説明

デジタルカメラの特性評価方法、デジタルカメラの特性評価装置

【課題】本発明の課題は、電子画像撮影装置の階調再現特性を簡便容易に測定評価する方法、装置を提供することである。
【解決手段】電子画像撮影装置の受光センサに入力される光量を規定した露光条件とその露光条件で撮影するときの露光量とを関連付けた撮影設定データを用いる方法で、前記撮影設定データから選択した露光条件を前記電子画像撮影装置に設定して、被写体を撮影して、画素の階調値を含む画像データを作成する画像データ作成ステップと、前記撮影設定データから取得した前記画像データの露光量と前記画像データの注目する画素の階調値との対応データを作成して、この対応データから、画素の階調値が最小値から立ち上がるときの露光量と最大値に飽和するときの露光量とを、選択して、両者の差を求めて、階調再現範囲データを作成する階調再現範囲データ作成ステップと、を含んだ手順でなされる電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体のもつダイナミックレンジに合った最適な電子画像撮影装置(たとえばデジタルカメラ)の選定及び、被写体のダイナミックレンジに合った最適なデジタルカメラの設定、のために用いる評価指標となる、デジタルカメラの階調再現特性を評価する方法、デジタルカメラの特性評価装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、被写体を撮影して直接電子画像を作成する、電子画像撮影装置が広く普及してきた。電子画像撮影装置には、主に静止画像を撮影するデジタルカメラ、動画を撮影するデジタルビデオカメラなどがある。(以降、電子画像撮影装置のことをデジタルカメラと記述するが、意味を限定しているわけではない。)デジタルカメラでの撮影対象となる被写体には、暗い部分から明るい部分まで様々な輝度レベルの部分がある。例えば、白い服を着た黒髪の人物を撮影する場合、髪の毛の部分は暗いが、服は明るい。このような、被写体の明るい部分と暗い部分との輝度の比のことを被写体の階調再現範囲(ダイナミックレンジ)と呼ぶ。
【0003】
一方、デジタルカメラは、すべての階調再現範囲を撮影できるわけではなく、機種によって撮影できる階調再現範囲が決まっている。また、デジタルカメラの設定によって、階調再現範囲を変更することもできる。
【0004】
ここで、階調再現範囲とは、デジタルカメラが有効に受光できる最小の露光量から最大の露光量までの範囲であって、両者の値(EV値)の差で表す。ここで、EVとは、Exposure Valueの略である。露光量の調整は、デジタルカメラの絞りやシャッタースピードや受光素子(以下、受光センサ)の感度を変化させて行う。
【0005】
デジタルカメラの持つ階調再現範囲よりも広い階調再現範囲を持つ被写体を撮影すると、明るい部分は階調が飛んでしまい、暗い部分は潰れてしまう、というような問題が生じる。さらに、階調再現範囲内を同じ重み付けでデジタル化するわけではなく、カメラの機種によって、明るい部分に強い機種、暗い部分に強い機種などがある。したがって、被写体の階調再現特性に応じた、適切なデジタルカメラの選択、設定が重要となる。また、デジタルカメラの階調再現特性に合わせて被写体に当てる照明条件を変更することもできる。
【0006】
ここで、階調再現特性とは、上述した階調再現範囲と、露光量の変化と撮影した画像データの階調の変化との対応をとった階調再現曲線の形状(詳細後述。)を含んだ概念である。
【0007】
そのためには、デジタルカメラの階調再現特性を把握しておく必要がある。デジタルカメラの階調再現特性の把握方法としては、たとえば、特許文献1には、外部光源の影響を受けないような撮影開口部を備えて、照明光源を内部に備えた箱に、テストチャートを格納して、箱の外に設けたデジタルカメラを用いて、撮影開口部をとおしてテストチャートを撮影することで、このデジタルカメラの階調再現範囲を測定評価する技術が開示されている。(従来技術1)
【特許文献1】特願平10−528625号公報(14−15ページ、図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来技術1では、特別に工夫された箱を用いるために、装置の操作に習熟する必要があり、容易に簡便に測定できないという欠点があった。また、従来技術1では、撮影した画像データに階調の飛びや潰れが無いことを確認するために、試し撮りをする手間を要するという問題点があった。
【0009】
本発明はこのような従来技術を考慮してなされたものであって、本発明の課題は、デジタルカメラの階調再現特性を簡便容易に測定評価する方法、および、デジタルカメラの階調再現特性を簡便容易に測定評価する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。すなわち、請求項1の発明は、受光センサを備える電子画像撮影装置と、前記受光センサに入力される光量を規定した複数の露光条件とその露光条件で撮影するときの露光量とを関連付ける撮影設定データと、露光条件に関連付けられた画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データと、を用いる階調再現特性把握方法であって、前記撮影設定データから選択した露光条件にしたがって電子画像撮影装置の設定を行う電子画像撮影装置設定ステップと、前記複数の露光条件毎にターゲットとする被写体を撮影し、複数の画像データを作成する画像データ作成ステップと、前記各画像データから注目する画素の階調値を取得するとともに、前記画像データから、画像名称情報を取得して、撮影設定データを参照して、画像名称情報に関連付けられた露光条件の露光量の値を選択して、前記注目する画素の階調値と、それぞれの前記取得した露光量との対応データを作成する画素露光量対応データ作成ステップと、前記対応データから、画素の階調値が最小値から立ち上がるときの第1の露光量の値を算出する第1の露光量算出ステップと、前記の対応データから、画素の階調値が最大値に達して飽和するときの第2の露光量の値を算出する第2の露光量算出ステップと、前記第1の露光量の値と第2の露光量の値とから露光量の値の差を求めて、これを含む階調再現範囲データを作成する階調再現範囲データ作成ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法である。
【0011】
請求項2の発明は、前記対応データから階調再現曲線を作成する階調再現曲線作成ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする請求項1に記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法である。
【0012】
請求項3の発明は、前記階調再現曲線をグラフで表現したことを特徴とする請求項2記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法である。
【0013】
階調再現曲線をグラフで表現することで、階調再現特性を視覚化できる。
【0014】
請求項4の発明は、前記階調再現曲線を数式で表現したことを特徴とする請求項2記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法である。
【0015】
階調再現曲線を曲線式で表現することで、階調再現特性の値を算出することができる。
【0016】
請求項5の発明は、前記ターゲットとする被写体として、完全拡散面を有する被写体を用いる、ことを特徴とする請求項1から、請求項4に記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法である。
【0017】
従って、被写体に、完全拡散面を有する被写体を用いることによって、特別な装置を用いることなく、測定する場所を選ばずに、誰でもが、簡単容易に、画像データを作成することができる。
【0018】
請求項6の発明は、前記露光条件が電子画像撮影装置のシャッタースピード値である、ことを特徴とする請求項1から、請求項5に記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法である。
【0019】
つまり、露光条件データに電子画像撮影装置のシャッタースピード値を用いることで、撮影画像の質に変化を与えることがなく、多様で、きめ細かな撮影条件を設定することが可能となる。
【0020】
請求項7の発明は、受光センサを備える電子画像撮影装置と電子画像撮影装置階調再現特性評価装置とをネットワークにて接続して構成される電子画像撮影装置の階調再現特性評価システムにおいて、前記電子画像撮影装置は、露光条件データを特定する情報と前記受光センサに入力される光量を規定した露光条件とを含んだ露光条件データと、露光条件に関連付けられた画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データと、を記憶する記憶手段と、所望の露光条件データを受信する露光条件データ受信手段と、前記所望の露光条件に従って撮影したときの階調値を持つ画素データを所定の記憶領域に記憶する受光センサと、所望の露光条件に関連付けられた画像名称情報を作成して、前記画素データを取得して、前記画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データを作成する画像データ作成手段と、前記画像データを取得して、これを送信する画像データ送信手段と、を備える画像撮影装置であって、前記電子画像撮影装置階調再現特性評価装置は、前記受光センサに入力される光量を規定した複数の露光条件とその露光条件で撮影するときの露光量とを関連付けた撮影設定データと、露光条件に関連付けられた画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データと、を記憶する記憶手段と、撮影設定データから所望の露光条件を取得して露光条件データを作成して送信する露光条件データ送信手段と、前記画像データを受信する画像データ受信手段と、前記画像データから注目する画素の階調値を取得するとともに、前記画像データから、画像名称情報を取得して、撮影設定データを参照して、画像名称情報に関連付けられた露光条件の露光量の値を選択して、前記注目する画素の階調値と、それぞれの前記取得した露光量との対応データを作成する画素露光量対応データ作成手段と、上記の対応データから、画素の階調値が最小値から立ち上がるときの第1の露光量の値を算出する第1の露光量算出手段と、上記の対応データから、画素の階調値が最大値に達して飽和するときの第2の露光量の値を算出する第2の露光量算出手段と、第1の露光量の値と第2の露光量の値とから露光量の値の差を求めて、これを含む階調再現範囲データを作成する階調再現範囲データ作成手段と、前記対応データから階調再現曲線を作成する階調再現曲線作成手段と、階調再現範囲データと階調再現曲線データとを含む階調再現特性データを作成する階調再現特性データ作成手段と、を備える評価装置であることを特徴とする電子画像撮影装置階調再現特性評価システムである。
【0021】
請求項8の発明は、前記露光条件が電子画像撮影装置のシャッタースピード値である、ことを特徴とする請求項7に記載の電子画像撮影装置階調再現特性評価システムである。
【0022】
請求項9の発明は、受光センサを備える電子画像撮影装置が作成した画像データを用いる電子画像撮影装置階調再現特性評価装置であって、前記受光センサに入力される光量を規定した複数の露光条件とその露光条件で撮影するときの露光量とを関連付けた撮影設定データと、露光条件に関連付けられた画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データと、を記憶する記憶手段と、撮影設定データから所望の露光条件を取得して露光条件データを作成して送信する露光条件データ送信手段と、前記画像データを受信する画像データ受信手段と、前記画像データから注目する画素の階調値を取得するとともに、前記画像データから、画像名称情報を取得して、撮影設定データを参照して、画像名称情報に関連付けられた露光条件の露光量の値を選択して、前記注目する画素の階調値と、それぞれの前記取得した露光量との対応データを作成する画素露光量対応データ作成手段と、上記の対応データから、画素の階調値が最小値から立ち上がるときの第1の露光量の値を算出する第1の露光量算出手段と、上記の対応データから、画素の階調値が最大値に達して飽和するときの第2の露光量の値を算出する第2の露光量算出手段と、第1の露光量の値と第2の露光量の値とから露光量の値の差を求めて、これを含む階調再現範囲データを作成する階調再現範囲データ作成手段と、前記対応データから階調再現曲線を作成する階調再現曲線作成手段と、階調再現範囲データと階調再現曲線データとを含む階調再現特性データを作成する階調再現特性データ作成手段と、を備えることを特徴とする電子画像撮影装置階調再現特性評価装置である。
【0023】
請求項10の発明は、前記露光条件が電子画像撮影装置のシャッタースピード値である、ことを特徴とする請求項9に記載の電子画像撮影装置階調再現特性評価装置である。
【0024】
請求項11の発明は、コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の電子画像撮影装置階調再現特性評価システム、または、電子画像撮影装置階調再現特性評価装置として動作させるコンピュータプログラムである。
【0025】
請求項12の発明は、請求項11に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0026】
本願発明によれば、特別な装置を必要とせずに、何時でも、どこでも、誰でもが、簡便容易に、デジタルカメラの階調再現特性評価をすることができる。また、デジタルカメラの特性評価結果を用いて、被写体の露光条件に応じた適切なデジタルカメラを選択することが出来るので、デジタルカメラによる撮影作業の能率が向上する。さらに、デジタルカメラにとって、最適な照明条件を設定することが容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施例)
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。図1は、本発明による電子画像撮影装置階調再現特性評価システム1の全体構成図である。電子画像撮影装置階調再現特性評価システム1は、電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100と電子画像撮影装置300(たとえば、デジタルカメラ)とをネットワーク900にて接続して構成される。電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100は、複数の露光条件と露光量とを対応付けた撮影設定データ192と、撮影設定データ192から選択した露光条件を含む露光条件データ191と、デジタルカメラ300から受信した画像データ399と、階調再現範囲データ197と、階調再現曲線198と、デジタルカメラ特性評価データ195と、を記憶する。
【0028】
デジタルカメラ300は、電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100から受信した前記露光条件データ191の露光条件にて、被写体700を撮影した、画像データ399を作成して、電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100に、送信する。
【0029】
ここで、露光条件の設定方法として、シャッタースピード、絞り、受光センサの感度を変化させる等の方法があるが、次に述べる理由から、シャッタースピードを変化させる方法が最適であるので、露光条件データ191には、露光条件としてシャッタースピード値を設定する例示にて、説明する。
【0030】
シャッタースピードを変化させる方法が最適である理由の1は、絞りを変化させる方法では、被写体深度が変化してしまい撮影画像に変化を与えてしまう問題が生じる。また、受光センサの感度を変化させる方法では、受光センサのS/Nが変化して、感度を上げるとノイズが多くなってしまう問題が生じる。他方、シャッタースピードを変化させる方法では、このような悪影響が生じない。
【0031】
シャッタースピードを変化させる方法が最適である理由の2は、絞りや、受光センサの感度を変化させる方法では、絞りや、受光センサの設定の最大値や、最小値が決まっており、さらに、最大値と最小値の間に設定できる値の種類も少ないために、撮影条件に大きな制約を与えてしまう。絞りの例については、後述する。他方、シャッタースピードを変化させる方法では、多様で、きめ細かな撮影条件を設定することができる。
【0032】
また、ネットワーク900の接続方法には、たとえば、USB方式、TCP/IP、IEEE1394、シリアル方式等がある。
【0033】
なお、電子画像撮影装置階調再現特性評価システム1の電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100とデジタルカメラ300は、ネットワーク接続しなくても良い。このとき、データのやり取りに使用する記憶媒体には、たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリ(カード形状や、スティック形状のフラッシュメモリなど。)等がある。
【0034】
図2は、本発明による電子画像撮影装置階調再現特性評価システムの詳細な構成図である。電子画像撮影装置階調再現特性評価システム1は、電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100とデジタルカメラ300とをネットワーク900にて接続して構成される。
【0035】
前記電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100は、制御手段105と、露光条件データ送信手段110と、画像データ受信手段120と、撮影設定データ作成手段132と、画素露光量対応データ作成手段131と、第1の露光量算出手段133と、第2の露光量算出手段135と、階調再現範囲データ作成手段137と、階調再現曲線作成手段139と、デジタルカメラ特性評価データ作成手段140と、記憶手段190とを備える。記憶手段190は、露光条件データ191と、撮影設定データ192と、画像データ露光量関連データ194と、デジタルカメラ特性評価データ195と、対応データ196と、階調再現範囲データ197と、階調再現曲線198と、画像データ399と、を記憶する。
【0036】
撮影設定データ192は、露光条件を特定する情報(たとえば、通し番号)と前記受光センサに入力する光量を規定した露光条件(たとえば、シャッタースピード値)と露光量情報(たとえば、露光量の値)を含んだデータである。露光条件データ191は、所望のシャッタースピード値を含んだデータである。画像データ399は、露光条件に関連付けられた画像名称情報(たとえば、画像名)と画素の階調値を含むデータである。画像データ露光量関連データ194は、露光量の値と画素名称とを関連付けるデータである。対応データ196は、露光量の値と画素の階調値とを関連付けるデータである。デジタルカメラ特性評価データ195は、デジタルカメラを特定する情報(たとえば、撮影装置名称)と階調再現範囲データ197とを対応付けているデータで、たとえば、デジタルカメラ特性評価表である。
【0037】
制御手段105は、制御パラメータ「i」に初期値「1」を設定する。露光条件データ送信手段110は、露光条件データ191(たとえば、所望のシャッタースピード値を含むシャッタースピード設定データ)を送信する。
【0038】
画像データ受信手段120は、前記送信した露光条件データ191に従って撮影した画像データを受信する。
【0039】
撮影設定データ作成手段132は、評価者500が入力した露光条件の設定情報(たとえば、シャッタースピードの値と露光量の値)を取得して、撮影設定データを特定する情報(たとえば、撮影設定データの連続番号)と前記受光センサに入力される光量を規定した露光条件(たとえば、シャッタースピード値)と露光量の値(たとえば、EV値)を含んだ撮影設定データを作成する。
【0040】
画素露光量対応データ作成手段131は、前記画像データ399から注目する画素の階調値を取得するとともに、前記画像データ399から、画像名称情報(画像名)を取得して、露光条件データ191送信して、画像データ399を受信した順序から、画像名称情報を露光条件と関連付けさせて、撮影設定データ192を参照して、画像名称情報に関連付けられた露光条件の露光量の値を選択して、前記注目する画素の階調値と、前記取得した露光量との対応データ196を作成する。
【0041】
なお、画素露光量対応データ作成手段131は、以下の手順でもよい。すなわち、画素露光量対応データ作成手段131は、画像データから、画像名称情報(画像名)を取得して、露光条件データ191送信して、画像データ399を受信した順序から、これを露光条件と関連付けさせて、撮影設定データ192を参照して、これに関連付けられた露光条件の露光量を取得して、露光量の値と画像データの画像名を関連付けた画像データ露光量関連データ194を作成しておき、さらに、画像データから、注目する画素の階調値と画像名を取得して、前記画像データ露光量関連データ194を参照して、この画像名に関連付けられた露光量の値を選択して、この露光量の値と注目する画素の階調値との対応データ196を作成する。
【0042】
第1の露光量算出手段133は、上記の対応データから、画素の階調値が最小値から立ち上がるときの第1の露光量の値を算出する。第2の露光量算出手段135は、上記の対応データから、画素の階調値が最大値に達して飽和するときの第2の露光量の値を算出する。階調再現範囲データ作成手段137は、第1の露光量の値と第2の露光量の値とから露光量の値の差を求めて、これを含む階調再現範囲データを作成する。階調再現曲線作成手段139は、上記の対応データから階調再現曲線(たとえば、グラフや曲線式)を作成する。
【0043】
ちなみに、画素データの階調値が最小値から立ち上がるときとは、階調に潰れが生じない限界状態であって、画素データの階調値が飽和するときとは、階調が飛ばない限界状態である。
【0044】
また、前記階調再現曲線をグラフで表現することで、階調再現特性を視覚化できる。
【0045】
他方、前記階調再現曲線を曲線式で表現することで、階調再現特性の値を算出することができる。画素の露光量の値と階調値から生成した曲線式は、たとえば、2点間(隣接する2つの露光量の値と階調値の組)を結ぶ線分式の集合で表現したり、各点のスプライン曲線で表現したり、各点のn次曲線(2次、3次、4次曲線等)で表現すればよい。
【0046】
デジタルカメラ特性評価データ作成手段140は、各デジタルカメラの階調再現範囲データ197から、デジタルカメラを一意に識別する撮影装置名称と階調再現範囲データ197とを対応付けたデジタルカメラ特性評価データ195を作成する。
【0047】
制御手段105と、露光条件データ送信手段110と、画像データ受信手段120と、撮影設定データ作成手段132と、画素露光量対応データ作成手段131と、第1の露光量算出手段133と、第2の露光量算出手段135と、階調再現範囲データ作成手段137と、階調再現曲線作成手段139と、デジタルカメラ特性評価データ作成手段140とは、コンピュータプログラムである。記憶手段190は、メモリである。露光条件データ191と、撮影設定データ192と、画像データ露光量関連データ194と、デジタルカメラ特性評価データ195と、対応データ196と、階調再現範囲データ197と、階調再現曲線198と、画像データ399と、は、コンピュータプログラムが可読なデータである。
【0048】
デジタルカメラ300は、露光条件データ受信手段310と、受光センサ320と、画像データ作成手段330と、画像データ送信手段340と、記憶手段390とを備える。記憶手段390は、画素データ391と、画像データ399とを、記憶する。
【0049】
画素データ391は、階調値を持つデータである。画像データ399は、画像名と画素の階調値を含むデータである。
【0050】
露光条件データ受信手段310は、露光条件データ191(たとえば、シャッタースピード設定データ)を受信する。受光センサ320は、露光条件データ191からシャッタースピード値を取得して、これに従って撮影した階調値を持つ画素データ391を所定の記憶領域(たとえば、画像メモリ)に記憶する。
【0051】
画像データ作成手段330は、画素データ391を取得して、露光量の値と画素の階調値とを含む画像データ399を作成する。画像データ送信手段340は、画像データを、送信する。
【0052】
露光条件データ受信手段310と、画像データ送信手段340と、画像データ作成手段330とは、コンピュータプログラムである。受光センサ320は、受光素子である。記憶手段190は、メモリである。デジタルカメラ特性評価データ195は、コンピュータプログラムが可読なテキスト・データである。画素データ391は、コンピュータプログラムが可読なビットマップ・データである。画像データ399は、コンピュータプログラムが可読なデータである。
【0053】
図3は、完全拡散面形状を持つ被写体700である。完全拡散面とは、どの方向から見ても等しい輝度の光を反射する面である。例えば、完全拡散面には、酸化マグネシウムや、硫酸バリウム等を厚く塗布する。
【0054】
完全拡散面を有する被写体700を用いた撮影では、照明角度や撮影角度に依存しない、均一な露光量を得ることが可能となり、撮影場所の制限を受けずに、どこでも、容易に、デジタルカメラ300の撮影が可能である。また、特別の装置を用いる必要もない。
【0055】
図4は、シャッタースピード値の例である。露光条件データ191には、所定のシャッタースピードの値が設定される。たとえば、「1/5000」「1/4000」「1/2000」…「1/30」「1/15」などである。
【0056】
図5は、階調再現範囲を求める手順の説明図である。シャッタースピードや絞りやデジタルカメラの受光素子の感度を変化させて、被写体700を撮影した場合に、画素の露光量は、それに応じて変化する。
【0057】
たとえば、シャッタースピードが非常に早いと、被写体700からデジタルカメラ300への露光量が少なくて、撮影画像の階調は、潰れる(図5(ア))。シャッタースピードが徐々に遅くなるに従って、被写体700からデジタルカメラ300への露光量が増加してゆき、これに対応して、デジタルカメラ300の画素データの階調値も増加してゆき、被写体700の撮影画像の豊富な階調が得られる(図5(イ))。さらに、シャッタースピードが遅くなると、露光量が過剰となり、撮影画像の階調は飛んでしまう(図5(ウ))。
【0058】
シャッタースピードを変化させて測定する例を説明したが、その代わりに、絞りを変化させても、デジタルカメラ300の受光素子の感度を変化させても、同様に、階調再現範囲を求めることができることは、容易に推察できる。
【0059】
このように、デジタルカメラの階調再現範囲を、特別の装置を用いずに、何時でも、どこでも、誰でもが、簡易に、測定することができる。
【0060】
従って、デジタルカメラの階調再現範囲が把握できているので、被写体の明るい部分(ハイライト)と暗い部分(シャドウ)を、露出計で計測して、その差が階調再現範囲内のデジタルカメラを選択して、撮影すれば、階調の飛び、潰れが起きない画像データを撮影できることを、撮影前に確認することができる。
【0061】
このように、階調再現範囲を確認することで、被写体の特性(たとえば、明暗の差が大きい被写体の撮影、明暗の差が小さくて微妙な階調を持つ被写体の撮影)に適したデジタルカメラを、迅速に選択することが可能となる。
【0062】
図6は、撮影設定データ192の例である。撮影設定データ192は、番号とシャッタースピードの値と露光量(EV)とが対応付けけられている。図6では、たとえば、「番号=001、シャッタースピードの値(秒) = 1/4000 、露光量(EV) = 1 」、「番号= 002、シャッタースピードの値(秒) = 1/2000 、露光量(EV) = 2 」、・・、「番号= 008、シャッタースピードの値(秒) = 1/30 、露光量(EV) = 8 」、・・などが例示されている。
【0063】
図7は、対応データ196の例である。対応データ196は、露光量(EV)と階調値とが対応付けけられている。図7では、「露光量(EV) = 1 、階調値= 0 」、・・、「露光量(EV) = 8 、階調値= 40 」、・・などが例示されている。
【0064】
図8は、画像データ露光量関連データ194の例である。画像データ露光量関連データ194は、露光量(EV)と画像名とが対応付けけられている。図8では、「露光量(EV)= 1 、画像名=001.jpg」、「露光量(EV)= 2 、画像名=002.jpg」、などが例示されている。
【0065】
図9は、本発明による対応データを作成する手順の説明図である。たとえば、撮影設定データ192の8番目の露光条件は、「シャッタースピードの値(秒)=1/30」であって、これを含んだ露光条件データ191を作成して、デジタルカメラ 300に送信する(図9(1))。
【0066】
露光条件データ191送信して、画像データ399を受信した順序から、8番目の露光条件で撮影した画像データ399(画像名称= 008.jpg)であることを知って、デジタルカメラ 300から受信する(同(2))。
撮影設定データ192を参照して、8番目の露光条件の露光量=8(EV)を取得する(同(3)(4))。
画像名称= 008.jpgと露光量=8とを関連付けて、画像データ露光量関連データ194に記録する(同(5))。
【0067】
画像データ露光量関連データ194を参照して、画像名称= 008.jpgに関連付けられた露光量=8を取得して(同(6))、
8番目の露光条件で撮影した画像データ399(画像名称= 008.jpg)の注目する画素の階調値=40を取得して(同(7))、この「露光量=8」と「階調値=40」とを対応付けて対応データ196に記録する。
【0068】
図10は、画素の露光量の値と階調値から生成した階調再現曲線(階調再現特性グラフ)である。縦軸が画素の階調値であって、横軸が露光量の値(EV値)である。シャッタースピード設定データ191を用いて露光量を変化させて撮影した各画像データから、同じ座標位置の画素データを選択して、グラフ化する。たとえば、このグラフでは、露光量の値が「EV値=0から3」の間は、階調値が最小「階調値=0」である。露光量の値が「EV値=3」を越すと、階調値も増加する。露光量の値が「EV値=13」に達すると、階調値が最大「階調値=255」になって飽和する。露光量の値が「EV値=13以上」に増加しても、階調値は増加しない。このことから、このデジタルカメラの階調再現範囲は、「EV値=3」と「EV値=13」との差である「10EV」であることものを例示している。
図11は、電子画像撮影装置階調再現特性評価システムのフローチャートである。なお、電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100とデジタルカメラ300との間の通信では、露光条件データと画像データを送受信する。電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100においては、
(1)撮影設定データ作成手段132は、評価者500が入力した露光条件の設定情報(たとえば、シャッタースピードの値と露光量の値)を取得して、露光条件を特定する情報と前記受光センサに入力される光量を規定した露光条件とを含んだ撮影設定データ192を作成する。(ステップS100)
(2)制御手段105は、制御パラメータ「i」に、初期値「1」を設定する。(ステップS105)
(3)露光条件データ送信手段110は、撮影設定データ192のi番目の露光条件を含んだ露光条件データ191i(シャッタースピードの値)を作成して送信する。(ステップS110)
(4)画像データ受信手段120は、i番目の画像データ399を受信する。(ステップS120)
(5)画素露光量対応データ作成手段131は、撮影設定データ192のi番目の露光量の値とi番目の画像データの画像名と対応付けて、画像データ露光量関連データ194に記録する。(ステップS130)
(6)画素露光量対応データ作成手段131は、i番目の画像データの各画素の階調値を取得する。同時に、画素露光量対応データ作成手段131は、i番目の画像名を取得して、画像データ露光量関連データ194を参照して、画像名に関連付けられた露光量の値を選択する。(ステップS140)
(7)画素露光量対応データ作成手段131は、i番目の露光量の値と階調値との対応データ196を作成する。(ステップS150)
(8)送信していない露光条件があれば、iに「1」を加算して、ステップS110に戻る。全ての露光条件を送信したら、次のステップに進む。(ステップS160)
(9)階調再現範囲データ作成手段137は、露光条件と階調値との対応データ196を用いて、階調再現範囲197を求める。(ステップS180)
(10)階調再現曲線作成手段139は、上記の対応データから階調再現曲線198(たとえば、階調再現特性グラフ)を作成する。終了する。(ステップS190)
【0069】
なお、ステップS130からステップS150において、画素露光量対応データ作成手段131は、画像データ露光量関連データ194を作成せずに、撮影設定データ192を参照して、画像データ399から、直接に、対応データ196を作成してもよい。
【0070】
また、デジタルカメラ300においては、
(1)露光条件データ受信手段310は、i番目のシャッタースピードの値を含んだ露光条件データ191を受信する。(ステップS200)
(2)受光センサ320は、i番目の露光条件データ191のシャッタースピードの値を設定する。(ステップS210)
(3)受光センサ320は、被写体700を撮影する。(ステップS220)
(4)画像データ作成手段330は、i番目の画像名と画素の値を含んだi番目の画像データ399を作成する。(ステップS230)
(5)画像データ送信手段340は、i番目の画像データ399を送信する。(ステップS240)
【0071】
変形例を説明する。
(変形例1)
図12は、電子画像撮影装置階調再現特性評価システムのフローチャートの変形例である。電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100においては、
(1)図11のステップS100からステップS130と同じ。(ステップS300からステップS330)
(2)送信していない露光条件があれば、iに「1」を加算して、ステップS110に戻る。全ての露光条件を送信したら、次のステップに進む。(ステップS340)
(3)制御手段105は、制御パラメータiに初期値「1」を設定する。(ステップS345)
(4)図11のステップS140と同じ。(ステップS350)
(5)図11のステップS150と同じ。(ステップS360)
(6)i番目の露光条件と階調値との対応関係データを作成していない画像データがあれば、iに「1」を加算して、ステップS350に戻る。全画像データの注目する画素の階調値の対応関係データを作成したら、次のステップに進む。(ステップS370)
(7)図11のステップS180からステップS190と同じ。(ステップS380からステップS390)
【0072】
(変形例2)
図13は、ネットワーク接続しない(オフライン)電子画像撮影装置階調再現特性評価システム2の詳細な構成図である。
ネットワーク接続しない電子画像撮影装置階調再現特性評価システム2は、電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100aと電子画像撮影装置300aとから構成される。
【0073】
電子画像撮影装置階調再現特性評価装置100aは、露光条件データ記録手段110aと、画像データ受付手段120aと、図2の手段から露光条件データ送信手段110と画像データ受信手段120とを除いた手段と、を備える。記憶手段190は、図2と同じデータを記憶する。
【0074】
露光条件データ記録手段110aは、露光条件データ191を、記憶媒体に記録する。画像データ受付手段120aは、記憶媒体に記録された画像データを受け付ける。
【0075】
電子画像撮影装置300aは、露光条件データ受付手段310aと、画像データ記録手段330aと、受光センサ320と、記憶手段390と、を備える。
記憶手段390は、図2と同じデータを記憶する。
【0076】
露光条件データ受付手段310aは、記憶媒体に記録された露光条件データ191を受け付ける。画像データ記録手段330aは、画素データ391を取得して、被写体の露光量の値と画素データの階調の値を含んだ画像データ399を作成して、記憶媒体に記録する。
【0077】
露光条件データ記録手段110aと、画像データ記録手段330aと、は、ライタ装置である。露光条件データ受付手段310aと、画像データ受付手段120aと、は、リーダ装置である。
【0078】
ちなみに、記憶媒体には、たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリ等がある。
【0079】
(参考)絞り設定データを参考に説明する。図14は、絞り設定データ191の形式と例である。絞り設定データには、所定の絞りの段階の値(F値と呼ばれる)が設定される。たとえば、F値は、「F1.4」「F2」「F2.8」「F4」「F5.6」「F8」などである。
【0080】
以上詳しく説明したように、本願発明によれば、特別な装置を必要とせずに、何時でも、どこでも、誰でもが、簡便容易に、デジタルカメラの階調再現特性評価をすることができるようになった。また、デジタルカメラの特性評価結果を用いて、被写体の露光条件に応じた適切なデジタルカメラを選択することが出来きるので、デジタルカメラによる撮影作業の能率が向上した。さらに、デジタルカメラにとって、最適な照明条件を設定することが容易に行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明による電子画像撮影装置階調再現特性評価システムの全体構成図
【図2】電子画像撮影装置階調再現特性評価システムの詳細な構成図
【図3】完全拡散面形状を持つ被写体
【図4】シャッタースピード値の例
【図5】階調再現範囲を求める手順の説明図
【図6】撮影設定データの例
【図7】対応データの例
【図8】画像データ露光量関連データ194の例
【図9】本発明による対応データを作成する手順
【図10】階調再現曲線(階調再現特性グラフ)
【図11】電子画像撮影装置階調再現特性評価システムのフローチャート
【図12】(変形例1)電子画像撮影装置階調再現特性評価システムのフローチャート
【図13】(変形例2)ネットワーク接続しない電子画像撮影装置階調再現特性評価システム2の詳細な構成図
【図14】(参考)絞り設定データの形式と例
【符号の説明】
【0082】
1 電子画像撮影装置階調再現特性評価システム
2 ネットワーク接続しない電子画像撮影装置階調再現特性評価システム
100 電子画像撮影装置階調再現特性評価装置
105 制御手段
110 露光条件データ送信手段
110a 露光条件データ記録手段
120 画像データ受信手段
120a 画像データ受付手段
130 階調再現特性データ作成手段
131 画素露光量対応データ作成手段
132 撮影設定データ作成手段
133 第1の露光量算出手段
135 第2の露光量算出手段
137 階調再現範囲データ作成手段
139 階調再現曲線作成手段
140 デジタルカメラ特性評価データ作成手段
190 記憶手段
191 露光条件データ
192 撮影設定データ
194 画像データ露光量関連データ
195 デジタルカメラ特性評価データ
196 対応データ
197 階調再現範囲データ
198 階調再現曲線データ
300 電子画像撮影装置
310 露光条件データ受信手段
310a 露光条件データ受付手段
320 受光センサ
330 画像データ作成手段
330a 画像データ記録手段
340 画像データ送信手段
390 記憶手段
391 画素データ
399 画像データ
500 評価者
700 被写体
900 ネットワーク



【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光センサを備える電子画像撮影装置と、
前記受光センサに入力される光量を規定した複数の露光条件とその露光条件で撮影するときの露光量とを関連付ける撮影設定データと、
露光条件に関連付けられた画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データと、
を用いる階調再現特性把握方法であって、
前記撮影設定データから選択した露光条件にしたがって電子画像撮影装置の設定を行う電子画像撮影装置設定ステップと、
前記複数の露光条件毎にターゲットとする被写体を撮影し、複数の画像データを作成する画像データ作成ステップと、
前記各画像データから注目する画素の階調値を取得するとともに、前記画像データから、画像名称情報を取得して、撮影設定データを参照して、画像名称情報に関連付けられた露光条件の露光量の値を選択して、前記注目する画素の階調値と、それぞれの前記取得した露光量との対応データを作成する対応データ作成ステップと、
前記対応データから、画素の階調値が最小値から立ち上がるときの第1の露光量の値を算出する第1の露光量算出ステップと、
前記の対応データから、画素の階調値が最大値に達して飽和するときの第2の露光量の値を算出する第2の露光量算出ステップと、
前記第1の露光量の値と第2の露光量の値とから露光量の値の差を求めて、これを含む階調再現範囲データを作成する階調再現範囲データ作成ステップと、
を含んだ手順でなされることを特徴とする電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法。
【請求項2】
前記対応データから階調再現曲線を作成する階調再現曲線作成ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする請求項1に記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法。
【請求項3】
前記階調再現曲線をグラフで表現したことを特徴とする請求項2記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法。
【請求項4】
前記階調再現曲線を数式で表現したことを特徴とする請求項2記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法。
【請求項5】
前記ターゲットとする被写体として、完全拡散面を有する被写体を用いる、
ことを特徴とする請求項1から、請求項4に記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法。
【請求項6】
前記露光条件が電子画像撮影装置のシャッタースピード値である、ことを特徴とする請求項1から、請求項5に記載の電子画像撮影装置の階調再現特性把握方法。
【請求項7】
受光センサを備える電子画像撮影装置と電子画像撮影装置階調再現特性評価装置とをネットワークにて接続して構成される電子画像撮影装置の階調再現特性評価システムにおいて、
前記電子画像撮影装置は、
露光条件データを特定する情報と前記受光センサに入力される光量を規定した露光条件とを含んだ露光条件データと、
露光条件に関連付けられた画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データと、
を記憶する記憶手段と、
所望の露光条件データを受信する露光条件データ受信手段と、
前記所望の露光条件に従って撮影したときの階調値を持つ画素データを所定の記憶領域に記憶する受光センサと、
所望の露光条件に関連付けられた画像名称情報を作成して、前記画素データを取得して、前記画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データを作成する画像データ作成手段と、
前記画像データを取得して、これを送信する画像データ送信手段と、
を備える画像撮影装置であって、
前記電子画像撮影装置階調再現特性評価装置は、
前記受光センサに入力される光量を規定した複数の露光条件とその露光条件で撮影するときの露光量とを関連付けた撮影設定データと、
露光条件に関連付けられた画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データと、
を記憶する記憶手段と、
撮影設定データから所望の露光条件を取得して露光条件データを作成して送信する露光条件データ送信手段と、
前記画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記画像データから注目する画素の階調値を取得するとともに、前記画像データから、画像名称情報を取得して、撮影設定データを参照して、画像名称情報に関連付けられた露光条件の露光量の値を選択して、前記注目する画素の階調値と、それぞれの前記取得した露光量との対応データを作成する対応データ作成手段と、
上記の対応データから、画素の階調値が最小値から立ち上がるときの第1の露光量の値を算出する第1の露光量算出手段と、
上記の対応データから、画素の階調値が最大値に達して飽和するときの第2の露光量の値を算出する第2の露光量算出手段と、
第1の露光量の値と第2の露光量の値とから露光量の値の差を求めて、これを含む階調再現範囲データを作成する階調再現範囲データ作成手段と、
前記対応データから階調再現曲線を作成する階調再現曲線作成手段と、
階調再現範囲データと階調再現曲線データとを含む階調再現特性データを作成する階調再現特性データ作成手段と、
を備える評価装置である
ことを特徴とする電子画像撮影装置階調再現特性評価システム。
【請求項8】
前記露光条件が電子画像撮影装置のシャッタースピード値である、
ことを特徴とする請求項7に記載の電子画像撮影装置階調再現特性評価システム。
【請求項9】
受光センサを備える電子画像撮影装置が作成した画像データを用いる電子画像撮影装置階調再現特性評価装置であって、
前記受光センサに入力される光量を規定した複数の露光条件とその露光条件で撮影するときの露光量とを関連付けた撮影設定データと、
露光条件に関連付けられた画像名称情報と画素の階調値とを含む画像データと、
を記憶する記憶手段と、
撮影設定データから所望の露光条件を取得して露光条件データを作成して送信する露光条件データ送信手段と、
前記画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記画像データから注目する画素の階調値を取得するとともに、前記画像データから、画像名称情報を取得して、撮影設定データを参照して、画像名称情報に関連付けられた露光条件の露光量の値を選択して、前記注目する画素の階調値と、それぞれの前記取得した露光量との対応データを作成する対応データ作成手段と、
上記の対応データから、画素の階調値が最小値から立ち上がるときの第1の露光量の値を算出する第1の露光量算出手段と、
上記の対応データから、画素の階調値が最大値に達して飽和するときの第2の露光量の値を算出する第2の露光量算出手段と、
第1の露光量の値と第2の露光量の値とから露光量の値の差を求めて、これを含む階調再現範囲データを作成する階調再現範囲データ作成手段と、
前記対応データから階調再現曲線を作成する階調再現曲線作成手段と、
階調再現範囲データと階調再現曲線データとを含む階調再現特性データを作成する階調再現特性データ作成手段と、
を備えることを特徴とする電子画像撮影装置階調再現特性評価装置。
【請求項10】
前記露光条件が電子画像撮影装置のシャッタースピード値である、
ことを特徴とする請求項9に記載の電子画像撮影装置階調再現特性評価装置。
【請求項11】
コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の電子画像撮影装置階調再現特性評価システム、または、電子画像撮影装置階調再現特性評価装置として動作させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−180703(P2007−180703A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374498(P2005−374498)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】