説明

デジタルプリント装置

【課題】 プリント終了後のデジタルプリント装置から記録メディアの抜き取り忘れを防止することを課題とする。
【解決手段】 メディアドライブ20に記録メディア21が装填されているとき、プリント取出口52のカバー58をロックして、プリント取出口52内のプリントPの取り出しができないようにすることで、ユーザがメディアドライブ20に記録メディア21を装填したまま、プリントPだけを取り出して去ってしまうことが防止できる。つまり、記録メディア21の抜き取り忘れが防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等で撮影した画像が格納された記憶媒体等から読み出した画像データを、プリントするデジタルプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等に設置され、ユーザがデジタルカメラで撮影した写真の画像データ等が記録された記録媒体(スマートメディア(登録商標)等の記録メディア)から、この画像データを読み出してプリントするデジタルプリント装置が知られている。
【0003】
このデジタルプリント装置を利用する場合、ユーザは持ち込んだ記録メディアをデジタルプリント装置のメディアドライブに装填して、操作画面上に表示された表示に従ってに必要な一連の操作を行ってプリントを実行する。
【0004】
このとき、プリント終了後に、デジタルプリント装置のメディアドライブから記録メディアを抜き取るのを忘れて、装填した状態のまま立ち去るケースがある。そこで、記録メディアの抜き取り忘れを防止するために、記録メディアの画像データを読み込んだ後、記録メディアをデジタルプリント装置から抜き取るように促すメッセージを通知(表示画面上に表示)するものがある(特許文献1参照)。
【0005】
しかし、ユーザ側は印刷物に気を取られていることがあり、記録メディアを抜き取るように促すメッセージに気がつかないことがある。特に、デジタルカメラで撮った写真をプリントする際には、ユーザはどのような写真が出てくるかということに意識が集中してしまうことがあり、記録メディアを抜き取るよう通知するだけでは、完全に記録メディアの抜き取り忘れを防止することができないと予想される。
【特許文献1】特開2004−280417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題を考慮し、プリント終了後のデジタルプリント装置から記録メディアの抜き取り忘れを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明は、装填部に装填された記録媒体に記録された情報を読み取ってプリントするデジタルプリント装置において、前記記録媒体から読み取った情報がプリントされた印刷物が排出される排出部と、前記排出部に排出された前記印刷物の取り出しを阻止する取出阻止手段と、前記装填部から前記記録媒体が抜き取られたか否かを検出する記録媒体検出手段と、前記記録媒体検出手段で前記記録媒体の抜き取りが検出されると、前記取出阻止手段による取り出し阻止を解除する制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、取出阻止手段によって、排出部に排出された印刷物の取り出しが阻止されており、記録媒体検出手段が装填部から記録媒体が抜き取られたのを検出すると、制御手段によって、取出阻止手段の取り出し阻止が解除される。
【0009】
つまり、装填部から記録媒体を抜き取らないと、印刷物が排出部に排出されても、この印刷物を排出部から取り出すことができない。これにより、ユーザが装填部から記録媒体を抜き取るのを忘れて、印刷物だけを取り出して去ってしまうことが防止できる。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、前記取出阻止手段は、前記排出部の取出口を開閉する開閉部材をロックするロック手段であることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、排出部に排出された印刷物が取り出される取出口には、開閉部材が開閉可能な状態で設けられており、ロック手段によって開閉部材はロックされるようになっている。これにより、記録媒体を装填部から抜き取らないと、開口部はロックされたままとなり、排出部の印刷物を取り出すことができない。
【0012】
請求項3に記載の本発明は、前記開閉部材は、前記排出部内を外部から視認可能な部材で形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、排出部の状態を外部から視認可能とされた部材で開閉部材を形成することで、排出部に印刷物が排出されたかどうかを、開閉部材を介して外部から確認することができる。
【0014】
請求項4に記載の本発明は、前記ロック手段は、前記記録媒体の情報をプリントするプリントモードを選択したタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、記録媒体の情報をプリントするプリントモードを選択したタイミングで、ロック手段によって開閉部材がロックされる。つまり、デジタルプリント装置で形成する画像の種類、例えば、デジタルカメラのプリント等のプリントモードを選択した時点で、排出部に排出された印刷物の取り出しが阻止される。
【0016】
請求項5に記載の本発明は、前記ロック手段は、前記記録媒体を前記装填部に装填したタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、記録媒体を装填部に装填したタイミングで、ロック手段によって開閉部材がロックされる。つまり、請求項4よりも遅いタイミングで開閉部材がロックされるので、プリントモードを選択した時点でプリントを中止したときに、開閉部材がロックされていない。このため、請求項4のプリントモードを選択したタイミングで開閉部材をロックする場合と比較して、必要以上にロック手段が動作しない。
【0018】
請求項6に記載の本発明は、前記ロック手段は、プリントスタートボタンをオンしたタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、プリントスタートボタンをオンしたタイミングロック手段によって開閉部材がロックされる。つまり、請求項5よりも遅いタイミングで開閉部材がロックされるので、記録媒体を装填部に装填した時点でプリントを中止したときに、開閉部材がロックされていない。このため、請求項5の記録媒体を装填部に装填したタイミングで開閉部材をロックする場合と比較して、必要以上にロック手段が動作しない。
【0020】
請求項7に記載の本発明は、前記ロック手段は、前記記録媒体へアクセス開始されたタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、記録媒体の記録にアクセスされたタイミングで、ロック手段によって開閉部材がロックされる。つまり、請求項6よりも遅いタイミングで開閉部材がロックされるので、プリントスタートボタンをオンした時点でプリントを中止したときに、開閉部材がロックされていない。これにより、請求項6のプリントスタートボタンをオンしたタイミングで開閉部材をロックする場合と比較して、必要以上にロック手段が動作しない。
【0022】
請求項8に記載の本発明は、前記ロック手段は、プリント開始のタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴としている。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、プリント開始のタイミングで、ロック手段によって開閉部材がロックされる。つまり、請求項7よりも遅いタイミングで開閉部材がロックされるので、記録媒体の記録にアクセスされた時点でプリントを中止したときに、開閉部材がロックされていない。これにより、請求項7の記録媒体の記録にアクセスされたタイミングで開閉部材をロックする場合と比較して、必要以上にロック手段が動作しない。
【0024】
請求項9に記載の本発明は、前記排出部へ排出される印刷物を検知する第1検知手段を備え、前記ロック手段は、前記第1検知手段によって前記排出部に最初の印刷物が排出されたことを検知すると、前記開閉部材をロックすることを特徴としている。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、第1検知手段によって、排出部に印刷物が排出されたのが検知される。そして、最初の印刷物が排出部に排出されるタイミングで、ロック手段によって開閉部材がロックされる。これにより、請求項8よりも遅いタイミングで開閉部材がロックされるので、プリント開始の時点でプリントを中止したときに、開閉部材がロックされていないため、請求項8のプリント開始のタイミングで開閉部材をロックする場合と比較して、必要以上にロック手段が動作しない。
【0026】
請求項10に記載の本発明は、前記排出部は、印刷物の有無を検知する第2検知手段を備え、前記ロック手段は、前記第2検知手段によって前記排出部に印刷物が有るのを検知すると、前記開閉部材をロックすることを特徴としている。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、第2検知手段によって、排出部に印刷物が有るのを検知すると、ロック手段によって開閉部材がロックされる。つまり、請求項9よりも遅いタイミングで開閉部材がロックされるので、排出部に印刷物が排出されたのが検知される前にプリントを中止したときに、開閉部材がロックされていない。これにより、請求項9の排出部に印刷物が排出されたのが検知されるタイミングで開閉部材をロックする場合と比較して、必要以上にロック手段が動作しない。
【0028】
請求項11に記載の本発明は、前記ロック手段は、プリントを行わないときには前記ロック手段のロックを解除していることを特徴としている。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、プリントを行わないときには、ロック手段のロックを解除することで、開閉部材に物がぶつかったりして外側から押圧力がかかったとき、開閉部材が破損するのを防止できる。
【0030】
請求項12に記載の本発明は、前記装填部から前記記録媒体が抜き取られた後、前記第2検知手段で前記排出部に印刷物があるのを検知すると、警告を発する警告手段が設けられていることを特徴としている。
【0031】
請求項12に記載の発明によれば、装填部から記録媒体が抜き取られた後、排出部に印刷物が存在している場合には、警告手段によって警告される。これにより、記録媒体の抜き取り忘れを防止すると共に、ユーザに印刷物の取り出し忘れが促される。
【0032】
請求項13に記載の本発明は、前記警告手段は、前記記録媒体の抜き取り後、前記第2検知手段で前記排出部に印刷物が有るのを検知してから所定時間経過すると警告を発することを特徴としている。
【0033】
請求項13に記載の発明によれば、記録媒体の抜き取り後、排出部に印刷物が有るのを検知してから所定時間経過すると、警告手段によって警告が発せられる。これにより、記録媒体を装填部から抜き取った後、すぐに排出部から印刷物を取り出さなくても警告が発せられないので、頻繁に警告が発せられることがない。
【発明の効果】
【0034】
本発明は上記構成としたので、プリント終了後のデジタルプリント装置から記録メディアの抜き取り忘れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1には、本発明の第1の実施形態に係るデジタルプリント装置10の外観図が示されている。
【0036】
デジタルプリント装置10は、コピー、プリンタ、及びFAX機能を備えた画像出力装置部(所謂複合機)12と、液晶表示板からなる表示パネル上にタッチパネルが重ねられて構成されたユーザインタフェース操作部(UI操作部)14を備えたパソコン(PC)16と、投入された金額に応じた枚数のコピー/プリントを許可するための課金装置18とを備えている。
【0037】
PC16は、装填された記録メディア21に対してデータを読み書きするメディアドライブ20を有している。図2に示すように、メディアドライブ20は、記録メディア21としてのコンパクトフラッシュ(登録商標)(Compact Flash)22が着脱されるスロット24、メモリスティック(登録商標)26が着脱されるスロット28、xDピクチャカード(登録商標)30が着脱されるスロット32、スマートメディア(登録商標)34が着脱されるスロット36、SD(Secure Digital)カード38が着脱されるスロット40及びCD−ROM42が載置されるディスクトレイ44を備えている。
【0038】
図3に示すように、メディアドライブ20の各スロット24、28、32、36、40及びディスクトレイ44には、記録メディア検出センサ23が設置されている。記録メディア検出センサ23はプリント取出口制御部72に接続されており、記録メディア検出センサ23によってメディアドライブ20に装填した記録メディア21が、メディアドライブ20から抜き取られたか否かが検知されて、プリント取出口制御部72で後述するプリント取出口52のカバー58のロックが制御されるようになっている。
【0039】
メディアドライブ20に装填された記録メディア21から読み取ったメディアデータは、制御部48を介してUI操作部14に表示される。このUI操作部14には、記録メディア21から読み取ったメディアデータをプリントする際に必要な一連の操作(プリントする画像データの選択、プリント枚数の入力、編集指示、プリント開始等)も表示されるようになっている。
【0040】
一方、制御部48には、課金装置18が接続されている。課金装置18は、投入口50(図1参照)からの投入金額に応じて、制御部48を介して後述するプリント部46での画像出力を許可し、プリント部46で許可した画像出力が行われた場合には、画像出力の形態に応じた料金を課金すると共に、投入金額から料金を差し引いた残金を、図示しない表示部に表示する。
【0041】
一方、画像出力装置12は、プリント部46を有している。プリント部46は、感光体、露光部、現像部及び定着搬送部などの機構を含んで構成されており、PC16から入力された記録メディア21のメディアデータ(記録メディア21から読み取った画像データ)に基づいて画像を形成する。すなわち、プリント部46は入力された画像データに基づいて感光体上に静電潜像を形成し、形成した静電潜像をモノクロトナーまたはカラートナーを用いて現像し、現像した画像を記録媒体である記録紙に転写する。
【0042】
また、図1に示すように、画像出力装置12にはプリント取出口52が設けられており、プリント部46で画像が記録された記録紙(プリント)が、このプリント取出口52に排出されるようになっている。
【0043】
図4には、プリント取出口52の断面図が示されている。図4に示すように、プリント取出口52は、画像出力装置12を構成する筐体54に形成された開口部56を有しており、開口部56からプリント取出口52内に排出されたプリントPにアクセスできるようになっている。
【0044】
開口部56には、開口部56とほぼ同じサイズのカバー58が設けられている。カバー58の一方の端部には、ピン59が設けられており、ピン59が開口部56を構成する壁部に支持されている(図1参照)。これにより、カバー58は、一方の端部を中心に回動可能な構成とされている。
【0045】
プリント取出口52の天井部52Aとカバー58の一方の端部近傍との間には、トーションバネ60が設けられている。トーションバネ60は、一端がプリント取出口52の天井部52Aに設けられた凹部62に係止されており、他端がカバー58のプリント取出口52に対向する面に設けられた凹部64に係止されている。これにより、トーションバネ60の付勢力によって、カバー58は矢印A方向と反対方向に付勢されている。
【0046】
カバー58は、外部からの押圧力を受けていないときは、図4の二点鎖線で示すように、他端部が開口部56の下端近傍に位置している。つまり、通常時は、プリント取出口52は、カバー58によって閉塞された状態となっている。
【0047】
また、カバー58は透明部材で形成されている。これにより、プリント取出口52内の様子が外部から確認することができるようになっている。
【0048】
プリント取出口52の底面52Bの開口部56付近には、孔66が形成されている。この孔66には、画像出力装置12内に設けられたソレノイド68の可動鉄心70が挿通されている。ソレノイド68はプリント取出口制御部72に接続されており、プリント取出口制御部72からの信号によってソレノイド68に通電されると、可動鉄心70が突出するようになっている。
【0049】
ソレノイド68に通電されて可動鉄心70が孔66を介してプリント取出口52に突出すると、カバー58の他端が可動鉄心70に当接して、カバー58の矢印A方向の回動が阻止される。つまり、ソレノイド68に通電されることにより、カバー58の回動がロックされた状態となり、外部からカバー58を押圧しても、カバー58はプリント取出口52を閉塞した状態から動かないので、ユーザはプリント取出口52内にアクセスすることができない構成となっている。
【0050】
ソレノイド68への通電が停止すると、図示しないコイルばねにより、可動鉄心70が引き込まれる。これにより、カバー58のロックが解除され、カバー58を外部から押圧すると、カバー58は一端部を支点として矢印A方向に回動する。これにより、外部からプリント取出口52内へのアクセスが可能となる。
【0051】
プリント取出口52の底面52Bには、プリント取出口52内のプリントの有無を光学的に検出するセンサ74が設けられている。センサ74はプリント取出口制御部72に接続されており、センサ74でプリント取出口52内にプリントが有るのを検知して、プリント取出口制御部72でプリント取出口52のカバー58がロックされるようになっている。
【0052】
プリント取出口制御部72には、スピーカー76が接続されている。記録メディア検出センサ23で、メディアドライブ20から記録メディア21が抜き取られたのを検知してから所定時間経過した後、センサ74によってプリント取出口52からプリントPが取り出されていないのを検知すると、スピーカー76から警告音が出力されるようになっている。
【0053】
また、プリント取出口52の側壁52Cには、用紙検出センサ80が設置されている。用紙検出センサ80はプリント取出口制御部72に接続されており、用紙検出センサ80によってプリント取出口52にプリントPが排出されたのが検知されると、プリント取出口制御部72でプリント取出口52のカバー58がロックされるようになっている。
【0054】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について説明する。図5には、デジタルプリント装置10の動作のフローチャートが示されている。
【0055】
まず、ステップ100で、ユーザは、課金装置18の投入口50にコインを投入し、UI操作部14に表示されている、”コピー”、”プリント”、”デジタルカメラプリント”等のメニュー画面から、画像を出力したい形態として、”デジタルカメラプリント”を選択する。
【0056】
出力形態として”デジタルカメラプリント”が選択されると、ステップ102へ進む。ステップ102では、ソレノイド68に通電して可動鉄心70が突出し、プリント取出口52のカバー58がロックされる。これにより、ユーザは、プリント取出口52内にアクセス不可能となる。
【0057】
次に、ステップ104で、ユーザは該当する記録メディア21をメディアドライブ20の所定のスロット又はディスクトレイに装填し、ステップ106で、UI操作部14に表示されたプリントスタートボタンをONして、プリント操作を開始する。そして、ステップ108で記録メディア21に記録されているメディアデータが、メディアドライブ20によって読み込まれる。
【0058】
次のステップ110では、メディアドライブ20によって記録メディア21のメディアデータの読み込みが終了したか否かが判断される。メディアデータの読み込みが終了していない場合には、ステップ108へ戻り、メディアデータの読み込みが終了していれば、ステップ112に進む。
【0059】
ステップ112では、UI操作部14にメディアデータの画像データが複数枚ずつ表示され、ユーザは、その画像データの中から、プリントしたい画像データを選択する。
【0060】
次のステップ114では、プリントする画像データが選択されたか否かが判断される。画像データが選択されていない場合には、ステップ112に戻る。一方、画像データが選択されていれば、ステップ116に進む。
【0061】
ステップ116では、ユーザがUI操作部14で、編集形態やプリント部数等を指示する。そして、ステップ118でプリントが開始される。
【0062】
次のステップ120では、用紙検出センサ80によって、ユーザがプリントを指定した全てのプリントPがプリント取出口52に排出されたことを検知することにより、画像データのプリントが終了したか否かが判断される。画像データのプリントが終了していない場合には、ステップ120に戻り、プリントPのプリントが終了していれば、ステップ122に進む。
【0063】
ステップ122では、メディアドライブ20からの記録メディア21の抜き取りを促す文字等を、UI操作部14に表示する。そして、ステップ124で、記録メディア検出センサ23によって、メディアドライブ20から記録メディア21が抜き取られたか否かが判断される。メディアドライブ20から記録メディア21が抜き取られていない場合には、ステップ124に戻る。一方、メディアドライブ20からの記録メディア21の抜き取りが完了していれば、ステップ126に進む。
【0064】
ステップ126では、ソレノイド68の通電が停止して、可動鉄心70が引き込まれて、プリント取出口52のカバー58のロックが解除される。これにより、ユーザはプリント取出口52内のプリントPにアクセスすることが可能となる。
【0065】
そして、次のステップ128では、プリント取出口52の底面52Bに設けられたセンサ74の検知によって、プリント取出口52からプリントPが取り出されたか否かが判断される。メディアドライブ20から記録メディア21を抜き取って所定時間経過しても、プリント取出口52内のプリントPが取り出されていないのを検知されると、スピーカー76から警告音を出力してユーザにプリントPの取り出しを促す。そして、ステップ128へ戻る。一方、プリント取出口52からプリントPが取り出されていれば、一連の動作が終了する。
【0066】
以上説明したように、メディアドライブ20に記録メディア21が装填されているとき、プリント取出口52のカバー58をロックして、プリント取出口52内のプリントPの取り出しができないようにすることで、ユーザがメディアドライブ20に記録メディア21を装填したまま、プリントPだけを取り出して去ってしまうことが防止できる。つまり、記録メディア21の抜き取り忘れが防止できる。
【0067】
また、プリントを行わないときには、カバー58のロックは解除された状態にある。これにより、ユーザがプリント取出口52にプリントPがあるか否かを確認しようとして、カバー58を押してプリント取出口52内に手を挿入しようとしたときに、カバー58が破損することがない。
【0068】
さらに、ユーザがメディアドライブ20から記録メディア21を抜き取ってから所定時間経過した後に、プリント取出口52からプリントPが取り出されていない場合には、スピーカー76から警告音を出力して、ユーザにプリントPの取り出しが促される。これにより、記録メディア21だけでなく、プリントPの取り出し忘れも防止されるようになっている。また、記録メディア21の抜き取り後、所定時間経過してから警告音を出力する構成とすることで、例えば、ユーザが記録メディア21をメディアドライブ20から抜き取って、カバン等に収納してからプリントPを取り出そうとするような場合、つまり、記録メディア21の抜き取り後すぐにプリントPを取り出さない場合に、警告音が出力されてしまうことがない。したがって、頻繁に警告音が発せられることがない。
【0069】
なお、本実施形態では、プリントPの取り出し忘れ防止として、スピーカー76から警告音を出力する構成としたが、UI操作部14にプリントPの取り出しを促すメッセージを表示してもよい。また、警告音を出力すると同時にメッセージを表示すれば、プリントPの取り出し忘れ防止効果が高まる。
【0070】
また、本実施形態では、プリント取出口52に設けたカバー58を、透明部材で形成する構成としたが、プリント取出口52内部を確認することができれば、カバーは必ずしも透明部材で形成する必要はなく、例えば、荒い網目状としたり、板状部材に複数の孔を設けた構成としてもよい。
【0071】
さらに、本実施形態では、プリント取出口52にカバー58を設けて、このカバー58の回動をロックすることで、メディアドライブ20から記録メディア21を抜き取らないとプリント取出口52内のプリントPを取り出せない構成としたが、プリント取出口52内部に、例えばプリントPを挟持する挟持部材を設けて、メディアドライブ20から記録メディア21を抜き取らないと、プリントPは挟持部材によって挟持されて、プリント取出口52から取り出せないようにしてもよい。このように、プリント取出口52からプリントPを取り出せないようにロックする構成として、種々の形態を用いることができる。
【0072】
次に、本発明の第2の実施形態に係るデジタルプリント装置について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
【0073】
図6には、第2の実施形態のデジタルプリント装置の動作のフローチャートが示されている。
【0074】
まず、ステップ100で、UI操作部14で出力形態として”デジタルカメラプリント”を選択する。そして、ステップ104へ進み、ユーザは該当する記録メディア21をメディアドライブ20の所定のスロット又はディスクトレイに装填する。
【0075】
メディアドライブ20に記録メディア21が装填されると、次のステップ130で、ソレノイド68に通電して可動鉄心70が突出し、プリント取出口52のカバー58がロックされる。これにより、ユーザは、プリント取出口52内にアクセス不可能となる。
【0076】
以下、第1の実施形態と同様の動作が行われる。
【0077】
このように、記録メディア21をメディアドライブ20に装填したタイミングで、プリント取出口52のカバー58をロックすることで、プリントモード(出力形態として”デジタルカメラプリント”)を選択した時点でプリントを中止したときに、カバー58はロックされていない。このため、第1の実施形態のプリントモードを選択したタイミングでカバー58をロックする場合と比較して、必要以上にカバー58のロックが動作しない。
【0078】
次に、本発明の第3の実施形態に係るデジタルプリント装置について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
【0079】
図7には、第3の実施形態のデジタルプリント装置の動作のフローチャートが示されている。
【0080】
まず、ステップ100で、UI操作部14で出力形態として”デジタルカメラプリント”を選択し、ステップ104へ進む。ステップ104で、ユーザは該当する記録メディア21をメディアドライブ20の所定のスロット又はディスクトレイに装填し、ステップ106で、UI操作部14に表示されたプリントスタートボタンをONして、プリント操作を開始する。
【0081】
そして、次のステップ132で、ソレノイド68に通電して可動鉄心70が突出し、プリント取出口52のカバー58がロックされる。これにより、ユーザは、プリント取出口52内にアクセス不可能となる。
【0082】
以下、第1の実施形態と同様の動作が行われる。
【0083】
このように、UI操作部14に表示されたプリントスタートボタンをONしたタイミングで、プリント取出口52のカバー58をロックすることで、記録メディア21をメディアドライブ20に装填した時点でプリントを中止したときに、カバー58はロックされていない。このため、第2の実施形態の記録メディア21をメディアドライブ20に装填したタイミングでカバー58をロックする場合と比較して、必要以上にカバー58のロックが動作しない。
【0084】
次に、本発明の第4の実施形態に係るデジタルプリント装置について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
【0085】
図8には、第4の実施形態のデジタルプリント装置の動作のフローチャートが示されている。
【0086】
まず、ステップ100で、UI操作部14で出力形態として”デジタルカメラプリント”を選択する。次に、ステップ104で、ユーザは該当する記録メディア21をメディアドライブ20の所定のスロット又はディスクトレイに装填し、ステップ106で、UI操作部14に表示されたプリントスタートボタンをONして、プリント操作を開始する。そして、ステップ108で記録メディア21に記録されているメディアデータが、メディアドライブ20によって読み込まれる。
【0087】
そして、次のステップ134で、ソレノイド68に通電して可動鉄心70が突出し、プリント取出口52のカバー58がロックされる。これにより、ユーザは、プリント取出口52内にアクセス不可能となる。
【0088】
以下、第1の実施形態と同様の動作が行われる。
【0089】
このように、記録メディア21のメディアデータにアクセスしたタイミングで、プリント取出口52のカバー58をロックすることで、プリントスタートボタンをONした時点でプリントを中止したときに、カバー58はロックされていない。このため、第3の実施形態のプリントスタートボタンをONしたタイミングでカバー58をロックする場合と比較して、必要以上にカバー58のロックが動作しない。
【0090】
次に、本発明の第5の実施形態に係るデジタルプリント装置について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
【0091】
図9には、第5の実施形態のデジタルプリント装置の動作のフローチャートが示されている。
【0092】
まず、ステップ100で、UI操作部14で出力形態として”デジタルカメラプリント”を選択する。次に、ステップ104で、ユーザは該当する記録メディア21をメディアドライブ20の所定のスロット又はディスクトレイに装填し、ステップ106で、UI操作部14に表示されたプリントスタートボタンをONして、プリント操作を開始する。そして、ステップ108で記録メディア21に記録されているメディアデータが、メディアドライブ20によって読み込まれる。
【0093】
次のステップ110では、メディアドライブ20によって記録メディア21のメディアデータの読み込みが終了したか否かが判断される。メディアデータの読み込みが終了していない場合には、ステップ108へ戻り、メディアデータの読み込みが終了していれば、ステップ112に進む。
【0094】
ステップ112で、UI操作部14に表示された画像データの中から、プリントしたい画像データを選択する。そして、次のステップ114では、プリントする画像データが選択されたか否かが判断される。画像データが選択されていない場合には、ステップ112に戻る。一方、画像データが選択されていれば、ステップ116に進む。
【0095】
ステップ116では、ユーザがUI操作部14で、編集形態やプリント部数等を指示する。そして、ステップ118でプリントが開始される。
【0096】
そして、次のステップ136で、ソレノイド68に通電して可動鉄心70が突出し、プリント取出口52のカバー58がロックされる。これにより、ユーザは、プリント取出口52内にアクセス不可能となる。
【0097】
以下、第1の実施形態と同様の動作が行われる。
【0098】
このように、記録メディア21から読み取った画像データのプリントが開始されるタイミングで、プリント取出口52のカバー58をロックすることで、記録メディア21のメディアデータにアクセスした時点でプリントを中止したときに、カバー58はロックされていない。このため、第3の実施形態の記録メディア21のメディアデータにアクセスしたタイミングでカバー58をロックする場合と比較して、必要以上にカバー58のロックが動作しない。
【0099】
なお、本実施形態では、プリントが開始されるタイミングでカバー58をロックする構成としたが、プリントが開始されてから、最初のプリントPがプリント取出口52に排出されたのを用紙検出センサ80で検知したタイミングで、カバー58をロックする構成としてもよい。これにより、プリントが開始される時点でプリントを中止したときに、カバー58がロックされていないため、プリントが開始されるタイミングでカバー58をロックする場合と比較して、必要以上にカバー58のロックが動作しない。
【0100】
また、最初のプリントPがプリント取出口52に排出されて、底面52Bに載置されたのをセンサ74で検知したタイミングで、カバー58をロックする構成としてもよい。これにより、最初のプリントPがプリント取出口52に排出された(1枚目のプリントPが底面52に到達していない時点)タイミングでカバー58をロックする場合と比較して、必要以上にカバー58のロックが動作しない。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルプリント装置の外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るデジタルプリント装置のメディアドライブの外観図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るデジタルプリント装置のブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るデジタルプリント装置のプリント取出口の側面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るデジタルプリント装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るデジタルプリント装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るデジタルプリント装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るデジタルプリント装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第5の実施形態に係るデジタルプリント装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
10 デジタルプリント装置
20 メディアドライブ(装填部)
21 記録メディア(記録媒体)
23 記録メディア検出センサ(記録媒体検出手段)
52 プリント取出口(排出部)
58 カバー(取出阻止手段、開閉部材)
68 ソレノイド(取出阻止手段、ロック手段)
72 プリント取出口制御部(制御手段)
74 センサ(第2検知手段)
76 スピーカー(警告手段)
80 用紙検出センサ(第1検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装填部に装填された記録媒体に記録された情報を読み取ってプリントするデジタルプリント装置において、
前記記録媒体から読み取った情報がプリントされた印刷物が排出される排出部と、
前記排出部に排出された前記印刷物の取り出しを阻止する取出阻止手段と、
前記装填部から前記記録媒体が抜き取られたか否かを検出する記録媒体検出手段と、
前記記録媒体検出手段で前記記録媒体の抜き取りが検出されると、前記取出阻止手段による取り出し阻止を解除する制御手段と、
を備えていることを特徴とするデジタルプリント装置。
【請求項2】
前記取出阻止手段は、前記排出部の取出口を開閉する開閉部材をロックするロック手段であることを特徴とする請求項1に記載のデジタルプリント装置。
【請求項3】
前記開閉部材は、前記排出部内を外部から視認可能な部材で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデジタルプリント装置。
【請求項4】
前記ロック手段は、前記記録媒体の情報をプリントするプリントモードを選択したタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のデジタルプリント装置。
【請求項5】
前記ロック手段は、前記記録媒体を前記装填部に装填したタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のデジタルプリント装置。
【請求項6】
前記ロック手段は、プリントスタートボタンをオンしたタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のデジタルプリント装置。
【請求項7】
前記ロック手段は、前記記録媒体へアクセス開始されたタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のデジタルプリント装置。
【請求項8】
前記ロック手段は、プリント開始のタイミングで前記開閉部材をロックすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のデジタルプリント装置。
【請求項9】
前記排出部へ排出される印刷物を検知する第1検知手段を備え、前記ロック手段は、前記第1検知手段によって前記排出部に最初の印刷物が排出されたことを検知すると、前記開閉部材をロックすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のデジタルプリント装置。
【請求項10】
前記排出部は、印刷物の有無を検知する第2検知手段を備え、前記ロック手段は、前記第2検知手段によって前記排出部に印刷物が有るのを検知すると、前記開閉部材をロックすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のデジタルプリント装置。
【請求項11】
前記ロック手段は、プリントを行わないときには前記ロック手段のロックを解除していることを特徴とする請求項2〜請求項10のいずれか1項に記載のデジタルプリント装置。
【請求項12】
前記装填部から前記記録媒体が抜き取られた後、前記第2検知手段で前記排出部に印刷物があるのを検知すると、警告を発する警告手段が設けられていることを特徴とする請求項11に記載のデジタルプリント装置。
【請求項13】
前記警告手段は、前記記録媒体の抜き取り後、前記第2検知手段で前記排出部に印刷物が有るのを検知してから所定時間経過すると警告を発することを特徴とする請求項12に記載のデジタルプリント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−83504(P2007−83504A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−274253(P2005−274253)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】