説明

デジタル撮影装置

【課題】光学ファインダによる被写体像観察と撮像素子によるライブビュー表示の被写体像観察とが切り換え操作を行うことなく可能であり、さらに、素早い測距を行うことも可能なデジタル撮影装置を提供する。
【解決手段】デジタル撮影装置である一眼レフカメラ1は、レンズ鏡筒2とカメラボディ3とからなり、カメラボディ3には撮影レンズ22を通過した被写体光束を反射し、かつ、透過する光路中に進入した進入位置と退避位置とに回動可能な可動ハーフミラー4と、上記撮影レンズからの上記被写体光束による被写体像を形成するスクリーン9と、可動ハーフミラー4で反射した被写体光束を反射し、かつ、透過する固定ハーフミラー8とを具備しており、固定ハーフミラー8は、可動ハーフミラー4とスクリーン9の間に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ファインダおよび電子ビューファインダ、あるいは、液晶モニタによる被写体像の観察が可能なデジタル撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル撮影装置である一眼レフカメラにおいて、光学ファインダによる被写体像の観測の他に、切り換え操作によって電子ビューファインダによる被写体像の観察、すなわち、ライブビューも可能であるカメラがある。図7は、上記従来のファインダ観察状態の切り換え可能な一眼レフカメラの主要構成を示す縦断面図であって、光学ファインダ観察状態(光学ファインダモード時)とAF(オートフォーカス)測距状態を示している。図8は、上記従来のカメラのライブビュー状態(ライブビューモード時)における縦断面図である。
【0003】
上記従来の一眼レフカメラ101は、レンズ鏡筒102と該レンズ鏡筒が着脱可能なカメラボディ103からなり、カメラボディ103には、回動可能であって、相対回動可能なサブミラー105が付設されたクイックリターンミラー104と、該ミラーの後方にシャッタ106および撮像素子107と、上記ミラー104上方に配されるスクリーン109、ペンタプリズム110、接眼レンズ111からなる光学ファインダユニットと、上記ミラー104の下方に配される測距レンズ113およびAF測距センサ114と、さらに、カメラ背面部に配されるライブビュー表示用液晶モニタ115と、ミラー/シャッタ駆動部116と、図示しないカメラ制御部とが具備されている。
【0004】
上記カメラ101が光学ファインダ観察状態にあるときは、クイックリターンミラー104は、レンズ光軸(光軸Oで示す)上、すなわち、被写体光束の光路上に斜設状態で位置しており、光学ファインダユニットにより被写体像の観察が可能である。この状態でレリーズスイッチの一段目操作がなされると、クイックリターンミラー104を透過し、被写体光束がサブミラー105で反射され、測距レンズ113を介して測距センサ114に入射した被写体光束を用いてAFのための位相差測距が行われる。
【0005】
一方、ライブビュー状態に切り換えられたときは、クイックリターンミラー104は、被写体光束の光路上から上方に退避し、手動による合焦動作を行うことにより、被写体光束は、撮像素子107の撮像面上に結像する(図8)。撮像素子107により光電変換された被写体像信号による画像が液晶モニタ115にライブビュー画像として表示される。この状態でレリーズスイッチの一段目操作がなされると、一旦、上記光学ファインダ観察状態のようにクイックリターンミラー104が被写体光束の光路上に進入し、AFのための位相差測距が行われる。この期間中は、直前の被写体画像が継続して液晶モニタ115に表示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように上記従来の一眼レフカメラ101では、観察状態を切り換えるためには光学ファインダモードと、ライブビューモードとを切り換える必要があって、操作が煩わしい。また、ライブビューモードにあるとき、位相差によるAF測距を行う場合に、一旦、クイックリターンミラー104を被写体光束の光路上に進入させ、その後、再度退避させる必要があり、一眼レフカメラで瞬間を捉えるという撮影動作には程遠いものになってしまう。また、上記ミラー進入期間中は、ライブ画像を表示することができないといった不具合もあった。
【0007】
なお、従来のライブビューモードでクイックリターンミラーを光路上に進入させない状態でAF測距を行うとすると、イメージャ測距を行う必要があり、測距時間が長くなり、素早い合焦動作を行うことができないといった問題があった。
【0008】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、デジタル撮影装置において、光学ファインダによる被写体像観察と撮像素子によるライブビュー表示の被写体像観察とを切り換え操作なく行え、さらに、素早い測距を行うことも可能なデジタル撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1記載のデジタル撮影装置は、被写体光束を取り込むための撮影レンズと、上記撮影レンズを通過した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第一の部材と、上記第一の部材で反射した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第二の部材とを具備する。
【0010】
本発明の請求項2記載のデジタル撮影装置は、被写体光束を取り込むための撮影レンズと、上記撮影レンズを通過した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第一の部材と、上記第一の部材で反射した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第二の部材と、上記撮影レンズからの上記被写体光束による被写体像を形成するスクリーンとを具備し、上記第二の部材は、上記第一の部材と上記スクリーンの間に介在する。
【0011】
本発明の請求項3記載のデジタル撮影装置は、被写体光束を取り込むための撮影レンズと、上記撮影レンズを通過した上記被写体光束の光路上にあって、上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第一の位置と上記被写体光束の光路から退避した第二の位置とに移動可能な第一の部材と、上記第一の位置にある第一の部材で反射した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第二の部材と、上記第二の部材で透過した上記被写体光束による被写体像を形成するスクリーンと、上記第一の部材が第二の位置に移動したとき、上記第一の部材と上記第二の部材とが対向する面と反対側の面上に移動可能な遮光部材とを具備する。
【0012】
本発明の請求項4記載のデジタル撮影装置は、請求項1乃至3記載のデジタル撮影装置において、上記第二の部材が上記撮影レンズに取り込まれる上記被写体光束の光軸に対し、傾斜して配置される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構成により光学ファインダによる被写体像観察と撮像素子によるライブビュー表示の被写体像観察とを切り換え操作なく同時に行え、さらに、素早い測距を行うことも可能なデジタル撮影装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第一の実施形態のデジタル撮影装置である一眼レフカメラの主要構成を示す縦断面図であって、光学ファインダ観察、ライブビュー表示状態を含む被写体像観察状態を示している。図2は、上記カメラのAF測距状態における縦断面図である。図3は、上記カメラの撮影状態における縦断面図である。
【0016】
本実施形態の一眼レフカメラ(以下、カメラと記載する)1は、レンズ鏡筒2と該レンズ鏡筒が付加されたカメラボディ3とからなり、被写体像観察状態の切り換えが不要であり、光学ファインダユニットによる光学ファインダ観察と液晶モニタによるライブビュー観察とが同時に可能であり、ライブビュー観察状態にあるとき、従来のカメラにおけるクイックリターンに代えて適用される可動ハーフミラー4を退避させることなく、そのままの状態で位相差によるAF測距動作を行うことができる。
【0017】
カメラボディ3内には、回動可能であって、相対回転可能な遮光部材である反射防止板5が付設され、被写体光束を反射し、かつ、透過する第一の部材である可動ハーフミラー4と、該ハーフミラー4の後方にシャッタ6および撮像素子7と、可動ハーフミラー4の上方に配される光学ファインダユニットと、可動ハーフミラー4とスクリーン9の間に配され、被写体光束を反射し、かつ、透過する第二の部材である固定ハーフミラー8と、可動ハーフミラー4の下方に配される測距レンズ13および位相差AF用測距センサ14と、さらに、カメラ背面部に配されるライブビュー表示用液晶モニタ15と、ミラー/シャッタ駆動部16と、図示しないカメラ制御部とが具備されている。
【0018】
レンズ鏡筒2は、フォーカスレンズ22を含む撮影レンズ21と、フォーカスレンズ22を合焦駆動するためのフォーカス駆動部23を内蔵している。なお、撮影レンズ21のレンズ光軸を図中、「O」で示す。
【0019】
可動ハーフミラー4は、カメラボディ3に対してレンズ光軸上方に位置する軸部4aにより回動可能に支持され、撮影レンズ21側より入射するレンズ光軸上の被写体光束の光路内の第一の位置である進入位置(図1)と、上記被写体光束の光路から上方に退避した第二の位置である退避位置(図3)との間をミラー/シャッタ駆動部16により回動駆動される。上記進入位置にある可動ハーフミラー4が上記進入位置にある状態は、レンズ光軸に対して反射面が傾斜した状態に保持されている。また、上記退避位置にある状態は、反射面がレンズ光軸に対して略平行な方向に保持されている。
【0020】
可動ハーフミラー4の先端部の軸部4bには、遮光板からなる反射防止板5が回動可能に支持されている。なお、反射防止板5は、付勢バネ(図示せず)により可動ハーフミラー側に付勢されており、可動ハーフミラー4は、別の付勢バネ(図示せず)により上記退避位置側に付勢された状態で支持されている。ミラー/シャッタ駆動部16は、上記付勢バネの付勢力に抗して駆動カム(図示せず)の回転により可動ハーフミラー4を上記進入位置まで回動駆動する。また、可動ハーフミラー4を退避させる場合は、上記駆動カムがさらに回転することにより付勢バネの付勢力で可動ハーフミラー4を上記退避位置まで回動させる。
【0021】
反射防止板5には、測距レンズ13に対向する位置に小径の開口部5aが設けられている。反射防止板5は、可動ハーフミラー4の回動動作に連動して連動カム(図示せず)により回動駆動される。可動ハーフミラー4が上記進入位置に移動しているときは、該ミラー4の下方位置にレンズ光軸と略平行な方向に沿って開いた状態で係止部材(図示せず)により係止され、開口部5aが測距レンズ13と対向する(図1)。また、可動ハーフミラー4が退避位置に移動するとき、上記係止部材の係止が解放され、可動ハーフミラー4と共に上方に移動し、上記付勢バネの付勢力で該ミラー4に対して相対回動駆動され、可動ハーフミラー4と固定ハーフミラー8とが対向する面と反対側の面上に略密着するように移動し、同様に被写体光束の光路から退避する(図3)。
【0022】
固定ハーフミラー8は、後述するスクリーン9の近傍の下方位置にスクリーン9と平行な状態でカメラボディ3に固定支持されており、可動ハーフミラー4が上記退避位置にあるときにはスクリーン9と可動ハーフミラー4の間に位置する。
【0023】
光学ファインダユニットは、スクリーン9、ペンタプリズム10、接眼レンズ11、アイピースシャッタ12からなり、スクリーン9上に結像した被写体像をペンタプリズム10、および、接眼レンズ11を透過させて観察することができる。アイピースシャッタ12は、手動による開閉動作が可能であり、ライブビュー観察状態においては閉じておく必要がある。
【0024】
上述した構成を有する本実施形態のカメラ1において、電源スイッチ投入後、または、撮影動作終了後にはカメラ1は、上記カメラ制御部の制御のもとでミラー/シャッタ駆動部16により可動ハーフミラー4が光学ファインダによる被写体像観察可能な位置にセットされ、同時にシャッタ6は開放状態にセットされる。詳しくは、ミラー/シャッタ駆動部16により可動ハーフミラー4を被写体光束光路内の上記進入位置に回動移動させる(図1)。この可動ハーフミラー4の回動移動に連動して反射防止板5がレンズ光軸と略平行となるまで下方側に回動し、開口部5aが測距レンズ13の前面のファインダ光軸Of上に位置する状態となる。
【0025】
上述したファインダ観察状態において、撮影レンズ21より取り込まれた被写体光束は、その一部が進入位置にある可動ハーフミラー4の反射面で光軸と略直交するファインダ光軸Ofに沿って上方の光学ファインダ側に向けて反射される。上記被写体光束の他の一部は、傾斜状態の可動ハーフミラー4を透過して撮像素子7の撮像面上に結像する。
【0026】
可動ハーフミラー4にてファインダ光軸Ofに沿って上方に反射された被写体光束は、一部が固定ハーフミラー8を透過してスクリーン9上に結像する。他の一部は、固定ハーフミラー8でファインダ光軸Ofに沿って下方に反射され、可動ハーフミラー4を透過し、反射防止板5の開口部5aを透過して測距レンズ13を経て、測距センサ14に入射する。
【0027】
スクリーン9上に結像した被写体像は、ペンタプリズム10を介して接眼レンズ11で観察することができる。同時に撮像素子7の撮像面に結像した被写体像は、撮像素子7にて撮像信号に変換される。該撮像信号は、カメラ制御部の制御のもとで表示可能な被写体像のライブ表示用画像信号として液晶モニタ15に出力され、液晶モニタ15にライブビュー画像として表示される。
【0028】
上述のように電源スイッチ投入後、または、撮影動作終了後には光学ファインダによる観察および液晶モニタ15によるライブビュー観察が切り換え操作をすることなく互いに観察可能な被写体像観察状態にセットされる。このとき、ライブビュー観察状態においては、アイピースシャッタ12は閉じておいた方が好ましい。
【0029】
そして、上述した被写体像観察状態にあるとき、レリーズスイッチの一段目操作がなされると、図2に示すように可動ハーフミラー4や反射防止板5を回動移動させることなく、そのままの状態で上記測距センサ14に入射した被写体光束により位相差AFのための測距が行われる。この測距データに従って上記カメラ制御部の制御のもとでレンズ鏡筒2のフォーカス駆動部23を介してフォーカスレンズ22の合焦駆動が行われる。この測距期間中、および、レリーズスイッチの二段目操作が開始されるまで光学ファインダ観察可能な状態で、かつ、液晶モニタ15によるライブビュー表示もそのまま続行される。
【0030】
続いて、上記レリーズスイッチの二段目操作がなされると、上記カメラ制御部の制御のもとで図3に示すようにミラー/シャッタ駆動部16によりシャッタ6が一旦閉鎖され、可動ハーフミラー4が進入位置から被写体光束の光路から退避する退避位置に回動駆動される。可動ハーフミラー4の上記退避位置への移動に連動して反射防止板5が付勢バネの付勢力により可動ハーフミラー4に向けて回動し、可動ハーフミラー4の光路側の面に略密着する。可動ハーフミラー4と反射防止板5とは、固定ハーフミラー8を覆うような状態になる。
【0031】
可動ハーフミラー4の退避位置への移動が終了した後、上記カメラ制御部の制御のもとでシャッタ6が開放され、撮像素子7の露光が行われる。被写体像の撮像信号がカメラ制御部により画像処理されて、被写体画像データとして画像メモリに記録される。そのとき液晶モニタ15に撮影被写体画像が表示される。
【0032】
上述した撮像素子7の露光期間中、被写体光路の不要光は、可動ハーフミラー4が反射防止板5で覆われることからその反射が防止される。
【0033】
撮像素子7の露光が終了すると、一旦、シャッタ6が閉じられ、可動ハーフミラー4が再度上記光路中の上記進入位置に回動駆動される。可動ハーフミラー4の回動動作に連動して反射防止板5も測距レンズ13の上側に位置して図1の被写体像観察状態に戻る。
【0034】
なお、上記ファインダ観察状態では傾斜した可動ハーフミラー4を透過した被写体光束による被写体像が撮像素子7に結像し、ライブビュー表示の被写体像が生成されるが、このライブビュー表示の被写体像は、可動ハーフミラー4が傾斜していることからそのままでは多重像となる。そこで、上記カメラ制御部の制御のもとで画像処理による修正うことで観察者が見ても問題のないライブビュー表示の被写体画像を生成することができる。
【0035】
上述したように本実施形態のカメラ1によれば、被写体像観察状態において可動ハーフミラー4を上記進入位置に移動させた状態のままで光学ファインダ観察と液晶モニタ15によるライブビュー表示とが可能であり、さらに、可動ハーフミラー4を進入位置に移動させた状態のままで位相差AFの測距を行うことが可能であり、素早い合焦動作を行うことができる。従って、瞬間を捉えるという撮影動作が可能となり、測距動作中にもライブビュー表示を続行することができる。
【0036】
なお、本実施形態のカメラ1において、上述したライブビュー表示として取り込まれる多重の被写体画像は、可動ハーフミラー4に厚さの薄いペリクルミラーを適用することにより、画像処理による修正を行わなくとも、上記多重ずれの極めて少ないライブビュー表示用被写体画像を得ることも可能である。
【0037】
また、被写体像観察状態で特にライブビュー表示を必要としない場合、シャッタ6を閉鎖状態とすれば、光学ファインダによる観察のみの状態とすることも可能である。また、シャッタ6は、撮像素子7自体にシャッタ機能を持つ場合には必ずしも必要としない。
【0038】
次に本発明の第二の実施形態の一眼レフカメラについて図4〜6を用いて説明する。
図4は、本実施形態のデジタル撮影装置である一眼レフカメラの主要構成を示す縦断面図であって、光学ファインダ観察、ライブビュー表示状態を含む被写体像観察状態を示している。図5は、上記カメラのAF測距状態における縦断面図であり、図6は、上記カメラにおける撮影状態における縦断面図である。
【0039】
上述した第一の実施形態のカメラ1においては、測距レンズ13および測距センサ14がレンズ光軸と略直交するファインダ光軸Of上の下方に配されている。従って、上記進入位置にある可動ハーフミラー4の背面側で反射された不要光が反射防止板5の小径開口部5aを経て測距レンズ13に入る可能性が高い。そこで、本実施形態のカメラ1Aでは、固定ハーフミラー8Aを傾け、測距レンズ13A,測距センサ14Aを後方にずらし、測距光軸Oaを後方側に傾斜させている(図4)。
【0040】
上述した配置を採用することにより上述した可動ハーフミラー4の背面側で反射された不要光が測距レンズ13Aに入ることを防止し、より精度の高い位相差測距データを得るようにした。それ以外の構成は、第一の実施形態の構成と同一であり、同一の構成要素に対しては同一の符号を付し、以下、主に異なる部分についてのみ説明する。
【0041】
本実施形態のカメラ1Aにおいては、図4に示すように固定ハーフミラー8Aは、スクリーン9の下部にて前端側をレンズ光軸側に近づけた状態で傾斜させる。従って、固定ハーフミラー8Aで反射されて測距レンズ13A,測距センサ14Aに向かう被写体光束の測距光軸Oaは、レンズ光軸に垂直なファインダ光軸Ofに対して後方側に傾斜する。
【0042】
測距レンズ13Aおよび測距センサ14Aとは、上記傾斜した測距光軸Oa上に配される。同時に、可動ハーフミラー4の先端部の軸部4bにより回動可能に支持される遮光部材である反射防止板5Aの小径の開口部5Aaは、後方寄りに配される。可動ハーフミラー4が上記進入位置に回動し、反射防止板5Aがレンズ光軸下方の略平行位置に開いた状態では開口部5Aaは、測距光軸Oa上にあって、測距レンズ13Aに対向する。
【0043】
本実施形態のカメラ1Aにおいても前記第一の実施形態のカメラ1の場合と同様のファインダ観察が可能であり、光学ファインダによる被写体像の観察とライブビュー表示の被写体像を液晶モニタ15上で観察が可能である。そして、AF測距時においては、上記傾斜した測距光軸Oa上に配される測距レンズ13Aと測距センサ14AによりAF測距データが検出され、フォーカスレンズ22の合焦駆動が行われる。
【0044】
本実施形態のカメラ1Aによれば、第一の実施形態と同様の効果を奏し、特に測距光軸Oaを傾斜させることにより可動ハーフミラー4の裏面で下方に向けて反射される不要光が開口部5Aaから測距センサ14A側に進入することが抑えられ、精度の高いAF測距データが得られる。
【0045】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によるデジタル撮影装置は、簡単な構成により光学ファインダによる被写体像観察と撮像素子によるライブビュー表示の被写体像観察とが切り換え操作することなく同時に行え、さらに、素早い測距を行うことも可能なデジタル撮影装置として利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一の実施形態のデジタル撮影装置である一眼レフカメラの主要構成を示す縦断面図であって、光学ファインダ観察、ライブビュー表示状態を含む被写体像観察状態を示す。
【図2】図1のカメラのAF測距状態における縦断面図である。
【図3】図1のカメラの撮影状態における縦断面図である。
【図4】本発明の第二の実施形態のデジタル撮影装置である一眼レフカメラの主要構成を示す縦断面図であって、光学ファインダ観察、ライブビュー表示状態を含む被写体像観察状態を示す。
【図5】図4のカメラのAF測距状態における縦断面図である。
【図6】図4のカメラの撮影状態における縦断面図である。
【図7】従来の一眼レフカメラの主要構成を示す縦断面図であって、光学ファインダ観察状態とAF測距状態とを示す。
【図8】図7の従来のカメラのライブビュー表示状態における縦断面図である。
【符号の説明】
【0048】
4 …可動ハーフミラー(第一の部材)
5,5A…反射防止板(遮光部材)
8,8A…固定ハーフミラー(第二の部材)
9 …スクリーン
21 …撮影レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体光束を取り込むための撮影レンズと、
上記撮影レンズを通過した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第一の部材と、
上記第一の部材で反射した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第二の部材と、
を具備することを特徴とするデジタル撮影装置。
【請求項2】
被写体光束を取り込むための撮影レンズと、
上記撮影レンズを通過した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第一の部材と、
上記第一の部材で反射した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第二の部材と、
上記撮影レンズからの上記被写体光束による被写体像を形成するスクリーンと、
を具備し、上記第二の部材は、上記第一の部材と上記スクリーンの間に位置することを特徴とするデジタル撮影装置。
【請求項3】
被写体光束を取り込むための撮影レンズと、
上記撮影レンズを通過した上記被写体光束の光路上にあって、上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第一の位置と上記被写体光束の光路から退避した第二の位置とに移動可能な第一の部材と、
上記第一の位置にある第一の部材で反射した上記被写体光束を反射し、かつ、透過する第二の部材と、
上記第二の部材で透過した上記被写体光束による被写体像を形成するスクリーンと、
上記第一の部材が第二の位置に移動したとき、上記第一の部材と上記第二の部材とが対向する面と反対側の面上に移動可能な遮光部材と、
を具備することを特徴とするデジタル撮影装置。
【請求項4】
上記第二の部材は、上記撮影レンズに取り込まれる上記被写体光束の光軸に対し、傾斜して配置されることを特徴とする請求項1乃至3記載のデジタル撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−104068(P2009−104068A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277902(P2007−277902)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】