説明

デバイス、システム、方法(高電力デバイスの動作温度範囲を拡大するためのシステム)

【課題】システム/デバイス内の高電力コンポーネントの動作温度範囲を効率的に拡大するための方法およびシステムを提供すること。
【解決手段】埋め込みモニタが、コンポーネントの接合温度などの局部的温度を測定する。測定温度がコンポーネントの最低動作温度閾値よりも低い場合、温度制御ロジックは、加熱源を利用して、コンポーネントの温度を動作レベルまで上昇させるために予熱を開始する。コンポーネント(またはデバイス)は、温度が動作レベル以上である場合にのみ、動作状態にされる。温度制御ロジックは、動作中システム/デバイス内のコンポーネントによって散逸される高電力を自己加熱源として使用して、コンポーネントの動作温度を維持する。自己加熱が動作温度を維持することができない場合、加熱源が、コンポーネントの動作温度の維持を支援するために利用され、それによって、コンポーネントが利用されるシステムの有効動作温度範囲を拡大する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、本出願と同時に出願され、同様に譲渡された、以下の同時係属中の出願の主題に関連する。
【0002】
シリアル番号 11/776353(整理番号RPS920070098US1)、表題「Method for Pre−Heating High Power Devices to Enable Low Temperature Start−Up and Operation」
【0003】
シリアル番号 11/776340(整理番号RPS920070120US1)、表題「Utilization of Overvoltage and Overcurrent Compensation to Extend the Usable Operating Range of Electronic Devices」
【技術分野】
【0004】
本発明は一般に、電子デバイスに関し、詳細には、電子デバイスにおける温度制御に関する。
【背景技術】
【0005】
高パフォーマンス(および高電力)の特定用途向け集積回路(ASIC)およびマイクロプロセッサ設計は、これらのデバイスが頻繁に利用されるシステムを取り巻く相対的に高い周囲温度に対して最適化される。しかし、多くの応用例が、低い周囲温度におけるこれらのデバイスの動作も要求する。例えば、いくつかの過酷な工業的および軍事的な応用例は、マイナス40度ほどの低温において(このレベルでは摂氏と華氏は収斂する)、機器が高い信頼性で動作することを要求する。より低い温度におけるデバイスの動作にはあまり重点が置かれておらず、これらの高パフォーマンス・デバイスの多くは、非常に低い温度では、高い信頼性で動作せず、初期化に失敗することさえある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明はかかる課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
高電力デバイスの動作温度を効率的に拡大するための方法およびシステムが開示される。温度制御ロジックは、ホスト・デバイスまたはシステムの主要コンポーネント内の温度を局部的に監視するために埋め込み温度センサを利用する。測定温度がデバイスの動作温度の下側閾値よりも低い場合、システム電力を印加してデバイスを動作状態にする前に、温度制御ロジックは、デバイスの温度を動作レベルまで上昇させるために予熱を開始する。温度制御ロジックは、予熱を提供するために、ホスト・デバイス内に埋め込まれた加熱源またはホスト・デバイスにアタッチされた加熱源を利用する。温度制御ロジックは、動作デバイス内のコンポーネントによって散逸される電力を加熱源として使用することによって(すなわち自己加熱)、デバイスの動作温度を維持する。自己加熱がデバイスの温度を下側閾値温度よりも高く維持することができない場合、デバイスの動作温度の維持を支援するために、埋め込みまたはアタッチ加熱源が利用される。埋め込みまたはアタッチ加熱源は、デバイスの動作温度範囲の下端を拡大するために、自己加熱プロセスと共に動作する。
【0008】
本発明の上記および追加の目的、特徴、および利点は、以下の詳細に記述された説明において明らかとなるであろう。
【0009】
本発明自体、ならびに本発明の好ましい使用法、さらなる目的、および利点は、例示的な実施形態についての以下の詳細な説明を参照し、それを添付の図面と併せて読むことによって、最も良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
説明される実施形態は、高電力デバイスの動作温度範囲を効率的に拡大するための方法およびシステムを提供する。温度制御ロジックは、ホスト・デバイス内の接合温度を監視するために、埋め込み温度センサを利用する。測定温度がデバイスの動作温度の下側閾値よりも低い場合、システム電力を印加する前に、温度制御ロジックは、デバイスの温度を動作限界内まで上昇させるために予熱を開始する。温度制御ロジックは、予熱を提供するために、ホスト・デバイス内に埋め込まれた局部的加熱源を利用する。温度制御ロジックは、動作デバイス内のコンポーネントによって散逸される電力を加熱源として使用することによって(すなわち自己加熱)、デバイスの動作温度を維持する。自己加熱がデバイスの温度を下側閾値温度よりも高く維持することができない場合、デバイスの動作温度の維持を支援するために、埋め込み加熱源が利用される。埋め込み加熱源は、周りの周囲温度とは独立に、デバイスの動作温度範囲の下端を拡大するために、自己加熱プロセスと共に動作する。
【0011】
本発明の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明では、当業者が本発明を実施できるように、本発明が実施され得る特定の例示的な実施形態が十分な詳細さで説明されるが、その他の実施形態も利用され得ること、ならびに論理的、構成的、プログラム的、機械的、電気的、およびその他の変更が、本発明の主旨または範囲から逸脱することなく施され得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ確定される。
【0012】
図の説明において、同様の要素は、先行する図における名前および参照番号と同様の名前および参照番号を提供される。後続の図がその要素を異なるコンテキストにおいて利用する場合、または異なる機能をもたせて利用する場合、その要素は、図番号を表す異なる先頭の数字を提供される(例えば、図2の場合は2xx、図3の場合は3xx)。要素に割り当てられた特定の数字は、説明を支援するためにのみ提供され、本発明に対するいかなる限定(構造的または機能的)も暗示する意図がない。
【0013】
特定のパラメータ名の使用は、単に例のために過ぎず、本発明に対するいかなる限定も暗示する意図がないことも理解されよう。したがって、本発明は、上記のパラメータを示すために利用される異なる命名法/用語法を限定なく用いて実施されてもよい。
【0014】
ここで図を参照すると、図1は、本発明の特徴が有利に実施され得るシステム例を示すブロック図である。システム100は、温度制御サブシステム102と、高電力コンポーネント112(本明細書では交換可能に主要コンポーネントとも呼ばれる)とを含む高パフォーマンス/システムである。温度制御サブシステム102は、(1)温度センサ104と、(2)冷却システム103と、(3)予熱器&フィードバック・システム105とを含む。予熱器&フィードバック・システム105は、加熱器106も含む。高電力コンポーネント112は、高レベルの電力散逸(107)を経験し、その結果、システム100の温度を増加させる、(機能デバイス)のコンポーネントである。温度は、温度制御サブシステム102によって検出および調整される。実施形態を説明する目的で、高電力コンポーネント112は、下側(または最小)閾値温度および上側閾値温度を有する事前確立された温度範囲内での動作を必要とするコンポーネントを表す。
【0015】
例示的な実施形態によれば、温度制御サブシステム102は、システム100内の例示的なコンポーネントを使用して、(1)主要コンポーネントの最低動作温度と対比して、主要コンポーネント(112)の温度を監視すること、(2)高電力コンポーネント112の温度が下側動作温度閾値よりも低い場合、高電力コンポーネント112の下側動作温度閾値まで高電力コンポーネント112を予熱すること、(3)下側動作温度閾値よりも高く動作温度を維持するために、高電力コンポーネント112の自己加熱特性を利用すること、ならびに以下で説明され、図2〜図5によって示されるその他の特徴/機能を含む一連の機能プロセスを完了する。さらに説明されるように、予熱器&フィードバック・システム105は、マイクロコード108も含むことができ、実行時に上記の第2および第3の機能特徴を活動化する。
【0016】
高電力コンポーネント112を含むデバイスが動作状態になる前に、高電力コンポーネント112の温度は、(下側動作温度閾値以上の)動作温度レベルまで上昇させられる。動作レベルまで温度を上昇させるため、予熱器&フィードバック・システム105内の加熱器106が活動化される(すなわち、熱を発生するための電力源として加熱器106が提供される)。高電力コンポーネント112が動作温度レベルを達成した後、システム電力が印加され、デバイスが動作状態になったときに完了する初期化手順が開始する。デバイスが動作状態になると、高電力散逸107から生じる自己加熱が開始し、加熱器106による加熱は、自己加熱が下側動作温度閾値よりも高くデバイス温度を維持できるようになるまで、徐々に低減される。高電力コンポーネント112は、自己加熱に責任をもち、それ(自己加熱)は、デバイスが動作状態になった後、動作デバイス温度を維持するために利用される。
【0017】
温度制御サブシステムは、現在のデバイス温度が最低動作温度閾値よりも低い場合、加熱器に電力を印加することによって加熱器を活動化するためのロジックを含む。ロジックはまた、現在の温度が最低動作温度閾値以上になった場合、加熱器に印加される電力を除去または低減する。デバイス初期化の後に主要コンポーネントに印加される主電力、または温度制御サブシステム用の別個の電力源を含む任意の電力源が、加熱器に電力を供給するために利用されることができる。
【0018】
一実施形態では、図2によって示され、以下で説明されるように、温度センサ104は、下側動作温度閾値(L)110に関連して主要コンポーネント112の温度を測定する、埋め込み熱ダイオードである。熱ダイオードによって検出される温度、すなわち接合温度は、温度に伴って線形に変化するダイオードの順方向バイアス電圧を測定することによって結合される。
【0019】
ここで図2を参照すると、ホスト・デバイスの加熱、冷却、および温度監視に関与するコンポーネントのデバイス・レベル(断面)図が示されている。ホスト・デバイス200は、熱ダイオード204に熱的に結合されるヒート・シンク203を含む。熱ダイオード204も、ホスト・デバイス200の高電力(散逸)コンポーネント212に熱的に結合される。
【0020】
ホスト・デバイス(またはヒート・シンク)の埋め込み熱ダイオード204は、温度に伴って線形に変化する順方向バイアス電圧を生成し、ダイオードは、この間接的な温度測定値を提供するために、ホスト・デバイスの動作を必要としない。ホスト・デバイスまたはシステムの最低動作温度を表す順方向バイアス・ダイオード電圧は、システム設計または最終試験あるいはその両方の最中または以前に、キャラクタリゼーションまたはキャリブレーションあるいはその両方を通して決定される。比較器(電圧閾値検出器)は、デバイスの温度がホスト・デバイスまたはシステムの最低動作温度に達したときのダイオードの順方向バイアス電圧を表す電圧閾値において、比較器の出力を切り替えるように構成される。
【0021】
熱ダイオード204は、電力が印加されていないまたは印加されていなかったときの安定(平均)システム周囲温度を正確に反映することが可能であるので、システム起動前および起動時における周囲温度の信頼性の高い温度モニタとして機能する。加えて、熱ダイオード204は、ホスト・システム内の高電力散逸デバイス(例えば高電力コンポーネント212)に対する熱ダイオード204の近接性のため、最大システム動作温度の戦略的監視を提供する。
【0022】
加熱器206は、ヒート・シンク203に埋め込まれ、ホスト・デバイス200に示されるように、加熱器は、熱ダイオード204に実質的に隣接して配置される。加熱器206は主として、ホスト・デバイス200内の高電力コンポーネント212の温度がコンポーネント212の下側動作温度閾値よりも低い場合に、初期化(起動)プロセスにおいて利用される。加熱器206は、ホスト・デバイス200、特に高電力コンポーネント212などの主要コンポーネントを下側動作温度閾値まで予熱することを可能にする。このような予熱は、システム起動プロセスを加速する。一実施形態では、本明細書でさらに説明されるように、加熱器206は、ホスト・デバイス200が動作状態になった後も、動作デバイス温度を維持する際の自己加熱メカニズムを支援するために利用されることができる。
【0023】
上述のコンポーネントの実際の場所/位置は、互いに対して変化することができ、例示的な実施形態は、1つの可能な実施を説明するためにのみ提供され、説明される構成に本発明を限定することは意図されていない。また、熱ダイオードとして説明されたが、サーミスタ(温度敏感抵抗)、バイメタル熱電対、またはサーモスタットなどを含むその他のタイプの多くのデバイスが、本明細書で説明される温度監視機能を提供するために利用されてよく、熱ダイオードの特定の使用は、単に温度監視の機能を説明するために過ぎず、本発明を限定することは意図されていない。
【0024】
図3は、本発明の例示的な一実施形態による、高電力システムの主要コンポーネントのための局部温度制御のシステムを示している。局部温度制御ロジック(LTCL:Localized Temperature Control Logic)300は、複数の温度制御サブシステム(TCS:Temperature Control Subsystem)301、313、317を含む。TCS301、313、317は、それぞれの温度出力307、314、319を比較器308への入力として提供する。LTCL300では、第1のTCS301は、加熱器(H)306と、主要コンポーネント(C)312と、熱ダイオード(D)304とを含む。第2のTCS313および第3のTCS317は、第1のTCS301と同様に構成され、同様の要素を含む。熱ダイオード304は、主要コンポーネント312の現在の温度を表す電圧を生成し、第1のTCS301によって生成されるその電圧値(または対応する電流)出力307は、比較器308に供給される。同様に、比較器308は、第2のTCS313によって生成される第2の入力(314)と、第3のTCS317によって生成される第3の入力(319)とを受け取る。比較器308は、デバイス(305)の下側動作温度閾値に対応する熱ダイオード電圧(V)320の基準値のキャリブレーションが施された入力も受け取る。この熱ダイオード電圧は、LTCL300では、V320によって示される。TCS301、313、317の電圧出力の各々は、比較器308の第1の入力(307)、第2の入力(314)、および第3の入力(319)として、最低動作温度閾値に対応する熱ダイオード電圧(V)320と比較される。したがって、V320は、TCS301、313、317によって生成された各対応する入力と比較するための事前確立された入力を比較器308に供給する。比較器308は、各比較に対して1つずつの3つの出力、すなわち、第1の出力309と、第2の出力316と、第3の出力321とを生成する。これらの出力はそれぞれ、ORゲート310に接続される。ORゲート310は、主要コンポーネントの動作温度ステータスを表す出力信号311を提供する。
【0025】
比較器308によって生成される3つの出力の各々、すなわち、第1の出力309、第2の出力316、および第3の出力321は、下側温度閾値が対応する主要コンポーネントによって達成されたかどうかを示す。個々の予熱器が各主要コンポーネント(312)に提供される場合、比較器308の出力は、そのコンポーネント用のそれぞれの予熱およびフィードバック回路に転送される。しかし、デバイス全体用の単一の予熱およびフィードバック回路しか存在しない場合など、そのような粒度の処理がサポートされない場合、デバイス全体の予熱を継続(または開始)するかどうかを決定するために、ORゲート310の出力信号311が利用される。ORゲート310の出力である出力信号311は、すべての主要コンポーネント(312)が動作温度を達成したかどうかを通知する。すべてのコンポーネントが動作温度を達成した場合、システム電力がすべての主要コンポーネントに印加される。その結果、第1のTCS301の加熱器306を含むすべての加熱器は、その後、非活動化され、各主要コンポーネントの動作温度を維持するため、自己加熱が継続される。ORゲートとして示されているが、1つまたは複数の主要コンポーネントがそれぞれの動作温度を達成していない場合にそのことを決定するために、OR論理関数のその他の実施またはAND論理関数あるいはその両方が利用される代替実施形態が実施されてもよいことに留意されたい。
【0026】
図4は、本発明の例示的な一実施形態による、高電力コンポーネントの動作温度範囲の下側動作温度レベルを達成するために予熱機構を適用するプロセスを示している。プロセスはブロック401で開始し、ブロック402に進み、そこで、ホスト・デバイス内の埋め込み(またはアタッチ)温度センサ(例えば、図2の熱ダイオード204)の接合温度が監視される。
【0027】
ブロック403において、デバイスの中核コンポーネントのための起動または電源投入手順が開始される。一実施形態では、起動手順は、システム「オン」ボタン/スイッチのハード的なユーザ活動化によってトリガされることができる。代替として、事前プログラムされた機構が、事前設定条件または時間/時間間隔に基づいて、デバイスの起動手順を開始することができる。ブロック404において、温度制御ロジックが、熱ダイオードによって測定された接合温度がデバイスの下側動作温度閾値よりも低いかどうかを決定する。接合温度が監視されるコンポーネントの最低動作温度閾値よりも低い場合、プロセスはブロック405に移動し、そこで、ホスト・デバイスは、デバイス(具体的にはコンポーネントまたはコンポーネントを取り巻くエリアあるいはその両方)をそのコンポーネントの最低動作温度閾値まで加熱するために、加熱器(例えば、図2の加熱器206)を利用して予熱される。
【0028】
複数のコンポーネントが順方向バイアス・ダイオード・センサおよび局部予熱器と共に戦略的に配置される一代替実施形態(図3)では、コンポーネントの個別化(細粒度:granular)予熱が、それぞれの局部予熱器によって提供されることができる。この代替実施形態は、独立監視と、その後の独立加熱とを可能にする。しかし、上でも説明されたように、ホスト・デバイス・レベルの予熱は、ANDまたはOR論理関数を提供することによって、この複数コンポーネント構成を用いてサポートされることができ、ANDまたはOR論理関数は、(a)いずれか1つのコンポーネントが最低動作温度閾値よりも低い場合にそのことを決定し、(b)1つまたは複数の主要コンポーネントの予熱を個別に、集団で、または独立のTCS301が含まれるホスト・デバイス(もしくはシステム)の予熱を伴いもしくは伴わずに、あるいはそのいずれかの組合せでトリガする。論理OR演算によって返された結果は、追加の予熱が必要とされているかどうか、またはホスト・デバイスの主要コンポーネントの1つもしくは複数がシステム電力の供給を受け入れる準備ができているかどうかを示す。個別にまたは一緒に、主要コンポーネントの有効動作温度の下側限界を拡大することによって、システム・パフォーマンスおよび信頼性を向上させるために、使用される実施が選択される。フローチャートに戻ると、ブロック404において、接合温度がデバイスの最低動作閾値温度以上である場合、プロセスはブロック406に移動し、システム電力がホスト・デバイスに印加される。システム電力の印加後、初期化手順がそれに続く。初期化手順は、ホスト・デバイスが動作状態になって完了する。プロセスは、ブロック407において終了する。
【0029】
図5は、本発明の例示的な一実施形態による、上述の温度制御ロジックを用いて設計されたデバイス/システム内の高電力コンポーネントの動作温度範囲内に温度レベルを維持するために、予熱機構と自己加熱機構の組合せを適用するプロセスを示している。プロセスはブロック501で開始し、そこで、高電力コンポーネントは動作モードになる。図4に示され、上で説明された一連のステップは、デバイス動作前に動作温度に達するための可能な手順の概要を示している。デバイスが動作状態になった後、デバイス内のコンポーネントの高電力散逸が自己加熱を提供し、ブロック503に示されるように、デバイスの温度を動作温度限界内に維持するために、自己加熱が利用される。ブロック504に示されるように、熱ダイオードは、コンポーネントの温度を継続的に監視する。ブロック505において、温度制御ロジックは、動作温度を維持するために自己加熱が十分であるかどうかを決定する。この決定は、熱ダイオードによって検出される接合温度と最低動作温度閾値との比較に基づいて行われる。ブロック505において、動作温度を最低動作温度閾値よりも高く維持するために自己加熱が十分でない場合、プロセスはブロック506に移動し、追加の熱を発生し、動作温度を最低温度閾値よりも高く維持するために、(加熱量を調整し、予熱を提供するためにフィードバック・システム内で利用される)埋め込み加熱器が利用される。
【0030】
デバイスの主要コンポーネントの局部温度が自己加熱閾値よりも低く降下した場合、動作温度を最低動作温度閾値よりも高く維持することを支援するために、加熱器は電力を提供される。自己加熱閾値を下回る接合温度の降下は、動作温度を最低動作温度よりも高く維持するために、デバイスによる自己加熱が不十分であることを示す。したがって、コンポーネントの温度を主要コンポーネントの動作温度範囲内に維持するために、自己加熱の効果と組み合わされて、埋め込み加熱器が使用される。しかし、動作温度を維持するために、自己加熱が十分である場合、埋め込み加熱器は活動化されない。
【0031】
コンポーネントの接合温度(または一般に、システムの場所が低温である場合に問題となる、システム内の任意の「ホット・スポット」)の監視は、デバイスが動作状態である間も継続される。デバイスの有効周囲動作温度範囲は、周囲温度とは独立な、1つまたは複数の主要コンポーネントを動作限界に維持するために調整される、接合温度のクリティカル・パラメータであるので、加熱器と自己加熱プロセス(デバイス内のコンポーネントからの熱散逸)の両方から発生される熱の使用は、デバイスの有効周囲動作温度範囲をより下方に拡大するためにも適用されることができる。このプロセスによって、システム・パフォーマンスは、周囲温度とは独立に保証されることができ、デバイスのシステム周囲温度に対する(加熱器または自己加熱に起因する)コンポーネントの接合温度の温度上昇に等しい量だけ、保証された周囲限界より下での動作を可能にする。
【0032】
例示的な実施形態を参照して、本発明が詳細に示され、説明されたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって形態および細部に様々な変更が施され得ることが理解されよう。例えば、熱ダイオードの使用とは異なる局部熱を検出するためのその他のメカニズムが、代替実施形態において提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態による、高電力デバイスおよび温度制御ロジックを有するシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の例示的な一実施形態による、ホスト・デバイスの加熱、冷却、および温度監視に責任を負う様々なコンポーネントの断面図である。
【図3】本発明の例示的な一実施形態による、高電力デバイスの主要コンポーネントのための局部(細粒度)温度制御のシステムを示すブロック図である。
【図4】本発明の例示的な一実施形態による、高電力デバイスの動作温度範囲内の温度レベルを達成するために予熱機構を適用するプロセスを示すフローチャートである。
【図5】本発明の例示的な一実施形態による、高電力デバイスの動作温度範囲内の温度レベルを維持するために予熱機構と自己加熱機構とを組み合わせるプロセスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
100 システム
102 温度制御サブシステム
103 冷却システム
104 温度センサ
105 予熱器&フィードバック・システム
106 加熱器
107 電力散逸
108 マイクロコード
110 下側動作温度閾値
112 高電力コンポーネント
200 ホスト・デバイス
203 ヒート・シンク
204 熱ダイオード
206 加熱器
212 高電力コンポーネント
300 局部温度制御ロジック
301 第1の温度制御サブシステム
304 熱ダイオード
306 加熱器
307 第1の入力
308 比較器
309 第1の出力
310 ORゲート
311 出力信号
312 主要コンポーネント
313 第2の温度制御サブシステム
314 第2の入力
316 第2の出力
317 第3の温度制御サブシステム
319 第3の入力
320 熱ダイオード電圧
321 第3の出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最低動作温度閾値を含む温度範囲内で動作する少なくとも1つのコンポーネントと、
温度制御サブシステムであって、
前記少なくとも1つのコンポーネントの現在温度が前記最低動作温度閾値よりも低い場合にそのことを検出し、
前記コンポーネントの動作を開始する前に、前記温度範囲内の温度まで前記少なくとも1つのコンポーネントを自動的に予熱するための温度制御サブシステムと、を含み、
前記温度制御サブシステムが、
ヒート・シンクを含む冷却機構と、
前記少なくとも1つのコンポーネントが動作状態になった場合にそのことを検出するロジックと、
前記ヒート・シンクと前記少なくとも1つのコンポーネントからの熱散逸との組合せを使用して前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を調整するロジックであって、前記熱散逸が、現在温度を前記最低動作温度閾値に少なくとも等しく、または前記最低動作温度閾値よりも高く維持するために利用される自己加熱を提供し、電力が前記少なくとも1つのコンポーネントに印加され、前記デバイスが動作状態になった後、動作温度を維持するために自己加熱が利用されるロジックと、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度が動作閾値温度よりも低く降下した場合にそのことを検出し、前記現在温度を前記最低動作温度閾値よりも高く維持するために自己加熱が十分でないことを通知するロジックと、
前記検出に応答して、前記最低動作温度閾値以上の動作温度の維持を支援するために、前記自己加熱とは独立に熱を発生する加熱器を活動化するロジックと、をさらに含む、デバイス。
【請求項2】
前記温度制御サブシステムが、前記デバイスの動作温度範囲を拡大するために、自己加熱と併用される熱を発生する前記加熱器の活動化をトリガするロジックであって、前記加熱器から発生される熱とデバイス・コンポーネントの前記自己加熱の組合せが、前記デバイスの信頼のおける動作温度範囲の下側限界を拡大するロジックをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
最低動作温度閾値を含む温度範囲内で動作する少なくとも1つのコンポーネントと、
温度制御サブシステムであって、
前記少なくとも1つのコンポーネントの現在温度が前記最低動作温度閾値よりも低い場合にそのことを検出し、
前記コンポーネントの動作を開始する前に、前記温度範囲内の温度まで前記少なくとも1つのコンポーネントを自動的に予熱するための温度制御サブシステムと、を含み、
前記温度制御サブシステムが、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を検出する1つまたは複数の温度センサと、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を増加させる熱を発生するために選択的に活動化される少なくとも1つの加熱器と、を含み、
前記最低動作温度閾値よりも低い温度を含む前記コンポーネントの前記現在温度を検出し、その現在温度を表す出力を生成するように、前記1つまたは複数の温度センサがキャリブレーションを施され、
前記温度センサが、前記少なくとも1つのコンポーネントの現在温度と相関がある順方向バイアス電圧を生成する熱ダイオードであり、
前記温度制御サブシステムが、前記順方向バイアス電圧が前記最低動作温度閾値よりも低い現在温度と相関がある場合にそのことを決定する比較器ロジックをさらに含む、デバイス。
【請求項4】
最低動作温度閾値を含む温度範囲内で動作する少なくとも1つのコンポーネントと、
温度制御サブシステムであって、
前記少なくとも1つのコンポーネントの現在温度が前記最低動作温度閾値よりも低い場合にそのことを検出し、
前記コンポーネントの動作を開始する前に、前記温度範囲内の温度まで前記少なくとも1つのコンポーネントを自動的に予熱するための温度制御サブシステムと、を含み、
前記温度制御サブシステムが、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を検出する1つまたは複数の温度センサと、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を増加させる熱を発生するために選択的に活動化される少なくとも1つの加熱器と、を含み、
前記最低動作温度閾値よりも低い温度を含む前記コンポーネントの前記現在温度を検出し、その現在温度を表す出力を生成するように、前記1つまたは複数の温度センサがキャリブレーションを施され、
前記加熱器が、ヒート・シンク内に埋め込まれ、前記温度センサが、前記少なくとも1つのコンポーネントおよび前記ヒート・シンクの近辺に配置される、デバイス。
【請求項5】
最低動作温度閾値を含む温度範囲内で動作する少なくとも1つのコンポーネントと、
温度制御サブシステムであって、
前記少なくとも1つのコンポーネントの現在温度が前記最低動作温度閾値よりも低い場合にそのことを検出し、
前記コンポーネントの動作を開始する前に、前記温度範囲内の温度まで前記少なくとも1つのコンポーネントを自動的に予熱するための温度制御サブシステムと、を含み、
前記温度制御サブシステムが、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を検出する1つまたは複数の温度センサと、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を増加させる熱を発生するために選択的に活動化される少なくとも1つの加熱器と、を含み、
前記最低動作温度閾値よりも低い温度を含む前記コンポーネントの前記現在温度を検出し、その現在温度を表す出力を生成するように、前記1つまたは複数の温度センサがキャリブレーションを施され、
前記少なくとも1つのコンポーネントが、第1のコンポーネントと、第2のコンポーネントとを含み、その各々が、対応する温度センサと、それぞれの動作温度閾値とを有し、
前記温度制御サブシステムが、
前記第1のコンポーネントと前記第2のコンポーネントの少なくとも一方の前記現在温度がそれぞれの動作温度閾値よりも低い場合にそのことを細粒度で決定する比較器ロジックと、
前記第1のコンポーネントまたは前記第2のコンポーネントのいずれか一方が前記動作温度閾値よりも低い現在温度を有する場合に、前記第1のコンポーネントおよび前記第2のコンポーネントの特定の一方の温度を局部的に増加させるために、前記加熱器の活動化をトリガするロジックと、を含む、デバイス。
【請求項6】
最低動作温度閾値を含む温度範囲内で動作する少なくとも1つのコンポーネントと、
温度制御サブシステムであって、
前記少なくとも1つのコンポーネントの現在温度が前記最低動作温度閾値よりも低い場合にそのことを検出し、
前記コンポーネントの動作を開始する前に、前記温度範囲内の温度まで前記少なくとも1つのコンポーネントを自動的に予熱するための温度制御サブシステムと、を含み、
前記温度制御サブシステムが、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を検出する1つまたは複数の温度センサと、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を増加させる熱を発生するために選択的に活動化される少なくとも1つの加熱器と、を含み、
前記最低動作温度閾値よりも低い温度を含む前記コンポーネントの前記現在温度を検出し、その現在温度を表す出力を生成するように、前記1つまたは複数の温度センサがキャリブレーションを施され、
2つ以上のコンポーネントを有し、複数のコンポーネントが、別個の加熱器および温度センサを有し、前記複数のコンポーネントの各々が、対応する最低動作温度も有し、前記温度制御サブシステムが、
前記コンポーネントの前記対応する最低動作温度よりも低い現在温度を有する、前記2つ以上のコンポーネントのうちのただ1つのコンポーネントの前記別個の加熱器を、前記コンポーネントに関連する局部加熱器を活動化することによって前記コンポーネントの温度が増加されるように、細粒度で活動化するロジックをさらに含む、デバイス。
【請求項7】
最低動作温度閾値を含む温度範囲内で動作する少なくとも1つのコンポーネントと、
温度制御サブシステムであって、
前記少なくとも1つのコンポーネントの現在温度が前記最低動作温度閾値よりも低い場合にそのことを検出し、
前記コンポーネントの動作を開始する前に、前記温度範囲内の温度まで前記少なくとも1つのコンポーネントを自動的に予熱するための温度制御サブシステムと、を含み、
前記温度制御サブシステムが、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を検出する1つまたは複数の温度センサと、
前記少なくとも1つのコンポーネントの前記現在温度を増加させる熱を発生するために選択的に活動化される少なくとも1つの加熱器と、を含み、
前記最低動作温度閾値よりも低い温度を含む前記コンポーネントの前記現在温度を検出し、その現在温度を表す出力を生成するように、前記1つまたは複数の温度センサがキャリブレーションを施され、
2つ以上のコンポーネントを有し、複数のコンポーネントが、個々の最低動作温度を有し、前記温度制御サブシステムが、
前記複数のコンポーネントのそれぞれに個々に関連する複数の温度センサと、
前記複数の温度センサから入力を受け取り、複数の比較出力を生成するために、前記入力と前記個々の最低動作温度のうち前記関連するコンポーネントに対応する最低動作温度とを比較する比較器機構と、
前記複数の比較出力を組み合わせて、前記複数のコンポーネントの少なくとも1つがそのコンポーネントの前記最低動作温度未満である場合にそのことを通知する第1の組合せ出力と、前記複数のコンポーネントの少なくとも1つがそのコンポーネントの前記最低動作温度以上である場合にそのことを通知する第2の組合せ出力の一方を生成する論理関数と、をさらに含み、
熱を提供するために前記加熱器を活動化するロジックが、前記論理関数から前記第1の組合せ出力が受け取られた場合、前記複数のコンポーネントを加熱する前記加熱器の活動化をトリガするロジックを含む、デバイス。
【請求項8】
最低動作温度を含む事前定義された温度範囲内で動作する1つまたは複数のコンポーネントと、
前記1つまたは複数のコンポーネントの前記最低動作温度と相関がある、前記1つまたは複数のコンポーネントの最低動作温度と対比される前記1つまたは複数のコンポーネントの温度の監視を行うための少なくとも1つの温度センサと、
少なくとも1つの熱発生機構と、
前記1つまたは複数のコンポーネントの温度が前記最低動作温度よりも低く、デバイスが動作状態にされている場合に、前記1つまたは複数のコンポーネントを前記1つまたは複数のコンポーネントの前記最低動作温度以上の温度まで予熱するように加熱器を制御するロジックと、
前記1つまたは複数のコンポーネントが前記最低動作温度以上の温度まで予熱された場合に、システムにシステム電力を印加するロジックと、を含むシステム。
【請求項9】
前記温度センサが、前記1つまたは複数のコンポーネントに実質的に隣接して配置され、前記1つまたは複数のコンポーネントの現在温度にその値が相関する順方向バイアス電圧を生成する熱ダイオードであり、
前記制御するロジックが、前記1つまたは複数のコンポーネントの前記現在温度が前記最低動作温度よりも低いかどうかを決定するために、前記ダイオードの前記順方向バイアス電圧を、前記1つまたは複数のコンポーネントの前記最低動作温度を表す事前設定された基準順方向バイアス電圧と比較するロジックをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御するロジックが、前記1つまたは複数のコンポーネントの現在温度が前記1つまたは複数のコンポーネントの前記最低動作温度よりも低い場合に、前記1つまたは複数のコンポーネントを予熱するために、前記熱発生機構を活動化することによって、前記1つまたは複数のコンポーネントを取り巻くエリアを予熱するロジックを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
自己加熱を提供するためにデバイスによって散逸される熱と前記1つまたは複数のコンポーネントに適用される冷却の量とのバランスを取ることによって、前記1つまたは複数のコンポーネントの動作温度の範囲内に前記1つまたは複数のコンポーネントの温度を維持するロジックと、
前記1つまたは複数のコンポーネントの温度が前記システムの動作中に前記最低動作温度よりも低く降下し、自己加熱として前記システムによって散逸される熱が前記1つまたは複数のコンポーネントの温度を動作温度の前記範囲内に維持するのに十分でないことを示した場合、前記自己加熱と組み合わせる追加の熱を発生するために、前記熱発生機構を活動化するロジックと、をさらに含み、
前記活動化するロジックが、前記温度センサからフィードバックを受け取り、前記1つまたは複数のコンポーネントにとって望ましい温度範囲を達成するために、調整された方式で前記熱発生機構を選択的に活動化することによって前記フィードバックに応答するロジックをさらに含み、
前記システムの動作が、前記熱発生機構および自己加熱に起因する前記1つまたは複数のコンポーネントの温度上昇に実質的に等しい量だけ保証された周囲限界よりも低い温度で可能にされる、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
個々の最低動作温度を有する複数のコンポーネントを有し、
前記複数のコンポーネントのそれぞれに個々に関連する複数の温度センサと、
前記複数の温度センサから入力を受け取り、複数の比較出力を生成するために、前記入力と前記個々の最低動作温度のうち前記関連するコンポーネントに対応する最低動作温度とを比較する比較器機構と、
前記複数の比較出力を組み合わせて、前記複数のコンポーネントの少なくとも1つがそのコンポーネントの前記最低動作温度未満である場合にそのことを通知する第1の組合せ出力と、前記複数のコンポーネントの少なくとも1つがそのコンポーネントの前記最低動作温度以上である場合にそのことを通知する第2の組合せ出力の一方を生成する論理関数と、をさらに含み、
前記複数のコンポーネントに熱を提供するために前記加熱器を活動化する前記ロジックが、前記論理関数から前記第1の組合せ出力が受け取られた場合、前記加熱器の活動化をトリガするロジックを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つまたは複数のコンポーネントが、別個の加熱器および温度センサを有する複数のコンポーネントを含み、前記複数のコンポーネントの各々が、対応する最低動作温度も有し、前記制御するロジックが、
前記コンポーネントの前記対応する最低動作温度よりも低い現在温度を有する、前記複数のコンポーネントのうちのただ1つのコンポーネントの前記別個の加熱器を、前記コンポーネントに関連する局部加熱器を活動化することによって前記コンポーネントの温度が増加されるように、細粒度で活動化するロジックをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
ホスト・デバイスの1つまたは複数のコンポーネントの最低動作温度閾値と比べて前記1つまたは複数のコンポーネントの温度を監視するステップと、
前記1つまたは複数のコンポーネントの温度が前記最低動作温度閾値よりも低い場合、前記1つまたは複数のコンポーネントの前記最低動作温度閾値まで前記1つまたは複数のコンポーネントを自動的に予熱するステップと、
前記1つまたは複数のコンポーネントが前記最低動作温度閾値よりも高い温度まで予熱された場合にのみ、前記ホスト・デバイスの前記1つまたは複数のコンポーネントへのシステム電力の印加を可能にするステップと、を含む方法。
【請求項15】
前記ホスト・デバイスが、埋め込み熱ダイオードおよび加熱源を含み、
前記監視するステップが、前記1つまたは複数のコンポーネントの局部動作温度を決定するために、前記1つまたは複数のコンポーネントの近辺に配置される前記熱ダイオードの順方向バイアス電圧を、前記1つまたは複数のコンポーネントの最低動作温度を表す事前設定された基準順方向バイアス電圧と比較するステップをさらに含み、
前記予熱するステップが、前記1つまたは複数のコンポーネントの局部温度が前記1つまたは複数のコンポーネントの前記最低動作温度閾値よりも低い場合、前記ホスト・デバイスを予熱するために前記埋め込み加熱源を活動化するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記印加するステップが、動作状態になるように前記ホスト・デバイスを初期化するステップを含み、
前記方法が、
前記ホスト・デバイスのコンポーネントによって発生される熱を自己加熱として利用して、前記ホスト・デバイスの温度を動作温度範囲内に維持するステップと、
望ましい温度範囲を達成し維持するために、調整された方式で前記加熱源が選択的に利用されるフィードバック・システムを活動化するステップと、
前記デバイスの温度が前記最低動作温度よりも低く降下した場合、前記埋め込み加熱源から発生される熱を前記コンポーネントの自己加熱と組み合わせて、前記1つまたは複数のコンポーネントの温度を前記動作温度範囲内に維持するために、前記埋め込み加熱源を活動化するステップと、をさらに含み、
前記デバイスの動作が、自己加熱および前記埋め込み加熱源からの加熱に起因する前記1つまたは複数のコンポーネントの温度上昇に等しい量だけ周囲限界よりも低い温度まで拡大される、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−70085(P2013−70085A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−270285(P2012−270285)
【出願日】平成24年12月11日(2012.12.11)
【分割の表示】特願2008−173209(P2008−173209)の分割
【原出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】