デジタルカメラ
【課題】高速連続撮影を可能にする。
【解決手段】撮像兼焦点検出素子により焦点検出のための撮像を行って位相差AFにより焦点調節を行った後に、撮像兼焦点検出素子により撮影のための撮像を行って被写体像を取得するデジタルカメラにおいて、撮影時に複数の焦点検出用画素から出力される対の焦点検出信号をメモリに記憶するとともに、今回の撮影が前回の撮影に続く連続撮影か否かを判定し(S22)、連続撮影と判定されたときは、位相差AFによってメモリから前回の撮影時の対の焦点検出信号を読み出し(S25)、この対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行う(S26〜S29)。
【解決手段】撮像兼焦点検出素子により焦点検出のための撮像を行って位相差AFにより焦点調節を行った後に、撮像兼焦点検出素子により撮影のための撮像を行って被写体像を取得するデジタルカメラにおいて、撮影時に複数の焦点検出用画素から出力される対の焦点検出信号をメモリに記憶するとともに、今回の撮影が前回の撮影に続く連続撮影か否かを判定し(S22)、連続撮影と判定されたときは、位相差AFによってメモリから前回の撮影時の対の焦点検出信号を読み出し(S25)、この対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行う(S26〜S29)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像用画素を二次元状に配列した素子の一部を焦点検出用画素に置き換え、撮影レンズにより結像された被写体像の画像信号を出力するとともに、撮影レンズの焦点調節状態を示す焦点検出信号を出力する撮像兼焦点検出素子を備えた撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】特開2000−292686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の撮像装置では、撮像兼焦点検出素子の焦点検出用画素から出力される焦点検出信号に基づいて撮影レンズの焦点調節を行うので、撮像兼焦点検出素子により被写体像を撮像する前に焦点調節のための被写体像を撮像しなければならず、連続撮影を行う場合には連写速度を上げられないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明は、複数の撮像用画素と、撮影光学系の射出瞳上の対の領域を通過した対の光束を受光する複数の焦点検出用画素とが平面上に配列され、撮影光学系により結像される像を受光して画像信号を出力する撮像兼焦点検出素子と、複数の焦点検出用画素から出力される対の光束に対応する対の焦点検出信号の位相差に基づいて撮影光学系の焦点調節状態を検出し、撮影光学系の焦点調節を行う焦点調節手段と、撮像兼焦点検出素子により焦点検出のための撮像を行って焦点調節手段により焦点調節を行った後に、撮像兼焦点検出素子により撮影のための撮像を行って被写体像を取得するデジタルカメラにおいて、撮影時に複数の焦点検出用画素から出力される対の焦点検出信号を記憶する記憶手段と、今回の撮影が前回の撮影に続く連続撮影か否かを判定する判定手段とを備え、焦点調節手段は、判定手段で連続撮影と判定されたときは、記憶手段から前回の撮影時の対の焦点検出信号を読み出し、この対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行う。
(2) 請求項2のデジタルカメラは、判定手段によって、前回の撮影から今回の撮影までの経過時間を計時し、この経過時間が所定時間未満の場合には連続撮影であると判定するようにしたものである。
(3) 請求項3のデジタルカメラは、判定手段によって、連続撮影モードが設定されている場合には連続撮影であると判定するようにしたものである。
(4) 請求項4のデジタルカメラは、判定手段によって、カメラの変位量を検出し、この変位量が所定量未満の場合には連続撮影であると判定するようにしたものである。
(5) 請求項5のデジタルカメラは、焦点調節手段によって、判定手段で連続撮影と判定されたときは、記憶手段から過去複数回の撮影時の対の焦点検出信号を読み出し、これらの対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行うようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、連続撮影時の撮影駒間隔を短縮でき、従来のカメラの連続撮影よりも高速の連続撮影が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は一実施の形態のデジタルカメラの構成を示す図である。撮影レンズ1はズーミングレンズ1a、絞り1b、フォーカシングレンズ1cなどから構成され、被写体像を撮像兼焦点検出素子2の受光面に結像する。撮像兼焦点検出素子2は撮像用画素と焦点検出用画素とを有し、撮影レンズ1により結像された被写体像の画像信号を出力するとともに、撮影レンズ1の焦点調節状態を示す焦点検出信号を出力する。この撮像兼焦点検出素子2の詳細については後述する。
【0008】
信号処理回路3は、撮像兼焦点検出素子2から出力される画像信号および焦点検出信号に増幅処理やゲイン調整を施す回路である。A/Dコンバーター4は処理後の画像信号および焦点検出信号をデジタル信号に変換する。画像処理回路5は、画像信号に各種の補正処理や圧縮処理を施すとともに、撮像時に焦点検出用画素の出力を周辺の撮像用画素の出力により補完して画像信号を生成する回路である。記録装置6はメモリカードなどの着脱可能な記録媒体に撮影画像を記録し、表示装置7はカメラ背面に設けられるLCDに撮影画像のスルー画像や各種撮影に関する情報を表示する。
【0009】
駆動回路8は絞り1bとフォーカシングレンズ1cを駆動制御し、タイミングジェネレーター(T/G)9は撮像兼焦点検出素子2、信号処理回路3、A/Dコンバーター4および画像処理回路5へ各処理を開始または終了させるためのタイミング信号を出力する。制御装置10はCPU10a、メモリ10b、タイマー10cなどを備え、画像処理回路5、記録装置6、表示装置7、駆動回路8、およびタイミングジェネレーター9を制御してカメラのシーケンス制御、撮像制御、焦点検出制御、焦点調節制御、画像処理制御、画像記録制御、画像表示制御などを行う。なお、メモリ10bは撮像兼焦点検出素子2から出力される焦点検出信号の履歴データを記憶し、タイマー10cは前回の撮影時(シャッターレリーズ時)から今回のシャッターレリーズまでの経過時間を計時する。
【0010】
制御装置10にはカメラの各種操作を行うためのスイッチ、コマンドダイヤル、方向キーなどの操作部材11が接続されている。操作部材11には、シャッターボタンの半押し操作に連動してオン、オフするレリーズ半押しスイッチ、シャッターボタンの全押し操作に連動してオン、オフするレリーズスイッチ、連続撮影モードなどの各種撮影モードを切り換える撮影モードセレクターなどが含まれる。
【0011】
変位検出器12は、加速度センサーや傾きセンサーなどによりカメラの変位量を検出する。特に、前回のシャッターレリーズ時(撮影時)のカメラの撮影方向(撮影レンズの光軸方向)や縦位置または横位置などの撮影姿勢などの撮影位置から、今回のシャッターレリーズまでの撮影位置の変位量を検出する。前回の撮影時からの撮影方向や撮影姿勢などのカメラの変位量が所定値以下の場合には、前回の撮影時と同一の主要被写体を継続して捕捉していると考えられ、連続撮影であると判定する。
【0012】
図2〜図6は撮像兼焦点検出素子2の構造を示す図である。図2は撮像兼焦点検出素子2を構成する画素20の断面図であり、撮像兼焦点検出素子2はこのような画素20が二次元状に配列されたものである。各画素20は光電変換部21の前にマイクロレンズ22が配置され、光電変換部21は全画素共通の半導体基板23上に形成される。
【0013】
図3は撮像兼焦点検出素子2の正面(受光面)図であり、焦点検出用画素列2a、2b、2c、2d、2e、2fの配置を示す。図4〜図6に示すように、焦点検出用画素列2a〜2fは、図2に示す画素20のマイクロレンズ22の前面に遮光マスク24を設けた焦点検出用画素20Aと20Bを交互に一列に配列したものである。焦点検出用画素列2a〜2fは、撮影レンズ1の撮影画面に設定された複数の焦点検出エリアのそれぞれに対応する位置に配置されている。なお、この明細書では焦点検出用画素20A、20B以外の画素20を便宜上、撮像用画素と呼ぶ。
【0014】
遮光マスク24は、マイクロレンズ22の頂点を通る円弧でマイクロレンズ22の表面を二分したときの片方の表面を覆うように設けられ、隣接する焦点検出用画素20Aと20Bで遮光マスク24による遮光面が対称となるように配置される。換言すれば、焦点検出用画素列2a〜2fでは、焦点検出用画素20Aと20Bの遮光マスク24による遮光面が互い違いになるように、焦点検出用画素20Aと20Bが交互に配列される。
【0015】
撮影画面の横方向(左右方向)に対応して配列される焦点検出用画素列2a、2b、2cでは、図5に示すように、遮光マスク24による遮光面が横方向に互い違いになるように、焦点検出用画素20Aと20Bが交互に配列される。また、撮影画面の縦方向(上下方向)に対応して配列される焦点検出用画素列2d、2e、2fでは、図6に示すように、遮光マスク24による遮光面が縦方向に互い違いになるように、焦点検出用画素20Aと20Bが交互に配列される。
【0016】
この撮像兼焦点検出素子2は撮影レンズ1の予定焦点面に配置され、焦点検出用画素20A、20B以外の各撮像用画素は撮影レンズ1の射出瞳を通過した被写体からの光束を受光する。一方、各焦点検出用画素20A、20Bは、図4に示すように、撮影レンズ1の射出瞳を横(左右)方向または縦(上下)方向に二分したときの一方の領域を通過した光束(ここでは、焦点検出用光束という)25または26を受光する。換言すれば、焦点検出用画素列2a〜2fでは、焦点検出用画素20Aが撮影レンズ1による被写体像を右または上からにらみ、焦点検出用画素20Bが撮影レンズ1による被写体像を左または下からにらんでいる。
【0017】
各焦点検出用画素列2a〜2fにおいて、撮影レンズ1の射出瞳の一対の領域の内の、一方の領域を通過した焦点検出用光束25を受光する焦点検出用画素20Aの出力信号列と、他方の領域を通過した焦点検出用光束26を受光する焦点検出用画素20Bの出力信号列との相対的なずれ量、つまり位相差を検出し、これら一対の信号列のずれ量すなわち位相差に基づいて撮影レンズ1の焦点調節状態すなわちデフォーカス量を検出することができる。
【0018】
横方向の焦点検出用画素列2a、2b、2cでは、撮影レンズ1の射出瞳の横(左右)方向の一対の領域を通過した一対の焦点検出用光束25と26のずれ量を検出し、撮影画面の横方向における撮影レンズ1のデフォーカス量を検出する。一方、縦方向の焦点検出用画素列2d、2e、2fでは、撮影レンズ1の射出瞳の縦(上下)方向の一対の領域を通過した一対の焦点検出用光束25と26のずれ量を検出し、撮影画面の縦方向における撮影レンズ1のデフォーカス量を検出する。
【0019】
図7および図8は、焦点検出用画素列2a〜2fから出力される一対の出力信号列を示す。各焦点検出用画素列(2a〜2f)の出力信号列において、撮影レンズ1の射出瞳の一方の領域を通過した焦点検出用光束25(図4参照)を受光した焦点検出用画素20Aの信号列31と、他方の領域を通過した焦点検出用光束26を受光した焦点検出用画素20Bの信号列32とを比較する。このとき、一対の信号列31と32を互いにシフトさせて比較するが、各焦点検出用画素列(2a〜2f)の全範囲にわたって比較演算を行うことはできないので、焦点検出用画素列の内の図中のハッチング領域で示す“画素出力比較領域”内において比較演算を行う。
【0020】
今、ある焦点検出用画素列において図7に示すような一対の焦点検出信号列31、32が検出されたときに、画素出力比較領域において一対の焦点検出信号列31と32を互いにシフトさせながら一対の信号列31と32の相関量を演算し、図8に示すように画素出力比較領域内で一対の焦点検出信号列31と32の相関量が最小になるまでシフトする。相関量が最小になったときのシフト量が撮影レンズ1のピントずれ量に相当し、焦点検出用画素列(2a〜2f)の画素ピッチ、マイクロレンズ22の仕様などにより決まる変換係数を用いてピントずれ量をデフォーカス量に変換する。
【0021】
ここで、図9を参照し、ある焦点検出用画素列を例に上げて瞳分割型位相差検出方式の相関演算処理について説明する。ある焦点検出用画素列の一対の信号列31と32をそれぞれei,fi(ただしi=1〜m)とすると、まず(1)式に示す差分型相関アルゴリズムによって相関量C(L)を求める。
C(L)=Σ|e(i+L)−f(i)| ・・・(1)
(1)式において、Lは整数であり、一対の信号列ei,fiのピッチを単位とした相対的シフト量である。また、Lのとる範囲はLmin〜Lmax(図9に示す例では−5〜+5)である。さらに、Σはパラメーターiの範囲の総和演算を表し、パラメータiのとる範囲はpからqまでであり、1≦p<q≦mの条件を満足するように定められる。pとqの値によって上述した画素出力比較領域の大きさが設定される。
【0022】
(1)式による演算結果は、図9(a)に示すように、一対の信号列ei,fiの相関が高いシフト量L=kj(図9(a)ではkj=2)において相関量C(L)が最小になる。次に、(2)〜(5)式による3点内挿の手法を用いて連続的な相関量に対する最小値C(L)min=C(x)を与えるシフト量xを求める。
x=kj+D/SLOP ・・・(2)、
C(x)= C(kj)−|D| ・・・(3)、
D={C(kj-1)-C(k j+1)}/2 ・・・(4)、
SLOP=MAX{C(kj+1)-C(k j),C(kj-1)−C(k j)} ・・・(5)
また、算出したシフト量xに基づいて被写体像面の予定焦点面に対するデフォーカス量DEFを(6)式により求めることができる。
DEF=KX・PY・x ・・・(6)
(6)式において、PYは検出ピッチであり、KXは上述した射出瞳上の一対の領域の重心の開き角の大きさによって決まる変換係数である。
【0023】
算出されたデフォーカス量DEFに信頼性があるかどうかは、以下のようにして判定する。図9(b)に示すように、一対の信号列ei,fiの相関度が低い場合は、内挿された相関量の最小値C(X)の値が大きくなる。したがって、C(X)が所定値以上の場合は信頼性が低いと判定する。あるいは、相関量の最小値C(X)を信号列ei,fiのコントラストで規格化するために、コントラストに比例した値となるSLOPで相関量最小値C(X)を徐した値が所定値以上の場合は信頼性が低いと判定する。あるいはまた、コントラストに比例した値となるSLOPが所定値以下の場合は、被写体が低コントラストであり、算出されたデフォーカス量DEFの信頼性が低いと判定する。なお、図9(c)に示すように、一対の信号列ei,fiの相関度が低く、シフト範囲Lmin〜Lmaxの間で相関量C(L)の落ち込みがない場合は、最小値C(X)を求めることができず、このような場合は焦点検出不能と判定する。
【0024】
図10〜図13は一実施の形態の撮影動作を示すフローチャートである。なお、これらの図に示す撮影動作では、測光および露出演算などの本願発明と直接的に関係のないカメラの動作については図示と説明を省略する。操作部材11のシャッターボタンが半押しされるとレリーズ半押しスイッチがオンし、制御装置10のCPU10aは図10に示す撮影動作を開始する。
【0025】
図10のステップ1において操作部材11のシャッターボタンが全押しされたか、すなわちレリーズスイッチがオンしたか否かを判別し、レリーズ操作がなされた場合はステップ2へ進み、図11に示す連続撮影判定サブルーチンを実行し、連続撮影か否かを判定する。
【0026】
図11に示す連続撮影判定サブルーチンのステップ11において、タイマー10cで計時している前回の撮影時(シャッターレリーズ時)からの経過時間が所定時間以上になったか否かを判別する。この一実施の形態では所定時間を例えば1秒とする。前回の撮影時から今回のシャッターレリーズまでの経過時間が1秒以上の場合はステップ15へ進み、連続撮影を行っていないと判定する。一方、前回の撮影時からの経過時間が1秒未満のときはステップ12へ進み、操作部材11の撮影モードセレクターにより連続撮影モードが設定されているか否かを判別する。
【0027】
連続撮影モードが設定されていない場合はステップ14へ進み、変位検出器12による変位量の検出結果に基づいて前回の撮影時(シャッターレリーズ時)からカメラが所定量以上変位しているか否かを判別する。前回の撮影時からの変位量が所定量未満の場合には、前回の撮影時と同一の主要被写体を継続して捕捉していると判断し、ステップ13へ進んで連続撮影であると判定する。一方、前回の撮影時からの経過時間は1秒未満であるが、前回の撮影時からの変位量が所定量以上の場合はステップ15へ進み、前回の撮影時と同一の主要被写体を捕捉している可能性は低く、連続撮影でないと判定する。連続撮影か否かの判定後、図10のステップ3へリターンする。
【0028】
リターン後の図10のステップ3では連続撮影と判定されたか否かを確認し、連続撮影でないと判定された場合はステップ4およびステップ5の処理を行う。ステップ4では連続撮影カウンター(CPU10aによるソフトウエアカウンター)を0にリセットし、続くステップ5ではメモリ10bに記憶されている焦点検出信号の履歴データを初期化する。次に、ステップ6で図12に示す焦点調節サブルーチンを実行し、撮影レンズ1の焦点調節を行う。
【0029】
図12に示す焦点調節サブルーチンのステップ21において、焦点調節処理に先立ち、焦点検出不能時に再度焦点検出を行うことを示すリトライフラグに0を設定してリセットする。続くステップ22で連続撮影カウンターの値が0、つまり連続撮影でないか、または連続撮影であっても最初の1枚目の撮影であるかを判別する。連続撮影でない場合、または連続撮影の1枚目の撮影の場合にはステップ23へ進み、撮像兼焦点検出素子2により焦点検出のための撮像を行う。続くステップ24では焦点検出用画素列2a〜2f(図3参照)から信号処理回路3およびA/Dコンバーターを介して焦点検出信号を取得する。一方、連続撮影カウンターの値が0でない場合、つまり、連続撮影の2枚目以降の場合はステップ25へ進み、メモリ10bに記憶されている焦点検出信号の履歴データ、すなわち過去の撮影時に取得した焦点検出信号データを読み出す。
【0030】
ステップ26において、非連続撮影時または連続撮影時の1枚目の撮像で得た焦点検出信号、または過去の焦点検出信号に基づいて上述した焦点検出演算(相関演算)を行い、撮影レンズ1の焦点調節状態を示すデフォーカス量を検出する。続くステップ27で、上述したように検出結果のデフォーカス量に信頼性があるか否かを判定し、信頼性なしと判定された場合または焦点検出不能な場合にはステップ30へ進み、リトライフラグに1が設定されているか否かを判定する。リトライフラグに1が設定されている場合、つまり焦点検出不能と判定されて再度焦点検出を実行した場合には、これ以上焦点検出を行っても信頼性のある検出結果が得られないと判断し、ステップ32へ進んで検出不能時のレンズ駆動量、例えば多くの撮影において頻繁に設定される撮影距離までのレンズ駆動量を算出してステップ29へ進む。一方、リトライフラグに1が設定されていない場合は、ステップ31でリトライフラグに1を設定した後、もう一度焦点検出を行うためにステップ23へ戻り、焦点検出のための撮像を行って焦点検出信号を取得する。
【0031】
検出結果のデフォーカス量に信頼性がある場合はステップ28へ進み、デフォーカス量に基づいて目標合焦位置までのレンズ駆動量を算出する。そして、ステップ29で駆動回路8によりフォーカシングレンズ1cを目標合焦位置まで駆動する。焦点調節後、図10のステップ7へリターンし、図13に示す撮影サブルーチンを実行し、撮影を行う。
【0032】
図13に示す撮影サブルーチンのステップ41において撮像兼焦点検出素子2により撮像を行い、続くステップ42で撮像兼焦点検出素子2から信号処理回路3およびA/Dコンバーター4を介して画像信号および焦点検出信号を取得する。ステップ43では今回の撮影時に取得した焦点検出信号をメモリ10bに記憶し、焦点検出信号の履歴データを更新する。次に、ステップ44において、画像処理回路5で今回の撮影で取得した画像信号と焦点検出信号に対してホワイトバランスなどの各種補正処理を施すとともに、焦点検出用画素の出力(焦点検出信号)を周辺の撮像用画素の出力(画像信号)で補間し、被写体像データを生成する。ステップ45で被写体像データを記録装置6に記録する。そして、撮影終了後、図10のステップ8へリターンする。
【0033】
図10のステップ8で連続撮影カウンターをインクリメントし、ステップ9へ進む。ステップ9では操作部材11のレリーズ半押しスイッチがオンしているか否かを判別し、オンしているときはステップ1へ戻って上述した処理を繰り返し、オフしているときは撮影動作を終了する。
【0034】
図14は、従来のカメラの連続撮影動作と上述した一実施の形態のカメラの連続撮影動作とを比較したタイムチャートである。従来のカメラでは、撮像兼焦点検出素子で焦点検出のための撮像を行って焦点検出信号に基づき焦点検出を行い(a1)、次にその焦点検出結果に基づき撮影レンズの焦点調節を行い(a2)、その後、撮像兼焦点検出素子により撮影のための撮像を行って被写体像を生成する(a3)。図14(a3)に示す撮影動作において、(1)、(2)、(3)、・・は撮影枚数を示す。従来のカメラでは撮影ごとに上述した(a1)〜(a3)の処理を繰り返している。つまり、従来のカメラでは撮影のための撮像と焦点検出のための撮像とを別個に行っている。
【0035】
これに対し一実施の形態のカメラでは、最初に撮像兼焦点検出素子で焦点検出のための撮像を行って焦点検出信号に基づき焦点検出を行い(b1)、次にその焦点検出結果に基づき撮影レンズの焦点調節を行い(b2)、その後、撮像兼焦点検出素子により(1)枚目の撮影と焦点検出のための撮像を行い、被写体像を生成するとともに焦点検出を行う(b1)。次に(1)枚目の撮影時の焦点検出結果に基づき撮影レンズの焦点調節を行う(b2)。図14(b1)に示す焦点検出/撮影動作において、(1)、(2)、(3)、・・は撮影枚数を示す。一実施の形態では、最初に焦点検出のための撮像を行った後は、撮影と焦点検出のための撮像を繰り返す。したがって、一実施の形態のカメラによれば、従来のカメラに比べ焦点検出のための撮像が不要となり、その分だけ連続撮影時の撮影駒間隔を短縮でき、従来のカメラの連続撮影よりも高速の連続撮影が可能になる。
【0036】
このように、一実施の形態によれば、複数の撮像用画素と、撮影レンズ1の射出瞳上の対の領域を通過した対の光束を受光する複数の焦点検出用画素20A、20Bとが平面上に配列され、撮影レンズ1により結像される像を受光して画像信号を出力する撮像兼焦点検出素子2と、複数の焦点検出用画素20A、20Bから出力される対の光束に対応する対の焦点検出信号の位相差に基づいて撮影レンズ1の焦点調節状態を検出し、撮影レンズ1の焦点調節を行う位相差AFとを備え、撮像兼焦点検出素子2により焦点検出のための撮像を行って位相差AFにより焦点調節を行った後に、撮像兼焦点検出素子2により撮影のための撮像を行って被写体像を取得するデジタルカメラにおいて、撮影時に複数の焦点検出用画素20A、20Bから出力される対の焦点検出信号をメモリ10bに記憶するとともに、今回の撮影が前回の撮影に続く連続撮影か否かを判定し、連続撮影と判定されたときは、位相差AFによってメモリ10bから前回の撮影時の対の焦点検出信号を読み出し、この対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行うようにしたので、連続撮影時の撮影駒間隔を短縮でき、従来のカメラの連続撮影よりも高速の連続撮影が可能になる。
【0037】
また、一実施の形態によれば、連続撮影か否かの判定において、前回の撮影から今回の撮影までの経過時間を計時し、この経過時間が所定時間未満の場合には連続撮影であると判定するようにした。さらに、連続撮影モードが設定されている場合には連続撮影であると判定するようにした。あるいはまた、カメラの変位量を検出し、この変位量が所定量未満の場合には連続撮影であると判定するようにした。これにより、連続撮影モードが設定されているときはもちろん、連続撮影モードが設定されていないときでも、同一の主要被写体に対して撮影条件を変えて短時間に連続撮影を行うとき(オートブラケティング撮影時)や、同一の主要被写体を捕捉して何枚も撮影する場合に、シャッターチャンスを逃さずに複数枚の写真を素早く撮影することができる。
【0038】
《一実施の形態の変形例》
本願発明のデジタルカメラは、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、一眼レフデジタルカメラ、コンパクトデジタルカメラなど、あらゆる種類のデジタルカメラに適用でき、上述したような効果を得ることができる。
【0039】
上述した一実施の形態では、連続撮影において撮影ごとに焦点検出信号を記憶して履歴データを更新する例を示したが、焦点検出信号を記憶する代わりに焦点検出演算結果のデフォーカス量を記憶し、デフォーカス量の履歴データを構築するようにしてもよい。
【0040】
移動被写体を撮影する場合には、過去複数回の撮影時の焦点検出信号またはデフォーカス量の履歴データに基づいて被写体像面の移動速度を求め、シャッターレリーズ時の被写体像面位置を予測してフォーカシングレンズを予測駆動し、シャッターレリーズ時に移動被写体にピントが合うように予測駆動オートフォーカスを行うようにしてもよい。このようにすれば、焦点検出信号またはデフォーカス量の履歴データをさらに有効に活用できる。
【0041】
上述した一実施の形態では、焦点検出用画素20Aのマイクロレンズ22に遮光マスク24を設け、撮影レンズ1の射出瞳上の対の領域を通過した対の焦点検出用光束25、26を選択的に受光する例を示したが、焦点検出用画素は上述した一実施の形態の構造に限定されず、撮影レンズ1の射出瞳上の対の領域を通過した対の焦点検出用光束25、26を選択的に受光し、瞳分割型の位相差検出が可能な焦点検出用画素であればどのような構成でもよい。
【0042】
例えば、図15(a)に示すように、遮光マスクで瞳分割を行う代わりにマイクロレンズ41ごとに一対の光電変換部42a、42bを設け、撮影レンズの射出瞳の一対の領域を通過した一対の焦点検出用光束を一対の光電変換部42aと42bで選択的に受光するようにしてもよい。一対の光電変換部の形状は図15(a)に示すような矩形に限定されず、例えば図15(b)に示すように半円形の一対の光電変換部43a、43bとしてもよい。さらに、図15(c)に示すように、マイクロレンズごとに一対の光電変換部44a、44bの片方を交互に設置し、隣接する一対の焦点検出用画素で撮影レンズの射出瞳の一対の領域を通過した一対の焦点検出用光束を選択的に受光するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一実施の形態のデジタルカメラの構成を示す図
【図2】撮像兼焦点検出素子を構成する画素の断面図
【図3】撮像兼焦点検出素子の正面図
【図4】焦点検出用画素列の断面図
【図5】撮影画面の横方向に配置された焦点検出用画素列の詳細図
【図6】撮影画面の縦方向に配置された焦点検出用画素列の詳細図
【図7】焦点検出用画素列から出力される一対の出力信号列を示す図
【図8】焦点検出用画素列から出力される一対の出力信号列を互いにシフトさせて相関量を算出する方法を説明する図
【図9】一対の焦点検出用信号列の相関量の演算方法と演算結果の信頼性を説明する図
【図10】一実施の形態の撮影動作を示すフローチャート
【図11】一実施の形態の連続撮影判定サブルーチンを示すフローチャート
【図12】一実施の形態の焦点調節サブルーチンを示すフローチャート
【図13】一実施の形態の撮影サブルーチンを示すフローチャート
【図14】一実施の形態の連続撮影動作を示すタイムチャート
【図15】撮像兼焦点検出素子の他の変形例を示す図
【符号の説明】
【0044】
1 撮影レンズ
2 撮像兼焦点検出素子
8 駆動回路
11 操作部材
12 変位検出器
10 制御装置
20 画素
20A、20B 焦点検出用画素
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像用画素を二次元状に配列した素子の一部を焦点検出用画素に置き換え、撮影レンズにより結像された被写体像の画像信号を出力するとともに、撮影レンズの焦点調節状態を示す焦点検出信号を出力する撮像兼焦点検出素子を備えた撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】特開2000−292686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の撮像装置では、撮像兼焦点検出素子の焦点検出用画素から出力される焦点検出信号に基づいて撮影レンズの焦点調節を行うので、撮像兼焦点検出素子により被写体像を撮像する前に焦点調節のための被写体像を撮像しなければならず、連続撮影を行う場合には連写速度を上げられないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明は、複数の撮像用画素と、撮影光学系の射出瞳上の対の領域を通過した対の光束を受光する複数の焦点検出用画素とが平面上に配列され、撮影光学系により結像される像を受光して画像信号を出力する撮像兼焦点検出素子と、複数の焦点検出用画素から出力される対の光束に対応する対の焦点検出信号の位相差に基づいて撮影光学系の焦点調節状態を検出し、撮影光学系の焦点調節を行う焦点調節手段と、撮像兼焦点検出素子により焦点検出のための撮像を行って焦点調節手段により焦点調節を行った後に、撮像兼焦点検出素子により撮影のための撮像を行って被写体像を取得するデジタルカメラにおいて、撮影時に複数の焦点検出用画素から出力される対の焦点検出信号を記憶する記憶手段と、今回の撮影が前回の撮影に続く連続撮影か否かを判定する判定手段とを備え、焦点調節手段は、判定手段で連続撮影と判定されたときは、記憶手段から前回の撮影時の対の焦点検出信号を読み出し、この対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行う。
(2) 請求項2のデジタルカメラは、判定手段によって、前回の撮影から今回の撮影までの経過時間を計時し、この経過時間が所定時間未満の場合には連続撮影であると判定するようにしたものである。
(3) 請求項3のデジタルカメラは、判定手段によって、連続撮影モードが設定されている場合には連続撮影であると判定するようにしたものである。
(4) 請求項4のデジタルカメラは、判定手段によって、カメラの変位量を検出し、この変位量が所定量未満の場合には連続撮影であると判定するようにしたものである。
(5) 請求項5のデジタルカメラは、焦点調節手段によって、判定手段で連続撮影と判定されたときは、記憶手段から過去複数回の撮影時の対の焦点検出信号を読み出し、これらの対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行うようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、連続撮影時の撮影駒間隔を短縮でき、従来のカメラの連続撮影よりも高速の連続撮影が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は一実施の形態のデジタルカメラの構成を示す図である。撮影レンズ1はズーミングレンズ1a、絞り1b、フォーカシングレンズ1cなどから構成され、被写体像を撮像兼焦点検出素子2の受光面に結像する。撮像兼焦点検出素子2は撮像用画素と焦点検出用画素とを有し、撮影レンズ1により結像された被写体像の画像信号を出力するとともに、撮影レンズ1の焦点調節状態を示す焦点検出信号を出力する。この撮像兼焦点検出素子2の詳細については後述する。
【0008】
信号処理回路3は、撮像兼焦点検出素子2から出力される画像信号および焦点検出信号に増幅処理やゲイン調整を施す回路である。A/Dコンバーター4は処理後の画像信号および焦点検出信号をデジタル信号に変換する。画像処理回路5は、画像信号に各種の補正処理や圧縮処理を施すとともに、撮像時に焦点検出用画素の出力を周辺の撮像用画素の出力により補完して画像信号を生成する回路である。記録装置6はメモリカードなどの着脱可能な記録媒体に撮影画像を記録し、表示装置7はカメラ背面に設けられるLCDに撮影画像のスルー画像や各種撮影に関する情報を表示する。
【0009】
駆動回路8は絞り1bとフォーカシングレンズ1cを駆動制御し、タイミングジェネレーター(T/G)9は撮像兼焦点検出素子2、信号処理回路3、A/Dコンバーター4および画像処理回路5へ各処理を開始または終了させるためのタイミング信号を出力する。制御装置10はCPU10a、メモリ10b、タイマー10cなどを備え、画像処理回路5、記録装置6、表示装置7、駆動回路8、およびタイミングジェネレーター9を制御してカメラのシーケンス制御、撮像制御、焦点検出制御、焦点調節制御、画像処理制御、画像記録制御、画像表示制御などを行う。なお、メモリ10bは撮像兼焦点検出素子2から出力される焦点検出信号の履歴データを記憶し、タイマー10cは前回の撮影時(シャッターレリーズ時)から今回のシャッターレリーズまでの経過時間を計時する。
【0010】
制御装置10にはカメラの各種操作を行うためのスイッチ、コマンドダイヤル、方向キーなどの操作部材11が接続されている。操作部材11には、シャッターボタンの半押し操作に連動してオン、オフするレリーズ半押しスイッチ、シャッターボタンの全押し操作に連動してオン、オフするレリーズスイッチ、連続撮影モードなどの各種撮影モードを切り換える撮影モードセレクターなどが含まれる。
【0011】
変位検出器12は、加速度センサーや傾きセンサーなどによりカメラの変位量を検出する。特に、前回のシャッターレリーズ時(撮影時)のカメラの撮影方向(撮影レンズの光軸方向)や縦位置または横位置などの撮影姿勢などの撮影位置から、今回のシャッターレリーズまでの撮影位置の変位量を検出する。前回の撮影時からの撮影方向や撮影姿勢などのカメラの変位量が所定値以下の場合には、前回の撮影時と同一の主要被写体を継続して捕捉していると考えられ、連続撮影であると判定する。
【0012】
図2〜図6は撮像兼焦点検出素子2の構造を示す図である。図2は撮像兼焦点検出素子2を構成する画素20の断面図であり、撮像兼焦点検出素子2はこのような画素20が二次元状に配列されたものである。各画素20は光電変換部21の前にマイクロレンズ22が配置され、光電変換部21は全画素共通の半導体基板23上に形成される。
【0013】
図3は撮像兼焦点検出素子2の正面(受光面)図であり、焦点検出用画素列2a、2b、2c、2d、2e、2fの配置を示す。図4〜図6に示すように、焦点検出用画素列2a〜2fは、図2に示す画素20のマイクロレンズ22の前面に遮光マスク24を設けた焦点検出用画素20Aと20Bを交互に一列に配列したものである。焦点検出用画素列2a〜2fは、撮影レンズ1の撮影画面に設定された複数の焦点検出エリアのそれぞれに対応する位置に配置されている。なお、この明細書では焦点検出用画素20A、20B以外の画素20を便宜上、撮像用画素と呼ぶ。
【0014】
遮光マスク24は、マイクロレンズ22の頂点を通る円弧でマイクロレンズ22の表面を二分したときの片方の表面を覆うように設けられ、隣接する焦点検出用画素20Aと20Bで遮光マスク24による遮光面が対称となるように配置される。換言すれば、焦点検出用画素列2a〜2fでは、焦点検出用画素20Aと20Bの遮光マスク24による遮光面が互い違いになるように、焦点検出用画素20Aと20Bが交互に配列される。
【0015】
撮影画面の横方向(左右方向)に対応して配列される焦点検出用画素列2a、2b、2cでは、図5に示すように、遮光マスク24による遮光面が横方向に互い違いになるように、焦点検出用画素20Aと20Bが交互に配列される。また、撮影画面の縦方向(上下方向)に対応して配列される焦点検出用画素列2d、2e、2fでは、図6に示すように、遮光マスク24による遮光面が縦方向に互い違いになるように、焦点検出用画素20Aと20Bが交互に配列される。
【0016】
この撮像兼焦点検出素子2は撮影レンズ1の予定焦点面に配置され、焦点検出用画素20A、20B以外の各撮像用画素は撮影レンズ1の射出瞳を通過した被写体からの光束を受光する。一方、各焦点検出用画素20A、20Bは、図4に示すように、撮影レンズ1の射出瞳を横(左右)方向または縦(上下)方向に二分したときの一方の領域を通過した光束(ここでは、焦点検出用光束という)25または26を受光する。換言すれば、焦点検出用画素列2a〜2fでは、焦点検出用画素20Aが撮影レンズ1による被写体像を右または上からにらみ、焦点検出用画素20Bが撮影レンズ1による被写体像を左または下からにらんでいる。
【0017】
各焦点検出用画素列2a〜2fにおいて、撮影レンズ1の射出瞳の一対の領域の内の、一方の領域を通過した焦点検出用光束25を受光する焦点検出用画素20Aの出力信号列と、他方の領域を通過した焦点検出用光束26を受光する焦点検出用画素20Bの出力信号列との相対的なずれ量、つまり位相差を検出し、これら一対の信号列のずれ量すなわち位相差に基づいて撮影レンズ1の焦点調節状態すなわちデフォーカス量を検出することができる。
【0018】
横方向の焦点検出用画素列2a、2b、2cでは、撮影レンズ1の射出瞳の横(左右)方向の一対の領域を通過した一対の焦点検出用光束25と26のずれ量を検出し、撮影画面の横方向における撮影レンズ1のデフォーカス量を検出する。一方、縦方向の焦点検出用画素列2d、2e、2fでは、撮影レンズ1の射出瞳の縦(上下)方向の一対の領域を通過した一対の焦点検出用光束25と26のずれ量を検出し、撮影画面の縦方向における撮影レンズ1のデフォーカス量を検出する。
【0019】
図7および図8は、焦点検出用画素列2a〜2fから出力される一対の出力信号列を示す。各焦点検出用画素列(2a〜2f)の出力信号列において、撮影レンズ1の射出瞳の一方の領域を通過した焦点検出用光束25(図4参照)を受光した焦点検出用画素20Aの信号列31と、他方の領域を通過した焦点検出用光束26を受光した焦点検出用画素20Bの信号列32とを比較する。このとき、一対の信号列31と32を互いにシフトさせて比較するが、各焦点検出用画素列(2a〜2f)の全範囲にわたって比較演算を行うことはできないので、焦点検出用画素列の内の図中のハッチング領域で示す“画素出力比較領域”内において比較演算を行う。
【0020】
今、ある焦点検出用画素列において図7に示すような一対の焦点検出信号列31、32が検出されたときに、画素出力比較領域において一対の焦点検出信号列31と32を互いにシフトさせながら一対の信号列31と32の相関量を演算し、図8に示すように画素出力比較領域内で一対の焦点検出信号列31と32の相関量が最小になるまでシフトする。相関量が最小になったときのシフト量が撮影レンズ1のピントずれ量に相当し、焦点検出用画素列(2a〜2f)の画素ピッチ、マイクロレンズ22の仕様などにより決まる変換係数を用いてピントずれ量をデフォーカス量に変換する。
【0021】
ここで、図9を参照し、ある焦点検出用画素列を例に上げて瞳分割型位相差検出方式の相関演算処理について説明する。ある焦点検出用画素列の一対の信号列31と32をそれぞれei,fi(ただしi=1〜m)とすると、まず(1)式に示す差分型相関アルゴリズムによって相関量C(L)を求める。
C(L)=Σ|e(i+L)−f(i)| ・・・(1)
(1)式において、Lは整数であり、一対の信号列ei,fiのピッチを単位とした相対的シフト量である。また、Lのとる範囲はLmin〜Lmax(図9に示す例では−5〜+5)である。さらに、Σはパラメーターiの範囲の総和演算を表し、パラメータiのとる範囲はpからqまでであり、1≦p<q≦mの条件を満足するように定められる。pとqの値によって上述した画素出力比較領域の大きさが設定される。
【0022】
(1)式による演算結果は、図9(a)に示すように、一対の信号列ei,fiの相関が高いシフト量L=kj(図9(a)ではkj=2)において相関量C(L)が最小になる。次に、(2)〜(5)式による3点内挿の手法を用いて連続的な相関量に対する最小値C(L)min=C(x)を与えるシフト量xを求める。
x=kj+D/SLOP ・・・(2)、
C(x)= C(kj)−|D| ・・・(3)、
D={C(kj-1)-C(k j+1)}/2 ・・・(4)、
SLOP=MAX{C(kj+1)-C(k j),C(kj-1)−C(k j)} ・・・(5)
また、算出したシフト量xに基づいて被写体像面の予定焦点面に対するデフォーカス量DEFを(6)式により求めることができる。
DEF=KX・PY・x ・・・(6)
(6)式において、PYは検出ピッチであり、KXは上述した射出瞳上の一対の領域の重心の開き角の大きさによって決まる変換係数である。
【0023】
算出されたデフォーカス量DEFに信頼性があるかどうかは、以下のようにして判定する。図9(b)に示すように、一対の信号列ei,fiの相関度が低い場合は、内挿された相関量の最小値C(X)の値が大きくなる。したがって、C(X)が所定値以上の場合は信頼性が低いと判定する。あるいは、相関量の最小値C(X)を信号列ei,fiのコントラストで規格化するために、コントラストに比例した値となるSLOPで相関量最小値C(X)を徐した値が所定値以上の場合は信頼性が低いと判定する。あるいはまた、コントラストに比例した値となるSLOPが所定値以下の場合は、被写体が低コントラストであり、算出されたデフォーカス量DEFの信頼性が低いと判定する。なお、図9(c)に示すように、一対の信号列ei,fiの相関度が低く、シフト範囲Lmin〜Lmaxの間で相関量C(L)の落ち込みがない場合は、最小値C(X)を求めることができず、このような場合は焦点検出不能と判定する。
【0024】
図10〜図13は一実施の形態の撮影動作を示すフローチャートである。なお、これらの図に示す撮影動作では、測光および露出演算などの本願発明と直接的に関係のないカメラの動作については図示と説明を省略する。操作部材11のシャッターボタンが半押しされるとレリーズ半押しスイッチがオンし、制御装置10のCPU10aは図10に示す撮影動作を開始する。
【0025】
図10のステップ1において操作部材11のシャッターボタンが全押しされたか、すなわちレリーズスイッチがオンしたか否かを判別し、レリーズ操作がなされた場合はステップ2へ進み、図11に示す連続撮影判定サブルーチンを実行し、連続撮影か否かを判定する。
【0026】
図11に示す連続撮影判定サブルーチンのステップ11において、タイマー10cで計時している前回の撮影時(シャッターレリーズ時)からの経過時間が所定時間以上になったか否かを判別する。この一実施の形態では所定時間を例えば1秒とする。前回の撮影時から今回のシャッターレリーズまでの経過時間が1秒以上の場合はステップ15へ進み、連続撮影を行っていないと判定する。一方、前回の撮影時からの経過時間が1秒未満のときはステップ12へ進み、操作部材11の撮影モードセレクターにより連続撮影モードが設定されているか否かを判別する。
【0027】
連続撮影モードが設定されていない場合はステップ14へ進み、変位検出器12による変位量の検出結果に基づいて前回の撮影時(シャッターレリーズ時)からカメラが所定量以上変位しているか否かを判別する。前回の撮影時からの変位量が所定量未満の場合には、前回の撮影時と同一の主要被写体を継続して捕捉していると判断し、ステップ13へ進んで連続撮影であると判定する。一方、前回の撮影時からの経過時間は1秒未満であるが、前回の撮影時からの変位量が所定量以上の場合はステップ15へ進み、前回の撮影時と同一の主要被写体を捕捉している可能性は低く、連続撮影でないと判定する。連続撮影か否かの判定後、図10のステップ3へリターンする。
【0028】
リターン後の図10のステップ3では連続撮影と判定されたか否かを確認し、連続撮影でないと判定された場合はステップ4およびステップ5の処理を行う。ステップ4では連続撮影カウンター(CPU10aによるソフトウエアカウンター)を0にリセットし、続くステップ5ではメモリ10bに記憶されている焦点検出信号の履歴データを初期化する。次に、ステップ6で図12に示す焦点調節サブルーチンを実行し、撮影レンズ1の焦点調節を行う。
【0029】
図12に示す焦点調節サブルーチンのステップ21において、焦点調節処理に先立ち、焦点検出不能時に再度焦点検出を行うことを示すリトライフラグに0を設定してリセットする。続くステップ22で連続撮影カウンターの値が0、つまり連続撮影でないか、または連続撮影であっても最初の1枚目の撮影であるかを判別する。連続撮影でない場合、または連続撮影の1枚目の撮影の場合にはステップ23へ進み、撮像兼焦点検出素子2により焦点検出のための撮像を行う。続くステップ24では焦点検出用画素列2a〜2f(図3参照)から信号処理回路3およびA/Dコンバーターを介して焦点検出信号を取得する。一方、連続撮影カウンターの値が0でない場合、つまり、連続撮影の2枚目以降の場合はステップ25へ進み、メモリ10bに記憶されている焦点検出信号の履歴データ、すなわち過去の撮影時に取得した焦点検出信号データを読み出す。
【0030】
ステップ26において、非連続撮影時または連続撮影時の1枚目の撮像で得た焦点検出信号、または過去の焦点検出信号に基づいて上述した焦点検出演算(相関演算)を行い、撮影レンズ1の焦点調節状態を示すデフォーカス量を検出する。続くステップ27で、上述したように検出結果のデフォーカス量に信頼性があるか否かを判定し、信頼性なしと判定された場合または焦点検出不能な場合にはステップ30へ進み、リトライフラグに1が設定されているか否かを判定する。リトライフラグに1が設定されている場合、つまり焦点検出不能と判定されて再度焦点検出を実行した場合には、これ以上焦点検出を行っても信頼性のある検出結果が得られないと判断し、ステップ32へ進んで検出不能時のレンズ駆動量、例えば多くの撮影において頻繁に設定される撮影距離までのレンズ駆動量を算出してステップ29へ進む。一方、リトライフラグに1が設定されていない場合は、ステップ31でリトライフラグに1を設定した後、もう一度焦点検出を行うためにステップ23へ戻り、焦点検出のための撮像を行って焦点検出信号を取得する。
【0031】
検出結果のデフォーカス量に信頼性がある場合はステップ28へ進み、デフォーカス量に基づいて目標合焦位置までのレンズ駆動量を算出する。そして、ステップ29で駆動回路8によりフォーカシングレンズ1cを目標合焦位置まで駆動する。焦点調節後、図10のステップ7へリターンし、図13に示す撮影サブルーチンを実行し、撮影を行う。
【0032】
図13に示す撮影サブルーチンのステップ41において撮像兼焦点検出素子2により撮像を行い、続くステップ42で撮像兼焦点検出素子2から信号処理回路3およびA/Dコンバーター4を介して画像信号および焦点検出信号を取得する。ステップ43では今回の撮影時に取得した焦点検出信号をメモリ10bに記憶し、焦点検出信号の履歴データを更新する。次に、ステップ44において、画像処理回路5で今回の撮影で取得した画像信号と焦点検出信号に対してホワイトバランスなどの各種補正処理を施すとともに、焦点検出用画素の出力(焦点検出信号)を周辺の撮像用画素の出力(画像信号)で補間し、被写体像データを生成する。ステップ45で被写体像データを記録装置6に記録する。そして、撮影終了後、図10のステップ8へリターンする。
【0033】
図10のステップ8で連続撮影カウンターをインクリメントし、ステップ9へ進む。ステップ9では操作部材11のレリーズ半押しスイッチがオンしているか否かを判別し、オンしているときはステップ1へ戻って上述した処理を繰り返し、オフしているときは撮影動作を終了する。
【0034】
図14は、従来のカメラの連続撮影動作と上述した一実施の形態のカメラの連続撮影動作とを比較したタイムチャートである。従来のカメラでは、撮像兼焦点検出素子で焦点検出のための撮像を行って焦点検出信号に基づき焦点検出を行い(a1)、次にその焦点検出結果に基づき撮影レンズの焦点調節を行い(a2)、その後、撮像兼焦点検出素子により撮影のための撮像を行って被写体像を生成する(a3)。図14(a3)に示す撮影動作において、(1)、(2)、(3)、・・は撮影枚数を示す。従来のカメラでは撮影ごとに上述した(a1)〜(a3)の処理を繰り返している。つまり、従来のカメラでは撮影のための撮像と焦点検出のための撮像とを別個に行っている。
【0035】
これに対し一実施の形態のカメラでは、最初に撮像兼焦点検出素子で焦点検出のための撮像を行って焦点検出信号に基づき焦点検出を行い(b1)、次にその焦点検出結果に基づき撮影レンズの焦点調節を行い(b2)、その後、撮像兼焦点検出素子により(1)枚目の撮影と焦点検出のための撮像を行い、被写体像を生成するとともに焦点検出を行う(b1)。次に(1)枚目の撮影時の焦点検出結果に基づき撮影レンズの焦点調節を行う(b2)。図14(b1)に示す焦点検出/撮影動作において、(1)、(2)、(3)、・・は撮影枚数を示す。一実施の形態では、最初に焦点検出のための撮像を行った後は、撮影と焦点検出のための撮像を繰り返す。したがって、一実施の形態のカメラによれば、従来のカメラに比べ焦点検出のための撮像が不要となり、その分だけ連続撮影時の撮影駒間隔を短縮でき、従来のカメラの連続撮影よりも高速の連続撮影が可能になる。
【0036】
このように、一実施の形態によれば、複数の撮像用画素と、撮影レンズ1の射出瞳上の対の領域を通過した対の光束を受光する複数の焦点検出用画素20A、20Bとが平面上に配列され、撮影レンズ1により結像される像を受光して画像信号を出力する撮像兼焦点検出素子2と、複数の焦点検出用画素20A、20Bから出力される対の光束に対応する対の焦点検出信号の位相差に基づいて撮影レンズ1の焦点調節状態を検出し、撮影レンズ1の焦点調節を行う位相差AFとを備え、撮像兼焦点検出素子2により焦点検出のための撮像を行って位相差AFにより焦点調節を行った後に、撮像兼焦点検出素子2により撮影のための撮像を行って被写体像を取得するデジタルカメラにおいて、撮影時に複数の焦点検出用画素20A、20Bから出力される対の焦点検出信号をメモリ10bに記憶するとともに、今回の撮影が前回の撮影に続く連続撮影か否かを判定し、連続撮影と判定されたときは、位相差AFによってメモリ10bから前回の撮影時の対の焦点検出信号を読み出し、この対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行うようにしたので、連続撮影時の撮影駒間隔を短縮でき、従来のカメラの連続撮影よりも高速の連続撮影が可能になる。
【0037】
また、一実施の形態によれば、連続撮影か否かの判定において、前回の撮影から今回の撮影までの経過時間を計時し、この経過時間が所定時間未満の場合には連続撮影であると判定するようにした。さらに、連続撮影モードが設定されている場合には連続撮影であると判定するようにした。あるいはまた、カメラの変位量を検出し、この変位量が所定量未満の場合には連続撮影であると判定するようにした。これにより、連続撮影モードが設定されているときはもちろん、連続撮影モードが設定されていないときでも、同一の主要被写体に対して撮影条件を変えて短時間に連続撮影を行うとき(オートブラケティング撮影時)や、同一の主要被写体を捕捉して何枚も撮影する場合に、シャッターチャンスを逃さずに複数枚の写真を素早く撮影することができる。
【0038】
《一実施の形態の変形例》
本願発明のデジタルカメラは、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、一眼レフデジタルカメラ、コンパクトデジタルカメラなど、あらゆる種類のデジタルカメラに適用でき、上述したような効果を得ることができる。
【0039】
上述した一実施の形態では、連続撮影において撮影ごとに焦点検出信号を記憶して履歴データを更新する例を示したが、焦点検出信号を記憶する代わりに焦点検出演算結果のデフォーカス量を記憶し、デフォーカス量の履歴データを構築するようにしてもよい。
【0040】
移動被写体を撮影する場合には、過去複数回の撮影時の焦点検出信号またはデフォーカス量の履歴データに基づいて被写体像面の移動速度を求め、シャッターレリーズ時の被写体像面位置を予測してフォーカシングレンズを予測駆動し、シャッターレリーズ時に移動被写体にピントが合うように予測駆動オートフォーカスを行うようにしてもよい。このようにすれば、焦点検出信号またはデフォーカス量の履歴データをさらに有効に活用できる。
【0041】
上述した一実施の形態では、焦点検出用画素20Aのマイクロレンズ22に遮光マスク24を設け、撮影レンズ1の射出瞳上の対の領域を通過した対の焦点検出用光束25、26を選択的に受光する例を示したが、焦点検出用画素は上述した一実施の形態の構造に限定されず、撮影レンズ1の射出瞳上の対の領域を通過した対の焦点検出用光束25、26を選択的に受光し、瞳分割型の位相差検出が可能な焦点検出用画素であればどのような構成でもよい。
【0042】
例えば、図15(a)に示すように、遮光マスクで瞳分割を行う代わりにマイクロレンズ41ごとに一対の光電変換部42a、42bを設け、撮影レンズの射出瞳の一対の領域を通過した一対の焦点検出用光束を一対の光電変換部42aと42bで選択的に受光するようにしてもよい。一対の光電変換部の形状は図15(a)に示すような矩形に限定されず、例えば図15(b)に示すように半円形の一対の光電変換部43a、43bとしてもよい。さらに、図15(c)に示すように、マイクロレンズごとに一対の光電変換部44a、44bの片方を交互に設置し、隣接する一対の焦点検出用画素で撮影レンズの射出瞳の一対の領域を通過した一対の焦点検出用光束を選択的に受光するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一実施の形態のデジタルカメラの構成を示す図
【図2】撮像兼焦点検出素子を構成する画素の断面図
【図3】撮像兼焦点検出素子の正面図
【図4】焦点検出用画素列の断面図
【図5】撮影画面の横方向に配置された焦点検出用画素列の詳細図
【図6】撮影画面の縦方向に配置された焦点検出用画素列の詳細図
【図7】焦点検出用画素列から出力される一対の出力信号列を示す図
【図8】焦点検出用画素列から出力される一対の出力信号列を互いにシフトさせて相関量を算出する方法を説明する図
【図9】一対の焦点検出用信号列の相関量の演算方法と演算結果の信頼性を説明する図
【図10】一実施の形態の撮影動作を示すフローチャート
【図11】一実施の形態の連続撮影判定サブルーチンを示すフローチャート
【図12】一実施の形態の焦点調節サブルーチンを示すフローチャート
【図13】一実施の形態の撮影サブルーチンを示すフローチャート
【図14】一実施の形態の連続撮影動作を示すタイムチャート
【図15】撮像兼焦点検出素子の他の変形例を示す図
【符号の説明】
【0044】
1 撮影レンズ
2 撮像兼焦点検出素子
8 駆動回路
11 操作部材
12 変位検出器
10 制御装置
20 画素
20A、20B 焦点検出用画素
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像用画素と、撮影光学系の射出瞳上の対の領域を通過した対の光束を受光する複数の焦点検出用画素とが平面上に配列され、前記撮影光学系により結像される像を受光して画像信号を出力する撮像兼焦点検出素子と、
前記複数の焦点検出用画素から出力される前記対の光束に対応する対の焦点検出信号の位相差に基づいて前記撮影光学系の焦点調節状態を検出し、前記撮影光学系の焦点調節を行う焦点調節手段とを備え、
前記撮像兼焦点検出素子により焦点検出のための撮像を行って前記焦点調節手段により焦点調節を行った後に、前記撮像兼焦点検出素子により撮影のための撮像を行って被写体像を取得するデジタルカメラにおいて、
撮影時に前記複数の焦点検出用画素から出力される対の焦点検出信号を記憶する記憶手段と、
今回の撮影が前回の撮影に続く連続撮影か否かを判定する判定手段とを備え、
前記焦点調節手段は、前記判定手段で連続撮影と判定されたときは、前記記憶手段から前回の撮影時の前記対の焦点検出信号を読み出し、この対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行うことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記判定手段は、前回の撮影から今回の撮影までの経過時間を計時し、この経過時間が所定時間未満の場合には連続撮影であると判定することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記判定手段は、連続撮影モードが設定されている場合には連続撮影であると判定することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記判定手段は、カメラの変位量を検出し、この変位量が所定量未満の場合には連続撮影であると判定することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のデジタルカメラにおいて、
前記焦点調節手段は、前記判定手段で連続撮影と判定されたときは、前記記憶手段から過去複数回の撮影時の前記対の焦点検出信号を読み出し、これらの対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行うことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項1】
複数の撮像用画素と、撮影光学系の射出瞳上の対の領域を通過した対の光束を受光する複数の焦点検出用画素とが平面上に配列され、前記撮影光学系により結像される像を受光して画像信号を出力する撮像兼焦点検出素子と、
前記複数の焦点検出用画素から出力される前記対の光束に対応する対の焦点検出信号の位相差に基づいて前記撮影光学系の焦点調節状態を検出し、前記撮影光学系の焦点調節を行う焦点調節手段とを備え、
前記撮像兼焦点検出素子により焦点検出のための撮像を行って前記焦点調節手段により焦点調節を行った後に、前記撮像兼焦点検出素子により撮影のための撮像を行って被写体像を取得するデジタルカメラにおいて、
撮影時に前記複数の焦点検出用画素から出力される対の焦点検出信号を記憶する記憶手段と、
今回の撮影が前回の撮影に続く連続撮影か否かを判定する判定手段とを備え、
前記焦点調節手段は、前記判定手段で連続撮影と判定されたときは、前記記憶手段から前回の撮影時の前記対の焦点検出信号を読み出し、この対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行うことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記判定手段は、前回の撮影から今回の撮影までの経過時間を計時し、この経過時間が所定時間未満の場合には連続撮影であると判定することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記判定手段は、連続撮影モードが設定されている場合には連続撮影であると判定することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記判定手段は、カメラの変位量を検出し、この変位量が所定量未満の場合には連続撮影であると判定することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のデジタルカメラにおいて、
前記焦点調節手段は、前記判定手段で連続撮影と判定されたときは、前記記憶手段から過去複数回の撮影時の前記対の焦点検出信号を読み出し、これらの対の焦点検出信号に基づいて焦点調節を行うことを特徴とするデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−310072(P2008−310072A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158200(P2007−158200)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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