説明

デバイス製造装置および方法

【課題】デバイス製造の変種変量生産に柔軟に対応すること。
【解決手段】0.5インチサイズのウェハによる枚葉処理方式でのデバイス製造方法及び装置であって、可搬とされ、望ましくは規格化された外形を有し、製造プロセスの内の1つの処理プロセスを処理する密閉型の単位処理装置1を多数配置して製造ラインを形成し、当該デバイスの製造単位数が単位処理装置の数より多い場合には、当該デバイスの処理プロセスの順序に対応させて該単位処理装置をフローショップ方式により配置し、当該デバイスの製造単位数が単位処理装置の数と同等の場合には、該単位処理装置を工程の順序の大分類ごとにクラス分け配置したクラスショップ方式により配置し、さらに製造単位数が工程数を大きく下回る場合には、プロセス種1種類に1台程度の単位製造装置を1つのセル内に配置し、そのセルが複数で構成されるマルチセルショップ方式により配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス等の変種変量生産に適合するデバイス製造装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの製造ラインは、広大なクリーンルーム内に、同種機能の処理装置を纏めたベイと呼ばれるユニットを複数備え、そのベイ間を搬送ロボットやベルトコンベアで接続するジョブショップ方式を採用したレイアウトが主流になっている。
また、そのような製造ラインで処理されるワークに、12インチなどの大口径のウェハが使用され、1枚のウェハから数千個の半導体チップが製造される生産システムとされている。
【0003】
ところがこのジョブショップ方式では、複数の似たような処理工程を繰り返す場合には、ベイ内での搬送やベイ間での搬送距離が大幅に伸びるとともに、待機時間も増加するため、製造時間が増大し、仕掛品の増大を招くなどコストアップの要因となり、ワークを大量処理する製造ラインとしては、生産性の低さが問題となる場合が生じる。
そこで、従来のジョブショップ方式の製造ラインに代え、半導体処理装置を処理工程順に配置したフローショップ方式による製造ラインも提案されている。
【0004】
一方、このようなフローショップ方式による製造ラインは、単一の製品を大量に製造する場合には最適であるが、製造品を変えることで製造手順(レシピ)を変えなければならない場合には、製造ラインでの各半導体処理装置の配置をワークの処理フロー順に並べ替えることが必要となる。しかしながら、製品が変わるたびにそのような並べ替えを行うのは、再配置のための手間と時間を考慮すると、現実的ではない。特に、クリーンルームという閉鎖空間内に巨大な半導体処理装置が固定配置されている現状では、その半導体処理装置をその都度再配置することは、現実的には不可能である。
【0005】
また、これまでの半導体製造システムでは、製造コストを極小とするためのファクターとして同時生産性(単位時間あたりの生産量)を最重要視してきたため、ワークサイズ(シリコンウェハサイズ)の大口径化や製造単位数(1つの製品に対するオーダー数)の増大が優先され、メガファブとも言うべき、巨大化した製造システムが指向されてきた。
このような巨大な製造システムでは、プロセス数も数百を越え、それに比例してベイ数や装置数も大幅に増大してきている。
このため製造ライン全体としてのスループットは向上してきたものの、このようなメガファブを構築するには数千億円もの設備投資が必要とされ、総投資額が巨額化している。
また、このように製造システムが巨大化するに伴い、装置制御が複雑化して、搬送系での搬送時間や待ち時間が飛躍的に増大しているため、生産ライン内で滞留する仕掛かりウェハ数もそれに応じて飛躍的に増加している。ここで使用される大口径のウェハの単価は非常に高いので、仕掛かり枚数が増大するとコスト上昇を招くこととなる。
このようなことなどから、設備投資を含めたトータルでの生産性は、現在より小口径のウェハを用いた比較的中規模の製造ラインと比べて、現状では、もはや減少する方向に転じていると言われている。
【0006】
図7に、このようなメガファブによる半導体製造システムでのサイズ効果を示す。
ウェハサイズを12インチとする現状での最新鋭の半導体工場(メガファブ)の場合、装置数は300台、システム内に滞在する仕掛かりウェハ数は17000枚、使用するマスク数は34枚、床面積は20000平米で、設備投資額は約3000億円にも及ぶ。 この場合、月産性能は1cmチップ換算で年間1億4千万個となるが、ウェハ稼働率は1%未満であり、資源利用効率は、0.1%未満である。ただし、前提条件を、各プロセスでの所要時間(サイクルタイム)を1分/wafer、プロセス数をメタル8層半導体の場合で500工程、デザインルールを90nmとする。
【0007】
一方、エンジニアサンプルやユビキタスセンサー用など、製造単位数が数個〜数百個というような超少量の半導体を製造するニーズも存在する。
このような巨大な製造システムでなければこの超少量生産はコストパフォーマンスをさほど犠牲にすることなく行うことが可能であるが、このような巨大な製造システムでは、この超少量生産を製造ラインに流すにはコストパフォーマンスが極端に悪くなることから、これと同時に、他の品種を該製造ラインに流さざるを得ないこととなる。
しかしながら、そのように多品種を同時に投入して混流生産をするとなると、製造ラインの生産性は品種数の増大とともに一層低下することとなるので、結局のところ、このような巨大な製造システムでは、超少量生産でかつ多品種生産に適切に対応することができない。
【0008】
これまで、フローショップ方式やジョブショップ方式を採用するデバイス製造システムでは、それぞれの方式での稼働率の低下に対する種々の工夫が提案されている(特許文献1あるいは特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−197500号公報
【特許文献2】特開2008−227086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1および特許文献2に記載の発明は、フローショップ方式やジョブショップ方式における効率化を図るものではあるが、多品種の超少量生産および単品種の多量生産のいずれであっても、品質を担保しつつコストパフォーマンスも良いようにするには十分でない。つまり、変種変量生産に対して柔軟に対応するには十分でない。
【0011】
また、研究開発の成果は、実際の製造システムに組み込まれることにより実証され、初めて社会に還元されることとなる。これは、半導体分野においても同様である。
しかしながら、メガファブのような巨大なデバイス製造システムに研究開発の成果を組み込むには、それを大規模なデバイス製造装置に組み込めるように生産技術として構築しなければならず、さらに多くの時間と経営資源の投入が必要となる。
これが、研究開発と市場間に横たわる、所謂「死の谷」と呼ばれるものであり、現状のデバイス製造システムでは、優秀な研究開発成果であっても、せっかく研究開発されたにもかかわらず社会に十分に還元されないという課題を有している。
【0012】
さらに、従来の巨大な半導体製造システムにおいては、個々の製造装置が巨大で、工場内に置いて容易に移動できるものではなかった。そのため、装置の移動が困難であり、製造物の搬送経路を短縮するように配置変更することは不可能であり、また、メインテナンスや修理を、装置製造工場へ返送できず、その場で行わなければならないために、多額の出張人件費が必要となり、また多くの時間を要するという困難さがあった。この装置の巨大さは、装置価格と製造物製造コストが莫大なものとなる大きな要因であった。
【0013】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体等のデバイス製造の変種変量生産に柔軟に対応することのできるデバイス製造装置およびデバイス製造方法を提供することである。
また、半導体等のデバイス製造に関する研究開発の成果を、実際の製造ラインに早期かつ容易に組み込むことができるデバイス製造装置およびデバイス製造方法を提供することである。
さらに、装置価格や製造物製造コスト、あるいはメンテナンスコストを大きく低減することができるデバイス製造装置およびデバイス製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、デバイス製造プロセスの内の単一の処理プロセスを処理する密閉型の複数の単位処理装置と、ワーク対象のウェハを1枚収納する密閉搬送容器と、前記単位処理装置毎に設けられ、前記ウェハを前記単位処理装置と前記密閉搬送容器との間で受け渡すためのウェハ入出前室と、前記ウェハ入出前室の間で前記密閉搬送容器を搬送する搬送手段と、を有するデバイス製造装置であって、
前記密閉搬送容器に収納される前記ウェハは、極小単位のデバイスを作製するウェハサイズであり、前記複数の単位処理装置は、可搬とされており、
前記複数の単位処理装置は、当該デバイスの処理プロセスの順序に対応させて配置するフローショップ方式により配置するが、当該デバイスの製造単位数が前記単位処理装置の数と同等の場合には、該単位処理装置を処理プロセスの順序の大分類ごとにクラス分け配置したクラスショップ方式により配置し、さらに製造単位数が前記単位処理装置の数を前記同等より下回る場合には、プロセス種1種類に1台程度の単位処理装置を1つのセル内に配置し、前記セルが複数で構成されるマルチセルショップ方式により配置することを特徴とするデバイス製造装置とした。
【0015】
ここで、「単一の処理プロセス」とは、1個の可搬性の容器容量内に収納することができるプロセス単位をいい、従来のデバイス処理プロセスの内の1つの処理プロセスを示すほかに、該容器容量内に収納することができる限りにおいて、従来の処理プロセスを複数含むものや、あるいは従来は1つの処理プロセスで行っているものを複数に分割したものも含む。
【0016】
このように構成された本発明によれば、各単位処理装置を、単一の処理プロセスを処理するプロセス処理装置とし、しかも可搬としているので、ワーク対象のウェハを、極小単位のデバイスを作製するウェハサイズとし、しかも1枚ごとに処理する枚葉式処理方式とすることにより、複数の単位処理装置を製造プロセスの変更や製造単位数に応じてフレキシブルにレイアウト変更することができ、デバイス製造装置としてスループットの生産効率と品質を向上させることができる。
また、該単位処理装置は、極小単位のデバイスを作製するウェハサイズを対象として1枚ごとに処理するものであり、また単一の処理のみを行うものであるので、実験段階でのデバイス処理装置と同様の条件であるため、該実験段階の研究開発成果を該単位処理装置に容易に取り入れることが可能であり、研究―開発―生産の一体化を早期に図ることができ、いわゆる「死の谷」を克服することができる。
また、製造ラインを収容する大きなクリーンルームが必要ないことなどから、従来のメガファブに比べ、製造に係るエネルギー効率が極めて良く、作業者にとっても作業効率が良い。
また、このような単位処理装置自体の製造単価は低廉であるし、しかも製造ラインをクリーンルーム内に構築する必要がないので、多数の単位処理装置を用いることが必要であるとしても、製造ラインの構築はメガファブの構築に比較して遥かに安価である。
【0017】
また、従来の製造装置は、そのサイズが数メートル、重量が10トンなどと、移動は不可能なものがほとんどであった。実際に工場外へ搬入、搬出の際は、装置をばらばらに分解することが多い。そのため、装置の故障時やメインテナンス時に、製造装置メーカのメインテナンス担当者を、工場へ出張させて現場で修理やメインテナンスをする必要があった。これは現実のビジネスの中では、たいてい無料サービスとなっており、その代わり、装置購入価格に購入後のオンサイト・サービス代金を上乗せすることが普通であった。さらに、修理やメインテナンスを行うと、場合によっては、作業で微粒子が大量に発生するために、他の製造装置への影響が出るのを防ぐために、ラインを停止するケースもあった。
これに対して、本発明に係る単位処理装置は、小型軽量化により可搬とされているので、高額なオンサイト・サービスを行う必要が無く、装置メーカへ単位処理装置を返送することができる。また、メインテナンスや故障することを前提に、代替装置を予め工場内に用意しておく事ができるので、メインテナンスと故障修理に要する時間は、装置の入れ替えにかかる、1分程度と極めて短時間で済んでしまう。従来の工場の稼働率は故障・メインテナンス時間の分だけ低下していたが、本発明では、その低下分はほとんど無視できるほどゼロに近く、稼働率を究極の100%に近づけることができる。
【0018】
ここで、製造単位数が超少量から超大量まで変動する場合について考察する。
1個注文などの極めて少ない製造単位数に対しては、1つのセルショップで対応可能である。すなわち、製品製造の初期、特に試作段階などにおいて、注文数が極めて少ない場合には、マルチセルショップで製造する。その後、ある品種またはいくつかの品種の注文数が増加することがある場合、より製造速度が速いクラスセルショップ配置に変更できる。さらに、単一品種の注文数が増大し、それのみの製造する場合には、その品種のプロセス手順(プロセスレシピ)の順序に該単位処理装置を配置するフローショップ配置に変更し、さらに製造速度を向上させることができる。1つのフローショップの製造能力を超える注文が有る場合には、フローショップをパラレルに配置するパラレルフローショップ方式として拡張し、注文数だけ製造することが可能となる。
【0019】
マルチセルショップでは、たとえば洗浄装置はセル当たり1台とするなど、1つのセル内には1つのプロセス種に対して一つの単位処理装置を配置する。従って、1つのプロセス種、たとえば洗浄プロセスを複数回使う半導体デバイスの製造工程においては、1つのデバイス製造が完了するまでに単位処理装置は複数回利用することになる。一般的には、複数回の利用のそれぞれに処理条件(処理時間、処理温度、原料供給量など)は僅かに異なることが多い。このため、その処理毎に処理条件を変更する必要があってその分生産効率が低下する。
【0020】
一方、クラスショップにおいては、一つのプロセス種に対して、沢山の単位処理装置を用意するので、複数回利用のそれぞれの利用に適したプロセス条件を予め設定することができる上、似たようなプロセス条件の複数回利用を1台の単位処理装置に任せることができ、単位処理装置の機能を、プロセス条件に特化した単機能化した装置仕様とすることができる。単機能化によって処理の高速化と装置の低コスト化を計ることができるので有用である。
さらに、クラスショップ方式では、処理プロセスの順序の大分類毎に単位処理装置群をグルーピング化する。たとえば、メモリやCPU、システムLSIなどのデバイスの場合、トランジスタゲート工程、トランジスタソース・ドレイン工程、ローカル配線工程、グローバル配線工程の4工程に大きく分割、グルーピングすることができる。一旦、ゲート工程を終えると、ソース・ドレイン工程へ移行するが、ゲートはすでに形成できているのでゲート工程に戻ることはない。このように、該4工程間では、不可逆的にウェハが搬送される。従って、該4工程それぞれで単位製造装置群を構成することは、搬送距離を極小化する上で極めて有利である。
従来の一般のジョブショップでは、このようなグルーピングが成されずに、洗浄装置は洗浄ベイに、エッチングはエッチングベイに配置されているため、洗浄→堆積→塗布→露光→現像→エッチングという一回のリソグラフィのプロセスセットを実行するだけで、工場内をほぼ1周することになる。実際、600工程ほどあるシステムLSIの製造においては、全ての工程を完了するまでに50km程度もの搬送が必要になる。長大な搬送の間にウェハ汚染が進行するため、0.5km程度(実際には1回のリソグラフィのプロセスセット1サイクルに要する搬送距離)に1度程度の頻度で洗浄プロセスを入れる必要がある。このため洗浄プロセスが100回ほど必要であり、そのたびにCD-SEMなどの検査工程も併せて必要となる。
【0021】
クラスショップでは、先の洗浄→堆積→塗布→露光→現像→エッチングという1回のリソグラフィに必要な単位処理装置群は、一つ一つのクラスベイ内に最適に配置されているため、搬送距離は極めて小さくなる。これにより製造全体に要する時間を大幅に短縮すると共に、搬送による汚染機会が小さくなるため、洗浄装置と検査装置を大幅に省略することができる。また、本発明においては、従来のメガファブに用いられているプロセス処理装置に比べ遥かに小さな単位処理装置を用いるために、装置間の搬送距離が、1台の装置面積が100倍のメガファブと比較して飛躍的に短縮される。メガファブにおいて600工程が必要なシステムLSIは、本発明のクラスセルショップにおいては400工程程度に減少し、全搬送距離は、メガファブの50km程度から、4km程度へと短縮される。
【0022】
この特徴は、本発明のフローショップではさらに顕著になる。このフローショップでは工程フローの順に単位処理装置が配置されているため、全搬送距離は僅か160mで済む。従って、製造時間が大幅に短縮されるだけでなく、洗浄装置と検査装置はほとんど不要になると同時に、良品率を大きく向上させることができる。
【0023】
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記単位処理装置は、いずれも規格化された外形を有していることを特徴とするデバイス製造装置とした。
【0024】
このように構成された本発明によれば、各単位処理装置はいずれも規格化された外形を有しているので、該単位処理装置のレイアウト変更に伴う運搬や位置決め作業等が容易となる。また、各単位処理装置と外部とを接続する構成や、密閉搬送容器を搬送する搬送手段の構成、あるいは単位処理装置を配置する構成を規格化することができるなどにより、デバイス製造装置自体のコストを下げることができる。さらに、密閉搬送容器の搬送制御を単純化したり、効率化したりすることもできる。
【0025】
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記製造単位数および該製造単位の処理に必要なレシピに基づいて、前記複数の単位処理装置を前記フローショップ方式、前記クラスショップ方式または前記マルチセルショップ方式に配置するレイアウト装置を有していることを特徴とするデバイス製造装置とした。
【0026】
このように構成された本発明によれば、単位処理装置は可搬することができるように構成されているので、レイアウト装置を用いることにより、前記複数の単位処理装置をフローショップ方式、クラスショップ方式またはマルチセルショップ方式に容易に配置変えすることができる。
【0027】
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記製造単位数に応じて、前記フローショップ方式の製造ラインを複数ラインとすることを特徴とするデバイス製造装置とした。
【0028】
このように構成された本発明によれば、製造単位数が数千個あるいは数十万個であっても、単にフローショップの製造ラインを増設するのみで足り、大きなクリーンルームを必要としないなど、メガファブのような膨大な設備投資を必要とすることがない。
【0029】
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記極小単位を1個とし、前記ウェハサイズを直径0.5インチとすることを特徴とするデバイス製造装置とした。
【0030】
このように構成された本発明によれば、ワークの対象をウェハ1枚―デバイス1個の枚葉式としたので、単位処理装置、密閉搬送容器、ウェハ入出前室および搬送手段などを単純化することができ、製造ラインを一層安価に構築することができる。
【0031】
また、上記目的を達成するために、本発明は、極小単位のデバイスを作製するウェハサイズのウェハを用い、デバイス製造プロセスの内の単一の処理プロセスを処理する密閉型の単位処理装置を複数用いてデバイスを製造するデバイス製造方法であって、
前記複数の単位処理装置は、可搬とされており、
当該デバイスの製造単位数が前記単位処理装置の数より多い場合には、前記複数の単位処理装置を当該デバイスの処理プロセスの順序に対応させて配置するフローショップ方式により配置するが、当該デバイスの製造単位数が前記単位処理装置の数と同等の場合には、該単位処理装置を工程の順序の大分類ごとにクラス分け配置したクラスショップ方式により配置し、さらに製造単位数が前記単位処理装置の数を前記同等より下回る場合には、プロセス種1種類に1台程度の単位処理装置を1つのセル内に配置し、前記セルが複数で構成されるマルチセルショップ方式により配置すること特徴とするデバイス製造方法とした。
【0032】
このように構成された本発明によれば、単一の処理プロセスを処理する単位処理装置を規格化し、可搬としているので、製造プロセスの変更や製造単位数の変更に応じてフレキシブルにレイアウト変更することが容易であり、スループットでの生産効率と品質を向上させることができるデバイス製造方法とすることができる。
また、本発明のデバイス製造方法では、ワーク対象のウェハを、極小単位のデバイスを作製するウェハサイズとするものであるから、実験段階でのデバイス処理装置と同様の条件であるため、該実験段階の研究開発成果を該単位処理装置に容易に取り入れることが可能であり、研究―開発―生産の一体化を早期に図ることができ、いわゆる「死の谷」を克服することができる。
また、本発明のデバイス製造方法では、製造ラインを収容する大きなクリーンルームが必要ないことなどから、従来のメガファブに比べ、製造に係るスループットでのエネルギー効率が極めて良く、作業者にとっても作業効率が良い。
さらに、本発明のデバイス製造方法では、このような単位処理装置自体の製造単価は低廉であるし、しかも製造ラインをクリーンルーム内に構築する必要がないので、多数の単位処理装置を用いることが必要であるとしても、製造ラインの構築はメガファブの構築に比較して遥かに安価である。
【0033】
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記単位処理装置は、いずれも規格化された外形を有していることを特徴とするデバイス製造方法とした。
【0034】
このように構成された本発明によれば、各単位処理装置はいずれも規格化された外形を有しているので、該単位処理装置のレイアウト変更に伴う運搬や位置決め作業等が容易となる。また、各単位処理装置と外部とを接続する構成や、密閉搬送容器を搬送する搬送手段の構成、あるいは単位処理装置を配置する構成を規格化することができるなどにより、デバイス製造装置自体のコストを下げることができる。さらに、密閉搬送容器の搬送制御を単純化したり、効率化したりすることもできる。
【0035】
さらに、上記目的を達成するために、本発明は、前記極小単位を1個とし、前記ウェハサイズを直径0.5インチとすることを特徴とするデバイス製造方法とした。
【0036】
このように構成された本発明によれば、ワークの対象をウェハ1枚―デバイス1個の枚葉式としたので、単位処理装置、密閉搬送容器、ウェハ入出前室および搬送手段などを単純化することができ、製造ラインを一層安価に構築することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、製造単位数の変化に柔軟に対応することができる。つまりフローショップレイアウト、クラスショップレイアウト及びマルチセルショップレイアウト間のレイアウト変更を極めて容易に行うことができるので、個々の製造装置を遊ばせてしまうことがなくなり、好況不況変化に大変強いフレキシブルなデバイス製造装置及び方法とすることができる。
また、本発明では、単位処理装置と搬送系内部が人作業空間から遮断されているために、デバイス製造装置全体を収納するクリーンルームが必要ないので、作業者にとって作業効率が良い。また処理対象とするウェハが極小単位のウェハサイズであり、しかもクリーンルームが必要ないこともあり、従来のメガファブに比べ製造に係るエネルギー効率が極めて良い。
さらに、実験段階での研究開発の成果であっても実際の製造装置に容易に取り入れることが可能なので、研究―開発―生産の一体化を早期に図ることがきる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態例に係る製造ラインの一部の拡大説明図。
【図2】本発明の実施の形態例に係る製造ラインに用いる単位処理装置の斜視図。
【図3】本発明の実施の形態例に係る製造ラインに用いる密閉搬送容器の分解斜視図。
【図4】本発明の実施の形態例に係る製造ラインのフローショップ方式の配置例。
【図5】本発明の実施の形態例に係る製造ラインのジョブショップ方式の配置例(クラスショップレイアウト)。
【図6】本発明の実施の形態例に係る製造ラインのジョブショップ方式の配置例(マルチセルショップレイアウト)。
【図7】半導体システムのサイズ効果を説明する表。
【図8】本発明の実施の形態例における単位処理装置を用いた製造ラインの配置例(セルショップレイアウト)。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態例を、半導体デバイスの製造を例に、図面を参照して説明する。
図2に単位処理装置1を斜視図で示す。左側の斜視図は、単位処理装置1へウェハを搬入搬出するウェハ入出前室5側からの斜視図であり、右側の斜視図は、前記ウェハ入出前室5とは反対側からの斜視図である。図2に示すように、単位処理装置1は、単一の処理プロセスを行うための処理空間を有する装置上部1dであるプロセス処理本体部1aと、該プロセス処理本体部1aに対する原料供給系や排気系、制御装置等を内蔵する装置下部1eと、該プロセス処理本体部1a(装置上部1d)と該装置下部1eとを接続する上下連結スペーサ1cとからなり、該上下連結スペーサ1fによりプロセス処理本体部1aと装置下部1eとが必要に応じて分離可能に構成されている。
この単位処理装置1は、略直方体に規格化された外形を有しており、装置下部1eの下部には、単位処理装置1を移動するための移動手段としてキャスター(図示せず)が設けられており、必要に応じて移動することができるように構成されている。
また、該装置下部1eには、単位処理装置側コネクタ部1bが設けられ、該コネクタ部1bには、プロセス処理本体部1aで用いる原料、例えば洗浄液や洗浄ガス、原料ガスなどを外部の原料供給源から供給する原料供給配管や、プロセス処理本体部1aからの排出物を排出するための排出管、更には、外部の中央制御装置とを結ぶ制御信号線や外部の電力源とを結ぶ電力線等が纏められ、配管コネクタ1gを介して後述するポストへ連結される。
さらに、該装置下部1eには、単位処理装置1の移動に伴い、所定の位置に位置決めを行うガイド部1cが設けられている。
【0040】
プロセス処理本体部1aは、その外形がデスクトップサイズに規格化した同一の外形を有しており、後述するウェハ入出前室5が配置される側面には、該ウェハ入出前室5と該プロセス処理本体部1aとを空間的に導通してウェハを一時的に通過させる扉部(図示せず)が形成されている。
ここで、「デスクトップサイズ」とは、人が比較的容易に持ち運べる程度のサイズであって、具体的には、1辺が最大でも70cm程度の略直方体である。
本実施の形態例では、単位処理装置1は、縦横が約30cm、高さが約140cmに規格統一された略直方体とされ、その重量はそれぞれの単位処理装置1によって異なるが、標準的には約60キログラムとされている。その内、プロセス処理本体部1aは、縦横が約30cm、高さが約70cmに規格統一された略直方体のデスクトップサイズとされ、その重量は標準的には約30キログラムとされている。
したがって、プロセス処理本体部1aのみを単位処理装置1から分離して運搬することも容易であり、そのようにプロセス処理本体部1aを分離して所要の場所に移動させ、そこで単位処理装置1としての機能を点検・修理したり改良したりすることも容易となる。
【0041】
また、先に説明したように、「単一の処理プロセス」というのは、1個のデスクトップサイズの容器容量内に収納することができる処理プロセスの一つのまとまりをいうが、これについて、例を用いて具体的に説明する。
実際の半導体デバイスのウェハ工程は、主に、洗浄、塗布、露光、現像、エッチング、堆積(CVD,スパッタなど)、不純物制御(イオン注入、拡散など)、検査、CMP(研磨)などのプロセスで構成されている。それぞれのプロセスは、さらに詳細な要素プロセスで構成されている。たとえば、シリコンウェハの洗浄プロセスとは次のプロセス群の総称である。
(1) 超純水洗浄(ラフ洗浄)、(2) 硫酸加水洗浄(有機物除去)、(3) 超純水洗浄(濯ぎ)、(4) NH4OH-H2O2-H2O (SC-1)洗浄 (微粒子除去)、(5) 希フッ酸洗浄 (酸化物除去による付着微粒子除去)、(6) HCl-H2O2-H2O (SC-2)洗浄 (金属原子除去)、(7) 希フッ酸洗浄 (酸化物除去)、(8) 超純水洗浄 (濯ぎ)、(9) IPA(Isopropyl Alcohol)蒸気乾燥 (水分除去)。
本実施の形態例では、一つの単位処理装置がこの一連の洗浄プロセス(1)〜(9)を行うものであってもよいし、(1)、(2)の有機物除去、(3)〜(9)の微粒子と金属原子除去の2つの洗浄を行う2つの単位処理装置で構成するものであることもできる。
また、別の半導体工程の例である、塗布プロセスは、(a) 表面処理、(b) レジスト塗布、(c) プリベーク (レジストの硬化)の総称である。このうち、(a)は、ウェハ表面の親水疎水制御プロセスであるから、この(a)表面処理を上記洗浄プロセスの(3)〜(9)を行う単位処理装置で行うことも可能である。
【0042】
このように、本発明では、単位処理装置1は、処理方法が類似の要素プロセスをひとまとめにして、一つの単位処理装置1で処理することを基本とする。または、処理方法が大きく異なっていても、連続した2つのプロセスを、同一装置内で行うことが技術的に有利であれば、それらを一つの単位処理装置1で処理することがある。
例として、上記洗浄プロセス(8)の濯ぎ工程の後の(9)IPA蒸気乾燥工程は、(8)の処理後、極力一つの単位処理装置内で行うことが望ましい。なぜならば、ウェハ上の残留水分がウェハ表面原子を原子スケールではエッチングする作用があり、放置すると、エッチング残渣がウォータマークとして凝集してしまう問題があり、これを防ぐためにエッチングが進行しないうちにIPA蒸気乾燥を行う必要があるからである。
【0043】
そして、この単位処理装置1は、後述するように、極小単位の半導体デバイス、実施の形態例としては0.5インチサイズのウェハから1個の半導体デバイスを作製するウェハサイズを処理対象とし、それを1枚ずつ処理するのであるから、いわば実験段階での半導体処理装置と同様なレベルの処理を行うものである。したがって、研究室における実験段階の研究開発成果であっても、この単位処理装置1における処理装置として容易に取り込むことが可能となっている。
【0044】
また、プロセス処理本体部1aは、外気と遮断することができる密閉型となっており、装置下部1eに内包した、或いは単位処理装置1の外部に設けた局所クリーン化装置によって、内部のクリーン化が行えるようになっている。この局所クリーン化装置は、プロセス処理本体部1aの内容積が極めて小さいため、非常に効率よく機能させることができる。
このように、本発明では、単位処理装置1の内部のみを、いわばクリーンルーム化しており、従来のように製造ライン全体をクリーンルーム内に載置するものとは本質的に異なる。
また、本発明においては、単位処理装置1をプロセス処理の内容に応じて真空状態とすることが必要であるが、プロセス処理本体部1aの内容積が極めて小さいため、同様に、非常に効率よく真空状態にすることができる。
【0045】
次に、該単位処理装置1を用いた半導体製造装置及び方法について、説明する。
図1に示すように、各単位処理装置1は、製造ラインを形成するためのレール状に形成されたガイドウェイ2上に前記ガイド部1cが載置されることで、床上に予め設定された同一の半導体生産ライン上に位置決めされる。通常の状態では、各単位処理装置1は、レシピの順序に従って、該ガイドウェイ2上にフローショップ方式で配置される。図1における単位処理装置1の配置例では、単位処理装置1が所定の間隔をおいて規則的に配置されているが、各単位処理装置1を、間隙を開けないように密接配置してもよい。
各単位処理装置1には、当該単位処理装置1が、プロセス処理におけるどのような単一の処理(レシピに対応した処理)を行う装置であるかを識別するためのレシピIDが、その外側面に記録される。該レシピIDの記録には、単位処理装置1のレシピの変更等に伴って書込、読み出しが非接触により容易に行えるように、RFID(radio freqency ID)が用いられている。
【0046】
また、該ガイドウェイ2と平行して、ウェハを収納する密閉搬送容器3を搬送するための搬送手段4が設けられている。この搬送手段4には、ベルト式やメカニカル式などの半導体製造装置に通常用いられる機構を用いることができる。
該搬送手段4は、単位処理装置1毎に設けられる後述するウェハ入出前室5の間で、該密閉搬送容器3を搬送するように構成されている。
【0047】
この密閉搬送容器3は、図3に示すように、直径0.5インチサイズのウェハが1枚、密閉収納されるように構成されている。
該密閉搬送容器3は、上部収納部3aと蓋部3bとからなり、その上部収納部3aの中央凹部に1枚のウェハを載置し、蓋部3bを下方から上部収納部3aに対し位置決めしながら収納させることにより、該ウェハが外気から遮断されるように構成されている。3cは該密閉搬送容器3を後述するウェハ入室前室5のドッキングポート5a上で位置決めするための位置決め用突起である。
また、該密閉搬送容器3にはRFIDが備えられており、該RFIDには、当該ウェハ処理に必要とされるレシピIDがレシピの処理順とともに書き込まれる。該密閉搬送容器3は、このように書き込まれたレシピIDに基づいて、所望のレシピIDが書き込まれた単位処理装置1が選択されるように搬送手段4が制御され、選択された単位処理装置1へ自動的に移動するように構成されている。
本システムで使用される直径0.5インチのウェハからは、1cm2(センチ平米)の半導体デバイスを1個作製することができる。つまり、本システムは、極小単位の半導体デバイスを作製するウェハサイズのウェハを用い、そのウェハを1枚ずつ枚葉処理する処理方式を採用することを特徴としている。
【0048】
また、各単位処理装置1には、前記1枚のウェハを前記単位処理装置1と前記密閉搬送容器3との間で受け渡すためのウェハ入出前室5が接続される。
該ウェハ入出前室5は、規格化された外形を有しているとともに同一の構成を有しており、どの単位処理装置1に対しても所定位置に配置され、同様に機能するように構成されている。そのため、各単位処理装置1の所定位置には、該ウェハ入出前室5を接続し保持するための接続部(図示せず)が設けられている。
該ウェハ入出前室5は、従来の半導体製造装置における処理チャンバーに設けられるロードロック室及びアンロードロック室と同様な機能を有するものであり、図2に示すように、密閉搬送容器3との接続のためのドッキングポート5aがその上部に設けられている。また、その側面に搬送ビューウインドウを設けても良い。
そして、該ウェハ入出前室5の内部には、該ドッキングポート5aに載置された密閉搬送容器3からウェハを取り出して、外気と遮断されたプロセス処理本体部1a内に搬入する搬入手段と、該プロセス処理本体部1aでの処理が済んだウェハを搬出して再度、密閉搬送容器3に収納する搬出手段を有している。これら搬入・搬出手段の動力は、対応する単位処理装置1から供給されるように構成されている。
【0049】
また、製造ラインが設置される床上には、単位処理装置1へ制御信号や電力、原料など供給したり、単位処理装置1から洗浄ガスや洗浄水などを排出したりするポスト6が、該製造ラインに沿って所定の間隔で配置され、単位処理装置1の配管コネクタ1gとコンセント接続されるように構成されている。このコンセント接続により、単位処理装置1を配置換えしても、原料や電力、制御信号などの供給を容易にすることができる。
【0050】
さらに、このように構成された半導体製造ラインの上方には、図1に示すように、単位処理装置1を再配置するためのレイアウト装置7が設けられている。
このレイアウト装置7は、ガイドウェイ2と平行して配置されるガイドレール7aと、該ガイドレール7aに懸垂されて移動する単位処理装置運搬部7bとを有している。
このレイアウト装置7は、各単位処理装置1のレシピIDの読み取り機構を有しており、中央制御装置からの制御信号に応じて、所定のレシピIDを有する単位処理装置1を選択し、選択した単位処理装置1を単位処理装置運搬部7bにより把持・運搬して所定位置に再配置することができるように構成されている。
【0051】
レイアウト装置7は、多数の単位処理装置1のレイアウト変更を素早く行うのには適しているが、一方で、レイアウト装置の設備コストが必要となる。そこで、レイアウト変更に時間を要してもかまわないか、レイアウト装置設備費用を省くために、単位処理装置1は人が搬送してもよく、そのような人による搬送では、前述したように単位処理装置1の底部のガイド部1cに設けられたキャスターが用いられる。
【0052】
図4に、本実施の形態例に係る半導体製造ラインの量産型の配置例を示す。
本発明では、上記したように1ウェハ1デバイスの枚葉処理を特徴としているので、ウェハ面積が非常に小さいことから、描画に時間がかかるマスクレスシステム(ウェハへの直接描画方式)が最適に適用できること、洗浄工程と検査工程を大幅に削減できることなどにより、メタル8層の半導体の作製を前提条件とした場合に、従来のメガファブにおける工程数600を400工程程度に短縮することができ、その工程数に対応した単位処理装置台数とすることができる。
したがって、この配置例(ミニマルファブ1)では、クリーンルーム化されていない通常の建屋内に、400台の単位処理装置1がフローショップ方式により工程順に配置されている。
【0053】
また、該製造ラインを全体制御する中央制御装置が設けられており、該中央制御装置は、製造単位数やそのレシピに応じて、密閉搬送容器3のRFIDへのレシピIDの書込、搬送手段4やレイアウト装置7の制御、あるいは各単位処理装置1におけるレシピ制御等を行う。
【0054】
また、図4の配置例(フローショップレイアウト)では、従来型のメガファブと比較して図7にミニマルファブ1として示すように、ウェハサイズは0.5インチ、システム内に滞在する仕掛かりウェハ数を400枚、使用するマスク数は0枚、床面積は360平米(18m×20m)で、設備投資額は約6億円にすぎない(各単位処理装置自体の価格を、100〜500万円とする。)。
この場合、生産能力は1cm2チップ換算で年間約50万個となるが、ウェハ稼働率は40%であり、資源利用効率は、0.2%である。
したがって、メガファブの年間生産個数約1億4千万個に匹敵する生産能力とするには、この配置例の製造ラインを280(=1億4千万/50万)ライン揃えなければならないが、メガファブの実際の稼働率を考慮するならば、実際上はその1/10程度で十分と思われるので、28ラインのマルチフローショップすると、その設備投資額は単純換算で170億円程度(28ライン×6億円)となる。 これは、メガファブの投資額3000億円の1割にも満たない。
また、0.5インチウェハは単価が非常に小さく、しかも仕掛かり枚数も400枚と極めて少ないので、その仕掛かりコストは、メガファブに比べて無視できるほど極小である。
さらに、1個のデバイスを作製するに要するエネルギー効率をメガファブと比べると、クリーンルームの動力エネルギーが1/10程度になるし、単位処理装置においては極小のウェハに対して局所的なプロセス処理を行うことなどからエネルギー効率が17/100程度になるなどにより、本発明では、工場全体のエネルギー効率をメガファブに比べ14/100程度に向上させることができる。
【0055】
また、上記の実施の形態例では工程数を400としているが、該工程数を更に省略することができる。
つまり、本発明では、現状での最先端でない微細加工精度をデザインルールに採用したとしても全く遜色のないシステムとすることができるので、現行のCMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスを不要とすることができる。該CMPプロセスでは研磨により微粒子が大量に発生するが、該プロセスを省略することにより、該CMPプロセスによる微粒子の発生が無くなるので、洗浄装置と検査装置とを大幅に省略することができる。従来のメガファブシステム(約600工程)では、洗浄装置と検査装置とで工程数の30%を占めているが、これら装置の割合を工程数の5%程度に省略することができる。これにより、150工程(=600×0.25)を省略することができる。
また、配線工程においても、該CMPプロセスに関連した工程を省略することができる。配線工程は全工程数の2/3程度あるが、このうち30%程度が該CMPプロセスに関連した工程であり、該CMPプロセスの省略により新たなプロセスを追加する必要があるとしても、これを5%程度に省略することができる。これにより、100工程(=600×2/3×0.25)を省略することができる。
また、配線工程においても、該CMPプロセスに関連した工程を省略することができる。配線工程は全工程数の2/3程度あるが、このうち30%程度が該CMPプロセスに関連した工程であり、該CMPプロセスの省略により新たなプロセスを追加する必要があるとしても、これを5%程度に省略することができる。これにより、100工程(=600×2/3×0.25)を省略することができる。
さらに、従来は搬送中の汚れを取るためのプラズマによるエッチングプロセスやIPA乾燥処理が全工程数の5%程度あるが、本発明では搬送中の汚れが殆ど生じないのでこれらが不要となる。これにより30工程(=600×0.05)を省略することができる。
これらの工程数の省略により、320工程(=600−150−100−30)程度に省略することができるので、単位処理装置数をより少なくすることができ、それに伴い設備投資額も少なくて済むこととなる。
【0056】
また、本発明の「1ウェハ1デバイスの枚葉処理」の特徴を最大限利用するには、上記のマスクレスシステムから更にリソグラフ工程を省略したリソレスシステムが一層有効である。
このリソレスシステムを採用すると、工程数は上記の320工程から、図8に示すセルショップシステムのように、更に22工程まで省略することができるので、単位処理装置数は22台で済むこととなり、図7にミニマルファブ4として示すように、設備投資額も0.5億円と更に少なくて済むこととなる。
【0057】
このように、本発明における半導体製造装置及び半導体製造方法は、従来の「メガファブ」とは技術思想を異にし、いわば「ミニマルファブ」とも言うべき、全く新たな概念の半導体製造装置及び方法を構築するものである。
【0058】
ところで、上記したフローショップ方式による配置例により、製造単位(オーダー数)が数個〜数十個の半導体を作製する場合を想定する。
この場合は、単位処理装置数が製造単位数よりも多いため、仕掛かりウェハが殆ど発生しない状態、つまり稼働しない単位処理装置が多数発生してしまう状態となるので、製造ライン全体の処理効率はむしろ低下する。
このため、このような製造単位の場合は、単位処理装置数を減らす方が有利である。この場合、図8にあるようなセルショップで一つ一つデバイスを製造するとよい。
【0059】
問題は、大きな工場を建設し単位処理装置を多数導入している工場において、不況などによって注文数が激減する場合である。装置を廃棄したり、利用しないでいるのは、設備の稼働率の点で不利である。
このような不況時には、本来、次の好況フェーズに向けて新しい商品(デバイス)を開発、試作、少量販売してゆくべきである。何が売れるかわからないので、多数の試作や少量販売を試みることになる。そのためには、試作に向いた小さな単位のファブを沢山用意するのがよい。
本発明では、それは図6のマルチセルショップ方式で実現される。このマルチセルショップでは、先のセルショップが多数(マルチに)含まれており、セルの数だけの品種を作ることができる。品種が少なくて済むのであれば、必要なセルショップだけ稼働させれば良く、搬送手段も含めフローショップ全体を稼働させるより遥かに効率的である。
このマルチセルショップがこれまでのセル方式と根本的に異なっている点は、上記したフローショップとの間でフレキシブルにレイアウト変更と製造方式変更が極めて容易にできることである。
【0060】
次に、マルチセルショップで製造していた少量品が市場で受け入れられ、沢山の注文が入るようになるとする。すなわち、製造単位(オーダー数)が数百個程度、つまり単位処理装置1の数と同等の数の半導体デバイスを作製する場合を想定する。
この場合には、マルチセルショップレイアウトを図5のクラスセルショップレイアウトへ極めて容易に変更することができる。このクラスショップレイアウトは、多品種を同時に生産することができる。
この場合、単位処理装置群は、製造プロセスの上流(はじめの方)から下流(終わりの方)へ向かって、大きく例えば4分割される。最初のプロセス群は、トランジスタゲート工程(クラス1ベイ)であり、トランジスタソース・ドレイン工程(クラス2ベイ)が続く。その後、ローカル配線工程(クラス3ベイ)があり、最後にグローバル配線工程(クラス4ベイ)が配置される。システムLSIデバイスの場合、それぞれ約100工程くらいあり、単位処理装置も各クラスベイに約100台ずつ配置される。このような製造の手順に沿った大分割においては、一つのクラス工程が終了して次のクラスへ処理ウェハが搬送されると、そのウェハはもはや前のクラスへ戻ることはない。すなわち、ウェハは、クラス1→クラス2→クラス3→クラス4と搬送される。
このクラスショップレイアウトは、半導体デバイスにおいては新しい生産方法であり、いわば工程の大分類レベルにおいてフローショップとなっているが、一方、そのクラス内部では、ウェハは各種装置を行き来するので、フローショップとなっていない。1つのクラスベイ内では、単位処理装置の種類別の配置であるジョブショップレイアウトを採ることができる。
このジョブショップレイアウトの場合は、ウェハを人が搬送する場合には、同一種の製造装置が密集して配置しているので、製造中でない空いている単位処理装置をその場で同定しやすいという優位さがある。すなわち人の導線を極小化することができる。また、ウェハを機械で運ぶ場合、特にRFIDからの情報を利用して次の単位処理装置を決定する場合には、物理的なウェハ搬送距離を最小化して短納期化するために、プロセス種の異なる単位処理装置を、意識的に比較的ランダムにレイアウトする方法も採ることができる。
【0061】
以上のように、本発明においては、一つの大きさ例えば図4、5,6にある、単位処理装置が400台導入されている、20m x 18mの工場において、その装置数を全く換えずに、大量生産向けのフローショップ、中量生産向けのクラスショップ、少量生産向けのマルチセルショップの3つのレイアウトを、生産品の注文数に応じて、フレキシブルに変更できる。
このようなフレキシビリティは、従来のメガファブでは実現されたことがなかった。これが実現されている主な理由は、本発明にかかる、極小単位のウェハとそのために規格化された小さな単位処理装置群、そして単位処理装置に可搬な機能を付加する各種構造と装置レイアウトを可能にするファクトリーシステムにある。
【0062】
フローショップとクラスショップのレイアウト変更の判断基準は、2つある。
一つの判断基準は、フローショップにおいて製造単位数が工程数程度に減ってきた場合である。製造単位数が単位処理装置数と同等であると、最後のウェハに対する処理が終わった単位処理装置は休止状態になってしまう。最初のウェハがファブに投入されてから最後のウェハが最終工程を終えるまでにかかる時間は、一つのウェハに係る処理時間の2倍となる。すなわち、製造単位数と単位処理装置数が同じ場合、装置稼働率は平均で50%へ低下する。最後のウェハが終了してから、次の別の品種の製造へ向けて、装置レイアウトを、その新しい品種のプロセスレシピの順番に配置変更する。装置稼働率が50%を下回ると、工場の生産性に重大な悪影響があるので、そのような場合には、多品種を同時に生産できるクラスショップレイアウトが有利となる。さらに詳細には、製造単位数が少しでも単位処理装置数を下回ると、製造中のどの瞬間においても単位処理装置がフル稼働(100%稼働)していることはありえなくなり、やはり工場を稼働させる点で大変不利である。すなわち、単位処理装置数と同等の製造単位数は、フローショップの下限値である。
もう一つの判断基準は、同時生産する品種数が2品種以上の場合である。この場合、原理的にフローショップでは2つの品種を同時にプロセスレシピ順に流すことは不可能である。
ただし、2つの品種のプロセスレシピが極めて似通っている場合がある。これは実際のLSIプロセスなどでは良く見られる事例である。たとえば、400工程のうち、1工程のプロセス内容だけが異なっている場合には、その異なった2つのプロセス用の単位処理装置を2台連続して配置し、どちらか必要な単位処理装置だけを選択し、選択しない単位処理装置は、スキップすればよい。この場合、単位処理装置数は1台増えて401台となる。この例の場合には、2品種をフローショップレイアウトによって、製造することが可能となる。このように、フローショップの単位処理装置数を増加させ、全ての品種で使わない装置を挿入する、僅かな冗長性を付加することで、フローショップを多品種対応とすることも可能である。
【0063】
次に、クラスショップレイアウトとマルチセルショップレイアウト変更の判断基準を示す。
クラスショップ方式では、ほぼ同じ種類のプロセスの製造物が複数品種ある場合に有利な方法である。従って、試作や全く新しいデバイスを製造する場合や工程数が大きく異なるデバイスを複数種製造する場合、また、多数の品種を同時に製造する場合、クラスショップレイアウトでは難しくなり、マルチセルショップが有効になる。
なお、単位処理装置のプロセス条件は、フローショップレイアウトとクラスショップレイアウトでは、固定しやすくなるが、マルチセルショップレイアウトにおいては、幅広い品種を製造するためセル毎にプロセス条件を適宜変更することになる。
【0064】
このように、本発明では製造単位数(オーダー数)や該製造単位の処理に必要なレシピあるいは単位処理装置数に応じて最適な製造ラインを適宜容易に再構築することができ、再構築することによるコストを殆ど必要としない。
そして、そのように再構築した製造ラインで、1個から、月産数十万個〜数百万個(複数の製造ラインとした場合)の半導体製造までを賄うことができ、いわば変種変量生産を、効率良く、しかも適切な品質を保持しつつ行うことができるので、研究開発段階から大規模生産段階までの半導体製造ニーズに容易に対応することができる。
つまり、1個注文などの大変少ない製造単位数に対しては、1つのセルショップで対応可能である。すなわち、製品製造の初期、特に試作段階などにおいて、注文数が単位処理装置数と同等となる数を下回る場合、単位処理装置数に比べ大変少なくなった場合には、セルショップまたはマルチセルショップで製造する。
その後、ある品種またはいくつかの品種の注文数が増加し、単位処理装置数と同等となる場合、より製造速度が速いクラスセルショップ配置に変更できる。
さらに、単一品種の注文数が増大し、それのみの製造する場合には、その品種のプロセス手順(プロセスレシピ)の順序に該単位処理装置を配置するフローショップ配置に変更し、さらに製造速度を向上させることができる。
そして1つのフローショップの製造能力を超える注文が有る場合には、フローショップをパラレルに配置するパラレルフローショップ方式として拡張し、注文数だけ製造することが可能となるのである。
【0065】
また、本発明においては、フローショップ、クラスショップとマルチセルショップの3つのレイアウトにおいて、単位処理装置数と必要工場床面積は不変である。すなわち、製造単位数と製造種類数が変化しても、単位処理装置数と工場面積は全く同じままで、ショップレイアウト配置を変更することができる。これは、製造物の製造数と種類数の大きな変動に対して、新たな投資を全く必要としないという大きな特長である。
【0066】
本実施の形態例では、各単位処理装置1は外形が規格化されているので、該単位処理装置1のレイアウト変更に伴う運搬やガイドウェイ2上への位置決め作業等が容易となる。また、各単位処理装置1とウェハ入出前室5との接続や、各単位処理装置1とポスト6とを接続する構成を規格化することができ、デバイス製造システムとしてのコストパフォーマンスに優れている。また、密閉搬送容器3を搬送する搬送手段4の搬送制御やレイアウト装置7の運転制御を単純化することもできる。
さらには工場内での単位処理装置を配置するための構成を規格化することができるなどにより、デバイス製造システム全体のコストを下げることができる。
【0067】
このように、上記の実施の形態例では、単位処理装置の配置換えを容易にする等の要請から、各単位処理装置の外形は規格化されているが、例えば、単位処理装置に必要とされる原料と廃棄物の量によっては、その外形を規格化することは難しい場合には、その原料・廃棄物処理装置などの付属ユニットは、それ自体の外形を単位処理装置と同じ規格とし、単位処理装置に隣接させて配置するなどにより、配置されるユニットの外形を、極力、規格化することが望ましい。
しかしながら、そのようにしたとしても単位処理装置自体の小型化が困難な場合などには、単位処理装置を規格化の整数倍のサイズとすることにより、工場内装置レイアウトを容易にすることができる。
さらに、それでも小型化や規格化が困難であったり、小型化や規格化によってむしろ単位処理装置製造コストが高く付く場合や、デバイス製造に必要な必要装置が規格化されていない装置である場合には、そのような装置を単位処理装置群に挿入して利用することが可能である。
このような規格化されていない装置のレイアウトへの挿入はレイアウト効率と搬送効率を僅かに下げるが、その装置が必須の場合には、それを利用することは可能であり、本発明においては、レイアウト内の全ての処理装置の外形を規格化することを、必ずしも必要としない。このような規格外処理装置を配置する場合には、出来るだけ処理装置列の端に配置することで、搬送効率の低下を最小限に抑えることができる。
【0068】
また、上記の実施の形態例では、レイアウト装置7を用いて自動的に単位処理装置1のレイアウト変更をしているが、単位処理装置1は、人によって移動できる程度の形状及び重量とされているので、配置換えの必要に応じて人の手によってレイアウト変更を行うことができるから、そのようにレイアウト変更することを前提に該レイアウト装置7を省略することもできる。
【0069】
また、上記の実施の形態例では、単位処理装置1で消費される原料ガス等を配管コネクタ1gを通じて単位処理装置1外部から供給しているが、このように外部から供給することなく、各単位処理装置1に必要な供給源を有するように構成することもできる。
このように構成すると、単位処理装置自体の可搬性が向上すると共に、製造ラインにおける配管系が単純化されるので望ましい。
【0070】
また、上記の実施の形態例では、密閉搬送容器3に収納されるウェハは、1cm2の1個の半導体デバイスを作製するウェハサイズとして、直径0.5インチのウェハサイズとしたが、前記デスクトップサイズの単一処理装置1で1枚ずつ枚葉処理しうるウェハサイズであればこのウェハサイズに限ることなく、それを越えるかまたはそれを下回る大きさのウェハサイズとすることができる。また、そのようなウェハから作製される極小単位のチップ数は、作製されるデバイスの大きさにもよるが、1個に限定されることなく、2個以上としても良い。
【0071】
また、上記の実施の形態例では、半導体デバイスの最終製品までの作製例を示したが、特に最終製品の作製に限ることなく、半導体製造工程の途中の工程のみを処理するものとして構成することもできる。そのような場合は、上記の実施の形態例と同様、そのような工程における単一の処理プロセス数との関係によって単位処理装置数が設定され、さらに製造単位数との関係によって効率的なショップレイアウトが選択・設定されるのである。
【0072】
さらに、上記の実施の形態例では、半導体デバイスでの作製例を示したが、特に半導体デバイスの作製に限ることなく、金属ベースの精密機器・デバイス、絶縁体ベースの精密機器・デバイス、更には、バイオ系等の種々の材料からなるデバイスを製造するシステムとして構成することもできる。
そのような場合は、上記の実施の形態例と同様、そのようなデバイスの作製工程に必要な種々の物理プロセス、化学プロセス、バイオプロセスに対応する処理装置が、工程実行のための単位処理装置として組み込まれる。
さらに、本発明は、上記の実施の形態例における半導体デバイスと、上記の半導体以外の種々の材料をベースとする少なくとも1つのデバイスとのハイブリッドを作製する際にも効果を発揮する。特に、上記種々の材料からなるデバイスが結合された結合系デバイスを作製する際に、各材料分野独特の処理プロセス数と前記した製造単位数との関係によって、効率的なショップレイアウトが選択・設定されるものである。
具体的には、反応装置、特にマイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置、メディカルデバイス、内視鏡部品、コンタクトレンズ作製機器、透析機器、医用ディスポーザル製造装置、製薬装置などを連結要素として導入することができる。
かかる連結要素を持ってシステムを構成する場合、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、植物工場技術などの分野に亘ってトータルな一連のプロセスフローに対応して各種の材料の処理プロセスを高いフレキシビリティを持って低コストで簡便に実行することができる。トータルな一連のプロセスフローに対応して無機材料または有機材料、バイオ材料を用いた各種の素子を高いフレキシビリティを持って低コストで簡便に実行することができる。
【0073】
なお、図8に示すセルショップにおいては、クリーンルームの必要が無く、しかも設置スペースも極めて狭小で良く、安価でかつ運転コストの小さな製造システムである。また、大学や研究機関においても容易に構築でき、必要に応じて再配置が自由であり、各自の研究成果をこのような実際の製造システムに容易に取り込むことができるなど、非常に有用な製造システムである。
【符号の説明】
【0074】
1 単位処理装置
1aプロセス処理本体部
1b単位処理装置側コネクタ部
1cガイド部
1d装置上部
1e装置下部
1f上下連結スペーサ
2 ガイドウェイ
3 密閉搬送容器
4 搬送手段
5 ウェハ入出前室
5aドッキングポート
6 ポスト
7 レイアウト装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス製造プロセスの内の単一の処理プロセスを処理する密閉型の複数の単位処理装置と、ワーク対象のウェハを1枚収納する密閉搬送容器と、前記単位処理装置毎に設けられ、前記ウェハを前記単位処理装置と前記密閉搬送容器との間で受け渡すためのウェハ入出前室と、前記ウェハ入出前室の間で前記密閉搬送容器を搬送する搬送手段と、を有するデバイス製造装置であって、
前記密閉搬送容器に収納される前記ウェハは、極小単位のデバイスを作製するウェハサイズであり、前記複数の単位処理装置は、可搬とされており、
前記複数の単位処理装置は、当該デバイスの処理プロセスの順序に対応させて配置するフローショップ方式により配置するが、当該デバイスの製造単位数が前記単位処理装置の数と同等の場合には、該単位処理装置を処理プロセスの順序の大分類ごとにクラス分け配置したクラスショップ方式により配置し、さらに製造単位数が前記単位処理装置の数を前記同等より下回る場合には、プロセス種1種類に1台程度の単位処理装置を1つのセル内に配置し、前記セルが複数で構成されるマルチセルショップ方式により配置することを特徴とするデバイス製造装置。
【請求項2】
前請求項1において、前記単位処理装置は、いずれも規格化された外形を有していることを特徴とするデバイス製造装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記製造単位数および該製造単位の処理に必要なレシピに基づいて、前記複数の単位処理装置を前記フローショップ方式または前記クラスショップ方式または前記マルチセルショップに配置するレイアウト装置を有していることを特徴とするデバイス製造装置。
【請求項4】
請求項1ないし3において、前記製造単位数に応じて、前記フローショップ方式の製造ラインを複数ラインとすることを特徴とするデバイス製造装置。
【請求項5】
請求項1ないし4において、前記極小単位を1個とし、前記ウェハサイズを直径0.5インチとすることを特徴とするデバイス製造装置。
【請求項6】
極小単位のデバイスを作製するウェハサイズのウェハを用い、デバイス製造プロセスの内の単一の処理プロセスを処理する密閉型の単位処理装置を複数用いてデバイスを製造するデバイス製造方法であって、
前記複数の単位処理装置は、可搬とされており、
当該デバイスの製造単位数が前記単位処理装置の数より多い場合には、前記複数の単位処理装置を当該デバイスの処理プロセスの順序に対応させて配置するフローショップ方式により配置するが、当該デバイスの製造単位数が前記単位処理装置の数と同等の場合には、該単位処理装置を工程の順序の大分類ごとにクラス分け配置したクラスショップ方式により配置し、さらに製造単位数が前記単位処理装置の数を前記同等より下回る場合には、プロセス種1種類に1台程度の単位処理装置を1つのセル内に配置し、前記セルが複数で構成されるマルチセルショップ方式により配置すること特徴とするデバイス製造方法。
【請求項7】
請求項6において、前記単位処理装置は、いずれも規格化された外形を有していることを特徴とするデバイス製造方法。
【請求項8】
請求項7において、前記極小単位を1個とし、前記ウェハサイズを直径0.5インチとすることを特徴とするデバイス製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−54414(P2012−54414A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195996(P2010−195996)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】