電層である。
(4)ハードコート層の表面にハードコート層より屈折率の低い低屈折率層を有する。良好な反射防止性が得られる。
(5)ハードコート層の表面にハードコート層より屈折率の高い高屈折率層及びハードコート層より屈折率の低い低屈折率層を有する。さらに、良好な反射防止性が得られる。
(6)ハードコート層が、防眩層機能を有する。防眩層は、いわゆるアンチグレア層であり、一般に優れた反射防止効果を有し、上記(4)〜(5)の反射防止層を設けなくて良い場合が多い。これにより、他の層の屈折率の自由度が向上し、層の材料の選択肢が広がるため、コスト低減効果もある。また、その表面に防眩層より屈折率の低い低屈折率層を有する上記(4)の形態としても良い。これにより、防眩層のみよりさらに優れた反射防止効果が得られる。
(7)第2の機能性層が、近赤外線吸収層、ネオンカット層及び透明粘着剤層から選択される少なくとも1層である。第2の機能性層は、近赤外線吸収機能及びネオンカット機能を有する透明粘着剤層からなるか、或いはネオンカット機能を有する近赤外線吸収層、及び透明粘着剤層(この順で透明フィルム上に設けられている)からなるか、或いは近赤外線吸収層、ネオンカット層及び透明粘着剤層(この順で透明フィルム上に設けられている)からなるか、或いは近赤外線吸収層、及びネオンカット機能を有する透明粘着剤層(この順で透明フィルム上に設けられている)からなることが好ましい。
(8)メッシュ状導電層のメッシュの間隙にはハードコート層が埋め込まれている。優れた透明性が得られる。
(9)透明フィルムがプラスチックフィルムである。
(10)透明粘着剤層の上に剥離シートが設けられている。透明粘着剤層の上に剥離シートが設けられている。ディスプレイへの装着が容易となる。
(11)プラズマディスプレイパネル用フィルタである。
(12)ディスプレイ用光学フィルタがガラス基板に貼付されたディスプレイ用光学フィルタである。
【0020】
さらに、本発明は、
1枚の透明フィルム、その表面全体に形成された金属導電層、及び金属導電層全面に形成された第1の機能性層としてのハードコート層からなる積層体の当該ハードコート層の周縁部又は周縁近傍部の少なくとも一部の領域にレーザを照射して照射部分のハードコート層を除去し、金属導電層を露出させる工程を含む、電極部として周囲に突出した導電層を有するディスプレイ用光学フィルタの製造方法;
1枚の矩形状の透明フィルム、その表面全体に形成された金属導電層、及び矩形状の金属導電層全面に形成された第1の機能性層としてのハードコート層からなる積層体の当該矩形状のハードコート層の少なくとも両側の縁部又はその近傍に沿ってレーザを照射して照射部分のハードコート層を除去し、矩形状ハードコート層の少なくとも両側の縁部又はその近傍に金属導電層の帯状領域を露出させる工程を含む、電極部として周囲に突出した導電層を有するディスプレイ用光学フィルタの製造方法;及び
1枚の矩形状の透明フィルム、その表面全体に形成された金属導電層、及び矩形状の金属導電層全面に形成された第1の機能性層としてのハードコート層からなる積層体の当該矩形状のハードコート層における全4辺の縁部又はその近傍に沿ってレーザを照射して照射部分のハードコート層を除去し、矩形状ハードコート層の周縁部又はその近傍に導電層の枠状領域を露出させる工程を含む、電極部として周囲に突出した導電層を有するディスプレイ用光学フィルタの製造方法;
にある。
【0021】
本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法の好適態様は以下の通りである。
(1)透明フィルムの金属導電層が設けられていない側に第2の機能性層が設けられている。
(2)レーザの照射を連続的又は間欠的に行う。
【0022】
さらに、本発明の製造方法においても、前記本発明の光学フィルタの好適態様を適用することができる。
【0023】
本発明は、上記製造方法により得られるディスプレイ用光学フィルタ;及び上記製造方法により得られるディスプレイ用光学フィルタがガラス基板に貼付されたディスプレイ用光学フィルタにもある。
【0024】
さらにまた、本発明は、
上記のディスプレイ用光学フィルタを備えた(一般に光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされている)ことを特徴とするディスプレイ;及び
上記のディスプレイ用光学フィルタを備えた(一般に光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされている)ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルにもある。
【0025】
ディスプレイ用光学フィルタが、導電層が設けられていない側の表面と画像表示ガラス板の表面との接着により、画像表示ガラス板に貼り合わされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法により、周囲に突き出た金属導電層からなる電極部(アース電極)を有する光学フィルタを、極めて容易に製造することができる。即ち、矩形状の透明基板の表面全体に形成された金属導電層の全面に、機能性層としてハードコート層を形成し、ハードコート層の縁部又は縁部近傍をレーザ照射することにより照射部分のハードコート層を除去して金属導電層を露出させ、これにより周囲に突き出た金属導電層からなる電極部(アース電極)を有する光学フィルタを製造することができる。この方法により、周囲に突き出た導電層からなる電極部(アース電極)を極めて容易に製造できる。このような電極部設置により、アースを簡単にとることができる。
【0027】
また本発明のディスプレイ用光学フィルタは、上記製造方法を利用することにより有利に得られる、特定の構成を有する導電層の電極部付き光学フィルタであり、上記のようにアース設置を非常に容易にすることができるとの利点がある。
【0028】
特に、透明フィルムを1枚用いて上記光学フィルタを得た場合は、光学フィルタの厚さが極めて小さくなり、これに伴い質量も小さくなるため、ディスプレイに装着する際、そして装着後も取扱い上極めて有利である。
【0029】
従って、本発明のディスプレイ用光学フィルタは、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイ、表面電界型ディスプレイ(SED)を含む電界放出型ディスプレイ(FED)等の各種ディスプレイに対して反射防止、近赤外線遮断、電磁波遮蔽等の各種機能を有する、生産性に優れた光学フィルタということができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の電極部付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法の1例を説明するための図である。
【図2】本発明の電極部付きディスプレイ用光学フィルタの代表的な1例の概略断面図である。
【図3】図2に示された本発明の電極部付きディスプレイ用光学フィルタの平面図である。
【図4】本発明の電極部付きディスプレイ用光学フィルタの好ましい態様の1例の概略断面図である。
【図5】本発明の光学フィルタが、ディスプレイの1種であるプラズマディスプレイパネルの画像表示面に貼付された状態の1例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の、電極部(アース電極)付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法、及び本発明の電極部付きディスプレイ用光学フィルタについて、以下に詳細に説明する。
【0032】
図1に、本発明の電極部付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法の1例を説明するための概略断面図を示す。矩形状の透明フィルム12の表面の全域に、メッシュ状の金属導電層13を形成し(1)、次いで、メッシュ状の金属導電層13の全域に第1の機能性層としての合成樹脂からなるハードコート層16を形成する(2)。その後、ハードコート層16の全周囲の4辺縁部(端部)に、その縁に沿ってレーザを照射する(3)。照射は、両側縁部だけでも良い。この場合、レーザの照射を最縁部(最端部)には照射しないように行う。ハードコート層16は合成樹脂からなる層であるため、レーザが照射された領域のハードコート層16は分解又は燃焼して消失する。これにより、4辺端部近傍のハードコート層16が除去され、金属導電層が露出し、導電層露出領域13'が形成され、これが電極部を形成する(4)。この際、通常、透明フィルム12の縁部に、レーザが照射されなかったハードコート層が残り、縁部ハードコート層16'が形成される。この後、一般に、透明フィルム12の裏側(通常全面)に第2の機能性層としての近赤外線吸収層14及びその上に透明粘着剤層15が形成され、図2に示すように、本発明の好ましい態様の一つである光学フィルタが得られる。透明粘着剤層15は設けなくても良い。また、予め近赤外線吸収層14及びその上に透明粘着剤層15が設けられた透明フィルムに上記のようにハードコート層を設けても良い。得られた光学フィルタの電極部(導電層露出領域13')には、アースをとるための種々の導電材料が接続される。
【0033】
第1又は第2機能性層としては、何らかの機能を示す合成樹脂を含む層である。本発明では、第1の機能性層は、ハードコート層が、金属導電層と接して設けられていれば良く、;ハードコート層とハードコート層より屈折率の低い低屈折率層とからなるか(この場合ハードコート層が金属導電層と接している)或いは、ハードコート層、ハードコート層より屈折率の高い高屈折率層及びハードコート層より屈折率の低い低屈折率層からなる(この場合ハードコート層が金属導電層と接している)ものでも良い。層が多いほど、より良好な反射防止性が得られる。あるいは、第1の機能性層が防眩層(ハードコート層機能を有する)、又は防眩層と防眩層より屈折率の低い低屈折率層とからなる(防眩層が金属導電層と接している)ことも好ましい。防眩層は、いわゆるアンチグレア層であり、一般に優れた反射防止効果を有し、上記の反射防止層を設けなくて良い場合が多い。これにより、他の層の屈折率の自由度が向上し、層の材料の選択肢が広がるため、コスト低減効果もある。防眩層と低屈折率層とからなる場合は、防眩層のみよりさらに優れた反射防止効果が得られる。また、第2の機能性層は、一般に、近赤外線吸収層、ネオンカット層又は透明粘着剤層、或いはこれらの層の2層以上の組合せである。本発明では、第2の機能性層が、第2の機能性層は、近赤外線吸収機能及びネオンカット機能を有する透明粘着剤層からなるか、或いはネオンカット機能を有する近赤外線吸収層、及び透明粘着剤層(この順で透明フィルム上に設けられている)からなるか、或いは近赤外線吸収層、ネオンカット層及び透明粘着剤層(この順で透明フィルム上に設けられている)からなることが好ましい。
【0034】
また、図1及び図2では、ハードコート層16の全周囲の4辺縁部(端部)にレーザを照射しているが、矩形状のハードコート層16の少なくとも両側縁部にレーザを照射して、少なくとも両側縁部に導電層露出領域13'を形成してもよい。レーザ照射する場合、レーザを1本使用して全周囲又は両縁部照射しても、複数用いて辺毎に照射する等、適宜照射方法を変更して行うことができる。
【0035】
図2に示す、ハードコート層16の全周囲に枠状の導電層露出領域13'及びその外側に枠状の縁部ハードコート層16'が形成された本発明の好ましい光学フィルタの1例の平面図が図3に示されている。
【0036】
上記図2及び3に示す全周囲に導電層露出領域13'を有する光学フィルタを製造する場合、上記のように枚葉に製造しても良いが、以下のように連続的に製造することも可能である。即ち、メッシュ状金属導電層13を有する長尺状の透明フィルム12に、ハードコートを形成した後、両縁部にレーザを照射し、両縁部に導電層露出領域13'を形成し、次いで、裁断し、裁断した両辺の縁部にレーザを照射し、両縁部に導電層露出領域13'を形成し、枠状の導電層露出領域13'を形成することにより全周囲に導電層露出領域13'を有する光学フィルタを得ることができる。
【0037】
前記導電層露出領域13'がアースのための電極部として使用される。この両縁部の細い帯状の領域の幅(図2及び3のL)は、一般に1〜100mm、特に2〜50mmが好ましい。また縁部ハードコート層16'の細い帯状の領域の幅は、一般に0.1〜20mmであり、特に0.5〜5mmが好ましい。
【0038】
図3の導電層露出領域13'は連続的な帯状領域である。
【0039】
ハードコート層16上には、反射防止性を向上させるためにハードコート層16より屈折率の低い低屈折率層等を設けることが好ましいが、その場合、一般に、ハードコート層全面に形成される。ハードコート層及び低屈折率層等を設ける場合は、それぞれ塗工、(光)硬化を別々に行っても良いが、ハードコート層及び低屈折率層等を塗工した後、一度に(光)硬化しても良い。また、上記の金属導電層上にハードコート層16を形成したが、光学フィルタの所望の設計に従い、上述のように防眩層、さらに必要により低屈折率層を設けることも好ましい。防眩層は防眩層機能を有するハードコート層である。
【0040】
図2に示された本発明のディスプレイ用光学フィルタで、ハードコート層の上にさらに低屈折率層(反射防止層)が設けられた光学フィルタの断面の概略図の1例を図4に示す。図4において、透明フィルム22の一方の表面に、メッシュ状の金属導電層23、ハードコート層26及び低屈折率層27がこの順で設けられ、他方の表面には近赤外線吸収層24及びその上に透明粘着剤層25が設けられている。この場合レーザの照射は低屈折率層27の表面縁部近傍に行われる。ハードコート層26は、図2と同様に、縁部領域に、導電層露出領域23'を介してその外側に縁部ハードコート層26'を有し、低屈折率層27も、縁部領域に、導電層露出領域23'を介してその外側の縁部ハードコート層26'上に縁部低屈折率層27'を有する。ハードコート層26(26')上に設ける層(例、高屈折率層)は、低屈折率層27と同様に中央部と縁部に設けられる。またメッシュ状金属導電層23のメッシュの空隙は、ハードコート層26で埋められており、これにより透明性が向上している。前述のように、ハードコート層26の代わりに防眩層を設けることも好ましい。
【0041】
上記構成において、ハードコート層26及び低屈折率層(等の反射防止層)27と、近赤外線吸収層24との位置が、相互に入れ替わっていても良く、また近赤外線吸収層24が、金属導電層23とハードコート層26との間に設けられても良い。しかながら、図4の構成は、ディスプレイ装着時に導電層が、ディスプレイの前面(表面側)に存在することになるため、アースの設置が容易である点で有利である。
【0042】
上記図1〜4に示したように、本発明において、導電層露出領域は、縁部領域ではあるが、その外側に縁部ハードコート層等が設けられている。縁部にこのようなハードコート層等が存在しない、即ち最縁部に導電層露出領域を設けるようにレーザを照射する場合、透明フィルムまで軟化変形する場合がある。
【0043】
上記金属導電層13、23等は、例えば、メッシュ状の金属層又は金属含有層、或いは金属酸化物層(誘電体層)、又は金属酸化物層と金属層との交互積層膜である。メッシュ状の金属層又は金属含有層は、一般に、エッチングにより、又は印刷法により形成されているか、金属繊維層である。これにより低抵抗を得られやすい。一般に、メッシュ状の金属層又は金属含有層のメッシュの空隙は、前記のように、ハードコート層16、26等或いは防眩層で埋められている。これにより透明性が向上する。ハードコート層16、26等で埋めない場合は、他の層、例えば近赤外線吸収層14、24等或いはそれ専用の透明樹脂層で埋められるのが好ましい。
【0044】
上記低屈折率層27等は、反射防止層を構成している。即ち、ハードコート層16、26等とその上に設けられた低屈折率層との複合膜により反射防止効果を効率良くに示す。この低屈折率層とハードコート層との間に高屈折率層を設けても良い。これにより反射防止機能は向上する。
【0045】
また低屈折率層27等は設けなくても良く、透明フィルムと、透明フィルムより屈折率の高い又は低い(好ましくは低い)ハードコート層16、26等のみであっても良い。ハードコート層16、26、反射防止層27等は、一般に塗工により形成される。生産性、経済性の観点から好ましい。
【0046】
上記近赤外線吸収層14、24等は、PDPのネオン発光等の不要な光を遮断する機能を有する。一般に800〜1200nmに吸収極大を有する色素を含む層である。透明粘着層15、25は一般にディスプレイへ容易に装着するために設けられている。透明粘着剤層15の上に剥離シートを設けても良い。
【0047】
電極部は、光学フィルタの周囲の金属導電層であり、その幅(図3等のL)は、前述のように、一般に2〜100mm、特に5〜50mmが好ましい。金属導電層は、メッシュ状金属層であることが好ましい。
【0048】
上記矩形のディスプレイ用光学フィルタは透明フィルムを1枚用いているが、透明フィルムは2枚用いても良い。例えば、透明フィルムの表面に、メッシュ状の金属導電層、ハードコート層及び低屈折率層等の反射防止層がこの順で設けられ、別の透明フィルムの表面には近赤外線吸収層及びその上に透明粘着剤層が設けられ、2枚の透明フィルムの層が設けられていない表面同士で接着された構成を有する。この場合、前者の積層体が、本発明の方法により製造される。
【0049】
透明フィルム2枚は、製造上有利である場合に採用されるが、厚さが大きくなるので嵩高くなる点で不利である。
【0050】
上記透明フィルム1枚用いるディスプレイ用光学フィルタは、前述のように、例えば、矩形状のプラスチックフィルムの一方の全表面に、金属導電層を形成し、次いで導電層上に、ハードコート層及び低屈折率層等の反射防止層を形成し、レーザ照射により、導電層露出領域を形成し、他方の表面に近赤外線吸収層、透明粘着剤層等を形成する(或いは予めプラスチックフィルム裏面に形成する)ことにより光学フィルタを得る。作製されたフィルタは、各ディスプレイの全面の表示部の形状に合わせて設計されている。このような光学フィルタは、周囲に導電層の電極部が突出しており、これが接地及びディスプレイに装着容易な電極部(アース電極)を形成している。
【0051】
本発明では、上記のようにレーザ照射により導電層露出領域が形成される。本発明で使用することができるレーザは、短時間で合成樹脂層を燃焼、分解等により除去でき、金属導電層に損傷を与えないもの、或いはそのように設定できるものであればよい。レーザ照射技術としては、ラインビーム成形技術、レーザ光分岐技術、ダブルパルス技術等を、単独または組み合わせて用いることができる。レーザ光としては、YAGレーザ(2倍波、3倍波)、ルビーレーザ、エキシマレーザ、半導体レーザ、CO2レーザ、アルゴンレーザ等を用いることができる。特に、YAGレーザ(2倍波、3倍波)、半導体レーザ、CO2レーザが、極めて短時間で合成樹脂層を燃焼、分解等により除去することができるので、好ましい。これは、これらの波長が第1の機能性層の合成樹脂の吸収と一般に一致するためである。レーザは、出力5W〜15kW、焦点位置での直径 を0.05〜10mmに集光して、移動速度1〜3000mm/秒で行うことが好ましい。
【0052】
矩形の透明フィルムの場合、各層はバッチ式で形成されても良いが、連続透明フィルム上に、各層を連続式、一般にロールトゥロール方式で形成し、裁断することが好ましい。
【0053】
本発明のディスプレイ用光学フィルタに使用される材料について以下に説明する。
【0054】
透明フィルムは、一般に、透明なプラスチックフィルムである。その材料としては、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)であれば特に制限はない。プラスチックフィルムの例としては、ポリエステル{例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート}、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる。これらの中でも、加工時の負荷(熱、溶剤、折り曲げ等)に対する耐性が高く、透明性が特に高い等の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が好ましい。特に、PETが、加工性に優れているので好ましい。また、第2の機能性層に含まれる有機色素類は紫外線を受けて耐久性が低下しやすいが、PET等のポリエステルはこのような紫外線を吸収する傾向があり好ましい。
【0055】
透明フィルムの厚さとしては、光学フィルタの用途等によっても異なるが、一般に1μm〜10mm、1μm〜5mm、特に25〜250μmが好ましい。
【0056】
本発明の金属導電層は、得られる光学フィルタの表面抵抗値が、一般に10Ω/□以下、好ましくは0.001〜5Ω/□の範囲、特に0.005〜5Ω/□のとなるように設定される。メッシュ(格子)状の導電層も好ましい。或いは、導電層は、気相成膜法により得られる層(金属酸化物(ITO等)の透明導電薄膜)でも良い。さらに、ITO等の金属酸化物の誘電体膜とAg等の金属層との交互積層体(例、ITO/銀/ITO/銀/ITOの積層体)であっても良い。
【0057】
メッシュ状の金属導電層としては金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属を網状にしたもの、透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等を挙げることができる。
【0058】
メッシュ状の金属導電層の場合、メッシュとしては、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維よりなる線径1μm〜1mm、開口率40〜95%のものが好ましい。より好ましい線径は10〜500μm、開口率は50〜95%である。メッシュ状の導電層において、線径が1mmを超えると電磁波シールド性が向上するが、開口率が低下し両立させることができない。1μm未満では、メッシュとしての強度が下がり取扱いが困難となる。また開口率が95%を超えるとメッシュとしての形状を維持することが困難であり、40%未満では光透過性が低下し、ディスプレイからの光量も低下する。
【0059】
なお、導電性メッシュの開口率とは、当該導電性メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
【0060】
メッシュ状の導電層を構成する金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、炭素或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、ニッケルが用いられる。
【0061】
金属被覆有機繊維の有機材料としては、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビニロン、セルロース等が用いられる。
【0062】
金属箔等の導電性の箔をパターンエッチングしたもの場合、金属箔の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、真鍮、或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。
【0063】
金属箔の厚さは、薄過ぎると取扱い性やパターンエッチングの作業性等の面で好ましくなく、厚過ぎると得られるフィルムの厚さに影響を及ぼし、エッチング工程の所要時間が長くなることから、1〜200μm程度とするのが好ましい。
【0064】
エッチングパターンの形状には特に制限はなく、例えば四角形の孔が形成された格子状の金属箔や、円形、六角形、三角形又は楕円形の孔が形成されたパンチングメタル状の金属箔等が挙げられる。また、孔は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。この金属箔の投影面における開口部分の面積割合は、20〜95%であることが好ましい。
【0065】
上記の他に、メッシュ状の金属導電層として、フィルム面に、溶剤に対して可溶な材料によってドットを形成し、フィルム面に溶剤に対して不溶な導電材料からなる導電材料層を形成し、フィルム面を溶剤と接触させてドット及びドット上の導電材料層を除去することによって得られるメッシュ状金属導電層を用いても良い。
【0066】
金属導電層上に、さらに金属メッキ層を、導電性を向上させるためは設けても良い(特に、上記溶剤に対して可溶な材料によってドットを形成する方法の場合)。金属メッキ層は、公知の電解メッキ法、無電解メッキ法により形成することができる。メッキに使用される金属としては、一般に銅、銅合金、ニッケル、アルミ、銀、金、亜鉛又はスズ等を使用することが可能であり、好ましくは銅、銅合金、銀、又はニッケルであり、特に経済性、導電性の点から、銅又は銅合金を使用することが好ましい。
【0067】
また、防眩性能を付与させても良い。この防眩化処理を行う場合、(メッシュ)導電層の表面に黒化処理を行っても良い。例えば、金属膜の酸化処理、クロム合金等の黒色メッキ、黒又は暗色系のインクの塗布等を行うことができる。
【0068】
本発明の反射防止層は、一般に基板である透明フィルムより屈折率の低いハードコート層とその上に設けられたハードコート層より屈折率の低い低屈折率層との複合膜であるか、或いはハードコート層と低屈折率層との間にさらに高屈折率層が設けられた複合膜である。反射防止膜は基板より屈折率の低いハードコート層のみであっても有効である。但し、基板の屈折率が低い場合、透明フィルムより屈折率の高いハードコート層とその上に設けられた低屈折率層との複合膜、或いは低屈折率層上にさらに高屈折率層が設けられた複合膜としても良い。
【0069】
ハードコート層としては、アクリル樹脂層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層、シリコン樹脂層等の合成樹脂を主成分とする層である。通常その厚さは1〜50μm、好ましくは1〜10μmである。合成樹脂は、一般に熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂であり、紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂は、短時間で硬化させることができ、生産性に優れ、またレーザにより除去し易い点からも好ましい。
【0070】
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコン樹脂などを挙げることができる。
【0071】
ハードコート層としては、紫外線硬化性樹脂組成物(紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤等からなる)を主成分とする層の硬化層が好ましく、通常その厚さは1〜50μm、好ましくは1〜10μmである。
【0072】
紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。これらの紫外線硬化性樹脂を、熱重合開始剤とともに用いて熱硬化性樹脂として使用してもよい。
【0073】
ハードコート層とするには、上記の紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)の内、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の硬質の多官能モノマーを主に使用することが好ましい。
【0074】
紫外線硬化性樹脂の光重合開始剤として、紫外線硬化性樹脂の性質に適した任意の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)が好ましい。
【0075】
光重合開始剤の量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
【0076】
さらに、ハードコート層は、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいても良い。特に、紫外線吸収剤(例、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はベンゾフェノン系紫外線吸収剤)を含むことが好ましく、これによりフィルタの黄変等の防止が効率的に行うことができる。その量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
【0077】
ハードコート層は、透明フィルムより屈折率が低いことが好ましく、上記紫外線硬化性樹脂を用いることにより一般に基板より低い屈折率を得られやすい。従って、透明基板としては、PET等の高い屈折率の材料を用いることが好ましい。このため、ハードコート層は、屈折率を、1.60以下にすることが好ましい。膜厚は前記の通りである。
【0078】
高屈折率層は、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に、ITO,ATO,Sb23,SbO2,In23,SnO2,ZnO、AlをドープしたZnO、TiO2等の導電性金属酸化物微粒子(無機化合物)が分散した層(硬化層)とすることが好ましい。金属酸化物微粒子としては、平均粒径10〜10000nm、好ましくは10〜50nmのものが好ましい。特にITO(特に平均粒径10〜50nmのもの)が好ましい。屈折率を1.64以上としたものが好適である。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
【0079】
なお、高屈折率層が導電層である場合、この高屈折率層2の屈折率を1.64以上とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.5%以内にすることができ、1.69以上、好ましくは1.69〜1.82とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.0%以内にすることができる。
【0080】
低屈折率層は、シリカ、フッ素樹脂等の微粒子、好ましくは中空シリカを10〜40重量%(好ましくは10〜30質量%)がポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に分散した層(硬化層)であることが好ましい。この低屈折率層の屈折率は、1.45〜1.51が好ましい。この屈折率が1.51超であると、反射防止フィルムの反射防止特性が低下する。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
【0081】
中空シリカとしては、平均粒径10〜100nm、好ましくは10〜50nm、比重0.5〜1.0、好ましくは0.8〜0.9のものが好ましい。
【0082】
ハードコート層は、可視光線透過率が85%以上であることが好ましい。高屈折率層及び低屈折率層の可視光線透過率も、いずれも85%以上であることが好ましい。
【0083】
反射防止層がハードコート層と上記2層より構成される場合、例えば、ハードコート層の厚さは2〜20μm、高屈折率層の厚さは75〜90nm、低屈折率層の厚さは85〜110nmであることが好ましい。
【0084】
反射防止層の、各層を形成するには、例えば、前記の通り、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)に必要に応じ上記の微粒子を配合し、得られた塗工液を、前記の矩形透明基板表面に塗工し、次いで乾燥した後、紫外線照射して硬化すればよい。この場合、各層を1層ずつ塗工し硬化させてもよく、全層を塗工した後、まとめて硬化させてもよい。
【0085】
塗工の具体的な方法としては、アクリル系モノマー等を含む紫外線硬化性樹脂をトルエン等の溶媒で溶液にした塗工液をグラビアコータ等によりコーティングし、その後乾燥し、次いで紫外線により硬化する方法を挙げることができる。このウェットコーティング法であれば、高速で均一に且つ安価に成膜できるという利点がある。このコーティング後に例えば紫外線を照射して硬化することにより密着性の向上、膜の硬度の上昇という効果が得られる。前記導電層も同様に形成することができる。
【0086】
紫外線硬化の場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザ光等を挙げることができる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。また、硬化促進のために、予め積層体を40〜120℃に加熱し、これに紫外線を照射してもよい。
【0087】
前述のようにハードコート層の代わりに防眩層(ハードコート層機能を有する)を設けることも好ましい。反射防止効果が大きいものが得られやすい。防眩層としては、例えば、ポリマー微粒子(例、アクリルビーズ)等の透明フィラー(好ましくは平均粒径1〜10μm)をバインダに分散させた液を塗布、乾燥することにより得られる防眩層、或いは、前述のハードコート層形成用材料に透明フィラー(ポリマー微粒子;例、アクリルビーズ)を加えた液を塗布、硬化させた、ハードコート機能を有する防眩層を挙げることができる。防眩層の層厚は、一般に0.01〜20μmの範囲である。
【0088】
近赤外線吸収層は、一般に、透明フィルムの表面に色素等を含む層が形成することにより得られる。近赤外線吸収層は、例えば上記色素及びバインダ樹脂等を含む紫外線硬化性又は電子線硬化性の樹脂、或いは熱硬化性樹脂を含む塗工液を塗工、必要により乾燥、そして硬化させることにより得られる。或いは上記色素及びバインダ樹脂等を含む塗工液を塗工、そして単に乾燥させることによっても得られる。フィルムとして使用する場合は、一般に近赤外線カットフィルムであり、例えば色素等を含有するフィルムである。色素としては、一般に800〜1200nmの波長に吸収極大を有するもので、例としては、フタロシアニン系色素、金属錯体系色素、ニッケルジチオレン錯体系色素、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、ポリメチン系色素、アゾメチン系色素、アゾ系色素、ポリアゾ系色素、ジイモニウム系色素、アミニウム系色素、アントラキノン系色素、を挙げることができ、特にシアニン系色素又、フタロシアニン系色素、ジイモニウム系色素が好ましい。これらの色素は、単独又は組み合わせて使用することができる。バインダ樹脂の例としては、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0089】
本発明では、近赤外線吸収層に、ネオン発光の吸収機能を付与することにより色調の調節機能を持たせても良い。このために、ネオン発光の吸収層を設けても良いが、近赤外線吸収層にネオン発光の選択吸収色素を含有させても良い。
【0090】
ネオン発光の選択吸収色素としては、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ポリアゾ系色素、アズレニウム系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素を挙げることができる。このような選択吸収色素は、585nm付近のネオン発光の選択吸収性とそれ以外の可視光波長において吸収が小さいことが必要であるため、吸収極大波長が575〜595nmであり、吸収スペクトル半値幅が40nm以下であるものが好ましい。
【0091】
また、近赤外線やネオン発光の吸収色素を複数種組み合わせる場合、色素の溶解性に問題がある場合、混合による色素間の反応ある場合、耐熱性、耐湿性等の低下が認められる場合には、すべての近赤外線吸収色素を同一の層に含有させる必要はなく、別の層に含有させても良い。
【0092】
また、光学特性に大きな影響を与えない限り、さらに着色用の色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を加えても良い。
【0093】
本発明の光学フィルタの近赤外線吸収特性としては、850〜1000nmの透過率を、20%以下、さらに15%するのが好ましい。また選択吸収性としては、585nmの透過率が50%以下であることが好ましい。特に前者の場合には、周辺機器のリモコン等の誤作動が指摘されている波長領域の透過度を減少させる効果があり、後者の場合は、575〜595nmにピークを持つオレンジ色が色再現性を悪化させる原因であることから、このオレンジ色の波長を吸収させる効果があり、これにより真赤性を高めて色の再現性を向上させたものである。
【0094】
近赤外線吸収層の層厚は、0.5〜50μmが一般的である。
【0095】
縁部に露出した金属導電層に導電性粘着テープ貼付する場合、その導電性粘着テープとしては、金属箔の一方の面に、導電性粒子を分散させた粘着層を設けたものであって、この粘着層には、アクリル系、ゴム系、シリコン系粘着剤や、エポキシ系、フェノール系樹脂に硬化剤を配合したものを用いることができる。
【0096】
粘着層に分散させる導電性粒子としては、電気的に良好な導体であればよく、種々のものを使用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金属粉体、このような金属で被覆された樹脂又はセラミック粉体等を使用することができる。また、その形状についても特に制限はなく、リン片状、樹枝状、粒状、ペレット状等の任意の形状をとることができる。
【0097】
この導電性粒子の配合量は、粘着層を構成するポリマーに対し0.1〜15容量%であることが好ましく、また、その平均粒径は0.1〜100μmであることが好ましい。このように、配合量及び粒径を規定することにより、導電性粒子の凝縮を防止して、良好な導電性を得ることができるようになる。
【0098】
導電性粘着テープの基材となる金属箔としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の箔を用いることができ、その厚さは通常の場合、1〜100μmである。
【0099】
粘着層は、この金属箔に、前記粘着剤と導電性粒子とを所定の割合で均一に混合したものをロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、マイカバーコーター、フローコーター、スプレーコーター等により塗工することにより容易に形成することができる。
【0100】
この粘着層の厚さは通常の場合5〜100μmである。
【0101】
導電性粘着テープの代わりに、上記粘着層を構成する材料からなる接着剤を導電層の露出部に塗布し、その上に上記導電性テープを貼付しても良い。
【0102】
本発明の透明粘着剤層は、本発明の光学フィルムをディスプレイに接着するための層であり、接着機能を有するものであればどのような樹脂でも使用することができる。例えば、ブチルアクリレート等から形成されたアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン)及びSBS(スチレン/ブタジエン/スチレン)等の熱可塑性エラストマー(TPE)を主成分とするTPE系粘着剤及び接着剤等も用いることができる。
【0103】
その層厚は、一般に5〜500μm、特に10〜100μmの範囲が好ましい。光学フィルタは、一般に上記粘着剤層をディスプレイのガラス板に圧着することによる装備することができる。
【0104】
本発明において透明フィルム2枚を使用する場合、これらの接着(粘着剤層)には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、アクリル樹脂(例、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体)、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体を挙げることができる(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。その他、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム系粘着剤、SEBS及びSBS等の熱可塑性エラストマー等も用いることができるが、良好な接着性が得られやすいのはアクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂である。
【0105】
その層厚は、一般に10〜50μm、好ましくは、20〜30μmの範囲が好ましい。光学フィルタは、一般に上記粘着剤層をディスプレイのガラス板に加熱圧着することによる装備することができる。
【0106】
前記透明粘着剤層の材料として、EVAも使用する場合、EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用される。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィルム相互のブロッキングが生じ易い。
【0107】
架橋剤としては加熱架橋する場合は、有機過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジーt−ブチルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサイド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロルベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロルヘキサノンパーオキサイド等を挙げることができる。これらの過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通常EVA100重量部に対して、5質量部以下、好ましくは0.5〜5.0質量部の割合で使用される。
【0108】
有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法により添加しても良い。
【0109】
なお、EVAの物性(機械的強度、光学的特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及びアリル基含有化合物を添加することができる。この目的で用いられる化合物としてはアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等のアルキル基の他、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルを用いることもできる。アミドとしてはダイアセトンアクリルアミドが代表的である。
【0110】
その例としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル又はメタクリル酸エステル等の多官能エステルや、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等のアリル基含有化合物が挙げられ、これらは1種を単独で或いは2種以上を混合して、通常EVA100質量部に対して0.1〜2質量部、好ましくは0.5〜5質量部用いられる。
【0111】
EVAを光により架橋する場合、上記過酸化物の代りに光増感剤が通常EVA100質量部に対して5質量部以下、好ましくは0.1〜3.0質量部使用される。
【0112】
この場合、使用可能な光増感剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p−ニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロンなどが挙げられ、これらは1種を単独で或いは2種以上を混合して用いることができる。
【0113】
また、接着促進剤としてシランカップリング剤が併用される。このシランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0114】
シランカップリング剤は、一般にEVA100質量部に対して0.001〜10質量部、好ましくは0.001〜5質量部の割合で1種又は2種以上が混合使用される。
【0115】
なお、本発明に係るEVA接着層には、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいてもよく、また、場合によってはカーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤を少量含んでも良い。
【0116】
上記接着のための粘着剤層は、例えばEVAと上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状にシート成形することにより製造される。
【0117】
反射防止層上には、保護層を設けても良い。保護層は、前記ハードコート層と同様にして形成することが好ましい。
【0118】
透明粘着剤層上に設けられる剥離シートの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明のポリマーが好ましく、このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等のポリマーを主成分とする樹脂を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
【0119】
本発明の光学フィルタが、ディスプレイの1種であるプラズマディスプレイパネルの画像表示面に貼付された状態の1例を図5に示す。ディスプレイパネル50の表示面の表面に透明粘着剤層55を介して光学フィルタが接着されている。即ち、透明フィルム52の一方の表面に、メッシュ状導電層53、ハードコート層56、低屈折率層等の反射防止層57がこの順で設けられ、透明フィルム52の他方の表面には近赤外線吸収層54及び透明粘着剤層55が設けられた光学フィルタが表示面に設けられている。そしてフィルタの縁部(側縁部)に、メッシュ状導電層53'が露出している。この露出したメッシュ状導電層53'にプラズマディスプレイパネル50の周囲に設けられた金属カバー59にシールドフィンガー(板バネ状金属部品)58を介して接触状態にされている。シールドフィンガー(板バネ状金属部品)の代わりに、導電性ガスケット等が用いても良い。これにより、光学フィルタと金属カバー59が導通し、アースが達成される。金属カバー59は金属枠、フレームでも良い。図5から明らかなように、メッシュ状導電層53は、視聴者側を向いている。金属カバー59は、導電層53の縁部の縁部から2〜20mm程度覆っている。また金属カバー59の形状を変更して、金属カバー59をメッシュ状導電層53'に直接接触するようにしても良い。
【0120】
本発明のPDP表示装置は、一般に透明基板としてプラスチックフィルムを使用しているので、上記のように本発明の光学フィルタをその表面であるガラス板表面に直接貼り合わせることができるため、特に透明フィルムを1枚使用した場合は、PDP自体の軽量化、薄型化、低コスト化に寄与できる。また、PDPの前面側に透明成形体からなる前面板を設置する場合に比べると、PDPとPDP用フィルタとの間に屈折率の低い空気層をなくすことができるため、界面反射による可視光反射率の増加、二重反射などの問題を解決でき、PDPの視認性をより向上させることができる。
【0121】
従って、本発明の光学フィルタを有するディスプレイは、アースが容易であるばかりでなく、反射防止効果、帯電防止性に優れ、危険な電磁波の放射もほとんどなく、見やすく、ホコリ等が付きにくく、安全なディスプレイということができる。
【実施例】
【0122】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0123】
[実施例1]
<電極部付きディスプレイ用光学フィルタの作製>
(1)メッシュ状金属導電層の形成
表面に易接着層(ポリエステルポリウレタン;厚さ20nm)を有する厚さ100μmの長尺状ポリエチレンテレフタレートフィルム(幅:600mm、長さ100m)の易接着層上に、ポリビニルアルコールの20%水溶液をドット状に印刷した。ドット1個の大きさは1辺が234μmの正方形状であり、ドット同士間の間隔は20μmであり、ドット配列は正方格子状である。印刷厚さは、乾燥後で約5μmである。
【0124】
その上に、銅を平均膜厚4μmとなるように真空蒸着した。次いで、常温の水に浸漬し、スポンジで擦ることによりドット部分を溶解除去し、次いで水でリンスした後、乾燥してポリエチレンフィルムの全面にメッシュ状導電層を形成した(図1(1)参照)。
【0125】
このフィルム表面の導電層は、正確にドットのネガパターンに対応した正方格子状のものであり、線幅は20μm、開口率は77%であった。また、導電層(銅層)の平均厚さは4μmであった。
【0126】
(2)ハードコート層の形成
下記の配合:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 80質量部
ITO(平均粒径150nm) 20質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製) 4質量部
を混合して得た塗工液を、上記メッシュ状金属導電層の全面に、バーコータにより塗布し(図1(2)参照)、紫外線照射により硬化させた。これにより、メッシュ状金属導電層上に厚さ5μmのハードコート層(屈折率1.52)を形成した。
【0127】
(3)低屈折率層の形成
下記の配合:
オプスターJN−7212(日本合成ゴム(株)製) 100質量部
メチルエチルケトン 117質量部
メチルイソブチルケトン 117質量部
を混合して得た塗工液を、上記ハードコート層上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させ、次いでその紫外線照射により硬化させた。これにより、ハードコート層上に厚さ90nmの低屈折率層(屈折率1.42)を形成した。
【0128】
(4)近赤外線吸収層(色調補正機能を有する)の形成
下記の配合:
ポリメチルメタクリレート 30質量部
TAP−2(山田化学工業(株)製) 0.4質量部
Plast Red 8380(有本化学工業(株)製 0.1質量部
CIR−1085(日本カーリット(株)製) 1.3質量部
IR−10A((株)日本触媒製) 0.6質量部
メチルエチルケトン 152質量部
メチルイソブチルケトン 18質量部
を混合して得た塗工液を、上記ポリエチレンフィルムの裏面全面にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させた。これにより、ポリエチレンフィルム上に厚さ5μmの近赤外線吸収層(色調補正機能を有する)を形成した。
【0129】
(5)透明粘着剤層の形成
下記の配合:
SKダイン1811L(綜研化学(株)製) 100質量部
硬化剤L−45(綜研化学(株)製) 0.45質量部
トルエン 15質量部
酢酸エチル 4質量部
を混合して得た塗工液を、上記近赤外線吸収層上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させた。これにより、近赤外線吸収層上に厚さ25μmの透明粘着剤層を形成した。
【0130】
次いで、得られた積層体の低屈折率層の周囲の縁部に、CO2レーザ加工機を用いて、出力30W、焦点位置での直径0.5mmに集光して、移動速度100mm/秒でレーザ照射した。低屈折率層の全周囲に、導電層露出領域23'(幅5mm)、及びこの領域を介してその外側の縁部低屈折率層27'(幅0.5mm)を形成した。
【0131】
これにより周囲に電極部を有するディスプレイ用光学フィルタを得た。
【0132】
[実施例2]
ハードコート層と低屈折率層の間に、下記のように高屈折率層を設けた以外同様にして実施例1と同様にして電極部を有するディスプレイ用光学フィルタを得た。
【0133】
(6)高屈折率層の形成
下記の配合:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 6質量部
ZnO(平均粒径4nm) 4質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製) 1質量部
を混合して得た塗工液を、上記ハードコート層上にバーコータを用いて塗布し、紫外線照射により硬化させた。これにより、ハードコート層上に厚さ90nmの高屈折率層(屈折率1.70)を形成した。
【0134】
[実施例3]
実施例1において、(1)メッシュ状導電層の形成を下記のように行った以外は同様にして幅方向の両縁部に電極部を有するディスプレイ用光学フィルタを得た。
【0135】
表面に接着層(ポリエステルポリウレタン;厚さ20nm)を有する厚さ100μmの長尺状ポリエチレンテレフタレートフィルム(幅:600mm、長さ100m)の接着層の全面に、厚さ10μmの銅箔を付着させた。この銅箔を、フォトリソグラフィー法によりドットパターンを形成して銅箔露出部分をエッチングし、格子パターンの銅箔(線径10μm、ピッチ250μm)を形成した。
【0136】
このフィルム表面の導電層の線幅は10μm、開口率は90%であった。また、導電層(銅層)の平均厚さは10μmであった。
【0137】
[実施例4]
ハードコート層と低屈折率層の間に、下記のように高屈折率層を設けた以外は実施例3と同様にして電極部を有するディスプレイ用光学フィルタを得た。
【0138】
(6)高屈折率層の形成
下記の配合:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 6質量部
ZnO(平均粒径4nm) 4質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製) 1質量部
を混合して得た塗工液を、上記ハードコート層上にバーコータを用いて塗布し、紫外線照射により硬化させた。これにより、ハードコート層上に厚さ90nmの高屈折率層(屈折率1.70)を形成した。
【0139】
[実施例5]
ハードコート層の代わりに、下記のように防眩層を設けた以外は実施例3と同様にして電極部を有するディスプレイ用光学フィルタを得た。
【0140】
(2)防眩層の形成
下記の配合:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 80質量部
ITO(平均粒径150nm) 20質量部
アクリルビーズ(平均粒径3.5μm;
商品名:MXシリーズ、綜研化学(株)製) 10質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製) 4質量部
を混合して得た塗工液を、上記メッシュ状金属導電層の全面に、バーコータにより塗布し(図1(2)参照)、紫外線照射により硬化させた。これにより、メッシュ状金属導電層上に厚さ13μmの防眩層(屈折率1.52)を形成した。
【0141】
[実施例6]
レーザの照射を下記のように行った以外は実施例1と同様にして電極部を有するディスプレイ用光学フィルタを得た。
【0142】
得られた積層体の低屈折率層の周囲の縁部に、CO2レーザ加工機を用いて、出力30W、焦点位置での直径0.5mmに集光して、移動速度100mm/秒でレーザ照射した。このレーザ照射を、レーザ集光領域が低屈折率層の最縁部まで覆うように行った。低屈折率層の全周囲に、導電層露出領域23’(幅5mm)を形成した。
【0143】
[光学フィルタの評価]
(1)導電性
光学フィルタの電極(相対する2個の電極部)に抵抗計(商品名:ミリオームハイテスタ;日置電機(株)製)を接続して、抵抗値を測定した。
【0144】
上記結果を表1に示す。
【0145】
【表1】

【0146】
また、実施例1〜6で得られたPDPフィルタは、実際にPDPに貼付しても透明性、電磁波遮蔽性等において、従来のものと遜色はなく、また、PDPへの貼付も極めて容易に行うことができ、PDP製造の生産性にも寄与するものである。
【符号の説明】
【0147】
12、22、52 透明フィルム
13、23、53 金属導電層
13’、23’、53’ 導電層露出領域
16、26、56 ハードコート層
16’、26’ 縁部ハードコート層
27 低屈折率層
27’ 縁部低屈折率層
14、24、54 近赤外線吸収層
15、25、55 透明粘着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の透明フィルムの一方の表面に金属導電層が設けられた構造を含むディスプレイ用光学フィルタであって、
透明フィルムが矩形状であり、金属導電層が透明フィルム全面に設けられ、金属導電層の少なくとも両側の縁部表面に帯状の第1の機能性層としてハードコート層が、金属導電層と接して設けられ、その帯状の第1の機能性層の内側に隣接して第1の機能性層を持たない帯状の金属導電層が露出しており、そして露出した帯状の金属導電層で囲まれた中央部分には第1の機能性としてハードコート層が、金属導電層と接して設けられ、且つ
露出した帯状の金属導電層が、連続的な帯状領域であることを特徴とするディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項2】
透明フィルムの金属導電層が設けられていない側の表面に第2の機能性層が設けられている請求項1に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項3】
帯状の金属導電層が、第1の機能性層の4辺の縁部に枠状に形成されている請求項1又は2に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項4】
金属導電層が、メッシュ状金属導電層である請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項5】
ハードコート層の表面にハードコート層より屈折率の低い低屈折率層を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項6】
ハードコート層の表面にハードコート層より屈折率の高い高屈折率層及びハードコート層より屈折率の低い低屈折率層を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項7】
ハードコート層が、防眩層機能を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項8】
第2の機能性層が、近赤外線吸収層、ネオンカット層及び透明粘着剤層から選択される少なくとも1層である請求項2〜7のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項9】
第2の機能性層が、近赤外線吸収機能及びネオンカット機能を有する透明粘着剤層からなる請求項2〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項10】
第2の機能性層が、ネオンカット機能を有する近赤外線吸収層、及び透明粘着剤層からなり、この順で透明フィルム上に設けられている請求項2〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項11】
第2の機能性層が、近赤外線吸収層、及びネオンカット機能を有する透明粘着剤層からなり、この順で透明フィルム上に設けられている請求項2〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項12】
第2の機能性層が、近赤外線吸収層、ネオンカット層及び透明粘着剤層からなり、この順で透明フィルム上に設けられている請求項2〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項13】
プラズマディスプレイパネル用フィルタである請求項1〜12のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタがガラス基板に貼付されたディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項15】
1枚の透明フィルム、その表面全体に形成された金属導電層、及び金属導電層全面に形成された第1の機能性層としてのハードコート層からなる積層体の当該ハードコート層の周縁部又は周縁近傍部の少なくとも一部の領域にレーザを照射して照射部分のハードコート層を除去し、金属導電層を露出させる工程を含む、電極部として周囲に突出した導電層を有するディスプレイ用光学フィルタの製造方法。
【請求項16】
1枚の矩形状の透明フィルム、その表面全体に形成された金属導電層、及び矩形状の金属導電層全面に形成された第1の機能性層としてのハードコート層からなる積層体の当該矩形状のハードコート層の少なくとも両側の縁部又はその近傍に沿ってレーザを照射して照射部分のハードコート層を除去し、矩形状ハードコート層の少なくとも両側の縁部又はその近傍に金属導電層の帯状領域を露出させる工程を含む、電極部として周囲に突出した導電層を有するディスプレイ用光学フィルタの製造方法。
【請求項17】
1枚の矩形状の透明フィルム、その表面全体に形成された金属導電層、及び矩形状の金属導電層全面に形成された第1の機能性層としてのハードコート層からなる積層体の当該矩形状のハードコート層における全4辺の縁部又はその近傍に沿ってレーザを照射して照射部分のハードコート層を除去し、矩形状ハードコート層の周縁部又はその近傍に導電層の枠状領域を露出させる工程を含む、電極部として周囲に突出した導電層を有するディスプレイ用光学フィルタの製造方法。
【請求項18】
透明フィルムの金属導電層が設けられていない側に第2の機能性層が設けられている請求項15〜17のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタの製造方法。
【請求項19】
レーザの照射を連続的又は間欠的に行う請求項15〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項20】
請求項15〜19のいずれか1項に記載の製造方法により得られるディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項21】
請求項15〜19のいずれか1項に記載の製造方法により得られるディスプレイ用光学フィルタがガラス基板に貼付されたディスプレイ用光学フィルタ。
【請求項22】
請求項1〜14、20及び21のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタを備えたことを特徴とするディスプレイ。
【請求項23】
請求項1〜14、20及び21のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタを備えたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−187978(P2011−187978A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114606(P2011−114606)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【分割の表示】特願2007−9048(P2007−9048)の分割
【原出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】